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1958/02/27 第31回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第031回国会 本会議 第20号
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1958/02/27 第31回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第031回国会 本会議 第20号

#1
第031回国会 本会議 第20号
昭和三十四年二月二十七日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十八号
  昭和三十四年二月二十七日
    午後一時開議
 第一 郵便貯金の旧預金者等に対し旧預金部資金所属の運用資産の増加額の一部を交付するための大蔵省預金部等損失特別処理法第四条の臨時特例等に関する法律案(内閣提出)
 第二 石油資源開発株式会社法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 特定物資輸入臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第五 プラント類輸出促進臨時措置法案(内閣提出)
 第六 警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案(地方行政委員長提出)
 第七 国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第八 農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第九 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 比国ルバング島の元日水兵の生還を期する決議案(山下春江君外四百二十八名提出)
 日程第一 郵便貯金の旧預金者等に対し旧預金部資金所属の運用資産の増加額の一部を交付するための大蔵省預金部等損失特別処理法第四条の臨時特例等に関する法律案(内閣提出)
 日程第二 石油資源開発株式会社法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 特定物資輸入臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 プラント類輸出促進臨時措置法案(内閣提出)
 日程第六 警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案(地方行政委員長提出)
 日程第七 国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第八 農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第九 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 通商に関する日本国とハイティ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
 特別鉱害復旧特別会計法を廃止する法律案(内閣提出)
 昭和二十八年度から昭和三十三年度までの各年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 漁船再保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出)
 特定多目的ダム建設工事特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件
    午後一時五十三分開議
#2
○議長(加藤鐐五郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 比国ルバング島の元日本兵の生還を期する決議案(山下春江君外四百二十八名提出)
     (委員会審査省略要求案件)
#3
○松澤雄藏君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、山下春江君外四百二十八名提出、比国ルバング島の元日水兵の生還を期する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#4
○議長(加藤鐐五郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 比国ルバング島の元日水兵の生還を期する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。細田義安君。
    …………………………………

  政府は、この際あらためて関係諸国の協力を求め、その所在に関し、調査の徹底をはかり、特に比国ルバング島の元日本兵については、ただちに適切な措置を講じ、その生還の万全を期すべきである。
  右決議する。
    …………………………………
    〔細田義安君登壇〕
#6
○細田義安君 ただいま議題と相なりました、自由民主党及び日本社会党の共同提案にかかる、比国ルバング島の元日水兵の生還を期する決議案について、その提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、決議案の案文を朗読いたします。
   比国ルバング島の元日水兵の生還を期する決議案
  戦後既に十四年、今なお東南アジア諾地域の一部に少数の同胞が生き残っていると伝えられることは、人道上まことに遺憾にたえない。
  政府は、この際あらためて関係諸国の協力を求め、その所在に関し、調査の徹底をはかり、特に比国ルバング島の元日水兵については、ただちに適切な措置を講じ、その生還の万全を期すべきである。
  右決議する。
 戦後十四年、絶えざる努力によって、幸いにわが国の国民生活は著しく向上し、今や全く敗戦のつめあとが払拭し去られるに至りましたことは、まことに御同慶の至りでございます。しかしながら、ここに私どもの忘れてならないことは、今日なお、敗戦の痛手を一身ににない、苦しみもだえておるところの幾多不幸な同胞がおるということでございます。すなわち、三万名に近い夫帰還者及びこれにつながる留守家族の方々であります。これらの人々の引き揚げ促進に、あるいはまた援護の万全に、今日まで私どもは政府とともにあらゆる努力を重ねて参りましたが、本院におきましても、しばしば院議をもってこれが解決を督励して参りましたことについても、皆様御承知の通りでございます。しかるに、今もって、このような全国民的苦悩を解決し得ないことは、遺憾この上もないことといわなければなりません。もとより、広大な東アの諸地域に散在いたしまする未帰還者個々の的確なる消息を突きとめることは、決して容易なことではございません。しかしながら、事の成否は別といたしましても、これらの人々の大多数が、国を守る至誠に燃えて戦いにおもむいた人々であることを思うとき、いかに困難なことであろうとも、私どもは、文字通り草の根を分けましても、これらの人々を探し出し、無事祖国に連れ戻って、平和な生活を享受してもらわなければなりません。かような責任を、われわれは強く感ずるものでございます。
 私どもは、最近深く胸を打つところの二つの報道を耳にいたしました。
 その一つは、ルバング島の奥地に隠れている元日本兵、小野田寛郎元少尉と小塚金七元一等兵の二名が、現地住民の一名に重傷を負わせ、さらに、レーダー建設に従事しておりますところの労務者一名を射殺の後、密林地帯に逃げ込んだため、フィリピン側警察本部長官は、これが逮捕命令を発しまして、場合によっては射殺してもかまわないと命じたというのであります。
 他の一つは、ルソン島の南部ラグナ州の一住民が、このほど、一人の元日本兵が、ぼろぼろの被服らしいものをまとい、髪もひげも伸びほうだい、やつれ果てた姿で洗たくや料理をしておるところを発見したというのであります。
 今日なお炎熱瘴癘の地に立てこもり、今もって下山をがえんじないこれら元日本兵の真意が那辺にあるかは一切知る由もありませんが、ともあれ、十数年の長きにわたって、文明世界とは全く隔絶した原始的生活のもとに生き残っている姿を思うとき、私どもの胸は痛み、いかなる犠牲を払いましても、これら気の毒にたえない人々を救い出さねばならないとの熱情が沸々と燃え上って参るのでございます。(拍手)
 ルバング島に対しましては、政府は、昭和二十七年以来、幾たびかにわたりまして、これが救出工作を実施してこられたことに対しましては、これを多といたしまするが、人命にはおよそ限度がございます。それのみならず、これらの人々が今日まで隠れて生き延びてきた間には、現地の住民に対して、おそらくいろいろと御迷惑をかけているであろうことが推測せられるのみならず、このままに放置しておく場合におきましては、今後いかなる不測の事態を惹起するかは、何人といえども保障し得ないところであります。
 先般、海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会におきまして、昭和二十六年三月、なつかしい祖国に単身帰国するまで、これら両名とともにルバング島にあって苦しみをともにしておりました同僚から、現地の状況をつぶさに承わったのでありまするが、その様相は、実に言語に絶し、想像も遠く及ばないものがあります。まさに世紀の悲劇と言うも過言ではないと思います。これら両名の肉親の心痛もさることながら、人道上、とうてい看過し得ない痛恨事でございます。いかにわが国の国力が増進をして国民生活が安定しようとも、かくのごとき人道上忍びがたい問題を放置しておいたのでは、国際的にも不信を招くことは火を見るよりも明らかであるといわざるを得ないのであります。従って、政府は、この際決意を新たにいたしまして、あらゆる困難を克服し、たとい人数はきわめて少数ではありましても、これらの人々の所在を突きとめ、一日も早く、これらの人々を、あたたかい同胞のいたわりの中に迎え入れるべく、その生還について万遺憾のない措置を講ぜられるよう要望するものでございます。(拍手)
 終りに臨みまして、今日までこれらの人々の救出工作に心からなる御協力と恩情を示されたフィリピン政府当局に深甚なる謝意を表しまするとともに、幾多の被害を受けられたであろうところの現地住民の方々に心から誠意を披瀝いたしまして、おわびを申し上げる次第であります。
 以上の趣旨により、両党相はかり、ここに、共同いたしましてこの決議案を提案いたしました次第であります。何とぞ、こぞって御賛成あらんことを切望し、趣旨弁明を終ります。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(加藤鐐五郎君) 討論の通告があります。これを許します。山口シヅエ君。
    〔山口シヅエ君登壇〕
#8
○山口シヅエ君 ただいま提案されました、比国ルバング島の元日水兵の生還を期する決議案に対し、日本社会党を代表いたしまして賛成の意見を表明いたします。(拍手)
 現在、東南アジア諸国に二千余名の未帰還者があるといわれておりますが、このたびの、フィリピン、ルバング島において住民のきこりを負傷させ、一労働者を射殺したのが元日本兵であるという報道には、驚きと同時に、やはり生存していたのだという喜びを感じたのは、その肉親ばかりではないでありましょう。フィリピン警察当局では、「生死にかかわらずつかまえる」と発表いたしました。これは射殺してもよいということであります。このことは、肉親はもとより、国民全体に非常なショックを与えました。住民に危害が加えられるということで、この措置に及ぶことは当然のことかもしれませんが、家族たちにとっては、いても立ってもいられぬ思いであったでしょう。老いた母親たちを先頭に、「むすこを殺さないで下さい」、「射殺だけは許して下さい」と、街頭に立って大衆に呼びかけ、嘆願したのであります。これによって起った、「生還させよ」という国民の世論は、マニラ駐在日本大使館を通じ、また、クワドラ牧師の携えた嘆願書によって、ガルシア大統領に伝達されました。平和的に投降させる措置を講ずるとの方針に、私たちはほっと胸をなでおろす思いであります。
 私事に及んで、まことに恐縮でございますが、私も、ただ一人の弟をフィリピンの小さな島で餓死させております。昨年フィリピンをたずねました際に、弟の霊に引かれて、小さなその島、ネグロス島に渡りました。米軍が日本軍を追うために切り開いたといわれる、道とは名ばかりの山道を、ジープに乗せられ、警察軍の兵隊さんの案内で、何回か谷間に落ちるかと思われるような危険を押して進みましたが、ジャングルを間近かにして道がなくなり、引き返さざるを得なくなりました。ここは、全島に配置されていた日本兵が、最後に、全員、道のない山はだをトカゲのようにはってこもったというジャングルであります。その日本兵の数は九千余名といわれ、食を断たれ、水を断たれて全員餓死し、その後、人間は一歩もこのジャングルの中に足を踏み入れていないということであります。「ここからは道がない。引き返してくれ」という言葉に、山をはっても弟の霊の眠るジャングルまで行きたいと願う思いで、その場にくぎづけのようになった私に、案内の兵隊は、足もとを流れる灰褐色のよどんだ川を指さして、「この川の水はジャングルの中まで続いています。あなたの思いをつづって、この川のほとりに埋めましょう。あなたの思いは、川の流れにさからっても、弟さん初め九千余名の戦友に届くことでしょう。私たちは兵隊ですが、戦争は二度と再びしてはいけないと強く考えております」と静かに申しました。餓死したと聞かされて十三年、もうすでに土と化しているであろう肉身をたずねて島へ渡った私は、九千余名の遺族の思いを込めて泣きました。
 ましてや、ジャングルの中で、無難辛苦、生き続けているわが子が、犬ころのように撃ち殺されるかもしれないという、この切迫した思いは、肉身にとっては断腸の思いでありましょう。(拍手)しかし、このときのフィリピン国の兵隊たちの気持を身をもって体験した私は、反目的感情や、元日本兵に対する憎しみから射殺しろというのではないということが、ようくわかります。自国の民衆の生命を守るためにこの措置に出ることは当然であるとは申しながら、何度か飛行機の上からビラや食糧や新聞がまかれ、また、五年前、兄弟までも現地へ出かけて呼びかけているにもかかわらず、依然として二人が出てこないということは、決して敗戦を信じないわけではなく、また、戦争が継続されているとも思ってはいないでありましょう。
 重要なことの一つは、彼らは、かつての日本軍隊によって徹底した軍人精神をたたき込まれた人間であるということであります。とらえられることは死にまさる恥辱であると考えているかもしれません。特に、一人は、ゲリラ隊の隊長として、特殊な教育を徹底的に受けた青年だったといわれております。社会から隔絶されて、密林生活十四年、その心理は、平和に復した日本に生活している私たちにはとうてい判断できないでありましょう。 八年前、二人と別れて投降してきた、元一等兵の赤津氏の参考意見によると、野生の果実を食べ、馬や牛を命をかけて殺し、その肉をくん製にして塩分を補い、生きてきたという、想像もつかぬ話でありました。十四年の動物的生活は、彼らを肉体的に順応させ、その精神状態も、想像も及ばぬ変則的なものでありましょう。
 現在三十七才と三十八才というからには、当時はまだ二十三才と四才でありました。人生の貴重な青年時代を、祖国にも帰れず、社会からも孤立して、たたき込まれた当時の精神を、ただかたくなに信じ、出てくれば重い罪を科せられるであろうと、シカのように追われて生きる二人の兵士に対する責任は、果してどこにあるのでしょうか。(拍手)みんな日本の国の責任であります。従って、二人の救い出しは国家が保障すべきであるということは、言うまでもありません。
 しかし、その救い出しは容易ならぬ困難が伴うものと想像されます。私たちに判断できないその精神状態は、彼らには救いの女神も凶悪な悪魔とも見えるでありましょう。このようなわが子を愛の一念で救い出そうと、年老いた母親たち二人が近く現地に向われるということであります。国家はこれに全幅の協力を注ぎ、投降した際には、政府は、国の責任であることをフィリピン側に理解させ、身柄を拘束されることのないように積極的に話し合うと同時に、責任をもって母親のふところに返すべきであると考えます。(拍手)なお、現住民に危害を加えるかもしれない元日本兵をこれ以上野放しの状態にしておくことは、日比親善のためにも早急に解決すべき問題であると考えます。
 最後に、忘れてならないことは、東南アジア諸地域には、いまだ二千余名の未帰還者があり、しかも、大部分が生死不明の状態であります。これら関係留守家族の御心情を思えば、たまたま、今回のルバング島については、生存しておると思われるために二名の方々を救えという国民の世論が起ったのでありますが、これと同じような状態で、消息がわからないままに、あるいはジャングルの中に、あるいは絶海の孤島に生き残っている元日本兵が決して絶無とは、だれも言い切れないということであります。従って、政府も国民もこの点に心をいたし、人道上放置できないこの問題と、真剣に取り組んでいただきたいことを強く要望いたします。
 また、最後に、フィリピン側の御好意に対し厚くお礼と感謝の意を表して、日本社会党を代表して本決議案に賛成いたす次第であります。(拍手)
#9
○議長(加藤鐐五郎君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
  「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
 この際、外務大臣及び厚生大臣から発言を求められております。これを許します。外務大臣藤山愛一郎君。
    〔国務大臣藤山愛一郎君登壇〕
#11
○国務大臣(藤山愛一郎君) ルバング島の密林の中に二人のわれらの同胞がおりますことは、まことに悲惨であり、残念でありまして、何といたしましてもこれを救出しなければならないことは、当然、故国におりますわれわれの義務だと考えます。政府は、今日までも数回救出の作業をいたしましたが、まだ目的を貫徹いたしておりませんことは、まことに残念であります。今後、なお一そうフィリピン政府の協力を得まして、一日も早く、生きてこれらの方々が故国に帰還されるように、われわれは最善の努力を尽して参りたいと存じております。
 なお、その他の諸国におられます未帰還の方々の調査等につきましても、関係各国の十分な御支持をこの際あらためてお願い申し上げまして、最善の努力を尽して参りたいと思います。
 以上、政府の決意を申し上げまして、本決議案に対するお答えといたします。(拍手)
#12
○議長(加藤鐐五郎君) 厚生大臣坂田道太君。
  [国務大臣坂田道太君登壇]
#13
○国務大臣(坂田道太君) ただいま御決議のありました、比国ルバング島の元日本兵の生還を期する件につきましては、政府におきましても、従来から極力努力して参ったところでございますが、成果をおさめ得なかったことはまことに残念であります。本日の御決議の趣旨にのっとり、さらに関係国の協力を求め、その生還を期するよう、極力努力を重ねて参りたい所存でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 日程第一、郵便貯金の旧預金者等に対し旧預金部資金所属の運用資産の増加額の一部を交付するための大蔵省預金部等損失特別処理法第四条の臨時特例等に関する法律案(内閣提出)
#14
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第一、郵便貯金の旧預金者等に対し旧預金部資金所属の運用資産の増加額の一部を交付するための大蔵者預金部等損失特別処理法第四条の臨時特例等に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。逓信委員会理事秋田大助君。
    …………………………………
    …………………………………
    〔秋田大助君登壇〕
#15
○秋田大助君 ただいま議題となりました、郵便貯金の旧預金者等に対し旧預金部資金所属の運用資産の増加額の一部を交付するための大蔵省預金部等損失特別処理法第四条の臨時特例等に関する法律案に関し、逓信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法律案は内閣提出にかかるものでありまして、その趣旨とするところは、大蔵省預金部等損失特別処理法第四条の臨時特例等を設けまして、第二封鎖預金となってその債権の一部が消滅した郵便貯金の旧預金者等に対し、旧預金部資金所属の運用資産の増加額の一部をもって、消滅した額に相当の利子を付して交付しようとするものであります。
 郵便貯金の旧預金者等がその交付の申し出をすることができる期間は、この法律の施行の日から二年となっており、交付金については、所得税及び印紙税を課さないこととしております。その他、本法律案は、郵便貯金の旧預金者等に交付すべき金額の繰り入れ等に関し、必要な会計上の処理規定を定め、施行期日は本年四月一日となっております。
 以上、簡単に本法律案の趣旨及び内容を申し述べましたが、逓信委員会におきましては、一月二十六日本案の付託を受け、同三十日提案理由の説明を聴取し、自後、政府との間に質疑応答を行い、慎重審議を続けたのでありますが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
 かくして、委員会は、二月二十五日本案に対する質疑を終了し、次いで討論を省略して採決の結果、全会一致本案を可決いたした次第でございます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#16
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
#18
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第二、石油資源開発株式会社法の一部を改正する法律案、日程第三、繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案、日程第四、特定物資輸入臨時措置法の一部を改正する法律案、日程第五、プラント類輸出促進臨時措置法案、右四案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。商工委員会理事小川平二君。
    …………………………………
    …………………………………
    〔小川平二君登壇〕
#19
○小川平二君 ただいま議題となりました石油資源開発株式会社法の一部を改正する法律案外三案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、石油資源開発株式会社法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 石油資源開発株式会社法は第二十二回国会において成立し、昭和三十年十二月に同会社が設立されたのでございますが、以来、今日まで石油資源の探鉱及び試掘を進めました結果、数カ地点において、きわめて有望な油田を発見するに至っており、さらに、昨年度よりは新たに秋田沖の海洋掘さくに着手し、その成果が期待されているのでございます。探鉱の結果発見した油田の開発に必要な資金の調達については、もっぱら銀行融資その他借入金に依存せざるを得ない実情にございますが、担保に供し得る財産が不十分であるため、資金の調達について種々の困難が予想される次第であります。従いまして、このような事態に対処するために、現行法を改正して、同社の債務について政府が保証することができる規定を設けようとすることが、改正案の第一点でございます。
 第二点は、本会社設立時に、帝国石油株式会社より譲渡された鉱業権を適正に評価するために設けられた石油鉱業権評価審査会は、すでにその使命を全ういたしましたので、これを廃止しようとするものでございます。
 本案は、二月十日政府委員より提案理由の説明を聴取し、以来、審査を重ね、二月二十五日に質疑を終了しましたので、引き続き採決に付しましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決した次第であります。
 次に、繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 御承知の通り、最近の繊維産業は、輸出の不振その他の影響を受けまして、いまだ例を見ないほどの長期にわたる不況状態を呈しております。この不況を打開するとともに、将来の安定をはかるため、総合的見地より種々対策を講じて参っておりますが、その一環として、現行繊維工業設備臨時措置法による設備調整をさらに拡大する必要に迫られておりまして、この趣旨から本改正案が提出されたのであります。
 本案の内容を申し上げますと、第一は、化学繊維の製造設備について登録制を実施することであります。現行法におきましては、精紡機及び織物幅出機について登録制が行われておりますが、化学繊維製造の主要設備である紡糸機につきましても規制が必要となるに至りましたので、これを登録の対象に追加しようとするものであります。
 第二は、新規登録の場合におきまして、さきに政府の指示によって廃棄、格納された設備については優先的に登録を認めることであります。
 第三は、繊維需給見通しの目標年度を二年延長し、昭和三十七年度とすることであります。
 本案は、二月十日政府委員より提案理由の説明を聴取いたしました後、十八日より質疑に入り、二十五日に至り質疑が終了しましたので、引き続き採決を行いましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決した次第であります。
 次に、特定物資輸入臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 現行特定物資輸入臨時措置法は、昭和三十一年に制定され、現在に至っているものでありまして、その趣旨は、不急不要の商品であって、その輸入が制限されている結果、国内で需給の不均衡を生じ、ために輸入に際して通常の利潤以上の利益を生ずるごとき商品について、通常利益を超過した分はこれを国庫に納付せしめるというものでございます。
 この法律は、三年間の限時法でありまして、本年六月限りで失効することになっておりますが、最近の国際収支その他の情勢からいたしまして、当分の間輸入の制限が続行されなければなりませんので、本法の有効期間をさらに三年延長しようとするのが、本改正案の趣旨であります。なお、本案によって現行法が引き続き施行されますならば、昭和三十四年度中に二十八億円を産業投資特別会計に繰り入れることができる見込みでございます。
 本案は、二月三日政府委員より提案理由の説明を聴取いたしました後、十九日より質疑に入り、二十六日に至り質疑が終了しましたので、引き続き採決を行いましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決した次第であります。
 次に、プラント類輸出促進臨時措置法案について申し上げます。
 プラント類の輸出は、今後わが国の貿易拡大のため最も有力なものとして期待されております。今日まで、これが促進のため、日本プラント協会に対する補助金の支出、あるいは輸出保険制度の運用等の措置がとられてきたのでありますが、それにもかかわらず、列国に比べましてなお著しき立ちおくれの状態にございます。
 本法案の趣旨は、現在プラント輸出体制の弱点と思われます点を是正するために、保証損失の補償制度を確立しようとするものでございまして、そのために必要な規定を設けたものでございます。
 本案は、二月三日政府委員より提案理由の説明を聴取いたしました後、質疑に入り、二十六日に至り質疑が終了いたしましたので、引き続き採決に付しましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決した次第であります。
 以上申し上げました四法案についての質疑その他審査の詳細に関しましては委員会議録を御参照願うこととし、これをもって御報告を終ります。(拍手)
#20
○議長(加藤鐐五郎君) 四案を一括して採決いたします。四案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、四案は委員長報告の通り可決いたしました。
#22
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第六は委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。
 日程第六、警察官に協力援助した者災害給付に関する法律の一部を改正する法律案、日程第七、国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の趣旨弁明及び報告を求めます。地方行政委員長鈴木善幸君。
    …………………………………
    〔鈴木善幸君登壇〕
#24
○鈴木善幸君 ただいま議題となりました警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案は、自由民主党及び日本社会党両党間の合意に基き成案を符、国会法第五十条の二の規定により、地方行政委員会の提出にかかる法律案として提案いたしたものであります。
 以下、その提案の理由並びにその内容の概要につきまして御説明申し上げます。
 御承知のごとく、警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律は、職務執行中の警察官が援助を求めた場合、その他これに協力援助することが相当と認める場合に、警察官に協力援助して災害を受けた者に対して給付を行うことを規定しておりますが、警察官が現場にいない場合に、職務によらないで現行犯人の逮捕、犯行の阻止、被害の回復その他被害者の救助に当った者が災害を受けた場合については、これを救済する法的制度が確立していないため、せっかくみずから進んでこのような勇敢な行動に出て災害を受けた者について、これに報いることが十分でない実情にあります。よって、そのような行為をして災害を受けた者については、本人及びその遺族に対して必要と認められる給付を行い、これら義侠的行動に対する公的な救済手段を確立する必要があると考えられます。これがこの法律案を提出いたします理由であります。
 次に、本案の内容について申し上げます。
 その第一は、法律の題名を改めて、警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律とすることであります。災害給付の対象として、新たに、警察官がその場にいない場合に現行犯人の逮捕等に当った者を加えますので、題名をこのように改めたのであります。
 その第二は、新たに給付を受ける者について定め、一、殺人、傷害、強盗等、人の生命、身体もしくは財産に危害が及ぶ犯罪の現行犯人がおり、二、警察官その他法令に基き当該犯罪の捜査に当るべき者がその場にいない場合に、三、職務によらないで、みずから当該現行犯人の逮捕または当該犯罪による被害者の救助に当った者がそのため災害を受けたときには、地方公共団体が給付の責めに任ずることとしたことであります。ただし、これらの者のうち、諸般の観点からこの法律による給付を行うことは適当でないと認められる者はこれを除外することとし、そのような場所及び人についての細則は政令で定めることといたしました。
 その第三は、給付を行うものについて規定し、給付の原因である災害が、みずから現行犯人の逮捕または被害者の救助に当ったことに起因するものについては、当該逮捕または救助に当った場所を管轄する都道府県警察が置かれている地方公共団体がその給付を行うことといたしました。
 右のほか、災害給付の種類、範囲、金額、支給方法等については、すべて現行法の規定によることとしており、附則においては、この法律の施行の日を公布の日からとし、題名の改正に伴う関係法律の規定の整備を行なっております。
 なお、本案の施行に要する経費は、国の経費として年間約三十万円の見込みでありまして、これは都道府県警察に対する補助金として交付されるものでありますが、政府は、この点について了承するとともに、本案の成立に賛意を表しておるのであります。
 以上が本案提案の理由及びその内容の概要であります。すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審議の経過及び結果の概要を御報告申し上げます。
 本案は、一昨昭和三十二年の第二十六回国会において制定されました国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律の一部に改正を加えまして、いわゆる基地交付金の現行法では、国が所有する固定資産でアメリカ合衆国の軍隊が使用するもの、並びに自衛隊が使用する飛行場及び演習場の用に供する土地については、その固定資産の所在する市町村に対して交付金が交付されることになっているのを、さらに、自衛隊が使用する弾薬庫及び燃料庫の用に供する固定資産についてもこれを基地交付金の対象資産に加えようとするものであります。
 その理由とするところは、自衛隊が使用する弾薬庫及び燃料庫の用に供する固定資産は、その施設の性格上、広大な面積を占めており、地元市町村においては、消防施設の拡充、道路、橋梁の整備等、財政支出の増高を余儀なくされているので、これらの固定資産を交付金の対象に加えることは、この助成交付金の制度を創設した趣旨に照らし当然必要なことと考えられるからであります。
 本案は、一月二十八日本委員会に付託、翌二十九日黒金自治政務次官より提案理由の説明を聴取し、自来、慎重審議の上、昨二十六日質疑を終了しました。
 その際、委員門司亮君より、本案に対し、自由民主党及び日本社会党の両党共同提案にかかる次のごとき附帯決議を付したいとの動議が提出されました。
 討論を省略して採決に付し、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決し、また、附帯決議も全会一致これを付すべしと決しました。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
#25
○議長(加藤鐐五郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第六につき採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
 次に、日程第七につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第八、農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#28
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第八、農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。農林水産委員会理事大野市郎君。
    …………………………………

    …………………………………
  [大野市郎君登壇〕
#29
○大野市郎君 ただいま議題となりました、内閣提出、農業災害補償法の一部を改正する法律案について、農林水産委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 農業災害補償制度の重要な一環である家畜共済制度につきましては、昭和三十年に法律改正が行われ、死亡廃用共済と疾病傷害共済の一元化が行われましたことは御承知の通りでありますが、法令上、本年四月に料率の改訂を実施しなければならないことと相なっておりますので、この機会に国庫負担方式を改善し、料率改訂に伴う農家負担の軽減をはかろうとして、本案が提出せられたのであります。
 以下、改正案のおもな内容について申し上げます。
 その第一点は、家畜共済事業の掛金に対する国庫負担方針についての改正であります。すなわち、現行の掛金負担方法は、牛及び馬につき、最低共済金額に対応する掛金のうち、死廃部分に相当する額の半分を国庫が負担することとなっておりますが、これを原則として農家が選ぶ共済金額に対応する掛金のうち死廃部分に相当する額の半分について国が負担することに改めまして、農家負担の軽減をはかることといたしたのであります。この場合、他の制度における国庫負担との均衡をも考慮して、国庫負担の対象となる共済掛金の限度は農林大臣が定めることといたしております。
 第二の改正点は、乳牛につき、最近における被害率の異常な上昇のため、農家の支払う共済掛金の額が著しく増加し、国庫負担方式を前に申し述べました通りに改正いたしましても、なお農家負担の増加が見込まれる状況にありますので、政府は、料率改訂により病傷の率が上昇する地域の農家に対しては、その新旧料率の差に応じて、掛金増加分の一定割合について特別助成をいたすこととしておるのであります。
 以上、改正案の骨子のみについて申し上げましたが、本案は去る一月三十一日提出され、二月四日政府より提案理由の説明を聴取いたし、慎重審議の結果、二月二十六日質疑を終了し、討論を省略して直ちに採決に入りましたところ、総員起立、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対しましては、自由民主党並びに日本社会党を代表して、芳賀委員から、附帯決議を付したい旨の動議が提出され、これまた全会一致の賛成をもってこれを付すべきものと決したのであります。すなわち、
  政府は、農業災害補償法実施の現況にかんがみ、今後左記の措置を講ずべきである。      
     記
  一、本制度が農業の実態に即応し得るよう抜本的改訂を行うため、速かに調査会を設置すること。
  二、家畜共済事業の掛金については、農家の負担を軽減し、酪農の振興に寄与し得るため、次の機会に、全体の縦割二分の一国庫負担方式を確立すること。
  右決議する。
 以上をもって報告を終ります。(拍手)
#30
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#31
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第九、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#32
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第九、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員長塚原俊郎君。
    …………………………………
    …………………………………
    〔塚原俊郎君登壇〕
#33
○塚原俊郎君 ただいま議題となりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案につき、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案の趣旨を簡単に申し上げますと、御承知の通り、日本国有鉄道の経営については、設立以来今日まで、管理組織の変更その他、制度的に幾たびか改正が行われて参ったのでありますが、何分にも膨大な組織でありますので、過去、いろいろと各方面から批判を受け、特に、最近では、公共企業体審議会の答申において、支社の独立採算性の強化が提案される等、多数貴重なる意見が発表されております。政府においては、これら各種意見を十分尊重いたしまして、その業務の能率的な運営を確保するため、種々検討して参ったのでありますが、支社制度の強化等につきまして改善の方途に結論を得ましたので、これを実施に移すため、現行法に所要の改正をいたそうとするものであります。
 まず、本法案の要点を申し上げますと、第一に、日本国有鉄道の支社制度を強化するため、理事の定数を十一人以上十六人以内にいたしております。これは、理事を増員して支社長を理事の中から任命し得るようにいたし、もって日本国有鉄道の最高意思決定機関である理事会に支社の実情を反映せしめ、また、理事会の意向を十分徹底させることを目的といたしております。
 第二は、日本国有鉄道が限定した範囲内で他の事業に投資することができる旨を明らかにいたしました。すなわち、日本国有鉄道は、運輸大臣の認可を受けて、予算で定めるところにより、日本国有鉄道及び他の運送事業者がともに使用する輸送施設の運営を行う事業に投資することができる旨を明らかにいたしております。
 第三は、運輸大臣の職権の一部を陸運局長に委任することといたしております。これは、現在まで本省のみで行なって参りました日本国有鉄道に対する監督を、地方の事情を具体的に把握している陸運局長に行わせることが適切かつ能率的なものについて、運輸大臣の職権の一部を委任して陸運局長に行わせることにいたしております。
 本法案は、去る二月七日当委員会に付託せられ、十日政府より提案理由の説明を聴取し、十九日、二十四日並びに二十六日質疑が行われましたが、その内容は会議録によってごらん願います。
 かくて、同二月二十六日質疑を終了、討論を省略、採決の結果、本法案は全会一致をもって政府原案の通り可決すべきものと決しました。
 なお、川野芳滿委員より、鉄道監理局の所管区域につき、行政区域との関係、経営の適正規模等の点から、そのあり方についてすみやかに再検討すべき旨の附帯決議案が提出され、採決の結果、これまた全会一致をもって可決されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#34
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#35
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#36
○松澤雄藏君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案、参議院送付、通商に関する日本国とハイティ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、右両件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#37
○議長(加藤鐐五郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#38
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案、通商に関する日本国とハイティ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員長櫻内義雄君。
    …………………………………

    …………………………………
    〔櫻内義雄君登壇〕
#39
○櫻内義雄君 ただいま議題となりました、在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案並びに通商に関する日本国とハイティ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を報告申し上げます。
 まず、法律案について御説明申し上げます。
 この法律案の骨子といたしましては、政府は、昭和三十四年度においてハンガリーに公使館を、ブラジルのポルト・アレグレに総領事館を、アメリカ合衆国のヒューストンに領事館を新設し、さらに、イラク、レバノン及びポルトガルの三公使館を大使館に、また、ニュー・オルリンズ及びカサブランカの二領事館を総領事館に昇格させたいというのであります。
 ハンガリーは、戦前にすでに公使を交換いたしており、第二次大戦においてはわが国の同盟国でありましたが、戦争により外交関係が途絶し、今日に至っておるのであります。同国は、対日感情が伝統的に良好であり、かつ、外交関係再開を切望しておりますので、この際、公使館を新設せんとするものであります。
 次に、ポルト・アレグレは、ブラジル南部の大都市でありまして、わが国の対ブラジル輸出に重要な地位を占め、かつ、わが海外移住の好適地でもありますので、ここに総領事館を新設せんとするものであります。第三に、ヒューストンは、米国南部最大の都市として、最近特に経済発展か目ざましいものがあり、わが国の輸出市場としてますます重要性を加えつつあり、かつ、日本繊維品等に対する輸入制限運動の激しい地方でありますので、ここに総領事館の新設を考慮したものであります。
    〔議長退席、副議長着席〕
 次に、公使館の昇格でありますが、戦後、国際的な趨勢といたしまして、各国の外交機関は逐次公使館から大使館に切りかえられていく情勢にあり、諸外国の公使館との均衡の関係もありますので、この際、イラク、レバノン及びポルトガルの三公使館を大使館に昇格せんとするものであります。さらに、ニュー・オルリンズ及びカサブランカの二領事館は、最近特に重要性を増して参りましたので、いずれも総領事館に昇格する必要を生じた次第であります。
 かような在外公館の新設及び昇格を行うために、在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正し、これに従いまして、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律をも改正することが、この法律案の内容であります。
 次に、ハイティ共和国との通商協定について御説明申し上げます。
 ハイティ共和国は、戦前にはわが繊維製品の好市場でありまして、わが国の輸出は年間八十万ドル程度に上ったこともありましたが、昭和十年、同国は、貿易上の求償主義に基き、日本産品に最高税率を適用し、戦後においても、ガット第三十五条を援用して、同税率の適用を続けて参りました。その結果、戦後におけるハイティとの貿易は非常な不均衡となっておりまして、過去数年においては、わが国の輸出は輸入に比して約一割程度にすぎない低調になっておる次第であります。政府は、この貿易の不均衡を是正するため、昨年二月、朝海同国駐在公使の信任状提出のための同国派遣の際にも、通商関係の発展が両国に有利なる点及びガット第三十五条の援用撤回等につき説かしめた次第であります。このようなわが方の説得もありまして、昨年十一月、同国は、ジャン・ダヴィット上院財政委員長を政府代表として通商協定締結交渉のために派遣して参り、双方の合意を見るに至りましたので、十二月十七日、東京においてこの協定の署名を了しました。
 この協定の骨子は、関税及び輸出入貨物に対する内国税並びに輸出入規制等に関して最恵国待遇を許与し、また、船舶に関しても内国民及び最恵国待遇を許与すること等にあります。なお、この協定は、批准書交換の日から三年間効力を有することになっており、その後も、三カ月の予告をもってこれを終了せしめない限り、効力を存続することになっております。この協定は、関税及び輸出入制限等について最恵国待遇を確保しておりますので、今後わが国の対ハイティ輸出は著しく増進するものと期待され、また、この協定によりガット第三十五条援用撤回にもひとしい実質的効果を期待し得る次第であります。
 この法律案は一月二十八日外務委員会に付託され、また、この協定は予備審査のため本委員会に付託され、二月二十五日参議院承認の後、さらに本委員会に付託されましたので、政府の提案理由の説明を聞き、質疑を行い、本二十七日討論を省略し採決の結果、いずれも全会一致をもって、本法律案は可決、本協定は承認すべきものと議決した次第でございます。
 以上、報告申し上げます。(拍手)
#40
○副議長(正木清君) これより採決に入ります。
 まず、在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○副議長(正木清君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に、通商に関する日本国とハイティ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につき採決いたします。本件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○副議長(正木清君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告の通り承認するに決しました。
     ――――◇―――――
#43
○松澤雄藏君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、特別鉱害復旧特別会計法を廃止する法律案、昭和二十八年度から昭和三十三年度までの各年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案、漁船再保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からする繰入金に関する法律案、特定多目的ダム建設工事特別会計法の一部を改正する法律案、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案、国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、右七件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#44
○副議長(正木清君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○副議長(正木清君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 特別鉱害復旧特別会計法を廃止する法律案、昭和二十八年度から昭和三十三年度までの各年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案、漁船再保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からする繰入金に関する法律案、特定多目的ダム建設工事特別会計法の一部を改正する法律案、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案、国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、右七件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長早川崇君。
    …………………………………

    …………………………………
    〔早川崇君登壇〕
#46
○早川崇君 ただいま議題となりました七案件について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、特別鉱害復旧特別会計法を廃止する法律案について申し上げます。
 この法律案は、特別鉱害復旧臨時措置法に基く復旧工事が完了し、同法が昨年三月三十一日をもって失効いたしましたので、これに伴い、今日までその残務処理に当って参りました本特別会計につきましても、三十三年度限りこれを廃止しよもとするものであります。
 次に、昭和二十八年度から昭和三十三年度までの各年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、昭和二十八年度から昭和三十三年度までの各年度において講ぜられてきた国債の償還資金の繰り入れに関する次の特例措置を、昭和三十四年度においても引き続き行うことといたそうとするものであります。すなわち、第一は、国債の元金償還に充てるため一般会計から国債整理基金特別会計に繰り入れるべき最低金額のうち、前年度初めにおける国債総額の万分の百十六の三分の一相当額の繰り入れば、これを停止することといたしております。第二は、日本国有鉄道及び日本電信電話公社が政府に対して負う法定債務の償還元利金については、一般会計を経由しないで、直接国債整理基金特別会計に繰り入れることといたしております。
 次に、漁船再保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からする繰入金に関する法律案について申し上げます。
 この法律案は、漁船再保険特別会計における給与保険の再保険事業にかかる保険事故が、昭和三十二年度ないし昭和三十三年度において異常に発生したことに伴う損失三千二百五十万円を埋めるため、昭和三十四年度におきまして、これに相当する金額を限度として一般会計から繰り入れることができることといたそうとするものであります。
 次に、特定多目的ダム建設工事特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は国が行う多目的ダム建設工事に関連して行う受託工事の一元的統制と、工事の実施に関する責任関係を明確にして、工事の円滑化をはかるため、今回、この種の工事に関する経理をも、あわせて本特別会計において行うことができることといたそうとするものであります。
 次に、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案のおもな改正の第一は、所得税の軽減、免除を受けることができる災害被害者の所得限度額について、全額免除する所得限度額を、現行二十五万円以下とあるのを五十万円以下とし、半額軽減の限度額を、現行二十五万円から五十万円以下とあるのを五十万円から八十万円以下とし、二割五分の軽減の限度額を、現行五十万円から八十万円以下とあるのを八十万円から百二十万円以下に引き上げることといたしております。第二に、給与所得者等が災害による雑損失の繰り越し控除の適用を受ける場合に、災害のあった日の属する年の翌年以後三年間の各年分の所得税についても、源泉徴収の猶予を受けることができる制度を新たに設けようとするものであります。
 次に、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、合衆国軍隊の構成員等からの譲り受け物品に対する課税価格は、原則として、同種物品が通常の輸入により輸入された場合の輸入港到着価格を基準として決定することとなっておりますのを、国内における通常の取引価格から税額等を控除して逆算した価格を基準として決定することといたそうとするものであります。
 最後に、国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件について申し上げます。
 本件は、皇居内の工作物並びに正倉院内の建物及び工作物の新築等を行い、これを皇室用財産として取得しようとするものであります。すなわち、まず第一は、皇居内の内廷庁舎西口広場等の路面舗装工事でありまして、これに要する費用は五百九万五千円を予定いたしております。第二は、正倉院第二新宝庫の新営工事でありまして、これに要する費用は九千九百九十万一千円を予定いたしております。
 以上の七案件につきましては、審議の結果、本二十七日質疑を終了し、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしましたところ、いずれも全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#47
○副議長(正木清君) 七件を一括して採決いたします。七件は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#48
○副議長(正木清君) 御異議なしと認めます。よって、七件は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
#49
○副議長(正木清君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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