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1958/12/18 第31回国会 参議院 参議院会議録情報 第031回国会 商工委員会 第3号
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1958/12/18 第31回国会 参議院

参議院会議録情報 第031回国会 商工委員会 第3号

#1
第031回国会 商工委員会 第3号
昭和三十三年十二月十八日(木曜日)
   午後一時四十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月十七日委員武藤常介君辞任につ
き、その補欠として小沢久太郎君を議
長において指名した。
本日委員西田隆男君辞任につき、その
補欠として堀木鎌三君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     田畑 金光君
   理事
           上原 正吉君
           小幡 治和君
           相馬 助治君
           大竹平八郎君
   委員
           古池 信三君
           高橋進太郎君
           堀木 鎌三君
           堀本 宜実君
           阿部 竹松君
           海野 三朗君
           栗山 良夫君
           島   清君
           加藤 正人君
  国務大臣
   通商産業大臣  高橋達之助君
   国 務 大 臣 三木 武夫君
  政府委員
   経済企画庁調整
   局長      大堀  弘君
   通商産業政務次
   官       大島 秀一君
   通商産業省通商
   局長      松尾泰一郎君
   通商産業省企業
   局長      松尾 金藏君
   通商産業省重工
   業局長     小出 榮一君
  説明員
   経済企画庁調整
   局参事官    花園 一郎君
   厚生省公衆衛生
   局水道課長   田邊  弘君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会開会の件
○軽機械の輸出の振興に関する法律案
 (内閣送付、予備審査)
○公共用水域の水質の保全に関する法
 律案(内閣送付、予備審査)
○工場排水等の規制に関する法律案
 (内閣送付、予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(田畑金光君) これより商工委員会を開会いたします。
 まず、連合審査会についてお諮りいたします。
 さる十六日建設委員長より、また本日農林水産委員長より、それぞれ公共用水域の水賢の保全に関する法律案及び工場排水等の規制に関する法律案について、連合審査会を開かれたい旨の申し入れがありました、両委員長申し入れの通り、連合審査会を開くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(田畑金光君) 御異議ないと認めます。
 なお、連合審査会は、日程表の通り明日午後一時より開会いたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(田畑金光君) 次に、軽機械の輸出の振興に関する法律案を議題といたします。
 まず、提案理由の説明を願います。
#5
○政府委員(大島秀一君) ただいま上程されました軽機械の輸出の振興に関する法律案についてその提案理由を説明いたします。
 ミシン、双眼鏡を初めとするいわゆる軽機械の輸出は年額一億ドルをこえ、船舶を除く機械輸出の三分の一を占めるに至っております。しかもこれらの輸出は年々確実な増加を示し、今後の輸出拡大のホープと目されているのでありますが、このような目ざましい輸出の拡大はこれらの怪機械が中小企業を主体とするアセンブル方式によって製造されその工程に相当の人手を要することによってわが国がきわめて強い国際競争力を持っていることによるものと考えます。
 しかしながらアセンブル方式をとっていることから、開業するだけならばほとんど設備らしい設備もなしにできるために業界の過当競争が著しく、輸出価格の著しい低落をみておるのでありまして、この結果当然得られるべき外貨を入すみす失っているという現状になっております。
 また中小企業を主体とすることによって海外事情に対する知識はほとんどなく、めくら貿易に近い状況に置かれている上、このような峰機械の輸出拡大に欠くべからざる海外市場への広告、宣伝活動もほとんど行われていないという状況であります。
 このような事態に対しまして軽機械の輸出の振興のために従来とられてきた方策を振り返ってみますと、過当競争防止のためには輸出入取引法、中小企業団体法等の施策があげられるのでありますが、軽機械という特殊の商品について考えますと不十分な面がなお存すると考えられますし、また軽機械の品質の向上ないし積極的な海外市場へのマーケッティングという観点についてはほとんど未開拓のまま残されてきたと言って過言ではありません。
 従って、ここに従来の方策を補完し、軽機械の輸出をさらに一段と発展させるべく種々検討いたしました結果、従来から特に問題の多かったミシン及び双眼鏡を当面の対象として新たなる立法を喫するとの結論に達した次第であります。
 この法律案の骨子は、製造業者の登録制の採用と輸出振興事業協会の設立という二点に要約されるのであります。
 第一に、輸出向の軽機械及び軽機会部品について製造業者の登録を行うことにより、メーカーらしいメーカーを育てていく基盤を作り、これによって軽機械の品質の向上を期するとともに、特に軽機械の組立業者について過当競争が著しくなりました場合には、一時その登録を停止して新規開業を押え、業界の安定をはかることにしたいと考えます。
 第二には、輸出振興事業協会を設立し、これを中核体として海外市場に対する調査、宣伝を活発に行い、同時に輸出向軽機械の品質向上をはかりたいと考えております。これらはまさに輸出拡大のかぎとなるものでありながら、国内における過当競争によって、従来、業界にその余力がなかったのでありますが、協会への負担金の納入によってこれを活発に行うことが可能になると考えます。
 申し上げるまでもなく、輸出の振興はわが国経済発展のための最大の要請であり、その中でも機械の占める重要性は次第に高まっているのでありますが、このような要請に当面応ずることができるのはまさに軽機械と考えるのであります。このような事情をおくみ取りの上、何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
#6
○委員長(田畑金光君) 本案に対する質疑は、後日行うことにいたします。
#7
○委員長(田畑金光君) 次いで、公共用水域の水質の保全に関する法律案及び工場排水等の規制に関する法律案を一括して議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。
#8
○大竹平八郎君 私は、この両案が提出されることにつきましては賛成をするのでありますが、むしろおそきに失するということは、昨年、御承知の通り大きな問題として取り上げられたものだけでも、例の本州製紙の問題とか、あるいはさらに小田原における富士フィルムの事件、こういうような大きな事件が、昨年だけでも相当あったわけであります。それからなお、相当被害を受けていながら、それをいろいろ訴える機関というものがなく、また、訴えましても、簡単にこれは解決をすることができないというような面で泣き寝入りをしているものが非常に多い。それから、樹上フィルムの一つの例を申し上げまするというと、私は視察をいたしたのでありますが、足柄工場だけで一口に消費いたします水が、大体人口四十万人の都市に匹敵するほどの水を使うというようなことでございますので、よほどこれが何らかの大きな規制のもとに行われなければ、一つ間違いますというと、ただいま申し上げました通り、酒匂川で何百万のアユが死んでしまったというような事件が昨年起つたわけです。そういう意味におきまして、むしろ本案が提出されたということはおそきに失すると、こういう感じを持っているものでございまするので、本日、私は、内容のごく大ざっぱなものにつきまして両案について少しく質疑をいたしたいのであります。
 まず第一に、公共川水関係の方でございます。水質の保全ということがいろいろうたわれておりまするが、この法律の第一条の目的及び第二条の水質保全の義務の条項にあります水質の保全という意味は、単に水質が現状以上に汚濁することを防止するという意味であるのか、あるいは現状の水質というものを改善して、そうしていうところの自然水に近いところまで引き戻すという意味であるのか、それから第四条の第三項に水質基準の設定限度、これを見ますと、水質が現状以上に汚濁するのを防止するという程度のものでしかないように私ども思われるのでありますが、これについてまず一つ政府の見解をお伺いいたしたい。
#9
○政府委員(大堀弘君) ただいまのお尋ねの点でございますが、水質の保全という意味につきましては、御指摘のように、四条の規定の一項にございますが、「関係産業に相当の損害が生じ、若しくは公衆衛生上看過し難い影響が生じているもの又はそれらのおそれの商いもの」と両方書いてございますが、現に相当損害が発生をしております場合には、これを損害が除却せられる程度までよくしなければらぬ、現在非常に悪い状態にあります場合にはこれを改善するということが一つ入っておるわけでございます。それから「それらのおそれの高いもの」――今後非常に悪くなるおそれのある場合に、あらかじめ水質保全のための措置をとる。この両様を規定しておるわけでございまして、積極の面――現在以上悪くしない面と、現在より改善するという意味の両方入っております。ただ極端な例を言いますと、たとえば白魚が住むような清水に戻すということにいたしますと、工場の運営に支障を生じて生産工業を維持できないというような事態も予想されますので、第四条の三項に書いてございますように「指定の要件となった事実を除去し又は防止するため必要な程度をこえないものでなければならない。」ということで、現在非常な影響を疑えている――その非常に影響を与えている状況を除去し、あるいはそういった状況を生ずることを防ぐと、こういう程度のことを実行するという意味でございます。
#10
○大竹平八郎君 この法案を素読みしてみますと、第一条の目的の「産業の相互協和」、こういう点はわかるのでありますが、「公衆衛生の向上に寄与する」というようなことは、今の説明ですと私どもは納得いかないのでありますが、この点はいかがでございましょう。
#11
○政府委員(大堀弘君) ただいま仰せになりましたのは産業の協和の場合になると、思いますが、上水道源になりますような場合は、これは国民の公衆の衛生に関係いたしますことでございますから、この場合はきつい水準に当然なってくると思います。
#12
○大竹平八郎君 次に、第三条の第二項に、水質基準は、工場や専業場あるいは鉱山等から指定水域に排出される水の許容限度と、こうなっておるのでありますが、放流水の基準でありますが、放流水のこの基準は河川とか、あるいは湖沼あるいは公共用水城、それから全体の流水については何ら水質基準を設定していないわけでありますが、この点はどうなんでしょう。
#13
○政府委員(大堀弘君) これは立法の仕方といたしましては、放流水について基準を設定するという考え方、排出水について設定する、両方あるかと思います。今回提案いたしております法案は排出水を押える、排出水を押えて、もう一つ出ております、通産省から提案になっております工場排水法とのつながりをつけておるわけでございますが、もちろんこの排出水をきめます前提として、一応放流水を想定いたしまして、個々の工場の出口のところで、上流、下流、ところによって多少条件が違って参りますので、その違った条件に応じて排出水を規定いたしまして、それを本法による水質基準にいたしておるわけでございます。放流水は法律上は規定いたしておりません。ただ実際問題といたしましては、当然放流水を想定いたしまして排出水の基準をきめたいと、こういう考え方でおるわけであります。
#14
○大竹平八郎君 水質の基準の設定の仕方なんでありますが、まず水域全体の流水基準を定め、その流水自体の汚濁限度を、工場やあるいは事業場からの排水に適用する流水基準の方が非常に必要ではないかと、こう考えるのでありますが、この点について一つ御答弁願いたい。
#15
○政府委員(大堀弘君) 言葉が間違ったと思いますが、放流水と言いましたが、本流の水でございますが、これについては、やはり水の渇水期あるいは豊水期等で非常に変動いたしますので、これによりますことは必ずしも基準としては適当でないと、こういうことで、排出水基準を抑えたわけであります。
#16
○大竹平八郎君 これは私の考えになるかもしれませんが、工場や事業場等から排水される放流水のみにこの水質基準を設けて、この流水に水質基準を設けていないという点は、どうもわれわれは納得できないのでありますが、この点について御答弁願いたい。
#17
○政府委員(大堀弘君) 結局個々の取締りは、工場から出ます水を押えると、これが工場排水法の建前になっておりますが、従いまして工場の出口で出る水の基準という意味で最終的には排出水の基準を押えている。方法論といたしましては、その場合当然木流の流れについて、全体としてはどうだということを想定はいたしておりますけれども、法律上の拘束いたしますものは、結局工場から出るところで押えられると思いますので、基準として排出水を適断と考えましてかような立法にいたしたわけでございます。
#18
○大竹平八郎君 次に、紛争の問題の調停制度でありますが、この点について伺いたいのでありますが、水質の汚濁による被害についての紛争ということは、都道府県知事に和解の仲介の申し立てをすることができるように、こうなっておるのでありますが、この制度のままで参りますというと、きわめて文字の上からいうと簡単でありますが、しかしながら実際問題として、今までの例もあるのですが、解決がつかないで、民事調停というような問題に持っていかれる面というものが非常に多いのであります。さらにまた土地のボスが力によってこれを調停に乗り出すとかいうようなことで、なかなか事件の公正的な解決をするということが非常に少いように思われるのでありますが、こういう点について和解の仲介制度の責任者であります都道府県知事について、政府はいかなる行政措置をとられる方針でおるのか、まずこの点を伺います。
#19
○政府委員(大堀弘君) 従来は法律はございませんが、知事が実際上現地の問題につきまして中に入りまして、あっせんをいたしておるようなケースが多いわけでございますが、今度の法律におきまして、第十九条で法律上和解の仲介という制度を設定いたしまして、これによって当事者が和解の仲介の申し立てを知事に対して出すことができるという権限をはっきりいたしまして、しかも今度は法律第二条におきましても、水質保全の義務が一般に宣言されておりますし、また二十三条で関係行政機関は知事の請求によりまして必要な資料でありますとか、技術的データあるいは判断を提供する協力の義務を負っております。従いまして従来やられておりました制度に比べますと、仲介員はあらかじめ士五名選任しておきまして、仲介員が公平な、公正な意見が言えますように、公益を代表する者、あるいは産業を代表する者、学識経験者、そういった人から適正な方を選任していただいて、あらかじめ名簿を作っておきまして、問題が起きましたとき、仲介員の中から知事が仲介員を選任いたしまして当っていただく、こういうふうな制度をいたしておりますので、ただいまのような地方に起っております紛争の解決につきましては、相当改善を期待できるのではないか、かように考えておるわけでございます。
#20
○大竹平八郎君 御承知の通りこうした問題は従来しばしば、というよりも年中行事というほど起っておるのであります。経済企画庁は富士山の上に乗っておるようなところなんですが、実際にこの問題を取り扱っているものは、今私が質問申し上げている都道府県がその衝に当るのであるのだが、どうですか。今までの例として相当悩まされておる問題でもあったのですが、どういうような方針で従来は経済企画庁なりあるいは通産省なりはごの解決に当っておられたか。ただ全く都道府県知事にまかしつぱなしでいったのか。それで最近にこういういい例があるというような例証があれば、この際参考にお聞かせ願いたい。
#21
○政府委員(大堀弘君) 実は従来水質保全に関する行政は各省それぞれの所管に応じ、別に、工場については通産省、あるいは下水道は厚生省といったような工合で、それぞれの立場で行われておりましたために、こういった問題について基本的な方針に基いて解決に努力するというふうな面は、行政の総合統一の面で欠ける点がございまして、今回新らしく提案いたしました法律に基いて、関係各省行政の総合調整を企画庁においてやって参るということにいたしまして、今後一段とそういう点については、この水質保全についての、水質基準の設定についての努力と同時にそのためのいろいろのデータ、科学的データの収集、その他につきましても極力努力して参っておるわけであります。そういった面でなるべく紛争が合理的に解決できるように必要な資料を整備し、方針を策定して当っていきたいと考えております。従来は遺憾ながらそこまで総合的な運営がなされておりませんために、事件が必ずしも一貫した方針で妥結されてなかったように考えております。この点は非常に遺憾に思っております。
#22
○大竹平八郎君 今度この法律が通りますと、経済企画庁としては何か新しい部とか、課とか設ける意思があるのでありますか。
#23
○政府委員(大堀弘君) この仕事は相当特殊な仕事でございますし、水質の基準の作定のための訓育事務その他水質基準を作定する仕事に相当まあ人を要しますので、現在予算を要求中でございますが、最終的な形はまだはっきり決定しておりませんけれども、水質保全部といったような形の機構を設置して、各省の行政と連絡もとりつつ運用して参りたいという考えでおるわけであります。
#24
○大竹平八郎君 これは多少意見がましくなりますが、今局長の言われた通り、従来のやり方というものが政府がばらばらでやっていたというだけに、先ほど私が指摘した都道府県にあまりに大きな権力を持たせた、さらにその土地のボスというものが力の配置によっていろいろな問題を起してくる、こういう事態が非常に多かったのでありますが、ただ、まあ今お話しの保全部をはかりに作られましても、この各都道府県に対する連絡とか、指導とかというものは、よほど上手におやりにならないと、なかなか所期の目的は私は達せられないのではないかかように考えておるのでありますが、その点特に一つ御注意を願いたいと思うのであります。
 さらにこの第二十三条によって関係行政機関の協力が規定されておるのでありますが、関係行政機関が一元的でなく、他元的にわたっているということは、今のお話しの通りであります。それぞれの立場から利害関係があるのでありますが、その協力者も自分の都合のいい方に味方をするというふうなことは、これは人情上そういうことにえてしてなりやすいのであります。こういう点につきまして、経済企画庁としてはどういう方針をもっておやりになられるか、その点を伺いたい。
#25
○政府委員(大堀弘君) この法案によりまして本件の処理のために特別の審議会を設置いたすことになっておりますが、この審議会には民間の学識経験者のほかに関係各省の代表も入るわけでありますが、それにおきまして、各省の行政の運用につきまして、今後この法律が実施になりました場合には統一的に運用するように実施して参りたい、かように考えております。
#26
○大竹平八郎君 それで今の審議会はこれは法律ではっきりしておるのですが、技術関係はどういう工合になるのでありますか。
#27
○政府委員(大堀弘君) 御指摘のように、これは非常に新しい仕事でございまして、この専門の技術者というのは実は各省探しましても非常に数が少いわけでございます。やはりそれぞれの専門家がこの水質の保全についてさらに専門的に入っていく。こういうことになりますので、関係各省の技術者を今後動員すると同時に、相当教育もしていくということを考えております。同時に試験研究の問題については、これは相当強化する必要があるという御意見もございます。私どももとりあえず、まあ各省にありまする試験研究機関のそれぞれのこれに関係いたしました部の協力を得まして、科学技術庁の援助も得ましてやって参りたい、かように考えておる次第であります。御指摘の通りに技術的な問題が和名実行」としては重大な問題と考えております。今後そういう意味で努力をいたしたいと思っております。
#28
○大竹平八郎君 現布都道府県には、そういった技術関係の人たちの配置というものはどういう状態になっておりますか。
#29
○説明員(花園一郎君) 都道府県関係につきましては、特に大都市を所有しております都道府県におきまして、特に衛生関係において、相当の技術者がおられるように私どもは聞いております。それから下水道関係の終末処理を中心にいたしまして、建設省並びに厚生省の終末処理関係の技術者とそれぞれ土木関係において持っておられるように考えております。
#30
○大竹平八郎君 次に、和解の仲介の申し立てを当導者ができるようになっておりますのは第十九条に基いて、工場なりあるいは事業場から公共用水域に排水された水や汚物によって生ずる被害と、こういうことになっておりますが、この水質基準を定めるものは、河川、湖沼等の全部の公共用水地域でなく、その二部である指定水域のみであるわけなのでありますが、こういう法律の建前としまして、和解の仲介制度の適用は、指定水域に生じた被害のみにこれは限定するのでありますか、法律をうのみにするとそういうように思われるのでありますが、この点はいかがですか。
#31
○政府委員(大堀弘君) 十九条の規定は、指定水域だけにとどまりませんで、指定水域外といえども適用できる規定でございます。
#32
○大竹平八郎君 工場排水については通産省だと思いますが、一、二点伺いたいのであります。工場排水法案の対象となるのは、製造業者であって、法文の第二条の定義というところで、製造業とは云々ということが書いてあるのでありますが、これを読みますと、「(物品の加工修理業を含む)及びガス供給業並びにこれらに類する事業であって政令で定めるもの」になっている。こういうことになっているのですが、この政令で定める類似事業にはどういうものが入るのでありますか。
#33
○政府委員(松尾金藏君) この工場排水法は、工場関係に比較的――工場の多いという意味では、所管上通産省が特に関係が深いと思いますが、この法律自体は、あとの方に主務大臣が書いてございますように、それぞれの所管産業、それぞれの工場、企業の所管大臣がこれを運用する建前になっております。従いまして、ここにありますところの工場、事業場、製造業、ガス供給業というものがこの排水法の適用対象の二番大きなものでありますけれども、これにやや似たものでありまして、たとえばクリーニング業というものは、製造業者には入りませんが、かりに大規模なクリーニング工場かあって、そこから非常に汚水をたくさん出す。それがこの水質保全法にありますような、一般に相当大きな公害を与えるというようなことを想定いたしますと、そういう事態が相当はっきりしてくるような事態であれば、政令で、製造業ではないけれども、指定をするというような形をとらざるを得ないだろううと思います。
#34
○大竹平八郎君 大体そういった想定事業種類というものは、どのくらいかということを一応お考えになられたことがありますか。最近特に新しい産業が非常にふえているときでありますが、何かそういうものについてお調べになったことがあれば一つ参考に聞かせていただきたい。
#35
○政府委員(松尾金藏君) この製造事業あるいはガス事業以外でということになりますと、必ずしも従来十分な調査がございませんけれども、現在われわれの頭に想定されますものは、今申しました非常に大規模なクリーニング業であるとかあるいはたとえば家畜、畜類の屠畜場でございます――屠畜場なりあるいは斃獣の処理場というようなものが、そこから相当きたないものを流すということになりますと、そういうものも想定しなければならないと思います。それからさらに考えますと、石油精製業のようなものは、これは製造業でございますから本来のものでございますけれども、製造はやらないけれども、いわゆる油槽所――タンクの設備があって、設備は、油槽所でも、若干の処理をするような場合もありますし、その辺のところからかりに汚水が相当出るということになりますと、この政令指定という形にいかざるを得ないと思います。ただ現状ではあまり十分な調査資料はございません。運用の上でやって参りたいと考えます。
#36
○大竹平八郎君 いま一つ伺いますが、本案の施行に当りまして、廃業上非常な支障を来たすというような意味において、製造業者の方面から特に通産当局に対しまして陳情なり、この問題について何か意見が開陳せられたことはあるか。もしあれば、どういうような立場でそういった陳情が出ているのか。もしその点わかりましたら一つお聞かせ願いたい。
#37
○政府委員(松尾金藏君) 産業界の立場から申しますと、この工場排水あるいはこれによる水の汚濁は、常に工場側が加害者であるという場合だけでなくて工場自身がまた水を要求するわけでありますから、ある場合にはやはり工場にとっても水のきれいなことが必要なことである。たとえて言えば、工業用水を取るためには、水があまりきたなくなることは当然工場側としては困るわけであります。そういう意味がありまして、工場、産業界全体としてこういう方向にものを考えていくこと自体に何も基本的な反対はないのでありますが、ただこういう法律を作り、制度を作って運用する際に、その運用について、あまり理想的な高度な――高度過ぎることを要求されると、産業側としては企業経営の上から立ちいかなくなるおそれがあるのであります。要するに、一口に申しますと、現実に即して漸進的にこういう方向に進むようにしてもらいたいというのが、産業界全体の共通の意見であるというふうにわれわれは伺っております。
#38
○上原正吉君 簡単に二、三御質問申し上げたいのであります。この工場排水等の規制に関する法律の第十六条に、国がこの施設に対して援助するということがあるのでありますが、どうも援助では心もとないので、本来これは相当補助すべきものだと思うのです。そこで先日の質疑の中にも出てきたと思うのですが、現実にどれくらい補助してやろうと通産省は考えておいでなのか、この間の質疑にはたしか鉱山も含めて十一億円ほどの補助を大蔵省に予算請求中である。また開銀に五億円程度の融資をするようあっせんしておるというふうに伺ったんですが、その程度のものかどうか。
#39
○政府委員(松尾金藏君) ただいま御指摘のございましたような予算要求あるいは財政投融資の要求をもって今話を進めておるところであります。ただ現実問題としましては、今お話になったように、汚水処理施設の全部に国が援助をするというわけにも参りません。やはり大体論から申しまして、大企業にはやはり融資という形で、それから中小企業には国で補助というような形をとるべきであろうし、現在でも中小工場の集まって、しかも非常にきたない水を流すような特定の地域につきましては、従来でも国庫補助で共同排水の施設を若干やっております。今回の法律施行に伴いまして、そういう意味の国の補助が大きくなるということを、法律の運用に伴なって当然考えなければならぬ。このほかに、この法律の付則のところにございますように、排水処理施設はいわゆる利益を生まない施設でございますので、これについては固定資産税の免除をするようにこの法律の付則でうたってございます。税制上もそういう援助をやっていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#40
○上原正吉君 この工場その他から排出される汚水をかなりな程度に浄化という言葉が当るかどうか知りませんが、するとして、それに要する費用というものを、国全体としてあるいは産業全体としてどのくらいのものになろうかという見当をおつけになったことがございますか。
#41
○政府委員(松尾金藏君) これはわれわれの方でもそういう意味の目安をつけたいということで、いろいろ検討はいたしましたけれども、まあ要するに、どの程度の水にするかという基準とも関連をして参ります。まあ処理施設についてどのくらいの金がかかるかという点は、われわれもまだ的確な意味の把握はできていない現状でございます。
#42
○上原正吉君 ただいま御答弁のあった付則の第三項に、この施設に関しては固定資産税を免除するとあるのです。これは当然だと思うのですが、これもどうも固定資産税の免除だけでは足りないのじゃないかと思うのです。というのは、御答弁の中でおっしゃるように、これは全然利益を生まない、生産に寄与しない施設ですから、いわば公共の福祉のために各事業場が消費する金なんです。本年営業費で落してしまうべきものなんですね。これに固定資産税をかけるなんというのはもってのほかなんです。これは当然免除されるべきものなんですから、それだけでなく、これは本来ならは営業費で落すべきものである。営業費で落してもいいとするかあるいはいわゆる特別償却ですね、これを高度に認めて、企業の負担を軽くしないと、立地条件によって企業間に非常な較差が出てくる、コストに非常な差が出てくるということは、国の産業の上に非常な悪影響があると思うのですが、この点はどのようにお考えですか。
#43
○政府委員(松尾金藏君) 今お話のありました通りでありましてわれわれとしてもこの法律運用に当って、企業が利益を生まない資本投下をだんだん進めていく段階になりますと、税の面でも、固定資産税のみでなくて、今お話のございました特別償却ということも当然考えるべきだ。そういうことで大蔵省、税務当局といろいろ話をいたしております。ただ御承知のように、租税について特別償却その他の特別措置は、これは法律の構成上の建前として個々の法律で税制をいじるということは、特別償却その他をやるということは従来やらない建前になっておりますので、これは別途大蔵省と十分話をして、租税法の体系の上で措置する方法をできるだけ考えるということで、今大蔵省と話をしておる段階でございます。
#44
○上原正吉君 仄聞するところによりますと、この法律案を閣議決定するときに、この次の租税特別措置法の改正で考慮するということになった。その席には佐藤蔵相がいなくてそうして帰ってきてから、佐藤蔵相の話では、新聞の報道によると、租税特別措置法を改正して、本年度この施設に特別償却を認めることに反対であるかのような意向を漏したように聞いております。そういうことがあるのですか。
#45
○政府委員(松尾金藏君) 大臣のお話として私直接伺ったわけではございませんので、その辺を何とも申し上げようはありませんけれども、事務折衝では、もちろん大蔵省として大いに賛成だといって、大幅にこれを賛成をされるわけはないし、やはりわれわれの方は、今申しましたような主張を強く大蔵事務当局と話をして、いわゆる事務折衝で問題の解決をはからなければならんというふうに考えておるわけであります。
#46
○委員長(田畑金光君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#47
○委員長(田畑金光君) 速記を始めて。
#48
○上原正吉君 まあ本来施設費は全部営業費で落すべきものだ。これをぜひ強く主張なさって、通商産業省としては租税特別措置法に特別の考慮が払われるように一つ御努力方を御期待申し上げておく次第であります。また機会があればわれわれ何とか大蔵省の方とも折衝したいと考えております。
 いま一つお尋ねしたいことは、一ぺん工場で水をよごしたら、これは化学的操作だけでは決してもとの浄水には戻らないのですね。ただ無害になるというだけで、その水の中にはやはりいろいろな來雑物を含むことになるわけです。そこで各工場がせっかく費用をかけて設備を作って、まあ無害に近いものにした水を流しても、その中にたくさんな來雑物がありますから、これを無害にして流しても、それが集まればまた百反応を起して有害なものになるという場合も今までも相当あったし、十分考えられる。そこで本来汚水の浄化というものは、河川に放流される入り口か、あるいは漁場に注入する海の入り口かで一ぺんにまとめて処理することが一番能率的なんですね。だから大都市では管渠で汚水を全部集めてそして最後のところでこれを浄化して放流するということをやっているわけです。各工場に施設を作らせ、各工場に処理をさせるということは非常な浪費になる場合が多いと思うのです。ですからことに中小企業の排水がよごされておるという場合には、これを集めて浄化するという設備を本来ならば国がやるべきものだ、あるいは公共団体がやるべきものだと思うのです。そういう考慮を払われることが水を浄化するには最も大事なことだと思うのですが、これに関してどういうことを考えるか、またどういうことをやっておられるかということを伺っておきたい。
#49
○政府委員(松尾金藏君) 今お話出ました通りで、われわれもそういう形の処理方法が一番理想的だと思います。現在やっておりますところで申し上げますと、先ほどもちょっと触れましたけれども、三十二年、三十三年度におきまして、これは名前は特別都市水利整備事業という名前で建設省の予算でやっていただいておるのであります。三十二年度では三千万、三十三年度では五千九百万の補助金で、たとえば静岡県の古原地区でありますとか、愛知県の尾西地区というような幾つかの地点につきましては、今の中小工場から出る汚水について共同で排水をするという施設を現在までやつておるわけであります。今後やはり中小企業工場を中心にして、国の援助をします際にも、工場が密集をしておりますれば、なおさらのこと、できるだけ共同で処理するということが処理の建前としては合理的であろうというふうに思うのであります。
#50
○小幡治和君 水質基準の問題ですが、この水質基準というやつは指定水域ごとに一つの水質基準というものが考えられるのですか、各工場ごとに水質基準というものを一つ一つ確定していくというのですか、その点を一つ。
#51
○政府委員(大堀弘君) 一つの水流につきましても、上流と下流でやはり違って参るわけでございます。実際のきめ方といたしましては、ある河川に、たとえば隅田川を例にとれば、何橋から何橋、また次の橋から次の橋までの間、そういったような一つの流れにつきましても水域ごとに違った基準を設定されるということに相なるわけであります。
#52
○小幡治和君 そうすると、要するにその水域の中を汚濁する最大公約数というか、そういう面の限度を押えてやる考え方になっておるのだけれども、そうすると、それが各工場の実際の排出水ですね、そのときの排出水の規制というものにどういう関係をもってくるのか。要するにその水域全部の最大公約数の一つの限度以下であるならば、各工場から出すものはどんなものでもいいということになるのか、そこのところどうですか。
#53
○政府委員(大堀弘君) 技術的なことでございますので、詳細なやり方につきましては花園参事官の方から御説明さしたいと思います。
#54
○説明員(花園一郎君) ただいま御質問の点でございますが、たとえば隅田川の相当上流の方は本流そのものが相当浄水である。また河口付近は非常によごれておる。それぞれその場合に河口付近の工場につきましては比較的きびしいものになる。たとえば量で言えば、ちょっとおかしいかもわかりませんが、ヨーザン酸素量をある程度きびしく押える。または公衆衛生関係で言いますと、大腸菌のあり方をきびしくしていく、たとえば白髪橋あたりでございますと、二百五十以下という規定になるが、河口付近では百五十以下というふうな規定にならざるを得ないというふうな場合もあるかと存じます。それと同時に、また河口外におけるあり方におきましては、すぐ外洋に面しておって、従って河口周辺の水は相当よごれたのが出ても、直接被害をこうむる業体がその他に存在しないだろう。北海道の石狩川の河口周辺から外側は相当よごれてもすぐ海流が洗ってしまうという場合には、その河口周辺の場合におきましては比較的寛大な基準になるというふうな、それぞれ具体的な河川の景況、河川を取り巻《産業立地の景況によりましてその場合の規定の仕方が違って参る、こういうふうに存じます。
#55
○小幡治和君 そうなってきますと、結局非常に大きな水域で、すぐにその水に中和されていってしまうというところの工場であるならば、相当有害なものでもこれは許す。そうではなくて、非常に狭いところならばそれほどなくてもこれは許さないということになると思うのですけれども、一体そういう取締りの基準というものが実際はっきりつくものかどうか、――まあ私としては業種別に、工場の業種別に排出水の一つの基準を作ってたとえば製紙会社ならば製紙では必ずこういう毒悪水が出るということがわかっている。そいつが工場から出るときにはここまで稀釈にしなくちやいけない。またここまで処理して出さなくちゃいけないというふうに、また精錬工場ならは精錬工場で、これまたどうせきまったものがあるので、そいつをここまで処理してからでなくては外に出してはいかぬというふうに、各工場の製造行程における業種別に一つの水質基準というものを作って許容していくということが、要するにこの法律の第一にあるところの各工場の排出水の許容限度である水質基準というふうに解釈して、そういうふうなやり方というものはとれぬものかということなんです。そういうことを全然しないで、そうしておいて、各工場別のそういうものは全然しないでいて、大きな一つの水域の中の最大公約数というか、そういうものをきめておいて、各工場別に言えば非常にだからむらのあるものになってしまうのだけれども、そういうことで一体取締りというものは十分できるのかどうかということなんです。それを一つお聞きしたい。
#56
○政府委員(大堀弘君) ただいま御指摘のような御意見もございましたのですが、実際被害を受けます産業もいろいろと違っておりますし、また加害産業も違うのみならず、また川の流れの水の量も条件が違っております、そこで一律に基準をきめますと、やはり必要以上に除外施設を負担しなければならないというケースも出て参ると考えられますので、やはりその水域ごとに個別にやられる力が非常に実情に即して適切な基準が定められるんじゃないか、こういうふうに考えたわけでございます。あまりに負担を過重にしてしまってもいけないんじゃないか、こういうふうな考えをしているわけでございます。
#57
○小幡治和君 そうすると、水域というものは相当狭い水域ごとにきめる構想ですか、それともある程度広くなるのか。それによって非常に違ってくると思うんだが、それはどういう構想になっていますか、たとえば河川にしろ、港湾にしろ、工場がここに数カ工場あるとすれば、すぐその前のものを一つにしてやるとか、またそこに、二、三工場があれはそこはまた別の水域ということで、たとえば東京湾なら東京湾に何十、何百という水域というものができるという構想なんですか、その点どうですか。
#58
○政府委員(大堀弘君) 大体類似の条件のところを一括しましてやって参るということになると思いますが、そういう一つの河川について多数にこまかく細分されるというわけでもございませんが、官としましてはある程度分けていきたい、こういうことになると思います。
#59
○小幡治和君 そうすると、そのときの汚濁の質の問題なんですけれども、非常に違っていると思う。工場の出す廃液の化学的性質によって非常に違うと思うんだが、それが水の中に出て、そうしてぶつ込みにしてそれの汚濁水準というものをきめると思うんですけれども、そういうことが化学的に一体できるのかどうか、それをどういうふうに基準をきめますか、そういう場合に。
#60
○説明員(花園一郎君) 今の汚濁の今度は種類でございますが、これはただいま御指摘の通り産業別に排水されるものは相当多種多様なものになるわけでございます。その中で水の本質的なものを維持しますために一番まず肝心なものは、つまりその水の腐敗度と申しますか、嫌気性が強まることを防ぐための酸素の含有量をある程度持たせて、つまり水の酸素が不足して参りますと、水が腐るという現象が出て参るのでございます。まずそれが一つの一般的な基準になる。また公衆衛生上からは当然各種細菌類が出て参りますが、その中でもたとえば大腸菌というものが一つの指標としてございます。またそれ以外でも今度は濁の方でございますが、これはその水流に特有な土質その他もございますけれども、その川にとっては害を下流に与えるというような濁の原因というものも一応それぞれ共通なものがございます。従いましてそういった共通の要素を整理規定することで、水の本質を害さないための措置は講じ得る。つまり一つ一つの工場別の業態に応じたこまかいものよりも、むしろ害の共通的なものを押えるということで、大体各国も水質基準を定めております。
#61
○小幡治和君 そうすると、水の腐るとか、菌が出るとかというようなことならば、それは一般的な通則でいくのだろうけれども、しかし魚が死ぬとか、野菜が枯れるとかいうものは、そういう菌はなくても、それから腐らなくても、ある一つの薬品というものがそれが処理されないで、ある程度出てくるということによって、これはもう作物に非常な影響がくるわけなんだが、そういうものは工場の使う薬品によって非常にばらばらに違うと思うのです。それを一体どういうふうにそれでは水質基準のときは把握するのか、その点をお聞きしたい。
#62
○説明員(花園一郎君) たとえば青酸カリが流れていく。(笑声)農薬のそういう性質の非常に有害なものが流れていくということを御指摘になっていると思いますが、やはりそういう問題よりも、当然こういった一般的な生物化学的な酸素要求量とか、またはいろいろなヨウザン酸素量とか、そういったものからむしろ押えることが、特に水産業その他生物の生命に関係いたしますものについては、やはり必要なものであろうと思います。
#63
○小幡治和君 そういう考え方でそれじや水域の単一なるこの水質基準というものをきめるということになると、これは相当あるいは各工場の使う薬品なんかを頭においてやるということになると、これは非常に窮屈なシビアーのものになっていく。それを今度はそれじゃもう少しそれをゆるめるということになると、個々の工場から出たときに、水質基準には合っているけれども、個々の工場から出たその付近というものは相当被害というものは受けると、こういうことになると思うので、結局、だから政府が一つの基準というものを作っても、その水質基準によって被害というものは決してまぬかれられないというふうな場合が相当出てくる。これをいかなる被害もないような水質基準というものを総合的に作るとすれば、その水質基準というものは非常に厳重なものになってしまう。どっちかになると思います。そういう面においてこの一つの水域の単一水質基準というものを作るという考え方は、ゆるくなってもシビアーになっても、どうも実情に沿わないということになると思うんですが、その点についてどうお考えですか。
#64
○政府委員(大堀弘君) ごもっともでございまして、私どもも実はこれは被害を受けます産業についてもやはり場所によっていろいろ違います、全体の全部が生きなければならぬ、魚介にしましても全部が生きなければならぬ、こういう基準で考えますと、非常にきつい基準が出て参る、そうすると、工場が防除する設備に大へんな費用がかかる、産業としては成り立たなくなる、極端なことを申しますと、まあそういうようなこともあると思います。そこでやはり被害を受けます被害をどの程度にとどめるか、それに必要な防除設備はどの程度であるかということを勘案いたしまして、第四条に書いております趣旨がきわめてまあそういう趣旨で、関連産業の損得の程度、あるいは「公衆衛生上看過し難い影響」、水道のような場合等、人命に関する問題もございまして、相当シビアーな基準もやむを得ない。産業の場合につきましては、産業相互の調和をはかっていくという見地から、やはり適当なところへきめて参る。この場合に、損害が発生いたしました場合は、防除設備をやりましても、損害発生は、その損害に対してはやはり会社は賠償の責めに任じなければならぬという場合は当然出るわけでございまして、そういうことによりまして漸進的にやって参りたいと、かように考えているわけであります。
#65
○説明員(花園一郎君) ただいま御質問のありました点につきまして、たとえば硫黄鉱山の周辺の河川において硫化分が非常に多いというような場合は、当然非常に強烈な毒物についてはこれはその区域を限って保全して指定するということにいたします。つまり一般的な基準と同時に、その水域特有の有害物の排出がありました場合は、それはそれなりにきめて参るということにいたしたいと思います。
#66
○海野三朗君 関連質問。水を分析してみたのでありますが、今じゃありませんけれども、今より三十年前やってみたのでありまするが、井戸という井戸の水は全部違うんです。どこの井戸の水も、浄水と言われておる水も同じくみんな違うんです、分析してみると。ここの汚水というのはどこに基準を置かれるのか、ただ騒ぎが起ったときだけに、これを定めるというのか、その一点はいずれにお考えでありますか。
#67
○説明員(花園一郎君) これは当然その川の本流が特有に持っております、たとえば硬度とか、アルカリ、または酸度とかいうものはまず前提としてあるわけでございます。それをまでこの基準で否定して参るということにはいたしかねるわけでございます。
#68
○海野三朗君 その本流なら本流の、つまり水質というものはちゃんときまっておるわけですね。それでそれに違反した場合にはこの汚濁制限ですか。そうすると、ある場合には争いが起り、ある場合には難いが起らないということがあり得るわけですね。あり得るわけでしょう、その水質が変っても。たとえば甲の流れの川があって、それが乙というふうに水質が変ってきたという場合に、この工場には変化がない、それから今度別な方の工場にしてみると変化があるんだ、これは困るんだ、こういう結果があるわけでしょう。そういう場合にどうしますか。
#69
○説明員(花園一郎君) ちょっと御質問を取り違えておるかしれませんが、まず本流の水そのものにその本流特有の自然状態がある。それに対して今度は排出する水についてのいろいろな規約を水質基準で定めますが、まざり合った水が今度取り入れる方の工場にどういうふうな影響を与えるか、こういう御質問でございますか。
#70
○海野三朗君 そうです。甲と乙との工場によってそれが違う、あるいは丙の工場によって違うという場合に、甲と乙とは変化がないけれども、丙の方の工場の水は影響があるという場合にどういうふうにしますか。
#71
○政府委員(大堀弘君) ちょっと御質問にお答えできるかどうかわかりませんが、一立米、一立方センチのうちに、たとえば大腸菌なりあるいは化学的成分なりの基準をきめまして、そのきめました指定水域に排出する水については、その基準によるということになりますから、違った種類の工場がそこに五つあったとして、そのうちの二つはそれに引っかかるから除害設備を新たに設置して、何年かのうちにはそこへもっていかなければならぬということになるかと思います。影響のないところは基準がきまっても何ら差しさわりなくやっていける、こういうことになるかと思います。
#72
○小幡治和君 大体今私いろいろ御質問申し上げましたが、まあそういう意味で、要するにある水域の水質基準というもののきめ方というものは非常にむずかしいと思います。それからやり方いかんによっては非常に産業を苦しめるようなことにもなるし、また、そうでもなければ実効もないというようなことになるので、これは今の政府のやり方は、こういうふうにやった以上はやむを得ぬと思いますが、要するに運用の面ではこれは気をつけていただきたいと思います。
 それから別ですが、要するに水に流れ込むやつなんですけれども、たとえばそれと同時に、何というか、空気の中に出てきて、そうして作物を荒すとか何とかいう、そういうやつについては関連して何か考えておられますか、それともこれは別個に何かありますか、その点一つ……。
#73
○政府委員(大堀弘君) たとえば煙の害でございますとか……。
#74
○小幡治和君 煙というよりも、一つの気流として流れていく……。
#75
○政府委員(大堀弘君) そういう問題につきましては、実は先般も別なお尋ねがございましたのでございますが、法律としてはそこまでまだ実行の段階に入っておりませんけれども、問題としてやはり検討する必要があるのじゃないかということに考えておるのであります。
#76
○小幡治和君 そうするとそれは検討中というわけですね。
 それからたとえば都市なんかの屎尿なんかを東京湾のまん中にいってそのままで放流するというふうなことをやっていますけれども、そういうようなものはこれとどういう関係になりますか、要するに指定地域とそれから基準との問題と、それからそれに対する取締りの問題は。
#77
○政府委員(大堀弘君) なお厚生省の専門家がおられますから後ほど御説明申し上げますが、私どもとしましては、本法律を実施いたしまして水質の保全をやって参るわけでございますが、根本的にはやはり都市における下水浄化設備の整備ということが基本的に大事な問題であると考えておりまして、その問題もこの本法律に関連して下水道法の運用がなされるわけでございます。厚生省、建設省におきましても、下水道の浄化設備を今後五カ年計画によって大いに促進していくと、われわれもその促進に援助をして進めて参りたいと、かように考えております。
#78
○小幡治和君 そいつは、下水道施設をこれから改善してやるということはいいことですが、現実にこれが施行になると、施行になって各工場はそういうことで法律の取締りを受けるけれども、ところがそうじゃなくて、なまのものをどんどん船に積んでいっちゃ捨てているというものに対してこれは適用になるのかならぬのか。またそういう点について閣議あたりで、これと同じ観点において何か厚生省に指示があったか。厚生省は来ていますね。それじゃ一つ……。
#79
○説明員(田邊弘君) 厚生省の水道課長でございます。
 ただいま御指摘になりました、屎尿を公共水に捨てる問題でございますが、これは清掃法という法律がございまして、公共水域には直接に捨てることができないように帆走されておるわけでございます。しかし地域を限りまして、たとえば海岸から相当な距離を離しまして、一般に害の及ばないというような地域に捨てることは、これは地域を指定して認めておるわけでございます。
 それから下水道についてちょっと申し上げたいのでございますが、下水道は本来大小便もともに受け入れまして、家庭の汚水、大小便、それから雨水、あるいは工場の廃液も入ることもございます。そういったものを集めまして、下水道の末端におきまして、これは終末処理場と申しておりますが、そこで化学的な処理をいたしまして、無害な状態にいたしまして公共水に放流しておるわけでございます。今後都市におきまして、ただいま日本では非常に下水の発展がおくれておりまして、全国でわずか四百万人くらいしか処理場を利用している人口がないわけであります。そのために都市の屎尿処理がもう全国的に行き詰まりを来たしておりまして、今後建設省の下水道の管渠の整備の計画と、厚生省の終末処理場の整備と歩調をあわせまして、今後大いに整備をはかって参りたい、都市の屎尿の不衛生な処分を今後十年間でなくすように整備いたしたい、こういう方針でただいま進んでおるわけであります。
#80
○阿部竹松君 最初にこれは議事進行についてですが、今まではこれは予備審査なのですね。そしてもう衆議院の本会議でこれは議決されてこちらへ回ってくると本審査ということになる。そこで第四条から五条八条十二条十三条二十三条、こういうように修正されておるわけですね。従って聞くところによると、明日合同審査で明後日大体決定をみたいという委員長、理事さんの打ち合せの結論だそうですが、そうなると、この衆議院の修正案というものもやはり一応聞かなければならない、こういうことになるわけです。従ってその日取りは、まあ今晩おきめになるか明日おきめになるかは別として、早く衆議院の修正意見というものを伺いたい。と同時に、この修正された点については政府当局はどうお考えになるか。自分たちが作った政府案が全くよろしくて、衆議院で修正された点がまずいのか、それともあなた方が作ったやつがミスがあって、そうして修正されたのか。衆議院の修正案はまだここへ回ってきておりませんけれども、開口合同審査されるので、予備知識として修正案に対する御見解を承わっておきたい。まずそれが第一点。
#81
○政府委員(大堀弘君) 予備審査の段階でございますけれども、一応議決されました修正点につきまして申し上げて、私どもの考え方を申し上げたいと思います。
#82
○阿部竹松君 その修正点の説明は、当然長谷川委員長が来てやられるか、理事が来てやられるか、修正された当事者が来てやられるわけなんです。私はその修正された個所をお聞きしておるのではない。修正された個所について政府はどう考えておられるか、こういうことをお尋ねしているわけです。あなた方の方がミスがあって直されたという御見解か、あなた方の方は正しいけれども、衆議院の方でむちゃくちゃに修正されたのか、どういう見解を持っておられるのかということについてお尋ねしているわけです。
#83
○政府委員(大堀弘君) 根本的な考え方に違いはないと考えておりまして、修正されました点は、私どもの原案に不足している点を補っていただいて、けっこうな形になっておると、かように考えております。
#84
○阿部竹松君 根本的なあの法案の条文については変りがないと、あなた方の足らなかった分を補足してもらつたと、こういうことですか。――まあそういう御見解でよろしゅうございます。
 その次に、質問される予定の方もあるようでございますから、五、六項目並べて私お尋ねいたします。
 第一点は、きのう通商産業省の、どなたの発表かわかりませんけれども、わが国で、五千八百万トンでしたか、九百万トンでしたか、小さい数字はわかりませんけれども、そういう工業用水を使って、もう限度であると。そうしてその例を、大阪の尼崎とか、あるいはその他に求めておったようですが、この法案が通過して実施されることによって、五千八百万トンか九百万トンかわかりませんけれども、それに今度プラス・アルファーになって、水が再生されて利用されるものかどうかという点をまず第一点としてお尋ねいたしたい。また、再生された水が使われるということになりますと、大体五カ年計画だそうでありますから、どのくらいお見込みであるかどうか。
 その次は第二点でありますが、庁令の改正によって一つの機関を設けておやりになるという御答弁がありましたが、そうすると、経済企画庁の庁令の改正ということになると、これは当委員会でなくて、内閣委員会等で審議されるものと判断しておるわけです。従って、そこまで発展してやるものか、一部大臣の権限でそういう機関を作るものかどうかという点が第二点。
 それから第三点は、審議会と人員の点とどういう人を選ぶかという大ワクはきめてございますね。しかし、今の小幡先生の発言の中にもあるように、審議会の委員の中には、農学博士も必要でしょうし、学識経験者の中には工学博士、理学博士等も必要だと思うのです。鉱害問題を論議する先生を連れてきて、これは水の問題で魚が死ぬからというので学識経験者にはならぬということになると、たくさん審議会を作るものかどうか、これを見ると一つですが。それから各都道府県の審議会、こういうことについてはどうお考えになるかということが第三点目です。
 その次に、これから鉱害と水洗炭業を除いてございますね。何のために鉱害と水洗炭業のこの二点を除いたか、こういうことです。
 それから第五番目は、初めから仲介人を都道府県知事がきめておいて、そして問題があったときに、仲介人によって――賠償問題かどうかわかりませんけれども、判断してもらうのだと、こういうふうな法文の内答のようですが、しかし、さいぜんの答弁を承わっておりますと、水が無害になるのですから何も紛争が起きないということになるわけですね。しかし、あなた方の方では水が無害になるということをおっしゃっているけれども、実際問題として無害にならぬ。そうすると、賠償問題やら何やら紛争が赴きて、それで、仲裁裁判という言葉は使っておりませんけれども、あらかじめ選定しておいた仲裁人がやるということになると、完全に水が無害になっておらぬということがこれは明確なんです。こういう点はきわめてあいまいもこなんです。そういう点が第五番目です。
 第六番目は、一昨日の質問の中でも若干触れましたが、これは一体どこでものさしを作るかということです、基準を。そうすると、当然国で研究所というか、試験所というか、やはりりっぱなものを作らなければならぬ。これはその辺の大学へ行って、東京工大へ行ってお伺いしましょうとか、東大へ行ってお伺いしましょうということでは、話にならぬ。そうしますると、当然りっぱな国立試験所か何か必要だということになってきますので、そういう点はどうお考えになっておるか。
 それから、もしこの問題で、法案が実施されて、ただいま申し上げましたような問題が起きた場合に、どうするといっても、大臣の権限はきわめて薄い、あいまいもこだ。そうすると、法案は作ったけれども、仏作って魂入れずというような格好になりはせぬかという点が心配されるわけです。
 以上七点ですが、これは専門的なことですから、局長さんの御答弁を伺って、自後は、委員長、明日の合同審査で発言を許していただきたいと思います。
#85
○政府委員(松尾金藏君) ただいまお話のございました第一の点でございますが、工業用水の今後の需給見通しといたしましては、ただいまお話のございましたように、昭和三十七年になりますと約六千万トンくらいの工業用水の所要量になるそういう意味から言うと、現状のままで行くわけには参らないのでございますが、しかしこの六千万トンの中には相当海の水の利用でまかない得るものもございますので、淡水の所要量といたしましては、約三千四百万トンくらいが三十七年度の所要量に相なるのであります。そうして問題は、この淡水の供給源をどうするかというところに問題があるのでありますが、これにつきましては、ただいま御指摘のございましたような、いわゆる尼崎その他の地盤沈下によって非常に問題になっておりますのは、工場が自家用に地下水の汲み上げを過度にやるということから、そういう結果が出ておりますので、そういう意味から言いまして、ただいま申しました約三千何百万トンの工業用水の需要に対して、いわゆる地下水汲み上げというような形での工業用水の増加は非常に将来はむずかしくなる。もちろん若干は期待できると思いますが、われわれの推算でも、おそらく三十七年度で地下水等の水を汲み上げ得る限度は約千九百万トンくらいであろう。ということになりますと、あとはやはり河川の水その他からいわゆる工業用水道によって工業用水を工場まで引っぱってこなければならぬ。この工業用水道の部分に今後相当力を入れておかないと三十七年度に因るということを言っておるのでありますが、われわれの推算では、大体工業用水道の供給量を三十七年度におきましては六百三十四万トンくらいまで増加する必要がある。これは大体現在あります工業用水道の供給冠に比べますと六・七倍というような水量になります。しかし、そのほかに、今御指摘のございました、工場自身が使っている水をもう一回回収して循環使用する方法は、当然これも考えなければならないわけでございます。これはわれわれの推算では、現在約二百五十万トンくらいの循環使用が行われておるというのが現状でございますが、三十七年度には大体その倍以上に、約六百五十万トンくらいまでに工場自身の循環使用、再生使用をやる、またその可能性があるというような推算をいたしております。いずれにいたしましても、こういう状態でありますから、工業用水の水源は、だんだん遠くに水源を求めざるを得なくなってくる。そのためには、やはり遠くに求めるということで工業用水道をやるのでありますが、その水源もなるべく汚さないようにというような要望が当然そこから出て参るわけでございます。
#86
○政府委員(大堀弘君) ただいまの御質問にお答え申し上げます。
 第一が機構の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、この仕事のための専門の機関を作りたい、かように考えまして、現在予算折衝中でございます。これは水質保全部といったような機構になるかと思いますので、なおこれは確定いたしました上で設置法の改正をやる次第になるわけでございますが、その場合国会の御審議を当然経なければならないということに相なると思います。今最終的に機構をどういう形に、どういう人的構成でやるかという点について、最後の詰めを行なっておる段階でありまして、きまりました上は、さような手続を踏みたいと考えております。
 第一は、審議会の人選の問題でございますが、審議会の委員は二十人以内でございますが、官庁関係のほか、学識経験者も相当省方面の方に人っていただくわけでございまして、これはインダストリー、――工業の関係、マイニングの関係、農林水産あるいは上下水道といった各関係の部門の専門家の学識経験者の方に入っていただくことになっております。なお専門員三十人以内で設置することができますので、これについては、やはり相当専門的の各方面の方に専門員として入っていただきまして、また仕事の事項によりまして部会の運用によって、やはり専門的な事項は、それぞれ部会で検討してやる、こういう方法をとりたい、かように考えております。
 第三に、府県におきましては、特別府県に審議会を設置する予定はございませんで、府県は仲介員名簿を作成して、仲介員を任命していただくということと、関係行政機関が府県知事に対して協力をいたしますので、おそらく各中央機関の出先機関が地方にございますが、これらの機関の長が、実際上、知事に対して各専門的な立場から協力をしていただくということになるかと考えます。
 第四の点でございますが、鉱害、水洗炭の被害を仲介の制度から除いておるということにつきましては、それぞれ鉱業法も水洗炭法も仲介の制度が現在ございますので、本法から除いたわけでございます。
 第五の点でございますが、仲介員制度の運用でございます。仲介員制度の運用につきましては、これは水質基準を策定いたしております河川だけでなく、広く全国の河川で問題がございますれば、仲介制度を利用して、紛争の調停に当っていただくことになっております。先ほど申し上げましたように、水、質基準の策定は、技術的にも相当むずかしい問題がございますので、私どもも、全国相当多数の河川を一ぺんに水質基準を策定するというわけには参りませんので、初年度は全国、問題の河川の六、七河川をやり、第二年度以降五カ年計画くらいで逐次おもな河川だけは、水質基準を策定していこう、こういう逐次やって参る考え方をとっておりますので、その間におきまして、紛争のある水質基準のきまってない地点につきましても、やはりこの基準によりまして紛争の解決に当っていく、こういう建て方に相なっておるわけでございます。従いまして、むろん水質基準が策定され、紛争がなくなることが理想でございますので、水質基準が相当広く設定されました場合には、紛争が次第に減って参る、かようになるかと思われます。
 それから第六の点は、試験研究機関の御質問であったかと思います。これは大へんごもっともなお尋ねでございますし、現に資源調査会の報告におきましても、やはり専門の試験所を作った方がいいんじゃないかという勧告が出されておりまして、私どもも、その必要を認めないわけではございませんけれども、本法実施に当りまして当初、来年度あたりは現在ございます各省所管の試験所のこれに関係いたしておる部門が、それぞれございますので、これを総合的に活用いたしまして、また科学技術庁が技術面で総合的な立場で協力をしていただくことになっておりますので、当面それによりましてスタートして参りたい。かように考えております。
 なお最後の、本法の実施につきまして、基本的な御質問がございましたのですが、あるいはいろいろな立場から申しますと、必ずしも十分でない点が多々あるのでございますが、この水質の保全に関する体制といたしまして、ここまで一歩を踏み出して法律を実施して参るということになりましたことは、やはり画期的な措置であると考えておりまして、私どももこの法律ができました上は、実施に遺憾なきを期して参りたい。ことに水質基準の調査の段階が非常に大事であると考えておりまして、この調査について、来年早々法律が施行になりましたら、直ちに調査に入りたい、かように考えまして、予算面、卒業の面につきまして、昼下各省と打ち合せしておるわけでございまして、実施いたしました上は、法律が施行になりました上は、法律ができたらさっぱり動かないというようなことのないようにして実施して参りたい、かように考えております。
#87
○阿部竹松君 まあ、答弁の内容は別として、大体わかりましたが、専門委員は、常駐になるのですか、そして常駐するということとあわせて、つまり企画庁の雇用なら雇用、役人なら役人か、それともまた、大学の先生とか、その他の有識者を専門委員にするのか、その点が第一点。
 その次、ちょっと僕が不審に思うのは、この法案が実施されるのは、経済企画庁長官から指定水域、これが適用されると思ったのですが、この仲介員は全国の、とにかくあれで適用するという、あなたの答弁なんだね、そうすると、港湾法から河川法から、上水道法から港則法から、一ぱい法律ございますね、あなたの答弁でいくと、全部それに問題が起きたときには、この法律によってできた仲介員を利用しますぞという一項目を入れなければならないわけです。しかしこれで読んでみると、あなたの答弁と全然違うのですね。やはり法律に書いた通り答弁してもらわなければ、これは僕ら理解に苦しむのですが、その点どうですか、全国河川に利用するのだったら、全国の川、湖、港を扱っておるそれぞれの法律に入れなければならぬ、こういうことになると思うのですがね。
#88
○政府委員(大堀弘君) 専門委員は常勤ではございませんで、専門の方を、そのとき、その事項について必要な都度お願いする、こういう考え方でございます。
 十九条の方の問題につきましては、工場もしくは事業場から排出された水によって生じた水質の汚濁による被害で問題が生じた場合という規定でございまして、その場合、指定水域になって水質基準が定まって、その水質基準に基いて水が出されたか出されてないかということに関係なく、水質基準がきまっていない水域につきましても、工場、事業場から排出された水によって被害が生じた場合は、それによってまた損害が生じた場合は、仲介の制度を利用できる、こういうことでございます。私はちょっと説明が不十分だったかと思いますが、工場、事業場から公共用水域に排出された水によって生じた被害、こういうことであります。
#89
○阿部竹松君 そうすると、やはり指定区域しか適用できぬわけでしょう。あなたの答弁、速記録があとでできてから読んでみなさい。河川法によって水利権などというのが……、局長、こっち向いて、どっち向いていますか。(笑声)河川法によって、水利権というのがあるでしょう。日本全国に。そうすると、水で紛争が起きて、うちのたんぼが、からからになってしまった、うちの水車が動かぬというときには、水争いが起きますね。あなたの答弁でいくと、そこまでこれは適用されることになりますよ。そういうのがどうかということですから、これは速記録を読んでみれば、一番よくわかる。
#90
○政府委員(大堀弘君) 私の表現が不正確でございましたことをおわびいたしますが、ここにございます工場または事業場から公共用水域に排出された水によって生じた水質の汚濁による被害ということでございまして、従いまして、指定水域とは関係ないということだけを申し上げたのでございまして、指定水域でなくても、公共用水域に排出された水の汚濁によって生じた被害は、この法で取り上げられると、こういうことでございます。
#91
○堀本宜実君 きわめて簡単なことでありますが、この際、ただいま提案されておりまする法律に関係があると思いますので、お伺いをいたしたいと思います。
 この公共用水域の水質の保全に関する法律の中で、公共用水域とは、河川、湖沼、港湾、沿岸海域と、こういうふうになっているわけでありますが、その中で、沿岸の海域と称するものは、沿岸から何キロだとかいう法的な基礎をお持ちになっておいでになりますか。
#92
○政府委員(大堀弘君) これには、格別の規定はございませんが、まあ通常、国際法上の領海という範囲に入るかと思いますが、実質的には、やはり漁業権が設定されるような、そういった漁業に関係を生ずるような水域と、こういうことになろうかと存じます。
#93
○堀本宜実君 そこで、この現実の問題でありますが、火薬類取締法に、火薬を廃棄いたしまする場所の指定が、火薬類取締法第二十七条第一項と、施行規則の六十七条に規定をいたしております。海岸をさること八キロ、水深二百メートルということになっている。そういう火薬を廃棄するということは、つまり公共の安全を確保するという立場から、大へん占い時代、今から数十年前にきめられた法律があるわけです。現に、この法律によって、中国火薬と称せられる会社が、宿毛湾の海域に二百トン余りの火薬を投棄し、それがために、豊予海峡並びに瀬戸内海に回遊するイワシ漁業が全く不漁になった。そういうことのために、昭和三十三年九月二十日に愛媛県水産試験場の伊予丸、高知県水産試験場の足摺という二つの船が出まして、実際に投棄したところの火薬を引き上げにかかっておるわけです。こういう重大なことがありますが、これもこの公共用水域とお考えになりますか。また、そういうことをこの法律の立法に当ってお考えになったことがありますか。
#94
○説明員(花園一郎君) 公共用水域の概念の中での沿岸海域でございますが、これは、今までの法律の規定上、沿岸海域についての定義がないわけであります。それから、今局長が御答弁申し上げましたように、領海という概念が一つあるのと、それから漁業権、特に区画漁業権を中心にした漁業権の設定の関係の公用水域があるのでございます。従いまして、ただいまのお説の距離の有無というのは、実は外洋におきましては――宿毛湾の沖合いは、外洋かと存ずるのでありますが、これは日本の通常の概念としては、いわば国の外にしているのじゃないかというふうな気がいたします。
#95
○堀本宜実君 ただいまの御説明は、実に大へんな御説明だと思いますが、あの宿毛湾の沖合いには、沖ノ島その他数十の島嶼部がございます。ことに、瀬戸内海へ入りまするところの水域の中心をなし、玄関をなしておる、直接漁場に指定されておるといなとを問わず、そういう浮遊物を現に引き上げましたその火薬が、いまだに火をつけましたら爆発をいたします。しかも黄色に混濁をいたしまして、海洋を浮遊いたしておるわけであります。それがために、漁場が漁獲が皆無になった。これはもう、この委員会で、私はそれだけ詳しく説明する時間を持ちませんし、また当を得ないと存じますので、詳細に説明をすることを省略いたしたいと存じまするが、この問題が、領域外だとか、外洋であるという解釈は当りません。ことに、八キロという沿岸、八キロ以内に捨てたかもしれません、しかし、八キロに捨てたと称するのでありまするから、まず正確に八キロに投棄したものであると、こういうふうにわれわれは考えておる。ここに新しく公共水域に対しまするいろいろな産業に関係を持ちまする正法を行なおうとする場合に、他の法律で規定されておるものとはいえ、こういうものに対して考慮を払わないということは、私はこの法律が完全でないということを申し上げたいと思うのだが、その点については、どうお考えになる。
#96
○政府委員(大堀弘君) 実は、ただいま御指摘のケースは、私よく存じておりませんのでありますが、対象になりますケースは、全国非常に多数ございまして、それに全部適用する体制ということに、一挙に持っていけないのが現状でございますけれども、私どもとしましては、やはり問題の多い、その問題の性質上、重大なことから逐次取り上げて参りたいと考えておるのであります。
 現実に、今お話のようなケースがございまして、本法施行上、どういう法律的関係になりますか、なお十分検討いたしまして、次回までにお答え申し上げたいと思います。
#97
○堀本宜実君 これは、千葉県のどこでございましたか、その所在をつまびらかにいたしませんが、千葉県沿岸におきましても、さような実例がございます。その他の県におきましても、海域においてそういう事象があるのでございまして、これはたまたま例が少いから取り上げなかったということでは、私は法律を構成するという立場から考えますると、非常に手抜かりである、こういうふうに断ぜざるを得ません。はなはだ遺憾に存じます。しかも、現在それが係争中である、しかも、だれがこれの損害賠償をするかということになっておりまして、少くとも瀬戸内海に入って参ります玄関で、漁場に、私は指定されておると思いますが、そのところのはっきりした調査が欠けておりますので、よし漁場でないにいたしましても、瀬戸内海の玄関、しかもこの水域、瀬戸内海に回ってきますことは、これは常識でわかるのであります。その玄関先で、そういうものを投棄するということが、現存のまま、公共水域の水質の保全に関する法律だというのでは、少し欠陥が多過ぎるきらいがあると思うのであります。しかし、事ここに至ってですよ。法律が今まさに上ろうとするような直前に、私こういうことを申し上げて混乱さす意思は一つもございません。しかし、良心的にあなたたちが、私のこの提案とこの発言に対して、十分に慎重に研究をして、そうして将来この法案を改正する意思があるかどうか、その点を伺います。
#98
○政府委員(大堀弘君) 実は、現在までのところは、水による被害を中心に書いてありますので、固形物、たとえば爆発物等につきます被害などでございますが、水質に関係があることには間違いございません。水による被害というより固形物による被害になりまするので、その辺、本法律の運用によりますか、あるいは他の違った法体系によって御指摘の点を取り扱っていく方がよろしいか、その辺は、十分検討いたしました上で、御指摘の点は、十分われわれとしては検討を加えたいと考えます。
#99
○委員長(田畑金光君) 次に、経済の自立と発展に関する調査を議題といたします。
 質疑の通告がございます。この際発言を許します。
#100
○島清君 経済自立の一般についての質問でございまするので、大臣がお見えになったときに、御質問申し上げたいと思っておりましたが、大臣はお見えになっておられませんので、通商関係ですと、どなたかお見えでございましょうか。
#101
○委員長(田畑金光君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#102
○委員長(田畑金光君) 速記を起して下さい。
 本日の委員会は、これにて散会いたします。
   午後三時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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