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1958/04/02 第31回国会 参議院 参議院会議録情報 第031回国会 本会議 第22号
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1958/04/02 第31回国会 参議院

参議院会議録情報 第031回国会 本会議 第22号

#1
第031回国会 本会議 第22号
昭和三十四年四月二日(木曜日)
   午後八時五十七分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第二十二号
  昭和三十四年四月二日
   午前十時開議
 第一 在日朝鮮人の集団帰国に関する請願(二件)
 第二 在日朝鮮人の帰国促進に関する請願(三件)
 第三 日韓漁業問題解決促進に関する請願
 第四 神奈川県鶴見川等改修工事促進に関する請願
 第五 富山県入善町用水への流砂防止対策に関する請願
 第六 砂防予算増額に関する請願
 第七 富山県黒部川若栗地先改修工事促進に関する請願
 第八 富山県黒部川水系砂防工事施行に関する請願
 第九 岐阜県養老、南濃両町地域における砂防工事促進に関する請願
 第一〇 岩手県夏川堤防工事促進に関する請願
 第一一 滋賀県瀬田川流域直轄砂防事業予算増額に関する請願
 第一二 滋賀県下の砂防事業予算増額に関する請願
 第一三 熊本県行末、友田両河川改修工事促進に関する請願
 第一四 山形県最上川改修工事促進等に関する請願
 第一五 一級国道第二十八号線改良舗装工事促進に関する請願
 第一六 二級国道山形鶴岡線道路改修工事促進に関する請願(二件)
 第一七 関門トンネルの通過料金引下げに関する請願(三件)
 第一八 二級国道石巻酒田線中古川市内舗装工事促進に関する請願
 第一九 国土開発中央自動車道建設促進に関する請願(五件)
 第二〇 二級国道一五五号名古屋富山線中古川、神岡間改修工事促進に関する請願
 第二一 道路整備五箇年計画の規模拡大等に関する請願
 第二二 茨城県境町、千葉県関宿町間利根川に境橋本橋架設の請願(二件)
 第二三 二級国道飯田浜松線中一部改修工事促進に関する請願
 第二四 国道四十一号線中岐阜県神岡町地内東茂住橋架替等に関する請願
 第二五 公営住宅予算増額に関する請願(五件)
 第二六 住宅建設促進等に関する請願
 第二七 都市不燃化促進に関する請願
 第二八 下水道事業費国庫補助増額等に関する請願(二件)
 第二九 建設業法施行令第一条改正に関する請願
 第三〇 でい酔犯罪者の保安処分法制定促進等に関する請願(七件)
 第三一 でい酔犯罪者の保安処分法制定促進に関する請願(三件)
 第三二 福岡地方裁判所小倉支部庁舎等建築促進に関する請願
 第三三 盛岡地方法務局伊保内出張所庁舎等新築に関する請願
 第三四 布施市に大阪地方裁判所支部設置の請願
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
 参事に報告させます。
   〔参事朗読〕
本日議員光村甚助君から委員会審査省略の要求書を附して左の議案を提出した。
 労働大臣倉石忠雄君問責決議案
     ―――――・―――――
#4
○議長(松野鶴平君) 小林孝平君から、賛成者を得て、「この際、労働大臣倉石忠雄君問責決議案(委員会審査省略要求事件)を議題とすることの動議」が提出されました。
 また、草葉隆圓君外五名から、賛成者を得て、「社会労働委員会において審査中の最低賃金法案について、すみやかに社会労働委員長の中間報告を求めることの動議」が提出されております。
 まず、小林孝平君提出の、「この際、労働大臣倉石忠雄君問責決議案(委員会審査省略要求事件)を議題とすることの動議」を採決いたします。
 表決は記名投票をもって行います。
 本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#5
○議長(松野鶴平君) 小幡治和君から、歩行困難のため、投票を参事に委託したいとの申し出がございました。これを許可いたします。
 投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#6
○議長(松野鶴平君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#7
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数  百四十七票
  白色票    六十二票
  青色票    八十五票
 よって小林孝平君提出の、「この際、労働大臣倉石忠雄君問責決議案(委員会審査省略要求事件)を議題とすることの動議」は否決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
 賛成者(白色票)氏名   六十二名
   小柳  勇君  森中 守義君
   鈴木  強君  坂本  昭君
   相澤 重明君  柴谷  要君
   大矢  正君  森 元治郎君
   鈴木  壽君  大河原一次君
   久保  等君  木下 友敬君
   平林  剛君  横川 正市君
   加瀬  完君  阿具根 登君
   成瀬 幡治君  安部キミ子君
   近藤 信一君  伊藤 顕道君
   矢嶋 三義君  相馬 助治君
   小笠原二三男君 江田 三郎君
   天田 勝正君  荒木正三郎君
   小林 孝平君  藤原 道子君
   清澤 俊英君  棚橋 小虎君
   吉田 法晴君  栗山 良夫君
   羽生 三七君  藤田藤太郎君
   中村 正雄君  岩間 正男君
   占部 秀男君  北村  暢君
   光村 甚助君  秋山 長造君
   岡  三郎君  田畑 金光君
   永岡 光治君  亀田 得治君
   湯山  勇君  小酒井義男君
   上條 愛一君  河合 義一君
   片岡 文重君  阿部 竹松君
   高田なほ子君  曾祢  益君
   東   隆君  松浦 清一君
   重盛 壽治君  佐多 忠隆君
   椿  繁夫君  千葉  信君
   内村 清次君  岡田 宗司君
   山田 節男君  三木 治朗君
    ━━━━━━━━━━━━━
反対者(青色票)氏名  八十五名
  佐藤 尚武君  手島  栄君
  成田 一郎君  松岡 平市君
  常岡 一郎君  西川甚五郎君
  藤野 繁雄君  谷口弥三郎君
  新谷寅三郎君  紅露 みつ君
  杉山 昌作君  田村 文吉君
  村上 義一君  石黒 忠篤君
  一松 定吉君  笹森 順造君
  仲原 善一君  松野 孝一君
  西田 信一君  堀本 宜實君
  大谷藤之介君  稲浦 鹿藏君
  吉江 勝保君  塩見 俊二君
  江藤  智君  三木與吉郎君
  雨森 常夫君  川口爲之助君
  後藤 義隆君  館  哲二君
  河野 謙三君  山本 米治君
  白井  勇君  田中 茂穂君
  有馬 英二君  苫米地英俊君
  近藤 鶴代君  小柳 牧衞君
  井上 清一君  斎藤  昇君
  小山邦太郎君  木暮武太夫君
  石坂 豊一君  植竹 春彦君
  草葉 隆圓君  高橋進太郎君
  川村 松助君  小林 英三君
  野村吉三郎君  寺尾  豊君
  平井 太郎君  松村 秀逸君
  石井  桂君  木島 虎藏君
  柴田  栄君  大沢 雄一君
  平島 敏夫君  勝俣  稔君
  中野 文門君  西岡 ハル君
  横山 フク君  土田國太郎君
  前田佳都男君  古池 信三君
  迫水 久常君  小沢久太郎君
  小幡 治和君  関根 久藏君
  野本 品吉君  秋山俊一郎君
  上原 正吉君  安井  謙君
  伊能繁次郎君  岩沢 忠恭君
  杉原 荒太君  下條 康麿君
  吉野 信次君  郡  祐一君
  津島 壽一君  堀木 鎌三君
  木村篤太郎君  泉山 三六君
  林屋亀次郎君  佐野  廣君
  高橋  衞君
     ―――――・―――――
   〔光村甚助君発言の許可を求む〕
#8
○議長(松野鶴平君) 光村君。
   〔光村甚助君登壇、拍手〕
#9
○光村甚助君 私は、労働大臣の問責決議案の提案理由を説明するつもりでしたが、ただいま皆さんが否決しました。しかし、問責決議案というものは、これは不信任案と同じだと思うのです。それをやらないということは、私はこれは重大な問題だと思います。ただいま労働大臣倉石忠雄君の問責決議案の委員会審査省略は否決されましたが、問責決議案はまだ厳然と生きております。そうしますと、問責決議案が提出されたまま倉石労働大臣の担当する最賃法案がこの会議で議題となるとすれば、きわめて不都合な事態が生ずると私は思います。議長は、その点をどうお考えになっておられますか。すなわち、倉石君が答弁等のため出席が必要となったとき、この決議案が懸案のままでは、はなはだ議事進行上の不都合があると思うが、その点、議長としての見解を明らかにされたいと思うのです。私たちは、このように倉石君を信任しないのに、ここへ出てきて、この答弁をするということは、私は納得できない。彼はいわゆる労働省の大臣である。労働省というものは労働者のサービス機関としてできたものである。それにもかかわらず、最近の労働省は資本家のサービス機関となっている。そうして彼はまた、いわゆる労働組合の弾圧者の張本人であり、労働組合の分裂者の張本人であります。私たちはこういう大臣がおる下で最賃法を審議できないと思います。こういう労働組合弾圧の張本人、ILO条約を批准しなかったり、また全逓その他の弾圧ばかりをやっているところの張本人であります。議長から、先ほど私の言ったことに対して御答弁を願いたいと思います。
#10
○議長(松野鶴平君) 光村君にお答えいたします。先刻、労働大臣倉石忠雄君問責決議案は、これを議題としないことに院議が決定いたしました。かつ不信任案でもありませんので、出席しておりましても不都合はないものと考えております。なお、第二十四回国会に先例もあります。
     ―――――・―――――
#11
○議長(松野鶴平君) 斎藤昇君外一名から、賛成者を得て、「この際、最低賃金法案につき、社会労働委員長の中間報告を求めることの動議を議題とすることの動議」が提出されました。よってこの動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場の閉鎖を命じます、氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#12
○議長(松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#13
○議長(松野鶴平君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#14
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数  百五十三票
  白色票    八十七票
  青色票    六十六票
 よって、この際、最低賃金法案につき社会労働委員長の中間報告を求めることの動議を議題とすることに決しました。
     ―――――・―――――
 賛成者(白色票)氏名 八十七名
   佐藤 尚武君  山本 利壽君
   手島  栄君  成田 一郎君
   加藤 正人君  松岡 平市君
   常岡 一郎君  西川甚五郎君
   藤野 繁雄君  谷口弥三郎君
   新谷寅三郎君  紅露 みつ君
   杉山 昌作君  田村 文吉君
   村上 義一君  石黒 忠篤君
   一松 定吉君  笹森 順造君
   仲原 善一君  松野 孝一君
  西田 信一君  堀本 宜實君
  大谷藤之介君  稲浦 鹿藏君
  吉江 勝保君  塩見 俊二君
  江藤  智君  三木與吉郎君
  雨森 常夫君  川口爲之助君
  後藤 義隆君  館  哲二君
  河野 謙三君  山本 米治君
  大谷 贇雄君  白井  勇君
  田中 茂穂君  有馬 英二君
  苫米地英俊君  近藤 鶴代君
  小柳 牧衞君  井上 清一君
  斎藤  昇君  小山邦太郎君
  木暮武太夫君  石坂 豊一君
  植竹 春彦君  草葉 隆圓君
  高橋進太郎君  川村 松助君
  小林英三君   野村吉三郎君
  寺尾  豊君  平井 太郎君
  松村秀逸君   石井  桂君
  木島 虎藏君  柴田  栄君
  大沢 雄一君  平島 敏夫君
  勝俣  稔君  中野 文門君
  西岡 ハル君  横山 フク君
  土田國太郎君  前田佳都男君
  古池 信三君  迫水 久常君
  小沢久太郎君  小幡 治和君
  関根 久藏君  野本 品吉君
  秋山俊一郎君  安井  謙君
  伊能繁次郎君  岩沢 忠恭君
  杉原 荒太君  下條 康麿君
  吉野 信次君  郡  祐一君
  津島 壽一君  堀木 鎌三君
  木村篤太郎君  泉山 三六君
  林屋亀次郎君  佐野  廣君
  高橋  衞君
    ━━━━━━━━━━━━━
 反対者(青色票)氏名  六十六名
   小柳  勇君  森中 守義君
   鈴木  強君  坂本  昭君
   相澤 重明君  柴谷  要君
   大矢 正君   森 元治郎君
   鈴木  壽君  大河原一次君
   久保  等君  木下 友敬君
   平林  剛君  横川 正市君
   加瀬  完君  阿具根 登君
   成瀬 幡治君  大倉 精一君
   安部キミ子君  近藤 信一君
   伊藤 顕道君  矢嶋 三義君
   相馬 助治君  小笠原二三男君
   江田 三郎君  天田 勝正君
   荒木正三郎君  小林 孝平君
   藤原 道子君  清澤 俊英君
   棚橋 小虎君  吉田 法晴君
   栗山 良夫君  羽生 三七君
   藤田藤太郎君  中村 正雄君
   市川 房枝君  八木 幸吉君
   岩間 正男君  占部 秀男君
   北村  暢君  光村 甚助君
   秋山 長造君  岡  三郎君
   田畑 金光君  永岡 光治君
   亀田 得治君  湯山  勇君
   小酒井義男君  松澤 兼人君
   上條 愛一君  河合 義一君
   片岡 文重君  阿部 竹松君
   高田なほ子君  曾祢  益君
   東   隆君  松浦 清一君
   重盛 壽治君  佐多 忠隆君
   椿  繁夫君  千葉  信君
   内村 清次君  岡田 宗司君
   山田 節男君  三木 治朗君
     ―――――・―――――
#15
○議長(松野鶴平君) 草葉隆圓君外三名提出の「社会労働委員会において審査中の最低賃金法案についてすみやかに社会労働委員長の中間報告を求めることの動議」を議題といたします。
 本動議に対し質疑の通告がございますが、斎藤昇君外一名から、賛成者を得て、「本動議に対する質疑、討論その他の発言時間は、一人十五分に制限することの動議」が提出されました。
 この際、この時間制限の動議について採決をいたします。表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#16
○議長(松野鶴平君) 三木治朗君、河合義一君、藤原道子君から、歩行困難のため投票を参事に委託したいとの申し出がございました。これを許可いたします。
 投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#17
○議長(松野鶴平君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#18
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数   百六十票
  白色票     九十票
  青色票     七十票
 よって中間報告を求めることの動議に対する質疑、討論その他の発言時間は、一人十五分に制限することに決しました。(拍手)
     ―――――・―――――
 賛成者(白色票)氏名   九十名
   佐藤 尚武君  山本 利壽君
   手島  栄君  成田 一郎君
   加藤 正人君  松岡 平市君
   常岡 一郎君  西川甚五郎君
   藤野 繁雄君  谷口弥三郎君
   新谷寅三郎君  紅露 みつ君
   杉山 昌作君  田村 文吉君
   村上 義一君  石黒 忠篤君
   一松 定吉君  笹森 順造君
   仲原 善一君  松野 孝一君
   西田 信一君  堀本 宜實君
   鈴木 万平君  大谷藤之介君
   稲浦 鹿藏君  吉江 勝保君
   塩見 俊二君  江藤  智君
   三木與吉郎君  雨森 常夫君
   川口爲之助君  後藤 義隆君
   館  哲二君  河野 謙三君
 山本 米治君  大谷 贇雄君
 白井  勇君  田中 茂穂君
 有馬 英二君  苫米地英俊君
 近藤 鶴代君  小柳 牧衞君
 井上 清一君  斎藤  昇君
 小山邦太郎君  木暮武太夫君
 石坂 豊市君  植竹 春彦君
 草葉 隆圓君  高橋進太郎君
 川村 松助君  小林 英三君
 重宗 雄三君  野村吉三郎君
 寺尾  豊君  平井 太郎君
 松村 秀逸君  石井  桂君
 木島 虎藏君  柴田  栄君
 大沢 雄一君  平島 敏夫君
 勝俣  稔君  中野 文門君
 西岡 ハル君  横山 フク君
 土田國太郎君  高野 一夫君
 古池 信三君  迫水 久常君
 小沢久太郎君  小幡 治和君
 関根 久藏君  野本 品吉君
 秋山俊一郎君  上原 正吉君
 安井  謙君  伊能繁次郎君
 岩沢 忠恭君  杉原 荒太君
 下條 康麿君  吉野 信次君
 郡  祐一君  津島壽一君
 堀木 鎌三君  木村篤太郎君
 泉山 三六君  林屋亀次郎君
 佐野  廣君  高橋  衞君
    ━━━━━━━━━━━━━
反対者(青色票)氏名   七十名
 小柳  勇君  森中 守義君
 鈴木  強君  坂本  昭君
 相澤 重明君  柴谷  要君   大矢  正君  森 元治郎君   鈴木  壽君  大河原一次君   久保  等君  木下 友敬君   平林  剛君  横川 正市君   加瀬  完君  阿具根 登君   成瀬 幡治君  大和 与一君   大倉 精一君  安部キミ子君
 近藤 信一君  伊藤 顕道君   矢嶋 三義君  相馬 助治君
小笠原二三男君  江田 三郎君
 天田 勝正君  荒木正三郎君
 小林 孝平君  藤原 道子君
 清澤 俊英君  棚橋 小虎君
 吉田 法晴君  栗山 良夫君
 羽生 三七君  藤田藤太郎君
 中村 正雄君  市川 房枝君
 八木 幸吉君  岩間 正男君
 占部 秀男君  北村  暢君
 高良 とみ君  光村 甚助君
 秋山 長造君  岡  三郎君
 田畑 金光君  永岡 光治君
 亀田 得治君  湯山  勇君
 小酒井義男君  松澤 兼人君
 上條 愛一君  河合 義一君
 片岡 文重君  阿部 竹松君
 島   清君  高田なほ子君
 曾   盆君  東   隆君
 松浦 清一君  重盛 壽治君
 田中  一君  佐田 忠隆君
 椿  繁夫君  千葉  信君
 内村 清次君  岡田 宗司君
 山田 節男君  三木 治朗君
     ―――――・―――――
#19
○議長(松野鶴平君) これより順次質疑を許します。秋山長造君。
   〔秋山長造君登壇、拍手〕
#20
○秋山長造君 私は、この動議の提出者に対して御質問をいたす前に、議長に対して、二、三点納得のいかない点がありますので、御質問いたしたいと思います。
 大体、本日は会期末でもなければ、また、本会議の定例日でもない。しかるに、そういうまことに奇妙な日に、夜の九時が過ぎてから、にわかに議長職権によって本会議が開かれるというようなことは、全く納得のいかないことであります。一体、この夜の九時を過ぎてから、こういう日に、議長が職権によって本会議を開かれたその理由と心境を明らかにしていただきたいと思うのであります。
 第二には、聞くところによると、議長は、一方において、久保社労委員長以下社労委員の諸君が、明日から名古屋と仙台における国民年金法案についての公聴会に出張するための許可を与えておりながら、しかも、その前日の今夜のおそくになって、明日のいつまでかかるかわからんような、こういう本会議を開かれるということは、全く矛盾もはなはだしいと思うのであります。この矛盾撞着について、議長自身の御解明が願いたいと思うのであります。
 第三は、先ほど光村君から出されました倉石労働大臣の問責決議案についての扱いであります。問責決議案というものは、倉石労働大臣に対する不信任案であります。これは、通り一ぺんの決議案として、ただ数で片づければいいという性質のものではありません。労働大臣の政治的生命にかかわるものです。従いまして、出された以上は、堂々と提案者に提案の説明をやらせ、それに対して賛否の討論をやらせて、しかる後に決をとるということであって、初めて、参議院の運営というものも、あの正常化の声明にもありました通り、公明正大に行われることが期待できると思うのであります。しかるに、先ほどのような何のことやらわからんうちに、ただ採決さえ急げばいいというようなことで、何が採決されたかわからないようなことで片づけられてしまうということは、私は、参議院の正常化を念願されて参りました松野議長のやり方としては、まことに納得がいかないのであります。この点についても議長のはっきりとした御心境の解明をお伺いしたいと思うのであります。
 そこで、この中間報告の要求の動議の提出者に対しまして、若干の御質問をいたしたいと思います。
 まず第一に、突如として本日こういう中間報告の要求動議が出された理由がわからないのであります。大体中間報告というものは、会期が押し迫って非常に周囲の空気が緊迫をした事態のもとにおいて、初めて出されているのであります。これは過去の幾多の先例がはっきりと示している。しかるに、今日ただいまの場合、いかなる理由があって、またいかなる情勢が前提になって、こういうものが出されたのか。私どもは全く理解に苦しむのであります。(拍手)三十一日に新年度の国家予算が通過成立をいたしたのであります。政府与党の皆さんは、予算さえ成立すれば、通るものさえ通れば、あとはどんなことをやっても野となれ山となれの、こういう無責任な態度であるのかどうか、はっきりさせていただきたいのであります。あとはろくろく審議を尽さないで、一気呵成にただ数をもって片づけてしまえばよろしいのかどうか、そういう態度であるのかどうかをはっきりしていただきたい。エープリル・フールという言葉がある。しかし、エープリル・フールには、まだあいきょうがあります。今回の皆さんのやり方には味もそっけもない、全くいきなり目の玉に指を突っ込むようなやり方だと思うのであります。
 さらに第二にお尋ねいたしたいのは、会期が五月二日まであることは、皆さんも御承知の通りであります。あと一カ月も会期があるのに、一体なぜそれほど事を急がなければならないのか、その理由がわからないのであります。何もこの夜中になってから暁国会などをやられる必要は、私はないと思うのです。なぜそういうことをあえておやりになるのでございましょうか。しかも、議席を見渡してみると、中間報告というような非常に重大なる手続をとってこられた自由民主党の議席がぼろぼろあいているのです。これは全く不謹慎きわまると思うのであります。これだけの非常処置をとられるならば、一人残らず数をそろえてこられたらどうでしょうか。(「怒らないでやれよ」と呼ぶ者あり)怒らざるを得んですよ、こんなむちゃなことをやられては。一体、地方選挙の応援なり、あるいは参議院選挙の準備というようなことで、十日ごろまでに何もかも片づけてしまって、あとは自然休会というような説が、しきりに政府与党の方面から流れておりますが、もしそれが事実といたしますならば、こんな国民をばかにした考え方、やり方はないと思うのです。特に、今回はわれわれの半数改選ということを控えた、いわば最後の重大な国会なんです。だから、なおさらのこと、五月二日の会期切れまで、任期満了までお互いに精励恪勤をして、そうして有終の美を全うするということによって、初めて私どもに信託されたところの国政審議の使命を十分に果すということになるということは、皆さん笑っておられるけれども、腹では納得されると思うのです。私の言うことは間違ってはおらんです。その理由についてお伺いをいたしたい。
 第三は、社会労働委員会の審議の状況についてお尋ねしたいのであります。今問題になっております最低賃金法案というものは、そもそも昨年の春の二十八国会以来三度目の提案であります。またわが社会党の出した最低賃金法案というものは、皆さんも御承知のように、二十九年の十九国会以来、ほとんど国会ごとに提案をされてきておるのであります。いずれにしても、今問題になっているところの最低賃金法案というものは、これはいわば、いわく付きの重要法案であることに間違いはないと思うのです。そういう重要法案であって、しかもその内容については、最低賃金の決定の仕方なりあるいは最低賃金審議会の性格や権限等についても、非常に問題が多いのであります。私どもは決して、最低賃金法という看板さえ通れば、看板さえできればそれでよろしい、というものではないと思います。これだけ過去においての長いいきさつのある法案であるだけに、なおさらのこと、十分に委員会においては審議を尽して、そして完璧なものをお互いの協力によって作り上げて、初めて最低賃金法案というものが日の目を見る意味があると思うのであります。(拍手)しかるに、三月の十日に社会労働委員会において政府側から提案説明が行われて、初めて審議に入ったんですが、その後、十四日、十九日、二十八日、一日、わずか四日間、しかもそれをまるまる審議はしておらんのです。聞くところによると、あの二十日、二十三日の公聴会を入れても、十時間前後の審議しかしておらぬということであります。まだ逐条質問というようなものは全然行われておらないのであります。本文が四十六条ある、付則が十カ条ある。これだけの大きな法案について、逐条質問もやらないうちにいきなり質疑打ち切りの動議を出されるというようなことは、少くとも過去においてこういう重要法案についてはあまり例のなかったことであります。特に会期末、押し迫ってからの場合と違います。一カ月からの会期をまだ余しておる今日の事態のもとに、そういう非常手段に出られるというような例は、私は寡聞にして今まで聞いておらぬ。そうではなくして、もっともっとやはり総括質問から逐条質問、さらに締めくくりの総括質問、という順序だけは踏んでいただきたいと思うのであります。結果がどうなろうとも順序だけは踏んでいただくことが、ほんとうに社会労働委員会なり、参議院全体として、この重要法案を十分慎重に審議したということになると思うのであります。そういう手続が踏まれないで、しかも社会党六人、また自由民主党三人の質問者がまだ残っておる状態のままで、質疑打ち切りの動議を出され、さらにそれがうまくいかねば、その翌日にはこういうように中間報告をやられるの動議を出されるというようなことは、全くこれは、参議院の正常なるルールを無視して、ただ結論を急ぐだけの、多数横暴の態度だと言われても、私はこれは言いわけができないと思うのであります。しかも、社会党の修正案もまた久保委員長の手元に出されておったにもかかわらず、その扱いすらもきめられないままにこういう事態に突っ込んでしまうということを、私は、はなはだ遺憾と考えるものであります。
 さらにその次には、この問題になっております最低賃金法案の内容についてであります。一体、提案者は、この内容についてどういうお考えを持っておられるのか、伺いたいのであります。およそ賃金というものは、これは労働者と使用者との対等の団体交渉によってきめられるべきものであるということは、今日世界の常識であります。しかるに、この政府のいわゆる画期的な最低賃金制度をしこうというのに、この最低賃金の決定に対して労働者の参加を全然認めないで、もっぱら、一方的に使用者と政府側とできめて、これを押しつけようということでは、最低賃金が最低賃金になりません。とんでもない食わせものという結果になってしまうのであります。第一、こういうものを素通りさせたので声、問題になっているところのILO条約二十六号の批准なんというものはできるはずはないのであります。政府自身がこの点にひっかかって動揺しているじゃありませんか。この際いさぎよく、こういう無謀なやり方を引っ込めて、そして少くともILO条約二十六号の趣旨に沿う線において、まあ諸外国に対して顔向けのできる程度の内容は盛っていくべきではないかと思うのであります。
 さらに、その次にお尋ねいたしますが、いわば、こういう事態のもとで、こういう時期に、こういうやり方で、中間報告の要求動議という重大な手段に出られたのでありますから、政府与党としても、これはよほどの決意を持って当っておられることと思う。まだあと一カ月の会期が残っております。また審議中の法律案は、防衛二法を初め、あるいは揮発油税法、国民年金法、社教法等々、四十八件がまだ残っているのであります。一体、明日からの国会運営というものを、自民党の皆さんは、提案者はどうお考えになっておるのか、お伺いしたいのであります。一体これだけ残っておるものを全部犠牲にして、全部捨ててしまっても、こういう無謀な、横暴な中間報告というものを押し通すおつもりであるのかどうか、はっきりとお伺いしたいのであります。
 さらに、最後にお伺いしたいのでありますが、一体この中間報告の要求動議というものは、国会法五十六条の三によって出されていることは明らかであります。しかし、この国会法五十六条の三の中には、中間報告を求めて、しかる後の処置については、あるいはこのまま本会議場で片づけてしまうか、それとも、また再び委員会に差し戻すかというような、幾つかの方法がうたわれているのであります。一体、提案者は、このどれをおとりになるおつもりであるか。私は提案者に伺いたいのであります。
 以上申し上げましたようないろいろな情勢を考え、また、いろいろな面を総合的に慎重に御反省をなさって、いさぎよく、この無謀な動議をこの際引っ込められたらどうかと思うのであります。そして国会運営の正常なルールに沿って、そして五月の二日まで、十分あらゆる法案について慎重審議を尽すという態度をとってほしいのであります。この点についての提案者のはっきりとした信念と御返答とをいただきたいと思う次第であります。
 以上の諸点について明確な御答弁をお願いをいたしまして、私の質問を終らしていただきます。(拍手)
#21
○議長(松野鶴平君) 秋山君に申し上げます。ただいま議題となっているのは、中間報告を求めるの動議でありまして、秋山君に対して発言を許可いたしましたのは、動議の提出者に対する質疑としての発言であります。よって、右の発言は、(発言する者多し)……秋山君の発言については、議長はお答えいたしかねます。(発言する者多く、議場騒然)
   〔草葉隆圓君登壇、拍手〕
#22
○草葉隆圓君 秋山議員の御質問にお答え申し上げます。秋山君の御質問は幾つかの項目に分れておりますから、その内容を一括してお答え申し上げたいと存じまするから、御了承をいただきたいと存じます。(発言する者多く、議場騒然)秋山君の御質問にはいろいろ傾聴に値する点が多々あるのでありまするが、第一の、提出した理由は、会期がなお五月二日まであるのに、中間で、このような時期に中間報告を求める動議の提案はおかしいではないか、会期が押し詰まったような際に初めて中間報告を求めるべきものではないかという御趣旨であったと存じます。しかし私は、国会法その他の国会関係法規において中間報告をなし得る道を開いておりますのは、必ずしも会期の切迫したというのが前提ではないと存じます。どの法案についても、委員会の審議の状況とにらみ合せて、必要があったら、国会法で定めておりまする中間報告を求めますることは当然であると考えるのであります。(拍手)
 さらに、予算が通過したから、あとはどうなってもいいという意味で中間報告を出したのではないかという点につきましては、私どもは決してさようには考えておりません。もちろん予算案も大事でございますが、今後参議院に課せられました現下の重大な使命にかんがみまして、わが自由民主党は、社会党の皆さん方の御協力をいただきながら、ともどもにあらゆる法案を十分審議して参りたいと存じておりまするから、私の心境をよく御了察を賜わりたいと存ずるのであります。
 社会労働委員会の審議の状態について、むしろ中間報告を求めるような状態ではないのではないかという御意見であったと拝承いたしました。私は、社会労働委員会におきまして、久保委員長を中心にしてやっていただいておりまする点に対し、平素から久保委員長の人格と識見に心から尊敬と敬意とを表しております。これは決して一片の口頭禅ではございません。しかし二月二十六日以来今日まで、社会労働委員会がずっと審議をして参りました状態は、秋山君すでにただいまもお話になりましたから、十分御承知と存じまするが、審議いたしました時間の総数は、十八時間三十九分と相なっております。決して審議が不十分であったとは私どもは考えないのであります。しかも、昨日の審議の状態等から考えまして、むしろ委員会でこのまま審議を続けることは適当ではないという考え方で、中間報告を求めたのでありまするから、この点よろしく御了承をいただきたいと存じます。
   〔「答弁になっていないよ」「答弁漏れがあるぞ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然〕
   〔秋山長造君発言の許可を求む〕
#23
○議長(松野鶴平君) 秋山君。
   〔秋山長造君登壇、拍手〕
#24
○秋山長造君 ただいま議長の私の質問に対する御答弁には、はなはだ不満であります。ああいう通り一ぺんの形式論をもって片づけるべき筋合いの質問ではないと思うのです。これは、参議院の将来の運営というものを左右する重大な問題ですから、議長は、あまり形式論にかかわらないで、私の質問に対して実質的なお答えを願いたいと思うのであります。この参議院の運営についての議長の政治的な所信を、この際はっきりとお答えを願いたいと思うのです。
 それから、ただいまの提出者の御答弁でありますが、私は六点について御質問をいたしておるにもかかわらず、お答えになったのはわずかに三点なんです。あとの三点について、もっと誠意をもって、はっきりとお答えを願いたいと思う。まず、答弁漏れのありました第一点は、最低賃金法案の内容についての私の質問に対しては全然お答えになっておらぬのであります。さらに第二に、四十八件に上っているところのもろもろの重要法案というものをこの中間報告にかけられるのかどうかということについても、はっきりとした答弁ができておらぬ。さらにまた、第三に、この国会法五十六条の三の第二項にあるところのこの中間報告を、(発言する者多く、議場騒然)静かに聞いて下さい。静かに聞かずにいるから、はっきりした答弁ができんのです。この中間報告が終ったあと、一体この議場で片づけようとされるのか、あるいは委員会にもう一度差し戻されて、そうして慎重審議を続けられるのか、それについてのお答えがないから、この点もはっきりとお答えを願いたい。この三点の答弁が漏れております。
#25
○議長(松野鶴平君) 議長の考えは先ほど申し上げた通りであります。
   〔草葉隆圓君登壇〕
#26
○草葉隆圓君 お答え申し上げます。
 最低賃金法案の内容について御質問がありましたが、ただいまの問題は、中間報告の要求提出についての御質疑でございますから、提出についてお答えをする範囲にとどめさしていただきます。なお、このあとには四十数件の重要法案があるのではないか、これに対してはどういうつもりかという御質問でございまするが、これは先刻お答え申し上げた通りであります。それから中間報告のあったあとは一体どうするつもりかという御質問でございまするが、これは中間報告によって態度を決すべきものだと考えております。(拍手)
     ―――――・―――――
#27
○議長(松野鶴平君) 占部秀男君。
   〔占部秀男君登壇、拍手〕
#28
○占部秀男君 私は日本社会党を代表して、この動議に対して二つの点から質問をいたしたいと思います。
 第一は、この動議の内容、性格についてでございます。ただいまわが党の同僚秋山議員から、この中間報告を求める動議を出したその理由についての質問がございました。提出者の答弁は、遺憾ながらきわめて不親切なものでございました。およそ、この種の動議を出す場合には、秋山議員も申しましたように、過去の事例を調べましても、会期がほんとうに切迫しているとか、あるいはまた、委員会がいろいろな形で議事の進行がはかれない、なぐり合いのけんかも起る、こういうようなときに、われわれは賛成はしませんけれども、自民党の方々が出してきたのであります。ところが、今度のこの動議を出した理由についてのただいまの答弁を聞きますと、何ら内容がない。俗な言葉に、「おやじはわしより年が上」という言葉があります。当りまえのことを当りまえに言っていて、しかも内容は何にも語っていない。このたとえ、この文句と、ただいまの答弁とは、全く同じことであると私は考えるのであります。およそ、こういうような中間報告を求める場合には、もっとはっきりと、円満でいかないには円満でいかないような具体的な事実があるはずです。あるいはまた、会期が切迫しているならば会期の切迫しているという事実があるはずです。この事実を親切にここで答弁するのが答弁者としての責任ではあるまいかと思う。このただいまの答弁の内容は、あまりにも無親切というよりは、横着きわまる答弁であると私は憤慨しているわけであります。(拍手)第一、秋山議員が申しましたように、会期はさらに切迫しておらない。それだのにこういうような中間報告を求むるような動議を出す。第二にはまた、議事の進行がはかれないとか、円満にこの議案を審議していくことができないので、この際、中間報告を出したというような答弁をなされておりますけれども、一体あの委員会で、議事の進行をはかれないようにしたのは、わが社会党か、自民党のあなた方であるか、ようく胸に手を当てて考えていただきたいと思う。
 私は、二月二十六日にこの法案が本院に回って以来の委員会の経過を詳しく調べました。わが社会党は涙ぐましいような(笑声)議事進行については協力をいたしておることは明らかであります。しかも草葉さんは、きのうの委員会の問題を取り上げました。私も、きのうの委員会にはおりました。あの委員会の中で、わが党の坂本議員はじゅんじゅんとしてこの法案の内容の重要性にかんがみて質疑を行なっている。それだのに、他人の質疑のまん中で、自民党の田西議員は、自民党の田西じゃないさかさまだ。これは西田議員であります。(笑声)自民党の西田議員は、議事進行、議事進行と、あたかもこの議事を妨害するような態度に出たことは、われわれでなく、傍聴者一般の人がすでに知っておるところであります。これに反して、わが党の議員の態度はどうであったか。あの口の悪い光村甚助君のごときも、昨日は、あの議事を妨害するとも見られる西田君の議事進行に対して、場内の秩序を守り、議事の進行をはかるために、これをセーブしよう、セーブしょうと、汗だくになっていたではありませんか。坂本議員のごときは、被生活保護者と最低賃金法との関連について、真摯な、しかも筋の通った質問を続けておりました。小柳勇君のごときは、さすがに官公労の議長をやっただけあって、労働問題についてのうんちくを傾けて、われわれでさえも、うっとりするほどのりっぱな質問をしておるのであります。藤田藤太郎君のごときは、からだは大きいけれども、やさしい京都弁で、しかも低姿勢で、こうじゃおへんか、というような形で、非常に筋の通った質問をいたしております。この一カ月有余にわたるわが党の質問戦の過程を調べてみるならば、この最低賃金法案が労働者に及ぼす重大な影響を考えて、むしろ低姿勢でこの質疑に当り、議事の進行をはかってきたのであります。しかるに、わが党があたかも議事の妨害をしたようなことを言うことは、非常な言いがかりであると私は断ぜざるを得ないのであります。(拍手)およそ委員会における質疑は、疑いをただすと書いてある。わが党は疑いをただすために堂々と理論的に進んでいる。しかるに西田君のごときは、人の質問の最中に、委員長、委員長、議事進行、議事進行と、議事を妨害している。どっちが一体この委員会の議事の進行を妨害しておったか。天下の国民はみんなこれを知っております。そういうような議事の引き延ばしのようなことをすることなく、この法律案をもっとよく審議して、これを検討をすることができるようにはからうことが、多数党としてのあなた方の当然の責任であると思うのでありますが、かような議事の進行を今後も妨害するようなことをする、そうした態度でこの中間報告を求むる動議を出されたかどうかをお伺いいたしたい。さらに、この動議を出された理由であるところの、繰り返し繰り返し審議をしたというその事実を明らかにされたいし、さらには、将来への見通しに立って円満な議事がはかれないという、そうした理由が生ずるところの事実について御質問をいたしたいのであります。
 第二の点は、この動議を出したという建前に立って、自民党のこの法律案に対する扱い方の基本的な方針についてお伺いをいたしたいと思います。言うまでもなく、この法律案は、わが国の全労働者の生活、そして労働者の今後の動向に決定的な影響を及ぼす重大法案であることは言うまでもございません。かかるがゆえに、事の性格からいたしまして、政府はむしろ労働者側と話し合いを重ね、納得のいった上で立法化をすることが正しい行き方であると同時に、国会においては誠意をもって十分な審議を尽させることが、責任ある政府としてのとるべき態度であると同時に、その政府の与党としての自民党のとるべき方向であると私は考えるのであります。しかるに、この中間報告の動議を出しこれが成立をする、そのあとはどうなるか……多数で押してくることは明らかでございます。ここで私は、同じ保守党でも英国の保守党の場合を思い出さずにはいられないのであります。ちょうど六、七年前にイギリスにおける炭鉱労働者の給与引き上げの争議がございました。あすに実力行使を控えて、TUCのチューソン氏と労働大臣との交渉が決裂をいたしたことがございました。当時の総理大臣であったチャーチル氏は、この決裂の報を聞いて、みずから交渉の場にかけつけて、チューソン氏と三時間にわたって白熱的な交渉をして、その結果、妥結をし、この争議を解決したことがございました。チャーチル首相のこの労働者に対する誠意、虚心たんかいに話し合って事をおさめようとするこの努力、これこそがこの実力行使を回避させたのでございます。しかるにわが日本の実情を見ますと、労働代表であるという名だけで、総理大臣も、ここにいる倉石さんも、交渉をするどころの騒ぎではなく、会うことさえしぶしぶしているこの現状、この現状と比べて、同じ保守党でもイギリスと日本の場合ではお月様とスッポンの違いがあると、しみじみと感じたのであります。(拍手)この中間報告の動議が成立した後に多数決で一挙に立法化することはできましょう。しかし、わが国の全労働者は、そうした政府の態度に対して憤激を高める一方であると私は考えます。本来、労働者の保護立法であるべきこの法律の立法化が、逆に労使の対立、階級対立に油を注ぐ結果となることは、火を見るよりも明らかであります。
 そこで、私は提案者に御相談があるわけです。その御相談は、質問でございますけれども、チャーチル首相の例に待つまでもなく、自民党としては、この際、政府に対して、もっと労働者側と誠意をもって話し合いをさせるようにする、国会における審議も虚心たんかいに審議を尽させる、こういう方向に政府を指導していくことが、新しい時代における保守政党のいくべき道であると私は考えるのであります。従って、提案者は、私の今申し上げたような方向にいく意思はあるかないか。この二つの点についてお尋ねをいたします。(拍手)
   〔草葉隆圓君登壇、拍手〕
#29
○草葉隆圓君 占部君のまことに御熱心な御質問に対しましては衷心より敬意を表します。
 第一の点は、その提案の内容、性格、そういう点に論及されまして、提案者はまことに横着ではないかというおしかりをいただきましたが、私は心から誠意をもって申し上げておるつもりでございまするから、不十分な点がありまするならお許しをいただきたいと思います。
 内容は、むしろわかりきった当りまえのことを言っておるのではないか、例をおとりになりましてのお話でございましたが、私は、当りまえのことを申し上げて、当りまえとして中間報告をお願いを申し上げておるのであります。議事を妨害したから中間報告を出したのではないかというような御質疑がございましたが、決してこれは、自民党も社会党も、両方とも社会労働委員会では議事を妨害されたというようなことは、私は見受けておりませんから、この点は御了承を得たい。従って、今後の審議の見通しが不十分であるから中間報告の要求をしたのであろうという意味の御質問、その通りでございます。そういう意味におきまして提案いたしました。
 また、扱い方の基本方針について、労働者に重大な影響があるから、十分慎重に審議をすべきである。━━私どももさように考えながら従来審議を進めて参ったのであります。そこで、日本の保守党も、英国を例におとりになりまして、今後労働者と十分手を取り合いながら、日本の労働並びに労働政策、労働者の福祉に寄与するようにという意味の御質問であったと存じます。全く私どもも同感に考えておりますから、よろしく御了承をいただきたい。(拍手)
#30
○議長(松野鶴平君) 斎藤昇君外一名から、成規の賛成者を得て、質疑終局の動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#31
○議長(松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#32
○議長(松野鶴平君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#33
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数  百五十七票
  白色票    九十一票
  青色票    六十六票
 よって質疑は終局することに決しました。
     ―――――・―――――
賛成者(白色票)氏名  九十一名
   佐藤 尚武君  山本 利壽君
   手島  栄君  成田 一郎君
   加藤 正人君  松平勇雄君
   松岡 平市君  常岡 一郎君
   西川甚五郎君  藤野 繁雄君
   谷口弥三郎君  新谷寅三郎君
   紅露みつ君   杉山昌作君
   田村 文吉君  村上 義一君
   石黒 忠篤君  一松 定吉君
   笹森 順造君  仲原 善一君
   松野 孝一君  西田 信一君   堀本 宜実君  鈴木 万平君   大谷藤之介君  稲浦 鹿藏君   吉江 勝保君  塩見俊二君
   江藤  智君  三木與吉郎君   雨森 常夫君  川口爲之助君
  後藤 義隆君  館  哲二君
  河野 謙三君  山本米治君
  大谷 贇雄君  白井  勇君
  田中 茂穂君  有馬 英二君
  近藤 鶴代君  小柳 牧衞君
  井上 清一君  斎藤  昇君
  小山邦太郎君  木暮武太夫君
  石坂 豊一君  植竹 春彦君
  草葉 隆圓君  高橋進太郎君
  川村 松助君  黒川 武雄君
  小林 英三君  重宗 雄三君
  野村吉三郎君  苫米地義三君
  寺尾  豊君  平井 太郎君
  松村秀逸君   石井  桂君
  木島虎藏君   柴田  栄君 
  大沢 雄一君  平島敏夫君
  勝俣  稔君  中野 文門君
  西岡 ハル君  横山 フク君
  土田國太郎君  前田佳都男君
  高野 一夫君  古池 信三君
  小沢久太郎君  関根 久藏君
  野本 品吉君  秋山俊一郎君
  上原 正吉君  安井  謙君
  伊能繁次郎君  岩沢 忠恭君
  杉原 荒太君  下條 康麿君
  吉野 信次君  郡  祐一君
  津島壽一君  堀木鎌三君
  木村篤太郎君  泉山 三六君
  林屋亀次郎君  佐野  廣君
  高橋  衞君
    ━━━━━━━━━━━━━
反対者(青色票)氏名  六十六名
  小柳  勇君  森中 守義君
  鈴木  強君  坂本  昭君
  相澤 重明君  柴谷  要君
  大矢  正君  森 元治郎君
   鈴木  壽君  久保  等君
   六下 友敬君  平林  剛君
   横川 正市君  加瀬  完君
   阿具根 登君  成瀬 幡治君
   大和 与一君  大倉 精一君
   安部キミ子君  近藤信一君
   伊藤 顕道君  矢嶋 三義君
   相馬 助治君  小笠原二三男君
   江田 三郎君  天田 勝正君
   荒太正三郎君  小林 孝平君
   藤原 道子君  清澤 俊英君
   棚橋 小虎君  吉田 法晴君
   栗山 良夫君  羽生 三七君
   藤田藤太郎君  中村 正雄君
   市川 房枝君  占部 秀男君
   北村  暢君  光村甚助君
   秋山 長造君  岡  三郎君
   永岡 光治君  亀田 得治君
   湯山  勇君  小酒井義男君
   戸叶  武君  松澤兼人君
   上條 愛一君  片岡 文重君
   阿部竹松君   島 清君
   高田なほ子君  曾祢  益君
   東   隆君  松浦清一君
   重盛壽治君   田中 一君
   佐多忠隆君   椿  繁夫君
   千葉  信君  内村清次君
   岡田 宗司君  山田 節男君
   赤松 常子君  三木 治朗君
     ―――――・―――――
#34
○議長(松野鶴平君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。松澤兼人君。
   〔松澤兼人君登壇、拍手〕
#35
○松澤兼人君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となっております最低賃金法案に対する社会労働委員長の中間報告を求める動議に反対の意を表明するものであります。(拍手)
 昨年、警職法改悪に際しては、自民党は、その保守反動性の馬脚を現わし、社会党と世論の反撃にあって、ついに成立を断念せざるを得ない醜状を暴露したのであります。その後、半歳を出でずして、またここに最低賃金法案の委員会審議を打ち切り、本会議において成立せしめようとする強引な態度をもって現われたのであります。何とかは焼かなきゃ直らないということわざのごとく、骨髄に達した自民党の保守反動性は、再び正常な国会ルールに挑戦してきたのであります。われわれは、立憲政治の国会審議を擁護する立場から、かかる暴挙に対して断じて屈服することはできないのであります。以下、数点にわたって反対の理由を明らかにせんとするものであります。
 第一の反対点は、最低賃金法案の社会労働委員会における審議の状況から見て、なお慎重審議を要すると認められる点であります。御承知のように、最賃法は二十八国会におきまして審議未了、三十国会再び審議未了となり、今国会に提出されたのでありますが、提案は昨年の十二月十日でありましたが、参議院に本付託となりましたのは本年の二月二十六日であり、提案理由の説明があったのは三月十日であります。自来、最賃法案に関する委員会審議は昨日までで六回行われたのみでありまして、委員長の手元に質問通告されておりますものは、社会党委員の全員、自民党斎藤昇君、勝俣稔君、松岡平市君があり、緑風会の常岡一郎君も質問が残っているということであります。斎藤君のごときは、委員会における質疑通告を委員長の手元まで出しておきながら、昨日は質疑打ち切りに加わり、本日はまた、中間報告を求める動議の提案者または賛成者となるということは、一体どういうことであるか、その心境をわれわれは疑いたいのであります。自民党の諸君も、この法案の重要性にかんがみ、慎重に審議しようとして委員長まで質疑の通告を出したのでありましょう。中間報告を求めて議院の会議で審議するより、むしろ委員会において、これらの諸君の希望の通り十分なる審議をせしめることが、まことに適当であると思うのであります。その意味におきまして、斎藤君そのほかの諸君は、委員会において十分なる審議をいたしたいという、そういう気持から委員長に質疑の通告をしたものであると思うのであります。われわれといたしましては、この委員会における審議の状況が、かような状態であるとすれば、まことに委員の諸君には御苦労でありますけれども、納得のいく委員会の審議をやっていただくことが、最も妥当と信ずるのであります。しかも政府提案の最賃法案ばかりでなく、社会党は、また社会党独自の法案を出しているのであります。この二つのものを相互に比較検討して、もし自民党の諸君が考えるように、自民党の政府案がいいということであるならば、審議を尽して初めてそういう結論に到達すべきであって、社会党の提案しておりますものを何ら審議しないで、がむしゃらに政府原案を通過せしめようというところに、われわれとしては納得のいかないところがあるのであります。
 反対の第二点は、参議院において、最近、中間報告を求める強引な方法が連続して強行されているという点であります。すなわち、中間報告を求める動議が成立し、議院の審議によって法案が成立いたしました事例は、二十八年に参議院で一回、二十九年参議院において一回、三十一年には、衆議院で
 一回、参議院で二回、三十三年には参議院において二回となっているのであります。これをもって見ましても、衆議院においては一回だけでありまして、参議院におきましては、会期末、法案が殺到するという理由もありますけれども、三十一年二回、三十二年二回というようなふうに、ほとんど年中行事のごとき様相を示しているのであります。委員会における審議は、おおむね質問するのは社会党の委員だけでありまして、自民党の諸君は、長時間にわたる慎重審議はめんどうくさいから、中間報告による方が時間も短かくて済むかもしれない。そんな簡単にものごとを片づけてしまうということでありますならば、果して現在国会法の中で規定してありますところの、この民主的な常任委員会制度というものはどうなるかということを、われわれは強調せざるを得ないのであります。明らかに、かかる強引な方法は、自民党の総裁である岸総理の性格にもよるのでありましょう。岸総理が権道政治家であるということは、自民党の中の有力者さえこれを認めているのであります。中間報告を求めて本会議で議決する方法も、また権道政治といわなければなりません。この方法が毎年連続して一回ないしは二回も使われるということになるならば、先ほど申しましたように、国会法は、あってなきがごとく、常任委員会制度も、あってなきものといわなければならないのであります。
 反対の第三の理由は、憲法及び国会法における参議院の地位及びそのあり方の問題であります。衆議院において、かりに、かような中間報告を求めて、本会議において議決する方法がとられたといたしましても、参議院がこれと同様な異常な方法で採決を強行するということは、参議院の性格、独自性から見て、妥当でないといわざるを得ないのであります。よくいわれておりまするように、参議院の良識というものが、もし健在であるとするならば、われわれはかかる権道的な方法は避けて、どこまでも正常なルールでものごとをきめていくということが必要であると考えるのであります。もし他院においてそういうことが行われても、せめて参議院だけは正規のルールに従って慎重審議をすべきであるという意見は、単にわれわればかりでなく、国民もまた同じような意見を持っていることでありましょう。われわれは、かかる意味から申しまして、もしも参議院がその独自性を失い、異常な手続のみによって強行するということをして、しかも反省がなく、これを連続して行うということになりますならば、国民は二院制の意味についてあるいは疑惑を持つのではないかと考えるのであります。(拍手)参議院が参議院自体の存在を否定するということは、かかる強行的な方法によって一挙にして多数政党の思いを遂げるということから生ずるものであると考えるのであります。これはとりもなおさず国会構成の上から考えてみてファッショに通ずる道でありまして、われわれはどこまでも、参議院の独自の性格とその良識の保持ということから考え、正常のルールに差し戻すべきものであるということを考えるのであります。
 第三は、中間報告を求める条件としての必要性あるいは緊急性の問題であります。中間報告に関しましては、国会法五十六条の三に規定するところであります。これを求めるのは特に必要のあるときであり、議院の会議において審議する条件は、特に緊急を要すると認められるときであります。通常国会は改選議員の任期の終了する五月二日まであるということは、だれも知っていることであります。どこに緊急性を認めることができましょうか。正当な道を堂々と進まず間道のみを行こうとするのは、すねにきずを持つ者のやることであります。強引な手続によって法案の成立を強行することは、みずから立法者の権威を失墜するものであり、法律に対する国民の信頼性をそこなうこと、まことに大なるものがあります。法律が、このような正規の審議手続を省略した一方的な方法で成立している事実を、国民が知ったならば、順法精神をいかに鼓吹されても、法律を信用することはできなくなることはむしろ当然であります。法律は作りさえすればいいというものではありません。審議に際しましては正常な方法で慎重審議を尽すことが法律の生命である、といわなければなりません。(拍手)
 最後に、上に述べたようなかような理由によって、私どもは反対の意思を表明するものであります。かくのごとく中間報告を求め、これを本会議において議決しようとすることは、明らかに異例に属することであります。正規のルールをじゅうりんするものであって、われわれは断じて承知はできません。もし議長が、自民党のかかる暴挙に対して、公平中正に事を処理するならば、かかる事態を避け得られたことはもちろんであります。われわれとしましてこの点まことに遺憾に存ずるのであります。議長は、昭和三十一年、これまた中間報告を求める動議の採決あるいは本会議の議決に際しましては、警察官の導入をしてまで自民党の強引な方法を認められたのであります。こういう強引な方法は繰り返すべきではありません。私どもは、どこまでも、松野議長を政界の先輩として、個人的に多くの人々によって尊敬されているその人が、党人として党議に徹するために、参議院の独自性の保持、良識と矜持の上から見て、これをじゅうりんするということは、まことに遺憾であると考えるのであります。もちろん政党政治の今日、われわれとしましては党の規律に服するということはもちろんであります。しかし参議院は、二院制の上から、その独自の機能権限を果すためには、議長自身が、両党の対立紛糾に際して、むしろ調整的な役割を演じてもらうことがさらに大切であります。警職法の事後処理として、両党の間に申し合わされまして、衆議院正副議長が、りっぱな党人でありながら党籍を離脱した意義は、かかる点にあったと思うのであります。われわれは、議長個人の出処進退に注文をつける考えは毛頭ありません。しかし、議長は公人であります。いずれにも偏しない公平なる立場から、議院の正常な運営をはかり、秩序の保持と議事の整理をなさることは当然の責務と申さなければなりません。われわれは、議長に対する所懐を披瀝いたしまして、議長の善処を要請するとともに、もって反対討論を終ることといたします。(拍手)
    ━━━━━━━━━━━━━
#36
○議長(松野鶴平君) 湯山勇君。
   〔湯山勇君登壇、拍手〕
#37
○湯山勇君 私は、日本社会党を代表いたしまして、重ねて、ただいま提案されました中間報告を求める動議に反対の意を表するものでございます。ただいま同僚の松澤議員から、この動議の不当な点について明快な反対の意見が述べられたのでございますが、私は別な観点から反対の理由を幾つかあげて述べたいと思うのでございます。
 その一つは、この法律案の中間報告を求めて、これを議院の会議において採決するようなやり方は、明らかにこれは、労使関係の安定を阻害し、さらに社会経済の混乱を招くものでございます。このことは、私が申し上げるだけではなくて、この法律の提案者である政府自身が、きわめて明快に述べているところでございます。すなわち、政府は、本法提案の理由の説明において、その結びのところにこう述べております。「いかに大きな意義を有する最低賃金制が実施されたとしましも、法制定の趣旨が十分認識されず、本制度があやまって運用される場合には、労使関係の安定が阻害されるのみならず、社会経済の混乱を招くことにもなるのであります。」、これが倉石労働大臣の説明であります。「政府といたしましては、本制度に対する労使の深い理解と絶大なる協力を期待するとともに、広く国民一般の支援を求め、これが円滑なる運営をはかりたいと存じている次第であります。」、こう述べているのでございます。この本法制定の趣旨の認識ということは、外で説明することでもなければ、こういうふうに中間報告などを求めて強引に法案を上げる態度ではなくて、委員会において質疑を尽し、審査を尽すことが、これが第一であると思うのでございます。(拍手)それを今、十分な審査を行うことなく、審査の尽されていない段階において中間報告を求めるということでございますから、これは明らかに、この政府のいう提案理由に述べられている、本法に対する十分な認識を妨害することであります。それによって本制度の円滑な運営を妨げることであります。そうなりますと、たとえこの法律が通過いたしまして、この制度が実施されたといたしましても、法律の趣旨は十分認識されず、制度の運用に万全が期せられないのでございますから、政府みずからが認めている通り、これは労使関係の安定を阻害することであると同時に、さらに社会経済の混乱を招くものであります。政府は、私が今申しましたような観点に立てば、また提案理由ではっきり述べておるあのことが正しいとすれば、自民党に対して、こういうことをやってもらったのでは、将来、法の運営ができない、経済の混乱を招く、労使関係の円満な運営ができなくなる、こういうことから、今のような暴挙を阻止することに政府は全力を尽すべきであると思うのでございます。にもかかわらず、あえてただいまのような動議によって法の成立のみをはかるということになれば、それは労使関係を悪化させ、日本経済を混乱させるものとして、断じて許すことのできないことであります。ことにこのような暴挙に出ておいて、しかも労使の深い理解と絶大な協力をお願いする、こういうことを述べているのは、あまりにも虫のよすぎる話であると思います。もし十分な労使双方の理解と協力が得られなければ本法の運営ができないというのであれば、ただいま出されておる中間報告の動議のごときは、最低賃金制度破壊の動議であると言わなければなりません。これが反対の第一の理由でございます。
 次に、本法提案の理由に述べられてありますことは、適正賃金の最低額をきめることによって、労働条件の改善、労働者の生活の安定、労働力の質的向上をはかるというのでございます。これらの基本的な考え方に関する限りにおいては、政府も自民党も、われわれ社会党も、何らの対立もないのであります。今日までにいろいろこの議場において中間報告を求められた法律がございますけれども、それらについては、多くの場合、基本的に根本的な対立状態があったと思うのでございます。しかしながら、今回の最低賃金法案はそれらとは若干趣きを異にして、差異はありましても、対立はないと言えるのでございます。もし今、自民党にいたしましても、政府にいたしましても、審査を尽して、質疑を尽して、この共通の基盤をもとにして話し合いを続けていったならば、必ずしも合意の点に到達する可能性なしとしないのでございます。私どもは、国会の正常化をはかるためにも、参議院の権威と良識を発揮するためにも、そのために審議を尽し、話し合いをすることに最善の努力を払うべきであると思うのでございます。政治的解決というのは、およそ、そういうものであって、もし院の正常な運営を願うならば、議長みずからもまた、この点に最善を尽すべきであると思うのでございます。しかるに今、このように中間報告を求めるというがごときは、このような暴挙に出たことは、今、私が申し上げましたような基本線、すなわち、この法律の認識に欠けるところがあるのではないか。あるいはまた、最低賃金制を実施する誠意に欠けているのではないか。あるいは、もっと悪く考えるならば、国会ことをさらに混乱させ、国会の正常化を阻害しようとして、あえて共通の場を破壊しようとしている。こう断言せざるを得ないのでございます。私は、このようなやり方については、院の良識と名誉のために、断じて許すことのできない点だと思う次第でございます。これが反対の第二の理由であります。
 第三には、国会法の運用について申し上げたいのでございます。国会法第五十六条の三において、中間報告を求めることができる条件は、特に必要がある場合と限定されております。ことに、中間報告を求めたあとで、院の会議で審議することができる場合は、特に緊急を要する場合に限られておることは、ただいま松澤議員からも御指摘のあった通りでございます。ところが、先刻の秋山議員、占部議員の質問に対する御答弁によりましても、私は、残念ながら、国会法にいう、特に必要ある場合という必要性も、特に緊急を要する場合という緊急性も、どうしてもこれを認めることができないのでございます。
 その理由は、日本がILOに加盟したのは一九一九年でありまして、今から約四十年前でございます。このILOにおいて、最低賃金の条約ができて、これを加入各国に勧告したのは一九二八年、約三十年前でございます。日本が加入した後のことでございますから、当然日本は、このときから最低賃金制の準備にかかるべきでありますが、一向そういう動きはなかったのでございます。さらに、戦後におきましても、労働基準法が制定されましたのは昭和二十二年、その労働基準法の第二十八条以下には、はっきり最低賃金制が規定されているのでございます。ところが、昭和二十二年にできた労働基準法の最低賃金制は、そのまま、まる十年間放置されまして、やっと政府が、曲りなりにも、今日のようないいかげんな最低賃金法を国会に出したのは二十八国会、昭和三十二年、労働基準法に最低賃金がうたわれて十年の後でございます。そうして二十八国会は審議未了となり、さらに三十三年、昨年の三十国会にもまた審議未了となっておるのでございます。つまり、国会に提案されてからでも、すでに二カ年の年月が経過しております。法律に規定されて十カ年、国会に提案されて二カ年間も、そのまま通過しないで来たものを、今、まだ会期を一カ月余した今日、急に、火のついたように中間報告を求めるというのは、一体どういうことであるか、私は、了解に苦しむものであります。(拍手)この経緯から考えてみまして、どこに一体、国会法に規定された特別な必要性、特別な緊急性があるのでございましなうか。こういう法律に対して、今、中間報告を求めるというのは、明らかに国会法の乱用であり、国会法の精神をじゅうりんしたものと言わなければなりません。先にも自民党は、委員会で提案理由の説明のあったばかりの法律を、審査中のものとして中間報告を求めたことがございます。これは明らかに、その後の検討によりましても、国会法及び参議院規則に抵触する疑いがあります。かくのごとく、国会法をじゅうりんし、国会の権威をそこなうようなやり方は、院の権威のためにも絶対承服できない点でございます。これが反対の理由の第三でございます。
 以上三つの理由をあげまして、私は本提案に絶対の反対を表するものでございますが、どうか良識ある参議院の名誉のためにも、お互いの国会法を守っていくためにも、皆さんのこの動議に対する反対を心から期待いたしまして、私の討論を終ります。(拍手)
#38
○議長(松野鶴平君) 斎藤昇君外一名から、成規の賛成者を得て、討論終局の動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#39
○議長(松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#40
○議長(松野鶴平君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#41
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数  百五十五票
  白色票     九十票
  青色票    六十五票
 よって討論は終局することに決しました。
     ―――――・―――――
 賛成者(白色票)氏名   九十名
   佐藤 尚武君  山本 利壽君
   手島  栄君  加藤 正人君
   松平 勇雄君  松岡 平市君
   常岡 一郎君  西川甚五郎君
   藤野 繁雄君  谷口弥三郎君
   新谷寅三郎君  紅露 みつ君
   杉山 昌作君  田村 文吉君
   村上 義一君  石黒 忠篤君
   笹森 順造君  仲原 善一君
   松野 孝一君  西田 信一君
   堀本 宜実君  鈴木 万平君
   大谷藤之介君  稲浦 鹿藏君
   吉江 勝保君  塩見 俊二君
   江藤  智君  三木與吉郎君
   雨森 常夫君  川口爲之助君
   後藤 義隆君  館  哲二君
   河野 謙三君  山本 米治君
   大谷 贇雄君  白井  勇君
   田中 茂穂君  有馬 英二君
   苫米地英俊君  近藤 鶴代君
   小柳 牧衞君  井上 清一君
   斎藤  昇君  小山邦太郎君
   木暮武太夫君  石坂 豊一君
   植竹 春彦君  草葉 隆圓君
   高橋進太郎君  川村 松助君
   黒川 武雄君  小林 英三君
   重宗 雄三君  野村吉三郎君
   寺尾  豊君  平井 太郎君
   松村 秀逸君  石井  桂君
   木島 虎藏君  柴田  栄君
   大沢 雄一君  平島 敏夫君
   勝俣  稔君  中野 文門君
   西岡 ハル君  横山 フク君
   土田國太郎君  前田佳都男君
   高野 一夫君  古池 信三君
   迫水 久常君  小沢久太郎君
   関根 久藏君  野本 品吉君
   秋山俊一郎君  上原 正吉君
   安井  謙君  伊能繁次郎君
   岩沢 忠恭君  杉原 荒太君
   下條 康麿君  吉野 信次君
   郡  祐一君  津島 壽一君
   堀木 鎌三君  木村篤太郎君
   泉山 三六君  林屋亀次郎君
   佐野  廣君  高橋  衞君
    ―――――――――――――
反対者(青色票)氏名  六十五名
   小柳  勇君  鈴木  強君
   坂本  昭君  相澤 重明君
   柴谷  要君  大矢  正君
   森本 治郎君  鈴木  壽君
   久保  等君  木下 友敬君
   平林  剛君  横川 正市君
   加瀬  完君  阿具根 登君
   成瀬 幡治君  大和 与一君
   大倉 精一君  安部キミ子君
   近藤 信一君  伊藤 顕一君
   矢嶋 三義君  相馬 助治君
  小笠原二三男君  江田 三郎君
   天田 勝正君  荒木正三郎君
   小林 孝平君  藤原 道子君
   清澤 俊英君  棚橋 小虎君
   吉田 法晴君  栗山 良夫君
   羽生 三七君  藤田藤太郎君
   中村 正雄君  市川 房枝君
   占部 秀男君  北村  暢君
   光村 甚助君  秋山 長造君
   岡  三郎君  田畑 金光君
   永岡 光治君  亀田 得治君
   湯山  勇君  小酒井義男君
   戸叶  武君  松澤 兼人君
   上條 愛一君  河合 義一君
   片岡 文重君  阿部 竹松君
   島   清君  高田なほ子君
   曾祢  益君  東   隆君
   松浦 清一君  重盛 壽治君
   田中  一君  佐多 忠隆君
   椿  繁夫君  内村 清次君
   岡田 宗司君  山田 節男君
   赤松 常子君
     ―――――・―――――
#42
○議長(松野鶴平君) これより草葉隆圓君外五名提出の中間報告を求めることの動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御霊票を願います。議場の閉鎖を命じます。
 氏名点呼を行います
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#43
○議長(松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#44
○議長(松野鶴平君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#45
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数  百五十七票
  白色票     九十票
  青色票    六十七票
 よって、社会労働委員会において審査中の最低賃金法案について、すみやかに社会労働委員長の中間報告を求めることに決しました。
     ―――――・―――――
 賛成者(白色票)氏名   九十名
   佐藤 尚武君  山本 利壽君
   手島  栄君  加藤 正人君
   松平 勇雄君  松岡 平市君
   常岡 一郎君  西川甚五郎君
   藤野 繁雄君  谷口弥三郎君
   新谷寅三郎君  紅露 みつ君
   杉山 昌作君  田村 文吉君
   村上 義一君  石黒 忠篤君
   笹森 順造君  仲原 善一君
   松野 孝一君  西田信一君
   堀本 宜実君  鈴木 万平君
   大谷藤之介君  稲浦 鹿藏君
   吉江 勝保君  塩見 俊二君
   江藤  智君  三木與吉郎君
   雨森 常夫君  川口爲之助君
   後藤 義隆君  館  哲二君
   河野 謙三君  山本 米治君
   大谷 贇雄君  白井  勇君
   田中茂穂君   有馬 英二君
   苫米地英俊君  近藤 鶴代君
   小柳 牧衞君  井上 清一君
   斎藤  昇君  小山邦太郎君
   木暮武太夫君  石坂 豊一君
   植竹 春彦君  草葉 隆圓君
   高橋進太郎君  川村 松助君
   黒川 武雄君  小林 英三君
  重宗 雄三君  野村吉三郎君
  寺尾  豊君  平井 太郎君
  松村秀逸君   石井  桂君
  木島 虎藏君  柴田  栄君
  大沢 雄一君  中島 敏夫君
  勝俣  稔君  中野 文門君
  西岡 ハル君  横山 フク君
  土田國太郎君  前田佳都男君
  高野 一夫君  古池 信三君
  迫水 久常君  小沢久太郎君
  関根 久藏君  野本 品吉君
  秋山俊一郎君  上原 正吉君
  安井  謙君  伊能繁次郎君
  岩沢 忠恭君  杉原 荒太君
  下條 康麿君  吉野 信次君
  郡祐一君    津島壽一君
  堀木 鎌三君  木村篤太郎君
  泉山 三六君  林屋亀次郎君
  佐野  廣君  高橋  衞君
    ━━━━━━━━━━━━━
反対者(青色票)氏名  六十七名
  小柳  男君  森中 守義君
  鈴木  強君  坂本  昭君
  相澤 重明君  柴谷  要君
  大矢  正君  森 元治郎君
  鈴木  壽君  久保  等君
  木下 友敬君  平林  剛君
  横川 正市君  加瀬  完君
  阿具根 登君  成瀬 幡治君
  大和 与一君  大倉 精一君
  安部キミ子君  近藤 信一君
  伊藤 顕道君  矢嶋 三義君
  相馬 助治君  小笠原二三男君
  江田 三郎君  天田 勝正君
  荒太正三郎君  小林 孝平君
  藤原 道子君  清澤 俊英君
  棚橋 小虎君  吉田 法晴君
  栗山 良夫君  羽生 三七君
  藤田藤太郎君  中村 正雄君
  市川 房枝君  占部 秀男君
  北村  暢君  光村 甚助君
  秋山 長造君  岡  三郎君
  田畑 金光君  永岡 光治君
  亀田 得治君  湯山  勇君
  小酒井義男君  戸叶  武君
  松澤 兼人君  上條 愛一君
  河合義一君 片岡文重君
  阿部竹松君  島 清君
  高田なほ子君  曾祢  益君
  東   隆君  松浦清一君
  重盛 壽治君  田中  一君
  佐多 忠隆君  椿  繁夫君
  千葉  信君  内村 清次君
  岡田 宗司君  山田 節男君
  赤松 常子君
     ―――――・―――――
#46
○議長(松野鶴平君) 江田三郎君から、議事進行に関し発言の通告がありました。この際、発言を許可いたします。江田三郎君。
   〔江田三郎君登壇、拍手〕
#47
○江田三郎君 来る三月三十一日付をもちまして、社会労働委員長久保等君から、議長あてに委員派遣承認要求書が出ております。この内容は、目的は、国民年金法案について地方における利害関係者び学識者の意見を聴取し、同法案の審査に資する。派遣委員は、第一班、柴田栄、木下友敬、竹中恒夫。第二班、谷口弥三郎、坂本昭、田村文吉の諸君でございます。派遣地は、第一班愛知県、第二班宮城県。期間は、第一班は昭和三十四年四月三日から四月五日まで三日間。第二班は昭和三十四年四月三日から四月五日まで三日間。こういう派遣要求書に対しまして、同日付をもって議長はこれを承認されております。そこで、私は議事進行上重大な疑義を持つものでありまして、おそらく職権をもって本日の会議を開かれました議長は、同じく職権をもって、いわゆる暁の国会を召集されるのではないかと思います。もしそういうことになりますというと、これら六名の諸君は、四月三日から派遣の承認を受けておるのでありまして、これらの諸君は、理論上、暁の国会、四月三日の国会には参加できないことになるのでございます。この点については、私だけでなしに、他の諸君も疑義を持たれまして、すでに議運委員会におきまして、わが党の阿部理事から、このことについて法制局長の意見を求めたわけでございますが、議院運営委員長は、どういうことか、これに回答を与えることなくして散会しておられるのであります。さらにまた、秋山長造君は、先ほどこの壇上から質問いたしまして、議長に、この点についての疑義をただしたのでございますが、議長はお答えはございません。問題は未解決になっておるのであります。そこで私は、先ほど議院運営委員会の直後、運営委員長にお会いいたしまして、あの取扱いに不満を申し上げると同時に、運営委員長の見解を聞いてみたのでございます。ところが運営委員長は、そういうことは理事の懇談会でも緑風会の杉山君から問題にされたが、しかし、会議は果して四月三日まで続くか四月二日で終るかわからないので、それ以上論議をしなかったというお答えでありました。もうすでに四月二日はあとわずかでございまして、当然四月三日になるわけです。そうすると、これは、議院運営委員長のお答えからいたしましても、当然もう一度この問題を検討しなければならないのでございます。あるいは、汽車はあるから、あすの晩の夜汽車でも行けばいい、こういうお答えがあるかもしれません。しかし、私は、そういうことは国会の審議を放棄するものであると申し上げ、また同時に、国民を侮辱するものだと言わざるを得ないのであります。(拍手)すなわち、もし本日、夜通しの国会をやりまして、そうして、あくる日の三日の夜行で出かけるというようなことをいたしまして、一体、四日の公聴会で何を聞く力があるかということであります。田村文吉君のごとき御老人もおられる。そういう点は、弱いとか強いとかということでなくて、こういうことは常識からしておかしいのであります。私は、この点について議長は一体どうお考えになっているのか、明確にしていただきたいと思います。あるいは議長は、事務総長が起草するところのきわめて事務的なお答えを読み上げられるのかもしれませんが、私が想像いたしますというと、おそらくそのお答えの内容は、かようなことは前例がある、こういうお答えをするのじゃないかと思います。しかしながら私は、もしこういうことの前例があるならば、前例をはっきり出していただきたいと思います。すなわち、なぜならば、これは非常に重大なことでありまして、中間報告という異例な措置がとられる場合であります。しかも、この派遣者の中を見ますというと、柴田栄君は自民党の中心理事でございます。木下友敬君は社会党の中心理事でございます。田村文吉君は理事ではございませんが、社会労働委員会の審議の状況を見ておりますと、理事の常岡君がしばしば欠席をされまして、田村君が一人すわっておられる場合が多いのでありまして、そう見ていきますと、この派遣者の中には、自民党、社会党、緑風会それぞれの理事あるいはそれと同等の職務を執行する諸君がおられるのであります。こういうような諸君を抜きにして、一体、審議していいのかどうか、私は疑問に思うのでありまして、先ほど草葉隆圓君の答弁を聞いておりますというと、中間報告を聞いて、どう処理をするかということは、聞いた上できめるのだということであります。中間報告を聞いた上でその処置をきめるということになりますと、各党派の社会労働委員会における中心になる諸君を抜ける条件のもとにおいて、一体、意見をきめていいかどうか、これは重大な疑問でございます。私は、そういう点からいたしまして、ただ三日の本会議にたまたま議員が派遣されておったというような条件と、今回の場合は実質的に相当違うわけでありまして、従ってもし、議長が前例ありというような答弁をされるのでございますならば、具体的に、今回の場合に匹敵するような具体的な事例があるかどうかということを明確にしていただきませんと、私はお答えにはならないと思うのであります。私はこの際、そういう意味におきまして、議長のお答えを聞くと同時に、願わくは議長が、この問題について、各会派の代表を集めて御相談をされるよう処理していただきたいということをお願いしておきます。(拍手)
#48
○議長(松野鶴平君) 江田君にお答えいたします。必要に応じ、本会議と併行して委員会活動ができることは、本院規則第三十七条の認めているところであります。委員会活動の一種である委員派遣についてもまた同様と考えます。本会議開会中に当該委員の派遣がなされましたり、委員派遣中に本会議が開かれますことは、必ずしも好ましいことではありませんが、先例もあり、やむを得ないことと存じます。
 本日はこれにて延会いたします。
 次会は明日午前零時三十分より開会いたします。(発言する者多し)
 議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後十一時三十八分散会
     ―――――・―――――
本日の会議に付した案件
 一、この際労働大臣倉石忠男君問責決議案(委員会審査省略要求事件)を議題とすることの動議
 一、この際最低賃金法案につき社会労働委員長の中間報告を求めることの動議を議題とすることの動議
 一、社会労働委員会において審査中の最低賃金法案について速かに社会労働委員長の中間報告を求めることの動議
ソース: 国立国会図書館
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