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1958/12/23 第31回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第031回国会 本会議 第7号
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1958/12/23 第31回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第031回国会 本会議 第7号

#1
第031回国会 本会議 第7号
昭和三十三年十二月二十三日(火曜日)
    ―――――――――――――
  昭和三十三年十二月二十三日
    午後一時本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 文部大臣灘尾弘吉君不信任決議案(淺沼稻次郎君外四名提出)
 昭和三十三年七月、八月及び九月の風水害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案(内閣提出)
 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案(内閣提出)
 日本放送協会昭和三十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書
 公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
    午後二時三十七分開議
#2
○議長(加藤鐐五郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○松澤雄藏君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、淺沼稻次郎君外四名提出、文部大臣灘尾弘吉君不信任決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#4
○議長(加藤鐐五郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。
 文部大臣灘尾弘吉君不信任決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を求めます。山崎始男君。
    …………………………………
    〔山崎始男君登壇〕
#6
○山崎始男君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました文部大臣不信任案の上程に対し、その趣旨の説明を申し上げたいと存じます。(拍手)
 まず、その主文を読み上げます。
 本院は、文部大臣灘尾弘吉君を信任せず。
  右決議する。
  〔拍手〕
    理由
 一、教育の特殊性を無視し、法律施行に名をかりて勤務評定を強行し、わが国教育界に大混乱を起した。
 二、道徳教育、校長管理職手当制度、社会教育法の一部改正等一連の灘尾文政は、美名の下に国民の目をごまかし、もつて封建的な修身科の復活、日本教職員組合組織の分断、あるいは金銭をえさにしてわが国青少年を政治権力の召使にせんとした。
 三、十二月十五日高知県下に起つた日本教職員組合委員長小林武君外十数名が暴力により重傷を負わされた不祥事件は、理由のいかんを超越した灘尾文政の責任である。にもかかわらず、文部大臣は、非を他に転じ、暴力を弁護する言動をした。
   右灘尾文政は、教育の中央集権化をはかり、教育基本法の精神をじゆうりんし、再軍備教育、憲法改悪を目的とする教育による国民の思想統制をはからんとするものである。よつて、ここに文部大臣灘尾弘吉君の退陣を要求して、本決議案を提出するものである。
  〔拍手〕
 以下、その詳細について御説明申し上げたいと思います。
 先生の勤務評定制度は、昭和二十六年にすでに法制化されておりましたが、教育の特殊性から、合理的な勤務評価のむずかしさのために、昭和三十三年度まで過去八年間ほとんど実施されていなかったことは、御承知の通りだと思います。従って、教員の勤務評定という言葉が、国民の前に大きく浮び出たのは、昨年の秋、愛媛県教育委員会の勤評問題がその初めでありました。しかし、愛媛県の勤評問題は、教育財源の不足のため勤務評定を実施することによって昇給財源を三割浮かそうとした地方財政の貧困がその動機であったのであります。しかるに、今日、灘尾文政の勤評強行のねらいは一体どこにあるのか。愛媛県と同様に、財源の不足を補うためか。いな、そんななまやさしい動機ではありません。もっともっと深い政治的陰謀のあることを国民は知らなければなりません。(拍手)
 灘尾文部大臣は、勤評実施の理由として、口を開けば二つの理由をあげていわく、すなわち、いかなる職場、職域にも勤務評定は実施されておるということ、法律に定められておることを施行することは何ゆえ悪いか、過去八年間、法律に規定されながら実施しなかった怠慢に対し、おしかりを受けることはわかるが、法律通り施行するだけのことだと言われておるのであります。一体、このような理由、一事務官僚ならいざ知らず、少くとも、政治家として、文教の最高責任者の言葉として、このくらい国民をばかにした、お粗末な言葉はありません。(拍手)法律万能、権力謳歌、官僚独善そのものといわなければなりません。(拍手)
 文部大臣は、勤評実施に当り、過去八年間法律の施行ができなかった原因はどこにあるか、研究されたことがありますか。商売や、勝負事の社会と違い、教育の効果は、十年後、いな、数十年後でなければ正しい評価ができないことは、論を待ちません。まして、知能の異なる生きた人間の精神を対象としての先生たちの勤務の評価を測定する正しいものさしは、神様以外には持っていないと思いますが、どうでしょうか。(拍手、発言する者あり)かかる複雑なる特殊性があればこそ、人事委員会がいかに研究しても科学的基準を作ることができなかったところに、八年間空白にならざるを得なかった原因があったはずです。(拍手)この空白を吹き飛ばして、一足飛びに勤評実施を断行されますが、科学的評価基準作成に対し、一体いかなる研究をされたか。また、その基準作成までに、いかなる有識者の衆知を集められたか。その民主的な手続と経過は、われわれ国民は、きょうのきょうまで政府から聞かされたことはないのであります。(拍手)
 昨年末、突如として全国教育長協議会案なるものが発表されました。しかし、この案は、文部官僚の作文を名前をかりて発表したことはもちろん、八十数項に及ぶ測定基準は、教師の教育活動の自由を縛る以外何らの価値なきことは、有識者のごうごうたる批判が雄弁に物語っておるのであります。(拍手)灘尾文部大臣就任のとき、勤評実施をしっかり頼むよと肩をたたいて激励した岸総理大臣みずからすら、「あまりにも複雑だ、もっと簡単にならぬものか」と言われたはずでございます。かかる不完全なるものを一方的に全国教育委員会に押しつけておるのが、今日の勤評の実態でございます。(拍手)平和教育推進の旗振りである日教組を目の上のこぶのごとく考えておった自民党政府が……。
    〔発言する者多し〕
#7
○議長(加藤鐐五郎君) 静粛に願います。――静粛に願います。
    〔発言する者多し〕
#8
○山崎始男君(続) ちょっと皆さんに申し上げます。国会の正常化を言われたのは、あなた方でございます。いましばらく静かにされたらどうですか。恥かしいと思いませんか。(拍手)
 自民党政府が、この愛媛県の勤評事件をきっかけに、日教組をたたくときこそ来たれりと、急に勤評実施の決意をし、しかも、総選挙に利用する一石二鳥をねらったといわれておるのであります。本年四月の初旬、東京グランド・ホテルにおいて、松永文部大臣が、川島自民党幹事長立ち合いの上で、全国教育長協議会本島議長を呼ぴつけて、四月末日までに勤評実施を全国的にぜひやるようにと圧力をかけた事実がございます。星島議長をカン詰にして、むちゃな会期延長を要求し、ついに議長の権威と中立性を失わしめたと同様、大臣一人ならともかくも、川島幹事長立ち合いでは、政府が常に口にされる教育の中立性は一体どういうことになったのですか。(拍手)灘尾文部大臣は、この勤務評定にからんだ今日までの教育界の混乱の責任を一体いかに見ておられますか。日教組の戦術にその原因があると言われることは、まことに責任回避もはなはだしき態度といわなければなりません。
 私は、高知県下の不祥事件を例にとってみましょう。十二月十五日、高知県下において、日本教職員組合小林委員長外十数名が、暴行により重傷を負わされました。この不祥事件は、灘尾文政の意識的な政治的配慮が事件の根本原因だといわなければなりません。(拍手)一部村民が児童、生徒の登校を拒否して、資格のない先生をして授業をするがごとき、まことに変則の状態が五十日にも及んでおるにもかかわらず、文部当局は、解決に対する何らの行政的措置も行なっておらないのであります。九月十五日の総評の統一闘争の際、数時間の授業拒否ですら、いまだ九月十五日がこない前から、文部当局は、もし休んだならば法律違反だというて、おどかしの音響爆弾を投げたこの態度と、今回の高知県のとった態度を比較してみたら、一番よくわかると思います。(拍手)かかる文部当局の意識的な行政は、ついに村民をして、見張りをする班、暴力を実行する班というがごときところまで発展をし、ついに、あの不祥事件を起すに至ったのであります。警察当局の責任はもちろんなれど、根本は、文教当局の不公平なる意識的文教行政がその根本原因であると断言せざるを得ないのであります。(拍手)
 しかも、驚くべきことには、かくのごとき不祥事件に対し、その原因を日教組の戦術に転嫁し、暗に暴力行為の発生を是認するがごとき大臣の言動は、三悪追放を表看板とする岸内閣の連帯性において、芦を大にしてその責任を追求しなければなりません。(拍手)文部大臣に、「日教組の幹部に何ゆえ会って話し合いをされないのですか」と問えば、「会うか会わないかは私の自由だ。勤評を認めない以上会わない」と常に云われておるが、このような考え方では、教育界の混乱は当然だと思います。
 去る九月十五日の全国統一闘争を前にして、わが国教育界の混乱を憂慮されたところの臘山先生その他の学者のグループが――その中には、もとより勤務評定賛成の人たちもおられたが、仲裁に立たれたときに、国民は、なまつばをのんで、ほっといたしまして、仲裁のでき上らんことをこいねがったのでございます。日教組の小林委員長は、仲裁者に対し白紙一任したではありませんか。すなわち、日教組の勤務評定絶対反対の表看板を塗りかえて、条件闘争に忍びがたきを忍んで切りかえる決意を示して、教育界の混乱を未然に防ごうとしたではありませんか。高知、群馬の暴力事件、人権侵害事件その他、今日の混乱の遠因は、九月十四日の、この仲裁者に対する、砂をかむがごとき、にべもつやもない大臣の言動の中にすでに胚胎しておったことを今こそ痛感し、その責めを国民の前に深くあやまってもらいたいのであります。(拍手)
 以上申し上げたごとく、今回の政府の勤評実施については、文部大臣がいかにきれいな理由を言われても、真の教育の向上を考えた勤評実施とは、どうしても受け取れません。日教組をたたく道具に使った勤評であることを如実に暴露しておるのであります。臘山先生嘆いていわく、「調停に奔走したこの四日間、いろいろの人に会ってみて、つくづくわかったことは、勤評問題の調停を引き裂こうとするものが、もっぱら政治的配慮以外には何ものもないということがわかった」と、政治への怒りを述べておられるのであります。(拍手)灘尾文部大臣は、就任以来、勤務評定を初めとして、その他、校長管理職手当制度を実施して組合組織の分裂をはかり、社会教育法の一部を改正し、金銭をえさにして、わが国青少年を自民党政府の御用団体化せんとなし、また、道徳教育の美名のもとに修身科の復活を意図するなど、日教組征伐と教育の官僚統制を目的として、うき身をやつし、教育の中立性を阻害し、教育基本法の精神をじゅうりんしたことは、断じて許すことができません。(拍手)
 私は、最後に、クイズではありませんが、今日の灘尾文政の極端な反動性を根元から洗って、私の演説を終りたいと思います。
 昭和二十七年八月に、天野文部大臣がやめて岡野文部大臣が就任したことに、今日の反動文政の原因を求めなければなりません。戦後、三十七年までは、文部大臣はすべて、政党色の少い、公平な立場の学者が文部大臣に就任したことは、御承知の通りだと思います。岡野文相就任のあいさつにいわく、「私は文部大臣であると同時に、自由党の党人であります」云々。以来、文部大臣は、すべて、しろうとの党人が起用され、従って、わが国の文教政策は保守政党と官僚との合作となり、学者や有識者の意見はほとんど入らなくなったのでございます。教育が政治に利用される原因を作ったのであります。以来、保守党の文教政策は、第一に日教組の解体、第二に教育内容の全面的な変革、第三に教育行政の機構改革の、この三つを実現して、最後には教育基本法そのものの改変を根本目的といたしたのでございます。岡野文相のごときは、日教組を地球の上から抹殺してやるとまで言われました。岡野文部大臣は、地方教育委員会の設置を断行して、五十万教員の末端まで直接監視のにらみをきかし、大達文部大臣は、給与三本建を法律化して、高等学校と小、中学校の離間策を行なった。清瀬文部大臣は、また、教育二法案によって全国教職員の政治活動を封殺した。清瀬文相は、教育委員会を改悪して、ついに国民の手にあった教育を強奪したのでございます。灘尾文部大臣は、道徳教育を正式に義務づけて、小、中学校の新しい学習指導要領を発表し、教育内容を昔の教育に切りかえたのでございます。(拍手)
 この際、特に国民が忘れてはならないことは、本年八月から義務づけたこの灘尾文政の道徳教育は、昭和二十八年十月一日MSA受け入れのために吉田首相の特使として渡米された池田勇人氏とロバートソン国務次官補との間でかわされた日米間の覚書と非常に深い関係があるという点でございます。(拍手)昭和二十八年十月二十五日の朝日新聞ワシントン特電が、日米相互に交換されたこの池田・ロバートソン会談の要約を打電いたしておりまするが、その中によれば、ロバートソン国務次官補は、日本は早く三十五万までに陸兵を増強せよと要求いたしました。そのときに、池田氏答えていわく、「日本人は、いかなることが起っても武器をとるべきではないとの教育を最も強く受けたのは、まず防衛の任につかなければならない今の日本の青少年である」と答えております。多数の青年を短期間に兵隊にすることの不可能であることを説明いたしておるのであります。そこで、軍備増強に関連いたしまして、教育と愛国心との関係が討議されておるのであります。(発言する者多し)すなわち、その結論といたしまして、日米両国は、日本国民の防衛に対する責任感を増大させるような日本の空気を教育と広報活動によって助成することが最も重要であることに同意をした。そうして、日本国政府は、愛国心と自衛のため自発的精神が成長するような空気を作ることに第一の責任を持つ。つまり、日本政府は、アメリカに対して愛国心を作る責任を負わされたのであります。(拍手)皆さん、われわれ社会党は、真の愛国心はもろ手を上げて賛成をいたします。しかしながら、日本の青少年の愛国心が、自衛隊を増強するための愛国心であったり、また、MSA受け入れの交換条件として輸出用に利用される愛国心であるならば、将来、日本の平和にとって、これくらいおそろしいことはないと思います。(拍手)灘尾文政の、このたびの道徳教育は、道徳の美名を使って国民を欺瞞し、このおそるべき再軍備教育に向って第一歩を踏み出したといわなければなりません。(拍手)
 以上申し上げたごとく、昭和二十七年以来、日本の教育は、政治のあらしの中にほっぽり出されて、波の間に間に漂う浮き草のごとく、文教政策は政策文教に変ってしまい、教育の権威も教育の自由も次第に影を薄めてきたのでございます。さきには教育行政機構の改編をはかり、今また、ここに、道徳教育を軸として、教育内容の変革を実現した。残る一つは、日教組五十万教職員をして保守党政治権力の召使にすることだけが実現をしない。(拍手)過去六年間、ラッキョウの皮をはぐように、先生の自由を一枚々々はぎ取ったが、いまだに往生しない。最後の青酸カリとも言うべき勤務評定を断行した灘尾文部大臣は、いわば、六年間の反動的な政策文教の最後の仕上げをする代表選手として登場したのでございます。(拍手)
 私は、声を大にして、あなたに申し上げたい。全国には十二万学級に及ぶすし詰め教室がございます。老朽危険校舎のために、いかに地方財政は苦しめられておりますか。薄給に安んじて、沖のカモメやイノシシを友だちにしておるような辺境の先生の苦しみを考えたことがありますか。金の要らない勤務評定にうき身をやつし、政治権力と法律の二本の刀を振り回して日教組を追い回し、あげくの果ては教育界の大混乱を招いた、まことに下手な剣術師の姿しかございません。(拍手)人の心は法律や権力で切れるものではありません。文教の最高責任者、特に高い理想と深い哲学を持たなければ、その資格はございません。仏教の教えにいわく、言い得るも不可、言い得ざるも不可。すなわち、けんかする者は、理屈があってもなくても、両方とも悪い。また、最近の歌の文句に、「みんなわたしが悪いのよ」というのがございます。(拍手)「教育界の混乱は、みんな灘尾が悪いのよ」という反省が、今のあなたにありますか。(拍手)おそらく、ないでしょら。もし、ここから先でもあったら、今のような混乱は起っておらないと思います。(拍手)政治や教育は愛情が中心でなければならない。政治権力や法律で教育者の自由を奪い、教育を官僚化した将来の日本は、一体どうなるのですか。教育者はすべて政治権力の前にひれ伏して、あしたに平家を迎え、タベに源氏を送り出すような教育者によって、機械化された、抜けがらの人間だけが育成されることは、火を見るより明らかであります。(拍手)国家の将来のため、おそるべきことだと思います。封建時代の明治の初期に、教育の権威と自由を守るために、おのれの身を殺した、文部大臣森有禮のごときりっぱな文部大臣を、われわれの祖父母は持ったのでございます。民主主義の今日に、灘尾文部大臣を持たなければならない、われわれの現在とを比較して、深い悲しみと怒りとを覚える次第でございます。(拍手)
 国民の名において、文部大臣灘尾弘吉君の退陣を要求いたします。(拍手)
#9
○議長(加藤鐐五郎君) これより討論に入ります。永山忠則君。
    〔永山忠則君登壇〕
#10
○永山忠則君 私は、ただいま上程になりました文部大臣灘尾弘吉君不信任決議案に対し、自由民主党を代表して絶対反対をいたすものであります。(拍手)以下、その理由を述べて反対討論をいたします。
 思うに、勤務評定は、人間の住むいかなる社会においても行われておるのであります。(拍手)われわれ国会議員は、最も峻厳に国民の勤評を受けておるのであります。(拍手)最高裁の判事さんも、過般の総選挙の際、国民評定を受けたのであります。国家公務員、地方公務員も、勤務評定を現に受けておるのであります。教師だけが例外であるという理由はありません。(拍手)むしろ、聖職である教員は、進んで勤評を受ける気持があってこそ、国民の信頼と尊敬を受けるものであると思うのでございます。(拍手)しかし、現実には、教員の勤評は日教組が握っておるのでありまして、きょうまで、教員の人事権は教育委員会にあるといいながら、日教組の不当なる支配が行われている地方が少くないのであります。(拍手)これをこのままに見のがしておけば、おそるべき日教組の独善教育が行われ、国民全体の意思が教育に浸透する民主教育はできないのであります。(拍手)しかも、日教組の指導原理は、残念ながら、過激なる社会革命にあるのでありますから、わが党は、この日教組の不当なる人事管理の実態を教育委員会に完全に移し、法の定めるところに従って民主教育の実をあげることを念願といたしておるものであります。(拍手)この精神に基いて、灘尾文相は、現下地方教育界の実情を洞察し、教育長協議会の趣旨により、各県教育委員会が、法律の定めるところに従い、自主的に勤務評定を公正妥当に実行せんとする情勢に対し、適切なる指導、助言をなしているのであります。(拍手)このことは、すなわち、文教行政府の長として当然の責務を果しているというべきでありまして、これをあえて不信任せんとするがごときは、日教組の独裁教育による社会革命を容認し、民主主義教育を根本から破壊せんとするものであるといっても過言ではないと思うのであります。(拍手)
 現に、日教組は、勤評絶対反対を主張するのみならず、道徳教育、新教育課程等々、政府の施策はその内容のいかんにかかわらず何でも反対し、日教組の教育方針以外はすべて反動教育で、再軍備、憲法改悪につながるものと独断し、日教組が教育の絶対的支配権を獲得して、日本の社会体制を根本的に変革せんとしているのであります。(拍手)また、その闘争方針、和歌山大会の決定に見られるごとく、合法、非合法は彼我の力の関係によってきまると称し、あえて非合法闘争により勤評を押しつぶさんとしているのであります、わけて、高知県における日教組の集団暴力の激しさは言語に絶し、高等学校の生徒さえもかり立てて、知事、教育委員、教育長などをしばしばカン詰にし、ついに教育委員長、教育長、次長等ともに病気となって倒れるまで自由と人権を無視する集団暴行が平気で行われ、これが高知県民の義憤を買っているのであります。この雰囲気の中に仁淀村森小学校の問題が生じたのでありまして、教員組合と父兄の激しい激突を来たし、父兄と教員は一斉スト等は行わないとの誓約をかわしておったのでありますが、それにもかかわらず、その約束を一方的に破って、その後も先生は一斉ストをなし、オルグもやってくる。加うるに、日教組の委員長が入村したので、ついに不幸なる惨事を見ましたことは、まことに遺憾に存じます。われわれは、いかなる場合でも、暴力は断じて排除しなければなりません。しかし、このことを何だか灘尾文相に責任があるごとく追及するに至っては、全く心外千万であります。(拍手)
 灘尾文相が、厳に暴力を排除し、教育秩序を確立し、民主主義、議会政治を守るために懸命となって、院の内外を通じて最善を尽していることは、国民周知の事実であります。(拍手)これをあえて責任呼ばわりをして、一方の集団暴力を押えないのみならず、正当化しようとするがごとき態度こそが、流血の惨事を引き起しておる原因であると思うのであります。(拍手)
 さらに、国民が注意を要することは、日教教組、組合員に二千名からの共産党員を持ち、全学連は千七百余名の共産党員を持ち、その他多数の共産党シンパを持っておる団体であります。ことに、全学連の中核体である社会主義学生同盟、いわゆる社学同の幹部は、ほとんど共産党の極左暴力派で占められておるといわれておるのでありまして、過般の上野博物館における道徳教育講習会反対闘争の際、社学同指揮のもと、身をもってバスの下敷きとならんとする者、あるいは、「悪法をつぶすためには暴力もその瞬間は合法である。反動岸内閣をつぶすためには、そのかいらいである警察官を殺せ。」とアジっておるのであります。(拍手)彼らは、勤評闘争は社会革命に通ずるものとして、あえて集団暴力の積み重ね方式による合法化を強行せんとしておるのであります。不幸にして、社会党がこれらの行動を支持するごとき印象を国民に与えることがありとすれば、国権の最高機関たる議会政治の権威を失墜すること、これより大なるものはないのであります。(拍手)社会党の諸君も、民主主義、議会主義を否定せんとしておる日教組の無謀なる勤評反対行動に同調して、みずからの首を締めるようなことなく、日教組の反省を促し、議会政治を守られるよう要望してやまないものであります。(拍手)
 灘尾文相は、わが党並びに国民の信頼をになって文教府の長となって以来、社会革命の前夜とも言うべき勤評反対の集団闘争によく対処し、方向を誤まらず、きぜんとして、信念を持って、国民の要望する文教政策をよく推進しているのでありまして、わが党はもちろん、国民ひとしく敬服しておるのであります。(拍手)過般の全国町村長大会において、所信を表明した灘尾文相に対する、満場一致、万雷割れるがごとき大拍手、文相に対する国民の信頼と期待を端的に表明しておるものであるといわなければならぬのであります。(拍手)不信任を受ける理由のごときは毛頭ございません。
 以上をもって反対討論といたします。(拍手)
#11
○議長(加藤鐐五郎君) 野口忠夫君。
    〔野口忠夫君登壇〕
#12
○野口忠夫君 私、ただいま提案されている文部大臣灘尾弘吉君不信任案について、日本社会党を代表して賛成の意見を述べるものであります。(拍手)
 不信任案に賛成する第一の理由は、幾ら何と言ってもわかろうとしない執拗ながんこさにあります。(拍手)このことは、あえてここで私だけが申し上げるのではなく、朝日新聞で、文部大臣の頭は石のようにかたい頭であると酷評しております。(拍手)大体、このことは、一般大衆、国民の勤務評定をめぐって考えている世論ではないかと思います。(拍手)何ゆえに、かくも執拗にがんこであるのか。私は、大臣の、このがんこさは、決して石頭的、性格的なものとは思われません。大臣の中に内在する意図的態度であると断言いたすものであります。(拍手)
 元来、文部大臣の立場は、国民を憲法の理想の実現の方向に作り上げるところにあるのでありますから、内閣においても文部大臣は平和論者の先頭にあり、たとい、所属する内閣が仮想敵国を作り、生活の苦しさを政治に求める国民の声も信頼できず、暴力とか革命とか、事をかまえ、大国の軍備にすがり、権力を乱用し、そのためには憲法改悪も辞さないと考えるようなものであっても、文部大臣の立場、変りない平和を守る立場であり、憲法の理想を守る番人でなければならないはずであります。(拍手)しかるに、大臣の、このがんこな態度の中には、残念ながら、この文部大臣として持つべき重要な資質が欠け、常に自己主張に終始し、平和的に物事を解決する努力の影は見当らないのであります。この意図的がんこさは、何か、あなたの所属する内閣の政治的方針の先頭に教育をかり立てねばやまぬような強固なるものがあるのではないかと思うのであります。(拍手)このような態度では、平和憲法の理想に反し、教育の中立が侵され、民主的発展も全く影をひそめる素因となることは当然であります。
 勤務評定をめぐる混乱を未然に防止しようとする真摯な第三者の仲介の労にもこたえることなく、法の執行を建前に、一方的主張に終始されたことなど、全く文教行政の立場にある文部大臣の立場としては理解することができない態度ではないかと思います。(拍手)話し合いに応じ、話し合いの中から理解することなくしては、平和的解決の手段は失われてしまうのであります。このあとにくる力の解決のおそろしさを行政の立場において未然に防止する責任を回避した、全く許しがたい行為であると思うのであります。(拍手)たとい絶対反対の主張の前に向っても、あなたは、あなたの立場の主張を忍耐深く続け、理解させる中で解決の方向を見出すことを失ってはならなかったはずであります。なぜか、それがなし得なかったところに、あなたがすでに文部大臣として公平な立場を失い、教育を政治の先頭にかり立てる支配者であったことが明らかなのであります。そして、あなたの態度は、全く自後に生じた混乱の解決の方向に対する努力を放棄したというべきであります。本会議においての答弁においても、日教組の話し合いの申し入れについては、会いたいと思うとき会うが、会う必要のないときには会わないなどと言っておられましたが、日教組は、全国五十万教師の現場教師を組合員とする唯一の団体であります。あなたが、文部省の中で、教育委員会と校長を相手にして、どんなよいことを考えても、あなたの言葉に従うまじめな現場教師の協力なくしては、教育の効果は上らないのであります。(拍手)この働く者の直接的実績を無視する文部大臣の態度は、全く信頼できる何ものもありません。よし、それが連合体であろうとも、法に認められた公務員の団体に対して、自分の都合だけで会えないなどと広言する行政機関の責任者など、全く近代的労使関係を無視した欠格者と断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 不信任案に賛成する第二の理由は、最近とみにその傾向を強めている一連の反動文教政策それ自体にあります。すなわち、日本国憲法及び教育基本法の精神に反し、権力支配による非民主的行政強行の中で教育の民主化を曲げ、再び教育独占の野望を実現せんとする点であります。
 申すまでもなく、教育は憲法の理想の実現の力であります。平和と文化への国民の期待に沿い、その希望の実現に全力を傾注せねばなりません。焼け野原と化した国土の上を、のら犬のごとくさまよった浮浪児の群、それはすなわち、戦前の文部大臣が全国の教師に命じ、強制して描き出した姿であります。学校と社会の教育の全野を通じて作り上げた悲惨な姿であったのであります。支配された教育のもたらした罪悪の深さを忘れてはならないはずであります。(拍手)
 教育基本法第十条に示す、不当な教育の支配の排除と、その自覚の上に立つ教育行政官の任務の規定とは、全く教育のこのあやまちを再び犯すまいとする国民総意の表現であるのであります。しかるに、近ごろの文教政策の一連の流れは、全くこの精神を没却し、世論の不安をかもし出しているのであります。すなわち、文教行政の底に一貫して流れております中央集権化の政策であります。大臣は、口を開けば憲法尊重、平和愛好と答弁はしておりまするが、大臣の命ぜられ、実施されている政策は、この言葉に全く相反し、まさに言葉の民主的装いにすぎないのであります。(拍手)
 あなたは、教育内容に対する重要な点で、国家的、画一的指導と統制を加えようとして、一番上に文部省、県教委、地教委、校長、教職員のピラミッド型支配の骨組みを作ることに、やっきとなっていたではありませんか。地方教育委員会の自主性尊重などと口には言っても、文部省の越権的行為の逃げ口上にすぎず、実は、全く文部省の権限干渉の中での地方教育委員会は日陰者にすぎないのであります。今次、勤務評定の地方における話し合いの中でも、時期を延ばしてくれとの要求にさえも応ずるゆとりもないほど、地方教育委員会の自主的裁量の余地は認められておらない現状であり、文部省の権限は、任命制の中で完全に地教委を掌握し、その権限の中で法を犯しているのであります。さらに、行政機関の権限を越え、教育活動の実践の中に支配の手を伸ばし、その中心となる学校長の権限を管理職ときめつけ、手当を与えることによって権限を強化しようとしているのであります。十五年の民主的努力の中で、ようやく現場に生まれてきた学校職場の民主的愛情と信頼の明るい人間関係は、再び冷たい権力従属関係に置きかえられようとしているのであります。(拍手)
 文部省の意図する方向は、教師の人間関係を明るい協力の方向に導いて民主教育を発展させる方向ではなく、学校長と教師の間に大きな深い権力の冷たいみぞを掘る分裂の方向にあるのであります。権力支配の野望のためとあれば、教育の効果も犠牲にして顧みず、乏しい予算の中で、少しでも条件整備に必要な国民の税金もどんどん使ってはばからず、文部省の態度は、全くその権限強化のために一切を犠牲にしているといっても過言ではないのであります。教師を分裂させ、思うがままの教育を強行しようとする違憲、違法の行政機関の権限干渉をあえて行う文部大臣の教育に対する態度は、全く国民の信頼できないものであります。
 このような権力支配の制度の確立の上に、教育内容の画一指導と統制は、十五年の民主教育確立のために苦労をしてきた現場教師の努力をよそに、あらしと吹きまくっているのであります。人間形成の真剣な営みを、学校の全生活の中で子供自身に見つけ出させ、再びくずれることのない教育の完成に十五年の努力を続けてきた教師のこの努力もむなしく、上から押しつけてくる修身科的道徳科の時間設定の強行の中で、全く文字通りの混乱をもたらしているのであります。この混乱は、道徳教育を中心に、民主教育の基本的考え方を根底からゆり動かすものであり、まことに遺憾にたえない文部省の一方的、越権的行為と断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 従属精神の強調を事とする修身科教授を土台に、自主的創造の芽はつまれ、国家的精神の中に追い込まれていく子供たち、教育内容に対する国家権力の支配的傾向は全く言語道断、これを許容する何らの弁解の余地もないと思うのであります。(拍手)全く現行憲法の逸脱であり、不当な教育支配を画する、おそるべき文教政策として、その執行の責任者である文部大臣の責任を問わねばならないのであります。(拍手)勤務評定をめぐり、全教師とともに子供のことを真に考える文部大臣を願いながら、この戦いを続けてきた全国五十万の教師が、日教組の幹部の指令一つによって動くほど、教師はばかではないと思う次第であります。何が教師をこうさせたかは、文部大臣が長い間の交渉を打ち切ってしまって、みずからの交渉を続けることのできなかった文部大臣の不自由な姿の中に、私は、勤務評定の混乱の最大の原因があろうと思うのであります。(拍手)
 文部大臣が自由に日本の教育を考えるとき勤務評定の問題は起らず、日本の教育はさらにさらに前進したであろうことを思うときに、この不自由な文部大臣に対して国民の名において退陣を要求するこの不信任案に対し、賛成の演説とするわけであります。(拍手)
#13
○議長(加藤鐐五郎君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。この採決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#14
○議長(加藤鐐五郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。関連。開鎖。
 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#15
○議長(加藤鐐五郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読〕
 投票総数 三百七十二
  可とする者(白票)  百四十五
    〔拍手〕
  否とする者(青票)  二百二十七
    〔拍手〕
#16
○議長(加藤鐐五郎君) 右の結果、文部大臣灘尾弘吉君不信任決議案は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 淺沼稻次郎君外四名提出文部大臣灘尾弘吉君不信任決議案を可とする議員の氏名
      阿部 五郎君    赤路 友藏君
      赤松  勇君    茜ケ久保重光君
      淺沼稻次郎君    足鹿  覺君
      飛鳥田一雄君    淡谷 悠藏君
      井伊 誠一君    井岡 大治君
      井手 以誠君    伊藤卯四郎君
      伊藤よし子君    猪俣 浩三君
      池田 禎治君    石川 次夫君
      石田 宥全君    石野 久男君
      石橋 政嗣君    石村 英雄君
      板川 正吾君    今澄  勇君
      今村  等君    受田 新吉君
      内海  清君    小川 豊明君
      小沢 貞孝君    大西 正道君
      大貫 大八君    大原  亨君
      大矢 省三君    太田 一夫君
      岡  良一君    岡本 隆一君
      加賀田 進君    加藤 勘十君
      加藤 鐐造君    柏  正男君
      春日 一幸君    片島  港君
      片山  哲君    勝澤 芳雄君
      勝間田清一君    角屋堅次郎君
      金丸 徳重君    神近 市子君
      神田 大作君    河上丈太郎君
      河野  正君    木原津與志君
      菊川 君子君    菊地養之輔君
      北山 愛郎君    久保 三郎君
      久保田鶴松君    久保田 豊君
      栗原 俊夫君    栗林 三郎君
      黒田 寿男君    小平  忠君
      小林  進君    小林 正美君
      小牧 次生君    小松信太郎君
      小松  幹君    兒玉 末男君
      五島 虎雄君    河野  密君
      佐々木更三君    佐々木良作君
      佐藤觀次郎君    佐野 憲治君
      坂本 泰良君    阪上安太郎君
      櫻井 奎夫君    實川 清之君
      島上善五郎君    島口重次郎君
      下平 正一君    東海林 稔君
      杉山元治郎君    鈴木  一君
      鈴木茂三郎君    田中幾三郎君
      田中織之進君    田中 武夫君
      田中 稔男君    多賀谷真稔君
      高田 富之君    滝井 義高君
      竹谷源太郎君    楯 兼次郎君
      館  俊三君    塚本 三郎君
      辻原 弘市君    堤 ツルヨ君
      戸叶 里子君    中井徳次郎君
      中澤 茂一君    中嶋 英夫君
      中原 健次君    中村 高一君
      中村 英男君    成田 知巳君
      西村 榮一君    西村 関一君
      西村 力弥君    野口 忠夫君
      芳賀  貢君    長谷川 保君
      原   茂君    原   彪君
      日野 吉夫君    平岡忠次郎君
      廣瀬 勝邦君    帆足  計君
      北條 秀一君    堀  昌雄君
      松浦 定義君    松平 忠久君
      松本 七郎君    三鍋 義三君
      三宅 正一君    武藤 武雄君
      門司  亮君    本島百合子君
      森島 守人君    森本  靖君
      八百板 正君    八木 一男君
      八木  昇君    矢尾喜三郎君
      安井 吉典君    柳田 秀一君
      山口シヅエ君    山崎 始男君
      山下 榮二君    山田 長司君
      山花 秀雄君    山本 幸一君
      横山 利秋君    吉川 兼光君
      和田 博雄君    志賀 義雄君
      正木  清君
 否とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    相川 勝六君
      逢澤  寛君    愛知 揆一君
      青木  正君    赤城 宗徳君
      赤澤 正道君    秋田 大助君
      淺香 忠雄君    足立 篤郎君
      天野 公義君    天野 光晴君
      綾部健太郎君    荒木萬壽夫君
      荒舩清十郎君    新井 京太君
      井出一太郎君    井原 岸高君
      飯塚 定輔君    生田 宏一君
      池田 清志君    池田 勇人君
      池田正之輔君    石井光次郎君
      石坂  繁君    石田 博英君
      一萬田尚登君    今井  耕君
      今松 治郎君    岩本 信行君
      宇都宮徳馬君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    内田 常雄君
      内海 安吉君    江崎 真澄君
      遠藤 三郎君    小川 半次君
      小川 平二君    小澤佐重喜君
      大石 武一君    大久保武雄君
      大久保留次郎君    大倉 三郎君
      大坪 保雄君    大野 市郎君
      大橋 武夫君    大平 正芳君
      岡崎 英城君    岡部 得三君
      岡本  茂君    加藤 精三君
      加藤 高藏君    加藤常太郎君
      鹿野 彦吉君    賀屋 興宣君
      金子 岩三君    亀山 孝一君
      鴨田 宗一君    川崎末五郎君
      川崎 秀二君    川島正次郎君
      川野 芳滿君    菅野和太郎君
      簡牛 凡夫君    木倉和一郎君
      木村 武雄君    木村 守江君
      岸  信介君    北澤 直吉君
      久野 忠治君    倉石 忠雄君
      倉成  正君    藏内 修治君
      黒金 泰美君    小泉 純也君
      小枝 一雄君    小金 義照君
      小坂善太郎君    小島 徹三君
      小林  リ君    小林 絹治君
      河野 一郎君    河野 孝子君
      河本 敏夫君    纐纈 彌三君
      佐々木盛雄君    佐藤 榮作君
      佐藤虎次郎君    佐藤洋之助君
      齋藤 邦吉君    坂田 英一君
      坂田 道太君    櫻内 義雄君
      笹山茂太郎君    始関 伊平君
      椎熊 三郎君    重政 誠之君
      島村 一郎君    進藤 一馬君
      周東 英雄君    鈴木 正吾君
      鈴木 善幸君    薄田 美朝君
      砂原  格君    瀬戸山三男君
      關谷 勝利君    園田  直君
      田口長治郎君    田中 榮一君
      田中 角榮君    田中 龍夫君
      田中 正巳君    高石幸三郎君
      高碕達之助君    高瀬  傳君
      高橋 英吉君    高橋 禎一君
      高橋  等君    竹内 俊吉君
      竹下  登君    竹山祐太郎君
      武知 勇記君    千葉 三郎君
      津島 文治君    塚田十一郎君
      塚原 俊郎君    辻  寛一君
      辻  政信君    綱島 正興君
      寺島隆太郎君    渡海元三郎君
      徳安 實藏君    床次 徳二君
      富田 健治君    内藤  隆君
      中井 一夫君    中島 茂喜君
      中村 梅吉君    中村 幸八君
      中村三之丞君    中山 マサ君
      永山 忠則君    楢橋  渡君
      南條 徳男君    二階堂 進君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西村 英一君    西村 直己君
      根本龍太郎君    野田 卯一君
      野田 武夫君    野原 正勝君
      馬場 元治君    橋本登美三郎君
      橋本 正之君    長谷川四郎君
      長谷川 峻君    八田 貞義君
      服部 安司君    濱田 正信君
      濱地 文平君    濱野 清吾君
      早川  崇君    林  唯義君
      原田  憲君    平井 義一君
      平野 三郎君    廣瀬 正雄君
      福家 俊一君    福井 盛太君
      福田 赳夫君    福永 健司君
      藤枝 泉介君    藤本 捨助君
      藤山愛一郎君    古井 喜實君
      古川 丈吉君    保科善四郎君
      保利  茂君    坊  秀男君
      星島 二郎君    細田 義安君
      堀内 一雄君    堀川 恭平君
      本名  武君    前尾繁三郎君
      前田  郁君    前田 正男君
      益谷 秀次君    増田甲子七君
      松浦周太郎君    松岡嘉兵衛君
      松澤 雄藏君    松田竹千代君
      松田 鐵藏君    松永  東君
      松野 頼三君    松村 謙三君
      松本 俊一君    三池  信君
      三浦 一雄君    三木 武夫君
      三田村武夫君    三和 精一君
      南好  雄君    村上  勇君
      村瀬 宣親君    毛利 松平君
      森   清君    八木 一郎君
      八木 徹雄君    保岡 武久君
      山口喜久一郎君    山口 好一君
      山口六郎次君    山崎  巖君
      山下 春江君    山手 滿男君
      山中 貞則君    山村新治郎君
      山本 勝市君    早稻田柳右エ門君
      渡邊 本治君    渡邊 良夫君
      亘  四郎君
     ――――◇―――――
#17
○松澤雄藏君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、昭和三十三年七月、八月及び九月の風水害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#18
○議長(加藤鐐五郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。
 昭和三十三年七月、八月及び九月の風水害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員長鈴木善幸君。
    …………………………………
    〔鈴木善幸君登壇〕
#20
○鈴木善幸君 ただいま議題となりました、昭和三十三年七月、八月及び九月の風水害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案につき、地方行政委員会における審議の経過及び結果の概要を御報告申し上げます。
    〔議長退席、副議長着席〕
 本案は、本年度の災害が去る昭和二十八年度の災害に次いで大きく、その被害額は公共施設にかかるもののみでも七百五十億円に上り、そのうち、七月、八月及び九月の災害による被害額は約七百億円に達し、本年度災害はこの三カ月に集中している状況にかんがみ、これら七月、八月及び九月の風水害による被害の甚大な地方公共団体に対して、その歳入の不足を補うため、または災害対策の財源とするための地方債の発行を特に認め、もってその財政運営の円滑をはかろうとするものでありまして、その内容は次の三点であります。
 その第一は、本年七月、八月及び九月の風水害により被害を受けた地方公共団体で政令で指定されたものは、地方財政法第五条の特例として地方債の発行を認められること。第二は、この地方債発行の目的は、地方税、使用料、手数料その他の命令で定める徴収金の減免による歳入の不足を補うため、または災害救助対策、伝染病予防対策、病虫害駆除対策、救農対策その他の命令で定める災害対策に要する経費に充てるためであること。第三は、この地方債の資金は、資金運用部資金または簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金をもって充てるものとし、また、その地方債の利息の定率及び償還方法は政令で定めることであります。
 本案は、去る十二月十日本委員会に付託され、十六日愛知国務大臣から提案理由の説明があり、慎重審議の上、本日質疑を終了いたしました。
 そもそも、本年度災害は、昭和二十八年度災害に次ぐ甚大なものであったと同時に、その被害の態様において、農地等の小規模災害が同時に多数集団的に各地方に発生したことに特色があり、いわゆる小災害復旧対策援助は本年度災害対策としてきわめて肝要な重点と考えられるのであります。本案による措置は、これを前例に徴しましても、必要かつ当然行うべき措置でありますが、なお右のような本年度災害の特色にかんがみ、本案審議の過程において最も問題として論議の対象となりましたのは、農地及び農林水産業施設の小規模災害復旧に関する地方債についてでありまして、この法律案では、この点に関する救済が十分でなく、本件に関連して本年十一月四日に行われた閣議決定の事項中、右の地方債の元利については国においてその財源を保障するという点が明確にされていないが、この農地等の小災害復旧に対する特例債は、昭和二十八年度災害における小災害補助の前例に徴するも、その性質上、国の補助金にかわるべきものであるから、この地方債の元利は国が補給すべきものではないかということでありました。その詳細はすべて速記録に譲ります。
 かくて、質疑終了の際、この点について災害復旧の徹底促進をはかるため、本案に対する修正案が、亀山孝一君外二十九名、本委員会全員の名をもって提出されました。提案者を代表して亀山孝一君からその提案理由の説明が行われましたが、修正案の内容は次の通りであります。
 すなわち、本案本則中に新たに二ヵ条を加え、その一ヵ条において、農地等の小災害にかかる地方債の元利補給を規定する。すなわち、昭和三十三年七月、八月及び九月の「風水害により農地その他の農林水産業施設等に係る被害の著しい地域を包括する市町村のうち政令で指定するものが施行する農地その他の農林水産業施設に係る災害復旧事業のうち一箇所の工事の費用が三万円以上十万円未満のものの経費に充てるため、農地に係るものにあっては当該経費の百分の五十、その他の農林水産業施設に係るものにあっては当該経費の百分の六十五に相当する額の範囲内で発行が許可された地方債については、国は、毎年度、当該年度分の元利償還金に相当する額の地方債元利補給金を当該市町村に交付するものとする。」ことを規定し、他の一カ条においては、「この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。」旨を規定するのでありますが、なお、法律の題名中に必要な文字上の調整を行うこととなっております。
 この修正によれば、その起債額は約四億円、利子五千万円程度を要し、国の予算に若干の影響を及ぼすことになりますので、国会法第五十七条の三の規定により政府の意向をただしましたところ、黒金自治政務次官より、「国会で修正案が可決されるならば、政府は国会の意思を尊重して善処する」旨の答弁があったのであります。
 討論を省略して採決に付し、右の修正案並びに修正案による修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、従って、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
#21
○副議長(正木清君) 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○副議長(正木清君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
#23
○松澤雄藏君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#24
○副議長(正木清君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○副議長(正木清君) 御異議なしと認めます。
 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。公職選挙法改正に関する調査特別委員長早稻田柳右エ門君。
    …………………………………
    〔早稻田柳右エ門君登壇〕
#26
○早稻田柳右エ門君 ただいま議題となりました地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案について、委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。
 来年の春は都道府県及び市町村を通じて多くの地方公共団体の議会の議員及び長の任期が満了することになっており、特に四月、五月には全国的に集中して選挙の行われることは、御承知の通りであります。従いまして、現行法によれば、この期間に各種の地方選挙が相前後して行われることになるので、本案は、これら数々の選挙の執行を円滑にし、また、国民の地方選挙に対する関心を高める等のため、前例にならいまして、今回も期日を統一してこれらの地方選挙を行う特例を設けようとするものであります。
 その選挙の期日は、都道府県及び指定都市の選挙は来年の四月二十三日に、また、指定都市以外の一般の市及び町村の選挙は四月二十八日に行うように統一することとし、これらの選挙期日の告示は、各選挙の選挙運動期間が公職選挙法に規定する最短期間となるように定めております。
 以上が本案の目的及び要旨であります。
 本案は、去る十九日当委員会に付託され、翌二十日政府から提案理由の説明を聴取いたしたのでありますが、その内容は前国会に政府から提出された案と同様のものでありまして、前国会において、公聴会を開く等、すでに十分審議を尽しておりましたので、本日、委員会におきまして、直ちに自由民主党並びに日本社会党の共同提案にかかる修正案が提出され、両党を代表して古川丈吉君から修正案の趣旨弁明がありました。
 その修正案の内容は、第一に、指定都市以外の一般の市及び町村の選挙期日は、原案の四月二十八日より二日繰り下げまして四月三十日とすること、第二点は、これらの選挙における公職の候補者の届出または推薦届出は郵便によってすることができないこととする、以上の二点であります。
 本日、討論を省略して直ちに採決いたしましたところ、修正案並びに修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決定いたした次第であります。
 以上、簡単ながら、御報告を申し上げます。(拍手)
#27
○副議長(正木清君) 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○副議長(正木清君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
#29
○松澤雄藏君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、日本放送協会昭和三十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#30
○副議長(正木清君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○副議長(正木清君) 御異議なしと認めます。
 日本放送協会昭和三十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題といたします。委員長の報告を求めます。逓信委員長淺香忠雄君。
    …………………………………
    〔淺香忠雄君登壇〕
#32
○淺香忠雄君 ただいま議題となりました日本放送協会昭和三十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書に関し、逓信委員会における審議の経過と結果とを御報告申し上げます。
 本件は、放送法第四十条第三項の規定に基き、会計検査院の検査を経て、内閣より本年二月二十七日国会に提出されたものであります。
 本議案の内容を概略御説明いたしますと、昭和三十一年度末現在における協会の資本総額は四十一億六千九百余万円であり、これに照応する資産は八十九億七千八百余万円、負債は四十八億九百余万円で、資本総額において、前年度末に比し約四・八%の増となっております。損益につきましては、事業収入は、ラジオ関係が百七億八千四百余万円、テレビジョン関係が十億三千七百余万円、事業支出は、ラジオ関係が百二億四千余万円、テレビジョン関係が十三億千二百余万円で、ラジオ関係においては、差引当期剰余金五億四千三百余万円、テレビジョン関係においては、差引当期欠損金二億七千四百余万円となっており、協会の事業収支全体から見ますと、差引当期剰余金二億六千九百余万円となっております。
 なお、本件には、会計検査院においては特に記述すべき意見はない旨の検査の結果が添付されております。
 逓委委員会においては、十二月十日本議案の付託を受け、同十八日及び二十三日の両日にわたり会議を開き、郵政省並びに会計検査院当局より説明を聴取したほか、特に参考人として日本放送協会の会長等の出席を求め、慎重審議を行なったのであります。質疑応答の詳細はすべて会議録によって御承知願うことといたしたいと存じます。
 かくして、委員会は、十二月二十三日討論を省略して直ちに採決の結果、全会一致をもって本議案については異議がないものと議決した次第であります。
 これをもって御報告を終ります。(拍手)
#33
○副議長(正木清君) 採決いたします。本件の委員長の報告は異議がないと決したものであります。本件は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○副議長(正木清君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
#35
○松澤雄藏君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、参議院送付、公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#36
○副議長(正木清君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○副議長(正木清君) 御異議なしと認めます。
 公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長早川崇君。
    …………………………………
    〔早川崇君登壇〕
#38
○早川崇君 ただいま議題となりました公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 第二十六回国会に、健康保険法の改正等に伴う措置として、公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案が提出されたのでありますが、継続審議の末、第二十七回国会において審議未了となりました。また、その後、第二十八回国会においては国家公務員共済組合法が全文改正されるに至り、現行法中これと関連する条文の改正をもあわせて行う必要を生じました。そこで、以上のような経緯と要請に応じて、この法律案は前国会にも提出せられ、今回再度提出されるに至ったものであります。
 以下、この法律案の内容について概略御説明申し上げます。
 第一は、健康保険法の一部改正に伴う改正であります。すなわち、療養の給付について組合員にその費用の一部を負担させることとするとともに、偽わりその他不正な行為により給付を受けた者があるときは、組合は、かかる不正受給者から給付に要した費用を徴収できることとするほか、保険医療機関等に関する規定の整備を行うことといたしております。
 第二は、国家公務員共済組合法の制定に伴う改正でありまして、附則に規定されております転出、復帰、転入組合員の長期給付に関する規定について所要の改正を行うことといたしております。
 第三は、短期給付に関する改正でありまして、被扶養者の範囲を、組合員と世帯を同一にする三親等内の親族に限ることとし、組合員の資格喪失後における継続給付の受給資格要件として、一年以上組合員であったことを要することといたしております。
 第四は、増加恩給を受ける権利を有する更新組合員について、その者の希望により、長期給付との選択を認めることとする等、所要の改正を加えることといたしております。
 本案は、本二十三日当委員会に本付託になりましたが、質疑及び討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしましたところ、起立多数をもって原案の通り可決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#39
○副議長(正木清君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#40
○副議長(正木清君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#41
○副議長(正木清君) 次会の議事日程は公報をもって通知いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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