くにさくロゴ
1958/03/03 第31回国会 参議院 参議院会議録情報 第031回国会 農林水産委員会 第12号
姉妹サイト
 
1958/03/03 第31回国会 参議院

参議院会議録情報 第031回国会 農林水産委員会 第12号

#1
第031回国会 農林水産委員会 第12号
昭和三十四年三月三日(火曜日)
   午前十一時十一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     秋山俊一郎君
   理事
           堀本 宜実君
           東   隆君
           清澤 俊英君
           北 勝太郎君
   委員
           重政 庸徳君
           関根 久藏君
           田中 茂穂君
           仲原 善一君
           藤野 繁雄君
           堀  末治君
           大河原一次君
          小笠原二三男君
           河合 義一君
           棚橋 小虎君
           千田  正君
           北條 雋八君
  政府委員
   農林政務次官  高橋  衛君
   農林省農林経済
   局長      須賀 賢二君
   農林省振興局長 増田  盛君
   食糧庁長官   渡部 伍良君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   農林省農林経済
  局農業保険課長  森本  修君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の
 一部を改正する法律案(内閣送付、
 予備審査)
○農山漁村電気導入促進法の一部を改
 正する法律案(内閣送付、予備審
 査)
○畑地農業改良促進法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
○農業災害補償法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○農林水産政策に関する調査の件
 (でん粉に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(秋山俊一郎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
 海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案(閣法第一七二号)、農山漁村電気導入促進法の一部を改正する法律案(閣法第一七三号)及び畑地農業改良促進法の一部を改正する法律案(閣法第一七四号)(いずれも去る二月二十八日内閣送付、予備審査)を一括議題にいたします。
 まず、提案理由の説明を求めます。
#3
○政府委員(高橋衛君) ただいま提案されました海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。
 この法律による海岸砂地地帯は、わが国の海岸線の随所に存在し、その面積は、おおむね二十四万ヘクタールにも達するのであります。そこで、これらの海岸砂地地帯の潮風または飛砂による災害の防止のための造林事業及び農業生産の基礎条件の整備を促進するため、昭和二十八年三月、この法律の制定を見た次第でありまして、この法律施行以来昭和三十三年度まで、農業振興計画に基きまして、防災林造成、土地改良、小団地開発整備、農山漁村建設総合施設に総額事業費で約二十六億円、国費で約十三億円の事業を実施し、また海岸砂地試験事業を行い、相当の実績を上げて参りましたが、その進捗度から見まして、今後なおなすべき事業が多く残されている実情であります。
 しかるに、この法律は、昭和三十五年三月三十一日限りで失効いたしますので、この際、この法律の有効期限を他の特定農業地域法の有効期限等をもあわせ考えまして、とりあえず二カ年延長いたしまして、この地帯の農業振興を促進しますとともに、その間なお改善を要すべき点に検討を加え、この法律制定の所期の目的を達成するよう努力いたしたいと存じます。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いする次第であります。
  ―――――――――――――
 次に、農山漁村電気導入促進法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。
 わが国の農山漁村の実情を見ますと、未点灯または電気の供給が不足しているため文化の恵みを受けることのできない農山漁家が今なお相当数存在し、その解消をはかりますことは、このような地域の農林漁業の生産力の増大と農山漁家の生活文化の向上のために緊要なことは言うまでもないことでありまして、昭和二十七年に農山漁村電気導入促進法の制定を見ましたのもこのような趣旨に基くものであると存じます。農林省におきましては、現在、一般農漁村に対しては農林漁業金融公庫資金の融通により、また開拓地及び離島につきましては国庫補助によりまして、未点灯または電気供給不足の農山漁家の解消に努めて参ったのでありますが、開拓地及び離島と同様に、経済的におくれており、農山漁家の所得水準が低いいわゆる僻地につきましては、農林漁業金融公庫の融資のみによっている状況でありますので、このような未点灯の農山漁家の解消を一そう促進するためには、僻地の農山漁村も開拓地及び離島と同様に取り扱うことが必要であると存ずるのであります。従いまして、来年度より僻地における電気導入の国庫補助をいたすこととしました機会に、農山漁村電気導入促進法の一部を改正することとしたのであります。
 この法律案の改正点を御説明いたしますと、第一に、国の補助の対象につきましては、従来は、開拓地及び離島振興対策実施地域に限られていたのでありますが、新たにこれらの地域のほか、経済的におくれており、電気の導入に関する条件が著しく悪いため、農林漁業金融公庫からの資金の貸付のみでは電気を導入することが困難であると認められる地域における農林漁業団体の行う電気の導入事業について、国が補助を行うことができるよう規定を整備いたしました。
 第二に、電気導入事業の円滑な推進をはかりますために、都道府県知事が都道府県農山漁村電気導入計画を定めます場合には、電気が導入されることとなる地域を管轄する市町村長の意見を聞くことといたしました。
 以上が、この法律案の主要点でありますが、何とぞ慎重審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いする次第であります。
 次に、ただいま提案されました畑地農業改良促進法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。
 御承知のごとく、わが国の耕地面積六百万ヘクタールのうち、畑地面積は二百七十万ヘクタールにも及び、水田面積にも匹敵する面積として広く全国に分布しているのであります。
 そこで、これらの畑地地域の農業改良の促進をはかるため、昭和二十八年八月、この法律の制定を見た次第でありまして、この法律施行以来昭和三十三年度まで、農業改良計画に基きまして、県営畑地灌漑、団体営畑地灌漑、区画整理、客土等の耕地整備、小団地開発整備、新農山漁村建設総合施設に総額事業費といたしまして約二十八億円、国費にいたしまして約十二億円の事業を実施し、また、畑地灌漑研究、土地改良試験事業を行い、相当の実績を上げて参りましたが、その進捗度から見まして、今後なお、なすべき事業が多く残されている実情であります。
 しかるに、この法律は、本年三月三十一日限りで失効いたしますので、この際、この法律の有効期限を他の特定農業地域法の有効期限等をもあわせて考え、とりあえず三カ年延長いたしまして、各般の関係事業をますます促進しますとともに、その間なお改善を要すべき点に検討を加え、この法律制度の所期の目的を達成するよう努力いたしたいと存じます。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いする次第であります。
#4
○委員長(秋山俊一郎君) この法律案の審査は日を改めて行うことにいたします。
#5
○委員長(秋山俊一郎君) 農業災害補償法の一部を改正する法律案(閣法第九十七号、内閣提出)を議題にいたします。
 この法律案につきましては、去る二月五日の委員会において提案理由の説明を聞いたのでありますが、去る二月二十六日衆議院農林水産委員会において、また翌二月二十七日衆議院本会議において、それぞれ全会一致をもって原案通り可決され、当院に送付、当委員会に付託されました。ただいまからこの法律案の審査を行います。
 まず補足説明を求めます。
#6
○政府委員(須賀賢二君) ただいま御審議をいただいておりまする農業災害補償法の一部を改正する法律案の補足説明を申し上げます。
 農業災害補償制度の重要な一環となっておりまする家畜共済事業につきましては、昭和三十年十月に死亡廃用共済と疾病傷害共済を一元化いたしまして、病傷の早期発見、早期治療をはかって、農家の重要生産手段である家畜の死亡廃用による損失を防ぎ、あわせて家畜共済事業の合理的運用を期して参ったのであります。このように死廃病傷一元化共済が実施されましてすでに三年半の時日を経過いたしたのでございますが、本年、制度改正以来初めての料率改訂期を迎えているのであります。すなわち、農業災害補償法第百十五条第四項の規定によりますと、家畜の料率を四年ごとに一般に改訂する旨を定めておりまして、この規定によりまして、本年四月に料率の一般改訂を実施しなければならないこととなっておるのでございます。改訂料率の基礎となりまする被害率は、制度改正の関係及び資料の関係上、昭和三十年十月より三十二年までのものをとることとなるのでございますが、この間における被害率の推移を見ますると、死廃部分の被害率がやや下降の傾向を示し、また病傷部分の被害率はある程度増加する傾向が見られておりまして、おおむね死廃病傷一元化を全面的に実施いたしました当時、予想をいたしておりましたような被害率の推移となっておると考えるのでございます。ただ乳牛につきましては、最近における酪農事情の影響を受けまして、現行料率に比し病傷部分の被害率の増加が著しく、また死廃の部分についてもやや増加をいたしておるというような状況になっております。このような被害率を基礎といたしまして算定されます料率は、一般牛馬につきましては、改訂前の料率とほぼ同程度の率となるものと考えられるのでございますが、乳牛につきましては、かなりの上昇となるものと考えられるのでございます。この結果、特に乳牛については、全般的にいって共済掛金が相当増高することが見込まれ、農家負担が増加し、ひいては加入の減少により家畜共済事業の円滑なる運営を阻害されるおそれがございます。また本制度の運営状況を見ますと、家畜の価格の八割までを共済金額として選び得る建前となっておるにもかかわらず、現実に農家の選択しておる共済金額の平均は、家畜の価格の約五割程度にとどまっておる実情でありまして、農家の生産手段である牛馬の損失を補てんすることを目的とする本制度の実行を確保いたしますためには、できるだけ高い共済金額の選択を奨励する必要があるのでございます。以上の見地から農家の共済掛金の負担を軽減し、さらに、できるだけ高い共済金額を選ぶことを奨励するような国庫負担方式に改善することといたした次第でございます。さらに乳牛につきましては、さきに申しましたように、かなり共済掛金が増高し、国庫負担方式の改善によりましてもなお農家負担の増加が見込まれる状況にございます。その原因が最近における新しい飼養農家の異常な増加及び一般酪農事情に起因をいたしまして発生する事故の多発であることにかんがみまして、酪農経営の安定と、家畜共済事業の円滑な運営をはかりますために、乳牛に限りまして所要の補助金をさらに加えて交付することといたしたのであります。
 次に、この法律案の内容を御説明申し上げます。
 まず第一点は、さきに申し上げました趣旨によりまして国庫負担の方式を改めまする改正規定でございます。第十三条の二の改正がこれに該当するものであります。この規定は、従来、牛馬につきましては農林大臣が定める金額を基準として組合が選びました最低共済掛金の死廃部分の二分の一を国庫が負担することとなっていた制度を改めまして、原則として、農家が選ぶ共済金額に対応する掛金のうち、死廃部分に相当する額の二分の一の額を国が負担することとし、農家がなるべく高い共済金額を選びますように仕組みますとともに、農家負担の軽減をはかったのであります。ただ、掛金国庫負担の対象となる共済金額は、農作物、蚕繭共済につきましても、収穫物の価格の二分の一を標準としており、また漁船保険におきましても同様の制度となっておりまするので、これらの制度との均衡上、農林大臣が国庫負担の限度額を定めることといたした次第でございます。この趣旨に従いまして、この農林大臣の定める限度額は、牛馬の平均的な価格の二分の一に当ります額、死廃部分の料率を勘案をいたして定める予定でございます。
 第二は、乳牛購入奨励に関する奨励金の交付についての規定でございまして、農業災害補償法の附則に加えられまするこの第百五十条の二の規定がこれに当るのであります。第一項は、この補助金交付の根拠となる規定でありますが、この補助金が乳牛につきましての掛金の上昇を緩和する趣旨であることにかんがみまして、新旧料率の病傷部分の差率に応じまして政令で算出されます額を組合員に交付することといたしております。で、この政令は組合員への交付額の算出方法を規定することとなるのでありますが、その額は乳牛の国庫負担の対象となる共済金額にその組合の新旧料率の病傷部分の差率を乗じて得られる額の一定割合と定める方針であります。
 第二項は、この補助金の交付方法に関する規定でありまして、交付の実際は、農家からこれに相当する掛金の徴収を行わず、この結果生ずる保険料の不足分を連合会がまとめて交付することとする旨を定めており、第三項は、この補助金相当額を毎年度一般会計の財源から繰り入れる旨を規定したものでございます。
 最後に、この補助金は当分の間、予算の範囲内で交付することができることとなっておりますが、この補助金交付の趣旨にかんがみまして、本年度から一料率期間、いわゆる四年間でございますが、本年四月改訂いたしまする一料率期間中は交付いたしたいと考えておる次第でございます。
 次に、附則は、この法律の経過規定及び関係諸規定の整備でありますが、その第四項におきましては、死廃病傷共済一元化に伴い、実質的に農家負担の軽減をはかる目的で、死廃の被害率の低下に応じて組合に対して交付しておりました家畜購入奨励金を今回国庫負担が改訂され、農家負担が軽減されることとなりましたので、廃止することといたしたのであります。
 以上がこの法律案の概要でございますが、特に農家負担の増高につき問題のありました乳牛は、国庫負担の増額と補助金の交付によりまして共済掛金の増加いたします分のほぼ半分程度を国の負担によって軽減することとなるのでございます。
 以上の改正によりまして、国が負担する金額の増加額は、昭和三十四年度におきまして、国庫負担方式の改善に必要な額は約二億六千万円、補助金の交付に必要な額として七千二百万円を予定しております。
 以上がこの法律案の趣旨及び概要でございますが、最近における家畜共済の実情にかんがみまして、被害率増高の原因を検討し、さらに必要なる対策を講じ、家畜共済利用の円滑、適正な運用をはかって参りたい所存でございます。
 以上が本法律案に関しまする補足説明でございます。
#7
○委員長(秋山俊一郎君) ただいまから質疑を行います。御質疑の向きは御質疑を願います。
#8
○東隆君 私はもう少しですね、せっかく「家畜死廃病傷共済の概要と実績」というプリントが出ているので、今のお話をお伺いしたんですが、これちょっと説明していただけませんか。
#9
○説明員(森本修君) それでは横書きの「家畜死廃病傷共済の概要と実績」という刷り物の第一ページは現行の死廃病傷共済制度の概要を書いてございますが、先ほど申し上げましたように、制度の概要でございます。で、一番左の方に書いておりますのは、共済目的と共済事故ということでございまして、共済目的というのは、家畜共済に何が共済としてかけ得るかというものでございます。種類としましては、牛、馬、ヤギ、綿羊、種豚と、こういう五種類になってございます。右の方に書いておりますのは、保険にかけ得るところの家畜の年令を書いておるわけでございます。牛、ヤギ、綿羊、種豚は、いずれも出生後五カ月を経過したもの、馬は明け二才ということで、一才をまるまる経過して二才目に入ったもの以上ということでございます。
 それからその下の共済事故と申しますと、事故が起りまして共済金の支払いとなるその事故の種類を書いているわけでございます。種類としましては、ここにありますように死亡、これは普通の屠殺では共済金がもらえませんで、病廃、いわゆる伝染病等にかかりまして、家畜伝染病予防法の規定によりまして屠殺する法令殺ということを死亡の中に含みますが、一般の人為的に屠殺をしたものは共済事故の対象とならないわけでございます。それからその次は廃用ということでございまして、たとえば骨折があったとか、あるいは失明があったとかいったような場合その他乳牛等に特に多いわけでございますが、生殖器の疾病または傷害によって繁殖能力を失った、あるいは泌尿器の疾病または傷害によって泌尿能力を失ったといったような事例が多いわけでございます。それからその次が疾病、これがいわゆる家畜が病気にかかった場合、それから傷害、これは傷ついた場合、こういう四つの事故について共済金の支払いをするということになっているわけでございます。
 それからその次は組会員の資格でございますが、これは共済組合の区域内に住所を有しまして、それぞれ共済目的の所有または管理するものが組合員の資格を有するわけでございます。
 それからその次は共済に加入をする手続でございますが、いろいろ手続が書いてございますが、大体は年数回、日をきめまして引き受けの時期を定めて、引き受けを行っているのでございます。それから加入につきまして特に特色になっておりますのは、任意加入ではございませんで、共済組合の方で議決をいたしますというと、一定の資格を持つた牛馬については当然に――当然にと言いますか、組合の方に加入をする義務が出て参ります。いわゆる義務加入といわれておりますのはこのことでございます。
 加入のところはそういうことで、その次に引き受けの検査と評価というのがございますが、加入の申し込みがありますと、引き受けの検査をいたしまして、大体健康な家畜であるという判定をいたしますと引き受けをするわけでございます。それから評価は、大体この家畜はどの程度の値段をもっているかということを評価委員が評価をいたしまして、制度としては、その評価されました家畜の価格の約八割まで保険に付し得るということになっているわけでございます。
 それから共済金額の選択、引き受けの承諾ということでございますが、先ほど申し上げましたように、共済価額の八割までの範囲内で、農家が共済金額を選択できるということになっているわけでございます。引き受けの承諾は、組合から加入者に対して、申込者に対して引き受けの承諾をすることになっております。引き受けの承諾がありますと、定款で定める期間内に共済掛金を納入するということになっております。通常の場合は一週間以内に掛金の納入をしていただくということになっております。
 それから掛金に対する国庫負担は2のところに書いてございますが、現行制度によりますと、死廃部分につきまして最低共済掛金の二分の一の国庫負担をいたしております。
 それからその次は共済責任の発生でございますが、共済掛金を納入いたしました翌日から、事故が起りましたならば共済金の支払いをする責任が組合に発生するわけでございます。通常はそれから一年間がいわゆる共済責任の期間ということになっております。
 事故が起った場合がその次に二段に分けて書いてございますが、一番上の方は死亡廃用の事故、下の方は疾病傷害の事故でございます。上の方はいわゆる死亡とか、あるいは廃用の事故が生じた場合でございまして、その場合には、事故の発生の直前の価額、その価額を決定いたしまして、これはやはり組合に評価委員というものがございまして、大体事故が発生した直前の市場価額等を参考にいたしまして、家畜の価額を決定し、さらに残存物――皮であるとか、骨であるとか、そういった残存物の価額を評価することになっております。それから死亡あるいは廃用につきましては、当然獣医師のいろいろの診断を経て、そういうことが確定するわけでございますので、2に書いてございますように、治療の経過書あるいは診断書、検案書を添えて、共済金の請求を組合に組合員がするということになっておるわけであります。
 それから共済金の支払いでございますが、共済金の支払いは、先ほど価額の決定をいたしました事故の発生直前の価額から肉であるとか、皮であるとか、そういったものの残存物価額を控除いたしまして、なお補償金等がありますれば、それも控除して、共済金の額を決定して組合員に支払うということになっておるわけであります。
 それから病傷の事故でございますが、それが下の方にありまして、病傷の事故が発生をいたしますと、組合員が組合に通知いたしまして、組合の係員が事故の確認をする、それから当然獣医師の診療を受けるわけでございますので、獣医師の診断書、それから治癒後のいろいろの書類を添えまして、共済金の請求を組合にするということに手続上はなるわけでございます。
 それから共済金の支払いは、この獣医師の証拠書類によりまして、損害額を組合で認定して共済金を組合員に支払うということになっております。なお、共済団体に直営の診療施設がございます場合には、そこで診療を受けた場合には、その診療の給付をもって共済金の支払いにかえる、直接金が渡りませんで診療を受けたならば、その診療が共済金の支払いにかわる、こういうことに、制度上はなっております。
 以上が大体制度の概要でございまして、三ページ以下に実績を図表でお示ししてございます。
 三ページは死廃病傷共済の加入の状況でございますが、一番上は乳牛でございまして、三十年以降の実績を書いてございます。これは死廃病傷共済の一元化が発足をいたしましたのは三十年でございますので、それ以前のはちょっと制度が違うのでございますから、同一制度の比較ということで、三十年以降をとってございます。乳牛は三十年、三十一年、三十二年、いずれも二十万頭、二十四万頭、二十九万頭ということで、相当の増加を示しております。それから一般牛の方は、三十年、三十一年、三十二年、大体一般牛の飼養頭数の変遷につれまして加入頭数が減少をいたしております。馬の方も同様でございまして、三十年、三十一年、三十二年、いずれも飼養頭数の減少に伴いまして加入頭数が減少をいたしております。
 それから四ページでございますが、四ページの方は共済金額の総額と一頭当り共済金額ということでございまして、加入をいたしましたそれぞれの家畜につきまして全額で一体幾らの保険にかけておるかというのが左の欄でございます。これはほぼ加入頭数とパラレルに動いておりまして、乳牛につきましては三十年、三十一年、三十二年、いずれも百億、百十九億、百四十億ということで増加をいたしております。一般牛はやはり加入頭数の推移と並行いたしまして、共済金額の総額は減少いたしております。馬の方も同様でございます。それから右の方の欄は一頭当りの共済価額ということでございまして、保険にかけましたところの乳牛なり一般牛なりが一頭当りどのくらいの値段のものであるかというのが上の方でございます。乳牛は大体九万円ちょっと、それから一般牛の方が約四万円、馬の方が五万円ちょっと、五万二、三千円になろうかと思いますが、そのくらいの金額になっております。下の方は、そういう値段の家畜に対して農家が現実にどれだけの保険に入っておるかというのが一頭当りの平均の共済金額でございます。乳牛が四万八千円、一般牛が二万二千円、馬が二万八千円程度になっております。それが大体共済金額の状況でございます。
 五ページの方は、支払い共済金の総額とそれから一頭当りの支払い共済金でございます。左の方は共済金の総額でございまして、乳牛の方は三十年が八億七千万円、三十一年が約十億、三十二年が十一億ということでそれぞれ加入の状況に応じて増加をしておる。それから一般牛の方は三十年、三十一年、三十二年、ごらんのような数字でございます。馬の方も約八億前後でございます。それから一頭当りの共済金でございますが、これは上の欄が死廃、要するに死亡あるいは廃用になった場合に一頭当り共済金が幾ら支払われておるかということでございまして、これはほぼ一頭当りの共済金額に似通った数字になっております。乳牛の方が約四万七、八千円、それから一般牛が約二万円、馬の方が約二万四千円程度ということで一頭当りの共済金額とほぼ似通った数字に相なっております。それから病傷の方は一事故当りの支払い共済金でございまして、一回病気にかかりました場合に、平均的に一頭当り幾ら共済金が支払われておるかということでございまして、乳牛は約一千六百円、一般牛は約八百円、馬が約一千百円程度ということに相なっております。
 それから六ページは掛金の総額と一頭当りの金額でございます。これもほぼ加入の状況と並行して動いておりまして、乳牛の方は三十年、三十一年、三十二年、いずれも六億、八億、十億ということで増加をいたしております。一般牛は約七億前後でございます。馬が七億ないし九億ということでそれぞれ推移いたしております。一頭当り平均的に共済掛金を幾ら払ったかというのが右の小さい表でございますが、乳牛は約四千円、一般牛が約五百円、馬が約二千円という状況でございます。
 それから七ページは死廃の危険率の推移を示しております。実数は右の肩にずっと年次別に書いてございまして、下の図表はその数字を図で表わしたものでございますが、乳牛の方は三十年が八%、三十一年が六%、三十二年が五%ということで、平均いたしますと約五・八%ということに金額危険率が相なっております。それから一般牛は一・四%、一%、〇・九%、平均いたしますと一%。馬の方は三・六%、三・五%、二・八%、三年平均では三・二%というふうな数字になっております。漸次死廃事故の金額危険率が低減の傾向を示しているわけであります。
 それから八ページは同じく金額危険率の病傷部分を示しております。同様に右肩に実数をお示しいたしておりますが、乳牛の方は、三十年が四・四%、三十一年が五・三%、三十二年が同じく五・三%、平均をいたしますと約五・二%程度に相なっております。一般牛は〇・九、一・〇、一・〇ということで、平均が一・〇ということでございます。それから馬が三・六、三・五、三・三、平均いたしますと三・四%ということで、下の図表をごらん願えればおわかりになると思いますが、乳牛、一般牛等につきましては、若干の増加ということでございます。馬の方は、三十一年から三十二年にかけて幾らか減少をいたしております。
 それから九ページの表は、それぞれ事故を起しました場合にどういうふうな病気が多いかということを図表で書いておるわけでございます。これは死廃事故でございますが、全般的に申しますと消化器病というのが多いわけでございます。ところが、乳牛は、ちょっと特殊な例でございまして、泌尿生殖器病というのが四三・四%で、百分率といたしまして四割以上を占めておりまして、その点が乳牛の事故の特徴と相なっているわけでございます。一般牛、馬等はいずれも消化器病が四〇%という状況でございまして、馬、一般牛ともに消化器病が病気のうちの大宗をなしております。それから二番目は、一般牛、馬ともに外傷不慮というのは、放牧中の事故であるとか、あるいは農作業に伴う外傷といったものが二番目の地位を占めております。そのほかいろいろございますが、伝染病、寄生虫病といったものも相当大きなウエートを占めておりまして、まあ乳牛の泌尿生殖器病が例外ということになっております。
 それから十ページは、同じく病傷の事故を起しました病気の種類でございまして、先ほどの死廃事故とほぼ似たような傾向でございまして、馬、一般牛等は消化器病が大宗でございます。四二%、三九%、ただ乳牛につきましては、泌尿生殖器病が五三・九%ということで圧倒的多数を占めているわけでございます。そのほか馬の全身病あるいは運動器病、そのほかそれぞれのほぼ死廃事故と、畜種別に見て参りますと同様の傾向を示しております。
 それから十一ページの方は、新旧国庫負担方式の変化を図でもって示しているわけでございます。現行のところで御説明を申し上げますと、死廃部分、病傷部分というのが横軸に書いてございまして、死廃部分、病傷部分、いずれもここに掛金の率が出てくるわけでございます。それから縦軸には平均共済金額、最低共済金額ということで、共済にかけましたところの金額が出て参ります。従って、それぞれこの箱になっておりますのは、掛金の全体の量というふうに、額というふうに見ていただければけっこうだろうと思います。一番この外にありますのが乳牛の例でございまして、平均共済金額が四万八千円ということで、金額は書いておりませんけれども、先ほど申し上げましたような四万八千円ということに相なっておりまして、それに横軸の死廃の率、病傷の率を掛けました全体の短形が乳牛の全国平均一頭当りの共済掛金ということになるわけでございます。現行の国庫負担方式によりますと、この平均の共済金額に対する掛金の部分が国庫負担の対象というわけではございませんで、最低の共済金額に対応するところの掛金、しかも、それは死廃部分についての掛金の二分の一を国庫負担をしているわけでございまして、斜線で囲んでおりますところの部分、これが国庫負担部分ということになるわけでございます。改訂によりますと、最低共済金額に対する掛金に国庫負担にするという制度を改めまして、原則としましては、農家の選択しますところの共済金額に対応する掛金に対して国庫負担をすることに改めたわけでございますが、先ほど御説明申し上げましたように、農林大臣が定める金額までを国庫負担の対象といたしておりますので、全国的に見ますと、平均の共済金額よりは平均としては国庫負担の対象金額が若干下って参ります。従って、上の方に点線ですれすれのところに書いてございますが、その辺が全国的に見ましたならば、国庫負担の対象になる共済金額の線だろうと思いますので、それの二分の一を国庫負担をすることに改めようとするわけでございまして、それを図表に表わしますと、国庫負担としては、同じく斜線で囲みました部分が、改訂の国庫負担分ということになります。この濃くしましたところが国庫負担の増額部分、図で書きますとこういうふうな姿に相なろうかと思います。
 それからなお乳牛につきまして、病傷部分の率の増加割合に応じまして、加入奨励金を交付することになっておりますので、加入奨励金部分も念のためにこの程度になろうかということでお示ししているわけでございます。以上でございます。
#10
○東隆君 今の9の新旧国庫負担方式の比較のところが平均になりますから、おおよそこれは金額がわかろうと思うのですが、この項目の金額を一つ知らしてくれませんか。
#11
○政府委員(須賀賢二君) 新旧国庫負担方式の比較の図面と関連をいたしまして、大体実額がどの程度と相なるかということを申し上げた方が御理解がいただけるかと思いますので、その点を申し上げます。
 一応図面と離れまして、現在の保険料、共済掛金の負担関係はどういうことになっているかということで申し上げますと、乳牛について申し上げますが、現在の一頭当り平均の共済掛金額は、乳牛につきましては、現行料率によりますと、全国平均で四千五十四円でございます。一頭当りこれだけの掛金を現在共済掛金として掛けております。そのうち国庫が負担いたしておりますものが八百九十一円、それから農家が負担いたしておりますものが三千百六十三円になるわけでございます。今回の料率を改訂いたしますと、この四千五十四円の現行一頭当り平均の共済掛金が千三百三十三円ふえまして、五千三百八十七円と相なるわけでございます。この新料率五千三百八十七円、いわゆるこれと現行料率を比較いたしますと、千三百三十三円の掛金の増になるわけでございますが、この千三百一千三円の負担関係を国庫で四百六十九円負担をいたします。それから農家が八百六十四円。一応こういう千三百三十三円の振り分けが国庫で四百六十九円、それから農家で八百六十四円と相なるのでございますが、こういたしますと、農家の負担額が高くなり過ぎますので、農家が負担いたします分の八百六十四円のうち、二百円を補助金として、国庫で乳牛につきましては補助金の形で負担をいたしまして、国庫の負担が合わして六百六十九円、それから農家負担が二百円軽減されまして六百六十四円、結論的に申し上げますと、今回の料率改訂で新たに負担増になります分の二分の一を国で持ち、二分の一を農家で負担をしてもらう、そういう関係に改めたわけでございます。
 それで先ほどの図表に戻って御説明申し上げますと、この改訂の方の加入奨励金というワクになっておりますところが二百円、実額では平均二百円になるわけでございます。それから国庫負担の総額が合わして、六百六十九円、従前の国庫負担は。その結果国庫が負担いたします総額が千五百六十円になります。現行の八百九十一円の国庫負担額が千三百六十円になるわけでございます。それから農家の実負担額は、現在三千百六十三円負担いたしておりますものが、三千八百二十七円になるわけでございます。
#12
○清澤俊英君 その前は。
#13
○政府委員(須賀賢二君) 三千百六十三円。六百六十四円の負担増になります。
#14
○関根久藏君 今度そうすると農家負担は合計幾らになるのですか。
#15
○政府委員(須賀賢二君) 結論的に、実負担額は三千八百二十七円でございます。六百六十四円農家の負担増になるわけでございます。
#16
○関根久藏君 そうするとその国庫負担と農家負担の割合は幾らになるのですか。
#17
○政府委員(須賀賢二君) 現在の共済掛金の負担割合は、乳牛につきましては、国庫が二二%、農家が七八になっておりますが、今回の改訂によりますと、国庫が二九、農家が七一、そういう負担関係に変って参ります。
#18
○清澤俊英君 千三百四十三円という改訂の方の、これに六百六十九円プラスになるのですか、政府の方は。
#19
○政府委員(須賀賢二君) 政府の負担額を申し上げますと、現在政府が負担しております額は八百九十一円でございます、現行料率の中で。それが千五百六十円になるわけでございます。繰り返して申し上げますと、現在の国庫負担額は八百九十一円でございますが、新しく改訂いたしました結果は、国庫負担と補助金と両方合わしまして、いわゆる国の財政で現実に持ちますものが千五百六十円になるわけでございます。千三百六十円はいわゆる掛金の国庫負担でございます。そのほかに補助金二百円加わりまして、合わしまして千五百六十円。
#20
○関根久藏君 今、御説明によると、最終的に国庫負担が二九、農家負担が七一ということになるのですが、この法律で、当該共済掛金のうち、死亡及び廃用による損害に対応する部分の二分の一に相当する金額を負担するものとする。その方では二分の一を負担しておって、病傷の方が負担率が少くなって、結論的にはこういうことになるのですか。
#21
○政府委員(須賀賢二君) 病傷につきましては、従来も国庫負担をいたしておりません。今回の改訂の場合も、病傷につきましては国庫負担という形においてやはり国庫負担はいたさないわけでございます。死廃部分の負担率を上げることによりまして、料率の軽減をはかったわけであります。ただ乳牛の場合は、それだけでは農家の負担が軽減の度合いが足りませんので、別に乳牛につきましては、病傷部分について補助金支出の方法によりまして別途措置をいたした。従いまして、国庫負担の建前といたしましては、死廃部分につきまして国庫負担を増額するという建前でいったわけです。病傷部分につきましては、乳牛だけについて特に乳牛の料率の上り方が大きい関係もございまするので、それを軽減いたしますために、乳牛につきまして、病傷部分について補助金の形において支出をすることにしたわけであります。
#22
○関根久藏君 衆議院の付帯決議によると「農家の負担を軽減し、酪農の振興に寄与し得るため、次の機会に、全体の縦割二分の一国庫負担方式を確立すること。」と、こういうのは全体の死廃病傷合せたものの縦割二分の一と、こういう意味ですか。
#23
○政府委員(須賀賢二君) 衆議院で御審議の際、この点がいろいろ問題になったわけでございますが、衆議院で付帯決議をつけられました趣旨は、死廃病傷を通じまして縦割二分の一の国庫負担をする、こういう御趣旨でございます。
#24
○関根久藏君 やはり強制加入の建前からいっても、一元化のなにからいっても、縦割二分の一負担ということがこれは正当ではないかと思うのですが。
#25
○政府委員(須賀賢二君) 病傷部分につきまして国庫負担をいたしますことにつきましては、実は今回国庫負担方式を一応、ただいま提案いたしておりまする形において取りまとめますまでの過程におきましては非常に議論になった点でございます。ただ病傷部分につきまして、今、国庫負担という形にまでもっていきますことにつきましては、いろいろ資料の関係等にも問題がありまするし、また考え方の問題といたしましても、死廃事故と病傷事故は事故の性質がある程度違うということは、これはやはり保険の建前から考えますと、どうしてもそういうことにならざるを得ないわけです。と申しますのは、病傷事故につきましては、農家の負担の程度等も相当影響いたして参ります問題でございまするし、死廃の場合と事故の性質に若干の差があるわけでございます。それから、死廃病傷一元化をいたしましたときに予期をいたしました事故率の推移は、死廃病傷一元化によってだんだん病傷給付が充実をしてくることによって、死廃の事故を減らしていくということがねらいであったわけでございますが、これは概して先ほど申し上げましたように、そういう傾向は出ておるわけでございます。ただ、乳牛の場合につきましては、必ずしもさようなことになっておりません。病傷事故、死廃事故ともに増大をしておるというような結果になっておるわけです。従いまして、病傷部分につきまして、将来国庫負担方式を考えて参りますにつきましては、病傷事故率の推移というものが、今後実際にどういう傾向をたどるであろうかということは、逆に病傷事故防止対策等について有効な措置がどういうふうにして現実とられていくだろうかというような面との見合いも十分考えなければなりませんので、今回の料率改訂につきましては、一応病傷部分につきましては、国庫負担は直接するという方法はとらない、ただここの期間中の措置として、特に料率、病傷の大きい乳牛について、加入奨励金の形において別途に病傷部分についても、国が若干の財政支出をするということによって農家の負担を軽減するということにいたしたわけでございます。
#26
○関根久藏君 政務次官にお尋ねしたいのですが、今の縦割二分の一方式にやるお考えがありますかどうか。
#27
○政府委員(高橋衛君) ただいまの関根委員の御質問の点でございますが、病傷の事故につきましては、まだ統計的な基礎が十分に行われているという状態でもございませんので、今後の推移も十分検討した上で、ただいま御質疑の点については十分に研究していきたいと、かように考えておる次第でございます。
#28
○堀本宜実君 これは死廃と病傷で、病傷が事故が、危険率がふえているようですね、最近。それはどういう原因によって死廃が少くなって病傷が多くなるのですか。
#29
○政府委員(須賀賢二君) これは、そのときどきのいろいろな情勢にもよると思いますが、この死廃病傷一元化をいたしましたときの考え方といたしまして、なるべく、病気にかかった場合は早期に治療をする、それから手当も十分にするということによって、いわゆる病気をなおすことによって死廃というような致命的な状態に持っていかないように持っていくのだということが、死廃病傷一元化のねらいであったわけでございます。従いまして、死廃病傷一元化をいたしました結果は、死廃事故が下って病傷事故が若干上るということは一応予定をいたしておったことでございまして、そういうような結果になって参りましたことは、これは必ずしも当初考えておった筋と違っておるというわけではない。ただ、病傷事故におきましては、なかなか給付の内容の適正化と申しますか、いわゆる保険設計上考えられておりますような適度に給付が行われておるかどうかということにつきましては、いろいろその面につきましての検討を加えなければいけないわけです。この点につきましても、われわれの方でも事故防止対策とかねまして、給付内容等につきまして個々にチェックをするような趣旨もいろいろ試験的にも考えてやっておるのでございます。一番初めの、先ほどの説明にありましたように、乳牛につきましては、機能疾患が最近非常にふえておるわけでございます。これらも機能疾患の性質から見まして、あまり短かい時間の間に何回も起きているのは技術的におかしいのだ、そういうようなことがないように、いろいろとチェックしながらその事故率推移の傾向といたしましては、度合いによりますけれども、必ずしも当初の予定とはっきり逆になっておるというわけではないのでございます。
#30
○堀本宜実君 乳牛のみに加入奨励金をつけて、月額二百円相当額だと思いますが、これは乳牛の死廃並びに病傷等がふえてきたということで考慮されたのだろうと思うのですがね。一般の馬についてはそうでもないようでありますが、今申し上げましたように、一般の牛についても病傷の部分がふえておるのですから、やはり一般のものにもこういう制度を行なって、加入奨励といいますか、一面、つまり災害防除の建前をとることがいいのではないか、こういうふうに考えます。
#31
○政府委員(須賀賢二君) 先ほど申し上げました説明で若干足りないという点があると思うのでございますが、乳牛については一般的には死廃事故が下って、病傷事故が上るという傾向があったわけでございますが、乳牛については死廃事故、病傷事故ともに若干上ったという結果になっておるのであります。従いまして、改訂料率は、乳牛については非常に大幅に引き上げられたということであります。それで国庫負担のほかに、補助金支出によってその値上りを救済することを考えたわけであります。
 田牛事故につきましては、死廃事故が減少し、病傷事故が若干上るというような関係にございましたので、それを総合いたしますと、それほど大きな料率の引き上げにはならない。むしろ田牛のごときは、一般牛のごときは若干下るくらいになるわけでございます。従いまして、今回の国庫負担方式で、田牛につきましては、農家負担が現在三百七十七円でありますものが、新しい国庫負担方式によりますと三百七十二円と、約五円ばかり下ります。それから一般の馬につきましては、現行農家負担が千五百八円に対しまして、新しい負担方式ではこれが千五百九円、約一円くらいの引き上げ、一般牛、一般馬につきましては、料率改訂によりまする農家に対する影響がほとんどございませんので、ただいま申し上げましたように、乳牛だけにつきまして、加入奨励金の方法によりまして措置をいたしたわけでございます。これは端的に申し上げますれば、将来、病傷部分に対する国庫負担をどうするか、これは保険の設計といたしましても、先ほど来申し上げておりますように、正常な道筋をたどりますれば、死廃事故が下って、病傷事故が上るということになり得る可能性のあるものでございます。それについて、今後の問題としても、病傷部分についての負担というものを全然考えないということになりますと、国庫負担の実態がおかしなことになるのじゃないか。いわゆる病傷事故が上り、死廃事故が下るということになると、だんだん国庫負担が減っていくという筋道になって参るわけでございまして、そういうことではおかしいわけでございます。ただ、その問題を今回の場合に一挙に解決いたしますには、まだいろいろの事故率の推移の傾向なり、あるいは事故防止対策等の関係なりから見まして、機が熟しませんので、今回こういうような措置をとったわけでございまして、私どもとしては、一料率期間中の今回の場合の措置と、この負担関係を死廃病傷関係を通じて将来どういうふうに持っていくかということは、この料率期間中に引き続き検討しなければならない、家畜共済の中でも非常に大きな問題であると考えております。
#32
○千田正君 今の局長のお答えは、農林省としての酪農振興対策という一つの大きな基本方針を立てたのと、これとの関連においてそういうお答えですか。それとは全然別個の考えでそういうことをお答えになったのか。
#33
○政府委員(須賀賢二君) いろいろ提案理由等にも御説明申し上げましたように、今回乳牛につきまして特別の措置をとりましたのは、いわゆる酪農対策の一環と申しますか、酪農対策の背景に基きましてとっておりますことは、これは申し上げるまでもないわけでございます。と申しますのは、乳牛の事故率が非常に上っておりますのは、一頭飼養農家が非常に多いというような関係でありまして、あるいは過去この数年の間の経過といたしまして、乳価に相当の変動がありまして、それが飼料の給与等の形を通じまして、家畜の乳牛の健康に非常に影響してくるというような、そういう一般酪農事情が、この事故率推移の背景になっておるわけでございます。従いまして、酪農対策を進めて参りますのには、いろいろ家畜の事故に対応する対策といたしまして、家畜共済制度を充実をしなければいけないことは当然でございまするが、それらと即応いたしまして、今回こういう措置をとったわけでございます。
#34
○千田正君 この死廃病傷共済の病傷全額の危険率というものがございますね、これは保険は常にリスクの率を中心として料率のあるいはあれを研究していかなければならないのですが、これは一つの料率をきめる大きな基礎になると思うのですが、それによって先ほども補助金の問題が出ておるのですが、これを中心にも考えたわけですか。
#35
○政府委員(須賀賢二君) 料率改訂の基礎は、やはり現実に今の基礎年次になっておりまする二十七、八、九の三カ年と、三十年以降の実際の事故率の動きがどういうことになったかということとの比較におきまして料率の改訂になりまする基礎数字が出て参るわけでございます。従いまして、各組合及び地域ごとのそれぞれの現実の事故率の推移の資料に基きまして、料率を算定いたすわけでございまして、それによりまして新しい掛金料率が違って参ります。ただこれにつきまして、それをそのまま適用いたしますと、先ほど申し上げましたように、乳牛を一例にとりますと、千三百円以上の負担の増加になりますので、その分を国と農家と大体半分程度ずつ負担をしていくというような形で、農家負担を特に乳牛について緩和する措置をとったわけであります。これは先ほど御指摘ございましたように、酪農対策という総合的な見地から考えておるわけでございます。
#36
○東隆君 この家畜保険関係で問題になるのは、私は診療所の関係だろうと思うのですが、そこで診療所は、大てい共済組合の付帯事業として診療所を持っておるところが、北海道なんかはもうほとんど全部がそういう形になっておりますが、その場合に、家畜共済に関する事務費を政府はお考えになっておるわけです、家畜共済に関する限り。ところが、その診療の方に関するものについては一つも考えられておらないことになりますが、これは今の病傷に対する関係はゼロなんです。事故負担がゼロなんですから、診療に対しては一つも出していない。しかも、病傷に対するところの関係がスムーズに進めば、今お話しになったように死廃の方は減っていく、こういう因果関係が起きているのですが、その場合に全国的に見て問題になるのは共済組合の付帯事業として診療所を持っているか持っていないか、こういうことがやはり問題になってくると思います。で、今、全国的にどういうような関係になっておりましょう、その形はですね。
#37
○政府委員(須賀賢二君) 家畜診療所、いわゆる組合が直接経営をいたしまする家畜診療所を通じて療養の給付をするという形は私どもとしても非常に望ましい形でありますので、漸次こういう方向に持っていきたいと思いますが、現在全国的に概括的に申し上げられます姿といたしましては、大体組合で診療所を直営いたしておりますものと、一般獣医師の診療を受けておりますものとが、大体半分々々くらいに現在なっておるわけでございます。ただ家畜診療所を整備いたして参りますることにつきましては、来年度におきましても約二十カ所程度の事故防止設備費を予算に計上いたしまして、漸次その方向に参るようにいたしたい、さように考えております。
#38
○東隆君 その今の何ですか、その共済組合が診療所を持つ場合に、それに対して考える、そういうお考えですか。
#39
○政府委員(須賀賢二君) 共済組合連合会の施設でございます。
#40
○清澤俊英君 今の問題で、その場合、まあ予防医療とでもいいましょうか、牛のことだから医療もおかしいと思うのですが、傷病予防の建前で、あまり今やっておらないが、これは畜産局の関係ではどういうことになっているのですか。畜産局の関係では、関連において。全然それはふえていないですか。
#41
○政府委員(須賀賢二君) 事故防止の関係でございますか。
#42
○清澤俊英君 たとえば農業共済が防除等について自分でやりたいといっておりますが、今では農業共済がそれを直接指導してやる組織になっておらないで、他の機関が、防除を盛んにやっておる、こういう形がとられておりますが、そのいずれに属するがいいかということは共済法の関係上、いろいろ議論があることだろうと思いますので、考えておるが、少くともこういう事故傷害というのですか、の保険を通じて保険金を与えておくというには予防的なやはり処置をとる一つの機関ですね、病気を出さない。病気になってからではなくして病気を出さないという方法がどういうふうに考えられているのか、こういうことをお伺いしたい。
#43
○政府委員(須賀賢二君) 農業共済、現在の共済事業の中でいわゆるその予防事業について現実にその医療給付的な内容を持った予防事業までやるということは、これは現在の家畜共済ではカバーしきれませんので、現実にそこまでのことを家畜共済事業の仕事としてやるということは、これはできないのでございますが、ただ、その死廃傷病一元化をやりましてからの病傷事故率の推移等から考えまして、全体といたしまして病傷事故の増加を極力少くいたしますように、いろいろ保険事業の側からも手を打って参らなければならぬわけでございます。それで現在上れわれの共済の方の関係の一般事務費の予算等におきましても、いろいろ事故防止対策につきましては、あるいけ事故防止対策協議会でありますとか、あるいは発生いたしました事故の内容を精査いたしまして、今後そのような事故が再発するのに備える、いろいろ共済事業の側からの事故発生防止ないし軽減対策は共済事業のワクの中でも講じておるわけであります。
#44
○堀本宜実君 私はこういうふうに思うのですが、お考えを伺いたいと思います。これは根本的な問題なんですけれども、災害補償法に基く農業共済というものは、端的な言葉で表現すると評判が悪いですね、これは百数十億という国費を出して、そして相当の負担金を取ってやる農業方面、農業政策の中では最も大きい事業の一つなんですが、しかし、それがいろいろ地方に出て、末端に行ってみるといろいろな意見がある。これらについて根本的に調査等を行なって処理をする考え方があるかどうか、これがまず一点。
 次には、私は、今清澤委員からお話のありました事故防止という立場から考えてみると、この家畜に関する共済事業というものは、農業災害補償法の中でやっていこうという考え方よりは、総合的な畜産というか、つまり家畜衛生というか、そういうものから一応取り上げてみる必要があるのでありまして、単に家畜共済だけが孤立したという形では、やはり疾病あるいは病傷等につきましてもうまくいかない面が出てくる。これは保健所あるいは畜連の診療所あるいはまた、その他一般の畜産に総合的な立場からこれを見ていく必要があるのではないかという考え方を一応持ちます。そこで、根本的な調査あるいは改革等が必要であるということなら、その場合に家畜共済というものにも今言う総合的な畜産振興という立場から取り上げていくがよい、こういうような、これは私の意見でありますが、考えをいたしております。そこで、次にお伺いをしたい。これは要望にも近いのですが、関根委員からお話のありました死亡と廃用と、それから病気と傷ついてけがをしたという、つまり死廃病傷というものが一元化した。その一元化して、これは一連のものですが、ところが、死廃にのみ国庫の補助が出て、病傷に国庫の補助がない。ことに今回改正によって国庫負担が増額されたのでありますが、これを見ましても、国庫増加が六百六十九円であります。農家の分もふえたものが六百六十四円でございますが、この六百六十四円農家の掛金率がふえたというのは、これは重大なことなんです。非常に大きい問題を投げかけているわけであります。そこで、私は病傷の部分、要するに病傷の方が先でありますが、病傷の部分にもやはり国庫補助を出し、あるいはまた加入奨励金を出すか、あるいは形を変えて災害防除の立場に立って今の診療所というものをめんどうを見てやるということでなければ、私はうまくいかな、縦割に全部のものを均霑するような補助率を当然組むべきである。ところが、先ほどの次官のお答えによりますと、まだ病傷等については確固たる、つまり統計というか、推移というのが確定してない、今後の推移を見てきめたい、こうおっしゃるのだが、これは病傷というのは、家畜共済の一番元祖なんです。一番初めできた。死廃の方があとからできた。ですから、病傷だってもうわかっているのです。今ここでそうはっきり言えないというだけで、また国の予算等の関係があって言いにくいというだけで、約束ができにくいというだけで、ほんとうはこれをしなければ共済の本筋に入ってこない、こういうふうに私は思います。ですから、これは関根さんのお話がございましたが、後年度はそういうふうな一つ改正をやっていただきますようにお願いを申し上げております。そこで、病傷がとにかくふえておることは事実でありますから、それに対しまする早期発見なり、あるいは早期治療ということが死廃に影響を持つわけでありますから、今後事故防止といいますか、あるいは危険の減少のために、一そうの政府の施策が必要だ、こういうふうに考えるのであります。そこで、そういうことになりますと、連合会が持っております診療所というものもいろいろ意見がありまして、これは私はこんなことを申し上げるのは部内のものでありますので、ちょっと都合が悪いから申し上げにくいところもあるのでありますが、とにかく、もう少し従事いたしておりまする診療業務者をいたわってやる制度がなければなりません。これは日曜も、夜も昼もありません、診療所なんというものは。それを連合会の業務に全部を帰属さしておるのじゃないかと思います。それは最初施設をするときは若干の補助を出すかもしれませんが、その後何らのめんどうを見てやっておらないというところに病傷の率が上ってくる原因にもなり、またいろいろな運営上の障害が起ってくる、こういうふうに考えております。ですから、これに従事いたしまする職員の給与でありますとか、あるいはまた最近はオートバイ等で診療をいたしておるようでありますが、この労働関係といいますか、そういうものの調査をして、そうしてめんどうを見てやるということでなければ私はいけない、こういうふうに考えております。
 もう一つは、組合が直接持っておりまする診療所にかからないで、組合以外の診療施設に治療を委託する場合がございます。その間の明文がはっきりいたしておりません。たとえば嘱託というのと指定というのと二つあります。これの使い方等も明文がはっきりいたしておりません。診療費にもAとBとがありますが、そういうものもいま少しく考慮を払われまして、ほんとうに診療費が、農家の負担がより軽いような制度を設けますることが、私はこの事故防止のために非常に役立つのではないか、こういうふうに考えております。これから今申し上げました嘱託と指定なんという区別は、もはやいらないのではなかろうかと私は思いますが、そういうものを区別してやられることは――まだそれはありますか。
#45
○政府委員(須賀賢二君) 最後の点からお答えいたしますが、嘱託、指定の区別は、私は実はただいままでよく存じなかったのでございます。現在もあるそうでございます。ただ、嘱託の方は非常に減っております。いろいろ堀本先生からお話ございましたが、職員の待遇の問題につきましては、これはお話ありましたように、実質的に、人件費部分は御承知のように農家負担になっております関係もございますので、必ずしも十分な手当ができておらない。ただ、これは技術的な職能でありますから当然でありますが、一般職員に比べますと若干ベースはいいようでございしまて、お話のように、必ずしも十分にはいっておらぬわけでありますが、ただ、これは農作物、家畜両方を通じまして、事務費負担の問題は非常にむずかしい問題になっております。これの根本的な手直しということは、必ずしも容易ではないわけでございまして、そこらから問題を詰めて参りませんと非常に解決しにくい問題であります。私ども問題の大きさはよく承知いたしておりますが、現段階では必ずしも御満足のいくような措置がとられていないことは、私どもといたしましても遺憾でございます。
#46
○政府委員(高橋衛君) 先ほども関根委員からも御質疑のあった問題でございますが、その前にこの農業共済制度全般の問題として、この問題が百億以上の国費を支出しながら、必ずしも十分に農民諸君の満足を得られてない実態から、この制度の根本的な改訂を行う意思がないかという点の御質疑でございますが、御承知のように、この制度につきましては、ずいぶん長い間政府その他の関係におきまして御検討を願いまして、ようやく昨年制度の改正を行いまして、ようやく本年度からその改正の実施に移ったような次第でございます。まだその実施後の経過について十分その実績の判明しない点もございまするし、かたがた、いましばらく改正制度の結果の推移を見た上で一つ検討したいと考えておりまするが、しかし、改正後におきましても、この制度についての根本的な何と申しますか、疑問と申しますか、そういうものが十分解消しておらないという点は私どもも認めざるを得ないと、そういうふうに考えておるのでございます。従って、そういうような点につきましては、衆議院におきましても、特にこの法律案について付帯決議が付されておりまして、「本制度が農業の実態に即応し得るよう抜本的改訂を行うため、速かに調査会を設置する」という趣旨の付帯決議が付されたのでございますが、この点につきましては、その実態において同感する点が十分にございますので、法律による調査会というものを作るかいなかは別といたしまして、とにかくこの問題を検討していきたいと、かように考えておる次第でございます。
 なおもう一つの点、つまり、家畜共済につきまして、病傷部分について縦割二分の一を負担する意思がないかどうかという点でございますが、御趣旨の通り、まあそういうような方向に行くことが私どもとしては望ましいと、こういうふうに考えておるのでございますが、先ほども御答弁申し上げました通り、なるほど統計的にわかっておらぬはずはないじゃないかという御議論もございますが、先ほど局長からお答え申し上げました通り、たとえば繁殖関係の病気等については、一定期間に一回しか起り得ないはずのものが、実は統計によりますと数回起ってきているというような結果が出て参っております。そんな点から見ますると、どうもこの数字自体も必ずしも、もう少し検討してみないと、十分な的確な実態を把握できぬような感じもいたしますが、それらの点も十分検討いたしまして、今後この問題も合せて研究していきたいと、かように考えておる次第でございます。御趣旨の御要望の点については、私どもも全く同感に感じておる次第でございます。
#47
○清澤俊英君 時間がだいぶ過ぎておりますから簡単に関連してお伺いしたいと思いますが、往々にして、牛を殺したが金がもらえない、どうしたわけだ、こういう質問を受けるのですな。そこで、ただいままでちょうだいしている資料を見ますと、全部もらえるような形になっておりますが、一ページの共済事故、死亡のところに参りますというと「法令殺を含み、とさつによる死亡を除く」、こうなっております。これは共済金がもらえない、こういうふうになるのだと思いますが、この間のことをいま少し詳しく、ちょうど私も説明のときおりませんので、聞かしていただきたいと思います。もらえないような気がいたしますので……。
#48
○政府委員(須賀賢二君) 家畜共済に入っておりまして、その原因が共済事故の対象となりますような死亡廃用の事故を起しました場合、それに対して給付が行われないということは、これは実際問題としてないはずの建前のものでございます。今、清澤委員から御指摘の点は、おそらく給付に非常に時間がかかるということと、給付がこないということとが、末端で混同をされたような事例ではないかと思うわけでございます。大体現在の支払いの時間的な段取りは、これは事故が起りますと、その事故の申請がありまして、損害評価をいたしたり、いろいろいたします。共済組合、さらに伝票が農林省まで上ってくる仕組みに、現在の仕組みではなっておるようでございます。それでどうしても支払いに二、三カ月かかっておるようでございまして、これはもう少しその時間を縮めるようにいろいろ努力をいたしたいと思っておりますが、多少その支払いの時間がかかっておりますことが往々にして誤解を生んでおるのではないか、この点はいろいろ制度の仕組み等も工夫をいたしまして、できる限りもう少し早期に支払うようにいたしたいと思います。
#49
○清澤俊英君 表のその一番先です。「法令殺を含み、とさつによる死亡を除く」と、こうなっておるのですね。この「法令殺を含み、とさつによる死亡を除く」ということは、給付がこないと解していいのですか。そうすると、その場合はどういう場合かというのです。
#50
○政府委員(須賀賢二君) 「法令殺を含み」と申しますのは、これは例の急性伝染病等で、法定の伝染病で法律に基きまして屠殺をしなければいけないものでございまして、この伝染病予防法によって屠殺をいたしましたものは、これは当然保険の給付を受けるわけでございます。ただ、自分で肉に売りますために屠場に持っていって健康な牛を殺したというようなものは当然保険にならぬわけであります。「とさつによる死亡を除く」というのはそういう意味でございます。
#51
○清澤俊英君 これは、一番病気でおそろしいのは伝染病だと思うのですが、これはなかなか注意していてもちょっと場所が悪かったりしますと、人の不注意もかぶって屠殺しなければならぬ場合がある。一番災害の危険度の大きいものを除いていることになると思う。おかしいと思う。
#52
○政府委員(須賀賢二君) 入っております。法令殺を含むのですから、伝染病によって殺さなければいけなくなって殺したというものは、これは保険金はもらえるわけです。
#53
○清澤俊英君 それはわかりました。そうすると、その場合は自己の意思によって屠殺をした、この場合だけですか。
#54
○政府委員(須賀賢二君) そうです。
#55
○委員長(秋山俊一郎君) それでは午前の委員会はこの程度にいたしまして、午後二時から再開いたします。
   午後零時五十六分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時二十三分開会
#56
○理事(堀本宜実君) 委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題にし、質疑を続けます。
 御質疑の向きは御質疑を願います。
#57
○東隆君 私は、今回の改正に対して予算関係で、政府は今の予算の要求の以前に農林省として相当強く要求されておると思うのです。現在のものよりも相当大きな幅でもって要求をされておるのですが、その要求されておるのが、これがほんとうの家畜共済に対する考え方ではないかと思うのです。それで、以前要求された金額ですね、特に共済関係でもって、現行のものと比較して増額要求された面があると思うが、その面がある程度実現はしたけれども、しかし、なお不足になった分は実はどこにしわ寄せされたかというと、病傷害に対する国の負担面が減ってきておると思う。そこで、その数字を明らかにしていただきたい。私は、意地悪くそういうことを聞くんじゃなくて、何とかしてこれを一つ将来においてものにしていかなければならない、こう考えますので。そういう意味で、農林省の方で当初お考えになっておった数字等を一つお示しを願いたい。
#58
○政府委員(須賀賢二君) 今回の国庫負担法の改正に伴いまして、けさほども御説明を申し上げましたように、今回の案に、考え方にまとまりますまでの過程におきましては、いろいろな考え方をもちまして検討いたしたのでございます。死廃病傷を通じまして、実際の共済金額に応じて縦割り二分の一の負担方式をとりますと、約六億程度の国庫負担の増加になるわけでございます。いわゆる現在の国庫負担方式、今やっております国庫負担方式に比べて、約六億程度の財政負担の増加になるわけでございます。今回提案をいたしております国庫負担方式によりますと、さきほども申し上げましたように、国庫負担が二億六千万円の増加、それから補助金の交付によりますものが約七千二百万円でございますので、合せまして約三億三千万強の支出の増加になっておるわけでございます。お尋ねの点は、国庫負担、死廃病傷を通じまして国庫負担をするということになりますと、約六億程度の財政負担の増加になる見込みであるわけでございます。
#59
○東隆君 そうすると、六億から三倍三千万を差し引いた二億七千万程度を増加すると、政府が当初考えておった縦割りの国の負担額は満足されたことになると思うのですが、そういう意味でございますか。
#60
○政府委員(須賀賢二君) いわゆる計算上の数字といたしましては、ただいま御指摘のように、あと二億数千万円負担をいたしますれば、いわゆる縦割り二分の一の国家負担ができるわけでございますが、ただ、これには農作物共済あるいはその他の漁船保険、その他いわゆる国庫負担をいたしておりまする他の制度との均衡等もございますので、そういう問題がいろいろ派生をして出て参りまするが、一応その計算上の負担額といたしましては、ただいま御指摘のように、あと二億数千万円あれば縦割り二分の一が負担できるということになるわけでございます。
#61
○東隆君 先ほど、午前中に局長が答えられた中に、実は病傷に関する面については数字が明らかでない、そういうようなことで、その面は予算を成立させることができなかったというような意味のことを言われたのですが、私はそういう答弁をはなはだ残念だと思うんですが、病傷その他の関係なんかは、これは今までの経過でもって明らかになっているんじゃないかと思うんですが、そうじゃないんですか。
#62
○政府委員(須賀賢二君) 私が、けさほど、病傷に国庫負担を今回はすることにならなかった理由につきまして申し上げた点が、二点ございます。第一点は、病傷に国庫負担をする考え方の問題でございまして、死廃事故と病傷事故は、保険事故としての性質から考えまして、やや質的に違うのではないかという問題が一つあるわけでございます。と申しますのは、病傷事故の方は、農家の飼養管理その他いわゆる被保険者として善良なる管理をしていただきまして、相当事故の予防なり発生の防止を努力をしてもらわなきゃいけない性質のものであります。死廃事故の方は、その相当部分は農家としても避けられない事故であるというような性質の事故であるわけでございます。従いまして、病傷事故につきましてかりに国庫負担をするといたしますと、農家の飼養管理について最善の努力をしてもらうという面と、制度的にどういうふうにその辺を調整していくかという技術的な問題もあるわけでございまして、いろいろ病傷について国庫負担をする理論的な裏づけ等につきましても検討いたしたわけでございまするが、十分にそこの議論が詰めかねたわけでございまして、今回の場合は、それらの経過をたどりまして、病傷につきましては国庫負担を一応避けたわけでございます。
 それと、数字的な資料の関係で、現段階においては十分整備していないと申し上げました趣旨は、けさほど来申し上げておりまするように、乳牛についてのみ、死廃病傷両方の事故がともに上っておる。それから一般牛及び馬については、死廃事故が下って、病傷事故が上っているというような傾向をたどっておる。一般牛及び馬については、死廃が下って病傷がふえる。それから、乳牛については死廃病傷ともにふえるというような傾向をたどっております七従いまして、各畜種を通じまして、病傷事故というものがどういう傾向をたどるかということについて、まだ的確に把握をされておりませんし、また、特にここ数年来の乳牛の病傷事故の増加につきましては、酪農関係の一般的な事情が相当強く影響をしておることも当然考えられるわけでありますので、病傷事故の一応今後の推移等も見まして、もう少し事故率の推移が固まった段階でこの問題は検討をすべきでないかというふうに考えまして、今の段階では、データの関係からいっても、直接国庫負担に持っていくのには、なお若干時期尚早ではなかろうかというふうに考えたわけでございます。
#63
○東隆君 今、乳牛と馬とに分けて説明をされたんですが、私は、やはりそれは明らかに二つを分けてやるべきでないかと思う。その場合に、用畜としての、経済動物としての乳牛、それから役畜その他耕馬として使う馬、そういうような場合は、これは全然農家の経営の中における、何といいますか、働きですか、収入をあげるための働き、そういう面は非常に違っておると思います。全然趣きが違うのじゃないか。そういうような面を考えてみると、私は、用畜としての、経済動物としての場合に、死廃と、それから病傷というのは、これは同じようなものになると思います。決してこれを区別すべきものでなくて、当然同じような形になる。だから、この場合に、病傷に対して国庫が負担をしないということはどういうことになるかというと、共済事業そのものの目的を半分もうむだにしておるのじゃないか、こんなようなことになろうかと思います。というのは、たとえば泌尿器の障害とかになると、これはもうさっそく妊娠をしない、牛乳の生産がとまる、こういう問題が当然出てくるのですから、問題は、完全に牛を飼っておる目的がなくなってしまう、そういうようなことになって、病傷と死廃に分けておりますけれども、しかし、問題は、使えなくなったということが問題で、牛乳を生産しないというようなことが、もうこれが根本的な問題になってくる。原因と結果のような形になっておるけれども、実際はもう同じことになるのですから、農家の生活の中、農家の経営の中から見れば同じことになるのだから、その危険を負担する、共済をする、こういう考え方に立っておるのだろうと思う。その際に、本来ならばどういうことになるかといえば、当然病傷の方に重点を置くことによって、初めて死廃の方がずっと減ってくる、こういう形が出てくるのですから、共済組合のものの考え方は、私は、単に人間の方の生命保険だけじゃなくて、健康保険組合のような役割をやはり持っておると、こう考える。そういう意味を持っていなければ意味をなさぬのではないか。
 そういうように考えるというと、この二つをあわせた一つの制度として、その予防の方面、そっちの方面に対して国が十分に考え方を持つ。そういうような場合に、何といいますか、医療設備ですね、診療の方の設備だの何だの、これはそれを直接費みたいに考える。それから、普通の薬だの何だの、そういういろいろなものは、これはものによって違いましょうけれども、そのようなものは実費でおそらくやっておる面が多いのじゃないか。そうすると、設備として備えるものに対する国が負担するところのものは、当然国が負担すべきじゃないか、そういう考え方が出てくるのですが、これは動物の病傷の推移というもの、そういうようなものに関係なしに、一定の共済組合そのものが必要とする施設、そういうようなものを考えれば出てくる数字じゃないかと思うのです。その点はどういうふうにお考えになっておりますか。
#64
○政府委員(須賀賢二君) お尋ねの趣旨とあるいは違うかもしれませんが、家畜共済につきまして、死廃、病傷の一元化をやりました趣旨は、これは、ただいま東委員から御指摘のように、家畜が病気にかかりました場合、できるだけ早期に、しかも充実をした手当をいたしまして、死廃事故にまでなることを防止をするということで、一元化をはかったわけでございます。従いまして、一元化されました制度が適正に運用をされて参りますれば、病傷事故が若干上りまして、死廃事故が漸減をしていくというような傾向をたどることもある程度予想されたわけです。そうなってくると、国庫負担の方式について、従前通り死廃だけを負担の対象とし、病傷については国庫負担をしないということは、制度のねらいからしてつじつまが合わないじゃないかという御趣旨ではないかと思うのでありますが、これは御指摘の点もわれわれとしても十分考えておるのでございます。
 ただ、病傷につきまして国庫負担をするということを今後考えて参ります場合は、当然事故の防止対策、いわゆる病傷事故の国庫負担をすることによって、いわゆる療養の給付の程度等がある程度適正な基準をはずれるというような弊害も出ることが考えられるのでありまして、それらの事故防止対策について十分有効な手を打たなければならぬわけであります。それらの実際的な裏づけ等につきましても、まだ現段階では十分整っておるわけではございません。それらの裏づけも伴いまして、今後病傷に対して国でどういうふうに負担関係を措置して参るか、この料率期間中に十分検討して参りたいと思っているわけでございます。
 なお、診療所等の設備につきましては、けさほども申し上げましたように、徐々ではありまするが、国におきましてもそれの設備費程度は補助をいたしまして、順次整備を進めて参りたい、さように考えております。
#65
○東隆君 午前中に堀本委員がお聞きになったのは、何か家畜共済を作物共済の方と分けて、そうして全体の家畜という立場から共済事業、家畜共済を考えるべきじゃないか、こういう考え方で、私は大へんけっこうだと思うのですが、この場合、私はそれとは違って、日本の農業というものを考えるときに、この共済関係、実は作物を考えてみると、ほとんど水田中心になっておる。養蚕関係、あるいは麦類などもございますけれども、しかし、これはだんだん反収が減っていく、こういうようなことになって、中心はもう作物の方は水稲、こういうように限定されたような形になっている。ところが、畑の方になって参りますと、今言うように、減って参ることと、それから、それ以外に非常にたくさんの作物を栽培をしておるものが全部対象になっておらない。それで、作物生産の面において非常に片手落ちになっているのじゃないか。麦類であるとか、その他のものを入れなさい、あるいはジャガイモを対象に入れなさい、こういうような要求が非常に大きくなっております。しかし、私は、見方によって農家の生活安定、それから農家の生産の安定というようなことを考えてみたときに、家畜共済は実は畑作農家の共済、こういうふうに考えてみれば、これは農家を対象に見たときに、これは両方入る。均衡のとれたやり方になってきておると、こういう見方をするわけです。
 そこで、畑作地帯に対する共済のやり方として、その家畜共済を、これを非常に強く政府は施策をすべきであると、こういう考え方に立つわけです。これは家畜共済と作物共済とを分離するという考え方でなくて、作物と家畜の両方の共済を含めて、そうして農業保険としての大きな役割を果すべきであると、こういう考え方なんですが、この場合に問題になってくるのは、ほかの保険の政府負担の割合が二分の一だからというような考え方ですね。その場合に、実は動物の場合に、それならば二分の一になっているかと、こういうのです。時価に対して八割何がし、評価に対して八割何がしが保険の額になる。そうして、しかも、その場合に、普通のものならばその二分の一という限度が考えられますけれども、家畜の場合には病傷害の方はこれは除いているのですから、だから、そいつに重点を置いて、かりに五〇%ずつだと、フィフティ・フィフティだと、こういうことを前提に置けば、四分の一ということになってしまう。そうでしょう。国の負担が四分の一ということになってしまうので、これは必ずしも、説明をされたように、ほかの方で二分の一だから、私の方はこれでもってどうも予算を取るのに大へん不都合だと、
   〔理事堀本宜実君退席、理事北勝太
  郎君着席〕
こういうような表現の仕方は、これは私はどうもわからぬですね。だから、全体として二分の一というならば、今の形は四分の一しか国が負担していない、こんなことになる可能性があるのですが、これはどういうふうにお考えですか。はなはだ家畜に対しては少し片手落ちなやり方をやっておるのじゃないか、こういう見方なんですが。
#66
○政府委員(高橋衛君) ただいま東委員から、水稲と家畜とその他の畑作物と、それらの間に農業災害保険に関しまして、災害補償制度に関しまして、必ずしも公平にいっていないじゃないかという趣旨の御質疑があったのでございます。午前も関根さんやその他の委員の方に対するお答えにお答えいたしましたように、家畜共済につきましては、御承知のように、死廃部分に対してのみ二分の一を補償するという建前をとっておるのでございまして、病傷の分についてはそれをとっておらないのでございますが、その趣旨は、これに及ぼすことが望ましいことではあるのでございますけれども、いろいろ、たとえば乳牛について申しますると、酪農市場が変動がはなはだしいというような関係上、市場も必ずしも安定しない、飼育の方法も安定しないというところから、病傷の数字が相当時期的に、または価格の変動等によりまして、動きがあるというようなところから、なかなか基礎がつかみにくいというようなところから、今後そういうふうな点について十分検討したいと考えておるのでございます。
 また、畑作物につきましても、麦については、御承知のように、その対象にいたしておりますが、大豆その他の作物については、いまだ十分にこの制度を導入すべき程度の資料を整えておりませんし、また十分な調査もできておりません。また、分布その他の関係も、果して共済保険に適するかどうかという点についても、得心をするに至っておりませんので、そういうような趣旨から、こういうふうな問題は全般的に今後研究していきたい、かように考えておるのでございます。御趣旨の点はよく了解しておるのでございます。
#67
○東隆君 私は、数字その他の点でもって非常にわからないから、そこでそういう点は研究をするのだ、こういうお考えだし、それから局長のお話では四年間これでもってやるのだ、こういうことになって、四年間また延ばされておるわけです、そのお話からいくと。そこで、そういう問題じゃなくて、私は総掛金というものがきまるのですから、だから、数字じゃなくて総掛金に対するところの国庫負担の割合を考えればいいので、たとえば総掛金を分ければ病傷と死廃とに分れる。そしてその病傷の方を分けようと思えば、間接費と直接費に分けられる。そうすると、間接費の方はこれは問題にならぬでしょうが、直接費の方はこれは考えられるのですから、そうすると、国がそれに対して負担する割合なんかは、これは計算できる。できないというのじゃなくて、できるのがこれは当りまえなのです。そういう考え方でいくべきだ。病気の傾向だの何だのそういうことじゃなくて、頭数がはっきりして、それに当然加入していくという、そういうような数字の前提が出れば、国庫の負担だの何だの、そういうのはおのずから出てくるのであって、この問題は、数字をそんなに長く研究されたって、これは毎年違ってくるので、傾向くらいはわかるかもしれぬけれども、そんなものじゃなくて、早くやれば早く病気が減ってきたりなんかする事態を発生するかもしれぬけれども、しかし、それを自然にまかせておいてそしてやるというのは間違いじゃないですか。
 やはり一定の計画のもとで総掛金がちゃんときまっておるのだし、その総掛金のうち死廃の方はこれはもうはっきりしたのですから、牛の場合ははっきりしたのですから、そうすると、病傷の場合はこれははっきりしないと言われておるのですから、それは数字だの何だのの経緯、そういうものがはっきりしないからわかりません、こういうのだけれども、しかし、そうじゃなくて、加入したものはそれに対して掛金を払っていっているのですから、そしてそれの計算はちゃんと直接費と間接費くらいに分ければ分けられる。そうすると、それに対する、直接費に対する面ですね、そういうような面はこれはおのずから出てくるべき筋合いのもので、そんなに数字をいじくらなくたって出てくる数字じゃないですか。そしてその分に対する国庫負担の計算をすればいいのであって、何もそんなに何年もかかって、そして慎重審議して数字を出す必要はないので、政府はもうすでにその前提として縦割りでもって予算の要求をやっておるのだから、二億七千万円か加えるとまさに縦割りがちゃんとできるということになるのですが、その数字をちゃんとつかまえて、そしてただ大蔵省の方でもって何か理屈をつけて、そして壊されたという、これが現実じゃないかと思うのですが、そうじゃないですか、その点は。
#68
○政府委員(須賀賢二君) 折衝の過程と申しますか、現段階の考え方に至りますまでの過程について、それをそのままお取り上げになりますと、ただいまのお話のようなことにあるいはなるかもしれませんが、ただ、当初原案におきましても、病傷について直接国庫負担をすることにつきましては、いろいろ議論があったわけであります。それらを検討いたしました結果、今の段階においては、病傷については一応この保険料率期間中は他の方法を、講じて、さらにこれらの資料の整備なり病傷事故率の推移等も十分見極めた上で、負担方式を確立すべきであるという考え方を持ってやっておるわけでございます。
#69
○東隆君 私は、その衆議院の方の付帯決議につけられている面の縦割り二分の一、これは四年間も慎重審議をしてやられては困るので、早急に一つこれを考えろ、こういう付帯決議だろうと思う。従って、衆議院であなたはどういうような付帯決議に対して御答弁をされたのですか。
#70
○政府委員(須賀賢二君) 衆議院の付帯決議では、次の機会ということになっているわけでございます。次の機会という意味は、衆議院の審議の際に私ども伺った了解では、次の保険料率の一般改訂の機会と伺っているのでありまして、次の一般改訂の機会と申しますと四年先でございます。その際に縦割り二分の一を実現するようにと、こういう趣旨に了解いたしまして、政府としても善処いたしますという御答弁をいたしているわけであります。
#71
○東隆君 他の委員方はどういうふうにお考えになるか知りませんが、今の答弁では、政府は次の機会というのは四年後というふうに解釈されておりますが、私は、衆議院における付帯決議の次の機会というのは、おそらく次年度をさしているのではないかと思う。三十五年度の予算編成という点をさしているのじゃないかと思うのです。はなはだ食い違いがありまして、四年後は経済局長もみな栄転してしまいます。実のところをいうと、はなはだ心もとない付帯決議を衆議院ではしたものだと思うのです。私の方では、せっかく政府が今年度に原案として要求されているものは次年度には必ず確保すべきである、こういう考え方で要求しているのであります。それに対して政府は、特に農林省は、これについてはできるだけ努力をいたしますという答弁をするのは、これは常識的な考え方と思うのですが、その点は農林政務次官はどういうふうにお考えになりますか。
   〔理事北勝太郎君退席、委員長着
  席〕
#72
○政府委員(高橋衛君) ただいま局長が御答弁申し上げましたことは、私は、実は衆議院のその席に列席しておりませんので、衆議院の付帯決議の趣旨がどういう趣旨であるかということについて必ずしも十分に承知いたしておりません。私の報告を受けた範囲内におきましては、政府委員がお答えしたように了解いたしている次第でございます。
#73
○東隆君 私ははなはだ遺憾の意を表しますが、この際どうですか、先ほど私が言ったように、次年度、来年度において政府は縦割り二分の一の要求を、四年後というようなものにかかわらず、努力をするという誠意があるかないか、それを一つお聞きしたい。それまで、ぶん投げるというおつもりですか。
#74
○政府委員(須賀賢二君) それは政務次官からお答えを願った方が筋かと思いますが、決してぶん投げるということではありません。ただ、こういう制度は一料率期間の一つの区切りとして考えるべき筋のものだと思いますし、なお、この病傷分につきましても、国庫負担を現実に考えて参りますにつきましては、何回も申し上げておりますように、事故防止対策もさることながら、給付内容等につきましても、おのずから、国庫負担がついて参りますれば、現在給付の基準になっておりますものをいろいろ検討しなければならぬ面も多々出て参るわけでありまして、引き続きいろいろな資料を整備し、制度の面につきましても研究を重ねて参りまするのはもちろんでありますが、それには若干の時間がかかるわけでございます。私の見通しとしては、この料率期間中はただいま提案いたしておるやり方でやらせていただきまして、次の料率改訂期に他の適当な方法が実現できるように努力したい、かように考えております。
#75
○政府委員(高橋衛君) 先ほど、ぶん投げるというお話でございましたが、そういう趣旨では絶対ございません。衆議院の付帯決議におきましても、農業共済制度について抜本的な改正をするための調査会という趣旨の第一段のやはり付帯決議があったのであります。政府としましては、調査会というふうな正式の機関にするということの問題は別といたしまして、とにかくこの問題について何らかの機関を作って十分に検討してみたいということをお答えいたしておるのでございます、それとの関連もございますので、必ずしも四年間はこのまま据え置きだというふうに固く申し上げる趣旨でもないのでございまして、要するに、次の機会にはぜひそういう点についても十分検討して参りたい、こういうふうにお答えいたしておる次第であります。
#76
○東隆君 私は、政府は酪農振興の方策を掲げてそうしてやって参りましたけれども、これは生産の、増畜ですね、こっちの面に非常に重点を置かれてきたわけです。そこで、農業経営の安定性という面から来ると、今までの施策はこれはやはり間違っておるのじゃないか。それで、やはり酪農家の経営の安定ということを前提に置けば、私は、家畜共済というのはこれは基本的なものだろう、酪農振興の。これは酪農というか、酪農家の安定ということを中心に考えた場合に、これは基本的な政策になると思うのです。従って、今一番問題になってきているのは、酪農家の経営の安定という問題がこれが問題になってきて、乳価の問題にしましても、その他の問題にしても、みなそこにしわ寄せしてくると思います。そこで、それの一番大きな柱になるものであるがゆえに、私ども急速に国が施策として考えなければならぬ問題だろうと思うのです。それを、農業共済という考えのワクの中に入って、そうしてその中でもって次の料率の改訂を四年後というようなものでもって、もう一応国会で審議を了したのだから、四年間これでいくのだ、こんな安易な考え方でやれば、これはやっぱり農林省内におけるセクト主義とか、そんなものまでもまたやっていかなくちゃならぬ。全体として、やはり農業経営の安定ということを前提に置いて、そういう面から考えて、その中の酪農関係、それの安定、それの基本的な条件、こういうふうに見てもらわんければいかぬのでありまして、それを、自分たちのワクの中できまったのだからほかの方はどうでもいいというような、そんな考え方でもって処置されたら、これは政府が何ぼ酪農振興を掲げてやってみたって、動脈硬化症のような形になって、動かなくなってしまう、こういうことが言えるのじゃないですか。
 何もそんなに局長が答えるような何で、四年間これでもって経過を見るのだ、そんなことでなしに、ただ試験をやるというような場合は、北海道でもってこの前やったようなああいうふうな形でもってやる場合は、あるいはこれは必要かもしれないが、しかし、今の段階で何もそんなに、国家の負担金を二億数千万円増額をするものを、四年間待たなければできないとかどうするとか、そんな問題じゃないのですが、これは確実なものの考え方じゃないと思います。
#77
○政府委員(高橋衛君) 先ほど局長がお答えいたしましたのは、そういうような改訂が料率改訂の際において行われることが一番事務的に見てすなおだという趣旨においてお答え申し上げたのでございます。従って、ただいま御質問の中にもありますように、酪農振興上この病傷分についてどうしてこれを安定さしていくかという問題が非常に大きな問題であるということは、私どもも同様に感じておる次第でございます。
 傷病率が乳牛については五%、一般農家については一%くらい。しかしながら、ただきょうの午前中からお答え申し上げている点は、何分にも新しく飼養を開始した農家が多く、ふなれのためにこうなっている面が相当あるように思います。また、同時に、今度は乳価の騰落によりまして、非常に高い飼料を与えている場合があったり、または安くなると非常に粗末な飼料を与えるというような、つまり飼育上必ずしも妥当な飼育をしていないのではないかと思われるような点もございますので、それらの非常に全体として不安定な状態の動きにかかわらず、これを安定したときのものとして使うというようなことになりますと、今後自主的な共済制度というものを確立する上において、必ずしもそのデータというものが確実な基礎として採用し得るものであるかという点について、なおちゅうちょされますので、そういう点についてお答え申し上げましたような次第でございます。
 従って、全般的に、先ほど来御質問の趣旨にありますような方向に向って、先ほども申し上げました通り、農業共済全般の問題として何らかの結論が出るような場合におきましては、四年といわず、とにかく次の機会においてこれを検討するという方向において私どもは考えていきたい、こういうふうに考えておりますとお答え申し上げる次第であります。
#78
○仲原善一君 家畜共済の事業だけではなく、農作関係も含めて一般的な問題でございますけれども、事業主体の問題で、従来は組合だけに限られておりましたのが、先般の法律改正で市町村でもこの事業はできるということになったわけでございますが、午前中、堀本委員も触れられたように、あまりこの共済事業が農民の方で評判のよくないところもありまして、組合の経営も非常にまずいというので、市町村の方に事業を切りかえていこうというのがあると思います。で、そういう実態が、全国で、市村町が事業主体でやる所が実際あるのかどうかですね。そういう申請が出た場合に、農林省の指導方針としては、市町村が事業主体としてやることにどういうお考えを持っておられるのか。端的に申しますと、押えるような傾向にあるのか、あるいは助長していかれるのか、その辺の心がまえを一つお伺いいたしたいと思います。
#79
○政府委員(須賀賢二君) 過般の法律改正で、市町村委譲が一定の条件が整いました場合にできることとなったのでございますが、昨年一月一日法律施行後、本年の一月二十五日現在で委譲を実施いたしました町村数は、全国で八十二に達しております。なお、本年秋ごろまでには、なお若干の市町村委譲がある見込みでございます。委譲の事由といたしましては、一番大きいのは、非常に事業が小規模であるというものが一番大きいのでございまして、これが委譲町村数の約半分になっております。その他では、委譲をすると運営が効率的になるという理由によるものが、約四割くらいございます。
 委譲後の状況を私どもが事例的に調査をいたしたところによりますと、概して、引き受けの状況でありますとか、あるいは掛金等の徴収の状況その他、そういう事業面につきましては、委譲前と委譲後におきまして、それほど顕著なる変化を認めることは、概して傾向としては困難のようでございます。ただ、職員の待遇関係、身分安定と申しますか、いわゆる職員の点につきましては、委譲されました組合の方が概してよろしくなっておるのではないか。ただ、これは委譲前におきまして実質的にもう市町村で相当めんどうを見ておったという所が現実に委譲ができておりまするので、実態としては、委譲前と委譲後と、そう変った姿ではないのでございます。大体もう市町村の中に事務所を一緒に置きまして、市町村と非常に密接な関係を持って仕事をしておったとか、実質的には財政面においても市町村の方から若干の援助をしておったというような所が委譲をいたしておりまするので、委譲前と委譲後は、その点は実態的なそう大きな違いはないと思っております。
 委譲に関する今後の方針でございますが、一応、この法律を御審議いただきました際にも、農林省の考え方として御説明をいたしておりまするのは、市町村委譲については、組合の方の考え方と、それを受け入れる市町村の側とが、完全に考え方が一致した場合にやる。しかも、委譲をする場合につきましては、あるいは事業が著しく小規模であるとか、あるいは事業が著しく不振であるとか、それぞれ委譲すべき理由が法律に列挙をいたしてあるわけでございます。それらに該当いたしましたもので、しかも、両者の考え方が一致した場合にやるということになっておるわけでございますが、現段階におきましては、今後の委譲につきましても、農林省としては、そういう条件が整った場合に、相互の話し合いによって、委譲されるものは委譲をしていくというふうに考えているわけでございます。特に、法律御審議をいただきました当時と、特別に考え方は変えておりません。大体、そういう状況であります。
#80
○仲原善一君 次にお伺いいたしたいのは、解散の問題であります。これも、非常に不振の組合があっちこっちに出ておりまして、解散の議決をやったのがあると思います。去年の夏であったと思いますけれども、決算関係で東北を回った場合にも、某県では数件の解散の議決をした組合があって、県庁では処置に困っておるというようなのを実際に見てきたのでありますけれども、現在、解散の議決をした組合は大体どれくらいあるか。そうしてそういう解散をやった組合の事業は実際どうなるのか。出納なら出納の引き受けもとまってしまうのでありましょうし、そういうものについての、そういう事態の起った場合の実際の指導なり処置はどういうふうにされるのか。ほんとうに解散した場合に農林省の方がやはりこれを認めていくのか、その辺の方針をお伺いしたいと思います。
#81
○政府委員(須賀賢二君) 解散の議決をいたしました組合が、府県からの報告によりますと、本年の一月三十日までの状況といたしまして、三十二組合ございます。特に秋田その他一、二県、こういう動向の組合が多い県があるわけでございますが、これにつきましては、農林省といたしまして、この事業の公益性というような見地から、解散決議をそのまま承認をするというわけにはなかなか参らないというわけで、府県当局と緊密に連絡をとりながら、現在までこの三十二の解散議決組合に対しては全部承認をいたしておらないのでございます。
 承認をいたさないというのは、単に行政権の発動の建前から承認をいたさないというだけの考え方ではございませんで、解散を議決いたしました組合につきましては、さような事態に至りましたいろいろ原因なり背景があるわけでございまするので、それらにつきまして府県当局が中心になりまして、個々の組合について個別に十分現地の状況等も把握をいたしまして、個々の組合の実態に応じて、いろいろ手を尽しまして、事態の説明なり、あるいは制度の理解なり、あるいは非常に大きく不満の原因となりましたような原因を改めていくというようなことにつきまして、いろいろ県当局が中心となって、こまかく指導いたしておるわけでございます。従いまして、個々にそういう指導をいたしまして、解散の議決の状態から、もう一回活動状態に戻ってもらうように、いろいろ手を加えておるわけでございまして、この三十二の解散議決組合のうち、現在でもなお事業中止の状態にありますものは五組合だけでございます。あとは事業を再開いたしております。
 ただ、これは去年の秋、御承知のように、いろいろ災害が頻発いたしましたので、それを動機として事業を再開したものが多いのでございます。従いまして、根本的な、こういう動向が出て参りまする原因が十分解消して、事業が再開をしたというわけでも必ずしもないわけでございます。われわれといたしましては、幸いにして、去年の共済事故の発生を契機として事業が再開いたしておりまするので、さらに改正後の制度の趣旨の徹底なり、いろいろ不満となっておりまする事柄等の改善につきまして、いろいろ工夫努力をいたしまして、こういう事態の改善に努めて参りたいと考えます。
#82
○仲原善一君 町村合併に伴いまして、町村段階の共済組合がそれぞれ合併しておりますけれども、これに関係しましたことで農林省も大いに合併を慫慂されまして、大部分の県がそれにならって大いに進んでおると思いますけれども、その半面、今度農林省の方から出す補助金の面で、農林省の方針に従って合併した所は非常に少くなると、従来のように多い組合であった方が全体としては補助金がたくさん来るというような矛盾がありまして、この辺、地方庁では中に入って大いに農林省の指示に従って合併を慫慂して成果を上げた所は今度は逆に補助金が来るのが少くなった。私の県なんかで百万円ばかり少くなったというので、非常に板ばさみになって困っておる実態があったわけでございますが、これは補助金の配分等について前年度とそう変らぬというような標準なり、基準を設けられて、そこの断層を急に作らないようなやり方をお願いいたしたいと思うのですけれども、そういう点についてのお考えはどういうことになっておりますか。
#83
○政府委員(須賀賢二君) 事務費、人件費の補助につきましては、人件費につきましては、これは従前の実員を基礎にしてやっておりますから、おそらく合併をいたしました場合でもほとんど影響はないと思います。ただ事務費につきましては、これも配分の方法によりましていろいろ影響して参るわけでございます。順次、これは一年ごとにいろいろ工夫改善を加えておるのでございますが、今後の方向といたしましては、実績割りのウエートを若干ずつ低めまして、事業規模割りのウエートを重くして参りたいと、さように考えておるのでございます。ただ、これはこういう方法で配分を変えました場合におきましても、個々の組合につきましては、やはりその影響が逆になって参りまする組合も個々にはございまするので、一年ごとにあまり急激に変更いたしますと、その影響が大きゅうございますので、徐々にただいま申し上げましたような方向によりまして配分方法を工夫して参りたい、さように考えております。
#84
○仲原善一君 最後に、先ほど東委員も触れられた問題でありますけれども、予防措置として考える例の診療所の問題でありますが、これは先ほどの御答弁でだんだん拡充していこうというお話でございましたけれども、ことしなんかの事情を見ますと、大体六百万円程度であったと考えます。個所数も十カ所というふうに非常にわずかの補助金でありますので、これは本制度の健全な発展を助ける意味におきまして、予防措置にどうしても重点を置かにゃならぬという建前で、将来うんとこれは力を入れていただいて、診療所の施設の拡充に御努力を願いたいということがお願いでございますが、それと同時に、畜産局関係でやっております家畜保健所というのが地方にそれぞれあります。これとの関連が今の診療所はあまりないのじゃないかと思います。これを見ると、総合的に運用していけば予防措置の面で相当能率が上ってくるのじゃないかという気がいたしますが、これはまあ経済局と畜産局と、局が分れておる関係でなかなかその運営上統一のとれた総合的な運営はできぬかと考えますけれども、その辺はもう少し何か力の入れ方によっては唇歯輔車の形でうまくいくのじゃないかという気がいたしますので、これもお願いでありますけれども、申し上げておきます。
#85
○政府委員(須賀賢二君) 診療所の整備は、これは来年度につきましては、
 一カ所三十万円の初度設備費の補助で二十カ所を予定しておるのであります。これはけさほども申し上げましたように、順次整備の力を増して参りたいという考え方でございまするけれども、予算的には必ずしも十分でございません。次年度以降さらに努力をいたしたいと思っております。
 なお、保健所の運営の関係でございますが、これは私ども十分気をつけなければならない点でございまして、局が変っておりまするような場合に、往々こういう連絡関係が不十分な場合が多いのでございます。御注意の点を十分留意いたしまして今後努力いたして参りたいと思っております。
#86
○清澤俊英君 今の診療所の問題ですね、前に一度診療所にだいぶ積極的に乗り出されて、傷害等の場合、全部診療所を利用するようなふうに改正せられようとしたことがあったと思うのですが、その際に残余の獣医諸君が失業状態になるということで非常にもみ上げてあやふやになったのだと、こう記憶しておりますがね。だから、これも一つのやはり生活権の問題も加味しますので、診療所と診療所医師との関係について一つの研究をしていきますれば、診療所というものの設置には非常に楽なものができるのじゃないかと思う。それに関連して、最近の町医などの中でアメリカ式の病院を建てることが考えられていると、しばしば私も耳にするのですが、これは町のお医者さんが、総合病院を建てて、そこへ各医院が病人を引き連れて、施設は共同で使うが実際の診療は各医院の責任において一切をやるというようなアメリカ式のものがあるのだそうです。そういうものが盛んに議論せられておるのでありますから、もしこの前の診療所問題と獣医の問題が非常に問題になるならば、そういう診療所を作って、どの獣医でも行って、そこで診療並びにいろいろの仕事ができるということに利用を与えてやっていきますれば、前の難点を解決せられるのじゃないかと、こういうことを考えます。これはもし診療所というものを将来考えられるとするなら、そういう点も一つ十分御研究をお願いしたいと思います。この前それで失敗したと思うのです。まあ別に御返答が得られなければそれでよろしいのですが。
 次に、私、先ほどの仲原さんの質問に対して少しばかりお伺いしたいのでありますが、任意に解散して共済を脱退したという組合が三十二あるが、これに対して政府、農林省としては認可を与えなかった、こういうお話ですが、実際問題として、現在まだ五つ、そのままの状態でがんばっているのがあるというが、実際問題として、負担金も出さなければ掛金も出さぬというような事実上の解散状態のものができたとしましたならば、これに対して法的にそれを処分するとか、あるいは法的にどうするとかいう基準が何かあるのでありますか。
#87
○政府委員(須賀賢二君) 事実上の業務休止の状態になっておりますものについて、法的に何か処置する方法があるかということでございますが、これは解散決議をして業務を停止、事実上業務をとめておりますものにつきまして、直ちに法的に必要な処置をするということは、今の制度上はそういう裏づけはないと思います。ただ、この問題は解散決議をいたし、また、それによって事業休止をしております実態をいろいろ各組合について調べてみますると、農業災害補償制度そのものを根本から否定をしておるというものはほとんどないように見受けられるのでございます。いろいろこの制度の運営なり、仕組みについて、かねてからもう取り上げられておりまする問題についていろいろ意見を出し、異議を唱え、また、それらの改善をスローガンとして唱えておるわけでございます。従いまして、制度自体を根本的に否定をするという考え方に立っておるものではないというものが大部分でございまするので、いろいろ制度の運営について具体的に取り上げられておりまする問題につきましては、今後制度全体の検討を早急にいたしますことも勘案いたしまして、できるだけの範囲内においては改善も加え、また新制度の理解なり、運用なりにつきまして、十分趣旨が徹底しておりませんものにつきましては、その趣旨の徹底をはかるというようなことにつきまして、十分濃密なる指導をいたしまして、そういう状態が一日も早く元の状態に返るようにいたしたい、そういうことであります。
#88
○清澤俊英君 具体的の理由というものを仲原さんも質問しておられたし、私も具体的な理由をお聞きしたいのです。どこが一番中心になってそれほどの強硬な解散などを希望しておるか。
#89
○政府委員(須賀賢二君) 解散を希望いたしておりますものは、おおむね次のような、概括的に申し上げまして、解散議決というような事態に立ち至りましたのは、この農業共済制度全体に対しまする農家の一般的な不満があります中に、一部指導者の積極的の動き等によってそういう事態になっておるわけでございますが、解散議決をいたしました組合等で要望事項あるいは運動のスローガンというようなものとして掲げておりますものは、一つは、基準収量が低いというようなことが一つ。それから共済掛金の国庫負担をもっと増額してもらいたい、補償内容をもう少し充実をしろ、それから農業共済団体の事務費を全額国庫負担にしろ、それから損害評価の自主性を確立をしろ、それから強制加入の制度を廃止して、自由加入制にしろ、それから共済掛金の早期支払、無事戻し制の強化、確立をやるべきだ、農業共済団体の行います損害防除事業を強化して、その費用を国庫補助とすること、共済掛金事務費の強制徴収をするな、こういったような、この制度に関しまして常に出ておりまする各般の問題の解決を要望して、そういうような運動に出ておるというのが実態でございます。
#90
○清澤俊英君 いろいろ今具体的なものをあげられましたが、要約すると、これと関連したものがあり幸して、大きく三つぐらいに分けられると思う。第一が、せっかく災害になっても、もらう金が五千円くらいで少い。これがまあ主点になりまして、第二が、掛金は問題にしておりませんが、非常に負担金が掛金と比べて十倍ぐらい取られるところがある。これが第二ではないかと思う。第三は、ほとんど災害をこうむらぬ、災害の危険を持たない、どうもばからしい。これが中心になって、いろいろなものに出ているようでありますが、これについて先般の改正では、五段階に分けて選択制のようなものが一つ取り上げられている。そして無事戻し制がそのままになっている、こういう状態になっている。私どもの考えからいきますと、選択制それ自身はやはり今の要求から見ますと、非常な一つの無理が出るのではないか。むしろ選択制はやることをやめて、無事戻し一本にしぼることができれば、大体今言いましたような不平というものが非常に緩和するのじゃなかろうか、こういうことを考えるのであります。それと同時に、負担金は知事、農林省等の一応認可を受けるような形になっているかと思うのですが、これらに対して、やはりある限度をきめて、負担金を制約ずる、これは非常に私は重要なことではないかと思う。前の共済制度を改正するという小委員会ですか、特別委員会みたいなもの、審議会を作られました際には、この問題は非常に大きく取り上げられて、原案としては、掛金の倍率をきめて、それ以上は取ってはならぬというような意見も非常に出てきておるのです。それがそのままになっておる、そういうことが中心になって共済それ自身を否認する、こういう問題が出ているのです。こういう点について農林省は一体どうお考えになっているか。先ほどから聞いておりますと、せっかくやったんだからまあ四年ぐらい一つやってみてからというようなのんきなことを言うておられますが、もう足元に火がついて、相当全体の空気としては共済は要らない、こういう空気になっているのです。全体の空気が、非常にわれわれから見ますと重要な共済制度だと思っておりますが、実際共済をかけているという人たちから見ますれば、たまさか災害にあっても、もらうものはほとんど全滅した場合でも五千円くらいのものだ、そしてそれについては、掛金のほかに掛金の十倍ぐらい取られている。いつ災害があるかわからぬというような、恒常災害地でもないならば、結局西のために東が掛金をしているのだ、こういうような空気が非常に強いのです。局長が考えているどころじゃない。強いのです。ただ、たまたま強い所でそういうような一つの強硬な決議をしてやっておりますが、集団的な共済脱退の危機にさらされて、われわれは始終ひっぱり出されてそれを防止の役目を言いつけられることは数少くないのであります。そういう空気になっているのでありますから、私は農林省としても、この問題についてはそうのんきなことを言わないで、急速なやはり再検討をすべきじゃないか。私をして言わしむるならば、先般の、一昨々年か小委員会、審議会を作って、衆参両院の議員によって審議会を作って検討したときには、全く思いつきでした、これは。一、二の思いつきが勝を制して、抜本的な共済法の改正をするのだということに対しましては、抜本的なことをやらぬでしまいました。これは実際やらなかったのであります。そうして思いつきでもって、ぱたぱたとあれをきめて出た、法律改正が行われてきたことは事実であります。だから、きのうか、両三日前かしりませんが、衆議院においてこれについていろいろな問題が出たと思う。出た一番の中心人物が、その改正のとき、そういう態度を、農協のバックのもとに提案してきた。われわれは全く進まんだった。進まんだったけれども、われわれの意見などはもう差しはさむ十分の余地もないで押し切られた、こういう形になっております。だからその結果として今日のようななお急迫した問題が出てきた。従いまして、選択制などというて最後の二千円ぐらい取ってみたところで、十年先に行ってたまさかの場合二千円くらい取ってみたってこれは問題にならぬ、こういうような一番悪い制度だけが採用されて、無事戻しのような最も重点を置かれるものが閑却されて、法案ができ上った、改正せられた、こういうことを考えるとき、農林省としてはいま一度正式な調査会等を衆議院で言うがごとく作り直して、そうして少くとも三十四年度くらいに結論を出して、抜本的な改革を企図せられることが非常に大切な時期じゃないか、こう考えておるわけであります。先ほどからの御答弁を聞きますと、その点には至って熱意がないようですが、いま一度御所見をお伺いしておきたいと思います。
#91
○政府委員(須賀賢二君) 賦課金の問題につきましては、特に清澤先生のおっしゃることは、これは軽被害地域であります関係で、賦課金が掛金より高いというふうな事例が現実に起きておるわけでございます。この問題は、実際の負担関係から見ますると、これは数字的に実態をよくお話し申し上げておいた方がいいと思うのでありますが、今事務費につきまして国が負担しておりますものが約二十三億、農家が負担しておりますものが、現実に賦課金として取っておりますものが四十数億あります。従いまして、これは財政的に解決いたしますにつきましても、相当額の財政支出を要する問題でございますので、決して簡単に参るわけではございません。従いまして、ここでこれは逐次改善をいたしますというようなことを申し上げましても、簡単に参るわけじゃございませんで、実態だけを申し上げまして、とりあえずの問題といたしましては、三十三年度から賦課金の賦課徴収につきましては、県庁において一定の基準を設けまして承認をすることにいたしております。その基準は、とりあえずのところは、前年度より高くならないということで押えて参っております。これは今後制度全般につきましていろいろ検討を進めて参りまする際にきわめて重要な一つの問題となることと考えます。
 なお、制度全般の検討の問題でございますが、これは前回の改正案の成立の経過等につきましても、いろいろ詳しいお話がありましたが、農林省といたしましても、過般衆議院におきまして御審議の際にいろいろ出ました御意見等も参酌いたしまして、農林大臣から、衆議院の農林水産委員会で御審議の過程の中で、大体新制度は一応米はこれは一回経験をいたした、ことしの麦で一回経験をいたす、ことしの大体麦が収穫期になりますと、米麦通じまして新制度が一回だけは現実に適用された結果が出て参るわけであります。従いまして、それらの結果等も参酌に十分織り込みまして、おそくも今年の後半には本格的に適当な機構と申しますか、組織によってこの問題に取り組みたいという気持を衆議院の審議の過程でも御表明になっておられる問題でございますので、われわれといたしましても、その線に沿いまして具体的にどういうような組織と方法、考え方によって検討に取りかかって参るかということにつきましては、なるべく早くきめたいというふうに考えております。
#92
○清澤俊英君 その通り、この前共済制度改正の問題が出ました当時、私ども記憶しておりますところでみますと、大体災害補償額と掛金率が約八十億そこそこにもなっております。従いまして、国が補償する部分だけは国が負担してその上へかぶされておる。そしてなお、今聞きますと、約六十億になんなんとする事務費がそこに加算せられる、国庫負担がつき回る、こういうようなことで財政的に考えてみましても、場合によったら根本的な改革をして公営的なものにある部分を移すか、全体を公営に移すなりしてやっていくべきじゃないかというようなところが相当研究の余地があるのではないかと思う。大体その当時七十九億だと思ったが、七十九億円か七十億くらいの給付金に対して掛金が大体それでとんとんで終っておる。あとはみんな経費、その経費の方が約倍になっておる。百五十億くらいになっておるのじゃないか。そういうようなことを考えますと、国の補償分をまぜるとその倍になっておると思う。非常な割り切れない数字がそこに生まれておる。だから当時私どもは四割以上くらいなものはもう国で補償してしまえ、補償一本でいく。三割以下くらいのものは自己共済で農協に全部移してしまったらどうかというようなことも研究の題目にして考えたのでありますが、頭からそれは議題にならないでしまった。現在の災害補償共済組合それ自身がなわ張り的な反対をしておって、そして真実な検討に入れない。私は場合によりましたら、そういう実情があるならば、農林省が大いに目をつぶってそうして一応表面的な解散にまで持ち込んでいってそれから仕直すということもできるだろうと思う。これは農協自身のなわ張り的な弱体が結局こういう問題を惹起しているのじゃないかと私は思う。ほんとうに農民が農民のための共済を自分で確立するということになりますれば、共済制度という法律をもらってできた組合であろうと、自主組合であろうと、最も金のかからぬ一番便利なものに整理統合してやっていきますことが、これは当りまえの話だと思う。それができないところに私は今日の日本の農業会自身の弱さを感じておると同時に、何かしらんそこには中央部におけるなわ張り的な考え方が蟠踞している、そうして末端においては不平というものが存在する、こういう私はばかな話はないと思うのです。そういう点を一つ思い切った形で直すだけの農林省として私は努力をされたらいいと思うのですよ。どうですか。あっちにひょろひょろこっちにひょろひょろして、今のこの段階に来て農民の納得するようなものは絶対できやしないと思いますよ、すべてのものにね。こういう点に対して経済局長はどう考えるか。
#93
○政府委員(須賀賢二君) ただいまの段階におきまして、今後農災法をどういうふうに持っていくかというような問題について、具体的にここでいろいろ申し上げることは、われわれといたしましても、まだそこまでの準備はできておりませんし、また必ずしも適当でないと思います。ただいま清澤先生からいろいろ御叱責がありました点は、われわれがこの問題に今後取り組みます場合の心がまえなり、また気持の用意といたしまして十分承わっておきたいと思います。
#94
○藤野繁雄君 市町村合併の結果、農業共済が合併したならば、従来と合併後と農民の経費上の負担がどういうふうに軽減せられたか、パーセントで示すことができたら、それをお示し願いたいと思います。
#95
○政府委員(須賀賢二君) 市町村合併に伴いまして農民共済組合が合併いたしました場合、現在では特に人件費部分につきましては、ほとんど人員の数を減らしておりません。従前の人を、実数そのままを引き継いでおります。従いまして、その部分につきましては実質的に軽減をされるようなことになっておりません。従いまして、引き継ぎ当座の状況といたしましては、経費関係につきましてそれほど目立った変化はございません。これは長期的にできるだけ能率的かつ安い経費で、今までのように持っていくというわけでございます。
#96
○藤野繁雄君 さっきのお話で出たのですが、牛馬が死亡、廃用になった場合、農家は必ずそのかわりのものを直ちに購入しなければいかぬ、しかし、資金は出てこない、こういうふうなことであれば、農家はわきの方から資金を借りて牛馬を入れなければならない、こういうふうなことになるから、家畜共済についていろいろと問題が起っているのでありますが、何とか特別の方法をもって農耕用に飼養しているところの牛馬が死亡、廃用、疾病、あるいは傷害で故障があったというような場合、直ちに融資か何かの方法で入れる、その融資の見返りとしては共済の金だということができないものであるかどうか。そういうふうなことを考えておられるかどうかお尋ねしたいと思います。
#97
○政府委員(須賀賢二君) 私も農協の窓口の実態をよく確かめておりませんので、確かなことは申し上げかねますが、保険金の支払いは、先ほども申し上げましたように、かなり時間がかかっておるようでございます。従いまして、これをなるべく早期支払いをいたしますように改善をいたして参りますことは今後も十分努力をいたすつもりでございますが、ただいまのような場合につきましては、おそらく農協と十分御相談をしていただければ、入って参りまする保険金を見合いにいたしまして農協から一時融資を受けることは必ずしもむずかしいことではないのじゃないか。最近の農協の資金繰りの状況等も、この程度のあれに困るというような状況でもございませんし、また借り渡し等の方法もあるようでございますから、そういうようなことが円滑にいって参っておらないようでございますれば、私どもの方ではさらに府県等を通じまして、そういうような要望にこたえられますようにいろいろ手配をして参りたいと、かように考えております。
#98
○藤野繁雄君 いま一つ、死廃病傷共済の概要の加入の申込みのところにも書いてありますが、法律からいえば、法律第百十一条第一項の問題ですが、農作物共済で当然加入の組合員となっている者の所有または管理する牛馬については、死廃病傷共済に加入すべきことを総会で決議したときは、組合員は加入の義務を負う、これはもうこうやっていただかなければできないのでありますが、加入の義務を負うが、加入しない者に対してはどういう方法をもって加入の勧誘をしておられるのか、また勧誘されるお考えであるか、また現在の実態はどういうふうな状態であるか伺いたいと思います。
#99
○政府委員(須賀賢二君) 家畜共済につきましては、ここに書いてございますように、いわゆる法律で当然加入すべきではなくて、組合で議決をいたしました場合に、全体について加入の義務が発生するというような、いわゆる義務加入の方法をとっているわけであります。これによりまして、現在の実際の引受割合は、乳牛につきましては六二%程度になっております。それから馬が六九%、牛が六五%ということで、全体で六割七分くらいの加入率になっておるわけでございますが、これは一頭でも加入が多く、いわゆる共済事業の母集団が多くなりますと、掛金率等も全体が均衡して参りまするし、また賦課金等の場合につきましても軽減されて参りますので、極力これは強制的にするだけの法制が現在ございませんので、個別加入を勧誘することによりまして、できるだけ多く加入いたしますように指導いたしておるわけでございます。
#100
○東隆君 私は、この共済関係の付帯事業でありますけれども、診療所の技術員、獣医なんですが、この働きというか、この活動というものを見のがしては問題にならぬと思うんです。そこで、共済関係の事務費関係は、これは家畜の方も作物の方も出ておるわけです。ところが、事、技術に関係した面については非常に手薄になっている。作物の関係はこれは事務経費等でやれるかもしれぬ。しかし、家畜共済の方に関する限りは、これはなかなか事務的にこれをやるわけにいかないので、やはり獣医がその中に入ってそうしてやらなければならぬ。事故を確認する問題から始まって、ことごとく獣医がそれに関与しなければならぬ、そういうふうに考えて参りますると、私は技術者に対する考え方を農林省はやはり大きく考えなければならぬと、こういうふうに考えるが、それで昔は北海道の例をとってみるというと、獣医は、これは農村を回って、そしてそこの農家の牛や馬をほめて、そして農家が喜んで、そしてしょうちゅうだのなんだの出して、そして一日に二軒ぐらい回ったらこれでもって仕事が終ったような形のものがこれは非常に多かった、回診をして回ったにしてもですね。ところが、今の北海道の診療所における獣医の動きというものは、これはもうものすごい活動をやっておるわけです。それでことにラジオの共同聴取だのなんだのやっておる村は、これはもうほとんど大部分の村がみんな有線放送を持っておるわけです。従って、動物に事故が起きたときには、獣医を呼び出している。従って、東の方から西の方にふっ飛んで行かなきゃならない、そういうふうなわけで大ていみんなオートバイだのなんだの、そういうものを持って、そして縦横無尽に動き回っておるわけです。これが事故を起さないようにしておる。これが一番大きな中心的なものになっておる。そのような国家の負担をできるだけ少くするような働きをしておる者に対する国の見方は非常に薄いと思うんです。今の計算からいけば、国庫関係は一つもそれに対しては出していないと、こういうのがこれが現実の姿です。それでこの計算は、これは国庫がこちらの方面に相当力を注ぐべきであってですね、注ぐことによって国の負担を減ずるというようなことにも大きくなると思う。ところが、今の畜産局の関係から見ても、それからこの経済局の関係から見ても、これに対する助長の政策というものが、助長のための考えが一つも獣医に関する限はない。ほったらかしになっている。それで全体の、町獣医その他も含めてやるといろ、そういう手はないと思いますから、そこで、共済に関連をしている者だけについても、これは国が相当考えていくべきじゃないか。ことに問題は、国の負担分を減額させる、これは中心的なものなんだから、これに国が金を出しても、これは国は決してつまらないものに投じたということにはならぬと思う。十分にプラス、マイナス償うべき筋合いのものだと、こういうふうに考えるのです。そうしてそれを一日も早く強化することが共済事業をりっぱなものにする、こういう考え方なんです。そういう意味で病傷に対するものの考え方と、やはり施設を中心にしてそれに対する考え方、こういうふうに考えていけば、私は十分に計算のめども立っていくし、そういうような関係でもって負担分の計算もできるんじゃないか、こういうような考え方で、先ほどしつこくお聞きをしたわけですけれども、要点はそこなんですよ。そこで、問題は技術を担当している面について、共済の関係は非常に冷淡な考え方だ。だからこれを何らかの形でもって埋め合せてそうして家畜診療を天職にしているのですから、その仕事をほんとうに喜んでやれるような態勢を作り上げたい。そのために私はすみやかに四年後じゃなくて、すみやかに農林省の方でお考えになって、そうして縦割二分の一の実現に一つ国庫負担をお考え願いたい、こういうことを申し上げて私の質問を終りたいのですが、それについて、農林政務次官がおられなくなったのではなはだ遺憾でありますけれども、一つ、そういうことをお考えになっていただきたいと思いまする
#101
○委員長(秋山俊一郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#102
○委員長(秋山俊一郎君) 速記をつけて。
 ただいま御懇談申し上げましたように、この法律案は大体質疑は尽きたように思いまするが、なお、次回において、もし御質疑があればやることにいたしまして、なければ、これで質疑は終了したことにいたします。
#103
○委員長(秋山俊一郎君) それでは議題に追加いたしまして、でん粉の件を議題にいたします。
 この件について、藤野委員から質疑の要求がございますので、この際、御発言を願うことにいたします。
 なお、本件につきましては、政府から渡部食糧庁長官、筒井業務第二部食品課長のお二人が見えておりますから、御質疑を願います。
#104
○藤野繁雄君 まず最初に、私は政府にお礼を申し上げ、次に要望したいと思い、いろいろ質問もしたいと思っております。
 昨年のカンショ澱粉の価格決定については、私などの要求をいれて早く価格を決定していただいたために、カンショの取引、あるいは澱粉の製造ということに非常に好結果を来たしたということは、まことに政府当局の善処に対して感謝の意を表します。
 昨年は天候その他の関係で減収ではないだろうかということで、いろいろ検討を進められておったのでありますが、あとではある程度減収ではないというようなことにもなって、カンショの値段もある程度、原料カンショの値段もある程度低下したというような事情もあったのでありますが、澱粉の製造も順調に進みました結果、その澱粉の取引も順調に行われつつあったのでありますが、最近に至りますというと、澱粉の価格が非常に下落し、また最近においては、ほとんど取引の状態がないというようなことで、澱粉業者は、澱粉を取り扱っているところの農協も業者の方も非常に困っておるような状態であるのでありますが、現在の澱粉の状態がどういうふうになっているのであるか、これをまず食糧庁長官にお尋ねしたいと思うのであります。
#105
○政府委員(渡部伍良君) 澱粉の政府の買入倍額方針につきましては、昨年の秋、澱粉調査会の答申の趣旨に基きまして、まず生産者団体の販売調整活動を前提として、販売調整活動で価格の安定をはかりまして、そうして販売調整活動が及ばないところで政府が買い入れする、こういうことで全販連及び全澱連と相談いたしまして、月別の集荷計画、販売計画というものを作りまして、大体一定の数量をきめまして、その数量をそれぞれ製造者から買い取りまして持っておる。そうして価格の安定をして、期末、すなわち調整期間の期末に残ったものが出れば、政府でそれを買い上げようと、こういう趣旨でそれぞれやってきておったのであります。大体、全販連系統におきましては、ほとんど予定に近い販売調整をやっております。全澱連系統では計画に大体八割くらいまでしか及んでない、こういう状況でございます。
#106
○藤野繁雄君 そうするというと、現在の価格は一体どのくらいの価格になって取引されておるのであるか、あるいは実際はほとんど取引が皆無の状態であるか、その点お尋ねしたいと思います。
#107
○政府委員(渡部伍良君) これは東京、名古屋、大阪、まあカンショ澱粉について申し上げます。一月の二十日ごろ東京では千五百五十円、いわゆる政府の買上価格と同値でございましたが、二月の二十五日では千五百十円、名古屋が二月二十五日に千五百四十円、大阪が千五百四十円、こういうふうな状況に相なっております。
#108
○藤野繁雄君 そうするとそれで取引がされて、それでたとえば全国の澱粉協会の販売計画によって資金償還計画というようなものができる見通しがあるとお考えでありますか、あるいは現在の販売状況では資金計画に基いて月別販売計画ができないと、従って、資金は償還ができないと、こういうふうな状態になっているというお考えであるか、その点をお尋ねしたいと思う。
#109
○政府委員(渡部伍良君) これは先ほど申し上げましたように、予定の販売調整計画の限度まで買い入れるということにするためには、私の方では商工中金等の資金をあっせんしまして、これは全販系統では問題ないようでありますが、全澱連系統ではいたす用意をしておるのであります。最近、先週の終りごろにこういう問題が突如として、私どもの係の方も会に呼び出されまして、相場がきまって政府で買ってくれ、こういうお話でありますが、よく話を聞いてみると、販売調整計画を予定通りやっていない。この表に書いてありますように、もしかりに資金が足りないようであればそれはこちらでまたお世話するのだが、一体どういうことかと、こういうことで相談をしておるのでありますが、現在は今の販売調整計画のぎりぎり一ぱいまで努力しておる、そうしてどうしても、それでもまだ市場が持ち直さないということならば、やはり第二段のことなども考えなければならぬじゃないかと。この表にもございますように、ちょっと私どものふに落ちないことがあります。たとえば原料カンショのこの平均相場、これは非常に高いのですね、二十八円以上になっておるわけでございましてですね、二月に入ってこの相場ががたっと落ちている。そしてこれはこういうことがないように販売調整計画をやろうということを打ち合せしておるのにもかかわらず、こういう相場を立てるということは一体どういうことなんだろうか。もう少しその事情を知りたいということで今調査をしておるのでございます。いずれにしましても、私の方では相場を維持するという、千五百五十円の基準価格がらみに維持することは食糧庁として今調査しております。
#110
○藤野繁雄君 そうすると、この澱粉関係あるいは農産物価格安定の方の予算の金額としては、昭和三十三年度はどのくらいの残金があるのでありますか。
#111
○政府委員(渡部伍良君) 大体五十六億ございます。ですから、千五百五十円でございますから、四千万貫は買う残金がある計算にはなっておるわけでございます。ですから、買う金がないからどうこうという問題ではなしに、もう少し事情を調べて、できるだけの今までの自主的な販売調整というものができるのかできないか、これは今年の初めての試みでございますから、もう少し努力してみたらいいのじゃないかと思います。
#112
○藤野繁雄君 ちょうど昨年も同じような傾向がありましたのですから、政府に対して三月末にはぜひ政府の定めた価格に決定、たとえば千五百五十円になるまでに調整してもらいたいというようなことで買い上げてもらったのでありますが、今のところでは、いろいろと調査をしてみなくては買い上げるか買い上げないかわからないと、こういうふうな状態であるのでありますか、その点をお尋ねしたいと思います。
#113
○政府委員(渡部伍良君) その通りでございます。
#114
○藤野繁雄君 そうすると現在では、私の手元にある資料では、澱粉の価格は乾燥品検査一等品、澱粉工場建値十貫当り、関東地区で千四百八十円、九州地区が千四百二十円とされておるが、実際に取引はほとんどないと、こういうふうでありますが、こういうふうなことになってもまだ価格調整をどうするか、調整販売をどうするかということで検討中だから、今すぐに決定はできないというようなことでありますが、それはごもっともであろうと思うが、ぜひ澱粉の価格の安定をはかって、政府が定められた千五百五十円までには達するように、年度内に一回買い上げてもらいたいと思っておるのでありますが、この点についてお尋ねいたします。
#115
○政府委員(渡部伍良君) よく実態を調べまして、どうしても必要であるということになれば、御趣旨のような処置をとりたいと考えております。
#116
○藤野繁雄君 それで大体政府の方針も了承いたしましたから、現在の状況では値段が安く、かつまた、取引の状況はほとんど皆無の状態であるというような現状ということを業者の方からは陳情が来ておりますから、実態を調査しまして、こういうふうな陳情のような実態であるとしたならば、昭和三十三年度の予算も幸いにしてゆとりがあるということでありますから、その予算の範囲内において、ある程度の澱粉を買い上げて農産物価格安定法が完全に実施せられるように私の希望を述べて私の質問を終ります。
#117
○委員長(秋山俊一郎君) この問題はこの程度にいたしまして、本日は、これで散会いたします。
   午後四時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト