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1958/03/03 第31回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第031回国会 本会議 第21号
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1958/03/03 第31回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第031回国会 本会議 第21号

#1
第031回国会 本会議 第21号
昭和三十四年三月三日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十九号
  昭和三十四年三月三日
    午後一時開議
 第一 就学困難な児童及び生徒のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第四 簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 皇太子明仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律案(福田赳夫君外四百六十二名提出)
 昭和三十四年度一般会計予算
 昭和三十四年度特別会計予算
 昭和三十四年度政府関係機関予算
 日程第一 就学困難な児童及び生徒のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第四 簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後三時十一分開議
#2
○議長(加藤鐐五郎君) これより会議を開きます。
#3
○議長(加藤鐐五郎君) お諮りいたします。議員平野三郎君より、インドネシア共和国における政治経済及び貿易調査のため、三月五日から三月十四日まで十日間請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
 次に、議員淺沼稻次郎君、同勝間田清一君、同田中稔男君及び同中崎敏君より、日中親善のための使節団として訪中のため、三月四日から三月十三日まで十日間請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
#6
○議長(加藤鐐五郎君) お諮りいたします。福田赳夫君外四百六十二名提出、皇太子明仁親王の結婚の儀の行われる目を休日とする法律案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略し議事日程に追加してこの際議題とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。
 皇太子明仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律案を議題といたします。
  皇太子明仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律案
 右の議案を提出する。
  昭和三十四年二月二十七日
   提出者
    福田赳夫外四百六十二名
  皇太子明仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律
 皇太子明仁親王の婚姻を国民こぞって祝うため、結婚の儀の行われる日を休日とする。
   附 則1 この法律は、公布の日から施行する。2 この法律に規定する目は、他の法令の適用については、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する日とする。
   理 由
 皇太子明仁親王の婚姻を国民こぞって祝うため、結婚の儀の行われる日を国民の祝日と同様に休日とする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
#8
○議長(加藤鐐五郎君) 皇太子殿下には来たる四月十日御結婚の儀を行わせられますことは、全国民のひとしく歓喜にたえないところであります。つきましては、当日を国民の祝日と同様に休日として、国民こぞって祝意を表するため、本案が提出されたのであります。
 提出者から趣旨弁明省略の申し出がありますから、直ちに採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    [賛成者起立〕
#9
○議長(加藤鐐五郎君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。(拍手)
#10
○松澤雄藏君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、昭和三十四年度一般会計予算、昭和三十四年度特別会計予算、昭和三十四年度政府関係機関予算、右三件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#11
○議長(加藤鐐五郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 昭和三十四年度一般会計予算・昭和三十四年度特別会計予算、昭和三十四年度政府関係機関予算、右三件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。予算委員長楢橋渡君。
    〔楢橋渡君登壇]
#13
○楢橋渡君 ただいま議題となりました昭和三十四年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本予算三案は、去る一月二十三日予算委員会に付託せられ、三十一日より審議を開始したのでありますが、その間、非核武装決議案及び最低賃金法案等の問題により審議が若干停滞いたしましたが、この数日を除くほか、連日にわたって委員各位の熱心な審議が行われ、本日討論、採決をいたしたのであります。審議の途中、二日間の公聴会を開き、各界八名の公述人の意見を徴し、審議を一そう慎重にいたした次第であります。
 予算案の概略につきましては、先般本会議において佐藤大蔵大臣より詳細なる御説明がありまして、十分御承知になっておられますので、ここでは重複を避け、主として予算三案をめぐって展開せられました質疑を中心として御報告申し上げます。
 さて、最初に財政の規模と経済政策について申し上げます。
 三十四年度一般会計は、歳入歳出とも一兆四千百九十二億円で、第一次補正を含む三十三年度予算に比べ九百八十億円を増加いたしております。しこうして、右歳入の増加は、明年度においては、所得税、物品税等、一般会計において四百十三億円の減税を予定しておりますが、一方に、租税収入の自然増収、租税特別措置の整理、合理化等による増収、揮発油税の税率引き上げによる増収等があり、また、三十三年度において特定の目的に充てる条件で保留されました経済基盤強化資金の受け入れ二百二十一億円の増加があるためであります。
 特別会計は、新たに特定港湾施設工事特別会計の設置を見ましたが、他方、特別鉱害復旧特別会計が廃止されましたので、その数は本年度と同じく四十を数えており、一般会計、特別会計を合せた純計は、歳入において三兆一千二百二十七億円、歳出は二兆九千四百八十五億円となるのであります。
 政府関係機関は、総数十二でありまして収入一兆三千五百億円、支出一兆七百四十一億円となっております。
 また、財政投融資は、総額五千百九十八億円で、前年度の当初計画に比べ千二百三億円、改訂計画に比べ八百四十五億円の増加となっているのであります。
 政府は、この予算編成方針として、長期にわたり通貨価値の安定を確保することを第一の目標とし、財政の健全性を堅持して、一般会計の規模は、租税収入その他の普通歳入と経済基盤強化資金の使用によって支弁する範囲にとどめるとともに、財政投融資においても、新規原資及び繰越資金のほか、民間資金を適度に活用することによって経済の安定的成長に資するとともに、経済基盤を強化し、経済の体質改善をはかることを基本といたしておるのであります。他方、経済計画においては、国民総生産を、前年度に比して六・一%、実質五・五%の成長を見込んでおりますが、この成長率は、長期経済計画における三十四年度の成長率と、ほぼ見合っております。
 そこで、まず、過去における経済情勢に対する財政政策の食い違いと明年度予算との関係が問題となったのであります。
 すなわち、第一点は、「政府は、過去三カ年間において、神武景気といわれる好況に際しては、一千億施策、一千億減税という積極政策を推進し、国際収支の破綻を招来した。また、急角度の政策転換による不況に際しては、これが対策を講ずることなく、このため経済に大きな波動を生ぜしめる結果となったが、このことは、政府の財政経済政策が経済の諸条件に適応しないことに基因しており、特に経済の変動を余儀なくせしめた主たる原因は、民間設備投資及び在庫投資等、いわゆる民間資本形成の面における政府の適切なる指導の欠除にあると思われる。また、明年度予算は、一般会計、財政投融資とも、その規模は相当増大し、かつ、二千四百億円の散布超過が見込まれ、かなり積極的、刺戟的な予算であるといわざるを得ないが、政府は、過去の財政経済政策に対して、いかなる反省の上に立って本予算を編成したのであるか。また、多額の散布超過が見込まれる際、最も重要なことは、資金を単に民間の自主的運営にまかせるべきではなく、政府による有効適切な指導がなされることを必要と考えるが、政府は資金を計画的に運用するための機構を確立する意思はないか」というのであります。
 第二点は、予算の編成と関連して、昭和三十五年度予算及び財政投融資の財源が問題となったのであります。すなわち、「三十四年度予算及び財政投融資は、積極性を打ち出したため、その財源として、三十三年度においてたな上げされた経済基盤強化資金、その他繰り越し及び蓄積資金等、あらゆる財源を使い尽している。三十五年度においては、一般会計歳入の面において、いわゆるたな上げ資金もなく、さらに剰余金の減少、減税の平年度化による減収等により大幅な減少が予想されるとともに、反面、歳出の面においては、旧軍人恩給、国民年金、社会保険等の当然増一千億円以上の歳出の増加が見込まれる。また、財政投融資についても、産投及び資金運用部の原資において多額の減少が推定される。政府は、三十五年度の財源について、いかに対処する方針であるか」という質疑が行われました。
 これに対しまして、政府は、第一点、「財政経済政策は、経済の波を小さくし、安定した基礎の上に成長をはかることを根本とするものであり、予算もまた、この線に没うて編成さるべきはもちろんであるが、過去において景気の見通しを十分に把握し得なかったこともあるので、景気の動向については格段の注意を払っている。三十三年度予算は、三十二年度の予算を実施に移した後の経済情勢の変動を念頭に置いて編成したので、本予算を忠実に実行することが経済に対応するものであり、かつ、財政が経済に対して特に刺激を与えるような措置は望ましくないとの観点に立ち、公共事業等の繰り上げ実施を行い、特に不況対策としての補正予算措置は講じなかったのである。これによって、いわゆる経済の調整過程を終え、最近は上昇に向っておるのであるが、三十四年度予算及び財政投融資計画は、明年度における日本経済のあり方、その成長の度合いにふさわしいものであると考える。散布超過については、政府としても大きな関心を払っているところであり、過去における苦い経験を繰り返さないように、財政と金融との一体的運用により、特に通貨価値の安定をはかることを第一義として、金融の正常化に効果を奏するように指導していきたい。金融に対する指導は、民間の創意と工夫による活動を建前としているので、特別強い指導をすることは好ましくないから、現行法の認める範囲内において適切な指導監督をしていきたい。従って、金融に対して特に統制をする機構を確立することは考えていない」との答弁がありました。
 また、第二点の、三十五年度の財源については、「過去の蓄積資金を使用したことは、現在直面している経済状態から将来の安定した経済べの発展をはかるために必要な経費として計上したものであり、これによって将来の財政の基礎をも作っていくことに思いをいたしている。従って、三十五年度財源については、例年のごとく、税収その他税外収入により一応まかない得ると考えるから、一般会計も、財政投融資も、現在のところ、特に新たな工夫をする必要はないものと考える」との答弁がありました。
 次に、政府が特に重点施策として実施しようとする事項は、一、減税を中心とする税制の改正、二、国民年金制度の創設等、社会保障制度の充実、三、道路及び港湾等の整備、四、農林漁業の振興、五、文教及び科学技術の振興、六、地方財政の健全合理化、七、中小企業対策、八、貿易の振興及び経済協力の強化等であります。これらの施策に対して、特に論議の焦点となりました点を要約して申し上げます。
 第一は、税制改正についてであります。政府は、三十四年度国税、地方税を通じて五百三十三億円、平年度において七百十七億円の減税を行うほか、租税特別措置について整理合理化をはかるとともに、道路整備の財源に充てるための揮発油税の引き上げを行う等、諸般の改正をすることにいたしております。
 質疑は、すなわち、「今回の減税案中、所得税については、扶養控除の引き上げに重点を置き、基礎控除について何ら措置がなされていないが、その理由いかん。また、租税特別措置は、戦後復興期の一時的措置であるべきにかかわらず、今や長期化し、既得権化している。しかも、この措置による恩典は、収益の多い大企業に二重、三重に与えられている。かかる措置は、税負担の公平を欠くから廃止すべきではないか。政策上必要な産業に対しては、補助金もしくは財政投融資等の手段を講ずべきものと考えるが、政府の見解いかん」というのであります。
 これに対し、政府は、「過去における所得税の減税は基礎控除を中心に減税したから、今回は家族構成に重点を置き、バランスをとった。また、租税特別措置は、個々の企業につきそれぞれの理由に基いて措置が講ぜられているもので、従来とも機会あるごとに整理をしてきたが、今後とも経済情勢の変化に応じて整理していきたい。また、恩典を受ける法人は、大法人のみではなく、中小企業も相当恩典を受けている。なお、根本的な問題については、政府が新たに設ける税制調査会で検討したい」というのでありました。
 第二は、社会保障についてであります。昭和三十四年度社会保障関係費は、前年度より二百二十一億円を増加し、一千四百七十九億円となっております。新たに老齢、障害、母子の三つの年金の制度を創設し、三十四年度より無拠出の援護年金の支給を開始することとし、また、国民皆保険計画の推進、生活保護、児童保護等の充実を期しております。なお、国民年金制度創設を機会に、社会保険の国庫負担割合の総合調整がはかられておるのであります。
 これらの施策に対する質疑は、「政府の社会保障政策は、どれもみな不徹底である。特に、低所得層に対して、生活保障にしても、結核対策にしても、はたまた失業対策や年金制にしても、いずれもその一つの政策だけで生活を保障することはできない。このために、人件費、事務費等においても莫大なむだがある。低所得層に対する対策は総合的に検討すべきではないか。また、社会保障制度における国庫負担の総合調整をはかるといって、保険料率や国庫負担等を増減しているが、調整をはかる必要があるのは、国民年金と厚生年金との調整ではないか」というのであります。
 これに対する政府の答弁は、「現行の社会保障制度は、それぞれの必要があって発達してきたものであり、すべて窓口を一本にするということはできない。従って限られた予算の中で、それぞれの制度を充実するように努力している。各種社会保険制度における国庫負担の総合調整は、全体を見直して、経理面のよいものには保険料率を引き下げ、あるいは国庫負担の軽減をはかり、また、悪いものに対しては、事業効果が上るように国庫負担の率を引き上げたのである。国民年金と厚生年金との通算措置は、三十六年度から拠出制度が発足するので、それまでには調整する目途で検討中である」というのであります。
 第三は、道路整備についてであります。道路整備事業については、特に経済の体質改善の一環として、構想を新たにして、三十三年度以降五カ年間に一兆円の資金を投入することとし、さしあたり三十四年度は、経済基盤強化資金の引き当て及び揮発油税等の増徴により、一般会計において二百九十五億円を増額しているのであります。
 質疑のおもなものは、「国土開発縦貫自動車道建設法に基く道路建設の進捗がおくれている理由及び今後の実施の見通しいかん。また、道路整備計画の財源を主として揮発油税の引き上げによっているが、かかる措置は運輸業者、石油業者の負担能力を越えるものであるから、他の適当な方法、たとえば、公債発行等の措置によるべきではないか」というのであります。
 これに対して、政府は、「国土開発縦貫自動車道建設法に基く名古屋―神戸間の高速道路は、用地買収が予定通り進まなかったこと等により、工事は若干おくれているが、明年度から急速に進み、三十六年末までには一応完成し、全体としては三十七年より供用を開始し得る見通しである。東京―小牧間は、三十二年度以来、地質、気象、交通量、経済状況等、諸般にわたって鋭意実地調査を進めている。また、道路整備を目的とする揮発油税の引き上げについては、石油業者、運送業者の営業収益率は年々上昇の傾向にあって、全企業の平均収益率はかなり上回る実情にある。さらに、自動車に対する揮発油税以外の公課も諸外国に比して低い状況等を考慮するならば、この程度の税の増徴は業者の負担能力を越えるものとは考えられない。道路整備のための公債発行は、現段階においては、通貨価値の安定という観点から賛成しかねるとの答弁がありました。
 第四は、農林漁業の振興についてであります。質疑は、主として農漁民の生活安定の確保という点に集中いたしました。すなわち、「戦後、政府の農業政策は食糧増産に重点が指向せられ、現在その成果を上げつつあるが、他面、農漁家の生活は相対的にはなはだしいおくれを生じている。政府は、農漁家の生活の安定と向上につき、いかに対処せんとしているか。また、従来の生産者米価の決定方法を所得補償方式に改める意思はないか。沿岸漁業者は、資本漁業者の圧迫を受け、その生産性はきわめて低く、その生活は悲惨なものがある。沿岸漁業者専用の漁場を設ける等の措置を講じ、これらを救済する必要ありと考えるが、政府の見解いかん」等の質疑が行われました。
 これに対して、政府は、「農業生産は向上したことは事実であるが、他の産業に比較していまだその生産性が低く、収入の格差が生じている。従って、今後の農政の重点は、生産力を高めていくとともに、所得の増大に指向したい。しかし、日本の農業は、耕地面積の狭小、人口の過剰等の諸条件のため、所得の増大をはかることは、ひとり農業政策のワク内のみで解決のできない面もあるから、日本経済全体との関連において検討したい。このために内閣に農林漁業基本問題調査会を設置し、あらゆる角度から検討する方針である。生産者米価の決定方法については、実情に即しないとの意見等もあるから、決定方法については目下検討中である。沿岸漁業については、海軍類、貝類の取得について、その保護措置が講ぜられているから、増殖に対して一そう助成したい。専用漁業権は、戦前は設定されていたが、戦後はこれを認めない傾向となって廃止している」との答弁がありました。
 第五に、地方財政について申し上げます。地方財政については、三十四年度において、中小企業の負担の軽減をはかるため、事業税を中心として減税を予定し、他方、地方交付税の率を二八・五%に引き上げるほか、公共事業を初めとする投資的事業の拡充等に必要な財源を確保し、行政水準の維持向上を期しております。
 これらの措置に関し、次のごとき質疑が行われたのであります。すなわち、「一、明年度地方財政は、地方税の減税、公共事業に係る国庫負担等の臨時特例法の適用期限終了による歳入減が見込まれる反面、人件費の膨張、公共事業費の増額等による財政負担は一そう増大するから、地方行政水準の低下を招来するおそれがある。政府の見解いかん。二、また、直轄事業の増加に伴い、交付公債が増加し、これが利子の累増は地方財政のガンになっていると考えられるが、政府においては、交付公債のあり方を再検討し、利子負担の軽減措置を講ずる意思ありゃ。さらに、三、各種公営事業量の増加する趨勢にある折柄、これら公営事業に対する公募債を、地方債発行計画のワク外として発行する措置を講ずる意思はないか」等でありました。
 これに対して、政府は、「一、減税による減収は、交付税率の引き上げによりこれを措置し、その配分については、町村よりむしろ府県に重点を置くように考慮する。臨時特例法は、地方財政の好転した実情に基きこれを廃止して、むしろ事業量を拡大していくことが、一般の要請にこたえるゆえんであると考える。公共事業の増大に伴う負担の増加は、道路に関しては、本年度と回廊の国の負担率を据え置く等の措置をとるほか、公立学校施設充実のためには、地方債の増額発行により処理し、一方、物件費、旅費等についても、国の予算に準じて節減をはかる等の措置を講じて財源に支障ないよう取り計らっているから、行政水準が低下することはないものと考える。二、直轄事業に対する負担金を公債の形式で納付することは、地方財政の健全化の面から望ましい姿ではなく、工夫を要することである交付公債の利子を免除する意思はない。三、また、公営事業の公募債は、民間資金の活用という面から、地方債発行計画のワク外に置くことは適当でないが、実際の運用については善処する考えである。要するに、地方財政確立の根本は、国及び地方を通ずる税源の配分の適正化にあると考えるが、これらに関しては、内閣に税制調査会を設け、国税と地方税を通じて根本的に検討することにしたい」との答弁でありました。
 このほか、特に議会政治のあり方、安全保障条約改定の問題、防衛の問題、日中及び日韓問題、賠償の問題、欧州の通貨交換性回復に伴うわが国の貿易政策、石炭産業を中心とするエネルギー政策、文教及び科学技術に関する問題、あるいは計画造船に関する問題、行政整理の問題、労働問題等、外交、内政各般にわたって真摯活発なる質疑応答が行われたのであります。これらは、時間の関係上、これを割愛し、これを会議録に譲ることを御了解を賜わりたいのであります。
 かくて、三月二日すべての質疑を終了いたし、本日、予算三案を一括討論に付し、採決の結果、予算三案は政府原案の通り可決いたされたのであります。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
#14
○議長(加藤鐐五郎君) これより討論に入ります。小平忠君。
    〔小平忠君登壇]
#15
○小平忠君 私は、日本社会党を代表し、政府提出の昭和三十四年度一般会計予算案、同特別会計予算案並びに同政府関係機関予算案に対し、反対の意思を表明せんとするものであります。(拍手)
 明年度予算案は、一言にして言うならば、岸内閣が今日まで提出した本予算並びに補正予算を通じて最もその正体を露骨に暴露した予算案と言うことができるのであります。岸内閣は、本予算案をもって、減税や国民年金などの公約実現予算であると大宣伝しているのでありますが、このように大幅に後退し、羊頭狗肉そのものとなった予算案に、何のかんばせあって公約実現という大言壮語ができるでありましょうか。むしろ、逆に、その金権政治の野望を隠蔽した悪質な予算案であって、公約実現はおろか、その誠意すら見受けることができないのであります。
 日本社会党は、この政府案を検討した結果、予算総額はあげて大企業サービスのために編成したものであり、民間金融を再び設備投資競争に誘導する方向に持っていき、反面、経済白書がみずから明確にしているごとく、ますます拡大する貧富の差や、雇用伸度の減退に対しては全く無力であり、ただ歴代の保守政権のとってきた伝統を受けて、ひたすら大企業にのみ満腹せしめる、いわば食い逃げ予算であると断定できるのであります。(拍手)すなわち、自民党政権と大企業との結合は、ますます緊密化し、強化されていくことは必至でありましょう。そのことは、すでに現実の姿として現われてきているのであります。勤労者の盛り上る力を抑圧し、警職法の改悪を抜き打ち的に上程してみたり、勤務評定を強行し、労働運動に弾圧を加えてきていることが、これを如実に示しているところであります。しかも、このような大企業本位の経済政策の結果として、国内有効需要はおのずから狭められ、一方、大企業の設備投資の行き過ぎ、設備過剰、生産過剰の再発は再び迫ってきておるのであります。
 このような経済政策を基調として編成された明年度予算案の特徴をあげるならば、まず第一に、防衛関係費については、アメリカ政府の承認を得なければ案作成の決定ができないという、文字通りアメリカ政府のひもつき予算であり、憲法第七十三条に規定されておる、「予算を作成して国会に提出する」という内閣の職務を履行しない、自主性のないものとなっていることであります。しかも、明年度の防衛庁費には千三百六十億円が計上され、国庫債務負担行為は百九十八億円、継続費は六十八億円、このほか多額の繰り越し明許費を持つという飛躍的な大増額を企図しており、ミサイル試験部隊の設置によって核兵器持ち込みを策し、かつ、日米安保条約の改定と相待って、中ソ両国をますます敵国視する方向べ持っていこうとしておるのであります。しかも、アメリカよりの軍需品の供与が減少しておることを口実に、国内での兵器生産を、戦前同様、国費によって育成せんとし、その膨大な国費を、すでに使いものにならない戦闘機の生産に向け、国内大企業利潤のために奉仕せんとしておるのであります。
 政府案の第二の特徴は、大企業及び高額所得者だけに奉仕する階級予算であることであります。(拍手)まず、歳入面では、毎年慶大企業に対して八百億円をこえる減免税の特典が租税特別措置法を通じて実施されておったのでありますが、政府は、明年度は、このうちわずか七十億円を改廃するにすぎないのであります。しかも、歳出面では、総額千七十一億円の増額の中で、公共事業費、防衛関係費、賠償費の増額だけで五百六十四億円になっており、これらの予算歳出が、利権と汚職の巣くつとなり、政治の堕落腐敗の財源となっておることは、国民周知の事実であります。(拍手)ざらに、公共事業費のひもつきとなって、地方自治体の自由に使用できない地方交付税交付金の増額分二百四十六億円を加えますならば、千七十一億円のうち、まさに七百九十二億円までが、大企業と自民党の、うまい汁の吸いどころにせんがための増額なのであります。(拍手)同じように、財政投融資計画を見るならば、開発銀行、電源開発会社、輸出入銀行、石油資源の四社に対する投融資たけで四百六十三億円が増額になっているにかかわらず、国民金融公庫、中小企業金融公庫、一商工中金に対しては、逆に四十二億円の減額になってきておるのであります。また、農林水産予算については、岸内閣の重大施策の一つとして取り上げ、施政方針の中に、特に格別の考慮を払うとまでうだいなから、その実、国家総予算から見ると、農林予算の占める比率は、逆に年々減少の一途をたとってきているのであります。農産物価格のごときは、一審議機関の意思とは逆に、生産費も補えぬ低価格に押えんとしており、一方、零細なる沿岸漁業の振興に対しては、昨年度よりその予算を減額するというごとき、実に場当り的なものであり、全産業を通じて最も水準の低いこれら第一次産業部門に対する操護政策を全く放棄しておるのであります。
 そのことは、中小企業の予算についても同様であります。中小企業者一千万人に対し、わずか二十億円の振興費が計上されているにすぎないことから見ても明らかなところであります。(拍手)
 さらに、勤労者に対する課税を見るならば、租税収入の自然増収を一千八十六億円と見積り、これから景気がよくなるという理由で、その大半を所得税と間接税関係で見積っており、まさに徴税強化を意図しておるのであります。しかも、法人税に対しては、景気が悪かったからという理由で、税収見積りはほとんど横ばい程度にすぎないのであります。
 岸内閣の減税公約とは、このような課税公平の原則におよそ正反対な方針の上に作文ざれたものであり、形式的には所得税の免税点は引き上げられたが、実は、私鉄バスの値上げに始まる諸納金の値上げ、これの消費者物価へのはね返りで、たちまち相殺される順序が組まれておるのであります。われわれは、このような減税のからくりを国民の前に明らかにし、岸内閣を糾弾することこそ、われらの使命であると存ずるのであります。(拍手)
 政府案の第三の特徴は、勤労者の生活向上を全く無視しておる点であります。岸内閣は、所得税の免税引き上げを大宣伝しておりますが、これの適用を受けられるのは、所得税納税者約二千万人のうち、わずか八十六万人にすぎません。納税していない二千万人の低所得の勤労者については、諸物価値上げの被害だけを岸内閣より受けることになるのであります。(拍手)従って、政府の見通しでは、個人消費支出がごそごそ上昇することになっているが、実は、これは相当高額の所得者のみに適用されることであり、低所得者は、物価値上げに苦しめられ、失業の不安に脅かされておるのであります。
 さらに、岸内閣は、公約実現の一つとして、無拠出年金の実施をうたっておるのでありますが、実は、生活保護世帯を除外してその上積みとなる二百五十七万人に、月額千円から千五百円程度が、十二月から四ヵ月間だけ支給されるにすぎないのであります。これでは、当然に生活保護を受けるべき貧困者に対して、もっと割安な国民年金という名の救貧援護をしておるにすぎないのでありまして、国民年金の基本性格である、国民の所得保障の目標とは、およそかけ離れた、インチキ公約なのであります。(拍手)岸内閣も自民党も、口を開けば福祉国家の建設を唱えながら、その政策の実態たるや、まことに欺瞞の連続であります。まだ不況のあらしが吹いているのに、生活保護人員は削減されました。失業対策費は、横ばいどころか、減額されております。一千万人の加入者を持つ厚生年金を初め、社会保険の料金は引き上げられ、この面からも勤労者の家計負担は苦しくなっておるのであります。
 もう一つの政府公約である、すし詰め教室の解消はどうか。一万七千教室のすし詰めを解消するために六百七億円が必要というのに、わずか七十七億円が計上されているにすぎません。これで五年間で解消するとは、いかなる算術をもって計算したのでありますか。全く小中学校の児童をも侮辱した予算編成であると断ぜざるを得ないのであります。(捕手)
 政府案の第四の特徴は、地方自治体を国の財政の下請機関化せんとする点であります。政府案を外見上見ますると、交付税率を一先引き上げ、かっ、地方財政計画は一千十八億円増額し、地方財政は拡大の方向に向うかのように見えるのでありますが、この一千十八億円の五一%までは国のひもつき事業に使われるのであり、地方の単独事業のための増額は、わずかに〇・七%しか残っていないのであります。歳入面で地方の自主財源が四百十九億円ふえる予定になっておりますが、これも大半は国のひもつき事業に向けられるのであります。従って、地方自治体は、地方職員の給与を支払い、単独事業費をまかなうには、どうしても地方住民より寄付金などの税外収入を割り当てざるを得なくなっております。かくして、再び地方自治体には赤字団体がふえ、憲法で保障されている地方自治は、岸内閣の手によって全く侵害されておるのであります。
 以上、私がここにあげた政府案の諸特徴は、本院における予算審議の過程においていずれも明らかになったのでありますが、驚くべきことには、予算審議の最中に、岸総理は、わが党の非核武装宣言決議の提唱に賛成しておきながら、自民党総裁としてはこれに反対して、首相と総裁との二重人格を使い分けたのであります。(拍手)政党政治をベースとして、われわれが本院において予算審議をしておる最中に、岸総理は、みずから政党政治を否定したのであります。また、三十四年度予算審議の最中に、突如として、同年度の二百五十億に及ぶ補正予算を提出して参りました。かくのごときは、およそ、その例を見ざる、無定見きわまるものであります。(拍手)さらに、奇々怪々なる事実としては、本予算案を提出した岸首相は、自民党大会において党内三分の一の議員より不信任を突きつけられておるのであります。(発言する者あり)今や党内的にも長期政権担当の夢が春の淡雪のごとくはかなくも消え去った岸内閣に、本予算提出の資格は断じてないと思うのであります。(拍手)かくのごとき、国民より見離された、お粗末な内容を持つ予算でありますために、従来社会党が取り来った組みかえ動議のごときものも提出でき得る形を整えた予算ではないのであります。(拍手)
 世界の政治経済は、東西の武力対立に血の道を上げておる時代は去りました。激しい経済競争の中にあって、経済協力の努力を積み重ねることこそが、現在の世界政治経済の進路なのであります。日本社会党は、この見地に立って、明年度の予算の編成は、雇用の増加、国内有効需要と輸出の増加促進を目標として、第一に、国民年金制の実施を主体とする社会保障費の大幅増額、第二に、国民の租税負担の不公平是正、第三に、農林漁業と中小企業の近代化促進、第四に、アジア・アラブ諸国との経済提携を促進するための資金、技術援助の強化、第五に、地方財政の財源補てんのため地方交付税率を百分の三十に引き上げ、第六に、防衛関係費その他不急不要費の大幅削減、第七に、民間金融と財政投融資とを一元的計画に基いて配分し、二重投資を排していくと同時に、大企業と巨大銀行との系列的金融集中の防止であります。これら七つの基本方針を持って予算編成を行うべきであると考えるのであります。国内有効需要の拡大とは、何よりも、まず、勤労者の半分を占める年収三十万円以下の低所得者を中心にして勤労者の購買力を高めることであります。このため、所得税の免税点を標準家族年収三十四万円に引き上げ、一方、大企業に対する租税特別措置法の恩典を撤廃し、その中で増収をはかるものであります。社会保障については、昭和三十五年度中に国民皆保険を実現して、医療保障一応完成し、所得保障の面では、直ち」、六十才以上の老人に月千円、六十五才以上に二千円の老齢年金、二十才以「の子弟のある母子世帯に月三千円の母子年金、一級から三級までの身体障青者に四千円から二千円までの障害年金を支給する、この二つの、医療と所得との両保障をささえとして、働いている者には全産業に同じ基礎を持つ最低賃金制を実施し、ここに国民最低生活を保障する場を作り、その上に勤労の意欲を高めつつ生産態勢を作り上げていくのであります。
 このように、国内に勤労者の購買力引き上げの努力を払わずして、いたずらに設備投資しても、生産過剰となるはかりであります。従って、岸内閣のように、全く国民のうちに市場を持つ必要のない軍需産業を国民の血税によって育成するような結果になるのでのります。日本経済の安定と発展とは、勤労者の生活水準の上昇と雇用の増加に基礎を置かずして実現し得る道理はありません。しかも、この道は、再軍備の道とは財政的に両立しないのであります。一部の特権階級にのみ奉仕する予算ではなく、1全国民大衆の生活を守り、日本の独立と平和の達成を期し得る、わが日本社会党の予算編成方針に同調せられて再出発されることを強く要求するものであります。
 以上申し述べました理由により、政府案に断固反対いたしまして、私の認論を終ります。(拍手)
#16
○議長(加藤鐐五郎君) 西村直己君。
    〔西村直己君登壇〕
#17
○西村直己君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和三十四年度一般会計予算外二件の予算案に対し、賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 まず、第一に、昭和三十四年度予算案の性格を明らかにいたしまして、次いで、わが党の重要公約がどのように具体化されているかを明らかにし、賛成の理由を申し述べまして、次いで、日本社会党の主張に対し若干の論及をいたしたいと思うのであります。
 三十四年度予算案の特質の第一点は、健全財政を堅持しながらも、重要施策の積極的実現をはかっている点であります。一般会計の収支均衡の確保はもちろん、特別会計、政府関係機関の予算及び財政投融資計画を通じ、不健全なる要素は一切これを含まず、あくまでも健全財政主義を貫いているのであります。しかも、そのうちにあって、わが国経済の安定的成長の確保と国民生活の向上等、わが党の重要施策は十分に盛り込まれているのであります。これを財政規模の上から見ましても、一般会計は前年度の当初予算に比べ一千七十億の増、また、財政投融資計画におきましても、前年度当初計画よりは千二百三億円増加され、五千百九十八億円が計画されております。しかも、一面におきましては、平年度七百億円をこえる減税を断行しながらも、このような規模の拡大を招来いたしておりますことは、一つには、わが国経済の発展を象徴するものと言い得るのであります。この予算案の性格を一言で評しまするならば、政策優先の積極健全財政と言うべきでありまして、私は、これを戦後最良の予算であると申しましても、あえて過言ではないと信ずるものであります。(拍手)
 本予算案の特質の第二点は、これを政策の面から見た場合に、経済の安定的成長の確保と福祉国家の実現の二点に最大の眼目を置いていることであります。わが国経済は、過去一年半にわたる総合的調整政策が着実にその効果を上げまして、今日まさしく好調の一途をたどり、加うるに、世界の経済も、大勢といたしましては、これまた次第に好調に向いつつあると考えます。かかる経済環境の中に立って財政の果すべき役割の一つは、経済基盤の強化並びにその体質の改善であります。その二は、経済発展の均衡確保であります。従って経済基盤強化のためには、道路、港湾、鉄道の建設整備に画期的方策が講ぜられ、さらに、特定地域の総合開発等にも予算の重点が飛躍的に指向されておりますことは、まことに時宜を得たものと考えられます。(拍手)また、わが国産業構造の体質改善をはかるため、特に立ちおくれております農林漁業と中小企業の経営の安定合理化、重点産業における技術の近代化を促進するとともに、金融の正常化と金利水準の引き下げ、科学技術の振興などにも十分意を用いているのであります。
 次に、経済が好調に向うとき、留意を要する点は、その調和と均衡であります。そのために、財政金融の総合一体的運営を従来以上に強化し、財政投融資における民間資金の活用を大幅に増額するとともに、その配分に当りましては、特に緊要と認められる部門、たとえば、電力、輸送、通信等の基礎的部門、農林漁業、中小企業、輸出、住宅等に対し、重点的に投融資の増額をはかっておるのは、適切と考えられるのであります。
 次に、三十四年度予算のいま一つの眼目は、福祉国家の建設であります。すなわち、経済の安定的成長を基礎として、国民所得の増大、国民負担の軽減、雇用の拡大等による国民生活の向上が約束される一面、国民年金制度の創設、国民皆保険の推進、結核対策の強化、その他社会保障政策の拡充によりまして、恵まれざる低所得階級に対しても生活の安定をはかりつつあるのでありまして、わが党本来の主張であります、福祉国家の建設に向って大きく前進しているのであります。(拍手)
 以上、三十四年度予算案の特色、規模について申し上げましたが、さらに強調いたしたいのは、昨年の総選挙におきまして、わが党が国民へ公約したる事柄は、これことごとく本予算案に盛り込まれている点であります。(拍手)
 その代表的事例を申し上げますと、まず減税公約につきましては、その中心をなすものは所得税減税であります。わが党の公約は、標準世帯年収三十万円までを無税にすることにいたしておりましたが、本案におきましては年収約三十三万円、これは社会党の選挙公約三十二万円を上回っているのであります。(拍手)その他、国税、地方税を通じまして、広く国民負担の軽減をはかっておるのであります。
 国民年金制度におきましては、政府も長らく慎重に調査研究を続けました結果、老齢者、身体障害者、母子世帯の三年金として、三十四年度から、とりあえず、無拠出の年金支給を開始することになりました。約二百六十万人に及ぶ該当者はもとより、国民が久しく待望しておりましたわが国国民年金制度が、ともかく発足を見るに至りましたことは、この上ない明るい気持を抱かせるものとして心から喜びにたえないものであります。(拍手)
 また、わが国の道路が悪いことは、世界的にも定評があるのであります。それだけに、これを建設いたしますることは急務中の急務でありまして、三十四年度予算は、一兆億円五カ年整備計画の一環として、特別会計において、ガソリン税の増徴と見合せ、一千五百億円の予算が計上されているのであり、数年後におきまするわが国道路がその態様を一変することは、期して待つべきものがあると考えられます。(拍手)
 今後、本予算案編成の趣旨に従いまして、これを適切に運営実施いたしまするならば、わが国経済はさらに安定した成長を続けることはもちろん、国民生活もいよいよ安定向上し、予算編成当時に予想いたしました、実質五’五%の経済成長、八兆九千二百八十億円の国民所得は、これを最低の線として確実に達成できることは疑いありません。それは、さらに将来の財政の拡充を約束するものであり、いよいよわが党の諸政策の輝かしい発展を正そう確実ならしめるものと確信するものであります。(拍手)
 次に、私は、日本社会党の批判と御主張に対しまして、若干の反駁を申し上げたいと思います。いわく、この予算が独占資本に奉仕する利権予算であるとか、米国に従属する予算とかいう、社会党一流の欺瞞的批判は、あえて論ずるに足りませんが、この予算がインフレ的性格を持つとか、後年度の財政を困難にする不健全予算であるとかいった経済財政論的批判も、また、事実を曲解するものか、しからざれば、ためにする逆宣伝にすぎないと考えるのであります。(拍手)もちろん、今回の予算案は、相当にその規模は拡大していますが、それは国民経済の拡大発展に伴う必然的かつ妥当なる膨張であって、赤字公債の発行、インベントリーの取りくずしのような不健全な要素は一切含まれておりません。従って、この面からインフレを誘発する心配は全然ないのであります。
 また、社会党は、二千四百億円程度の散布超過をとらえまして、経済刺激の要因となることを指摘しているのであります。しかしながら、この計算通りに散布超過となるにいたしましても、いまだオーバーローンの解済していない現在、その心配は杞憂にすぎないのであります。しかも、予算におきまする対民間収支計算は、全く機械的の計算であり、常に実績とははるかに食い違っておるのでありまして、従来の経験から見ますると、景気の好調に向うときは、輸入の増加、税収の増加等の引き上げ要因が加わるため、散布超過は予想よりも下回るのが通例であります。社会党が、予算における対民間収支計算をもって、これを直ちに景気刺激の要因と断ずることは、誤まりであるといわざるを得ません。(拍手)
 社会党の他の一つの批判は、後年度以降の財政を困難にするというのでありますが、これも、わが国経済力を過小評価した杞憂にすぎないのであります。なるほど、三十五年度は、たな上げ資金もなくなり、剰余金収入も激減し、反面、国民年金の国庫負担額の三倍増を初め、歳出当然増もありますが、わが国経済が安定した成長を持続する限り、財政もまた年々適度に拡充するのは当然であり、三十五年度も適当に充実した予算を編成することができることは疑いないところであります。
 社会党は、しばしば、政策をもってわが党と対決されると申しますが、進んで政策の裏づけであります予算組みかえ案をもって対決すべきが公党の態度なりと私は期待しておりました。(拍手)しかるに、今日に至るまで、わずかに方針を羅列した観念的予算編成大綱を発表せられただけであります。これは国民に対する社会党の実際的、現実的責任を回避するものであって、まことに遺憾に存ずる次第であります。(拍手)かりに、社会党の予算編成大綱の骨子を概観いたしましても、相も変らず、防衛関係費、治安関係費、旧軍人恩給費等の全面的削減と租税特別措置の全面的整理などによって架空の財源を捻出し、他面、公務員のべース・アップとか、減税とか、国民年金の大幅な増額とか、いたずらに耳裏に入りやすい歳出項目の増加を主張しているのであります。
 その一、二の例を申しますと、社会党の主張される国民年金制度にいたしましても、私どもの試算によりますれば、その国庫負担は、平年度二千億の財源を要し、ピーク時には実に一兆億円をこえる膨大なるものになるのであります。また、かりに公務員の給与ベースを月二千円引き上げるといたしますと、公務員、公共企業体職員で約二百八十万人といたしまして、年約八百億円の財源を必要とするのであります。かかる財源が、現実問題として、いずこにありや、お伺いをしたいのであります。(拍手)しかも、その予算の大綱の前提としては、日米安全保障条約を一方的に廃棄し、自衛隊は一挙にこれを整理し、恩給の既得権はこれを剥奪し、治安は乱れるにまかせ、企業には破滅的重税を課するということであります。かかる方針、政策は、外は、国際信義をじゅうりんし、内は、非常なる経済変革と不安、動揺を伴う結果を招き、ついにはわが国経済を萎縮と貧困に陥れることは、火を見るよりも明らかであります。(拍手)
 そもそも、予算というものは、現実の政治と表裏一体をなすものでありまして、いたずらな希望や空想では何らの意味がないのであります。社会党が今なお現実無視の観念的予算大綱をもてあそばれることは、責任ある公党の態度としてはまことに受け取れないのであります。(拍手)
 次に、今回の予算案は、さきにも申し述べましたように、健全財政を貫きつつ、国民の期待に沿うべく、積極的内容がよく盛られておりますだけに、委員会の審議の過程におきましても、まじめなる建設的意見こそあれ、否定的批判は少かったのであります。なるほど、社会党は、相次ぐ地方選挙において連戦連敗、しかも、今後迫り来たるところの各種選挙を控えまして、あせられる気持は、よくわかるのであります。(拍手)従って、予算審議の過程を通じましても、いかにして政府を窮地に追い込まんかとのきめ手を幾たびか探し求めたのでありますが、予算の審議自体には、ついに直接これを求めることができなかったのであります。その結果、予算には直接関係のない、非核武装問題、あるいは賠償問題、または最賃問題等を関連せしめてそうしてついには内閣不信任案提出にまでも盛り上げようと努力をいたされたのでありますが、この不信任案提出の企画も、ついに春の淡雪のように消え去ってしまったのであります。(拍手)ただ、その間に、これらの諸問題を言いがかりといたしまして、いたずらに院外の圧力に引きずられ、あるいは党略的かけ引きによりまして、前後六日間にわたり、予算審議を初め全国会を空白に陥れ、ついに世間の非難を強く受けるに至ったのであります。
 そもそも、今回の予算案は、いわゆる政策先議を旨といたしまして、わが党としては、政府と一体となって、すでに昨年末、早期編成を終了し、本院提出も、きわめて順調、かつ、すみやかに行われ、よき政治慣行を作ったのでありますだけに、まことに遺憾に存ずる次第であります。予算案と、これに関連しまする重要法案の審議促進、それは全国民の熱望するところであります。これにそむいて、みずから議案審議の職能を放棄し、その成立をおくらせることは、議会政治の権威の失墜であり、また、議会政治家としての自殺行為にひとしいと思うのであります。(拍手)わが党といたしましても、国会運営において静かに顧みるべきところは顧みますが、私は、この機会に、国民の名において、社会党の諸君の反省をも促したいのであります。(拍手)
 また、今回、承わりますところによりますれば、社会党の首脳の各位は、国会の、かかる重要案件の審議半ばにして、あえてはるばる中共を訪問せられる由、まことに御苦労であります。日中間の友好親善は、私どもも、これを願望するところでありますが、ただ、今回の御旅行が、国民外交の趣旨に出でられる以上、その域を越えて、わが国外交の二元化の印象を招くことなきよう、あるいはまた、自主性を失われて、いたずらに内政干渉の端を開くことなきよう、内外に不信を与えることなきよう、心ひそかに念願する良識ある多数国民のあることも、御記憶を願いたいのであります、(拍手)
 最後に、政府に対し一言申し述べたいことは、予算の運営についてでございます。なるほど、わが国経済は現在好調に向いつつありますが、その安定度や深さがいまだ十分でない今日、その運営を誤まると、再び設備投資の行き過ぎや景気の過熱を招かないとは断言できません。また、地方財政のあり方も、国の財政の運用と相待って、わが国経済の発展に大いなる関係があるのであります。特に、今回の国家予算において積極施策を推進します以上、将来にわたる地方負担などをも十分勘案の上、地方行財政の適切なる運用指導を通じ、その所期の効果を上げるよう、格段の御留意を願いたいのであります。さらに、国際経済を展望しまするとき、西欧の通貨の交換性の回復や、共同市場の発達は、今後の国際経済競争力の強化を必要とすると存ずる次第であります。
 以上、私は、政府が、三十四年度予算の運用に際しては、かかる内外の情勢をよく洞察し、その最善を尽され、もって全国民の大きな期待に沿われんごとを切に要望いたしまして、賛成の討論を終る次第であります。(拍手)
#18
○議長(加藤鐐五郎君) これにて討論は終局いたしました。
 昭和三十四年度一般会計予算外二件を一括して採決いたします。この採決は記名投票をもって行います。三件の委員長の報告はいずれも可決であります。三件を委員長報告の通り決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#19
○議長(加藤鐐五郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖、開匣、開鎖。
 投票を計算いたさせます。
    [参事投票を計算]
#20
○議長(加藤鐐五郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読]
 投票総数 三百九十六
  可とするもの(白票) 二百五十二
    〔拍手]
  否とするもの(青票) 百四十四
    〔拍手〕
#21
○議長(加藤鐐五郎君) 右の結果、昭和三十四年度一般会計予算外二件は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
  ―――――――――――――
昭和三十四年度一般会計予算外二件を委員長報告の通り決するを可とする議員の氏名
   安倍晋太郎君  相川 勝六君
   相澤  寛君  愛知 揆一君
   青木  正君  赤城 宗徳君
   赤澤 正道君  秋田 大助君
   秋山 利恭君  淺香 忠雄君
   天野 光晴君  綾部萬壽夫君
   荒木萬壽夫君  荒舩清十郎君
   新井 京太君  五十嵐吉藏君
   井出一太郎君  井原 岸高君
   飯塚 定輔君  生田 宏一君
   池田 清志君  池田正之輔君
   石井光次郎君  石坂  繁君
   石田 博英君  一萬田尚登君
   今井  耕君  今松 治郎君
   岩本 信行君  宇田 國榮君
   宇都宮徳馬君  植木庚子郎君
   臼井 莊一君  内田 常雄君
   内海 安吉君  江崎 真澄君
   遠藤 三郎君  小川 半次君
   小川 平二君  小澤佐重喜君
   大石 武一君  大久保武雄君
  大久保留次郎君  大倉 三郎君
   大坪 保雄君  大野 一郎君
   大野 伴睦君  大平 正芳君
   大森 玉木君  岡崎 英城君
   岡部 得三君  岡本  茂君
   奧村又十郎君  押谷 富三君
   加藤 精三君  加藤 高藏君
   加藤常太郎君  鹿野 彦吉君
   鍛冶 良作君  金子 岩三君
   金丸  信君  上林山榮吉君
   亀山 孝一君  鴨田 宗一君
   川崎末五郎君  川崎 秀二君
   川島正次郎君  川野 芳滿君
   菅家 喜六君  簡牛 凡夫君
   木倉和一郎君  木村 武雄君
   木村 俊夫君  木村 守江君
   岸  信介君  北澤 正吉君
   北村徳太郎君  吉川 久衛君
   清瀬 一郎君  久野 忠治君
   倉石 忠雄君  倉成  正君
   蔵内 修治君  黒金 泰美君
   小泉 純也君  小枝 一雄君
   小島 徹三君  小平 久雄君
   小西 寅松君  小林かなえ君
   小林 絹治君  小山 長規君
   河野 孝子君  河本 敏夫君
   纐纈 彌三君  佐々木盛雄君
   佐藤 榮作君  佐藤虎次郎君
   佐藤洋之助君  齋藤 邦吉君
   坂田 英一君  坂田 道太君
   櫻内 義雄君  笹山茂太郎君
   志賀健次郎君  始関 伊平君
   椎熊 三郎君  椎名悦三郎君
   重政 誠之君  篠田 弘作君
   島村 一郎君  正力松太郎君
   進藤 一馬君  鈴木 正吾君
   鈴木 善幸君  砂原  格君
   世耕 弘一君  瀬戸山三男君
   關谷 勝利君  園田  直君
   田口長治郎君  田中伊三次君
   田中 榮一君  田中 角榮君
   田中 龍夫君  田村  元君
   高石幸三郎君  高碕達之助君
   高瀬  傳君  高橋 英吉君
   高橋 禎一君  高橋  等君
   高見 三郎君  竹内 俊吉君
   竹山祐太郎君  武知 勇記君
   谷川 和穗君  千葉 三郎君
   中馬 辰猪君  津島 文治君
   塚田十一郎君  塚原 俊郎君
   辻  寛一君  辻  政信君
   綱島 正興君  寺島隆太郎君
   渡海元三郎君  徳安 實藏君
   床次 徳二君  中井 一夫君
   中垣 國男君  中川 俊思君
   中島 茂喜君  中村 梅吉君
   中村 幸八君  中村三之丞君
   中村 寅太君  中山 マサ君
   永田 亮一君  永山 忠則君
   楢橋  渡君  南條 徳男君
   二階堂 進君  丹羽喬四郎君
   西村 英一君  西村 直己君
   根本龍太郎君  野田 卯一君
   野田 武夫君  野原 正勝君
   羽田武嗣郎君  馬場 元治君
  橋本登美三郎君  橋本 正之君
   橋本 龍伍君  長谷川四郎君
   長谷川 峻君  八田 貞義君
   服部 安司君  濱田 幸雄君
   濱田 正信君  早川  崇君
   林  讓治君  林  唯義君
   原田  憲君  平井 義一君
   平野 三郎君  廣瀬 正雄君
   福家 俊一君  福井 順一君
   福井 盛太君  福田 赳夫君
   福田 篤泰君  福田  一君
   福永 健司君  藤枝 泉介君
   藤本 捨助君  藤山愛一郎君
   船田  中君  古川 丈吉君
   保科善四郎君  保利  茂君
   坊  秀男君  星島 二郎君
   細田 義安君  細田 義安君
   堀川 恭平君  本名  武君
   前尾繁三郎君  前田  郁君
   前田 正男君  益谷 秀次君
   増田甲子七君  松浦周太郎君
   松岡嘉兵衛君  松澤 雄藏君
   松田竹千代君  松田 鐵藏君
   松永  東君  松野 頼三君
   松村 謙三君  松本 俊一君
   三池  信君  三浦 一雄君
   三田村武夫君  三和 精一君
   水田三喜男君  南  好雄君
   村上  勇君  村瀬 宣親君
   毛利 松平君  栗山  博君
   森   清君  森下 國雄君
   八木 一郎君  八木 徹雄君
   保岡 武久君  柳谷清三郎君
  山口喜久一郎君  山口 好一君
   山口六郎次君  山崎  巖君
   山下 春江君  山田 彌一君
   山手 滿男君  山中 貞則君
   山村庄之助君  山村新治郎君
  山本 勝市君  早稻田柳エ門君
   渡邊 本治君  渡邊 良夫君
 否とする議員の氏名
   赤路 友藏君  赤松  勇君
  茜ケ久保重光君  淺沼稻次郎君
   足鹿  覺君  飛鳥田一雄君
   淡谷 悠藏君  井伊 誠一君
   井岡 大治君  井手 以誠君
   伊藤卯四郎君  伊藤よし子君
   猪俣 浩三君  池田 偵治君
   石川 次夫君  石田 宥全君
   石野 久男君  石村 英雄君
   石山 權作君  板川 正吾君
   今澄  勇君  受田 新吉君
   内海  清君  小川 豊明君
   小澤 貞孝君  大貫 大八君
   大原  享君  大矢 省三君
   太田 一夫君  岡  良一君
   岡田 春夫君  加藤 勘十君
   加藤 鐐造君  春日 一幸君
   片島  港君  片山  哲君
   勝澤 芳雄君  勝間田清一君
   角屋堅次郎君  金丸 徳重君
   上林與市郎君  神近 市子君
   神田 大作君  河上丈太郎君
   河野  正君  木下  哲君
   木原津與志君  菊川 君子君
   菊地養之輔君  北山 愛郎君
   久保 三郎君  久保田鶴松君
   久保田 豊君  栗原 俊夫君
   栗林 三郎君  黒田 寿男君
   小平  忠君  小林  進君
   小林 正美君  小牧 次生君
   小松信太郎君  小松  幹君
   兒玉 末男君  五島 虎雄君
   河野  密君  佐々木更三君
   佐々木良作君  佐藤觀次郎君
   佐野 憲治君  坂本 泰良君
   櫻井 奎夫君  實川 清之君
   島上善五郎君  島口重次郎君
   下平 正一君  東海林 稔君
   杉山元次郎君  鈴木  一君
   鈴木茂三郎君  田中幾三郎君
   田中 武夫君  田中 稔男君
   田万 廣文君  多賀谷真稔君
   高田 富之君  滝井 義高君
   竹谷源太郎君  楯 兼次郎君
   館  俊三君  塚本 三郎君
   堤 ツルヨ君  戸叶 里子君
   土井 直作君  堂森 芳夫君
   中井徳次郎君  中崎  敏君
   中澤 茂一君  中島  巖君
   中嶋 英夫君  中原 健次君
   中村 時雄君  中村 英男君
   永井勝次郎君  成田 知巳君
   西村 榮一君  西村 関一君
   西村 力弥君  芳賀  貢君
   長谷川 保君  原   茂君
   原   彪君  平岡忠次郎君
   廣瀬 勝邦君  帆足  計君
   穂積 七朗君  北條 秀一君
   松尾トシ子君  松平 忠久君
   松前 重義君  松本 七朗君
   三鍋 義三君  三宅 正一君
   水谷長三郎君  武藤 武雄君
   門司  亮君  本島百合子君
   森島 守人君  森本  靖君
   八木 一男君  八木  昇君
   矢尾喜三郎君  安井 吉典君
   柳田 秀一君  山口シヅエ君
   山崎 始男君  山下 榮二君
   山田 長司君  山中 吾郎君

   山中日露史君  山花 秀雄君
   山本 幸一君  横山 利秋君
   和田 博雄君  志賀 義雄君
#22
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第一、就学困難な児童及び生徒のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。文教委員長臼井莊一君。
    〔臼井莊一君登壇〕
#23
○臼井莊一君 ただいま議題となりました、内閣の提出にかかる、就学困難な児童及び生徒のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その要旨及び文教委員会における審議の経過と結果を申し上げます。
 まず、本案の要旨について申し上げます。
 御承知のように、従来、国は、経済的理由によって就学困難な児童及び生徒のため教科用図書の給与を行う市町村に対して予算の範囲内で補助を与えておりますが、今回さらにこれを拡大して、市町村が要保護家庭の児童及び生徒のうち、小、中学校の最高学年者の修学旅行費を給与する場合にも、国は予算の範囲内でこれに要する経費の一部を補助するよう改正しようとするものであります。
 本案は、去る一月二十八日当委員会に付託され、同月三十日文部大臣から提案理由の説明を聴取し、自来各委員は慎重に審議されたのでありますが、特に、本法によって補助対象となっている準要保護児童、生徒数の算定基礎は何か、さらにまた、地方公共団体の負担分について地方財政計画はどうなっているかなど、細部にわたって熱心に検討されたのでありますが、これらの詳細については会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 かくて、二月二十七日に至り、本案に対する質疑を終了し、討論を省略して採決の結果、起立総員をもって本案は原案の通り可決せられました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#24
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
#26
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第二、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員会理事高橋禎一君。
    〔高橋禎一君登壇]
#27
○高橋禎一君 ただいま議題となりました科学技術庁設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案の要旨は、科学技術振興に関する政府の施策の遂行を一そう周到なものたらしめるとともに、ますます複雑膨大化する原子力行政に対処するため、科学技術庁の機構について一部改正を行うものであります。
 すなわち、第一に、企画調整局及び調査普及局をそれぞれ計画局及び振興局に改め、これら二局の所掌事務について所要の整備を行うこと、第二に、原子力局に置く次長は、一名増員してこれを二名とすることであります。
 本案は、一月二十六日本委員会に付託され、二月三日政府より提案理由の説明を聞き、慎重審議いたしたのでありますが、その内容につきましては会議録によって御承知を願います。
 二月二十七日質疑を終了、討論の通告もなく、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#28
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
#30
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第三、地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます血地方行政委員長鈴木善幸君。
    〔鈴木善幸君登壇〕
#31
○鈴木善幸君 ただいま議題となりました地方自給法の一部を改正する法律案につき、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、市町村の退職年金条例の適用を受ける市町村立の全日制高等学校の教員等について、市町村の教育職員としての在職期間を、その市町村の教育職員に適用される退職年金条例の規定が恩給法に準ずるような基準に従って定められている場合においては、義務教育職員の場合と同様、国の恩給並びに都道府県及び他の市町村の退職年金等の基礎となるべき在職期間と相互に通算する措置を講じなければならないことを規定して、現行法上、この措置が地方公共団体の自主的な判断にゆだねられているのを、強制措置に改めようとするものであります。
 本法案は、参議院より送付されて、二月二十五日本委員会に本付託されましたので、同二十六日青木国務大臣より提案理由の説明を聴取し、審議を行なったのでありますが、本案の内容は第二十八回国会における本委員会の決議の趣旨に沿うものであり、二十七日には質疑を終了、討論を省略して採決の結果、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決しました。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
#32
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
#34
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第四、簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。逓信委員長淺香忠雄君。
    〔淺香忠雄君登壇]
#35
○淺香忠雄君 ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案に関し、逓信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本内閣提出案は、簡易生命保険の一種類として、夫婦及び子、すなわち家族全員を一団として被保険者とする新種保険を設けて、家庭経済の安定に資しようとするものでありまして、夫婦のいずれか一方がこの保険契約を締結すると、契約者はもとより、その配偶者及び未成年の子も被保険者となり、保険契約者については、保険期間の満了または死亡の場合に保険金を支払う養老保険、配偶者及び子については、一定の年令に達する前に死亡したときに保険金を支払う定期保険とし、保険金額は、保険契約者に対するものを基本として、配偶者はその四割、子はその二割とするものであります。保険料額は、保険契約者の年令によってきまり、子は何人あっても同じでありまして、保険契約者が単独で加入する場合に比べて約一割五分程度の増加にとどまっております。なお、保険契約者が死亡した後は、将来の保険料の払い込みが免除され、配偶者及び子に対する保険はそのまま継続するものであります。
 逓信委員会におきましては、一月三十一日本案の付託を受け、慎重審議を重ねて二月二十七日質疑を終了し、討論を省略して採決の結果、全会一致をもって本案を可決、さらに、日本社会党森本理事より、自由民主党、日本社会党の共同提案として本案に次の附帯決議を付する動議が提出され、これまた全会一致をもって可決された次第であります。
    附帯決議
 一、最近における経済情勢の推移並びに家族保険の創設にかんがみると、簡易生命保険の現行保険金最高制限額をもってしては、簡保事業の使命を果すにじゅうぶんでないと認められる。
   よって政府は、なるべく近い時期に、右最高制限額を引き上げるよう措置すべきである。
 二、簡易保険の経営の趣旨にかんがみ、政府は、保険料率の引下げ、福祉施設の拡充強化等契約者サービスの向上を図るよう努力すべきである。
 三、家族保険創設の趣旨にかんがみ、政府は、加入対象から除かれている父子世帯及び母子世帯の経済生活の安定を図るため、母子保険等の実施について研究を進めるべきである。
 右決議する。
 これをもって御報告を終ります。(拍手)
#36
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
#38
○議長(加藤鐐五郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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