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1959/10/10 第32回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第032回国会 決算委員会閉会中審査小委員会 第7号
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1959/10/10 第32回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第032回国会 決算委員会閉会中審査小委員会 第7号

#1
第032回国会 決算委員会閉会中審査小委員会 第7号
昭和三十四年十月十日(土曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席小委員
   小委員長 鈴木 正吾君
      鹿野 彦吉君    高橋 禎一君
      増田甲子七君    淡谷 悠藏君
      小川 豊明君    山田 長司君
 小委員外の出席者
        総理府事務官
        (行政管理庁行
        政監察局長)  原田  正君
        会計検査院事務
        官
        (第五局長)  平松 誠一君
        国民金融公庫副
        総裁      石渡忠四郎君
        国民金融公庫経
        理部長     桐生 和夫君
        住宅金融公庫総
        裁       鈴木 敬一君
        住宅金融公庫貸
        付部長     江ケ崎太郎君
        住宅金融公庫経
        理部長     鈴木 敬人君
        中小企業金融公
        庫理事     片岡 亮一君
        北海道東北開発
        公庫理事    岡田 包義君
        北海道東北開発
        公庫監事    吉田 龍雄君
        日本開発銀行総
        裁       太田利三郎君
        日本開発銀行理
        事       河野 通一君
        日本輸出入銀行
        総裁      古澤 潤一君
        日本輸出入銀行
        理事      東條 猛猪君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
十月十日
 小委員押谷富三君及び西村力弥君同日小委員辞
 任につき、その補欠として増田甲子七君及び淡
 谷悠藏君が委員長の指名で小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十一年度政府関係機関決算書
     ――――◇―――――
#2
○鈴木小委員長 これより決算委員会閉会中審査小委員会を開会いたします。
 本日は昭和三十一年度決算中、国民金融公庫、住宅金融公庫、中小企業金融公庫、北海道開発公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行関係を一括して議題とし、審査を進めます。
 質疑に入る前に、昨日の淡谷委員の質問に対して日本輸出入銀行当局より説明を求めます。古澤総裁。
#3
○古澤説明員 昨日御要求がありました昭和三十一年度の輸出船舶関係の融資期限の延長に関する調べができましたので、ただいまお手元に差し上げましたが、それについて御説明申し上げます。
 船舶金融のうち期限延長を認めたものは、総数三十一件、金額にして八十一億三千百万円であります。なお、この三十一件の融資承諾額は二百三十二億二千八百万円であります。この三十一件のうち、注1にあげました三菱造船、浦賀船渠、川崎重工業、三菱日本重工業、飯野重工業、日本鋼管及び石川島重工業の七社に対する融資分の期限延長は二十一件、七十二億二千八百万円でありまして、この七社以外の造船所に対する分は、最後の欄にあげました通り十件、九億三百万円であります。
 なお、さきに申し上げました七社のうち期限延長額の大きいA造船所の分は、件数にいたしまして五件、金額は二十二億五千五百万円で、最も小額のB造船所の分は三件、三億二千二百万円となっております。
 御承知の通り、船舶の輸出契約におきましては引き渡し期日を特定しておりますが、その期日よりも早期に引き渡した場合、造船所が特定のボーナスを船主から受け取るのが普通となっております。従って、造船所は、引き渡しが十二月末でありましても、これをたとえば八月末に引き渡すよう、一応努力目標を立てるわけであります。そして、本件も貸付期間をできるだけ短かくする方針で、八月末に船舶の引き渡しが行われるという努力目標を基準として回収を定めて、融資をいたしておる次第でございます。しかし、船舶の建造は長期にわたります関係上、たとえばエンジンとか、船主の方で支給する品物があるような場合に、その品物が期日通り入ってこないというような理由で工程がおくれて参ることがたびたびあるわけでありまして、その場合には、本行は融資先からの申し出を慎重に検討いたしまして、事情やむを得ないと認める場合は、船舶の輸出契約に定められたる引き渡し期日までは期限の延長を認めるのもやむを得ない、こういうふうに考えております。このような期限延長の期間別の件数は、お手元の資料の注の2及び3に掲げてございます。
 三十一件についての期限延長の内訳を出し上げますと、十日未満のものが一件、一カ月未満のもの十三件、二カ月未満のもの十二件、三カ月未満のもの三件、六カ月未満のもの二件、六カ月以上なし。それから、大手の七社を拾いますと、二十一件について期限延長の内訳は、十日未満のものが一件、一カ月未満のものが九件、三カ月未満のものが八件、三カ月未満のものが二件、六カ月未満のものが一件、六カ月以上なし、こういうふうになっております。
#4
○山田(長)小委員 ただいまの御説明で理解ができない点があるので伺うわけですが、実は数年前に当決算委員会で造船疑獄事件の問題を取り上げたときがありましたが、そのとき、やはり銀行側では、社会事情を勘案してかどうかわかりませんけれども、当時の開発銀行では大きな会社側の名前を知らせなかったのですけれども、しかし符合をすればちゃんと決算委員にはわかるような特別な措置が講じられて、それで研究をすることができたわけです。この書類を見ますと、A社、B社という区別がしてありますけれども、このA社、B社なるものは、どういう内容の社であるか。ここで一応御説明願いたいと思います。
#5
○古澤説明員 これは昨日もちょっと申し上げたのでございますけれども、国会において特定の会社に対する特定の融資取引について御不審な点がございますときは、当該会社あるいは取引の実態なりを説明する必要のある場合は、本行といたしましても、御要求によっては必要な資料を提出するとか、詳細な説明をして国会の御審議を仰ぐつもりでございますが、反面、本行は金融機関でございますので、取引の内容が問題ないようなものにつきましては、外に発表するのを差し控えるのが適当と思っておりますので、個々の取引先の取引内容を列挙して一般的に資料として提出することは、お許しを願いたいと考えておる次第でございます。
#6
○山田(長)小委員 一体、決算委員会を、それではどういうつもりでおるのか。私は非常に疑義を感ずるのです。国の融資がなされていなければとやかく申し上げる筋はないけれども、不明確な点があって、その社名を明らかにしろということを要求して、できない理由といへのが今のお答えでは、私は少し薄弱だと思うのです。そういう点で、もし、今おっしゃられるようなことで明らかにすることができぬというならば、私はもう少し明らかにすることのできない理由を当決算委員会に文書で出してもらいたいと思うのです。委員長、その点をお取り計らい願いたいと思います。
#7
○古澤説明員 これはたびたび申し上げますように、何か特定の会社について御不審があるというような問題が起った場合には、これはもちろんこちらで御返答並びに資料を差し上げるつもりでありますけれども、ただ、一般的にその内容を全部知らせろとおっしゃった場合には、私の方としても書類をいただいた上にして差し上げたいと思います。
#8
○山田(長)小委員 それじゃ、どういう書類を差し上げればいいのか、この際明らかにしてもらいたいと思います。
#9
○古澤説明員 この問題は、あなたの方で適当におはかりになりまして、委員会の決議なり、あるいは委員長の書面をいただくことができれば、私の方は官庁と相談をいたしまして提出することにいたします。
#10
○山田(長)小委員 私は委員長に一つお願いしたいのですが、昨日の淡谷委員の質問によって、こういう問題が出てきたわけですが、やはりA社、B社だけのことでは、これは内容が明らかにならぬのです。そこで、委員長が一つ、これがいかなる社であるのか、明確にするためにお取り計らいを願いたいと思います。
#11
○淡谷小委員 きのういただきました日本輸出入銀行法によりますと、その三十七条の三項に「内閣は、前項の規定により決算報告書及び財務諸表の送付を受けたときは、翌事業年度の十一月三十日までにこれを会計検査院に送付し、その検査を経て、国の歳入歳出の決算とともに、国会に提出しなければならない。」という項目があるわけですが、これは三十一年度のものは出ておるでしょうね。
#12
○古澤説明員 もちろん出ております。
#13
○淡谷小委員 これは公示し、または国会にも提出することになっておりますが、この書類は出ておりましょうか。ちょっと手元に持っていないのですが……。
#14
○古澤説明員 国会にも出ております。
#15
○淡谷小委員 それから、会計検査院の指摘、二五六ページの中に、年度末の貸付残高が前年度末残高に比べまして約百八十億くらい多くなっている。この百八十億の期限延長を認めた以外のものは、まだ期限が到来していないものですか。
#16
○平松会計検査院説明員 これは年間の貸付額が増加したのに伴いまして、やはり期限のきていないというような関係で残高もふえておるのでございます。期限のきていない関係のものでございます。
#17
○淡谷小委員 そうしますと、この期限延長を認めたのは八十一億三千百万円のうち大手七社のものが七十二億二千八百万円、その他のものが九億三百万円というと、ほとんど大手七社の期限延長が大部分と思っておりますが、これは全部外国商社の方の都合で、つまり船の注文主の方の都合で延期をしたものなのか。今、御説明があった通り、この努力目標を考えて前の方に期限を置いたから延長になったのか。昨日は外国の商社の都合で延ばしたというお話でございましたが、きょうは変って、努力目標のために期限を縮小して契約をしたからこうなったなどと、きのうの説明ときょうの説明が全然違っておる。一日おいてこの説明が違うようでは、われわれはそのままぬけぬけしておられるものではありません。
#18
○東條説明員 私、きのう御答弁申し上げましたことと違いますことは、ただいま淡谷委員の仰せの通りでございまして、この点は恐縮いたしております。ただ、申しわけをいたすようでございますが、昨日は実は昭和三十一年度、三十二年度、三十三年度の全体のごく概数につきまして御説明申し上げましたので、つい、私、三十二年度、三十三年度の状況、最近の状況が頭にあったものでございますから、海運の市況が悪くなりまして、外国の船主からデリヴァリの期限を延ばしてもらいたいとか、あるいは当初キャッシュ払いであったものを延べ払いにしてもらいたいとか、最近そういう引き合いが非常に多いものでございますから、かたがた、三十一年度だけに問題を限定いたしませずに御答弁を申し上げたものでございますから、つい、最近の状態のみを強調して申し上げまして、この点はまさにおしかりの通りでございます。お指図によりまして、昨日昭和三十一年度のみにつきまして詳細取り調べましたところ、先ほど総裁から申し上げましたように、もっぱら海外との契約でございませんで、国内の努力目標のいろいろの関係でそれらが起ったということが、この昭和三十一年度のすべての原因でございまして、この点、昨日の御答弁が私の不注意で悪うございましたので、重々おわびを申し上げます。
#19
○淡谷小委員 大きな会社目当ての金融機関などは、われわれ一般の民くさどもとは関係がないところでやっておるように考えておりますので、どうも決算委員会における答弁もまことに私は責任ないと思うのです。わずか七社が七十二億二千八百万円という莫大な額を占めておる。これは延滞の規則があって、日歩四銭ということはきまっているんですよ。小さなところの借金では、こういう場合は延滞金をとられるのです。延滞金の定めなしに七十二億二千八百万円という借りが延べで貸付になっておりましたら、大へんな利益じゃないですか。庶民の金融の場合は厳密に延滞金をとり、こんなに大きな会社の借金は莫大な延滞金を利益させるということは、これは国で金を出している以上は簡単に見過ごすべきではないと私は思う。それを全然無責任な答弁をして、きょうはまたそれを変えるということは、決算委員会を軽視したものと、私は残念にたえないのであります。
 なお伺いますが、この場合、努力目標に期間を設けて、そしてその努力目標が達成されない場合はこれを漫然と引き延ばすということが正しいのか、長い期間を契約しておって、こういうような特別な期限延長等をしないのが事務処理としては正しいのか、一体どっちなんですか。もし、期限がきても償還ができない場合に、どれもこれもみな条件変更で延滞金の適用をしないというのであれば、延滞金の制度なんか要らないと思うのです。一体、何のために延滞金の制度を設けたのか、理解に苦しむのです。この点は一体、どうなんです。
#20
○東條説明員 これは申し上げるまでもないことでございますが、日本輸出入銀行の船舶関係の融資は、日本の船舶の輸出を助長するという建前でございまして、私どもが貸付契約の期限を定めます場合におきましては、当該貸付の相手方になっておりまする造船会社が、外国から、つまり外貨の受け取りがあるという時期と相応いたしまして貸付の期限を定めておるわけでございます。
 そこで、第一段の御質問でございますけれども、竣工の引き渡しの期限が、努力をすればたとえば六カ月程度繰り上ってできる。当時の話し合いでそういう見通しがつきました場合には、私どもといたしましては、お預かりいたしておる資金を効率的に運用するという建前から、貸付の相手方に対して、できるだけの努力をして早く船を作って引き渡して、そして国家資金を早く返してもらいたいという努力をせしめるということが適当であろう。従って、努力目標を目当てといたしまして償還期限を定めるということが適当であろう。こう考えてやって参っておるわけであります。
 しからば、第二段の、一体、延滞金の日歩四銭という規定があるにかかわらず、それをちっとも適用しておらぬじゃないかという点でございますが、初めに申し上げましたように、外国から入金がありますれば、それをそのまま私どもなり市中金融機関に返させるという建前でございます。そうして、外国から金を受け取ったにかかわらず、それを途中でわれわれの方に支払いがおくれておるというような、当然その責めに帰すべき責任がございますれば、これは当然延滞金を課すべきだと思います。しかし、外国からの外貨の受け取りがいろいろの事由によっておくれておる。しかも、それがいろいろ判断をいたしまして、また政府の判断等も加えまして、当事者の責めに帰すべきことでない、これはこの状況においてやむを得ないというふうに判断されまするような事由に基きまして、造船業者の外国からの受け取りがずれてきたという場合におきましては、これは私どもの方の金融が、輸出奨励、外貨の受け取りの助長という建前から行われておりまする関係上、正当な理由で外国からの資金の受け取りがおくれたという場合におきましては、延滞金を徴することなく期限の延長を認めるということもやむを得ないことではなかろうか。かように従来、思料いたしておる次第でございます。
#21
○淡谷小委員 もしも、かりに、この期限を延長しましたものが、また正規の期限がきましても外国の方から支払いがないとか、あるいは船ができないとかいうような理由でもう一ぺん延長するような事態になりましたら、やはり同じ手続で条件の変更をするつもりですか。
#22
○東條説明員 それはやはり、その場合の再延長を外国との間でやらざるを得ないという事情が、どういう事情に基くものであるかという具体的な事情の判定によって決すべきであるというふうに考えております。
#23
○淡谷小委員 そういう実例はございますか。たとえば延滞金を課したような実例、あるいは数回にわたって延長した実例があったらお話しを願いたい。
#24
○東條説明員 ただいままで、当事者の責めに帰すべきであるということで延滞金をとった事例はございません。
 それから、一回でなくて、二度以上期限延長を認めた事例があるかというお尋ねでございますが、私の記憶では、きわめて例外でございますが、そういうケースはあると思います。
#25
○淡谷小委員 きわめて例外ということなら数も少いと思いますが、具体的にその例を伺いたい。
#26
○東條説明員 これは昭和三十一年度にはそういう事例は、ちょっと言葉が足りませんでしたが、ございません。しかし、最近の海運市況の関係で、日本からの船舶の引き取りを延ばしてもらいたいということ、あるいは支払い期限の条件を緩和してもらいたいという交渉が最近相当、数多うございますので、拾い上げますれば具体的な事例は、きわめて例外でございますが、あると存じます。
#27
○淡谷小委員 きのうの答弁にございましたが、三十一年は期間を延長しましたのは三十一件、三十二年は十五件、三十三年は三十三件の多きにのぼっておる。それが最近になって、やはりそういうふうなことで期間延長を二回以上やった事例があるとすれば、これは非常に重大な結果になるので、そうなってしまってからではしようがありませんから、念のために聞いておきたいのですが、具体的にはどういう例があったか、実例について伺いたい。
#28
○東條説明員 一つの例を申し上げますと、日本の会社が外国船主との間で契約をいたしまして、これは引き渡したならば全額の代金をもらうといういわゆるキャッシュ・べーシスの商談であったのでございますが、最近の海運市況の関係で、先方から、その引き渡しの期限を延ばしてもらいたい、今引き取れないという交渉がございまして、その引き渡しの期限を二回にわたって延ばさざるを得なかった。ものは約四万トン見当のタンカーでありますが、結局そういうことで期限を延ばして参りましたけれども、外国の船主といたしましては、ほんとうは引き取る意思がなかったということで、この造船所はその契約をキャンセルをしたという事例がございます。もちろん、キャンセルをいたしますと輸出も行われないわけでございますので、私どもの銀行といたしましては、その当該会社に対しまして、融資をしてやった金額は全額回収したという事例がございます。
#29
○淡谷小委員 特殊な例でもあり、また今後出る可能性もある例でございますから、もう少し聞きたいのですが、金額はどれくらい、最初の期限はいつで、延期したのはいつか、具体的に説明をしてもらいたい。
#30
○東條説明員 問題は四万トンのタンカーでございまして、外国との契約の金額は六百二十四万ドルという契約額でございます。その納期は、当初の話し合いでは、今年の四月に引き渡すという話し合いのものであります。
#31
○小川(豊)小委員 関連して……。この表でちょっとお尋ねしますが、これは融資承諾額と期限延長額と、ともに三十一件ですか。融資承諾額も三十一件、期限延長額も三十一件ですか。どうですか、これは。
#32
○東條説明員 お手元に提出いたしました資料は、昭和三十一年度におきまして期限延長を認めました件数、金額をあげてあるわけでございまして、従って融資承諾をいたしました日付は必ずしも三十一年度には限定しない。それ以前のものもあり得るわけでございます。
#33
○小川(豊)小委員 この融資期限延長をしたのは三十一件であって、三十一年度に融資承諾した――これは延長だから、三十一年度には関係なくなるわけですね。
#34
○東條説明員 さようでございます。
#35
○小川(豊)小委員 この三十一件というのは融資承諾額。この融資承請額というのは三十何年度ですか。
#36
○東條説明員 昭和三十一年度におきまして期限延長を認めました件数が三十一件であり、その期限延長の影響を受けました金額が八十一億であり、その八十一億の根元になっておる契約額は二百三十二億であるという表でございまして、二百三十二億の融資承諾が当行において昭和三十一年度に起ったという意味ではございません。
#37
○小川(豊)小委員 そうすると、きのうの御説明を聞いておると、外国との輸出に対する契約というものは、かなり正確に厳密にできているような印象を私どもは受けておったのです。ところが、きょうの御説明を聞いていると、都合によってはこういうふうに三十一件も融資期限延長をしなければならないということになると、一体この融資期限延長をしなければならない理由は、日本のメーカーの都合で延長しなければならなくなったのか、外国の相手方の都合で延長しなければならなくなったのか。こういう二つが出てくる。この三十一件を、日本側の都合と相手方の都合との件数に分けて、どうなりますか。
#38
○東條説明員 この点は、先ほど総裁からもうちょっと御説明申し上げた点でございますけれども、日本の造船会社も当初は、契約で正規にきまっておりますデリヴァリの時期よりはもう少し繰り上げて納めたい。そうした方が外国からも特別なボーナスがもらえるというような情報がこの当時はございましたので、なるべく繰り上げて工期を済ませたい。たとえば十二月が引き渡し期限のものを八月に引き渡したいという努力目標を、国内的に定めておったわけであります。それに対しまして、私どもの方の銀行も、資金をなるべく効率的に使わしていただくということで、造船会社側で八月に繰り上げてもやってみせるというなら、それじゃ八月までの期限にいたしておきましょうということで、貸付契約を結ぶ。ところが、先ほど総裁からこの点御説明いたしたのでございますが、たとえば外国の船主からの支給品がずれてくるというような事例もございまして、つまり当初の努力目標の八月ではどうもうまくできなかった。やはり当初の正規の契約の十二月でなければ船ができなかったという事例があるわけであります。そういう、いわば外国との輸出契約との関係じゃございませんので、国内の努力目標が結局いろいろの事情でうまくいかなかったということに基きますのが、三十一年度の三十一件のおもな内容に相なっております。
 しからば、その原因は一体どっち側に責任があるんだと申しますと、これは今申しましたように、外国の船主の支給品がおくれたということで、外国側を原因とする事例もございますし、純粋に国内の原因でもって努力目標に達しなかったというような事例もあるわけであります。
#39
○小川(豊)小委員 今の説明なんですが、その件数を、日本側の責任に帰すべきもの、相手方の責任に帰すべきものは、この三十一件の中ではどうなっておるのか、こういうことを私はお聞きしたのです。あなたの御答弁は、それは双方に責任があるような御答弁であった。しからば、双方に責任があるならば、その双方の責任というのはどういうふうに解決するのか。
#40
○東條説明員 どちら側にどういう責任があるかということをしばらく別にいたしまして、一体、三十一年度の期限延長の具体的な理由はどんなことがあるのだという、具体的な事情をちょっと申し上げてみますと、主機とか、あるいはタービンの工程がおくれたがために――これは造船会社というよりは、むしろ造機会社の方に原因がある場合が多いわけでありますが、そういうふうに、主機、タービンの工程遅延、あるいは入手遅延によるものが十一件。それから造船会社の工員のストライキによるところの工程の遅延が八件。それからいろいろの関係で、やはり工程をスローダウンせざるを得なかった――これは造船会社の事情でありますが、それが四件。それから船主の支給品がおくれたというのが一件。それから、船はできたのでありますが、検査の関係がうまくいかなかったということで、工程が遅延せざるを得なかったというのが一件。その他六件というような内訳に相なっております。従いまして、この事情から御判断いただきたいのでありますが、外国側の事情に基くものもございますし、国内側の事情に基くものもございますし、国内でも、造船会社の内部事情に基くものもございますし、あるいは国内のほかの製品のメーカーの事情に基くものもあるというわけで、事情はいろいろございます。
#41
○小川(豊)小委員 今、仕訳したのをお聞きすると、大体、相手方の関係ではなく、ストライキで八件、造船会社の都合で四件、それから検査の都合というのは、こっちが検査するわけでしょう、こういうことになってくると、大半はこれは日本の方の事情になっているわけです。さっきからあなたの答弁を聞くと、相手方の都合で融資を延期せざるを得なかった、こういうふうに御答弁なすっている。ところが、仕訳してお聞きすると、相手方の責任に帰すべきものはないでしょう。幾らかはあるが、あまりないでしょう。一体、外国との輸出の契約がなされ、それに対してあなたの方は融資するんだから、この輸出契約に対して当然あなたの方も、それを見もし、意見も言うでしょう。その契約の条項はどうであるかということは、金を貸すくらいですから、一体こういう輸出の契約について、こういう場合にどちらがその責任を負うかという規定は明確になっているのですか、いないのですか。こういう三十一件の融資を延長したものに対して、どちらがその責任を負うことになるのですか。相手方に損害を要求できる筋合いなのか、どういうことになっておりますか。
#42
○東條説明員 御説明申し上げておりますように、相手方との関係では、たとえば十二月末までに船を作って引き渡せばよろしいということになっておるわけであります。しかしこの三十一件につきましては、当初は、たとえばそれを半年ぐらい繰り上げて船を作ってみせる、また一応そういうことで期限を定めておこう、こういうことでございます。従いまして、この件数につきましては、つまり相手方との関係においては、やはり工程がずれましても、十二月末までには船を引き渡すということでございますので、ちょっとお尋ねの趣旨と反するかもしれませんけれども、別に相手方との間に損害賠償の問題が生ずるとか、そういうことは起っておらない。こういうふうに御理解いただきたいと思います。
#43
○小川(豊)小委員 おかしいじゃないですか。多額な融資を受けて、金利を払わなければならないでしょう。そうすると、できたものを引き取る期間を延長してくれというなら、相手方が持つべきでしょう。引き渡し期日までにできなかったならば、これは当然こっちが金利を負担しなければならない。この点は一体どうなっているかということです。
#44
○東條説明員 十二月末までに引き渡しましょう、相下方にはそういう契約をしているわけです。そして今申し上げている三十一件の例は、十二月末には引き渡しておるのでございます。ただ、日本の国内の事情として、造船会社の方ではボーナスをもらおうというので、もう六カ月繰り上げてやりましょう。ところが、これが繰り上らなかったという例であります。従いまして、相手方には十二月に引き渡すという契約は履行しておるわけでございます。
#45
○小川(豊)小委員 そうすると、十二月に引き渡すものを、今の御説明では、八月に私の方は仕上げる、だから、あなたの方は八月まで貸した、こういうことでしょう。そうすると、八月に仕上ったならば八月に渡せばいいのでしょう。十二月までの約束だから十二月まで引き取らない、こういうことになっておるのですか。
#46
○東條説明員 今、問題になっております三十一件は、八月までに仕上らなかった分だけの話であります。八月までに仕上りますと向うに引き渡しまして、正規の金額のほかにボーナスをもらっておる例が、この三十一件のほかにあるのであります。しかし、この三十一件については、八月までにでかすつもりであったのができなかった。従って、向うの船の引き取りもずれた。こういう事情であります。
#47
○小川(豊)小委員 そうすると、八月までにでき上るというものが八月までにできなかったから、延ばさざるを得なかったということですか。
#48
○東條説明員 さようでございます。
#49
○小川(豊)小委員 日本輸出入銀行の設立の趣旨、目的というものがあるでしょう。それはどういうことになっておりますか。
#50
○古澤説明員 私の方のおもな目的は、日本のブラント輸出、機械類その他長期の金融を必要とするものにつきまして、市中がやれない部分を、私の方の銀行で助長し、奨励しよう、こういう目的のもとにやっておるわけであります。
#51
○小川(豊)小委員 先ほどあなたは淡谷さんの質問に、日本の船舶の輸出を助長することを目的とするということを説明された。それで私は、輸出入銀行は日本の船舶の輸出を助長する目的のためにできたのかと解釈しておったので、おかしなことがあるものだ、船舶輸出のためにわざわざ銀行を作らなければならなかったのか、こう思って、今聞いたわけです。今の総裁の御答弁なら、それはその通りだ。ブラント輸出を助長するためにということ、これはあり得るわけです。あなたの答弁と違っておる。だから今、お聞きした。第一条には「日本輸出入銀行は、金融上の援助を与えることにより本邦の外国との貿易を主とする経済の交流を促進するため、一般の金融機関が行う輸出入及び海外投資に関する金融を補完し、又は奨励することを目的とする。」ということになっておる。そこで、総裁の答弁で一応趣旨は通っておるが、輸出入銀行が今貸し出している金融というものは、大部分が船舶でしょう。しかも、船舶会社というのは、ほとんどが日本の財界の大手筋なんです。ことに、この融資期限の延長までしてもらっておる七社というものは、根になったものは百九十一億である。そうしてそれを延長しておる。それは今聞いてみると、事情やむを得ないものもあると思います。それにしても、七十二億というものを延長しておる。四〇%、五〇%も延長しておる。こういうことになるので、設立の趣旨からいって、おかしい。私がきのうお聞きしたのはそこです。造船会社に対して非常な重点を置いて融資をしておる。それが期限を延長しなければならなくなった事情は、今説明を聞いてわかったけれども、あなた方が造船に非常に優先融資をしたことは、あなた方の一つの見通しの誤まりであったのではないか。それで、きのうお聞きしたのは、海運界が不況になってくる、従って造船も不況になるだろう。ところがあなたの方ではそうは考えずに、造船に対して優先融資をしていったのじゃないかという建前で、私はお聞きをしておったのです。今でもこれを見ると、造船に対する融資が大部分であり、その大部分が、事情のいかんはあれ、それが融資期限を引き延ばし、しかもそれを再度引き延ばしておる。少数であってもそういう事例があるということは、大手の造船会社に対して、まさに政策としては、援助政策を濃厚に打ち出し過ぎておる、こういうふうに私は考えておる。これは政策論になって、会計検査院で取り扱うべき問題じゃないかもしれませんが、先ほどのあなたの説明では、船舶の輸出を助長するだけが目的のようなことであったので、これは訂正してもらわなければならぬと思う。
#52
○東條説明員 輸出入銀行の目的は、総裁から今御説明申し上げ、小川委員からお話しになった通りでございます。ただ、私の言葉が足らなかったのでございますけれども、日本のプラント輸出の実情といたしまして、五〇%、六〇%まで、従来プラントの一つとしての船舶の輸出ということにウエートを置いておりましたし、たまたま説明いたしておりましたことが船舶の問題でございましたから、プラント輸出という言葉のかわりに船舶輸出という言葉を使いました点は御指摘の通りでございまして、訂正させていただきます。
#53
○高橋(禎)小委員 関連して、ちょっと一点、簡単にお尋ねします。今、問題になっております延滞料を徴する法的の根拠――日本輸出入銀行が融資したものに対しての利息は問題ないのですが――これをお示し願いたいということ。
 それから、期限延長の場合に延滞料を徴するか徴しないかということについての、輸出入銀行の業務基準というか、その方法というか、それを具体的にお示し願いたい。
#54
○東條説明員 延滞料を徴する根拠は、輸出入銀行と貸付の相手方との融資契約によりまして、責めに帰すべき事由があって延滞した場合においては、延滞料を日歩四銭徴するという条項も入っておりますので、私どもはこの契約上の文言に基きまして延滞料を徴する次第でございます。
 それから、期限延長の申し入れがございました場合に、先ほど来申し上げておりますようないろいろの事情を判断いたしまして、果して正当な事由があって期限延長を認めなければならないものかどうかということを判断して、それが正当な事由がないという場合においては、期限通り金をとるなり、あるいは期限が過ぎても金の返済がないというときには、契約条項に基きまして延滞料を徴する。その判断は、日本輸出入銀行の総裁の、契約上果して正当な事由があるかどうかという判断の問題であろうかと思います。
#55
○高橋(禎)小委員 第二の方の問題について、それは銀行当局において自由に決定できるのですか。それとも、あらかじめ何かそういうことを決定する基準でも定まっておるのですか。
#56
○東條説明員 ただいまのところは、決定的な基準を定めておりません。と申しますのは、私どもの方の貸付契約の期限は、外国から日本の輸出業者が入金できる時期と照応してきめられておるという、あるいはほかの銀行にはあまり例のないことかもしれませんが、そういう輸出契約と密接不可分の関係がございまして、その辺の判断は比較的機械的に――と言うと語弊がございますが、できるのじゃなかろうか、と考えております。
#57
○山田(長)小委員 大手七社を主とした理由はどこにあるのですか。
#58
○東條説明員 別に私の方で大手七社を主にしているということではございませんが、昨日の資料の御要求で、大手七社を特掲して内訳を作れ、こういう御趣旨でございましたので、さように表を作った次第でございます。
#59
○山田(長)小委員 七社以外にA社、B社とあるのは、事業種類から見て何に属しますか。
#60
○東條説明員 ここにA社、B社と掲げましたのは、大手七社の中で一番期限延長の多いものをかりにA社と呼ばしていただき、一番少いものをB社と呼ばしていただいたわけであります。
#61
○山田(長)小委員 そうすると、輸出船舶関係以外の融資をされている会社はどうなるのですか。
#62
○東條説明員 船舶の関係でございますと、私どもの銀行は、船舶を輸出するからということで金融が起るわけであります。あるいは私の聞き違いかもしれませんが……。
#63
○淡谷小委員 さっきの中断されておった質問を継続いたしますが、この四万トンのタンカー六百二十四万ドルと申しますが、これは一ドル三百六十円に換算いたしまして私が概算してみますと、大体二十二億四千六百万円になります。そうしますと、大体今度のこれに相当するくらいの大きな金になります。これは結局三十四年の四月に一ぺん期限を切って、あとはどうなったのですか。最後の結着まで一つお話を願いたい。
#64
○東條説明員 これは契約の引き渡しの期限が本年四月になっているのでございますけれども、当初の話し合いでは、努力目標として昨年の十二月見当ということを当事者間で、いわゆるボーナス規定に基づいて話し合いをしておったそうであります。ところが、昨年九月になりまして、あの船の引き取りは延ばしてもらいたいということでございまして、つまり約束の十二月には引き取れないということを言って参ったわけであります。そこで、それでは仕方がないので、四月の正規の引き渡しのときまでには引き取ってもらいたいという交渉をいたしておりましたところ、さらにその後、きわめて頻繁に電報の往復をやったそうでありますが、四月の引き渡しも困るということを言ってきたということでございます。商売人同士でございますから、九月のことははっきりいたしておりますが、自後は、きわめて頻繁な電報の往復というふうに御承知を願います。
#65
○淡谷小委員 その造船所の名前を、はっきりお聞きできませんか。
#66
○東條説明員 はなはだ恐縮でございますが、この案件は最近の新聞に載っておった会社でございますので、それによって、もう淡谷委員、御想像いただけるかと思いますので、それでごかんべんいただけないでしょうか。
#67
○淡谷小委員 新聞に載っているから聞くのです。載ったのだから、もう言ってもいいじゃないですか。やはり新聞は新聞で、あとであなた方は、あの載ったことは誤報だったと始終言われますから、新聞以外に、やはり委員会として、はっきり責任のある御答弁を伺っておきたいのです。
#68
○東條説明員 会社の名前は三菱日本重工業であります。
#69
○淡谷小委員 二十二億というと相当の金額ですが、この金額がこういう形になって、現在もなお引き取るとか引き取らぬとかいうことになっておりますが、結局は三菱が全部払ったんですか。
#70
○東條説明員 この船につきましては、私どもの承知いたしておりますところでは、最近この外国の船主が来ておりませんから、日本の船会社にこの船を処分いたすという商談が、ほとんどまとまったかに聞いております。
#71
○淡谷小委員 あなたの方の金の関係はどうですか。返済されましたか。
#72
○東條説明員 私どもの方でこの工事にかかりますために融資した金額は、全部回収いたしました。
#73
○淡谷小委員 元金は幾らで、利息は幾らですか。
#74
○東條説明員 当行で融資の承諾をいたしました金額は、十一億一千百六十万円でございますが、このうち現実に貸し出しの行われました金額は、九億七千三百万円でございます。ただいま申し上げましたように、この九億七千三百万円につきましては、今年の七月一日に完済を受けております。
#75
○淡谷小委員 利息総計は幾らですか。
#76
○東條説明員 今計算をいたしてみないと、ちょっとわかりませんが、私どもの方のきまりによりまして、年利四分の利息をとっております。
#77
○淡谷小委員 これも厳密に言えば、三十四年の四月にはとるべきものが、七月まで延びております。あっさりあなた方は仕切っておりますけれども、延滞金の四銭というのは十億に直しますと、一日四十万円ですよ。半年延びますと、一億四千四百万円です。これは、とるととらないでは、非常に違うんです。それを漫然と、四月にとれないから七月一日まで延ばして、全然この適用をしないというならば、一体、この延滞金を課する条項の内容はどうなっているのですか。しかし、さっきあなたは、高橋委員の質問に答えて、延滞金の条項は契約にあると言っていますが、その内容をお知らせ願いたい。
#78
○東條説明員 四月が納期でございましたけれども、その後やはり、契約通り履行してもらいたい、あるいは履行できないという交渉を、当事者といたしましては、今お話のように大きな金額でございますので、引き続き折衝いたしておったわけでございます。しかし、どうしても見込みがないということでございまして、先ほど来申し上げておりますような処置に相なりました次第でございます。
#79
○淡谷小委員 契約の中にある延滞金を課する条項の内容をお答え願いたいと私は言っているのです。
#80
○東條説明員 はなはだ恐縮でございますが、ただいま契約条項を持っておりませんので、直ちに取り寄せたいと思います。
#81
○淡谷小委員 これはあと非常に重大な問題ですから、契約に盛ってある延滞金の条項をはっきりお知らせ願いたい。
 それから、そのタンカーを引き取らないというのは、明らかに向うのあれだと思いますが、この責任はどっちがかぶったのですか。
#82
○東條説明員 これは当事者間でこれから話し合いをいたしまして、当事者間双方の係争問題として処理せらるべきものだ、かように考えます。
#83
○淡谷小委員 今度三十一件の期限延長を承諾した問題につきまして、この種の事案は起らなかったのですか。三十一年度ですから、もう解決がついていると思いますが、これはどうなっておりますか。
#84
○東條説明員 三十一年度の三十一件につきましては、先ほど申し上げましたような努力目標がずれたという案件のみでございまして、最近の三菱日本のごとき事情ではございません。
#85
○淡谷小委員 この期限の定め方ですが、努力目標はあくまでも努力目標で、これによってボーナスがつくという特典が与えられるから努力をする。やはり融資をする期限としては、正当な契約の期限によって定むべきものと思いますが、努力目標の方に繰り上げて、非常に不確かな契約をするという真意は、どこにあるのです。これはやはり、外国商社との間に取りきめがあった契約の期限に基いて、的確な期限を定めて、むしろ繰り上げて償還した場合に何とかしてやるというならわかりますが、期限があるのに、努力目標の方に期限を引き上げるというのが、私にはどうもわからないのです。
#86
○東條説明員 お話のような考え方も確かに根拠のあるお考えだと思いますが、私どもの方の考え方は、先ほど申し上げましたように、努力目標をきめまして、その当時の事情としては、ぜひそこまでには仕上げてみせるというような場合におきましては、やはりそこで貸付の期限を切って、回収を早くする。そうして、国家資金でございますから、回転をなるべく早くするということがむしろ適当であろう。こういう考え方に基きまして、仰せのように努力目標ではございますが、相当確実性のある、努力をすればできるという目標に立ちました場合におきましては、そこに一応期限を切って、なるべく早く回収をするということの方が適当であろう。こういう方針に基きまして、やっておるわけでございます。
#87
○淡谷小委員 これは、延滞金をとるかとらないかで、だいぶ影響があると思います。期限をおくらせても、延滞金はとられないという習慣がついておるから、もし返せなかったら延ばしてもらえばいいのだというイージーな気持でおるのですから、むしろ前に繰り上げる努力をしないのです。これは一般の実業家の心理では、もし延滞金が課せられるならば、非常に確実性のある正規の期限に納めるのが当りまえだと思うのですが、延滞金に対して非常にルーズに扱っておるから、そうなるのじゃないのですか。
#88
○東條説明員 お言葉を返すようでございますけれども、たとえば八月末までに、うまくいけば、相当可能性が多くでき上る。しかも、例として、十二月末までに償還期限を定めている、というときに、現実に八月に工事ができ上ってしまったという仮定の話でございますけれども、繰り上げ償還をさせればいいじゃないかと言うこともできるかもしれませんが、もし繰り上げ償還というようなことがございませんと、また不必要に国家資金を当事者において利用したという可能性も全然ないということでもございませんので、その辺のところはどちらがよろしいか、慎重に考えなければならぬ点かと存じますが、従来は、私どもの方はむしろ資金の効率的な使用、できたならばすぐ当事者の手元には金は置かないのだということに、確実性を期する方がいいじゃないかという考え方で、処理をいたして参ったのでございます。
#89
○淡谷小委員 これは考え方の相違ですから、これ以上追及いたしません。
 なお、三十八条によりますと、「日本輸出入銀行は、毎事業年度の損益計算上利益金を生じたときは、準備金として左の各号に掲げる金額のいずれか多い額を積み立てなければならない。」という項目があり、一は「当該利益金の百分の二十に相当する額」、二は「毎事業年度末における資金の貸付残高及び割引に係る手形の現在額の合計額の千分の七に相当する額(その額が当該利益金の額をこえるときは、当該利益金の額)」としておりますが、二項において、「前項の準備金は、損失の補てんに充てる場合を除いては、取りくずしてはならない。」ということになっておる。ところが、さっき私が質問をいたしましたときに、国会の方に出しておりました書類を見ますと、三十二年三月三十一日現在で、貸し倒れ準備金というものが十四億九千二百三十一万七千七百二十五円あります。準備金がまた十億三千七百十五万五千五百四十三円あります。この貸し倒れ準備金と準備金の性格の違いは、どこにありますか。
#90
○東條説明員 この貸借対照表のいわゆる十億三千七百万円の準備金は、日本輸出入銀行法第三十八条、「損益計算上利益金を生じたときは、準備金として左の各号に掲げる金額のいずれか多い額を積み立てなければならない。」という三十八条に基きますところの準備金でございます。それから貸し倒れ準備金の方は、ただいま淡谷委員がお読みになりました法律の規定に基きますところの貸し倒れ準備金であります。かようなことに相なっております。
#91
○淡谷小委員 おかしいじゃないですか。私たち、しろうとですから、よく解釈をお聞きしたいのですが、「前項の準備金」というのは、三十八条の「準備金として左の各号に掲げる金額のいずれか多い額を積み立てなければならない。」という一項なんです。「準備金は、損失の補てんに充てる場合を除いては取りくずしてはならない。」とありますが、この貸し倒れは損失ということを意味しませんか。
#92
○東條説明員 私のただいまの答弁は訂正いたします。間違っておりました。貸し倒れ準備金の方は、この三十八条に関係なくて、私どもの方の内部の規定に基きましていわゆる貸し倒れ準備金として準備しておるものでございます。そして、この準備金がこの三十八条の準備金、こういうことでございます。
#93
○淡谷小委員 あなたはきのうから二度答弁を間違っておられますが、これは委員会の答弁ですから、私の方でも了承しますけれども、莫大な金を扱う人がそう間違っては、たまったもんじゃないですよ。これは注意して、もっと慎重にやってもらいたい。
 それでは、あなたの方で貸し倒れ準備金を準備する根拠は、どういう内規なんです。
#94
○東條説明員 貸し倒れ準備金に関しましては、私どもの方で日本輸出入銀行の国庫金納付に関する政令というのがございますけれども、この中に貸し倒れ準備金の基礎に関する規定がございます。当行内部の貸し倒れ準備金に関する規定につきましては、ちょっとお時間をいただきまして、申し上げたいと思います。
#95
○淡谷小委員 それじゃ、その内容を聞いてから、また質問を継続いたしますが、行政管理庁に一つ質問やらお願いやらがあるのです。公庫のいろいろな状況を調査しておりますると、非常におもしろい結果が出てきたのであります。公庫関係のもので、国民金融公庫が三十一年度で上げました利益が十一億五千五百万円。それから住宅金融公庫が上げました利益が八億六千三百万。農林漁業金融公庫が五億。中小企業金融公庫が八億一千九百万。北海道開発公庫が千三百万。ところが、このうち国庫に幾らか金が入っておりますのは、国民金融公庫だけであります。あとは延滞、滞貸償却引当金として、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道開発公庫、ともに一〇〇%貸し倒れ準備のために積み立ててある。最も零細な、信用程度が低いといわれております国民金融公庫の方だけが、十一億五千五百万円のうち、引き当てましたのが八億六千六百万円で、あとは国庫に入っている。そうしますと、他の公庫が滞貸というものをどう扱っているかに対して非常に疑惑を持たざるを得ない。特に、今やっております輸出入銀行ですが、これなどは二十億に近いものが期限延長の形で繰り延べされている。一応解決がついたそうですが、三十三年度はまた三十三件もあります。そうしますと、非常に零細な金融機関、しかも大衆を相手にしております金融機関だけがまっ正直にやっておるやに見える。あとはどうも、滞貸あるいは延滞の点で、いつかは引当金をそっちの方に充当して、借り倒した者が得をするという形になりはしないか、という疑惑を持たざるを得ないのです。一体、行政管理庁は、この点の監査をどういうふうにされておるか、お聞きしておきたい。
#96
○原田説明員 私ども行政監察といたしましては、公庫につきましては農林漁業金融公庫、住宅金融公庫、それから国民金融公庫、中小企業金融公庫、こういうものにつきまして一応監察を実施いたします。しかし、農林漁業金融公庫と住宅金融公庫に関しまして勧告をいたしましたほかは、現在はまだ取りまとめ中でございます。そのほか、北海道東北開発公庫あるいは公営企業金融公庫等につきましては監察をまだ実施しておりません。現在までのところ、ただいまの問題点につきまして、一応問題として出ておるのであります。しかしながら、これはきわめて重要な、しかもむずかしい問題だと考えておるのでございまして、私どもとしましては、各公庫に対する一応の監察が終りました後に、各公庫を通ずる諸問題点、重要な問題点、こういうものにつきまして総合的に検討し、また横断的な比較等もやりまして、結論を出していきたいということで、現在までのところ、ただいまの御質問の問題点につきまして、研究の域をまだ脱しておらない次第でございます。
#97
○淡谷小委員 これは好況時代にはあまり問題になりませんが、不況時代になりますと、どうも気のきいた者はさっさと借り倒して、滞貸引当金でもやってもらって、お茶を濁してしまうという事例がなかったわけではないのです。御承知の通り、国民金融公庫というものは、小さいのは一万円程度から出しておるのです。この方が非常に成績がよくて、大会社が滞貸を起し、またそれを対象とする公庫なり銀行なりが多分の貸し倒れ準備金、特に輸出入銀行の方は損失補てんのために十億円、貸し測れのために十億円、二十億円というような準備をすでにやっておるとすれば、私はまことに前途に不安を感ぜざるを得ない。これはまだ研究中だそうでありますが、この点などは妥協のない研究をやって、警告すべき点は警告をして、事前に、そういう好ましからぬ事態が起らないように、私は、はっきり御忠告申し上げておきます。
#98
○原田説明員 ただいまお話がありました点を十分体しまして、全般的な公庫につきましての各種の問題の検討の際に十分研究して、結論を出してみたい。かように考えておりますから、御了承願います。
#99
○東條説明員 先ほどの準備金と貸し倒れ準備金に関する規定のそれぞれ根拠を申し上げますと、貸し倒れ準備金に関しまする規定は、日本輸出入銀行の国庫納金に関する政令という政令がございまして、それの第一条第三号に、「日本輸出入銀行は、」途中を飛ばしますが、「貸倒準備金への繰入額については、大蔵大臣の定めるところにより算出しなければならない。」ということに相なっておりまして、大蔵大臣の定めましたところによりまする貸し倒れ準備金を輸出入銀行は繰り入れる、かようなことに相なっております。
 それから準備金の方は、先ほども申し上げましたように、第三十八条に、これは淡谷委員の御朗読になりました準備金に関する規定、これが根拠でございます。
 従いまして、貸し倒れ準備金に関する規定といたしましては、今申し上げました政令に関する規定がその根拠に相なっております。
#100
○淡谷小委員 大体、両方合しまして二十億ほどの損失補てん並びに貸し倒れ準備金があるようであります。これは現在適用するような形になっておりますか。三十三年度のものはどうですか。これはどうしても国会に出さなければならないというのはございますか。
#101
○東條説明員 これは毎年私どもの年度末の貸借対照表で国会に御提出申し上げることになっております。
#102
○淡谷小委員 この準備金あるいは貸し倒れ準備金を取りくずして払う場合の手続は、どうなっておるのですか。
#103
○東條説明員 ただいままで起った事例がございませんので、内部といたしましてまだ規定を定めておりません。
#104
○淡谷小委員 できてからじゃ間に合いませんから、もしできた場合にはどういう手続で貸し倒れと認定するのか。あるいは取れないときにどうしてこれを補てんしていくのか。内規か何かできておりますか。
#105
○東條説明員 はなはだ恐縮に聞こえるかもわかりませんが、私どもの方の貸付の方法につきましては、海外との関係では輸出の信用状を十分徴するとか、国内的にも十分担保を取っておるということで、貸し倒れを生ずるような貸し出しを今いたしておりませんので、従いまして、御指摘のようなことは万が一にもない。かように考えておるわけであります。
#106
○淡谷小委員 それが全然なければ貸し倒れ準備金も要らないのじゃないか。そういうおそれがあるから貸し倒れ準備金を作る。あるいは普通の準備金を損失補てんのためにくずすという規定がある。規定がある以上は、何を一体貸し倒れと見るのか。どういう貸付を取れないものと認定するのか。内規があってしかるべきだと思う。いいかげんなところで、これは取れないのだという断定のもとに、二十億といったような補てん金や貸し倒れ準備金を使われたのでは、たまらないと思いますが、そういうようなものはできていないのですか。
#107
○東條説明員 金融機関でございますので、大蔵大臣の命ずるところに従いまして貸し倒れ準備金を積む。また、それに従いまして現実に積んでおるわけでございますが、私が申し上げました趣旨は、実際のわれわれの運用といたしましては、さような貸し倒れを生ずるような貸付は現在やっておらぬ。従って、貸し倒れ準備金を取りくずさなければならぬような事例は万なかるまい、という趣旨を申し上げたわけでございます。
#108
○淡谷小委員 そうすると、三十一年度に二十億円になっております。これはあなたの心がまえでは、この準備金は取りくずさないで――補てんしなければならぬものですから、いつまでも持っていくつもりですか。
#109
○東條説明員 もちろん将来の問題でございますので、絶対的なことは申し上げるわけに参りませんが、私どもの心がまえといたしましては、貸し倒れ準備金を取りくずすような事態がないように、万遺漏なきを期したいと存じております。
#110
○淡谷小委員 くどいようですが、もう一言言っておきますけれども、これはやはり不況が深刻になりますると、この準備金やあるいは貸し倒れ準備金がいつのまにやらこの規定に基いてくずれていくかもしれないということは、これは断言できないでしょう。その場合に、根拠になるべき法規や内規がなくていいのかという問題です。これは性格が準備金という性格ですから、そういった、くずすときの内規があるのが当然で、ないのが不思議じゃないのでしょうか。
#111
○東條説明員 もちろん、私どもの内部の経理規定におきましては、貸し倒れが生じた場合においてはどういう整理をする、どういう勘定科目に振りかえるという内部の経理手続をきめてありますることは御質問の通りでございますが、私どもの運用の心がまえといたしましては、さような点の生じないように心がけております。
#112
○淡谷小委員 あなたの答弁は逃げられているような感じがします。たとえば今の三菱のタンカーの問題でもそうです。幸いに金が払われているからいいけれども、金が払われなかった場合に、あるいは金が取れなかった場合に、これはどうも取れる見込みがないからといって、この準備金を適用して損失を認めるような場合に、その決定したことに対して最終的な責任はだれが負うのですか。
#113
○東條説明員 十分、国内担保を徴する方針でございますので、御指摘のような事例は起らぬと思いますが、万一さようなことが起りまして、貸し倒れ準備金を取りくずさなければならないという事態が起りましたときには、それを処置する責任は日本輸出入銀行総裁にあると思います。
#114
○淡谷小委員 延滞金に関する契約書の内容はおわかりになりましたか。
#115
○東條説明員 債務不履行の場合には、借入人は弁済を要する金額に対して百円につき一日四銭の割合に当る損害金を支払うこと、こういう条項になっております。
#116
○淡谷小委員 債務不履行の場合だけですね。債務不履行の場合としますと、期限がきても返さぬということが債務不履行なんです。そのときに延滞金の規定を準用しないで、さらに条件を緩和し、あるいは期限を延長するということは、内規では一体どうきめてありますか。
#117
○東條説明員 海外からの入金がございません場合に、果してその事情がやむを得ないものであるかどうかという判断をいたしまして、その期限がきてからということではございませんで、前広にこの事態を判断いたしまして、やむを得ない正当な事由があるという場合におきましては、期限の延長をいたすわけでございます。従いまして、その場合におきましては、まだ債務不履行という事態は生じておらない、こう考えております。
#118
○淡谷小委員 期限延長の場合の何か成文になっている規則や内規はございますか。これはただ、ほんとうの営業上の手心だけであって、規定あるいは内規はないのであるか。そこを、はっきりしてもらいたい。
#119
○東條説明員 総裁がいろいろ事務当局の意見を聞き、周囲の情勢を判断いたしまして、総裁の責任においてきめる、こう考えております。ただし、これは文句に書いたものではございません。実際上そういたしております。
#120
○淡谷小委員 これで終ります。
    ―――――――――――――
#121
○鈴木小委員長 それでは、引き続いて自余の問題についての御質問を承わります。
#122
○淡谷小委員 住宅金融公庫の問題につきまして、会計検査院の報告書の二四七ページに、三十一年度分は、大体住宅の建設、宅地造成ともに二十七億九千二百万円下回っているということが書いてある。「これは、主として個人住宅貸付および分譲住宅貸付が計画どおり行われなかったことによるものである。」とあります。これは事実として受け取りますが、どうして計画通り行われなかったかという説明が出ていないので、一つ公庫の方からこの内容を御説明願いたい。説明書にもございませんので、お聞きしたい。
#123
○鈴木(敬一)説明員 大体この年は、スエズ運河閉鎖が原因かとも想像しておりますが、鉄鋼類の需要が急激に増加しましたので、一つには、個人住宅、分譲住宅以外の種類の住宅についてもさようでありまするが、個人住宅、分譲住宅についても、やはり鉄板類、くぎ類の人手が困難になり、かつ価格が騰貴したということも原因でありまするが、やはり世間的に非常に好景気がまえになった結果かとも思いますが、宅地の入手が漸増して困難になってはきておるのでありますが、特にこの年にそういう傾向があったということなどが根本原因かと思います。なお、ことにこの分譲住宅につきましては、分譲住宅中に、私の方で金を貸しませんで、ワクだけを事業主体と約束して割り当てる。そうして宅地を造成し、かつその上に住宅を建ててもらった。その土地及び住宅を買い受ける個人に対して契約をいたして金を貸す。そういう制度がございまして、これは宅地ができ、住宅を建設、仕上げて、それからそれを購入する個人と契約するわけでありますから、自然一般のと少し時期がずれる関係になる次第でありまして、契約締結がおそくなり、それが運命づけられてはおりましても、契約締結までに至らなかったというようなことが、分譲住宅、ことにそのうちの計画建て売り住宅については原因であった、かように申し上げられるかと存じます。
#124
○淡谷小委員 現在でも非常に住宅難に苦しんでおる人が多くございまして、予定の数量を下回るということは、実際にはあり得べきことじゃないと思うのです。今の最後の御答弁で考えるのですが、金を出さないでワクだけを与えて、宅地の造成をし、家を建てたものを個人に買い取らせるということになりますと、金を持った者が公庫のワク内で宅地を作り、あるいは家を建設して、それをさらに個人に売るといったような回りくどい行き方になるように考えられますが、その点はどうなんですか。
#125
○鈴木(敬一)説明員 お尋ねの点のみについてさしあたり申し上げますと、計画建て売り住宅貸付の方式は、六大都市の郊外電鉄会社にワクを割り当てまして、郊外電鉄会社がそのワク内において敷地を所有者から購入し、宅地を造成し、道路をつけ、下水をつけ、なお進んで、できる場合は上水道をつけ、そうして自己の資金、会社の計算において住宅を建設する。それを一般国民大衆が購入を申し込んで会社から譲り受けるという場合にのみ、六大都市の郊外電鉄会社に対してのみいたしておるわけでありまして、その他の個人住宅は個人に直接貸し付けますし、また宅地造成事業についての貸付は、地方公共団体及び地方公共団体にかわる財団法人に対してのみ貸し付けて事業を行わせておる次第であります。ことにサラリーマンその他忙しい人は、みずから土地を購入し、あるいはまたみずから請負業者と交渉し、工事を監督して家を建てるという余暇のない人が多いのでありまして、まとめて宅地造成をし、あるいは分譲住宅を建て、ことに計画建て売り住宅を建ててもらう、それを希望によって購入するということが、勤め人等には一番労なくして適当な宅地及び庶民住宅を獲得でき得る方法と私ども心得て、在来さように実行いたしておる次第であります。
#126
○淡谷小委員 この郊外電鉄会社六社というのは、どこどこでございますか。具体的に名前をお知らせ願いたい。
#127
○鈴木(敬一)説明員 ただいま六社名を記憶しておりませんが、これはただいままでのところでは、六大都市の郊外電鉄全部に逐次なってきたと存じます。三十一年度は、東京都の郊外地鉄と大阪市の郊外電鉄、あるいは名古屋、大阪を結んでおります電鉄及び名古屋の郊外電鉄、かような範囲において六社だったと思います。
#128
○淡谷小委員 その場合は、住宅金融公庫と電鉄の計画との間に、内部的な話し合いとか打ち合せなどは行われているのですか。それとも、全然別個に、ただそういう住宅を買うのには金を出してやるというふうにやっておるのですか。
#129
○鈴木(敬一)説明員 個々の購入する個人と公庫との間におきましては、一般の個人住宅の購入の場合と同じ条件、同じ形式の契約で実行いたしております。郊外電鉄と公庫との間は、計画書を出させまして、その計画書を審査、査定いたしまして、必要な場合には条件をつけて承諾の旨を会社側に通ずる、こういう方法によっておる次第であります。
#130
○淡谷小委員 一般の人が宅地を作る、あるいは家を建てて分譲する場合でも、やはり公庫は金を出しますか。
#131
○鈴木(敬一)説明員 出しておりません。ことに公庫創設以来いわゆる土地会社、不動産会社等からしきりに資金の融通を希望された例は多々あるのでありますが、私どもの方では、そういう向きには一切お金を出しておりません。
#132
○淡谷小委員 そこで疑問がわくのですが、一般には金を出してやらないが、電鉄会社六社だけには特別なコネクションができて、分譲を受けるものに対しては金を出してやる。これは一体どういう規則に基いてやっているのですか。
#133
○鈴木(敬一)説明員 別に規則というものはございません。公庫の方針といたしまして、株式会社では――今個人経営もあり得るのですが、土地会社等では、宅地を造成し、販売した結果は株主ないし個人の事業者の所得になり、営利を目的としている立場でありますから、貸しておりません。しかし、郊外電鉄会社は、ことに大都市の郊外電鉄会社は、在来も郊外にいわゆる沿線開発という意味合いにおいて似た計画を持っている会社もございますし、私どもの方で監督いたしまして、結局において庶民、すなわち住宅並びに宅地の講入希望者が比較的低廉なる価格で、少くも高からざる価格で宅地及び住宅を購入し得る。そういう見込みにおいて電鉄会社から出た計画を審査査定いたしているのでありまして、私どもの希望といたしましては、大都市の郊外電鉄会社としては宅地の分譲及び庶民住宅建設分譲によって利益をむさぼることなく、ただ電鉄会社としては将来に対する沿線の開発という意味合いにおいて、眼前の宅地造成及び住宅分譲事業そのものでは利得をむさぼらない。そういう意味合いにおいて、電鉄会社と約束しているのでありますが、電鉄会社に資金を融通することによって電鉄会社の経理に利得するところがあるようでは、ほかとの区別が立ちませんから、電鉄会社には一切の資金というものは融通しておらぬ次第でございます。
#134
○淡谷小委員 住宅金融公庫の総裁がそういうお考えを持っているのだと、非常に危ないですよ。電鉄会社が営利事業じゃなく、他の住宅や宅地を作るものが営利事業だという考え自体が、私は大へん狂っていると思うのです。資本量の問題です。小さな資本家は遠い先の営利を考えておられませんから、目先の営利を考える。電鉄会社は、国家事業でないので、宅地や住宅でもうけなくても、どんどん家が建って利用者がふえますと、やはり利益になるから、やるのです。それを、片方は営利事業だから協力はしない、片方は営利事業じゃないから協力するという形になってきたら、とんでもない混乱を招くと思う。特に電鉄会社などがそういう計画があるので、一般の正規の形と申しましょうか、個人々々が住宅建設を申請した場合に、申し込みがいれられないといったようなうらみがないですか。むしろ、電鉄会社が作ったものを買った方がいいという気持になっているのではございませんか。これがこの三十一年度の下回った一つの原因をなしているようにも考えられますが、その点はございませんか。
#135
○鈴木(敬一)説明員 さような点はないと存じます。何か私の説明が悪かったのかしれませんが、六大都市の郊外電鉄会社に対するのみのお話に局限されたようになりましたが、大多数の計画建て売り住宅は、大府県都市等が作っておりますいわゆる財団法人としての住宅協会あるいは住宅公社というような、都道府県市町村にかわるごとき事業主体に対しまして、主として計画建て売り住宅を割り当てるように努めている次第でありまして、その補足手段として六大都市の郊外電鉄にも計画建て売りの割当をしている。こういうふうに訂正して御答弁したことに御了承願っておきます。
#136
○淡谷小委員 これは建った家屋なり、造成された宅地なりに対して、住宅金融公庫が金を出してやって買わせるのだという保証がついた場合と、保証がつかない場合とでは、作る方では気持の上でも、資本の上でも、だいぶ違いがあります。従って、一般の人のものは買わぬとなってくると、一般の人は作らない。従って、公庫が、その建物なり宅地なりを買う場合は、金を貸してやるという約束をしている団体はどこどこか、具体的にお知らせ願いたい。
#137
○鈴木(敬一)説明員 民間の企業といたしまして、いわゆる建て売りという企業が、かつても、しばしば行われましたし、近来も行われておりますが、それらの企業内容に至りましては、われわれは探究し得ない状況でありますので、金は一切貸さない。計画だけ認めるというので、わずかに六大都市の郊外電鉄に計画建て売り事業を認めている次第でありまして、個人が自己所有の家屋にするという意味合いの建物をお建てなさる向きに対しましては、これが私どもの事業の一番主要な数量駐になっている次第でありまして、御承知のように、毎年度一回もしくは二回、近年はほとんど二回でありますが、募集をいたしまして、それぞれに貸して、建てていただいている次第でございます。
#138
○淡谷小委員 案件は三十一年度でございますから、三十一年度についてお聞きしたいのですが、個人住宅の建設の申し込みは三十一年度は何戸ございましたか。
#139
○鈴木(敬一)説明員 三十一年度の個人住宅の申し込み件数は、取り調べまして、後ほど御答弁申し上げます。
 冒頭に私の説明が根本原因に触れておらなかったようでありますが、三十一年度の貸付金総額が、金額において二十七億九千二百万円残が出たという最も主要な原因といたしましては、大数のことを申し上げますと、前年度たる三十年度におきまして、本予算の成立がたしか七月になったかと思いますので、前年度、鋭意この成立しました本予算の貸付を努力促進いたしましたけれども、遺憾ながら、遂に三十一年度に繰り越しました計画残が、金額にしまして四十七億余ってしまったのであります。それで、三十一年度そのものの固有の計画が、金額にいたしますと二百三十数億であったと思いますが、これを合計いたしまして三十一年の事業計画を金額に直しまして二百八十数億の事業が割り当てられた結果になります。これを完了すべく鋭意努力、促進に努めたのでありますけれども、遂に約二十八億程度の残が出たのであります。四十七億前年度から繰り入れざるを得なかった。そうして年度末に、翌年度に対して二十七億数千万円を残した。むしろ、この年度は職員一同非常に努力をいたしまして、促進に努めたのでありますが、先ほど申し上げますような鉄鋼資材の騰貴、その他の事情等もありまして、遺憾ながら事業計画の残が出てしまった。これはまことに申しわけない次第でありますが、前後の事情をおくみ取り願いたいと存じます。
#140
○淡谷小委員 どうも、総裁は会計検査院の報告書をよくごらんになっていないようですが、ここの二四七ページを読んでいただきたいのです。これは「同年度に実行すべき計画額住宅七万九千余戸分および宅地造成二十万坪分二百八十五億千余万円に比べて二十七億九千二百万円下回っているが、これは、主として個人住宅貸付および分譲住宅貸付が計画どおり行われなかったことによるものである。三十一年度末の手持資金残高は八十一億三百余万円に上り、三十一年度中の資金交付計画額二百九十六億四百余万円の二七%に相当しているが、これは、貸付契約が計画どおり執行されなかったため資金の交付が遅れたことなどによるものであって、住宅資金の効率的運用の面からもなお一層貸付業務の円滑な遂行が望まれる。」という報告がなされている。それで私、さっきの総裁の御答弁では、いろいろ鉄鋼資材等の値上りのために、申し込みがないような、希望者が少くなったようなお話と、予算が遅れたからだというふうに伺いましたので、個人住宅の申込者がどれだけあったのかと聞いているわけなんです。
 ついでに、これも資料を出していただきたいのですが、賃貸住宅四千余戸というのに契約をしたのでありますが、その申し込みはどれだけあったのか。あるいは分譲住宅は幾らあったのか。産業労働者住宅は幾らあったのか。申し込みと貸付契約を締結した額との開きを一つ出していただきたい
#141
○江ケ崎説明員 御説明申し上げます。三十一年度におきまして個人貸付並びに分譲住宅がおくれました原因を申し上げますが、先ほど総裁から事情を申し上げたのでありますが、その中で一般個人の申し込み数は十二万五千二百四十一でございます。そこで、なぜこれが契約ができなかったかと申しますと、これは申し込みに対する歩どまりの見方が、私どもとして当初七六%程度でとどまるであろうということで抽せんをきめたのでございますが、実際に結果的に契約ができましたのは六九・八%というように下回った。従って、私どもの見込み違いが一つ出たということ。それからもう一つは、特別貸付、これは災害とか区画整理とか、そういうような場合に特別に貸するようになっておるのでございますが、当初考えましたのは三千百戸程度、そういう特別貸付が起るであろう、こういう計算をいたしましたところが、三十一年度は幸いに災害等が少うございまして、結果的に契約ができましたのは千五百五十八、こういうようになりまして、従いまして、一般個人におきましては二千五百二十三戸が契約ができなかった、こういうようなことに相なったのでございます。
 それから、その次が分譲住宅でございますが、分譲住宅におきましては、これは公共団体とか地方公共団体の出資した協会、公社とか、あるいはまた先ほど御説明がありました電鉄会社等に対しまして分譲住宅の割当をしておるのでございますが、それが結果的に、先ほど御説明がありましたように、建物が完成いたしまして、これを一般個人に売る。一般個人が買って――買うというのは、事業主体から買うわけでありますが、事業主体から買いまして公庫と契約する。公庫からその建物の購入費を借りる。これは一般個人の場合と同じように、私の方としては七五%をお貸しするわけでありますが、七五%借りまして、それから自己負担金の二五%を加えまして、それを電鉄会社に払う。こういうことになるわけでありますが、私の方と購入資金の契約を結んだときに初めて公庫との間に契約関係が生まれる。こういうことでございまして、先ほどもお話がありましたように、資材の値上り、その他の関係がありましてこれがおくれた。こういうようなわけで、翌年度に延びざるを得なかったわけでございます。
#142
○淡谷小委員 ほかに、この賃貸住宅とかあるいは産業労働者住宅、増築、宅地造成、こういうのが報告されてありますが、これについても一応御説明を聞きたい。
#143
○鈴木(敬一)説明員 今数字を調べます前に、私の申し上げ方が足らなかったと思うところを申し上げますが、この三十一年度は、世間的に住宅需要が落ちた年ではないのでございまして、住宅需要は相変らず旺盛なときであったので、個人住宅も、その他の住宅関係の申し込み希望はやはり依然として多かったのであります。ただ、間違うかもしれませんが、年度途中で、鉄鋼資材の高騰が急激に起った。それで、私どもの方としては、個人住宅にいたしましても、その他の種類の住宅も、募集は比較的早目にいたしておるのでありまして、申し込み及び希望申し込みは早かった。ですから、今の建築資材の高騰の影響が住宅需要の減少には相なっておりません。それぞれ住宅を建設するというので、旺盛に建設工事にかかった途中で、鉄鋼等を初めとする資材が高騰しましたので、あるものは、賃貸住宅等におきましても、なかなか公共団体が落札しようとしても入札に応じかね、思うように予定価格で落札しない。あるいは工事にかかりました途中でも、資材の高騰のために建設業者が予定のごとく工事を進め得なかった。これは個人住宅についても同様の影響がございましたために、大体の趨勢として延び延びになった。そのために年度末になりまして、もっとたくさん完遂するようにわれわれは促進に努めておりましたけれども、思うように促進の結果が上らなかったのだ、かように御了承願っておきたいと思います。住宅需要は相変らず旺盛であったのであります。
#144
○江ケ崎説明員 数字を申し上げさせていただきますが、三十一年度におきまして、増築資金の貸付申し込み状況は、分譲住宅に対する事業主体からの申し込みが一万九千百二十二戸であります。それから賃貸住宅に対する申し込みが八千八百四十五戸、それから産業労働者住宅に対する申し込みが一万四千四百戸、それから増築に対する申し込みが、これは坪数になっておりますが、十七万七千四百九十六坪、これは件数に直しますと二万四千四百七十でございます。それから宅地の取得、造成につきましては二十七件、こういうような数字でございます。
#145
○淡谷小委員 宅地は二十七件ですか。
#146
○江ケ崎説明員 二十七件と申し上げますのは、地方公共団体とか、協会、公社というものが申し込みしました一団地を一件、こういう計算をいたしておるのでございます。
#147
○淡谷小委員 検査院の報告書には坪を出してあるのです。二十七万二千余坪分としてありますが、そういう大きい坪数だと、坪数を出してもらわないと比較ができませんので……。
#148
○江ケ崎説明員 坪数で申し上げますと、三十九万八千三百八十八坪でございます。
#149
○淡谷小委員 数字を伺っていますと、さっき総裁が言われた通り、宅地に対しても住宅に対しても申し込みの方がずっと上回っておる。それが結果において下回ったというのは、やはり、やり方に若干の見込み違いがあったのではないかとわれわれは考える。特に、個人の申し込みが十二万五千二百四十一もあるのに二万八千に満たぬというのは、歩どまりに狂いがあっただけじゃなくて、約十万近いものが切り捨てられているのですが、これはどういうことなのです。分譲住宅の方は、公共団体などでは申し込みが少かったということも言われておりまするし、また賃貸住宅についても申し込みがないと言っておりますが、個人の住宅だけは圧倒的に申し込みが多くて十万も切られているというのは、その辺に住宅政策の若干のゆがみがあるのではないかと考えるのですが、この点はどうですか。
#150
○江ケ崎説明員 三十一年度の個人住宅の事業計画坪数は二万四千五百戸でございまして、従いまして、申し込みの状況が、先ほど申し上げたのでございますが、大体六人に一人、こういうような状況でございますので、そういう抽選率で考える。それから、さらに先ほど申し上げましたように、私どもとしては従来からの歩どまりの状況にかんがみまして七六%の歩どまり――それは前の年もそういう歩どまりの状況でございましたので、第一回の歩どまりの推定を七六%に考える。それから補充申し込みの状況につきましてはこれを八〇%に考えた。ところが、実際に年度末の契約で締め切ってみましたところが、第一回の歩どまりが六九・八%、それから補充の申し込みが六九・二%、こういうようになりまして、御指摘の通り、歩どまりに対する見違えということはあったかと思います。
#151
○淡谷小委員 これは総裁に一つ聞きたいのですが、計画が二万四千というのは、どだい無理じゃないかと思うのです。申し込みが十二万五千二百四十一であるとおっしゃる。そうしますと、こんなにたくさん申し込みがあるのに、これを二万四千に当初の計画を立て、しかも特別貸付の方は三千百戸と見ておるのに、千五百五十八しかなかった。それから、あとの例を見ましても、非常におもしろい数字が出てくるのです。賃貸住宅の点は八千八百四十五の申し込みに対して四千、約半分です。増築の方は二万四千四百七十坪、これに対して二万千余戸。ですから、大体似たような数字になっています。それから、分譲は一万九千百二十二に対して一万戸、産業労働者住宅は一万四千四百に対して九千余。そうなりますと、一番開いておるのは個人住宅なんです。これくらい旺盛な申し込みがあるのに、この線だけは十万も押えてしまって、しかも莫大な予算を残すなんというやり方は、これは住宅政策に根本的な改訂を加えなければ、私は国民のためにならぬと思いますが、総裁はどうお考えになりますか。
#152
○鈴木(敬一)説明員 個人住宅において最も、申し込み希望数量と結果において年度内に契約締結までに至った数量との開きが比較的多いことは、お申し述べの通りでありますが、全体として、個人住宅を建てられる希望者は非常に旺盛な希望を持っておられまするけれども、私どもの貸付方針が、建設費の七割五分、四分の三をお貸しして、あと二割五分、すなわち四分の一は自己資金でまかなっていただくということでありますために、その自己資金の調達において見込みがそごしたりというような方もございます。
 それから、ことに近年、この三十一年度は、先ほど冒頭に申し上げましたように、何か中近東の風雲ただならないような情勢のために、金融も逼迫しますし、やや好景気到来かのような機運のあった年でありまして、宅地の購入費が比較的高騰の情勢でもありましたので、例年個人住宅で宅地を購入し、整地して用立てるということが非常に困難なことになって参ったのであります。そういうこと、その他のために、あらかじめお認めしましょうと貸付承認をいたしましても、あらゆる工面をされましても、なお歩どまりが比較的少いということは、まことに庶民住宅のために心配な次第でございますけれども、それぞれの仕事を持っている個人としまして、土地を購入し、それから計画をきめて住宅を建設して、これを建ておおせる。そこまでこぎつけるためには、非常な努力と時間を要する次第でありまして、どうしても私の方の貸付承認と、歩どまりとの差が比較的大きい。他の賃貸住宅その他におきましては、あるいは産業会社、あるいは事業団体等が大体敷地の見込みをつけ、資金の見込みをつけて、希望申し込みをするというわけで、個人の場合とは、非常に準備がよろしい場合がほとんどでございまして、どうしても申し込みの数量と建設を実施される差が個人において一番はなはだしくなる。そういうような事情もございますから、私の方では、公共団体あるいは公共団体にかわる住宅公社、協会等をして、利得をむさぼることなく土地を整地し、住宅を建てる。そうして、いわばでき上りのものを個人に供給する。あるいは計画建て売り住宅についてもほぼこれと同じでありますが、そういう方途をお願いをしておるのでございまして、もし個人で金を借りられても、なかなかむずかしい。こういう困難な事情があることを御了解願っておきたいと思います。
#153
○淡谷小委員 どうも総裁、少し答弁がずれるようですから、もう一ぺん私はお聞きしたいのですが、歩どまり云々と申しますが、歩どまりは七二%と見たのが六九・八%ですから、二%ちょっとしか狂っていないのです。大きいのは、十二万五千三百四十一という申し込みがあったのに、あなたの方の計画が二万四千しかなかったので、二万八千と押えた。ここにあるのです。十万申し込みを切らなければ計画が立たないという、この公庫のやり方に根本的な狂いがあるのじゃないかと私は聞いているのです。個人の申し込みは十二万もあるのですよ。あなたの方の見込みは二万四千だと、こういうのです。そこに大きな食い違いがあると私は思うのです。これは若干の相違ではなくて、絶対の相違なんですがね。それを総裁、一体どうお考えになりますか。
#154
○鈴木(敬一)説明員 ごもっともな御質問でございますが、ここにあげてありまする個人住宅の数字は、年度内に契約締結までに至った数字があがっておるのでありまして、私どもの方の承認する戸数はこれよりは少しは上回っておるのであります。根本を申しますと、われわれの事業計画なるものは主務大臣の方できめられて、これを実行しておる。砕いて言いますと、予算にきめられた事業区分けによって実行をしておる。こういう次第でございまして、根本において個人住宅の事業計画を大いにふやさなければならぬ、こういう御趣意のようでありまするが、ただいままで、ことにこの三十一年度においては、その程度しか事業のワクがなかったということに御承知を願っておきたいと思います。
#155
○淡谷小委員 それでは、こう考えてもかまわないのですか。十二万五千二百四十一という申し込みがあるのに対して二万八千の計画を立てるのは、これは予算のワクがそうなっているから、主務大臣の方針がそうなんだから、あなたの方としてはやむを得ないのだと、こういうお話なんですね。
#156
○鈴木(敬一)説明員 個人住宅のワクはもう少しふやしてもらう必要もあるかと存じますが、結局個人の申し込みの中には、確実な準備と計画で申し込まれる方々も少くないのでありまするけれども、先ほどから申し上げますように、申し込みをされて、公庫の方で審査して、貸付承認に至りました後、準備不十分といいますか、はなはだ残念ながらお力がなかったというので、遺憾ながら落後される方も少くないのでございまして、そういう意味合いで、申し込みの数量、それが直ちに絶対可能な数量であるとばかりも申し切れぬ点もございまするし、常にわれわれも苦心をいたしておる次第でございます。
#157
○淡谷小委員 どうも、私はあなたの答弁に満足いかないのですがね。ここに載っております手持ち資金の残高は八十一億二百余万円です。これはもともと個人住宅の狂いじゃなくて、分譲住宅なり、あるいは賃貸住宅なりの狂いなんですね。個人住宅の予算はないのでしょう。しかも、それがわずか二%幾らの歩どまりの見方が違ったくらいでは、これだけの差ができてこない。むしろ、あなたのおっしゃる電鉄会社なり、あるいは地方公共団体の事業主体、その申し込みの歩どまりが、ずっと減ったから、こんな大きな差ができたので、基本的にそれでいいのかという点を私、聞いているのです。個人住宅の歩どまりは、もっと悪いのでしょう。その点はどうなんです。
#158
○鈴木(敬一)説明員 ここに会計検査報告で、しまいから五、六行目にありまする「三十一年度中の資金交付計高額二百九十六億四百余万円の二七%に相当」する八十一億二百余万円が年度末の手持資金残高になっておるのだ、これは確かに債務者、つまり借入申込者に対して渡っておらなくて、公庫に年度末にあった残金をここに書き上げてある。この通りでありますが、この手持資金の大部分はすでに契約が成り立っておって、申込希望者つまり債務者の方で一定の建築の出来形ができて、出来形検査に合格したならば予定金額の――これは種類によって違いますが、何分の一を差し上げる、また次の出来形検査があったら何分の一を差し上げる、という予定になっておりますが、それが先ほど来だんだん申し上げておるように、事業の実績が、この年度、鋭意促進をはかったにかかわらす、前年度からの繰り越しもありましたし、事業計画において残った。つまり貸付契約まで至らなくて計画の残もできましたし、また従って、ここにあります現金の繰り越しも出てきた。こういう次第でありまして、これが全然余って残ったのではなくして、いわゆるひもつきの金でありますけれども、建設工事あるいは宅地造成工事等の進捗がおくれましたために、予定の通り出す段取りまで至らなかった。こういう次第であります。その意味で、三十一年度の年度末手持資金残高というものを御解釈願いたいと存じます。
#159
○淡谷小委員 この年度末の資金がひもがついたというならば、そのひもはどこについているか、具体的におっしゃっていただきたい。八十一億というものがひもつき資金だというならば、どこにひもがついていますか。
#160
○江ケ崎説明員 全体の数字を申し上げないとわかりにくいと思いますので、ちょっと全体の数字を補足説明させていただきます。ということは、公庫といたしましては、二十五年の創設以来、年々事業をやってきておることは御案内の通りでありますが、そこで三十年度末には、実は相当の未契約が出たわけであります。というのは、御案内の通り、三十年は暫定予算であった、そういう関係で、仕事がおくれたわけです。そこで、一般個人の関係におきましても、実を言うと、前の年に六千二百八十七戸という戸数が契約にならなかった。そこで、その契約戸数と三十一年度の二万四千五百戸の戸数とを実施する。こういうことで進めたのでございまして、三十一年度の分につきましては、むしろ三千七百六十四戸オーバーしておるが、前の年のズレが取り戻せなかったのであります。そこで、全体数字を申し上げますと、三十一年度末には四十七億六千六百余万円という未契約が出た。これは暫定予算の関係でズレズレになったために、こうなったわけです。
 そこで、三十一年度にはこれを努力いたしまして、三十年度のズレの部分を取り戻しまして、三十一年度本においては二十八億の本契約を取り戻したというようなわけで、私どもとしては二十億ほどのおくれておったものを取り戻した、こういうことでございます。
 それから、先ほどひもつきと申し上げましたが、これは一般個人で申し上げますと、契約いたしまして、建前が完了いたしますと三割を貸す。それから、屋根と荒壁ができますと三割を貸す。それから、竣工いたしますと二割お貸しする。それから、私どもとしては最後の契約でございますが、弁済契約といっておりますが、最後の契約ができまして、抵当権の設定をいたしますと、そこで二割お金をお貸しする、ということになっております。もちろん、この建前とか、あるいは屋根、荒壁の完了とか、あるいは竣工というものは、地方公共団体に現場審査をしていただきまして、それによって確認いたしましてお貸しするわけでありますが、先ほどのひもつきという言葉がちょっと語弊があると思います。三、三、二、二で契約ができてきて、最後の金が、竣工しなかったために出ない。契約はしておるけれども、金を貸し付ける時期に至らなかった、そういうためにずれた。こういうことでございます。
#161
○淡谷小委員 私がお伺いしたいのは、この八十一億の残った金が、個人住宅の方が多いのか、あるいは賃貸住宅、分譲住宅の方が多いのか。それを聞きたいのです。
#162
○江ケ崎説明員 御指摘の通り、個人と分譲が契約にならなかったためにおくれた、そのために生じた金が多いのでございます。
#163
○淡谷小委員 個人と分譲と混同されたら困るのです。個人はどれくらいで、分譲はどれくらいなのか。これは今後の計画の上にも非常に影響があることですから、それをお伺いしたいのです。
#164
○江ケ崎説明員 個人の方につきまして、資金のワクが何ぼ何ぼときめておりませんで、全体できまっておりますので、今その数字を調べまして、御報告を申し上げます。
#165
○淡谷小委員 それでは、資料が出るまで待ちます。
#166
○江ケ崎説明員 数字を申し上げます。契約をしまして、資金未交付のまま翌年度に繰り越されたものを申し上げますと、個人で十五億七千四百十万一千円、分譲住宅で十九億九千八百十六万八千円、こういうことでございます。
#167
○淡谷小委員 最後に一点。これは総裁、一つ十分お考え願いたいのは、確かに公庫としては、てんでんばらばらの個人住宅に出すよりも、まとまった宅地造成や、まとまった建設会社の方に間接に貸した方が、分譲住宅に貸した方が楽でしょう。けれども、御承知の通り、個人住宅の申し込みは圧倒的に数が多いということが一つ。もう一つは、一つの日の当らない場所として農村住宅の問題がある。これなども、おそらくは申し込みを受けたならば、とても予算が余り、あるいは契約が実行されなかったというようなことはないと思いますから、三十一年度はそれとしまして、将来における住宅政策は、もっと下情に通じた線で、徹底した改訂を行われるように希望しまして、私の質問を打ち切ります。
 住宅公庫の方はいいです。
#168
○鈴木小委員長 本日はこの程度で散会いたします。
    午後一時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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