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1958/04/01 第31回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第031回国会 本会議 第34号
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1958/04/01 第31回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第031回国会 本会議 第34号

#1
第031回国会 本会議 第34号
昭和三十四年四月一日(水曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第三十号
  昭和三十四年四月一日
    午後三時開議
 第一 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第二 中小企業退職金共済法案(内閣提出)
 第三 消費生活協同組合法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 永年在職の議員水谷長三郎君に対し、院議をもって功労を表彰することとし、表彰文は議長に一任するの件(議長発議)
 日程第一 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第二 中小企業退職金共済法案(内閣提出)
 日程第三 消費生活協同組合法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後三時十二分開議
#2
○議長(加藤鐐五郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(加藤鐐五郎君) お諮りいたします。本院議員として在職二十五年に達せられました水谷長三郎君に対し、先例により、院議をもってその功労を表彰いたしたいと存じます。表彰文は議長に一任せられたいと存じます。これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 ここに議長の手元において起草いたしました文案があります。これを朗読いたします。
  議員水谷長三郎君は、衆議院議員に当選すること十一回、在職二十五年に及び、常に憲政のために尽し、民意の伸張に努められた。よって衆議院は、君が永年の功労を多とし、特に院議をもってこれを表彰する。
 この贈呈方は議長において取り計らいます。
 この際、水谷長三郎君から発言を求められております。これを許します。水谷長三郎君。
    〔水谷長三郎君登壇〕
#5
○水谷長三郎君 つつしんで、ごあいさつを申し述べます。
 このたび、私が社会主義陣営において初めて満二十五年間本院議員に在職いたしましたところ、ただいま院議をもって御丁重なる表彰の御決議をいただきました。まことに身に余る光栄でありまして、厚く御礼を申し上げます。(拍手)
 顧みれば、私が初めて本院議員に当選いたしましたのは、無産階級が初めて議会に進出の機会を得ました昭和三年の普通選挙第一回のことでありました。(拍手)あれから三十余年、ふつつかながらも、社会主義の大道を一筋に生きて参りました。今日の私の感慨は、わが師河上肇博士が疾風怒濤の過去を顧みてうたわれた「たどりつき振り返りみれば山川を、越えては超えて来つるものかな」に尽きております。(拍手)
 この間、わが国は革命的な激動期でございまして、満州事変、日支事変を経て、ついに太平洋戦争に突入し、有史以来初めての無条件降伏のうき目を見ました。私としては、及ばずながら、平和にして良心的な民主社会主義者として終始いたしましたが、それも、しょせんは「風にそよぐ一本のアシ」にすぎず、戦前、戦中の政治家として、たとい戦犯、追放にならずといえども、戦争に対する責任は甘んじて受けなければなりません。(拍手)われわれは、断じて「この道はいつか来た道」のあやまちを再び繰り返してはなりません。(拍手)
 今日を契機といたしまして、不肖ながら、今後、皆様の御指導と国民各位の御支持を得まして、余命を、わが国の議会政治を通して平和の確立と民主主義の発展、国民生活の向上にささげ、民主社会主義者の誠を尽す覚悟であります。(拍手)
 ここに、衷心より感謝の意を表して、ごあいさつといたす次第でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
#6
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第一、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事小山長規君。
    …………………………………
    〔小山長規君登壇〕
#7
○小山長規君 ただいま議題となりました所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 政府は、今回、デンマーク王国との間に所得税及び法人税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約を締結し、その批准について承諾を求めるため別途提案いたしましたが、この条約に規定されている事項のうち、特に法律の規定を要すると認められるものについて、所要の立法措置を講じようとするものであります。
 本案の大要は次の通りであります。
 まず第一に、わが国及びデンマーク両国とも、国内に恒久的施設を有しない非居住者に対して支払われる利子所得等につきましては、百分の十五をこえる税率で課税をしてはならないこととしておりますが、わが国の所得税法では、これら利子所得等に対する税率は百分の二十となっておりますので、条約の適用のある場合には、所得税の税率を百分の十五に軽減することといたしております。
 第二は、特許権等の譲渡により生ずる所得に対する所得税法及び法人税法の特例であります。すなわち、わが国及びデンマーク両国とも、国内に恒久的施設を有しない非居住者の特許権等の譲渡による所得に対する租税は、収入金額の百分の十五をこえてはならないこととしております。従って、条約の適用のある場合で、これら所得に対するわが国の税法による税負担が、収入金額の百分の十五をこえることとなるときは、これを収入金額の百分の十五に軽減することといたしております。
 本案につきましては、昨三十一日質疑を終了し、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#8
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#10
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第二、中小企業退職金共済法案、日程第三、消費生活協同組合法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。社会労働委員会理事大坪保雄君。
    …………………………………
    〔大坪保雄君登壇〕
#11
○大坪保雄君 ただいま議題となりました中小企業退職金共済法案並びに消費生活協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、中小企業退職金共済法案について申し上げます。
 今日、中小企業の従業員は、大企業に比べて恵まれない条件に置かれており、退職金制度について見ましても、大企業においては、すでに内容の充実した制度が普及しているのに対し、中小、零細企業においては、制度そのものすらない事業所が非常に多い実情であります。従って、ここ二、三年来、全国各地において、個々の企業では実施困難なために、多くの企業が力を合せ、その相互扶助の精神に基いて、いわゆる共同退職金積立制度を実施する努力が払われているような趨勢にあります。本法案は、このような中小企業の条件を改善し、その従業員の福祉の増進と雇用の安定をはかり、ひいては中小企業の振興に資するため、中小企業退職金共済制度を創設することとし、これに関し必要な事項を定めるものであります。
 以下、その内容を簡単に御説明申し上げますれば、第一に、常時雇用する従業員の数が百人、商業またはサービス業等を主たる事業とする事業主については三十人をこえない事業主は、従業員のために事業団と退職金共済契約を締結することができることとしたのでありますが、退職金共済契約の締結については任意といたしております。
 第二に、掛金は、共済契約者、すなわち事業主の負担とし、掛金月額は被共済者一人につき二百円以上千円以下としており、給付は退職金及び解約手当金とし、その支給額は、十二カ月未満のものを除き、掛金納付月数に応じ、法律で定めることとしております。
 第三に、国は、掛金納付月数が八十四カ月以上である被共済者にかかる退職金について、一定の国庫補助を行うこととしております。
 第四に、この制度の実施主体として、中小企業退職金共済事業団を設置することとし、事業団の余裕金は資金運用部に預託し運用する等のほか、できるだけ中小企業者の事業資金に融通されるように配慮されなければならないことといたしておるのであります。
 本案は、去る二月三日本委員会に付託され、三月四日倉石労働大臣より提案理由の説明を聴取した後、慎重なる審議を行い、また、三月十九日は一橋大学教授吾妻光俊君外二名の参考人より意見を聴取したのでありますが、それらの詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 かくて、昨三月三十一日の委員会において質疑を終了しましたところ、大坪委員より、自由民主党、日本社会党共同提案にかかる修正案が提出されました。
 そのおもなる要旨は、第一は、退職金共済契約の締結については、個人別任意加入を任意包括加入に改め、この場合において、従業員の意見を聞かなければならないこととすること、第二は、掛金納付月数の通算の条件を緩和すること、第三は、この法律の改正及び施行に関する重要事項につき、諮問機関として労働省に中小企業退職金共済審議会を設置すること、第四は、退職金に対する国庫補助について、掛金納付月数七年以上を五年以上に改めること、第五は、その他、本制度の内容を充実させるため、所要の修正を加えること等であります。
 次いで、討論を行わないで、修正案並びに修正部分を除く原案について順次採決を行いましたところ、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと議決した次第であります。
 次に、消費生活協同組合法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 消費生活協同組合及び消費生活協同組合連合会の行う共済事業につきましては、最近、急激にその発展を見せておりますので、組合員の利益の保護と共済事業の健全なる発展を確保するため、共済事業に対する規定を整備することとし、共済事業執行の基本となる点を規約で定めるとともに、これが規約の設定、変更及び廃止は行政庁の認可を受けなければならないこととし、共済事業の指導監督を強化するほか、この事業の健全な運営をはかる上に最も重要な責任準備金の積み立てを法定化いたそうとするものであります。
 本法案は、三月十九日本委員会に付託せられ、同二十五日厚生大臣より提案理由の説明を聴取した後、審議に入りましたが、昨三十一日の委員会において質疑を終了し、直ちに採決を行いましたところ、本案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと議決いたした次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#12
○議長(加藤鐐五郎君) 両案を一括して採決いたします。日程第二の委員長の報告は修正、第三の委員長の報告は可決であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
#14
○議長(加藤鐐五郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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