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1958/03/26 第31回国会 参議院 参議院会議録情報 第031回国会 予算委員会第三分科会 第4号
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1958/03/26 第31回国会 参議院

参議院会議録情報 第031回国会 予算委員会第三分科会 第4号

#1
第031回国会 予算委員会第三分科会 第4号
昭和三十四年三月二十六日(木曜日)
   午前十時十九分開会
  ―――――――――――――
  出席者は左の通り。
   主査      森 八三一君
   副主査
           近藤 鶴代君
   委員
           植竹 春彦君
           川村 松助君
           小山邦太郎君
           片岡 文重君
           北村  暢君
           鈴木  強君
           田中  一君
           千田  正君
  担当委員外委員
           西田 信一君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 永野  護君
  政府委員
   運輸大臣官房長 細田 吉藏君
   運輸大臣官房会
   計課長     向井 重郷君
   運輸省海運局長 朝田 靜夫君
   運輸省船舶局長 山下 正雄君
   運輸省船員局長 土井 智喜君
   運輸省港湾局長 中道 峰夫君
   運輸省鉄道監督
   局長      山内 公猷君
   運輸省自動車局
   長       國友 弘康君
   運輸省航空局長 林   坦君
   運輸省観光局長 岡本  悟君
   海上保安庁次長 和田  勇君
   高等海難審判庁
   長官      長屋 千棟君
   気象庁長官   和達 清夫君
  説明員
   日本国有鉄道総
   裁       十河 信二君
   日本国有鉄道常
   務理事     石井 昭正君
   日本国有鉄道常
   務理事     潮江 尚正君
   日本国有鉄道常
   務理事     大石 重成君
   日本国有鉄道常
   務理事     久保 亀夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十四年度一般会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十四年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十四年度政府関係機関予算
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○主査(森八三一君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は昭和三十四年度一般会計予算同特別会計予算及び政府関係機関予算のうち、運輸省所管を議題といたします。
 まず、政府から御説明をいただきます。
#3
○国務大臣(永野護君) 昭和三十四年度の運輸省関係予算について御説明申し上げます。
 初めに、今回の予算の規模につきまして申し上げたいと存じます。
 まず、一般会計予算について申し上げますと、歳入予算総額は十五億三千四百七十七万二千円、歳出予算総額は三百六十三億二千七百五十三万六千円であります。今三十四年度歳出予算総額を前年度のそれと比較いたしますと、七十億七千五百四十七万一千円の増額であり、二四%をこえるという画期的な増加を示しております。この内訳を申しますと、行政部費系統におきまして人員三百十五人の増加分を含め十九億八千百三十五万五千円の増額であり、公共事業費系統におきまして五十億九千四百十一万六千円の増額となっております。なお、今申し上げました歳出予算のうちには、他省所管歳出予算として計上されているもので当省に関係あるものとしまして、北海道港湾事業費、北海道空港整備事業費、離島振興事業費、特別失業対策事業費等四十三億三千六百十七万八千円が含まれてあります。
 次に、特別会計の予算について申し上げますと、木船再保険特別会計の歳入歳出予定額は二億五千四十六万七千円であり、自動車損害賠償責任再保険特別会計の歳入歳出予定額は三十億五百六十三万一千円であり、また、三十四年度より新たに設置する特定港湾施設工事特別会計の歳入歳出予定額は七十七億七千万円であります。
 なお、このほか三十四年度財政融資計画中には、運輸省関係分として約二百四十八億円が予定されております。
 以上をもちまして、予算の規模についての御説明を終り、次に、三十四年度の運輸省関係の重点事項についての御説明に移りたいと存じます。
 御承知の通り、三十四年度の政府の重点施策といたしましては、経済活動を安定成長の軌道に乗せるとともに、長期的な経済発展の基盤を充実いたすためには、経済の質的改善を促進することを経済運営の基調とし、このために輸出振興と産業基盤の充実強化とをはかることにいたしております。
 当省におきましても、この趣旨に従い、所管事業である海運、航空及び観光による貿易外輸出の振興をはかることによって国際収支の改善に資し、また、この際、港湾等の交通基礎施設に対する建設投資を増大することによって、根本的に能力不足の状態にあるわが国の輸送力の基盤を強化いたすとともに、当面の景気振興にも資すべきものと認めまして、三十四年度予算においては、貿易外輸出の振興、交通基礎施設の整備、交通安全の確保と災害防止等の諸施策に重点を置き、これらを積極的に推進いたす所存であります。
 以下、重点事項別に要旨を御説明いたしたいと存じます。
 まず、貿易外輸出の振興に必要な経費についてでありますが、その歳出予算総額は二十五億二千三万三千円であり、このほかに財政融資として百九十億円を予定しております。
 このうちおもな事項といたしましては、第一に、三十四年度の計画造船に必要な融資額として財政融資計画中に百八十億円を見込んでおります。わが国の外航船舶の保有量は本年三月末において四百五十万総トンに達する見込みでありますが、今後の日本経済の成長規模から見ますと、三十七年度まで年平均五十万総トン程度の建造がなお必要と認められますので、当面は基盤の弱体な海運企業の負担の増大をもたらすことにはなりますが、この際、長期的観点に立ち、現在のような低船価の時期において新造を行うことによって運送コストの軽減をはかり、将来に備えたいと存じております。この建造目標その他の具体的実施計画は、関係の向きとも十分に協議し、その円滑な実施を期したいと存じます。
 第二に、三国間輸送の助成に必要な経費として、新規に、三国間輸送助成金に四億六千万円、船員海外厚生施設整備費補助金に四千万円、計五億円を計上いたしております。わが国海運の三国間輸送は、世界主要海運国に比し著しく立ちおくれており、輸出入における邦船の活動状況と相待って海運全体として巨額の支払い超過を示す実情にありますが、この現状から脱却するためには、この際三国間輸送への進出を一段と促進する必要がありますとともに、同時に、これが日本海運の活動分野を拡充する最も適切な道であると考えられます。
 しかしながら、一方において、三国間輸送は、運航経費等の増高をもたらし、採算上の不利を避け得ない条件に置かれておりますので、これらの運航事業者に対し適切な輸送助成金を交付しようとするものであります。
 さらに、母国を離れて遠く三国間輸送に従事する船員に対しましては、その士気を高揚していよいよ海上労働の効果を上げるためには、現在皆無の海外における厚生施設をすみやかに整備する必要が痛感されておりますので、この際これらの施設整備を促進するため、補助金を交付しようとするものであります。
 第三に、移住船運航の助成に必要な経費として、新規に、外務省所管として六千二百五十六万円を計上しております。移住船は運航コストが割高であるのにかかわらず、運賃を政策的に低廉に維持する必要がありますが、移住政策を円滑に実施するためには、このような採算上の不利を是正することが先決と考えられますので、これに対する運航助成金を計上したものであります。
 第四に、国際航空事業に対する出資に必要な経費として、大蔵省所管産業投資特別会計中に五億円を計上しております。国際航空事業の振興については、各国とも積極的助成策をとっている現状にかんがみまして、日本航空株式会社に対し、従来の政府出資五十五億円に引き続き、三十四年度における新機種購入の分割支払い代金、整備施設の拡充、乗員訓練等に対する必要資金五十二億円の一部に充当させるため、前年度と同額の政府出資を行うものであります。
 なお、これとともに、同様の趣旨により、同社の発行する社債については、二十三億円を限度として、その元利に対し政府保証を行うことにいたしております。
 第五に、国際空港の整備に必要な経費として十億六千一百万円を計上しておりますが、これを前年度と比較いたしますと七億一千三百五十万円の増加を示しております。
 このうち東京国際空港につきましては八億六千一百万円を計上しており、三十四年度においては埋立護岸工事の大半を完成するとともに、私有地の一部買収等を行い、三十六年度中には航空交通量の増大と国際航空機の大型ジェット化への移行の趨勢に対処できる態勢を整備する予定であります。なお、東京国際空港の整備につきましては、二億二千八百万円を限度として国庫の負担となる契約を結ぶことができることにいたしております。
 また、大阪空港につきましては二億円を計上しており、三十四年度においては、国際空港に整備拡充する本格的工事の前提となる用地の一部買収を行う予定であります。
 第六に、観光事業の振興に必要な経費として二億円を計上しておりますが、これを前年度に比較しますと六千九百万円の増加を示しております。これによりまして、財団法人国際観光協会の海外観光宣伝活動を整備充実し、三十四年度においては、東南アジアにおいてバンコック、ヨーロッパにおいてはパリに海外宣伝事務所を増設するとともに、海外宣伝資料の充実をはかり、海外観光客の積極的誘致を推進する所在であります。
 なお、国内の外客受け入れ態制整備の一環としてユース・ホステルの整備を促進するため、ユース・ホステル整備費補助として五千万円を計上しておりますが、これを前年度に比較すると一千万円の増額となっております。
 次に、交通基礎施設の整備に必要な経費についてでありますが、その歳出予算総数は、百五十五億八千八百二十六万円であり、このほかに財政融資として約二十三億円を予定しております。
 このうちおもな事項といたしましては、第七に、国内旅客船公団の設立に必要な経費としては、新規に大蔵省所管産業投資特別会計中に二億円を計上するとともに、財政融資として三億円を予定しております。
 国内旅客船公団は、国内旅客船の整備について、資金の調達が困難である海上旅客運送事業者等に協力することにより、民生の安定に必要な航路の推持及び改善に資することを目的として設置されるものでありまして、事業者との共有方式により、老齢旅客船の代替建造または改造を計画的に実施しようとするものであります。事業画計といたしましては、三十四年度を初年度とする五ケ年計画によりおおむね二百二〇隻二万総トンを建改造することを予定しておりますが、このうち三十四年度においては四十五隻四千総トン程度を建改造することにいたしております。
 なお、本公団の設立に伴い、同様の趣旨に立つ離島航路船舶建造及び改造資金貸付利子補給制度は、既契約の分を除き廃止されることになります。
 第八に、ローカル空港の整備に必要な経費として総額四億九千八百三十一万円を計上しておりますが、これを前年度に比較すると一億二千四百九十九万円の増加を示しております。その内訳といたしましては運輸省所管として二億一千一百四十七万円を計上し、高松、大村、熊本、松山、高知及び広島の六空港の整備を続行しますとともに、新潟及び小倉の二空港の整備に新規に着手し、また、総理府所管の北海道空港整備事業費に一億七千一百三十四万円を計上し、雅内、釧路函館及び女満別の四空港の整備を続行し、また、総理府所管の離島振興事業費に一億一千五百五十万円を計上し、八丈島、種子島及び屋久島の三空港の整備を続行しますとともに、佐渡島、大島および福江島の三空港の整備に新規に着手する予定であります。
 第九に、特定港湾施設工事特別会計の設置に必要な経費として、新規に一般会計よりの繰入を総額三十億九千八百二十万円計上しておりますが、その内訳としては当省所管の内地分が二十七億二千四百万円であり、総理府所管の北海道分が三億七千四百二十万円であります。
 新長期経済計画による輸出伸長の目的を達成するとともに、石油、鉄鋼、石炭等の基幹産業の生産目標を達成しますには、その輸送の裏づけとなる港湾施設を、ここ三、四年の短期間に、二倍程度の能力に増強する必要がありますが、このためには、工事施行をすべて国の責任において行いますとともに、所要資金の調達については、政府予算を増額することはもとより、一部適当なものについては受益者より分担金を徴収し、また、政府資金を活用することが適切と認められます。本特別会計は、このような要請にこたえるため新設するものでありまして、その事業としましては輸出振興のための港湾施設として、横浜港外六港、鉄鋼港湾の整備として室蘭港外六港、石油港湾の整備として川崎港外三港並びに石炭港湾の整備として苫小牧港外八港について港湾施設の緊急整備を行うことを予定し、三十四年度においては、歳入歳出予定額として七十七億七千万円を計上しておりますが、このうち歳入のおもなものといたしましては、一般会計よりの繰入金のほか、財政融資十九億八千七百十万三千円、受益者からの工事負担金収入十億三千八百万円等を予定しております。
 第十に、一般会計による港湾の整備に必要な経費として総額白十七億二千七百六十六万円を計上しておりますが、これを前年度と比較しますと、十一億七千二百六十七万円の増加を示しております。その内訳といたしましては、当省所管港湾事業費が九十一億八千六百十二万一千円、総理府所管北海道港湾事業費が十七億四千七百七十三万九千円、総理府所管離島振興事業費が三億五千六百八十万円並びに労働省所管特別失業対策事業費が四億四千七百万円となっておりますが、これにより三十四年度は、外国貿易、工業原材料輸送及び沿岸輸送のための港湾、北海道、東北、九州等の地方開発計画に対応する港湾、離島振興のための必要港湾並びに避難港の整備を促進いたしますとともに、港湾及び海岸を保全するための防災工事を促進し、あわせて港湾災害復旧工事を計画的に実施したいと考えております。いずれにいたしましても、三十四年度は、一般会計と新設の特定港湾施設工事特別会計とを通じ、政府予算として四十二億七千八十七万円の純増を見込んでおりますので、わが国津業の発展の隘路となっている港湾公共投資の立ちおくれを打開し、新長期経済計画の目的達成のための推進力となるものと存じております。
 最後に、交通安全の確保と災害の防止に必要な経費についてでありますが、その歳出予算総額は十八億六千四百三十四万一千円であります。このうちおもな事項といたしましては、第十一に、航路標識の整備に必要な経費として五億一千万円を計上しておりますが、これを前年度と比較しますと、六千三百四十四万八千円の増加を示しております。これによりまして世界の海運国に比し、質量両面にわたり弱体であるわが国の航路標識について、前年度に引き続き新営と改良改修とに努める所存であります。
 第十二に、海上警備救難体制の整備強化に必要な経費として三億四百六十一万三千円を計上しておりますが、これは前年度に比較しますと三千八百万八千円の増加を示しております。これによりまして三十四年度においては、老朽巡視船艇を四隻代替建造するとともに、老朽通信施設の改良改修に着手し、また、救命艇等を整備することにより航空機救難体制の強化をはかる予定であります。
 第十三に、自動車検査登録機能の強化に必要な経費として一億九千一百八十三万七千円を計上しておりますが、これを前年度に比較しますと、七千五百八十一万七千円の増加を示しております。これによりまして三十四年度においては、自動車事故防止対策の一環として自動車両数の激増に対処するため、大阪に第二検査場を新設して車両密集地域における隘路を打開し、品川外三カ所の既設検査場の施設を拡張して検査能力を増強しますとともに、福岡外一カ所の検査場の移設拡充をも行い、また、検査用機器の更新、高性能化等を促進し、検査登録業務の合理化と処理能力の向上とを期しております。
 第十四に、航空事業の基盤強化に必要な経費として、新規に五千万円を計上しております。航空安全対策につきましては、御承知の通り、昨年十一月における航空安全対策懇談会の結論に基き、三十四年度においては空港整備事業費その他の関連事項をも含め総額二十五億六千八百七十三万四千円を予定しておりますが、本経費もその一環をなすものであります。航空機の安全性を確保いたしますためには、使用航空機の装備の統一をはかることがぜひとも必要とされますが、国内航空事業の現状においては、この負担にたえることが困難と認められますので、今回全日本空輸株式会社に対し、補助金を交付して装備の統一をはかるものであります。
 第十五に、航空路組織及び施設の整備強化に必要な経費として一億四千四百七十五万四千円を計上しておりますが、これを前年度と比較しますと一億一千六百九十九万七千円の増加を示しております。これも航空安全対策の一環をなすものでありまして、航空機の航行の安全を確保いたしますため、箱根の位置通報局及び大阪の無線標識の新設、航空交通管制局移管体制の確立等を計画いたしております。
 第十六に、基礎的気象業務の整備に必要な経費として一億二千九百七十万四千円を計上しておりますが、これを前年度と比較しますと、八千三百六十二万三千円の増加を示しております。これによりまして三十四年度は、地震及び火山の観測施設を整備しますとともに、海洋気象観測を整備いたしますため、気象観測船を一隻代替新造する予定であります。
 第十七に、防災気象業務の整備に必要な経費として三億一千四百六十八万九千円を計上しております。これは前年度とほぼ同額でありますが、その内訳といたしましては、新規に、農業気象業務に必要な経費として二千万円を計上しております。これによりまして、三十四年度においては、北海道上川地区及び東北地方の一部に観測施設及び通報業務を整備することを予定しておりますか、気象に起因する農業災害対策と気象、気候に即応した農業技術とに貢献し、農業生産の増大と農業経営の安定とに資することができるものと考えております。
 以上をもちまして、昭和三十四年度の運輸省関係予算についての御説明を終りますが、何とぞ十分に御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
#4
○主査(森八三一君) この分科会の委員の皆さんにお願い申し上げます。質疑の通告書が相当多数に上っておりますので、質疑を制限するというような趣旨ではございませんが、おおむね三、四十分程度で御進行いただきますように御協力を前もってお願いしておきます。自然政府当局におきましても、質問に対しては、要旨を十分に率直に御開陳いただきますように希望いたしておきます。
 なお、国鉄の予算説明が残っておりますので、国鉄の予算の説明を願います。
#5
○国務大臣(永野護君) 昭和三十四年産日本国有鉄道予算の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず、予算の作成に当りまして、三十四年度は一般経済情勢が三十三年度に比し多少好転が予想化されるものと考えて収入、支出予算を組みましたが「一方、前年度に引き続き輸送力増強のための国鉄五ヵ年計画の第三年度としてこの計画の実現に支障を来たさないように十分配慮したほか、東海道幹線増設工事の着工を考えて策定いたしました。
 以下収入、支出予算について損益、資本、工事の各勘定別に御説明申し上げます。
 まず、損益勘定の収入について申し上げますと、鉄道旅客輸送人員は、対前年度三・九%増で四十七億四千万人、輸送人キロは、一千百五億二千九百万人キロとして旅客収入一千八百五十六億円を見込み、また鉄道貨物輸送トン数は、対前年度六・四%減で一億七千六百万トン輸送トンキロは、四百九十六億五百万トンキロとして貨物収入一千四百六十三億円を見込んでおります。
 これらの旅客、貨物輸送に要します列車キロは四億四千五百万キロで、対前年度一・一%増となっております。以上の旅客、貨物収入のほか、雑収入等を含めまして収入合計は三千五百八十五億円となっております。
 次に、経常費について見ますと、人件費につきましては、三十三年度の仲裁裁定実施による増額のほか、三十四年度の昇給と期末・奨励手当合計二・六五カ月分を見込みまして、給与の総額は一千二百九十七億円といたしております。
 物件費につきましては、節約に特段の努力を払うことにいたしておりますが、おもなものといたしましては、動力費四百五億円、修繕費五百二十億円等を見込んでおります。これらを合せまして経常費の総額は二千七百十億円となっております。
 以上の経常費のほかに、受託工料請負費四十億円、資本勘定への繰り入れ五百九十九億円、利子百八十六億円、予備費五十億円を合せまして損益勘定の支出合計は三千五百八十、五億円となっております。
 次に、資本勘定について申し上げます。
 収入といたしましては、先ほど申し上げました損益勘定から受け入れます五百九十九億円のほか、資金運用部等よりの借入金二百六十五億円、鉄道債券三百四十五億円、不用施設等の売却による八億円、合計一千二百十七億円を計上いたしておりますが、一方支出といたしましては、このうち一千百十五億円を工事勘定に繰り入れ、借入金等の償還九十七億円、帝都高速度交通営団の増資に伴う出資金五億円を予定しております。
 次に、工一事勘定について申し上げます。
 三十四年度は国鉄五ヵ年計画実施の第三年度でありますとともに、東海道幹線増設工事が着工されますので、老朽施設の取りかえばもとより、輸送力増強に重点をおいて作成いたしております。
 まず、新線建設費につきましては、前年度より五億円増額いたしました。また、今年度より新たに東海道幹線の増設費といたしまして三十億円を計上いたしまして、東海道線の輸送力の行き詰まりを解消いたしたい考えであります。
 幹線電化につきましては、現在施行中の常磐線、東北本線、山陽本線、鹿児島本線等の電化のための工事費七十億円を計上しておりますが、このほか、これに伴う電気機関車四十三両二十七億円を合せまして合計九十七億円となっております。
 通勤輸送対策といたしましては、前年度に引き続き東京付近五十五億円、大阪付近十八億円、電車増備五十両十億円、合計八十三億円となっております。
 幹線輸送強化対策といたしましては、北海道、東北・常磐線、裏縦貫線、北陸線、東海道・山陽線、九州、その他で百五十七億円を計上いたしております。
 以上のほか、車両増備、諸施設の取りかえ工事、総掛費等を含めまして支出合計は一千百十五億円となっておりまして、これらに要します財源といたしましては、資本勘定から受け入れます一千百十五億円を充てることにいたしております。
 以上御説明申し上げました日本国有鉄道の予算は、今後の経済の動向にもよりますが、これに予定せられました収入を上げ、予定の工事計画を完遂するためには格段の努力が必要であろうと考えられますので、公共企業体としていま一そうの経営合理化をはかり、もって日本経済の発展に資するよう指導監督いたして参りたい考えであります。
 以上、昭和三十四年度日本国有鉄道予算の大綱につきまして御説明いたして参りましたが、何とぞ御審議の上御賛成下さるようにお願いいたします。
#6
○主査(森八三一君) 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#7
○担当委員外委員(西田信一君) 時間が制約されておりますので、委員長から御注意の通り、簡潔に要点をつかんで質問をいたしますから、どうぞそのつもりで簡潔に、しかも率直にお答えを願いたいと思います。
 私のお尋ねいたしますのは、青函トンネルに関する問題に限ってお尋ねをするわけでありますが、と申しますることは、実は先般の予算委員会で、私がこの問題について触れて質問いたしましたのに対する国鉄総裁の答弁がございましたが、この答弁が、私もちょっと意外に感じましたけれども、このことが報道せられまして、非常に国民に対して大きな不安と衝撃を与えた。ここに新聞記事がありますが、五段抜きで青函トンネルに難関、ひどい断層を発見、十河総裁が発言という記事が載っておりまして、非常に直接関係のある北海道、東北等の住民はもとより、非常に国民に対して大きな不安を与えておりますので、この問題について、政府の考え方をこの際明らかにしてもらたい、所信をはっきり国民に示してもらいたい、こういう意見でお尋ねをするのでありますから、どうか率直にお答えを願いたいのであります。
 まず、運輸大臣にお尋ねをいたしますが、一体国鉄の青函隧道建設の意義はどこにあるのか、ただ単に私は、貨物がふえたから、それに対応するだけの問題ではないだろう、もっと大きな意義があるだろうと実は考えるわけでございまして、これはいろいろな角度から青函隧道というものが取り上げられたのだろうと思います。関門隧道ができ上り、そうして青函隧道に取りかかるということは国家的には大きな意義があるだろうと思いますが、この点はどのように御認識になっておりますか、政府の御見解を伺いたい。
#8
○国務大臣(永野護君) 申し上げるまでもなく、日本に残されました未開発の地域といたしましては、北海道以上に重要な点はないのであります。従いまして、運輸省といたしましても、他の地域に比較いたしまして北海道の開発には非常に重点的に力を入れておる次第でございます。その一環といたしまして、この北海道と内地との経済を一貫いたしますために、この青函連絡線というものが考えられたのでありまして、単に部局的のそろばん勘定からこの計画をいたしたのではないのであります。
#9
○担当委員外委員(西田信一君) 大体お考えはわかりましたけれども、私は、内地と北海道とを陸路をもって結ぶということの意義はよくわかりますけれども、これは単なる北海道開発あるいは輸送力の増強という以外に、あるいは国防の立場からも、あるいはいろいろな面からも非常に大きな意義があるものであるというふうに認識をしておるわけでございまして、政府も同様な、もっと高い角度からこの青函隧道を考えておられるのかどうか、もう一度伺いたい。
#10
○国務大臣(永野護君) いわゆる一朝事あるときに、北海道との間の連絡を確保することが必要であることは申すまでもないのでございます。しかし、御承知の通り、今日の平和憲法の時代におきましてこれを表面に打ち出しまして、国防上の関係からこの経費を使うんだということにつきましては、いろいろ考えなければならぬ影響もございますので、私どもといたしましては、あくまでも産業開発のために必要だという二とを重点としてこの問題を取り扱ってゆきたい、こう考えております。
#11
○担当委員外委員(西田信一君) これは大臣でなくても国鉄当局でよろしいんでありますが、青函隧道については終戦後調査にかかられまして、たしか十年余にわたって基礎調査が遂げられて、大体三十一年ごろでこの調査が一応終った。その結果は、われわれは技術的に十分可能であるということが当局から説明され、発表されておると考えておるのでありますが、その十年余にわたるところの調査の内容はどうであったのか、その結果はどうであったのか、お答えを願いたいと思います。
#12
○説明員(大石重成君) お答えいたします。青函隧道の調査の概要を申し上げますと、この青函隧道は、昭和二十八年に鉄道の予定線としてここに法律によって追加されまして、本格的な調査を始めたのでありまするが、以前からいろいろな観点から、国鉄といたしましては基礎的な調査をしております。その概要を申し上げますると、調査の最初にやりましたのが昭和二十一年でございます。昭和二十一年にやりましたのは、もっぱら地上並びに既存の地図によりまして本州と北海道をつなぎます隧道をどこに作ったらいいかというようなごく大まかな調査をいたしました。そのときに使いました予算が約二十万円というような予算を決算いたしまして、二十一年に調査をいたしました。引き続き図上調査をやりまして、二十八年に至りまして、先ほど申し上げましたように敷設法によりまして予定線に追加をされましたので、やや本格的な調査にとりかかりました。従いまして、二十八年には約千百七十万円の予算を計上いたしまして海底の調査に着手をしたのでございます。引き続き二十九年、三十年と調査をいたしまして、海底の地形並びに海峡を構成しておりまする地質の状態、かようなものを調査をした次第でございます。そういたしまして海の上から海底をいろいろな方法によりまして調査をいたしまして、海底の構造の状態、先ほど先生からお話のありましたいわゆる断層の有無というようなものを調査いたしまして、技術的に相当正確な調査が完了をした次第でございます。次に、本年度の三十三年度に至りましてほぼ海上から海底を調査をするという段階が一段落つきましたので、今度はもう一歩調査の精度を上げるという意味合いからいたしまして、海底を直接調べると申しますか、海底を直接ボーリングをいたしまして、海の上から海底のボーリングをするということでございまして、実は海の深さが、あの海峡でありますると、浅いところで百四、五十メートルの深さがあるのでございます。深いところになりますると約四百メートルも深いところがございますが、浅いところで百四、五十メートルの深さがあり、トンネルの掘さくをいたすというようなことも、技術的に見まして、一番海の浅いところを通るということが技術的に一番有効であるというような結論のもとに、海上から百四、五十メートルありまする海底のボーリングを、日本におきましてはあまり例のないような調査をしたのでございます。さようなことをいたしまして、今までは海の上から底をある程度想像を入れて調査をしておりましたのでございまするが、本年度に至りまして、直接海底の地質を調査する段どりになりました。また一方、先ほど申し上げました断層が数カ所ある。これはあの海峡であり、また、あの距離でありますると、特に目新しいことでなく、私たちがかねて予想しておりましたのとあまり変らない状態でございまするが、これを突破する方法を研究をしなければ次の着手の段階に進むことができませんので、いかなる方法によりましてこの断層を突破するかという断層突破の具体的な調査実験工法を本年度やったのでございます。これは海底においてやることができませんので、同じ地質であり、今までの調査によりましてかくあろうという想像に最も近い地質を陸上において選定いたしまして、その間におきまして調査をいたしたのでございます。さようなことが二十一年度から本年度までにやりました調査の概要でございます。
#13
○担当委員外委員(西田信一君) 簡単に結論だけ答えて下さい。そこで伺いますが、三十一年度で一応私は基礎調査が終って、一年おいて三十三年度からいわゆる実施のための調査に入ったというふうに考えておるのですが、その通りでございますか。
#14
○説明員(大石重成君) 本年度やりましたことは、今お話のようでございますが、実施のためと申しますか、実施をいたしまするのに、実際の確信を得る調査をした次第でございます。
#15
○担当委員外委員(西田信君) 三十一年末で十年かかってやった結果は、技術的に可能であろうという結果が出たように承知しておりますが、それに間違いありませんか。
#16
○説明員(大石重成君) 三十一年までに調査した結果によりますると、技術的には可能であるという結果は出たのでございます。
#17
○担当委員外委員(西田信一君) 総裁にお尋ねいたしますが、あなたの過日の私に対する答弁はこういうふうに速記に載っております。「あそこに、地質調査をいたしました結果、ひどい断層があることを発見いたしました。」こういうふうに答えられまして、これは私は総裁の真意がどこにあるかよくわかりませんけれども、これが新聞記事になって、青函トンネルは難関にぶつかっておるとして、「当の責任者十河国鉄総裁が突然このように発言、本道開発のうえに大きな夢となっている青函トンネルだけに関係者を心配させている。」こういう記事が報道せられまして、それに対しまして各方面の意見がここに載っておる。それによりますと、北大の理学部の教授は、技術的に何ら心配はないんだ、こういうことを言うておりますし、また、ある報道機関の社長は、これは国鉄十河総裁の発言は技術的な面以外に含みがあるのではないか、こういうことを実は言うております。その後の各新聞報道もこのようなことを言うておる。何か含みがあって言うておるのではないか。しかもこの新聞記事によりますと、昨年の十二月、国鉄の青函局長が、青函トンネルの工事は東海道新線のあと回しとなるので、船だけの輸送では行き詰まりがくる昭和五十四年(二十年後)に完成することになろう、と話している。そういたしますと、先ほど大石常務理事の御答弁によりまして、断層というようなことも別に目新しいものではないのだ、前から知っておったのだ、決して心配はないのだという答弁であり、技術的に可能であるという結論が出ておると、こういう答弁であるのでありますが、おそらくこれは総裁の御真意であるかどうかはわかりませんが、この際に明らかにしてもらいたいのでありますが、これは非常に衝撃を与えておるわけです。あなたの今の答弁によりますと、このように報道機関が受け取ってもやむを得ないような発言だ。調査の結果、三十三年度やった結果はどうかという私の質問に対して、あなたの答弁は、ひどい断層のあることを発見した、こういうことを言うて、非常に暗影を投げかけるような答弁をされておる。一体総裁の御真意はどこにあるのか、この際一つ明らかにしていただきたいと思います。
#18
○説明員(十河信二君) 私の答弁の言葉が悪かったために非常に誤解を来たして、皆さんに御迷惑をかけたことを相済まぬと思います。私は、実は技術のことはよくわかりませんので、技術者の報告を聞いて、断層があって、その断層の工事をどういうふうな方法、どういう方式の工事をやって突破したらいいかということを研究しておるということをお答えするつもりで、そういうことを言ったのでございます。新しく断層を発見したとか、新しい困難にぶかったという事実は毛頭ございません。その大学の先生は佐々先生ですか、佐々先生も国鉄の調査をして下さっておる委員の一員であります。それらの人から私も研究の結果を聞いて、そのことをお答えしたつもりでございます。東海道新幹線を先にして、二十年も後でなければできないようなことは、毛頭私は考えておりません。今お話しの新聞記事は、私も実は非常に驚いたんであります。このような次第でありますから、誤解のないように、この際一つあらためて御認識を願いたいと存じます。
#19
○担当委員外委員(西田信一君) 総裁の御真意がわかりましたから、この問題は別に追及するわけではありませんけれども、これは新聞記者が悪いのではなくて、あなたの発言がどうも、私もこの速記を見ましてそのように感ずるわけでありまして、しかし、そういう心配がないということが明らかになりましたから、このことは国民の不安を除くようにしていただきたいと存じます。
 そこで、お尋ねをするのでありますが、あなたのこの間の答弁によりますと、断層のことを述べられまして、そして十分自信を得たい、自信を得てから関係各方面とも十分相談をしてきめたい、それからさらに調査を進めるために一億五千万円の予算を計上した、こういうように御説明になっているわけであります。この一億五千万円でどういう調査をされるのか、それによって、要するに最後的な決断を下される確信をこの調査によって得られるのでございますか、この点はいかがでございますか。これは専門家からでもけっこうです。
#20
○説明員(大石重成君) 三十四年度の調査をいたします概要を御説明いたします。三十四年度におきましては、三十三年度に引き続きまして、と申しますのは、実は断層を突破する工法というものは、先ほどお話し申し上げましたように、陸上において調査をしたのであります。そのときに私たちが実は考えましたことは、この断層は相当水が漏るであろう、従ってこれを、少し技術的なことになりまするが、セメントを注入をする、ないしは薬液を注入いたしまして、まず水をとめてから突破しなければならないであろうというような予想のもとに調査をしたのでございまするが、この考え方が多少違っておった。と申しますのは、非常にセメントがたくさん入り過ぎまして、何ともとめようがない。もっと入らないだろうという実は考え方でございましたのが、非常に入り過ぎるということで、今度はもっと入らないようなことにして、注入を完成をして水をとめるという工法で進みたいということで、あらためて本年の実験結果によりまして、なお一歩進んだ調査をするということが一点でございます。また、先ほど申し上げました、海上からの調査でなくて、直接海底をボーリングをして調べると申し上げましたが、この点につきましては、本年度やりましたことは、日本におきまして初めての試みでありましたので、ボーリングができましたのもわずか三メートル足らずの深さしかできませんので、三十四年度におきましては少くとも四、五十メートル、できれば百メートル近く海底にボーリングをいたしますために、特殊な機械、特殊な工法を、ただいま考案しております。先ほどもお話のございました、実はこの海峡鉄道に対しては、特別に日本の権威の方にお集まりをいただいて、調査会を持っておるのでありますが、その諸先生方に御意見を承わりまして、そういう特別の機械、特別の工法によりまして、深い海底ボーリングをするということが一点でございます。
 なお、これにつけ加えまして、最近アメリカにおきまして非常に、実はこれは海底の石油を掘るというようなことからいたしまし三海底の調査を、何と申しますか、音波を利用いたしまして、非常に正確に調べるという方法がございますので、これは三十三年度も、実はアメリカと連絡をいたしまして、その機械並びに技術家に来ていただきまして、調査をしていただく予定でございましたが、アメリカの都合によりまして実現ができませんでしたが、三十四年度は、でき得ればかような新しい調査も兼ね備えてやりたい。かような調査をおもにいたしまして、具体的な調査を進めていきたいと思います。
#21
○担当委員外委員(西田信一君) 時間がないので、簡潔に答えて下さい。私の質問だけに答えていただきたいのですが、今お聞きしたのは、三十四年度一億五千万円で調査が終るのか、結論を得るのか、こういうことをお聞きしたのですが、この点はどうですか。
#22
○説明員(大石重成君) 三十四年度の一億五千万円では、まだ完結し得ないだろうと私は思っております。
#23
○担当委員外委員(西田信一君) 私の聞いたところでは、昨年一億の予算があったけれども、三千万円しか消化しておらぬということを聞いておりますが、事実ですか。
#24
○説明員(大石重成君) いろいろの都合がございまして、結論的にはさような結果になっております。
#25
○担当委員外委員(西田信一君) そこで、去年は一億とったが、三千万円しか使わなかった。そうしてその結果、どうも金も使わないで断層があるような発言をされては困るわけなんだが、そこで、ことしは一億五千万円。去年のことは済んだからやむを得ませんけれども、そこで一億五千万円でまだ結論が出ないとすれば、これは国鉄総裁にお聞きしますが、あなたは、あの調査が幾らの金で何年間でこれを仕上げようとする方針を持っておられるか、この方針をお聞きしたい。
#26
○説明員(十河信二君) 先刻も申し上げましたように、私はどうも技術上の知識がありません。従って、どこまで調査すれば確信が得られるかということを、ちょっと私から申し上げかねるということをお許し願いたい。
#27
○担当委員外委員(西田信一君) あなたからお答えいただけないとは、ちょっと不思議に思うのですけれども、国鉄総裁として調査計画というものがなければならない。ちびちびやっていて、何年たって結論が出るかわからないというような調査では、これは私は非常に納得がいかないのですが、専門家の方からでもけっこうでありますが、どういう方針で、どのくらいかけて、何年かかったらできるか。第一に、金はどのくらい必要とするか。
#28
○説明員(大石重成君) 金は幾らかかるかという御質問でございますが、これは調査が進みますに従ってできていくものと考えまするが、諸外国においてかような大きなものを計画施行いたしましたときの報告その他によりますと、調査費というものは大体工費の一割程度になっているように、諸外国の例では聞いております。
#29
○担当委員外委員(西田信一君) それでは、工事費は大体どのくらいと想定されておるのですか。
#30
○説明員(大石重成君) ただいままでの私たちが入手しております資料に基きましたものによりますと、直接トンネルだけを掘ります金が約五百五十億という金になっております。
#31
○担当委員外委員(西田信一君) そうしますと、さっき総裁は、そんな十五年も二十年もかかるということは考えておらぬという御答弁がありました。国鉄総裁ですね。ところが、今の話を聞くというと、一億五千万円かけて、そうしてそれは一割なら五十五億でしょう。五十五億を一億五千万円で割ったら何年かかるか、四十年もかかるじゃないですか。一体どうなんですか。総裁、もう少しはっきり答えて下さい。どのくらい金をかけて、最小限度工事を着手する政府の方針をきめるのには、どれだけの金が必要なのか。それを何年でやるという見通しがなければ、一体北海道の人でも、東北の人でも、日本の国の人は全部、今でもすぐ着手するように思っている。あなた方は、技術的に大丈夫だ、実施に入るのだというようなことを言わぬばかりの発言をしてきた。それが四十年先のことでは、これは話にならないのですね。一体その結論を出し得るためには最小限度どのくらい金が要って、どのくらい日時がかかるということが、見当がなければならぬと思うのですが、単に一割ということでは、ちびちび毎年ふやすにしても、二十年も三十年も調査にかけているということじゃ、意味がないじゃありませんか。
#32
○説明員(大石重成君) ただいま私が一割と申し上げました中には、何と申しますか、調査費が――まあこのトンネルにつきまして具体的に申し上げた方がはっきりすると思いますが、調査費の中には直接に、ここでよく言われておりまする縦坑を下すというようなことがいわゆる調査費の中に入る。しかし、これも、実際はあとでそのものも施工のときにも使うから工事費だという解釈もつくのでありますが、諸外国におきましては、さような縦坑のような最も金のかかりますものも調査費といっておりますので、私は一割と申し上げましたが、厳格と申しますか、今までわれわれがやっておりますような調査だけをあげますと、さような大きな金にはならないかと存ずるのであります。
#33
○担当委員外委員(西田信一君) どのくらい……。
#34
○説明員(大石重成君) 私たちの予定といたしましては、ボーリングをいたしまして直接トンネルの通過いたします地点の地質を確認いたしますことと、先ほど申し上げました断層の突破の方法、それから掘さくにつきまして新しき方法、これは私たち技術者といたしまして理想に走っているのかもしれませんが、あまり人力を使わないで、機械で掘りまして、まあ極端にいいますと、無人で掘さくしよう、こういうことも考えておりまして、かようなものの完成を私たちは一日も早く完成をしたいという努力をしておりますが、そう十年とか二十年というような長い年月でない間に私たちは完成をいたしまして、しかるべく御判断をいただきます資料を完成したいと考えます。
#35
○担当委員外委員(西田信一君) どうもやはり長い話で、十年もかからないということではどうも納得がいきませんが、大体技術的に、技術者もおられるようですから、大体予定の調査というものは、最小限必要な調査というものはどのくらい金がかかって、それをやるのに何年くらい必要であるというめどはつきませんでしょうか。
#36
○説明員(大石重成君) これもめどがつかないかとおしかりを受けるのでありますが、何分にもことし一年やりましたのにつきまして、私少しかた過ぎるかもしれませんが、断層突破の一つの方法にいたしましても、私たちが考えておりましたものと全く反対な方向の現実が出て参りましたので、金も総額幾らで完了するというようなことも申し上げられないのはまことに残念でございますが、さような次第でございます。
#37
○担当委員外委員(西田信一君) それじゃ、別な角度からちょっと簡単にお伺いいたしますから、簡潔にお答え願いたいのです。それじゃ、この青函経由の旅客、貨物の量はどんどんふえておるのですが、私の承知しておるところでは、数倍になっておると思いますが、昭和十一年ごろに比べて、昨年は旅客は何倍、貨物は何倍、その数字は幾らになっておるということをお持ちでしたら、お聞きしたいのです。――あとからでもけっこうです、それでは。わかりませんか。
 時間の関係がありますから、私が調べたのがここにあるのですが、間違いがないかどうか、私の方から言いますから。旅客は二倍九分強、それから貨物は四倍になっておると思いますが、間違いありませんか、どなたかお答え下さい。
#38
○説明員(久保亀夫君) ただいま手元にある数字で申し上げますと、貨物の輸送トンキロで三倍強かと思います。あるいは、若干他の小さいのが入っておりますから。それから旅客は……。
#39
○担当委員外委員(西田信一君) けっこうですここ。にあなたの方からもらった資料があるのです。それによると、昭和十一年の六十二万トンが二百五十三万トンになっていますから、そうすると四倍です。そういうことを、私の方から御注意申し上げておきますが、十分資料を持って臨んでもらいたいのですが、そこでこれによりますと、戦前の、戦時中は船が使えなかったから非常にこれはピークがありましたけれども、四倍になっておる。二十年間に四倍になっておるとしますと、年増加率は平均二〇%ということになる。そうしますと、これから先の貨物はどういうふうにふえていく見通しなのか、これから先の見通しがありますか。貨物なり旅客が、どういうふうにふえるか。従来の率でいえば、年増加率二〇%ですよ、平均。そういうふうにふえていくのか、あるいはもっと低いカーブでいくのか、これの先の見通しはどう持っておられますか。
#40
○説明員(石井昭正君) お答えいたします。昭和十一年と比較いたしますと、おっしゃるように、非常な激増をいたしておりますが、これは戦争中の例の陸運転移と申しますか、海上輸送が激減いたしました関係もありまして、当時と輸送状況がだいぶ違っておりますので、そういう大きなふえ方になっておりますが、最近におきましては、私どもといたしましては、北海道の開発も行われておりまするが、大体において一般の貨物及び旅客の趨勢、これをやや上回る程度の伸びといたしますと、大体六、七%程度ずつ伸びていくのじゃないかと思います。
#41
○担当委員外委員(西田信一君) それでは、お尋ねいたしますが、六%ないし七%というと、日本の経済の伸びと大体同じくらいという見通しらしいのですが、それで参りましても、相当これはふえて参る。しかも、これは経済の伸びが六・何%といいますか、これは平均でなくて、これは年々ふえて参るわけでありますから、相当の伸びになると思いますが、そういたしますと、現在二百五十何万トンの貨物というものは、たちまち三百万トン、四百万トンになることは、これは数字の上でもはっきり出て参る。
 そこで、現在は十八便運航しておるが、国鉄総裁は十九運航にことしからふやすということを言明されました。それで、これはどの程度まで将来貨物の増量とともに運航をふやしていけるのか。おそらく、私は港湾にも限度があると思うのです、能力に。だからして、何運航までが可能であるのか、その限度に達する時期はいつごろであるかということについて、見通しを伺いたいのです。
#42
○説明員(石井昭正君) おっしゃるように、現在の体制でもって運航いたしておりますと、十八運航現在やっております、それを二十二運航程度まではどうやらやれる。極端に無理をいたしますということになれば、二十四運航くらいまではやれるというような感じを持っております。しかし、これはまあそのために、やはり青森の岸壁の関係についてなお研究いたさなきゃならぬ点もございます。あるいは船の速度というものも考えなきゃならない。また、単に青函の輸送力ばかりでなくして、背後の輸送力というものもあわせて考えなきゃいかぬ。今の船舶輸送の能力でもってどこで限度が来るかと申しますと、今申し上げましたような増強施設とあわせて考えれば、私はそうすぐに行き詰りは参らないように考えております。
#43
○担当委員外委員(西田信一君) 何年ぐらいですか。
#44
○説明員(石井昭正君) ただ現状のままでやれば、いつになるかと申しますと、おそらく三、四年後には相当程度輸送力に対応し得ない状態が出て参ると思います。
#45
○担当委員外委員(西田信一君) わかりました。そこで、もう一点お聞きしたいのですが、青函隧道と船舶連絡とは経済的にはどういう関係にあるかということを、一つお聞きしたいのです。隧道をやった場合と船で連絡する場合とが、経済的にどういう比較になるか。
#46
○説明員(石井昭正君) 経済的とおっしゃるのは、鉄道経営上の立場でございますか、国民経済の観点でございますか。
#47
○担当委員外委員(西田信一君) 国民経済の方ははっきりしております。
#48
○説明員(石井昭正君) 鉄道経営の点から申しますと、鉄道が通ります場合の運賃の立て方によって変って参ると思います。現行の船舶運賃をとるか、あるいは隧道の中の実際のキロ程をとるかによって、非常に違ってくるかと思うのであります。従って、深くまだ研究はいたしておらぬのでありますが、現在の運航船舶輸送の方は大体現在のところ収支とんとんという程度になっておるのでございますが、隧道につきましては、建設費その他の関係がわかりませんので、研究したことはございません。
#49
○担当委員外委員(西田信一君) それでは、現在青函連絡による年間収入は何ぼでありますか。それから、隧道を作った場合には、これはいわゆる擬制キロというのはなくなって、普通の延べキロになると思うのですが、その場合、現在、本年度、三十二年度の貨物量、旅客量を基礎にいたしまして、その収入、年間収入は幾らであるか。これが鉄道になって擬制キロがなくなった場合には、運賃軽減は年額どのくらいになるかということの計算がありますか。
#50
○説明員(石井昭正君) ただいま現在、青函航路の収入は大体四十五億程度――貨物の方が三十五億、それから旅客の方が十億でございます。それで、支出の方もほぼこれに見合った程度と思います。それから、擬制キロがなくなった場合の運賃収入は幾らになるかと申しましても、これは通過貨物の量その他によって調査いたさなければわかりませんので、お答え申し上げられませんが、大体最小限度見積っても、半減するというふうにお考え願っていいかと思います。
#51
○担当委員外委員(西田信一君) 半減ということは、金額が半分になるということですね。
#52
○説明員(石井昭正君) そうでございます。
#53
○担当委員外委員(西田信一君) そうすると、四十五億のものが二十何億は運賃軽減になる、負担軽減になる、こういうことですね。
#54
○説明員(石井昭正君) はあ。
#55
○担当委員外委員(西田信一君) わかりました。青函連絡は年に相当欠航があるようですが、最近は年にどのくらい欠航しておるか。そのおもなる理由は何ですか。
#56
○説明員(石井昭正君) 申しわけございませんが、最近の運航欠航の実績数字を持ち合せませんので、後刻調べましてお答えいたしますが、たとえば荒天がおもなる理由でございまして、最近は機雷による場合は少くなっております。
#57
○担当委員外委員(西田信一君) 大体わかりました。そこで、先ほどのお答えによっても明らかなように、貨物の量がどんどんふえて参る。そうして現在の設備でいけば二十二運航ぐらいが限度で、無理をしても二十四運航である。それは少くとも、現在の設備では、三、四年後にもう行き詰まりがある程度来る、こういう答弁がございました。そういたしますと、これはどの面から考えても、さっきのようなのんきなことは私はやっておれないと思うのです。これが必要であるという結論に達し、技術的に可能であるという結論に達したならば、これは思い切ってやるべきだと思う。しかも、総工費六百億以内であるといたしますならば、これは私どもは実は、突然出てきた東海道新幹線に五年間に千七百二十五億円かけるということを運輸大臣は言われましたが、こういうようなことも必要によってやるのでありますから、これは私はけっこうであると思うのでありますけれども、このような行き詰まりが目の前に見えており、しかも、非常に欠航も多い。それは天候によってその欠航が多いのだということも明らかでありますが、しかも、いろいろな国家的な意義のある隧道であるといたますならば、これは私はもう少しスピードを上げて調査をすると。金も、そんなちびちびでなく、必要な金は年に十億でもいいじゃないですか、つぎ込んで、そうして、一年なり二年なりで調査を、技術的に可能ならばやってしまって、そうして直ちにかかるというくらいのことをやってもらわなければ、二十年先だか、三十年先だか、四十年先だかわからないような、そういうことでは、これは私は納得いかないのです。一つ、運輸大臣として、この青函隧道に対して、運輸大臣というよりも政府代表という立場から、内閣においてはこの青函隧道をどのくらいの熱意を持ってやられるお考えであるか。
 また、ただいま申し上げましたように、今までのような遅々たる調査では、私は問題にならぬと思うのですが、思い切って調査費をつぎ込んで、そうしてその結論を出して、少くともここ十年以内ぐらいには調査並びにその工事が完了する、十年以内ぐらいには貫通するというくらいの方針をお持ちにならなければ、いつのことかわからぬ。これでは問題にならないと思うのですが、運輸大臣はどのようにお考えでございますか。
#58
○国務大臣(永野護君) 西田委員の御質問はごもっともだと思います。もう少し熱を持ってやる要があると思います。ただ、問題は、単に金が不足だから調査が進まないというだけでなくって、私はしろうとだからよくわかりませんけれども、金はあっても、日本の技術上のいろんな制約、これは世界的にもあまり例のないような長くて深いというような事情もありますので、単に金だけ持ってきても、今の一億円の金すらよう使わないような、これが熱意が足りないからそういう結果になったんだという点が私は絶無とは思いませんけれども、実際上こういう技術的の面の制約があるのではないかと思います。これは私、よく調査して御返事しているのじゃございません。私のしろうと考えで御返事申し上げておるのであります。従いまして、この運輸行政の全体から申しますと、単に金だけ増せば調査が早く完了するというのならば、これは大いに考えなきゃならぬと思います。御同感でありますけれども、一億の金が三千万円しか使えなかったというようなことです。これは十億にしても、それがどの程度使い得るかというような疑問もありますので、そういう事実を前提といたしますると、トンネルができるまでの応急措置をほかに考える必要があるのじゃあるまいか。少くもその三十年、四十年先というようなことでないと思います。もっと早くやらなきゃいかぬと思いますけれども、それにしましても、目先に、もうきわめて数年後に、三、四年後に行き詰まり状態がくるということが数字上はっきりしておるものといたしますると、その間にトンネルを何ぼ督励いたしましても、おそらくこれは不可能だろうと思うのであります。従いまして、それにかわるべき対案を何か考える余地はあると思います。
#59
○担当委員外委員(西田信一君) ただ、運輸大臣、私非常に運輸大臣の今の御答弁に失望しておるのですが、私は、この日本の土木技術、ことに隧道の技術は、今、日本の技術がどうとおっしゃいましたけれども、これは全く当らないと思うのですよ。これはもう、日本の技術は、むしろ世界に誇っておる技術なんです。金を使えなかったのは、技術が幼稚だから使えなかったのじゃないのですよ。これは準備が足らないとか、熱意が足らないとかによったということは、はっきりしているのです。これは国鉄当局から聞いても、その通り言っております。初年度だった関係もありますけれども。従って、予算の要求は、こんな一億や二億しているのじゃない。もっとたくさん要求している。自信のない要求をしているのじゃないと思うのです。ですから、運輸大臣から今お答えがあったのだが、技術的に可能であるから、予算をどんどんつけるという御答弁がございましたから、私はその御答弁だけは満足しますけれども、決してそういうことではないということは、国鉄当局に十分お聞き下されば、これは明瞭でございます。そこで、そのかわるべき補助航路とか何とかということは、これは別な意味からは必要でありますけれども、少くともこれだけの必要を国家が認めておるところの重大な事業でありまするからして、少くとも、一つ技術当局が必要であるという金だけは惜しまずに出してやって、そうして調査を早く進めて、少しも早く着工し完成をするという熱意を示していただかないというと、どうも金をせっかくとってやっても、これは使い切らぬだろうという頭でおられたんでは困ると思いますが、その点いかがですか。
#60
○国務大臣(永野護君) 私の答弁の最初に申しましたように、全然技術的に無知の私が、国鉄関係者と何にも相談の時間の余裕を与えられないで、今お前の考えていることを返事をしろというお話でございますから、おそらくそんなこともあるのではないかという、無知なる私の想像であります。従いまして、これは国鉄技術当局と十分打ち合せをする余裕を与えていただけば、その技術的の点もよく打ち合せをして御答弁申し上げます。ただ、熱意を持ってこの青函トンネルの完成を一日も早くしなければならぬということは、全く御同感でありますから、できるだけの尽力はいたします。
#61
○担当委員外委員(西田信一君) 最後に、国鉄総裁にちょっとお聞きしますが、運輸大臣は、今お聞きになった通り、国鉄当局と打ち合せをして、そうして技術的に可能であるならば十分これにこたえる、こう申しておられるのでありますが、一つ運輸大臣のせっかくのそういう御熱意を十分国鉄当局が大いに活用されまして、そうして必要な予算は十分とって、早く調査をして、国民の要望にこたえるという御決意を伺って、私の質問を終りたいと思います。
#62
○説明員(十河信二君) 私も、でき得る限り努力いたしたいと覚悟いたしております。
#63
○北村暢君 関連して、一つだけ。今の西田委員の質問について、私は大体、抽象的に熱意を示されるということでございますから、これはそのように理解しておりますけれども、ただ問題は、青函トンネルを完成するということは、これはもうその背後関係、たとえば北海道あるいは東北の、トンネルだけ通っても、これの負担にこたえる態勢というものがとられなければ、これはせっかくのトンネルが有効に使えない、こういうことが起り得るということは想像にかたくないわけであります。従って、まあこれは東北本線の複線の問題も出てきましょうし、それから奥羽本線についての問題も出てくる。そうでない限り、青函トンネルだけ引いても、これは実質的に有効な効果を発揮しない。東北線においても、奥羽線においても、青森を出ると、とたんに輸送の隘路がある。これはもうはっきりしておる。運輸当局も認めて、国鉄の技術者はほとんど認めておられるところだと思うんです。従って、これはそういう総合的にやはり輸送上の隘路というものを克服する態勢というものがとられなければならない。
 従って、この計画を立てるというのは、私は、やはり青函トンネル自体の問題について、やはり着工をいつにして、完成がいつというめどをやはりつけて、そうしてこの青函トンネルを有効に利用できる態勢というものを整えなければならない、こういうふうに思うんです。そうすると、これは青函トンネルの問題だけで解決できないのでありますから、そこは総合的にやるとするならば、やはりトンネルに対する熱意というものは、今後の輸送の隘路打開を、ほかの面における問題まで含めてやらなければならない問題でありますから、そうなって参りますと、やはり長期にわたって国鉄の計画というものも出てくる、こういうことになりまするので、いずれにしても、この青函トンネルがどういうふうに完成するかということついて、重大な影響が起ってくるのであります。これはもうしろうと目でも、私どもはそういうふうに感ずるのですから、そういう面からいきますと、やはりこの調査の結果というものについて、非常に急いで結論を出す、そうしてこの着工のめどなり完成のめどなりというものを早く立てられないというと、東北線なり奥羽線なり、あるいは函館本線の計画というものについても、もうこれは変ってくるのでありますから、そういう意味からいっても、この総合的な計画というものについて、国鉄当局に万遺漏のないように一つお願いを申し上げたい。
 それから、西田委員と同様に、青函の問題は、これはもう北海道の道民も、あるいは東北と北海道というものの、北海道の開発に伴う経済的なつながりというものに対して、これは東北というものは重大な影響を持ってくるのでありますから、ただ単に北海道の住民が関心を持っておるばかりでなしに、これはやはり東北と経済圏を同じゅうするから、これは重大な関心事であるわけであります。そういうようなことで、私どもはただ単なる北海道の、何といいますか、モンロー主義から、青函トンネルというものを要望しているんじゃなくして、もっと広い意味において経済圏というものを考えて、おくれた東北と北海道というものを開発する意味において絶対に必要なんだ、こういう観点から、私は、国鉄とか運輸当局に重大決意をしてこの問題に当っていただきたいということを、切にこれは要望いたしておきたい、こういうふうに思うわけでございます。
#64
○片岡文重君 運輸大臣にこの際お伺いするんですが、結論からいえば、総合的な交通対策いかんということです。今の交通関係といいますか、交通政策をいろいろ調査審議するために、運輸省の中にも交通調査会のようなものもあるし、都市交通の問題については都市交通審議会というようなものも設けられておりますから、それらによって具体的に計画を立てられていると思うんです。しかし、今日の機動力の発展をしていく時世から申しまして、今のような調査会や都市交通審議会程度の機構なり陣容にまかせておってよろしいかどうか。ここに計上された予算を見ても、これだけであるかどうかわかりませんけれども、少くともこの各目明細書に載せられましただけの程度で見ると、全く私どもとしては、むしろあぜんたらざるを得ないというふうに考えます。日本の交通を、国鉄は国鉄、私鉄は私鉄、それぞれ向き向きに自分勝手な方向で自分勝手に計画を立て、自分勝手に営業をやっておる、こういう状態ではなしに、やはり一貫した国家的な見地から、運輸省が中心になって計画を立てて、その計画の線に従ってそれぞれの使命を果させると、こういうことに私はもっと明確にすべきではないか。特にこれからは、そう私は遠いことではなしに、原子力による陸上のものもできるしょうし、特に海のものもできてくる、そうなってくると、海の輸送力というものは飛躍してくる。スピード・アップされてくる。そうなってくると、今のように、石炭は貨物だ、米は貨物だというようなわけにいかなくなってくると思う。そういう時代が私は必ずしもそう遠いことじゃないと思う。それからの将来の進歩等も十分考慮されて、もう少し急速に総合対策を立てられる必要があるのではないか。それについて、今、どういう方法でその調査を、その計画を練っておられるのか。で、今日の交通調査会なり都市交通審議会等の機構、陣容、内容等で十分なのかどうか。もし十分でないとするならば、どういうふうにこれをすべきであるか。特に私はこれらの機関が、まあ大へんあるいは差しさわりがあるかもしれませんが、失業救済や、うば捨山になったのではいけないと思う。ほんとうに専門家で、若くしてしかも学識のあり、積極性のある人たちが委員となり、そして機構も充実をさして、日本の動脈を預けるに適する組織にしなければならぬと思うのですが、こういう点についてどうお考えになっておるのか。
#65
○国務大臣(永野護君) 交通政策が日本の最も必要とする産業開発の上に非常に大きな影響を与えることでありまするので、陸運、海運、空運を通じまして基本的の総合計画を立てるべきであるという片岡委員の御質問はごもっともだと思います。ただ、現実の問題といたしまして、そういうふうな計画を立てますために一番理想的な形は、いわゆる統制経済的の運営をいたしますとそれが非常にはっきり案も立ち、また実行も可能なのでありますけれども、自由主義経済機構を基調といたしておりまする今日のただいまの政府のあり方によりますると、案を立てまして、全体の日本の交通――それは陸運、海運、空運を通じまして、たとえば人間は航空機による、荷物は海運による、陸運は旅客と貨物と両方をまかせるというふうな大ざっぱなワクを立てて、それを実行に移すというようなことは、現実の問題とするとなかなかむずかしいと思います。しかし、少くも国としてはその案を立てる、少くもいかにすべきかという大体の方向ぐらいは国として研究しておかなければならぬと思います。その必要性は十分痛感しております。ただ、それをどういう規模にやって、どういうふうにやることがいいか、それが運輸省にあるのがいいか、あるいは経済企画庁のようなところで考えるべき問題であるか、あるいは全体の各官庁にわたる問題で、総理府にそういう機構を置いてやるのがいいかというようなことには、なお検討の余地があると思いますけれども、大体そういう日本の交通政策を、日進月歩の、ほんとうに目まぐるしい進歩をいたしまする科学の進歩に相応いたしまする交通政策を根本的に再検討するという必要は認めております。あるいはしかし、それはむしろ経済企画庁あたりでやるのがほんとうではないかというような気のする部分もございますけれども、運輸省といたしましても、運輸省限りにおいても、その所管事務の将来の見通しを立てます上において、そういう基本的の調査が必要であるという必要性は十分に認めております。
#66
○片岡文重君 総合的な計画ですから、しかも、これは日本の産業経済にももちろん大きな影響を受けるのですから、経済企画庁あたりでやられるのもけっこうです。しかし、やはりこの直接の所管としては運輸省でありますし、現に予算書にもあります通り、交通調査会もあるし、都市交通審議会もあるわけです。従って、こうういところで今お尋ねしておるような問題は当然討議されておると思うのです。しかし、私が不勉強なせいですか、とにかく、これによってなされた結果の発表というものが、なるほどこれは大したものだと私たちが感服するようなものは残念ながらまだお目にかかっておらない。そこで、一体どういう活動をしておられるのかということになるわけです。これは中には一生懸命にやっておられる方もおありになります。現に私の存じ上げておる方でもそういう方がおいでになりますから、一がいにこれを消極的だとは申しません。けれども、今のままでよろしいのかということについては、私は多分に考えさせられる。現に政府自体がこの予算に組まれた都市交通審議会を見ても、委員の数が二十名で、組まれておるところの委員手当は三万八千円、私はこれは数字のけたが違うのかと思ってよく見たのですけれども……、そうすると一人当り千九百円、交通調査会の委員は十三名、五万三千円、四千円足らずです。そのほかに旅費が、都市交通審議会の委員の旅費が二十六万七千円、これは一万三千円ちょっとでしょう、これでは。あとの事務員その他の経費はどこに載っておるかちょっとわかりませんけれども、いずれにせよ、こんなことで日本の動脈を審議するような重大な問題の討議や計画ができるのだろうか、はなはだ私は危惧にたえないのです。ですから、これについて特に御調査をいただいて――私は大臣が見てもおそらくこれは不満足な結果を得られると思う。早急に一つ強化をされて――もちろん、だからといって、私は戦時中のような国家統制を強化してくれなんということを毛頭言っておるわけではありません。そういうことをいっておるのではありませんが、もっとこれは、やはり日本の動脈としての役割を百パーセントにになわせ、そうして国家経済への貢献をなさしめるためには、総合性があっていいのじゃないか。少くとも機動性がなければならぬ、こういうことを言っておるのです。その点についての御努力をわずらわしたいと思います。いかがですか。
#67
○国務大臣(永野護君) 大体の構想といたしましてはごもっともだと思います。自動車の進歩、飛行機の進歩、ことにヘリコプターなんかの目ざましい進歩、船も原子力船が実用の域になりますことは、もうほんとうに見えすいた時期に来ると思います。また、そういう科学上の進歩と相応する日本の交通政策を基本的に研究いたしますことは、ただいま御指摘になりました都市だけのような局地的のものでなくて、日本全体の交通政策を基本的に考え直す必要性は感じております。しかし、事務的におそらく今まだ――私が知らないのかもしれませんが、私はまだそういう基本的な調査をしておる機構のあることを存じません。しかし、その必要性は十分に痛感いたしておりますから、十分に注意して、その方面に研究の力を注ぐように努力していきたいと思います。
 なお、官房長から事務的に補足説明をいたさせます。
#68
○政府委員(細田吉藏君) ただいまの大臣のお答えに補足してお答え申し上げたいと思います。総合的な交通政策の樹立という点につきまして欠けておる面があることにつきましては、もう御指摘の通り、私どもも非常に痛感いたしております。交通政策の一番基礎になりますような統計資料につきましても、ロスが各機関によりまして非常に多いわけでございまして、こういう点からも、もっともっと仕事を進めて参らねばならぬというふうにかねがね考えておるところでございます。先ほど御指摘がございましたが、交通調査懇談会でございますが、この予算は御指摘の通り少いと思いますけれども、私ども実はもっと困りますのは、手当とか旅費の問題よりも、実際にいろいろな計算をいたしましたり、資料を作ったりする予算が足りないのじゃないかということを考えておりまして、今後この点につきましては、私ども実際の仕事の運用上、予算をいろいろな方法で考えていかなければならぬのじゃないかと考ております。現在までの交通調査懇談会の進み方につきまして、ちょっと申し上げてみますと、実はここ数日中にも開くことになっておりますが、一つの、何と申しましょうか、重大な段階といいましょうか、曲り角へ来ておるような感じでございまして、これから実は小委員会を設けまして、本格的に問題と取っ組んで参りたいというようなことで、今持っておりますものは、非常に素案でございますけれども、交通政策のほんとうの基本的な問題をやっていこうということで、題目をあげてみますと、たとえばこういうことでございます。将来の輸送量を想定するのにどうしたらいいか、これを理論的に研究する反面、今度は計量的に分析していくという二つの仕事をやる、そういたしますと、たとえば輸送機関別、物資別の輸送需要の想定は、どうした方が理論的に正しいだろうかという方法論の研究でございます。あるいは国民経済の成長と過去の発展とがどういうふうに結びついておるかというようなこと、それから経済の構造変化と輸送のパターンの相互に影響しますが、そういうものをどう考えていくかといったようなこと、それから諸外国における交通体系がどういうふうに発展し、これが日本にはどう適用さるべきであるかというような点、それから計量的分析といたしましては、国民総生産あるいは総投資と輸送量とはどういう関係が過去においてあったか、将来それがどう想定されるかといったようなこと、それから循環輸送量の関係、地域別な生産、投資、こういうものと輸送力との関係、ほかにもいろいろこまかい点もでございますが、それから運賃の関係はどう考えるべきか、輸送サービスの率とか機能、こういうものを、先ほど原子力船のお話もありましたが、そういった新しいものも含めて、どう考えていくかといったような問題、それから結論的に出て参りますのは、国民経済の観点から見ました投資基準、交通に対する投資はどれくらいの見当をつけていくべきであるかといったようなこと、それから投資効果がどうであるかといったようなこと、それから外国の方式はどの程度交通政策なり交通統制なりを持ってこられるかといったようなことで、今申しましたようなことは、一つ一つとりましても非常に大きな項目でございます。これは東大の今野先生なり大石先生とか学界の方々をむしろ中心にこれはできておりまして、先ほどちょっとお話がございましたが、うば捨山とかなんとかいうものではございません。非常にこれはまじめにやってきていただいておるようなことでございまして、約半年で一応、これは全部はとても半年ではでき上りませんけれども、半年を目安にして、これらの問題の、ただいま半年でどこまでやれるかやってみまして中間的なものを出していただいて、おそらくまだ不十分でございますから、続けてそれをやって参りたい。いずれにいたしましても、先生方も非常に張り切ってやっていただいておりますし、運輸省といたしましても強力にこの線は進めて参りたいと、かように考えておる次第であります。
#69
○政府委員(山内公猷君) ただいま都市交通審議会のお話が出ましたので、簡単に御説明申し上げたいと思います。交通をどうするかという場合に、ただいま官房長が御説明になりましたように、総合的に日本の交通を考えるということも、もとより必要でございますが、われわれ交通を担当いたしておる者からいいますと、個々の交通のファンクションをつかみまして、これを需要にどう適合せさるかということも非常に重要なことでございまして、その意味から地域的な交通を調整するということが非常に重要になって参っております。特に、最近大都市におきます交通が非常に複雑な様相を呈して参りしましたので、運輸省といたしましては、都市交通審議会を持ちまして、これらにつきまして検討いたしておるわけでございます。都市交通審議会は、非常に、ただいま御指摘になりましたように予算が少いわけでございますが、委員さんの方々に非常に御迷惑をかけておりまして、少くとも月に一回はやっております。多い月には二回あるいは三回、今までやってきたこともありまして、現在では東京、大阪におきまして、すでに答申をもらい、東京、大阪におきましては、その答申に基いた施策をどんどん実施いたしております。たとえば地下鉄の計画というものを作りまして、その地下鉄の免許をし、あるいはその工事を推進するというようなこともやってきておりまして、大体の構想といたしましては、都市圏を五十キロくらいの中で、昭和五十年くらいをめどにやっておるわけでございますが、東京につきましは、さらにそれを延長して、またあるいは都電の問題その他を今議論いたしておる状態でございまして、われわれといたしましては、非常に委員の方々に予算が少くて御迷惑をかけておると思いますが、都市交通審議会そのものは相当な効果を上げておるのではないかというふうに考えておりまして、運輸省といたしましては、総合的な計画とそれから部分的な計画と両方、車の両輪のように運用していくことが、交通調整、交通の総合調整の意味からいいまして、重要ではないかという趣旨で推進をいたしておるわけでございます。予算の非常に足りない点につきましては、まことに申しわけないわけでございますが、今後とも努力をいたしたいと思います。
#70
○片岡文重君 先ほど私が例をあげました委員手当ですが、少いこの委員手当の額を見て、いわんやということでこの事務的経費の僅少さが推測されるので、こういうことでは困るのではなかろうかということで一つ要望を申し上げたのですから、ぜひ一つ内容の充実と、成果の上るように御尽力をいただきたいと、お願い申し上げるわけです。それで特に大臣は、あまりこういう点については御認識がなかったようですけれども、大臣として御就任第一に、私は失礼ながら着眼さるべき問題ではなかったのかというつもりで実は御質問申し上げ、当然、いつものような名御答弁がいただけるものと期待をしておったのですが、はなはだ残念でありました。ぜひ一つ総合的な計画について、後世の史家の批評を受けないような一つ御計画をお願いいたしたいと思います。
 時間がありませんので大へん残念ですが、この予算を拝見してちょっと気がついたのですが、海難審判庁の機能充実、強化ということがあげられております。これは大へんけっこうなことで、ぜひできるだけのことをやって、ことに、こういう事故の審判は早急に結審ができるようにやっていただきたいのですが、それにつけて、きのうかおととい、自動車運転手の轢殺逃亡による、何か刑の言い渡しがありまして、これには実刑が科せられておりました。私はけっこうだと思うのです。いやしくも人命をそこなって、しかも、逃亡して、わかったからといって届け出るというような態度はけしからぬと思う。こういうことはけっこうだと思うのですが、その一面には、特に国鉄と私鉄を問わず、機関車乗務員、電車の乗務員と動力車による運転従業員のほとんど不可抗力と思われるような事故があるわけです。これらについて、私もかつてはこの調査のために電気機関車、蒸気機関車等にそれぞれ乗ってみました。これはしばしば検事諸君も乗られて体験をされるようですが、これは全検事が乗ったわけでもありませんし、全裁判官が乗ったわけでもない。こういう人たちによって、いわばあの動力車乗務員の、心身ともに疲れているといいますか、過激な負担、これを十分に理解し得るということは、あの関係者以外の者はほとんどまあ私は不可能だと思う。地方に出れば何秒に一本という踏切りにぶつかるわけです。事故を起せば起した方が大体責任を問われる、そういう今までの例からいって、鉄道等の、電車軌道等の乗務員の関係する事故について、現在の刑事裁判ではなしに、海難審判と同じように交通審判制度を別に作ってほしい、少くとも陪審制度を作ってほしい、いわゆる三審制を一つ実施してほしいという要望は関係者から長い間切実に出ておるわけです。国会でも私はしばしばこれが立法に微力をいたして参ったのですけれども、なかなか今日立法化に至りません。これは立法上の技術も多分にあるでしょう。あるでしょうが、やはり運輸関係を担当しておられる大臣としては、早急にこういう問題について解釈を一つ与えていただきたいと思う。それについて、一つこれは運輸大臣並びに国鉄総裁から、この鉄道等に関する過失刑事事件の三審制というものについて、どうお考えになっているか、一つこれが実現のために私は努力をわずらわしたいと思うのですが、これに対する御熱意を一つこの際伺っておきたい。
#71
○国務大臣(永野護君) 鉄道の乗務員の非常な重労働であることはよく承わって承知いたしておるのであります。しかしながら、片岡委員の言われます通りに、それは頭で考えているので、体験が何にもあったわけではございませんから、おそらくわれわれが頭で考えておることは、現実にそのぶつかっておられる方の気持の何分の一にも達しないと、まあ思うのであります。従いまして、それから起ってくるいろいろな事故に対する処置の仕方に対する取扱い方につきましても、現実の問題にぶつかっておる人ほど切実感が少いかもしれません。つまり絵で見た、頭で考えた地獄極楽でありますから、現実感が非常に乏しいかもしれませんが、しかし、そういうふうな必要があるであろうなという程度の想像はつくのであります。従いまして、これは刑事政策にも関係があります特殊のものについて、一々特殊の刑事立法をするということにつきましては、これは法務当局といたしましても相当な議論があることだと思いまするので、その必要については、今申しましたように大体の想像はつきます。ごもっともだと思いますから、よく司法当局と打ち合せをいたしまして、研究してみたいと、こう考えております。
#72
○説明員(十河信二君) 片岡委員の御質問、しごくごもっともに存じます。今日までもそういう御趣旨が実現するように、それにはさっき片岡委員もお話がありましたが、検察あるいは司法当局が事態をよく理解していただくことがまず先決問題だと、こう考えまして、始終司法当局にお願いして御理解を深めていただくように努力いたしております。その努力を積み重ねまして今お話のような事態の実現するようにさらに一段の検討及び努力を続けたいと考えております。
#73
○片岡文重君 次に、船員関係の労働条件について少しお尋ねしたいのですが、御承知のように船員、特に外航船舶に乗り組んでおられる船員というものは、同じ外航船舶の中でも特に三国輸送に従事するような船員等になりますると、ほとんど外国から外国を渡り歩いておるのですから、うちへ帰るようなこともほとんど少いわけです。これらの船員の厚生施設に対する補助金として今年は四千万円新規に計上をされました。この四千万円を計上されたということの御努力については私は大へん敬意を表する、卒直にこれは敬意を表するにやぶさかではありません。がしかし、少くとも世界の海運国といわれておる日本で、外航船舶の船員の厚生施設というもの、宿泊施設等が何ら今まで政府の手によって設けられておらなかった、これは私ははなはだしい怠慢だと思う。船会社に対しても、造船会社に対しても海運会社に対しても、政府の施策というものは、たとい関係者には不十分であったとしても、相当の援助が国から行われておるし、疑獄までひき起すような援助が行われておったのですから、それらを考えれば、もっと大幅な私は援助が――援助といいますか、施策が国としてなされて私はしかるべきだと思うのですが、今年度とにかく四千万円とって下さったことはけっこうですが、一体、じゃ、この四千万円で今年度どの程度の仕事をして下さるつもりか、どの程度の施策をして下さるつもりか、その点をまず一つお尋ねいたしましょう。
#74
○国務大臣(永野護君) 海運国であります日本が第三国間の海運業に対して熱意が今まで足りなかったではないかという御指摘はごもっともだと存じます。そこで、おそまきながら今度初めてそういう方面に対する政府の助成金を踏み切ったわけであります。これは私が申すまでもなく、いくさに負けまして、すべてが全部新しく新発足しなければならない。過去十数年の日本の実情は、日本の国内の目の前に見えたいろいろな緊迫な問題に追われまして、自然海外の方には手が伸びなくて、手おくれになったというような言いわけのようなことでございますけれども、そういう現実になったと私存じておるのであります。幸いに国内の整備もだんだん緒につきましたので、今度初めてまあ第三国間の助成に乗り出したわけでございます。これは大蔵省も十分にその必要性は了承しておりますので、これを一年ぽっきりでやめるようなことはあるまいな、という私は念を押しておるのであります。むろんそんなことはない、日本の国策としてやるんだからという答弁を得ておるのであります。これはそういう意味で、これから年々歳々出てくる一つのスタート・ライン――芽がここへ出たというふうに御了承下さいまして、今の数字はまことに不十分であります、不十分でありますが、年々この小さな二葉の芽を育てて参るつもりでございます。今の四千万円でどういうことをするかという具体的なことにつきましては、局長からお答えいたします。
#75
○政府委員(土井智喜君) 船員の厚生施設につきましては、ただいま大臣からお話がございましたように、従来からその必要は認められておりまして、ただILOの勧告あるいは昨年の国際社会事業者会議等もございまして、いわば機運が盛り上ってきたのでございまして、本年度予算が認め、計上されたような次第でございます。そこで、その具体的な計画といたしましては、大体三国間輸送の中心は、やはりアメリカから欧州、それから中東方面から欧州あるいは南方の海域、これが中心でございまするので、できますならば、一番船舶の入港の多い北米の東海岸にまず設けたい、ニューヨーク航路が御承知のように、一番船舶の就航が多いわけでございますので、北米の東海岸としてニューヨーク、それから中東方面へ参りますにつきましても、やはりインド、ことにカルカッタ方面は船の入港も多いのでありますし、並びに炎熱の関係でもって乗組員の休息等のためにも必要でございますので、カルカッタ方面ということがまず第二に考えられるわけであります。でなおさらに余裕がありますれば、欧州方面、これは定期航路その他でもってハンブルグ、アントワープ等に就航する場合においての船員の士気高揚というようなことも考えられますので、大体そういう方面につきまして予定いたしまして、四千万円が認められました。もちろんこの四千万円では不足でございまして、船主、船員の方と目下話をいたしまして、さらにまあ概略して約九千万円程度の、これは四千万円合せまして、事業資金で一つ運営に遺憾なからしめたい、そして目下話し合いを進めておる次第でございます。
#76
○片岡文重君 当然船員の活躍によって利益を得るものはやはり国であり、船主でありますから、国家並びに船主等海運業者ができるだけの努力をするということは私は必要であろと思います。で、今の大臣の御答弁では、四千万円はことしのスタート・ラインだ、ワンステップである、従って、これからは続けていくという御確約でありますからこの点は、私しかと記憶いたしておきます。ぜひ一つ、から手形にならないようにお願いをいたしたいのですが、ただこれから年々計上していただく額が四千万円程度では、今土井局長はだいぶ御計画をお述べになりましたけれども、なお船員、船主等からの醵出を得て九千万円程度にされるというお話でしたから、あるいはその計画しておられる個所々々に、若干のものは作られるでしょうけれども、とても今日のドル相場からいって、それは私は困難だろうと思う。従って、年々、この来年は、少くとも運輸省から要求されたのはたしか二億円であったと私聞いております。その程度のものは獲得できるように、一段の御努力を一つお願いをいたしたいと思うのであります。
 なお、詳細にわたってお尋ねをしたいのですが、時間がないということで、主査から盛んに催促されておりますから、次の問題に一つ入ります。それは同じ海運関係でありますが、特にこれはせんだって当委員会において、郵政大臣にも希望をいたして、善処方を要求いたしておきました。電電公社総裁にも要求をいたしておきましたが、ILOにおける昨年の海事総会で、海上船舶に対する無電による医療助言に関する勧告というものが出されております。これはこの船医の乗っておらない船において、船員がたまたま負傷をし、あるいは発病をいたしました際に、医療便覧によって、医療の助言を頼みます、無線によって。その場合に、外国船に打つ場合には無料で、日本船並びに日本の港に打つ場合には、半額を徴収される。その半額は船主が負担をするということになっておりますけれども、実際はやはり船員にしわ寄せられる場合が多いようであります。全部とは申しませんが、だいぶそういう例があるようであります。同時に、船員として十分なる助言を得るためには、詳細にわたってその症状を打電しなければならない。そうすると電報料が高くなる。また、指示を与える方も、いわば人のために自分が負担をしなければならぬということで、これまた電報料を考えるということになると、求める方も与える方も、いずれもしろうとであって、しかも不十分である、その結果、なおるべきものがなおらなかったり、不具にならなくてもいいものが不具になったり、非常に不幸な事態も、まま起きているようであります。これについては、一つ所管が運輸大臣ではございませんけれども、船員の労働条件として、これはせっかく郵政大臣、電電公社の総裁等も、善処を幸いにして約しておられますから、この際運輸大臣からも、この点について、一つ所管大臣に対して、適宜の措置をとって下さるように、私としてはこれは無料にすべきであるということであります、無料にするについては現行の法律を改正しなければならないということであります。この点については、しかしおそらく与野党を問わず反対ではなかろうと思う。で、金額もそう電電公社の収入に影響を与えるようなものでもございますまいから、行おうと思えば、私はこの通常国会でもできるのじゃないかと思うのです。で、ぜひ一つこの通常国会でできるように、まず御努力をいただいて、最悪の場合にも、次期臨時国会等でこれができるように、船員諸君としては、一日も早いこの改正を望んでいると思いますので、御尽力をいただきたいと思いますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
#77
○国務大臣(永野護君) 全然御同感でございますから、さっそく郵政大臣と打ち合せをいたしまして、具体的な処置をいたしたいと思います。
#78
○片岡文重君 次に、国鉄総裁にお尋ねいたしますが、これは結論から言えば、バス、トラックに対する国鉄の対策いかんということであります。もう申し上げるまでもないと思いますが、最近の短距離の貨物輸送については、どんどんトラックに変ります。旅客については、特に団体等の場合には、バスに吸収される。そこでですね、だからと言って、国鉄がバスやトラックを相手にして、貨物や旅客の奪い合いをするという、そんなみみっちいことはできまいと私は思うのです。国鉄のになっておる使命、役割を果すために、バス、トラック等の発達とどうマッチしていくのか、これの対策がございますならば、一つ時間もございませんから、ごく大ざっぱでけっこうです。結論だけでも一つお聞かせ願いたいと思います。
#79
○説明員(十河信二君) 従来、国鉄の自動車は、建設線の先行とか、代行あるいは培養短絡というような方針でやっておりましたが、お話の中にもありますように、最近都市の発達が急に伸びて参った、また、いろいろな観光地等も開発せられまして、国鉄の輸送力が十分間に合わない面が出て参りまして、国民の皆さんに御迷惑をおかけいたしております。そういう国鉄の輸送を補完するというふうな意味でもって、都市間の中距離以上の輸送をバスでやるというふうなことをだんだん進めて参りたい、こう考えてやっております。
#80
○片岡文重君 具体的な計画についてもう少しはっきりお尋ねしたかったのでありますが、たとえば運輸省に設けられておる交通調査会のごとき、具体的にはやはり機関をお持ちになって、総合的なといいますか、交通全般的な立場で見て、国鉄はどうなければならぬのか、こういう計画が私は当然なければならぬと思うのですが、そういう点について特別な何か調査機関なり、審議機関等を設けておられるのでありますか、もし設けておられるというのであれば、どういう機構で運営をしておられるのか、その陣容等についてもお知らせをいただきたいし、もしないということであれば、早急に一つ設けられる用意はないかどうか、重ねてお尋ねいたしたいと思います。
#81
○説明員(石井昭正君) いわゆる陸上輸送の容貌が変化いたしまして、自動車交通が発達いたしましたのに対処して、鉄道のあるべき姿はどうかというお尋ねかとお思うのでありますが、私どもは先ほどお話がありましたように、これらの適正な輸送分野を持っていく、そしておのおのの機能、特長を生かした輸送、それにマッチする輸送をする、同時に、国民経済上もきわめて有益である、経済上最も有利であるというような行き方に持っていくべきだと思っております。この点につきましては、私どもの方といたしましては、内部機構として、審議室というところに有能なるエキスパートをそろえて、常時、調査研究をさしておりまするが、なおこの機関と、ただいま運輸省に設けられております交通調査会でありますか、それとの関連を密にいたしまして、これには審議室長も参加して、一緒に御研究さしていただいておるという状態でございます。
#82
○片岡文重君 次に、新線建設並びに運賃等級の問題で少しお尋ねしたいのですが、これはしばしば論議をされておると思いますし、この国会でもまた問題となったものと思いますが、せんだっての予算委員会の一般質問の際における同僚中村正雄君の質問に対して、大蔵大臣、運輸大臣並びに国鉄総裁から御答弁がございました。この御答弁を伺っておりますると、私にははなはだ納得のいかない点がある。それは特に新線建設の問題についてお尋ねするときに、今日、最近建設され、あるいはこれから建設をされる新線は、もうほとんど例外なく政治路線といって差しつかえないと思うのですね。これはこういう会議では、そういうことは肯定されないかもしれませんけれども、おそらくどなたもそれは認められると思うのです。で、その結果、経営上の採算ということについてはほとんど考慮されておらない。そういう実情のもとに、中村君は御質問申し上げておったようですが、結局、両大臣の御答弁の結論としては、有能な建設審議会の委員諸君が慎重に審議をされた結果きめられたものであるから、経営上等についても遺憾はないと思うというような答弁でありました。しかし、今、国鉄から出されましたこの資料を拝見をしても、この経営係数を見ましても、実に四百七十三などという経営係数があり、ひどいのになると、六百をこえるような経営係数もある。これで、有能な審議会の委員諸君が経営上のことまで考えて審議したということが言えるかどうか。あまりにも私は無責任な答弁ではないかと思う。やはりこういう問題の解決については、率直に、どうすべきかということをお互いに考えるべきではないか。この審議会に働きかける姿というものは、与党だからどう、野党だからどうではなくて、皆さんこれは超党派で働きかけておられる、残念しごくだと私は思うのです。幸か不幸か、私は選挙区にそういうところがあまりないから、大きなことが言えるのかもしれません。しかし、ずいぶん選挙が近づきますと、私たちが考えても、当然そういうことは少しく常識があるなら、考えられないと思うようなことを選挙民に約束をする政治家もないとは言えない。それが結局はうそから出たまことで、どんどんと話が大きくなって、こういうことにならぬとも限らない。そこで、私はこういう新線の建設については、少くとも未着手の路線については、さらに再審議をしていただいて、必ずしもレールを敷かなくても、今日のバス、トラックの時代には、これでも十分間に合う場合が多いと思うのです。こういう点について、一つ運輸大臣はどうお考えになっておられるのか、新線建設並びに貨物運賃に対する政治的な圧力というものが残念ながら皆無とは言えないようである。あるとか、ないとかという議論ではなしに、問題はどうこれを排除していくか、いわば国鉄並びに運輸省の自主性をどう守っていくか、国民経済の立場に重点を置いてやっていくべきではないかということを前提としてお尋ねをしているのですが、この点で一つ御所見を伺いたい。貨物運賃の場合は運賃のベースを引き上げるということになると、これは国会の審議に付されるわけです。ところがその内部における等級の変更ということになると、これは国会に持ち込まれません。従って、いかにわれわれが反対してみたところで、高級なものはどんどんとトラックに持っていかれてしまう。結局採算の合わないような低級貨物だけが国鉄に残される。こういう状態に、今大ざっぱに、なっているわけです。こういう点についても、やはり運輸省としては、運輸大臣としては、真剣に一つお考えいただくことが必要ではないか、特に与党内における最有力者の大臣としては、この点について、そういう政治的な圧力を排除するためにどう対処しておられるか、御所見を伺いたい。
#83
○国務大臣(永野護君) 今さら繰り返して申し上げるまでもございません。国鉄は公共機関といたしまして、公共の福祉増進ということが、一番すべての行政の根幹となっておる。それに独立の企業体という立場を考えた採算性をできるだけ十分に取り入れるということが、国鉄経営の基本性格だろうと私解しておるのでございます。従いまして、単に採算性というところだけを考えましたならば、当然こんなところへ敷く必要はないではないかというような線も、公共性の面から見て取り入れなければならないような事態があることも、私率直にこれを認めるのであります。私も実はついこの間までビジネスマンでありまして、ことに小さな鉄道を運営したこともあるのでありまして、御指摘の点はよくわかります。今からレールを敷くよりは、専用自動車道路で十分間に合うようなところもずいぶんございます。現にすでに敷いてあるレールをはずして、これを自動車にかえようというところが随所に起っておるような実情でございますから、今、片岡委員のお尋ねのような、自動車で間に合うところは自動車にしておいたらいいじゃないかという必要性は十分考えておるのでございます。ただ、その住民が自動車が通ったというよりは、鉄道が通った方が便利であろうというような感覚から非常にこれは熱望して参りますと、その要望に応じなければならぬような場面の出てくることも、これは否定できません。ただ、それを全然政治路線といってしまうのは、そう言い切ってしまうのはどうかと思いますけれども、採算性を最初から無視したものもある程度考えなきゃならぬことは、まあ鉄道の公共性という点に重点を置きますと、ある程度やむを得ないのではないかと思う。国鉄全体の経理といたしまして、この点は考えていかなきゃならぬのではないか。あまりに国鉄全体が赤字になりましたときに、その公共性ばかりに重点を置くことはいかぬと思いますけれども、全体として見て、まかないがつきます間は、採算性というよりは公共性に重点を置きまして、その取り扱い方を考えるべきだと、こういうふうに考えております。
#84
○片岡文重君 どうも時間ばかりせいてくるので、はなはだ残念ですが、今、国鉄では非採算線区の合理化とか、オートメーション化による配置転換とか、いろいろ従業員諸君だけが負担を受けるようなやり方をしているわけですよ。この出された資料を見まして、私は非常に不思議な資料だと思うのです。これはどうして計算をされたかわかりませんけれども、たとえば利子が非常に安いということです。ここに載せられている利子というものは、今どういう、これは永野運輸大臣は実業家であられるから、わかるでしょうけれども、この成績表にはキロ程が出ておりませんから、どれを例にとって申し上げていいかわかりませんけれども、たとえば湧網線のごときは八十八万七千円という利子です。松前線が二十一万四千円という利子です。こういう安い利子でもって今ごろ建設できるのかということ、これはおそらく何か、営業キロか、あるいは換算キロか何かキロ当りでこれは按分したことでしょう。おそらくこれは少くとも営業キロでない。換算車両キロか何か私は使ったに違いないと思うのです。そういうやり方が私はそもそも、久保常務理事はこっくりしておられるから、換算車両キロかと思うのですが、国鉄は換算車両キロは使わないことになっていると思うのです、国会に出すときには。人員を査定するときには私は換算車両キロを今まで主張しておったわけです。さらにこれからは車の形が大きくなってくる。従って、換算車両キロでなければ、列車キロや車両キロだけでは、ほんとうの従業員諸君の査定などということは私はできないと思う。ところが、この要員査定のごとく、当然換算車両キロでやれば今よりもふえなければならぬ。そういうときには都合悪いものだから換算車両キロを使っておらない。今度は利子の計算なんかをみるときには、なるべく安くしようとして、この換算車両キロを使われる、こういうやり方ははなはだもって不愉快である。かりにこの利子を認めてみたところで、この営業係数は四百七十とか、六百とかいう非常識な経営状態になっている。これは一体だれが負担するのかというと、これは全部労働者にしわ寄せされるわけですね。結局、非採算線区の合理化ということで、無人駅を作ったり、車掌さんが旅客の誘導をやったり、パンチをやったり、出札になったり、改札になったり、車掌さんになったり、駅員になったり、いわば自分一人でこういう労働強化をやって、こういう線を経営することになる。これはまさに昔のことわざの、つめで拾ってみでこぼすやり方を国鉄はやっている。これから新線を建設するということは、そういうことでますますやろうとしている。そういうやり方はよろしいのかどうか。しかもこれに対して、当然こういう公共性だけに重点をおいた路線に対しては、政府として社会政策的に考えるべきではないかということについては、これは一線々々の経営についてではなくて、国鉄全体としてのバランスの上でやるの、だから補助はできませんと、こう答えているわけです。国鉄当局としても何かそれに対抗しておられるようだけれども、大体、国鉄とじてもすべて従業員にだけしわ寄せをして経営を何とか切り抜けていこう、こういう態度は私はけしからぬと思う。およそ労働者のしわ寄せをしてやっていくという経営状態は、大へん失礼ながら一番無能なやり方で、一番低能なやり方ではないですか。なぜこういうことを堂々と主張して、こういうやり方はいかぬということを、これは国鉄も運輸大臣も主張しないのか。そしてまた明らかに公共性だけでやるのだというならば、当然これに対しては、国家としての負担が社会政策的になされることなのであるから、当然国家として負担をすべきである、それをしておられない。この点について運輸大臣は将来もなおこういう経営方法を進めていかれるつもりなのか。この非採算線の合理化等について国鉄がとっておられるこの合理化方針を認めておいでになるのかどうか、将来とも。そしてこの経営成績をどうして今後黒字にしていかれるのか、そういう点について一つ御所見をこの際伺っておきたい。
#85
○国務大臣(永野護君) 国鉄の公共性と採算性との調和ということは非常にむずかしい問題で、おそらくすべての問題にこの矛盾した二つのものさしが至るところでぶつつかるわけであります。しかし先ほども申し上げましたように、今日の少くも機構のもとにおきましては、国鉄はまず公共性の問題が優先でありまして、その公共性を害しない範囲内において、できるだけ採算をとっていくべきが、これが基本方針になっており、またそうすべきだと考えております。従いまして、今のような場合に、御指摘のような場合に、だからこれはすぐこの部分だけは公共性に基くものだから、国家がたとえばその利子負担を分担をするとか、いろいろな助成をすべきであるかということは、御議論としてはごもっともだと思いますし、ことに私どもの立場といたしましては、そういう主張をしたいのであります。しかし、先ほどすでに仰せになりましたように、大蔵当局といたしましては、全体として赤字になれば、そのときは考えなければならぬけれども、すなわちある程度の国家の助成をしなければ、その公共性が非常にそこなわれるという場合には考えるべきであるけれども、少くとも全体として、一つの企業体として黒字が出ているときに、その部分的の赤字を、一々公共性であるからという理由で国家助成をするということは、やりにくいという政策を堅持しておるのであります。従いまして、私どもといたしましては、先ほど申しましたように、引き合わないところの、少くとも利息負担くらいは国家でやってもらいたいという主張は絶えず主張し続けておるのであります。しかし、今申しましたような財政当局の意見が今は支配的でありまして、残念ながら今日ではそのわれわれの要望はいれられておりません。しかし、今申しますように、全体としてこういう線がふえますと、結局全体としての赤字がずっと継続するというような問題になれば、今の財政当局も適当な国家助成をやるのにやぶさかでない、こう考えております。
#86
○片岡文重君 この問題については、はなはだ議論をしたいところですけれども、時間がありませんから残念です。端的にお尋ねいたします。最近における、これは国鉄総裁にお尋ねをするのですが、問題が具体的ですから、おわかりにならなければ担当の理事の方でけっこうですが、定期客と定期外旅客の増減傾向、これはどうなっておりますか。それから定期旅客の割引率は今どの程度になっておりますか、その割引は原価と対照してどういうことになっておりますか。
#87
○説明員(石井昭正君) 数字のしっかりしたところは後ほど申し上げたいと思いますが、傾向といたしましては、定期客の伸び方の方は、定期外の伸び方よりも非常に多いのでございます。これは輸送人員の、定期対定期外の割合が、戦前にたしか五十五対四十五くらいだと思いましたが、ただいまでは定期の方が六十台になっておると思います。なお割引でございますが、これは距離的に違っておりまして、一がいに何割引きということは申し上げられませんが、大体割引の基準といたしましては、一カ月六十回、三十往復として計算いたしました場合において、普通の通勤定期は、平均距離で見ますと七割五分引きくらいになっておるかと思います。それから定期の原価でございますが、この原価計算は非常にむずかしいのでございまして、専門的にいろいろ議論がございます。ただ、ラッシュアワーの原価と、そうでないときの原価というものを、一応一部の線区に試算いたしました結果では、定期外の旅客一〇〇に対しまして、大体六六%か七尾が定期の旅客であろうと思います。しかし、今後通勤輸送を拡充いたすために、そのための投資というものが非常にふえてきておる。一例を中央線などにとりまして計算いたしまして、中央線を現在私どもが計画いたしておりますように、東京―三鷹間の複々線というような状態で定期客が伸びるのに対応いたしました設備をいたしますと、逆にそういう場合におきましては、定期の方のお客の原価が一二五に、定期外の一〇〇に対してなるというふうな数字も出て参ります。これは非常に極端な、一番通勤輸送の混雑しておるところでございますが、全部がそうなるということではございません。非常に原価計算というものはむずかしいのでございますが、もしただいま全国平均してどのくらいかということでございましたならば、現状の設備のもとにおいては、大体六割から七割くらいのものではないかというのが私どもの推測でございます。
#88
○片岡文重君 定期客が漸増の方向にある、定期旅客の割引率は距離と期間によって異るから一律には答えられないと、しかし一カ月普通定期が七五%というと、これがおそらく最低の割引率でしょう。全部これよりもっともっと割引されるわけです。学生定期になればなおさらです。しかもこれは漸増の傾向にある、これは全国的であるということになってくると、おそらくこの七五%以上の割引率をもってしては、少くとも七五%以上もうからなければ、これは収支償わないわけでしょう。ところが、今、国鉄の経営状態を、出された資料で見れば、とてももうかるどころの騒ぎではない。そうなってくればマイナスのお客さんがますます漸増の傾向にあるということでしょう。今、国鉄全営業キロの中で収支償うものはわずかに二割程度、それはたしかこの前の委員会でも御答弁になっておると思う。そうすると、八割内外の赤字路線を抱えて、その上にこの七五%以上の割引をする。私の調査したところでは、おそらくこれは経常費をまかなっておりません。定期客は経常費すらまかない得ない。いわんや減価償却、利子等は払えるわけがない。そういうお客さんをどんどん運ばせておいて、そして一方には、こういう政治路線をどんどん作られておる。そしてひたすらに合理化々々々ということで、同じ公社としても、他の公社や五現業等とは全く給与内容も違うようです。けさの新聞によると、国鉄の生じた格差が大体四百円とか、五百円とか認められるそうですが、この格差を生じた理由についても、私は運輸省並びに国鉄当局の不手際といいましょうか、とってこられた態度に、はなはだ不満があるわけですから述べたいと思うのですけれども、時間がありませんから、そこまでは触れませんけれども、今言ったように、一方では、こうした赤字路線を押しつけておいて、一方では、こういうマイナスをどんどん稼いでいくお客さんを吸収していかなければならない。先ほどの答弁の中では、私に聞き違いがなければ、収支がどうにもやりきれなくなったときには、何か財政当局でも考えられるようなということですけれども、にっちもさっちもいかなくなってからものを考える。そのいくまでは、にっちもさっちもいかなくなってしまってから、そのいくまでの過程は、とにかくしぼれるだけ従業員をしぼっていくというやり方です。これより合理化の方法はないのですか。そういうやり方を運輸大臣としてはやむを得ないものと考えておるか。政治家としてもっととるべき姿があろうと私は思う、措置があろうと思う。かりに何といいますか、運賃等というものは当然受益者負担が原則だろうと思う。ところがこれは受益者負担ではない、今のやり方は。こういうやり方等について、私は運輸大臣としてもっと真剣に取り組んでもらって、国鉄はどうしなければならぬのか、公共性を主張されるなら公共性を主張されて、採算ということについてはあまり重きを置かない、そしてそのしわ寄せが総裁を初めとする従業員にあまり行かないで、それでやっていけるように、もちろん、だからといって、近代化して行くことに消極的であれというのではありません。できる限りのやはり合理化、近代化をはかるべきです。しかし、今以上にこういう不合理な赤字の穴埋めとして、そのしわ寄せが従業員だけに及んでいくという、こういうやり方については、私はどうしても賛成し得ないのですが、運輸大臣はこれをどう今後打開していかれるのか、国鉄総裁はこういう状態に対して、国鉄総裁としての立場から、私はもっと運輸大臣や大蔵大臣に対して剛直なむしろ態度で私は臨んでいただきたいと思うのです。労働者諸君にのみ強いというのでなしに、やはり大蔵省や運輸大臣に対してももっと強い態度で自主性を守って、そして公共性に重点が置かれるならば公共性に重点を置くように、経営方針を私は一つ改めていただきたい、こう思うのですが、一つ大臣並びに総裁から御所見を伺いたい。
#89
○国務大臣(永野護君) 片岡委員の御指摘になりました経常費は受益者負担ということも考えなければならぬのではないか、今の運賃のきめ方は、受益者負担ということは全然念頭に置かない運賃体制である、という御非難があったのであります。御承知の通り、私は全く御同感で、先般運賃の値上げをしたのでありますけれども、遺憾ながらこれは、片岡さんの同僚議員からひどく非難をされまして、大衆の負担において経営者の利得を考えてはならぬという御指摘を受けたのであります。私は合理的な値上げは認めなければならぬという信念を持っておりましたので、そういう御非難があったにもかかわらず、この間の運賃の値上げは認めたのであります。御指摘があるまでもなく、九割にも及ぶ、ほとんどただに近いような運賃制度というものは、その理由のいかんを問わず、私は考えなければならぬという気持は前から持っております。しかし、これが影響するところ非常に大きいのでありまして、理論ばかりではいけない、現実に押し流されて参ったような実情でございます。しかし、合理的な運賃制度にして、そうして従業員の待遇をもっと改善しなければならぬではないか、あまりそこに従業員の労働強化を強めるということはけしからぬではないか、という御指摘は全く私は御同感であります。おのずからそこに合理的な運賃のきめ方があると、こう私は考えておるのでありますが、これは実施官庁である国鉄総裁の方から原案が出まして、そして私どもはそれに対する第二次的の監督的の立場でございますので、私の気持がすぐ国鉄の営業政策になるとは存じませんから、この点については国鉄総裁からも御答弁があると思います。
#90
○説明員(十河信二君) 国鉄は、大臣からもお話のありましたように、公共性と企業性の両面を背負わされているが、公共性の方の要望は非常に強いのであります。従って、公共性の要望に押しまくられているという、遺憾ながら現状であります。それでありますから、その公共性の、要望によって採算のとれないような施設あるいは運営をしなければならぬという場合には、われわれは絶えず政府の出資あるいは利子補給とかいうようなことを要望いたしておりますけれども、今日までまだ実現を見るに至っていないのであります。皆さんの御支援を得まして今後も一そう努力してそういうふうに努めたい、こう考えているのですが、合理化の点につきましては、独立採算の要求もありますし、どうしてもこれはやらなければならぬと思います。それが従業員に相当労苦をかけることに相なりますが、必ずしも従業員にのみしわ寄せをするということは言えない、なるべく従業員にしわ寄せしないような合理化をいたしたいということを、これまた努力いたしているところであります。一そうそういうふうにやりたいと覚悟いたしております。
#91
○片岡文重君 質問申し上げたい点は、なお予算、定員問題、それから賃金問題についていたしたいのですが、そうしてまた今の経営の方針、対策等について申し上げたいのですが、時間がないようですから、これで私の質問を打ち切ります。
#92
○小山邦太郎君 私はきわめて簡単に、先刻来いろいろな熱心な御質問と懇切な御答弁がございましたが、予定の時間をだいぶ超過しているとのことで、従って具体的な問題を二つばかり伺いたいと思います。
 一つは、碓氷トンネルがもう時代おくれのもので、一列車三百六十トン、速力は驚くなかれ十四キロ、こういうローカル線にもないような牽引力及び速力しかない。これが地方の産業発展に非常な障害と今日ではなっております。先にはこの不足を補うために、清水トンネル、上越線であの方面の、北陸地方の輸送力はどうにかまかなっているのでございますが、今日ではもうそれとてもその沿線だけで飽和状態になっている。この実情を国鉄はお認めになって、近く改良工事に着手されるというまでに行っていることは私承知しているところでありますが、聞くところでは何か予算の関係を圧縮するためか、現在のトンネルをなお改修して、そうして最近技術的に非常な進歩した機関車等があることによって、それを利用して当面を糊塗していこうということであるのではないか、という声も一部に起っているということでございますが、これはもう明治の初めに設けられたあのアブト式、ただいままた時速十四キロ――長い間北陸地方から、すなわち信越線沿線の者は産業発展の上に非常な障害となっておったので、この際改修に当りましてはぜひ根本的にお願いしたい、幸いにして他の路線の調査の結果は、現在千分の六十六のところを千分の二十五にまで緩和する路線がすでに一部調査済みであるやに伺いますので、長きにわたって不便を忍ばれた地方への鉄道サービスとしても、ぜひこの際は進んで、少くとも千分の二十五以上の勾配を持たない、従って、速力と牽引力も倍加するようにもなりますので、この際ぜひその促進方を大臣におかれては国鉄総裁とともにお力添えを願いたい。この希望を持って御質問申し上げたのでございますが、いかがでございますか。
#93
○説明員(十河信二君) 御指摘のように、信越線の碓氷の輸送につきましては、もう今日非常に困っておるわけであります。私どもといたしましても、これについていろいろな案を目下検討いたしております。今お話のありましたような迂回線もいろいろな迂回線、どうすれば一番輸送力がふえて、金が比較的少くて済むか、ということをいろいろ検討いたしておるのであります。また現在線のところを、最近の新しい技術で別にトンネルを掘れば相当輸送力もそう減らないで、迂回する輸送力と大して変らない輸送力が得られるというふうな意見もあります。そういう点も合せて考究いたしております。できるだけ早く結論を得て、改善に着手いたしたいと熱望いたしております。
#94
○小山邦太郎君 お言葉によって近く着手する、しかもそのねらいは、われわれの要望する輸送力と速力とに不満を持たせないというお言葉でありますからぜひその線をはずさないように御心配をちゃうだいいたしたいことを重ねて要望いたします。質問の第二は、先ほどもお話がありましたが、国鉄バスと民間バスとの関係でございます。民間事業を育成するということは、政府として当然のことである、ことに大規模な国鉄が地方の民間産業をその強力な力をもって圧迫するということは、これは避けなければならぬ。しかしながら、先ほど総裁のお話のように、短絡路線等については国鉄の使命として心配すべきである。ところが、同じ短絡路線でも現在放置されておるようなところは存外工費がかかったり、採算の点からいうも、必ずしも有利な路線でない。しかし、その地方民にとっては相当の犠牲を払っても、ぜひその交通を開きたいということから、私設バス会社に要望をいたすような場合があっても、地方バス会社としては採算に噴きを置くのでついに手をつけない。そこで地方自治体が犠牲を払って国鉄と約束をして、多大な犠牲を払って道路をこしらえ、いよいよ道路ができてみると、今度は、かつて引き受けなかったバス会社が競願のような形で国鉄と争う。これが地方有力者や議員などを動かして、当然国鉄に許可のあるべきものをきめないで、いたずらに混乱引き延ばしなどをして地方に迷惑をかけ、すでに早々利用し得るものを一年も放置しているというようなところが現にあります。具体的に言えば、場所も申し上げたいけれども、それはかえってこういう場所ですから申し上げませんが、開通利用によりその自治体の負担も逐次解決に向い得べきものを厳正なるべき監督庁が言を左右に二年も……、研究に名を借りて遅疑逡巡、しかも地方自治民一致の熱烈なる要望に余儀なく特定の期限を切って、臨時免許の形で認可をしておること三回、しかも、第一回の免許までに実情調査と称して約一年の長きに及び、その理由として本免許をするに問題を残さないためと申しながらその後臨免三回くらいに及んでなお根本的な解決ができない。それがために地方の自治体は迷惑しごくで、ために自治運営の上にも多大の障害を招きこれが苦衷を訴うる場所がありますので、すみやかに善処せられたい。地方の民間ハス会社の育成はもちろん大切なことでございまするが、地方民の要望ことに事前に国鉄の了解のもとに自治体の莫大の犠牲を払って完成した路線に対する運転許可のごときは国鉄の使命に反しない限り、進んで路線許可を与え、進んで地方開発に裨益あらしむるようお願いをいたしたい。さような場合における総裁並びに運輸大臣の御決意はどういうものであるか御伺いする次第でございます。
 以上です。
#95
○政府委員(國友弘康君) お答え申し上げます。国鉄バス、民営バスが競願になりましたような場合には、この両者の申請を検討いたしまして、国有鉄道のバス等につきましては、国鉄が経営するにふさわしいかどうかというようなことも見るわけでございますが、具体的な事案について、具体的に進めていくわけでございますが、長い間臨時免許で運営して参りました路線も確かにございまして、この路線につきましてはできるだけ早い機会に本式の免許に切りかえてやっていきたいと思って、運輸省といたしても今鋭意努力いたしておりますので御了承願います。
#96
○千田正君 時間がありませんから、私としましては一点だけお伺いします。運輸省並びに国鉄にお伺いするのですが、国鉄としましては、大体東海道線に重点を置いての予算を組んでおるわけですが、その他の新線に対する要望がどれだけあって、来年はどれだけ着工するという予定になっておりますか、その点を伺いたい。
#97
○政府委員(山内公猷君) 来年度の新線に対します予算は、予算書にもありますように、九十五億円になっておるわけでございます。現在着工いたしておりますものは二十三線でございまして、大体概算いたしまして、これは完了するまでの経費は一千億をちょっと出るという数字になっております。そのほか十六線が調査線に選ばれておりまして、これは現在調査中でございます。三十四年度に完成をいたしますものは一線でございまして、以後は三十六年くらいから相当数の完成を見るような状態になっております。それで、これらの問題につきましては、昨日鉄道建設審議会が行われまして、小委員会におきまして御検討になられるように決定になっております。
#98
○千田正君 私は、従来こういう問題について運輸大臣がかわるたびに要望しておったのでありますが、今度は実力者である永野運輸大臣がおられるので、この際画期的な考え方をしてもらいたい。ということは、鉄道は言うまでもなく、先ほどからお話のあった通り独立採算制をとっておる。名前は国有鉄道であるが、われわれ国民から言わしむれば、たどい辺陬の地に生を受けた国民であっても、日本国民としてはひとしきことを政府が考えることを要望しておるわけです。ところが、現実の問題としましては、独立採算制の立場からいって、国鉄は赤字をしょってまで新規路線を作るということは容易ではない。しかも遅々として進んでいかない。一方においては交通量の多いところ、あるいは非常な物資の集まるところ――東海道線、そういうようなところに対しては非常な力の入れ方であって、重点はそこに置いてある。こうなるというと、非常に国の全体の立場から見てアンバランスである。そこで、私から意見を述べるわけではありませんが、むしろ運輸省が直轄して、直轄工事をもって一応の各地からの要望の線を建設して、運営は国有鉄道にまかせるのだ、でき上ったならば。それくらいの根本的なやり方をやらぬというと、非常なアンバランスな行き方になってしまう。この点はどうなんですか。こういう点は、文明国であればあるほど文明の恩沢を浴させるためには、たとい辺境の地であっても、そこに住める同じ国民に対しては十分な恩典を与えてやるのがいわゆる国の施策であって、それが運輸省の持つべきところの本格的な行き方でなければならぬ、私はそう思うのですが、運輸大臣、この際従来の運輸大臣のような事務的な折衝にのみ終らずに、国の根本政策を立て直すというお考えをお持ちになっておりませんかどうですか。その点どうですか。
#99
○国務大臣(永野護君) ちょうど先ほど片岡委員の、国鉄の持つ使命の中の採算制の方に重点を置いた御質問があり、ただいまの千田委員の方は、ひとしく国鉄の持っている重要な性格の基本をなす公共性に重点を置いた御質問であるのであります。繰り返してたびたび申しましたように、この両方とも国鉄は無視することのできない立場にあるのでございまして、先ほどから繰り返し申しましたように、公共性の性格を損しない範囲内において採算制を考えていくことを基本政策としたいと、こう考えているのであります。ひとしく日本に日本人として生まれて、一方においては非常にぜいたくな汽車の運行が見られているときに、全く時代はずれの旧式の汽車、また全然交通機関に恵まれない人ができるということは、公共性という立場から申しましてもまことに御同感の点でございます。さりながら、先ほども申しましたように、一面において採算制というワクが一つあるものでございますから、そこの調節が現実の問題として非常にむずかしいのでございます。御意見の、国が作って、そうしてそれを国鉄に運営さしたらいいじゃないかというお話がございますが、これは新しい建設線の利子補給をしようとか、政府出資をしようとかいうのと同じ理念であります。国鉄に、作って、それの資本を政府出資でやる、あるいは借入金の利息を払ってやるというのと、政府が自分で作って、国鉄に運営さそうというのと理念は同じだろうと思います。この議論はすでに鉄道建設審議会でも御同様の意見が述べられているのでございますが、残念ながらまだ大蔵当局の同意を得るに至っておりません。今後も私どもはその努力を重ねていきたいと思います。そうしてできるだけ公共性に重点を置いた国鉄の運営を貫いていきたいと、こう考えてはおります。しかし、現実の問題としては、今日までのところ、大蔵省の了解が得られないのが残念ながら実情でございます。
#100
○政府委員(山内公猷君) 私、ただいま建設線二十三線と言ったようでございますが、二十六線の誤まりでありますので、訂正さしていただきます。
#101
○片岡文重君 大臣はちょっと誤解をしておられるようですが、私の説明が悪かったかもしれませんが、私の今までの主張は今の千田委員とちっとも根本においてかわらないのです。国鉄は公共性に重点を置いてやるべきであるというのは私も同じなんです。ただしかし、今のやり方を見ておると、独立採算制といって――赤字路線や赤字のお客さんを運んでおきながら、経営のときになると独立採算だということで、そうしてそのしわ寄せを従業員だけに負担をさせておる。これはけしからぬではないかということを、公共性なら公共性にもっと重点を置いた経営をやるべきである。独立採算にとらわれないで、公共性に重点を置いておやりなさい。こういうことであって、根本というのは変らないわけですから誤解のないように一つ。
#102
○千田正君 そこで今、予算の面では大蔵省側がらんと言わない。私非常に不思議な点があるのです。というのは、北海道総合開発、東北総合開発あるいは九州の総合開発、こういうような、いわゆる今まで文化のおくれたところ、戦争によって日本は領土が少くなった。同時に、そういうところを開発しなかったならば、日本の将来の経済立国という精神にマッチしてこない。そこで総合開発というのが、北海道、東北あるいは九州、こういうように置忘きれられておった、過去において置き忘れられておったところを資源の開発その他の培養によって日本の経済の裏づけをしよう、こういうことは先般来何べんか繰り返しております。それで総合開発法という法律ができた。ところが、法律はできておっても、それに対するところの予算の裏づけがない。それでその根本的な問題は何かというと、何もそう総合開発法ができても特別予算をつけなくてもいいじゃないか。こうなるというと、法律は飾りものなんだ。あるいは選挙のときの単なる一つの選挙運動のために代議士やあるいは参議院がやっておるのか。これは、国民が、非常に不思議に思うほど非難を浴びせておるわけであります。そこで、総合開発なりあるいはそういう予算というものをつけるためには、単なる農林の問題であるとかあるいは建設の問題とか、それに限らない。私は、鉄道というような、一つの文化の窓であり、しかも将来の総合開発と一致していかなければならないところの動脈であるこういう問題に対しては、やはり運輸省としましては総合開発の一端として予算を獲得するだけの熱意を持ってもらわなければうそじゃないか、こういう点があるのですよ。総合開発の面として、あなた方が、しからば、大蔵省から獲得している予算が幾らかありますか。この間は、農林省なり建設省なりが、おのおのこの分は総合開発としてとにかく獲得してプラス・アルファの予算をつけたのだ、こういう説明をしておりますが、運輸省として何かありますか、その点をお伺いいたします。
#103
○政府委員(山内公猷君) 国鉄の予算といたしましては、この新線建設その他の改良工事、全部が地域が非常に広いのでございまして、総合開発にほとんど関係しているものばかりでございます。その関係で、国鉄予算といたしましては政府の投融資を受けておるわけでございまして、特段にこれは、この分はここの総合開発であるというような予算のひもつきのものはございません。
#104
○千田正君 それが、私ども、現在の岸政府が、岸内閣が持つところの予算の編成上に非常に違っておるじゃないか。また、そういうことによってカモフラージュしているのじゃないか。これは特別の総合開発予算ではない。しかし、これは国鉄の予算あるいは運輸省の予算、あるいは農林省の予算だ。建設省の予算だ。ところが、それは従来やっておるところのプロパ一の予算であって、人口の稠密とあるいは産業の進展に伴って当然やらなければならない一つの予算であって、それにプラス・アルファをしなければ総合開発の予算、特定の予算ということは言えない。だから、ひもつきの予算を取りなさい、作るべきである。そうでなければ今、運輸大臣がおっしゃったように、利子補給程度のことをやられても全国何十線という国民の要望があるのが、わずかに二十四線か二十六線しか着工できないという現状である。それならば直轄的な予算をはっきりつかまえて、そうして今後のそうした鉄道行政に対して十分なる仕事をやれるような方途を講ずべきである。私はこの際、永野大臣を信頼しているのですから、あなたの就任中に画期的なそうした面を打ち立てていただきたい。そういうことを要望しまして、時間もありませんから、私はきょうはこれで終ります。
#105
○鈴木強君 時間も大へんおくれておりますから、具体的な問題について二、三お尋ねをしたいと思います。
 その一つは、今国鉄経営に対する基本的な方針が永野大臣からもお述べになりましたが、いわゆる公共性と企業性をどうマッチしていくか、こういうことが非常に重大な問題だと思います。そこで私は、昨年金沢の鉄道監理局管内を予算委員の一人として視察をさしていただいたことがございましたが、その節敦賀から米原間に新しい交流機関車を使ってやっておりました。私はその乗務員と一緒に乗らせていただいて米原まで参ったのでありますが、これは乗務員の苦労というものは並み大ていでないことは私たち身をもって体験いたしましたが、その節監理局長のお話を聞きますと、現在の蒸気機関車あるいは直流電気機関車、こういうものから比べて、生産費等も相当に安く済むし、燃料等も非常に安く済む、こういうようなお話を聞きまして、外国でもそうたくさんやっておらないようでありますが、この企業性、公共性というものを強く要求されて非常に困難な中でおやりになっている鉄道行政というものに対して、そういう面から一つのメスを入れていったらいいじゃないかという私は感じを強く受けたわけであります。ですから、この交流電気機関車によって今後どういうふうに基本的に方針を立てておられるのか、そういう点をちょっとお尋ねしておきたいと思います。
#106
○説明員(十河信二君) お話のように、交流と直流とを比較いたしますと、交流の方が当初の施設費も経費も二割方以上安く経済的に上ります。今後はでき得る限り電化区間は交流でやっていきたい。ただ従来直流でやっておりまするところは、これを延ばすのに交流にする適当な場所がないというふうなものは、ずっと、その他の理由で続いてやらなければならぬところもありますけれども、でき得る限り電化区間は交流でやっていきたい、こう考えております。
#107
○鈴木強君 その具体的な、何カ年かにわたる計画というものはお持ちになっておらないのでしょうか。
#108
○説明員(潮江尚正君) お答え申し上げます。私どもは昭和三十二年度以降約三千三百キロの電化をして参りたいという計画を持っておりまして、第一次といたしまして現在千六百七十キロの区間につきまして、現在電化工事を進めております。引き続きまして第二次の五ヵ年におきまして残りの千六百余キロの電化工事を進めて参りたいと思っておりまして、当初の千六百七十キロにつきましては、それぞれ直流、交流1この線区は交流である、この線区は直流であるというふうにきめておりますが、引き続きましての第二次の計画につきましては、今後検討いたしまして交流と直流の区別をして参りたいと、こういうふうに思っております。
#109
○鈴木強君 私はもう少し具体的にお聞きしたいのですが、時間がありませんから省略いたします。千六百七十キロの現在お考えになっておる電化の計画ですね、この中にいろいろ、私たちはしろらとですからよくわかりませんが、あそこの監理局長は非常に勉強されております。非常に高度な思想を持っておられるし、現実に交流電化の機関車の車庫あたりも私拝見しましたが、蒸気機関車と比べて従業員の面から見ても非常にいいように思うのですね。ですから、ああいった思想というものを国鉄全体が率直に吸い上げていただいて、そういう思想を計画的に実現できるような方法を、ぜひ今お考えになっている計画の中に織り込んでいただきたいと思います。そうすることが国鉄経営の隘路を打開する一つの、ささやかではありましょうが、道にも通ずると思いますから、そういう点を一つ強く要望しておきたいと思います。
 それから、今突拍子もない質問を私するのですが、国鉄は非常に公共性を強く主張され、総裁のお言葉によると、公共性に追いまくられてしまっておる、こういうようなお話を聞くわけでありまして、私たちなるほどそうだと思います。しかし、国民大衆と直結しなくてはならない公共事業でありますから、どうしても公共性というものが強く主張されます。その裏づけをする経営者の努力というものはこれは並み大ていでないと思うわけであります。大体、今の新線計画も二十六個所予定されておるようでありますが、この国民大衆の要望ですね、そういうものを国鉄経営者がどういうふうにこれを吸い上げておやりになっておるのでございましょうか。これは国鉄総裁が一番その衝に当っておると思うわけでありますが、忙しいでしょうから、現場を見るのもいいでしょうが、全国を回るわけにはいきませんでしょうから、東京都内の近い所くらいごらんになっておると思いますが、民衆の声をどういうふうに吸い上げて国鉄の経営の中に生かされていくのか。それからそれぞれの駅長なり職員もおるわけでありまして、そういう人たちの考え方も、この国鉄の経営の中に取り入れることが私は大事だと思うのです。そういうことはどのようにやられておるか、ちょっと伺っておきたいと思います。
#110
○説明員(十河信二君) 私は今お話のありましたように、努めて全国を回りまして、直接現場の従事員の声を聞き、また地方の国民の声を聞きたい、こう考えまして、今日まで三カ年余りの間に約一回半くらい全国を回りました。もちろん広い地域にわたっておりますから、すみずみまで行き渡るということはありませんが、出ますると必ず地方の人にもお目にかかりますし、現場長にも会いますし、労働組合にも会いますし、労働組合員の家族の方々にもお目にかかって、できるだけ広く従事員の声を聞きたい。また国民の声は電話、あるいはラジオ、新聞、雑誌、手紙等に対しましてはことごとくこれに答える。国民の意見なり、あるいは質問なりには必ずこれに答えるという主義をとっておりまして、そういうふうにして国民の国鉄たる使命を全うしたいと努力いたしております。
#111
○鈴木強君 運輸大臣は、まあ就任後もう一年になりますか、お忙しい国務を持っておられますから、そうなかなか現場に行って見るということはできないと思いますが、幸い東京都内あたりは主要駅もありますし、そういうところを直接ごらんになったことがありますか。
#112
○国務大臣(永野護君) 特に運輸状態だけの視察のために参ったことはございません。実は今までは御承知の通り、長い間未解決のために放任されておった大きな問題がたくさん蓄積されておりまして、それの解決にほとんど懸命の努力を払って参ったのであります。幸いに長い間の懸案が、いろいろな御批判もありましたけれども、とにもかくにも大体片づいて参りましたので、これからは将来いかにすべきかということに重点を置いて研究して参りたいと、こう考えております。
#113
○鈴木強君 これは、ちょっと私たち文句を言いたいところなんです。もちろん大臣はなかなかお忙しいですから、私はしょっちゅう出ているということは無理だと思いますが、できるだけやはり運輸省というものは国鉄を監督している立場にありますし、大きな運輸行政というものは、これは大臣の職責の中にあるわけであります。経営はこれは経営者にまかされておる。しかし、総裁にもお伺いしたいのですが、そういう総裁の御努力は私たちは感謝いたしますが、それとタイ・アップをしてやはり大臣も直接民衆と接し、直接運輸状況というものを、輸送状況というものをごらんになって、実感の上に立って企画をされるということが、これは国鉄だけでなしに、すべての企業に私は大事なことだと思う。とかく机上プランだということを言います。これはお役人は相当の業務を持っておりますし、相当地方にも出ておるようでありますが、現地に即した計画を立てられる場合に、やはり民衆の戸なり実態というものを理解せずお立てになりますから、立てたものが結局宙に浮いてしまうということが出てくると思います。大きい運輸行政の中にもそういう点がある、もう少し積極的に機会をつかまえて、近い所にたくさんあるのですから、上野でも東京駅でも新宿でも主要の駅があるのですから、そういうところは、時に現場に迷惑にならぬように大臣御視察等はして、もう少し実態の上に立った行政をやっていただきたいということを、私は常々思っておるものですからお聞きしたわけであります。もう少し組織的に、総裁はそういう新聞、ラジオその他あらゆる声を聞かれておるようでありますが、そういうものを国鉄公社の組織の中に、どういうふうに組織的に生かす方法があるのか、ただ総裁がお聞きになるということでなしに、それを組織的にどう消化する道があるのか、こういう点をちょっと伺っておきたいと思います。
#114
○説明員(十河信二君) その従事員なりあるいは国民の声を聞きまして、これに答えるときには廣報部を通じて答えますが、その前に各担当部局にそのことを伝えまして、いろいろ研究してもらって、この点はもう少し研究しょう、この点はこういう意見があるけれども、これには賛成できないならできないということを聞いて、それで部内で検討をした上でお答えをし、また施設をやっておる次第であります。
#115
○鈴木強君 国鉄には経営委員会というのですか、審議会というのですか、そういうのがあるのでしょう。そこには委員の方々もおられますし、電電なんかの場合は総裁が特別構成員になっているわけです。この点たしか国鉄の方はちょっと違っておると思うのですが、ですから組織的に、経営委員会なりあるいは審議機関なりあると思いますから、そういうところで十分にそういう意見を消化することをやっておられるのでございましょうか。
#116
○説明員(十河信二君) 諮問委員会はしょっちゅう開きまして、そういうことを検討してもらい、また諮問委員の方々の御意見も伺っております。諮問委員を通じてまた国民の声も聞いております。
#117
○鈴木強君 もう一つ、これは質問は別になりますが、現在の日鉄法上、赤字が出た場合、これは政府が補てんをする、そのかわり、かりに黒字になった場合は政府に納入する、一般会計に。そういう仕組みになっているのですか、国鉄は。
#118
○説明員(十河信二君) 赤字が出ても政府が補てんしてくれません。黒字が出ましても、特に政府に納入するということをいたしません。独立採算を要望せられて、法律で要請せられておるのであります。
#119
○鈴木強君 そこで、企業性と公共性との問題でありますが、先に千田委員から質問がありましたように、総裁のおっしゃるように公共性に追いまくられておるという一面、やはり企業性というものは相当強く出ているのじゃないか、こう思います。そのことが国鉄経営というものの実態を理解していない国民から見ると、おれのところは非常にサービスが悪いという声が出てくるのだと思います。ですから、今、日鉄法上予算的な措置についてがんじがらめになって、完全な独立採算制をとられるという状態になると、非常に至難だろうと思う、国鉄の経営からいうと。もう少し国鉄経営というものをわれわれも国会を通じて国民に理解をしていただく努力はしますが、広報活動等を通じて、積極的に国鉄の経営の実態というものを国民に知らせるような努力が私は必要だと思うんです。そうしますと、経営上からこうなっているんだという理解を持てば、資金が足りなければもっと政府に出してもらえという意見も出て参りましょうし、国鉄の経営者だけが窓口でもって文句を言われておる、こんなばかげたことはないと思います。そういった広報活動はどうなっていますか。
#120
○説明員(十河信二君) 皆さんからお考えになると、きわめて不十分だという御批評もありましょうが、われわれといたしましては、あらゆる機会をとらえて国鉄の実情を国民に知っていただこうということをやっておるであります。しかしながら、費用がなかなかかかりますので、その点からも非常な制肘を受けておって十分に参っていないというのが、実情でございます。
#121
○鈴木強君 この周知宣伝、広報活動に要する予算はどのくらいありますか、一切を含めて。
#122
○説明員(久保亀夫君) ただいま正確な数字は覚えておりませんが、たとえばパンフレットの発行あるいはテレビ、ラジオ、そういったものを通じて国鉄の実態の広報に努めておる、そういったものをいろいろ合せまして、それからいろいろ一般に、たとえば新聞の発行とか、いろいろたくさんございますから、そういったものまで含めますと、たとえば交通新聞一つでも約七、八千万円になりまするし、そういったものを除きますと、直接、今申し上げましたようなテレビとか、そういったものでやっておりますのは、大体四、五千万円、そういった文書、図書、新聞等を合せますと二億近いものになるかと思います。
#123
○鈴木強君 私は国鉄の総予算の中から見ると、広報活動の費用というのはそう多くないと思います。一般会社経営の場合でも大体収支予算の三%くらいは使っているのが常識だと思うんですね。だからもう少しその点に対して、これは非常に地味なことですけれども、私は基本的な問題だと思うんですね。だから、もう少しそういう点に対する配慮をする必要があると私は思うんです。で、今十分足りているんですか、もう少し私は必要だと思いますが、どうでしょうか。
#124
○説明員(十河信二君) もちろん足りないんでありますが、何さまこういう不況で収支のバランスをとるのに困っておるような際でありますから、やむを得ずがまんしておるような次第であります。できるだけ予算もよけい取って十分に広報活動をいたしたいと考えおります。
#125
○鈴木強君 時間がないようで、大へん恐縮ですから、あと一括して具体的な問題ですが、お尋ねしますから、お答えいただきたいと思います。
 その一つは、一方では二十六の新幹線をやらなければならないという実態の上に立ったときに、私の聞かんとすることは多少ぜいたくだといわれるかもしれませんが、中央線等の複線化、さらに甲府以西の電化、こういう問題については長年の要望であり、期成同盟等も作って国鉄当局にもたび重なる陳情が行っていると思うんです。いろいろ配慮はいただいておるようでありますが、まあ甲府、さらに松本、塩尻を中心とした長野方面の中央線の使命、さらに名古屋に通ずるこの中央線の使命というのは、私は、これは相当大きいと思うんです。ところが、見ておると車両なんかも非常に悪いし、それから現在準急が上下線三本ですか、通っておりますが、幸い最近甲府まで行くのに二時間半ぐらいで行けるようになりましたが、普通列車で行きますと、三時間半かかるわけです。あそこには富士吉田を中心とする観光地帯、長野県の方へ行くと、上諏訪、南アルプス、北アルプス、諏訪湖、非常に国際的、国内的な観光地帯があるわけでありまして、何とか中央線を早く複線化し、甲府以西も、準急だけはディーゼルでやっていただいておるわけで、この点は感謝いたしておりますが、全般にわたって電化の促進をぜひやってもらいたい、こういう要望があるわけです。それから今日、新宿から名古屋へ直行する準急列車というのはないわけでありまして、そこでこれは塩尻乗りかえ、非常にこれは不便をしております。こういうダイヤ運行の問題をどうお考えになっておりますか。無理なのかどうか、まあ無理だと思うんですけれども、何とかその要望に沿えるようなことができないものか、ということが一つです。大体、どういう計画で複線化と電化を考えておられるか、これが一つ。
 それからもう一つは、小海線でありますが、御承知の通り、あそこは八ケ岳の高原地帯で、最近は観光も、非常に人が来ます。さらに、あそこには農民も移住して参りまして、開拓農民も出てきています。そして、バレイショとか、高原地帯に適応するようないろいろ栽培をしているわけであります。ところが、話に聞きますと、小海線の大泉あたりですね、あの辺の駅を無人化しようという考え方があるようであります。これは、私はもってのほかだと思います。これはなるほど要員問題等で苦しいかもしれませんが、国鉄の公共性、企業性ということからいうと、いろんな問題があると思いますが、しかし、五人や三人の駅員までなくして無人駅にしようなんということは、これは私は時代錯誤もはなはだしいと思う。どういう理由があってそういうことをしようとするのか、これが二つ目。
 それからもう一つは、東海道と中央線を結ぶ冨士身延線、これは国鉄が買ってから相当たっております。地域も悪いしするので非常に困難でありましょうが、幸い、上下一本の快速電車を最近運行していただいていまして、地域住民は非常に感謝していますが、これは何とかダイヤの差し繰りをして――東海道と中央線を結ぶこれはほんとうに重要幹線だと思うんですね。ですから、もう一本くらいの、そういう列車が運行できないものかどうなのか。こたはダイヤ運行は非常に数理的にむずかしいわけですから、われわれしろうとから見て簡単に言うとおっしゃるかもしれませんが、これはしろうとの考え方として、この地域の人たちを代表して私は御質問するんですが、そういう点をどうお考えになっているか。
 それからもう一つは、この説明を見ましても、観光施設に対する御抱負は、国際観光客を誘致するというようなことについては、相当熱意を入れておられるようでありますが、国内の観光事業というものをどういうふうにお考えになっているのか。さっき申し上げた中央線沿線の富士五湖一帯、甲府から、さらに長野県の諏訪湖から、南アルプス、北アルプス、こういう地帯に対する問題は部分的な問題で、基本的な問題は、私、きょう聞きませんけれども、運輸大臣としては、国際的に重点を置くこともけっこうですが、国内的な観光施策というのはどうお考えになっているのか。
#126
○国務大臣(永野護君) 国際観光に力を入れますことは、その裏づけとして国内観光施設の完備がなくては、お客だけ連れてきましても、それに満足を与えないで帰すとナンセンスになりますから、国際観光、国内観光と分けて取り扱うことは、私はいかぬと思います。国際観光をやるためには、どうしても国内観光の受け入れ態勢を完備しなきゃならぬと思っておりますから、決して国内観光を無視しておるわけではございませんで、今度新発足いたします特殊法人の観光協会ができましたら、これは今の全観連をみな吸収するのでありますから、つまり、国内の観光業者がみな入って参りますから、この新協会が御指摘のような点に手落ちのないように立案運営して参りたい、こう考えております。
#127
○説明員(大石重成君) ただいま御質問がございましたうちの複線計画につきまして、お答えいたします。御説のように、中央線は非常に輸送が張っておりまして、複線化を急がれておりまして、ただいまやりましたのは、小仏信号所を作りまして、浅川と与瀬との間の線路の容量を増強いたしまして、引き続き、この区間に線増していくということで、実は本年度の、国会に提出してございます予算の中にも、その間の予算が含めてある次第でありまして、予算が御承認をいただきましたならば、着々とこの計画を進めまして、複線化に進んでいきたい、かように思っております。次に来ます区間は、相模湖から大月の間、大月から韮崎というような区間につきまして、逐次線増していく予定に相なっております。
#128
○説明員(潮江尚正君) ただいま御質問がございました電化の関係についてお答え申し上げたいと思います。お話のございました甲府以西の電化につきましては、先ほどちょっと申し上げました三千三百キロの電化計画の中に予定いたしおりますので、現在やっておりまする東北、常磐、山陽、九州、北陸の電化に引き続きまして電化を進めて参りたいというふうに現在考えております。
#129
○説明員(石井昭正君) 中央東西線を通ずる準急列車が設定できないかというお話でございますが、この点につきましては、旅客の有効時間帯と申しますか、お客さんの利用しやすい時間にうまくつながるかどうかという問題と、また、どうしても松本まで出入りをしなければならないという問題がございまして、いろいろ私ども検討いたしましたが、ただいまのところ、今の程度でごしんぼう願っておるのでありますが、将来の問題としては、御意思のあるところをよく検討して改善に工夫いたしたいと思っておりますし、また、身延線の輸送改善につきましても、最近非常に身延線の輸送が増加しておることを承知いたしておりまして、電車の増備その他も計画いたしておりますので、ダイヤの点につきましても、御趣旨をよく尊重して検討さしていただきたいと思います。
#130
○鈴木強君 浅川―与瀬間は本年度予算に計上されておって、おそらくトンネル工事がありますが、これは何年に完成できますか。
 それから与瀬と大月間は、大体いつごろになりますか。
 それから大月―韮崎間は、大体今の計画からいくと、どうなりますか。
 それから甲府以西の電化の問題についても、具体的に私、質問しおりますから、何年後ぐらいにはそのことが実現できるのか、おわかりでしたら、この際一つお答えいただきたと思います。
#131
○説明員(大石重成君) ただいま御説明いたしました区間の線増につきましては、実はただいまの五ヵ年計画の中に入っておりまして、五ヵ年計画実施とともにこれを実現しようということで努力しておる次第であります。なお、その他の分につきましては、次の計画に入れたいという考えでおります。
#132
○鈴木強君 今の大月―韮崎間も五ヵ年計画に入っておるのですか。
#133
○説明員(大石重成君) 五ヵ年計画の中に入って計画をしておるわけであります。
#134
○鈴木強君 複線化のことがですね、
#135
○説明員(大石重成君) そうでございます。
#136
○鈴木強君 電化のやつはどらですか。
#137
○説明員(潮江尚正君) 先ほども申しましたように、三千三百キロの電化工事を二つに分けまして、第一次の計画と第二次の計画といたしておりまして、現在第一次計画を五ヵ年計画として進めておりますが、お話の個所につきましては、第二次の五ヵ年計画の中に考えておりますので、まだ現在いつごろ完成するということを申し上げられる段階まで至っておりません。
#138
○田中一君 これは運輸大臣に伺うのですが、せんだっての予算委員会の一般質問では時間がないのでやめておった問題です。本年度の政府の重要政策の一つとして、港湾整備五ヵ年計画が出されております。これはまあけっこうなことでございます。しかし、一応今、部内の処理として伺いました資料を見ましても、各港湾を指定しておりますが、そのらち三つ四つ、どうも私には納得のできないような問題がある。それは受益者負担の問題です。従って、だれが担当していらっしゃいますかしらぬけれども、この計画のあらましを先に説明してほしいと思うのです。
#139
○政府委員(中道峰夫君) お話の点は、今回の特別会計によります港湾の特別整備のことと存じますので概要を申し上げますが、この計画は、政府が立てました新長期経済計画によりまして、昭和三十七年におきます港湾取扱い貨物量が約四億五千八百万トンと推定いたされております。従って、三十一年の実績二億九千七百万トンに比べまして一四五%の増加となります。このうち外国貿易におきましては一八四%、内国貿易におきましては一四七%の増加を見込まれておるわけでございます。このような貨物量の増加のほかに、最近お説のように船舶が次第に大型化の傾向にございます。これに伴いまして港湾の施設の拡大、能力の強化ということが今日焦眉の急ということになって参りました。従いまして、関係港湾の水深を増加するということと、埠頭の設備を近代化するということが取り上げられなければならないという情勢でございます。このように増大して参ります外国貿易貨物の中で、輸出で増加いたします貨物の大部分は東京、横浜、いわゆる京浜、それから大阪、神戸の阪神、それから名古屋等の主要港から積み出されております。輸入では増加いたします貨物の大部分が石油、鉄鉱石等のいわゆる工業原材料でございまして、これらの全国各地の工業港に陸揚げをされる次第でございます。従いまして、これらの主要貿易港におきましては、近代化された輸出専門埠頭を早急に増設いたしまして、また輸入貨物の大宗を占めます石油関係の取扱い港湾及び鉄鉱を取り扱います港湾につきましては、大型の輸送船また大型の鉄鉱石専用船に対応いたしますために、緊急にその航路及び泊地の水深を増加する必要が出て参っておるわけであります。また、第一次のエネルギー源の首位を占めております石炭の需要につきましては、三十一年度に比べまして、三十七年度が約七〇尾の増加となります。この至要積み出し港及び陸揚げ港におきまして、近代化された石炭扱いの埠頭を新設する必要が出て参っておるわけであります。
 以上申しました輸出港湾、石油港湾、鉄鉱港湾、石炭港湾の整備は、いずれも輸出貿易の伸長と、工業生産の拡大の建設に対応いたしまして行う必要がございますので、運輸省といたしましては、これらに対して港湾施設整備計画を作りまして、昭和三十四年度から特別の措置を講じてこの整備を推進するという段階に来ておるのでございます。
#140
○田中一君 そこで、先般も運輸大臣はそれは水路である、だから公共用のものであるというような答弁をしておりましたけれども、たとえば鉄鉱港湾としての洞海湾の浚渫等は、これは御承知のように八幡製鉄以外には使えないのです。中に何もないのです。行かれないわけなんですね。それが、従来までこの特別会計が設定されるまで、八幡製鉄が自分の自費で、あなたの方の第四港湾建設局の方へ全額委託工事として仕事してもらっておるのです。ところが、今度の特別会計が設定されて、国が二五%の負担をする、管理者が二五%の負担をする、そして八幡製鉄が五〇%の負担、こういう負担率がきめられておる。一体、今まで一〇〇%自分の経費でやろうと考えておったところの八幡製鉄が、なぜ――それも自分が持っている埠頭等が、公共のために利用されるという面があるならば、これはまた一応の理由はあると思いますけれども、全然だれも使えない、八幡製鉄以外には使えないというようなこの埠頭――水路とは言いながら、これは八幡製鉄以外には航行しないわけなんです。これに対して五割の、半分の費用というものを国並びに管理者側の方で持つということは、はなはだ不可解千万なんです。また今、港湾局長が言っているように、たとえば姫路港の工事計画、これはこの間もあなたに毒づいたように、あなたの弟がやっている富士製鉄の港なんですよ。これはまた富士製鉄以外には使えないのです。それを、同じような規模のものを延長して工事をするのに、これまた従来ともに、自分の費用でやっておって、なぜそれを半分、国並びに管理者側が負担しなきゃならないか。たとえば松山港におきましても、これは丸善石油のみが使うものです。むろん水路として十二メーターの浚渫をするといっても、直接利害関係があるのはやはり丸善石油なんです。これに対して、他の業者等が利用し得るものならいいけれども、利用しないもの、不可能なものに対し半額負担しておるということは、これはどうも永野さんも、ことに自分の身辺の者がやっている事業会社の港湾の浚渫になると、どうもこれは一ぺんあなたに伺ってみなければ、くさいか、くさくないかわからぬから、予算委員会で伺ってみようと、こう思ったのですよ。私はこれを、あなたがもし良心ある政治家ならば、どうも自分のところはずそうじゃないかと言ったって一向差しつかえないと思うのです。
 で、この計画全体についていろいろな疑問があるのです。指定している、この特別会計の中に含まれているところの事業としてはですよ、一体、自分の企業の経営の責任において浚渫しようということは、その企業そのもののプラスになるから、やるのであって、それに対して、これがすべて中小企業等のものならいざ知らず、ただ公共に使用されるものならばいざ知らず、その企業単独、その企業が独占しなければならぬというようなところに埠頭に続く、あなたに言わせれば水路と言うけれども、その浚渫を国並びに公共団体が、いわゆる国民が負担しなければならないかというところに疑問があるわけです。一応、運輸省の方ではそれぞれ理屈はつけるでしょうけれども、素朴に率直にわれわれが国民とし、受ける感じというものは、今のような疑問を抱かざるを得ないのです。これに対してどうしてもそうしなければならないかという点について説明して下さい。
#141
○国務大臣(永野護君) この前も申しましたと思うのでありますが、これらの仕事は国策として養成していくいわゆる基幹産業でありまして、これらの工場で作ります製品の原価を下げますために払われた努力であります。その結果は国民全体、直接にはその会社の従業員であります。先ほど富士製鉄、お前の弟の仕事じゃないかと言われましたけれども、あれはサラリーマンでありまして、月給取りで、あれが水路ができたからといって私の弟は一つも損も得もかいいのであります。でありますから、個人企業であれば今御指摘の通りでありますけれども、サラリーマンであるという点はわれわれと少しも違わないのでありまして、決して私の弟の個人の利益ではございません。日本の基幹産業である製鉄業の国家が育成するということから、あの政策はとられたものであります。これは今の八幡とか富士とかの、そこばかりに行くじゃないかというお話でございますが、今、今日ただいま果してそれ以外の船がどの程度に利用しているかということは私よく存じません。しかしながら、とにかく海を深くするということは、いろいろな必要のある人がどこでもその恩典にあずかるのでありますから、今日ただいま、たまたまそこへ行く船は八幡製鉄なり富士製鉄なりに行く船が多い、あるいはそればかりであるというような事情があるかもしれません。しかし、海を深くしておきますれば、その付近の産業の開発のときには、みな海の深さの利益には均霑するのでありますから、必ずしも、永劫にそういう特殊の会社のみの利益の施設とは思いませんけれども、かりにそうであったといたしましても、そのことは直ちに国民全体の福利増進、国民全体が使う鉄の生産コストが下りますれば、受益者は国民全体であると思いますし、また、これによって輸出産業が増進して参りますれば日本の国全体の国民所得になるのでありますから、その会社が利益を受けますれば、とりあえずはそこで働いておりまする数万の職員や労働者の、直接の受益者はそういう人たちでありますけれども、今、申しましたような広い国家的の観点から見まして、決して一個人企業の利益のみではない、こう考えて、これは国策として基幹産業の生産コストの切り下げということに重点を置こうという日本の基本国策に沿った施策の一つだこう了解しておるのであります。
#142
○田中一君 あなたの方じゃこういう計画を立てているのです。しかし、まだ、国民にはどこをどうするという計画は示しておらないわけでございますね。私はおそらくこれが今あなたが強弁しているように、たとえば洞海湾の問題にいたしましても、これは国民全部の利益とは考えられないのです。それはむろんどの方面におきましても、日本で各法律で許されておる企業というものは合理的のものであり、国民のためにあるものだと思います。従って、そういう強弁では、あるいは許可企業として持たれておるところの競輪、競馬も国民のためだといとうことは言える。私が言っておるのは、三十三年度まで自分の経営の採算から割り出してその工事を進行しつつあるのです。これはむろんその企業の安全性なりなんな呈考えた末にやっておることでございましょけれども、それが今度の特別会計の設定と同時に、半分だけ国が負担するということは、どこから見ても、これは国民のためになるとは思いません。そこで、これがせめて他の企業も、他の産業も、あるいは国民全体たれでもいいから利用し得るものならば、これまた一応の理屈はつくと思います。八幡の場合などはたれも利用できないのです。その計画にしても同じようなもめを十二メートルの計画でもって八幡製鉄が計画して、おった。その計画をそのまま延長し、あとの仕事は、お前の方は半分だけ出せばよろしい、あとは管理者並びに国が負担して、やるということは、その企業を助成する意味のものではないのです、もし実際に助成するならば助成する方途が別にございます。港湾の浚渫だけをしてやれば、港の費用を持って、やれば、それが助成だということにならないのです。その会社の長い間の計画でもってその工事を完成しようといっているものは、それはそれでさしておいて、そして別の面で鉄鋼企業なり、あるいは石油なりに対する助成の方法はあろうかと思います。従って、私の疑問に思うのは、その計画は変更されるとか用途が拡大されるとかいうならいざ知らず、特別な業者の企業体ですね、特別な企業体のために、これらが負担しようと言っているのに、いや、半分おれが持ってやるというおせっかいは日本全国のための港湾がもうすることがなくなったのだ、最後にここにきたのだというならいざ知らず、まだまだ相半直接に国が助成をして、補助をして、それこそ一般公共のために直接利益を与えるというような港湾があるだろうと思います。従って、それがないならいざ知らず、私はあると見ております。そこで、その根拠が今のように抽象的な、その企業を助けることが重要産業であるところの鉄鋼企業を伸ばし、ことに、あなたはその従業員云々なんという。そういう余分なことを言わぬでもよろしいですよ。実際にどういうわけで特定な業者のために費用を半分負担してやるかという点について、今のような答弁では僕は満足できないのです。
#143
○国務大臣(永野護君) これらの基幹産業は単に今度の港湾浚渫の点ばかりではございません。いろいろな国家の、保護を受けております。従いまして、かりに今のお説の通り八幡は国家の保護がなくとも自分でやろうと思っておったものであるといたしますならば、その資金の余裕は必ずその設備の改善ですとか、いわゆる輸出性基幹産業でありまする製鉄のコスト・ダウンに役立つ方面にそれが使われまして、それだけ日本の鉄の原価は下っておると思う。それが同時に、日本の輸出産業を非常に振興するという国民全体に影響を与えると私はこう考えておるのであります。それであればこそ、この計画は決してこそこそ作られたものでもなんでもございません。十分に各関係官庁及び民間一般の人の意見を聞きまして、これらの基幹産業を援助するということは、日本の輸出振興策の最も大きなものの一つであるという了解を得ましてからかかったものだと、こう私どもは了解しておるのであります。
#144
○田中一君 それはまああなた日本の独占資本に対して奉仕しようという岸内閣の一貫したところの政策の現われというならば、これはもう何をか言わんやです。われわれの方とはそれは立場が反対でありますから、だから私は従業員が云々なんという余分なことを言うのはおやめなさいと言っているのです。独占資本に対する奉仕をするんだ、それに対する現われがこれであるというならもう何をか言わんやです。従って、もう時間がないですからこれ以上申しませんけれども、一つ、こういう点については何かの機会でもって、今度策定したあなたの方の計画というものがあなた方正しいと思っておるか、私どもは正しいと思っておりませんから、正しいということを具体的に解明していただきたいと思います。あとは時間がないようですから別の機会に譲りますけれども、この計画策定の資料がありましたら、一つなるべく詳細にあなたの言っているように私が理解納得できるような資料をお出し願いたいと、こう思います。
#145
○主査(森八三一君) 先刻鈴木委員の質問に対して無人駅問題の答弁が漏れておりますから、この際、答弁願います。
#146
○説明員(久保亀夫君) それでは私からお答え申し上げます。小海線の経営改善という問題に関連するわけですが、非採算線区の改善という面につきましては、いろいろと努力しておりまして、小海線につきましても全体の経営改善ということで、御承知かと思いますが、あそこに一部ディゼルカーがすでに入っております。これを来年度できるだけ早い機会に大幅に増車いたしまして全線をディゼルカーにいたしましてサービスの改善をする、また一面、私ども増資をするということを期待しているわけであります。また一面におきましては、そういった機会に乗車券の発売を部外に委託するとか、あるいは場合によっては車掌の扱いにいたすとかというようなこともフリケント・サービスとあわせて実行する、これにつきましては、もちろんいろいろ問題がございましょうらから、地元の方ともいろいろお話し合いをいたしまして、できるだけ円滑に、要するに小海線全体として経営をよくしていくという大きな目的のために御協力を願うというような線で、いろいろ地元ともできるだけお話しして、先ほど申された無人駅等の問題につきましては、そういった考え方で全体の経営をよくするということに御協力を願うような方向でよくお話ししながら進めるように、こういった指導をいたしておるわけであります。
#147
○主査(森八三一君) この際、お諮りいたします。ただいま議題になっておりまする運輸省所管に関する質疑は、これをもって終了したことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#148
○主査(森八三一君) 御異議ないと認めます。それでは以上をもちまして昭和三十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中農林省所管、運輸省所管、郵政省所管及び建設省所管に対する質疑は終了いたしました。
 これをもって本分科会の審査を終了いたします。
 なお、委員会に対する報告の内容等につきましては、主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#149
○主査(森八三一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 それではこれをもって散会いたします。
   午後二時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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