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1958/03/03 第31回国会 参議院 参議院会議録情報 第031回国会 外務委員会 第7号
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1958/03/03 第31回国会 参議院

参議院会議録情報 第031回国会 外務委員会 第7号

#1
第031回国会 外務委員会 第7号
昭和三十四年三月三日(火曜日)
   午前十一時四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     杉原 荒太君
   理事
           鶴見 祐輔君
           苫米地英俊君
           森 元治郎君
   委員
           青柳 秀夫君
           笹森 順造君
           重宗 雄三君
           津島 壽一君
           野村吉三郎君
           加藤シヅエ君
           羽生 三七君
           佐藤 尚武君
  政府委員
   外務政務次官  竹内 俊吉君
   外務大臣官房長 内田 藤雄君
   外務省アメリカ
   局長      森  治樹君
   外務省条約局長 高橋 通敏君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       渡辺 信雄君
  説明員
   大蔵省主税局税
   制第一課長   塩崎  潤君
   郵政省郵務局次
   長       曾山 克巳君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○所得に対する租税に関する二重課税
 の回避及び脱税の防止のための日本
 国とノールウェーとの間の条約の締
 結について承認を求めるの件(内閣
 提出)
○千九百五十八年の国際砂糖協定の締
 結について承認を求めるの件(内閣
 送付、予備審査)
○在外公館の名称及び位置を定める法
 律等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○日本国とアメリカ合衆国との間の小
 包郵便約定の締結について承認を求
 めるの件(内閣送付、予備審査)
○所得に対する租税に関する二重課税
 の回避及び脱税の防止のための日本
 国とパキスタンとの間の条約の締結
 について承認を求めるの件(内閣提
 出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(杉原荒太君) ただいまから委員会を開会いたします。
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とノールウェーとの間の条約の締結について承認を求めるの件(本院先議)
 千九百五十八年の国際砂糖協定の締結について承認を求めるの件(予備審査)
 以上両件を便宜一括して議題とし、政府より提案理由の説明を聴取いたします。
#3
○政府委員(竹内俊吉君) ただいま議題となりました両件について提案理由を御説明いたします。
 まず、所得に対する租税に関する二重課税の防止のための日本国とノールウェーとの条約の締結について承認を求めるの件につきまして御説明いたします。
 御承知のようにわが国は、さきにアメリカ合衆国及びスウェーデンとの間に二重課税防止条約を締結し、去る二月十七日にはパキスタンとの間に二重課税防止条約を署名いたしましたが、今般さらにノールウェーとの間に交渉が妥結し、二月二十一日に東京で本条約に署名した次第であります。
 この条約の内容は、基本的には、さきに締結されたスウェーデンとの間の租税条約にならうものでありまして、これにより、両国間の経済及び文化関係が一段と緊密化することが期待される次第でございます。
 よって、ここにこの条約の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ慎重御審議の上、本件につき、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
 次に、千九百五十八年の国際砂糖協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を説明いたします。
 この協定は、一九五三年の国際砂糖協定が五カ年の有効期間の後、昨年末をもって終了することとなっておりましたので、これにかわる新たな協定として、昨年十月に国際連合主催のもとにジュネーブで開催された国際砂糖会議において作成されたものであります。
 この協定は、従来の協定に比べ、その五年間の運用の成果を考慮して、種々の修正改善を加えられておりますが、その趣旨及び骨子は同様であり、砂糖の輸出入国の立場を相互に調整し、世界の自由市場における砂糖価格を安定せしめることを目的としております。わが国もこの協定の当事国となることによりまして、砂糖輸入国としての立場を十分に保護することができるのみならず、自由市場の砂糖需給計画策定に積極的な役割を果すことができるようになります。
 政府といたしましては、右の利点を考慮し、昨年十二月二十三日にこの協定に署名いたしました。また、この協定第四十一条(6)規定によりますと、協定の受諾期限は、一応本年一月一日となっておりますが、国内手続上、同日前に受諾を行うことのできない国は、本年六月一日前に協定を受諾するよう努力する旨の通告をあらかじめ英国政府に行なっておき、その後六月一日前に正式の受諾を行えばよいことになっておりますので、この規定に基き、政府は、昨年十二月二十九日に右の通告を行なっております。
 よって、この際、この協定の締結について御承認を求める次第であります。右の事情を御了察され、御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
#4
○委員長(杉原荒太君) ただいま説明を聴取いたしました両件に対する質疑は、これを後日に譲ります。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(杉原荒太君) 次に、在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続けることといたします。
 本法律案は、二月二十七日衆議院から送付され、本付託になりましたので、念のため申し上げておきます。御質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。御質疑はございませんか。――御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(杉原荒太君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(杉原荒太君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#8
○委員長(杉原荒太君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(杉原荒太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
#10
○委員長(杉原荒太君) 次に、日本国とアメリカ合衆国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件(予備審査)を議題とし、質疑を続けることといたします。質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。政府側からは、外務省の政府委員のほか、郵政省の曾山郵務局次長、中根郵務局国際業務課長も出席しております。
#11
○森元治郎君 二、三の点をちょっと伺います。ソビエトは通常郵便及び小包についてのこの種の約定に入っているのかどうか。もし入っていれば、この日米小包郵便条約のような約定がなくても、ソ連と郵便物の交換ができると思いますが、どういうことになりますか。
#12
○説明員(曾山克巳君) お答えいたします。ただいまの森先生の御質問でございますが、ソビエトとの間におきましては、通常郵便の関係について申し上げますと、ソビエトは万国郵便連合の一員でございまして、万国郵便条約自体に加盟しておりますので、これは問題ございません。小包郵便について申し上げますと、現在のところ、ソ連は万国郵便連合の小包約定に加盟しておりません。従ってアメリカと同様、ソ連と日本との間におきまして、双務約定を作りまして、それに基きまして小包を交換しております。ただし、ことしの四月一日からソ連邦も万国郵便連合の小包約定と申します多数国条約に加盟することになっておりますので、その後は、ほかの多数国と同様な条件に基いて交換することになっております。
 ソビエトと日本との現在の双務約定の内容でございますが、これは、ほぼ万国郵便連合の小包約定と内容が同様でございますので、料金その他は違っておりますが、世界各国に日本の公衆が出しますと同じような条件で、ソビエトに対しても小包郵便が出せるという工合になっております。
#13
○森元治郎君 イギリスとの関係ですが、イギリスはおととし結ばれた万国郵便条約の小包約定に入っておるようですが、そうすると、これまであったイギリスや豪州、香港、海外植民地などの郵政当局と日本が結んだ各別の小包郵便約定が効力を失効することになるのかどうか、その点お伺いします。
#14
○説明員(曾山克巳君) お答えいたします。森先生の御指摘のように、イギリスも万国郵便連合の小包約定に、ことしの四月から加盟することになっております。イギリスの海外植民地でございますところの香港とかシンガポールとか、あるいは今御指摘のありましたオーストラリア、こういうところの関係におきまして申し上げますと、香港及びシンガポール等は、同じくイギリスの海外植民地という名前におきまして、ことしの四月から加盟することになっております。しかしオーストラリアにつきましては、オーストラリア自身がまだ万国郵便連合の小包約定の定めますところの、たとえば料金とか、その他の条件につきまして不満でございますせいか、ただいまのところ、そういう意思表示をしておりません。つまり双務約定でもって依然として小包を交換することになるわけでございます。そこで、これらの特にイギリスとの関係におきまして、現在結んでおりますところの双務約定の効力はどうなるかというお話でございますが、すでにイギリスにつきましては、イギリスと日本との間に結ばれておりますところの双務約定の条項によりまして、六カ月前にこの条約の、つまり約定の終結の通告をしてきております。従いまして、四月一日からは当然新しい万国郵便連合の小包約定にのみ基いて、イギリスと日本との間の関係が規定されるということになるのでございます。
#15
○森元治郎君 この議定書によると、太平洋のアメリカ信託統治区域に対して、この約定が準用されるということになっていますが、沖縄、小笠原に対する取扱いはどういうふうになるのですか。
#16
○説明員(曾山克巳君) お答えいたします。沖縄、小笠原につきましては、森先生も御承知のように、非常に法律関係がむずかしゅうございますので、今般わが国とアメリカとの間に締結いたしました小包郵便物の交換約定におきましては、そのことに触れませんで、従って、日本が施政権を放棄しております沖縄、小笠原につきまして、今のところその小包の交換関係は、アメリカと日本との間の条約関係に基くものではなく、いわば日本の統治権下にありますところの沖縄でございますけれども、沖縄地域は一応ブランクとしまして、事実上の関係でもって交換しておるという関係にございます。
#17
○森元治郎君 事実上の関係というのを、もう少し実質的内容を御説明願います。
#18
○説明員(曾山克巳君) お答えいたします。戦後総司令部の指示に基きまして、内国と沖縄との関係の郵便関係は、万国郵便条約の規定を準用してやればよろしいという指令が参っております。そこで、平和条約まではその通告に基きまして日本と小笠原及び沖縄の関係を規律して参ったわけでございます。ただ平和条約締結後は、その状態を継続いたしましてやっておるというような意味におきまして、事実上の関係だと申し上げたわけでございます。
#19
○森元治郎君 日米間の航空小包等について、これはどういう基準でやっているのか。日米間交通もことに戦後は盛んに行われておることは、もうだれもわかっておりますが、その基準がどういうふうになっておりますか。日米間には特別の約定などがなくて、進駐軍、被占領国というような関係で行われていたでしょうが、基準というのはどういうふうに……。
#20
○説明員(曾山克巳君) お答えいたします。先生御指摘のように、旧日米小包約定におきましては――これは現行の小包約定でございますが、これにおきましては、航空小包に関する規定が入っておりませんので、昭和二十五年の司令部の同じく指令に基きまして、事実上航空小包の業務を実施しておったという関係にあることは事実でございます。従って、それを今度成文化いたしまして、新しい日米小包約定に入れていきたいというのが私どものお願いであるわけでございますが、しからばその基準と申しますものはどういうものかという御質問でございますけれども、これは同じくはかの船で運びますところの、平面路小包郵便物と申しておりますが、この平面路小包郵便物と同じように、大きさ、あるいは重さというものを一応条件として設定いたします。
 それから第二の問題につきましては、料金につきまして航空料金というものを加算する必要がございますので、それがこの条約できめられております。それの条件といたしまして、航空小包の業務を実施いたすということになるわけでございます。
#21
○委員長(杉原荒太君) 小包約定について、他に御質疑はございませんか。
 それでは、本件に関する質疑は、今日のところはこの程度にとどめることにいたします。
  ━━━━━━━━━━━━━
#22
○委員長(杉原荒太君) 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタンとの間の条約の締結について承認を求めるの件(本院先議)を議題といたします。
 本件につきましては、先般提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。なお、ちょっと付け加えますが、外務省の政府委員のほか、大蔵省から塩崎主税局税制第一課長が見えております。
#23
○津島壽一君 全体的のことをちょっと伺ってみたいのですが、東南アジア諸国との二重課税の回避、脱税防止の問題は、非常に重要だと思って、私は、これが実現を希望して参った者でありますが、パキスタンとの条約締結は、まことにその意を得たものだと思っております。パキスタン以外に、東南アジア諸国のうちで同様の条約締結の交渉が現に行われておるか、または行われているとすれば、その見通し、今後の全体の方針でございますね、それを一応御説明願いたいと思います。
#24
○説明員(塩崎潤君) お答え申し上げます。一昨年スウェーデンとの租税条約を御提案申し上げました際に、津島委員初め皆様方から、東南アジア諸国との租税条約の締結の重要性につきまして、るる私どもに説かれたわけでございます。私どもは、前からその気持は持っておりまして、努力いたしたわけでございますが、今般パキスタンとの間に、初めて東南アジア諸国との租税協定ができ上りましたわけでございまして、私どもといたしましては、これが一つの型になりまして、今後の租税条約が円滑に進展されることを期待いたしております。
 なお、その他の東南アジア諸国との締結の状況はどうかという御質問でございますが、私どもは、ただいま申し上げました通りに、東南アジア諸国との租税協定につきまして種々二、三年前から努力しているわけでございますが、東南アジア諸国は、御承知の通り財政事情が必ずしもよくない等の理由によりまして、必ずしも協定の締結につきまして積極的ではございません。しかしながら、経済開発に非常に強く力を入れております諸国におきましては、日本からの経済協力を期待する意味におきまして、最近におきましてはわが方と租税協定の締結を希望する国が出て参りました。具体的に申しますと、昨年パキスタンとの租税協定を結びました際に、私どもの派遣官はインドとセイロンとに参りまして、租税協定の瀬踏み的交渉を始めております。先般インドの方からも、何らかの形におきまして租税協定の締結の希望を漏らしましたので、私どもといたしましては、ぜひインドとセイロンとの租税協定をしたいということを申し込んでおります。具体的には五月以降インド及びセイロンとの間に租税協定の具体的な交渉を始める予定で進んでおります。なお、ヨーロッパ諸国との租税協定も大切でございますが、東南アジア諸国との重要性、そのほかになおニュージーランドとの間に租税協定を締結すべく、現在のところ検討中でございます。と申しますのは、わが方の船舶あるいは商社がニュージーランドにおきまして相当二重課税の問題で悩んでいる点も見受けられますので、東南アジア諸国と並びまして経済協力、経済交流の密接な所との租税協定に重点を置いて、今後できるだけやって参りたい、かように考えております。
#25
○津島壽一君 それは非常にけっこうなことですが、しかし、実際に当ってみると、このパキスタンとの条約のごとく非常な包括的な完全なものでは、相手国によってはなかなか受け入れられないという場合もあり得ると思うのです。そういった場合に、方針として、一応部分的になるが、そういったような事情を考慮しても、とにかく多数の国とこの種の条約を結ぶというような考え方をお持ちであるかどうか。国の事情によっては、日本にとっては有利であるが、相手方によっては必ずしも有利でないという条項も入るおそれがあると思うのです、経済条件その他が違うために。そういった場合に、完全な包括的な協定を作るということが方針であって、そういった部分的なものはかえって将来の他の国との交渉に支障になるといったような考慮から、時を送るといったようなことになることはあり得ると思うのです。そこで私の伺いたいのは、なるべく多数の国と、部分的であっても、できる限りすみやかにこれを締結し、他日これを補足するというふうな、完全なものにするといったような考え方でもお持ちでありましょうか、その点を伺ってみたいのです。
#26
○説明員(塩崎潤君) お答え申し上げます。津島先生の御意見は、非常に私ども共鳴をいたしているわけでございまして、私どもはできるだけ多数の国と、部分的であっても、二重課税の排除のための条約は結びたい、かように考えております。御承知の通り大正十三年の法律によりまして、船舶所得につきましてはすでに古くから二重課税の排除の措置が講ぜられております。先ほど申し上げましたニュージーランドの課税の状況を見ましても、問題となっておりますのは、船舶所得でございます。そこで、私どもとしてはできるならば包括的な条約が望ましいわけでございますけれども、船舶だけでも二重課税をできるだけ排除して、日本の船舶運航業者が安心して外国に行けるような措置をとりたい。国によりますと、必ずしも条約でなくて、交換公文の形で船舶などにつきましては二重課税の排除をするというような権限が留保されておる国もございますので、そのようなことはどんどんと進めて参りたい、かように考えております。
#27
○津島壽一君 そういう考え方はまことにいいだろうと思います。そこで、日本が指導的な立場をとるのは、あるいは外交上どうかと思う点がありますが、二重課税の問題は、なるべくこれを広く国際的に、また、広く地域的にやるのがいいと思うのですね、それで、東南アジア諸国というものが一体となって同じようなものを二国間条約で全部まとめることは、これは不可能でありますが、この問題について国際会議でも開いて――その形態は考慮を要しまするが――だんだん基礎を植えつけていって、そうして会議によって自分の方はこの程度ならできるというような、各国の代表の意見等を見てみるということも一つの方法じゃないかと考えておる。往年ジュネーブで二重課税問題が非常に多かったときには、国際連盟で主催して、日本も参加して非常な積極的な役割を尽したわけでございますが、こういった世界的な問題ということは別として、議会その他適当な方法でそういったような意見交換というか、そういったようなことをやられると、問題を促進するに非常な機会を与えるというように思うのですが、これは外務省の方から一つお答え願って、また、そういった時期でないとか考慮するとかいうようなことであれば、私はあえて質問のお答えを要求するわけではありませんが、一応の考え方として御研究願いたい、また、すでにそういった考え方があれば、お答えを願ってもけっこうでありますが、いかがなものでございましょうか。
#28
○政府委員(竹内俊吉君) ただいまお述べになりました御趣旨は、外務省としても外交上きわめて有効であり、そういうことができれば大へんこの問題の解決に適切な結論が出てくることは期待されますので、現在そういう問題がまだ出てはおりませんが、御趣旨のほどをよく体しまして、機会を見て、そういう機会が醸成されるように努力をいたしたいと考えます。
#29
○津島壽一君 最後に、非常にこまかい問題ですが、ちょっと条文を拝見しまして、十分趣旨がわからぬ、逐条的な問題になりますが、一点だけお伺いしたい。それはこの条約の第十五条の第二項の規定でございますが、これはこの特典を乱用するといったような者に対して、これを抑制するために「他方の締約国が課する租税を自国の租税と同様に徴収することができる。」という規定でございます。これは趣旨を伺ってみて質問した方が適当だろうと思いますが、これは、たとえばパキスタンの課税すべきものを日本政府で徴収すると、こういう意味でございましょうか、ちょっとこの意味が……。
#30
○説明員(塩崎潤君) お答え申し上げます。この十五条の二項の趣旨は、一般的にパキスタンの租税をわが国の租税といたしまして徴収する規定ではございません。御承知の通りこの条約によりまして、パキスタンと日本との間には、相互に、たとえば配当につきましてはこういうふうな軽減をするという特権を与えてございます。ところが、そういった特権を与える資格のない者が、日本の法人であるといった申請をいたしまして、詐欺その他不正の行為によってパキスタンの税金の軽減を受けるという場合、あとで発見されまして、これは本来であるならば軽減すべきものでないということがわかりました際、その者が日本にたとえば財産を持っております。そういたしますと、その徴収を日本に依頼いたしまして、日本で徴収してもらう、こういう部分的な徴収共助でございます。この条約に必要な限度の徴収共助でございまして、これは、私どもが他国と結んでおります租税条約には全部入っておる規定でございます。
#31
○津島壽一君 先ほど問題になったスウェーデンとの当該条約ですね、同様にあの規定もこれに入っておりますか。
#32
○説明員(塩崎潤君) さようでございます。
#33
○津島壽一君 これは、他国の税金を徴収するということ、日本国内において徴収するといったようなことは、立法措置が要るのじゃないかという感じがするのですが、条約だけでこういうことはどんどん引き受けていいのでございましょうか。
#34
○説明員(塩崎潤君) お説の通り、立法措置が要ることになりますので、この条約に伴う法律といたしまして、別途大蔵委員会の方に特例の法案を出してございます。
#35
○津島壽一君 よくわかりました。
#36
○委員長(杉原荒太君) 委員長から政府側に申し上げます。ただいま津島委員からも質問がありましたように、この種の国内法に関連のある案件は、その国内法改正案の参考資料として提出してもらいたい。今回だけではなく、今後ともこの種の、つまり条約の案件であって、しかも国内法に関連のあるものは、特に要求を待つまでもなく、政府側から進んで提出があることを要求しておきます。
#37
○政府委員(竹内俊吉君) ただいまの委員長の御発言了承いたしました。今後さような取扱いをいたしたいと思います。
#38
○委員長(杉原荒太君) 他に御質疑はございませんか。それでは、本件に関する質疑は、本日のところはこの程度にとどめ、次回に続行することといたします。
#39
○加藤シヅエ君 資料のことでちょっとお願いしたいのでございますが、「北鮮帰還問題に対する海外の反響速報」という資料をいただいているのでございますけれども、なおこの韓国の新聞がこれに対してどういう反響を示しているという資料は、まだいただいていないように思うのでございますけれども、そういうものも一ついただけるように御配慮願えませんでしょうか。
#40
○政府委員(竹内俊吉君) 外務省で取りそろえております各国の反響等の資料は、なるべく早く取りそろえて御提出いたします。
#41
○加藤シヅエ君 なお、私手元に一つ、これは日本国内で発行している新聞の社説でございますけれども、対日関係と柳公使というような題で、ちょっと御参考になるような社説が出ております。これはあるところからちょっと手に入れましたものでございますけれども、これも資料として大へんに皆様の御参考になるものではないかと思いますので、資料としてこれを一つやはり複写して、皆さんのお手元に分けていただきたいと思います。
 それからもう一つ、林首席がアメリカの国連の方にお帰りになりましたときに、ある席上で、やはり日韓問題につきまして非常に重大な御発言をなすった、これは別に新聞に出たわけではございませんけれども、やはり非常に参考になる御発言でございましたように思いますから、もしそのメモでも私手に入りましたならば、事務局の方に提出いたしますから、それも資料として皆様に御配付願う御考慮を願いたいと思います。これは委員長にお願いする方です。
#42
○説明員(塩崎潤君) ただいま津島委員の御質問に対しまして、間違った発言をいたしましたのでちょっと取り消しさしていただきます。今の租税徴収の共助の御質問に、すべてのものに入っておると言いましたが、ただいまスウェーデンを見ますと、スウェーデンとの間は入っておりません。アメリカとの間の条約には入っておる。その資料をそのまま取ったわけでございます。間違いましたから訂正いたします。
#43
○津島壽一君 私もちょっと条文を見たのです。入っておらなかったから質問したのです。これはあとから申し上げようと思ったのです。
#44
○委員長(杉原荒太君) ほかに何か御質疑ございませんか。
 それでは、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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