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1959/08/12 第32回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第032回国会 決算委員会閉会中審査小委員会 第3号
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1959/08/12 第32回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第032回国会 決算委員会閉会中審査小委員会 第3号

#1
第032回国会 決算委員会閉会中審査小委員会 第3号
昭和三十四年八月十二日(水曜日)
    午前十時四十三分開議
 出席小委員
   小委員長 鈴木 正吾君
      池田 清志君    鹿野 彦吉君
      堀内 一雄君    松澤 雄藏君
      小川 豊明君    上林與市郎君
      西村 力弥君    山田 長司君
      横山 利秋君
 小委員外の出席者
        労働事務官
        (大臣官房長) 澁谷 直藏君
        労働事務官
        (大臣官房会計
        課長)     和田 勝美君
        労働基準監督官
        (労働基準局労
        災補償部長)  村上 茂利君
        労働事務官
        (職業安定局失
        業対策部長)  松永 正男君
        労働事務官
        (職業安定局失
        業保険課長)  鈴木 健二君
        建設事務官
        (大臣官房長) 鬼丸 勝之君
        建設事務官
        (大臣官房会計
        課長)     南部 哲也君
        建設事務官
        (大臣官房日本
        住宅公団首席監
        理官)     國宗 正義君
        建 設 技 官
        (河川局防災課
        長)      畑谷 正實君
        会計検査院事務
        官
        (第三局長)  白木 康進君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
八月十二日
 小委員川野芳滿君及び高橋英吉君同月十一日委
 員辞任につき、その補欠として池田清志君及び
 松澤雄藏君が委員長の指名で小委員に選任され
 た。
同日
 小委員千葉三郎君及び神近市子君同日小委員辞
 任つき、その補欠として堀内一雄君及び上林與
 市郎君が委員長の指名で小委員に選任された。
同日
 小委員上林與市郎君同日小委員辞任につき、そ
 の補欠として横山利秋君が委員長の指名で小委
 員に選任された。
同日
 小委員森本靖君同月十日委員辞任につき、その
 補欠として西村力弥君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
同日
 小委員池田清志君、堀内一雄君及び松澤雄藏君
 同日委員辞任につき、その補欠として井原岸高
 君、押谷富三君及び高橋禎一君が委員長の指名
 で小委員に選任された。
同日
 小委員横山利秋君及び西村力弥君同日小委員辞
 任につき、その補欠として神近市子君及び森本
 靖君が委員長の指名で小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十一年度政府関係機関決算書
     ――――◇―――――
#2
○鈴木小委員長 これより決算委員会閉会中審査小委員会を開会いたします。
 昭和三十一年度決算について審査を進めます。本日は労働省及び建設省所管について審査に入ります。
 まず労働省所管について会計検査院当局の説明を求めます。白木第三局長。
#3
○白木会計検査院説明員 それでは三十一年度の労働省所管の分について概略を申し上げます。
 労働省所管のうち、一般会計の分につきましては、三十一年度におきましても従来通り歳出決算額の半ばを占めておりますところの失業対策事業費補助金の経理を中心に検査をいたしております。検査の結果は、ここに掲げております通り約六百七十七万余円、事項にして二十事項というものを指摘しております。その内容は、これも大体従来と同様でありまして、たとえば失業者の就労者の夏季、年末対策、その他この失対事業の補助の対象としてはならないような賃金を含めておる。あるいは失対事業に関係のない事業の経費を含めておるというようなことで、いずれも補助金の返納を要するというものでございます。検査の方は、大体従来と同程度の検査を実施しておりまして、結果としまして、まあ幾らか改善されておるということで、これは労働省あるいは都道府県の職業安定主務課の指導監督が幾分強化されている、あるいは事業主体の方においても多少自覚をしておられるというようなことではなかろうかと考えております。
 なお、失業対策事業につきましては、ただいま申し上げました経理面の問題のほかに、非常にむずかしい労務管理の問題、それから、たとえば失対事業として失業者に適当などのような事業計画を採択するかというようないろいろな問題がございまして、そのうち特に私どもの検査の結果、一般的に痛感いたしますことは、就労者の失対事業における作業能率が、公共事業の一般の場合と比べて、低いのは当然でありますけれども、それにしても非常に低過ぎる場合が少くない。極端に低いような場合が少くない。これは労務管理の問題とも関連しまして、労働省当局においてもいろいろ御苦心の存するところと思いますが、その他の生活保護費、その他の施設等の関連におきましても、やはり失対事業としてある程度の事業効率、事業能率というようなことは、会計検査院としても相当関心を持っておるということを申し上げておきます。次に、特別会計の関係でございますが、ここに掲げております労働者災害補償保険特別会計、それから失業保険特別会計、この二つの特別会計について記述しております。
 まず労災保険の関係でございますが、これも大体従来と同様に、保険給付、特に休業補償費を中心に給付の状況を検査しております。もう一つは、保険料の徴収状況でございます。休業補償の関係につきましては、ここに書いてあります通り、検査の結果、被災労働者が業務上負傷あるいは疾病というような関係から休業をいたしまして、その休業期間中に事業主から賃金の支払いを受けておるのに休業補償費を給付しておる、あるいは補償費算定の基礎となる休業日数とかあるいは平均賃金額に誤まりがあるというような関係、こういった点が相当指摘されております。その結果は、大体調査件数の約八%に相当する五千五百余件、金額にして八百三十万余円というものが指摘されております。こういった事態になりました原因としましては、取扱い官庁でありますところの労働基準監督署において、こういった給付の申請に対してほとんど実査をやっていないということが主たる原因であろうかと思いますが、この点はその後相当に改善されております。
 それから次に、労働者災害補償保険の保険料の徴収関係でございますが、これも従来と大体同程度の検査を実施しましたところが、事業主から報告されますところの賃金総額が事実と相違しているという点を検査の結果指摘いたしまして、当局に追加徴収をしていただきましたものが金額にして約千百余万円という数字に上っております。これは主として私どもの方としましては、各都道府県において失業保険関係の担当部門で調査されました関係の資料がそのまま活用できるのでございまして、これをもとにして検査したわけでありまして、これは労災保険の場合においてもやはりこういった資料を御活用になって、なお相当に徴収に努力される必要があるのではないかと考えております。
 なお、この徴収に関連して一言申し上げておきますことは、労災保険におきましては、三十一年度末の決算におきまして十三億千九百余万円の未収金を計上しております。この中には二十九年度以前の分、これはこの保険料の時効が三年という短期時効になっておりますので、そういう観点から見まして二十九年度以前の分が五億五千七百余万円ございます。これは時効完成等によって不納欠損のおそれがございますので、こういった未収金の徴収整理については特に御留意を願いたいということで、ここに簡単に記述しておる次第でございます。
 次に、失業保険特別会計について申し上げます。この会計は三十一年度におきまして非常に大きな利益を計上しておりますが、これは前年度三十年度の約三倍百二十八億という利益を損益計算上計上しております。これは経済の好転を反映した結果でございまして、一方において賃金が一般的に上昇しておる、それから被保険者の数が増加しておる、このために保険料が相当増額になっております。これに反しまして支出の方では、保険金が三十年度中に一部増額改定がありましたにもかかわらず、失業者の数が相当減ったということで大幅に保険金の支出が減っておりまして、差引このような利益の増加を来たしておるということでございます。
 この検査の関係は、やはり労災保険の場合と同様に、保険給付それから保険料の徴収の関係を中心に検査をいたしたのでありますが、特に保険給付につきましては、失業保険を受けておる失業者が再就職した場合に、これは本人からも当然届出があるべきものでありまして、同時に再就職した事業所からも失業保険法に基きまして被保険者資格取得届というものを提出することになっております。そこで本院におきましては、こういった被保険者資格取得届等を基準にして、言いかえまするならば、当局において御所持になっている資料を活用しまして給付の状況を検査いたしましたところが、失業者が再就職をしたのにその届出を怠って保険金を引き続き請求する。これに対して今の資格取得届のようなものを十分に審査しないで保険金を支払ったために、不正の受給が行われておる。こういう関係が相当出て参りまして、これはここに書いてありますように約二千人分、二千六百万円というものを指摘しております。この点につきましては、労働省においても特に不正受給の防止ということに努力しておられまして、現に三十一年の六月から失業保険給付調査官というものが相当数設置されまして、その後相当にこの面においては改善されておるのではないかと思いますが、何分にも非常に数の多いことでありまして、しかも就職の場所というものは、必ずしも同一公共職業安定所管内とは限らぬわけでありまして、不正受給の捕捉ということはなかなか困難であろうと思いますので、なお一そう不正受給の防止には御留意を願いたい、こういうふうに考えております。
 なお、この会計の保険料の徴収につきましては、やはり労災の場合と同じように、また前年度と同じ程度の検査を実施しまして、ここに掲げておりますように、約一千百万余円というものを当局に追加徴収していただいております。
 なお、失業保険特別会計におきましては、職員の不正行為によって保険料を領得されたものが一件ございます。これは福岡県労働部の失業保険課におきまして、分任収入官吏の大坪某という職員によりまして、この職員が失業保険料の徴収、収納事務を担当中、自己の領収した保険料等を国庫に払い込まないで領得したもの約八十四万円ということでございます。
 簡単でございますが、これをもって終ります。
#4
○鈴木小委員長 次に質疑に入ります。質疑の通告があります。これを許します。小川豊明君。
#5
○小川(豊)小委員 検査院の方にお尋ねしますが、検査院のこの指摘した事項に対して、その後是正措置をどうしたか、この点を一つお聞きしたい。これは事後処理状況の概要について説明書をもらっております。それで、説明書をもらった以後の状況について、指摘した事項の処理がどう行われておるか、こういう点を一つ。
 それから、失業対策事業の補助金の中の経理当を得ないものという中で、第九五三号―第九六一号の間で、特に三重、徳島、福岡。福岡は三十、三十一、三十二の三カ年にわたっているわけですね。それから大阪は二十九、三十、三十一、三十二と四カ年にわたっている。兵庫は二十九、三十、三十一、これも三カ年にわたって指摘を受けております。年々続けてこういうことが行われているとすると、あなたの方からいって、是正の措置が十分であったとは、私どもちょっと認められない。そこで、この是正措置をどういうふうになされたか、この点をお聞きしたい。
#6
○白木会計検査院説明員 ただいま申し上げました私どもの指摘事項に対する是正の状況でございますが、簡単には先ほど御説明申し上げたつもりでございます。まず、この失対事業の分につきましては、私どもの方でここに国庫補助基本額から除外すべきものとして掲げておりますものは、現在全部返納になっております。それとは別に、こういった事態が相当繰り返されておるものがある。今御指摘のような県、特に、たとえば福岡県とか、あるいは近畿地方の一部の県等におきましては、毎年同じようなケースがあるということでございますが、こういった事態も、その後は比較的に私どもとしては改善されておるように見受けております。もちろん、これは労働省の行政指導、あるいは都道府県の職業安定課においても、たび重なる指摘に対して、いろいろ工夫をして改善に努力しておられる結果と考えております。多少御質問と違ったことになるかと思いますが、私どもの方といたしましては、こういった経理面はかなり改善されておると考えておりますので、むしろ最近におきましては、この労務管理あるいは失業保険事業の法律的な施行、こういったものに従来よりも多少重点を注いで検査をしております。この分についても、やはり今御指摘がありましたように、特定の県が特に目立つという傾向もあるようでございますので、この点については、もう、つとに当局においても留意されまして、いろいろ御努力になっておるようであります。何分にも、この失対事業につきましては、いろいろ非常にむずかしい問題が多い関係上、普通の、たとえば公共事業の補助金のように、簡単に是正ということはなかなかむずかしかろうかと考えております。あまり的確な答弁ではないと思いますが、失対事業についてはそういうふうにやっております。
 それから保険関係、まず労災保険でございますが、これは先ほど申し上げましたように、大体調査事項の八%程度の給付の不適正事項があるということは、これは相当問題だと思います。これも労働基準監督署におきまして資料の活用、私どもの方から、こういった資料を活用してこういうふうにおやりになったらどうか、というようなことで、たびたび意見を申し上げておりますが、そういった資料の活用であるとか、あるいは実査の率が非常に高くなったということで、最近は幾分減少しております。
 それから、次に保険料の関係でございます。これは先ほど申し上げましたように、労災保険の保険料と失業保険の保険料とは、対象となる事業所は大体同じものでございます。一方において保険料の徴収の関係で調査された事項、これはそのまま失業保険にも活用されるわけであります。逆に私どもとしては、労災保険の場合には、都道府県の職業安定課で調査しております失業保険関係の調査資料、これは事業所の賃金総額その他の関係でございますが、これを労災保険の場合に活用しましてこういった指摘をしておるわけでございまして、こういった資料の相互活用というようなことについて、たびたび当局にお願いをしておるのでありますが、この面はまだ必ずしも活用が十分であるとは考えておりません。
 なお、失業保険の保険給付については、先ほど申し上げましたように、三十一年から失業保険給付調査官というものが設置されまして、その後かなり改善の方向に向っておるというふうには考えております。
#7
○小川(豊)小委員 それでは、今度は労働省の方にお尋ねいたします。
 今私、検査院の方へお尋ねしたわけですが、この指摘された事項の是正措置、これはあなたの方ではどういうふうにやっておるか。ことに、今お尋ねしたように、この説明書以後の事後処理の状況ですね。それから、今やはり申し上げた三重とか福岡とか、あるいは大阪とか兵庫とか、二年も三年も、ある場合には四年も続いて指摘されながらこういう事態を起していることに対して、あなたの方は、一体どういうこれに対する是正措置というものをとられたか。この点をお尋ねします。
#8
○和田説明員 ただいまの御質問でございますが、失業対策事業関係では、会計検査院から御批難、御指摘をいただきました点は、全部御指摘の通り回収返納済みであります。ただ、例年そういう点が繰り返されているという御指摘でございますが、失業対策事業は、最近非常に著しく拡充を見まして、その結果、事業内容あるいは規模、実施地域というものが非常に複雑多岐にわたっております。私どもといたしましては、一そう適正な運営をやりたい、こういうように考えまして、三十一年の二月に、労働省訓令におきまして失業対策事業監察官規程、こういうのができておりますが、それに基いて、専門の監察官を労働省に九名、都道府県に百八名配置をいたしまして、事業主体の指揮監督を強化し、御指摘のようなことのないように、未然防止について努力をいたしております。また補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律、これの規定に基きまして、補助金の交付決定等の事務手続については、十分慎重な経理を行いまして努力をいたしておりますが、検査院からのお話もございましたように、何分にも失業対策事業は特に困難な問題が多いことでございまして、私どもも、そういう点につきましては、今後とも十分御趣旨に沿って改善をして参りたいと思います。
 なお保険関係でございますが、労災関係で申し上げますと、保険給付で適正を欠いたものの回収状況は、御指摘のありました総額が八百三十二万二千五百八十四円でありまして、回収をいたしましたものが六百九十五万九千五百九十五円、未回収が百三十六万二千九百八十九円。同じく労災関係の徴収不足のものでありますが、これは御指摘ありましたのは、保険料、追徴金、総額で千百三十六万八千二百六十八円でございますが、収納をいたしましたものが千九万八千四十八円、未処理になっているものが百二十七万二百二十円。こういう状況でございまして、未処理分につきましては、今後ともなお努力を重ねて参りたいと思います。
 失業保険関係でございますが、保険給付の適正を欠きましたものの回収は、御指摘のありましたのが二千六百十三万二千九百七円、回収を終りましたものが九百八十万七千八百四十五円、未回収が千六百三十二万五千六十二円。この失業保険関係は御承知のように、不正の受領をいたしましたものが、失業者あるいはそれに準ずるというような状態のものでございますので、回収については非常に苦慮いたしております。これにつきましては、三十年の九月の法律改正によりまして、被保険者の資格の取得及び喪失、これによる確認制というものを法律によって設けてありまして、これを活用して防止をはかりますとともに、三十一年の七月からは失業保険給付調査官制度というものを設けまして、全公共職業安定所に給付調査官を置きまして、不正受給の未然防止あるいは早期発見ということに努力をいたし、そのほか各安定所ごとに、失業保険の受給資格者名簿を備えつけまして、この不正受給が出ますのは安定所間を渡り歩く者に多うございますので、安定所間の連絡を緊密にするとか、相互注意を行うというようなことで、鋭意努力をいたしております。
 次に、保険料の未徴収関係について御指摘がありましたのが千百五十五万三千六百八十四円、これに対しまして収納済みが千二十六万七千三百九十九円、現在なお収納ができておりませんのが百二十八万六千二百八十五円、こういうことでございます。
 検査院の御指摘のように、労災保険の方と失業保険の方とは対象が大体同じでございますので、相互の資料を交換をいたしまして、今後とも十分調整をとりますとともに、失業保険の方にも監察官制度がございます、これを活用いたしまして十分やって参りたい。ただ、人員の制限その他等のいろいろな難点がございますが、できるだけの努力を重ねて参りたいと考えております。
#9
○小川(豊)小委員 それから、検査院から失対の方の就業者の作業能率が非常に低い、これは労務管理がよくないんじゃないか、こういうことで、この点にかなり重点を置いた検査が行われたようですが、あなたの方でこれに対する作業能率を高める措置といいますか、そういうことに対しては、どういう方策をとられていますか。
#10
○松永説明員 ただいまの小川先生の御質問でございますが、検査院からの御指摘にもございましたように、一般的な公共事業等に比較をいたしまして、失対事業の能率が必ずしもよくないということは御指摘の通りでございます。この点につきましては、われわれといたしましても常々いろいろ工夫をいたしておるところでございますが、本質的に申しまして、失対事業就労者はその前歴等がそれぞれまちまちでございます。それからまた年令、体力等もそれぞれ違っておりまして、一般の事業における労務管理のように非常に規律正しく整然といくということのためには、条件が非常にむずかしいという点がございます。もちろんそういう点はございますが、われわれといたしましても、あらゆる面から能率を上げるように努力をいたしておるのでございます。たとえて申し上げますと、賃金の面におきましても、各作業ごとの応能賃金制を実施をいたしまして、労務者の質と量に見合う賃金を支給するようにできるだけやっていくということをいたしております。それからまた、作業についての経験が不十分でございますし、あるいは全く未経験というような労務者が多うございますので、これに対しましても必要に応じまして現場で作業の訓練をするという施策も講じておる。それからまた、監督管理の面におきましても、なかなかいろいろ問題がございますので、管理監督要員の身分も確保いたしまして、十分に必要な監督ができるようにということをいたしております。それからまた、失対事業を十数年やっておりますと、失対現場が各事業主体から相当離れてきておる。各市町村に集合する場所がございますが、そこから相当遠くまで行かなければならぬというような点がございまして、その往復に非常に時間がかかる。そのために諸掛りが非常につくというような点もございますので、できるだけこの点も改善いたしたいという意図のもとに、昨年から継続紹介ということをやっております。継続的に一つの作業現場に――今までは毎日安定所に出頭いたしまして、そこで紹介を受けて行くわけですが、これをその事業の継続性のあるものにつきましては、たとえば一週間だけ継続紹介、毎日安定所へ出てこなくてもよろしいというようなことによりまして能率を上げるというようなこともやっております。また現場へ参りますのにバス、トラック等で労務者を輸送する必要があるというようなものにつきましては、輸送用のガソリンにつきましても補助対象とするというような点で、以上申し上げましたようないろいろな角度から、能率向上という面について努力をいたしておるようなわけであります。それにもかかわらず、なかなか所期の能率向上の程度にはいかないのでございますから、今後とも実情に応じまして、それぞれ適切な措置を講じて、できるだけ能率を向上していきたいというような方向で努力をいたしていきたいと思います。
#11
○小川(豊)小委員 これは前歴も、あるいは体力その他の相違もあって、その作業能率を普通の固定した労働者のように上げていくことは困難です。これはわれわれも認めるけれども、指摘された点からいうと非常に低いのだ。従って、もっとこの能率を上ぐべく、あなたの方で十分に改善の努力が必要ではないか、こう思います。
 それから次に、ここに一〇五二号で職員の不正行為というのが指摘されているわけです。これは福岡県の不正領得事件です。この点は検査院の方からきわめて簡単に報告されたのですが、この事件の概要というものと、それからこれに対する改善の措置をどうとったかということを一つ御説明願いたい。
#12
○鈴木説明員 今お尋ねの事件の概要についてお話しいたします。昭和三十一年から三十二年にかけまして、福岡県の失業保険課の分任収入官吏である大坪という男が仮領収証を使用者に交付してその金を着服した。また領収証の正規のものを交付したが、県への領収証にはそのうちの一部を報告してあとを着服した。こういうふうな事柄で、金額にいたしまして八十四万円余りを着服したという事件が起ったわけでございます。この事件に関しましては、当時未収金の回収ということに県の方でも努力いたしまして、県の職員が事業所を回った場合に、こういうふうに実際には事業主といたしましては金を納めておるけれども、県が受け取っていないという事実を、県のわれわれの職員が発見いたしまして、直ちにこの事件のてんまつをはっきりさしたわけでございます。その結果、以上のようなことが判明いたしたわけでございます。
 本人大坪は、三十二年四月二十日に懲役一年六カ月の刑に処せられたわけでございます。現在、三十三年八月十一日に出所いたしておりますが、大坪に対しましては、この不正で着服いたしました金につきましては、いわゆる回収の誓約書を取りかわしまして、年次別に漸次回収するという誓約書を取りかわしております。現在、二千円余りでございまするが回収をいたしております。また当時の責任者に対しましては、それぞれ減給の処分、戒告処分をいたしたような次第でございます。
#13
○小川(豊)小委員 これは大体処理がついているようですから、これ以上あれしなくていいですが、ここには一件指摘されているだけですが、こういう点はよほど気をつけないと、よく事業主から払ってあるけれどもこういうことがあると言われても、事件にならない事件というものもかなりあるんじゃないかということも想像されるので、この点は十分あなたの方で注意される必要があるんじゃないか。
 それから、労災保険の特別会計の方の貸借対照表における未収金十二億一千九百余万円のうち、二十九年度以前の分は五億五千七百余万円あるわけです。失業保険の特別会計における未収金二十五億二千七百余万円のうち、二十九年度以前の分が十億三千八百余万円ある。このうち不納欠損になるおそれのあるものは一体どのくらいあるのか。また時効中断、これは御承知のように二年ですが、時効中断の措置と、債権確保の措置が十分に取られておるのかどうか。この点について御説明を求めたいと思います。
#14
○村上説明員 ただいまの御質問の点でございますが、労災保険関係について申し上げますと、会計検査院の御指摘の通り、三十九年度以前の分が五億五千七百万円余りでございます。この問題につきましては、従来不納欠損処分を行う場合の基準と申しますか、いかなる場合に不納欠損処分を行うかというその根拠が法令上必ずしも明確になっておらない点もあったようでございますし、また消滅時効につきまして、民法の規定の援用について、必ずしも法律解釈が明らかでなかったというような点もあったのでございますが、根本的には、たとえば昭和二十九年のごとく非常な不況が到来いたしますと、事業主が行方不明になる、あるいは事業が閉鎖するというような事態が生じまして、実際、なかなか徴収できない。こういう実態もあったわけであります。そういった法令上の手続並びに実態の両面からいたしまして、私ども事務処理をいたしますにつきまして、その処理方針が必ずしも明確でなかったのでございますが、御承知のように昭和三十二年一月から国の債権の管理等に関する法律が施行になりましたので、不納欠損の処分を行うべき基準というものが明確になりましたし、また消滅時効につきましても解釈が明らかになって参りましたので、不納欠損処分の手続等につきましても的確にこれを措置する、こういうような体制になったわけであります。その額でございますが、五億五千七百万円ばかりの金額のうちで、昭和三十二年の国の債権管理等の法律の基準に照しまして不納欠損処分をいたすべき金額の額等について検討をいたして参ったのでございますが、昭和三十一年度におきましては一億五百万円、昭和三十二年度中におきましては三億一千八百五十六万円、昭和三十三年度におきましてはやや額が減りまして九百五十二万円、こういった額が不納欠損処分を要するのではないかというふうに考えられておるものでございます。しかしながら、根本的には国の債権の確保のためには、私ども行政官庁といたしましては極力努力をしなければならないのは当然でございますので、従来果して徴収努力を十分に尽しておったかどうかという点につきましては、各都道府県の労働基準局を指導いたしまして、明確なる事実が把握できて、事蹟書などが十分整理されておるか、十分な努力をいたして、なおかつ事業主が行方不明あるいは事業閉鎖などによって徴収不能であるかどうか、という点につきまして十分確認した上で処分して参りたい、かように存じておる次第でございます。不納欠損処分自体は、はなはだ好ましくないことでございますので、今後におきましても、十分地方の労働基準局及び監督署を督励いたしまして、遺憾のないように処置して参りたい、かように考えておる次第でございます。
#15
○小川(豊)小委員 この不納欠損のおそれのあるもの、それからこれに対する――時効になるわけですから――この中断措置をとって債権を確保するということ、これは大切なことだと思う。従って、十分誤まりないように敏速にやらないと、欠損額が大きくなってくる。
 それからここに、三十一年度から失業保険給付調査官を設置して改善の措置を講じておる、こう言われておりますが、これは三十一年六月から設けられたわけです。これは三十一年度の決算ですけれども、この調査官が設置されたとすれば、三十一年から三十二年、三十三年というのはあれがあるから、この調査官の設置によってこの問題の改善なり進行なりというものはどういう形でよくなっておるのか、この点を説明してもらいたい。
#16
○鈴木説明員 昭和三十一年七月から失業保険給付調査官の制度が設けられまして、先ほど会計課長から申しましたように、失業保険受給資格者名簿を格安定所に設けると同時に、新しく被保険者として資格を取得した者と照合するというふうなことで、不正受給ということの防止をはかって参ってきたわけでございますが、その実績を申し上げますと、昭和三十一年度においては不正受給を発見した金額が約二億でございます。そのうちこの調査官が発見したものが一億三千七百万円。未然に不正を防止いたしました数字が総額におきまして三億四千六百万円でございますが、そのうち調査官の努力によって防止した金額が2億二千四百万円。こういうふうに、従来二十九年、三十年において不正受給を未然に防止した金額は約一億一千万円あるいは一億六千万円程度であったものが、この調査官ができて以来、大体三億五千万円程度のものを未然に防止するというふうな実績を今日まであげておる次第でございます。
#17
○小川(豊)小委員 いま一点お尋ねしますが、作業能率の問題でもう一度繰り返してお聞きします。これは、前歴あるいは体力の相違、いろいろな問題があって、一般の労働者より能率が低いであろうことは私も認めます。あなたの方は前歴とか体力とか、そういうことを言われておるが、賃金の点は今幾らか。これは幾らといっても、それぞれ作業のあれによって違うでしょうが、こういう賃金の算出――これは賃金が、体力や前歴等いろいろな問題もあるから、一般の労務者より低いことは仕方がないと思うが、この賃金というものは一体どういう形で算出をし、その賃金というものは今の経済情勢下において過当であるのかないのか。こういう点も作業能率との関連というものが出てくるのではないか。こう思われるわけですが、どういう形で算出をされておるか。そして今の賃金というものが経済情勢の中で、これが作業能率に影響するのかしないのか。この点をお尋ねして私の質問を終りたいと思います。
#18
○松永説明員 ただいまの小川先生の御質問でございますが、賃金につきましては緊急失対法がございまして、緊急失対法に基きまして労働大臣がこれを定めるという建前になっております。現在、予算は全国の平均が三百六円になっております。その賃金の決定の原則につきましては、やはり緊急失対法によりまして、同一地域の同一職種の労働者の賃金を基準にして定めるということになっております。で、現在三百六円の賃金を全国平均として決定いたしておりますが、これを各地域、各職種につきまして各府県ごとに賃金段階表を決定いたしております。賃金段階表につきましては、五職種につきまして五段階を設けてございます。従いまして、その前歴あるいは作業能力等によりまして、各県ごとにそれぞれの職種につきまして五段階に分けてやっております。従いまして、その点からは作業能力、作業能率等に応じた賃金が適切に定められれば、そこに能率向上という面の効果は出てくる建前になっておるわけでございます。
#19
○山田(長)小委員 ただいまの小川委員の質問に関連して伺いたいのですが、この失対事業の人たちの夏季手当とか、あるいは暮れのおもち代というふうな名目のものが、各府県、各自治体においておのおの違った形で支給されておると思います。これは大体何を基準にして各地区で出されておるのか。一応参考に伺っておきたいと思います。
#20
○松永説明員 失業対策事業の就労者の夏季、年末の手当でございますが、これは国の予算におきましては夏季四日、冬季九日、合計十三日分をそれぞれ就労の増あるいは賃金の増という形で支給する建前になっております。たしか昭和二十七年ごろからと思いますが、国の予算といたしまして、今申し上げましたようなそれぞれの夏季、年末手当を計上いたしまして、これを各事業主体にならしまして、各事業主体でこれに三分の一対応の予算を組みまして、支給をするということをやってございます。これにつきましては、各就労者の実態によりまして、それぞれ必要な支給日数の増加等を逐年やって参っておりますが、現在夏季、年末合せて十三日という支給をいたしております。
 それから、各事業主体におきまして、これは全国それぞれの実情によりまして支給方法等が非常に異なるわけでございますが、各事業主体独自の夏季、年末の手当を、これまたやはり二十六、七年ごろからの実績がございまして、支給をいたしております。
 建前から申しますと、失業対策事業の賃金は労働大臣がこれを決定するという建前になっておりますので、夏季、年末手当につきましても、全国的にできるだけ歩調をそろえたものが望ましいわけでございますけれども、実際にはそれぞれの経過なり、いきさつなり、あるいは過去の事情がございまして、必ずしも各県、各事業主体同じような率でなしに、それぞれの支給方法をやっておるような現状でございます。
#21
○山田(長)小委員 各地方の市の失対の仕事の状態を見てみましても、必ずしも大きな市とか小さい市とかいうことで仕事の量がきまるのではなくて、小さい市でも失対の仕事のたくさんあるようなところもあるし、かなり大きな市であっても失対の仕事の少い市もあると思います。こういう場合に失対の人員、今言われましたように、二十七年以降の国からの予算の各市に支給される額等によって、まるで相違した形の夏季手当やあるいは冬季の手当というものが出ていると思われます。そのことによる騒ぎが格地区においていろいろな形で行われていると思います。これはやはり何か基準がなければならぬものと思われますが、その点どうなんですか。
#22
○松永説明員 ただいま山田先生御指摘のように、私どもといたしましても、できれば何らかの基準を持ちまして歩調をそろえたような形でいくのが望ましいというふうに考えておりまして、過去におきましても、いろいろ検討をいたしておるのでございますが、それぞれの事業主体の財政の状況、あるいはまた先ほど申しましたような今までのいきさつ、あるいはまたその各事業主体の責任者の方針等によりまして、支給方法におきましても、たとえば手当として出す場合、あるいは福祉厚生団体の補助金というような形で出す場合等、それぞれ形態が違っておるわけであります。額だけでなしに、支給の形態におきましても非常に千差万別でございますので、御指摘のように、できればそういう方向に進みたいと考えておるわけでございますが、にわかにこれを統一するということになりますと、ある事業主体の労務者があるいは損をする、あるいは不均衡を生ずるといったような面で、いろいろ問題が出て参りますので、検討はいたしておるのでございますが、直ちにこれを統一するということはなかなかむずかしいように思います。
#23
○山田(長)小委員 この労働省の報告を見ましても、失対事業の作業能率は非常に低いといわれているけれども、失対の人たちに聞いてみると、請負事業で道路の工事であるとか、あるいは建築の基礎固めであるとか、こういう仕事は請負でさせられている。建築業者の価格よりも失対の人たちの方が能率も上ったり、安く請け負わされているような形だ。全部が全部じゃないのですが、そういうことを言われているところがあるわけです。仕事の性質によって、事業主体の方針によって失対の人たちが使われる仕事も千差万別になってしまうと思うのです。こういうことであるとすれば、その土地の産業の盛衰によってたくさん失業者が出てしまっているというような場所については、幾ら方針を持っておっても、なかなかその方針に沿えない状態があると思うのです。こういう場合、臨時に県なり地方の自治体なりが打ち合せをして、失対をより示そう大きくやらなければならぬというような事態が起ったときには、何か特別な方法があるのですか。
#24
○松永説明員 ただいまの御質問に的確なお答えになるかどうか、ちょっと自信がございませんが、先ほど能率の問題として出ましたのは、これは一般論でございます。一般的に失対就労者の作業能率をどう上げるかということでございまして、それにつきましては、先ほど申し上げましたような努力をいたしておるのでございます。現実には、確かに検査院の御指摘になりましたような非常に非能率のものも、ここに出ておりますのは非常に極端な例でございますが、あるわけでございます。
 ただいま御質問の点は、にわかに何かの情勢で失業者が、急にある市町村等において出たという場合かと思うのでございます。そういう面につきましては、たとえば石炭鉱業の離職者対策、また駐留軍対策といったような面におきまして、労働省といたしましては、これらの失業者の多発いたします地域につきましては特別の努力をいたしまして、この対策を講じておるのでございます。従いまして、失業対策事業のワク等につきましても、必要な場合にはその求職者の状況によりましてこれを増加するという措置も講じております。また各府県等におきまして、それぞれの単独機関で事業を起すという場合もございます。急激な変化がありました際に、われわれとしましても常に実情を見ておりまして、各府県、事業主体と連絡をいたしまして、弾力のある運用ということは常に心がけておるわけでございます。
#25
○西村(力)小委員 失対事業関係の夏季手当、年末手当は、本質的にこれらの人々にもある程度お盆なりあるいは正月なりを祝ってもらおう、こういう考え方で出されておるのであります。これが生活保護に食い込んでいくというような検査の仕方は法律的にどうなっておるのか。なおまた、夏期手当四日にプラスして地方団体で何日か出した分、それも加えて生活保護の関係からマイナスになるのかどうか。この点は現実にそういう工合に行われている。結局、せっかくお盆手当という趣旨で出したものが、生活保護で差し引かれたために何ら意味をなさない。あるいは年末手当として出したものも意味をなさないということになってくる。これをつけたという意味が、思いやりというものが、そういうことによって全然失われているという現状があると思うのです。この点に関しては、やはり検査院の立場は法律に基いて検査するでしょうが、もっとこれをつけた本来の考え方に立って処置するような工合にしなければいかぬじゃないか、私はこう思うのです。これらの関係について、関係当局からいろいろお話をお聞きしたいと思う。
#26
○松永説明員 ただいま御質問のございました期末手当につきましての生活保護との調整でございますが、先生おっしゃいましたように、確かにそれぞれ盆暮れに、もち代等の趣旨でこれを支出するという趣旨も入っておりますので、厚生省と労働省の間で打ち合せをいたしまして、年末につきましては、生活保護の各級地別の区別がございますが、このそれぞれにつきまして年間一級地、二級地は四千円、それから三級地は二千五百円、四級地は三千円、これらの額につきましては、手当が出ましても生活保護の方で差し引かないということにいたしまして、御趣旨に沿うような運営をいたしておる実情でございます。
#27
○西村(力)小委員 今のは夏季手当ですか。
#28
○松永説明員 夏季、年末、合せてでございます。
#29
○西村(力)小委員 今の是正措置ですが、是正措置ですと、大体労働省で見込んでいる年間十三日の支給は全然差し引きにならない、こういう見通しが立つのですか。年間十三日予算に見積っているということがあるでしょう。その限度において支給する場合には、何ら差し引かれない。だから、それ以上に地方団体の首長が困っている住民に対して思いやりのプラス・アルフアをされる。それは大体差し引かれる。そういう見込みで一級地、二級地四千円、三級地三千五百円ですか、年間それまでになった場合は差し引きをしない、こういう立場で算定をされたのかどうか。
#30
○松永説明員 ただいまの御指摘の点でございますけれども、級地別に違うわけでございますが、国の十三日分は大体ワク内でございますので、これについては差し引かれないということになります。各事業主体、府県なり市町村が出しましたものを加算して、これがオーバーいたす場合にはやはり差し引かれる場合も出てくるということになるわけでございます。
#31
○西村(力)小委員 やはり平均三百六円ですから、十三日ですと平均地においても大体四千円になるわけですね。平均地が一級地ということにはならぬと思うのです。だから結局これは差し引かれることになるのではないか。せっかくそのように考えてくれるのに、もう少し額を上げたらどうか。そしてまた地方団体の首長というものが、自分の住民の一番困っている人に一日、二日出してやるのは了としなければならぬと思うのです。ですから、これは法外に、国が十三日分出すから地方も十三日分出すという、そういう財源もないし、そういうことはできっこないし、やってもほんとうに気はこころ的な、一日か二日出すようなことなんです。だから、それは全部生活保護の方から差し引かなくても済むのだという打ち合せはすぐやってもらいたいのです。今のお話で、生活保護の方から差し引かないという措置は可能なんだから、ただ額の問題だけですからね。やはり自治体の首長の思いやりの一日、二日というところは、見てやる必要があると思うのです。
#32
○松永説明員 この措置につきましても、実は従来厚生省と相談をいたしまして、二回か三回改定をして、上げてきておるわけでございます。従いまして、今御指摘のような点につきましても、地方の実情を十分考えまして、厚生省とも相談をいたしまして、できるだけそういう御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。
#33
○西村(力)小委員 くどいようでありますが、その結論はこの夏季手当にはもう間に合わないかもしれませんね。ですけれども、年末手当までには確実に間に合うように何とか是正をしていただきたい。一級地において五千五百円とか六千円とか、大体そのくらいしか出ないじゃないかと思いますが、二級地は四千五百円、そのくらいにしてもらってもいいじゃないか。それよりも少し上回るかどうか、その点はよく計算をしてもらって、大体ひっかからないというようなところ、そういう考え方に立って措置していただきたいと思う。いつごろまでに出していただけますか。年末手当までには間に合うようにできるかどうか。これは折衝の問題ですから、的確には言えませんでしょうけれども、あなたのお気持を一つお話し願いたい。
#34
○松永説明員 生活保護を控除するかしないかという面につきましては大蔵省が決定をいたしますので、私どもといたしましてはただいまの御質問の趣旨を十分に体しまして、厚生省と相談をいたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#35
○鈴木小委員長 次に、建設省所管について検査院当局の説明を求めます。白木第三局長。
#36
○白木会計検査院説明員 建設省所管の関係でございますが、まず建設省でやっております河川改修あるいは道路改良、あるいは総合開発事業といったような直轄工事、それから地方公共団体が国庫負担金の交付を受けて実施します補助工事、この二つの分野を重点に置いて検査を実施いたしておるわけであります。この直轄工事については、相当現場等についても広範に検査いたしましたが、特に違法不当として検査報告に掲げておるものはございません。従いまして、検査報告に掲げておりますのは、すべて補助工事の関係でございます。
 補助工事は、御承知の通り、従来非常に遺憾な点が多かったわけでございますが、最近これを建設省に限らず、全般的に改善の傾向が顕著でございまして、ここに掲げております通り、三十一年度の分につきましても、前年度の三十年度と比べて相当改善の跡が見受けられます。検査は公共土木施設の災害復旧工事を中心にしまして、いわゆる事後の検査と、それから数年来やっております工事完成以前の査定の検査、この両建で実施しております。まず事後検査の分につきましては、この一九四ページの表に掲げております通り、種目としては、やはり従来通り、災害に便乗して改良工事を実施するもの、あるいは工事が非常に粗漏で目的を達していないもの、あるいは設計通りのでき方になっていないもの、あるいは積算設計が過大であるもの等が出ておりまして、総工事数三十六件、金額で一千万円というものは国庫負担金から除外すべきではないか、こういうふうになっております。
 なお、二十万円以上のものが地方別に一九五ページ以下に表として掲げてございます。これは前年度に比べていただければわかります通り、相当顕著な改善と言うことができようかと思います。
 次に、この災害復旧事業の査定の検査の関係でございます。これは大体その後、二十八年災以後災害が減った関係もございますが、建設省当局におかれましてできるだけ実査をおやりになるというようなことで、非常に少くなっております。三十一年災害につきましては、主として一府県の事業費五億円以上のものを選びまして、北海道外六県について実施したのでございます。その結果としては、やはり建設省と農林省の二重査定になっておるもの、あるいは便乗と認められるもの、あるいは設計過大というようなものがございまして、私どもの方から建設省の方へ照会をいたしまして、その結果、国庫負担金の査定の減額という措置をとられましたものが四十二工事で五百三十余万円ということになっております。
 なお、この査定検査の際に、二十八年災、二十九年災から三十年災までの分で、未着工その他の関係のものについて検査しておりません分を、あわせて査定を検査したのでありますが、その結果、同様に当局において減額是正されましたものが十四工事、国庫負担金相当額で五百五十余万円ということになっております。
 なお、そのほかに、私どもとしてはここに不当事項としては掲げてございませんが、たとえば公営住宅建設事業というようなものについても、相当の検査を実施したのでございます。その結果は、特定の者に使用させるために法律の趣旨に反した建設をやっておるもの、あるいは工事材料等に相当手抜きのあったもの、これが相当ございまして、これはそれぞれ私どもの方から直していただいております。
 なお、この概説に簡単に記述しておりますが、前年度あるいは前々年度に指摘しました補助関係の不当事項のうち、当局から国庫補助の返還または減額をする旨の報告のあったもの、あるいは減額返還にかえて手直しをするという報告を受けておりますものが、果してその通りになっておるかどうかということを検査しましたところが、その翌年、三十二年中の検査ではいずれもまだ一部完成未了、あるいは未着手のものもあったような状況でございますが、現在ではすべて減額返納済み、あるいは手直し補強済みという報告を受けております。
 簡単でございますが、以上でございます。
#37
○鈴木小委員長 次に質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、これを許します。小川豊明君。
#38
○小川(豊)小委員 きょうは十二時半に、与党の方で何か都合があって、切り上げたいというので、私の方も協力したいと思いますから、かけ足でお聞きします。
 そこで、これはあとで検査院の方あるいは建設省の方で連絡をとって出してもらいたいと思うのは、この建設省の三十一年度の検査事項の中で、一九〇ページの一般会計の中で九十億八千二百余万円を翌年度に繰り越した、こういうことをうたわれております。この繰り越した額はどういうわけで繰り越したかという説明、これは書面でもいいです。
 それから、次の一九一ページ、「公営住宅建設のための団地計画もないまま建設し、特定の者を入居させているなど公営住宅法の趣旨に反するものがあったり、」ということがここにうたわれているが、これは場所はどこで、どんな経過だということ。それからその後段に、これは「工事完成後の検査の際あわせて」云々という、ここのところでは一体何件検査したのか、そうしてそれは総件数の何%になっておるのか。それから何件について千五百万円というのが出てきたのか、これを一つ出してもらいたい。
 それから次の一九二ページの上段の方の、「処理未済となっていた十二件のうち三十二年九月末現在なお処理未済となっているものが六件ある。」ということになっています。そこで、三十九件はどこでどういう工事をしたのか、それから処理未済の分の処理の進行はどうなっておるのかということも、時間がありませんから、これも書面でよろしゅうございます。
 その後段の方に「一一箇所、昭和二十九年度決算検査報告掲記の分二四箇所につき」云々とありますが、これは直轄工事であったのか、何であったのか。工事のあれが出ていませんから、これをお聞きしておきたい。
 それから次の一九三ページの中段に「工事が完成しているのに未着工と偽り査定工事費と実際に要した工事費との差額を含めて国庫負担の対象としたものがあった」というが、これは、工事が完成しているものが未着工と申請されるのは、調査は一体どんなふうに調査したのか、この点をお聞きしたいと思っているわけです。
 その他、またお聞きしたい点、たくさんあるのですけれども、これはあとにして、会計検査院の方に一応お尋ねするのは、建設省所管について、地方自治体の公共事業補助金についてですが、全国の工事現場三万九千四百余個所のうち六千三百余個所を実地検査したところが、不正事項は、補助除外額が一工事十万円以上のものが三十六工事のうち一千万円ほどあったといわれています。これは農林省の公共事業の補助金の場合と比較すると、非常にいいわけです。格段にいいわけです。好成績だといえるでしょう。そこで、農林省所管の公共事業の補助金については、全国の工事現場四万一千個所のうち三千七百個所を実施検査をしたところが、不当事項あるいは補助除外額が一工事十万円以上のものが七百三十工事、二億六千六百万円あったと出ている。地方自治体が、農林関係補助工事と建設関係補助工事と、こういうふうに違ってくるのは一体どういうわけですか。これは検査院の方にお尋ねする。指導なり事務処理についての巧拙、または検査院の担当官が建設省と農林省ではそこにあるいは手心を加えているのか、担当者の能力の問題であるのか。こういう点も非常に差があるから、私はこれは検査院の方にお尋ねしたい。
 それから、直轄工事についても、建設省は本年度は幸いに批難事項がない。これは非常にいいことだと思います。農林省には七件ある。例年こういう状況を繰り返しておるわけですが、これについても、どうも検査院の方の検査が少し疎漏ではないか、手心があるのではないか、こうも勘ぐれるので、この点お聞きしたいと思うわけです。
#39
○白木会計検査院説明員 ただいまの点は、なかなかむずかしい御質問で、私、的確にお答えできぬかと思いますが、農林省所管の分は、実は私あまり詳細に存じておりませんので、直ちに農林省と建設省の比較ということはお答えできかねますが、従来から件数、金額等については、同じ公共事業の直轄あるいは補助の面におきましても、件数は少いようでございます。特に建設省について申し上げますと、これは私どもの、たとえば検査要員の配置とか、あるいは実地検査の程度とかいうものは、特に区別はしておりません。特に建設検査の方が検査が手ぬるいとか、下手であるとか、あるいは手心を加えているようなことは、これはもちろん毛頭ございません。実施検査の施行率等は、必ずしも農林に劣らない程度の数をやっておるわけでございます。直轄関係で少いということは、これは私見でございますけれども、やはり公共土木事業については、建設省は伝統ある専門機関として私どもかねがね敬意を表しておりますし、われわれが見て、いろいろな工事上の不当経理が多発するということ自体がむしろおかしいのではないか。われわれとしても、せいぜい勉強いたしまして、いろいろな面で照会等を発しておりますが、結局それぞれの理由がございまして、特に不当と断ずるものがなかったということでございます。農地局等で実施されます農業施設の直轄工事というものとの比較は、ここではちょっとお答えいたしかねます。
 それから、補助事業についてでございますが、これはたとえば事後検査の面におきましては、やはりこれも多少私見にわたると思いますが、農地関係は比較的私有財産的色彩が強いと申しますか、それに比べまして建設省所管の補助事業は、道路あるいは河川その他の改修、あるいは災害復旧というものは、いずれも公共的色彩の特に強い施設でございまして、そういった関係が相当影響するのではないか。それから、第一次的な監督機関でありますところの都道府県、もちろん県営の工事もございますが、こういったもので土木部等の技術系統あるいは監督機関というようなものも、相当完備しておるということも一つの原因じゃないかと考えております。特に査定の関係等におきましては、これは工事現場数が、金額は別としまして、個所としては農林よりも相当少いという関係もあろうかと思いますけれども、建設省ではほとんど一〇〇%に近い実査をおやりになっておるというようなこと、特に私どもで指摘しておりますところの農林省との査定の重複、こういった面については、その防止に非常に努力しておられまして、その結果がこういう結果となって現われておる。多少見方が甘いとおしかりを受けるかもしれませんけれども、率直に私どもはそういうふうに考えております。
#40
○小川(豊)小委員 では、建設省にお尋ねしますが、検査院の批難事項に対するその後の是正措置、この点について。
#41
○南部説明員 建設省といたしましては、従来から会計検査に基く不当事項、批難事項が相当多かったのでございますが、これを少くするためにあらゆる努力をいたしまして、直轄工事につきましては監察官制度を活用いたしまして一段と綱紀の粛正と内部牽制の強化に努めてきておる次第でございまして、幸いにして三十一年度、三十二年度ともに直轄工事につきましては批難事項はございませんでございます。
 補助事業につきましては、適正化法の施行に伴いまして、地方公共団体、ことに市町村の工事につきましては都道府県にその検査を委任いたしまして、不当不正な工事が行われないように一段と努力してきておるのでございますが、批難事項の最も多い公共土木災害の復旧事業につきましては、昭和三十年八月から査定官制度を活用いたしまして、二十八年度発生災害につきましては九八%の実地査定を行いまして、机上で査定いたしますと往々にして間違いがございますので、できるだけ実際の実地検査を行うということで災害工事の不正の未然防止に努めている次第でございます。
 なお、これらの二十五年度以降の事件につきましては、それぞれ補助金の返還あるいは手直し工事等を行いまして、うち七百四十件を現在処理済みでございまして、なお処理未済が三件ございますが、これは市町村が非常に財政能力が貧弱でありまして、毎年分割して返還いたしておるという関係上未処理になっておるわけでございます。
#42
○小川(豊)小委員 それから公共事業に対する国庫負担金の交付ですが、この補助金の査定、竣工認定、それから補助工事に対する監督の状況、補助金の精算の促進等、これに対する措置、この点についてお尋ねいたしたいのです。この批難事項に出来高不足、粗漏工事などが指摘されておるわけですが、竣工検査をどういうふうにやっておるか。この場合、現地についてこれは検査をしたのか、書面で検査をされたのか。どういう方式をとって検査をされておるのか、この点をお聞きしたい。これは現地主義をとっておるのか。
#43
○南部説明員 ただいまちょっと申し上げましたように、市町村の工事につきましては竣工認定の仕事を一応都道府県知事にまかしております。市町村工事の方につきましては、都道府県で一応やっていただくということで指導監督を行い、交付金もそういう趣旨からついているわけでございます。府県以上の工事につきましては、建設省本省みずから竣工認定をいたすわけでございますが、実際にこれは事業につきましていろいろでございますが、現在のところなかなか本省の職員の数も全部の竣工認定に立ち会うというだけのゆとりもございませんし、また経費の方もなかなかそのようにいかない関係上、実際の竣工検査は抜き取り検査式になっております。事業によっていろいろございますが、たとえば災害の査定の検査につきましては、一割程度が実際に実査で竣工認定をする、九割は机上というような形になっております。
#44
○小川(豊)小委員 これは補助金あるいは工事の予算等を支給するのですから、やはり適正な運用が必要だから、できる限り現地について精査する措置をとるべきではないか。そうでなければ批難事項が出てくる、そう思います。
 それから災害復旧工事ですが、これは何年災害のものがまだ未完成のもので残っておるか。批難事項を見ても、二十五年度の災害復旧工事を三、四あげておられますが、これは完了までには六年を経適する、こうなっておりますが、一体どうなんですか。
 もう一つ、それにあわせて、この原因として補助の予算が少い。それから、それをこま切れで交付されるために、国からの補助金をもらう前にすでに地元の市町村では自分の金で立てかえて工事をやるようなことになっておる。こういう点に問題の生ずる原因があるのではないか。そこで、あなたの方では地方の自治体に対してどういう指導をこの点についてやっておられるか。予算は少額で、こま切れに出ていく。地方自治体は、あとでもらえると思って立てかえてやっておる。そこにも問題の出てくる点があるのではないかと思うが、それに対する指導はどういうふうにやっておられるか、あわせて伺いたい。
#45
○畑谷説明員 ただいまの御質問ですが、今までの指摘されました件数につきまして現在までの状況を申し上げますと、二十八年、二十九年、三十年、三十一年と指摘されまして出ております。現在までに三十一年度以前のものについては全部処置を完了しております。なお、最近において指摘される件数が非常に減っておりますけれども、なお一件でもそういう事態があるわけでございまして、今、会計課長から説明の通りに、査定官制度を十分活用しまして、いろいろな実査の一〇〇%実施、それから指導監督、こういうものを十分やっていって、さらに今後においても十分に実績をあげ得るようにいたして参りたいというふうに考えております。
#46
○小川(豊)小委員 地方で予算を立てかえてやっていく、これに対する指導、連絡はどうやっておられるか。
#47
○畑谷説明員 災害の仕越し工事につきましては、年々に十分な予算が配賦されればいいのですが、財政上どうしても十分な予算の配分がないので、やむを得ず仕越しという問題が起るのであります。そういうものはできるだけ少くとは考えておりますが、実際問題としてはどうしてもおくれる。それにつきましては、次の予算の配分のときにそれを優先的に認めまして、一日も早くそういうものを解消するというふうに努力しております。
#48
○小川(豊)小委員 それから、日比谷の、道路公団が建設中の有料駐車場、これがその後の工事の進捗の状況。それから、工事は道路公団でやるが、あとの管理経営は東京駐車場株式会社という私企業でやるということになっておるのですが、これは一体どういうわけでこういうことをやるのか。それから土地の使用料は大蔵省が取るのか、東京都が取るのか、どっちが取るのか。もう一つは、道路公団が有料駐車場を作って、その経営は純然たる民間会社がこれをやるという例はあるのかどうか。それから、これは日比谷の駐車場だけ特に認めたのかどうなのか。ほかでもこういうことを認める御方針なのかどうか、この点……。
#49
○鬼丸説明員 現在日本道路公団におきまして、ただいまお話のように、日比谷に駐車場の建設工事を進めておりますが、これは民間の会社に経営をまかせるという考え方ではございませんので、直接経営するという建前をとっております。ただ一部のサービス的な業務につきましては、委託をするということが考えられるように承知いたしております。なお料金等につきましては今後の問題でございまして、まだ確定いたしておりません。
 それから、道路公団で今後この種の駐車場をどういうふうに考えておるかということでございますが、ただいま案といたしましては、大阪に駐車場を建設いたしたいというふうに考えております。そういう状況でございます。
#50
○小川(豊)小委員 これはきっと、あとでまた国会で論議される問題じゃないか。道路公団が作って、これを民間の私企業に、今あなたは一部を経営させると言うが、おそらくこれは一部とは言いつつも、ほとんど全部をやるようになるのじゃないか。そうでなければ、一部をやらせるということはなかなか困難だ。やらせるなら全部やらしたらいい。そこで、こういう問題はかなり問題になって出てくるのではないかと思う。きょうは時間がないので、この点について突っ込んでお聞きすることはできませんから、あとでまたお聞きします。
 もう一点。箱根とか軽井沢とか、その他関西方面に、私鉄の会社が有料観光道路を建設して、その土地の主要観光ルートというものを独占する傾向があるわけです。それについて建設省はどう考えるのか。営業自由の原則から言うなら、これはこのままで放任していっても仕方がないわけでしょうけれども、道路政策という点から見ると、一貫した道路政策を進めようとするならば、こういうように私企業がどんどん観光ルートを独占していくのに対して、建設省としてはこれに対する対策を一体どうとられようとするのか。この私鉄の経営する有料道路については、歩行禁止の標識まで出しているところがあるそうだが、一体これは、こういうことでいいのかどうか。この点について建設省はどう考えておるか。
#51
○鬼丸説明員 御指摘の民間会社がやっております自動車道は、御承知と思いますが、道路運送法に基く自動車道といたしまして、当該民間会社が許可を受けて経営しておるものでございますが、これは運輸省と建設省両省の共管で、これの審査の処理をいたしております。道路政策上、道路網との関係でございますが、建設省といたしましては、いわゆる公共施設としての道路網は、これは別に考えておりまして、私鉄会社等が行います自動車道につきましては、その具体的なケースによりまして十分慎重に審査いたしまして、一般の道路網に悪い影響のないように処理いたしておるつもりでございます。なお、もちろん運輸省では自動車道の経営面につきまして主として十分審査するというような建前で、これは両省で共同で審査して、認めるものは認めておる、こういう状況でございます。
#52
○小川(豊)小委員 私は運輸省とあなたの方で協議して認めるというのは、それは当然そうだと思う。そうではなくて、問題は、こういう観光だけを目的とした道路がどんどん私企業によって作られていくことが、建設省の道路政策とマッチしていっているのか。道路政策に対して影響等が生じてこないか、野放しにやらしていいのかどうかということ。それからこれに対して歩行禁止、歩くことさえも禁止する標識を出しておるということならば、これは一体道路じゃない。自動車道路だけだ。そういうことをあなたの方では了解して許可しておるのか。この点についてお聞きしたい。
#53
○鬼丸説明員 お尋ねの前段の、建設省の道路政策上どう考えておるかということでございますが、これは根本的には道路運送法の今後の運用なり、あるいは道路運送法自体のあり方という問題につきまして、研究の余地はございますけれども、現在までのところでは、建設省のとっております道路政策にこの自動車道がマイナスの影響を与えておるということはございません。道路政策上支障のない範囲において認めるものは認めておる、こういう状況でございます。
 それから、歩行禁止等を行なっておるという点につきましてのお尋ねでございますが、この道路はいわゆる自動車専用道路というものを経営する事業として認めておりますので、いわゆる道路法上の道路じゃございませんから、あるいはその会社がそういう制約をいたしておるのもやむを得ないかと思うのであります。
#54
○小川(豊)小委員 私はこの問題については、もっとお聞きしたいのですが、きよう十二時半までにどうしてもしまうということなので、十分お聞きするひまがないのだが、もう一つ、住宅公団の用地というのは、住宅公団自身が買うべきだと僕は思うのだが、ブローカーを通じて公団が買っていくところにかなり問題を起しておる。これはあなたも新聞等で御承知の通りと思う。あなたの方には住宅公団の監督のなにはあるはずですが、一体住宅公団に直接買いをやらせる方針なのか、それとも仲介者を入れてやらせる方針をとっておるのか。これはどういうことをやっておるのか。
#55
○鬼丸説明員 日本住宅公団の用地の取得の問題につきましては、かねて建設省といたしましては、適地をできるだけ安く円滑に入手するように、全力をあげて努力するように指導いたしておるわけでございますが、創立当初におきましては、主として地方公共団体の協力を得てこの用地を取得するという線で、努力してもらったのでありますけれども、公共団体のあっせんだけでもなかなかまとまった広い土地が得にくいという場合もございまして、そういう場合にブローカー、まあ不動産業者がある程度まとめてきたものを相手にして交渉していく、こういうケースが若干ございました。これも不動産業者が間に入っているから必ずしもまずいというわけにも参らぬと思いまして、仲介業者が入りましても、契約なり取引の実際に当りましては、それを適正にかつ慎重に処理するように、かねてから十分注意いたして参ってきておるわけでございます。従いまして、仲介業者を全然相手にするなというふうな考え方はとっておりません。できれば地元の地方公共団体にあっせん協力を求めて用地の取得をやってもらいたい、こういう気持を持っております。
#56
○小川(豊)小委員 この問題はあとに残しますが、公団の用地を所有者から、たとえば坪千円か二千円で買い取って、公団はそれを三千円なり四千円で買い取っているというならば、ブローカーをどんどん育成するのは公団じゃないですか。しかも公団とそのあっせん業者との間にはいろいろな問題が起って、司法事件になっている問題がある。この問題はもう少し掘り下げたいと思いますが、きょうは時間がないからやめます。
 委員長、今の有料道路の問題、それから公団の問題等はもっと掘り下げたい点がありますから、建設省の問題はその他の省が終ってからあとでけっこうですから、これは留保してもらいたいと思います。
#57
○鈴木小委員長 了承しました。
#58
○山田(長)小委員 予算の関係もあると思うのですが、やがて買収されなければならない河川の改修等の場合における継続事業で、将来必ず自分のところも買収されるという地区になっているわけですが、二年も三年も前に買収された人たちの価格と、これから買収される人たちの価格とに非常な差が出てきてしまっている。そればかりでなしに、何十軒や何百軒のうちが片づけられるという場合には、宅地自体もそれがために高騰してしまうという事態が起る。これは場所として決して一地区や二地区の場合だけではないと思うのです。こういう場合に、建設省は早く重点的に手を打たないと、前に買収された人とあとに買収される人の価格が非常に開きが大きいために、前にせっかく契約を完了しておきながら、この人たちが不平満々としているという地域があるわけです。こういう場合に、やがて問題を起しそうなところについては、幾ら予算の関係とはいいながらも、どうして重点的に、一挙にこれを買収して河川の改修ができないのか。この点、田畑を耕している農民は、いつ買収されるのかという不安のために農業に精が入らぬ。それから家を持っている人たちも、それがために家屋の改修に精が入らないで、ずいぶん困っている人があるのです。こういう場合に、どうして重点的な措置がとれないのですか。
#59
○鬼丸説明員 公共事業のみならず、住宅等につきましても、用地の取得が御指摘のようにいろいろな問題をはらんでおるのでございますが、特に用地取得の問題は早目にまとめて交渉し、買収するということがあとの事業を円滑に施行する上にも、また被補償者、被買収者の立場から申しましてもけっこうなことでございます。御指摘のように今まで仰せのような不合理がございましたので、私どももそういう不合理をなくしたいということで、予算編成の上におきましても努力をいたしてきておりまするが、河川、道路、ダムあるいは公団の事業等につきましては、予算に計上されました用地費のほかに債務負担行為もある程度認められまして、用地の取得には最近は差しつかえないようにだんだん処理してきております。ただ、現実の問題といたしましては、道路の場合にしても、河川の場合にいたしましても、どこからどこまで、どれだけの土地が必要であるかということは、基本設計が固まりませんと、実際にくい打ちをすることもできませんので、そういう仕事の段取りで、一ぺんに片づけられないという場合もございますし、また債務負担行為だけでなく、実際の金の問題も間々ございます。私どもといたしましては、今後も予算上なるべく早目に先行させて用地を取得できるように措置いたしますとともに、仕事の段取りも用地取得にマッチするように、なお一そう早めることに努力いたしたいと考えておる次第でございます。
#60
○山田(長)小委員 具体的なことを一応申し上げれば、あなた方にぴんとくると思うのですが、実は栃木県の足利の岩江山周辺、さらに御厨町一帯にわたって、個々に農民たちが、もうくい打ちもされておりながら、いつ急な買収をされるのか不安な状態に置かれていて、農業をやっている人たちも実際手につかずにおる。それから百軒余の家屋の移転の問題についても、これがいつどこへ行っていいのか、見当もつかずということで、たびたび陳情を受けておるわけであります。それで、継続事業の問題について不明確な点があるので、この機会に伺っておるわけですが、くい打ちまでやらされており、一部川下の買収を完了しておりながら、あとが買収されていない。いつになるかということですが、くい打ちをされていながら、しかも一部買収の完了しているという場合には、重点的に一挙に処理しないと、移転していく先の問題もあるし、中に商売をやっている人たちも一部足利市内に入っているわけですが、商売も手につかぬということです。この点、重点的に処理しなければならないと思いますが、どうですか。
#61
○鬼丸説明員 ただいま御指摘の点につきましては、私も実情を十分調査いたしておりませんので、さっそく調査いたしまして、お話の通りでございますればごもっともでございますから、十分善処させていただきたいと思います。
#62
○鈴木小委員長 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
    午後零時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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