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1958/03/26 第31回国会 参議院 参議院会議録情報 第031回国会 建設委員会 第20号
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1958/03/26 第31回国会 参議院

参議院会議録情報 第031回国会 建設委員会 第20号

#1
第031回国会 建設委員会 第20号
昭和三十四年三月二十六日(木曜日)
   午前十時三十四分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月二十五日委員内村清次君辞任につ
き、その補欠として天田勝正君を議長
において指名した。
本日委員天田勝正君辞任につき、その
補欠として内村清次君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     早川 愼一君
   理事
           稲浦 鹿藏君
           岩沢 忠恭君
           田中  一君
   委員
           石井  桂君
           上林 忠次君
           小山邦太郎君
           西岡 ハル君
           松野 孝一君
           秋山 長造君
           内村 清次君
           上條 愛一君
           安部 清美君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
   建 設 大 臣 遠藤 三郎君
  政府委員
   大蔵省主計局長 石原 周夫君
   建設政務次官  徳安 實藏君
   建設大臣官房長 鬼丸 勝之君
   建設省計画局長 美馬 郁夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
  説明員
   大蔵省銀行局特
   別金融課長   磯江 重泰君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公共工事の前払金保証事業に関する
 法律の一部を改正する法律案(内閣
 提出)
○首都高速道路公団法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○連合審査会開会の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(早川愼一君) これより建設委員会を開会いたします。
 公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 大蔵大臣が出席されましたのでまず大蔵大臣に対する質疑を願います。
#3
○小山邦太郎君 私は今議題になっておる問題については質問がございませんが、これに対し他の委員より質問があるまでの間、大蔵大臣に一つお尋ねしたいことがありますが、発言をお許し下さい。
 それは別でもありませんが、砂防に関する問題でございます。幸いにして当面の予算には、従来に増してこの点に重点を置かれ、その予算措置も相当額増額されたことは、この問題に深き憂いを持っておる者のために非常に喜ばしいとするところでございます。さりながら政府の計画しております砂防五ヵ年計画遂行の上から申しましても、今日の程度の予算措置をもってしては、その目的を逆成することがとうてい容易でない。いわゆる百年河清を待つの類でございます。それどころではない、年々非常なる人蓄を初め山野耕地の災害を見ております。その災害の根源は治水の全きを得ないところからでございますので、政府においてもいろいろ御心配になって、遂に当年は砂防に対して特別会計まで設けようというところまで熱意を傾け、いろいろ当局においても御研究を重ねられたようでございますが、ついにその目的を達することができなかった。伺うところ、閣議においてもその重要性を認めて、次年度においては何らか特別の処置をとろう、でき得れば特別会計にまで持っていくというような意見まで出されたと伺っておりまするが、大蔵省方面に特別会計ということにはなかなか難点があるということも伺っておりますが、どうあっても現状のままではとうてい災害を防止することができない。専門家の意見を聞くならば、今日の五ヵ年計画を早く遂行することによって年々二千億を超ゆる損害を千億ぐらいにとどめることは容易であろうと伺っておりまするので、もちろん他の方面よりの多端な要求ともにらみ合せた場合容易なこととは思いませんけれども、少くとも来年は、砂防に関しましては一段と特別なる処置をとっていただきたい。でき得るならば特別会計を起しまして、あたかも道路五ヵ年計画のそれのごとき充実した予算措置のもとに、事業の遂行に遺憾なきを期したいと思いまするが、大臣におかれてはいかがなお考えでございまするか、この際御所見を……。
#4
○国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように大へん台風その他の風水害をこうむります日本の国土形勢から見まして、この水害等から開院を守るという大きな政治目標があるわけであります。その意味において河川改修あるいはダム建設、あるいはまたただいま御指摘になりました砂防、こういうものを合していわゆる国土を守る計画を進めておるのであります。そこでいろいろ経過的に見まして年々災害が大きくなるという表現もございますが、大体経過を見ると、大戦争の後に国土が荒れるという、こういうことはもう過去の明治時代にも経験したことでございます。あれだけ多額の国費を費し、そうして戦争を遂行した。戦争に勝った場合でございましても、ただいま申すようになかなか国土が荒れまして、これを回復さすことは容易でないということである。負けた戦争であり、何もかもみな立て直す、こういう場合に国土の荒廃を復旧するということが非常に大きな仕事である。同時にまた国の負担でもあるわけでございますが、こういう一つの傾向も念頭に置かなければならぬと思います。御承知のように今度の戦後におきましても年々歳々こうむります台風災害が非常に大きい、そこでいわゆる災害復旧、それすら実は十分参っておらない状況であります。その意味から、その災害が大きいだけに、もっと根本的な砂防なりあるいは河川改修なり、総合ダム建設なりすべきだという議論がおありになるのは、これは当然だと思います。幸いにして戦後十三年たってようやくこの災害復旧については見通しが大体立って参りました。いわゆる緊急工事についての期間短縮の方法であるとか、一般としても三、五、この比率による災害復旧、こういう計画が立ちまして今年になりました。三十一年災までは今度は全部完了する。この数年はかなり災害の復旧に相当な多額の金を要すると思います。そういう意味で災害復旧が一応目鼻がついた、こういうことで、今度は負担的にも幾らか楽になると思います。そういうことを考えますと、そういう際に御指摘になりましたような基本対策が当然考慮されてしかるべきだ。ことしなどの予算ももちろん少額ではございますが、この砂防対策費は、他の河川改修費やあるいは総合ダム建設等に比べましても相当――もとが小さいのですから比率だけではこれは自慢にはなりませんが、相当力を入れたつもりでございます。そこで建設省におきましても、この国土を守るという意味から、あるいは災害を予防すると申しますか、そういうような意味から事前に基本的計画を立てるべきだ、こういうことで、いわゆる特別会計を設定して、急速に工事を推進する要があるのじゃないか、こういう意見が出ております。またその特別会計までもなく、とにかく五ヵ年計画を樹立すべきじゃないか、建設省の砂防計画に合わしまして、農林関係においてもこれと歩調を共にするような計画を進めていく、こういうことであります。いろいろその計画そのものはそういう意味で御指摘になりますような方向で進められておると思います。問題は、限りある国費をもちまして、そして一体どこまでそういう要望にこたえ得るかというところに結局落ちつくのだと思います。しかし総体から申せば、冒頭に申しますように比較的災害復旧の方が進んで参りましただけに、今後はこういう基本的対策の方に力を入れる余力も生じてくるんじゃないかと思います。今日までのところ、いろいろの批判があると思いますが、戦後の財政状態から見ますと、いわゆる災害復旧、これをまず第一に取り上げて、その災害復旧を通じて河川の改修をするとか、災害防除に役立つようにする、しかしそういう構想でありましても、なかなか不十分な予算でございますから、復旧した所がまた重ねて復旧する、また地域的にもそれがほとんど固まってきたようでございますから、そういうような地方に対しては根本的に山の上から直してかかる、そういうことをやっていかなければならぬと、かように思うのであります。私は、政府部内においても建設、農林等から基本的な長期計画樹立の計画もありますので、これを権威あらしめるということを一つ考えて参りたい。そういう場合に国の財政支出等を十分勘案いたしまして、その計画の遂行に協力したい、こういう考え方をいたしております。ただいま特別会計といたしましても、特別な特殊財源を持っております特別会計なら、作りましても非常に意味があることでございますが、一般国費をもってまかなう特別会計となりますと、御承知のようにそのときどきの財政事情によって左右されるのが国の財政そのものでございますから、なかなか長期計画を遂行することはむずかしい、特別会計にいたしますなら、全然別個の財源をとらなければならぬ。そこでしばしば言われますのが公債、発行論に実はなるわけでありますが、公債発行倫も時期がくれば、私ども必ずしも反対するものではございませんけれども、まあ今日の経済の復興状況から見まして、一部の諸君の言われるように、何も大丈夫だから公債を猛打して急送に整備しろという批判には、まだなかなか決心しかねておる、こういうこことでございます。問題は特別会計にいたしましても、ただいま申すように、財源が一般財政からまかなわれるのでありますれば、あまり意味がないことになりますから、ここらで問題をむしろ建設、農林その歩調を合せて長期計画を立てまして、その長期計画を予算編成の際に財政の許す限り忠実に実行していく、こういうような努力をすべきではないか、かように考えております。
#5
○委員長(早川愼一君) それでは本議題に返りまして、大蔵大臣も出席されておりますので、大蔵大臣に対する御質問を願います。ただ大蔵大臣は他の委員会に出席を要求されておりますので、あらかじめ御了承の上で御質問を願います。
#6
○岩沢忠恭君 最近この東南アジア諸国から日本の技術援助を要請しまして、日本の技術の優秀性を相当高く評価せられておることは御存じの通りであります。この技術をもっていわゆる低開発国の援助を行うことは、東南アジア諸国との平和親善という観点からも非常に大なる役割を果すものと思っておるのであります。日本でも科学振興という声が非常に強く叫ばれつつありますけれども、日本自体の技術の向上をはかることはもちろんでありますけれども、同時に日本の程度の技術より低いところの諸国の、低開発国の技術を通じての文化向上ということは、将来の日本のあり方ということについて非常なる貢献を私は持つものと思っておるのであります。この問題については、政府もすでに開発資金に充当されるはずの、五十億ということが考えられておるやに聞いておりますけれども、この五十億円が果して現在動いておるのかどうか。あるいはまた東南アジア開発における技術センターを置くというような問題も起っておるのでありますけれども、しかし常に資金を要するというような観点から、大蔵省が非常にこういう問題に対しては消極的だと、その消極的な現われというものが、この法案の法人に肩がわりしておるというふうに見えるのですが、大蔵省は東南アジアの開発というような問題について、財政的にどういうふうにお考えになっておるか、その点を一つお聞きしたいのです。
#7
○国務大臣(佐藤榮作君) 東南アジア開発あるいは東南アジアとの経済提携、これこそは自民党山川内閣の大きな公約、政治方針でございます。その岸内閣の一員であります大蔵大臣が、その基本方針に反するようなことはございません。どこまでも忠実にこれに協力をいたしておるのであります。
#8
○岩沢忠恭君 それならば建設省を初め各事業省が、東南アジアに対する技術援助とかあるいは科学援助をするというような方法を、たとえば予算査定の際において建設省が出した東南アジア振興会社業ですか、政府出資によりてやる、これが大蔵省が非常に難色を示して、そしてさしあたりの現在ある公共群羊の前払保証事業に肩がわりしたというようにわれわれとっておるのです。従ってこれによって大蔵省というものは、わが党の政策とはいいながら財政の都合によってこれを阻止したというようなことに考えられたのですが、どうなんですか。
#9
○国務大臣(佐藤榮作君) 今の土木建築会社、いわゆる公共事業工事の推進協力の町において特殊会社を作って進出を容易にする、こういう構想が建設省にありますことは御指摘の通りであります。そこで今日まで国が援助いたしますにしましても、やはり一定の限界はあるわけでございますから、あらゆる産業につきまして、またその産業の持つ力等をも十分考えて、国が援助するなら援助するということにならざるを得ない。言いかえますならば、中小企業とかこういう面については、国の援助を特に必要とするのじゃないかと思いますが、いわゆる土木工事をいたしますそれぞれの会社、ことに海外に進出していくという会社、これは仕事の性質から見まして、実は国内においてももう一流の資力、信用十分の会社でございます。こういう会社が外国へ出ていく、なるほど最近のことであり、新しくそういう地域を確保するのだから、その意味において特別な援助というか支援を必要とするということもありますが、この新しい方面を開拓するという意味においては、外交その他政治的面においての協力は、これは当然やるべきだと思いますが、本来十分の力を持つと思える民間会社等については、政府が特にそこまで力を入れることはいかがかと、今日民間においてもすでにそういう意味の相互の保証をする会社もできておるし、そういうものの成績も十分見るべきじゃないか。また今回の土木会社が海外に進出する場合におきましても、現にあります輸銀その他を通じての融資あるいは国内民間金融機関の協力、これなども望みやすいことでございますから、そういう意味で限りある財政支出としては、今回はしばらく、現在ある機関のその成績を十分見て、しかる上で私どもが、要すればその特殊のものを考えていく。こういうことが望ましいのじゃないか。事柄を軽視しておるわけでございません。むしろ逆に今日の工事会社の能力なりあるいは工事会社が持つ技術的水準、これは外国に比べまして別にひけを取るものじゃない。こういうことを考えて参りますと、今、岩沢さんの御指摘になりますような財政的援助ということよりも、もっと外交の、面においての協力支援が、本来の力を十分に出すゆえんではなかろうか。こういうことで、他の中小企業を主体とするような貿易商社の技術センターの建設等については、相当力を入れて参りましたが、それとはややこと変った措置を実はとつておるのであります。それはただいま申しましたように、どこまでも業界の力というものが私どもは十分の力を持っておると、かように考えてただいまのような措置にいたしたわけでございます。
#10
○田中一君 輸銀では貸付けのワクというものをどういう形で定めているわけですか。輸銀の貸付けのワク、従って産業別に相当貸付けの順序があるように聞いておるのですが。
#11
○国務大臣(佐藤榮作君) 大体これは協調融資をいたすわけでありますが、輸銀は大体八割というのが普通の考えでございます。しかしものによりましては、もちろん輸銀におきましてももう少し力を入れる場合もあるだろうと思います。
#12
○田中一君 今、岩沢委員からの質問があったように、昨年中建設省の前事務次官は一生懸命政府出資によるところの保証会社、いわゆる協力会社を作って海外への技術進出を進めようとの考えを持っておったのですが、あなたの方で反対したと聞いております。従ってこれは提案されておりませんがこれにかわるものとしてこの前払い保証の会社は、海外進出のための保証をするというものとはおのずから立法の精神が違っておるものなのです。
 ましてや国内の問題については、その後法律等を改正して、中には前払い保証というものの範囲を逸脱したものもありますけれども、同じ国内の問題としてこれはまあいいと思います。しかし輸出入銀行という銀行があって、これは一切の海外に対する貿易の振興に資しているという現状から見て、大蔵大臣の権限で、私はかりに日本の岸内閣の大きな政策であると言えるならば、あなたの腹一つで輸出入銀行が海外に進出するところのコンサルタントあるいは工事会社に対する融資のワク、なければ新没する。これにはしよせん金融会社ですから、回収の保証がない限りは貸さぬでしょう。従って、どうしたならば回収の保証ができるかということを考えてやればいいのであって、決して何もこういう前払い保証会社という機関による必要はない。これはおそらく大蔵大臣はこれによるならばよろしいということじゃないだろうと思うのです。今佐藤さんが言つたように、力を持つ者が当然出るであろうから、その自分の持っているところの力で出なさい、こういう態度も一応うなずけます。しかしそれで耐えられない場合には輸出入銀行があるではないかという考え方を私ども、また国民はそう思わざるを得ない。そこで、それには輸出入銀行に対する何かの制約というものがあるから耐えられないということになると思うわけです。従って、輸出入銀行の融資の基準といいますか、これはどういう形で現在行われておるかということを最初に伺いたいのです。これは大蔵大臣はむろんあなたはわかっているでしょうが、事務的な問題ならば、その方の担当から伺ってもけっこうです。
#13
○説明員(磯江重泰君) 事務的なことでございますので、私からお答え申し上げます。
 輸出入銀行は日本輸出入銀行法によりまして業務を行なっておるわけでございますが、政府関係の金融機関でございますが、やはり銀行であるということでございまして、その業務につきましては、やはり金融的な観点からやっておるわけでございまして、法律の上におきましても、輸銀の業務につきましては、もちろん市中の融資が困難である場合の補完という性格は入っているわけでございますが、しかし債務の返済が確実であるということもやはり法律にうたわれているわけでございまして、金融のベースに立ってしかもある程度政策的な見地をとり入れて業務をやっておる、という基本的な考え方に立っておるわけであります。
#14
○田中一君 だからこうした建役業に対してはあるいはコンサルタントに対しては融資ができないのだという条件があるのかどうか。あるいはまたそういうものがないとするならば、一般商店に対する融資のソクというものとの比重はどうなっているかという点。
#15
○国務大臣(佐藤榮作君) 法律上は別に基準はございません。そこで問題は、今のお話でも出ておりますように、土木会社が海外に進出する、こういう場合に工事関係で非常に危険性を伴う、こういう事柄がある。そういうのも危険性の認定を輸銀においていろいろ考えまして、べースに乗るとか乗らないとかいうことになる。これは普通金融会社が査定するのと同じような考え方でやるわけであります。
 そこで問題になりますのは、海外に進出いたしま場合に、私などしろうとでとやかく申すよりも十分御理解いただけると思うのですが、いわゆる工事機械を一体どうするか、あるいは工事材料を一体どうするか、あるいは労務関係はどうするか、こういうようなことになると思うのであります。この工事機械だとかあるいは工事原材料とかこういうようなものについては、おそらく商社との提携もあるであろうと思います。そういう面についての十分な金融措置はできるだろうか、労務関係において現地労務者を使うというような場合の考え方が一体どうなるか。従いまして、土木会社が海外に進出する場合に、いわゆる進出と申しますか、その中身の問題が非常に問題になり得る、こういうことに私ども実は考えておるのであります。最近の例で申しまして、各地においてわが国の土建会社が入札に加わっておるのがございますが、政府が関係するところのもの、たとえばフィリピンのマリキナ・ダム、こういうふうな場合になつたときに、わが国の商社、有力商社を指定すること自身も非常に困難でございましょうし、また相互に非常に競争いたしまして、いろいろな相手方に有利なような条件を出すことも、これもまた実は困る。そういうふうな意味で、これは建設省などが独占禁止法その他にひっかからないようにといいますか、実情から申しますならば、よく労使が相互に、競争は競争だけれども、その限度を踏みはずさないように、十分な話し合いをしてもらう。ことにただいま申しあげました大きなアイテムとして考える三つのうち、そういうふうなものは、一体会社自身の責任においてやれるのか。あるいは会社が商社を同町にその関連の会社としては使っていく、こういうようなことで金融の方法もおのずから道が開けていく、こういうふうに実は思うのであります。先ほど来お話しになりますように、最近のことであり、ぜひとも新しい活動の分野を獲得したいという意味で建設会社も海外に進出したいし、またそうすることが政治的な東南アジア開発、こういうような基本的方針にも沿うということで、私どもは協力を惜しむものではございません。しかしただそういうハイ・レベルの理由だけで今日やつております輸銀の金融方法をもう少し緩和しろ、こういうわけには実はいかない。こういうことを先ほど来申しておるのでございまして、特に建設会社においてきつく当る考え方はございません。むしろこういうような新しい分野に進出するんだから、もっと特別な便宜をはかれという御要望が一部にあるだろうと思いますけれども、問題はそういうわけにはなかなかいきません。輸銀もりっぱな普通の金融機関としての仕事をいたします、こういうことを実は申しておるのでございます。誤解のないように願いたいと思います。
#16
○田中一君 現在の入札の条件等、契約等に対しては、何か疑義があるという見通しの上に立っているのですか。たとえば注文を出すといっても、契約上の問題とか支払い上の問題に関して、条件が悪いから輸銀としては融資をしないんだということなんですか。その点が明確でないです。これはむろん市中銀行と同じような金融機関ですから、元利当も回収せれるという見通しか立たなければ融資はせぬだろうと思うのです。しかし政府が強く東南アジアに対する、あるいはビルマに対するところの、出外国に対するところの建設技術の輸出ということを考えているならば、足りない力を幾分でも貸してやって、そうして岸内閣の主張、政策を達成した方がいいのではないかと思うのです。そうするには何といっても機関があるのです。ですから不健全な受注であり、不健全な事業であるという前提に立ってのことなのか。あるいは民間の海外に出ようというような業者は、相当な自分の資力も持っている、だから何ら力を貸さぬでもいいんだという前提に立っているのか。どちらなんです。
#17
○国務大臣(佐藤榮作君) 不健全な進出というような意味を持っておるわけではございませんし、また有力なものであるから政府が支援する要がないというわけでもございません。ここは誤解のないように願いたいと思いますが、先ほど建設会社が進出する場合に指摘いたしましたように、たとえば建設機械、こういうものについてはこれはりっぱに資金の融資はつくと思います。あるいは原材料等についてもこれはつくことだと思います。従って全体の工事費としての分担について、それはいろいろ議論があると思いますが、その大部分を占めるものについての金融措置は、これはりっぱにつくのでございます。同時に有力な機関でございますから、一般市中銀行の協力がもちろんございますので、市中銀行の裏づけがある場合においては、輸銀はこの低利の融資を必ずやっていくのであります。そういう意味においては別に心配は要らないと思います。で、問題は政府が中に関係しておりますようなマリキナ・ダムの建設というような場合でございますと、条件が非常にはっきりいたしますから比較的これは容易だと思います。しかし他のいわゆる入札に出ておるからといって、この入札に参加したそういう場合の保証金その他の問題あるいはその後の問題につきましては、おそらくそれは輸銀等におきましても内容を十分に伺うことだろうと思います。別に強いから援助しないということではなくて、強いということはむしろ輸銀が喜んで援助する理由でもあります。問題は中身が非常にあやふやだということなのか、こういうことでございますが、私は総体としてそんなにあやふやなものがあるとは思いません。特に最近のような政府が関係する技術開発の面については、条件等が非常にはっきりしておると思います。最近コンサルティングの関係でメコンなども国際連合で取り上げる、この関係で、主流関係は全部日本の方が費用を持つということになっておる。将来主流関係でいろいろ工事が行われるとすれば、おそらく日本の業界としてはこの特殊事情から有利な地位になるだろう。そういうふうなことを考えて参りますと、これは国内においても十分の資力、信用のあるものだし、従ってその計画そのものが適性というか普通でございますれば、それはすらすらといくことだと思うのであります。
#18
○田中一君 市中銀行の裏づけがある場合には輸銀は融資をする場合がある、こういうことですね。そうすると市中銀行の融資というものは、やはり大蔵大臣の行政権で銀行局長いろいろな指示をしております、融資、貸付けの優先順序というものをきめております、ではどういう工合に市中銀行に対して指導しておられるか、伺ってみたいと思うのです。
#19
○国務大臣(佐藤榮作君) 大蔵大臣だから銀行はみんな言うことを聞くだろうとお考えになるとたいぶ話の筋が違いますし、私も本来命ずべきことは命じます、筋の立つごとは命じますけれども、何もかも大蔵大臣だからといって、一般市中金融に条件などをつけることはいたしておりません。そういうことは問題外と思います。私が申すのは、建設会社そのものが国内において資力、信用十分にございますなら比較的工事その他も順調にいく。また国内の工事であります限り工事のリスクというものは非常に明白でございます。ところが外国で工事をいたします場合に、一番輸銀などが問題にいたしますのは、工事のリスクを一体どこが持つのか、この点が明白になっておると金融も非常につきやすい。だから建設会社も、先ほども申しますように政府がタッチする工事に関する限り、これは非常にはっきりして参りますが、最後のところへいきますと、工事のリスクというものが一体大丈夫なのかどうなるのか、だれが負担するのか、こういうところに実は最後には入ってくるのであります。だから海外進出の場合において特にその点に留意されますならば普通、金融は必ずつく。普通金融と申せば輸銀は総額の八割、残り二割は市中銀行との協調融資、こういうことになるということを申しております。
#20
○田中一君 あなたの言うことはよくわかるのですよ。従って輸銀が市中銀行と協調して貸せるが、現在の段階では貸せる対象にならないということに集約されると思うのです。そうでないというならば、何も目的の違う前払い保証会社が応札等の保証をするというこの事業を、大蔵大臣が同意をするはずがないのです。輸出入銀行を助けるために、保証会社というものにその危険負担をさせるということにほかならないのです。あなたの答弁を聞いていると、不十分だからその面をだれかが保証してくれれば融資もしようじゃないかということなんです。市中銀行がしないで今まで個人の持っておる信用でした例もあるでしょう。しかしながらそれは不十分だからどこかに頼ろうという、これが結局この法律改正に出ているように、前払い保証会社に保証さして融資をしてやるということになる。そうすると危険負担というものを市中銀行も負わない、それから国際銀行であるところの輸銀も負わない、その危険負担は一般の国民に押しつけよう、この保証会社というものは中小企業等が全部集まって株式を持っておる会社なんですよ。むろん海外へ出ようというものは、今までの例から見ましても応札しようとか、あるいは指名がくる……応札しようなんていう連中は二十社くらいしかございません。それを六万といわれているところの業者、そのうちのまあ割に健全な経営をしている小さい業者が株式を持っておる、投資をしているところの保証会社にその危険負担をさせようということ、これは一体大蔵大臣が日本の経済と申しますか、あるいは金融経済と申しますか、こういったものの健全さを保持しようというお考えの上に立つたならば、これはちょっとそういう答弁では私は満足できないのです。しかし現在そういうような段階だから何とか研究して、そういう小さな会社に危険負担させないで、国として次の段階には抜本的な、それこそ岸内閣の一枚看板の、われわれもこれ賛成しておるんですね、東南アジアに対する、あるいは世界に対する技術輸出という点から見まして、これを育成し、また完成しようという意欲があるならば、当然次の段階においてどうしようかということが言われなければならぬと思うのです。今大蔵大臣の答弁を聞くと、結局不十分であるから市中銀行も融資ができない、輸銀もできない、だからごらいう弱小の民間の企業体であるところの、むろんこれは法的に法律できめられておるものでありますから、これが一応保証するならば融資を認めようということになると、これは国民の立場からいえばどうかと思うのです。だいぶあなたをほしがっている委員会があるそですから、これ以上言いませんけれども、次の段階にどういう方法で岸内閣の唯一のよい政策をやろうとするのが、それには一にかかってあなたのそうした意味の裏づけがなくちゃならぬと思うのです。また裏づけを望んでおるのです。その点について一つ御答弁願います。
#21
○国務大臣(佐藤榮作君) 田中委員は私どもの心配している点にただいま触れられたように思います。問題は先ほど申しますように、工事のリスクをだれが負担するか、このリスクを輸銀だけで負担する、こういうことも困るでしょう。それかといって、国内の中小業者をして担保させるということもずいぶんきつい話だと思います。今回の保証会社の実体はやはり有力会社がその中心であることはもう御承知の通りだと思います。この保証会社が保証して、そして担保力がこれで強化される、しかもそれが業界でありますだけに、業界相互の自粛といいますか、白戒というか、そういう点にも役立つかと思います。私どももそういう意味で、まず第一段はこの方法が望ましいのではないか、しかしこの方法で非常に結果がまずいと見れば、さらにそれは当然工夫していかなければならぬと思います。今の建設会社の能力をもっていたしますならば、この方法で十分りっぱに成功するものだ、またそうすることを私は期待いたしております。こういう意味では業界の心ある人たちも、まずみずからの力によって相互にまた一つ保証し合って、そして担保力を強化し、現在の輸銀等の融資をもつけ行るようにその道を開いていこう、そういう協力の結果、今の制度に変っておると思います。私はこの制度をしばらく実施してみることがまずさしあたりの問題ではないかと思います。私はこの制度が必ず効果を上げるものだと、かように期待もいたしておる次第でございます。
#22
○田中一君 しばらくこういうこの法律改正の制度でいくのだということは、いつごろまでということなんですか。私はそんな抽象的なしばらくなんと言わずに、もっと具体的にあなたの方針を示していただきたい。われわれ社会党としても賛成しようとしているのです、一応の今の段階では。しかし、あなたが危険負担をここに押しつけ、しばらくやってみて、損をしたらそれを、事故があったらそれを何とかしようと言いますが、事故がなくても、このくらいりっぱな仕事をして、その危険というものが相当除去される見通しが立つ段階において、国がもっと積極的な応援態勢を作ろうというのか、その点明確にしてほしいのです。
#23
○国務大臣(佐藤榮作君) しばらくということは、この会社の成績なり今後の進出状況を見て、しかる上でということでございます。
#24
○田中一君 今まで五、六人の参考人を呼んでその点については聞きました。しかしみんな危険だと言っている。しかしある限界までは保証もしましょうということを言っているのです。これは中小業者も、この会社に反対するだろうという人たちも、政府が一応これで発足して、近い将来において何らかの措置をとってくれるであろうという期待をもってこれに賛成しているらしいのですよ。大蔵大臣としては……こういうものは正常な姿じゃないのです。こういう形でもってやるのは、正常な姿じゃないのです。単に市中銀行なり、輸銀等の危険負担だけを国民にカバーさせよう、民間にカバーさせようということにすぎないのですから、この点に対してもう少し明確に考え方を示して下さい。これが正常なる姿じゃございません、保証会社に対して保証さして融資するなんということは。
#25
○国務大臣(佐藤榮作君) これが正常なる姿かどうかという御意見でございますが、私はむしろこの種のやり方が正常なる姿……、国が積極的に援助することは、正常な姿ではない、こういう考え方をいたしております。ことにわが国の建設会社の資力、また技術水準、これは相当国際的にも高いものであります。今日の業界にしても海外に進出する場合に、非常に特別な援助をしないとひけをとる、こういうように私は考えておらないのです。従いましてまず民間のこの種会社によって一つやっていただいていいことだ、必ずそれが成功するものだと思います。しかしながらそれでもなおかつこれは成功しない、こういうようなわが国の建設会社の力でありますれば、それはその際にもう一度考うべきでございましょう。しかしそういう場合においても各国の例等を見まして、各国と競争した場合、やはりフェアでなければならない、そういうことを考えて、政治のあり方は十分考えて参りたいと思うのであります。最近国がタッチいたしますたとえばマリキナ・ダムの建設とが、賠償の担保にするような工事だとか、こういうことで非常に具体的になってくるものについては、これは私はそれぞれの危険という問題も非常にはっきりして参ると思います。しかし他の貿易商社にいたしましても、あるいは商社が新しく出ていきます場合に、その一体リスクをだれが受けるか、これは業界自身みずからが受けておるのであります。私はこの建設会社が新しい分野において活躍することをもちろん望んでおりますが、この資力、信用は十分にあります建設会社であるだけに、やはりそのリスクはみずからの負担においてやるのが本来の建前の筋だと思います。だからその意味においてせっかく出ていった、しかしながらこれは工事の途中において手を上げなければならないということになると、国家的にもそれは非常な不信用を買う、こういうような事態がございますれば、政府はむろん考えてそれに対する対策を立てるべきだと思いますが、今回の扱い方にいたしましても、他の産業各面と同じように、政府は特にこれについて特別な注意を、特別な援助をすべきではない、これは本来の建前においてやはり各国との競争においてひけをとらないように、だから輸銀が特にこういうものに対して融資を差しひかえるというような、もし不都合なことがございますれば、そういうものに対して私は輸銀をして適正な融資を勧める、これは大蔵大臣としてもちろん責任をもってやりますが、本来の海外に進出する場合の責任というものは、特別な国策進出いわゆる政府自身が口をかけると言いますか、政府自身の政策遂行、先ほど来のような貿易振興だとかあるいは海外進出というだけの抽象的なものでなしに、もっと具体的に掘り下げた、具体的政策の遂行上の責任でどうこうということであれば、それは私は政府が責任を持つべきだと思いますが、そうでない限り、他の産業部門の海外進出と同様に扱っていく、これが私どもの考え方であります。
#26
○委員長(早川愼一君) 大蔵大臣に対する他の委員会からの出席要求が先ほどから再三ございますので……。
#27
○田中一君 それではもう一点だけ。私は国が全部裏付けをせよというのではないのです。布中銀行なり輸銀なりがその目的をもって、ことに輸銀は目的をもってやっておる現在、あなたの方で、輸銀の方で相当な融資をしているところの商社は、自分の責任において業者を下請けに使って出ておるのです。むろんこれに対しては業者自身の資力でやっているのではございません。商社が資金なり資金の裏付けをして、実際の労力にしても資材にしても、裏付けをしてやらしておるのです。商社ならば輸銀が融資して相当規模の大きな取引をしているでしょう。輸銀の融資は可能である。しかし下請けとなってやれば不可能なんです。現にやっておるのですよ。そこで二割か三割の手数料をとって商社がやっておるのが現状です。みんなやってします。それでは困るというので、それでは世界の競争場裡に入ってかなわぬから、まあ入札のコストを低めるためにも自分の力でやってみたい、というのが今度の計画だと思うのです。従って私が先ほどから言っておるのは国が直接援助せよというのではないのです。そこにまあ問題があります。しかし大分他の委員会もやかましいし……われわれあなたの考え方というものは間違ってないと思うのです。僕はあなたの考えは間違ってないと思う。同じような条件で一般の両社も建設会社も同じ扱いだということには間違いないでしょう。しかしそういうふうに扱っているという前提に立って間違いないと言っているのです。まあこれは私もいずれ調べていきますが、この辺で一つ終りにしておきましょう。
#28
○国務大臣(佐藤榮作君) それでは私これで退席さしていただきますが、今田中さんが言われるように、初めて出ていく建設会社でございますから、特にそういう面で金融上その不都合、不便があるというようなことでございますれば、また皆さんの御意見も伺いまして十分御希望に沿うようにいたしたいと思います。
 それから先ほど来のお話にはございませんでしたが、コンサルタントというかその方の仕事につきましては、これはやはり業界でその基礎的なものをやっていただく。その意味においてもう少し政府なりが考えることがあるのじゃないか、というような点も政府自身考えないではございません。その点も付け加えさせていただきまして、せっかく業界も積極的に海外に進出しょというこの齋でございますので、どうかまずこの制度を通していただいて、その成積により、まずみずからの力によって協力体制の下においてりっぱに進出していくように、この上ともよろしくお願いいたしたいと思います。
#29
○委員長(早川愼一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#30
○委員長(早川愼一君) 速記を始めて。
 それでは引き続いて本法案に対する審議を継続していただきます。徳安政務次官、鬼丸官房長が出席されております。御質疑ございませんか。
#31
○田中一君 これは政務次官から答弁もらっても大臣も同じだということになりますけれども、これは一つ大臣から実は答弁してほしいのですが、それは先般参考人を呼んで、参考人がそれぞれの立場から意見を述べております。この意見に対する一つの態度というものを最初に明らかにしてほしい、あるいはこれに対する答弁ですね。
#32
○政府委員(徳安實藏君) ただいまの御要求ごもっともだと存じますが、ただいま大臣、ほかの委員会に出席いたしておりますから、できるだけ早く切り上げて参るようにいたしますので、その機会に大臣に対する質問はしていただくことにいたしまして、なるべく事務的なことを一つ先に官房長がおりますから御質疑いただきたいと思います。
#33
○田中一君 それでは北海道、東、西の前払い保証会社の実態について説明していただきたいと思うのです。現況報告ですね。
#34
○政府委員(鬼丸勝之君) それでは前払い保証事業会社の現況のあらましを御説明申し上げます。
 現在、御承知のように、この法律に基きまして建設大臣の登録を受けて、前払い保証事業を営んでおります保証事業会社は三社ございまして、北海道に北海道建設業信用保証株式会社、資本金は五千万円でございます。東京に東日本建設業保証株式会社、資本金は二億円、それから大阪に西日本建設業保証株式会社、資本金一億六千万円でございます。本年の三月末をもちまして第七事業年度を終る次第でございますが、最近の保証の実績を見ますと、大体年間平均千三百八十億を三社全体で保証いたしておりまして、この法律の趣旨でありますところの、建設業者の公共工事の前払い保証として、非常な貢献をいたしているわけであります。そのほかに兼業業務としての建設業者の運転資金の確保、並びに建設機械の貸与、資金の融資についての保証、これらの業務も相当に伸びております。
 また、最近の保証事業会社の常業の状況につきまして簡単に申し上げますと、昭和三十三年度におきましては非常に順調な伸びを見せておりまして、今年一月末現在の保証高は三社で合計四百十一億四千九百余万円と相なっておりまして、これを保証の件数で見ますると約一万七千件、これに伴う保証料収入は四億九十余万円というふうになっております。なおこの年間の、この保証事故の弁済金の支払いの平均を見ますると、年間の保証料収入の額の八・八%というのが保証事故に対する弁済金の支払いの割合になっております。この弁済金の支払いのために保証基金というものもございますし、あるいは責任準備金、異常危険準備金等の積立金がございますが、これを取りくずすような事態はまだ一度もございませんので、要するに非常に健今な経常の業績をあげておると、こういう状況でございます。以上簡単でございますが概況を御説明申し上げた次第であります。
#35
○田中一君 なるほど今は健全でしょうけれども、今度新しく海外進出の保証をするようになると、大蔵大臣が言っておるように今は健全だと、しかし新しい事業を開始して健全にいくという保証はむろんこれはないと思うのです。事故があるという前提に立たなければならぬと思うのですが、大蔵大臣がそれをおっしゃっています。また参考人は全部条件づきで、これでいいというならばこれも何をか言わんや、私の会社でないのですから別に言いませんけれども、ただ時期の問題です。これをこのままで放置することはいかぬです。というのは、立法の趣旨と違うのですから。まあ株式会社でありますから、国内において機械や融資の保証とかあるいは国内相互の融資のために業務のワクを広けることはかまいませんけれども、特定なる、何百分の一かの業者のためにこの保証会社が危険負担をするということは、これはもう現在の場合にはやむを得ぬとしても、これはとるべきものでもないと私は考えるわけなんです。その点についてこれは建設大臣の意見を聞きたいのです。大蔵大人はお聞きの通りのような自分の見解を申しておりました。どういう態度でこれに臨むかということです。まあまあ現在の場合にはこれは了承しますけれども、せんだっての参考人の意見は、はっきり賛成と言っているのは一人しかおらないのですよ。西松さんだけが、これはまあ海外建設協力会の副会長というので賛成の意思表示をしていますけれども、他の人たちは結論においては、この段階においては賛成するけれどもと、すべて条件つきなんですよ、たとえば四日本の保証会社は、十億程度のものは保証いたしましょう、それ以上はごめんでございますというので、すべて条件つきなんです。だからその条件つきというこの意見に対する建設大臣の見解を聞きながら、態度をきめなければならぬと思うんです。賛成ということを当委員会の専門員は賛成々々とみんな書いてきていますけれども、結論は賛成だけれどもそのまま賛成じゃないんです、全部条件つき賛成なんです。だからこれは―つ委員長、建設大臣も出席さして下さい。今のこれをいつごろまで存続させるつもりかと言ったところが答弁できないでしょうから。
#36
○政府委員(徳安實藏君) まあ政府の根本方針につきましてはやはり大臣が説明した方がいいと思いますから、大が来てから御質問願いたいと思いますが、私どものただいまの考え方といたしましては、一応これで実績を見ました上で次の段階を考えたいというように考えておる次第でございます。
#37
○委員長(早川愼一君) それでは建設大臣が出席されましたから、先ほどの保留されておる質問をお願いいたしたいと思います。
#38
○田中一君 私は、大蔵大臣が出席しておるときにあなたが出席されて、で大蔵大臣のこの法律案に対する見解というものをお開きとりになって答弁を得たかったんです。むろん官房長から全部そのつどつど耳打ちをしてもらって答弁をしていただきたいんです。というのは、まず最初に、十七日の当委員会でこの法律案に対する民間の関係者の意見を聴取しました、それが一応結論となって、――結論というか、それがそのまま記述されて、当委員会の資料として、出ております。そうして賛否には全部賛成となっておりますが、これは賛成じゃないんです、西松さんだけが賛成なんで、あとはみんな条件つき賛成なんです、みんな制約がある、条件があるんです。それをごらんになって、これらの方々に対する、一つ一つの意見に対する建設大臣の見解を漏らしていただきたいと思います。
#39
○国務大臣(遠藤三郎君) その際の意見の一つの大きな問題としましては、これは恒久的なものではない、理想的なものではないが、将来国がめんどうを見るということを前提にして、この計画は一歩の前進であるから、ないよりもいいだろうという意味の陳述があったことを承知しております。私もそう思います。これでもう永久の理想的な案とは心得ておりませんが、御承知のように、海外建設の進出の問題は急を要する問題になってきておるのでありまして、とりあえずこういう機構を作りまして、その急を要する事態に対処したいという考え方を持っておるのであります。でき得ればなるべく早い機会に政府が全面的にこれを、バツクアップするような機構にしたい、こういう考え方を持っておる次第でございます。
#40
○田中一君 大蔵大臣は、国が特別に建設工事業者に対して援助をしようという意思はない、一般の商社並みに自分の力によって海外進出をする、そしてなお技術の海外進出というものは岸政権の唯一の政策である、まあ唯一とは言わなかったけれども政策である、だから自分はこれを援助したいのだということも言っているのです。ではこういう便法で今度は立法の精神とは違っている形の法律の中に、海外進出というだれもが危険負担に対する危惧を持っておる事業を追加するということに対しては、これは一応これをやらしてみて、その結果を見て大蔵大臣としても考えよう、こういうふうに言っておるのです。まあ建設省としては昨年の暮あたりまで予算折衝と一緒に保証会社別に会社を作って、それに輸銀からの融資の保証をさせようという考えを持っておった。これは大蔵省の承認というか同意を得られなくて取りやめになったのですけれども、私たちの考えではどういう形のものであろうと、輸銀はどの事業に対しても公平な融資をすべきであるという考え方なんです。むろんこれは一般の金融会社とちっとも変りがないのですから、元利の回収というものはもう保証が全然ないわけですよ。たとえば保証会社を作りたところで、それだけの力がなければ、だれかが危険負担をしなければならなくなっておるのです。今度の前払い保証会社に対して保証をさせようということになりますと、これはこの保証会社が責任を負うわけなんです。まあ会社がつぶれてしまえば別ですけれども、相当実績も伸びておりますが、三十億程度の限界ならばまあ危険を感ずることもなかろうという気持もしますけれども、実際いうとこういう形でなくて、別の形で輸銀が融資をするというような道が一番望ましいことなんせすよ。だいぶ佐藤大蔵大臣ははっきりものを言っていましたから、一面これは筋が通っておりました。特別な手当はしないということ、これもいいと思うのです。しかし今まで聞いている範囲では、建設大臣の意見と大蔵大臣の意見とはまだ距離があると思うのですね。でありますから建設大臣としては、私は大蔵大臣と一緒に並んでもらって話を聞いてもらって、距離を縮めるような答弁が望ましいと思っておったのですが、今のお話ではまだ時間や距離の問題についてはどうも相当なへだたりがあると思うので、もう少しそこのところをあなたの意欲といいますか、こうしたいのだというものを表明してもらいたいのです。
#41
○国務大臣(遠藤三郎君) 実はこの問題を取り上げましたのは、日本の建設業というものがどんどんこれから海外に進出しなくちゃならぬ、海外でも要望しておりますし、進出する力を持っておりますし、技術も持っておりますので、そのチャンスを与えなければならぬということでいろいろ苦慮して検討したのでございますが、当初裸でいきなり輸出入銀行から融資をし、融資がなければ海外進出はほとんどできないのでありますから、とにかく融資をし、しかもそれを政府が保証するというような構想も一つ考えてみた。私はざつくばらんに申し上げますが、考えてみたのでありますが、その構想は実はまだ熟さないものがございます。といいますのは、海外進出をやる場合にしょせん大きな会社が出て参りますので、表面から見ると、大きな会社を政府が保証して進出させるというような批判も出てくるのであります。大きな会社ばかり援助するのじゃないかという批判も出て参ります。しかし大きかろうが小さかろうがとにかく日本の国益のために、国家的な事業の進出のために政府が負担することはいいのではないか、そうしなければ進出ができないのじゃないかということでいろいろ議論したのであります。しかしその議論もそれぞれ問題がありますので、いろいろ考えた末、とにかく今の事態に処するには、こういう保証会社を活用していく方法をとることが一番適切である、という結論になったような次第でありまして、この保証会社にもいろいろ問題がございます。問題がございますが、しかしやり方によっては弊害をなくして進出ができるであろう、大体三十億程度のワクを設けまして、その保証についても心配のないようにいろいろ政府の方で監督をしてやっていけば、それぞれ関係の者が納得できるであろう。しかも私どもが考えている大目的である海外進出もできていくのではないか、こういうことでこの案を作り上げたような次第でございまして、今後この保証会社の運営については皆さんの御意見を十分に尊重いたしまして、そうして間違いのない運営を一つやって参りたいと思いますので、これを何とかお認めいただきたいと思う次第でございます。
#42
○田中一君 ではこの法律が実施された暁に制定しなければならぬ約款の改正、事業改善命令等むろん原案があると思いますから、その原案をここにお示し願いたい。
#43
○政府委員(鬼丸勝之君) この法律が施行されました暁におきましては、田中委員から御指摘のように海外建設事業金融保証約款、それから事業方法書というものをそれぞれきめまして、これはいずれも保証事業会社が建段大臣の承認を受けてきめるということになりまするが、それにつきましては目下具体的に検討を進めておる段階でございまして、特にこれらの内容におきまして定めたい事項は、各会社の意向を十分尊重いたしましてきめてもらいたい。大臣の承認に際しましても、そういう気持で会社の役員なりあるいは株主の意向が十分反映されるようなものとしてきめられることを期待しております。従いまして建設省として頭からこういうことをきめなさいという指示をするつもりはございません。
 ただ御参考までにこの特に事業方法書の内容が問題になるのでございまするが、この事業方法書に記載すべき事柄につきましては、法律には簡単にしか規定されておりませんが、施行規則第三条にも規定されておりまして、この事項を申し上げますと、まず第一は保証の限度でございます。つまり保証事業会社がこの事業において、最高の債務の残高が、会社の自己資本と保証基金の合計額に対し、過大にならないように制限するというのが限度でございますけれども、ただいま大臣からお答えがございましたように、約三百億の保証の能力がございますけれども、これに対しまして海外金融保証の分としては、大体三十億程度のワクという意味の限度を設定してやったらどうか。これはもちろん三保証会社の意向を十分聞いた上でのことになりますけれども、各会社とも三社あわせて三十億程度ならという意向のようでご資額について全部を保証はしない。つまりそれの何割かを保証する。たとえば八割なら八割、さらにその保証の金額の限度、最高限も制限する、こういうような問題がございます。
 それから第三には、保証の審査の基準でございますが、これは請負の契約なり、それに基く金額が適当なものであるかどうか、あるいは契約を適正に間違いなく履行するだけの資産なり技術その他の能力があるかどうか、それから外国でのリスクを償い得る見込みであるかどうか、この場合には求償権を確実に行使するという問題も出てきますが、それから他の輸出保険等に切りかえる措置、たとえば外国におきましてある程度工事ができました場合、その出来高を輸出代金保険に切りかえるというような措置を考えておるかどうか、場合によりましては、契約によりまして機械をわが国から搬出する場合に、これも契約によっては出来高に算入いたしまして、外銀保険の対象にするというような見通しもありますので、そういう問題を検討するということが保証の審査基準に相なるかと考えるのであります。これらにつきましては名会社ともよりよい具体的な検討を進めておりまするが、本法案成立の暁におきましては、私ども会社の当局者と十分相談いたしまして、会社が満足すべき事業方法書のできますように期待しておる次第でございます。
#44
○委員長(早川愼一君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#45
○委員長(早川愼一君) 速記を始めて。他に御発言ございませんか。他に御発言もないようですから質疑は尽きたものと認めて御異議ございまんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べ願います。なお付帯決議のおありの方は討論中にお述べを願います。
#47
○田中一君 私は日本社会党を代表してこの法案に対して付帯決議を付して賛成の意思を表明いたします。
 今日の情勢は当然日本の建設技術が海外に進出し得る機会であろうかと考えます。しかしながら岸政府が唯一の政策として、国民の前に技術の海外進出をうたっておりながら、何ら見るべき手を打っておりません。ことに当然岸政権の重要な政策としてうたうならば、国自身がこの事業を相当の力をかして行うべきが妥当であろうかと考えておりますけれども、先般の各参考人の意見を聞きましても、民間の形でする方が適当であるというふうな意見も聴取いたしましたけれども、今後とも今回のような微温的な、目的の違う事業を営んでおるところの前払保証事業にその負担をさせて、海外進出をはかっていくというようなことでなく、抜本的な施策をもっていたすべきであろうと考えております。
 そこで付帯決議として、わが国の海外建設協力の促進のため本法案は暫定的推置として一応これを諒とするが、この方法を以てしてはこの問題を基本的に解決することは困難である。よって政府は自らの責任において金融その他の援助について積極策を講ずべきである。
 以上の付帯決議をつけて賛成を表明いたします。
#48
○稲浦鹿藏君 私は自由民主党を代表いたしまして本法律案に賛成するとともに、田中君提案の付帯決議について賛成いたします。
#49
○委員長(早川愼一君) ほかに御意見もございませんようですから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決いたします。公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案を問題といたします。本法案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#51
○委員長(早川愼一君) 全三会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に討論中に述べられました田中君提出の付帯決議案を議題といたします。
 田中君提出の付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#52
○委員長(早川愼一君) 全会一致でございます。よって田中君提出の付帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。
  ―――――――――――――
#54
○委員長(早川愼一君) この際お諮りいたします。揮発油税法の一部を改正する法律案について、大蔵委員会に連合審査を申し入れることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認め、委員長は大蔵委員会に申し入れることにいたします。
  ―――――――――――――
#56
○委員長(早川愼一君) 次に、首都高速道路公団法案を議題といたします。
 本案についてはすでに提案理由の説明を聴取しておりますので、本日は逐条説明を聴取することにいたします。
#57
○政府委員(美馬郁夫君) お手元に資料をお配りしてございますから、その資料によりまして簡単に御説明いたします。例文は省略いたしまして問題になっておる点だけを御説明いたします。
 まず第一章総則でございますが、本章は、法の目的、首都高速道路公団の法人格、事務所、資本金等に関する事項を規定いたしております。
 第一条は本公団を設立する目的を規定いたしております。
 最近の首都における自動車交通量の激増は目ざましく、これに伴って生じている交通の混雑に起因する人的、物的な損失ははかり知れないものがあり、ためにわが国の政治、文化、経済の中心としての首都の機能を著しく低下させている現状であります。この現状を打開するためには、首都における街路及び駐車場の整備を促進することはもちろんでありますが、さらに一般街路とは構造的に分離された自動車専用道路を建設し、円滑な自動車交通を確保することが最も適切な措置であることは、出外国の実例に徴しても明らかなところであります。このため全国的に有料道路事業を行なっている日本道路公団のほかに、首都における自動車専用道路の建設及び管理に専念する事業体を設け、これに政府の資金のほか、関係地方公共団体からの資金を導入し、首都高速道路の飛躍的な整備をはかることとし、これがため新たに首都高速道路公団を設立することとしたのであります。
 本公団の業務を行う範囲は、東京都の区の存する区域及びその周辺の地域と規定しておりますが、これは現在首都圏整備法の規定により指定されている川崎市、横浜市等を含む既成市街市の区域とおおむね一致するものと考えております。本条は、この地域において有料の自動車専用道路の建設及び管理等を総合的かつ効率的に行うことにより、自動車専用道路の整備を促進して交通の円滑化をはかり、もって首都の機能の維持及び増進に資するために本公団を設立する旨を明らかにした規定であります。
 二条、三条は法人格及び事務所でございます。
 第四条は公団の資本金に関する規定であります。
 第一項は公団の資本金の額を定めております。公団の資本金は、十億円と政今で定める地方公共団が公団の設立に際し出資する額の合計額であります。政令で定める地方公共団体が出資する額と申しますのは、後ほど付則第三条において御説明申し上げますが、政令で定める地方公共団体が出資の申し込みをした額であります。政令で定める地方公共団体には、首都高速道路の路線に存する地方公共団体を予定しており、第一条において御説明いたしましたとおり、大体首都圏の既成市街地とおおむね一致する地域内にある地方公共団体となるわけでありますが、この法律施行の際はとりあえず東京都を指定する予定であります。
 第二項の規定により政府は、公団の設立に際し、十億円の出資を義務づけられるものであって、別に審議されております昭和三十四年度予算案の道路整備特別会計において十億円の出資が計上されております。
 第三項は、公団の資本金の増加に関する規定でありまして、建設大臣の認可を受けて公団は増資できることにいたしております。
 第四項は、公団の増資に当って政府及び政令で定める地方公共団体は出資できる旨の規定であります。
 第五条は省きます。
 第六条は、公団でない者に、首都高速道路公団という名称を用いることを禁止した旨の規定であります。
 第七条は、法人の不法行為能力及び法人の住所に関する民法の必要規定を公団に準用する旨の規定であります。
 第二章 管理委員会。本省は、管理委員会の設置、その権限、委員等に関する事項を定めたものであります。
 この公団は、第四条で御説明いたしましたように政府と地方公共団体が共同して出資するものでありますが、その通常に関しましては、公団の業務の執行の基本的重要事項を公正に決定するため、部外者で一般の公益を代表する者と、一方出資者の意思を反映させるための委員、及び公団の業務執行責任者である理事長とで管理委員会を組織して、公団の予算、事業計画、資金計画及び決算はこの委員会の議決を経ることとしたものでありまして、これはすでにある帝都高速度交通営団、住宅公団等の例にならったものであります。
 第八条は略します。
 第九条は委員会の権限を定めております。すなわち、予算、事業計画及び資金計砥並びに決算、これら公団の重要事項は、委員会の議決を経なければならないことにいたしております。
 第十条は委員会の組織についてであります。
 委員会は、委員五人及び理事長をもって組織し、委員会の会務を総理するため、委員の互選により選任する委員長一人置くことにいたしました。なお、委員長に事故がある場合に備えて、委員会は、あらかじめ、委員のうちから委員長代理を定めておかなければならないことにいたしております。
 第十一条は、委員の任命に関しての規定であります。
 委員は、建設大臣が任命することにいたしておりますが、さきにも申し上げましたように、管理委員会は出資地方公共団体の意思を反映させる役割を持たせることにしたいと考えておりますので、委員のうち二人は、公団に出資した地方公共団体の長の推薦した者のうちから任命することにいたしたのであります。
 第十二条は、委員の任期についての規定であります。
 第十三条は、委員の欠格条項に関する規定であります。
 委員の欠格条項は、第一に政治的中立性の保持、第二に取引上利害関係の公正の保持、第三に執行機関の排除の見地から規定してありまして、一、国会議員もしくは地方公共団体の議会の議員または政党の役員、二、物品の製造もしくは販売もしくは工事の請負を業とする者であって、公団と取引上密接な利害関係を有するもの、またはこれらの法人もしくはこれらの事業者の団体の役員、三、公団の役員及び職員を欠格条項といたしております。
 十四条、十五条は例文でございます。
 第十六条は、委員会における議決の方法を規定したものでありまして、過半数をもってきめるということにしております。
 それから第三章を御説明いたします。
 第三章 役員及び職員、本章は、公団の役員及び職員に関する事項を定めております。
 第十八条は公団に置く役員の数について定めております。公団の役員として、理事長一人、副理事長一人、理事六人以内及び監事二人以内を置くことにいたしております。
 第二十条は役員の任命に関する規定でありまして、理事長、副理事長及び監事は、建設大臣が任命することにいたし、理事は、建設大臣の承認を受けて理事長が任命することにいたしております。
 第三十一条は役員の任期について定めた条文でありまして、役員の任期は四年といたしております。大体他の政府関係の役員の任期も四年程度となっております。なお、後ほど説明いたします付則第六条の規定によりまして、最初に任命される理事及び監事のうち、半数の者は任期を二年といたすことにしております。
 第二十二条は役員の欠格条項の規定でございます。
 二十三条、二十四条、三十五条、二十六条、二十七条、二十八条は御説明することがございません。
 次に移ります。
 第四章 業務。本章は、公団の業務の範囲、公団の行うべき業務を基本計画を定めて指示すること及び業務方法書に関する事項を定めております。
 第二十九条は公団の行う業務の範囲を定めた規定であります。
 公団は、第一条に規定してありますように、その設立の趣旨が東京都の区の存する区域及びその周辺の地域における自動車専用道路の建設管理を行うために設立されるものでありますから、前述の地域において次に述べますような業務を行うことにいたしております。
 第一に、公団の基本的業務であります、都市計画として決定された有料の自動車専用近路の建設及び管理であります。この自動車専用近路は、別途御審議願っております道路法の一部を改正する法律案によりまして、新たに設けられる道路法第四十八条の二第一項の規定により指定されるもので、後ほど説明いたしますこの法律案付則第十四条の規定により近路整備特別措置法の一部を改正いたしまして、それに基いて行うことになっております。
 第二に、前に述べました自動車専用近路の災害復旧工事を行うことになっております。
 第三に、国または地方公共団体の委託によりまして、ただいま述べました自動車専用道路の工事と、工事施行上密接な関連のある都市計画として決定された道路、いわゆる関連街路の建設を行うことになっております。
 第四に、都市計画として決定された有料の路外駐車場の建設と管理を行うことになっております。
 第五に、有料の自動車専用道路と有料駐車場の建設管理に付帯する業務を行うことになっております。この付帯業務としては、たとえばバス・ストップやガソリン・スタンド等が考えられます。
 第六に受託業務があります。今まで説明いたしまして業務の遂行の妨げにならない範囲で、国または地方公共団体の委託によって近路に関する調査、測量、設計、試験及び研究を行うことができることになっております。
 その他公団は建設大臣の認可を受けて、高架の自動車専用道路の建設と一体として建設することが適当な事務所等の延段及び管理、または委託によりこれらの施設を建設することができることになっております。
 この公団の建設する自動車専用道路の路線の大部分は、都市計画街路または河川の上を高架で通過する計画でありますから、その高架下を事務所等に利用することは考えられませんが、一部については人家の密集している場所を通過する部分がありますので、この部分には高速道路の用地として買収される本地の関係者を収容するために高架下に事務所等を建設する必要がありますので、この規定を設けたのであります。
 これらの業務は、政令で定める基準に従って行われなければならない旨を定めておりますが、公団の本来の業務に支障のないよう、又本来の業務を円滑に行い得るよう適正な基準を定めたいと考えております。
 第三十条は公団の基本的な業務である自動車専用道路の建設管理に関する基本計画について定めてあります。
 この公団が行う首都高速道路の建設は、わが国の政治、経済、文化の中心である首都圏の整備の根幹をなすものであり、国の重大関心事でありますので、その建設につきましては、建設大臣が、首都圏整備計画に基き、その基本計画を定め、これを公団に指示することといたしてあります。この首都高速道路は、運輸行政との関係もあり、またこれは道路官理の特例をなすものでありますので、基本計画の作成に当っては、事前に運輸大臣と道路管理者と十分意見の調整をはかるための規定を設けております。この場合道路管理者は、その議会の議決を経ることといたしております。
 第三十一条は公団の業務方法書に関する規定であります。
 第五章、財務及び会計、これはまあほとんど例文でございます。
 第三十三条は公団の予算等の認可に関する規定であります。公団は、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成して建設大臣の認可を受けなければならないことにいたしております。建設大臣の認可を受けるのは、通常、事業年度の開始前でありますが、昭和三十四年度については、後ほど出て参ります付則の第八条により経過措置を設けまして、公団設立後、遅帯なく作成して建設大臣の認可を受けることにいたしたのであります。これらの変更についても、重要事項でありますので建設大臣の認可を必要とすることにいたしております。
 第三十四条は公団の決算の規定でございます。
 第三十五条は財務諸表に関する規定でございます。
 第三十六条は利益及び損失の処理の仕方について定めた規定であります。
 第三十七条は公団の借入金及び公団の発行する首都高速道路債券に関する規定であります。公団は、建設大臣の認可を受けて、長期または短期の借入金をし、あるいは首都高速道路債券を発行することができることにいたしております。
 第三十八条は公団に対しての政府による資金だの貸付及び首都高速道路債券の引き受けに関する規定であります。
 第三十九条は、公団の借入金及び首都高速道路債券の償還計画に関する規定であります。この償還計画は、公団の経営上重要でありますので建設大臣の認可を受けなければならないことにいたしております。
 第四十条は、他の道路の新設または改築に要する費用の負担に関する規定であります。自動車専用道路の新設または改築に伴って必要を生じた他の道路の新設または改築に要する費用については、公団がその費用一部を負担しなければならないことにいたしておりまして、いわゆる原因者負担の思想に基く規定であります。その負担割合等につきましては政令で定めることにいたしております。
 第四十一条は公団に対する補助金について定めております。政府は、公団が管理する自動車専用道路にかかる災害復旧工事に要する経費の一部を補助することができることにいたしております。
 次に、公団に出資することができる地方公共団体は、災害復旧工事のみならず新設または改築工事に要する経費の一部についても補助することができることにいたしております。
 第四十三条は、公団の業務上の余裕金の運用に関する規定であります。
 第四十三条は、公団の役職員の給与及び退職手当の支給の基準に関する規定であります。
 第六章 監督。本章は、公団に対する建設大臣の監督について規定しております。
 第四十五条は、公団に対する建設大臣の監督及び監督上の命令権限について、定めております。
 第四十六条は、公団に対する建設大臣の報告請求及び検査の権限について規定しております。
  第七章 補則。本章は、公団の解散、公団の役職員の恩給に関する事項、大蔵大臣との協議事項及び公団に関する不動産登記法等の適用について規定しております。
 第四十七条は、公団の解放についての規定であります。この公団が建設大臣の指示した基本計画に基く自動車専用近路の建設を完了した後、通行料金によって建設費を償還したときは、解散するのが適当であると考えられますが、公団の解散について必要なことは、その際、別に法律で定めることといたしております。
 第四十八条及び第四十九条は、公団の役職員の恩給に関する事項について定めております。恩給の通算については、日本道路公団法、日本住宅公団法などと同様の規定を設けることにいたしました。簡単に申し上げますと、公団の設立の際恩給法第十九条に規定する公務員または公務員とみなされる者が、引き続いて公団の役員または職員となり、さらに引き続いて公務員または公務員とみなされる者となったときは、その者が公団に在職しておりました年月数を普通恩給の基礎となる在職年数に含めて通算することといたしたのであります。
 第五十条は建設大臣と大蔵大臣との協議事項について定めております。すなわち建設大臣は、次の場合には、あらかじめ、大蔵大臣と協議しなければならないことにいたしております。
 (1)から、公団が資本金を増加することの認可とか(5)までおりまして、これもおおむね従来できました公団の例にならっております。
 第八章 罰則。本章は、第五十二条から第五十四条までに、違反行為をした公団の役員及び職員その他の者に対して必要な罰則を定めたものであります。
 次に付則について御説明いたします。
 付則第一条においてはこの法律は公布の日から施行いたすことにしております。
 付則第三条から第五条までは公団の設立手続に関する規定であります。すなわち建設大臣は、この法律施行の後設立委員を任命し、公団の設立に関する事務を処理させることにいたしております。設立委員は法第四条第一項の政令で定める地方公共団体に対して出資を募集し、建設大臣に設立の認可を申請し、その認可があったときは、政・府及び出資の募集に応じた地方公共団体に対して出資金の払い込みを求め、その払い込みのあった日に、別に建設大臣により指名された理事長となるべき者に設立事務を引き継ぐものとしております。理事長となるべき者は、引き継ぎを受けた後遅滞なく設立の登記をし、公団は設立の登記の日をもって成立することになります。
 次に付則第六条から第八条までは、公団の設立の際最初に任命される役員のうち、その半数については任期を二年とするものとし、その他最初の事業年度についての特例を定めております。
 次に付則第九条から第十二条までは、新公団が日本道路公団から業務の引き継ぎを受けることについて規定しております。すなわち建設大臣が基本計画を公団に指示した際、当該基本計画に含まれている道路に関する事業で、現に日本道路公団が、通路整備特別措置法の許可を受けて行なっているものについては、新公団がこれを承継して事業を継続するものとし、日本道路公団が当該事業を行うために要した費用は、新公団が日本道路公団に支払うことにいたしております。当該事業に要した費用の額及びその支払い方法については、両公団が協議して定め、建設大臣の認可を受けなければならないものとしておりますが、この協議が整わない場合は、建設大臣が裁定することになっております。また、この引き継ぎにかかる事務に従事していた日本道路公団の職員については、新公団に勤務している間も恩給法上これを引き続いて日本道路公団に勤続しているものとみなして、恩給の通算措置を講じております。
 次に付則第十四条でございますが、これは道路整備特別措置法の一部改正に関する規定であります。便宜公団法でやっております。これは首都高速道路公団の設立に伴い、同公団が有料の自動車専用道路を建設・管理することができるよう、現行の道路整備特別措置法ついて所要の改正を行おうとするものでありまして、ほぼ日本道路公団が有料の道路を建設・管理する場合と同様の趣旨の規定でありますが、以下改正の内容について要点だけ御説明いたします。
 すなわち、第七条の二は首都高速道路公団の行う有料の首都高速道路の新設または改築に関する規定であります。すなわち、この法律案の本則第三十条におきまして、建設大臣は、首都高速道路公団の行う有料の自動車専用道路の建設・管理について、基本計画を定め、同公的に指示することといたしておりますが、本条におきましては、首都高速道路公団は、建設大臣から指示を受けた基本計画に従って、道路法第四十八条の二第一項の規定による自動車専用道路を新設し、または改築して、料金を徴収することができる旨を規定いたしたわけであります。
 第七条の三は工事実施計画書の認可に関する規定であります。
 本条は、首都高速道路公団が、前条の規定に基いて自動車専用道路、すなわち首都高速近路の新段または改築を行おうとする場合に、あらかじめ、工事区間、工事方法等を記載した工事実施計画書を建設大臣に提出し、その認可を受けることといたしたものであります。
 なお、この工事実施計画件の作成に際しては、道路管理者と協議し、またはその同意を得なければならないことといたしております。
 第七条の四は料金及び料金の徴収期間の認可に関する規定であります。
 本条は、首都高速道路公団が料金を徴収しようとする場合には、日本道路公団が高速自動車国道の料金を徴収する場合と同様に、料金及びその徴収期間について、運輸・建設両大臣の認可を要することといたしたものであります。
 なお、この認可を受けようとする際には、前条第二項の規定の準要により、道路管理者と協議し、またはその同意を得なければならないことといたしております。
 第七条の五は、第七条の二の規定に基いて新設または改築をした首都高速道路については、日本道路公団の場合と同様に、料金の徴収期間内は、その維持、修繕等を首都高速道路公団が行う旨を定めたものであります。
 第七条の六は道路管理者の権限の代行に関する規定であります。
 現行法第七条は、日本道路公団が有料の一級国道等の新設、改築等を行う場合に、それに伴って必要となる道路管理者の一定の権限を同公団が代行する旨を定めたものでありますが、首都高速道路公団についても同様の措置を講ずる必要がありますので、本条におきまして、第七条を準用することといたしました。
 第十一条は、料金の額の基準に関する規定でありますが、これを改正して、首都高速道路の料金については、高速自動車国道の場合と同趣旨の規定によることといたしました。
 すなわち、首都高速道路の料金は、首都高速道路公団の管理する首都高速道路の全体を通ずる単一料金を予想し、首都高速道路の新設、改築等の管理に要する費用を償うものであり、かつ、公正妥当なものでなければならないものとし、その徴収期間の基準は、政令で定めることといたしております。以下第十二条から第二十七条までの規定は、新公団が日本道路公団と同じように有料の道路を建設・管理することができるようにするために必要な技術的改正であります。
 第二十八条の改正は、首都高速道路公団が取得する道路敷地等の帰属その他について、日本道路公団の場合と同様に定めたものであります。
 すなわち、首都高速道路公団が道路の新設または改築のため取得した道路敷地等は、同公団に帰属する旨を明らかにしたものであります。
 第二十九条以下の規定は、新公団が日本道路公団と同じように有料の道路に建設・管理することができるようにするために必要な技術的改正であります。以上をもちまして、付則第十四条の道路整備特別措置法の一部改正に関する規定の説明を終ります。
 次に、第十五条から第十九条までは公団の非課税の規定であります。地方税の非課税は事業税に限っております。
 第二十条は行政管理庁設置法の一部改正でありまして、これにより行政管理庁が公団の業務に関し必要な調査を行うことができることになります。
 第二十一条は公団の設立に伴って必要とされる建設省設置法の一部改正でありまして、公団の業務の監督その他本法の施行に関する事務を建設省の所掌事務及び権限に加えることとし、その事務は計画局において所掌することといたしております。なお公団の使命の重要性にかんがみ、これらの事務を行う首都高速道路公団管理を置くことといたしております。
 第二十二条は運輸省設置法の一部改正でありまして、さきに説明いたしました道路整備特別措置法の一部改正に伴い、首都高速道路に関し料金及び料金の徴収期間を認可することを運輸省の所掌事務に加えることとし、その事務は自動車局において所掌することといたしております。
 以上をもちまして首都高速近路公団法の逐条説明を終ります。
#58
○委員長(早川愼一君) 本案に対する質疑は次回に譲ることにいたします。
#59
○秋山長造君 ちょっと資料をお願いをしておきたいのですが、従来この委員会で問題になっているのですが、西銀座の高迷道路ですね、あの高速道路についての詳細な資料を提出していただきたい。あれは当初都知事に対しては公有水面の一部使用ということで申請が出て、それがその後埋め立てに変り、そうして今日のような形に発展してきているわけです。相当いろいろ紆余曲折がある。この当初の公有水面の一部使用ということで申請が出て以来の、たとえばいろいろな申請書類の写し、それからそれに対する許認可書類の写し、そういうものはぜひ提出していただきたいと思うのですが、さらにその他この経過をたどる上に必要な書類、資料、それを建設省でも、この前次官のお話では鋭意調査資料を整備されておるというお話だったのですから、あなたの方に相当詳しい資料が出ておると思います。そういうものを全部提出していただきたい。お願いしておきます。
#60
○政府委員(徳安實藏君) 今部できておりますから、御提出いたします。
#61
○委員長(早川愼一君) 本日はこの程度で散会いたしておきます。
   午後零時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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