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1958/03/27 第31回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第031回国会 本会議 第31号
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1958/03/27 第31回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第031回国会 本会議 第31号

#1
第031回国会 本会議 第31号
昭和三十四年三月二十七日(金曜日)
    ―――――――――――――
昭和三十四年三月二十七日
    午後三時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 輸出品デザイン法案(内閣提出、参議院回付)
 防衛庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 揮発油税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 地方道路税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 物品税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 入場税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後八時四十分開議
#2
○議長(加藤鐐五郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 輸出品デザイン法案(内閣提出、参議院回付)
#3
○議長(加藤鐐五郎君) お諮りいたします。参議院から輸出品デザイン法案が回付されました。この際、右回付案を議題とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
#4
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。
 輸出品デザイン法案の参議院回付案を議題といたします。
    …………………………………
#5
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、参議院の修正に同意するに決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
#7
○松澤雄藏君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、防衛庁設置法の一部を改正する法律案、自衛隊法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#8
○議長(加藤鐐五郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。
 防衛庁設置法の一部を改正する法律案、自衛隊法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長内海安吉君。
    …………………………………
    …………………………………
    〔内海安吉君登壇〕
#10
○内海安吉君 ただいま議題となりました両法案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、防衛庁設置法の一部を改正する法律案の要点を申し上げますと、政府は現下の情勢に対応し、国力に応じて防衛力を整備するため、海上自衛官二千二百二十六人、航空自衛官六千六百人、自衛官以外の職員三千二百四十九人等、計一万二千八十二人を増員し、現在の定員二十四万二千七百十七人を二十五万四千七百九十九人に改めることであります。
 しかして、自衛官の増員分は海上自衛隊におきましては、艦艇の増加並びに航空部門の増強及び後方関係の充実等のために充てるものでありまして、航空自衛隊におきましては、第五航空団の新設並びに航空管制、教育、補給等の拡充のために充てるものであります。
 次に、自衛隊法の一部を改正する法律案の要点を申し上げますと、第一に、陸上自衛隊における指揮隷属関係を整理し、隊務遂行の効率化をはかるため、既存の北部、西部の二方面隊のほかに、新たに東北、東部、中部の三方面隊を増設し、それらの方面総監部をそれぞれ仙台市、東京都、伊丹市に置き、管区隊及び混成団はすべていずれかの方面隊に隷属するものといたしております。また、従来管区総監または混成団長に認められていた補給処、病院等の機関に対する指揮監督権はすべて方面総監に移すことといたしております。
 第二に、航空自衛隊における操縦教育の一体的運営をはかり、その能率を増進するため、新たに長官直轄部隊として飛行教育集団を設置し、司令部を宇都宮市に置き、その指揮下に航空団及び飛行教育団を隷属させることにいたしております。
 第三に、航空防衛力の増強をはかるため、中部方面隊の隷属部隊として第五航空団を新設し、その司令部を松島に置くことといたしております。
 両案は、一月三十一日本委員会に付託され、二月三日政府より提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、岸首相、藤山外相及び伊能防衛庁長官その他関係政府委員に対し、各委員より諸般の角度から熱心に質疑がなされたのでありますが、その詳細は何とぞ会議録によって御承知を願います。
 本日質疑を終了し、両案を一括して討論に入りましたところ、日本社会党を代表して石山委員より反対の意見が述べられ、自由民主党を代表して平井委員より賛成の意見が述べられ、次いで採決いたしましたところ、いずれも多数をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(加藤鐐五郎君) 討論の通告があります。これを許します。石山權作君。
    〔石山權作君登壇〕
#12
○石山權作君 私は、日本社会党を代表しまして、ただいま上程されました防衛庁設置法の一部を改正する法律案、自衛隊法の一部を改正する法律案の防衛二法案について、いずれも反対の討論をいたそうとするものであります。(拍手)
 防衛庁設置法の一部改正法案は、自衛隊の定員を一万二千名増加しようとするものであり、自衛隊法の一部改正法案は、東北、東部、中部の三方面隊を新設し、また、航空自衛隊に第五航空団及び飛行教育集団を新設せんとするのが、そのおもなる内容であります。
 私は、次の理由から、両法案に断固として反対するものであります。
 その第一は、そもそも、自衛隊なるものは、設立の当初から明らかに憲法違反であり、しかも、年々歳々、質量ともにその拡大強化をはかり、今また、かかる法案を提出するがごときは、常日ごろ法の秩序を強調する政府、自民党が、みずから国の基本法さえも全く無視、じゅうりんするものであって、断じて許されないという点であります。(拍手)第二は、F86Fジェット戦闘機返還問題、グラマン機問題、防衛三カ年計画のむざんなる崩壊など、政府、防衛庁のやることなすことは、すべて、ずさん、不手ぎわをきわめ、かつ、深刻なる疑惑に包まれており、政府は、自衛隊増強をもくろむ前に、まず、みずからを正せ、という点を私は強調したいのでございます。(拍手)第三は今日なお国民大衆の生活は苦しく、幾百万の人々は職さえも得られないというのが現在の状況でございます。本格的社会保障制度の確立こそ目下の急務であって、軍備増強のごときは断じて許されないというのが、私の強調したい点でございます。
 私は、右三点について、以下、若干申し述べたいと存じます。
 まず、第一の点でありますが、伊能防衛庁長官は、先ごろの内閣委員会において、オネスト・ジョンに核弾頭をつけても法理上は憲法違反ではないと言明いたしました。しかしながら、二年前、当時の小滝防衛庁長官は岸総理、法制局長官と三者打ち合せの上の統一見解として、「現在核兵器といわれているものは原水爆が代表的なものであるが、その他のものも、伝えられるところによれば、多分に攻撃的性質を持つもののようである。この種の核兵器をわが国が持つことは、憲法の容認するところではないこと述べているのであって、わが党の石橋委員より激しくその点を追及されるや、全く立ち往生、いかんともなしがたく、あらためて答弁を翌日に持ち越すという醜態を演じたのであります。(拍手)翌日は、「オネスト・ジョンは攻撃的でなく、防衛的兵器であるから、核弾頭をつけても憲法違反ではない。しかし、現実には核弾頭をつけることはしない」と述べたのでありますが、みずからの違憲思想を現実政策問題にすりかえた、あまりにも見えすいたごまかしであります。これでは現実問題としても、自衛隊はいつ核弾頭をつけるに至るかわかったものではございません。また、敵基地攻撃と自衛権の行使についても、ごまかしに窮し、自信喪失した伊能長官は、わざわざ刷りものを用意してきて、棒読みの説明をしたのでございます。そのいうところは、「自衛上やむを得ず敵基地をたたくことは憲法上可能である。しかしながら、自衛隊が出かけていくことや、また、相手基地をたたく兵器いかんによっては憲法違反である。すなわち、飛行機による爆撃や、弾道弾による攻撃などは憲法違反である。しかし、核弾頭をつけたオネスト・ジョンや誘導弾程度までを持つことは憲法上可能であるが、現実には、このような武器を装備することはしない。それは憲法の趣旨とするところではない」というのでありますが、まさしく、持って回った珍無類の憲法論でございます。(拍手)
 そもそも、兵器を分けて攻撃兵器、防御兵器と明確に区分すること自体無理なことでありますが、オネスト・ジョンといっても、核弾頭をつけたロケット弾の威力は、防衛庁の言うところでも、一発で広島原爆の四分の一、軍事専門家によれば、四分の三の爆発力を持つといわれているではありませんか。憲法第九条をよこしまに解釈して自衛隊を増強してきた政府は、自衛力の限界と戦力の限界について、いよいよ、ますます、こじつけ説明の便法論を持つことの余儀なきに立ち至ったのでありましょうが、現実生きた政治問題として、少くとも、もうこれ以上ぺてん師のやり方による軍備増強は断じてやってもらいたくないのであります。
 安保条約についても、原爆の保有を禁じられているわが国の政府が、他国と条約を結び、その他国の方は日本の基地に原爆を持ち込んでも条約上これを拘束できないというのだから、これが憲法違反でなくて何でありましょうか。先般の核非武装宣言決議案を拒否した政府、自民党の態度とあわせ考えるとき、平和憲法下にもかかわらず、政府は自衛隊の核武装さえも考え始めていると疑わざるを得ないのであります。私は重ねて申し上げたい。現憲法の存する限り、これが改正をされざる限り、政府は、少くとも、もうこれ以上の軍備増強は断じてやってはならないのであります。
 次に、第二の点でございます。さきに、防衛庁は、MSAにより無償供与を受けたF86Fジェット戦闘機百七十九機のうち四十五機を、アメリカの強い要求により、ついに返還の余儀なきに至ったのでありますが、他方において、同じF86Fを莫大な国費を投じて昭和三十一年から国内生産を始め、すでに約二百機を生産し、二十四年、五年度においても百機の生産を進め、さらに新機種の生産計画を進めているが、まことに不可解であります。戦闘機数とパイロット数との著しい不均衡から、せっかくのジェット戦闘機が無用の長物のごとく、あるいは飛行場にさらされ、あるいは巨大な鯨の燻製のごとく、二年越し倉庫の中にくすぶっているのでは、アメリカ側の返還要求は当然であります。現在すでに自衛隊の保有ジェット戦闘機数は三百三十機というのに、これを操縦し得る者わずかに五十名、防衛庁は一体何をやっているのでございましょうか。まるで無計画の見本そのものでございます。(拍手)パイロットの養成速度、飛行場の整備状況を無視して、アメリカからもらった飛行機を返してまで、政府は何ゆえに一体飛ばざるジェット機の生産にうき身をやつしているのか、理解に苦しむのでございます。F86F国内生産費三百二十三億円の国民の税金をもって、新三菱重工など大資本家の利益擁護に政府はひたすら奉仕しているといわれても、一言も抗弁の余地はないはずでございます。(拍手)
 加うるに、例のグラマン問題であります。今さら詳細には触れませんが、価格は一機三億七千万円、三百機で千百億円、半額をアメリカに持ってもらおうというのが政府の希望でございますが、とうていそれは不可能でございましょう。先般のアメリカ国会におけるアイゼンハワーの予算並びに一般教書は、対外軍事援助費の全般的削減と、武器の無償供与を有償供与べということを力説しているのでありますが、大統領特使ドレーパー委員会の来日に際しても、色よい返事は得られなかったはずであります。去る二十日のUPI電が、ドレーパー委員会の対日軍事援助六割削減の結論を報じていることは、周知のごとくであります。万一、まるまる政府の希望通りにいったといたしましても、実に五百五十億円の国庫支出であります。そもそも、昨年四月、国防会議があわただしくグラマンF11F―1Fを内定してすでに満一カ年、政府はいまだ正式に機種決定ができず、はなはだしく計画遅延の今日、半額負担どころか、アメリカが共同生産に応ずるかどうかさえ疑わしく、二割くらいのアメリカ負担にでもこぎつければ上乗というところでございましょう。そもそも、グラマンなるものが、第一、昨年四月当時いまだ存在せざる飛行機であったし、第二に、価格は各候補機中最高、第三に、陸海空軍いずれも、アメリカではこの機種を採用しておらないのであります。かりに、これをロッキードF104Aと比べれば、防衛庁の資料によっても、スピードも落ち、上昇性能も落ち、価格もグラマンの三億七千万円はロッキードの三億一千万円よりはるかに高く、ただ、航続距離のみが若干すぐれているというのでありますから、全く奇妙な話であります。しかも、この機種決定をめぐり幾多のスキャンダルが喧伝せられているという事実は、われわれの断じて承服できざるところであります。これを要するに、莫大な国費を投じて自衛隊増員法案のごときものを多数をもって強行可決しようとはかる前に、政府、自民党は、国民の前で、みずから深刻に反省すべきものがあるのではございませんか。
 第三の点について簡単に申し上げます。今、国民は政府に何を望んでいるか。もちろん、軍備増強ではございません。昨年の総選挙に際し、自民党は各種社会保障制度の確立を麗々しくうたったが、国庫収入は昨年に比べれば千億円の増収というにかかわらず、国民年金のごとき、わずかに百十億円の予算しか組んでございません。七十才以上の者、母子世帯にわずか月額千円、一級身体障害者にわずか千五百円の年金支給、拠出年金についても、四十年掛金をかけて、六十五才からわずか月額三千五百円、社会保障制度が聞いてあきれるというものでございます。
 昭和三十四年度防衛庁予算編成の重点事項として、誘導ミサイルを中心とする技術開発と、間接侵略に対する防衛体制の確立の二点を打ち出しておりますが、この事実にかんがみても、国民はますます軍備の重圧に苦しみ、おまけに、その自衛隊が、公共の安寧と治安の名のもとに、同胞相討つ国民弾圧機関になりかねない形勢とあれば、われわれは断じてこの防衛二法案に賛成できないのであります。諸賢の良識ある御判断を願いまして、反対討論を終る次第でございます。(拍手)
#13
○議長(加藤鐐五郎君) これにて討論は終局いたしました。
 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#14
○議長(加藤鐐五郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#15
○松澤雄藏君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、揮発油税法の一部を改正する法律案、地方道路税法の一部を改正する法律案、物品税法の一部を改正する法律案、入場税法の一部を改正する法律案、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案、右五案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#16
○議長(加藤鐐五郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。
 揮発油税法の一部を改正する法律案、地方道路税法の一部を改正する法律案、物品税法の一部を改正する法律案、入場税法の一部を改正する法律案、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案、右五案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長早川崇君。
    …………………………………
    …………………………………
    〔早川崇君登壇〕
#18
○早川崇君 ただいま議題となりました五法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 まず、揮発油税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案のおもな改正は、まず、税率を、一キロリットルにつき、現行の一万四千八百円から五千五百円引き上げて二万三百円とすることとしております。
 次に、製造場内に現在する揮発油が滞納処分等により換価されたときは、他の間接税と同様、製造場から移出したものとみなすこととしております。
 なお、税率引き上げに伴いまして、昭和三十四年四月一日現在に製造場及び保税地域以外の場所で合計五キロリットル以上の揮発油を所持する製造者または販売業者に対し、手持品課税を行うことといたしております。
 以上の改正により、初年度約百九十三億円の増収を見込んでおります。
 次に、地方道路税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案は、別途行われる揮発油税率の引き上げに伴い、地方道路税と揮発油税の現行の配分率を、地方道路税分二百三十八分の三十五、揮発油税分二百三十八分の二百三に改めるとともに、利子税額、加算税額等の配分割合も同様に改正することとしようとするものであります。
 以上二法律案につきましては、審議の結果、本日質疑を終了し、直ちに討論に入りましたところ、日本社会党を代表して横山委員より反対の旨の意見が述べられました。次いで採決いたしましたところ、いずれも起立多数をもって原案の通り可決いたしました。
 次に、物品税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案のおもな改正は、まず課税段階の変更でありますが、室内装飾用品、メッキ製品など、現行納税義務者の規模が零細で、税務執行上問題の多いものについては小売段階で課税することとし、また、サッカリン、ズルチンについては税率を軽減するとともに、選択により原料段階においても課税できることとしております。
 次に税率の引き下げ等でありますが、化粧品、釣用具など十四品目については、それぞれの税率を引き下げ、税負担の軽減をはかるとともに、現在非課税となっている物品との均衡上、口中剤、玉ラムネ、一部の課税物品の部分品などについては、これを非課税物品とすることとしております。
 次に、課税の均衡上、新規に課税しようとする物品でありますが、トランジスターラジオについては、その性能に応じて五%または一〇%、テープレコーダーについては一〇%、ただし二年間は暫定的に五%、チクロ系甘味料については一キログラム当り三十円、高級織物については小売段階において一〇%、それぞれ課税することとしております。
 なお、その他、課税の適正化と簡素化をはかるため所要の規定の改正を行うこととしております。
 以上の改正により、政令事項を含めて、初年度約三十四億円の減収を見込んでおります。
 本案に関しまして、足立篤郎君外二十五名より修正案が提出されました。
 修正内容は新規課税を行おうとする高級織物並びに従来製造課税となっている弾丸を、それぞれ課税から削除し、また、従来製造課税となっておりますゴルフ用具等を、ゴルフ・ボールを除き小売課税に移すとともに、銃については小売課税から製造課税に移そうとするものであります。また、書画、骨董については、小売課税五%となっておりますものを三%に改めることとしております。この修正による予算に及ぼす影響は僅少なものとのことであります。
 以上の修正案につきましては、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたしましたところ、やむを得ない旨の意見が述べられました。
 次いで、本案並びに修正案につきましては、審議の結果、本日質疑を終了し、討論の通告がありませんでしたので、直ちに採決いたしましたところ、修正案及び修正部分を除いた原案はいずれも起立多数をもって可決され、よって、本案は修正議決いたされました。
 なお、本案に対しては、小山長規君外二十五名から次のような附帯決議案が提出いたされました。すなわち、
  商標指示に関する物品税法第六条第三項の改正は、物品税課税の適正化、公正化を趣旨とするものであるから、その実施に当っては、政府は本条の適用範囲、実施の時期等につき慎重な配慮をなし、これが正常な取引関係を著しく障害することのないよう措置することを要望する。
 次いで、この附帯決議案について採決いたしましたところ、起立多数をもってこれを付すべきものと決しました。
 次に、入場税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案のおもな改正は、まず、現在、映画、演劇等の基本税率、五十円以下一割から、百五十円をこえるもの五割に至る五段階の税率となっているのを、五十円以下一割、百円以下二割、百円をこえるもの三割の三段階の税率に改めるとともに、演芸、音楽及び見せものについても、演劇と同様、現行の軽減税率を適用することとしております。
 次に、仮設小屋等で行われる映画、演劇等の臨時興行について、新たに三十円の免税点を設けるとともに、展覧会場等への入場についても、現行の免税点二十円を三十円に引き上げることとしております。
 なお、この法律案は本年五月一日から施行することとしておりますが、五月一日以降六カ月間に限り、税込み料金が減税相当額だけ引き下げられない場合には、原則として旧税率を適用することとしております。
 以上の改正により、初年度約十九億円の減収を見込んでおります。
 本案に関しましては、各派共同による修正案が提出されました。その修正の内容は、五十円以下一割の税率を七十円以下までに引き上げることとし、また、新たに設ける免税点と現行の免税点の引き上げを三十円としておりますものを、それぞれ二十円に改め、なお、施行期日を昭和三十四年五月一日からとしておりますのを八月一日に変更するものであります、この修正による減収額は平年度において約十億円となりまするが、本年度は予算に影響がないとのことであります。
 以上の修正案につきましては、国会法第五十七条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたしましたところ、賛成の旨の意見が述べられました。
 次いで、本案並びに修正案につきましては、審議の結果、本日質疑を終了し、討論の通告がありませんでしたので、直ちに採決いたしましたところ、修正案及び修正部分を除いた原案はいずれも全会一致をもって可決され、よって、本案は修正議決されました。
 最後に、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、まず第一に、現在酒類について設けられている公定価格が将来廃止された際においても、国家財政に重要な地位を持つ酒税の保全に支障を来たすことのないよう、酒類の価格制度について、あらかじめ法的な準備を整えておこうとするものでありまして、現行の協定価格のほかに、新たに基準販売価格、制限販売価格及び再販売価格の制度を設けることといたしております。
 第二に、最近における立法例及び現行法の実施状況に顧み、酒類業組合について理事会制度を設けることとするとともに、合理化のためのカルテルを締結することができることとする等、規定の整備をはかることといたしております。
 本案につきましては、税制並びに税の執行に関する小委員会及び本委員会におきまして審議の結果、本二十七日質疑を終了し、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
 なお、本案に対しましては、各派共同提案による附帯決議案が提出されましたが、採決の結果、全会一致をもってこれを付すべきものと決しました。
 附帯決議の案文は次の通りであります。
 一、公定価格の撤廃と新価格制度への移行に当っては、相当長期の準備期間をおき、この間政府は業界の体制を整備するよう努力するとともに、その実施については、各酒類間の実施時期をなるべく同一時期とするよう努力する。
 二、新たに協定価格制度を実施するに当っては、業界の実態にかえりみ、要すれば安定帯価格方式とすべきである。
 三、当法律案と直接的関係はないが、総じて酒税率が高率に失するにより、これが低減につとめ、且つ、酒類間の不均衡の是正を行うべきである。
   なお、清酒については、現行級別のほかに、消費者の購買力に応じて段階を増加する等取引に弾力性をもたせるべきである。
 なお、以上の各法律案に対する質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることといたします。
 以上、御報告申し上げます。
    ―――――――――――――
#19
○議長(加藤鐐五郎君) 揮発油税法の一部を改正する法律案について討論の通告があります。これを許します。横山利秋君。
    〔横山利秋君登壇〕
#20
○横山利秋君 ただいま議題となりました揮発油税法の一部を改正する法律案に対しまして、私は日本社会党を代表いたしまして、反対の討論をいたすものであります。(拍手)
 今回非常に政治問題化いたして参りましたこの揮発油税の増徴は、そもそも、昭和二十九年四月に、道路整備の財源等に関する臨時措置法に基いて、昭和二十九年から昭和三十三年に至る道路整備五カ年計画の財源としたことに始まり、自来、揮発油税のほかに、地方道路税、軽油引取税等の巨額の金額を自的税として徴収して参りました。今回の法律案はさらにその上に揮発油税と地方道路税で、現在の一キロリットル当り一万八千三百円から一挙に五千五百円引き上げて二万三千八百円にしようとするものであり、実に三割近い大増税であります。
 顧みますると、まだ十カ月前、ここにいるわれわれすべてが全有権者諸君に対して声をからして政策を説き、支持を求めました。その際、税制について、自民党の諸君は七百億の減税を訴え、社会党は千億の減税を主張したものであります。個人も疑うことのない事実は、いかなる理由にせよ、一人として増税の必要性を説いた者はないということであります。(拍手)民主政治は、主権者たる国民に、なさんとする政策を訴え、約束し、これを正しく実行するところにあるのであります。それにもかかわらず、今、初年度百九十三億になんなんとする大増税をしようとしておるのであります。政府与党の諸君の中に、「減税は約束した。しかし、増税しないと約束したことはない」という説をなす人があります。かくのごとき論弁、かくのごとき国民を愚弄する言葉はございません。大体、岸内閣は、選挙で約束したことは、その公約を適当に形だけ整えて、内容はごまかすことにきゅうきゅうとし、他方、選挙で公約しなかったことに全力を傾注して、警職法を通そうとし、この揮発油税をまた出してきておるわけであります。私どもの、この法案に対する根本的な反対の理由は、まさに民主政治の名においてであり、岸内閣の国民と政治に対する不誠実きわまりない態度から反対をいたすのであります。
 この増税は、道路整備財源確保の必要からとされております。しかし、今述べたように、昭和二十九年以来のガソリン税のたび重なる増税によって、日本の道路は果してよくなったでありましょうか。雨が降れば、都会でも長ぐつがなければ歩けない。子供ですら、かさというものは、天から降ってくる雨よけのために縦にさし、重ねて自動車のはねよけのために横にさすということを知っております。風が吹けば、また砂漠の野を行くがごとき黄塵におおわれ、そうして、岸総理大臣が毎週行かれる別荘への道やゴルフ場への道はりっぱになっておるのが今日の実情であります。(拍手)五カ年計画の各税収は確保されたにもかかわらず、反面、道路の整備は計画通り実施されない。しかも、朝令暮改、昭和三十三年度より新たに第二次五カ年計画を立て、さらに一兆円道路予算として今国会に提出をいたしましたが、これも第一次と同様の轍を踏むことは火を見るよりも明らかであります。しかも、これが計画の財源として、重ねて揮発油税を大増税するがごとき政策は、政府の無定見を現わすものとして、断固として反対をいたすものであります。
 道路は、言うまでもなく、国の産業の動脈であり、道路をよくすることは国家の長期経済計画の一環として行われるのであります。しこうして、これは、ひとり道路利用者、しかも、その中の自動車業界のために道路がよくなるものでないことは、言うまでもないことでありましょう。それにもかかわらず、毎年々々減税が政治問題であるときに、毎年々々ガソリン税が増税となり、しかも、一部の関係者にしわ寄せさせられているのであります。このことは、自動車運輸業界に対して政府の認識が不十分であるか、あるいは、反対運動が大きくならないからといって甘く見ている証拠でありましょう。要すれば、弱い者に対してはずうずうしい政府の考え方が明らかに見えるのであります。港湾の拡張は一般財源で行われる。飛行場もそうであります。ひとり一般に開放されておる道路の整備ばかりがガソリンの目的税でほとんどまかなわれ、昭和三十四年度に例をとるならば、まさに九百九十一億の中で一般財源はたった百億という、こういうばかげた数字は許さるべくもないのであります。(拍手)
 政府与党が、さきの選挙公約、また、今回の予算編成に際しても、中小企業の育成等をはかるために減税を行うことを強調してきたことは、天下周知の事実であります。しかるに、自動車業者等の負担する揮発油税等は、年年増税して、高率な負担と化しているにもかかわらず、今回、さらに財政上の一方的な考え方から大幅な増税を行うことは、減税公約、あるいは中小企業育成等の諾政策に矛盾するもはなはだしいものであって、私は、恥知らずの増税というよりほかはないと痛感をいたすのであります。(拍手、発言する者あり)
 今回の増税について、佐藤大蔵大臣は、予算委員会並びに大蔵委員会において次の点を主張しています。すなわち、揮発油税は、諸外国に比し日本は低率であるし、自動車運輸業界に及ぼす影響は微々たるもので、運賃の引き上げ、物価等に何ら影響するものではないとのことでありますが、これらの見解は実情を知らざるもはなはだしいものであります。税率を諸外国と比較する場合、最も大事なことは、担税力があるかいなかを国民所得の上から考慮して、各国の国民生活水準を基礎に論ずべきであり、わが国は営業用自動車が圧倒的に多いのに反し、欧米諸国は九〇%が自家用車であり、国民所得も大きく、担税力のある国と生活水準の低いわが国とを比較してその割合を論じなければならぬのであります。その比較を考えたならば、日本の現在の揮発油税を一〇〇とすれば、イギリスが三八・八五、フランスが七一・九七、アメリカはわずか五・一四、オランダは五三・七三でありまして、イタリアの二〇九・八四という特異なところを別にすれば、日本のガソリン税は現行でも世界で最も高い税金をとっておるのでありまして、政府の説明は全く詭弁もはなはだしいものであります。(発言する者あり)政府は、自分に都合のいいときだけ著名な各国との比較を持ち出すのでありますが、こういう単純比較をするならば、最低賃金でも、社会保障でも、賃金水準でも、暮らしの水準でも、何でも一律に外国との比較を論ずべきであって、ガソリン税を増税するときだけ、これをちょうちょうするということ、言語道断といわなければならぬ。(拍手)
 また、道路整備による受益により、増徴分は運行費の節約で還元されるとのことでありますが、これは、欧米諸国のごとく、八〇%以上完全舗装された道路のある国で初めて言えることでありまして、わずかに七%程度の現状のわが国においては、納税者と受益者とは同一ではないのであります。それに加えて、無策、無統制の道路行政のために、道路という道路は至るところモグラの巣のように掘り起され、また、近年は、著しい交通量の増加に伴い、燃料の空費が増加しているのでありまして、道路の整備はおろか、交通は混乱の極に達し、自動車業者、多額の揮発油税を納めても、道路整備の受益など思いも寄らぬことと言えるのであります。
 一体、政府は毎年の両院の決議をどう考えているのでありますか。三十一年には衆議院、参議院の運輸委員会において、道路の整備強化には一般財源にこれを求め、揮発油税の現行以上上の増徴は絶対避くべきであるとの決議、三十二年度の決議もまた同様。不思議なことには、自民党の中でも何回も討論され、最後的に、三十二年の一月に、揮発油税に対する課税は若干引き上げるが、別途これと同額程度以上を一般財源から支出するものとするとの決定が、与党の皆さんの手によって、その政調と税制改革特別委員会でなされておる。かくのごとく、国会でも与党内でも決議されていることが全くむぞうさに踏みにじられて、三割の大増税が一般財源の十分な投入もされずに行われることは、一体何を意味するのでありましょうか。
 交通何がしという新聞社発行のパンフレットを拝見いたしますと、このガソリン税が増税になったいきさつが暴露的に書かれております。佐藤大蔵大臣が就任するためにのまされた条件であるとのことであります。(発言する者あり)かくのごとき情報がまことしやかに乱れ飛び、これがなかなか説得力をもって信ぜられやすいほど、この増税は無理がございます。
    〔「退場を命じろ」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕
#21
○議長(加藤鐐五郎君) 御静粛に願います。
    〔「退場を命じろ」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕
#22
○議長(加藤鐐五郎君) 御静粛に願います。
    〔「議長、退場させろ」と呼び、その他発言する者多し〕
#23
○議長(加藤鐐五郎君) 横山君、発言を続行願います。
#24
○横山利秋君(続) もしも、政府が真に道路政策がその経済政策の中心であると誇示するのであるならば、その財源についても堂々と一般財源からまかなうべきものであると確信をいたします。道路五カ年計画を見ますと、国が支出する一般財源はわずか三百十七億円であります。しかし、政府の日本道路公団への出資金は何と三百十二億円を計上していることであり、この出資は驚くべき不当出資であると痛感をされます。何となれば、揮発油税を目的税とした立法趣旨は、天下の公道として、無料で国民のすべてが使用できる国道の整備改良が主眼であったのであり、有料道路として使用料を徴収される二重課税の道路建設に揮発油税を充当することは許されないのであります。現在の日本道路公団の有料道路の多くは、ゴルフ族とか別荘族が利用する不要不急の観光道路の建設に移行し、かつ、高率の使用料を徴収いたします道路工事請負会社にひとしいのであります。このような公団に対し、貴重な揮発油税収入額より三百十二億を出資し、一般財源の投入額はわずか三百十七億で、差引純道路事業費は五億円というばかげた金額となるのでありますから、政府原案がこのようなずさんきわまる計画によって引き上げられたことにわれわれは驚き、かつ、政府与党の道路政策の欺瞞を痛感するものであります。
 最後に問題とすべきことは、この増税をだれが負担するかという点であります。政府は、将来運賃引き上げを予定しつつ、当面、業界と労働者に負担能力があるかの口ぶりを示しております。このことは、この増税がしょせん働く人々に転嫁していくであろうということを物語っているのでありまして、要するに、この法案は、いかなる意味においても糾弾さるべき法案であります。さればこそ、一部には、すでに、衆議院においてはこのままでも、参議院においては修正されるであろうとの意見もあちこちで出ているのでありまして、こういう見通しのある原案に与党の諸君が今賛成なさることはばかばかしいことでもあり、いわんや、すでに昨年来二百十三名の反対署名をなさっておられる与党の議員諸君はまさか署名と採決は別々などとおっしゃることはないであろうと、私は諸君の名誉のために確信いたすのであります。
 どうぞ、満場一致、この法案に反対をされるよう要望いたしまして、反対討論を終るものであります。(拍手)
#25
○議長(加藤鐐五郎君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、揮発油税法の一部を改正する法律案、地方道路税法の一部を改正する法律案及び物品税法の一部を改正する法律案の三案を一括して採決いたします。三案中、物品税法の一部を改正する法律案の委員長の報告は修正、他の二案の委員長の報告は可決であります。三案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立]
#26
○議長(加藤鐐五郎君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告の通り決しました。(拍手)
 次に、入場税法の一部を改正する法律案及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して採決いたします。両案中、入場税法の一部を改正する法律案の委員長の報告は修正、他の一案の委員長の報告は可決であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
#27
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
#28
○議長(加藤鐐五郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後九時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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