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1958/03/25 第31回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第031回国会 本会議 第29号
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1958/03/25 第31回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第031回国会 本会議 第29号

#1
第031回国会 本会議 第29号
昭和三十四年三月二十五日(水曜日)
 ―――――――――――――
 議事日程 第二十七号
  昭和三十四年三月二十五日
    午後三時開議
 第一 消防組織法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 消防法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第三 外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 関税及び貿易に関する一般協定の新第三表(ブラジルの譲許表)の作成のための交渉に関する議定書の締結について承認を求めるの件
 第五 日本国とカンボディアとの間の経済及び技術協力協定の締結について承認を求めるの件
 第六 日本国とユーゴースラヴィア連邦人民共和国との間の通商航海条約の締結について承認を求めるの件
 第七 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第八 小売商業特別措置法案(内閣提出)
 第九 漁船法の一部を改正する法律案(農林水産委員長提出)
 第十 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十一 酪農振興法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十二 公営住宅法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十三 塩業整備臨時措置法案(内閣提出)
 第十四 国会職員法等の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)
○本日の会議に付した案件
 日程第一 消防組織法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 消防法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第三 外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 関税及び貿易に関する一般協定の新第三表(ブラジルの譲許表)の作成のための交渉に関する議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第五 日本国とカンボディアとの間の経済及び技術協力協定の締結について承認を求めるの件
 日程第六 日本国とユーゴースラヴィア連邦人民共和国との間の通商航海条約の締結について承認を求めるの件
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
 日程第七 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第八 小売商業特別措置法案(内閣提出)
 日程第九 漁船法の一部を改正する法律案(農林水産委員長提出)
 日程第十 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十一 酪農振興法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十二 公営住宅法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十三 塩業整備臨時措置法案(内閣提出)
 日程第十四 国会職員法等の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)
    午後三時七分開議
#2
○議長(加藤鐐五郎君) これより会議を開きます。
    ―――――――――――――
 日程第一 消防組織法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 消防法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
#3
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第一、消防組織法の一部を改正する法律案、日程第二、消防法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事渡海元三郎君。
    〔渡海元三郎君登壇〕
#4
○渡海元三郎君 ただいま議題となりました消防組織法の一部を改正する法律案及び消防法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審議の経過及び結果の概要を御報告申し上げます。
 両法案は、ともに、消防制度改正に関する消防審議会の答申並びに従来消防制度及び消防行政に関して問題となっていた事項について政府が検討を加えてきた結果に基き、消防制度と消防事務の改善強化をはからんとするものであります。
 まず、消防組織法の一部を改正する法律案の内容について申し上げます。
 本案は、現存の消防講習所を改めて消防大学校とし、新たに消防審議会を設ける等、国家消防本部の組織及び機能の整備をはかるとともに、消防に関する国、都道府県、市町村相互間の協力援助等の関係を明らかにすることにより、市町村の消防運営を円滑に行わしめようとするものであります。
 次に、消防法の一部を改正する法律案の内容について申し上げます。
 本案は、危険物の貯蔵及び取扱いに伴う火災防止の徹底を期するため、危険物の貯蔵所等の設置、維持及び危険物の取扱いに関し一定の基準を定めてその規制を行い、あわせて危険物取扱主任者及び映写技術者の資格に関する規定の整備をはかろうとするものであります。
 消防組織法の一部を改正する法律案は、二月四日本委員会に付託せられ、翌五日青木国務大臣より提案理由の説明を聴取して審議に入りましたところ、三月四日消防法の一部を改正する法律案が参議院より送付せられ、同日本付託となりましたので、翌五日青木国務大臣より提案理由の説明を聴取して、前法案と一括して議題に供し、慎重に審議を行なつたのでありますが、これら審議の詳細については会議録に譲ります。
 十九日、両法案に対する質疑を終了しましたところ、自由民主党及び日本社会党の両党共同提案になる消防組織法の一部を改正する法律案に対する修正案が提出せられ、委員阪上安太郎君よりその趣旨の説明がありました。
 修正案の要旨は、改正原案は市町村消防に対する国及び都道府県の干渉を認め、自治消防の根本原則を侵すおそれがあることにかんがみ、これと関係のある条項を削除して現行法通りとするものであります。
 かくて、討論を省略して採決を行いましたところ、消防組織法の一部を改正する法律案については修正案及び修正部分を除く政府原案ともに全会一致をもって可決、よって本案は修正議決すべきものと決し、消防法の一部を改正する法律案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決しました。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
#5
○議長(加藤鐐五郎君) 両案を一括して採決いたします。日程第一の委員長の報告は修正、第二の委員長の報告は可決であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
 日程第三 外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 関税及び貿易に関する一般協定の新第三表(ブラジルの譲許表)の作成のための交渉に関する議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第五 日本国とカンボディアとの間の経済及び技術協力協定の締結について承認を求めるの件
 日程第六 日本国とユーゴースラヴィア連邦人民共和国との間の通商航海条約の締結について承認を求めるの件
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
#7
○荒舩清十郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、日程第三ないし第六とともに、参議院送付、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の締結について承認を求めるの件を追加して、五件を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#8
○議長(加藤鐐五郎君) 荒舩君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 日程第三、外務省設置法の一部を改正する法律案、日程第四、関税及び貿易に関する一般協定の新第三表(ブラジルの譲許表)の作成のための交渉に関する議定書の締結について承認を求めるの件、日程第五、日本国とカンボディアとの間の経済及び技術協力協定の締結について承認を求めるの件、日程第六、日本国とユーゴースラヴィア連邦人民共和国との間の通商航海条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の締結について承認を求めるの件、右五件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員長櫻内義雄君。
    〔櫻内義雄君登壇〕
#10
○櫻内義雄君 ただいま議題となりました五件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を簡単に御報告申し上げます。
 ます、外務省設置法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 アジア、中近東、中南米等の諸国の経済的、社会的発展を助けるため、これらの諸国に対し経済上の協力を行うことは、わが国の経済外交の一環として、とみに重要性を増加しつつあることは、御承知の通りであります。これまで外務省におけるこの関係の事務は、アジア局、アメリカ局、欧亜局及び経済局で分れ分れに取り扱われて参つたのでありますが、その分量の急激な増加に応じまして組織を整備し、経済協力に関する事務を総合的かつ能率的に遂行し得るため、この際、経済的に経済協力部を設置したいというのであります。
 次に、関税及び貿易に関する一般協定、すなわちガットの新第三表(ブラジルの譲許表)の作成のための交渉に関する議定書について申し上げます。
 この議定書は、ブラジルの新関税法制定に伴い、これに見合う新しい同国のガット関税譲許表を作成する必要が生じ、そのための関税交渉会議が、わが国を含む二十五カ国参加のもとに昨年ジュネーヴにおいて開催され、その結果、十二月三十一日にこの議定書が作成されました。
 従来、ブラジルはガット第三十五条の規定をわが国に対して援用しておりましたので、わが国は同国とガット関係になく、従って、関税交渉を行なっておりませんでしたが、ブラジルは一昨年八月二十二日にこれが援用を撤回しましたので、同国と関税交渉を行うことができるようになり、その結果、ブラジルから十四税目の関税譲許を獲得するとともに、同国に対して二税目の譲許を与えております。これが実施に移されますならば、関税引き下げの面からする貿易量の増大は著しいものがあると思われます。この議定書に掲げられたわが国の関税譲許は、わが国がこれを適用する旨の通告をガット書記局長に対して行うことにより効力を生ずることになっており、ブラジルも近く同様の手続をとることが予想される次第であります。
 第三に、カンボディアとの経済及び技術協力協定について申し上げます。
 カンボディア王国政府は、昭和二十九年、わが国に対する賠償請求権の放棄を通告して参りました。政府は、この好意に報いるため、同年十二月、同国政府に対し、同国の経済開発の援助を目的とする技術援助を与え、かつ、経済その他の分野で協力実現のための措置をとる用意があることを通報いたしました。その後、昭和三十二年六月、同国政府は、農業、牧畜の開発についてわが国の援助を受けたい旨の希望を明らかにして参りましたので、カンボディア政府と交渉を重ね、このほど意見の一致を見るに至り、三月二日、プノンペンにおいてこの協定の署名調印を了した次第であります。
 第四に、日本とユーゴースラヴィアとの間の通商航海条約につき申し上げます。
 わが国とユーゴースラヴィァとの間には、現在、大正十二年に署名された日本国とセルブ・クロアート・スロヴェーヌ国間の通商航海条約が復活適用されていますが、この条約は戦後の実情に即しない点もありまして、将来新しい通商航海条約を結ぶ必要が認められていた次第であります。よって、昭和二十八年に新条約締結の交渉が始められましたが、本年に入り、ようやく妥結を見ましたので、二月二十八日にベルグラードでこの条約が同国の間に署名を見るに至りました。
 この条約は、現行の両国間の通商航海条約を参照し、かつ戦後わが国が締結した日米、日諾通商航海条約、日印、日ソ、日波通商協定等と類似した内容のものであります。
 この条約によりまして、わが国とユーゴースラヴィアとの間の通商航海関係は現状に即した新たな法的基礎の上に置かれることとなり、両国間の友好関係及び経済関係を一段と発展させるものと考える次第であります。
 第五に、デンマークとの租税条約につき申し上げます。
 わが国は、デンマーク王国との間に、所得に対する租税に関しまして、二重課税を回避し及び脱税を防止するための条約を締結するために、昨年十月、デンマーク側代表団の来日を得て、東京において交渉を行い、十月十五日に仮調印を了し、これに基いて、本年三月十日、コペンハーゲンにおいてこの条約が署名されました。
 この条約の内容は、さきに結ばれましたスエーデン及びノルウエーとの間の租税条約とほとんど同様でありまして、これにより両国間の経済及び文化関係が一段と緊密となることが期待される次第であります。
 これらの第一の法律案及び第二、第三、第四の三案件はそれぞれ一月二十八日及び三月九日に委員会付託となり、第五のデンマークとの租税条約は三月十六日予備審査のため委員会付託となり、三月二十五日参議院承認の後、さらに本委員会付託となりました。よって、会議を開き、政府の提案理由の説明を聞き、質疑を行い、法律案につきましては内閣委員会との連合審査会を開き慎重審議を遂げましたが、詳細は会議録により御了承を願います。
 かくて、討論を省略し採決の結果、三月十九日、いずれも全会一致をもつて、法律案は原案の通り可決、また、第二、第三、第四の三案件はいずれも承認、また、第五の租税条約は、三月二十五日、全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。
#11
○議長(加藤鐐五郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第三につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に、日程第四ないし第六及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の締結について承認を求めるの件の四件を一括して採決いたします。四件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、四件は委員長報告の通り承認するに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第七 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第八 小売商業特別措置法案(内閣提出)
#14
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第七、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、日程第八、小売商業特別措置法案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。商工委員会理事中村幸八君。
    〔中村幸八君登壇〕
#15
○中村幸八君 ただいま議題となりました石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案及び小売商業特別措置法案について、商工委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 現行法は石炭鉱業の合理化をはかる目的をもって昭和三十年に制定されたのでありまして、本法律に基いて石炭鉱業整備事業団が設立され、自来、今日まで非能率炭鉱の買い上げを行い、着々とその成果を上げてきたのであります。しかしながら、石炭業界は、昨年秋以来、きわめて深刻な不況に見舞われておりまして、これに対処するためには、従来の三百三十万トンの買い上げワクをさらに百万トン増加する必要が生じて参つたのであります。
 以上の理由によって本案が提出されたのでありますが、その内容は、石炭鉱業整備事業団の買い上げ業務に必要な費用に充てている鉱業権者及び租鉱権者の納付金の納付期間を、現行の五年よりさらに一年延長して六年とするものであります。
 本案は、三月三日政府委員より提案理由の説明を聴取し、以来、慎重な審議を重ねたのでありますが、その詳細は委員会議録を御参照願います。
 三月二十日に至り質疑を終了しましたので、引き続き採決に付しましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、採決後、渡邊本治君より、自由民主党、日本社会党両党共同提案になる附帯決議案が提出されました。
 次に、その案文を朗読いたします。
 政府は、本法の施行にあたり、特に次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一、石炭需給の安定を図るため、需給調整機構を確立する等、速やかに抜本的方策を樹立すること。
 二、離職労務者の就業対策について、総合的、計画的な施策を樹て、万遺憾なきを期すること。
   なお、この一環として中央並びに地方に石炭鉱業離職者対策協議会を設置すること。
 三、離職労務者対策事業の実施にあたつては、地方自治体の財政負担を極力軽減せしめるよう措置するとともに、離職者の吸収に、最も適切、有効な鉱害復旧事業の拡大について特段の考慮を払うこと。
 四、離職労務者の退職金(労働協約就業規則等において定めあるもの)については、未払賃金に準じ石炭鉱業整備事業団の炭鉱買収代金より弁済が受けられるよう措置すること。
以上であります。
 採決に付しましたところ、全会一致をもって提案通りの附帯決議を付することに決しました。
 次に、小売商業特別措置法案について申し上げます。
 小売商業が国民経済上きわめて重要な分野を占めていることは、あらためて申し上げるまでもありませんが、わが国の人口増加とともに、小売商の数は年々増加の一途をたどり、小売商相互間の競争はいよいよ激甚となっております上に、小売商以外の者の進出によっても著しい圧迫を受け、中小小売商は深刻な経営不振と不安定に悩んでいる実情であります。かかる現状にかんがみ、小売商業の秩序の正常化をはかる目的をもって、さきに、去る第二十六回国会に小売商業特別措置法案が提案されたのでありますが、審議未了に終りましたので、本国会においては、これに再検討を加えた上、提出されたものであります。
 本案の内容を簡単に申し上げますと、第一に、都道府県知事は、購買会の事業が中小小売商の利益を著しく害すると認めるときは、その員外利用を禁止し、さらに必要があれば、禁止を確保するための命令を出し得ることとする点であります。
 第二は、消費生活協同組合からの員外利用の許可申請があった場合、行政庁は、員外利用によって中小小売商の利益が著しく害されるおそれがあると認めるときは許可を与えてはならないこととし、さらに、員外利用を未然に防止するため必要な命令を発することができることとする点であります。
 第三は、五大市において特に乱立が目立っている小売市場につきまして、市場業者の貸付契約は都道府県知事の許可を要することとし、小売市場の乱立を防止するとともに、市場内の不公正取引につき知事及び公正取引委員会が必要な措置をとることができることとする点であります。
 第四は、生産業者または卸売業者等の小売行為によって中小小売商との間に紛争が生じました場合、都道府県知事があっせんまたは調停を行うこととし、さらに必要があれば、知事及び主務大臣が当事者に対し勧告ができることとする点であります。
 本案は、昨年十二月十日当委員会に付託され、十六日政府委員より提案理由の説明を聴取し、十九日、別途日本社会党より提案された商業調整法案と並行して質疑に入りました。
 以来、熱心な質疑を続けるとともに、本年二月五日には関係業界等の参考人より意見を聴く等、慎重な審議を行い、さらに審査の万全を期するため、二十六日に小売商業特別措置法案外一件審査小委員会を設け、鋭意両案の審査に当らしめたのであります。小委員会は、九回にわたって会議を開き検討を重ねた結果、三月二十日に至り結論を得て、昨二十四日の本委員会において小平小委員長よりその報告がなされ、同時に、本案に対する修正案が提出されたのであります。
 その大要は、第一に、法律の題名を小売商業調整特別措置法に改めること。第二に、消費生活協同組合に対する員外利用の許可及び措置命令については、これを消費生活協同組合法において規定することとし、なお、内容に若干の修正を加えること。第三に、小売市場については、貸付のみならず、譲渡についても許可を要することにするとともに、過当競争のおそれがない場合に限り許可するという趣旨を明らかにし、なお、許可申請は、小売市場の所在する市の市長を経由せしめるとともに、許可に当つて知事は市長に協議しなければならないこととすること。第四に、指定地域内で、製造業者または卸売業者が指定商品の小売業を兼営するときは、都道府県知事に届け出なければならないという規定を設けること。第五は、都道府県知事のあっせん、調停等は、物品の流通秩序の適正を期するという観点に立って行うこととすること等であります。
 かくして同日、引続き採決を行いましたところ、全会一致をもって本案は修正案の通り修正すべきものと決した次第であります。
 なお、日本社会党提案にかかる商業調整法案につきましては、提案者より撤回の申し入れがあり、本委員会においてこれを許可いたしました。
 なお、採決後、日本社会党田中武夫委員より、商業関係の審議機関の設置について将来考慮されたい旨の要望がありましたことを申し添えます。本案に関する審査の詳細につきましては、委員会及び小委員会の会議録を御参照願うこととし、以上をもって御報告を終ります。(拍手)
#16
○議長(加藤鐐五郎君) 両案を一括して採決いたします。日程第七の委員長の報告は可決、第八の委員長の報告は修正であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって両案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
 日程第九 漁船法の一部を改正する法律案(農林水産委員長提出)
 日程第十 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十一 酪農振興法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#18
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第九は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。
 日程第九、漁船法の一部を改正する法律案、日程第十、繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、日程第十一、酪農振興法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の趣旨弁明及び報告を求めます。農林水産委員会理事吉川久衛君。
    〔吉川久衛君登壇〕
#20
○吉川久衛君 ただいま議題となりました漁船法の一部を改正する法律案外二件について、提案理由及び審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 まず、農林水産委員長提出、漁船法の一部を改正する法律案について、提案理由を御説明申し上げます。
 漁船法の規定により、漁船はすべて登録義務を負つているのでありますが、そもそも、この漁船登録制度は、連合軍司令部の指令に基いて制定された漁船登録規則の内容をほとんどそのまま継承したものであつて、当時の事情から、すべての漁船につき厳重な登録制がとられ、登録を受けなければ漁船として使用できないこととなっているのであります。現在登録を受けている漁船は約四十万隻あり、これら漁船の中には、科学的な装備を有する数千トンの大型漁船がある反面、ろ、かいのみをもって運航する無動力漁船が約二十五万隻もあり、このうち、一トンにも満たないきわめて小型のものが約十九万隻も含まれている現状であります。これらの小型漁船を使用する漁業者は、すべて沿岸の零細漁業者でありますので、法の命ずるところにより登録または三年ごとの検認を強制しますことは、それらの者の漁業に支障を与えますのみならず、今後なお登録制を存続せしめておく実益もほとんどないと存ずる次第であります。従いまして、この際、漁船法を改正して、無動力漁船のうち総トン数一トン未満の漁船に限つては登録義務を課さないことといたしたいのであります。
 以上が提案理由及びその内容であります。
 委員会におきましては、三月二十日、この案を委員会の成案とすることに全会一致の賛成をもって決定いたした次第であります。何とぞ、御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
 次に、内閣提出、繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 繭糸価格安定に関する臨時措置法は、昨年六月、特別国会において制定され、これに基いて、政府は、二月中旬までに生糸約四万五千俵及び春繭約四千五百トンの買い入れ、たな上げを行い、価格安定に努めるとともに、過般来、繭糸の最低支持価格の引き下げ、桑園の減反等、各般の事項にわたり、蚕糸対策上相当思い切つた改革を施したことは、御承知の通りでありますが、この際、その一環として、三十四生糸年度の繭糸対策として、現行臨時措置法の一年延長と、三十四生糸年度中に生糸保管会社の買い入れた生糸または乾繭について、五十億円を限度とする国庫債務負担行為を行うこととし、本案が提出されたのであります。
 本案は、去る一月三十一日に政府から提出され、二月四日提案理由の説明を聞き、三月二十日審査を行い、続いて採決に付しましたところ、全会一致をもって可決されました。
 次に、内閣提出、酪農振興法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 酪農振興法は、戦後の営農と国民食生活の改善の要請にこたえ、酪農を急速に発達させる目的をもって昭和二十九年に制定せられ、自来、今日まで、本法に基き、二十六道県において七十五の集約酪農地域が指定され、乳牛飼養頭数は著しく増加し、この間、牛乳及び乳製品の消費もおおむね生産と並行して伸びて参りましたが、昭和三十二年ごろより、国民経済の不況等も影響して相対的に生産過剰の様相が現われ、昨夏は生産者乳価の大幅な値下げが行われようとして、酪農経営に少からず不安動揺を与えたのであります。かかる事態は、結局、個々の酪農経営がいまだ弱体であり、かつ、生乳等の取引にも不完全な点があること等によるものであつて、酪農の今後の発展を所期するためには、従来のやや一本調子な奨励策を改め、生産、流通、消費の各段階にわたって改善、合理化の施策を講じ、もって酪農経営の健全性を確立する必要があるとして、この改正案が提出されたのであります。
 以下、その骨子のみを申し上げますと、第一は、集約酪農地域の内外を問わず、酪農に適する市町村ごとの酪農経営改善計画を作成させ、これに対し都道府県は助言、勧告等の援助を行い、国は必要な経費の補助、融資のあっせん等を行うこと。
 第二は、集約酪農地域の周辺地域のうち、一定の地域を農林大臣が指定し、その指定地域内の酪農事業施設の新増設について知事に届出させること。
 第三は、生乳等の取引、契約内容中の重要事項である売買価格、数量等については、契約期間開始前の一定期日までに、少くも最初の三十日間に関する約定を行わせること。
 第四は、農協等が団体協約の締結の交渉を申し込んだ場合、農林大臣または都道府県知事は、相手方たる乳業者に対して交渉応諾の勧告を行うこと。
 第五は、生乳等の取引に関し紛争を生じた場合、都道府県知事または農林大臣のあっせんまたは調停の制度を拡充したこと。
 第六は、牛乳、乳製品の学校給食制度を法定したこと。
 第七は、乳製品の緊急保管制度を設けたこと。
 第八は、農林大臣または都道府県知事の報告聴取及び立ち入り検査の権限を強化したこと。
 以上であります。
 本案は、去る二月二十六日付託され、同月二十八日提案理由の説明を聴取し、三月十七、十八、十九日の三日間にわたり熱心な審議が行われたのでありますが、詳細はこれを省略いたします。
 かくて、二十日採決に付しましたが、本案に対し、自由民主、日本社会両党共同提案により、紛争のあっせん、または調停を知事もしくは農林大臣が行う場合の認定条件を緩和して簡易にこれをなし得るよう修正することとし、社会党中澤委員より同修正案が提出され、本修正案は全会一致をもって可決され、次いで修正部分を除く原案を採決いたしましたところ、これまた全会一致をもって可決されました。よって、本法律案はこれを修正可決すべきものと決したのであります。
 なお、本案に対し、自由民主、社会両党共同提案により、政府は本案の運用の全きを期するため、乳製品の緊急保管を行うに当つては、生産者乳価の安定をはかることを本旨として措置するとともに、さらに進んでは、別途に牛乳、乳製品の価格安定機構の確立を検討すること、ほか三項目の附帯決議を、委員会の総意をもって付することといたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#21
○議長(加藤鐐五郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第九につき採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
 次に、日程第十及び第十一の両案を一括して採決いたします。日程第十の委員長の報告は可決、第十一の委員長の報告は修正であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
 日程第十二 公営住宅法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#24
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第十二、公営住宅法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員会理事二階堂進君。
    〔二階堂進君登壇〕
#25
○二階堂進君 公営住宅法の一部を改正する法律案に関する建設委員会における審査の結果について御報告申し上げます。
 公営住宅法は去る昭和二十六年に制定され、すでに七カ年余を経過したのでありますが、この間における社会情勢の変化に伴い、その管理について、公営住宅本来の目的から見て不合理な点も生じておりますので、今回それらの点について改正を行い、管理をより適正ならしめようとするのが、本案の目的であります。
 その内容といたしましては、第一に、公営住宅が元来低額所得者のための低家賃の住宅である点にかんがみ、居住者が入居後、収入の増加によって一定基準以上の高額所得者となつた場合には、その住宅を明け渡すよう努めるべきことを定め、なお引き続き居住する場合には割増し賃料を徴収することができることとしたことであります。
 第二には、公営住宅相互間における建設年次の差による家賃の不均衡を是正し、適切な維持、修繕をはかるため、建設大臣が住宅対策審議会の意見を聞いて地域別に建築物価の変動に伴う修正率を定め、これによって家賃の調整をはかろうとしたことであります。
 このほか、事業主体の修繕義務の範囲の明定、敷金の運用による収益を入居者の便益のため還元すべきことを定めること等が、今回の改正の要旨であります。
 本法案は、去る二月四日当委員会に付託され、以来、参考人の意見の聴取を行うなど、前後六回にわたり慎重審議を行なって参りましたが、その詳細につきましては速記録を御参照願いたいと存じます。
 かくて、討論に入り、日本社会党を代表して武藤武雄君より本法案に反対の討論が行われ、採決の結果、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。
#26
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#27
○議長(加藤鐐五郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
    ――――◇―――――
 日程第十三 塩業整備臨時措置法案(内閣提出)
#28
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第十三、塩業整備臨時措置法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事押谷富三君。
    〔押谷富三君登壇〕
#29
○押谷富三君 ただいま議題となりました塩業整備臨時措置法案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法案は、まず第一に、塩またはかん水の製造者に、自主的にまたは勧告により一定期間内に製造廃止の許可を申請させ、この許可を受けて製造を廃止した製造者に対して公社が塩業整理交付金を交付することといたしております。
 第二に、右の自発的または勧告による製造廃止のみでは過剰生産力の整理ができないと認めるときは、公社は一定期間内に限り塩の製造の許可を取り消すことができることとし、その取り消しを受けた製造者に対しては、通常生ずべき損失の補償を行うことといたしております。
 第三に、残存する塩の製造者は、昭和三十五年度以降四年度にわたり、一定額の納付金を日本専売公社に納付しなければならないことといたしております。
 第四に、廃業者が取得する交付金または製造の取り消しを受けた者が取得する補償金等については税制上の特別の措置を講ずることといたしております。
 第五に、昭和三十六年一月一日以降引き続き塩の製造を継続しようとする製造者は、別途定める基準収納価格のもとにおいて健全な経営ができることを目標として事業合理化計画書を作成し、これを公社に提出しなければならないことといたしております。
 第六に、公社総裁の諮問機関として、臨時塩業整備審議会の設置について規定いたしております。
 本法案は、去る二月二十五日本委員会に付託されて以来、専売事業に関する小委員会において慎重審議を続けて参りましたが、昨二十四日、小委員長より小委員会における審議の経過を報告した後、質疑を終了いたしました。
 次いで、討論に入り、廣瀬委員は、日本社会党を代表して、本案に反対する旨を述べられました。
 次いで、採決に入りましたところ、本案は起立多数をもって原案の通り可決いたしました。
 さらに、自由民主党の西村英一委員より、本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されました。附帯決議案の内容は次の通りであります。
  わが国の塩業が整備を受けざるを得ない事態に立到つたことに付ては従来政府並に日本専売公社の施策に欠くる所多きものがあったと認める。
  依つて政府並に日本専売公社は今回の整備に当り既存企業の保全に努力し止むを得ず整理せられる廃業者に対しては細心の注意を払い万遺憾なきを期すると共に、残存業者に対しても金融その他の面に於て一層の協力と援助を行わなければならない。
  なお、塩専売事業の健全なる運営のためには今回の塩業整備のみを以ては十分とせず、事業全般に亘り再検討を加えこれが徹底的合理化を図る必要がある。
 次いで、以上の附帯決議案について採決をいたしましたところ、全会一致をもって附帯決議を付することに決しました。
 なお、質疑応答の詳細につきましては速記録に譲ることといたします。以上、御報告申し上げます。(拍手)
#30
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#31
○議長(加藤鐐五郎君) 起立多数。よって本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 日程第十四 国会職員法等の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)
#32
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第十四は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。
 日程第十四、国会職員法等の一部を改正する法律案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。議院運営委員会理事三和精一君。
    〔三和精一君登壇〕
#34
○三和精一君 ただいま議題となりました国会職員法等の一部を改正する法律案について、提案の趣旨を御説明いたします。
 従来の国会職員には、参事、主事、調査員、調査主事等、昔の官吏制度の事務官、属官に相当するような区別がありますが、この区別を廃止して参事、調査員に改め、これに伴い、従来の区別に対応する資格規定を廃止して、職員の任用基準は本属長が定めることといたしますほか、国家公務員法と同様、条件付採用に関する規定を設け、また、将来の事務の複雑化に対処して、事務局の必要な部に副部長を置き得ることとする等、所要の改正をなし、これに伴い関係法律の条文等整理を行うものであります。
 本案は、議院運営委員会において起草提出したものであります。何とぞ御賛同あらんことをお願いいたします。(拍手)
#35
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます、よって、本案は可決いたしました。
    ―――――――――――――
#37
○議長(加藤鐐五郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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