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1958/12/18 第31回国会 参議院 参議院会議録情報 第031回国会 決算委員会 第2号
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1958/12/18 第31回国会 参議院

参議院会議録情報 第031回国会 決算委員会 第2号

#1
第031回国会 決算委員会 第2号
昭和三十三年十二月十八日(木曜日)
   午前十一時四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小西 英雄君
   理事
           西岡 ハル君
           平島 敏夫君
           増原 恵吉君
           島   清君
           小柳  勇君
   委員
           稲浦 鹿藏君
           勝俣  稔君
           高野 一夫君
           相澤 重明君
           大河原一次君
           棚橋 小虎君
           奥 むめお君
           竹中 恒夫君
           岩間 正男君
  政府委員
   農林政務次官  高橋  衛君
   農林省農林経済
   局長      須賀 賢二君
   水産庁長官   奧原日出男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修蔵君
  説明員
   運輸省航空局技
   術部長     関口規矩二君
   会計検査院事務
   総局第五局長  上村 照昌君
  参考人
   本州製紙株式会
   社専務取締役  堀  義雄君
   千葉県浦安町漁
  業協同組合理事  船山卯三郎君
   東京都経済局農
   林部長     関  晴香君
   千葉県水産商工
   部漁政課長   鈴木  等君
   東京都建築局指
   導部長     大河原春雄君
   東京都経済局農
   林部水産課長  多田  稔君
   日本航空株式会
  社取締役副社長  松尾 静麿君
   全日本空輸株式
  会社専務取締役  中野 勝義君
   全日本空輸株式
  会社常務取締役  鳥居 清次君
   日本航空株式会
   社常務取締役経
   理部長     湯地謹爾郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国家財政の経理及び国有財産の管理
 に関する件
 (農林中央金庫等の融資状況に関す
 る件)
 (江戸川における汚水放流による漁
 業の被害に関する件)
 (日本航空株式会社の管理運営状況
 並びに航空交通事業に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小西英雄君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を議題といたします。
 本日の予定を申し上げますと、午前中には、農林中央金庫等の融資状況に関する件、午後には、江戸川における汚水放流による漁業の被害に関する件、及び、三時ごろから、日本航空株式会社の管理運営状況並びに航空交通事業に関する件を議題とする予定であります。
 では、まず農林中央金庫等の融資状況に関する件を審議いたします。
 本件に関しての御出席の方は次の諸君であります。参考人として、元日本農工株式会社社長蓮沼六三君、農林政務次官高橋君、農林経済局長須賀君、会計検査院第五局長上村君の諸君であります。
 本件につきまして、第二十八国会において数次にわたる審議を重ね、また、去る九月十一日の委員会において、本件については農林大臣より、本委員会の決議の趣旨に沿い、八月五日に最終的処理を完了したりとの報告がなされたのであります。しかしながら、これについてなおつまびらかにしたい事実もございますので、本委員会に御出席を願った次第であります。
 参考人の方々は、まことにお忙しいところを御出席下さり、委員長より、委員会を代表して皆様に厚くお礼を申し上げます。
 では、これより質疑を行います。御質疑のある方は順次御発言をお願いします。
#3
○島清君 農林省としては、当初に発言を求めて報告されるべきが筋合いだと思うのですが、何か発言をするという意思はないのですか。
#4
○委員長(小西英雄君) 委員長から農林省の諸君に申し上げます。何か島委員の言うように、農林省からまず何か報告なり状況を一つ御説明願えますか。
#5
○政府委員(須賀賢二君) ただいま議題となっております問題につきましては、去る九月十一日の当委員会におきまして、農林大臣から、その後の本件の処理の状況につきまして御報告を申し上げたわけでございます。なお、その際に報告を申し上げました内容によりまして、その後、農林中央金庫その他の当事者間におきまして、その処理内容に即しまして、それぞれの処理事項につきましては、現段階までにほぼ処理を終えておるような状況になっておるわけでございます。前回農林大臣から申し上げましたこと以降のことに関連いたしまして、簡単に御報告申し上げます。
#6
○委員長(小西英雄君) 委員の方に申し上げます。ただいま参考人の農林中央金庫理事長楠見義男君が出席されました。
#7
○島清君 農林経済局長から、大臣の報告の内容ということがありましたが、大臣の報告内容というのはどういうものですか、文書が来ておるのですか。
#8
○委員長(小西英雄君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#9
○委員長(小西英雄君) 速記を起して。
#10
○島清君 今、経済局長の大臣の報告の内容云々ということを、私、寡聞にいたしまして承知をいたしておりませんので、はなはだ恐縮ですが、その骨子を一つ御説明いただければ、大へん仕合せだと思います。
#11
○政府委員(須賀賢二君) 前回、農林大臣がお答えになりました趣旨をかいつまんで申し上げますと、かねて当委員会において御審議をわずらわしておりました日本農工株式会社に対する農林中金の融資に関する件につきましては、本委員会における先の決議の御趣旨に沿うて、鋭意適正な善後措置に努めて参っておるのであります。農林中央金庫及び日本農工株式会社の両当事者が、相互に納得し得る結論に達し、去る八月五日に最終処理を完了いたしましたことを御報告いたします。なお、監督官庁といたしまして、本件のような事態の生じましたことにつきましては、深く遺憾の意を表しますとともに、今後かようなことのないように、十分注意をして参りたい、さように農林大臣から御答弁になっております。
#12
○島清君 そうしますと、八月五日に最終の処理を承認をされたということなんですが、その当時は、大臣もその内容についてはお話しにならなかったわけなんでございますね。
#13
○政府委員(須賀賢二君) その際、農林大臣は、最後に、この最終処理をとるに至りました経緯につきましては、必要に応じまして、事務当局から詳細報告をいたさせていただきますということを申し添えておられますが、その際の御審議では、それ以上事務当局からは報告をいたしておりません。ただ、農林大臣から、東委員の御質問に応じまして、内容につきまして、なお詳しく御説明をしておられます。
#14
○島清君 そうしますと、私は九月、大臣が本委員会で報告されたというそのころは、ちょうどヨーロッパに行っておりましたので、承知をしておりません。まことに恐縮ですが、私たちの手元には、和解調書というのが出されておりまして、その日付を見ますというと、六月の二十七日、東京簡易裁判所の法廷で和解がなされたようなことですが、その和解調書の文書しか私たちの手元にございませんが、それ以後は、農林省は文書によりまする報告をこの委員会にしておられない、こういうことなんですね。
#15
○政府委員(須賀賢二君) 八月二十日に、農林中央金庫の理事長から、当決算委員長に対しまして、その後の処理のてんまつを御報告をいたしておりまするのが、本委員会に出ておりまする文書の最後であると存じております。農林省からは、その後文書では差し上げてございません。
#16
○島清君 速記をとめて下さい。
#17
○委員長(小西英雄君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#18
○委員長(小西英雄君) 速記を起して。
 委員長から農林省の方に一つ要求をいたします。委員長に向けられたその後の文書について、各委員の方々に、一つここで公開していただきたい。
#19
○政府委員(須賀賢二君) 三十三年八月二十日付で、農林中央金庫理事長から決算委員長に提出をいたしました資料は、以下朗読をいたします通りでございます。
 「拝啓 益々御清祥の段慶賀に存じ上げます。さて、今春貴委員会における御審議の対象となりました当金庫の日本農工株式会社に対する融資の善後措置につきましては、御決議の趣旨に添い、その後慎重に種々検討を重ねて参りましたが、結局昭和三十二年十二月三十日付調停人の裁定(貴決算委員会に参考資料として提出済)に従うことが最善と考えられ、またそのことについて高橋武美氏との合意も成立いたしましたので、昭和三十三年六月二十七日、別紙の通り裁判上の即決和解を行い、八月五日和解条項の履行をすべて完了いたしました。ついては、右御了承下されたく、この段御報告申し上げます。敬具」
 これに和解調書の全文が付録としてつけ加えてございます。
 以上でございます。
#20
○島清君 その和解調書というのは、昭和三十三年六月二十七日の和解調書でありますね。
#21
○政府委員(須賀賢二君) さようでございます。昭和三十三年六月二十七日の和解調書でございます。
#22
○島清君 この楠見理事長から当小西委員長の方へ報告をされましたという、今お読み上げをいただいた報告書、並びにそれには和解調書がついている。この二つの報告文書は、農林省はどの程度この文書に責任を負っておられますですか。
#23
○政府委員(須賀賢二君) 八月二十日に農林中央金庫から委員長に報告をいたしたのでありますが、その措置を受けまして、農林大臣は九月十一日の農林委員会におきまして、両当事者が相互に納得し得る結論に達し、それぞれ最終処理を完了したということを報告を申し上げておるわけでございます。
#24
○島清君 そうしますと、監督官庁としては全面的にこれを了承したわけでありまするので、百パーセントの責任がこの処理の仕方については負えるわけなんでありますね。
#25
○政府委員(須賀賢二君) 本件の処理につきましては、当委員会におきまして御審議をわずらわしました経過及び御決議の趣旨に沿いまして、農林中央金庫に対しまして適切な本件の最終処理方策を引き続き研究を願ったわけでございますが、結局、農林中央金庫といたしましては、従来からの最終処理案のほかには、早急に適当な方法を見出すことは困難であるとの考え方のもとに、最終処理案を基礎といたしまして当事者双方において談合をいたしました結果、最終処理案の内容によって本件を解決することが、時宜に適応した方策であることに意見が一致了解いたしましたので、六月十一日、即決和解の申し立てを農林中央金庫が申立人となって東京簡易裁判所に対して行なったのであります。その結果、六月二十七日に至りまして即決和解が成立いたしましたので、以後、和解条項に示されました各条項の具体的事項について鋭意努力をいたして参っておるような次第であります。
 さような経過をとっておりまするので、農林省といたしましても、御審議の経過等に即しまして、さらに必要なる努力はいたしたのでございます。本件の処理といたしましては、ただいま申し上げましたような経過によりまして、この最終処理に従うことはやむを得ないということに、農林省としても判断をいたしたようなわけであります。
#26
○島清君 今御説明の中にございました、早急に適切な方策を見出すことは困難である、こういうことでしたが、その困難な条件はお示しにならなかったのですが、その困難な条件は何なんでありますか。
   〔委員長退席、理事平島敏夫君着席〕
#27
○政府委員(須賀賢二君) ただいま申し上げましたのは、結局、農林中央金庫としては、従来からの最終処理案のほかには、早急に適当な方法を見出すことが困難であるとの考え方に立たれて、この処理案に即して処理をしていくと、こういう方法をとられた。これは両当事者間でいろいろお話し合いを進められました結果、さような判断に立たれたわけでございます。われわれは、両当事者間の相当の日月と努力とを積み重ねましてのお話し合いでございまするので、その線に立ちました農林中央金庫の判断に即しまして、この処理を進めておるわけでございます。
#28
○島清君 私がお尋ねをいたしたいと思いまする要点は、裁定書案なるものは、三十二年の十二月の三十日になっておる。そして越えて、和解の成立は六月二十七日ということになっておりますが、本委員会の方でこの問題を取り上げましたのは昭和三十三年度一月以降なんです。すなわち、裁定書というようなものをお示しになりまして、こういったような裁定書による問題の解決は適切ではないということが本委員会の決議になりまして、そして農林中金並びに農林省のその当時の政府委員もですね、委員会の決議を尊重いたしまして、その趣旨に沿うて適切な、御意思に沿うようにというような答弁がなされているわけなんです。しかしながら、依然としてこの結論というものが、われわれが否定をした裁定書によってなされたということになりますと、委員会の決議の趣旨は根本的に踏みにじられたということになるわけなんですが、その点については、この両者間の話し合いの報告を受けられて承認される場合に、どのように考慮が払われたのでございますか。
#29
○政府委員(須賀賢二君) 私が経済局へ参ります以前の問題でございますが、速記録及び当時の関係者からの説明によりまして、ただいま島委員からお話のありましたような点は、一応私の方も存じております。従いまして、御審議の経過、御決議の趣旨によりまして、さらに適切な本件の最終処理方策を研究させるということにつきましては、先ほど私から御報告を申し上げたように、その措置はとったわけでございます。しかしながら、結論といたしましては、農林中金当局でも、さらに慎重に検討いたしました結果、結果におきましては、当初から裁定案等で出ておりまする線と実質的に変らないことになっておりまするが、それ以外にこの際急速に本件を処理する方法はないという結論に立ち至ったような次第でございます。
#30
○相澤重明君 関連。今の経済局長の答弁に対して会計検査院にお尋ねしたいと思うんですが、本院の九月十一日に大臣からの報告がなされ、そしてこの和解調書なるものが報告されておるわけでありますが、会計検査院はこれに対してどういう処置をとったのか、あるいはどういう結論を出したのか、その点をさらに一つ御報告をいただきたいと思います。
#31
○説明員(上村照昌君) 本院の決算委員会で日本農工に対する農林中金の融資の問題について御審議がございまして、決議がなされたわけでございまするが、その後、当事者間において和解がとられておるということと、和解に沿って事態が進行しておるという点は調査いたしておるのでございますが、結論として申し上げますと、このこと自体がいいとか悪いとかいうまでの結論には到達しておりません。と申し上げますのは、和解の条項が、理論的に見た場合にそれが正しいかどうかというような観点に立ちますと、多少の疑問もあるのではないかというふうにも考えられますが、ただいま農林省の方から御説明がありましたように、やむを得ざる処置として、事後処置の問題としてとられたということが、果してその通りやむを得ないものかどうかという点が判断の根拠に立つのではなかろうかというふうにも考えまして、結論が早急に、この処置でよろしい、悪いということは、現在断定いたしておりませんが、処置がなされた、その後財産の処分、そういうものについていかなる処置がとられたかという点を現在見てきておる段階でございます。
#32
○相澤重明君 そうしますと本院の決議についての、会計検査院としては、和解条項とどういう関連があるかということについては、具体的には意見は出しておらない、こういうふうに理解をしてよろしいのですね。
#33
○説明員(上村照昌君) 決議の趣旨はこうであったかと記憶しておりますが、農中の農工に対する融資措置は適当でなかったという点と、すみやかに善後措置をとれということであったかと思いますが、それで融資が適当でなかったという問題は、一応過去の事実に対する問題だというふうに考えております。それから適切なる処置をとれということは将来の問題で、現在、今問題になっておる点だろうかと思いますが、その委員会でおっしゃいます適切な処置が何であるかという点は、これはなかなか判断に私自身も迷うわけでございますが、少くとも事態の処置として、そういうとられた処置が、やむを得ざる適切な処置かどうかということによって判断する以外にはないかと思いますが、そういう観点に立ちまして、先ほど申し上げましたような段階になっておるということでございます。
#34
○相澤重明君 いや、私の会計検査院にお尋ねする趣旨は、本院におけるこの決議、今あなたの言われたこと、それに対して農林中金は少くとも国費を支出しておって、そうして国費の欠損ができるだけ少くなるようにということが一つと、いま一つは、中金法に基くやはり貸し出し等も行わなければならぬ、あるいはそういうことをしなければ、今後の金融問題としてやはり大きなあやまちを犯すのではないか、こういう点がいわゆる長い間審議が重ねられておったわけなんです。そこで、会計検査院としては、農林中金が一体そのいわゆる欠損があるのかないのか、また国の法律に基いた適切なそういう措置というものがとられたかどうか、こういうことが私は問題として、あなたの方で調査をされるなり、あるいは検査をされるということが出てくるのではないか、こう思いまして、そういう点についてお答えがなかったので、その点はいかがですか。
#35
○説明員(上村照昌君) 和解条項によりますと、農林中金で農工自体の損失の、一億幾らだったかと思いますが、これを、損失をかぶるという前提で処理されておるわけでございます。その点におきましては、一応損失をかぶられたという形が現われておるわけでございますが、それと同時に、債権の見返りとして財産を評価されまして、二億幾らだったかと思いますが、この財産を受け取られたわけでございますが、この処置が現在まだ行われておりませんので、最終的にこの処分がどうなったかということによりまして、損失がどれだけに縮まるか、あるいはふえるかというような段階でございます。
#36
○相澤重明君 そこで、私の会計検査院にお尋ねすることは、あの当時農林中金と日本農工とのお話を聞いていると、農林中金としては正当な貸し出しをしているし、またそれに対する担保というものも取ってあるのだから決して間違いはなかった、こういうことであったはずですね。従って、当然その担保というものが処理ができれば、中金としては、これは欠損はないはずだ、若干の問題はあるかもしれぬが、とにかくほとんどない。ところが当時日本農工の担当者であった方は、いや、あれは自分のものなんだ、こう言って当時いろいろ意見が戦わされたわけですね。そういうことからくると、今あなたのおっしゃったように、農林中金が現実にここに幾らという金額を出すということについては、何かこう二重にこの金を農林中金が出すようなふうにわれわれは思われるわけですね。われわれは、そういう点について、会計検査院としてどうお考えになっているか、こういうことをちょっとお聞きしたいわけなんです。それで、あとの最終段階の処理がまだなされておらぬから、受け取った抵当物件に対して評価がどういうふうになっているかということは、これは農林省の方からお尋ねをしたり、楠見さんからそのお話を聞けば大体わかると思うんですが、私は前段のいわゆる農林中金は決して不当なことをしておらなかったのだし、それから処理をすれば国損というものはない、農林中金の損というものはあまりない、こういうふうにお考えになっておったのが、今度はここでこの金を出す、こういうことは、雪だるまじゃないけれども、よけいに赤字を出すのじゃないかという心配があるんです。その点、会計検査院はどういうふうに調査をされ、御判断をされたか。
#37
○説明員(上村照昌君) この点につきましては、先ほど実はむずかしい問題ということをちょっと申し上げたかと思いますが、われわれ検査していきます場合に、農工の方、農中の方、完全な真実な姿でいくということはなかなか困難な問題でございますが、われわれが検査をした結果からいいますると、結局、あの五千五百万円が払われたということは、どういうことかと申しますと、農工の一億幾らかの損失をかぶられるということで、結局五千五百万円が払われていくという形になりますので、一億幾らかの損失をかぶられることがいいか悪いかということになろうかと思いますが、その場合に、われわれが検査して見てきたあれからいいますと、担保価値のあるものならば、理屈から申しますれば、処分をしてそれだけ取っていく方が得じゃないかというようなこれは考え方も、もちろん一応の理屈としては持つわけでございますが、こういうふうなこじれた問題を、訴訟でいろいろ長引いていく方が実際的に損であるか得であるかというような問題とかみ合わせていきますと、最終的にどちらが損であるか、得であるかという点の結論を下すということが、現在の段階で非常に困難だというふうな意味で、結論を下しにくいということを申し上げたわけでございます。
#38
○相澤重明君 それでは経済局長にお尋ねしたいんですが、もちろん、最終的な処理ができておらないということをお話しなったようですが、担保を和解条項の中で中金が受け取ったということでありますから、それに対しての評価等については農林省はお話しを聞いておったのか、それとも全然そういうことは関知しないで、中金と農工だけ、そういうところでやらしたのか、その点はいかがでしょうか。
#39
○政府委員(須賀賢二君) 裁定案及び和解の内容になっておりまする評価等の点につきましては、両当事者間でそれぞれ交渉されましたものを、農林省は事後において説明を聞いておるわけでございます。
#40
○相澤重明君 そうしますというと、あなたの先ほどの答弁では、ちょっと問題がやはり起きるんじゃないですか。いわゆる参議院の決算委員会における決議に対して、農林省は適切な指導あるいは監督というものが行われたかどうかということについてですね。やはり国会に対する責任を農林省はお持ちになる、私はこう思うんです。そういう点について、両当事者がまとまったからそれでいいというだけでこれは済まされるものでしょうか、その点いかがですか。
#41
○政府委員(須賀賢二君) 先ほど来申し上げておりまするように、御審議の経過等に即しまして、農林中金に対しましてはさらに適切な本件の最終処理方策を研究をさしたわけでございます。その結果が、先ほど来申し上げておるような事態に相なっておるわけでございまして、われわれといたしましては、御決議の次第もございまして、さらに適切な処理方策を見出すべく努力はいたしたわけでございます。
#42
○相澤重明君 そういたしますと、適切な処理方策を持ったとお考えになるというと、たとえば、この評価というものはどのようにお考えになっておったでしょうか。
#43
○政府委員(須賀賢二君) こういう評価の点につきましては、われわれといたしましても、この二億数千万円の評価については、不動産会社等で評価をさしました記録等もございまするので、それらも参考にしながら、われわれといたしましても判断をして参ったわけでございます。
#44
○相澤重明君 評価委員会等が各都道府県にもあるし、大蔵省にもやはりそういう機関というものもお作りになっておるということは、あなたも御承知だと思うんですが、そういう点はあれですか、不動産の評価については、民間のそういうところを選んだのか、あるいは、一応だれに聞かれてもすぐわかるところのそういう評価委員会というものを利用したのか、その点はいかがですか。
#45
○政府委員(須賀賢二君) この評価は、農林省が直接委嘱をいたしたわけではございません。当事者の間におきまして評価機関を使ってやられたわけでございます。それは三井信託の不動産部でやっておるわけでございます。
#46
○島清君 今、相澤委員から会計検査院に対する質問に対して、最終的な処理が完了していないというような御判定のようでしたが、しかし、あなたもお聞きの通り、経済局長は、最終的な結論を御報告を申し上げますと、まあこういうことを言って、これですべてが解決をしたということの前提の上に立っての御報告なんですが、そうしますと、問題のとらえ方というものが非常に違ってくるようですが、御答弁の趣旨が異なってくるようですが、これはどうなんですか。
#47
○説明員(上村照昌君) 処理としては最終の処理がなされておると思いますが、最終的に損失がどれだけになるかという点は、財産の処分なり、そういうものがきまっていかないとわからぬと、こういう趣旨で申し上げたわけでございまして、一応事件の解決としては最終の処理がなされておるのではないかというふうに思っております。
#48
○島清君 そこで、問題の解決を時の様子をずっと入れて長引かしていこうということになると、これはそこまで待たなきゃならぬということなんですが、会計検査院としてはそこまで待たなければならないような立場にあるのか――こいつはしばらくおくとしまして、会計検査院としては、農中金の債権総額は大体どれぐらいあると判定をされたのでございますか。
#49
○説明員(上村照昌君) 農林中金の固有の債権といたしましては、一億七千三百五十五万二百六十七円というふうに見ております。
#50
○島清君 それは、金利などを含まれての計算でございますか。
#51
○説明員(上村照昌君) ただいま申し上げましたのは、元本でございます。
#52
○島清君 金利を含めますと、どうなりますか。
#53
○説明員(上村照昌君) ちょっと資料を見ますので、御猶予を願いとうございます。
#54
○島清君 それでは、農林省当局にお伺いいたしまするが、この和解調書には、第二条に、「裁定人荷見、井野両君の裁定に基き」云々ということがあるんですが、しかしながら、この裁定案なるものはどこにも示されてないんですが、これは、先ほど経済局長のお話にございました昭和三十二年の十二月の三十日に御提出になりました裁定書そのままのことであるのか、それともまた、それに訂正をされて裁定書というものをお作りになったのか、その点はどういうふうになっておりましょうか。
#55
○政府委員(須賀賢二君) これは、当初の裁定そのままでございまして、その後この裁定の内容については変っておる点はございません。
#56
○島清君 聞き取れませんですが、変ってはいない……。
#57
○政府委員(須賀賢二君) 変っておる部分はございません。当初の裁定のままでございます。
#58
○島清君 確かにこの当時の裁定書のそのままでございましても、金利などというものが含まれてないと思うんですが、これはどういうふうになっておりましょうか。
#59
○政府委員(須賀賢二君) 裁定当時の計算そのままでございまして、その後の金利等は加わっておらないようでございます。
#60
○島清君 裁定当時は金利を見積っておられたわけですね。
#61
○政府委員(須賀賢二君) 取り調べますから、ちょっと御猶予をいただきたいと思います。
#62
○島清君 調べなければわからないのに、今ごろその当時の金利であるという答弁は何事ですか。
#63
○政府委員(須賀賢二君) 私は、その当時の計算そのままであったと申し上げたのでありまして、その当時、金利が入っておるか、入っておらないかにつきましてはお答えいたしておりません。
#64
○島清君 だから、その農林省については、この両者の裁定案であるとか、あるいは和解調書については金利の面にはどういうふうに農林省としては考慮を払ったかということなんです。どうなんですか。もう少し勉強してきたまえ。委員会で質疑しておる問題をそういう不勉強で答弁ができると思いますか。
#65
○政府委員(須賀賢二君) 裁定当時の計算におきましても、金利は入っておらないそうでございます。
#66
○島清君 農林中金は金を貸して、金利を得られるということが本業の本体なんです。しかしながら、この問題に対しては、農林中金は金利を見積られない。しかしながら、全購連は金貸しが業じゃないけれども、全購連は金利を取っておられる。こういったような国民を愚弄したようなことが行われているのです。そうすると、ここに裁定書の中の第三条に「利息の減免等を交渉して債務額を確定する……」、こういうふうになっておるわけでございますが、裁定書が最終的な、部分的にも一向修正を加えないで本委員会に提出した資料であると言っておる。しかも和解調書には「利息の減免等を交渉する。」と書いてある。少しも部分的な訂正をなされない、そのままの裁定であるとすれば、和解調書にはこういうふうに、利息の減免云々ということをうたっておることがおかしい。そこで私は、おかしいながらも、そのおかしさの中から、一体利息というものはどの程度見積られて、どの程度計算し、算術的に出て、そしてどういうふうな交渉の結果になったか、これをお尋ねしておるわけです。いずれにしてもこれは
  [理事平島敏夫君退席、委員長着
  席〕
矛盾するわけです。しかし矛盾したものをそのまま百歩譲って承認する、その形からどの程度の利息の減免、交渉の結果、利息の減免をされたか、これをお聞きしたがったのです。
#67
○委員長(小西英雄君) 速記をとめて下さい。
   午前十一時五十五分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時十六分速記開始
#68
○委員長(小西英雄君) 速記を始めて下さい。
 御多忙中のところ、参考人の方々には大へん御苦労さんでございました。では、先ほど島委員及びその他の委員から言われたように、当問題については、まだいろいろ資料等の準備が十分でないので、非常に御迷惑ですが、その資料が整いましたら、あらためて御足労願いたいと思います。
 では、午前中の審議はこれで終ります。
 これをもって休憩といたします。
   午後零時十七分休憩
   午後一時五十分開会
#69
○委員長(小西英雄君) これより午前中に引き続き、委員会を再開します。
 これより、江戸川における汚水放流による漁業の被害に関する件を審議いたします。
 本件に関し御出席の方は、参考人として本州製紙株式会社専務取締役堀義雄君、本州製紙株式会社取締役矢沢四郎右衛門君、千葉県浦安町漁業協同組合理事船山卯三郎君、東京都経済局農林部長関晴香君、東京都建築局指導部長大河原春雄君、千葉県水産商工部漁政課長鈴木等君の諸君と、水産庁長官奥原日出男君であります。
 本件に関しましては、去る六月、第二十九国会におきまして審議を行い、同三十日には、当局に対しすみやかに適正な解決をはかられるよう、委員会の意向を伝えたのであります。今回、本委員会はその後どのように事態が進んでいるかを調査するため、参考人の方々には御多忙のところ恐縮には存じますが御出席を願い、事情を聞くことになった次第であります。御了承をお願いいたします。
 これより審議に入りますが、まず、参考人の方々からその後の状況について簡単な説明を願いたいので、あとで質疑を通じて事態を明らかにしていきたいと存じます。なお、一人十分程度にまとめて説明をお願いします。
 では、まず本州製紙株式会社専務取締役堀義雄君よりお願いいたします。
#70
○参考人(堀義雄君) 私は、本州製紙専務取締役の堀でございます。本日は社長が出るように御要請がありましたが、何分にも急でございましたので、よんどころのない先約がありまして、どうしても本日は出席できませんので、まことに申しわけございませんが、私がかわりまして出席いたしましたわけでございます。どうか御了承のほどお願いいたします。
 今回の問題につきましては、再三にわたる当委員会の御審議をわずらわしまして、諸先生方に大へん御迷惑をおかけしましてまことに申しわけなく存じております。事件発生以来、当社は新設備の運転を休止いたしまして、学識経験者の御意見を仰ぎまして、排水の処理設備と被害の実情調査に努力を続けて参った次第でございます。
 まず、排水処理設備について御説明申し上げます。もともとSCP製法は、外国においても日本においても盛んに行われておりますが、その廃液処理については設備らしい設備をしているものは少いのでございまして、当社といたしましても、この処理対策には苦心に苦心を重ねた次第でありまして、六月から、会社独自の処理計画を進めたのでございます。
 その概要を申し上げますと、第一は、米国特許の荏原インフィルコ会社製のクラリハイヤー新設によるパーク処理装置でございまして、第二に、パルププレス新設によるSCP廃液抽出装置の新設でございます。この処理設備案を七月二十日に東京都に提出いたしますとともに、工事を進めて参りましたが、その後、万全を期するために、排水処理の権威者であります工学博士柴田三郎先生に御研究をお願いいたしまして、その結果、八月末、修正処理案を作成いたしました。その要点の一つは、SCP洗滌排水と晒排水とを合せて曝気槽においてエアレーションを行い、しかる後にインフィルコ特許によるアクセレーターで沈澱させることでございます。第二に、抄紙排水は、他のアクセレーターで沈澱させて、その沈澱物の処理は連続遠心分離機使用方式によるもので、世界最初の試みでございます。この排水処理設備案を九月二十五日に都及び県に提出いたしまして、その案に従って工事を進めまして、工事は十月末に一応完成いたしました。しかるところ、十一月上旬におきまして、両県の合同会議が開かれ、その結果、本設備については、柴田博士に設計を一任すべきであるとの強い御要望をいただきましたので、会社としましては、全面的にその御指示に従った次第でございます。柴田博士の御研究の結果、十二月九日に最終的の設計が示されましたので、その設計に基きましてSCPの抽出廃液を単純曝気する設備の追加工事を実施中でありまして、この工事は年内に完成の予定でございます。従って東京都の御許可があり次第、明年早々SCP設備の運転を再開し得る態勢となっております。
 この排水処理設備は現在のわが国紙業界における最高のもので、一部の技術者からは、それほどまでやる必要はないのではないかという意見さえもありましたが、会社としましては、最高の設備をして両県の御要請にこたえ、かつまた、問題の円満解決のために最善の努力を払った次第でございます。
 つきましては、諸先生方御多忙の折とは存じますが、この新しい処理設備の御視察を賜わり、お力添えによりまして、一日も早く操業が再開されますように心からお願いいたす次第でございます。
 次には、関係漁業組合の方々に対しまするところの被害の補償の問題について申し上げますと、会社といたしましては、六月十二日及び十三日に、東京都及び千葉県の両知事殿に対し調停あっせんをお願いいたしまして、その解決に努力を続けて参りましたが、何分にも関係漁業組合が両都県にまたがって八カ浦もあります上に、関係者の被害に対するお考えがまとまりにくいので、御当局の御尽力にもかかわらず、今日まで決定を見ていない状態でございます。
 さようなわけでありまして、当社といたしましても、補償額の算定については、一つは不況下における当社の経営状態と、また一つには業界全般の事情をも考慮いたしまして、できるだけのことはいたしたいと考えておりますが、何分にも両都県にお願いしてありまして、いまだはっきりした結論は出ておらない現状でございます。
 本日の委員会の御取り計らいを契機といたしまして、諸先生方の御尽力を賜わり、円満解決ができますならば、まことに仕合せと存ずる次第でございます。
 どうぞよろしく御賢察のほど、お願いいたします。終ります。
#71
○委員長(小西英雄君) 続いて千葉県浦安町漁業協同組合理事船山卯三郎君。
#72
○参考人(船山卯三郎君) 浦安町漁業協同組合理事船山卯三郎。
 本件につきまして、諸先生方にいろいろ御配慮を賜わりまして、組合を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
 本問題の起った六月十日ごろの経過につきまして、概要を申し上げたいと思います。まず、当時のわれわれの立場といたしまして、漁場の被害、特に貝の被害につきまして、そしてその下流一帯の漁場の地底である砂の上に茶褐色の汚水が沈澱した。どうしてこの漁場を復旧するかという問題が、当時の一番の課題でありますので、両都県の水産部の方においでを願い、つぶさに被害の状況を視察していただきました。一面漁民の方を動員いたしまして、漁場の回復の事業にかかり、また一方、会社に対しましては、荒廃したこの被害の補償についての交渉、この交渉に当って関係村とも数回会合いたしまして、この被害についての交渉の会合をいたしましたが、漁場の位置その他の関係上、関係八カ村が意見が一致しないので、当組合といたしましては、会社に対しまして、直接この被害の問題について、江戸川工場の被害について、数回交渉いたしました。交渉過程におきましても、会社といたしましては、この被害の算定の基準については、なかなか回答が得られないというので、県の水産部の方あるいは知事にあっせんを依頼いたしまして、その交渉も十数回も回を重ねて参ったのでありまするが、遺憾ながら当時の漁民の窮状も、われわれといたしましては、さっそくにもノリの漁期に入る手前、資材の買入れ代金にも事欠くような窮状でありますので、資金の調達それらにも奔走いたしまして、どうにかこうにか、わずかの金を借り入れてノリの漁期に入ったような次第であります。その後の漁場の復旧につきましては、どうにかこうにか漁民を動員いたしまして、復旧作業も一応終り、被害の総額につきましても、会社と何回も交渉いたしましたが、最後に、十月下旬と記憶しておりまするが、一千万円、われわれの算定は、貝と魚、ノリ、これらを含んで三億六百万の要求いたしたような次第であります。この要求に対して、何回となく回を重ねても、今日までその結論が得られない。また会社としても、県知事に依頼をされても、なかなか今日まで県知事のあっせんに対して、何ら、われわれも県知事も交渉いたしましたが、会社がその誠意を受けられないというようなままに今日まで進み、近くは去る三日の日に、当組合において会議をしておりますと、盛んに組合員より非常にまだ会社が悪い水を出すということで、夜の十二時ごろに、約二十名の方が工場に交渉に行きました。この交渉の結果、近く漁場を視察するということで、去る九日に会社側の代表また権威ある学者もおいでになったようでございますが、その汚水の出ている流域、その及ぼさない漁場、それらを見た場合には、どんなしろうとでも一目瞭然のような現在も状態であります。そこでここ二、三日の間にも、これでは漁民の方が役員あるいは代表にはまかせておけないと、このような状態が今浦安町組合に起っているような次第であります。本日もこの席に出席する前に、会社の本社に寄り、よく汚水処理について、今浦安が細々ながらもノリをとり、このお正月もどうにかこせるだろうというときに当って、今汚水が非常にノリに影響している、このようなことにつきまして、十分今申し上げたように、会社にも交渉もいたしましたが、依然として汚水が流れている。問題が起ったときの水は黒い褐色の水でありますが、現在は白い牛乳のような水が漁場に流れている。このようなままでは、われわれ漁民は、どのようにして漁場によって今後の生活の基本が保てるかということを非常に心配し、この席に出席したような次第でありまして、諸先生方にも、現在の浦安の漁民の漁場を見る気持を十分御賢察の上、御配慮を願いたい。
 概略ではありまするが、以上をもって説明にかえたいと思います。
#73
○委員長(小西英雄君) 続いて関東京都経済局農林部長。
#74
○参考人(関晴香君) 申し上げます。事件後会社側が都に補償の交渉のあっせんを依頼されたのは、六月十二日でございます。その後、私どもといたしましては、これが両都県にまたがります被害でありますので、千葉県庁とも十分連絡をとりながら事に当らねばならぬ立場上、技術的には両都県の水産試験場同士で協議会を催すことになりまして、それを八月の六日にまず開催したわけであります。
 その後、江戸川下流の水質の調査等をやっておりましたが、技術的な算定基準と申しますか、参考資料となるべき数字が、一応は出て参ったわけでございますが、結局両都県にまたがる被害でございまするし、今後両都県はどのように会社と交渉し、さらにおのおの都県内の組合と折衝を重ねるかということにつきまして、やはりこれは各個に組合、都内は都、千葉県は県庁というふうに、やはり自分の行政管轄内の組合との折衝でないとこれは効力もございませんので、そういうふうに分担してまああっせんに立とうということになって種々折衝して参ったわけでございますが、結局問題は、東京都内の組合が四つ、千葉県側も四つございますが、結論といたしましては数次折衝を重ねました結果、東京都内の組合は葛西浦組合外三組合、四組合ございますが、東京都に会社側との交渉を一任するという結論を出されまして、私どももそこで都内の四組合を代表いたしまして会社側と折衝に入ったわけでございます。
 ところが東京都内の組合は都に一任すると申しましても、やはり同じ海域を接しております千葉県側の組合の補償額と、自分たちが見た目で妥当な被害程度と申しますか、そういうものに応じた額でないと受けられないということになりましたので、私どもといたしましては、単純に都内だけの組合側の要望を聞き、さらに会社側と折衝いたしまして数字が出て参りましても、それでは何にも組合側を納得せしめない。最後のいわゆる千葉県側の組合の受ける分との割合ということでひっかかって参りますので、その点で非常に今まで苦慮して参っているわけでございます。できるならば、こういう補償は年内に、暮の最も金の必要なときに漁民の手に渡るのが最も効果的でございますので、年内にはぜひ解決したいということで数次折衝を重ねて参ったのでございますが、やはりそういう千葉県側との被害の割合の問題でこだわる者がございますので、会社側にもその点を強くお願いし、会社側に一つ両都県の割合について出してもらえないかということも話したのでございますが、やはり会社側としましても、最もこれは重要な点でございますが、これは両都県――東京都側に幾ら、千葉県側に幾らということは、会社側としては何らよるべき基準を持っていないのでこれは困る、やはり両都県で話し合いでその割合をきめてもらいたいというようなことで日にちを経過して参ったわけでございますが、私どもといたしましては、その後会社側から具体的に十一月の二十九日でございますか、両都県合した補償額が一応四千万円という数字が示されたわけでございます。この数字を千葉県側と私――東京都側が受けたわけでございますが、数字の絶対額に対する問題のほかに、やはり先ほどの被害割合の問題がからんで参っております。これについて両都県話し合っておりますが、私どももこれはなかなかきめるのはむずかしい問題でございますし、さらに組合、いわゆる現地の漁業組合にしましても葛西、浦安は隣の組合でございまして、地域を接しておりますし、互いに行き来も激しいし、非常に姻戚関係も結ばれておりますし、縁の近い組合でございますので、やはり大体両方の組合の操業なり生活状況なり互いに承知し合っている仲でございますので、これを東京都だけで幾らというふうにきめましても、またあとで千葉県側の数字が漁民の納得する数字以上のものになってきた場合に、やはり東京都側の組合においてはそういうものではあとさらに問題が残るというようなことがひっかかりとなりまして、その後進んでいない状況でございます。
 私どもといたしましても、会社側の示しました四千万という数字はわれわれの見たところではまだこれでは決して漁民側が納得できない数字だとは思っております。しかしそれはそれとしましても、まずそういう千葉県側の組合に一部まだ問題が残っておるようでございますし、東京都といたしましても、こういう千葉県側の進捗状況をにらんで漁民の方には最後の折衝に入りたいというような今段階でございます。
 さらに施設の方でございますが、施設の進捗状況につきましては、先ほど会社側から説明がございましたが、簡単に申し上げますと、八月五日ですか、江戸川工場の予定浄化施設について会社側の代表から漁民代表に説明があったわけでございますが、その後、会社側の方から一部装置の変更等があるので十一月末でないと完成しないというような途中のことであったのでございますが、さらにその後、施設につきましていろいろ疑問が出て延びているわけでございます。その後の状況につきましては、大体会社側の説明の通りの進行で施設の方は進んでおります。
 はなはだ簡単でございますが、あとまた質問によりましてお答えしたいと存じますので、この程度にいたします。
#75
○委員長(小西英雄君) 次に、千葉県水産商工部漁政課長鈴木等君。
#76
○参考人(鈴木等君) ただいま東京都の方からお話がありまして、前段の方は私の申し上げることとほとんど同様でありますので省略いたしたいと思いますが、ただ今までとってきた県の立場について申し上げたいと思います。
 御案内の通り、事件発生後、いわゆる魚介類の死滅によりましてあすにも漁民の生活に困難を来たすというような関係上、また県の漁民大会の総意等の強い要請もありまして、被害を受けた四組合に対しまして生活の保障をしなければならないというような非常な危急な立場に置かれましたので、県といたしましては直ちに県の金を新漁連べ預託しまして、四組合で五千万円に近い金を漁民に新漁連を通じまして生活費の貸付をしたわけでございます。
 と同時に荒廃した漁場を復旧させる意味からいたしまして耕転をしようというので、県議会の協賛を得まして地元並びに県というような負担率によりまして約六百万の金を支出して漁場の復旧に努めておるのでございます。まだ復旧は途上にあるわけでございますが、御案内の通りノリの最盛期に入りましたので、この仕事は翌年の三月ごろから継続して事業を行うことになると思うのでございます。かような処置を講じて、どうやら一時しのぎではありますが、生活あるいは生業の安定化に努力し来たったのであります。
 次に、補償の問題は先ほど東京都からお話がありまして、なかなかむずかしい問題でありまして、数次にわたりまして組合あるいは会社と折衝いたしましたが、その立場が違う関係と申しますか、会社の補償額と組合の要求する額というものが非常に差が多いために、なかなか折衝が困難な状況にあるわけでございます。だんだん話は進んで、いわば近寄っては参っておりますが、まだ両都県に地域を有する関係上、非常にむずかしい問題でございますが、御案内の通り年末にもさし迫って非常に支出の多い時期に際会しましたので、何とか早く解決できるものからしようというような方法を考えまして、四つの組合のうち一つでもというので、いわば会社との折衝の金額に納得がいく組合から除々に解決していきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。いずれまた質問等がございましたならお答え申し上げたいと思っております。
#77
○委員長(小西英雄君) 以上をもって参考人の説明は終りました。これより質疑を行います。御質疑のある方は、順次、御発言を願います。
#78
○高野一夫君 私が申し上げるまでもなく、当委員会においては本州製紙の汚水問題については一つの決議をいたしておったわけであります。ところでこの決議に対しまして、組合側も会社側もそれから東京都、千葉県ともに責任をもって解決に当らなければならないような内容の決議になっておった。それでただいまもるるお話しがございましたが、この春からの問題が年をもう越さなければならぬという、最近の十二月も押し詰って、まだなお解決をされないでおってそのめどがつかない。こういうことを知りまして、私どもはぜひとも皆さんにおいでを願って、それで様子を伺わなければならぬと、こういうことに相なったわけでございます。
 そこで私はまず堀専務に伺いたいのでありますが、なぜ木下社長はきょうおいでにならないのでありますか。所用があるからというお話しであるけれども、もしもそういう所用があったなら専務その他の代表の方が行かれて、当委員会には当然木下さんがおいでになるべきだと思う。この前は堀専務はおいでにならなかったと思う。この前の委員会の審議に御協力願ったのは木下さんでありました。従ってわれわれがどういう点を質問申し上げて、そして会社を代表してどういうような誓約をわれわれにされたかということは、木下さんがおいでにならなければわからぬ。私は木下さんが当委員会に出席なさることについて非常な恐怖をお持ちになった、そしてあちこちのお知り合いを探って偵察みたいなお話しをされたということを承知しております。しかしながら会社が誠心誠意解決に当るという腹があるならば、何を恐れる必要がありましょう、当委員会にこそ最初からのいきさつもあることでございますから、木下社長自身おいでになって、いるいろお話しを願い、われわれの質問にお答えを願うのがほんとうである、こういう点に私がこの前も審議のときに申し上げたことでありまして、こういうところに会社側の誠意がまだまだないのだという一つの疑問を持たざるを得ない、そういう点を私ははっきり申し上げておきたい。
 そこでまず専務に伺いたいのでありますが、設備の問題について、先ほど、私はしろうとですからよくわからぬけれども、だいぶ完成しかかっているようなお話しであったと思うのでありますが、今組合側のお話しを伺うと相変らず白い汚水が出ている、こういうことでありますが、そういたしますと、その後設備を改善され、あるいは新たに設備を設けられ、それはまだ活用になっておらぬのでありますか、相変らず六月当時の状況のまま、作業が続けられて、そしていわゆる黒い汚水は上ったけれども、白い汚水としてそのときのままの排水がなされておるのかどうか、その点についてしろうとの私どもにわかりやすく御説明願いたい。
#79
○参考人(堀義雄君) ただいまの御質問にお答えいたします。
 先ほど冒頭に社長の出席できない理由を申し上げましたが、お前はかわってできるのじゃないかというお話しでございますけれども、問題によりましては、会社のいろいろの問題につきましては、私はできる問題もありますし、できない問題もあるのでございまして、このたびは全くよんどころない事情でありまして、この点は深くおわび申し上げる次第であります。
 それから会社の排水処理設備が一体できたのに使っていないのじゃないかという御質問であるかと思いますが、あるいは違いましたらまたお答えいたします。実はできた分があります。しかしこれを先ほど申し上げましたように、いろいろ関係する付属機械の未完成によりまして、使い始めましたのは十一月中旬に今の白い水の沈澱物を除去する、アクセレーターを通しまして沈澱物を作る。そうしてこれを処理する設備につきましては、早くから実は堤外地を使えるのじゃないかという予想を持っておりましたが、これはいろいろ事情がありまして、堤外地は使えないということになりまして、この沈澱物の処理設備にかなり心を砕いたわけであります。それでこれが完成いたしまして、十一月の中ごろからこれを使っておるのであります。ですから先ほどお話しがありましたような、もと同様な白い水が出ておるということは私は考えておらぬわけでございます。この点一つ御了承願いたいと思います。
#80
○相澤重明君 今の点にちょっと関連して、堀参考人にお尋ねをしたいと思うのですが、あなたの今の高野委員の質問にお答えになったことによると、木下社長は、よんどころない理由で本日は出席ができなかったけれども、私でできることとできないこととあるというような答弁を、私今聞いたわけでありますが、これは事実であるかどうか、あなたが答弁できることとできないことがあるのかどうか。
#81
○参考人(堀義雄君) 本会議場におきます御答弁は、全力を尽して責任をもってお答えいたします。重ねて申し上げます。
#82
○相澤重明君 そうしますと、先ほどの高野委員の御質問に対しては、訂正をされたということで了解できますな。
#83
○参考人(堀義雄君) 実は私の言葉が非常にまずかった関係で誤解を与えたかと思いますが、なぜ社長が出席できなかったかという理由については、私はきょうの先約の問題が、私が代行できない仕事であるということを申し上げたわけでありまして、その点一つ御了解をお願いいたします。
#84
○相澤重明君 私ども参議院の決算委員会がこの本州製紙の問題をいち早く取り上げて、そうして実は長い間の懸案であった工場汚水による被害というものをなくする、こういうことについてはすでに政府においても法案の準備をして、提出するまできたというのは、実は参議院がこの問題を取り上げたことが動機になっておるわけでございます、事実は。そうして少くとも本院の決算委員会においては、先ほど高野委員から申し上げたように、決議が行われて、すみやかにこれらの問題の解決をはかるようにといって、関係者にも実はこの委員会を通じてあなた方には伝えてある。従って、すでに半年からになるところのこの時間的な問題を考えても、当然会社側としては本院に出席をする以上、責任ある立場ですべての問題について、あなた方は国会に対して答弁をする義務がある。にもかかわらず、木下社長の出席の有無の問題について、あなたの先ほどの冒頭の答弁では、答弁のできることとできないこととある、こういうふうに私どもが受け取ったから、それでは一体会社側の参考人というものは何のために来たか、こういう問題になってくる。あなたが後段で取り消されて、全部の答弁の責任を持つ、こういうことであるならば、これからの質疑は続行できるのであるけれども、もしあなたが、社長の代理ではあるけれども、社長とは違うから答弁ができることとできないこととあるということになると、これは国会に対する重大な問題になりますから、そこをもう少しあなたははっきりと一つ答弁してもらいたい。
#85
○参考人(堀義雄君) 先ほど申し上げましたように、私は責任を持って御回答いたします。
#86
○高野一夫君 今相澤さんからも御指摘があったわけでありまするが、あなたが先ほどおっしゃったことは別に社長が御用がおありになって、それについては専務のあなたとして代行のできるものとできないものとがあると、こういうふうにおっしゃったことは私は記憶しておる。しかしながら私は本日の当委員会におけるこの問題の審議の重要性から考えまするならば、もしも木下さんが私用で都合が悪いならば、その私用はおやめになって出ておいでになるべきだ。会社の用で出てこれないというならば、それこそ専務のあなたが社長の仕事を全部代行できないはずは私はなかろうと思う。幾ら考えましても、私は一昨日いろいろなお話を伺っておりまするが、木下さんが本日おいでにならなかったことは、私は会社側の誠意がまだ十分ではないのじゃないか、こういうような疑問を私は最後まで持ちますから、これだけは木下さんにお伝えを願いたい。そこでただいま十一月沈澱の何か設備ができて、それ以来その設備を使っているというお話でありまするが、そういたしますると、それはそれとして、かりに完全に害毒を及ぼさない廃水になったといたしましても、それまでの十一月の半ばなら半ばまでの間はどうなさっておったのであるか、ずっと春、夏前の姿で、そのままの状態で作業をお続けになって汚水が出ておったのであるか、それともそんな汚水は出さないですっとやはり作業は中止をして、新しい設備ができるまで作業をおやめになっておったのであるか、その辺のところをはっきりとお聞かせを願いたい。
#87
○参考人(堀義雄君) ただいまの御質問に対してお答えをいたしますが、新しい設備が……、先ほど払が御説明の中に申し上げました通り、六月以来停止して一回といえども、一瞬といえども動かしたことはございません。御了解をお願いいたします。
#88
○高野一夫君 そうすると船山さんに伺いまするが、あなたは先ほど相変らず白い汚水が流れそおりたとか、いるという御説明がありましたが、そういたしますると、ただいまの堀さんのお話であると、十一月こ新しい設備ができるまではずっと作業を中止しておって、汚水を排出せしめなかったと、こういうお話です。そうすると十一月に新設備ができて、それから先の廃水の状態については、これは役所の方からまた伺いまするが、かりにそれが無害のものであるといたしましても、十一月までは排水しておらない、こういうはっきりした御説明なんでありますが、船山さんその辺はいかがでしょうか。
#89
○参考人(船山卯三郎君) この問題の起った六月の十日の前、五月の二十四日、このときも漁民が約千人ばかり押しかけてこのときの二、三回の交渉に、黒い水は絶対にとめろ、それから白い水については会社も白い水をすぐとめることについては操業を中止をすると、これでは会社も気の毒だからこれを一日も早くきれいにしろ、その約束を幾日までにするか、これについてはまたあとで日延べになるといけない、必ずできるという日を切れということでこれは書類を取りかわしましたが、八月一ぱいまでに必ず白い水については浄化設備を作ると言った。その後われわれは八月一ぱいまでにできるものなりと信じておりました。八月一ぱいにできない、やれ九月になればできる、十月になればできるということで、今日まで延び延びまあ本日出席する前に会社と本社において交渉いたしますと、今濾過設備した機械のうち一部その白い水を濾過していると、このような回答であります。現実においても白い水は、漁民がずっと騒がれ通しで、われわれもこの白い水ではだめだということについては、会社と交渉するうちに、たびたびそれは厳重に申し入れてありましたが、それはずっと出ております。
#90
○高野一夫君 そうすると船山さんに確かめますが、十一月の先ほど堀さんの、そのお話の設備ができるそれまでの間も、引き続いてやはり白い汚水なるものは出ておったわけですか。
#91
○参考人(船山卯三郎君) 出ておりました。
#92
○高野一夫君 出ております……。
 堀さんに伺いますが、あなたは――その点が大事な点だと思うから、はっきりと私はよくわかるようにお尋ねを申し上げた。会社が作業を中止されておって全然白い汚水なるものをお出しにならずに、そうして十一月に新しい設備ができたから、初めて操業におかかりになったのか、それともずっとおやりになっておったのかどうかと分けてお尋ねをした。そうして十一月までは全然やらなかった、とめておったと、こういうお話、今の船山さんのお話とは完全に違うじゃありませんか、この点どうなんですか。
#93
○参考人(堀義雄君) 私の説明が不十分でありまして、白い水と申しますのは、江戸川工場が約三十年以前から運転を継続しまして、ずっと実は出ておるわけでありまして、それでことしの六月ですか、SCPの廃液が出ましたときに、この白い水もとめてもらいたいというお話があったわけでありまして、それは黒い、つまりSCPの廃水処理設備を、その当時は、そのときの考え方では八月の末に処理設備ができるものと、実はそういうふうに確信しておったわけであります。そのための沈澱池を設備するが、それを認めてもらえば、同時にその白い水の浮遊物が減るという意味のことを申し上げたわけでありまして、その点は……わかりませんか。
#94
○高野一夫君 私の質問に答えて下さい。よけいなことはいいです。御答弁願います。
#95
○参考人(堀義雄君) つまり白い水はずっと前から流れておる。
#96
○高野一夫君 私がお尋ねしていることは、あなたが先ほど十一月に新しい設備ができて、それを使い始めた、こう言われた。それまではそれじゃ作業をストップさしておられたのか、継続して相変らず船山さんのおっしゃるような白い廃水をお出しになっておったのかどうかということにしぼって伺っておる。それでも作業を続けておったのか、相変らず白い水が出ておったのかおらなかったのか、それだけ御説明願いたい。
#97
○参考人(堀義雄君) 矢沢取締役に説明さしてよろしゅうございますか。
#98
○高野一夫君 その点はあなたに……。あなたはきょうは木下社長にかわってどんなことでも私は答弁ができるとおっしゃった。そこであなたは、経営者最高の責任者でしょう、だからそれまで作業をおやりになっておったのかこの点を私は伺っておるに過ぎない、これが技術者でなければわかりませんか。
#99
○参考人(堀義雄君) 簡単に申し上げますと、ずっと続けて三千年来の水は出しておりました。
#100
○高野一夫君 そうするとあなたは先ほど私がお伺いしたときに、機械の設備の利用、その前についてお尋ねして、これは船山さんのお話を伺う前にあなたがお話になったことと、今のお話とは全く違っている。あなたは白い汚水が有害であるかどうか、これはまたあとでお尋ねしますが、夏前の当委員会において問題になった頃の、あのままの白い状態の汚水をずっと排出されるような作業を続けておられたかどうか、こういうお尋ねをした。やっておらなかったとあんたおっしゃたじゃありませんか。速記録調べればわかる。それで、十一月に初めて新しく設備ができて、それで初めて操業をやって、今度はそういう汚水は出ておらないというような意味のことをおっしゃっている。私ははっきり記憶している。そうすると、船山さんのお話と違うから、船山さんに確かめてみると、船山さんは、そうじゃない、相変らず夏前までの状態が続いておったと、こう言う。そしてまたあなたに確かめれば、今度はそうだったとおっしゃる。一体何をわれわれはあなたにお聞きして、そしてどの御説明が本物であるかどうか、何べんも何べんもこうやって時間をつぶして確かめなければ、一々ほかの人に伺わなければあなた方のおっしゃることに信頼が持てない。こういうようなことじゃ困ったものだと思う。こんなことは木下社長に――この前にもそれだから、私は木下社長においでを願いたいと思ったわけです。木下さんが来る前には、やはり違ったうその説明をおっしゃった。それで私は委員長席からどなった。そしてまたあとで豹変をされて正しいことをおっしゃった。今のあなたの御説明もその通り。そこでそれじゃ私は今度は東京と千葉県の部長、課長、どちらでもけっこうでありまするが、夏前の状態のままでずっと白い汚濁した廃水が流れておった、こういうことについて監督官庁である都庁並びに千葉県庁においては、どういうような処理をなすっておったわけでありますか。それは差しつかえないのだ、ちっとも害毒がないから差しつかえないのだ、漁民は騒ぐけれども、差しつかえない、こういうようなふうでお見のがしになっておったのであるか、また事実さしつかえないから、そういうことを干渉する必要もない、こういうふうなお考えでおられたかどうか、東京都と千葉県の方から一応一つ承わっておきたい。
#101
○参考人(関晴香君) 白い水につきましては、やはり沈澱物が――これは三十年来操業しております、白い水が流れておったわけでありますが、やはり沈澱物が実地調査の結果相当認められましたので、やはりこれを除去する設備を設けねばならぬ、というふうに会社側とも折衝して指導して参っておったわけでございます。
#102
○高野一夫君 千葉県どうです。
#103
○参考人(鈴木等君) 私、その当時まだ現職になかったものでありますので、同道した水産試験場区長に代弁さしてよろしゅうございましょうか。
#104
○委員長(小西英雄君) けっこうです。
#105
○高野一夫君 どうぞ試験場の方でけっこうです。
#106
○参考人(鈴木等君) 東京都と同じ見解でございます。
#107
○相澤重明君 関連して、私から参考人にちょっとお尋ねしたいと思うのですが、本院の六月三十日のこの決算委員会に出席をされてこういう御説明をしておるわけです。「先ほど御説明申し上げた中に、問題点として三つあげたわけでございます。そのうちの白い水と申しますのは、おそらく大正十一年の作業開始以来やっている抄紙の排水の問題じゃないかと思っております。それにつきましては浮遊物の除去と、結局繊維が入っております。それからPHの問題と、二点あると考えております。それでPHの問題につきましては、これは割合に技術的に簡単でありまして、アルカリを入れて除去いたしたい。それからもう一点の浮遊物につきましては、沈澱池が今度できておりますから、それと切りかえによって、これは対策がとれるだろうと、こう考えております。」これに対して私が「そうしますというと、大河原さんの言うことは、沈澱池によって、そして今度はそういう白い帯のようにずっと流れておるあの沈澱物というものは、大体なくなると、こういうお考えに立って、これらの措置で大体間に合うというようにお聞きしてよろしゅうございますか。そうでないというと、これは単に設備をしたというだけで、形だけでは私はこの問題は将来もやはり問題が起きてくると、こう思いますが、調査の点については、十分そういう点が、ただ単に黒い水というだけでなくて、今あなたのおっしゃった繊維、あるいは浮遊物というようなものについても、十分調査をやってもらいたいという私ども希望を出しておいたんですが、そういう考え方に立って、今のこの沈澱設備というものは完成をしたものだと、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。」参考人大河原春雄君は「今のお話の通りでございまして現在私どもが問題にしておりますのは、実は黒い水も白い水も一緒になりまして最後まで一本になって出ておるわけであります。その最後に出ました一本になっておる液を問題にしておるわけでありますから、当然白い液も含まれているというふうに解釈しております。」こうあなたは答弁されておる。従って本院における私どもの質問の要旨というものは、あなたは十分御承知のはずであります。今の本州製紙の堀専務の答弁に対して東京都はどういう指導をされておったのか、あなたの指導をされておったという、先ほど関さんですか、御答弁をいただいたのですが、当時この私どもの決算委員会に対する御答弁に対してどういう指導をされておったか御答弁をいただきたいと思います。
#108
○参考人(大河原春雄君) 御答弁申し上げます。
 先日の委員会のあるいは繰り返しになって恐縮かと存じますが、御承知のようにこの工場の悪水と申されておりますのが、初めにこの工場が操業の当時にはパルプを持ってきまして、抄紙をしていた、それに新しく今度設備してそのバルプを作る作業がふえたわけでございます。パルプがふえて参りますと、そこに茶褐色の水が出てきた、それでその二つが重なりまして、それが海に流れて魚が死んだ、こういう現象を来たしております。それで初めのパルプを作る作業以外の今までの作業につきましては、大正年間、工場が設立されて以来ずっと操業を続けてきております。従って、それに対しまして、従来別に焦が死ぬとか、あるいはそういう状況がなかったわけでございます。そこで今度新しくパルプを作る作業につきまして、こういう問題が大きく浮び上ったわけでございます。それで私どもといたしましては、工場に対しまして、新しくパルプを作る作業、すなわちSCPの廃液を出す作業の中止の勧告を出したわけでございまして、さらしの水、あるいはまた簡単に言えば白い水に対しましては注意はいたしておりますが、それに対する中止命令は出してございません。従ってそれに対しましては、パルプの作業と同様に十二月までにぜひ完成するようにという強い要望をしておるという状況でございます。従って会社としては、ドラムパーカーの作業はやめておりますが、白い水を出す作業については鋭意それが少しでも無害になるように準備をしておると、こういうように承知をいたしております。
#109
○委員長(小西英雄君) ちょっと関連をして、委員長から指導部長に今の答弁について私がお尋ねをしたいのですが、指導部長は水産関係の何か技術者ですか、それについて御答弁願いたい。
#110
○参考人(大河原春雄君) 私は建築技術者でございます。
#111
○委員長(小西英雄君) 建築技術者が今の答弁からいうと、いかにも現在までのものには全然害がないというふうな答弁をしておるが、そんなことは君の学識から出ているのか、常識で言うのか、その点について聞くんだが、それについて水産庁長官の奧原さんから御意見を伺いたいのであります。
#112
○政府委員(奧原日出男君) 私は、製紙の工程及びパルプの工程において出て参ります水の、その水自身の有害成分の問題と合せて、その水の中に包含されております繊維質というものが、これが漁業に対しては非常に大きな悪い影響を与える。しかも特に繊維質の被害は、これは非常に緩慢でございまして、しかもこれが堆積して腐敗して水中の酸素量を食う、ということに相なりました際の回復が非常に困難であります。そういう意味におきまして、今後、われわれ目下水質の汚濁防止に関する二つの法案を、すでに衆議院の御承認を得、目下参議院に出しておるのでございますが、これらの運用に当りましては、水質基準の判定に当りましては、当然そういう製紙あるいは抄紙工程から出て参りますものにつきましても、十分注意をいたして参りたい、かように考えております。
#113
○委員長(小西英雄君) 続いて委員長から一言申し上げたいのでありますが、当委員会におきまして前任の委員長からこの問題を引き継ぎ、事態の重大性にかんがみまして、私ども委員長といたしまして、この問題についてほかの製紙会社等の実情を、遠くは九州の日南の方に至るまで調査して参りました。かつまたこの江戸川工場、本州製紙の工場にいたしましても、さっそく私たちが調査に参ったのでありますが、その後全く誠意があるかないか、こういうふうな問題を取り上げたままになっておる。委員長の方から東京都に対してもあるいは本州製紙に対してもいろいろたずねたのであるが、だれ一人行くようなことを言って説明にも来なかった。なおかつ現在問題になっておる何十年来やっておるこの製紙の汚水も、これはきわめて毒害があるということについては、各会社においてもちゃんと発言をしておる。日南工場においても、現在の本州工場が今日までやり来たったような汚水処理の程度じゃない、相当進んだ設備をしてなおかつ漁民に相当な補償を払っておる。この事実から徴しまして、現在の堀参考人が冒頭に言った、私委員長といたしましての考え方から、今度の設備が、技術者からいってもそれほど丁寧なものが必要じゃない、というくらいのことをした、と言うがごとき言辞は、もってのほかの問題と私は委員長として考えておる。自来、日本の零細漁民あるいは日本の水産資源が侵されつつあったが、この焦点に出るまでには何ら社会的に見捨てられてきたのであるが、われわれ当委員会のいろいろな諸般の調査の事項から重大視して汚水の問題を法的に規制して、そうして日本の漁業資源並びに零細漁民を助けようという決意に、政府も議会もなったのでありまして、今日のいろいろな諸般の事情を伺いまして、まだまだ本州製紙、あるいは指導に当っておる東京都、千葉の各担当官についても、もう少しこれを勉強しなければ、ここでしろうとばかりの委員会と考えて、われわれが、この問題について相当日夜研究し、しろうとながら、技術的ないろいろな本を取り出して調べた結果から臨んでおるのであって、ここで東京都の建築指導部長が、それには何ら毒害がなかったというふうなことは、もってのほかの発言であると私は思うのであります。今後もう少しこの答弁については、自分たちの意見で、こういうふうな発言について慎重にその担当の発言ができる人から、その専門的な立場から、それを答弁願いたいとこう希望いたしておきます。
#114
○高野一夫君 今奧原長官からお話があった通り、当時われわれがお話を伺い、吟味した内容を思い出しましても、この排水が有害であるということは、化学的の薬物の含有いかんにかかわらず、繊維があるとかないとかいう、そういう物理的な状況が非常に影響があるということは、その当時すでに話が出ておる。千葉県庁からも、東京都庁からも、関係者がおいでになってその問題について十分触れられておられる。水産庁からも御説明があった。そういたしますと、その昔ながらの白い汚水なるものについては、十分やはり今後取締りを厳重にして、なるべく早くその繊維なら繊維、そういうものが十分に濾過されたる排水をしなければならない、そういうふうに千葉県も指導するし、東京都も指導する、こういうふうに言明されておる。会社も一日も早くそういう沈澱層と申しますか、何というかそういうような繊維類なんかを排除して、水を流すように一日も早くしなければならぬということを当時言明をされておる。それが今のお話を伺うと、東京都も千葉県の方の話もどうもわれわれに、今委員長の話もあったけれども、ぴんと来ない。とめてはいないという程度のことであって、まあ新しい設備を促進させることを督励をしておったというような程度であって、会社に至っては、これは昔のままのことでありまして、ちっともかまわないというような、まあそこまでもおっしゃらぬけれども、そういうようなふうに聞こえるような御説明であった。そうすると、繊維質がたくさんあって、いろいろな魚介類の死滅に、非常に悪い意味に役立っている。こういう事態がはっきりしているのに、その白い汚水というものをそのまま会社がほったらかしておけば、取締り官庁もほったらかしておく、私はそういう現状だと思う。そうしてようやく十一月に、一部できたのか全部できたのか知らぬけれども、できたというお話であって、まあそれまでいろいろな御苦心があったでありましょうけれども、こういう点についての認識というのか、考え方というのか、われわれが心配しておるよりもはるかに軽く皆さんがお考えになっておるのじゃないかしら。こう思うのですが、この問題について、私は別に高知県の例を引いて、あとで水産庁長官に伺いたいと思うのでありますけれども、その江戸川の白い汚水について、もう少し一体どういうようにしなければならぬという考えを持っておられるか、もう一度堀さんに御説明願いたい。
#115
○参考人(堀義雄君) ただいまのお話よくわかりました。お話のように白い水、――この白い水というものは非常に複雑でありまして、繊維で白くなるか、あるいはその中へ使いましたクレー、白土でございますが、白土はコロイド状になって流れますので、これは幾らか乳白色をしておる。繊維につきましては完全にとれるという、白土は多少コロイド状のものが流れるというような状態で、現在まずいいんじゃないかと、こう考えておるわけでございます。いかがでございましょうか。
#116
○高野一夫君 この前も話が出たのですが、江戸川の下流から浦安の行徳のあの周週に非常に繊維の沈積層ができている。それは千葉県庁からも東京都庁の方からも調査の結果御説明があった。そこで会社に私は見に行きました。浦安まで詳細に視察に、貝のとれる辺まで……。そこで、貝なら貝というものが生息できないほどそういう繊維類がたくさん堆積しておる。それが長い間かかった、あなた方のおっしゃるいわゆる白い汚水によるものだということは、この前も千葉県庁からも東京都庁からもお話しになっておる。そうするならば、薬物の害毒はないでありましょうけれども、すでに現在のそういう害毒を与えているそういう白い汚水に対して、何とか早くどうにかせなければならぬというお考えは、もっと切実にお持ち願っていいのじゃないか、こういうふうに私は思うからあなたのお話を聞かしていただきたい、こう申し上げておるのです。
#117
○参考人(堀義雄君) ただいまの御質問の通り、私どもは慎重に考えて、目下やっておりますから、御了承をお願いいたします。
#118
○高野一夫君 とにかく六月のままの状態が少くとも十一月半ばごろまでは相変らず続けられておったと、こういうふうに考えて差しつかえありませんね、私どもは今までの皆さんの御説明からすればそういうふうに了承いたします。もし違っておりますならば、違っておる所を御訂正を願いたい。あなた方のお話を聞いておると、六月のままの状態で十一月まで来ておったということが察せられる、そういうようなことがあったとまず判定いたしましょうも
#119
○岩間正男君 関連して。どうですか、堀さんにお伺いしますが、今の問題を確認されますか。つまり事実有害だということは、今水産庁長官もはっきり証言された、もう事実がそうです、調査の結果もそうなっておる。そのことについてあなたたちは有害でないということを今まで言われておったのですが、しかしこれは根拠はないと思う。従って、この点についてはっきりあなたが確認されるかされないか、これは非常に重要です。この点についてお伺いしたい。
#120
○参考人(堀義雄君) ただいまの御意見は、私は六月以降現在まで流れておることは確認いたします。しかしこれは三十年来ずっと流れておりましたので、誠意をもって目下設備をしておるということを御了解願いたいと思います。
#121
○岩間正男君 そういうことを言われるから、かえ玉の専務さんじゃだめだと言っている。当委員会で何回かこれをやったんですから、六月に。そのときやっぱり有害だということは今、相澤委員があげた速記録においても明白だし、証言も調査も全部明白ですよ。そういうものに対して、これは監督官庁の方にもいささか責任があるのですが、これは中止命令は出していない、白い水については。黒い水については一応出したけれども。こういうことで非常にあいまいな解決になっておる。これは別問題として別に追求するとして、今の問題をあなたたち確認されないのでは話にならぬと思う。三十年来やっているからそれでいいんじゃないかということは話にならぬと思います。これが有害だということをはっきり認められるか認められないかということによって、今後のこれに対する対策がすべて変ってくるのじゃないですか。しかし依然としてあなたたちは、二十年来やっているのだから少しもこれは差しつかえございません。こういう態度で進まれるのであったら、これは問題にならぬ。われわれは別な方法を考えざるを得ない。従って、これを確認するかしないかというところが一つの大きな分岐点になっている、明白にこの点について決意をもってお答え願いたい。それは専務さんからお答え願いたい。
#122
○参考人(堀義雄君) ちょっと相談してよろしゅうございますね。
#123
○高野一夫君 私は、堀さんあなたを相手にしてきょうはしゃべっている。あなたはどんなことでも社長にかわって答弁すると最初あなたは誓約なさっている。それならば、われわれがお尋ねしている疑問にたえないことに対して、あなたはよろしく自分で説明をなさらなければ、何も機械のことやいろいろな化学的なことは伺っておりません。そこで私は今、相澤委員からも話がありましたが、私は白い汚水というものは有害であるということはこの前に打ち出している。その有害であるという打ち出された白い汚水が、そのまま少くとも十一月の半ばに新しい設備ができるまでは相変らず流されておった。会社側もこの点については平気で流しておったし、東京も千葉県の方もこれに十分の監督指導が届いておらなかった、こういうふうに私は確認しますぞ、こう私は申し上げた。そこで、岩間委員は、その通りそれじゃ確認してよろしいか、と言ってあなたに改めて尋ねているのですから、これはあなたはやっぱり誠意をもって御答弁にならなければ……。私はあなたの答弁はもう要らないと思う。私はそう思わざるを得ない。あなたは何とおっしゃってもそう思わざるを得ないけれども、岩間委員は別個の立場で、もう一ぺんそれを確認するかどうか、こういって聞いておられるのだから、それは、岩間委員に対する答弁は堀さん自身がなさらなければおかしいと思う。私はそう思い込んでいる。私は要りませんよ。
#124
○参考人(堀義雄君) 先ほど申し上げましたように、六月から十一月まで流れておることは間違いございません。しかしこれは突如として六月に起きた問題じゃなくて、前から流れておるということを私は申し上げたばかりでありまして、この点は一つよろしく御了解を願いたいと思います。
#125
○岩間正男君 依然として、あなたはこれは有害でなかった、こういうふうに考えておられるということですか。
#126
○参考人(堀義雄君) 有害であるということの認定は非常にむずかしい問題でありまして、これは一つ、この場で私は認定することはちょっと困難であると思います。
#127
○岩間正男君 非常に重要なことを言っておると思います。当委員会はいたずらにむなしく日を費したわけじゃない。これについて研究調査、さっき委員長から発言がありましたように、半カ年にわたる調査をしておる。それからその道のとにかく専門家であり、責任を持っておる関係者もこれは非常に有害である、しかもこれは黒い水のように急激にこない、緩慢である、その影響は徐々にきておる。そういうことは、沈澱層が非常に深くなって魚介類なんか生存できない、こういう点からはっきり立証されているのです。それでまた東京、千葉の人たちもこれは否定はしていない。ただ処置について非常に怠慢なところがあっただけの話だ。そうすると、あなたたちだけが有害でない、こういうふうに判断しているのですが、そういうなんですか、いろいろな努力の結果はっきり出た結論、当委員会でも半年前に非常に論議された、そうして結論が一応出て、そうしてはっきりした決議までされたこの問題について、あなたたちはあくまでそういう態度をとられるのですか。この点について明確に御答弁願いたい。
#128
○参考人(堀義雄君) これを有害と断定する――さほど量によっては、あるいは稀釈度によってはどうなるかというような問題が付随してきますので、その点の判定が非常にむずかしいのじゃないかと申し上げたわけであります。
#129
○高野一夫君 堀さんにあらためて伺いますが、あなたはきょうは社長の代理でお出かけになるについて、この前の当委員会における速記録、そのほかすべてお読みになってお調べになっていらっしゃいましたか。あなたの社長が、あるいは工場長がここでお述べになったこと、そのほか関係の各官庁がいろいろ説明されたこと、組合がいろいろ説明されたこと、そういういきさつを全部速記録によってお調べになって、そうして今日この席においでになったのか、あるいはそういうものはごらんにならないで、突然おいでになったのか、それを私は伺わなければならない。
#130
○参考人(堀義雄君) 読みましたが、――全部読んで参りました。ここに事柄によってはあるいは忘失されているところがあると思いますから、一つその点はもしありましたら御指示を願いたいと思います。
#131
○高野一夫君 私はこういう方々を相手にしていろいろ質問しても始まらないのですよ。あなたの説明ならば、この前の委員会をもう一ぺん再現しなければならない。白い水がどうであった、こうであったという――千葉県の水産部長も見えて質問があった、われわれはそのほか学問的にも相当論議をかわしているのです。それをまたあなたはもとへ戻して白い水についての会社側の見解をあらためてお出しになれば、この前の決算委員会の最初に戻ることになるのです。あなたはお読みになっているとはとうてい考えられません、速記録を。
#132
○小柳勇君 質問いたしますが、十一月に、その白い水をなるべく害をなくすために設備しておく、するとか言われましたけれども、その点について明確に御答弁願いたいと思います。
#133
○参考人(堀義雄君) 十一月の中ごろに、終局的な設備の一部が完成されましたので、それをもちまして、沈澱物を、繊維を除去しております。
#134
○小柳勇君 それはどのくらいの経費をかげて設備されたのか、概算でもいいから御答弁願いたい。
#135
○参考人(堀義雄君) 全額でございますか、その部分でございますか。
#136
○小柳勇君 全額、繊維についての総額です。
#137
○参考人(堀義雄君) お答えいたします。約一千六十万円です。
#138
○小柳勇君 一千六十万円の多額の費用をかけて白い水のなるべく害をなくそうとする、その会社のそういう考えは今専務さんが言われたように、その水がもっと試験しなければわからぬようなものであるならば、会社がそれほど金をかけて設備をするとは、われわれとしては常識上考えられないが、そういう問題についてどういうふうな御見解でそれだけの費用をかけてお作りになったか、答弁願いたいと思います。
#139
○参考人(堀義雄君) 実はSCPの設備を増加して、排水は従来よりも濃度が上がる、いろいろの条件が悪くなるというときに至りまして、繊維はできるだけ排除しなきゃいけない。もちろんSCPの処理も十分やりたいという見解でやりましたわけでございます。
#140
○小柳勇君 三十年来ですね、この白い水が出おった、そういうことであなたは、白い水についてはさほど会社としては漁民に対して責任があるような感じを、今なお持っておられないようでありますけれども、そういうものをとにかく漁民その他の人に対して、設備をして害を少くしようとしておるわけでしょう。そういうものであるならば、なんでそういうふうに白い水は害であるということをお認めにならないのか、その点わからないわけだ。その点を、従ってその白い水については水産庁などの認定のように害がありますと、そういうようなあなたのはっきりした考えをここで述べておいてもらいたいと思う。
#141
○参考人(堀義雄君) もちろん私らは使った水をできるだけきれいにして返してやるという考えで進んでおりますので、今申されたような事柄はできるだけまあ設備をして皆さんに返したいと……。
#142
○小柳勇君 東京都の経済局の方に質問いたしますが、この資料の十月の十五日のところ、誰が誰に質問してこういうふうな答弁をされたのか、この十月の十五日のところだけを御説明を願いたいと思います。
#143
○参考人(関晴香君) その内容の細かい点につきましては、当日出席いたしました水産課長が参っておりますので、水産課長の方においては詳細承知していると思いますが、私が当日出席しておりませんので、私からちょっと答えられませんので、かわりましてよろしいでしょうか。
#144
○委員長(小西英雄君) ただいま御要求により、東京都水産課長多田稔君が関参考人の発言を補足して説明するのを、許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○委員長(小西英雄君) 御異議ないと認めましてさよう決定いたします。
#146
○参考人(多田稔君) 十月の十五日という今御質問でございましたですね。これは会社の方でかなり設備の内容が具体化して参りましたので、まだ設備は完成いたしませんが、いろいろ研究室で研究されました結果、どの程度の排水の性質になるかという、排水の内容をお示しになったわけであります。それでわれわれの予定しておりますような排水の質になるかどうかということを非常に懸念いたしまして、それでその排水でかりに一応いいとすれば、排水溝ではそういう状態にあるけれども、河川に入った場合には河川の流量が多いからそれで薄められる。薄められるとすればあるいは相当害が緩和されるのじゃないかというような点が論議されたわけです。従ってそういう点をここに後段に書いておりますように「稀釈率が問題となるから調査せねば分らぬ」そういうことを「答弁あり」というのは千葉県と東京都の水産担当の技術官からそういうふうな意見を出したわけであります。「答弁あり」というと少し表現がまずいのでありますが、そういうことが問題になるからそういう調査をしたいということであります。
#147
○委員長(小西英雄君) 重大な件で、今の会社側の答弁でわれわれにちょっとはっきりしないのだが、東京都なり千葉県の専門的な立場の人も来ておるので……、私が調査した見解からいくと、三十年流しておった現在の汚水も相当な魚介に悪い影響を及ぼして害があると、私の見解……。もう一つはそれにさらに莫大な被害を及ぼすのは、すなわちSCPという紙の特殊製法による薬品を使ってやった場合には、その数倍する害が出ると、こう二つに分けて考えるので、三十年来流しておった水が相当に魚介類に影響を及ぼしておることは、私の見解では事実だ。さらに新しく設備しているSPGの方法でやる場合には、それから出てくる汚水というものは、それより数倍する強い魚介にショックを与える、あるいは死滅さすというふうなあれなんですが、その見解について東京都あるいは千葉県の見解を尋ねる、二つの点について。私の見解は、今までやっておったのにも相当な害がある。ただし今浄化設備を特に作って、そしてこれを水を清めるという一つの問題をやっているが、その二つにわかれると思うのです。そのあとの問題は莫大な損害を与えるから、これについて浄化設備をしようというのが会社の見解。この二つにわかれているわけなんで、それについて東京都と千葉県の専門的立場から……。現在の私の考えは現在流れているものでも相当な被害がある。さらにまたこのSPGの製法によって相当な、それよりかなり害が出ている。この見解を明らかにしてもらいたい。
#148
○参考人(関晴香君) 三十年来の白水につきましては、先ほどもお答えいたしましたように、これは沈澱物がたまりますと魚介類の生息に非常に影響があるということで、このちょうど黒い水の問題が起きましたときに、これと一緒にこの沈澱物の処理についても除去しなければならぬ、というふうに会社側に要望して参ったわけでございまして、東京都側といたしましても、これは水産資源に害ある水というふうに当時から認めているわけでございます。
#149
○岩間正男君 ただいまの見解をとっていながら中止命令を出さなかったのはどういうわけですか、白い水について。これは建築局ですか、これはどういうわけなんです。
#150
○参考人(大河原春雄君) それにつきましては、十一月あるいは十二月末までに沈澱物その他の設備ができるから、それまでに中止する、三十年来やっておりますから今すぐやめる必要はない。十一月にそれらの貯水池その他が完備しますから、それまで留保してもよろしいというわけで、中止命令を出さなかったわけであります。
#151
○岩間正男君 これは当委員会の決議を忠実に、あなたたちは履行する、という立場に立たれてやったとお思いになりますか。そういうやり方は。
#152
○参考人(大河原春雄君) その点につきましては、東京都の経済局あるいは千葉県と打ち合せをいたしまして、今直ちにその水の作業を中止する必要がなかろう、という見解に達した結果、命令を出したわけでございます。命令じゃございません。勧告を出したわけであります。
#153
○相澤重明君 これは東京都の、先ほどの関さんですかの御意見と、今大河原さんの御意見は若干違いますね。東京都の中でそれは違う。前の関さんのお話は、やはりこれは白い水でも有害と認めるからこれを直すようにという考えをあなたはとられた。今度は大河原さんの方は、いやこれは三十年来もやっているから、これはまあその十一月に機械の設備ができれば、除去できるのだというから、そのくらいの期間ならば差しつかえなかろうということでやっておるという、今のあなたの御答弁と、そうすると明らかに東京都の中であなたは経済局ということを言っておるけれども、あなたは建築の立場でお話になり、関さんの場合とこれは意見が違う。これははっきりしておる。今、速記録を調べてみれば、その点ははっきり食い違っておる。
 それからいま一つ。先ほどから、私ども各委員が言っておるのは、参議院の決算委員会において、この本州製紙の問題をとりあげて、しかも決議まで行われておることを、関係の都県においてどのように具体化をするか、こういうことは、非常に私は大きな問題であると思います。そのことが今の御答弁を聞くと、実は、国会の決議、あるいは国会からそういうふうに言われたということについては、あなた方はあまり考えておらない。こういうふうな表現に私はなっておると思います。そこでこれは奧原君にお尋ねをしなければならぬが、先ほども委員長からお尋ねがありましたが、あなたは、水産庁の長官として、この大きな問題になったことについて、東京都や千葉県の水産課の人たちと、どういう打ち合せをされたか、その報告を受けたか、そのことについて答弁をいただきたいと思います。
#154
○政府委員(奧原日出男君) 私は、東京都及び千葉県庁から、時々この問題の進展についての報告を部内において聴取させ、また私自身もその状態の報告を受けておりまする次第でございます。ただ補償の問題につきましては、先刻来るる関係者から述べましたように、非常な認定の困難な点もあり、また被害者の中で足並みのそろわない点もありまして、今日まで年をこそうとしておるのに、具体的に額及び配分方法についての解決を見ていない、ということを私は非常に残念に思いますのであります。また製紙工程から出ます悪水の問題に関しましては、実は、現在の国の法律において、正面からこれを取り締ることが困難であるのでございまして、そういうことで、当委員会の決議をも体しまして、御承知のごとき法案の準備をし、まさに数日中に法律として両院の御承認をいただける段階に相なっておるのでございますが、白い水に関しまして、結局これを直ちにとめなかったということにつきましては、実は、現在の法的な権限がそういうところまで、今直ちに発動し得ない、こういうふうな状況に国の法律としてはございましたのでございます点と、もう一つは、確かに私が申し上げましたように、一般的には、そういう水は非常に有害な成分、繊維質等の來雑物をも含んでおるのでございますが、今直ちにこれをとめるということにつきまして、従業いたしております労働者の問題等の点もございましたので、できる限り早く沈澱池等の設備を作りましてこれを浄化してもらう、こういう方面を急いでいただくということで、直ちにとめることを見合せておりました次第でございます。そういう事情でございますが、なお、監督が非常に不徹底でございました点につきましては、これはおわびを申し上げます。
#155
○相澤重明君 私は奧原君に法律上のことを云々しておるわけではない。こういう不備な点があればこそ、われわれはこの前も六月に私が申し上げたように、私どもは水質汚濁防止法案というものを昨年も準備した。しかしそれが残念ながら通らなかったために、こういう問題が起きて、そうしてついにそれこそ全部の国会議員が、衆議院も参議院も、また政府も一緒になって、これは一つ早く通そうじゃないかということになったわけです。またそのことをあなたは推進をされてきた。だから法律云々の問題ではない。これだけ国会で大きな問題になって、それでしかもそういう禁止事項まで含まなければならぬ、というところまでいく情勢というものを考えた場合に、当然、国会の決議というものがあれば、政府のあなた方として、指導監督の任にある場合には、これを地方自治体にもその通り指導されたと思う。またあなたもそういうふうにお答えになっている。そういう点でこれは禁止云々の問題ではなくて、少くともこれについては誠意をもった指導監督というものがなされておったものと私は理解をしているわけです。
 ところが、先ほどの東京都の話を聞いてみると、それは今の経済局か建築局か知らぬが、とにかく二人の意見はまことに違っている。しかも私どもは現地を調査し、あるいは他の面も見なければそういうことは別に言わない。先ほど委員長も言ったように、私ども実は前高野委員長のときにこの問題を取り上げて、そうしてこの夏、暑い盛りです、私ども九州まで委員長、理事、ともに全国を回って、調査をしてきている。そうして流されている繊維というものの不純物がいかなるものであるかということも、われわれはこれを立証しておる。だからそういうことは決して単に一片の言葉によってわれわれを納得させようったってできやしない。これは私どもは国会の議員として調査権を発動してやっている。
 それにもかかわらず、しかも私が特に不満なのは、先ほどの東京都の連絡が不十分である点だと思う。これは先ほど関さんが、どういう立場であなたが答弁できなかったのか知らぬが、少くとも本院のこの決算委員会で、このことが論議されるという、あなたは参考人として出席を求められている。半年前にわれわれが国会で決議をしたことに対して、東京都が忠実に行うならば、たとえば千葉県の水産課と東京都の水産課長と打ち合せをされようと、あなたはやはりその監督者たるべき部におる方だと思うのですが、そういうことは当然打ち合せをされて、本席に出席されるのが私は当然だと思う。しかも大河原君と関君との間の意見は全く違っている。こういうことに対しては、先ほどの高野前委員長の意見ではないけれども、非常にこれは問題にしなければならない問題です。
 もう一つは、先ほどからの答弁を聞いていると、いわゆる本州製紙の堀専務の答弁というものは全く前後している。これは少くとも会社側を代表して、そうして国会に対して誠意をもって答弁しているとは私は思えない。このままで継続して審議を進めることはできませんよ。
 委員長、これは今までの答弁の経緯から考えれば、私はもっと意思表示をして、国会の決議に対してどういうふうにするのか、この点を明らかにしなければ、これは各委員の質問した通り、ばらばらの答弁です。これでは幾ら漁民の諸君が話をしたところで、その補償を彼らがしようとしないということはよくわかる。これでは生活がたまらない。こういうようなことをやるなんていうことは、全く私は不遜きわまる問題だと思う。
 こういう点で、この際休憩してこの取扱いをきめよう、私は休憩の動議を提案します。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#156
○委員長(小西英雄君) ちょっと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#157
○委員長(小西英雄君) 速記をつけて。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#158
○高野一夫君 堀さんに伺いますが、会社側が被害補償として四千万円ということを打ち出されたことは新聞にも出ておった、一週間か十日前に。それで話が折り合いがつかなかった。それでまた東京都ですか、千葉県の方ですか、四千万円というお話があってこれはメモしたのですが、四千万補償をしよう、こういう話を会社でおきめになって、組合側なりあるいは都庁、千葉県庁、どちらでもいいのですが、お申し出になったのですか、それは事実でありますかどうか。
#159
○参考人(堀義雄君) ただいまの御質問にお答えいたします。
 漁場の被害というものは、確かに把握するということは……
#160
○高野一夫君 私が伺っているのは、四千万円ということで会社で御相談がきまって、それを提示なさったかどうかこの点を聞いている、理由は言いません。
#161
○参考人(堀義雄君) いたしました。
#162
○高野一夫君 そういたしますと、その四千万円というものは、どういうような根拠で四千万円というそろばんをおはじきになったのであるか、十分に被害状況を調査なさってその程度であると判定なさったのか、それとも被害はもっとあるのだけれども、会社の経営状態その他でやむを得ないでこの程度でがまんしてくれ、こういうようなことで四千万円という数字をお出しになったのかどうか、その点を簡単でけっこうですからお話し願いたい。
#163
○参考人(堀義雄君) 先ほど来お話がありましたように、被害の認定が非常にむずかしいのでございまして、が、しかしいたずらに日にちを過ごすことは非常に申しわけない、委員会の決議に対しても申しわけありませんので、当社といたしましても補償額の算定についてはいろいろ研究しまして、一つは現在の紙業界の不況下におきます当社の経営状態、また一つには業界全般の事情を考慮いたしまして……理由を御説明しますと、金額は最初は三千万円を提案した。しかし関係者の御納得がいただけませんから、やむを得ずさらに一千万円を増額した。こういう事情でありまして、どうぞ一つこの組合の皆様との共存共栄の気持から増額したことを御推量下さいまして、何とかこれはやっていただきたい、そういう理由でやりました。
#164
○高野一夫君 そういたしますと、会社としては、適当な金額というのは三千万ということでお出しになった。それで四千万円はまあいろんなことでおまけしたようなものだ、こういうことになるわけですね、お話では。そういたしまして、それは会社の経営状態もいろいろ勘案されたでありましょう。これは当然のことで文句は申し上げません。それからまた業界のいろんな実情をいろいろ調査をして、ということでございまするが、それはたとえば行徳とかあるいは浦安方面の一日、あるいは一カ月通算のそういう漁獲高、そういうようなことからの判定でありますか。それともあなた方の方からお出しになった排水による被害がどういう程度と、こういうような考え方からその業界の事情というものをお考えになったのであるか、どっちなんですか。
#165
○参考人(堀義雄君) 私、意味が不明瞭で申しわけありませんでした。業界全般の事情ということはわれわれ製紙業界の意味でありまして、先ほど申し上げましたように、被害の状況の把握が正確につかむということは、なかなか困難であるということで、これを推定することは非常にむずかしいという意味であります。
#166
○高野一夫君 そうするとまことに私は聞き違いだったわけで、業界というのは水産業界のいろいろな事情かと踏んでおったのですが、あなた方の一方的の業界の事情によって判断なさった、そうして一方の被害側というのは調査、判定、算定がむずかしいから何とも言いようがない。しかしながら三千万円という金を一つ出そう、おまけ一千万円、こういうことであった。ところで当時われわれは東京都と千葉県に対しまして、この被害補償については両都県が十分中に立ってあっせんをしてもらう、そうして被害額の算定、それに対する補償額の算定、こういうようなものについて十分研究協議して中に立ってあっせんの労をとられるべきである、こういうことを申し上げてお約束ができた。この点につきましてどういうふうにその後の……東京都と千葉県の先ほどからの御説明では、被害額を調査したけれどもどのくらいであった、こういう御説明は何にもなかった。それでどういう程度の被害額である、という御調査ができたかどうか、東京都と千葉県両方から伺いたい。
#167
○参考人(関晴香君) 被害額の算定につきましては、両都県十分連絡してやるということで連絡をいたしまして、両試験場でいろいろ算定の方式等を話し合いまして、そうしてそれぞれ各都県で計算をしたわけでございまして、あくまでもこれは一応参考資料として何らかの数字を用意しておかなければ、間に立つことは不可能であるという見方から作ったわけでございます。一応その結果は出て参っております。
#168
○高野一夫君 それを御発表願います。
#169
○参考人(関晴香君) 今公開の席上では、今後私どもが中に入ってあっせんの労をとる上から、これを発表した方が解決が早いか、あるいは長引くかというっようないろいろな考慮をいたしました場合、まずこれは発表しない方がよかろうという見解に達しておりますので、ごかんべん願いたいと思います。
#170
○高野一夫君 漁民は非常な被害があると言い、しかも生活に困っておる。そうすると、それには自分たちのいろいろな従来の漁獲量あるいは今度の損害、いろいろ算定をされての要求であそう。その要求が適当であるかどうか私はよくわかりません。あるいは妥当であるかもしれないし少いかもし九ない。そういう点で算定を下していろいろあっせんの労をとってもらいたいということで、東京都と千葉県がなさったわけです。漁民が生活に困る、生業に因る、それでどれだけの被害があるということをなぜ役所が発表してまずいのですか。それを発表して組合側にも納得させ、そうしてあの周辺の被害が何億なら何億、何千万円なら何千万円である、そのものについて会社がどれくらい出せ、じゃそれが出せぬからこの辺で生けておこうという話になるのです。被害を都と千葉県が調査をされて、被害額を発表することが、今後の調停あっせん上まずいことがあるかもしれぬという考え方は、私はこれはおかしいと思う。そういうことになればもしもここで要求をして、あなたが御発表にならなければ直ちに証人喚問を要求いたしましてそこで証言を求めます。当然当奏員会といたしましては決議をいたしております、被害額の算定、そうしてその被害補償についてのあっせん、これは東京都と千葉県にお願い申し上げる、という当委員会の決議をいたしておりますから、私は、当然被害額の算定があなた方の方である以上は、これは御発表願わなければならぬ。
#171
○岩間正男君 関連して。今の額は、われわれは、あなたたちが政治的に、それからあっせんのために工合が悪いということなどじゃなくて、実際少くともあなた方は科学的な方法を用いられてその実情を調査して、また漁民のいろいろな要求も聞かれて、その上に立って決定されたのだと思う。その数字を出すことは何ら差しつかえないと思いますね。あんな政治的になって、調停そのものだけやってくれというのでないんで、われわれは事実の上に立ってただ一つの見解をここで明らかにしてもらいたい。それがなしに、あなた方が中に入ってそんな変なことばかりしておったんじゃ問題の解決はできない。だから、これは証人喚問の必要を待つまでもなく、とうにあなたはその数字を発表されるだろうと考えるのです。これは発表してほしい。そんなことはこれは当然ですよ。三つ子でもわかることだ。
#172
○高野一夫君 先般の当委員会の決議を廃棄しない限りは、われわれはその数字の発表を要求いたします。その決議がちゃんと文句にも出ている通り、被害の調査算定は速急に一つお願いするということをきめてある。あっせんを願う。そういうことでいろいろ言明を得ております。速記録を十分一つ調査していただきたい。だから組合側の要求が過当であるかどうか、また会社側の三千万、四千万があるいはまだこれが多過ぎるかもしれないから、そういう点について当委員会がいろいろ心配をして、あと結末を早くつけていただきたいと、こういうことで憂慮しているのに、その適当な被害額というものがわれわれにっかめないということでは、われわれの意見の出しようがないじゃありませんか。この点については、もしあなたが東京都における立場上、職責上それは発表してはいかぬという上司の命令があるならば、それは本日はやむを得ないかもしれぬけれども、絶対に御発表願わなければならぬように必ず当委員会でいたします。それだけは申し上げておきます。それでもなおかっこの委員会で御発表にならない、御発表ならなくてもいいですよ。ならなくてもいいから、それはあなたの役人としての立場もあろうと思うから、あなたの独断で発表のできないというような立場にあなたがおかれているかもしれない。従ってお帰りになってそうして相談をされてその上でもけっこうです。必ず聞かしてもらいます。どうせ商工委員会に工場排水と水質保全の両法案がかかりますから、そのときまた当然皆さんにも参考人か証人としておいで願いたいと思っているくらいです。当決算委員会においても、本日のような審議の状態では問題にならぬから、もう一ぺん的確な証人喚問か何かやってもらわなければならない。委員長に要求しようと思っているくらいであります。そうなりましたら必ず、いやであっても、どんな申し合わせが東京都にあっても発表なさらなければならない。こういうことでございますから、きょうはあなたの立場をいろいろ私も考慮いたしまして、お帰りになって、そうしてどうしてもあの数字を発表しなければなるまい、ということで協議をなさって、あなたの立場上、独断でいろいろ発表してしまって、何だ、こういうふうにあなたがほかの方面から文句、おしかりを受けないような方法を講じておかれるその時間を待つことにいたします。千葉県の方においてもしかり。その上で都庁、県庁に十分に一つあなた方の状態――やむを得ず発表しなければならない立場に皆さんが――関さん、大河原さん、鈴大さんがおかれてきたんだ、こういうことでお帰りになって御相談なさって、そうしてあなたの立場を一つよく了解してもらって、次の適当な機会に、必ず近い機会に御発表願うようにいたしたいと思います。その間の時間的余裕は差し上げたい。
#173
○相澤重明君 高野先生からそういうお話があるけれども私は、六月二十日の本委員会において、やはりそのことをあらかじめ皆さんに申し上げておいた。これは参考人の江藤彦武君が「私、いまの御質問につきましては、主管の事項ではないのでありまして、御答弁するのはどうかと思いますが、せっかくの御質問ですから、知事のお考えをここに御披露申し上げたい。知事は御存じのように河川の、ことに御指摘のありました大川の汚濁につきましては、非常な関心を持たれまして、今年度から向う五カ年にわたりまして、相当の予算を組みまして、隅田川を中心にしたものを清浄化をはかりたい、こういうお考えを持っておる次第でございます。」云々、ずっといきまして、「被害の問題に対する問題につきましては、昨日知事と打ち合せて参りましたので、一応東京都の態度をここに御披露申し上げたいと思います。この解決方法として二案ございますが、これを全般的な大きな問題といたしまして、政府機関及び東京都、千葉県あるいは学識経験者を入れまして、その機関によってこれを裁定する方法と、具体的なこの事件に関係のある東京都及び千葉県、本州製紙、関係漁業組合の方々によるところの機関によってこの善後措置、もちろんその善後措置には補償も含むわけでありますが、」云々、こういうふうにして、私が「資料を提出をしていただきたい。」ということに対して、当日平島敏夫君が理事で委員長代理をいたしまして、「資料の提供、よろしゅうございますか。」これに対して川上参考人「提出いたします。」こういうことで、ずっと被害額、あるいは国家の助成額、こういうものについて明らかに議事録に載っておるわけです。従って、これはもう六月のことであります。で、高野先生の、まあ若干の日をかすのはいいというけれども、一体また半年くらい先にいくのかどうか。これではもう生活権を脅かされておる人たちはたまったものじゃない。従って、今かりに時間をおくとするならば、どの程度をあなた方はお考えになっておるか。年内にやろうとするのか、あるいは来年のまあ選挙でも終った後にやろうとするのか、そういう点を一つここであらかじめあなた方の責任ある態度で一つ御相談をされて答弁を願いたい。それで、もしそれができなければ、私はまあせっかく高野先生のお言葉であるけれども、これは本日の委員会で証人喚問をきめて、やはり具体的に年内でも私はやる、そのくらいにしなければ、関係者は私はやはりおさまりつかぬと思うのですよ。そういう意味で、私は東京都なり千葉県の担当者の方が、一体今日まで準備をされておることが発表ができないというのは、あとどのくらいの期間をおけば発表ができるのか。その点を概算でけっこうですよ、言ってもらって、もし言えなければ、これはもう参考人からやはり証人喚問に切りかえる、こういう方法でいきたい、こう考えます。
#174
○高野一夫君 ちょっと補足しますが、私が時間的の余裕を差し上げるというのは、その時間的の余裕はわれわれの方できめるのです。あしたでもあさってでもいいのです。ただ、もうすでにある程度の調査算定ができておるのだ。それをこの席で発表するのは調停上いかがかと思う。こういうお話があるから、あなた方は一応役所に帰って相談なさい。あるいはあした要求するかもしれない、あさって要求するかもしれない、その時間はこちらの方できめますから一ヵ月、二カ月、半年とひっかかることは毛頭ありません。そのつもりで私は要求を委員長理事打合会にいたします。そのつもりでおります。(「了解」と呼ぶ者あり)
#175
○委員長(小西英雄君) なお委員長からも、大体東京都の方からの発言だと思いますが、補償の問題についてもだんだん了解点が近いような話があったのでありますが、もう一つ補償の面から逆に申し上げますと、先ほど東京都だったと思いますが、一応魚介類が非常になくなって、そうして漁民の方々が非常に困られた、この困られた際に、ちょっとのつなぎ資金についても五千万円出した、というふうなことをさっき聞いたのですが、ちょっとのつなぎ金に五千万出して、さらにこれは本補償とかいろいろな問題になると、そういう算定から見ても、今の両方から出ておるあれがきわめて幅が広いのですか、どうですか。近く妥結の模様が見えるのですかどうですか。関参考人から一つ、金額を表示しなくてけっこうですが、それはだいぶ話し合いが近寄っておるのですか、お尋ねいたします。
#176
○参考人(関晴香君) 東京都下の組合につきましては、近く妥結する自信を持っております。
#177
○委員長(小西英雄君) 千葉の方はどうでございますか。
#178
○参考人(鈴木等君) 先ほど、当初に申し上げましたが、非常にむずかしい問題でありまするので、しかし相当年月も過ぎておりますから、私の方の四つの組合も解決できる方からやろうというのでございます。知事との相談でそういうふうな方向へ向っておりまして知事の意向では一つだけどうしても――一つだけというのは、三つの組合を称して一つということに私どもの方では考えておるわけですが、その方を年内に片づけたい、こういうふうに考えておるのであります。
#179
○委員長(小西英雄君) なお、当委員会としても申し上げたいことは、非常に漁民の方が零細であるために、年末も迫って、追いつめれば、困っておるから、少々価格が安くても手を出して飛びついてくるというふうなあっせん方だけは、東京都においても千葉県においてもしていただきたくない、われわれ当委員会では、やはり公正妥当な線で、製紙も大事であるしまた県も同じ立場から、公平に判断いたす立場におりますので、特にそういうものを年末にやれば解決が早いというがごときことは、毫も東京都、千葉県においてはなさないと思いますが、私たち当委員会が、この六月にこの世論の歩みを受けてそのままほうったらかしておくのは、当委員会の趣旨でないので、非常に年末で、皆さん方も多忙でもあるし、当委員会でも非常に多忙なところを、皆さんに来ていただいて、解決への火をつけるために、われわれ当委員会を開いた次第でありますので、そういう点を十分一つ、あっせん役その他水産庁等においても、この際十分な努力をして、納得のいく線で一つ、解決をはかるように努力されんことを望んでおきます。
#180
○高野一夫君 資料要求――東京都と千葉県から被害の調査の経緯は、どういうふうな調査をしたか、それからその結果、被害額、それを秘密文書でけっこうでありますから、親展で委員長の手元まで資料を提出されるよう要求いたします。
#181
○委員長(小西英雄君) 東京と千葉県の参考人諸氏に申し上げますが、その資料について、よろしゅうございますか。
#182
○参考人(関晴香君) 被害調査方法並びに経過等におきましては、御即答できますが、その結果につきましては、一応、本日はちょっとお受けいたしかねるわけでございます。
#183
○高野一夫君 受けられない……。
#184
○相澤重明君 本日は受けられない、こう理解していいですね。本日は、その結果については受けられない、こういうことでありますから、そういうふうに理解していいですね、本日は受けられないと。結果についての発表は、本日は受けられない、こう理解してよろしいですな。
#185
○参考人(関晴香君) 本日できないと申しましたのは、私独断ではいたしかねるので、この場で言えない、こういうことであります。
#186
○相澤重明君 そうしますと、これ以上は、本日やっても仕方がない、あらためて、先ほど高野委員の言うように、委員長理事で打ち合せをして、この取扱い方をきめたいと思います。委員長においては、この程度で、きょうはこの問題は、打ち切ってもらいたいと思います。
#187
○委員長(小西英雄君) 本日は参考人の皆さん方には、非常に年末多忙なところ、長時間わずらわしましたことについては、まことに恐縮いたす次第でありますが、各委員間の空気から推して、本日は、この問題については一応この程度にとどめることにいたします。なお、後日の問題については、委員長理事打合会によって決定することにいたしたいと思います。K1
#188
○委員長(小西英雄君) 次に、日本航空株式会社管理運営の状況並びに航空交通事業に関する件について質疑を行います。
 本件に関して御出席の方は、参考人として日本航空株式会社取締役副社長松尾静麿君、日本航空株式会社常務取締役経理部長湯地謹爾郎君、全日本空輸株式会社専務取締役中野勝義君、全日本空輸株式会社常務取締役鳥居清次君、なお説明員として運輸省航空局技術部長関口規矩二君の諸君であります。
 本件に関しましては、去る六月、第二十九国会において航空交通の現状について調査を行なったのでありますが、その後も、航空事故が発生した関係もあり、その後の状況特に航空の安全交通に対する処置について、参考人から事情を聴取することになったのであります。
 このようなわけで、参考人の方々には、御多忙中のところ御出席をわずらわした次第であります。
 では、これより審議に入ります。まず参考人の方から、十分程度簡単に御説明をしていただき、のちは質疑を通じて明らかにしていきたいと存じます。
 では、まず日本航空株式会社取締役副社長松尾静麿君から、御説明を願います。
#189
○参考人(松尾静麿君) 日本航空株式会社の松尾でございます。本日は、私たちに安全航空につきまして発言の機会をお与え下さいましたことを、厚く感謝申し上げます。
 この前六月だったと思いまするが、その節、安全航空につきまして、私からも、ある程度御説明申し上げたのでございます。本日、もう一度ここで、十分間程度御説明申し上げたいと存じますが、この飛行機を安全に飛ばすための条件といたしまして、政府が分担する分野と、われわれ航空業者が分担する分野と二つの分野が私はあると思います。政府の方で分担される分野は、飛行場なりあるいは航空路あるいは気象通報あるいは交通管制、こういう面の設備運用が完全にいかなければいかぬ。これは政府で分担される航空安全に関する分野だと私思います。
 われわれ航空運送業者が、安全を確保するためのいろんな事項は、まず第一に、私たちは、飛行機が非常に安全であるという、飛行機自体の性能その他が安全である、並びにこれの整備が完全にいっている。それからもう一つは、パイロットが非常に技術が優秀であらなきゃいかぬ。この三つだろうと思うのであります。
 そこで、私たちは、日ごろから心がけておりますことは、大きな事故というものは、一つの原因ではなかなか起らない。二つ三つの原因が重って大きな事故になる。これは世界の事故の統計が現実にそういう統計で示しております。そこで、私たちは、このでき上ったいわゆる運航の責任者であるキャプテン、こういうものの技量が、会社できめました一定の技量に常に保持されておるかどうか。これをやはり規則通りに半年ごとに、厳重なチェックをやっていく。こういうことをやる必要がある。それから、運航に関しましては、運航の規定というものを詳細に作りまして、これを運航に際しては厳重に操縦士に守らしていく。こういうことが絶対に必要。それから、整備に関しまして、これは整備の施設並びに整備員の技量の向上、潤沢な部品の補給、それから、この整備をやりますための整備の会社で作りました厳正な規定を日ごろから厳正に守らしていく。こういうことが絶対に必要だと思っておるのであります。
 私たちは、こういう面につきましては日ごろから、ふだんからこの運航の規程、それから、整備の規程、こういうものを順次改訂いたしまして完全なものになしまして、おのおのキャプテンなりあるいはコーパイロットあるいは整備員とか、おのおのその規程に従って日々を、確実に整備なり運航をやっていく。これを日ごろから実施する。こういう方針を立てまして、現在もそれを実施中であります。
 そこで、この前ここで、お伺いいたしまして説明いたしました以後あるいは全日空が事故を起しました以後、私たちが自発的に日本航空会社として措置をとりました事項も、若干ございます。それを申し上げたいと思います。
 これは一つは、この夜間飛行に当って飛行場でない場所に事故のために不時着をする場合は、照明弾をわれわれは備えておりまして、照明弾を落して、照明弾によって不時着をする。こういう規則になっております。その照明弾を、これが不発のものがあっては工合が悪いので、あの事故後二回ぐらい夜間、飛行機を飛ばしまして照明弾の確実性を実験をしたということが一つ。それで確実にこれが照明弾としての効力を発生するように悪いものは新品に変えていく。こういう実験をやって、規則を改正したということ。それから東京は、日本航空会社の、羽田はメイン・ベースでございますが、地方の大阪、札幌に部品の増強をやりました。もう一つは地方の、大阪、それから福岡、札幌に整備の技術員を若干補強していった。それから、各地方におりますディスバッチャー、これは運航管理者でございますが、これの一そう技量が向上するように、東京に集めまして二週間の再教育を施した。それから、もう一つは東京以外の地方におります整備員を海外からも要員を集めまして、東京で再教育をやりまして技量の向上に努めた、こういうことをその後実施いたしまして、なお一つの組織といたしまして、操縦士のいわゆるチーフと申しますか、私たちの方では主席操縦士と言っておりますが、一番操縦士のトップの者、それの支配下にライン・コージネーター、これは技術屋でございますが、この技術屋のグループをその指揮下に置いた。これはなぜそういうことをいたしましたかと申しますと、運航から帰って来たキャプテンが下りると、途中で工合が悪い所があった、それをキャプテンから技術屋がすぐ聞きまして、そしてその故障の個所を直接聞きまして、これを整備関係に連絡をして確実に直していく、こういう技術の連絡係りと申しますか、こういう組織をパイロットの指揮下に入れる、これは今までそういう組織はなかったのでございますが、些細な故障でも、あるいはそれをそのままにしておきますと、将来非常に大きな故障になり得るというような場合もありますので、特にパイロットの傘下に入れて、あるいは運航から帰ってきた操縦士から、直接その技術屋が情報を聞いて完全に故障の個所を直していく、こういう組織を作ったわけであります。
 以上のように、こちらにお伺いしました以後、そういう安全航空に対する措置を私たちは講じております。それ以外、この前御説明申し上げました通り、日々この安全航空のためには、パイロットの再訓練なりチェック、それから整備、日々の整備なり訓練を確実に守っていく、こういう方針で現在やっている次第であります。
#190
○委員長(小西英雄君) 次に、全日本空輸株式会社専務取締役中野参考人に御説明願います。
#191
○参考人(中野勝義君) 先般の当委員会におきまして懇切な、しかも適切な御注意をいただいたにかかわりませず、八月十三日下田沖におきます重大な事故を惹起いたしまして、貴重な多数の犠牲者を出し、また国民の皆さん方に非常な御心配と恐怖心を与えたことに対しまして、重ねて衷心からおわびを申し上げる次第でございます。
 本委員会におきまして御注意を受けまして、われわれは、さらに事故の絶対絶無を期しまして努力いたしたのでありますけれども、不幸にして下田沖の大事故を起し、また引き続き二、三の事故を出したということに対しまして、何ともおわびのいたしょうもない次第でございます。これにつきまして、この事故後に、私どもがいかなる対策をとったかということを御報告申し上げまして、御了承を得たいと存ずる次第であります。
 本事故発生後、事故に関します関係役所その他の調査、取調べ等の事情が引き続き起りましたので、整備能力の低下を来たしては相ならぬと考えまして、私どもは直ちに伊藤忠整備航空会社に依頼いたしまして、十二名の整備員の派遣を請い、整備員の能力の低下を防いだのであります。同時に、当時運航をしておりました月間飛行時間約二千九百時間でございましたが、この時間を漸次セーブいたしまして、運航の余力、整備の余力を持つべく漸次運航時間を減少いたしまして、現在飛行時間は月間一千八百時間に減少いたしたのであります。こうして運航の過重を軽減いたしますと同時に、整備工場の拡充、試験装置の設置、また運航におきましては、従来運航部で整備と運航を両方兼ねてやっておりましたのを、これを二つに分けまして、おのおの独立部門として強化をいたしました。同時に、本社機構におきましても、補給部門を新たに独立いたしまして、部品の厳格なる確保、補充に努力をして参っております。また技術的な密接な援助を日本航空会社――われわれの先輩でありますし、また整備も充実しております日本航空会社並びに日航整備の協力を得まして、現在五名の技術者の派遣を願いまして、検査部門を担当していただいて、事故を未然に防ぐべく努力をいたしております。また操縦部門におきましても、従来もただいま松尾副社長からお話がありましたように、操縦士のチェックはやっておりましたのでありますけれども、これをさらに強化いたしまして、わが社の査察操縦士のみをもりてしては不十分な点があり、また公平を期する、また一般の信用を得るという建前からいたしまして、日航の優勢なるキャプテン・クラスの査察操縦士六名の派遣を願って操縦士のチェックに厳正を期しまして、再教育、再訓練に九月以来白聖人の努力を続けております。また整備施設といたしましても、従来東京におきます旧施設は四百九十坪の整備工場でございましたが、これを二千三十五坪のスペースを持つわが社の現有の飛行機を整備する工場といたしましては、十分余裕のある工場施設をなしたのであります。また大阪におきましても、従来百三十坪の整備工場でありましたのを七百六十五坪に拡大いたしました。またこれらの整備拡充につつきましても、さしあたり概算約一千六百万の予算を直ちに計上いたしまして、入手できるものから、直ちに設備いたしまして、この六月中には完備するべく努力を続けております。
 また航空専門家の委員会を常設いたしまして、随時会議を開きまして現在のところ、月二回でございますが、開きまして、技術的なアドバイス、指導を受ける機構も設置いたした次第であります。操縦士の訓練施設としてリンク・トレーナーを新設充実いたしまして、この訓練も、あわせて行なっております。
 事故後におきます対策の概要でございまするが概要をただいまのように御報告申し上げまして、漸次御質問によりましてお答え申したいと存じて、おります。
#192
○委員長(小西英雄君) 次に、関口航空局技術部長に御説明を願います。
#193
○説明員(関口規矩二君) この前の委員会のあとのことにつきまして、御説明申し上げます。九月の中旬から下旬にかけまして、私の方で随時実施いたしておりました安全性向上検査というのを、全日空の全面にわたりまして実施いたしました。その結果、運航面、技術面、整備面、そういった面につきまして、不備な点がございましたので、それを改善するように指示いたしました。その内容につきましては、こまかく申し上げますと非常に時間をとりますので、項目的に申しますと、たとえば運航面では業務管理、それから運航管理、運航規程の順守、それから救急用品の整備、万一の場合の救難作業に対する規程類の製作あるいはランプ作業――ランプ作業と申しますのは、飛行機の置いてございます、出発前に置いてあります、その場におけるいろんな作業、それから乗組員――乗員とか、あるいは客室乗組員、そういう人たちの再訓練、こういった面につきまして、こまかく勧告をいたしました。技術面、整備面におきましては整備要員の強化増強、もう少し人をふやさなければいけない、それから検査の部門を強化する、それから仕事をもっと円滑にやるために組織を変更する、それから機材の関係では、前にも申し上げたと思いますが、機種の統一といいますか、計器類の配列あるいはスイッチのボタンであるとか、そういったものの配列の統一化、次には運航整備のためのいろんな規程、整備規程というのを作っておりますが、そういったものを、あるいはそれの記録、そういったものの整備の仕方、それから最後には整備施設の問題、こういった面につきまして勧告をいたしました。
 なお、ただいま中野参考人からお話がございましたように、運航ダイヤにつきましては、先ほどのお話のように、現在は非常に以前と比べまして月間の総飛行時間というものを抑制いたしております。これによりまして、安全運行のための対策を立てていただくようにいたしまして先ほど中野参っ考人が申されましたように、逐次これを実施いたしております。
 なおこれは前にも申し上げましたが、九月二日航空安全対策懇談会というのが結成されまして、十一月の十四日に最後に答申をいただきました。もちろん現在のわれわれの能力におきまして、安全のためのあらゆる努力はいたしておりまするが、まだ不足しております。いろいろ、われわれ不備な点を御指摘いただきましたので、この懇談会の結論を実行に移すべく努力いたしておる状況でございます。
#194
○委員長(小西英雄君) 以上をもって、説明は終りました。
 これより質疑を行います。御質疑のある方から、順次御発言を願います。
#195
○高野一夫君 全空輸の関係者に伺いたいのでありますが、当決算委員会において、この春、どうもこういうような状態では、今に何かひどい遭難事故が起るぞと、何となくそういうわれわれ実感を持ちまして、当委員会で問題を取り上げて、日航、全空輸の責任者においでを願って、特に操縦訓練、機体整備の問題につきまして、いろいろ質問も各委員からなされ、また詳細な御説明を伺ったわけであります。そのときに両社の責任者の言明によりますと、操縦訓練においても、機体整備におきましても、万全を期しておるのであって、ほとんど何ら疑義は、われわれ心配する必要はない、こういうような意味の御説明であったわけです。それでも、なおかつ私どもは、特に私は納得のできない面を感じておったので、当委員会の決議といたしまして両社に、この際一段と、現在十分になされておるであろうけれども、操縦訓練、機体整備に十分御注意願いたい、こういうような強い警告を当時発したのです。ところが残念ながら、一ヵ月半たったらば、下田沖で事故が起きた、これにあわせて八月二回、十月に三回、大小それぞれ差はありますけれども、全空輸によって事故が発生をしておる、十月二十六日にも、なおかつこういう事故があるというようなことでございまして、これでは、どうも私どもは安心して全空輸機に乗るわけに参らぬような感じがまだ強いのであります。
 自来私どもは、失礼ながら全空輸の会社の飛行機にはほとんど乗りません。私はしょっちゅう飛行機を使っておったのでありますが、この下田遭難事故の直後、急いで東京へ帰って運輸委員会を開かなければならない、こう思いまして、その翌日鹿児島におりまして、鹿児島から宮崎、伊丹まで、それが一回と、鹿児島から博多間を乗っただけでありまして、日航機は乗りましたけれども、残念ながら全空輸には乗る気がしなくて、非常に実際のところは、不便を感じておるような次第であります。これがせめて下田沖で一回で、あとは済んでいるならば、まだともかくとして、引き続き十月の下旬に至るまで事故が発生しておる。こういう事態については、機体の整備とかいろいろ操縦訓練をして、自分で十分注意してやっておるとおっしゃっても、われわれ乗客あるいは国政を審議する立場からいきますれば、安心をして、はあそうですが、こう申し上げるわけには、まだ今のところ参りません。航空局の監督のいろいろな方法もあろうかと思いますけれども、これは一体どういうことなのでしょうか。こんなひんぴんと事故が起っておりまするが、当時下田沖の直後に運輸委員会におきまして美土路社長、ほか運航部長の方においでを願って諸事いろいろ質問を、私も詳細に質問申し上げたけれども、われわれの満足できるような御説明、御答弁を得られなかったわけだ。そこで他日を期して、また運輸委員会か決算委員会で、あと始末その他についてもお伺いをしなければなるまいと思っておったわけであります。
 きょうはもう時間が前のいろいろの問題でおそくなりまして、時間がなくなりましたが、この十月にも三回も起って、八月に二回、こういうようなことについて、どういうふうに私どもは、これを受け取って感じたらよろしいものであろうかどうか、これを一つ全空輸の責任者から、われわれにわかるようにお話を願いたいと思います。
#196
○参考人(鳥居清次君) 全日空の鳥居でございます。
 ただいま高野委員から、いろいろこの前も御注意を受けまして、今回事故を起しまして何とも申しわけない次第でありますが、その後八月二十七日のダグラスの3型五〇二四であります。それから機長は三上、副操縦士竹中であります。この右の、これは原因は、通常八千時間まではさわらぬでもいいコックが、ちょうどガタがきまして、それを分解手入れしておる。その取りつけにおいてミスがあって浜松に不時着したような次第であります。
 それから十月十六日の大分、ダグラス3型の五〇一八、機長は野村、それから副操縦士は関屋であります。これは着陸の際に突風にあおられて横へ逸出をしたということでありますが、操縦士は岩国を出発する前、大分の風が、二十ノット前後吹いているので、あそこでだいぶ待ち合せまして、十五ノットに下ったので、岩国を出発しました。ところが大分の飛行場に行きまして、まだ二十ノット吹いているので、上空で二十分ほど旋回して待っておったのでございます。そうして下からの通信によりまして、横風十三ノットに落ちたというので着陸したのでありますが、着陸して車輪が着くと一緒に、突風二十ノット以上の横風で横へ逸出をした次第でございます。この場合は、乗員、お客さん、機体とも別段異常はありません。さっそく東京に空輸したような次第であります。
 それから十月二十一日のダブの双発機であります。五〇〇七号。機長は湯山であります。副操縦士加藤でございます。これは、NHKの取材飛行で雇われまして行きまして、大阪を出まして、船の沈没の写真をとりに行ったのでありますが、そうして大阪へ引っ返す予定のところ、NHKの写真師の人が、急に松山へ降りてもらいたいと言うので着陸をしたのでありますが、そのとき飛行場の上まで行きまして、各部をチェックして、チェックしている最中に、NHKの人が、もう一回回ってNHKの自動車並びに人が来ているか見てくれというので回って着陸したのであります。その間に脚をおろすのを機長が忘れた。それは機長の過失であります。
 それから、これはヘリコプターでありますが、十月二十六日深牧操縦士であります。北海道で、林野庁の借り上げでもって風倒木の調査飛行をやっておったのであります。そのときあやまって高圧線に引っかけた。そうして墜落したというのであります。現在深牧機長は入院中で、その事故の原因は、退院を待って調査いたしたいと思っております。
 以上、それだけであります。
#197
○高野一夫君 御説明をいただきましたが、資料も航空局から頂戴しております。それを見ましても、今の話を伺っても、どうも私は、乗務員の人たちが、何というのか、気持が弛緩をしておるというのか、ルーズというのか、そんなものがあるのではないかしらんというような気持がしてしようがない。脚を下げるのを忘れてしまった、目測を誤まってどうした、こうしたと。こういうようなことは、チャーターしようがどうしようが別といたしまして、人間が乗っておる飛行機で、こういうようなことがあるということは、実際どういうことかと思って不思議でしようがない。この前に、私が何か事故が起りそうだとわれわれが直観したゆえんのものは、そういうことを感じたからです。そこで操縦訓練はどうなっておるか、機体整備はどうなっておるかということをおいでを願ってお伺いしたわけでございます。特攻隊上りの乱暴ななにをやるのではないか、いやそういうことはない。精神が弛緩しておるのではないか、いやそういうことはない。私どもしばしばそういうような目に幸いにして、私はまだけがをしておりませんが、いろいろな目に会っておりますから、特に関心を持って、一日も早く全空輸の飛行機といえども安心をして乗っけてもらいたいと思うから、一つ、いろいろお願いを申し上げるわけなんであります。脚を出すのを忘れたり、目測を誤ったりというようなことが、ちょいちょいあるというようなことで、しかも一ヵ月のうちで三回もある。そういうことが、それは、まあ理由はいろいろ書いてありまするけれども、こういうふうにひんぴんと起るということが、一体どういうことなのかと、こういう点、それを私は気持悪がっている。
 それで、しかも事故のあと本委員会でいろいろ伺った。運航部長という方がおいでになったり、新聞にも出ておったが、ちょうど昭和十一年、十二年に、アメリカで生産された飛行機八台をお使いになっている。二十年前アメリカで作られた飛行機を現在全空輸は使っておる。これにも実際、驚きましたが、そのときに新聞にも出て、巷間にもうわさが出ておったことで、アメリカで二十五人しか座席がないものを、買うときには改造して三十人乗っけるように改造したという、こういう記事を見たことがある。話も聞きました。ところが今度は、いやアメリカ人は目方が重いから二十五人しか乗れないが、日本人は軽いのだから三十人乗っけたって大丈夫であるということが新聞なんかにも言われておった。その大丈夫であるかないか別といたしまして、美土路社長もおいでになりましたが、これはこの方に伺ってもおわかりになるまいと思ったので、運航部長に、その是非は別といたしまして、二十五の席があったのを、買ってから、あるいは買うときに三十の座席に作り直されたのであるかどうかということをただ一点伺ったところ、そういう事実はあるかないかは知らんと、こうおっしゃる。これにも私は、あきれたわけであります。知らんとおっしゃる。あなたは運航部長で、責任者が改造しなかったらしなかった、したならしたという、どういう履歴の飛行機であるかということを御承知なくて、全空輸の運航部長をおやりになるのですかということを私は申し上げたつもりです。こういうわれわれが質問をしまして、そういう御答弁をされたこと自体が、私はこういう結果になるのじゃないかしらんということを思うわけなんです。当時も十分私も注意を申し上げた。もう済んだあとでは仕方がないだろうと思って、最初予想して、御警告をしたのがだめになった。今済んで、繰り言を申し上げてもしようがないから、今後、ほかの委員の方々に質問を譲りますが、このような、一つ何とか、こんなような、もの忘れをして操縦されるようなことがあったりなんかしないで、安心して、私どもが長途の旅行に飛行機を、全空輸を利用することができるように、一つ、日本航空の方も協力をしていただいて、航空局も、もちろんですが、一日も早く、一つわれわれに安心感を持たしていただきたい。そうしてまた従来通りに全空輸を利用することができるようにしていただきたい。こう思っているのです。今後それが、できない限りは私は全空輸には乗らないつもりです。それで、残念ながら、やむを得ず、現在そういうような場合は、日航機のないところは汽車を使っているようなわけでありますから、いろいろ急ぐときにはまことに不便を来たしております。
 どうか安心感の持てる全空輸の操縦技術、整備あるいは飛行機そのものであっていただくように、一段の御努力をお願いを申し上げておきます。あとはこれ以上繰り言になっても仕方がありませんから、質問をやめます。
#198
○小柳勇君 私、別に質問はいたしませんが、全空輸の飛行機については、資料を見たように記憶いたしておりますが、乗務員並びに整備員の経歴その他については、私寡聞にしてまだ勉強しておりませんので、時期は急ぐ必要もありません。どうせ私ども一年間、あと決算委員をやりますから、なるべく早い機会に乗務員、操縦士と整備員の経歴その他参考事項を表にして、当委員会にお出し願いたいと存じます。
 以上で質問を終ります。
#199
○委員長(小西英雄君) 一言、日本航空の松尾副社長にお尋ねしたいのですが、非常に古くなった話で恐縮ですが、あの当時は、まだ日本が航空権を持っていなかったために――昭和二十七年でありますが、もく星号のときの操縦についてのあれが、どういうわけで山にぶつかったかということについて、何かその後明らかにされましたか。ちょっとお伺いしたい。
#200
○参考人(松尾静麿君) この原因は、あのとき非常にあいまいな原因になっておりましたが、……これは速記をとめてもらってよろしうございましょうか。
#201
○委員長(小西英雄君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#202
○委員長(小西英雄君) 速記を起して。
#203
○島清君 先ほどから、いろいろと事故の発生については率直に謙虚におわびを申されたので、さらに高野委員などが、もっと言いたかった口だと思いますが、そのゆえに多少闘志も鈍ったのではないかと思えたのです。で、私もそれ以上言う必要はございません。
 ただ事故の発生の条件の中に、松尾さんがいろいろと安全航空を保持するためには、二つの条件が必要であると、そこで政府側の条件、さらに業者の条件と、こういう工合に非常にうんちくの深いところを御披露になったわけでありますが、私もその通りだと思います。
 しかしながら、こと日本航空に関する限り、政府は半数の株を持っておりまするので、かなり、やっぱり航空事業の必要性、重要性というものを認めまして、この育成に当っておるということが、われわれにも、うかがえるのでございます。しかしながら、しばしば事故を起します全日本空輸ですか、これに対しまして政府が、どのような育成の施策をほどこしておられるかということは、私は寡聞にして承知をいたしておりません。
 そこで航空局の技術部長さんもいろいろとこれを航空安全を保持するために指令勧告をなされておられるわけでありますが、しかしながらこの指令勧告を忠実に、現実に具体化するためには、やはり資金というものが、かなり私は重要になってくると思うわけであります。そこで私は企業体の中に、この事故というものを皆無ならしめようとするのには、最も根本でございまするところの資金、こういうことについて、遺憾のない姿を作っていかなければならないことが不可欠の条件であると、こういう工合に考えるものであります。航空事業というものは、もちろん戦前は、日本も世界の一等国でございましたが、しかし敗戦になりまして、今松尾さんが申されたように、日本航空という名において経営されておるが、実態はノース・ウエストが持っておったというようなことで、ごく最近になって、私は航空事業というものが、日本人の手において、やや太平洋を渡る程度になった、しかも日本の国内航空につきましては、ほとんど、もう政府のほったらかし状態じゃないか、そういう工合に思えるわけであります。
 その理由がどこにあるか私知りません。たとえば国鉄が競争相手になるというので、あるいは政府はそれを助成しようとしないのか、そういう理由は、私たちはよく存じませんけれども、そこで、しかしながらその理由のいかんにかかわらず、私は、航空事業をますますこれを育成していかなければならない近代的な企業である、こういう工合に考えます。羽田の飛行場なんか、まあ東京都が世界一の大都会であるといって、人口の大きいのみを誇っておりまするけれども、しかしながら羽田飛行場あたりの飛行機の発着ぶりを見ますというと、ヨーロッパ諸外国の方へ参りますというと、三流飛行場にも劣るような状態であります。それでありまするというと、私は、世界の文明の状態からいたしましても、日本の航空事業というものをもっと高めていかなければらぬと、そういたしまするというと、やっぱり国内航空をやっておりまする日航さんであるとか、全日本空輸さんに、ますます企業を充実して発展をしてもらわなければならないということが、私は事故をなくする、航空安全を保持するゆえんであると、こう考えております。
 それに対しまして、おそらく航空技術部長さんも、異存がないと思いまするけれども、そうであるといたしまするならば、こういったような国内航空の助成について、どのような政府は措置をとられておるのか。この安全航空の保持という面と、この国家の助成ということとが、どういうふうに結びついて、そして国家の施策としてこれを遂行しておられるのか、さらに遂行されようとするのか、この点について御意見を承わりたいと思います。
#204
○説明員(関口規矩二君) 実は私、技術の面につきまして、毎日奔走しておりますので、ただいまの御質問についても、はっきり御返事申し上げたいのでございますが、御納得のいくような御説明ができますかどうか、ちょっと疑問に思っております。
 航空安全のためのいろいろな施策をするためには、もちろん資金面が十分でなくちゃいけないという点は、もちろんでございますので、この安全対策の懇談会の諮問の中にも、企業に関する事項というのがございまして、どういうふうな形で企業の形態を持っていったらいいかということにつきまして、いろいろ御審議いただきまして、経営、たとえば、日航と全日空が技術的の提携だけでなしに、資本的の提携をする。あるいは国内線だけは一つになっていく。そういった面で、政府が直接全日空に対して出資するということでなしに、間接にするというような面につきまして、いろいろ御検討をいただきまして、なおその面につきましては、局長初め皆さんで寄り寄り協議いたしております。
 このほかには、これは来年度の予算の要求になりますけれども、たとえば乗員の訓練をした場合に、訓練をしてある一つの資格をとったというような場合に、それに対する費用の一部を補助してやる。あるいは通行税の問題について、これを減免してやるとか、そういったような問題を、いろいろ現在、実施すべく努力中でございます。
#205
○島清君 国家が新しい事業を、そして国家的に必要な事業を助成して参ります場合に、国家自身が、その経営の衝に当るということ、そうじゃなくても、資本金を出すとか、あるいは補助金を出すとか、あるいはここに、企業体にかかって参ります公租公課を減免すると、こういうような措置があると思いますが、それらと、それ以外のうちご、どういうようなことにウエイトを置いて、その民間の航空事業の助成をはかっていきたいという基本的な方針をお持ちなんですか。
#206
○委員長(小西英雄君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#207
○委員長(小西英雄君) 速記を始めて。
 委員長から一つ資料の要求と、まあ質問みたいになりますが時間がありませんので、日本航空の方の考え方、現在国内線の一番主流をなしておる東京―大阪間が、依然二時間の飛行時間が大体かかると、東京都内から羽田までの間が一時間半以上かかるときがあるのだが、さらに伊丹から大阪へ一時間余、大体五時間を要している、われわれいろいろ経験から考えて。そうすると、今日の国鉄の「こだま」とわずかしか変りがなくなって、いろいろな切符等についても入手が困難な状態にある。このままで日本航空が国内の線を、何かもう少し飛行場の問題、たとえば、羽田を国際空港として置いておいて、あるいは軍が予定しておった東京都内のまん中に、――まん中でもありませんが、夢の島というのがあるのです。あそこに三十五万坪ぐらいの敷地が遊んでおるのだが、これらを何か利用して、国内線は、東京の一番築地に近いところにあるのだから、そういうものを予定して考えておるかどうか。
 そういう点が一点と、またローカル線について、全日空が事故発生以来、非常にお客が少くなっておると聞いておるのだが、われわれとしては、全日空が事故があったから、国内線は引き合わないからといって、順次縮められたのでは、現在日本としては困る。各県庁の所在地ぐらいは飛んでもらいたいというのが、われわれの希望なんで、そういう場合に、政府が、先ほど島委員が指摘したように、助成しなければならぬ。これは、国鉄でも非常に不便なところに、欠損はわかりつつ新線をすでに増強しておる。われわれ国鉄の増線もけっこうですが、航空の安全を期して、そうしてますます便利になるようにということを当委員会でも望んでおるわけなんで、そういう点を、やはり政府も補助するかわりに、検査も厳重にする。一応安定を与えるようにしなければならないが、そういう点から、先ほど高野委員が指摘したように、乗り手がなくなる。われわれも乗る気は、現在全日空にはないのだが、そういう点からして、現在の営利会社として出発したあれがどうであろうと、やはり日本全体のために、文明国家としての形態から、ぜひこれを増強してもらいたい。それには、もっと一つ胸襟を開いて、こういう点を政府はこう助成していただいたらいいとか、あるいは飛行場の点については、こうだというふうなことを一つ何か、――われわれ質問して即時御答弁もむずかしかろうが、航空当局においてはどういう考えで政府に当っておるのか。あるいは全日空から、こういうふうな何か線が出ているとか、そういう点についてもう少し……。
 特に、飛行機が戦前よりもむしろ長くなった、大阪1東京間が。この点について何か一つ考えられておると思うのです、われわれが考えるまでもなくてですね。
 そういう点について一つわれわれに参考資料として何か提出願えればけっこうですが。
#208
○島清君 それと関進をするわけですが、私は御要望申し上げたいと思うのです。やはり、もっと飛行機を盛んにしなければならないということの大前提の上に立ちまして、そうして飛行機に安心して乗れるようにしなければならないということで、そういうような立場での御要望でございまするが、それには、私はやはり新しい企業を育てていく、そうしてそういうものからは、税金はとらぬというような大きな襟度を示さなければならぬのじゃないか。さらに飛行場なんかも十分に余裕をもって使い得るようなりっぱな飛行場を国は作って、そうしてそれぞれの飛行機に使ってもらうというようなことについては、惜しみもなく私はやっていかなければならぬのじゃないか、そういうふうに思います。
 それから会社に、補助金を出すとかなんとかいうことは、私は少くとも、われわれ国民としては、そういう希望はしますけれども、しかしながら、さりとて一つの企業、一つの私の企業体ですから、それに補助金を出して、そうしてあげくの果ては、官僚と役所と結びついて、そうしてその企業が、何か役所との関係が強くなければ、運営ができないというような形の企業体のあり方というものは、私はかんばしくない、こういうふうに思いまして、補助政策なんていうものは、われわれは、私の企業に対しては、とるべきものではないんじゃないか、こういうふうに思います。それと同様に、やはり株券を持つとかいうことも、私は民間企業を育てていくという意味においては、私は、そうあわててとる必要はないんじゃないか、そう思います。
 さらに企業を育てていくという意味において、飛行場の周辺において国有地があれば、そういうものを優先的に使わせるとかいうようなことも考えられると思うのですが、とにかく国民感情が、良識の許す範囲内において、新しい企業に対しては、国家は惜しみなく助成の策をとってもらいたい。そしてヨーロッパ、世界に劣らないところの飛行機が、日本の空を飛んで、そして安心してわれわれが旅行できるというふうな措置を早く実現するように進めていただきたい、こういうことを要望しておきます。
#209
○相澤重明君 もう時間がないから簡単に。
 実は、日本航空にお尋ねしたいと思うのですが、国際線をだいぶふやしたわけですが、その後、収支の状況はどうですか。国際線で、もうかっていますか。
#210
○参考人(湯地謹爾郎君) 私からお答えを申し上げたいと思います。
 実は、この前の委員会の際に、私、ちょうど経理を担当しておりました関係上、経理面から見た航空事業というのは、どういうものかということを皆さんの御参考のために申し上げたと思います。それで国際線をやりますというと、しかも、それを拡張して参りますと、外地に相当店を置く。そうしてそこに人を雇う。そうすると給与のベースも大体外国並み、そうしてお客をとるために、外人を雇わなきゃいかぬということで、人件費がかさみ、従って事務所の経費もかさむということは、内地で店を開くよりは、当然考えられるわけであります。そのほかに国際航空は、御承知の通り、ある地点からある地点まで行く飛行機の運賃というのは、みな一定になっておりまして、どういうりっぱな飛行機を使っても、あるいはスピードのおそい飛行機を使っても、料金は同じだ。そういうことになりますと、勢いお客様が、りっぱな飛行機に乗るということになりますと、競争しております航空会社としては、それに匹敵する、対抗し得る飛行機を新しく購入して、それを運営しなきゃいかぬということになりまして、使えばなお使える飛行機も、下へ下げて、そうして新しい飛行機を買い込む。そういうことになりますと、やはり償却費とか金利とかというふうにかかるわけであります。それで実は、今年四月の初めから、日本航空が前から注文しておりましたダグラスDC7Cという飛行機を四機、約五十億円の金をかけて買った飛行機を運航し出しておるわけであります。そうしますと、収入は、御承知の通り従来東京からアメリカまで週五往復だったのを、最近はその飛行機が入ったおかげで、毎日運航をしておる。従って売り上げその他は相当増加しておる。しかし今のように店の経費も幾らかかかるほかに、その航空機の金利、償却というのが相当な額になりまして、この四機入ったことによって、従来に比べて金利、償却、保険料で年間約十億かかります。月約一億近くの経費がかかります。そういう関係上、実は今年の四月から九月までの大体仮決算をしてみますと、去年の同期に比べて、やはり、そのもうけ率と申しますか、これは相当、約四割くらい下っております。しかし収支の点については、これは仮決算でございますから、まだ最終的に特別償却をするとかというような問題がありますが、それを入れなければ、国際線においても、幾らかのまだ黒字になっておる状況であります。しかし、これは上期というのは、御承知の通り一番いい時期で、この下期がいわゆる冬枯れ時期、それを入れますと、やはり国際線について、しかもDC7C四機入れた初年度においては、年間を通じますと、やはり多少赤字になるのじゃないか、こういうふうに考えております。これはだんだん年数がたつに従って利益がふえてくる、こういうようなことになろうかと思います。
#211
○相澤重明君 この間、八月に私、実は日航で香港へ、ずっと行ってきたわけであります。同じ日本の金を使うなら、よその国の飛行機に乗りたくないというので、日航で行ったわけであります。そうして帰りには、外国ので来たのですが、こまかい点ですが、食事等についても、だいぶ違うのですね。これはやはりいま少し研究してもらいたいと思うのです。
 それから、やはり外人が乗る場合の、日本航空を利用する場合の、いろいろ趣味等もあると思いますが、この間は、ちょうど夏でしたから、はっぴを着せて喜ばしておったのもあったのですが、これはいい思いつきの点もあるけれども、外人のスチュワーデス等のサービス関係を見てみると、まだ私たち日本人の立場で考えて、いま少しやったら、外人を引っぱれないか。言葉は悪いけれども、外貨がよけいとれないか、こういう点を感ずるわけであります。一つ、この点については、外貨獲得の面では、航空関係は非常に重要な要素を持つと思うのです。従って、そういう点について、ぜひ御研究をいただきたい。
 私、運輸委員でもありますから、そういうことを少し比較してみて、あるいはスカンジナヴィアなり、エア・フランスなり、いろいろ乗ってみて、そういう点も、実は大へん日航はよくなったと、私は実は自信を持って行ったわけです。行ったのですが、サービス等の点については、まだ若干劣る、こういう点も一つ検討していただきたいと思うのです。
 それからいま一つは、従業員の、どうですか、いろいろ、ちょっと経理上の、この前お話をいただいたのですが、生活給について、いま少し考えられる点があるのじゃないか。私は率直に言って、パイロットやスチュワーデスの給料を少し上げてやったらどうか、こういう点を考えておるのですが、この点はしかし、あなた方の、こまかい点も、きょうは質問する時間もありませんから、私は、いま少し上げてもらいたいという気もするわけです。そういうことで、私も利用しながら、そういう点を感ずるところがある。
 これは日航に対するところの、国際線を持ったからには、できるだけ外貨を獲得して、日本から飛び立つものは、もう絶対に日航を利用させる、このくらいの矜持を一つ持ってもらいたい。それから向うから来る客も、できるだけ多くとる。
 その次に、どうですか、たとえば来年は、皇太子殿下の御成婚が考えられるわけですね。従って、一つ、同じ年に結婚される青年男女に、一つプレゼントを上げる、たとえば御夫婦で旅行される場合に、奥さんをただで乗せる、ただという言葉はなんですが、そのくらいの一つ、日航は国際的にやる考えはございませんか、どうでしょうか。
#212
○参考人(松尾静麿君) ただいまは、非常にごもっともな御忠告をいただき、ありがとうございました。
 大事な香港線の食事でございますが、これは仰せの通りに、非常にまずいのでございまして、これは重々われわれも承知しておりまして、近く一つ、香港の食事が悪い、それからバンコック、どうしても悪い、これは何とかもう少しよくしたい、こういう工合に考えております。
 なお、サービスは、これは日航がいいからという評判に甘えては、決して私たちはいけないと思っております。サービスは日々競争で向上していきますので、私たちはサービスが一番いいのは、やはりスイス・エアーじゃないかという工合に考えております。そこで、きょうも、実は重役会で相談したのですが、最近、スイス・エアーの最も優秀な、要するにパーサーでございますね、これを一つ三ヵ月かあるいは五ヵ月くらい招請をして、そしてサービスのやり方をもう一度研究をして、世界に第一流の一つサービスをやるようにしようじゃないかということも、実は協議しておったようなわけでございます。
 それから今の夫婦の割引でございますが、新婚の割引、これは最近、実は始めたのです。運輸省の許可を得まして、新婚の夫婦は、一割ずつ割引をするということで、りっぱなおめでたのチケットを入れる袋をつけまして、たしか写真を一枚飛行機の前で写して差し上げるようになっておりましょうか、最近始めまして、これは、非常に実は好評を博しておりまして、何百組という新婚夫婦が飛行機を利用していただいております。そういうわけであります。
#213
○相澤重明君 全日空ですがね、中野さん、声が大へんお苦しいようで恐縮ですが、私は、実は平島先生や小西委員長と一緒に九州へ行ったわけです、現地調査に、そこで一番感じたことは、やはりパイロットなりスチュワーデスの休憩時間、これは非常に私は大事じゃないかと思う。同じホテルに私は泊るわけです。ホテルの女中さんも、ずいぶん気を使って、パイロットさんのことだから、事故があっちゃいかぬというので、夜中に出発するにしても、非常に気を使っておるわけです。そういう点を考えると、やはりどうでしょうかね、ダイヤの面で考慮される点、研究される点があるんじゃないか。
 それと、日本航空にも言ったように、少し生活給を、これは何としても私は上げてもらいたい。これは私の希望ですよ。いろいろ方々世界各国のに乗ってみて、それから日本の航空を何とかよくしたいと、こういう意欲にかられると、いま少し待遇をよくしてもいいんじゃないか。待遇をよくしたから、職員の給料を上げたから、私は会社が赤字になるとは考えない、これは議論のあるところでしょうが、私はそう思う。そういう意味で、これは一つ、ぜひ大事な人命を預かっておることでありますから、ぜひそういう点を私はお考えいただきたい。
 こう思うのですが、何か、そういう点について会社側で御検討されておるか、あるいはそういうことがあったのか、いかがでしょう。
#214
○参考人(中野勝義君) 非常に適切な先ほどから御忠告、御提案をいただきまして、非常に感激しております。
 私ども八月の事故を契機といたしまして非常に信用を失墜いたしまして、旅客の利用者が激減を来たしております。月間一時は三分の一の収入というような、非常に悲惨な状態にまで落ちたのでありますけれども、私どもこの事業の重大性を考えて、また世間に対しますところの責任を痛感いたしまして、航空局の忠告、これに基きますところの改善を漸次実現に移しております。大体これに要します費用は、三月まで、この年度内に一億数千万円になるのじゃないかと思うのでありますが、こういう苦しい中にも、私ども一致団結しまして、何としても信用を回復しなければならぬ、そして皆様に安心して乗っていただける航空会社にしなければならないという熱意に燃えております。
 またそうした待遇の面につきましても、非常に苦しい中でありますけれども、操縦者の月に操縦に従事する時間は、今まで通り、むしろそれよりも減らして、待遇につきましても、査察操縦士その他重要な職にある者につきましては、できるところから漸次待遇を改善をしております。この人員の増加は、三月までに約五十数名でございます。今までの数の約二割五分くらいに当る増員を見込んで、この充実に全力をあげておる次第でございます。
 そのようなわけで、私どもといたしましては、全力をあげて早く皆様の御期待に沿うように万全を期して、今までの信用も回復いたし、また皆様の御忠告に報いたいという熱意に燃えております。幸いにして、最近のエンジンの起します故障の統計も、世界の一流会社の数字まで逓減することができたのであります。乗客も漸次回復の兆を見せておりますので、近く皆様の御期待に沿うような状態にもっていくことは、必ず実現できるという確信をもって、全社をあげてやっておりますので、どうぞ、この点を了とせられまして、今後とも絶大なる御指導、御支援をお願いする次第であります。
#215
○相澤重明君 大へん誠意のこもったことで、私どもも喜びとするのですが、鳥居さん、私さっきも言ったように、国会が終るとすぐ九州へ、九州から東京に帰ってきて北海道へ行くということで、お宅の全日空を使わしてもらっておるわけです。そういう中で痛感されるのは、パイロットにしろ、スチュワーデスにしろ、非常に努力をされておるし、特にスチュワーデスのサービスはいいのですね。ところが残念ながら、スチュワーデスの放送がうまく聞えない。これはマイクが悪いのですね。そういう設備が悪いから、よけいに実は労力を費やす、これはあなたも、いろいろやっておるわけですけれども、そういう点で、いま少し、さっきの高野先生のお話のように、改造したことも、もちろんわれわれも見ておることもありますし、またそういう中の設備関係に、非常に従業員にオーバー労働をさせておるということを私は見ておる。本人は一生懸命だけれども、遺憾ながら、そういう設備の不備な点については、やっぱり非常な気苦労をする。こういう点において、やはり私ども利用をさせてもらっておる立場からいうと、いま少し首脳部の方が見て、やはりそういう気になってやってくれないかという気がするわけです。これは決してあなたを怒るわけじゃないのですよ。そういうふうにして、よく今後やってもらいたいということを――そうすれば、今後事故も大部分少くなるのじゃないか、こういう点も考えられるので、事故対策として政府も努力しておるし、また国会においても、皆さん方をこうしてお呼びして、いろいろ御意見を聞いているわけです。ぜひそういう点について今後も努力をしていただきたい。
 こういうことを付け加えて私の質問を終りたいと思います。鳥居さん、何かございましたら一つ御答弁いただきたいと思います。
#216
○参考人(鳥居清次君) ただいまのマイクの点でありますが、これは前から、いろいろ問題になりまして、機械その他を今、改修いたしておりまして、漸次よくなる予定でございます。
 それから乗員の疲労という点は、航空局で定められました年間一千時間、月八十五時間以下でやっております。八十五時間以下でやっておりますが、私どもの方は御承知のように、たとえば東京から札幌まで行く場合、仙台でおりるから往復の時間が多いということで、日本航空の操縦者以上疲労の点は多いと思います。そういう点も、だんだん改正していきたいと思っております。
 それから今、一番力を入れてやっているのは、乗員の安全向上、なおさらよく進めるために乗員の機長の再訓練、これを十月から始めまして、現在まで四百時間やっております。一応機長のあれは終りまして、さらに副操縦士それから副操縦士から機長に上げるという訓練を来年の四月一ぱいまで約千八百時間やる予定であります。これの経費といたしましては、約六千万くらい要るのじゃないかと思います。現在そのように準備をいたしております。
#217
○参考人(松尾静麿君) 先ほどお答えするのを忘れましたが、乗務員の給料の問題でございますが、私のところに、今いわゆる乗務員と申しますか、パイロットそれからナビゲーター、航空士でございます、それから機関士これを合せまして、外人も合せまして二百九十九名いるんです、これは学生も合せまして。そのうち四十七名が外人でございますが、これはもう二年ほどいたしますと、全部日本人に変るわけでございますが、この乗務員の給与は、先ほどから各委員のお方から御忠告ありました通りに、非常に大きな責任を持つ。しかも自分の体格なりあるいは自分の技量なりに対しまして、でき上った乗員でも、非常に厳格なる規制を受けるわけです。そういう非常に過酷な制限を受けますので、これは給与は、ある程度高くてもいいのじゃないかという考えは、十分持っているのであります。
 しかしそうかといって外人並みにはいきませんので、私たちの乗務員の給与というものは、考え方は、外国の航空会社で操縦士とそれから一般の社員とのいわゆる開きでございますね、そういうものを日本の一般社員と日本の操縦者とのその開きを、大体同じようなパーセンテージに持っていく。まあこういういき方で、大体きめてやっております。そうしませんと、一般職員の不満が非常に多いのでございまして、そういうお互いに不満がないようにして、航空事業をやはり前進さしていかなければいけませんので、私どもは、今のところ乗務員の給与は、大体いいところにいっているのじゃないか。
 こういう工合に実は考えております。
#218
○委員長(小西英雄君) 日本航空の役員の方々、全日本空輸の方々においては、本日の参考人としての答弁は、きわめて丁寧懇切でありまして、当委員会として敬意を払うものであります。
 特に日本は御承知のように外貨の獲得の点について国際観光日本としての重要な使命を帯びております上から、航空機の発展を当委員会も願うわけで、決して当委員会は、皆さんを怒るのが本意でないので、いろいろきょうの質疑の中にも、非常に熱心な委員の質疑がございましたが、どうぞ一つ、当委員会も日本の航空事業の発展を願い、また国内ローカル線についても、安全でかつ便利を願っている当委員会の委員全部の気持は同じであります。いろいろまだ質疑をすれば、尽きない点がございますが、時間も非常に長くなりましたので、本日は、これで参考人に対する質疑を終りたいと思います。どうぞ当委員会は、ただ怒ったり、そうして皆さんをしかるのが、本意でございません。どうぞ一つ、今後事業経営に、あるいはいろいろな点において、日本のために尽されることを特にお願いいたします。
 参考人の方々には、御多忙中御出席をわずらわし、まことにありがとうございました。参考人の方はどうぞお引き取り下さい。
 なお本件に対する今後の取扱いにつきましては、委員長理事打合会において検討することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#219
○委員長(小西英雄君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 以上をもって、本日の審議は終了いたしました。次回は、明十九日午後一時より、三十一年度決算中、日本電信電話公社を審議いたします。なお日本電信電話のあとに、郵政省もあわせて審議することにいたします。
 これをもって委員会を散会いたします。
   午後五時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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