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1958/03/13 第31回国会 参議院 参議院会議録情報 第031回国会 本会議 第16号
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1958/03/13 第31回国会 参議院

参議院会議録情報 第031回国会 本会議 第16号

#1
第031回国会 本会議 第16号
昭和三十四年三月十三日(金曜日)
   午前十時三十五分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第十六号
  昭和三十四年三月十三日
   午前十時開議
 第一 昭和三十三年度一般会計予算補正(第2号)
 第二 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 接収貴金属等の処理に関する法律案(内閣提出)
 第五 国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(衆議院送付)
 第六 北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第八 警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 第九 南方同胞援護会法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一〇 建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第一一 土地区画整理法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第一二 日本国憲法第八条の規定による議決案(衆議院送付)
 第一三 放送法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一四 特許法案(内閣提出)
 第一五 特許法施行法案(内閣提出)
 第一六 実用新案法案(内閣提出)
 第一七 実用新案法施行法案(内閣提出)
 第一八 意匠法案(内閣提出)
 第一九 意匠法施行法案(内閣提出)
 第二〇 商標法案(内閣提出)
 第二一 商標法施行法案(内閣提出)
 第二二 特許法等の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案(内閣提出)
 第二三 特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、昭和三十三年度一般会計
 予算補正(第2号)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員会理事堀木鎌三君。
   〔堀木鎌三君登壇、拍手〕
#4
○堀木鎌三君 ただいま議題となりました昭和三十三年度一般会計予算補正(第2号)の予算委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、予算補正の内容について申し上げます。昭和三十三年度一般会計予算補正(第2号)は、昭和三十三年度予算成立後に生じた事由に基き、当面必要とされる最小限度の措置を講ずるためのものでありまして、歳入歳出ともに百十八億五千万円余と相なっております。
 歳出におきましては、昭和三十二年度精算の結果、明らかとなった教職員給与費国庫負担金の不足額と、昨年十二月に成立した一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律の施行に関連する期末手当の引き上げ等による、昭和三十三年度教職員給与費国庫負担金の不足額とを補うために必要な義務教育費国庫負担金四十五億円余の追加を初め、生活保護費のうちの医療扶助費補助金、国民健康保険療養給付費補助金、失業保険費国庫負担金等の義務的経費の不足額四十二億四千余万円が追加計上されておりまするほか、三十三年中に発生した災害の復旧のために、さきに昭和三十三年度予算補正(第1号)によって追加計上した経費が、なお、その後の実地調査の進展及び災害復旧事業の進捗に従い、不足を生ずる見込みとなったために必要とする経費十五億八千万円、国連警察軍スエズ派遣費分担金、蚕糸業緊急対策費等が新たに計上せられております。
 また、これに伴う財源といたしましては、関税、砂糖消費税、相続税の三税の増収見込額八十億円のほか、専売納付金の三十億円等、租税以外の歳入における増収見込額が充てられております。
 この一般会計予算補正により、昭和三十三年度一般会計予算総額は、さきに成立した予算補正(第1号)と合せ、歳入歳出とも一兆三千三百三十億円余と相なります。
 この予算補正は、一月二十三日国会に提出せられ、二月十七日、本院に送付されたものでありますが、委員会においては、一月三十一日に佐藤大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、三月四日より、岸内閣総理大臣並びに関係各大臣に対し、昭和三十四年度予算三案と並行して本案の質疑を行いました。
 以下、これらの質疑のうち、補正予算に直接関連する若干の事項について簡単に御報告申し上げます。すなわち、
 「今回の補正で追加された三十三年発生災害復旧事業費は十五億八千余万円であるが、この金額で果して災害復旧の完璧を期し得られるのかどうか。また、現在までの復旧の進捗状況と今後の見通し並びに建設省の治水五カ年計画はどうなっているか」等の質疑がありましたが、これに対しまして、佐藤大蔵大臣並びに遠藤建設大臣から、「三十三年災害については、今回の追加計上によって、三十三年度実施分については一応十分だと思う。今年度内の事業施行の進捗程度は、直轄工事については五六・四%、補助工事については二四・八%となる予定であり、三十四年度予算に計上した分と合せれば、明年度中には、直轄工事は一〇〇%、補助工事は六五%程度進捗を見る見込みである。なお治水五カ年計画については、河川の災害復旧事業もすでにだいぶん進んでおり、今後は治水計画にも相当力を注ぎ得るようになったので、今年八月ごろまでには成案を得て河川根本対策を確立したい」という答弁がなされました。
 次に、「義務教育費国庫負担金四十五億円のうちには、三十二年度の教職員給与費国庫負担金の精算不足額二十九億五千万円が含まれているが、今ごろこの措置をとるというのは、はなはだ怠慢ではないか。このように不足を生じた原因は何か。不足額を立てかえさせるので地方財政を圧迫しているが、その対策はどうか」との質疑がありましたが、これに対しまして、橋本文部大臣並びに青木自治庁長官から、「三十二年度の精算不足額は、昨年秋に決算が確定したため今回の補正で要求したわけであるが、その間、地方団体が立てかえざるを得ない事態になったのはまことに遺憾である。この補正及び三十四年度分においては、昇給原資を三%とし、かつ退職手当を〇・五%ふやしておるので、今後は精算不足額をあまり出さないようになると思う」という答弁がございました。
 また、蚕糸業緊急対策費として三億九千万円計上されていることにつきまして、「一万五千町歩にも及ぶ桑園を整理するのに、一反歩当り二千五百三十円ぐらいの補助金では少な過ぎるのではないか。また桑園整理後の作物転換に必要な土地改良費等は、別ワクで予算をつけるべきだと思うがどうか」という質疑がございましたが、これに対しましては、三浦農林大臣並びに佐藤大蔵大臣より、「今回の補正では労力費を主として組んであるが、桑園整理後は、その土地々々の立地条件に即して、米作あるいはテンサイ糖ないし果樹等、適切なものに転換するよう指導助成するわけで、これに要する経費、資金等は、明年度の予算並びに財政投融資に計上されている土地改良や畑地灌漑等の施策費資金を、総合的、集中的に充当いたしたい」という答弁がありました。
 このほか核武装の問題を初め、失業対策費の問題、公社預託金制度並びに専売納付金の問題、駐留軍労務者の離職対策問題等につき質疑がありましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 かくて質疑を終了し、討論に入り、日本社会党を代表して鈴木委員が反対、自由民主党を代表して近藤委員が賛成、無所属クラブの千田委員が反対、緑風会を代表して森委員が賛成の旨、それぞれ意見を述べられました。
 かくて討論を終局し、採決の結果、予算委員会に付託されました昭和三十三年度一般会計予算補正(第2号)は、多数をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#5
○議長(松野鶴平君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。鈴木強君。
   〔鈴木強君登壇、拍手〕
#6
○鈴木強君 私は日本社会党を代表して、ただいま議題となりました昭和三十三年度一般会計予算補正(第2号)に対し、反対の態度を明らかにして討論を行わんとするものであります。
 政府の説明によりますと、本補正は、昭和三十三年度の予算編成後に生じた理由により、当面必要とされる最小限度の予算補正措置をとったということであり、その内容は、生活保護費、義務教育費国庫負担金、災害復旧事業費等、おおむね法令により必要とする経費の追加を行わんとするものであり、総額百十八億五千三百九十一万二千円となっております。これに必要な財源は、相続税、砂糖消費税、関税、専売納付金等、現在までの状況に照らし、その収入見込みが予算額をこえることが確実なもののみとし、その総額は百十八億五千三百九十一万二千円となっております。しかしながら、その内容を、しさいに検討するまでもなく、実際には、おおむね法令の規定により必要とする経費の追加を行うものだというのはごまかしであって、蚕糸業緊急対策費、災害復旧事業費、義務教育費国庫負担金、失業保険費負担金、生活保護費等々、そのほとんどが、昭和三十三年度当初予算編成の際とった政府の政策の欠除と見通しの誤まりによって生じたものであることは、あまりにも明白であります。私は、なぜ率直にこの点を政府が認めて、国民に対して自己批判をし、災害復旧対策、蚕糸業緊急対策、生活保護費等、重要施策については、思い切った対策を立て、思い切った予算補正をしないのか、不思議に思われてならないのであります。最近、特に岸内閣に対する国民の声として、言うこととやるごととが違うという世論が盛り上ってきておりますが、補正二号の説明の仕方の中にも、はっきりと、このことが現われているのであります。岸内閣のやり方は、何でも表から見ないで裏から見なければだめだという定評があります。昭和三十四年度国家予算総額は一兆四千百九十二億となっており、自民党と政府諸君は、この数字を横に並べて、表から、すなわち一般的にこれを読み、「一兆よいくに」だと、盛んに宣伝これ努めておるようでありますが、世論に従って、裏から、すなわち逆にこの数字を読みますと、「一兆にくいよ」となり、全く世論の定評にマッチしたものだと思います。私は、本補正予算提案に際してとられた、政府のこのような誠意のない、欺瞞的な態度に対して、限りなきふんまんと憤りを感ずるものであります。
 次に、反対の理由を逐次申し上げます。
 その一つは、生活保護費、国民健康保険助成費、失業対策費等であります。予算書によれば、生活保護費は十三億九千百万一千円、国民健康保険助成費は十二億一千百四十八万二千円、失業保険費国庫負担金は十四億九千百三十一万八千円、それぞれ計上されておりますが、これではきわめて不十分であります。岸首相は、本国会の施政方針演説において、経済発展の一面、低所得階層の人々がふえているという事実を認めておるのであります。ところが、この予算補正措置については、その対策と措置がとられていないのであります。それどころか、生活保護の面では、福祉事務所やケース・ワーカーによって、過酷な保護打ち切りと保護拒否が行われ、保護対象人員が政治的に低く押えられていることを知らなければなりません。厚生省とも関係の深い日本社会事業大学が保護廃止世帯の調査を行なったところ、たとえば、金がないので、野草を取って、それで飢えをしのいでいる保護世帯に対し、野菜基準額を認めても買わないだろうという理由をつけて、野菜は一部を自給しているということにして、その分の保護費支給を打ち切っていると報告されております。現在の保護費の基準は、東京都の場合で、一日一人当りの食費はわずか四十円程度でありまして、これでは、最低の、そのまた下の生活すらできないのでありまして、まことに重大と言わなければなりません。私は、これらの恵まれざる人々の上に、政治のあたたかい配慮がめぐらされることこそ非常に重要であり、この点に欠けておることを遺憾に思います。わが社会党は、少くとも、現在の二倍程度増額を要求するものであります。また、失業対策費関係においても、対象人員を適当にしておき、加えて、船員保険法の一部を改悪して、国庫の負担率を現行の三分の一から四分の一に引き下げんとしておりまして、われわれの絶対に納得ができないところであります。
 反対理由の第二は、災害復旧対策事業費についてであります。昭和三十三年度中に発生した災害による公共土木施設、農林水産業施設の災害の復旧費として十五億八千五百十六万一千円が計上されており、第一次補正と合せて六十八億円となるのでありますが、昭和三十三年災害については、昨年十月の第三十回臨時国会において、佐藤大蔵大臣は、当時調査済みの被害総額は七百二十二億円と報告したのでありますが、最終的調査の結果は、昨年十二月発生のものも含めて、被害総額は八百二十二億に達しているのであります。これに対する事業費の査定を六百三十一億円としております。この査定率そのものが被害総額に対して七七%ということになり、従来までの平均査定水準七五%より見れば、多少関係者各位の努力の跡がうかがえるのでありますが、まだ不十分と言わなければなりません。昭和三十三年度歳出として結局六十八億が計上され、これに補正予備費支出十億円を全額加え、さらに既定予備費よりの支出済みを加えて、やっと百億程度であります心政府は、明年度予算案において、三十三年度災害復旧事業については、事業の大半を占める補助事業のうち、緊急を要するものは三カ年で復旧するということでありますが、最も緊急計上を要する初年度予算が、わずかに百億円程度で終っておりますので、どこまで信用してよいのかわかりません。災害の最もひどかった伊豆狩野川流域の住民が、復旧作業が遅々として進まざることを嘆いていることを知るにつけても、政府のへっぴり腰をたたかざるを得ないのであります。われわれは、政府案に反対をし、この分だけでも百八十億の補正を要求するものであります。
 反対理由の第三は、蚕糸業緊急対策費についてであります。この費用は三億九千万円計上されておりまして、これは一万五千町歩の桑園整理に対する補助金の追加所要額なのでありますが、一反歩当り単価は二千五百三十円で、きわめて少額に見積られております。桑を植えろ、蚕を飼えと奨励に努めた政府が、情勢の変化によって、桑をこげ、野菜を作れと、勝手に号令をかけているのでありますが、号令の変化によって、被害を受け、痛めつけられるのは、働く養蚕農家であります。政府の政策の誤まりによって転換を余儀なくされる農家に対して、なぜ、もっとあたたかい思いやりと施策ができないのでしょうか。政府が与えた損害と被害を補償するのは当然のことでありますが、わずかに二千五百三十円でお茶を濁そうとする政府の態度はきわめて遺憾であり、断固として反対をいたすものであります。
 その他、すでに昭和三十二年度に支払われた義務教育費国庫負担金合計四十五億円等を見ても、今ごろになって補正措置を行うがごときは、政府の怠慢もはなはだしいと思います。そのために、地方自治体に迷惑をかけ、さなきだに苦しい地方財政に、ますます苦しさを加えさせる結果を招来していることは許せないことだと思います。質疑の中で明らかになりましたように、昇給原資の見方等については、抜本的な対策を立てなかったことが大きな要因となっているので、今後十分検討し、このことのないよう厳重な注意を喚起したいと思います。
 また、三公社の国庫預託金制度について一言触れておきたいと思います。御承知の通り、三公社の業務にかかる現金の取扱いは、すべて国庫に預託をする制度になっております。しかしながら、私は、この制度は、公共企業体の本旨からいたしまして、少くとも業務の取扱いにかかる経理の問題については、すべてこれを公社にまかせるのが公社法の建前だと思います。質疑の中で、幸い佐藤大蔵大臣から理解のある答弁をいただいておるのでありますが、何とぞこの点につきましては、公社法制定の精神に思いをいたされ、少くとも、自主的な現金の取扱い方ができますように、できるだけ早くその措置をとられることを強く期待する次第であります。今からでもおそくはありません。どうぞ政府、自由民主党は、われわれの要求を入れられ、本補正の修正を行い、もって国民の期待に沿うべきであることを強調して、私の反対討論を終ります。(拍手)
#7
○議長(松野鶴平君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#8
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#9
○議長(松野鶴平君) 日程第二、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案、
 日程第三、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、
 日程第四、接収貴金属等の処理に関する法律案(内閣提出)、
 日程第五、国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(衆議院送付)、
 以上四件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。大蔵委員長加藤正人君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔加藤正人君登壇、拍手〕
#11
○加藤正人君 ただいま議題になりました三法律案外一件について、大蔵委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。
 まず最初に、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 内容を申し上げますと、まず第一に、本法による災害被害者の所得税の免除または軽減は、所得額の区分によってなされることとなっており、今回、その所得限度額を引き上げようとするものであります。すなわち、所得税を免除する場合の所得限度額「二十五万円まで」とあるのを「五十万円まで」、五〇%軽減する場合の所得限度額「二十五万円から五十万円まで」とあるのを「五十万円から八十万円まで」、二五%軽減する場合の所得限度額「五十万円から八十万円まで」とあるのを「八十万円から百二十万円まで」に、それぞれ引き上げようとするものであります。第二に、本法による徴収猶予は、災害のあった日以後一年以内に納付すべき租税についてのみ認められておりますのを、給与所得者等が所得税法の規定による雑損失の繰り越し控除を認められる場合は、その認められる期間、すなわち翌年以後三年以内の各年分の所得税について、源泉徴収の猶予を受けることができるようにしようとするものであります。
 委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。質疑を終り、討論、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、合衆国軍人等による免税輸入物品の国内における転売の実情等にかんがみ、譲り受け物品に対する関税の課税の適正化をはかろうとするものであります。すなわち、駐留軍人等よりの譲り受けは、一種の国内取引でもあり、譲り受けの時が輸入の時と解されるので、その時価によることが適当と考えられ、国内における通常の取引価格から、税額、取引費用等を控除して逆算した価格を課税価格としようとするものであります。
 委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、接収貴金属等の処理に関する法律案について申し上げます。
 本案は、現在、政府が保管中の接収費金属等について、返還等の処理をなさしめるため必要な規定を設けようとするものでありまして、その要点を申し上げますと、
 第一点は、貴金属等の被接収者は、本法施行の日から五カ月以内に大蔵大臣に対し返還の請求をし、被接収者が請求しない場合は、その所有者が七カ月以内に返還請求ができることとする等、返還請求の手続を定めようとするものであります。
 第二は、この返還請求に対して、大蔵大臣が認定し、それが保管貴金属等のうちで特定する場合には、そのものを返還し、特定しない場合には、残余の貴金属等を、認定した貴金属等の種類、形状、品位及び重量のそれぞれの明確度に応じて、その個数または評価額の割合で按分して返還することにしようとするものであります。
 第三は、民間に返還される貴金属等について、連合国占領軍より引き渡されてから返還されるまでの管理費用に相当するものとして、その価額の一割を国に納付させることにしようとするものであります。
 第四は、接収貴金属等のうち、戦時中政府の委託等によって交易営団等が所有していたものは、すべて国に帰属させることとし、これらのものに対しては、その取得代金及び手数料等に相当する金額を交付することにしようとするものであります。
 第五は、認定、返還等の処理の万全を期するために、大蔵省に接収貴金属等処理審議会を、同省管財局に臨時貴金属処理部を設置しようとするものであります。
 なお、国に帰属または返還された貴金属等で、一般会計に帰属するものは、無償で貴金属特別会計の所属に移して管理することにしようとするものであります。
 接収貴金属等の処理に関する法律案は、去る第十九国会以降四たび提案されましたが、成立せず、今国会に五たび目の提案がなされたものでありまして、その間、委員会におきましては、審議を重ね、今国会におきましても、特別立法を必要とする理由、納付金一割の算出根拠、処理方法についての基本的な問題、本案とIMF及び世界銀行への増加出資の財源のための措置との関係、第十六国会衆議院行政監察特別委員会の接収解除ダイヤモンド処理要綱と本案との関係、処理後の換価処分による収入金の使途等について質疑がなされましたが、それらの詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終り、討論に入りましたところ、杉山委員より、「法案全体としては原案でもよい。しかし国民感情の緩和を考えると、政府の取り分を多くすることが適当である。そのために納付金を根拠なく引き上げることはできないが、保管の実情を見ると個別預かりと実質的に同様である等を考慮して計算すると、管理費用は二割を上回ることとなるので、この際、納付金の率を二割に引き上げるべきである」との修正意見が述べられ、さらに「接収貴金属等の処分に伴う純収入のうち、交易営団等が戦時中に回収した貴金属等の処分収入については、戦争犠牲者に対する援護等の経費に充てるよう政府において措置すること。」との附帯決議案が提出されました。次いで大矢委員より、「本案は、衆議院行政監察特別委員会の接収解除ダイヤモンド処理要綱の精神が生かされていない。政府の、接収を没収ではないとする法律解釈には異論がある。国民感情の上からも、管理費用のみを取って返還することは理解されない。その大部分を国に帰属せしめて戦争犠牲者の援護費等に充てるべきである。」との反対意見が述べられました。
 討論を終り、杉山委員提出の修正案について採決の結果、多数をもって可決され、次いで修正部分を除く原案について採決の結果、多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決定いたしました。なお、杉山委員提出の附帯決議案について採決の結果、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
    ―――――――――――――
 最後に、国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件について申し上げます。
 本件は、皇居内の路面舗床及び三年間の継続工事として新営される正倉院第二新宝庫について、皇室用財産として取得する必要があり、いずれもその価格が三百万円以上となりますので、国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めたものであります。
 委員会における審議の詳細は、会議録に譲ることを御了承を願います。質疑を終り、討論採決の結果、全会一致をもって異議がないものと議決いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#12
○議長(松野鶴平君) 接収貴金属等の処理に関する法律案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。平林剛君。
   〔平林剛君登壇、拍手〕
#13
○平林剛君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました接収貴金属等の処理に関する法律案に対し、その性格と、法律案提出の背景に幾多の疑念があることを指摘しながら、ここに断固として反対する理由を明らかにしようとするものであります。
 この法律案は、戦後、連合国占領軍によって接収された貴金属とダイヤモンドなど時価にして七百三十億円を、接収された元の所有者に公平適正に返還するとの建前で処理しようとしておるのでありますが、第一の問題は、この結果、少数の法人と個人が不当な恩恵を受けようとしている点でありまして、不公平にして不当なる措置と言わなければなりません。今日までの審査の結果、一般会計、貴金属特別会計等の接収貴金属は、一応国家に帰属することとなりますが、民間に返還される四十六億円の貴金属、ダイヤモンドは、わずか百四十八の法人と個人百九十三のふところにころがり込むのであります。しかも、ある閉鎖機関たる法人は十二億四千五百万円、三億二千万円をこえる貴金属の返還を受ける法人は三社、個人では、ある弁護士に一億六千万円を筆頭に、わずか十の法人と個人グループが三十億円以上、全体の七五%を占めておる驚くべき事実であります。しかるに、戦時中、あの「ほしがりません勝つまでは」の半強制的なかけ声によりまして、「ぜいたく品の禁止」、「戦力補強の貴金属供出」に協力した多くの国民が、涙とともにはずした金の指輪や、めがねのふち、国を愛する純真な情熱がこもる貴金属は、国家の所有となって手元に戻らないのであります。そうして、当時供出をサボッて隠匿した一部の会社や、当時非国民と言われた一部の個人だけが、不当な恩恵を受けるのでありますから、まさに当りまえの神経では断じて承認することのできない法律なのであります。(拍手)
 昭和二十七年五月、この接収貴金属の処理をめぐって、大蔵省が発表した貴金属の品質、数量がきわめて不正確であり、第十三国会に提出した政府の資料と原簿との間に重大な記載漏れがあったりいたしまして、衆議院行政監察特別委員会が調査に乗り出した結果、幾多の疑惑と黒い影が明るみに出されましたことは、今なお多くの国民が忘れ得ざる記憶となっておるのであります。この法律の第二の問題は、その未解決の疑惑と悪徳に対し、終符符を打たんとする隠れたるねらいが含まれておるという点であります。
 幾多の未解決の疑惑とは、すなわち、終戦の翌々日、軍需省は、三井信託の地下室において、十万六千五百カラット、時価四億八千万円のダイヤモンドを疎開するため、九つの魔法びんに詰めかえたところ、その詰めかえが間違いなくおさめられたか、後に接収した占領軍は数量を確認しておらないという疑問であります。中央物資活用協会でも、終戦後、その保有する貴金属とダイヤモンドの没収を免れるため、埼玉県共和村の青木理事、今日では岸内閣の国家公安委員長、自治庁長官青木正氏の家に疎開することにいたしましたが、その事実を青木参考人みずから第十三国会衆議院大蔵委員会で証言をしたのに、数日後、記憶違いがあったと取り消したことにからまる疑惑であります。また、陸軍航空本部においては、終戦時、三菱信託に保護預けしたダイヤモンドを、昭和二十年十月引き取って、四カ月の後アメリカ軍に引き渡すまでに、現物が一部消えてしまったという事件。東京第一陸軍造兵廠では、三万カラット余のダイヤモンドを一時宮内庁に移し、後、アメリカ軍に引き渡したとき、数量は二万二千カラットに変ってしまった疑問。海軍技術研究所においては、終戦時保管の約二万カラットのダイヤモンドを、指定商人加藤平吉の別宅、栃木県那須の鶏小屋の地下に埋めたところ、連合軍に掘り出されるまでに相当量が横流れしたということ。また昭和十九年の秋、皇室から御下賜のダイヤモンドの中で五個の大粒ダイヤは、宮内省に預託されておったのに、昭和二十二年調べたときは、宮内省の金庫の中でいつのまにか消えてなくなった奇怪なる事実。権威ある行政監察特別委員会報告書によるこれらの疑惑は、今日に至るまで、なぞに包まれておるのであります。しかるに、まことに不可解なことは、これらの事件と悪徳に対し、今日まで政府は、責任者の死亡、混乱時における事故、過去の問題であるとして、徹底的な追及と審査を怠り、国内で処分を受けた者はだれもいない、世にも不思議な結末となっておるのであります。岸内閣の経済企画庁長官世耕弘一議員の調査要求で発足した行政監察特別委員会も、接収貴金属の処理に関する要綱を決定したまま自然解消となっておる現在、今この法律案の成立をながめて、ひそかに祝杯をあげる黒い影は一体だれとだれでありましょう。私は、かかる不明朗な法律案は、社会正義の上からも断じて許すことはできないと思うのであります。(拍手)
 政府提案による法律案が接収貴金属の処理に関する国会の意思に違反しておることも、重大なる反対理由の一つであります。接収貴金属の処理に関する法律案が初めて議会に提出されましたのは、昭和二十八年十二月、第十九国会のことでありますが、衆議院行政監察特別委員会では、接収貴金属等の審査を行なった最終結論として五つの要綱を決定し、特別委員長報告は本会議において満場一致承認されたのであります。すなわち、接収貴金属等の処理に関する国会の意思は、一、接収解除ダイヤモンドの所有権は国家に帰属せしめること。一、国家の所有に帰したこれら物件は、適宜換価処分すること。一、換価処分による収入金をもって特別会計を設け、その資金を戦争犠牲者等のため支出すること。一、これが資金の支出については、国会議員、学識経験をもって構成する委員会を設置し、これが審議を経て政府機関をして執行せしめること。などでありまして、このための法律措置を講じ、かつ、法律によって所有権を国家に帰属させても違憲の問題は起らないと認定しておるのであります。しかるに、政府提案の法律案が、接収は没収ではない、個人の所有権は尊重されると、いつのまにか国会の意思をあざやかにすりかえたのでありまして、まことに重大なる背信行為といわなければなりません。
 接収されたダイヤモンドの所有権を国家に帰属せしめることの決定を承認した第十六国会は、その理論的根拠を次のごとく明らかにいたしました。占領軍による接収ダイヤ等の管理の実情を見ると、約三十一億六千四百万円の貴金属を略奪品として認定し、一方的にイギリス、オランダ、中華民国等に返還したことや、一部を民間に払い下げたりした行為は、占領軍が管理権以上の権利を持っていたと解さなければ説明ができないではないか。すなわち、接収とは、ダイヤ等の所有権を剥奪し得る状況において物件を管理したと解すべきである。特に、混合により、だれの所有権かわからないものは、結果として連合国の所有に帰属し、接収解除によって日本の国庫に返還したと見ることができる、との解釈に立っておるのであります。接収は没収ではないとの政府理論は、単に国会の意思に反するばかりか、一部グループの利権を擁護する幻惑的魔術であると思うのであります。政府の見解が何らかの理由によってゆがめられておることは、占領軍が貴金属等を接収した経緯によっても明らかでありまして、当時の事情を調べますと、連合国占領軍は、接収貴金属を賠償に充てるため、これを没収したと解せられるのであります。すなわち、一九四七年七月、対日貿易十六原則に関する極東委員会の決定は、「金、銀その他の貴金属及び貴石、宝石のストックで、明らかに日本の所有と立証されるものは、終局的には賠償物件として処理すべきものである」と、賠償に充当する意思を表明しているのでありまして、もし、かりに、昭和二十七年四月、接収が解除されるまでに、占領軍が賠償引当貴金属として処理しておったならば、今日の法律はあり得なかった道理になるではありませんか。
 たとえ、法律による私有権を尊重せよと、その補償と返還を迫るものがありましても、敗戦の結果、多くの日本国民が失ったものは、ただ金、銀、ダイヤモンドだけではないのであります。貴金属などは持ったことがなく、ダイヤ等に縁のない国民大衆は、赤紙一枚で戦場にかり出され、家の柱とも、金とも、ダイヤとも、かけがえのない父や夫を、中国大陸に、南太平洋に失っているのであります。戦後十四年、頼みの肉親を失って、生活の苦悩にあえぎ、今なお、涙もかわかぬ遺家族は、この法律に何を思うでありましょうか。持てる階層たる一部の会社や個人に対し接収貴金属を返す法律が正当であれば、失われた家族を返す法律を提案せよと政府に迫らざるを得ないのであります。確かにその後、接収解除がありまして、日本政府に対する貴金属移管の覚書が通告されたことは事実でありましょう。しかし、何ゆえ占領軍は、初め賠償に充てるとの対日政策を変更したのでありましょうか。この点を冷静に判断いたしますと、おのずからその帰結は明らかになると思うのであります。
 政府は、占領軍が、「敵国内といえども私有財産は没収し得ない」とのへーグ陸戦規則に従って接収解除があったと、独断的な解釈をいたしているのでありますが、当時、占領軍は、わが国が無条件降伏というポツダム宣言を採用できる立場にあったことを忘れているのではありますまいか。接収貴金属の返還措置は、その後における日本の賠償の進展、占領費の支払い、その他全般の対日関係を考慮して行われたもので、言わば、日本国民が今日までに履行した三千五百億円以上の賠償と、五千億円をこえる占領費負担の代償と解することが正当であると思うのであります。すべての接収貴金属の返還はこの犠牲の結果でありますから、これを国家に帰属せしめて、戦争犠牲者や社会保障に使うべきであるとの見解は、日本社会党の一貫した主張であり、国民大衆の当然の権利と理論であります。
 私どもは、今日まで大蔵委員会の審議を通じて、法律案の性格とその背景を追究し、法律案の矛盾を指摘して参りました。すなわち、交易営団、物資活用協会など、民間団体所有の接収貴金属は、これを国家の所有としながら、なぜ同じ民間法人と個人グループだけの所有権を認めようとするのか。特に、わずか一千万円の資本金である閉鎖機関たる法人会社が十二億四千五百万円の貴金属の返還を受ける背景には、何か隠れたる工作があるのではないか。日銀倉庫の奥深く、混合溶解して、だれの所有かわからない不特定物を、どうしてだれのものと区分できるのか。政府は、法律によって適宜按分して処理するとしておりますが、これは、法律を作れば太陽も西から上らせることができると同じ思想と、多数横暴の政治ではないか。政府与党は、最後の瞬間におきまして、法律の一部を修正して、納付金一割を二割にすること、附帯決議をもって、その一部を戦争犠牲者等のため支出することに応じて参りました。法律案が第十六国会の意思に違反しておること、その背景に幾多の疑惑があったことに対し、また、国民感情をやわらげるため、せめてもの罪滅ぼしと感じたのでありましょう。その反省に対し、私個人敬意を表するといたしましても、本質的誤まりは何ら是正されない、言いわけのような修正と附帯決議にすぎないのであります。
 政府与党は、委員会審議において、しばしば、この法律案は全く運の悪い法律案だと漏らしたこともありました。確かに第十九国会以来五年間、すでに四回にわたって審議未了、廃案となりまして、議会を通過することに難渋したのでありますが、この最大の理由は、法律案と汚職の疑いがあったからであります。今日、幾多の疑問を残したまま多数決で成立いたしましても、これを多くの国民が知るに至りまして、おそらく、一部の修正や附帯決議で、法律案に対する鋭い批判と憤激を押えることはできないと思うのであります。
 岸内閣は、今、賠償汚職の疑いや、グラマン問題をめぐる疑惑、その他金権政治の批判を浴びて、国民の信頼を失いつつあることは、御承知の通りであります。そこに、接収貴金属の処理をめぐって、その立場は違っても、因縁の浅からぬ世耕企画庁長官、青木自治庁長官を閣僚に加えた舞台装置もよろしく、私に言わせると、悪運の強い法律案がまかり通るのは、現在、地方選挙や参議院選挙を目前に控えておるだけに、国民もまた異常なる関心を寄せるでありましょう。政府が、いかに政府所有の貴金属を日銀倉庫深く死蔵するのは経済的損失だと宣伝いたしましても、民間に返還する四十六億円と抱き合せで議会通過を策した執拗な態度は、何としても理解しがたいのであります。「自粛すべし、岸内閣、おそるべし、国民の素朴なる声」であります。
 私は、政府与党の心ある議員の政治的良心に訴えまして、政府原案の法律案を深く再検討して善処せられんことを最後に強調し、反対討論を終るものであります。(拍手)
#14
○議長(松野鶴平君) 山本米治君。
   〔山本米治君登壇、拍手〕
#15
○山本米治君 ただいま議題となりました接収貴金属等の処理に関する法律案に対し、私は、自由民主党を代表して、賛成の討論を行いたいと存じます。
 委員長報告にもありましたように、この法律案は、昭和二十九年の第十九国会以来五年越しで、難航に難航を重ねた、いわくつぎの法律案であります。
 そこで、まず第一の問題は、法理論として、接収は没収でないという点であります。このような解釈は、一九〇七年に調印されましたヘーグの陸戦法規付属書第四十六条の「私有財産はこれを没収することを得ず」という規定から見ても、さらにまた、先年衆議院の行政監察特別委員会における東大教授横田博士ら学識者の見解等から見ましても明らかであります。これに対する反対論は、わが国は、ポツダム宣言の受諾によって連合国に無条件降伏し、また、平和条約第十九条によって、すべての請求権を放棄したのであるから、たとえ占領軍がヘーグの陸戦法規に違反した行為をしたといたしましても、これに異議を申し立てることはできないのみならず、また、一九四七年の極東委員会の対日貿易十六原則では、「接収貴金属は、終局的にはこれを賠償に充てる」と決定しておるから、接収は、単に占有権の移管にとどまらず、所有権の移転を含む行為であるとなしております。なるほど、ポツダム宣言を受諾し、平和条約第十九条の義務を負ったわが国といたしましては、かりに占領軍がヘーグの陸戦法規に反する行為をしても、これに異議を申し立てることはできないでありましょうが、現実問題として、占領軍は接収貴金属等を没収しないで、平和条約の発効とともに、日本政府に返還してきたのでありまして、その際の大蔵省あての覚書には、「私人所有の財産であることが判明した個々の物件は、これが返還計画を立てることを認める」と明示してきておるのであります。また、極東委員会の対日貿易十六原則は、占領軍内部の決定にとどまり、執行機関としての連合国最高司令官の意思決定ではないのでありますから、接収貴金属等が日本政府に返還された以上は、日本国憲法第二十九条の私有財産不可侵の原則にのっとって、これを元の所有者に返還するのが当然の措置であります。さらにまた、占領軍により接収された麻薬、刀剣及び住宅等につきましても、政府はこれを原所有者に返しておるのでありますから、接収貴金属等についてのみこれを没収するというのは、均衡を失する措置と言わなければならないのであります。
 かつて、昭和三十二年の第二十六国会において、一たんこの法案が衆議院を通過した際、社会党の提出した修正案は、接収貴金属等のうち特定物はそのまま被接収者に返還するが、不特定物は返還しないで、国に帰属させることといたしておるのでありますが、接収貴金属等がたまたま接収されたままの状態で現存しておれば返すが、溶解または混合等により、どの部分がだれのものか、区別のつかない状態になっておれば、これを返さないで、そうしてこれを没収するというのでは、いかにも不合理、不公平であり、論理が一貫していないのでありまして、接収事実の証拠があれば、特定物たると不特定物たるとを問わず、返還するのが当然であります。
 なお、戦時中に貴金属等の回収に当った交易営団や中央物資活用協会等は、政府機関ではなく、民間団体であるから、これらのものが接収された貴金属等を国に帰属させるならば、同じく民間の法人や個人の分も国に帰属させるのが当然だという見解もありますが、これは、戦時中の供出と戦後の接収とを混同した議論であります。すなわち、一は代価を得て売却した戦時中の供出であり、他は無償で占有権を奪われた戦後の接収でありますから、これらを同日に論ずることのできないのは当然であります。
 次に、第二の問題といたしまして、かりに法理上はその通りであるとしても、本法により、接収貴金属等の返還を受ける民間の個人または法人は、戦時中供出を怠った非国民であるか、または終戦直後の混乱時に不正不当に着服したものであるから、その返還は国民感情がこれを許さないとの意見があります。接収貴金属等の返還見込み額は、合計六百七十四億円ほどでありますが、その大部分は、政府の一般会計、特別会計及び日本銀行等の分でありまして、民間の分は約四十一億円うち、法人分三十九億円、個人分二億円であります。この民間分の中には、戦時中供出を怠ったいわゆる非国民の分、または不正所持の疑いを抱かせるものも絶無とは言えないでありましょうが、その圧倒的大部分は、貴金属売買加工業者、鉱山業者、精密機械業者、歯科医師等の営業用資材であります。また、日銀の売り戻し条件付金製品は、終戦直後すでに六割が返還されておりますので、その後占領軍によりおあずけを食った分だけを返還しないというのでは、まことに片手落ちであります。なお、衆議院の行政監察特別委員会は、主として接収ダイヤモンドの問題を審査したのでありますが、実際問題としてダイヤモンドは、接収事実の証明難等のため、大部分、国に帰属する予定でありまして、民間に返還される分は、きわめて僅少であることを指摘したいのであります。
 さらに、同じく国民感情の立場からして、世間には、その日の生活にも困る戦争被害者が、今日なおたくさんある折柄、わずか百四十八の法人と百九十三人の個人、計三百四十一の少数者に、四十一億円にも上る巨額の接収貴金属を、所有権の帰属を明らかにするとの理由をもって返還する必要はないという反対論もあります。なるほど、感情論としては一応もっともであり、戦争犠牲者等に対する援護政策の必要なことは論を待ちませんけれども、貴金属等の接収を受けたものが多く生活に困っていない、あるいはその人数が少いということからして、憲法の原則に反して所有権を没収し、その返還をしなくてもよいという理由はないのであります。むしろ、長年不安定な状態にある接収貴金属等の処理をなるべく早く片づけて、これを国家社会のために利用することこそ急務だと思うのであります。
 次に第三の問題といたしまして、ただいま平林議員は、衆議院の行政監察特別委員会は、接収ダイヤモンドについてこれを国に帰属せしむべしとの結論を出しているにかかわらず、政府原案がこれを無視しているのはけしからんと反対しております。しかしながら、実は右特別委員会の結論というのは、文面があいまいであって、しかも一応の勧告的報告にとどまり、国会の決議というようなものではありませんし、しかも、すでに述べましたように、実際問題として、ダイヤモンドほ、ほとんどすべて国に帰属する予定になっております。また、かりに一歩譲って、右特別委員会の結論が全面没収論であるといたしましても、それならば第二十六国会における社会党の修正案は、特定分だけは返すという、いわば半没収論でありますから、これまた特別委員会の結論に沿っていないと言わざるを得ないのであります。
 さらに第四の問題点といたしまして、ただいま平林君は、接収貴金属の問題は、昭和二十七年十月、衆議院の行政監察特別委員会が取り上げて以来、幾多の疑惑に包まれているとなし、この立場から本法案に釈然としない模様であります。なるほど、接収以前、特に終戦直後の混乱時代におきましては、貴金属をめぐってスキャンダルめいたことがあったのは事実でありましょう。また、占領軍の管理沖におきましても、不明朗の事件があったことは事実のようであります。しかしながら、それは本法案の作成以前の問題でありまして、少くとも接収貴金属の管理が日本国政府に移されてからは何らの不正もないのであります。思うに、前後十三回にわたり二十三名の証人を喚問して取り調べた行政監察特別委員会においてさえも立証できなかった事件、しかも、今やすでに時効にかかった問題を、今さらむし返しても益ない事柄であるのみならず、しかも、それがため、いたずらに接収貴金属等の処理をおくらすのは、策の得たものではないと思うのであります。
 これを要するに、法理論としては、接収貴金属等は、特定、不特定にかかわらず、また政府分と民間分とを問わず、原所有者に返還すべきものでありますが、前に述べましたような国民感情論も、全くこれを無視するわけには参りません。そこでわれわれといたしましては、政府原案が、民間への返還分につき管理費として徴収する納付金一割を、緑風会杉山委員の修正提案に従って二割に引き上げることに賛同し、かつ接収貴金属等の処分に伴う純収入のうち、交易営団等の分で国庫に帰属する部分については、これを戦争犠牲者の援護等に充てることを要望する附帯決議を付して、本案に賛成した次第であります。
 以上、簡単ながらこれをもって私の賛成討論を終ります。(拍手)
#16
○議長(松野鶴平君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより四件の採決をいたします。
 まず、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  「賛成者起立」
#17
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#18
○議長(松野鶴平君) 次に、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#19
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#20
○議長(松野鶴平君) 次に、接収貴金属等の処理に関する法律案全部を問題に供します。
 委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#21
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
#22
○議長(松野鶴平君) 次に、国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件を問題に供します。
 委員長報告の通り議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#23
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本件は委員長報告の通り可決せられました。
     ―――――・―――――
#24
○議長(松野鶴平君) 日程第六、北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長秋山俊一郎君。
   〔秋山俊一郎君登壇、拍手〕
#25
○秋山俊一郎君 ただいま議題になりました北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法案について、農林水産委員会における審議の経過及び結果を報告いたします。
 北海道の農業、特に畑作の現状は、一般に劣悪な自然条件のもとにあって、いまだ安定の域に達しておらないため、政府においては、このような実情と現地の要請をも考慮して、昭和三十二年度、北海道寒冷地農業について基本的な調査を行い、昭和三十三年度から北海道畑作営農改善対策要綱を定め、これらの地域の農業経営の安定措置を講じてきたのでありますが、この措置を法律制度として確立しようとするのが、この法律案が提出されるに至りました経緯とその趣旨であります。
 しかして、この法律案の骨子は概略次のようであります。すなわち、
 第一は、寒冷地畑作振興地域の指定でありまして、農林大臣は、北海道の区域内の寒冷がはなはだしい畑作地域で、所定の基準に適合するものを、北海道知事からの申請に基き、気象その他の自然的経済的条件の類似するものことに、寒冷地畑作振興地域として指定するのであります。
 第二は、営農改善資金の貸付でありまして、農林漁業金融公庫は、寒冷地畑作振興地域の区域内の農業者で知事の認定を受けた者に対し、営農改善計画に記載された改善措置を実施するために必要な資金を貸し付けることとし、しかして、その貸付条件は、政府原案では、利率は年七分以内、償還期間は据置期間を含めて二十年以内、据置期間五年以内で、それぞれ公庫が定めることになっておりましたが、衆議院において、利率は年五分五厘以内において公庫が定め、据置期間は五年とすることに修正されました。
 第三は、貸付適格者の認定でありまして、営農改善資金の貸付を受けようとする者は、所定の手続によって営農改善計画を作成して、知事の認定を受けなければならないこととし、この認定の申請は昭和三十九年三月三十一日までにすることになっており、その他、営農改善計画の作成またはその達成につき、知事の指導等について所要の規定が設けられ、さらに、衆議院の修正によって、営農改善計画の達成をはかるため、家畜の導入について国の助成措置に関する規定が加えられたのであります。
 委員会におきましては、まず、農林当局から諸般の説明を聞き、質疑に入り、振興地域指定の基準、資金貸付不適格者の救済措置、農家の負債整理と自作農維持創設資金ワクの拡大並びにこれが効率的運用、営農指導の方法、本法のような措置を他の地方の類似地域に対しても適用すること等について当局の所見がただされ、善処が求められたのでありまして、これが詳細は会議録に譲ることを御了承願いたいのであります。
 かくして質疑を終り、討論に入り、東委員から、日本社会党を代表して、法律案に賛成し、さらに、農家負債の整理と農業改良普及員の活動促進について政府の善処を要望され、また、千田委員から、法律案に賛成し、なお、北海道以外の地方の寒冷地畑作営農改善に対しても同様な措置が講ぜられるよう要望され、他に発言もなく、続いて採決の結果、この法律案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 右報告いたします。(拍手)
#26
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#27
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#28
○議長(松野鶴平君) 日程第七、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)、
 日程第八、警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)、
 以上両案を一括して議題とするととに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長館哲二君。
   〔館哲二君登壇、拍手〕
#30
○館哲二君 ただいま議題となりました法律案二件について、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案は、公職選挙法の改正及び最近における国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の施行状況にかんがみまして、国会議員の選挙等の執行について、国が負担する経費で地方に交付するものの基準を改正しようとするものであります。
 改正の内容といたしましては、第一点は、投票管理者、開票管理者、投票立会人、開票立会人、選挙立会人等の費用弁償額並びに人夫賃、嘱託手当の単価を実情に即するように引き上げようとする点であります。第二点は、昨年四月の公職選挙法の改正によって、衆議院議員の選挙における選挙運動期間が、二十五日間から二十日間に短縮されたことに伴い、選挙会経費及び事務費に不用額を生ずるので、これらの経費の基準額を改訂するのであります。第三点は、国会議員の再選挙、補欠選挙等の執行経費の額は、従来、基準額の三分の二に相当する額とされておりましたが、これは実情に即しないので、事務費についてのみ三分の二に相当する額とし、その他の経費は全額とすることに改めることなどを、その要点とするものであります。
 地方行政委員会におきましては、三月三日、青木国務大臣から提案理由の説明を聞いた後、当局との間に質疑応答を重ねて慎重に審査を行いましたが、その詳細につきましては会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 ただ、この際、右の質疑応答のうちで、地方選挙管理委員会に対する交付額が、基準総額の九五%とされている規定は、その差額は地方公共団体の財源に転嫁され、はなはだ不合理であるので、なるべく早期にこれを削除すべきであるという点について、特に論議されたことを申し加えておきます。
    ―――――――――――――
 次に、警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案でありますが、これは衆議院地方行政委員長提出にかかるものでありまして、その要点は、現行法の規定する警察官に協力援助して災害を受けたときばかりでなく、殺人、傷害、強盗、窃盗等、人の生命、身体もしくは財産に危害が及ぶ犯罪の現行犯人がおり、かつ警察官その他法令に基き当該犯罪の捜査に当るべき者がその場にいない場合に、職務によらないで、みずから当該現行犯人の逮捕もしくは被害者の援助に当った者が、そのため災害を受けたときも、これに対して都道府県が災害給付の責に任ずるものとするのであります。それとともに、現在の法律の名称が「警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律」とありますのを、「警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律」と改めようとするものであります。
 地方行政委員会におきましては、三月三日、衆議院議員纐纈彌三君から提案理由の説明を聞きました後、提案者並びに政府当局との間に質疑応答を重ねて慎重審査を行いましたが、その詳細につきましては、これまた会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 三月十二日に、以上二法律案について討論に入りましたところ、格別の発言もなく、採決の結果、いずれも全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定した次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#31
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#32
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって両案は全会一致をもって可決せられました。
    ―――――――――――――
#33
○議長(松野鶴平君) 日程第九、南方同胞援護会法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず委員長の報告を求めます。社会労働委員長久保等君。
   〔久保等君登壇、拍手〕
#34
○久保等君 ただいま議題となりました南方同胞援護会法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 まず、本法律案の概要について御説明申し上げます。
 御承知のように、南方同胞援護会は、沖縄、小笠原等の南方地域に関する諸問題の解決の促進をはかるため必要な調査研究及び啓蒙宣伝を行うとともに、同地域に居住する日本国民に対し援護を行い、もってその福祉の増進をはかることを目的として設置せられた特殊法人でありまして、現在、南方地域に関する諸問題についての調査研究及び定期刊行物等の発行、講演会等の開催その他必要な啓蒙宣伝並びに同地域に居住する日本国民に対する援護等の業務を行なっておるのであります。ところで、南方地域のほか、終戦以来、ソビエト社会主義共和国連邦により占領され、事実上その支配下にある北方の地域に関しても、調査研究、啓蒙宣伝その他の業務を行い、その解決の促進をはからなければならない諸問題がありますので、この際、南方同胞援護会法の一部を改正してこれに当らしめようとするものであります。
 改正の要点は、本法の付則に新しく「業務に関する暫定措置」として一項を加え、南方同胞援護会は、当分の間、北方の地域に関しても、同会が行なっている南方地域に関する業務と同種類の業務を行うことができることとするものであります。なお、北方の地域の範囲は、政令でこれを定めることにいたしてあります。以上がこの法律案の提案理由並びにその概要であります。
 本委員会におきましては、まず、政府委員より本法案の提案理由並びにその内容の説明を聴取した後、質疑に入り、小笠原、南千島等の諸島から本土へ引き揚げを余儀なくされた人々の帰島についての熱意、本土における生活状態、これに対する援護の状況、並びに南方同胞援護会の事業内容、経理の状況等について熱心な質疑応答がなされたのでありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 かくて質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致をもって本法律案は原案の通り可決すべきものと決定した次第であります。
 以上をもって御報告を終ります。(拍手)
#35
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#36
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#37
○議長(松野鶴平君) 日程第十、建築基準法の一部を改正する法律案、
 日程第十一、土地区画整理法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出)、
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。建設委員会理事稲浦鹿藏君。
   〔稲浦鹿藏君登壇、拍手〕
#39
○稲浦鹿藏君 ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案について、建設委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 建築基準法は、昭和二十五年に制定され、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めておるのでありますが、最近の諸技術の進歩と同法施行の実績にかんがみ、今回その一部を改正しようとするものであります。
 そのおもなる点を申し上げますと、
 第一は、防火に関する規定でありまして、防火性能のある建築物として、従来の耐火構造の建築物と木造の防火構造の建築物のほかに、新たに簡易耐火建築物の規定を設け、これによりまして、学校、劇場等の特殊建築物及び防火地域等における建築物の防火上の構造制限を整備強化しようとしたことであります。また、最近の火災の実例に徴しまして、無窓建物等の特殊建築物、地下建築物等の室内の仕上げを防火上支障がないようにしなければならないことといたしたのであります。
 第二は、道路に関する規定でありまして、現行法は、建築物の敷地が接しなければならない道路の幅員は四メートルを原則としておりますが、がけ地その他土地の状況によりやむを得ない場合には、緩和することができる道を開いたことであります。
 第三は、住居地域、工業地域等の用途地域内の建築制限についての規定で寄りまして、産業の発達と除害装置の進歩に伴い、新しく制限を必要とする業態の建築物を追加するとともに、公害の少くなった建築物については制限をはずすことにいたしております。
 第四は、建築物と敷地面積及び高さに関する規定につきまして、過小宅地が多いなどの土地の状況によりやむを得ない場合には、建築面積の敷地面積に対する割合を緩和する区域を指定できる制度を設けるとともに、建築物の高さについても、周囲の状況により緩和することができることにいたしております。
 第五は、違反建築の是正の措置についてでありまして、違反することが明らかな工事中の建築物について、緊急の必要がある場合には、聴聞等の手続を経ないで、直ちに工事の施工の停止を命ずることができる等、是正措置の強化をはかっております。
 その他、確認申請手数料の引き上げ、工作物設置についての確認申請等の手続に関する規定を整備いたしております。
 本法律案は、去る二月六日に本委員会に付託されましたが、委員会におきましては、本案の内容が技術的なものである一面、国民の利害に関する点が多いのでありますので、二回にわたり参考人の意見を聴取する等、慎重な審議を重ねて参ったのであります。質疑の内容の詳細につきましては会議録で御承知を願いたいと存じますが、そのおもなる点は、確認申請手数料引き上げについての当否、違反建築と罰則適用の実態、相隣関係における建築基準法と民法との関係についてであります。
 かくて質疑を終了、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して、田中委員から、「第六条の確認申請手数料の引上額については、最高一万円とあるのを、実体に即して二万円に修正して原案に賛成する。」との意見が述べられ、次いで岩沢委員から、自由民主党を代表して、「田中委員提案の修正案に賛成し、原案に賛成する。なお、基準法は詳細に過ぎるから、運用に弾力性を持たせるよう将来簡素化するよう要望する。」との発言がありました。
 討論を終結し、まず修正案について採決いたしましたところ、全会一致可決すべきものと決定し、次いで修正部分を除く原案について採決いたしましたところ、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、土地区画整理法の一部を改正する法律案について御報告申し上げます。
 土地区画整理法は、都市における公共施設を整備改善し、宅地の利用を増進するための所要の規定を設けておりますが、昭和三十年施行以来、四カ年の運用の実績にかんがみ、今回その一部を改正しようとするものであります。その内容のおもなる点を申し上げますと、
 第一に、宅地の立体化に関する規定の整備であります。従来も土地区画整理事業において、過小宅地を整理する場合と権利者の同意ある場合には、平面換地にかわって、耐火建築物の一部と、その建物の建っている土地の共有持分を与える立体換地の制度が認められておりましたが、今回これを拡張し、市街地の土地利用の高度化の促進及び火災防止のため必要ある場合は、一定の条件のもとにその立体換地の方式を認めようとするものであります。
 第二に、土地区画整理事業の施行により、道路、河川等の重要な公共施設の用地を造成した場合、施行者はその施設の管理者に対し、その用地取得費の範囲内で区画整理の事業費を負担させ得ることとし、その手続を定めております。
 第三は、土地区画整理事業においては、所有権以外の未登記の権利の確保のため、申告制度がとられておりますが、申告後の権利異動の届出手続につきまして、従来の当事者双方の連署による届出のほか、双方または一方からの権利異動の証明書による届出を認めることといたしております。
 第四に、私道敷のように、公共施設として使われている私有地につきまして、これにかわる公道などの公共施設が設けられる場合には、所有者に対し、金銭で清算できることといたしております。
 その他保留地の処分方法、審議会委員及び組合役員等の任期、事業計画等の修正手続、本事業と農地等の関係の調整手続、清算金の延滞金徴収手続、仮換地指定後の公共施設の予定地の管理責任等について、所要の規定を整備いたしております。
 委員会における質疑のおもなるものは、権利異動の届出に関する真の権利者の保護、立体換地の意義、委員等の任期及び資格、保留地の施行地区に対する割合及び処分の実情、清算事務の手続及び内容についてでありますが、詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して田中委員から、「土地区画整理事業における権利の申告制度は、所有権以外の未登記の権利を保護する重要な手段であるから、当事者の一方からの証明による申告及び申告後の権利異動の届出の受理に当っては、真の権利者の利益を害せざるよう慎重に処理されたい。」との希望を付して賛成意見があり、採決の結果、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#40
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。
 まず、建築基準法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決する、ことに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#41
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
#42
○議長(松野鶴平君) 次に、土地区画整理法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#43
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#44
○議長(松野鶴平君) 日程第十二、日本国憲法第八条の規定による議決案(衆議院送付)を議題といたします。
 まず委員長の報告を求めます。内閣委員長永岡光治君。
   〔永岡光治君登壇、拍手〕
#45
○永岡光治君 ただいま議題となりました日本国憲法第八条の規定による議決案につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、この議決案の趣旨を申し上げますと、皇室が財産を譲り受けることは、日本国憲法第八条の規定により国会の議決に基かなければならないことになっておりますが、皇室経済法及び皇室経済法施行法によりまして、外国交際のための儀礼上の贈答にかかる場合、その他天皇並びに皇后、皇太子、皇太子妃等、内廷にある皇族においては、一年間に、これらの方を通じて個人の譲り受けの価額の合計が百二十万円に至るまでの場合には、そのたびごとに国会の議決を要しないことになっております。御承知のように本年四月十日には皇太子明仁親王殿下の御結婚式が挙行されることに予定されておりますが、これを祝するため、国民を代表する各界等から物品が皇室に贈与されることが予想されますので、この議決案におきましては、さきに申し述べました場合以外に、特に、本年の三月二十一日から四月三十日までの間において、内閣の定める基準によりまして、皇室が皇太子明仁親王殿下の婚姻を祝するために贈与される物品を譲り受けることができることになっております。
 内閣委員会は、昨日の委員会におきまして、松野総理府総務長官、佐藤同副長官及び瓜生宮内庁次長の出席を求めまして、まず本議決案の提案の理由を聴取いたしました後、本議決案につきまして審議いたしましたが、この審議において明らかになったおもな点を申し上げますと、その第一点は、御結婚の儀式は皇室の私事とせず、国の儀式として行われることとしたこと。その第二点は、国民より贈与される場合の基準として、内閣は次のように考えているとのことでありまして、その一は、衆議院、参議院、内閣または最高裁判所の構成員がそれぞれ共同して贈与する場合、その二は、都道府県が贈与する場合、その三は、海外にある邦人の組織する団体が贈与する場合、その四は、皇室と特別の縁故のある者が贈与する場合、その五は、都道府県知事の具申に基き、宮内庁長官が特に適当と認める場合、以上の五つの場合であります。その第三点は、個人よりの贈与の申し出の場合は、都道府県知事の具申に基いて、宮内庁長官がその適否をきめること等の諸点であります。
 昨日の委員会におきまして、質疑を終り、別に討論もなく、よって直ちに本議決案を採決いたしましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと議決せられました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#46
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#47
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#48
○議長(松野鶴平君) 日程第十三、放送法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず委員長の報告を求めます。逓信委員長手島栄君。
   〔手島栄君登壇、拍手]
#49
○手島栄君 ただいま議題となりました放送法の一部を改正する法律案について、逓信委員会における審議の経過い並びに結果を御報告申し上げます。
 提案理由といたしましては、昭和二十五年、現行放送法制定以来、八年間における、放送に関する科学、技術の発達は、放送事業の急速なる発展を促し、民間放送の出現、テレビジョン放送の普及等、きわめて顕著なものがあり、今後さらに、FM放送、カラー・テレビジョン放送の登場が予想せられておりますので、これらの諸情勢に対応するため、さしあたり所要の改正を行おうというのであります。
 次に、改正案の内容のおもなる点を申し上げます。
 日本放送協会並びに一般放送事業者に対する改正の共通事項といたしましては、第一に、放送番組の編集に当っては、原則として、教養番組または教育番組並びに報道番組及び娯楽番組を設け、番組相互間の調和を保つようにしなければならないこと。第二に、放送番組編集上の適正をはかるため、諮問機関として放送番組審議機関を設置すること。ことに、日本放送協会にあっては、中央審議会及び地方審議会を設けるほか、国際放送番組審議会をも設置することとしたこと。第三に、放送番組の放送後一定期間、放送関係者がその内容を確認し得るよう必要な措置をしておかなければならないこと。第四に、郵政大臣は、業務に関し、資料の提出を求めることができることとしたこと等であります。
 日本放送協会につきましては、一般放送事業者に対し、放送番組及びその編集上必要な資料を供与することができるようにしたこと、経営委員会委員に新たに四名を増加し、これを全国を通じて選出する制度を設け、また、委員の欠格事項を若干緩和するとともに、勤務日数に応じて相当の報酬を受けることができるようにしたこと、会長を経営委員会の組織から除き、会議に出席し、意見を述べることができることとしたこと、理事及び監事を増員したこと、毎事業年度の収支予算等が、国会の閉会等やむ得ない理由によって承認を得られない場合の臨時的措置を講じたこと、放送債券の発行限度額を拡張したこと等であります。
 次に、一般放送事業者につきましては、学校向けの教育番組の放送には、学校教育の妨げになると認められる広告を含めてはならないこと、放送番組は特定の者からのみ供給を受けることとなる協定を締結してはならないこと等であります。
 逓信委員会におきましては、岸内閣総理大臣並びに郵政省及び日本放送協会各当局につき詳細綿密な質疑を行うほか、参考人の意見を聴取する等、慎重審議をいたしたのであります。
 今、質疑によって明らかになりましたおもな点を申し上げますと、今回の改正は、放送事業の現状に即応する必要最小限度にとどめ、引き続き抜本的改正を企画していること、放送番組の教育、教養、娯楽の基準は、番組審議機関の判断に待ち、運営については、あくまでも放送業者の自主性を尊重すること、経営委員会委員の全国区制は、現行の地区制のみでは必ずしも適任者を得られない場合もあるので両建としたこと、経営委員会の組織より会長を除外し、会議において意見を述べることができることとしたのは、議決機関と執行機関とを載然と分離し、おのおのの責務を明確にしたこと、学校向け教育放送には学校教育の妨げになるような広告は含められないことになるが、その広告内容については放送業者の良識に期待していること、郵政大臣が業務に関し、資料の提出を求めることができることとしたのは、単に事業運営の現状を把握することにあること、受信料制度については差し向き現状にとどめ、将来の検討に待つこと等であります。なお、詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 かくして質疑を終え、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して、森中委員より、今回の改正案が、放送事業の発達と放送番組の向上に籍口し、むしろ言論の自由を抑圧しようとするものであること、放送番組審議会の設置が強制せられ、放送番組の自主性が一段とゆがめられること、放送内容の事後措置及び資料の提出義務を規定することは、放送業者に過大の負担を課し、経営に干渉する道を開いたこと、経営委員会の委員を増員し、かつ欠格事項を緩和することは、言論統制の意図に出たものであること等の意見を述べて反対。次に、自由民主党を代表して、新谷委員より、今回の改正案は、現行放送法制定以来、科学技術の発達、商業放送の急速な発展に即応するため企図せられたものであること、特に、放送番組の向上適正化をはかるため番組審議機関を設けたこと、日本放送協会の機構中、意思決定機関と業務執行機関との権限を明らかにし、かつ協会の事業発展に応じ、執行機関の強化をはかったこと、放送債券の発行限度を高めたこと、民間放送事業の実績に即して必要な規定を設けたこと、本案に対する参考人の意見は、いずれも賛成の意向を表明せられたところを見ても世論の大勢を察知し得られること、さらに、本改正案をもって処理し得ない多くの問題を解決するため、すみやかに法体系の整備を行うこと、周波数帯の効率的利用をはかるため、国庫負担による政府、民間一体の研究態勢を実現すること等の要望を述べて、本案に賛成。次に、無所属クラブを代表して、長谷部委員より、今回の改正案は、放送番組の向上、適正化をはかったこと、日本放送協会の機構、業務及び財務を整備したこと、必要最小限度の改正であるが、現段階ではやむを得ないものであること、ただ郵政大臣が資料の提出権に名をかりて言論の自由を束縛し、業務に不当な干渉のないように要望すると述べて、本案に賛成する旨の発言がありました。
 かくて討論を終え、採決いたしましたところ、多数をもって衆議院送付案通り可決すべきものと決定した次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#50
○議長(松野鶴平君) 本案に対し討論の通告がございます。発言を許します。森中守義君。
   〔森中守義君登壇、拍手〕
#51
○森中守義君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました放送法の一部を改正する法律案に対し、強く反対の意見を表明しまうとするものであります。
 さて、この改正案の具体的な諸問題点を指摘する前に、ぜひ言及しなければならないことがあります。それは、岸内閣が提案をする諸法案のほとんどに対し、国民はひとしく直感的に危険を感じ、疑惑を持ち、警戒をし、不安を持ち続けているということであります。しかもそれは、岸内閣の存続の日数が長くなるにつれまして、きわめて顕著に増高しつつあるということであります。この国民の直感は、単に皮相な見解であったり偶発的なものではなくして、あえて直言をするならば、岸内閣の手によって作られつつあるおそるべき時代の再現に対しての国民の素朴な憂いであり、抵抗であり、かつまた岸内閣への国民の不信であると私は断ずるのであります。(拍手)何となれば、岸総理が憲法改正への強烈にしてやみがたい執着と意欲を持ち、虎視たんたんとして、その好機を作り、かつ、とらえようとするものであること、日米共同防衛体制の確立強化のためにのみ、内政、外交の諸政策が全エネルギーを集中して強行されつつあるということ、毎年度予算はそれらを保証し裏づけするための軍事予算であり、軍事予算を除けば、全く無原則、無性格、無方針であるということ、警職法、独禁法等の改正、勤評の強行、ILO批准のサボタージュ、これらをなそうとしていること、また諸法の運用が立法の精神を著しくじゅうりんをして、勝手に拡大解釈をしたり、こじつけに終始をしていること、これら岸内閣の政治路線が民主政治をゆがめ、反動的、独善独裁的であるために、国民が生活の安定を失い、あすへの希望をつなぎ得ないほどの犠牲を強要されているからであると思うのであります。
 かくして私は、かかる岸内閣の手による本改正案も、また、いかに政府が言論の抑圧統制を意図するものでないと陳弁し、釈明をいたしましても、国民は容易に釈然とするものではありません。これらの事実を立証するかのように、過日逓信委員会において、岸総理は、一まつのおくめんもなく、軍機保護法、防諜法の制定の意思とその用意があることを公言をいたしました。事実、総理がいう軍機保護法、防諜法のごときものが具体的に立法化されるとするならば、人権の侵害はもちろん、言論、報道の自由はあり得ないのであります。そこで、それらの悪法の制定に大きな望みをかける岸内閣は、そのときまでのつなぎとして、この法改正をもって補い、言論、報道の統制抑圧への一歩を踏み出したものと私は見るのであります。政府はこの法改正案の趣旨説明や質疑に答えて、近時、ラジオ、テレビの急激な発展に対処し、さらにまたこれを助長するために、必要最小限度の法改正であるとしていますが、一面、現実において、それを否定し得ない点があるといたしましても、しばしば、われわれが事実を事実として指摘して参りました通り、本法改正の動機は、昭和二十八年、第四次吉田内閣当時、NHK放送番組中に、反政府的なものがあり、大臣、国会議員を侮辱、冒涜するところがあったとして、これを取り締るために計画され、その後、出してはつぶれ、つぶれては出しして今日に至り、この間、言論、報道の自由をあくまで守り抜こうとする世論の前に、この改正の線まで後退せしめられたのであります。要するに、ラジオ、テレビの急激な発展に対処し、さらにこれを助長するという大義名分も、一皮はげば、疑いもなく、日本放送協会及び一般放送事業への政府干渉、監督権の強化、即、言論、報道の自由を侵犯するものであることは、何をか贅言を要しないところであります。
 以下、若干具体的に本改正案に対する反対理由を明らかにいたします。
 第一に指摘すべき点は、今回の改正案が、放送事業の発達をはかり、放送番組の向上をはかることが目的であるとしているのに、その配慮は遺憾ながら発見できず、逆に、放送の自主性に制約を加え、言論の自由を抑圧することに終始しているのであります。すなわち、第四十四条の放送番組の編集についてみますと、現行法においては、「協会は、放送番組の編集について、公衆の要望を満たすとともに文化水準の向上に寄与するように、最大の努力を払わなければならない」として、大局的に編集の方向を示すにとどまり、その細部にわたっては協会の自主性にまかせておりますが、この改正案に至っては、きわめて微細にわたり義務条項が列挙されております。これこそ言論統制への一つの布石であると断ずるのほかはありません。ことに同条第三項第一号では、新たに「公安」に加え、「善良な風俗」を害しないこととしたことは、電波を通じて、旧道徳、旧体制への復元を意図したものであり、治安維持と特高意識の再現を強く感得するのであります。わが国の言論と報道の歴史を知り、戦前の言論取締り諸法を知るものにとって、公序良俗なるものがいかなるものであったか、思うだに、はだ寒きをおぼえるのでありまして、国民とともにこれまた断じて容認するわけには参りません。また第四十四条の三及び六におきまして、放送事業者が、地方末端に至るまで、放送番組審議会を設置することが強制されており、表面あたかも民主的であるかのように擬装されておりますが、中央審議会の委員は多分に政府の意図を体するものと思われる経営委員会の同意を得て、会長がこれを委嘱するものでございますから、そこにはおのずから政府色の濃い一定のワクが形成されることは当然あり得ることでありまして、かかる結果が放送番組の自主性を一段とゆがめる結果と相なるのであります。さらにまた問題は、第四十四条の七において、放送内容の事後措置の規定を設けていることであります。すなわち、番組審議会の資料に供するとともに、訂正もしくは取り消しの申し出に応ずるためにという理由で、放送の内容を当該放送を三週間保存することを義務づけ、その内容及び方法を政令にゆだねているのであります。本来、電波は放送すれば消滅する性質のものであり、これが保存を義務づけること、そのこと自体が不合理である上に、録音テープ、録像フィルム等の保存は、経済的にも、技術的にも困難があると言わなければなりません。訂正もしくは取り消しのためならば、第四条に、放送後二週間以内に利害関係者から請求があった場合は、放送ができるように道が開かれております。また番組審議会の資料に供する意味ならば、現に放送事業者は、脚本や放送原稿、放送日誌を各社ごとに保存しているのが通例でありますから、現状のままで十分事足りるはずであります。今さらのように事新しく事後措置の規定を設ける必要はなく、ここにおいてもいたずらに国民の疑惑を深め、言論抑圧、統制の非難を受けてもやむを得ないと思うのであります。
 さらに日本放送協会の経営委員会につきましては、欠格条項を緩和してまで委員の数をふやし、かつ有給制に改めております。また第十三条第二項において、経営委員会の権限を「業務の運営を指導統制する」ことから、「業務の運営に関する重要事項を決定する」ことに強化いたしております。そして、その反面、第二十三条においては、会長を経営委員会の構成メンバーからはずしておりまして、日常業務の自主性を根幹において弱化せしめている点は、ゆゆしい問題であると言わなければなりません。
 以上、私は本改正案に反対である主要点を指摘して参りましたが、繰り返して申し述べました通り、政府がいかに、ラジオ、テレビの新事態に対処し、これを発展助長せしむるゆえんのものであると説きましても、その配慮はどこにも発見できず、むしろその美名に隠れ、巧妙に、着実に、周到に、日本放送協会、一般放送事業に対する政府の不当な干渉介入を強め、即、言論と報道に対する抑圧、統制への野望が歴然たる事実として断定されるのであります。私は、さきに岸内閣の手によっておそるべき時代が作られ始めでいると述べましたが、おそるべき時代を作るために、その支柱として、本改正案が、言論報道の抑圧、統制の重大な役割を果すものであります。岸内閣は誤まてる日本の歴史を繰り返そうとしております。そしてまた誤まてる日本の言論史を繰り返そうとするのであります。ちなみに、わが国近代国家形成九十年の言論史を見るとき、ただ陰惨をきわめているではありませんか。明治二年の新聞紙印行条例、出版条例の制定に始まり、その後、銘記さるべきものは、大正二年治安維持の名のもとに、シーメンス事件、シベリア出兵、米騒動に対し、報道の禁止、評論の不許可が行われました。大正十三年、放送用私設無線電話監督事務処理細則によって、放送番組に対する官憲介入の根拠が作られ、大正十四年、治安維持法の制定によって、放送番組、映画の検閲が強化され、昭和三年、治安維持法の改正によりまして、特高が設置されて、言論史は悲惨な一大転機に立ち至りました。昭和十二年、内閣情報部の設置、軍機保護法の制定によりまして、全く言論の自由は奪われ去ったのであります。しこうして、いかにしても償い得ない大東亜戦争、第二次世界大戦のあまりにも高価な犠牲によって、言論、出版、一切の表現の自由がようやくにして新憲法に基き保障されるに至りました。また、国連加盟によりまして、「報道の自由は世界の平和及び進歩を促進する真摯な努力において、緊要な要因であり、各国相互間の了解と協力とは敏活で健全な世界世論なくしては不可能であり、しかもこのような世界世論は全く報道の自由に依存するものである」とする国連報道自由会議の決議に従い、そして、その決議の保障を受くるに至ったのであります。
 ただいまここに、多数を頼む心なき自由民主党の手によりまして、本改正案は岸内閣の意図をそのままに強行成立せしめられようとしていますが、私は、そのためにやがて到来する誤まてる歴史の繰り返しを憂うるのであります。言論は、権力からはもちろん、いかなる力からも独立して自由が確保されなければならないものであります。言論の統制がかりにその意図において善意によるものであったとしても、必ずその結果において国民を不幸に陥れるのは必定であります。この法改正は明らかに言論に対するある制約を許すことであります。やがては坂から落ちる雪だるまのように、加速度的に拡大するおそれを十分予見せざるを得ません。かの治安維持法が、改正とともに、昭和三年以降、同じ法律でありながら、年とともに解釈が拡大され、数年後には自由主義に関する言論にまで及んだ事実が何よりの立証であります。岸内閣の言論統制の牙は絶えずみがかれており、この放送法の改正を一つの足場として、統制への対象は遠からず他の分野にも及ぶことをおそれるのであります。そして、岸内閣に言論統制の力がさらに強く掌握されるならば、言論機関自体も、また国民自体も、みずからの自由を守ることの困難さが倍加することになっていくことを知らねばなりません。
#52
○議長(松野鶴平君) 森中君、時間です。
#53
○森中守義君(続) それは、戦前、言論統制の必要を主張していた政治家自身が、最後には官僚とこれに結びつく勢力とによって弾圧された歴史的事実を、私はいま一度直視することが必要であろうと思います。
 私は、岸内閣がさらに強烈な言論の抑圧と統制への反動政策を強行するならば、言論の自由を守るため、ひいては民主憲法を守り抜くために、国民とともに徹底的に抗争する決意をここに表明いたしまして、本改正法案に対する反対の討論を終るものであります。(拍手)
#54
○議長(松野鶴平君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#55
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#56
○議長(松野鶴平君) 日程第十四、特許法案、
 日程第十五、特許法施行法案、
 日程第十六、実用新案法案、
 日程第十七、実用新案法施行法案、
 日程第十八、意匠法案、
 日程第十九、意匠法施行法案、
 日程第二十、商標法案、
 日程第二十一、商標法施行法案、
 日程第二十二、特許法等の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、
 日程第二十三、特許法等の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出)、
 以上十案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。商工委員会理事小幡治和君。
   〔小幡治和君登壇、拍手〕
#58
○小幡治和君 ただいま議題となりました特許法案外九件の法律案について、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、各法律案が提案されました経緯について簡単に御説明いたします。
 現行の特許法、実用新案法、意匠法及び商標法は、大正十年の改正になるものであり、その後、たびたび部分的な改正は行われましたが、基本的には依然として、もとの制度が維持されてきたわけでございます。終戦後、新しい経済情勢と技術に即応するため、米国及び英国等が特許法等の改正に着手したことにかんがみ、わが国でも特許法等の改正が問題となり、昭和二十五年に工業所有権制度改正審議会が設置され、同審議会は六年間にわたって慎重審議の末、昭和三十一年十二月に工業所有権制度の全面的改正について政府に答申を行いました。政府は、自来、この答申に基き法案の作成に当り、ようやく成案を得て、今国会に提案されて参ったのであります。
 そこで、各法律案の内容でございますが、ここでは、現行法との主要な相違点という角度から概要を御説明申し上げます。
 特許法案と現行法と異なるおもな点は、第一に、発明の新規性判断の基準として、外国で頒布された刊行物に記載されたものは特許されないものとし、第二に、原子核変換の方法により製造される物質の発明も新たに特許しない発明の中に加え、第三に、特許権の存続期間は、現行法通り原則としては出願公告の日から十五年とするが、新たな規定として、出願の日から二十年をこえることができないこととし、その延長制度を廃止したこと、第四に、特許権の範囲の確認審判をやめ、解釈を求める制度に改めたこと、第五に、無効審判請求についての除斥期間、すなわち、現行法では、特許権の安定という見地から、無効審判は権利設定の日から五年を経過した後は請求できないことになっているのでありますが、この除斥期間の大部分を廃止したこと、第六に、抗告審判を廃止して一審制としたこと、第七に、特許料を現行の約二倍としたこと等であります。
 次に、実用新案法案の現行法との主要相違点は、第一に、実用新案権の対象を型から考案に改め、第二に、特許出願と実用新案出願との間に、相互に、先願、後願の関係を審査することとし、第三に、実用新案権の存続期間は十年としますが、出願公告の日から十年を経ていない場合でも、出願の日から十五年を経過したときは終了するとしたことなどであります。
 次に意匠法案は、第一に、考案者が販売、展示等の行為をしていても、これは新規性喪失にはならないとしたこと、第二に、意匠権の存続期間を登録の日から十五年としたこと等であります。
 なお、実用新案法案、意匠法案においても、新規性判断の基準、権利侵害に関する規定、審判、料金の引き上げ等も、特許法に準じて改められております。
 次に、商標法案の現行法と異なるおもな点は、第一に、国際機関、国、地方公共団体、公益団体等を表示する著名な標章は登録されないものとしたこと、第二に、存続期間を十年に短縮したこと、ただし、更新は認めること、第三に、商標権を営業と分離して譲渡することを認め、第四に、その使用許諾を認め、第五に、防護標章制度を設け、第六に、団体標章制度の廃止を行なった等でありますが、このほか、権利侵害関係規定、審判、登録料の引き上げ等も特許法に準じて改められております。
 次に、ただいま御説明申し上げました四法案に、それぞれの施行法案がついておりまして、これは新法がおのおの昭和三十五年四月一日から施行されること並びに現行法より新法への移行に伴う所要の経過措置を定めたものであります。
 また、特許法等の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案は、新法施行に際し、必要な関係法令の改正を内容とするものであります。
 次に、特許法等の一部を改正する法律案は、新法の公布から施行までに一年ほどありますので、あらかじめ、現行法の特許料等を新法並みに値上げして、新法への円滑な移行をはかろうとするものであります。従って、本法案だけは公布後直ちに施行するものであります。
 これら十件の法律案は、参議院先議の議案でありまして、これが工業所有権制度の基本法であり、国民の権利得喪に関する重要な問題であることにかんがみ、商工委員会におきましてはきわめて慎重な審査を行なって参りました。審査の過程においては、特許行政の実情を把握するため、特許庁を視察し、あるいは多数の参考人を招いて意見を聴取する等、審査の万全を期したのであります。
 質疑の過程において問題とされたおもな点は、権利範囲の確認審判制度を廃止し、特許庁の解釈を求める制度でいくこととしたのはよいかという点、無効審判の請求がいつまでも出せることになると、特許権がなかなか安定しないのではないかということ、特許料等諸料金を値上げすることは、発明奨励等の見地から見て適当かどうか、実用新案権、意匠権の設定に関し、長年にわたって使いなれた「登録」の用語を「許可」と改めることがよいかどうか等を初め、難解なる法文の全面にわたり質疑応答があったのでございます。法案もさることながら、法律施行に当る特許庁の行政能力に関し、質疑の結果、最近、特に激増した出願に対し、特許庁の人員は、これを処理するに著しく不足すること、従って、出願されてから公告になるまでの日数がきわめて長く、特許庁には、現在、膨大な未処理の出願が滞積し、また審判もおくれていること、日本は出願件数の多いことは世界有数であるが、質的にすぐれた発明の少いこと等の事実が明らかとなり、審査の促進、審査官、審判官の待遇改善等の問題について、熱心な論議が政府当局との間に行われたのであります。特に、特許料等諸料金の値上げに関連いたしまして、特許庁の収支が、現在でも収入が支出をこえて黒字であることは、科学技術の振興、発明の奨励等の見地から、強い批判もあったのでありますが、佐藤大蔵大臣より、特許行政改善のための予算措置について十分理解と熱意をもって努力する旨の答弁があり、高碕通産大臣は、特許庁の設備の改善、人員の増加をはかり、渋滞している審査の早期完了を期する旨答弁されました。
 質疑を終り、十件を一括して討論に入りましたところ、栗山委員より、特許法案、実用新案法案、実用新案法施行法案、意匠法案、商標法案、特許法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、以上六件の法案に対する各派合議に基く修正案がそれぞれ提案せられ、趣旨説明が行われました。修正案は、お手元に全文が配布してありますので、ここではその要旨だけを簡単に申し上げます。
 修正点の第一は、実用新案法案及び意匠法案における設権処分を表わす「許可」の用語を「登録」に改めたことであります。これに伴い、各法律案を通じ「許可」の文字を「登録」と改めております。
 第二に、審判官、審査官の資格を定めることについて、政令への委任規定を置いたこと。
 第三に、特許法第七十一条の「解釈」を「判定」に改め、その手続について政令への委任規定を置いたことであります。
 第四に、特許法第九十二条により、通常実施権設定の裁定が求められた場合、その裁定が協議の相手方の利益を不当に害するものであるときには、特許庁長官は、この実施権を設定すべき旨の裁定をすることができないこととしたことであり、実用新案法案、意匠法案についても同様の修正を加えております。
 第五に、商標法案第四条中の「功労章」を削除したことであります。
 さらに、栗山委員からは、修正部分を除く原案には賛成するけれども、この中に特許料金等の引き上げがあり、現状でも特許庁では若干黒字であるのに、さらにこれを引き上げることは納得しがたいのであるが、大蔵大臣も料金改訂による歳入を特許庁の行政能力の強化等に投入する用意があるとの言明がありましたので、これを不本意ながら了承し、賛成する次第で、この言明に期待するとともに、発明意欲を高揚させながら、発明の質的向上をはかるために使ってほしいとの意見が開陳されました。
 次いで小幡委員より、十法案に対し、修正案及び修正部分を除く原案に対して賛意が表明せられ、さらに各派合議による特許法案に対する附帯決議を提案、趣旨説明が行われました。附帯決議案の内容は次の通りであります。
   特許法案に対する附帯決議案
  政府は、特許法等工業所有権に関する新法を施行するに当り、左記の諸点につき具体的実施計画を立て、必要なる経費を早急に確保し、極力その実現に努むべきである。
    記
 一、審査、審判の促進に努め、特に滞積せる未処分の出願を一掃するため画期的方途を講ずること、
 二、審査官、審判官の増員を行い、併せてその待遇を速やかに改善し、有能なる人材の確保に遺憾なきを期すること、
 三、設備、資料、備品等を充実するとともに、執務環境の改善及び執務能率の向上をはかること、
 なお小幡委員は、特許行政に関し、新法による合理化、簡素化とあわせて料金引き上げによる財源もあるので、この際、思い切った特許行政の刷新をはかるべきであるとの意見を述べられたのであります。
 討論を終り、採決の結果、まず栗山委員より趣旨説明のありました各派合議による六法案に対する修正案は、全会一致をもって可決せられ、次に、六法案の修正部分を除く原案及び残る四法案は、原案通り全会一致をもって可決されました。よって、特許法案、実用新案法案、実用新案法施行法案、意匠法案、商標法案、特許法等の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、以上六件の法律案は修正議決すべきものと、特許法施行法案、意匠法施行法案、商標法施行法案、特許法等の一部を改正する法律案、以上四件の法律案は原案通り可決すべきものと、それぞれ全会一致をもって決定せられた次第であります。
 次に、小幡委員より趣旨説明のありました附帯決議案について採決の結果、全会一致をもって、これを当委員会の決議とすることに決しました。
 なお、この際、高碕通産大臣より発言を求められ、修正の点はごもっともであり、附帯決議の趣旨を十分尊重して事務渋滞のないよう努力する旨、所信の表明がありました。
 以上をもって御報告を終ります。(拍手)
#59
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより十案の採決をいたします。
 まず、特許法案、
 実用新案法案、
 実用新案法施行法案、
 意匠法案、
 商標法案、
 特許法等の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、
 以上六案全部を問題に供します。
 委員長の報告はいずれも修正議決報告でございます。六案を委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#60
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって六案は全会一致をもって委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
#61
○議長(松野鶴平君) 次に、特許法施行法案、
 意匠法施行法案、
 商標法施行法案、
 特許法等の一部を改正する法律案、
 以上四案全部を問題に供します。四案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#62
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって四案は全会一致をもって可決せられました。
 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一 昭和三十三年度一般会計予算補正(第2号)
 一、日程第二 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案
 一、日程第三 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案
 一、日程第四 接収貴金属等の処理に関する法律案
 一、日程第五 国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件
 一、日程第六 北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法案
 一、日程第七 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案
 一、日程第八 警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案
 一、日程第九 南方同胞援護会法の一部を改正する法律案
 一、日程第十 建築基準法の一部を改正する法律案
 一、日程第十一 土地区画整理法の一部を改正する法律案
 一、日程第十二 日本国憲法第八条の規定による議決案
 一、日程第十三 放送法の一部を改正する法律案
 一、日程第十四 特許法案
 一、日程第十五 特許法施行法案
 一、日程第十六 実用新案法案
 一、日程第十七 実用新案法施行法案
 一、日程第十八 意匠法案
 一、日程第十九 意匠法施行法案
 一、日程第二十 商標法案
 一、日程第二十一 商標法施行法案
 一、日程第二十二 特許法等の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案
 一、日程第二十三 特許法等の一部を改正する法律案
ソース: 国立国会図書館
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