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1958/12/20 第31回国会 参議院 参議院会議録情報 第031回国会 農林水産委員会 第4号
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1958/12/20 第31回国会 参議院

参議院会議録情報 第031回国会 農林水産委員会 第4号

#1
第031回国会 農林水産委員会 第4号
昭和三十三年十二月二十日(土曜日)
   午前十時三十九分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月十九日委員本多市郎君辞任につ
き、その補欠として仲原善一君を議長
において指名した。
本日委員重政庸徳君及び横川信夫君辞
任につき、その補欠として重宗雄三君
及び黒川武雄君を議長において指名し
た。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     関根 久藏君
   理事
           秋山俊一郎君
           堀本 宜実君
           東   隆君
           清澤 俊英君
   委員
           青山 正一君
           雨森 常夫君
           黒川 武雄君
           重宗 雄三君
           田中 茂穂君
           仲原 善一君
           堀  末治君
           棚橋 小虎君
           千田  正君
  政府委員
   農林政務次官  高橋  衛君
   農林省蚕糸局長 大澤  融君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  参考人
   全国養蚕農業協
   同組合連合会参
   事       梶原 東一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査の件
 (農林漁業と水質汚濁防止に関する
 件)
○繭糸価格の安定に関する臨時措置法
 の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(関根久藏君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
 農林水産政策に関する調査として、農林漁業と水質汚濁防止の件を議題といたします。この件について青山委員から発言が求められております。
#3
○青山正一君 水質汚濁防止は久しく当委員会において大きな関心を払って参ったところでありまして、今回ようやく関係法律案の提案を見るに至ったのでありますが、これら法律案の執行に遺憾なからしめ、これが効果を十分ならしめるとともに、さらにその不備を改めるため、商工委員会に次のような申し入れを行うことを提案し、皆さんの御賛成をお願いいたします。申入案を朗読いたします。
 公共用水域の水質の保全に関する法律案及び工場排水等の規制に関する法律案に関する申入
  目下貴委員会においてご審査中の本件両法律案に関し、これが成立の場合においては、その運用に遺憾なからしめ、なお残された問題については今後の整備改善を期し、以て常に汚濁水の脅威にさらされ極めて弱体なわが国農水産業の保護育成に資するため、特に左記事項について格段のご配意を得たく、等委員会の総意を以てお願い致します。

 一、水質保全に関する行政機構及び試験研究機関を整備充実して水質の保全に万全を期すとともに、仲介員の指定を厳正にし損害の賠償又は救済に遺漏なからしめること。
 二、船舶の廃油による水質汚濁防止に対し本件両法律案の適用については、十二月十九日の連合審査会における三木経済企画庁長官の言明を確認してその取扱いに遺憾なからしめること。
 以上であります。
 なお、各会派におかれましては、それぞれの商工会議員のお話し合いの上、申し入れの趣旨の付帯決議が行われること、これが実現について強力な御推進を切望いたします。
#4
○委員長(関根久藏君) ただいま青山委員の御提案を当委員会の決定とすることに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(関根久藏君) 御異議はないものと認め、そのように決定し、商工委員長に申し入れることにいたします。
 ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#6
○委員長(関根久藏君) 速記を始めて。
 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この法律案は、昨十九日衆議院を通過し、本院に送付、即日当委員会に付託されました。この法律案については、十六日の委員会において提案理由の説明を聞きましたので、本日はまず法律案の内容その他について補足説明を求めます。なお説明は簡潔に願います。
#7
○政府委員(大澤融君) 特に私から補足説明を申し上げるほどのこともないと思いますが、お配りしました資料、一つは繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案関係資料、提出しました法律案と法律案要綱、それから新旧対照表、それから関係条文というようなものを添えております。
 それからもう一つは、蚕糸業の現状に関する資料、これも特に私から申し上げることもないのでありますが、最初のページには年次別の生糸の需給の数、それから三十三年に入りまして十一月までの実績、それから国別の輸出状況、また生糸乾繭の保管会社によります買い入れ状況、それから最近の生糸の価格の推移、そういった統計等を示してあります。ごらんになっていただけばおわかりと思います。
 それからもう一つは、繭糸価格安定に関する今度の法律改正をいたしました場合に、法律案にあります一万一千二百五十トンを幾らで買い上げるかということが政令で定まるわけでありますが、その政令の案をお配りしてございます。
 私からお話し申し上げることはこの程度でございます。
#8
○委員長(関根久藏君) ただいまから審査に入ります。まず、質疑を行います。御質疑の向きは御質疑を願います。
 なお、参考人として全国養蚕農業協同組合連合会参事梶原東一君の出席をわずらわしております。御足労をいただきましてありがとうございました。
#9
○清澤俊英君 三百万貫の繭の買い入れに対しまして、御案内の通り政府が買い入れることになっておりますが、売り人はだれ……個人の養蚕家から買い上げるのか、あるいは協同組合……法案から参りますれば協同組合から買い入れる。これは協同組合が各単協を中心にしてお買い上げになるのか、もしくは全養連と契約をしてお買い上げになるのか、その点を明らかにしてもらいたい。
#10
○政府委員(大澤融君) 私ども春繭のときにたな上げいたしました繭の処分と同じように全養連と一括して保管会社が契約し、保管会社からさらに特別会計が買い取る、こういう形であります。
#11
○清澤俊英君 それでは全養連の梶原さんにお伺いいたします。この繭は全養連で一括して売ります場合に、単協を中心にしての支払い勘定で売買せられるのか。単協との取引勘定はどういうことになりますか、おわかりありませんか。
#12
○参考人(梶原東一君) 大体わかっております。
#13
○清澤俊英君 これを全養連がまとめて売られるのか。それなら大体千二百円というものが保証せられて買い上げられると、これに実費が加えられて買い上げられる。それから千二百円は繭代金として、それを買い上げた単協に対して千二百円をお払いになるのか、こういうことになりますか。
#14
○参考人(梶原東一君) これは府県でいろいろ事情が違うと思います。と申しますのは、私の方では組合から単協に県養連を通じて契約をずっと上の方へ結んできております。それから県連から私の方に来ておりますから、県連に対して、私の方としては政府買い上げの保管会社から出た金を渡すわけであります。そうしますと、検定成績で受け渡しの値打というものははっきりいたしておりますから、これは単協の個人別まではっきりわかります。けれども、あるいは県によりましては御承知の通り競争で糸価が多少安くなっておりますから、それでプール計算をするようなところもあるようであります。あるいはそのまま乾繭保管をしたものに、個人々々にそれが行くものもあるようでありますけれども、それからプール計算をしていくようなものもあるようでございます。府県によって違うようであります。
#15
○清澤俊英君 非常に私も混乱しますから、お伺いしたことだけ一つやっていただきたいと思います。
 そうしますと、県養連との関係において支払いをする、それから県養連から単協へいく、それで単協から、個人でやるか、プールをやるか、これはわからぬ。こういう御趣旨なんですか。
#16
○参考人(梶原東一君) その通りでございます。
#17
○清澤俊英君 今大体、繭価協定等がぼつぼつできているといいますが、どのくらいの数量できておりますか。
#18
○参考人(梶原東一君) 現在のところ、できておりますのは、府県にいたしまして約半分ぐらい。産繭家の多いところで、群馬なんかがまだできておりませんが、あとは大体できておりまするが、数量にいたしますと、パーセンテージにして、七割程度くらいが全夏秋蚕のうちでできているのではないか、こう思っております。
#19
○清澤俊英君 それは大体幾らくらいの繭価協定になっておりますか。支払いを済ましておりますか。
#20
○参考人(梶原東一君) これも各県まちまちでございますが、最高で千二百円というのが福島に一件ございます。それから、その次が長野が千百五十円、それから、安いところで、千百円からちょっと引っ込んだところもございます。まだ全部わかっておりません。
#21
○清澤俊英君 そこで、私は、非常に問題になりますのは、たまたま乾繭の装置を有して、そうしてこれが乾繭の買い上げ対象になったところは、千二百円を個々の農民がもらえる。その他のものは、千百五十円もしくは千百円、もしくは千百円を欠けた範囲のものでこれはもらう、こういうことになりますと、非常に、一つの繭価安定という建前から考えてみますというと、非常に不公平なものができる、この点はどうお考えになりますか。
#22
○参考人(梶原東一君) それは、おっしゃる通りでございます。非常に不公平なものができて参ります。初め、この前の臨時国会で、この案が早く通りまして、そうしてこの措置が行われたならば、大体千二百円程度に、十六万円程度に糸価が回復しかけておりましたから、千二百円でいけると思っておりました。ところが、御承知のように、前国会で審議未了になりましたし、この措置がおくれましたために、糸価はぐんぐん下げております。従いまして、今の糸価からいいますと、どうしても千二百円の確保が困難なような状態でございますので、お説のような不公平があるわけであります。
#23
○清澤俊英君 そこで、この前梶原さんにお伺いしたとき、乾繭を完了した、自家乾繭と称されるものは、二百八十数万貫と、こうおっしゃったわけですね。そうすると、大体におきまして、政府買い上げに、これが通りますれば、あなたの方で売りつけていく数量は、その範囲なんですか。まだ、その際に、梶原さんの御説明によると、この二百八十万貫自体が、全部が自家乾繭できないものもある、こういうことですか。そうして大体、申し合せ乾繭とでもいいますか、いわゆる契約乾繭を大体が全部しておるのだ、こうなりますと、私の考え方では、三百万貫全部は対象として買い上げていただけるのだ、売りつけになるのだ、こう考えますが、その点はどうですか。
#24
○参考人(梶原東一君) 今のところ、大体、私ども、二百八、九十万という数字は確保できると思っています。それで、この法律が通りますれば、三百万貫ぎりぎりのところまで持っていきたい、片っ方は千二百円ぐらいですし、片っ方は千百幾らという程度ですから、できるだけこの恩典に浴するように、三百万の線に達するように持っていきたい。かように努力したいと思っております。
#25
○清澤俊英君 そうなりますと、非常に乾繭装置を持った県と持たない県とでは農民の所得の上に不均衡ができるのではないか、従って、養連としては特別契約による乾繭をしたという建前ならば、生産量をもって均分したる県別の買い上げというようなことも考えられると思いますけれども、そういう点はどうお考えになっておりますか。
#26
○参考人(梶原東一君) おっしゃる通りの状況でございますが、三百万貫の中には、乾繭設備を持っていなくても製糸との間に委託乾繭を行い、もちろん金融的措置は系統機関で行なっております。信連から金を出してもらいまして、そうしてただ乾繭保管を製糸に委託したという、これは純然として政府買い上げの資格があるものでございますから、そんな関係で、要するに農協自身が持っている乾繭設備の有無にはかかわらないと思います。しかし、おっしゃるように、そういった問題はだいぶございます。これをどういうふうに調整していくかということは、非常に問題であります。いろいろ研究してみます。
#27
○清澤俊英君 私の言っているのは、乾繭設備が二百八十万貫だというが、この前あなたにお伺いしているのであります。おっしゃる通りなんであります。全部が乾繭の形をとっているのだ、従って、これをお分けになるときは、各県別に公平にお分けになるのかどうか、こういうことをお伺いしているのであります。
#28
○参考人(梶原東一君) それは各県と打ち合せまして、そうしてどの程度のものが実際に政府買い上げの適格のものとして持ってこれるかということでこの数字を積み上げたわけであります。その場合に出てきた数字が三百万貫近いものになっておりますから、全国に普遍的な数字は出ておりません。従いまして、おっしゃるようなことがあると思います。
#29
○清澤俊英君 その数字もらえませんですか、参考資料として、あらかじめその点を、あったらほしいということを申し上げておったのですが、連絡ついておりませんでしたか。
#30
○参考人(梶原東一君) それは、これが通りますれば正確な数字が出ると思いますから、今国会で通りますれば、すぐに数字をまとめてお手元へ差し出すようにいたします。
#31
○清澤俊英君 あなたのお考えとしては、いろいろめんどうもあろうが、養連で全部取りまとめて一応政府契約をしまして、それは全養連でやるのだ、従って、県養連に対しましては、その数字のうち、実際の問題をいろいろ考えてみて、そうして公平な分布が、総生産量等を中心として行われることが、私は一番公平なやり方ではないか、こう思いますが、そういう御考慮があるのでありますか、どうですか。
#32
○参考人(梶原東一君) 先生のおっしゃるのは、三百万貫というものは千二百円なんだから、これを全国大体公平に三百万貫の恩典に浴するような方法をとれ、その方法があるかどうかということなんでございますね。それは望ましいことなんですが、現在の状態では、漏れなくそういう公平にやるということはむずかしいのじゃないかと思います。というのは、府県から、私の方は三百万貫のうちこのくらいの数量を出す、政府に売り渡しをするような繭を出すというようなふうで、各県から申し込まれた数字がそういうふうな数字になっておりますから、これを公平にやるということはむずかしいのじゃないかと思います。プール計算でもするというようなことは、全国段階ではむずかしいと思います。
#33
○清澤俊英君 その申し込みの数字はわかりますか。
#34
○参考人(梶原東一君) 大体今のところは、はっきりしたやつはこれが通らないとわかりませんけれども、大体の数字はわかります。
#35
○清澤俊英君 これは通ることはわかっているのです。わしらが反対しても、自民党は数が多いから通るに違いないです。今ごろ通ることがどうだということはおかしいですよ。通るものとしてのあれで、一つできておりましたら、その集積した資料をちょうだいしたいと思います。
#36
○参考人(梶原東一君) これは通ることがわかっているとおっしゃいますけれども、私どもとしては、たとえば年内にそれが通るか通らないかという問題がありますし、それから一つは、来年にでもなるというと、養蚕家としてはどうしても年内に生産して金をもらわなければならないという要求が強いものですから、やはり確定した数字は、これが年内に通る、通らないということで、多少違いが出てくると私どもは考えております。府県でもそういうふうに考えておったようです。
#37
○清澤俊英君 梶原さん、それはあまりあなたおかしいですよ。これが実際農民のために利益になると思ったら、盛んにやりなさればいい、あなた方だけですよ。それが不満だというのじゃないですけれども、こうしたらこれだけの損害が出るじゃないか、これを年内にこうした方がいいのじゃないか、こうすればこうなるといって鞭撻督励して、わしらにかえって注意をして、年内に通すようにしたらいいでしょう、ほかでは皆やっています。あなた方のところだけですよ、そんなばかげたことを言っているのは。そうすれば、きょうあたりすでに通る、通らないくらいのことはわかっているはずです。農民のことを考えているのですか、考えていないのですか。どうしたらこれが公平に渡るくらいのことは、あなた考えてくれるのが正当じゃないかと私は思っている。あるものは千百円を割るものもある。あるものは国の機関に幸いひっかかって千二百円で売りつけて楽々としている。このようなばかな話はない。それを公平にしてやるくらいのことは養連の私は任務じゃないかと思う。どうお考えになりますか、これは。それをやることが全国養連の私は建前じゃないかと思います。
#38
○参考人(梶原東一君) その点については、準備はいたしております。ですから、これが通るということになりますれば、年内にもこれを取りまとめて、ここに持ち込みをするように準備を進めております。
#39
○清澤俊英君 もう私はこれで質問することはありません。従いまして取りまとめられて、どれくらい売りつけになるか、各県から集まったという資料、それからそれを中心にして、これからこの案が通った場合に―おそらく通ります、私どもは修正意見を出しますが、多数をもって押し切られて通ります。通った場合に、これをどう各県で割り当てられるか。あらかじめ数字はもうわかっているのじゃないかと思っております。私はそれだけの二つの資料を、年内ぐらいに一つちょうだいしたいと思います。
#40
○委員長(関根久藏君) 資料出して下さい。
#41
○参考人(梶原東一君) はい、わかりました。
#42
○委員長(関根久藏君) ほかに御質疑はございまんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(関根久藏君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#44
○委員長(関根久藏君) 速記を始めて。
 この際お知らせいたします。本日、重政君及び横川君が辞任をされ、黒川武雄君及び重宗雄三君が選任されました。
  ―――――――――――――
#45
○委員長(関根久藏君) 別に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(関根久藏君) 御異議ないものと認めます。
 この際お諮りいたしますが、東委員から委員長の手元に修正案が提出されておりますので、本修正案を議題といたしますことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○委員長(関根久藏君) 御異議がないものと認めます。
 それでは、東委員より修正案の趣旨説明を願います。
#48
○東隆君 最初に修正案の案文を読みます。
  繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案に対する修正案
  繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
  第三条第二号の改正規定を削る。
  第五条第三項の改正規定中「二百億円」を「二百五十億円」に改める。
 趣旨の弁明をいたします。政府はさきにこの繭糸価格の安定に関する臨時措置法を出される場合に、昭和三十三年度においては、春蚕と同じように夏秋蚕についても考えることを農林大臣は説明をされておるわけであります。ところが、この改正案によりますると、繭の買い入れ価格は千二百円、そうしてそれに見合って繭糸の価格はずっと十九万円のものがだいぶ下った形になるわけであります。その理由としては、さきの臨時国会等においても、政府の説明は、たとえば夏秋蚕の減産を前提において種の二割の制限を加えて、そうして生産を限定した。しかるに夏秋蚕の生産は予想をしておるものよりも増産をした。しかもその罪を農民の方に押しつけたような説明がされたようにわれわれは聞くのであります。これははなはだ蚕糸価格を通して農民にしわ寄せをしたことであって、その前提において私は政府の施策に誤まりがあったものと、こういうふうに考えるわけであります。そこで、昭和三十三年度内におけるところのものは春蚕と同じように夏秋蚕についても同じような取扱いをするのが、これが私は罪滅ぼしだろうと思う。そういうような意味で当然、今回三百万貫の数字を入れるように改正をされておりますが、第三条の第二号において改正をされておりますが、その制限を撤去して、そうして春蚕と同様に夏秋蚕について考える、こういうことをまず考えなければならぬのではないか、それが第三条第二号の改正規定であります。
 それから第五条第三項の改正規定中の二百億円を二百五十億円に改正をするのは、これは当然千四百円でもって買い上げなければならないのであります。それを千二百円にし、しかも生糸の安定価格を自然的な形でもってやろうと、こういうようなやり方をやっておるわけであります。しかもその買い上げ等においても、先ほどからのいろいろのお話を聞きますと、決して農民は千二百円の価格を維持しておらない。これはおらないのみならず、その分配の方法その他において、非常に疑問視されるような中身がたくさんあろうと思います。そういうような点を考えてみたときに、私は、当然この際政府は五十億円を追加して、そうして改正規定中の二百億円を二百五十億円にして、そうして生産農家にしわ寄せになるものを、しわ寄せにならないような措置を講ずる。そして新たな構想のもとに、三十四年度に対しては、蚕糸全般に対するところの措置を講ずる、こういうふうにやるべきである、こういうのがわが党の修正の趣旨であります。どうぞそういうような意味で、この修正に対して、自由民主党の諸賢におかれても、一つ十分にその点をお考え下さいまして、賛成をされるようにお願いいたします。
#49
○委員長(関根久藏君) ただいまの東委員提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三により、内閣に対し意見を述べる機会を与えなければなりません。よって、ただいまの修正案に対し、内閣から意見を聴取いたします。
#50
○政府委員(高橋衛君) ただいま東委員御提出の修正案につきましては、内閣としては、今回の政府原案の措置によりまして、本年度の繭糸価格の安定に必要な処置は講ぜられていると、かように考えておりますので、政府原案を修正することは適当でないと考えておる次第でございます。
#51
○委員長(関根久藏君) これより討論に入ります。
 御意見のおありの方は、原案並びに修正案について賛否を明らかにしてお述べを願います。―別に御意見もないようでありますから……。
#52
○清澤俊英君 反対意見がありましたら、賛成意見を申し述べるつもりで待っておりましたが、ただいま東君から概略の御説明がありましたが、われわれの考え方としては、三十三年度の繭の取扱いと、三十四年度からの、これからの蚕糸対策というものは切り離すべきである、こう前提的に考えている。と申しますることは、御承知の通り、三十三年度の春繭以来、繭価安定法によりまして糸の値段は最低十九万円、繭は千四百円で買うのである、こういう発表がなされ、それがずっと一貫してこれはやっておる。当時、春繭対策として、臨時措置法によって百五十億を投じて、そしてそれはようやく春繭の価格というものは、これは通りましたが、維持することができましたが、たまたま、その百五十億が不足する際に、五月の末になりますと資金が尽きてきて、そしてその資金の取扱いが閣議によって間違った発表をせられた、私はそうじゃないかと思うのです。その間違った発表をせられましたために、十五万円か十四万円に非常な暴落をしておるのであります。それがもとになりまして、次の臨時措置法はそのとき出たと思うのですが、百五十億の買い上げ処置が講ぜられたと思うのです。そして一時戻しましたが、戻して、それも何かしら底流に、どうも買い上げの形におきまして、資金が足らなくなれば、何か割当などで、全部買い上げないというような方法がとられましたために、従って再び私は十四万円に再暴落したのだと、こう思います。結局しまするならば、本年の繭糸価格というものは、ほとんど政府の操作の行き違いから重大な支障を来たしておると思います。そこで、なお繭糸価格の安定に関する臨時措置法が出ました際に、われわれとしましては、これは春繭だけの対策だ、こういうお話でありますので、夏秋蚕に対してはどう考えられるか、農林大臣としばしばこういう質問応答を行いましたが、農林大臣は、十全千四百円の価格というものは考えるのだ、それは考えるのだ、はっきりこれは速記録にも残っております。農林大臣に私はこの間も言うておる、農林大臣に対して、いろいろ処置を考えると言われるが、その処置を考えるということは、千四百円を保持するということと解釈してよいか、こういう質問に対しまして、その通りでありますと言っておる、その通りでないのだからこれは。だから、われわれとしましては、当初きめられました、いやしく本法律によってきめられた維持価格というものは、政府が責任を持ってやるべき性格のものだ、こう思うのです。しかるに、夏秋蚕に至りましては、いや二割減産でもってできるのだ。それができなかった。できなかった理由としましては、農民がこれに、養連の方ですか、養蚕家の方でこれに協力しなかったために、所期の目的を達せられない。それで、この間も養連の幹部に来てもらいまして、その間の事情をよく聞きますと、やっております、蚕糸は制限してちゃんとやっておる。できなかったという部分は、どうしても二割を減産させることができない部分である。それは増産部分で、今年増産した部分です。今年から掃き立てする部分である。その部分を減らすわけにはいかない。それが五分ほど出て参りまして、そうして二割の減産というものがうまくいかなかったのだ、こう説明せられておるのであります。これは不可抗力だろうと思う。そうしてみまするならば、責任は全部果しておる。しかも五カ年増産計画の中で桑を植えて、そうして三年なり四年なりたって、ようやくこれからというときに、今度は桑をこいでしまうというようなことを前提としてこの法律案ができてきておる、この改正案ができて、三百万貫を買い入れて、そうしてそのほかに、なお、二十億を限度とする金を政府が投じて特殊機関を作る。その特殊機関はまだ蚕糸審議会におきましては、全く結論を得ない混乱状態だろうと思う。だんだんと養蚕家と製糸家の対立を深めるだけであって、決して正鵠なものを得ておらない。今日なお養連の幹部に来てもらって、その後の事情を聞きまするならば、これは一体何ですか。政府が買い上げるのは千二百円で買われる。われわれは千四百円でなければ承知できないのだ。もうこれが通ったものとして、千二百円で買われるという前提ができておりまするが、でき上りましたものは何ですか。ほんの一部分、群馬の一部分の初秋蚕が千二百円できめられた。これでも二百円減っておる。長野県が千百五十円で大体きまって、あとの大部分は千百円を切れる価格で、あるいは千円ぐらいのところもあるかもしれません。全く農民の犠牲において、全蚕糸業界の犠牲を全部引き受けろ、これと同じことだと思う。なぜ法律を、労働争議のときなら守れ、守れと盛んに言われるが、自分で作った法律をなぜ守らないのか、自分できめた法律をなぜ守らないのか。農民は全くこれは納得しておりません。あるいはこういう協定ができたとしまするならば、これはあきらめてしまって結局しますれば、師走の明日に追った暮の勘定に困りますから、従って泣いて協定をしたのだろうと思う。何ら効果を発揮しておりません。われわれはかかる観点に立ちましても、どうしても初期の農民との契約における千四百円というものはこれは維持してもらわなければならない。三十三年度は維持してもらわなければならないと思う。もう七割九分が繭価協定ができて売り渡してしまって、あとの残額は幾らでもない。われわれがここで五十億出しましても、それが果して使われるか使われないかわからない。しかしながら、私は筋は通さなければならないと思う、大臣が言うたことが実行されなかったり、当初から糸は十九万円、繭は千四百円、こうきめられたものが、途中からぐらぐら変ってくる。こんなばかな話はないと思う。私はかかる立場に立ちまして、今年の三十三年度養蚕対策は全く政府の無定見と無方針と無責任とこれの集積だと思うのです。かかるがゆえにわれわれとしましては、本委員会において少数をもって敗れることは覚悟しております。覚悟しておるがやむを得ない。私どもはこの修正案を提出して一応筋を通していきたい。金は全部私は要らないと思う。だが、しかしながら、これは十分に皆さんから一つ御賛同を得て出してもらいたいと思う。五十億をふやして、そうして百億にしてそれだけでなお買えるだけのものを、余った分を全部を買い上げる。こうしていただきまして、それでも私はまだ方法が立つと思うのです。ただいま養連の方から聞きますと、政府の方へ売り渡した何かの機関、あるいはこれと政府と妥協する際に各県連から出した数字の者にだけは千二百円を入れている。その他の県連に対しては何ら考慮が払われておらない。今も局長も聞いておられる通りです。少くともこの法律を出して、二百億でいいのですよ。われわれの法律でなくて、原案が通るとしましても、二百億の五十億の金を出して買い上げるということは全農民のためにやはりその機関を通じて千二百円ぐらいに持っていきたいという考え方がこの法案になって表われているのであります。しかるに実質は千二百円いくものが、隣のおやじさんには千二百円いくが、隣のおばあさんには千百円しかいかない、千円しかいかない。こんなばかな方法を私は養連をしてとらしめることは絶対に間違いだと思います。これは蚕糸局長はいやしくもこの法案の趣旨を徹底して、これが均分に全農民の手元に渡る方法を考えてもらいたい。それぐらいの方法ができぬことは絶対ないと思います。今の養連の参事のお話でございますると、もうかった者は得なんだ、売っただけは得なんだ、お前らは損をしているのはやむを得ぬ。そんなばかな話はない。法律の趣旨はそうではないと思います。今も養連の参事にちょっと私は怒りました こんな間違った話はないと思います。これだけは一つ局長は……われわれは負けます。必ず少数をもって負けて原案が通ると思うのでありますが、通ったあとでもその点だけはもう徹底的に一つ監視をして間違いなからぬことを期していただきたいと思います。
 はなはだ簡単でありますけれども、私の原案修正の賛成の意見を申し述べておきます。
#53
○委員長(関根久藏君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○委員長(関根久藏君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 まず、討論中にありました東君提出の修正案を問題に供します。
 東君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#55
○委員長(関根久藏君) 少数でございます。よって、東君提出の修正案は、否決されました。
 それでは、原案全部を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#56
○委員長(関根久藏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって、原案通り可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○委員長(関根久藏君) 御異議はないと認めます。さよう決定いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午前十一時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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