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1947/06/15 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 商業・財政及び金融連合委員会 第1号
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1947/06/15 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 商業・財政及び金融連合委員会 第1号

#1
第002回国会 商業・財政及び金融連合委員会 第1号
昭和二十三年六月十五日(火曜日)
  ―――――――――――――
 委員氏名
  商業委員
   委員長     一松 政二君
   理事
           林屋亀次郎君
           鎌田 逸郎君
           椎井 康雄君
           中平常太郎君
           松下松治郎君
           平野 成子君
          大野木秀次郎君
           黒川 武雄君
           中川 幸平君
          深川榮左エ門君
           油井賢太郎君
           九鬼紋十郎君
           小林米三郎君
           佐伯卯四郎君
           島津 忠彦君
           高瀬荘太郎君
           波田野林一君
           結城 安次君
           廣瀬與兵衞君
  財政及び金融委員
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           波多野 鼎君
           岩木 哲夫君
           伊藤 保平君
           伊藤  修君
           木村禧八郎君
           椎井 康雄君
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           松嶋 喜作君
           山田 佐一君
           石川 準吉君
          尾形六郎兵衞君
           木内 四郎君
           栗栖 赳夫君
           田口政五郎君
           深川タマヱ君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           九鬼紋十郎君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           西郷吉之助君
           高瀬荘太郎君
           山内 卓郎君
           渡邊 甚吉君
           中西  功君
           川上  嘉君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○会社の配当する利益又は利息の支拂
 に関する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
  ―――――――――――――
   午後二時五十五分開会
   〔一松政二君委員長席に着く〕
#2
○委員長(一松政二君) それでは慣例に從いまして、私が委員長の座席を暫く汚すことにさして頂きます。つきましては、商業と財政金融委員会のこれからの合同審議の題目でありますところの会社の配当する利益又は利息の支拂に関する法律案、これを上程いたしまして、直ちに政府の説明を伺いたいと存じます。
#3
○政府委員(森下政一君) 会社の配当する利益又は利息の支拂に関する法律案につきまして提案の理由を御説明いたします。
 御承知のように、証券の民主化は経済民主化の重要なる一環でありまして、政府といたしましては、これが目的達成のため、証券取引法の改正を初め、投資者の保護に万全を期して参つたのであります。然るに近來配当支拂に伴う郵送料等の費用は著しく増加いたしたのでありますが、これは近時の配当の状況に鑑みれば、株主殊に今後増加すると思われる小株主にとつて少なからざる負担となるものでありまして、この配当支拂の費用を株主に負担させて置くことは、株式を廣く國民大衆の間に分散させる上から見て望ましからんことと存ぜられるのであります。そこで株主、殊に新投資層である小株主を保護し、証券民主化に資するよう、利益配当に要する費用を会社に負担させるため、本法律案を提案することとなつたのであります。
 即ちその第一項において、会社の配当する利金又は利息の支拂債務が持参債務であることを明らかにいたしますと共に、その第二項において、この費用は会社が負担することといたしたのであります。現在配当を行なつている大多数の会社は領収証拂制度を採用しており、株主が送金を依頼したときは、その送金費用を負担しておるのでありますが、今後は特約によるも株主に配当支拂の費用を負担させることはできなくなるのであります。尚この規定は、日本國に佳所等を有しない株主に対する支拂については、会社の負担が過大になるものと考えるので、適用しないことといたしました。
 戰後経済の変態的な情勢のため、配当を行なつている会社は少いのでありますが、会社利益配当等臨時措置法の制定、その他会社及び金融機関等の再建整備の進捗等により、今後適正利潤の配当が可能となる会社も次第に増加するものと考えられるのでありまして、この際この法律は株主の負担を軽減することにより株式の大衆化に貢献し得るものと信ずる次第であります。何とぞ速かに御審議の上御賛成あらんことを切望いたします。
#4
○玉屋喜章君 この会社配当ということは、金融機関も全部こめてのことですか。
#5
○政府委員(阪田純雄君) 会社に関する限り、金融機関を含めて規定いたしてございます、
#6
○玉屋喜章君 新聞紙上で承わりますと、金融機関は、預金切捨ての額を返済してしまうまでは、配当することができないということを新聞に書いてあつたように思いますが、御当局の御見解は如何でしようか。
#7
○委員長(一松政二君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#8
○委員長(一松政二君) 速記を始めて。外に御質問ございませんか。
#9
○黒田英雄君 この第二項の「但し、株主の責に帰すべき事由によつてその費用が増加したとき」というのは、どういう場合をお考えになつておりますか。それを御説明願いたいと思います。
 聞こういうふうな証券の民主化は誠に結構なことであるのでありますが、証券の民主化をして、小さい株主が全國に非常に多くできて來るような場合に、極端に言えば、僅か一株の株主に対する配当を、北海道までも東京からその支拂をするということになるというと、いろいろな経費が非常に掛かつて、株の配当金以上の経費を要するようなことになると思いますが、そういう点はどういうふうにお考えになつているか、その点の御説明を願いたいと思います。
#10
○政府委員(阪田純雄君) 第一の「株主の責に帰すべき事由によつてその費用が増加した」と申しますのは、この法律案の第一項に、「会社がその株主に配当する利益又は利息は、株主名簿に記載した株主の佳所又ば株主が会社に通知した場所においてこれを支拂わなければならない。」こういうことを言つておるのでありますが、この場合におきまして株主が会社に住所を最初に通知したが、その後住所を移轉してしまつて、その通知を忘れておつた、通知をしておらなかつたという場合におきまして、会社としまとては、第一の住所を目標に支拂をするわけでありまするが。ところが、それが届かない、從いまして第二の住所まで支拂をしなくちやいかんといつたような場合におきましては、株主の責に帰すべき事由によりましてその費用は増加したと、こういうことに相成りまするので、会社としましては、株主が通知した住所にやればよいのであつて、株主が後で住所を会社に黙つて移轉した、こういつたような場合を指すわけであります。同時に、この場合におきまして支拂をするのは、普通必要とされます方法によつて支拂をすればよいのでありまして、例えば株主が電報爲替で自分の利益の配当を送つて貰いたい、こういつたような場合におきましては、その特別に要る費用であります。普通の場合におきましては、債務の履行は、そういつた形でなされないのが、いわばこの場合におきまする民法の規定によつて行われまする債務の履行であります。そういつた電報爲替で送つて貰いたいというような場合における費用、こういつた費用は、やはりその増加額を株主が負担する、こういうことであります。
 それから第二の点といたしまして、こういつたようなことになりました場合には、小株主が非常に殖えて、一株二株といつたような連中が多くなれば、会社といたしまして、その煩、費用の負担に堪えないじやないかというお話でありまして、誠に御尤もな御質問なのでありまするが、その点に対しましては、実は本法律案を提案するに際しまして、経團連或いは銀行協会その他関係方面といろいろ御相談したわけでありまして、同様な御質問なり御疑問があつた次第でありまするが、問題は非常に技術的な問題を含みまするわけでありまして、実はその関係方面の傘下の会社のいわば株式課長と申しますか、或いは株式係長、こういつた実際の取扱いをなさる方々に聞いて頂きまして、いろいろ御相談をして見た次第であります。そういたしますると、現在におきましては、大多数の会社が株式の配当の支拂におきまして採つている制度は、いわば領収証拂制度と申しますか、株式の配当の領収証と引換えに銀行を通じて、或いは会社の窓口で金を渡す。こういう制度でありまするが、もう一つの方法といたしましては振込制度、こういつた制度がありまして、これは日本発送電の採つておる制度であります。これは会社が銀行と契約いたしまして、銀行に配当金を振込みました場合に、銀行はそれによりまして株主の指定しました場所に送金をする、或いはその場所において支拂う、こういう制度であります。この二つの制度が実際上行われておるのであります。そこで実務者といろいろ検討いたして見ますると、日本発送電の場合におきましては、株主の数約十七万人あるわけでございます。そうしてこの振込制度を從來から採つておるのでありまするが、比較的支障のないように我々はその際に話を聞いた次第であります。この場合におきまして、その費用がどのくらい掛かるかという点につきましては、日本発送電の場合におきましては、配当金に対して一%六の費用が掛かつております。尚千万円拂込の会社、株数二十万株、株主数を二千人、実際の場合におきましては、これはこの場合におきましては一人平均百株になつておりますが、実際の場合におきましては千万円程度の会社でありますと、株主は二千人にはならん場合が多いのでございます。その場合に配当率を五分、従いまして半期配当金を、五十万円の二分の一の二十五万円、こういうような想定で費用を概算してみますと、拂込制度によります負担額の場合におきましては、大体におきまして配当金に対する割合は三%三乃至三%五ぐらいの程度になります。最もこれには会社の人件費と申しますか、これには直接要る費用だけを加算いたしまして、会社の人件費は除いているのであります。大体におきまして、若しこういうようなことに相成りましても、振込制度を採りますならば、会社に対して非常に多額の負担にはならん、実際に株主の分散の問題でありまするが、現実をいろいろ見てみますると、稀には非常に少い、例えば一株二株というのもございまするが、発送電の場合におきましても、大体の株主の平均は六十株乃至七十株程度でありまして、証券民主化に基きまして国民の多くの方に株を持つて頂く、こういう場合におきましても、その程度は余り極端にまで分割されないのではなかろうか、こういうような考えもいたしておる次第であります。
#11
○委員長(一松政二君) それでは私がちよつと伺いますが、今の黒田さんの御発言の中にもあつたのですが、一株や或いは五株程度のものだと費用と配当と、費用の方が多くなるというような、今後又通信料が四倍にも上つたらは、恐らくそういう問題が起つて來ると思います。証参民主化というのも一株や五株主を意味するものではなかろうかと思いますが、これに制限を設ける、普通株式は從來の例によると十株が最少限度の單位に多くの場合なつておる。ただ特に旧來あつたような一株主というような意味のものがあつて、特に分割を要求すれば、分割に止むを得ず應じておつたというのが実情であつたと思うのであります。従つてこれを十株以下の者にはこういう利益を享受することはできないというような意味の制限を設けたらどうかという考えも浮んで來るのでありまするが、そういうことをお考えになつたことはありませんか。
#12
○政府委員(阪田純雄君) 只今の点につきましては、実際問題といたしまして、現在中間賣買において取扱われております株式の単位は百株であります。実はそういう点に対しまする精細な統計がないのでありまするが、私の方におきまして大中小の会社について調べましたところ、そういつた例は、五株或いは一株というのは極く稀に例外的にあるのでありまして、從來におきましても証券民主化の点につきましては、政府といたしましても相当腰を入れてやつて参つておるのであります。現実の問題といたしまして、非常に少い株数に分散してしもう、こういつたようなことはないのでありまして、仮にそういつた場合が例外的にありましても、それは非常にケースとしては少い。現実の問題といたしましては相当な大株主もおられるのでありまして、その点の心配と申しますか、極端に株が分割されて費用倒れになる、こういうようなことは起つて参らないたろうと、こういうふうに考えております。
#13
○委員長(一松政二君) それはそういうことが考えられるが、今まで不景気の時代にはつまり減資するために、十株の株主が五分の一にすれば一株になつてしもう「三分の一にすれば三株か何か端数が出てしまつて、そういう人が今度次の増資に應ずるかというと、そういう人に限つてなかなか應じないということで、可なり整理した株屋などにはそういうのが今までもよく見受けられたのであります。数から言えばそれは少いに違いないけれども、まあ結局僅かな端たの数に過ぎないから、それはまあ会社が面倒を見ろ、こういう大体行き方の考え方と承知していいわけです。
#14
○政府委員(阪田純雄君) 結論から申上げますと、そういうことに相成るのでありまするが、又別途國民の一人一へが株主といつたような調子に、できるだけ零細であつてもいいから、堅実な投資としての株を持つて頂きたい。こういうことをやつております場合におきましては、実際問題としましてそういうケースは少くなりますし、少くなりました場合におきましては、やはりそういつたものの費用の負担は会社がするのだ、こういうことに相成りました方が、実は株式の民主化の建前からも結構ではなかろうか、こういう考え方をいたしておるのであります。
#15
○油井賢太郎君 只今委員長からも話がありましたが、一株五十円という單位の株が今日本では多いのでありますが、たつた五十円というと、煙草一つも買えないというような細かいものになつてしまつておるのです。これについては政府としてはいろいろな費用の節減というような観点から、これを十株を最低とするように整理をするというような、いわゆる端数の整理というようなことをお考えになつておりますかどうか。
#16
○政府委員(阪田純雄君) 只今の問題につきましては、政府といたしましては差当り考えていないのでありまするが、如何なる額面の株式を発行するか、例えば十株券を出すか、或いは百株券を出すか、こういう問題につきましては、会社がそれぞれの定款で決めることになつております。それらの点から或る程度の調整ができるのではなかろうか、こう考えておる次第であります。
#17
○鎌田逸郎君 このことはこういうふうにこれを考えてみたいと思いますが、証券民主化のために間接直接に配当する、こういうことのように見受けられますが、大体今までの株式或いはその他の状況を実際に見た場合には、実際の株主の名義ではなくして、変名を使う場合もあれば、それを或いは轉賣、或いはそういうような意味でやつておる者が相当あるやに見受けるのです。そういう場合におきましては、この小株主という者のつまり投資というものは、どの程度であるか、これは極く少数じやないか、取引所を利用して相当の思惑をして、これを轉賣、或いはそういうような方向の方が却つて多いのじやないか、こういうことを考えられるのですが、この点をお調べになつたことがありますならば、一つ事答え願いたい。
#18
○政府委員(阪田純雄君) 御質問のような株主も從來においては相当あつたと存じます。現在におきましても、必ずしもその跡を断たぬと、こう考えております。併し最近におきまして、証券民主化と申しますか、この運動の進展に伴いまして、相当眞面目な中小株主も出て來ておるように、私共は仕事を通じまして見受けておる次第であります。
#19
○鎌田逸郎君 実際これからは財閥も解体して、この証券というものは全く大衆にこれを持つて貰わなければいかんと、こういうことも考えまするけれども、なかなかこの株券を持つということは、とても大衆の百姓なんか持とうたつて、関心を持つていない以上はこれは容易に一般に普及されないと、私はこう考えております。こういう点から考えまして、つまり今までの変名とか、或いは特殊の運用をしまして、そういう株の思惑をするというような者に対して、弊害のあるかないか、この点をよく考えて見なければいかんじやないか、こう考えますが、この点如何でございますか。
#20
○政府委員(阪田純雄君) 只今お話になりました株式の思惑と申しますか、堅実な投資にあらざるところの株式の賣買その他の取引につきましては、先般國会を通過いたしました証券取引法の実施によりまして、いろいろ取締られることに相成つております。又そういつた株主直接ではありませんが、それを商いいたしまする証券業者の検査につきましては、申上げました法律によりまして実施し得ることに相成つて、現実に検査もいたしておる次第であります。そうして検査をして参りますと、証券業者の、いわば取引の相手といつた者におきましては、必ずしも堅実な投資ばかりでなく、お話のような思惑を対象と考えるような、いわば惡いお客さんもありまして、証券業者自体といたしましても十分に客を選ぶ必要があるわけであります。それらの点につきまして、申上げました法律におきましても、証券業者の或い財産、負債の状態といつたことにつきまして相当精細な制限規定がありますと同時に、又その取引の方法につきましてもいろいろ精細な規定ができておりますので、お話のありました、いわば思惑のみを対象といたしまして、不堅実な取引をいたす者につきましては、段々そういつたことがやりにくくなる、こういうことに相成つて参るだろうと存ずる次第であります。
#21
○鎌田逸郎君 委員長に希望するのですが、これは日本の経済界に及ぼす影響が相当廣範囲に亘るのじやないか、こう思いますので、専門方面の証券業者が、或いはそういう方面の方に一層実際の実情を聞いて見たいものだと思います。一つ希望を申上げます。
#22
○委員長(一松政二君) それは承知いたしました。但しそれは合同委員会でやりますか、商業委員会のみでやりますか。財政金融委員長はどうお考えになりますか。
#23
○黒田英雄君 それは商業委員会でやることじやないですか。
#24
○委員長(一松政二君) それではいずれ……合同審査会は、他に御異議がなければ今日多分終了することと思いますので、あとは商業委員会でその取計らいをいたしたいと存じます。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#25
○委員長(一松政二君) 速記を始めて、他に御異議がなければ合同審議会はこれで打切りにしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○委員長(一松政二君) それでは合同審議会はこれを以て終ることといたしまして、あとは專ら商業委員会において審議を続けることにいたします。それではこれで散会いたします。
   午後三時四十一分散会
 出席者は左の通り。
  商業委員
   委員長     一松 政二君
   理事
           鎌田 逸郎君
   委員
          大野木秀次郎君
           黒川 武雄君
           中川 幸平君
           油井賢太郎君
           島津 忠彦君
           高瀬荘太郎君
  財政及び金融委員
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           波多野 鼎君
           伊藤 保平君
   委員
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           松嶋 喜作君
           山田 佐一君
           石川 準吉君
           木内 四郎君
           田口政五郎君
           星   一君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           高橋龍太郎君
           栗山 良夫君
  政府委員
   大藏政務次官  森下 政一君
   貿易廳長官   永井幸太郎君
   大藏事務官
   (証券局設立準
   備委員長)   阪田 純雄君
ソース: 国立国会図書館
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