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1958/12/19 第31回国会 参議院 参議院会議録情報 第031回国会 本会議 第4号
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1958/12/19 第31回国会 参議院

参議院会議録情報 第031回国会 本会議 第4号

#1
第031回国会 本会議 第4号
昭和三十三年十二月十九日(金曜日)
   午前十一時五十八分開議
    ―――――――――――――
 議事日程 第四号
  昭和三十三年十二月十九日
   午前十時開議
 第一 司法試験法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第二 昭和三十三年七月、八月及び九月の豪雨及び暴風雨による被害農家に対する米穀の売渡の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
 この際、日程に追加して、中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。指名する委員及び同予備委員の数は、それぞれ五名でございます。
#5
○田中茂穂君 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名は、いずれも議長に一任することの動議を提出いたします。
#6
○阿部竹松君 私はただいまの田中茂穂君の動議に賛成いたします。
#7
○議長(松野鶴平君) 田中君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 よって議長は、中央選挙管理会委員に、山浦貫一君、中御門經民君、芹澤彪衛君、山崎廣君、松村眞一郎君を、同予備委員に、近藤英明君、小島憲君、藤牧新平君、岡崎三郎君、赤木正雄君を指名いたします。
     ―――――・―――――
#9
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、日本銀行政策委員会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 内閣から、日本銀行法第十二条ノ四第三項の規定により、山添利作君を日本銀行政策委員会委員に任命することについて、本院の同意を得たいとの申し出がございました。本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#11
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#12
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、文化財保護委員会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 内閣から、文化財保護法第九条第一項の規定により、細川護立君、川北禎一君を文化財保護委員会委員に任命することについて、本院の同意を得たいとの申し出がございました。本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#14
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#15
○坂本昭君 この際、私は、政府の文教政策に伴う最近の混乱に関する緊急質問の動議を提出いたします。
#16
○田中茂穂君 私は、ただいまの坂本君の動議に賛成いたします。
#17
○議長(松野鶴平君) 坂本君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よってこれより発言を許します。坂本昭君。
   〔坂本昭君登壇、拍手〕
#19
○坂本昭君 私は、日本社会党を代表しまして、ただいま議題となりました政府の文教政策に伴う最近の混乱に関する緊急質問を行い、政府のすみやかなる反省を求めんとするものであります。
 高知県森小学校へ調査におもむき、紛争の渦中にあるすべての子供たちに手みやげを携行した日教組の小林委員長が、去る十五日夜、えんえん二時間にわたり、約二百人の暴徒により、警察官が現場にいながら傍観し、被害者が本署に急報しても警察隊はおくれて到着し、計画的、集中的、かつ、獣のごとき、殺人未遂ともいうべき集団暴行を、全然無抵抗のうちに受け、小林委員長初め教員十五名が重傷を負うという、現代文化社会にあるまじき事件が発生したのであります。かねてより総理及び文部大臣は、今日の勤評問題をめぐる教育界混乱の責任は、かかってすべて日教組にある、そして政府は絶対に勤評強行の方針を翻さないと主張してきたのでありますが、政府責任者のかかる無理解な言動の裏づけによりまして、一そう単純に、そして異常に興奮した大衆の襲撃による不測の重傷事件を見たということは、まことに遺憾しごくと考えるものであります。(拍手)わが子を教える教師に対して親たちが獣のように暴行を働き、教育者と親たちの親しい結びつきと信頼とが切断されるということは、まことに悲しむべき事実でありますが、さらに憂うべきことは、これらの事件を契機としまして、国政治の責任者と国民教育の重大使命を帯びる教育者との相互信頼が、次第に薄れていくであろうという、おそるべき将来であります。教員組合の最高責任者に加えられたかかる暴挙に対しまして、岸総理は、国民教育の将来の見地に立って、いかに事態を収拾する決意であるか。まずこの点をお伺いいたしたい。
 特に勤評問題について最も遺憾なことは、自民党の組織的、たとえば自由文教人連盟、あるいは教育父母会議、こういうものを通しての教育介入の事実でありまして、高知県、和歌山県、群馬県あるいは兵庫県などにその例が見られているのでありますが、これは勤評問題をいたずらに激越化するために、はなはだ好ましくない影響を与えるものであって、教育の中立性を侵すとともに、来たるべき各種の選挙地盤養成の一途とも見られることは、まことに許しがたい事柄でございます。自民党総裁として、岸総理はこれをいかに処理しようとするか一責任ある御答弁を求めるものであります。
 また、暴力に対しては、断固処分あるのみといった説明だけでは、しかし納得できません。何となれば、すでに五日目の今日、森地区における暴行犯人は、教師の側の現認でも五十数人を数えているにもかかわらず、検挙はいまだ一人も行われていないのであります。しかもこれに反して、まさに時を同じくして、県警の機動隊二個分隊をもって、高知県教員組合執行部の幹部ほとんど全員十四名が一せいに逮捕せられ、検事勾留となり、警察活動があまりにも一方的で、挑戦的、政治的であり過ぎる事実は、まことに目に余るものがあるのであります。森の集団暴行事件に対しては、現場における被害者の保護と、さらに犯人の逮捕に、一体いかなる措置がとられたか。具体的には国家公安委員長にお伺いするとともに、かかる一方的な不公平な警察権の発動に対し、総理の所信を承わりたいと思うのであります。
 また、暴力及び人権侵害に関して、警察官が手をこまねいて傍観しているだけではなく、警察官みずからが人権侵害を行なっている事実は、本年は昨年の倍にも上っているのであります。特に一般大衆の権利擁護闘争に対して、警察官が初めから犯罪人扱いをしているのが実情であります。最近、東京地裁八王子支部で行われました第一次砂川事件の判決によりましても明らかになったように、警察当局の不当弾圧、不当逮捕など一方的行動に対して、今後いかなる指導をされるのであるか。特に、警察官職務執行法の改正が不成立に終ったからといって、高知県、群馬県の勤評紛争に見るような不活発な出動と、砂川事件に見るような積極的な出動について、重ねて国家公安委員長の今後の御方針を承わりたい。また、すでに森小学校地区においては、暴行傷害、人権じゅうりんで、先月来告発されている者もあり、また地方法務局人権擁護課に提訴された多くの事実があるにもかかわらず、一切が無視されてきているということは、まことに奇怪至極であります。勤評問題で紛争を起しているところの高知県、群馬県、これらにおいて提訴されている人権侵害の実例について、具体的な措置を法務大臣にお伺いするものであります。
 勤評紛争の悪質化、暴力化に対して、依然、政府当局が無反省な態度を堅持していることは、まことに遺憾とするところでありますが、次に、文部大臣に三点緊急質問申し上げたい。
 第一の点は、すでに本年九月、勤評問題激突に際して、国民の不安を代表して学長グループがあっせんに立ち上り、勤評を白紙に戻すならば審議会に一切をおまかせするという日教組の新しい態度を決定したにもかかわらず、文部大臣は、学長グループのあっせんを不当かつ不必要なものとして一蹴して、一顧だにすることなく、大多数国民の期待を完全に裏切ったことであります。この態度を改める意思がないか、あるか、お尋ねいたします。また、私は引き続いて、現在の教育界の混乱は、国民の最高良識である学者グループの公平なる意見をも無視した、がんこな文部大臣に、かかってその責任が存在することを指摘せざるを得ないのであります。(拍手)灘尾文部大臣は、文化国家日本の文教最高責任者としての適格性を欠いているものと言わざるを得ません。
 第二点は、しかもこのような官僚的、非妥協的、権力主義的態度を固持するとともに、他面、森小学校の五十日に及ぶ校舎の不法占拠、無資格者による不正教育に対して、係官を形式的に派遣はいたしましても、真に教育を顧慮しての適切厳重なる指導あるいは助言、こういったものは現実には全然行われていなかったのでありまして、法を命ずることまことに厳格なる文部大臣の事務的処理としても、まことに怠慢のそしりを免れません。相続く文教行政の失敗と今回の不祥事件によりまして、文部大臣は完全に国民の信頼を失っているのであります。
 第三の点は、文部大臣は一方においては、問題解決の困難さを避けるために、各県教育委員会の自主性に一任すると言いながら、また、他方においては、問題解決が当局に不利、不都合な場合には、がぜん立ってこれに干渉することは、最近、神奈川県教育委員会に対して表明した事実で明らかであります。すなわち、神奈川県におきましては、教育委員会と現場の教師との熱心な話し合いを通して、勤務評定についての定義など、具体的法律的検討が加えられているのでありますが、これに対し、文部省は、全面的否定の強硬な態度をもって臨んでいるのでありますが、これは神奈川県教育委員会に対し不当な支配を加え、教育委員会の自主性を妨げんとするものであって、教育基本法第十条の精神に反するものと言わなければなりません。以上、現在の文教行政の失敗点三点を列挙して、灘尾大臣がみずからの責任をとり、退陣すべきことを、強く要求するものであります。(拍手)
 思うに、今や勤評紛争が異常な段階にあることについて、われわれは国民とともに深くこれを検討する必要があります。特にその政治的背景については、全国民とともに熟考することを切望するものであります。すでに第二十九特別国会におきまして、湯山議員が指摘しました通り、日本の憲法と教育、特に軍国主義教育と愛国心につきましては、アメリカを訪問した池田元大蔵大臣が、昭和二十八年十月二十七日にアメリカのロバートソン国務次官補と会談をした際に、初めて重要なる議題として取り上げられたものと見られるのであります。当時防衛三カ年計画を携行した池田元大蔵大臣が、次期保守政権担当の野心を持たれて、ひそかに防衛の軍事的、経済的、精神的諸問題について相談をしたであろうことは、想像にかたくないのであります。自来、昭和二十九年五月の教育政治活動禁止と、教育中立維持の二法、三十一年六月、五百名の警官の圧力下にいわゆる任命制の教育委員会法の制定、三十二年十月勤評実施の文部大臣表明、本年七月いわゆる校長管理職手当法の強行成立、さらに十月八日、警察官職務執行法の改訂案を突如国会に提出して世論の圧倒的反撃を受けたことは、なまなましい先日の事実であります。かく歴史を振り返ると、池田・ロバートソン会談に引き続いて、日本の新しい文教政策の車は任命教育委員制と勤務評定制の二つの輪によってすべり出そうとしておりますし、さらに日米安保条約改定は警職法改正を前提として行われんとしたのであります。九月二十六日、藤山外相がアメリカから帰ったときと、十一月二十七日、池田無任所大臣がアメリカから帰ったときとでは、アメリカの外交軍事政策に対する日本の判断は急旋回せざるを得なかったのであります。アメリカの中間選挙でのダレスの敗敗は、同時に岸内閣の敗退を意味し、その屋台骨をゆすぶっていることは、現実の通りでございます。時代は、緩慢ではあるけれども、少しずつ新しく動きつつあり、安保条約改定強行にブレーキをかけた国際事情の変化は警職法廃案を決定的にいたしました。われわれの希望しておりますことは、さらに勤評強制実施を停止することであります。
 そこで、最後にお伺いしたいことは、文部省のない、いわば地方自治の自主性の強いアメリカ国内でも、勤評実施は日ましに減少しております。さらにその内容は、評価について申しますと、教師と評価者とは討議をする。また、異議の申し立てをする権利が留保されている。かつ、勤評実施は地方教育委員会の自主性にまかされておって、日本の文部省のように、全国画一的、統一的にやる、こういうのとは非常に違うということであります。岸総理大臣も、警職法改正を断念したと同じ勇気を持ちまして、勤務評定を断念されてはいかがでございますか。また、少くともアメリカ並みに、都道府県教育委員会の自主性にまかせて、神奈川県教育委員会に対するような不当な干渉をやめて、事態を緊急に収拾してはいかがであるか。岸総理の所信を承わりたい。
 また、池田国務大臣は、せっかく十一月七日羽田を立って、二十七日帰朝されたまでの間に、アメリカの新しい政治情勢を研究され、十七日と十九日にはロバートソン氏にも会っておられるのであって、昭和二十八年の会談のときと、いかに違ったお話がなされたか。特に日本の教育問題の運命について重大なかぎを握っておられるあなたの御意見を、国民にかわって緊急に承わりたいのであります。
 以上をもちまして私の質問を終ります。(拍手)
   〔国務大臣岸信介君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。
 高知県の森小学校の事件は、まことに私は遺憾とするところでありまして、いかなる動機、いかなる理由を問わず、暴力、特に集団的暴力でもって、その主張や、あるいは意見を通そうとすることは、民主主義の敵であり、民主国家を完成していく上におきまして、そういうことを絶滅することを私は願っているのであります。しかるに、こういう事態が起りましたことは、さきにも申したように、はなはだ遺憾でありまして、これに対しましては厳正公正にその事情を調べ、これに対処するように、警察当局に私はさっそく命じております。従って、今お話がありましたように、警察権の執行について何か公正中正を欠くような御懸念があるようでありますが、私は全然そんな考えは持っておりません。あくまでもこういう違法に対しては厳正な立場で措置するつもりであります。
 さらに、勤評問題をめぐっていろいろの事態が起っておりますことは、特に高知県や群馬県等において遺憾の点がたくさんございます。あるいは父兄が実力をもって教員の登校を妨げるというような事態も、私はまことに遺憾であります。しかしながら、そういう事態が起るに至った原因につきましても十分に考えなければいけない。(拍手)勤評問題につきましては、幸いに漸次理解を受けた府県におきましては、これが円満な施行を見つつありますけれども、まだ十分にその趣旨の理解を得ないところにおきましては、勤評反対の闘争がいろいろ過激に行われているということ自体においても、十分に一つ組合側においても反省をしてもらいたいと思うのであります。なお、勤務評定問題につきましては、私は、今申し上げましたように、やはりこの問題に関して十分な理解を持ち、またこれに対して了解を進めていくということが必要であり、現にそういう理解が進み、了解のできているところの県におきましては、円満にこれが実行を見つつあるのであります。従いまして、今後におきましても、そういう点においてはさらに努力をするつもりでありますが、根本の方針において勤務評定をやめたらどうだという御意見でありますが、私は従来の方針を変える意思は全然持っておりません。
 それから、何か自由文化人協会というようなものにおいて、自民党がこれらを使って教育の中立性に干渉しているというお話でありますが、そういう事実は全然ございません。(拍手)
   〔国務大臣青木正君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(青木正君) 高知県における今回の事件につきましては、私どもまことに遺憾に存ずる次第であります。御承知のように、仁淀村におきまして前々から紛争がありましたので、先月の二十四日ごろまでは、警備本部を置きまして、相当の警官を出しておったのであります。二十四日ごろから大体平穏に復しましたので、警備部隊を撤退いたしたのであります。で、当日は、小林委員長が見えるということが、そのときまでわかっておりませんので、従って、それに対する特別の措置ということはいたしていなかったのであります。また、事件の起りましたその当時は、たまたま座談会に出席しておりました組合側の父兄の方々が、森村へ帰るということで、その帰るのを護衛してくれというような申し出がありまして、たまたまおりました警官は、その御婦人の護衛のために森村に行っておったと、こういうようなことで、事件が起った当時不在であったということは、まことに私ども残念に思うのであります。さらに、連絡いたしたのでありますが、御承知のように本署からだいぶ離れておりますので、時間的に間に合わなかったということも御了承をいただきたいと思うのでございます。
 それから、現在の捜査状況でありますが、事件の起りました直後の十六日の午前四時から駐在所に捜査本部を設置いたしまして、刑事部長をその本部長とし、警察官五十一名を配属いたしまして、捜査を開始いたしたのであります。現在まだ捜査中でありますが、捜査線上に大体三十数名の犯人が浮かんでおる。しかし申し上げるまでもなく、犯人の特定には慎重を期さなければなりませんので、慎重に捜査をいたしておりますが、できるだけすみやかに捜査の上、判明次第検挙する、かような方針をとっておる次第であります。
 それから県教組の逮捕の問題とこの問題との関連でありますが、これは御承知のように全然別個の問題でありまして、御承知の通り十一月二十九日から三十日にわたって行われました教育長に対する問題、この問題に関連してその当時から捜査をいたしており、そうして、たまたまその検挙は十六日に行われたというだけのことでありまして、全然別個の問題であります。
 なお、警職法改正案が審議未了になったので、その影響があるのではないかというようなお話でありますが、私どもは、警察官職務執行法の改正案が審議未了になったからといって、このことが、警察官の職務執行上、何らかの意味におきましても影響のあることは、これは避けなければならぬことは言うまでもないことでありますので、警察官職務執行法改正案の審議未了になった直後、全国の管区局長会議を開催いたしまして、そういうことのないように、いやしくも警察官としての職務執行上に怠る点があってはならぬということを厳重に注意いたしておるのであります。従いまして、この問題との関連というようなことは、私どもは全然考えも及ばないところであります。(拍手)
   〔国務大臣愛知揆一君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(愛知揆一君) 人権擁護につきましてお答えいたしたいと思いますが、御承知のように人権擁護につきましては、戦後新しい制度のもとに機構その他を整備して参ったわけでございますが、なかなか現状におきまして、まだ十分な人員その他を備えるに至っておりません。しかしながら、かかる悪条件のもので、しかも人権擁護ということは、人情の機微に触れるところもございますし、また人権の侵犯ということが、今回の勤評問題につきましても、実は反対側からも出ておるわけでございまして、その辺のむずかしいところに、一方に偏しないように、法の定めるところによりまして十分調査をいたしまして、勧告その他の措置をすることにいたしております。
 で、高知県におきましては、檮原村西川小学校における教員住宅のくぎづけ事件を初めといたしまして、数件についてただいま鋭意調査中でございまして、近く結論を出しまして適切な措置をとることといたしております。群馬県におきましても、利根郡川田村小学校教員に対する組合脱退強要事件を初めといたしまして、数件の事件を、人権侵犯の疑いあるものとして、現在鋭意調査中でございます。(拍手)
   〔国務大臣灘尾弘吉君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(灘尾弘吉君) お答え申し上げます。
 勤務評定の実施に関する態度につきましては、私は従来同様の態度をもって進んで参るつもりでございます。これにつきましては、これまでしばしば御説明を申し上げましたところでございますが、坂本君の御質問によりますと、全然耳を傾けておられぬようでございまして、まことに残念でございます。従来同様に努力を続けて参るつもりであります。
 この勤務評定の実施に関連いたしまして、各地に激烈な反対闘争が起っておる。反対のことをかれこれ申すのではございません。また、勤務評定の内容についていろいろ御議論がある。これも私はかれこれ申すのではございません。しかし、この反対の要求を貫くために、いわゆる実力行使に訴えて、是が非でもこれに反対する、手段のいかんを問わず、あくまでもこれに反対するという教員組合の態度には、私は賛成することができないのであります。あくまでも民主的な態度をもって、また、教職員らしい態度をもって物事は処理していただきたいものと、心から念願いたしております。(拍手)
 学長グループのあっせんのことにお触れになったわけでございますが、あの学長グループのあっせんは、九月十五日のいわゆる勤評ストを控えて、これを回避するために何か道はないかということを心配せられて、学長グループと称せられる諸君が奔走せられたのでありまして、私は、その御努力に対しましては、もちろん敬意を払うものでございます。ただ、あの場合の学長グループのお話を伺っておりますと、私としましては、勤評実施の実情の上から申しましても、また、私の立場の上から申しましても、あの際、勤務評定の実施を中止するとか、取りやめるとかいうことはできない相談であると思ったのであります。同時に、九月十五日のいわゆる勤評ストなるものは、一から十まで違法ずくめであります。さような間違ったやり方によるストライキを回避するために、この問題の性格をあいまいにするということは、私は、行政秩序を確立する上から申しましても賛成しがたいところであると思ったのであります。さような意味におきまして、まことに不本意ながら、学長グループの諸君の奔走に対しまして、お断わり申し上げざるを得なかったのであります。
 次に、何か地方教育委員会の自主性に対して、口に尊重するといいながら、始終干渉を加えておるのではないかというような趣きのお話がございました。私は、私に与えられました権限と申しますか、それについては、もちろん適正に行使するつもりでございます。不当なる干渉、不当なる圧迫というふうなことはいたした覚えはございません。今回の神奈川県の教育委員会の決定せられました行政措置について、文部省が圧迫を加えておるとか、干渉を加えておるとかいうふうな意味のお話がございましたけれども、さような事実はございません。このたびの神奈川県の決定せられました行政措置は、なお今後数カ月にわたって細目的な検討を遂げるというふうなお話も伺っておるわけでございますが、一見いたしますところ、この措置なるものは、果して現行法のいわゆる勤務評定であるのかどうかというところに、私は疑問があると思うのであります。その疑問については、十分われわれといたしましても検討する必要があると思うのであります。私は、法の適正なる運用をはかりますためには、地方の当局に対しまして指導し、あるいは助言する立場にあると思うのであります。勤務評定なりやいなやというところに疑問がございますので、目下慎重に検討いたしておるところでございます。先般、教育長が参りまして、いろいろ御説明を伺ったのでございます。なお、他の面に対しましても、いろいろ検討を加えまして、その上で結論を出して参りたいと思うのであります。検討中の段階であるわけでございますので、文部省としまして、神奈川県に対しては、圧迫したとか干渉したということは、全然事実がないというふうに御承知を願いたいと思うのであります。
 以上、御答弁申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 昭和二十八年十月の私とロバートソンの会談内容につきましては、当時共同声明を出したのが全部でございます。従いまして、主として日本の防衛問題並びに日米間の経済問題について話をしたのであります。教育の根本問題につきましては触れておりません。
 また、先月アメリカに参りましたのは、シアトルにおけるコロンボ会議に参加するためでございます。あわせてアメリカの経済事情を視察するために行ったのでございます。ロバートソンとは二回会いましたが、旧交をあたためる程度の話でございます。政治問題については触れておりません。(拍手)
     ―――――・―――――
#25
○議長(松野鶴平君) 日程第一、司法試験法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず委員長の報告を求めます。法務委員会理事大川光三君。
   〔大川光三君登壇、拍手〕
#26
○大川光三君 ただいま議題となりました司法試験法の一部を改正する法律案につき、委員会における審議の経過並びに結果について御報告いたします。
 本改正案の趣旨は、新制大学発足以来、司法試験に合格する大学在学生の逐年減少傾向並びに社会生活の複雑化に伴い、大学の優秀な新卒業生から多数の人材を司法の分野に確保しようとしたことであります。
 すなわち、改正点の第一は、第二次試験でまず短答式試験を行い、その合格者に限り論文式試験の受験資格を認めることにより、増加を見込まれる受験者の第一段階のふるい分けに便法を講じたこと。第二は、論文式試験を、必須科目五科目、選択科目二科目とし、その選択科目を、法律科目と教養科目の二部類に分ち、各部類から一つずつ選択させることにより受験者の便をはかるとともに、受験した科目全部について口述試験を行い、能力判定に万全を期したこと。第三は、司法試験管理委員会規則をもって試験科目の出題範囲を限定できるようにして、受験者の負担軽減をはかったこと。第四は、司法試験考査委員の数の制限を撤廃して、おもに短答式試験の答案採点について慎重を期したこと。第五は、改正案の施行期日を昭和三十六年一月一日とし、受験者に十分な準備期間を与えたこと等であります。
 さて、委員会の審議に当りましては、十二月十六日、政府当局より提案理由説明を聴取した後、高田、北村、その他の委員から熱心なる質疑が行われましたが、これが詳細は会議録に譲ることにいたします。
 かくして討論に入り、自由民主党を代表して不肖大川より、政府案に賛意を表するとともに、「司法試験制度の重要性にかんがみ、政府並びに最高裁判所は、本改正案の運用について特に次の諸点に留意し、優秀な法曹の養成に遺憾なきを期せられたい」旨の附帯決議をなすことの動議を提出いたしました。すなわち、
 一、第二次試験の科目については、今後、大学の学制改革に対応して検討すべきこと。
 二、司法試験管理委員会委員は、将来その適正な員数を増員するとともに、同委員並びに司法試験考査委員の選任に十分公正を期すること。
 三、短答式試験においては、なるべく多数を合格させるよう考慮すること。
 四、司法研修所の機構を拡充強化すること。
 次いで、日本社会党を代表して高田委員から、政府原案に賛意を表し、かつ、司法試験制度の運用については、当委員会の右決議案等の内容について政府の慎重なる配慮を望む旨の賛成の討論が述べられました。
 かくて討論を打ち切り、本法律案及び附帯決議につき採決いたしましたるところ、それぞれ全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#27
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#28
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#29
○議長(松野鶴平君) 日程第二、昭和三十三年七月、八月及び九月の豪雨及び暴風雨による被害農家に対する米穀の売渡の特例に関する法律案、
 日程第三、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。農林水産委員会理事堀本宜実君。
   〔堀本宜実君登壇、拍手〕
#31
○堀本宜実君 ただいま議題となりました農林関係の二つの法案について、農林水産委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、昭和三十三年七月、八月及び九月の豪雨及び暴風雨による被害農家に対する米穀の売渡の特例に関する法律案について申し上げます。
 この法律は、本年七月、八月及び九月の豪雨及び暴風雨の被害を受けた米作農家に対し、飯用の米を特別の価格で売り渡す道を開くため提出されたものでありまして、この法律の対象となる災害は、本年七月、八月及び九月の豪雨及び暴風雨により政令で定める地域内において生じたもので、米の売り渡しを受けられる農家は、米作農家であって、災害によって非常な減収を来たし、その生産する米が飯用に著しく不足する旨の都道府県知事の認定を受けたものとし、米の売り渡しは、政府から都道府県及び市町村を通じて行われ、これが売り渡し価格は、内地米はおおむね生産者価格をもって、また、輸入米は内地米の値引き率に見合って値引きした価格をもって購入できるように定められることになっております。
 委員会におきましては、まず、政府当局から提案の理由その他について説明を聞き、質疑、討論とも別に発言もなく、続いて採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、災害による被害の激甚な地域における農地及び林道の災害復旧事業費の負担の現状にかんがみ、これら災害復旧事業について国が行う補助の率を引き上げるため提出されたものでありまして、従来、農林水産業施設の災害復旧事業に対する国の補助につきましては、高率補助の道を開き、毎年一月一日から十二月三十一日までに発生した災害によってはなはだしい被害をこうむった地域に限り、災害復旧事業費のうち、政令で定める一定額以上の部分に対する国の補助率は、一般の地域に比べ高率となっておりますが、農地及び一般林道について被害が特に激甚な場合においては、右の高率補助適用部分のうち、さらに政令で定める額に相当する部分に対する補助率を一そう引き上げることとし、なお、この措置は本年一月一日以後発生したものから適用することになっております。
 委員会におきましては、まず、政府当局から提案の理由その他について説明を聞き、連続または連年災害を受けた場合の措置、林道に対する高率補助の適用基準等について質疑が行われ、続いて討論に入り、別に発言もなく、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 右報告いたします。(拍手)
#32
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。
 両案全部を問題に供します、両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#33
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって両案は全会一致をもって可決せられました。
     ─────・─────
#34
○議長(松野鶴平君) 参事に報告させます。
   〔参事報告〕
本日委員長から左の報告書を提出した。
 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案可決報告書
 国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案可決報告書
 賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案可決報告書
 産業投資特別会計の貸付の財源に充
     ―――――・―――――
#35
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。建設委員長早川愼一君。
    ――――――――――――――
   〔早川愼一君登壇、拍手〕
#37
○早川愼一君 ただいま議題になりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案について、建設委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず法案の要旨について申し上げます。住宅金融公庫は、昭和三十二年四月、法律第四十九号の改正によりまして、災害により滅失または損傷した住宅の復興をはかるため、災害復興住宅について資金の融通を行うことになり、以来一年有余に約三千四百戸分を融資して参ったのでありますが、その実施の状況並びに本年の台風第二十二号等による被害の状況にかんがみ、この制度をさらに実情に即応させるため、災害復興住宅についての移転及び整地資金の貸付、貸付金の償還期限等について、所要の改正を行うようにしたものであります。
 まず第一点は、災害住宅の補修のために行う当該住宅の移転または災害復旧住宅の建設もしくは補修に付随して、堆積土砂の排除その他の宅地の整備等を行う場合、これに必要な資金を融通することとし、その貸付金の限度は政令で定めることにしております。
 第二点は、災害復興住宅の建設及び補修についての貸付金の限度を、政令の改正によって若干引き上げることとし、なお、貸付金の償還期限についても、建設資金については、内地十五年を十八年以内に、北海道二十五年を三十年以内に、補修資金については、八年を十年以内に、それぞれ延長することにしたことであります。
 次に、委員会における質疑のおもなる点は、本法案による堆積土砂の排除の融資と公共事業費をもって行われる排土事業との関連、排土及び整地に対する融資の方法と融資額の限度等についてでありました。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、田中委員から、日本社会党を代表して、「本改正案は、災害に対する融資ワクの拡大及び償還期限の延長をはかるものであって、賛成であるが、その運用に当って万全を期せられたく、なお、大火等の場合にも同様の措置を講ずることを希望する。また、大災害に起因する堆積土砂の排土については、国が全面的にこれを施行することが正しいと考える」との発言がありました。
 かくて討論を終了、採決の結果、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#38
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#39
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#40
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。議院運営委員長安井謙君。
   〔安井謙君登壇、拍手〕
#42
○安井謙君 ただいま議題となりました国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、議院運営委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、今回、国家公務員の期末手当が増額されましたので、この関連において、国会議員の秘書の期末手当に関する規定を改正しようとするものであります。すなわち、秘書の期末手当は、一般職の職員の受ける期末手当と同率の額を支給するように改正するとともに、十二月十五日に支給を受けた期末手当は、改正後の国会議員の秘書の給料等に関する法律第三条の規定による期末手当の内払いとみなし、なお、改正に伴う差額は、この法律施行の日から五日以内に支給することができることとしようとするものであります。
 議院運営委員会におきましては、審議の結果、全会一致をもって可決すべきものと決定した次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#43
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#44
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#45
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、
 賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案
 産業投資特別会計の貸付の財源に充てるための外貨債の発行に関する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。大蔵委員長前田久吉君。
   〔前田久吉君登壇、拍手〕
#47
○前田久吉君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、前国会において、すでに承認を得ました日本国とラオスとの間の経済及び技術協力協定に基いて、わが国がラオスに対して供与する無償の経済及び技術援助のための債務処理の経理を、この特別会計で行うことができることとするため、この特別会計法の第一条に所要の改正を加えようとするものであります。本案につきましては、格別の質疑もなく、討論、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、産業投資特別会計の貸付の財源に充てるための外貨債の発行に関する法律案について申し上げます。
 本案は、電源開発事業等の推進をはかる目的をもって、産業投資特別会計の貸付の財源に充てるため、外貨債を発行し、またはこれにかえて外貨借入金をすることができることとしようとするものであります。
 その内容を申し上げますと、第一に、政府は、昭和三十三年度において百八億円相当額の米貨債を発行し、または米貨借入金をすることができることとし、昭和三十三年度において、百八億円全額の米貨債発行または借入金をすることができなかったときは、その残額を限り、昭和三十四年度において、米貨債発行または借入金をすることができることとしようとするものであります。
 第二に、非居住者または日本に恒久的施設を持っていない法人が買い入れた外債の利子収入等に対しては、租税その他の公課を課さないこととしようとするものであります。第三に、外貨債の発行条件、借入金に関する必要な事項は、大蔵省令で定めることとしようとするものであります。その他、外債発行による収入金を産業投資特別会計の歳入に受け入れる等、同会計に所要の改正をしようとするものであります。
 委員会の審議におきましては、世界銀行借款との関係、外貨債募集に至るまでの経緯、国内金融に及ぼす影響等について慎重審議いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 かくて質疑を終了し、討論に入り、平林委員より、「最近の経済情勢のもとで外貨債を発行しなければならない理由が明確でないこと。将来、外貨債の発行が雪だるま的に増大する傾向があること。さらにアメリカ経済への依存度を高めることとなる。及びアメリカの金融市場の逼迫の傾向にあるとき、不利な条件で外貨債を発行するよりも、この際、財政投融資を活用すべきである」との反対意見が述べられ、採決の結果、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#48
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。
 まず、賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#49
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#50
○議長(松野鶴平君) 次に、産業投資特別会計の貸付の財源に充てるための外貨債の発行に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#51
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時一分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した案件
 一、中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名
 一、日本銀行政策委員会委員の任命に関する件
 一、文化財保護委員会委員の任命に関する件
 一、政府の文教政策に伴う最近の混乱に関する緊急質問
 一、日程第一 司法試験法の一部を改正する法律案
 一、日程第二 昭和三十三年七月、八月及び九月の豪雨及び暴風雨による被害農家に対する米穀の売渡の特例に関する法律
 一、日程第三 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案
 一、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案
 一、国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案
 一、賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案
 一、産業投資特別会計の貸付の財源に充てるための外貨債の発行に関する法律案
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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