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1958/02/26 第31回国会 参議院 参議院会議録情報 第031回国会 運輸委員会 第8号
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1958/02/26 第31回国会 参議院

参議院会議録情報 第031回国会 運輸委員会 第8号

#1
第031回国会 運輸委員会 第8号
昭和三十四年二月二十六日(木曜日)
   午後一時三十三分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
二月十九日委員田中茂穂君辞任につ
き、その補欠として伊能繁次郎君を議
長において指名した。
二月二十日委員中村正雄君辞任につ
き、その補欠として松浦清一君を議長
において指名した。
二月二十一日委員塩見俊二君及び佐野
廣君辞任につき、その補欠として石原
幹市郎君及び泉山三六君を議長におい
て指名した。
二月二十四日委員江藤智君辞任につ
き、その補欠として野村吉三郎君を議
長において指名した。
二月二十五日委員野村吉三郎君、伊能
繁次郎君及び小柳勇君辞任につき、そ
の補欠として江藤智君、森田義衞君及
び大和与一君を議長において指名し
た。
本日委員大和与一君辞任につき、その
補欠として小柳勇君を議長において指
名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大倉 精一君
   理事
           江藤  智君
           成田 一郎君
           相澤 重明君
   委員
           植竹 春彦君
           平島 敏夫君
           森田 義衞君
           小柳  勇君
           松浦 清一君
           杉山 昌作君
           市川 房枝君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 永野  護君
  政府委員
   運輸政務次官  中馬 辰猪君
   運輸大臣官房長 細田 吉藏君
   運輸省船舶局長 山下 正雄君
   運輸省自動車局
   長       國友 弘康君
   運輸省観光局長 岡本  悟君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○小委員の補欠選定の件
○小委員長の指名の件
○日本観光協会法案(内閣提出)
○自動車ターミナル法案(内閣提出)
○中小型鋼船造船業合理化臨時措置法
 案(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大倉精一君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。二月十九日、田中茂穂君が辞任、その補欠として伊能繁次郎君。二月二十日、中村正雄君が辞任、その補欠として松浦清一君。二月二十五日、伊能繁次郎君が辞任、その補欠として森田義衞君が、それぞれ選任せられました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(大倉精一君) 委員の辞任に伴い、理事、交通事故防止に関する小委員及び同小委員長が欠けておりますので、この際、それらの選任及び選定は、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大倉精一君) 御異議ないと認めます。よって理事、交通事故防止に関する小委員及び同小委員長に江藤智君を指名いたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(大倉精一君) 日本観光協会法案及び自動車ターミナル法案を議題といたします。以上、二案について、政府委員から、内容についての補足説明を求めます。
#6
○政府委員(岡本悟君) 日本観光協会法案についてその概要を御説明いたします。
 先般、提案理由の説明にありましたように、本来観光事業の振興に関しましては、国際観光事業と国内観光事業とは総合的に行われるべきものでありますので、この法案により設立される日本観光協会は、外国人観光旅客の来訪及び外国人観光旅客に対する接遇等の改善を促進することにより、国際観光事業の振興をはかるとともに、観光事業一般の健全な発達に寄与することを目的といたしております。
 本協会は、法人格を有し、かつ、主たる事務所を東京都に置くほか、必要な地に従たる事務所を置くことができるようになっております。
 定款に関しまして、一、目的 二、名称 三、事務所の所在地 四、会員に関する事務 五、役員に関する事項六、運営委員会及び運営委員に関する事項 七、業務及びその執行に関する事項 八、会計に関する事項 九、その他協会の業務に関する重要事項を絶対的記載事項とし、その変更は、運輸大臣の認可を要するものとしております。
 名称については協会でない者に対し、日本観光協会という名称の使用を禁止することにより、他の者と混同せず協会の対外信用を保持し、協会の公益的目的を達成し得るようにしております。
 次に、会員の章について御説明いたします。一、日本国有鉄道 二、地方公共団体 三、旅客運送業者 四、ホテル及び旅館経営者並びに旅行あっせん業者 五、三、四、でのべた者の団体 六、その他定款で定める者を会員有資格者といたしましたが、その加入及び脱退は自由といたしまして、会員の自由意思を尊重いたしております。
 第三章は、役員に関する規定でありますが、本協会に役員として会長一人、副会長一人、理事五人以内及び監事二人以内を置き、会長が協会を代表するものとなっております。役員のうち会長、副会長及び監事は、運輸大臣が任命し、理事は、運輸大臣の認可を受けて会長が任命することとし、会長、副会長及び理事の任期は三年、監事の任期は二年といたしております。なお、役員の欠格条項といたしまして、国会議員、国家公務員、地方公共団体の議会の議員または地方公共団体の長もしくは、常勤の職員を規定しております。また運輸大臣または会長は、それぞれその任命にかかる役員が心身の故障のため職務の執行にたえないと認められるとき、また職務上の義務違反があるとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができることにいたしておりますが、会長が、これによって理事を解任しようとするときは、運輸大臣の認可を受けねばならないことになっております。役員は、また、原則として営利を目的とする団体の役員となったり、またはみずから営利事業に従事してはならないことにいたしております。その他、役員に関しましては、協会と会長との利益が相反する事項については、監事が協会を代表すること、及び会長が協会の理事または職員のうちから、従たる事務所の業務に関し、代理人を選任することができる旨規定いたしております。
 次に、運営委員会についてでありますが、運営委員会は、会員が会員のうちから選挙する三十人以内の運営委員によって組織されるものでありまして、その任期は二年以内といたしました。運営委員会の権限といたしまして、一、定款の変更、二、会費の額及び徴集の方法 三、その他定款で定める事項に関しましては、その議決を経ることを必要とし、そのほか会長の諮問に応じ、協会の業務の運営に関する重、要事項を調査審議することにいたしまして、会員の意見が本協会の運営に十分反映するよう留意いたしております。
 なお、運営委員会には運営委員の互選による議長を置いて、運営委員会の会務を総理することにいたしておりますほか、招集及び議事に関する必要事項を規定しております。
 第五章は業務等であります。最初に御説明いたしました目的を達成するため、本協会は、一、外国人観光旅客の来訪を促進するための宣伝を行い、二、外国人観光旅客に対する接遇の向上その他観光事業に関する業務の改善に関する指導に努め、三、観光に関する調査及び研究、四、観光に関する出版物の山行、五、その他以上の業務に付帯する業務を行うことといたしております。このために政府は、協会を国際観光事業の助成に関する法律第一条の政令で定める法人とみなして、同法の規定を適用し、予算の範囲内で補助金を交付することによって国際観光の宣伝事業遂行に万全を期しております。
 第一六章といたしまして、協会の財務及び会計について御説明いたします。本協会の事業年度は、国の会計年度と同じく、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終ることになっておりまして、協会は、毎事業年度予算及び事業計画を作成し、事業年度開始前に運輸大臣の認可を受けることとし、毎事業年度の決算を翌年度の七月三十一日までに完結させることと定めております。協会は、また、財務諸表を作成し、決算完結後二カ月以内に承認を受けるため、決算報告書及びこれに関する監事の意見書を添付して運輸大臣に提出いたさせることにし、なお、承認を受けた財務諸表を各事務所に備えさせることにしております。本協会は、運輸大臣の認可を受けて、一時借入金ができることとしたほか、余裕金の運用を制限し、かつ、利益及び損失の処理に関する規定も置き、本協会の会計の適正な運営をはかっております。
 第七章の監督につきましては、運輸大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、協会に対して、その業務に関し監督上必要な命令をすることかできることとし、その業務及び資産の状況に関し報告をさせ、または、職員をして本協会の事務所その他の事業所に立ち入り、帳簿、書類、その他の物件を検査させることができるよう規定いたしまして、監督上遺憾なきを期しております。
 第八章は、雑則といたしまして、本協会の解散については、別に法律で定めること、及びこの法律に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、運輸省令へ委任することといたしております。
 罰則につきましては、収賄罪、贈賄罪及び報告義務違反等を規定したほか、運輸大臣の認可または承認を受けなければならない場合において、その認可または承認を受けなかったとき、登記義務に違反したとき、法定事項以外の業務を行なったとき、運用金を法定以外へ流用したとき、運輸大臣が発する業務監督上必要な命令に違反したときは三万円以下、協会の名称禁止規定に違反した者は二万円以下の各過料に処することといたしました。
 最後に、本協会の設立、税法関係、その他について御説明いたします。
 本協会の設立に関する事務は、運輸大臣の任命する設立委員か行うことになっておりまして、定款を作成し、会員になろうとする者七人以上の同意を得た上で、運輸大臣の承認を受けなければならないことといたし出した。設立委員か設立の準備を完了したときは、遅滞なくその事務を、あらかじめ運輸大臣が指命しました協会の会長、副会長または監事となるべき者に引継ぐことにし、かつ、会長となるべく指命された老は、遅滞なく設立の登記をしなければならないといたしました。なお、協会の会長、副会長もしくは監事となるべき者または設立委員か定款の認可を運輸大臣に申請するとき、これに同意した会員になろうとする者七人以上は、協会の成立のときにおいて、各役員または会員になったものとみなしました。
 次に、財団法人国際観光協会及び社団法人全日本観光連盟からの引き継ぎでありますが、これらの法人は、当該寄付行為または定款で定めるところにより、設立委員に対して、協会においてこれらの法人の一切の権利及び義務を承継すべき旨を申し出ることとし、設立委員は、これを遅滞なく運輸大臣に認可を申請しなければならないことになっております。この認可かあったときに、これら法人の一切の権利及び義務は、協会の成立のときにおいて、協会に承継されるものとし、かつ、これら法人は、そのときにおいて解散するものといたしました。その他これに伴う必要な経過規定を置いております。
 税法関係につきましては、登録税及び所得税は非課税であり、法人税については、公益法人等と同じく非収益所得については非課税、地方税については、これは事業税でありまして、法人税と同じ取扱いをすることといたしており面す。その他運輸省設置法に必要な改正を加えました。
 以上で、この法律案の概要についての御説明を終ります。
#7
○江藤智君 それじゃ一つ、こういう協会あるいは連盟の役員、あるいは組織、定款、それから会計、その他活動状態かわかるような資料をこの次までに御提出願います。
#8
○政府委員(國友弘康君) 今回、提案されましたところの自動車ターミナル法案につきまして、概要説明を申し上げたいと思います。最初に、自動車ターミナルの概念及び実情について御認識願いたいと存じますので、この自動車ターミナルという、横に広い冊子かございますが、これにつきましてごらんを願いたいと思います。最初に、第一ページでございますが、航空機に対する空港、鉄道に対する停車場等、これら交通機関のターミナル施設は、比較的よく整備されております。これに比べまして、自動車に対するターミナル施設は、バスターミナルにしましても、トラックターミナルにしまてまも、一般公衆と密接な関係があるにもかかわらず、ほとんど放置されたままであります。自動車の急速な発達に対処していくためには、日勤車ターミナルの整備について、今後、大いに積極的に乗り出す必要があると言えると存じます。で、ここに自動車ターミナルの効用につきまして概説するとともに、わが国内外のおもな自動車ターミナルにつき出して、その実情を簡単に申し上げたいと思います。
 まず最初に自動車ターミナルの効用でございますが、自動車ターミナルの効用を一言にして申しますれば、鉄道における駅と同様のものであるというに尽きますか、バスターミナルとトラックターミナルとでは、その具体的面において、やや異なるものがありますので、以下、これら二者につきまして、個別に申し上げてみたいと存じます。
 バスターミナルにつきまして、まず最初に申し上げますと、第一番目に、バス輸送力の増強に資するものでございます。大都市におきまする通勤、通学のためのバス輸送力を増強するためには、バスの運行回数を増加させることが必要であります。しかし、バスの起終点、たとえば東京におきましては、丸の内、一新橋、新宿、渋谷等でございますが、このバスの起終点を現在のように一般交通の川に供されている道路または駅前広場に求めておりましたのでは、その面積、交通量等の関連上、運行回数を増加させることは、もはや望み得ない状態にあります。バスターミナルは道路、または駅前広場等の場所的制約を離れまして、地下等にも設置いたしたい考えかございますか、こういう場所的制約を離れることができますので、バスの運行回数の増加を可能にするのでございます。
 それから第二番目に、バス輸送網の形成という点に利点がございます。路線を有する交通機関は、互いに接続されていること、すなわち交通網が形成されていることによりまして、その効用は、一段と増大するものでございます。このことは、都市内交通及び都市間交通において、特に痛感されるところでございます。しかし、現在のバス路線の態様を見てみますと、その交通系絡の見地からいいまして、接続状況は、必ずしも適切ではございません。そのおもな原因の一つは、バス路線網の連絡調整を行うための場が提供されていないということにあるのでありまして、バスターミナルは、このような場を提供するものでございます。
 第三番目に交通安全の確保という点でございます。
 一般交通の用に供せられる道路または駅前広場、特に路面交通の輻湊する都心部におきましては、ハスが発着し、旅客が乗降することは、交通上危険を伴うことは言うまでもないところでございます。バスターミナルは、バスの通過する車路と乗客の通路を整然と区別するものでありまして、従って、バスが他の車両、通行人、旅客等に妨げられずに発着し、旅客が危険を伴わずに乗降することが可能になるのであります。
 第四番目は、路面交通の円滑化について利点があるということでござい嵐すが、バスターミナルの整備は、現在バス路線網の中枢としての機能を果している道路または駅前広場における交通の混雑を緩和し、一般交通の円滑化を可能にするものでございます。
 第五番目に、バス利用者に対するサービスの向上でございます。バスターミナルを整備することによりまして、旅客に対し、次にあげますようなサービスの向上が期待されます。
 第一に、バス運行時刻の合理的調整及び正確化が期せられるということでございます。
 第二番目に、バスの選択、乗りかえ、その他バス利用が容易、かつ便利になるということでございます。
 第三番目に、安全、かつ、快適にバスを利用できるということでございます。
 次に、第二番目のトラックターミナルについて申し上げたいと存じます。
 トラック輸送網の形成につきましては、バスターミナルについて申し上げましたところと同様でございますので、略しまして、第二番目にトラック事業の合理化について申し上げます。
 トラックにつきましては、集貨、配達、積みおろし、中継等の機構及び施設の整備が、まだ十分でございませんので、貨物の毀損、配達の遅延等が生じております。トラックターミナルが整備されれば、これらの事項は、集約的、合理的に行い得るようになりますから、トラック輸送の能率の飛躍的向上を期待し得るのでございます。第三番目に、道路交通の円滑化についてでございますが、これはバスターミナルについて申し上げましたところと同様の理由でございます。第四番の荷主に対するサービスの向上といたしまして、第一番目に、集配の合理化、連絡運輸の円滑化等により、荷主にとっても、速達の利便が増大するということでございます。
 第二番目に、運送目的地別に業者を選択する手間が省け、その他運送申込手続が簡易化されるという利点がございます。
 第三番目に、積みおろし設備等が完備されるこにより、貨物の毀損が避けられるということでございます。
 以上でバスターミナルとトラックターミナルについての利点を申し上げましたのでございます。
 次に、わが国における主要バスターミナルにつきまして、次に四ページに、十件ほど既存の主要バスターミナルの一覧表がつけてございます。これは全部ではございません。ただ、私どもの方で現在わかっております主要なバスターミナルを一覧表にしてつけておる次第でございます。
 五ページに、建設または計画中の主要バスターミナルの一覧表をつけております。これは、目下計画もございまして、われわれの方でわかっておりますバスターミナルでございます。
 次のページは――ページが抜けておりますが六ページでございますが、これは、東京駅前の丸ノ内側にバスターミナルを作りました場合には、こういう想定図になるであろうということで、これは地表部分と、次のページの付図二が次の階――地下一階のコンコース及び商店街の部面でございます。ここでお客さんが、自分の乗りたいバスの発着いたしますバースにおりるような乗降口がずっと並んで設置してあるわけでございます。
 次に、付図第三で、これは地下二階のバスの発着場でございまして、地下一階から乗降階段によりまして、この楕円形になっております。ハス乗降場の中のこの島、バースに旅客はおりて参るわけなのであります。ここにバスが発着いたしますわけでございます。こういうものが想定されるという想定図をつけておきました。
 次に、九ページに既存のバスターミナルの実例といたしまして、株式会社で運営しております広島バスセンターの概要をつけておきました。次のページに、付図四といたしまして、配置図が書いてございます。このちょうど真中にございますのこぎり型になっております部面が、バスが発着いたしまする施設でございます。
 次の付図五は、これを施設しました位置を表示いたしております。次のページの写真に、広島のバスセンターの出・改札口、それから停留場所になっておりまするのこぎり型のバス、それから乗降場、そういうものを、写真でつけておきました。
 それから、次に十三ページでございますが、わが国におきまする主要なトラックターミナルにつきまして、八件ほど一覧表をつけてございます。
 次に、十四ページに、建設または計画中の主要トラックターミナルの一覧表をつけておきました。さらに、既存のトラックターミナルの実例といたしまして、日本通運株式会社の東京総括主管支店自動車便事業所という通称晴海ターミナルと申しておりますが、この晴海ターミナルにつきましての規模及び運営等につきまして、参考資料をつけてございます。十七ページに、付図六といたしまして、晴海のトラックターミナルの平面図が書いてございます。
 次に、十八ページに下関のトラックターミナルの運営の概要が御説明してございます。
 二十ページに、外国におきまする自動車ターミナルの実例といたしまして、ニューヨーク・ポート・オーソリティのバスターミナルの概要につきまして御説明いたしておりますが、これは世界最大のバスターミナルと言われておりますのでございますが、各所の各会社のバスが、ことにニュージャーシーの方から州際交通で入りますバスが、長距離通勤ともに、このバスターミナルを利用しておるわけでございます。二十二ページに、写真四といたしまして、写真がつけてございますが、この真中にございます四階建に見えまする建物が、ニューヨーク・ポート・オーソリティのバスターミナルでございます。次の二十三ページでございますが、付図の第七といたしまして、断面図が書いてございますが、この断面図にございますように、一番下が、長距離バスの発着いたします階層でございまして、これは、のこぎり型にバースを建設しております。その上の階が、主コンコースでございまして、ここに売店等もございます。長距離ハスから上って参りました旅客が、ここで各方面に出ていくというコンコースになります。その上が、通勤コンコースでございまして、上の通勤バス階からおりて参りました通勤客が、この通勤コンコースを通しまして、自分の目的の乗降場まで歩いていく、あるいはエスカレーターで移動するという施設があるわけでございます。一番上が通勤バス階でございまして、付図八にちょうどやはり楕円形の発着施設ができておるわけでございます。
 次に、ニューヨーク・ユニオン・モーター・トラックターミナルという、やはりニューヨーク・ポート・オーソリティで設置いたしておりますトラックターミナルについての概要を御説明しております。最後の付図九で、そのトラックターミナルの見取図、切断図を付しました図面がつけてございますか、このようなトラックターミナルがニューヨークには二個所、三個所ほど、設置されておるのでございます。
 以上、自動車ターミナルというものにつきまする概念を申し上げました。
 次に、逐条的に、自動車ターミナル法案の概要を御説明申し上げたいと存じます。
 第一条は、この法律の目的を定めたものでありまして、自動車運送の健全な発達をはかるため、自動車ターミナルの適確な管理と自動車ターミナル事業の適正な運営を確保し、あわせて自動車ターミナルの整備を促進することを目的といたしております。自動車運送と申しますのは、道路運送法に規定しておりますところの一般乗合旅客自動車運送事業と一般路線貨物自動車運送事業、すなわち、路線を定めて行う自動車運送事業による自動車運送をいうものでありまして、これらの事業の用に供する自動車ターミナルについて、自動車運送事業者がみずから設置するものは、専用自動車ターミナルとして、その施設の安全性を確保し、第三者が設置するものについては、免許制による自動車ターミナル事業として法律上の地位を与え、事業の適正な運営と施設の安全性を確保するとともに、各地に見られる自動車ターミナル設置の機運を育成促進するための手段について定めたのが、この法律の主要な内容となっております。
 第二条は、「自動車ターミナル」と「自動車ターミナル事業」の概念を定めたものでありまして、まず、第二項の「自動車ターミナル」について御説明申し上げますと、「自動車ターミナル」とは、自動車ターミナル事業用自動車を同時に二両以上停留さぜることを目的として設置した施設であります。ここで施設と申しますのは、少くとも、バスについては停留場所と乗降場及び停留所標識が、トラックについては停留場所と荷扱い場が同一者の一体的管理のもとに運営されているものであり、停留場所と申しますのは、いわゆる「バース」すなわちもっぱら事業用自動車を停留させるための矩形平面であります。同時に二両以上云々と申しますのは、現実に事業用自動車が何台停留しているかの問題ではなく、停留場所、すなわち「バース」が二つ以上あるということでありまして、このような施設におきましては、事業用自動車が三分ないし五分停車するものといたしましても、一時間に三十両ないし四十両の発着が可能でありまして、かような場所におきましては、必然的に旅客の乗りかえ、乗りつぎあるいは貨物の積みかえその他の中継が行われると考えられるのであります。また、この法律でいう自動車ターミナルには、道路の路面等を停留場所として使用するものは含まれないものとしております。一般交通の用に供する場所とは、駅前広場のごとく本来一般の自動車または一般公衆の通行の用に供するものとして設けられている場所でありまして、かような場所の一部を事業用自動車の停留場所として占用することは、安全、確実という見地からも、その本来の用途にかんがみても好ましいこととは申せないのでありまして、これを自動車ターミナルとして、法律的に保護育成していく必要が認められないのであります。
 次に、「自動車ターミナル事業」でありますが、これは一般自動車ターミナル、すなわち第三項において定めてあります通り、元来、他人の自動車運送事業の用に供するために設置した自動車ターミナルを他人の求めに応じて供用する事業でありまして、専用自動車ターミナル、すなわち元来自分の自動車運送事業の用に供するために設置した自動車ターミナルの一部を他人の自動車運送事業の用に供する行為は、自動車ターミナル事業とはならないことといたしております。
 第二章は、自動車ターミナル事業について定めております。
 第三条から第五条までは、自動車ターミナル事業の免許に関する規定でありまして、一ターミナル・一種類・一免許を原則といたしております。自動車ターミナルは、一度設置されますと、自然にその施設が路線網の中心になるという自然独占的性格を有するものでありますので、位置規模等を慎重に選定する必要があります。また、このように路線網の形成に対する影響力がきわめて大きいものでありますから、設置後は、運営を安定させ継続さぜる必要がありますので、事業の開始に当っては、事業者の事業継続能力等について、慎重に考慮する必要があり、これが、本法案において自動車ターミナル事業を免許事業とした理由となっております。
 第三条ただし書きにおきまして、無償の自動車ターミナル事業は免許を受けることを必ずしも要しないことといたしておりますが、これは、自動車運送事業者の要請等により、たまたま好意的に自己の所有地等を無償で提供する行為について、継続義務や構造設備の維持義務を課することは、あまりに過酷であると考えられますので、本法案におきましては、本人が免許を申請することによって、継続意思を明らかにした場合を除いて対象としないことといたしております。
 第六条から第十条までは、免許を受けてから供用を開始するまでの関係についての規定でありまして、免許を受けた者は、相当の期間内に自動車ターミナルの供用を開始すべきものと定め、施設の安全を確保するため、運輸大臣の検査を受け、それに合格しなければ、供用を開始してはならないものといたしております。
 第十一条から第十六条までは、自動車ターミナルの使用関係に関する規定でありまして、第十一条第十二条と第十五条は、これを使用する自動車運送事業者との関係に関するもの、第十三条は、一般利用者に関するもの、第十四条と第十六条は、一般利用者と自動車運送事業者の双方に関する自動車ターミナル事業者の義務となっております。まず、自動車運送事業者との関係につきましては、料金等の供用条件を妥当かつ確定したものとし、他方、正当な申し込みに対する供用義務を課することにより、自動車運送事業者の自動車ターミナルの使用を容易にいたし、一般利用者との関係につきましては、自動車ターミナルには、必然的に多数の人または貨物が出入することが予想されますので、これらの安全及び自由な利用を確保することといたしました。このような目的を達するため、料金、供用約款、利用規程は認可を受けることを要することとし、一方で、構造及び設備の一定基準に従った維持義務と一定基準に従った自動車ターミナルの安全管理義務を課して、利用の安全性を確保し、他方、第十六条におきまして、公衆の利用の自由及び確実性を担保いたしております。
 第十七条から第十九条までは、自動車ターミナルの変更に関する規定でありまして、位置、規模の変更は、免許の際の基準の変更であり、構造、設備についても同様でありますので、これらの変更については、認可を受けることを要することといたしております。特に位置と規模の変更は、自動車ターミナルの本質的な変更でありますので、認可後変更した部分の供用開始までは、免許を新たに受けた場合と同様の取り扱いをすることといたしております。
 第二十条は、輸送需要の異常な変動とか、貨幣価値の大幅な変動と申しますような事情の変更の場合について定めたものでありまして、かかる場合に対応して、自動車ターミナル事業の改善につき必要な事項を命じ得るものとしたものであります。
 第二十一条は、自動車運送事業者が、一般自動車ターミナルの使用をしていない場合等について定めたものでありまして、容易に利用し得る一般自動車ターミナルがあるにもかかわらず、これを使用しないことによって路線網の形成をはばんでいる者があった場合には、本条の命令をすることによって、自動車運送全体を正常な姿に戻すという趣旨であります。この場合、周辺と申しますのは、たとえば渋谷駅周辺と申しますように、社会通念上全体として一つのターミナルと見られている範囲を意味するものであります。本条の第二項及び第三項は、道路運送法との関係について定めたものでありまして、第二項は、使用命令の実行に当っては、当然に路線の免許あるいは事業計画の変更を伴うものでありますが、その手続については、道路運送法の手続によるべきものとし、第三項において、このような申請の優先的処理について配意する旨を定めるとともに、このような事態の予測される区域について道路運送法の免許等の処分をするに当っては、その一般自動車ターミナルを使用する計画であるかどうかについて、十分考慮すべき旨を定めたものであります。
 第二十二条から第二十四条までの規定は、事業の譲渡、休・廃止及び免許の取り消し等について定めたものでありまして、他の事業法規と軌を一にするものであります。
 次に、第三章は、専用自動車ターミナルに関するものであります。
 第二十五条は、専用自動車ターミナルの設置、使用の停止及び廃止等の届出について定めたものでありまして、専用自動車ターミナルが、自動車運送事業者の施設であります関係上、一般自動車ターミナルの場合のごとく、その継続能力や自動車運送事業者との関係について配慮する必要がありませんので、届出によって確認するにとどめました。
 第二十六条と第二十七条は、専用自動車ターミナルの安全性の確保につき定めたものでありまして、専用自動車ターミナルの使用を開始いたしますには、運輸大臣の検査に合格しなければならないことといたすとともに、専用自動車ターミナルの構造設備の維持義務や危険混雑の防止義務等を自動車運送事業者に負わせることによりまして、専用自動車ターミナルの安全と利用者の利便を確保することにしたのであります。
 第二十八条は、専用自動車ターミナルに関して、道路運送法第二十条、第二十一条及び第三十三条の諸規定を適用することを定めたものでありますが、これは、専用自動車ターミナルが自動車運送事業者の施設でありますところから、たとえば他の自動車運送事業者と共同使用をする場合に、その共同使用契約は、道路運送法第二十条に規定する運輸に関する協定の一種となりますので、同条を適用し、運輸大臣の認可を要することといたしまして、その適正な運営を確保しようという趣旨に基くものであります。
 第四章は、バスターミナルが、どうしても必要であると思われる地域であるにもかかわらず、それが設置されないという場合にとるべき特別の措置を規定しております。
 第二十九条は、ハスターミナル設置に関する指示について定めたものでありまして、大都市のバスの路線が多数集中している場所におきまして、バスターミナルがないため、一般公衆の利便を著しく阻害し、かつバス事業の健全な発達を著しく妨げていると認められる場合には関係、ハス事業者に対し、共同してバスターミナルを設置するために必要な措置をとるべきことを指示することができることといたしたものであります。
 ここで地域と申しますのは、たとえば東京駅周辺というような地域でありまして、この場合、共同して措置をとることといたしましたのは、このような地域におきましては、バスターミナルは、当然に単一性を保有すべきであり、またこれを使用するバス事業者も、またあらかじめ定まっている関係上、それらのものが互に協議して、最も使用しやすく、かつ、利用者公衆にとっても便利なものを設備すべきであると考えられるからであります。
 このような指示をした場合におきましては、すべてのバス事業者が、お互いに十分に協議して計画を定める必要がありますが、協議がまとまらない場合が予想されますので、その場合には、運輸大臣があっせんできることといたしました。
 第三十条は、前条の規定によりまして指示を受けたバス事業者が作成すべきバスターミナル設置計画について定めたものでありまして、その指示に基き、どのような措置をとることとなったかを明らかにいたしますためであります。
 次に、第五章関係について御説明申し上げます。
 第三十一条は、助成条項でございまして、自動車ターミナルの建設または改造に当りましては、御承知の通り土地の確保及び資金の手当は、きわめて重要なことでありますので、自動車ターミナルの整備を促進するという本法案の趣旨にもかんがみ、本規定を設けた次第でございます。
 第三十二条は、付款条項でありまして、免許等の処分をいたします際には、公共の利益を確保するための必要最小限度において、条件を付し、または、これを変更できる旨を規定いたしたものでありますが、その運用に当りましては、いやしくも法の趣旨を逸脱しないよう十分留意いたす所存であります。
 第三十三条は、運輸審議会への諮問事項について規定したものであります。御承知の通り、運輸省には、運輸審議会が常置されておりまして、公共の利益を確保するため、所要の事項につき、公平、かつ合理的な決定をするための運輸大臣の諮問機関となっているのでありますが、本法案の規定中、事業の免許、使用料金の認可、事業改善の命令、事業の免許の取り消し及びバスターミナル設置の指示の処分は、その影響するところきわめて大きく、公正に執行される必要があると考えられますので、運輸大臣が、これらの処分を行いますときは、特に軽微なものを除いて、これを運輸審議会に諮り、その決定を尊重して行うように規定したものであります。
 第三十四条は、聴聞に関する規定でありまして、運輸大臣が、自動車ターミナルの構造、設備の維持及び管理義務違反に対する是正命令、公衆の利便を阻害する行為の停止命令及び自動車運送事業者に対して、一般自動車ターミナルの使用命令を発するときには、あらかじめ聴聞を行なって、利害関係人に意見を開陳する機会を与えることにより、処分の公正を期そうとするものであります。
 第三十五条は、訴願の規定でありまして、その手続は、訴願法によるものであります。
 第三十六条は、本法の執行に当りまして、関係行政機関の意見を聴取すべき事項を定めたものでありまして、事業の免許、位置または規模の変更の認可、規模等の変更にかかる事業改善命令またはバスターミナル設置の指示をするときは、それぞれ都市計画、交通管制及び地方財政との関連性にもかんがみ必要の限度において、建設大臣、関係都道府県公安委員会または市町村長、東京都におきましては都知事の意見を徴し、これらの処分をするに当り行政の円滑を期することといたしております。
 第三十七条は、運輸大臣の職権を陸運局長に委任する規定でありまして、別途運輸省令をもって定めることといたしております。
 第三十八条は、いわゆる停車場の構内にある自動車ターミナルについての適用除外を規定したものであります。鉄道または軌道における停車場の構内は、本来鉄道事業または軌道事業において、旅客または貨物の運送の効率を向上するために確保された場所でありまして、そこに設けられております乗降施設、積みおろし施設、荷さばき施設、その他の施設は、すべて上述の目的に合致するように作られ、かつ、運用さるべきものであります。従いまして、これら諸施設を、たまたま自動車ターミナルとして利用いたしましても、その運営は、あくまで鉄道事業または軌道事業本来の業務の遂行という観点から律せられるべきでありまして、自動車ターミナルをもって、自動車路線網の中心を形成するという本法案の趣旨とは、いささか趣きを異にしているものというべきであります。
 たとえば鉄道の貨物駅にある荷扱ホームに路線トラックがじかづけできたとしましても、これは、本法案にいうトラックターミナルとしては取り扱わないということであります。
 第三十九条は、報告の徴収及び立入検査の規定でありますが、その運用に当りましては、いやしくも職権の乱用に陥ることのないよう、十分に留意いたす所存であります。
 第六章は、所要の罰則について定めたものであります。
 最後に付則について御説明申し上げます。
 付則第一条は、施行期日を定めたものであります。
 付則第二条から第五条までは、経過措置を定めたものであります。第一に、この法律が施行されるときに、自動車ターミナル事業を経営している者は、三カ月以内にその旨を届け出れば、この法律による免許を受けたものとみなすことといたし、使用料金、供用約款、利用規程、供用義務及び保安上の管理義務に関する規定は六カ月間、構造設備の維持義務に関する規定は三年間、それぞれ適用しないことといたしました。
 第二に、この法律が施行されるときに、専用自動車ターミナルを使用している自動車運送業者は、三カ月以内にその旨を届け出る必要がありますが、その届出をした者につきましては、利用規程及び保安上の管理義務に関する規定は六カ月間、構造設備の維持義務に関する規定は三年間、それぞれ適用しないことといたしました。
 なお、これにちょっとつけ加えておきますが、なおこれらの条文の趣旨は、一般自動車ターミナルを現に供用し、または専用自動車ターミナルを現に使用しているという事実を、この法律による事実として承認することにありますので、第十条第一項、または第二十六条第一項本文の供用または使用の開始に当っての検査の規定は、当然に適用がありません。
 付則第六条は、運輸省設置法の一部改正に関する規定でありまして、この法律の規定に基く権限及び所掌事務を追加したものであります。
 付則第七条は、土地収用法の一部改正に関する規定でありまして、自動車ターミナル事業は、公共の利益となる事業と考えられますので、通常の手続によっては、土地を取得することができない場合でありましても、用地の確保に努める必要がありますので、その施設のための土地を収用することができることといたしました。
 以上で、この法律案の概要についての御説明を終ります。
#9
○委員長(大倉精一君) 次に、中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案を議題といたします。
 本法案については、二月十八日、政府委員から提案理由及び内容の概要について説明を聴取いたしました。本案に対し御質疑のある方は、順次御発言願います。なお出席の政府委員は、運輸省船舶局長山下正雄君であります。
#10
○相澤重明君 中小型鋼船のこの臨時措置法について、政府の提案理由をお聞きいたしたわけでありますが、現在の約二百七十五造船所があるというのであるが、一体この中小型造船所の資本金ですね、このうちの資本金は、どういうふうに、今この工場のそれぞれはなっておるか、概略でけっこうですから、わかったところを一つ御説明いただきたいと思います。
#11
○政府委員(山下正雄君) お答え申し上げます。
 資本金は、概して小さいところが多いわけでございます。現在二百九の工場につきまして調べておりますが、一億円以上のものが二、五千万円以上一億円未満のものが六、一千万円以上五千万円未満のものが二十二、五百万円以上一千万円未満のものが二十一、百万円以上五百万円未満のものが九十八、百万円未満のものが四十一、個人または資本金不明のものが十九でございます。
 このように、主としまして一千万円くらいから百万円程度のものが中小企業の大半を占めております。
#12
○相澤重明君 今の御説明によるとですね、百万円以上一千万円くらいの資本金のものが最も多いというのでありますが、この造船業の人たちは、配当というものが、今まで行われておるかどうか、事業を行なって、そして実際に赤字だけであって、この配当というものは、今まで行われたことがあるかないか、この点を一つ御報告願いたいと思います。
#13
○政府委員(山下正雄君) お答え申し上げます。
 中小型鋼船造船業の経理状況につきまして、概略でございますが申し上げますと、昭和三十一年には売り上げが、これは四十四社の平均をとっておりますが、三億七千八百万円でございます。それが三十二年度には六億二千万円に上っております。この期の利益といたしまして、三十一年度には千四百万円、三十二年度には一千六百万円ほどの利益をあげております。このような状況でございまして、配当につきましては、以上のような会社につきまして申し上げますと、昭和三十一年におきましては五分以上一割未満の配当をしておりますものが四、三十二年度には、七社でございます。一割以上一割五分未満のものは六、三十二年は、やはり同じく六、一割五分以上二割未満のものが、三十一年には一、三十二年には三、二割以上のものは、昭和三十一年には三、三十二年には十、無配の会社が、三十一年には十九、三十二年には十五、欠損の会社が、三十一年には十一、三十二年には五、こういうような状況でございます。
 全部につきましては、調べがついておりませんが、調べておりますものにつきまして、お答え申し上げました。
#14
○相澤重明君 この数字でいくと、まあ一応、表立ったところといいますか、幾らか利益があったというところが、これは取り上げられたと私は思うのですが、逆に赤字で非常に苦労した、こういうような会社は、どの程度あったか、おわかりになったら御説明いただきたいと思います。
#15
○政府委員(山下正雄君) ただいま申しましたように、四十四社でございますが、これは、比較的造船または修繕等を活発にやっているところでございます。それ以外の工場は、中には、相当やっているところもございますが、おもに個人的な色彩が非常に強いとか、または事業が、それほど活発でないということで、私どもの調査が十分行き届いておりません。先ほど申し上げましたように、四十四社の中で、三十一年度においては、無配または欠損は三分の二くらいになりますか、三十二年度におきましては、約半数のものが、無配または欠損をしているというような状況でございます。
#16
○相澤重明君 そこで、これは二つに分けてお答えをいただきたいのですが、この中小型鋼船に従事している従業員の数は、どのくらいあるか、それから小さい造船所の従業員の数は、例をあげて、一つ御説明いただきたいと思います。
#17
○政府委員(山下正雄君) 昭和三十二年度末の従業員は、社外工等を含めまして、総数が全部の工場で二万七千人程度だと思います。その他実際に仕事を活発にやっておりまして、私どもの調査が、比較的行き届いております工場は四十八工場でございますが、その工場におきまして、従業員の総数は、三十三年の十月におきまして一万五千四百人程度でございます。従いまして、あとの相当多くの数が、二万七千人から一万五千人を引きました残りの一万二千人というのが、それらの工場で仕事をしていることになろうかと思います。
#18
○相澤重明君 それと、今御説明の中であった社外工を含むというのは、これは、いわゆる社員、あるいは臨時工員、こういう者も全部含んでいる、つまり造船の現場の従業員だけでなくて、社員と言いますか、役づきの人、あるいはまた、臨時に入っている人、こういう者も含んだあなたの御報告ですか。
#19
○政府委員(山下正雄君) さようでございます。
#20
○相澤重明君 臨時工というのは、今の四十八工場一万五千四百人の中で、どの程度おありとお考えになりますか。
#21
○政府委員(山下正雄君) 三十三年度の末におきまして、約四九・二%が社外工でございます。
#22
○相澤重明君 そこで、これらの中で、いわゆる従業員の生活問題が、非常にこれは大事だと思いますが、平均して、どの程度給料というものを出しているでしょうか、ベースは、どのくらいになっているか。
#23
○政府委員(山下正雄君) 給与は、本工で基準の月収が一万四千四百五十円という調べになっております。
 それから社外工につきましては、工事で請け負わしておりますから、実際の月収が、どのくらいになっているか、はっきりわかりませんが、臨時に雇いました者につきましては、月収が一万三千七百円という平均になっております。
#24
○相澤重明君 そこで、今の、これはあくまでも平均の御答弁だと私は思うのですが、たとえば百万トン以下の造船所の従業員のベースというものは、どの程度になっているか、計算をされたことがございますか。
#25
○政府委員(山下正雄君) この中小型造船業以外のいわゆる大手の造船所におきます基準の月収は、三十三年の十月におきまして二万七百九十七円、こういう平均が出ております。
#26
○相澤重明君 私は、政府がこういうふうに中小型造船に非常に力を入れられるということについては、いいことだと思うのですが、それが、単に経営者の利潤だけに入ってしまったのでは、これは、やはり今の日本の労働界としても、非常に問題になる。お話も聞いていると思うのですが、今は、定員はなるべく少くして、そうして実働時間を長くする、こういうことによって作業を進め、あるいはまた、本社員というものを少くして臨時工を多くしていくというような労働条件が、非常に私は、やはり問題になると思うのです。
 そこで、そういう労働時間について、どの程度超過労働というものをやっておるかこれは、私はあとでなお質問を続けますが、外国の労働者と日本の労働者との比較というものも、私どもはこれから考えていかなければならぬ。また輸出をする場合にも、当然外国の人たちも、日本の、そういう輸出をするものについては、非常な関心を持たれると思う。これがたとえば、この輸出の問題についても、新潟の燕市で起きたアメリカへ輸出したものですね、ああいうものについても、アメリカの国内事情によっては、輸入は困る、こういう問題が出てくるわけですね。ですから、これは、一つの例ですが、そういうことから考えていって、せっかく一生懸命にやっても、その政府の意図する方向に伸びないのでは、これは困るわけです。
 そういう点で、この労働者の労働時間というものは、どうなっておるのか、それから労働時間に対する超過労働というものは、どの程度にやっているか、この点についてお調べがあったら、お答えいただきたい。
#27
○政府委員(山下正雄君) 労務の超過勤務の問題につきましては、いわゆる造船ブームのときには、調子によりましては、相当大きなオーバー・タイムをやっております。ところが、御承知のように、造船ブームが過ぎまして、仕事が平静に戻ったわけでございますが、従いまして、超過勤務というものは漸次減ってきております。
 しかし、現在平均といたしまして、大造船所におきましては、一日の平均の超過時間が一・六時間、小の方が一・八時間というような平均の超過の仕事になっております。
#28
○相澤重明君 そこで、これらの造船所においては、従業員との間に労働契約、労働協約、こういうものが、全部締結されておるかどうか、また組合というものは、そういうふうに作られておるかどうか、こういう点についておわかりの点を一つ御報告を願いたいと思います。
#29
○政府委員(山下正雄君) 大造船所につきましては、当然そういう協定がございます。また中小造船所におきましても、大半はございますが、しかし個人経営に類するものにつきましては、そういうきめは、多分ないんではなかろうかと、こういうふうに存じております。
#30
○相澤重明君 運輸省としては、こういう点については、労働契約、労働協約を締結するということについての指導は、どうしているのですか。
#31
○政府委員(山下正雄君) 労働の方の監督行政につきましては、私どもは、主管であります労働省等の、いろいろのやり方等を見ておりまして、必要があれば、私どもの方から、いろいろの注文等もいたしますけれども、主として労働問題の主管の省にお願い申しておるというような事情でございます。
#32
○相澤重明君 通り一ぺんの答弁では、それでも、局長の言うのでもいいんですが、これは安全衛生等、この労働問題については、もちろん所管省としては、労働基準監督署があるけれども、やはり外国へ輸出するというような問題を含む場合には、これは、外国から造船所を視察に来られる、あるいは調査に来られる、こういうような場合に、日本として、やはり恥しくない立場というものは、とっておかなきゃならない。また運輸省としても、そういう設備が整った造船所というものを、あるいは従業員の規律ある作業というものをやはり必要とすると、私は思うのです。
 そういう場合に、あれは、労働問題は労働省の所管だということだけでは、私は、ちょっと問題が核心に触れないと思うのだけれども、山下局長は、そういう点は、どうお考えになっておられますか。
#33
○政府委員(山下正雄君) 当然、造船企業として全般的な責任を運輸省として持っておりますので、工場の監督という意味におきまして、工場側に不備があれば、いろいろ注意をいたしております。
 御承知のように、最近大造船におきましては、非常に工場の安全の面、または設備の点等改善されまして、非常に、端的に申しまして、よくいっているんじゃないかと思います。ただ、問題になりますのは、ただいま問題にしております中小型造船の製造業につきましては、従来の企業の弱い点、または工事量が非常に閑繁があるというような見地から、運輸省としても、十分な力をそれに入れるというわけにはいっておりませんので、その点につきましては、今後、大いに改善をはかっていきたいというふうに考えております。
#34
○相澤重明君 次に、お尋ねしたいのは、この中小型鋼船は、非常に日本の造船技術というものは、世界的にも優秀であることは認めておるわけですね。従って日本に対する注文というものは、非常に多い。ここで、どの程度、たとえば三十一年、二年、三年でけっこうですから、毎年注文を受けて、外国へ出す隻数あるいはトン数、そういうものを一つ例をあげて、御説明をいただきたいと思うのです。
#35
○政府委員(山下正雄君) お尋ねの点でございますが、造船業は、国内船の建造も相当いたしておりますが、輸出船の建造が非常に多いわけでございます。船を起工しました隻数、トン数から申しますと、三十三年には、国内船、輸出船合計九十七隻、百三十八万七千トンを起工いたしております。三十四年度、すなわち本年度の起工予定は、五十三隻の百十万八千トンの起工の予定をいたしております。これは、確定したトン数でございます。さらに、今後の注文等もあろうかと思いますが、私どもといたしましては、今後とも、注文の獲得をはかっていかなければならん。御承知のように海運界は、非常に不況でございまするので、今後、日本の造船をいかにして獲得するかということが、一つの大きな問題でございます。
 これにつきましては、造船業の合理化とか、または輸出市場の拡大とか、あるいは輸出振興上、税制の改正とか、または金融上の措置とか、いろいろの点を今後とも、推進していきたいと思っております。
 現在のところ、ちょうどよい機会でございますので、世界の造船国の新造船の状況等をごく簡単に申し上げますると、現在一九五八年の一月から十二月までに起工しましたトン数は、八百九十五万トンございます。そのうち、日本が百六十五万トン、イギリスが百三十一万トン、ドイツが百四十五万トン。比率にしまして、日本が全体の一八・四%、イギリスが一四・七%、ドイツが一六・三を占めております。進水量にいたしますと、同じ期間に、世界で九百二十五万トンを進水いたしておりますが、日本が二百五万トン、イギリスが百三十九万トン、ドイツが百四十五万トン。比率にしまして、日本が二二・二、イギリスが一五・一、ドイツが一五・八、竣工量につきましては、全体で、同じ期間に九百五万トン竣工いたしておりますが、そのうち、日本が二百二十三万トン、イギリスが百四十六万トン、ドイツが百三十五万トン、比率にしまして二四・七%、イギリスが一六・二%、ドイツが一五・五%というような状況でございます。このような比例を今後とも維持するために、極力私どもとしまして、努力をしていきたいと考えております。
#36
○相澤重明君 ただいまの数字の説明でいきますと、世界の中でも、日本の造船の出来高というものは、非常にパーセンテージからいっても多い。優秀であると言われることだと思うのです。
 そこで、これらの中で、輸出船は総額どのくらい、それから、実際に内地、日本で使う場合の額と比較した場合に、輸出は、どの程度もうかるのか。その点を一つ、御説明いただきたいと思います。
#37
○政府委員(山下正雄君) 船舶輸出の現状としまして、外国為替の統計によりましても、船が相当大きな割合を占めております。たとえば、昭和三十二年におきまして、全輸出商品二十七億八千万ドルのち、船舶の輸出は三億九千万ドルでございます。さらにプラントの輸出の中で比較をいたして見ますると、ほとんど比例的には、造船が大きな部分を占めておるわけでございます。三十二年度末の海運の不況によりまして、輸出船の引き合いも、若干沈滞をいたしておりますが、それでも、三十二年度は約百万総トン、三億五千万ドル、輸出船の契約をあげております。三十三年の十二月末までに、輸出船の建造許可の実績は七十二万総トン、一億七千六百万ドルに達しております。御承知のようにブームのときには、造船所の利益も相当ございましたが、現在におきましては、なかなか各国とも値段につきましては、競争をいたしておりますので、造船所の利益というものは、そう多くはなかろう。しかし、現在のところ、コストを割ってまで輸出をするというような情勢には至っておらないと思います。
#38
○相澤重明君 今の山下局長の答弁では、コストを割ったものはないということであるが、私は、そうばかり言っていられないのじゃないか。たとえば、これは、名前は忘れましたが、横浜の日本鋼管鶴見造船所で外注を受けたのでは、これは、十億かの注文の中で一割以上の欠損があったということを、当時私は聞いたことがあるのですが、これは、しかしこまかい資料を持っておりませんからわかりませんが、この鉄鋼の建値の上り下りによって、かなり注文を受けたときと、建造して輸出をするときの状況によっては、相当私は価格変動というものが考えられるのではないか。それが、あなたの御説明の中で、三十二年度をピークとして、昨年度は輸出船も減ってきたということが考えられるのではないかと思うのですか、こういう点については、運輸省はどういうふうにお考えになっておるのですか。
#39
○政府委員(山下正雄君) 御承知のように、船の建造につきましては、鉄鋼を非常に多く使います。ほとんど材料費のうち、鉄鋼の価格は六〇%以上も占めるのじゃないか、こういうふうに思いますが、この鉄鋼価格が、市況によりましては、急激に暴騰いたしますので、当然造船船価には、大きな響きを与えるわけでございまして、従って、ブームのときには、造船所側は売手の市場にございましたので、いわゆるスライド契約と申しまするか、鉄鋼の値上り等を船価にリンクするような、有利な契約等を行うこともできましたが、最近におきましては、海運市況が非常に不況であり、また世界的に造船量が少いために、船主の意向が、非常に強くなってきております。
 従いまして、先ほど申し上げましたようなスライド契約というようなことは、なかなか実行が困難でございまして、現在のところは、フィックスト・プライスで契約いたしております。従いまして、先物二年、または三年先の契約をいたしておりまして、急に鉄鋼の価格が上昇し出すということになりますと、造船業におきましては、非常に大きな痛手になるわけでございます七
 従いまして造船所は、できるだけ鉄屋と密接な連携をとりまして、将来の価格について、その船に限って幾らの価格で鉄板を供給してくれというような話し合いをして、契約をしておる向きもございます。また工場によりましては、そういうような有利な契約によらずに、そのときの市価によって買うというようなケースもございますが、いろいろ製鉄所とのネゴシエーションによりまして、いろいろなケースがあるかと思いますが、現在のところは、決して採算的に赤になる船はございませんが、そういうような鉄鋼の価格の暴騰による多少のリスクは、将来の問題として残っておるのじゃないかと思います。
#40
○相澤重明君 次に、今の外国からの注文というのは、ドル圏が主であって、ポンド圏あるいは何といいますかアジア地帯、中共まで含んで、どういう状況になっておるか、私どもとしては、隣国のアジア地帯とできるだけ多くの輸出をしてもらいたいと思うのだけれども、現状はどうなっておるか、御説明をいただきたいと思うのです。
#41
○政府委員(山下正雄君) 三十二年度におきます契約の実績金額で申し上げたいと思いますが、市場別に見ますと、ドル払い契約によるギリシャ系の船主の発注が八〇%、その大半を占めております。欧州の海運会社からの注文は、ポンド建受注を日本では認めておりませんので、全体の一一%程度にとどまっております。また中近東、中南米、東南アジア及び共産圏からの受注は漸次ふえる傾向はたどっておりますが、その割合は、未だ全体の九%にしか過ぎません。一般に、わが国の競争相手であります西独、またはイギリス等に比較しまして、日本の造船は、不安定な市場に対する依存度が非常に大きいと、こういうふうに考えております。
 従いまして造船業界といたしましても、極力安定市場を、欧州、または将来開発されるであろうところの未開発の国につきまして、十分伸ばしていきたいというような努力を懸命にいたしております。しかし、何と申しましても、未開発の諸国におきましては、手持ちの資金が非常に乏しい、従いまして、どうしても日本の国から経済的な援助の手を伸ばしませんと、受注が確保されないというような状況にございます。
 それからもう一つ、ポンド建、ポンド払いの契約でございますが、これにつきましては、プラント物の一部には為替損失補償法の適用があるわけでございますが、しかし船のように多量に多くの金額に達し、また国際的に強い商品であるというものにつきましては、かりにポンドが下落した場合に、その国がこうむる損害が非常に多いというので、大蔵省側におきましても強い反対を従来から示しております。しかしこれでは造船界が希望しております欧州市場に対する進出が非常に困難でございまするので、私どもとしましてはぜひポンド建、ポンド払いに対する損失補償というものを適用してもらうべく、いろいろ話をいたしております。しかし最近の情勢におきまして、欧州市場の通貨の交換性自由化がどの程度の成果をあげますか、ポンドに対する信頼の度も相当加えてきたやに思っております。従いまして、しばらくその状況等を研究いたしまして、あるいは造船所がポンド建、ポンド払いの船の契約に踏み切るかどうか、重要な方策を決定すべき段階ではなかろうか、こういうふうに存じております。
#42
○相澤重明君 そこで昨年度注文が減った、あるいは今年の見通しとしても、かなり努力を今後しなければならぬというのは、どういう事情でそういうふうになったと運輸省としてはお考えに、なっておりますか。
#43
○政府委員(山下正雄君) この問題は世界の経済の問題に関係があろうかと思います。御承知のようにスエズ・ブーム、いわゆる戦争機運、戦争を含みまして物資の輸送が非常に活発になりまして、場合によってはもっと戦争が大きくなるのじゃないかというので、一部の船主の思惑もございましたでしょうし、また現実に物資が動いたわけでございまするが、しかし最近の情勢としまして、このブームの反動というものが深刻に現われておるのじゃなかろうかと思います。しかしその影響も漸次おさまりつつあるので、以前のようなブームということはとうてい考えられませんけれども、漸次経済の復興が行われておるのじゃなかろうか。もちろん世界に船腹が一億数千万トンございますが、船の寿命と申しますものはやはり二十年とか、貨物船でも二十年とか、タンカーになればもう少し早いと思いますが、それだけの寿命でございますので、少くとも一億数千万トンの二十分の一というものは毎年自動的にスクラップされていくと思います。またそのほか海難の事故等もございましょうし、そのほか世界全般の経済がだんだんふえてくるということに伴なっての船の需要というのは当然あろうかと思います。従いまして、日本の造船界としましては、できるだけいい船を安いコストで作って、有利な条件でよその国に供給するというようなことを、今後とも造船の一番大事な方針として打ち出していかなければならない。そのためにいろいろの努力をいたしておるわけでございます。
#44
○相澤重明君 そこで、これはこまかいような点であるけれども、運輸省としてのお考えを聞いておきたいのでありますが、私ども日本の国内における造船所に、外国のそういういわゆる船主あるいは船員、こういう人たちが注文をした場合に、調査に来、あるいはまた試験に試乗においでになるわけですね、試験のために。ところが、日本の港関係においては非常に待遇が悪い、外国のお客さんに対する待遇が悪い。こういうことを私は聞いておるので、たとえば船員さんが港に着いても、どうもおもしろくない。待遇のいい港に行きたい、こういうようなことを聞いておる。ということもあるのですが、そういう点について、いわゆる施設あるいは歓迎の方法というようなものについて、運輸省はお考えになったことがあるのかどうか。外国のそういう人たちに対して、そういう点についてはどういうふうにまたやろうとするのか、その点を一つお答えをいただきたいと思います。
#45
○政府委員(山下正雄君) 所管の仕事ではございませんので、よくは存じませんが、それぞれの港におきまして、いわゆる外国船を誘致するという動きの一環といたしまして、いろいろの設備を作りまして、たとえば外人に対して日本の案内をするとか、または旅館のあっせんをするとかいうような設備を着々整備しておるようでございます。しかし、それらのものが完全な状態になるにはまだ相当いろいろの点も考えなければならぬじゃないか、こういうふうに考えておりますが、まあ現に大阪等におきましてもございますし、東京でも何かそういうような計画、設備等につきましてちょっと聞いております。詳しいことは私は存じません。
#46
○相澤重明君 これは私の聞いておる範囲では、外国はこの船員さんに対する待遇というのは非常にいいと、つまり国際的に外国のお客さんを迎えるというならわしがある。ところが日本の造船業界は、注文を受けてしまえば品物を納めさえすればいいのです。その監督に来た人もあるいは船に乗る人も、そういうものについてはあまり歓迎をしない、こういうところが、ともするとどうも日本人というのはこすいのじゃないかという感じを受けるという話を聞いておるわけです。これは今のあなたの御答弁にあったように、船主協会なりあるいは造船業界なりの人たちと、やはり国策として、そういういわゆる外国に対する発注を多くしたい、輸出を多くしたいというならば、むしろ政府として積極的にそういう点について私は乗り出すのが今日の段階ではないか。外貨獲得というのはなまじっかなことではなかなかできるものではない。こう私は思う。西独あたりで非常に手持外貨を六十億ドル以上も持っておるということは、非常に戦後の新しい考え方を取り入れたこともあるけれども、やはりそういう人間的な親しみ、そうしてまた非常に待遇をよくするというところが、私はドイツの人たちの性格が買われたと、こういうふうに聞いておるのです。こういう点について、運輸省はそういう問題についてお考えを将来するのかどうか。これは場合によれば、この旅客船公団というようなものもできることに、法案の提案を政府はしておるのでありますが。そういうふうな問題についてお考えになっておるのかどうか、一つ御見解を承わりたいと思います。
#47
○政府委員(山下正雄君) 今の前段の御質問の、造船所におきまして、外国から来ました船員の待遇の点でございますが、その点につきましては、私は十分に待遇をしておると思います。場合によってはサービス過剰のきみがあるのではないかというような感じもいたしておりますが、たとえば工場におきまして、船員の泊ります施設を作りまして、きれいな室、きれいな食堂等を準備して、相当いろいろの点、気を配ってサービスいたしております。しかし港に入港します船につきましては、先ほど申し上げましたように、いろいろ施設等を講じておると思いますが、まだ必ずしも十分整備はされておらぬのじゃないかというような感じを持っておりますが、まあ観光局または船員局等でいろいろの案があるかと思いますが、詳細は存じておりません。
#48
○相澤重明君 他の委員の御発言があろうと思いますから、私は最後に一つだけお伺いしておきたいと思うのですが、この輸出船の中に賠償関係の隻数、トン数というものはどの程度あるのか。
#49
○政府委員(山下正雄君) 全般の累計は今ちょっと持っておりませんが、中型船の賠償につきましてはかようになっております。
 昨年の十二月末現在におきまして、ビルマに対しまして鋼船が四十一隻、九億七千六百万円、そのほかに鋼製のポンツーンが三十二個、四億八千八百万円、フィリピンに対しましては鋼船が百五隻、四十六億三千五百万円、インドネシアにつきましては鋼船が四隻、十二億三千万円、合計いたしまして鋼船――鉄の船が百五十隻、六十八億四千二百万円、そのほかに鋼製のポンツーンが三十二個、四億八千八百万円でございます。全般につきましては、今調べがつきましたら御報告申し上げたいと思いますが……。
#50
○相澤重明君 それでは、それはあとで資料として提出を願いたいことでありますが、いま一つ賠償関係ではないかもしれませんが、たとえばアメリカに籍がある人たちが、第三国にいわゆる日本の注文をした船を持っていっておるというような話があるかないか。つまりアメリカの人だけれども、ほかの国へ会社名を持っていく、あるいは他の国の人がアメリカに、つまりたとえばパナマならパナマ、あるいは南米なら南米の人がアメリカに船を持ってきておる、こういうようなことをやっておるのがあるかどうか、こういう点はいかがでしょうか。
#51
○政府委員(山下正雄君) 御承知のように、南米のパナマとリベリアの国でございますが、その国の固有の船主というものは非常に少いわけでございます。しかしその国の法律上、船を持つのに非常に有利な条件がございますので、アメリカの船主またはギリシャ系のアメリカの市民権を持った人等が、それらの国に船の籍を移しておるケースが相当多いわけでございます。まあ、これらの問題が、いろいろ海運の上で問題を投げかけておるようでございまするが、相当大きな船腹をリベリア、パナマ等が持っております。
#52
○相澤重明君 これは、日本の外貨獲得については、日本船というものをどういうふうに効率的に運営をしていくかという問題と、今度は日本の造船業者が外国にいかに輸出をするかという問題と、私は、別なようであって実は別ではない、国際市場というものは一つでありますから。そういう点から、この日本の輸出造船の問題と、それから今度は国内におけるいわゆる船主協会といいますか、と造船業者、そういう人たちとの関連というものを、私は非常に関心を持って見ておるわけでありますが、運輸省としては、そういう点について何かお考えになっておることがあるでしょうか。
#53
○政府委員(山下正雄君) 日本の造船所の現在の実情から見ますると、日本の船主に船を供給するということだけでは、とうてい現在の規模を維持することができないことは明らかでございます。で、従いまして、造船業としましては、外国の船を相当多く作りまして、まあ外貨の獲得等行うと同時に、先ほど申しましたように、世界に大きな地歩を占めておる段階に達したわけでございますが、しかし、基本的には、私は、日本の造船業と日本の海運業とは一体なものである、こういうふうに考えております。と申しまするのは、造船業が非常な技術の進歩、または企業の合理化等を行いまして、安い、いい船をいい船主に供給するということによりまして、日本の船主が、それによりまして国際的に強い立場を持ち得るわけでございます。しかし、同じような船が外国に供給された場合に、同じことになるじゃないかということでございますが、しかし、これは、もし日本が船を供給しなければ、たとえば、未開発の国がよその国から船の供給を受けるというわけで、いずれにしましても、国際場裏で船が、あらゆる国の船が競争し合うことは当然だと思います。従いまして、一番基本の問題は、日本の造船業としては、よその国に負けぬようにいい船を安くするようにということであり、日本の海運企業としましては、よその国と負けないようなしっかりした基盤なり、経営方法をとるということであって、基本的にはお互いに矛盾相剋することのない問題だと、こういうふうに考えております。
#54
○委員長(大倉精一君) いいですか。
#55
○相澤重明君 いいです。
#56
○松浦清一君 私も、法律案の内容について知らないところがだいぶございますので、二、三お伺いいたしたいと思います。
 この法律案の目的は、法律案の冒頭に示してあるように、船舶の輸出の振興及び海運業の健全な発達に寄与することを目的として、この造船業の合理化を促進することを要望する。その合理化の基本計画が四つばかり書いてありまするが、海運造船合理化審議会の意見を聞いてその合理化の基本計画をきめると、こうなっておりまするけれども、大体、今までの海運造船合理化審議会の造船に対する審議の経過等見ておりますというと、やはり原局の方から資料を出し、原局の方から案を出して、そうして合理化審議会で検討してもらうというような、そういう経過が多いのですが、現在、政府として考えておる合理化の基本計画というものですね、それを少し具体的に御説明いただきたいと思います。
#57
○政府委員(山下正雄君) 合理化の基本計画につきましては、これは中小型鋼船合理化の問題につきましては、基本的な大きな問題でございます。なお中小型鋼船のみでなくて、さらに大きな船と同時に考えなきゃならぬ問題であろうと思います。従いまして、私どもといたしましては、単に事務的な者が集まりましていろいろの案を練るというよりは、造船に関係のあり、また海運に関係のあり、またそのほか学識経験者の方等を交えまして十分審議をしたい。そのためには海運造船合理化審議会の下に小委員会等の組織を持ちまして、そこで十分いろいろの点から検討を加えまして、そしてそれを合理化審議会の方に案として提出をいたしたい、こういうふうに考えております。
#58
○松浦清一君 法律案を作られるときに、まるっきり考えなしに法律案を作られて、今おっしゃるように海運造船合理化審議会の中に小委員会を作って、そこで意見をまとめたい、こういうことなのですが、あらかじめの構想なくして法律案というものはできないと思うのですが、差しつかえのない、現在考えておられる、かくかくの具体的な基本計画を立ててみたい、こういうあなたの構想をお伺いをしたいのですね。
#59
○政府委員(山下正雄君) この中小企業の問題につきましては、数年来私ども、いかにしたら中小企業のこの造船業が合理化され、よくなるであろうかということを検討いたしております。一番のこの中小企業の問題につきましての難点は、端的に申しますると、設備の点と技術の点、もちろん資金の点もございますが、設備の点と技術の点の二点に尽きるわけでございます。で、この資金の点につきましては、中小企業の金融をいたします機関としまして、御承知のようないろいろの機関がございますが、何しろ業態の見通しといいますかまた経営者の考え方といいますか、この考え方が十分金融機関等に反映をしていないという面がございまして、なかなか金融が困難であって、設備の近代化が行われないという問題がございます。
 他方、もう一つのこの技術の点につきましては、十分な経験――中には経験のある方もおられますが、経験のない方が会社のスタッフになって仕事を務められておりまするので、とかく作ります船につきまして問題を起し得る可能性が多いわけでございます。たとえば設計の基本の問題にいたしましても、また工作の具体的な問題につきましても、いろいろな点につきましてやはり大企業の一流のエキスパートをそろえたところに比べますと格段の相違がございます。従いまして、船のコストの点、または安全性の点につきましても大いに改善しなきゃならない点があるわけでございます。従いまして、私どもとしましては、この中小企業の体質の改善につきましては、以上のような観点に重点を置きまして、現在の規模において内容を充実さすところに主力を置いて考えていきたい。今申しましたように日本の造船業としての規模は相当大きなものがございますので、これ以上に中小型の造船所をもり立てて大きなものを作るようにするとか、またはどんどん施設を拡張さすというようなことは、私どもはこの趣旨に反するのじゃないか。従いまして、現在の規模においてその内容をがっちりしたいいものにしていくことを、この中小型鋼船造船業の合化理の一番大きな柱といたしたい、こういうふうに考えております。
 従って、第一番にこの合理化計画を進める上におきましては、工場の実態把握をさらに厳密にいたしたい、工場の状況をはっきりつかんで、それから全般の将来の造船に対する需要の見通しというものをはっきりできるだけ一つ正確に把握をしていきたい。そしてその上に立って現在の、おっしゃいました工場の実態にどういう点が欠けているのかということを具体的に詳細に調べて、そしてそれらの先ほど申しましたような趣旨に沿うことをやっていきたいと考えております。造船の規模の問題等につきましては、先ほど申しましたように業界または斯界または斯界の権威に御参加を願いまして検討いたしましたものを海運造船合理化審議会にかける。それから技術の点につきましては、造船技術審議会というものが運輸省にございますが、この下にやはり専門的なものを研究する方をお願いいたしまして、そしてその面から基準等を作り具体的な合理化方策、技術の向上方策をきめていきたい、こういうふうに考えております。
#60
○松浦清一君 大体構想はわかりましたが、考えられる合理化の方法には二つあるわけですね。その一つは、三千トン未満の鋼船の造船所が二百四十九工場あるというのですが、その工場の二百四十九という工場が存在しているということを肯定して、その現存する工場の設備の改善をはかったり、困っているところに融資のあっぜんをして、そしてそれが生きていけるようにそしていいものが作っていけるようにしようというのがそれが一つと、それからこんなに群小工場が多過ぎるから、これを整理統合するという方針をとるか、そのいずれをとるわけですか、考え方としては。
#61
○政府委員(山下正雄君) 整理統合ということは考えておりません。ただ数は非常に多いわけでございますが、その大半は、船を引き揚げて修繕する修理工場を含んでおりますので、それらの工場におきまして、たとえば工作機械が古くさくて一つも能率が上らぬというものであれば、その工作機械を新らしく取りかえるということによって能率も上りましょうし、また、その工場はその程度のことでいい場合もあり得ると思います。中にはもう少し大きな規模のところで、たとえば船の建造等も行われるようなところにつきましては、先ほど言いましたような意味の工作機械の点もございますが、また技術の点その他につきましても十分調べて、それにふさわしい合理化をはかっていきたいと考えております。
#62
○松浦清一君 今の大小にかかわらず、日本の造船所は非常にりっぱでよくやっているわけですが、ただ一ついつも考えられる大きな難点というものは、各造船所における主機類の規格あるいは船内の設備についての規格が統一されてないということですね。同じ五千トンの船を作っても、甲の造船所で作った船で備えている主機と乙の造船所で作った船で備えている主機とが違う、こういうようなこともあり得るわけなんですね。設備を改善して、そうしてこの法案の目的を達成するためには、たとえば二千トンの船なら船、賠償に百五十隻も充てられるならば、それは、どの造船所で作った二千トンの船も、その主機等の規格が統一されるということが望ましいわけですね。そういうことについては別にお考えはございませんか。
#63
○政府委員(山下正雄君) 御承知のように造船企業並びに関連企業の合理化につきましてはいろいろな方策がございますが、そのうちの一つといたしまして、いわゆる工業標準化の徹底ということが、合理化並びに技術の向上に非常に大きな意義を持つわけでございます。従いまして、工業標準化法によりましていろいろの部品の標準規格を定め、またその製作方法等もきめまして、これをできるだけ一つ船主にも使うべく協力を求めております。御承知のように十四次船におきましては、工業標準化のきめのあるものにつきましては、船主はこれを使うようにという勧告をいたしまして、現実に相当程度使われております。中には規格のうちには使ってみた結果、どうもこれは少し悪いから直してくれというのが当然出てきます。それにつきましては規格を再審査するというような手続等を経まして、できるだけそういうような線でやっております。ただ現在のところ、一部大きな完成品としての規格をきめるという段階には至っておりませんが、漸次工業標準化法によらなくても、その一歩手前の、いわゆる業者間の規格の統一というような意味においてでもなるべくそういうようなものの単純化をはかっていきたいというふうな指導は絶えずやっております。ただメーン・エンジンを全部一本にそろえるというようなことは将来とも至難のことではなかろうかと思いますが、できるだけのことは一つやっていきたいと考えております。
#64
○松浦清一君 これはあなたの所管でないかもしれませんけれども、先ほどの御説明によって、東南アジア地域に百五十隻もの船を賠償に充てるということは昨年暮に決定しておるということなんです。これは日本から戦勝国に対する賠償物資としては相当大きなウェートを占めていると思うのです。だから船を賠償に充てるということを決定する経路というものは、主管はどこで、どういうところが、どうしてきまっていくのか、御存じならばお答えを願いたいと思います。
#65
○政府委員(山下正雄君) 御承知のように賠償は直接契約方式と申しまして、フィリピンまたはインドネシア、ビルマ等の政府が、あらかじめ日本の業者とネゴシエーションをいたしまして、そうしてその上で申請がなされて、政府が認証をして認めるという形になります。もちろん、この計画全般のいわゆる年次計画というものは、双方の政府で検討いたしまして計画をきめるわけでございますが、この全般の計画というものが、なかなか向う側の国の内部におきましてもやはり各省間の取り合いといいますか、やはり水産の方は漁船を作れとか土木の方は港を直せとか、また繊維製品を買ったらどうだとかいうような、いろいろな内部におきまして問題がありまして、なかなかその案が向う側で決定しないというケースが多いわけでございます。ところが賠償としては船のようなものは、政府の中でも、これは優先として早く船を作ろうというようにきまって、全般の計画がきまる前に、船だけが取り上げられるというケースが相当に今まで多うございました。そういうものにつきまして、先ほど申し上げましたように、向うの政府が日本の業者と一応の仮契約なり取りきめをいたしまして、そうしてそのあとで日本政府に申請がなされるというようなケースが割に多かったわけでございます。しかし全般計画がきまりますと、そのワクの範囲内において計画的に行われることになるだろうと思います。
#66
○松浦清一君 そうすると、たとえばインドネシアならインドネシアが、取りきめられた賠償の額のうちで、その十億円は船でほしい、こういうことをインドネシアの政府が考えておる、そうしてその考えを日本政府に伝える前にある特定の業者との間に話し合いをして、そして造船の仮契約が済んだ後に日本の政府に対して申請をするのは、向うの政府ですか、業者ですか。
#67
○政府委員(山下正雄君) 正規な姿になりますと、全般の年次計画がきまりまして、それから向うの政府が日本の業者に対して注文を出すということになるのが正常な姿でございます。ところが、先ほど申し上げましたように、向うの全般の計画がなかなかきまらない、しかし、どうしても船だけは先にほしいということになりますと、それが大量のものであれば、またどうかと思われますが、かりに少量のものであれば、これくらいのものは年次計画で、向うの政府が、日本は認めるであろうというような想定のもとに、日本の業者とネゴシエーションを具体的に進める場合があったわけでございます。そうして契約ができますと、フィリピンの政府から、またインドネシアの政府から、これこれの業者とこういう契約をしたが、日本政府は認証してくれ、認めてくれというような申請が出されるわけでございます。もちろん事前に全般の計画がきまる前にこれだけのものを特に取り上げるということについては、当然向うの政府から日本の政府に対して、これだけは優先して一つ考えてくれという折衝かあることは事実でございます。
#68
○松浦清一君 そうなると船を作ることを引き受ける造船所は、国内需要船と、それから輸出船と賠償船と三通りありますね。今はまあ造船所はそう輻湊していませんから、特に中小の造船所は比較的ひまなんじゃないかと思うんですね、そういうときはよろしいが、もしアジア貿易が急激に進展するというようなことになって、そうして国内造船の需要が緊迫してきた、そういうときに、政府の考えとしては、賠償船が先に優先的に考えられるのか、輸出船か先に考えられるのか、あるいは国内需要船が先に考えられるのか、その需要度の順位はどういうふうに考えておられますか。
#69
○政府委員(山下正雄君) まあお話のような情勢はなかなか来ないと思いますが、かりにそういうような情勢が来ました場合は、政府としまして賠償契約の年次計画等をきめます場合に、向うの計画の内容等も十分聞いた上で、あらかじめ日本の造船とバランスをとって、向うの年次計画を承認するというような段取りになるんじゃなかろうかと、こういうように考えます。
#70
○松浦清一君 最近、新聞で伝えられておるところによるというと、インドネシアから二十隻はかりの船を賠償に充ててもらいたいという要請かあって、その間に最近とかくうわさのある中間業者が中に入っているという話を聞くのですが、そういうものに対しては、われわれが考えると、先ほどおっしゃったように、向うの政府と日本の造船所との間に契約がととのって、それだけで取引をすればよさそうだと考えられますので、第三者的な、造船所にあらざる中間業者が中に入るということがどうもありそうな傾向に見えるのですけれども、そういうことは現実にあるものでしょうか。今までのことは別としてこれから先。
#71
○政府委員(山下正雄君) 賠償船のみでなく輸出船等におきましても、いわゆるブローカーというものがあるわけでございます。と申しますのは、船側は作りたい、船主側は船を持ちたいという両方の要求をうまくマッチさせるようなところを選び出すというのがブローカーの役目であろうと思います。もちろん、船の性能または船価その他につきまして、それぞれのいろいろの主張がありますから、それを適当にアレンジして結び付けるのがブローカーの役ではなかろうかと思います。まあそういうのが輸出船につきましても、造船所がじかにやっている場合もありますが、そういうブローカーを使いまして仕事をやっている場合もございます。従って輸出船等におきましても、たとえば、ことに中小企業の問題につきましては、何しろ向うに行きますにも――もちろん日本にミッションが来ておるかもしれませんが、かりに打ち合せに行きますにもなかなか費用がかかります。中小企業独自の力ではなかなか行けないようなことも起り得るので、若干の手数料を払ってそれらのブローカーにまあ頼むというようなことも将来あり得るのではなかろうかと考えております。私どもとしましては、なるべく造船業者がそういうような中間的な費用を払うよりも、自分でそれを全部ポケットに入れた方がいいのですが、まあどうしても力のないところですから、できるならば組合等がもっと強化して、組合が代表して向うに当るというような措置ができればなおベターではなかろうかというふうにも考えておりますが、いずれにしましても、中に人が入り得ることはあるのではなかろうかと思っております。
#72
○松浦清一君 まあ大した金額ではありませんけれども、来年度の予算の中に五億円が開銀から、あとは市中銀行からも融資して十億円の資金の計画ができて、そしてこの合理化の実施を促進していこうと、こういう構想らしいのですね。やはり国が資金のあっせんをしたり、国が低利の金を貸したりして、そして賠償船舶建造の助成をしていこうという考え方で政府がありますから、中間の変な、と言ってはおかしいが、そういううわさのあるようなブローカーを入れて、それに手数料を払う、手数料のうちの若干は国が負担する、そういう結果になるので、結論から言うと、政府みずからが進んで中間業者の介在の余地のないように、向うの政府に話し合いを進めていくというふうな積極策をとられるという御意思はございますか。
#73
○政府委員(山下正雄君) なるべく中間業者が入らないことは私どもも希望しておるところでございますが、しかし現在の賠償協定の建前といたしまして、向うの政府は、こちらの業者またはその業者を通じる仲介人と契約するというようなケースがいけないという規定にはなっていないわけでございます。従いまして、そういうようなケースを全面的にいけないのだということはちょっと至難のようでございます。協定がある程度改定等をされました場合は別でございますが、現状におきましてはちょっと困難でございます。
#74
○松浦清一君 向うは日本から賠償を取る、日本は払うのだ。そうして船がほしい。そうしてほしい船は造船所との間に一つの商取引として契約を結ぶ。その商取引のときにはブローカーの存在がよくあるわけです。これは現在国家権力で排除するということは、今の法律ではできないかもしれませんが、衆議院の予算委員会で問題になったことも十分御存じでしょうけれども、悪いことがあるかないかはわかりませんけれども、そういううわさの立てられるようなことは、できるだけ排除するのが好ましいと思うのです、日本の国の政治のために。政府がやはり、そういう商社が入るということを――彼らはいろいろな機関を持っているわけです。機関を持って敏速に、向うが船をほしがっているということを聞くというと、それをつかまえて日本の造船所と結びつけていくということをやるわけです。商売する者は勘が鋭いですから、そういうことをやるでしょうけれども、やはりこういうことはいろいろなうわさを生んでいるので、好ましい傾向ではないと思う。やむを得ないかもしれませんが、好ましい傾向ではない。好ましい傾向でなければ、それは事前に排除するような努力を政府がされるべきである。向うの国の外交機関、そういうところに入っていいかどうかということは私知りません。知りませんけれども、そういうところに、人が不足ならば、そういうことができるような、少くとも賠償を払っていかなければならぬという国は一国や二国ではないわけですから、そういうところの外交機関の人的配置の増強等をはかって、もう少し念を入れれば、そういう専門の、船舶というのはかなり大きいのですから、船舶関係の専門の者を日本の外交機関に配置する等の方法を考えて、絶えず情報をキャッチして、そうして中間商人の入り得ない、入る余地のない施策を講じていくということは必要じゃないかと思う。そういうことについて一つ、今直ちにああするこうするということは、あなたの権限ではでき得ないと思いますから、御希望を申し上げたい、これは将来また起り得ますから。
 それから今のうわさのあった二十隻インドネシアから来ているということはほんとうなんですか。木下商店が中に入って話が進行しているということは事実ですか。
#75
○政府委員(山下正雄君) 実は二十隻につきましては、これは新聞情報だと思います。正式には私たちには入っておりません。ただ二十一隻でございましたか、インドネシアの。パトロールボートにつきましては、これは現地の黄田大使から公文でレポートが入っております。その点が、二十隻と二十一隻が少しこんがらがりまして、いろいろ誤解があったと思いますが、二十隻の方は存じておりません。
#76
○江藤智君 ちょっと関連して。一つ今のお話とも関係があるのですが、特にフィリピンとの間の賠償あるいは経済協力で船を造ってやる、それの基本になるいわゆる協定といいますか、外交的な、どうせこれは協定であると思うのですが、そういう協定と、それから決定に至るまでの経過、どういう経過で決定するかということについての資料をいただきたいのです。これは例の高速貨物船の問題で非常に問題になっているわけで、いずれ時間があれば大臣に御質問したいと思うのですけれども、その前に資料をいただいておきたい。
#77
○松浦清一君 先ほど相灘君の方から要求のあった賠償船のリストですね、かなり詳細に、何トン型をどこに何隻、納期はいつ、そういうことを一つ詳細な資料をいただけませんか。
#78
○政府委員(山下正雄君) わかりまし
 た。フィリピンだけでございますか。
#79
○松浦清一君 全部です。
#80
○政府委員(山下正雄君) わかりました。
#81
○杉山昌作君 この法案の運用というか、施行について、役所側と業者との関係は一体どういうことになるのか。というのは、ここで見ますと、第三条、第四条の計画を作って告示するとあるだけなんですね。そうすると一体業者はこれに従う義務があるのかないのか、あるいは行政指導でやるのか。これは業者の方から、すでに合理化をやってもらいたいという盛り上ってできるのか、そこの関係はどうなりますか。
#82
○政府委員(山下正雄君) 実は雰囲気を申し上げますと、中小型鋼船造船業者の関係者は非常に熱心にこの法案の成立を希望しております。と申しまするのは、先ほど申しましたように、中小企業の立ちおくれというものを自分自身で身近によく知っておるわけでございまして、それにはどうしてもやはり資金というものが要るのだ。また技術の点についても立ちおくれを取り戻すためには、どうしても政府に何かしてもらわなければならぬという非常に強い希望を持っております。従いまして、私どもといたしましては、そういう業者の意向をできるだけ一つ取り上げていきたい。そうして従来これらの中小企業の業者の方は協議会というものを作っておりましたが、その協議会に入っておられる方と、それから造船工業会の準会員として加入しておられる方と、二通りあったわけでございます。それらの方々が今度は一本になりまして、中小造船所だけで一つの組合を結成するというような意気込みで今いろいろ着々準備を進めているところであります。従いまして、こういうような基本合理化計画を作りまして、業者の方からいろいろ希望が出てくると思います。その希望等を十分審査をして、いいものにつきましていろいろ援助の手を差し伸べていくことになると思います。
#83
○杉山昌作君 そうすると、第三条の合理化基本計画というのは、これは全国的な大きな、抽象的といいますか、何かそういうようなものさしのようなものになって、第四条の実施計画というものが、今のようなお話ですと、各造船業者の方から、うちはこうやってもらいたい、うちのここが悪いのだが何とかならぬかという希望を受けて、これは具体的に各造船業者ごとに出るようなことになるのでございますか、どうなりますか。
#84
○政府委員(山下正雄君) 合理化基本計画につきまして御説明申し上げますと、合理化基本計画は、本法の施行期間を通じます計画でございますが、合理化実施計画は、合理化基本計画の実施をはかるために必要な年度計画でございます。また実施細目であるわけでございます。従いまして、これらの実施細目でございます実施計画につきましては、毎年やはり変えて――変えるといいますか、変更は当然あり得るわけでございます。
#85
○杉山昌作君 毎年あることは、ここに毎年と書いてあるからいいのですが、それだけ具体的なものである以上は抽象的なものでなくて、どこどこ造船所のどこの船台をどうするとか、どこのドッグをどうするとかということを具体的に書き上げられるかどうかということです。
#86
○政府委員(山下正雄君) 計画自体としましては、全般を網羅するものになるかもしれませんが、その計画の実施につきましては、具体的なそういう審査が当然あるわけでございます。
#87
○杉山昌作君 そうすると要点は、三条、四条の計画をやるとか、七条の基準を作るとかいうよりも、業者の方としてやはり一番痛切に感じているのは、六条の資金のあっせんということになるのだろうと思うのですが、幾らいい計画があっても資金がなければできないからと、そこに問題が落ちてくるだろうと思います。大体資金の計画は、松浦委員のお話ですと、三十四年度は十億ぐらいということで、ここに資料もいただいておりますが、どのくらいかかる見込みですか。大体この法律は五年間の時限立法、そうすると三十四年度はさしあたり千億だが、平均すると五十億、一体五十億くらいでできるのか。それとも資金は持っているんだけれども、あっせんをしてやらなければならないのはこの程度でいいということなのか、そこらの見通しはどうですか。
#88
○政府委員(山下正雄君) 実はその工場のいろいろの設備の点につきましていろいろ検討を加えておるわけでございますが、もちろん現在検討を加えておるものが、実際に調査しましたときにある程度の開きは出るかと思います。しかし、大体計画といたしましては全部で五十一億の計画でございます。そのうち半額を開発銀行の資金に依存する、半額は市中またはその他の銀行等からあっせんをいたしたい、こういうふうに考えております。
#89
○杉山昌作君 わかりましたが、そうすると五十一億くらいでいいものかどうか。私は全くのしろうとなものですから、非常に金の単位も大きくなって、百億だとか五十億という金はざらにそこらで、いろいろのことに計画があるものですから、まあ五十億でいいというような、少くてよければこれにこしたことはないんですが、ただこの場合はあっせんをするだけで、補助というか、利子の負担をどうするとか一部交付金をやるとか補助金をやるということは別段考えておりませんか。
#90
○政府委員(山下正雄君) 初年度におきまして工場の実態調査をずっとやります。その上で、この設備につきましては、これはスクラップとして新しくしなければならぬというものも出てきます。そういうもの等は来年度の予算である程度補助をとってスクラップとして更新する、補助をいたしたい、こういうふうに考えております。まあ五十一億では非常に何といいますか、小さい金額であるようなお感じがするかも存じませんが、造船業自体としましては、割合に設備資金が少くて効果の上る産業でございます。たとえば大型の造船所におきましても、全国の造船所で昭和二十五年から昨年度までに四百五十五億の金がつぎ込まれただけでございます。それであれだけの大きな施設ができ、あれだけの能率を上げておるわけでございますから、中小型造船業者を対象にした場合は大体五十一億見当で、ある程度の内容の改善ができるんじゃないかというふうに考えております。
#91
○杉山昌作君 五十一億の中で、あとわざわざ法律を改正して、モーターボートから何か資金の援助を受けるのですが、貸し出し受けるものは、これはどのくらいお考えになっておりますか。
#92
○政府委員(山下正雄君) 実は法律の改正で、モーターボートの方からこの中小型船の問題につきまして資金が出し得るように考えておりますが、実は設備資金の方は、従来関連工業または関連事業等に出しておりまして、そちらの方をあまり減らしてこちらに出すという考えよりは、たとえば技術の講習会を開くとか、あるいは図面の製作に補助を与えるとか、そういう面になるべく使っていきたい、まあ設備の方はなるべくこの財政資金なりまたは銀行の融資をもってやっていくのが適当じゃなかろうかと考えております。もちろん、これにつきましては、造船技術審議会または海運造船合理化審議会の委員等の方々のいろいろな御意見があろうかと存じますが、私どもの今の考えとしましては、そのような運営の方法をしていきたいと考えております。
#93
○小柳勇君 今の問題に関連して質問しておきますが、モーターボート競技連合会がそういうふうに貸したり援助したりし得る資力を、年間にどの程度に見込んでおるのでございますか。
#94
○政府委員(山下正雄君) 資金総額としましては、年間一億七千万円くらいでございます。そのうち貸付に回っておりますのが、一億二千万円くらいでございます。
#95
○小柳勇君 私、あとまだありますけれども、保留いたします。
#96
○委員長(大倉精一君) 私から一つお尋ねいたしますけれども、先はどの杉山委員に関連するのですけれども、この融資をあっせんする場合に、工場の選定をされるのか、あるいは既存工場は全部一応対象になるのか、こういうことですね、この点はどうでしょう。
#97
○政府委員(山下正雄君) もちろん工場の計画自体にもよりますが、市中銀行との協調融資になるわけでございます。従いまして、銀行側から見ましても、ある程度これならいけるというのも一つの条件になろうかと思います。しかしまた、私どもの方の見方からいたしまして、これはぜひともしなければならぬというものもあれば、当然私どもとしても強硬に推すつもりでございますから、そこら辺はやはり具体的な問題として、その工場計画のいかん、また内容のいかんということになるのじゃなかろうかと思います。
#98
○委員長(大倉精一君) そこで心配されることは、市中銀行から見た場合の条件ということになってくると、内容によっては自然淘汰をされていくということになってくるのですね。それが一つの心配と、それからさらに、これに便乗して、設備の改善じゃなくて、拡張計画まで織り込んで、特別融資を仰ごうというようなのか出てきはしないか。そういった場合に、工場を選別する場合に、だれが、どういう方法で選別するか、こういう問題になってくるのですね。そういうものをどうしておやりになるのか、つまりこの選別、工場選別をするのかしないのか。まあ私は、どうもそういう結果になるのじゃないか、その場合にはいわゆる自然淘汰という格好になるのじゃないかしらんということと、それからさらに拡張工事も含めてという場合も出てきやしないだろうか。これは邪道かもしれませんが、そういう邪道も出てきやしないか。そこでだれがどういう方法で工場を選定するか、決定をするか、こういうことですね。
#99
○政府委員(山下正雄君) 年度別の実施計画で一応総ワクがきまるわけでございます。また全体の基本計画におきまして、造船所の規模の全般的なアイディアができるわけでございますが、それからもう一つは、先ほど申しましたように拡張をむやみにしないという私どもの考えもございます。従いまして、それらをいろいろ勘案して、具体的にどの工場に融資をするということになるわけでございますが、やはり委員等の御意見等もいろいろあろうと思いますか、やはり基本的には運輸省の責任において推薦をするならしなければならないと、まあそのいろいろの批評、非難等も受ける場合もあり得ると思いますが、それだけの責はやはり負わなければならないと、こういうふうに考えております。
#100
○委員長(大倉精一君) もう一点だけお伺いします。したとえば、政府みずからが融資をあっせんするという場合に、大体適性規模といいますか、その企業の、いわゆる、これを合理化し能率を上げあるいは技術の向上をはかるためには、大体このくらいの規模以上のものでなければというものがあると私は思うのですけれども、それ以下の企業規模のものに対しても、やはり適性規模まで引き上げていってやろうという、そういう考えなのか、その点はどうなんですか。
#101
○政府委員(山下正雄君) それも全般の計画がどの程度のものに落ちつくかということにも関連があると思いますが、といって、非常に小さい規模でやっておりまして、せっかくこの法律かできたのに何の恩典にもあずからぬのだというのでは、これまた非常に片手落ちになると思います。従いまして、これらの工場等において、ほんとうに、先ほど申しましたように船台の設備が非常に古くて、船の能率がよく上らないという個々の事実かあれば、それを直すことによって非常に効果が上るということであれば、それに対してある程度の融資をすることによって、また、工作機械等が非常にほしいものがあるけれども、それがなければとても能率が上らぬというような個々のケースがあれば、そのものに限って一つ融資をしてよくしてやるというようなこと等もやり得ると思います。だから、小さいものを全部大きく引き上げて、大きいものはますますりっぱにしていこうというのじゃなくして、できるだけ一つ内容を充実したものにして、先ほど申しましたように、コストの低減とか合理化が促進できるようなやり方というものをじっくりじみちにやっていきたいと考えております。
#102
○委員長(大倉精一君) ほかに御質問ございませんか。御発言がなければ、本日はこの程度にとどめます。
  委員会を散会します。
   午後四時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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