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1958/03/13 第31回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第031回国会 逓信委員会 第16号
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1958/03/13 第31回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第031回国会 逓信委員会 第16号

#1
第031回国会 逓信委員会 第16号
昭和三十四年三月十三日(金曜日)
    午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 淺香 忠雄君
   理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君
  理事 進藤 一馬君 理事 橋本登美三郎君
   理事 粟山  博君 理事 片島  港君
   理事 小松信太郎君 理事 森本  靖君
      天野 公義君    木村 武雄君
      椎熊 三郎君    田邉 國男君
      武知 勇記君    小沢 貞孝君
      大野 幸一君    金丸 徳重君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 寺尾  豊君
 出席政府委員
        郵政政務次官  廣瀬 正雄君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      濱田 成徳君
 委員外の出席者
        郵政事務官
        (電波監理局次
        長)      莊   宏君
        参  考  人
        (日本放送協会
        会長)     野村 秀雄君
        参  考  人
        (日本放送協会
        副会長)    溝上 けい君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     前田 義徳君
        参  考  人
        (日本放送協会
        企画局長)   春日 由三君
        参  考  人
        (日本放送協会
        経理局長)   首藤憲太郎君
        専  門  員 吉田 弘苗君
    ―――――――――――――
三月十二日
 委員武知勇記君辞任につき、その補欠として椎
 名悦三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員椎名悦三郎君辞任につき、その補欠として
 武知勇記君が議長の指名で委員に選任された。
同月十三日
 委員星島二郎君、早稻田柳右エ門君及び小沢貞
 孝君辞任につき、その補欠として田邉國男君、
 天野公義君及び神田大作君が議長の指名で委員
 に選任された。
同日
 委員天野公義君、田邉國男君及び神田大作君辞
 任につき、その補欠として早稻田柳右エ門君、
 星島二郎君及び小沢貞孝君が議長の指名で委員
 に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の
 承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
     ――――◇―――――
#2
○淺香委員長 これより会議を開きます。放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
 質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。
#3
○森本委員 この予算案についてもだいぶ審議をせられまして、だんだんと審議も終りに近づいて参りましたが、まず私はこの予算案の予算総則の点から質問をしていきたいと思います。
 予算総則の第二条で、六十七円を八十五円に値上げすることが出ておるわけであります。そこで八十五円にラジオの受信料が値上げになりますと、年間にいたしまして、ラジオとテレビと二つ取っておるところについては、四千六百二十円というかなりの金額になるわけであります。今日ラジオとテレビと両方取っておる一般の聴取者におきましては、おそらくラジオの方はニュースか音楽をちょっとかける程度で、あとはテレビを見ておるというのが普通の状態ではないかというふうに考えておるわけであります。そういうことになって参りまして、テレビの普及率がこれだけになって参りますと、今日までのように、ラジオの受信料八十五円、テレビ三百円というふうに両方取るのではなく、テレビとラジオと両方置いておる家庭においては、少くともラジオとテレビと一緒の金額にいたしまして、そうして四千六百二十円というのを若干下げるというふうなことを考えてもいい時期ではないかと、私は考えておるわけであります。この点については、NHK当局としてはどうお考えですか。
#4
○首藤参考人 ラジオとテレビの経費並びに料金をただいま区分しておりますが、これはテレビジョンを開局いたしましてから今日まで続けております。テレビジョンを開始いたしました当初におきましては、テレビジョンの経理が非常に窮屈でございまして、建設途上におきましては、かなり多額の欠損金を生ずるであろうということが予想せられておりました。従って一般国民がほとんど全部関係しておりますラジオの料金をもってそれらのテレビジョンの経費をまかなうということについては不合理もございますので、今日までその方針でおるわでございます。テレビジョンの経理につきましては、すでに昨年度から一応欠損金の計上がとまりまして、なお十数億の繰り越し欠損金はかかえておりますものの、毎年度におきましては一応欠損の状況を脱したわけでございます。そうしまして受信者がほぼ二百万に近いというところに迫っておるわけでございますので、仰せのような研究も始めておるわけでございます。ただテレビジョンにつきましては、まだ全国置局が完了しておりません。明後年までにスピード・アップしましてこれを建設するという段階にございます。従ってこれらの運営費が非常にテレビジョンの財政に加重して参るわけでございますが、そろそろこの問題も研究していいんじゃないかとは考えております。従いまして、今後相互に融通できるという情勢が参りましたときには、なるべく早くこれを実行したいと考えております。ただ明年度におきましては、まだその状態になっておりません。テレビジョンにつきましても、依然として経費の圧迫がきつうございますので、明年度におきましてはその状況ではございませんが、明後年度以降テレビジョン受信者の増加状況を見ながら、なるべく早くそういう研究をして実行に移したいと考えております。
#5
○森本委員 今の経理局長の御答弁では、今日のこのNHKの予算がラジオ会計とテレビ会計と別個になっておるから、そういうことについてはなかなかやりにくいというふうなお話でございますけれども、しかしこれは、今日のようにラジオ会計とテレビ会計と別個になっておりましても、たとえば第二条において、ラジオにおいては八十五円、テレビジョンにおいては三百円とする、ただし両方取っておるものについてはラジオが年間七百円なら七百円、テレビが年間三千円なら三千円というふうにやればできないことはないわけです。私が言っておりますのは、そういう会計技術上の問題を言っておるのではなしに、国民の立場から言っておるわけです。実際にテレビを見、ラジオを聞いておる者の立場に立って言うならば、ラジオとテレビとを持っておるわけでありますが、そういう場合にはテレビはずっと見ておるけれども、ラジオはほとんどニュースだけしか聞かないというのが、ラジオとテレビとを持っておる家庭の実態だろうと思う。もっともラジオとテレビとを持っておる家庭は一般の家庭よりもかなり裕福な家庭であるから、そういうところについては負ける必要がない、そういう一つの理論であるならば別でありますが、実際に聞いておる、聞いておらぬという立場からいくならば、そういうふうにするのが至当ではないか。それはテレビ会計、ラジオ会計云々という御説明はよくわかりますけれども、そういうふうにテレビ会計とラジオ会計になっておっても、なおかつ私が言うようにやろうと思うならば、この第二条はそういうふうに直せばできるわけであります。これは放送法にも何ら触れないわけでありますから。そういう点については考えてみたことがあるかどうか、こういうことを聞いておるわけであります。
 そこでNHKに聞くよりも、これは電波監理局長がおりますのでお伺いしますが、この意見書にもそういう意見が全然出ておりませんけれども、この予算案が出されてきますときに、郵政当局としてはそういう点についてのサゼスチョンをNHKに与えたことはございませんか。
#6
○濱田政府委員 御指摘の点につきましては、私どもも同感に思うのでございまして、適当な時期にいろいろな情勢を勘案して、テレビジョンとラジオを総合した受信料というようなものを考えるのが至当ではないかと存じております。これにつきましては非公式にNHKの方とも話し合いをしたこともあります。
#7
○森本委員 非公式にNHKと話をしたけれども、NHKの方が、めんどうくさいから、そんなことはできぬ、こう言ったわけですか。
#8
○濱田政府委員 そうではございませんで、適当な時期になりましたら、たとえば現在の白黒テレビジョンがだんだん普及しまして受信者の数がふえて、受信料の収入がラジオの方の収入とコンパラブルになって参りました時期、あるいは全国あまねく放送が受信できるようにと書いてあります放送法第七条の精神が、これはテレビとラジオを総合して一〇〇%達成されることが理想であるという見地から考えまして、ともかく一人でも多くの人が、全国すべての人がラジオかテレビかどっちかを、あるいは両方を聞くことが望ましいだろうという見地から、かように私は考えておるわけであります。
#9
○森本委員 この問題だけで長いことかかっておりますと時間がかかりますので、さらに聞いておきたいと思います。
 現在FM放送の実験放送をやっておりますが、将来FM放送が本格的になって中波放送とダブった放送の関係になった場合にも、その料金は現在のラジオ料金で満足をする、こういうふうにNHKは考えておるわけですか。
#10
○首藤参考人 今後の長期計画としまして、FM放送につきましてはまだチャンネル・プランもきまっておりませんので、具体的な置局の計画はできておりません。ただ何局程度、どういうパワーでやっていこうかという計画はございます。それで、それらのものは運用経費を含めましてこの五カ年計画におきましては現在八十五円の受信料を、会計の中におきまして計画を進めておるわけでございます。従いまして、特に別段の変化がない限りは一応これでやっていくという計画にいたしてございます。
#11
○森本委員 それでは、将来FM放送がかなり発達して、これが現在の実験段階でなしに、かなり受信者が出てきた場合においても、このFM放送の料金は――今回八十五円に料金を値上げするのは大体中波放送が主でありますが、将来FM放送が全国的に普及せられた場合でも、このラジオの料金と同じように考えておる、この中に入る、こう考えてよろしいわけですか。
#12
○首藤参考人 特に別段の、現在考えています以上大きな変化がない限りは、さように考えております。
#13
○森本委員 現在考えておる以上の大きな変化というのはどういう意味ですか。変化はかなりあると思う。現在の中波放送に、さらにおそらく全国的にFM放送というものが普及せられていくと思いますけれども、まず初めの段階としては、おそらく大都市を中心として普及せられていくと思う。将来カラー・テレビジョンの問題が出てくる場合には、やはりNHKの料金について、総合的に考えていかなければならぬ段階がくると思う。そういう場合にもこのラジオの料金はFM放送も含んでおるものである、さらにカラー・テレビが相当普及していった段階においても、テレビの視聴料というものはこれもカラー・テレビを含んでおるものである、こう解釈してよろしいかどうかということを聞いておるわけです。
#14
○首藤参考人 現在のところ考えております段階におきましては、それらのものを考慮しておりません。
#15
○森本委員 そういたしますと、将来FM放送、カラー・テレビがかなり普及発達をしていっても、このNHKの料金は、やはりラジオにおいては八十五円、テレビにおいては三百円という形において考えていってよろしい、こういうように考えてもいいわけですね。
#16
○前田参考人 私どもの最初の五カ年計画の基本的な考え方は、FM放送は大体第三放送的に運営いたしたいと考えております。従って、料金の点からも、FM放送の性格ということで料金の立て直しをやるのではなくて、八十五円の中でこれをまかなっていきたいというのが基本的な考え方でございます。またテレビジョン放送につきましても、すでに教育テレビジョン局も開いておりますけれども、私どもは教育テレビジョンだからといって、特に料金の値上げを考えるという考え方はなく、そういう意味でもカラー・テレビジョンが実際に放送される場合にも、カラーだけに関して料金の値上げをするという考え方は現在のところは持っていないわけでございます。
#17
○森本委員 そうすると、一つ一つつけていきたいと思いますが、ラジオ八十五円、テレビジョン三百円という料金については、先ほど私が言いましたように、各家庭において、テレビの経費とラジオの八十五円と両方払わなければならぬ家庭においては、実際にはラジオはあまり聞いていないというふうな状況もあるし、そういう点については両方かみ合せて将来は料金体系についても考えていかなければならぬ、こういう点については、将来は考えていってもよろしいということについては、これは同意ができるかどうか、どうですか。これは会長から聞いておきましようか。
#18
○野村参考人 私はそう思うております。ラジオとテレビとの料金の一本化というのが早晩実現して、NHKの運営を健全に円滑にやっていかねばならぬ、またなり得るだろうということを考えておるわけであります。
#19
○森本委員 それから今前田理事から、FM放送については第三放送的な考え方でやっていきたいということでございましたが、このFM放送を第三放送的なやり方でやっていきたいというのは、現段階の考え方でありますか、それとも将来にわたっての展望としてNHKが考えたところの考え方ですか。私の考えとしては、現在の段階としては第三放送的な考え方でけっこうでありますけれども、しかし将来FM放送が全国的に普及発達するという格好になって参りますと、おのずから角度が変ってくるのじゃないかというふうに考えておるわけでありますが、どうですか。
#20
○前田参考人 御指摘のように、いわゆる将来のラジオ放送の展望が、総合的に中波を主とすべきかあるいはFM放送を主とすべきかという問題が起ってくることも一応考えられると思います。しかし、少くとも明年度予算を提出する前提となっている五カ年計画の範囲においては、私どもといたしまして、一応波の性格から申しましても、またNHKの任務が教育、教養を高めていくというところにある点から考えましても、五カ年計画の線に基く第二年度分としての明年度予算の立て方といたしましては、第三放送的な考え方でいくという一応の線を出している次第でございます。
#21
○森本委員 これは三十四年度の予算を審議しておるわけでありますけれども、やはり電波放送という関係からこの問題を考えてみた場合には、当面の問題だけを考えるというわけには参らぬと思います。それからこの放送の問題についても、将来の展望というものを考える場合には、何といたしましてもNHKを中心として考えていかなければならぬというふうに考えておるわけであります。このFM放送についてはしばしば当委員会においても論ぜられておりますけれども、電波監理当局の事務が滞っておるかどうか知りませんが、あるいはまたどういう関係でそれが延びておるか知りませんけれども、なかなかこのFM放送の問題についての結論もつけかねておるわけであります。電波監理局長としては、中波放送の将来の展望という点については、ラジオというものについての展望はどういうふうにお考えですか。
#22
○濱田政府委員 中波放送は三十年の歴史を持っておりまして、この普及は千五百万に近い数を示し、国民が所有しておりますところの受信機は、私どもの推定では千五百億円ないし二千億円になるというふうな膨大なものでありますから、急にこれをやめるということは、FM放送が技術的に優秀なものでありましても、考慮を要するところだと思うのであります。しかし主として混信妨害の対策であるとかあるいは質のいい放送を楽しむという意味から、FM放送にだんだん移行する趨勢も十分考えられるのでありますが、ただその時期は推定がなかなか困難であると思うのであります。私の考えでは、日本の音声放送全部がFMに置きかわるというときはなかなかこないだろう。そういうことを今断定的に申し上げかねますけれども、私の想像を申し上げれば、だんだんこれが普及して参りましても、中波をやめてしまって全部FMになりかわるということには今後十年ないし二十年、あるいはそうなりましても全部置きかわってしまうということはないのではなかろうかというふうに想像いたしておるのであります。しかし、先ほど申し上げましたように混信妨害対策であるとか、良質の音声を楽しむ上に、私はFM放送なるものを一日も早く日本でスタートするようにいろいろな配慮をする必要があろうという考えを持ちまして、チャンネル・プランの準備とかあるいは技術基準の制定であるとか、必要な措置は進行させているわけであります。
 同時に、今日の現在の状況をちょっと申し上げますと、FM放送がなぜ急激に日本で伸びていかないかという理由はただいま申し上げましたように、混信妨害対策として、あるいは良質の放送として、まず実験放送をやってためしてみる、それから受信機を大量生産して安く供給しなければなりませんから、それが進むようにいろいろな準備をするということをただいまやっている段階でありまして、同時に電波の面では、このFMに使われます電波は、電電公社の通信だとかあるいは防衛庁とか、その他の業務に使われているものが多いのでありまして、それをだんだん回収してFMに持ってくるようにいろいろ準備を整えているというのが一つ。同時に一般の放送会社では白黒テレビの整備に忙しくて、そのためになかなかFMまで手が回らないというのが実情であります。日本放送協会はただいま実験放送を東京、大阪でやっておりますが、その時間等を増してこれをなるべく急速に拡大発展させるようにという努力をしております。けれども、その一つの大きな困難な問題は、いかなる番組をいかなる内容の放送から始めるかという問題なんであります。私どもの考えで、先ほど前田さんから第三放送というようなお話もありましたが、FM放送を日本で始めるについては、まず総合番組をやるよりも、教育放送であるとかあるいは音楽とか、特殊の目的のものを始めた方がよかろうという考えがありますために、なかなか免許の方針等が決定しないということがあるのであります。そういう次第でございまして、電波監理当局といたしては考えがきまらないというのではなくて、いろいろな困難や講ずべき事項等について検討している段階であることを御了解願いたいと思います。
#23
○森本委員 今、電波監理局長の言われたことは、二年前に当委員会で言われたことと一つも変ってない。それでわれわれがこれだけしつこく追及するのは、将来の日本のラジオというものをどういうふうに持っていくのか、田中前大臣みたいに一挙にFM放送に切りかえて一千億円の負担が国民にかかるというようなことを発表するか問題になるのであって、これは今電波監理局長が言ったように、徐々にそういう方向に切りかえていくということならば大して問題は起らぬわけであります。ただしかし、今電波監理局長が言っているようないろいろの事情が煮るということは私の方もよく承知しておりますが、いつまでたってもそういう事情でございます、そういう事情でございますという答弁では、これはちつとも進展しないと思います。やはり一つ一つこの原因を探求し追及して、そこから一つの発展の方向に持っていかなければ、毎年々々電波監理局長がFM放送についてはこうこうしかじかかくかくの難点がございますという答弁だけでは、何にも発展をしない。われわれの方としてはこのFM放送が自然の形において発展していくことが望ましい。ただし、あなたは十年かかるか二十年かかるか、二十年かかってもむずかしいというようなことを言われましたけれども、しかしそれは具体的な計画をみっちり立ててからの上のことだと思う。やはり私は今軽率に二十年たっても中波放送がFM放送に切りかわることはむずかしいということは言えぬのじゃないか。現在の段階においては、それはやはりこの白黒テレビが起ったときの問題についても、それからカラー・テレビの問題についても、今盛んに論争されておりますけれども、いずれをとりましてもそれをあとへ引っぱるという論争でなしに、前へ進んでいこうという考え方に立って論争をしておるわけでありますから、そういう点についての今電波監理局長が説明せられたことについては、もう何回も説明を聞いておるわけであります。だからそういうものを一つ一つとって、日本の将来の放送界というものをどういうふうに持っていくか、たとえばNHKがたしか東京、大阪で実験放送をやっておると思いますが、これを急速に北九州、あるいはまた名古屋、あるいはまた北海道の一部というようなところでやってみる、そうしてさらにそれを中都市に発展をさしていく、それと同時に受信機がかなり普及してくるならば、あるいは場合によっては中波放送に切りかえてもいいのじゃないか、こういう考え方が出てくると思う。たとえば今日の電波行政を見てみると、実際問題としてNHKが、今回もこの予算案の説明の中にもありますように、東京、大阪、福岡において超大電力を設置することが載っておるわけであります。これなんかも外国の混信に対してのいわゆる防衛措置として超大電力局を置く、そうなって参りますと、それじゃ一般の民間放送というものが各県ごとにそれぞれ群雄割拠しておる、こういうところのものについても――私は民間放送が発達したときにはまだ野にありましたので、その時分には意見を申し述べることができなかったのでありますが、しかしそういうことを考えてみると、今日中波放送をやっていくとするならば、たとえば民間放送もブロック単位の大電力装置においてやってもいいではないかということも言えるわけであります。しかしそうかといって、そういう超大電力を設置し、さらにまたFM放送を発達さしていかなければならぬということになっていきますると、当面の問題はいろいろ糊塗するにいたしましても、これが将来にわたるところの大きな展望ということになってくると、われわれみたいなものが見ておってもどうもあちこちやっているような気がするわけであります。そういう点、しっかりした日本の放送の展望というものを明確に出して、そして一年一年その計画に従ってやっていくというのが至当ではないか。今のやり方を見ておると、どうもあっちへ突っかかりこっちへ突っかかり、そしてここがまずいからというので弥縫策を講じておるのじゃないか。一つの大きなルートいうものをやはりこの際明確に示して、NHKもあるいは民間放送もその方針に従ってやっていくというような必要があるのじゃないかという点を、私は憂えるわけであります。そういう点については、郵政省は電波放送を監理する官庁として大きな任務があるのじゃないか。たとえばラジオ放送については現在はこうなっておるけれども、だんだん大都市はこういうふうなFM放送がやっている、将来はこういうふうに切りかわっていくというふうな展望というものを明示しないと、今回のように――あとで質問をいたしますが、東京、大阪、福岡が超大電力を設置するということになりますと、今度はその他の民間放送との割り振り、こういうことにもなってこようと思う。だから今日は郵政省としては、将来にわたるまでの一つの展望、計画というものを明確に示す必要がある段階ではないかというふうに考えておるわけですが、どうですか、この点は。
#24
○濱田政府委員 今のお話では二カ年間少しも進歩しないという話でございましたが、私の説明が少し悪かったのであります。その点つけ加えさしていただきます。
 FM放送につきましては、技術基準等はきめました。実験放送の時間等を増し、今年はNHKはさらにこの実験放送を拡大するような計画を持っておるわけであります。そういう意味におきまして、御説のごとくFM放送の進展を今年は大いにはかるようにしていく、できますならば、実用化試験放送までいかしたいものだ、こういう希望を持っております。これはどこにFM放送の実験局をさらに増すかということはなかなか問題でございます。私の考えでは、まず大都市ないし混信妨害の顕著とみなされるようなところに置局しまして、聴取者の情勢を見るということが一つ、そういう方針でやっていくのが一番いいだろう、そう目下考えております。
 さらに、中波の大電力につきましては、御指摘のように外国の混信等に対処しまして、東京、福岡等の放送局は現在の電力をさらに倍加するというふうなことをやるのが当然だろう、そう考えております。この時期は今年に完成するかどうかは別として、ともかくかような方針をもって中波の大電力放送を行う、FMははなはだ積極的に見えないような方法でありますけれども、これはともかく一日も早く普及するようにいろいろな方策をとるというわけでありまして、慎重に事をかまえて進まない、逡巡狐疑しておるということは決してございませんから、どうぞ一つ御了承いただきたいと思います。
#25
○森本委員 これは非常に大事な問題でありますけれども、きょうはNHKの予算が主でありますから、予算の審議がおくれますのでこれはまた他日に譲りますが、しかし私の言っておるのは、ラジオの将来の展望というものを、民間放送はかくあるべきである、それからNHKはかくあるベきである、それから中波放送はこういうようになっていくだろう、FM放送はこういうふうに発展をしていくであろうというふうな、長期にわたっての遠大な一つのルートというものを郵政省あたりが明確に示す必要があるのではないか、何も遺巡しておるということを私は言っておるわけではないけれども、あなたの答弁からして、大体があっちを見、こっちを見しておるような答弁の態度も態度ですが、そういう格好に見えちゃうのです、案外あなたがあっちこっちに遠慮しておるように。だから、こういうラジオの問題については、今言ったように大電力という問題も出てきております。そういう一つの将来にわたっての、長期にわたる遠大な計画というものを郵政省がこうときめたら、そのきめた方針に従って全体が動いていくというふうな構想というものを明確に国民の前に示す必要があるのではないか。そうしないと、たとえば今日民間放送でFM放送の許可申請をしてない局はおそらく一局もないと思う。これが今あなたの説明では将来二十年先になるかわからぬようなことも今申請しておるということになる。ところが、民間放送局はそういう点を非常に心配して、今のうちに申請を出しておかぬとバスに乗りおくれたら大ごとだというので、みんなネコもしゃくしも全部出した。そういう点についてのあなた方の明確なるあれがちっともないものだから、みんな乗りおくれたら困るということで出すわけです。そういうことについて私は郵政省が全体的に明らかにする必要があるのではないかということを言っておるわけですが、この論争をやっておりますと、あなたの答弁も非常に長いので、これは長くかかりますから他日に譲ることにいたしまして、次に進んでいきますが、ただ私がここで申し上げたことの意のあるところを一つよく電波監理局長も聞いておいてもらいたい、こう思っておるわけであります。
 それから次に、この予算総則の第六条でありますが、これは毎年論争することであります。「予備金は、予見しがたい予算の不足に充てる以外にこれを使用することができない。」この「予見しがたい予算の不足に充てる」というのを説明せよといってもなかなかむずかしいと思いますが、これは今までの例からしたらどういうものがありますか。
#26
○首藤参考人 従来予備金を使用しました一番代表的なものは台風でございます。毎年台風がやって参りまして、そのたびに協会の施設が損害を受けるわけでございますが、これは予算を組みますときには、実はわかっておりませんわけでございますので、一応これは予備金で支出するという考えを持つわけでございます。年によりまして、台風災害の非常に軽微な場合もございますし、たとえば昨年度のように、二十二号台風でございますか、非常に損害が大きかった場合もございますので、台風とかその他の災害が代表的なものでございます。
#27
○森本委員 それでは、その「予見しがたい予算の不足」というのは、たとえば給与関係なんかは当らぬですか。
#28
○首藤参考人 給与関係は充てておりません。
#29
○森本委員 出ておらなくても、予見しがたい場合になってきたら、これは給与の方に出してかまわぬわけですね。
#30
○首藤参考人 これは非常にむずかしい問題だと存じますが、通常の場合におきましては、充てることはむずかしいのではないか、たとえば非常に経済情勢なんかが急変いたしましたとか、そういうふうな特別な場合につきましては、これまた研究の余地があるかもしれませんけれども、これもまだ実は十分な結論を出しておりません。
#31
○森本委員 予見しがたい予算の不足でありますから、たとえば、その他放送に関係をしております、関連がありますところの新聞とか、その他のものが急に上ったとかいうふうな場合には、これはやはり予見しがたい予算の不足に充てるということで、給与に使っても何ら差しつかえないと思うわけですが、その通りでいいでしょう。
#32
○首藤参考人 これは非常にむずかしい問題でございますので、ただいまちょっとお答えいたしかねると存じます。
#33
○森本委員 あなたの方はあっちこっちに遠慮して、またそういう答えになると思いますが、電波監理局長、これはどうですか。かまわぬでしょう、そのくらいのことは。
#34
○濱田政府委員 給与の問題は別の項目で規定してありますので、別個に考えるのがほんとうだろうと考えておるのであります。
#35
○森本委員 穏当だろうということでありますので、最も穏当な答弁になっております。ただ私は、そういう穏当な答弁もけっこうでありますけれども、これは毎年論争しておるわけでありますが、「予見しがたい」ということは、今言ったように、他の関連の産業と急激に差が出てきたというようなことになった場合は、やはり私はこの条項を適用してやってもいいんじゃないか、こう思うわけであります。これはあまり問い諦めておっても、ちっともほんとうの答弁になりませんので、そういうふうに私は解釈をしておるし、あなたも解釈をしておると考えて、この点に対する質問はやめます。
 それから次に第七条の一項と二項でありまするが、これについても、いつも問題になるのであります。これこそ場合によっては――場合によってではなしに、「その一部を職員に対する特別の給与の支給に充てることができる。」こうあるわけでありまして、これは「職員の能率向上による企業経営の改善によって収入が予算額に比し増加し、」ということでありまするが、この収入があった場合、増加せられた場合には、すべてこの第二項に当てはまるもの、こう解釈をしてもいいわけでしょう。
#36
○首藤参考人 協会の収入はそのほとんど大部分が受信料の収入でございますので、収入の増加ということは、受信料が予定以上にふえたというほかにはないのじゃないかと思うのでございます。それで大体初めに予定しました受信料の増加というものをさらにふやすというにつきましては、これはやはりいろいろなほかの客観情勢もございますけれども、職員が努力してそれらの新しい受信者を獲得するということは、努力が非常に大きいわけでございます。従いまして、受信料の収入が予定よりふえたということにつきましては、これはやはり職員の努力が実ったのだというふうにわれわれは考えております。
#37
○森本委員 その答弁でけっこうでありますが、ただこの二項の「その一部を職員に対する特別の給与の支給に充てることができる。」この特別な給与の支給ということではなくても、普通の給与が上ってもかまわぬ、こういうことになるわけですがね、給与ですから……。
#38
○首藤参考人 特別の給与の支給と申しますのは、年度の初めにきめまして、定額きめておるもののほかに、臨時に支給してもよろしいと、こう規定されておるのだと解釈いたしております。
#39
○森本委員 そう解釈をしておるわけでありますが、これはその一部を職員に対する給与の支給に充てることができると、こう読んでもいいわけですがね。別にそう悪いことはない、こう私の方では考えておるわけであります。しかしこれはそれでいいです。
 そこで、ちょっとこの際聞いておきたいと思いますが、今までよく問題になっておりますところの郵便局関係の、受信料の集金人の点でありますが、これは毎年問題になっておりますので、一応こういうふうな郵政省の職員に委託をしなくても、その他にいい方法がないかということで、いろいろわれわれの方でも研究をいたしましたけれども、なかなかないわけでありまして、本年度もおそらくこれは郵政省の職員に集金を委託するということになります。これが毎年非常に紛糾するわけでありますが、特にこれから先、テレビができて参りますると、かなりこの数がふえてくるわけであります。今年度のこの集金人に対する委託集金のいわゆる委託料というものは、若干でも値上げになっておるわけですか。
#40
○首藤参考人 この予算におきましては、現行の率で計算しております。またその事態が起りました場合には、郵政省と相談いたしまして措置をしたいと考えておりますが、この予算書におきましては現行の率で計算しております。
#41
○森本委員 現行はテレビとラジオは幾らになっていますか。
#42
○首藤参考人 ラジオで集金事務が十八円十銭、テレビで二十円六十銭となっております。
#43
○森本委員  それから、その新規加入のときは幾らですか。
#44
○首藤参考人 ラジオが百二円、テレビが百七円でございます。
#45
○森本委員 それでは郵政省の方にお尋ねしますが、これが実際に従業員に支給されておる額は幾らですか。
#46
○廣瀬政府委員 ちょっと担当者が参っておりませんので、すでに呼びまして、あとではっきりお答えいたさせます。
#47
○森本委員 これは郵務局の担当ですから、電波監理局長がわからぬのは当然で、これは何も悪いことはないのですが、郵務局の方の担当の方が来てからこれは聞きます。
 そこで、これが二十円六十銭と十八円十銭、百七円と百二円ということでありますが、これはやはり一つの給料みたいなものでありまして、ある程度職員のベース・アップが若干でもなされるということになりますならば、やはりこの方面の委託集金料というものについても、若干はその割において上げるというのが妥当ではないかと私は考えておるわけでありますが、その点については、予算は予算で、これで通っても、実際に郵政省と協会との折衝において若干でも上げるということはできるわけですか。
#48
○首藤参考人 郵政省の中におきます計算の問題は、私も存じませんのでわかりませんが、従来とも郵政省職員のベース・アップとか、特別に経費がかかるような場合には、郵政省から御相談がありまして、その結果これを引き上げるという措置を講じております。そうしてもし今後そのようなことがございました場合には、その増加しました分は、当然予見しがたい経費であるということで、予備金から支出していただく、こう考えております。
#49
○森本委員 そうすると、将来郵政省の方から協会の方に対してそういう申し入れがあった場合には、協会側はそれを受けて立って、話し合いをして、これが予算面によれば若干上り得るということは言えるわけですね。今の質疑応答に対しては、全国の山間部門を担当する者が注目をしておる問題ですから、特にはっきりと回答願っておきたいと思うのです。
#50
○首藤参考人 その話がございました場合には、郵政省と御相談させていただくということになりまして、それがどういう率になるとか、あるいはどういう時期になるとかいう問題は、また別の問題として御相談さしていただいて、私どもとして御協議したいという建前でございます。
#51
○森本委員 だから御協議していただいて、それでこれはちょっとでも上げなければいかぬということになれば上げる交渉もあり得る、こういうことでしょう。そうでなければ、話だけしたところで何にもならぬでしょう。
#52
○首藤参考人 その道はございます。
#53
○森本委員 その道はございますでなしに、これはぜひそういうことにしてもらいたいと思うわけです。郵政大臣もよくこの点は聞いておいてもらって、そうしてあとで、郵政大臣の方から話を持っていくようにしないと、おれの方は郵政省だからえらいからということで話を持っていかなかったならば、NHKの方は、いつまでたっても低い方でけっこうでございますというので黙っておるわけですから、郵政省の方から積極的に、あなたの方も一応ベースが上るならこれについても若干は上げてもらいたい、こういう話はぜひ持っていってもらいたい、こう思うわけです。その点、大臣、よろしゅうございますか。
#54
○寺尾国務大臣 おっしゃる通りだと思います。
#55
○森本委員 その次に、この予算総則の第十一条でありますが、「国際放送並びに選挙放送の実施に対する交付金が予算額に比し増加するときは、その増加額は、それぞれ」云々というのがあるわけであります。この間の予算委員会の分科会で、電波監理局長に質問いたしましたところが、十五時間十五方向というものは郵政省からやってある金で完全にやれるはずだ、こういう回答があったわけでありますが、この国際放送の本年度の予算額と、それからこれに対する交付金というものをちょっと御説明願いたいと思うのです。それからついでに選挙放送に対するあなたの方の予算額……。
#56
○首藤参考人 三十四年度におきます国際放送の私どもが計上しております金額は四億一千八日三十万三千円でございます。それに対しまして政府交付金は九千三百九十三万二千円となっております。
#57
○森本委員 選挙放送の予算はどうなっていますか。
#58
○首藤参考人 選挙放送の金額は百六十一万四千円でございます。そのうち百二十万円は参議院の半数改選のものでございまして、残りが知事選挙のものでございます。
#59
○森本委員 それはあなたの方の予算で、選挙放送の交付金の予定額というのはまだきまっていないわけですね。
#60
○首藤参考人 これは一応の予定でございまして、確定のものではございません。
#61
○森本委員 この国際放送は、現在までやっておるのは十五時間十五方向ですか。
#62
○首藤参考人 三十三年度にやっておりますのは十五方向十五時間でございます。
#63
○森本委員 その十五方向十五時間というのは経費は幾らかかりますか。この九億三千万円で完全にできますか。
#64
○首藤参考人 それは三十三年度の予算に計上しました金額でございまして、二億一千九百万ばかりでございます。
#65
○森本委員 妙にとっちめるわけじゃないのですが、電波監理局長はこの間の予算委員会の分科会で、私の方は十五時間十五方向をNHKに命じてある、それは九億三千万円でできるはずだ、できぬようなことは命令をしていない、こういうことを言っているのが速記録に載っておるわけでありますが、今説明を受けると二億一千九百万円かかっておるということです。それはどうですか。
#66
○濱田政府委員 九億三千万円ではありません。九千三百万であります。九千三百万円の経費で十五方向十五時間をまかない得る。ただしこれは必要最小限の費用でございます。NHKは、現行の放送法に規定がございますように、みずから本来の業務として国際放送を行い得るということから、その必要最小限の九千三百万にプラスしまして、この前の予算委員会で申し上げましたように、それにいわば血を増し、肉をつけ、りっぱなものとして、充実した形において国際放送を実施していく、こういうふうに解釈しておるのでありまして、私どもの見解では、九千三百万円と申しますのは完全な、理想的な最後の姿ではございません。しかし必要最小限の経費であると解釈いたしております。
#67
○森本委員 これはNHKに聞きますが、十五時間十五方向というのは九千三百万円でできますか。
#68
○首藤参考人 九千三百万は三十四年度の交付金でございまして、三十三年度十五方向十五時間は二億一千九百万円でございまして、当時の政府交付金は八千九百八十六万六千円でございます。多少金額が不足しております。
#69
○森本委員 電波監理局長はこういう説明をしておるわけです。九千三百万円おれの方はやってある、九千三百万円で十五時間十五方向というものはできるはずだ、それをNHKが尾ひれをつけて放送しておるから二億一千万円かかるのだ、おれの方で命令した通りやれば九千三百万円でできるはずだ、こう言っておるわけです。そこで九千三百万円でこの十五時間十五方向というものができるかということを聞いておるわけです。二億一千九百万円では倍もかかっておる。そんなそろばんの合わぬ返事はないはずなんです。
#70
○首藤参考人 その相違につきましてはいろいろな点がございますが、たとえば二億一千九百万円を使っておりますもとになりますものは、十五方向十五時間をやりますためには、われわれとしましては百十七人の人間が必要である、それに対しまして政府が算定されましたものは五十二人ということでございます。それが大きな相違であります。それから送信機でございますが、私の方としましては、やはり海外で聞いていただくためには一波ではサービスとして無理だ、どうしましても二波以上は出しませんことには、国際放送としましてのサービスの面では不十分、あるいはもう意味がないのではないかという考えで、二台の送信機を使っておる、すなわち二波で出しておる。それに対しまして政府の交付金は一台の計算になっておる。その他番組を作りますための経費、たとえば国際放送をいたしますためにいろいろ資料を集めなければなりません。そういう資料を集めますための費用とか、番組を組みますための出演者の謝礼の費用とか、そういう面の算定がそれぞれ私どもと政府との間に違いがあるというわけでございます。私どもとしましては、国際放送としての現在の規模においてやりますためには、やはりこれだけのものは必要でありますので、これだけの放送をしておるというわけでございます。
#71
○森本委員 くどいようでありますが、私は一つの結論をつけて――私が言うのと電波監理局長が言うのと違うということを、はっきり結論をつけてから次にいきたいと思うのです。そうしないと、こんなことをうやむやにしておいてもらっては困る。監理局長が言っておるところでは、九千三百万円で十五時間十五方向というものはおれの命令した通りやればできるんだ、ところがおれの命令したものよりもいろいろ尾ひれをつけて放送しておるからできないんだ、こういうことを言っておるわけですよ。だから電波監理局の方から命令された通りやれば九千三百万円でNHKの方はできるかどうか、こういうことを聞いておるわけです。できるという答弁なら、それは局長の言うことが間違いないから、それはそれでいいんですが、九千三百万円でできぬということになればうそを言うたことになりますから、その点をはっきりしてから次に進みたいと思っているわけです。
#72
○首藤参考人 可能か不可能かということになりますと、不可能ではないということになるんじゃないかと思いますが、これは考え方の違いでございまして、たとえば送信機にしましても、一台で電波を送りっぱなしということもやればできますし、番組の内容につきましても、ニュースを繰り返し繰り返し出していくという簡素な放送方法をとりますればやれぬことはないと思います。これは考え方の問題だと思います。
#73
○森本委員 考え方の問題……。しかし、それで放送したら国際放送の価値はないんでしょう。電波監理局長が言っておるように、九千三百万円で十五時間十五方向をやるということでやったら全然国際放送の価値はない放送になるんでしょう。
#74
○首藤参考人 私どもとしましては、国際放送としましては少くともこれだけのことはやらなければならぬと思ってやっておるわけでございます。
#75
○森本委員 まあこれ以上あまり深く追及したところで仕方がないが、ただ電波監理局長にちょっと言っておきたいのは、これは政府の金がないから九千三百万円しか補助しなかったわけなんです。あなたはそういうふうに答弁したらよかったものを、おれは九千三百万円やってあるから、九千三百万円でできるはずだ、それをやらないのはNHKで勝手にやっておるんだからそんな金は知らぬという答弁だから、しゃくにさわって最後まで聞こうと思っておったのだが、大体のいきさつがわかったからこれでやめます。そういうときには、電波監理局長としても、金は極力出したいけれども政府の財政上これが許されなかったから九千三百万円出しているんだ、これ以上はNHKの方で出してやってもらいたい、こういう答弁が最も穏当なはずです。それを、おれの方は九千三百万円やってある、これでできるはずだ、できないのは、今NHKが勝手に尾ひれをつけて、前に音楽をやったり、うしろに音楽をやったりしているからだ、おれの方は骨と皮だけやってあるんだ、こういう答弁をするから、私もそんなばかなことはないというんでこういうことを追及したくなる。率直に政府当局としてはもっと金を出したかったのだけれども、財政上許さないのでこれだけやって、あとはNHKで見てもらっておると言うことが最も穏当じゃないかと思いますが、どうですか。
#76
○濱田政府委員 全く森本委員の仰せられる通りでありまして、私の言葉があまり妥当でなかったことをおわび申し上げたいと思います。
#77
○森本委員 次に移りますが、第十三条の駐留軍の放送役務、これもちょっと問題になりましたが、これはまだやっておりますか、大阪の分は。
#78
○首藤参考人 やっております。
#79
○森本委員 これはどのくらい今やっておりますか。
#80
○首藤参考人 中波におきましては百キロワットの送信機で、夜の零時二分から一時三十二分まで一時間半、これは東京でございます。それから大阪の第二放送も百キロワット機で同じく零時三分から一時三十二分まで一時間半でございます。
#81
○森本委員 これは全部英語ですか。
#82
○首藤参考人 英語だと思いますが、よくわかりません。
#83
○森本委員 これはどこ向けの放送ですか。
#84
○首藤参考人 それもわれわれにわかっておりません。われわれとしましては、ただ施設の供与だけでございますので、詳しいことはわかっておりません。
#85
○森本委員 施設の供与だけであるから内容についてはわからぬということでありますが、しかしこれはどこの命令でやっておるわけですか。
#86
○首藤参考人 これは日米行政協定によって在日米軍との間に結んでおる契約でございます。
#87
○森本委員 そうすると、NHKの方では内容はわからぬと言いましても、政府当局では内容がわかるわけでありますが、大臣、この内容はどういうことですか。
#88
○濱田政府委員 内容等は一切私どもにはわかっておりません。
#89
○森本委員 これは内容は政府では全然わからぬのですか。
#90
○濱田政府委員 その通りであります。
#91
○森本委員 これはそんな行政協定になっておるのですか。内容も何もわからずに、それでこっちは放送しなければならぬというふうに……。
#92
○寺尾国務大臣 これは一つ調査してお答えするようにさして下さい。これは役務というのですから、おそらく人もこちらが貸してあるか、私はそのように承知しておるのです。従って、調べればわからぬはずはないと思うのですが、今お答えしても自信がありませんから、調べまして後刻お答えするように御了承願いたいと思います。
#93
○森本委員 これは予算が済んでしまってから御報告を聞いたところで何にもならぬ問題でありまして、これは放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件の予算案の予算総則であります。予算総則の内容がわからぬでこの予算案を審議して採決するなんということは、当然あり得ない問題です。そんな、内容がわからぬ、後刻答弁するというようなことではちょっと困るんですよ、はっきりしてもらわぬことには。簡単な項目ならいいけれども、予算総則にちゃんと載っている項ですから。
#94
○寺尾国務大臣 ここに駐留軍放送役務の概要、こういうものがございますが、「NHKが駐留軍放送役務を実施している根拠。NHKは現在次の法律に基いて駐留軍放送役務を実施している。「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定を補足する電気通信に関する協定」一九五二年七月十七日。」「方針及び調達。」この中に「役務の範囲、限度、標準及び米軍が支払う役務料金は米軍の特定機関を一方とし、電波監理委員会及び放送協会を他方とする両者の直接交渉によって決定するものとする。心理戦争部が現在二三・〇〇時以前に使用している日「本放送協会のすべての中波施設を米軍は一九五二年七月一日を以って返還し心理戦争部の使用に供する事を相互に合意した施設を二三・〇〇時以後にのみ使用するものとする。」こういうことによって、放送役務の種類云々、こういうものが規定されておって、これに対してはただいまお答え申し上げたように、これをこちらは一応提供しておるということによって、それにこちらが特にどの方向にどういうふうにということは別に承知していないというのが、ただいまNHK並びに局長からのお答えであります。これ以上のことが御必要であれば、これは一つ調査をして、その結果をお答えいたしたい、かように考えます。
#95
○淺香委員長 前田理事から発言を求めておられますので、これを許します。
#96
○前田参考人 ただいまの森本先生の御質問に対しまして、NHKが実際に役務に服しているという立場からちょっと御説明申し上げたいと思います。
 これは、ただいま郵政大臣が御説明いたしましたように、日米安全保障条約の施行細則のような行政協定に基きまして、日米共同委員会というのが仲介となって、それの電波関係として電波審議会その他を一方の相手として国内的に処理されるという形になっておりまして、NHKといたしましては、その決定に基いて放送施設の一部を提供し、放送施設の運用に必要な最小限度の技術的役務を提供しているだけでございます。従って、放送内容の編集あるいは放送内容の資料の収集、あるいは放送それ自体に直接携わってはおりません。それからまた従来の経緯を御説明申し上げますと、年々その役務の分量は減って参りまして、最近では先ほど経理局長から御説明申し上げました程度のものになっております。またその役務を提供する時間内におきましても、NHK自体が国内放送上必要であるという問題に逢着しました場合には、NHK自体がその役務の変更をお願いして、たとえば、これは台風その他災害が起きた場合には、従来からもその放送の使用時間を減少していただいて今日に至っております。従いまして私どもといたしましては、放送項目の内容そのものについては直接知識を持っていないわけであります。
#97
○森本委員 これはどなたの答弁でもちっとも明確にならぬわけであります。これは去年も私が質問をいたしましたが、去年も最後の話になって委員会でちっともわからぬずくに済んだんです。これは行政協定において行われておるというところまではわかりますが、そこから先がさっぱりわからぬ。しかしNHKがこういうことがわからぬはずはないと思う。これは向うの要員が来て、そうして自分で全部放送するなら、それはあなたの方がわからぬという回答をしていいと思う。しかし、少くとも放送する技術者が全部あなたの方のNHKの職員である限りは、その放送が正確になされたかどうかについてはモニターせずにはわからぬはずです。だから、モニターしておる限りにおいては、これは何語であって、どういう方向向けの放送をしておるかということは、NHKはわかるはずです。もちろんそれが軍事機密であるから言えないということなら、軍事機密であるからわかっておりますけれども言えないという答弁になるのがほんとうなんです。これは向うの人間が機械を運転をして全部やるなら、それはあなたの方がわからぬという回答でも私はけっこうだと思う。しかし、少くとも放送を担当する者はNHKの技術者が全部担当しておるということになれば、これはしろうとであるまいし、放送するものが正確に出ておるかどうかということは、ちゃんとモニターすればわかるのです。だから、NHK当局としてはわかっておっても、これは軍事機密か何か外交交渉によって、そういうことは言えぬのなら言えぬということなら、私はまだ話はよくわかると思う。頭からこれが一切わかりませんということでは納得ができませんよ。これは技術者は全部NHKの職員であるはずなんだから……。
#98
○前田参考人 技術者が送信するという限度においてはわかると思います。しかし日本語でないことは事実でありますし、従ってその意味において、その編集自体に携わっておりませんので、内容は正確にはわからないわけでございます。
#99
○森本委員 日本語でないということはわかっておっても、何語であって、どっち向けの、大体だれに聞かすための放送をやっておるかぐらいのことはわかると思う。内容の編集、番組の編集その他を向うから持ってきて流すわけですから、それはあなたの方は関知しないといっても差しつかえない。しかし、少くともこれがだれに聞かすために放送するかということはわかるはずなんです。一体めくらみたいに電波を出すはずがないのですよ。そんな技術者だったら僕は要らぬと思う。やはり自分が出しておる波はどういう波が出て、何語かわからぬ、正確に出ておるかどうかもわからずに放送しておるのですか。
#100
○前田参考人 技術的に実際に電波を出しているというところまではわかります。しかし、その電波は無指向性でございまして、特定の地域を対象としての放送ではないのでございます。
#101
○森本委員 そうすると、電波を出しておるのは特定の方向ではない、一般の中波放送と同じということになれば、その内容が一体どこ向けに放送されておるものであるかということはNHKでもわかるでしょう。技術者が波を出しておいて、その波が正確に出ておるかどうかということは、その内容を自分が聞いてわかるものじゃなければわからぬですよ。そういうふうに自分の波を出しておいて、これを検査も何もせぬということはおそらくないはずなんです。やはりこの出しておる波が正確に出ておるかどうかということは、どっかでモニターしておるはずなんです。そのモニターする者が、内容がああこれはスペイン語かフランス語かということで、そんなことじゃ僕はちっともわからぬと思うのですよ。一応その辺は放送しておる技術者というものはわかっておるはずなんです。これをNHKに聞いておるわけです。そこから先は政府に聞かなければわかりませんから……。
#102
○前田参考人 私どもの調査がはなはだ不十分であるということが、森本先生の御追及によってますます暴露するわけでございますが、実際に電波が完全に出ておるかどうかは、その国語がどうであるかに関せず、技術的にはわかることだと考えます。しかし、その言葉がどこの国の言葉であるかということのモニターは、NHKとしてはしておらないかと思います。と申しますのは、その放送自体が少くとも日米安全保障条約の原則に基く駐留軍の安全保障とも関係のある問題でして、その限りにおいてはある意味で軍機の秘密に属するもののようでございます。
#103
○森本委員 これは予算総則の第十三条というところにひっかかって参りまして、駐留軍の軍事の秘密ということになって明確にできぬということになればまことに困った問題でありますが、これは軍事の秘密というほどのことじゃないと思うのですがね、この放送は。どうですか。これは軍事の機密で言えぬことですか、大臣。
#104
○寺尾国務大臣 その全部、すべてが言えないという機密に属するとは私は考えませんが、その中にはおそらくそういうものもございましょう。しかし森本委員のおっしゃる御質問の点はわからぬことはありませんが、ただNHKとしては、いわゆる役務と施設とを提供して、その他にはこれにいわゆるモニターしたり、あるいはこれに対してどういうことであるかというようなことについての調べというものをしていないということは今お聞きの通りだと思います。これは全部機密でだれにも知らせてはいかぬということでなくて、おそらく政府においてある程度の、どの方向にどの時間にということも、私は外務省あたりでは、あるいは外務大臣等ではわかっておるんじゃないか、かように想像をいたしますが、私自身がそういうことについては全くのしろうとでわかりませんから、一つこの程度で一応御了承を願いたいと思いますが……。
#105
○森本委員 NHKから聞きましても政府から聞きましても、ちっともこれははっきりせぬ問題でありますが、これは普通なら審議打ち切りということになりまして、一日か二日おくれるのが当然であります。実際問題としてこれが小ちゃな項目なら別でありますが、予算総則の大きな一つの条項になっておるわけですから、その一つの条項が政府もNHKも明確にできないということになると、これはちょっと問題です。問題ですが、去年もこれは一応私の方から提起いたしまして、ちっともこれは明らかにならずじまいであった。今は大体軍事機密もあるやというところまではわかりましたが、そこから先はわからぬ。が、しかし、わからぬといってこれは聞きのがすわけにも参らぬので、一応これは後刻でもけっこうでありますが、一つこの問題は明確にできるように大臣の方でお取り計らいを願いたいと思います。私は、いずれこういうものはだんだん少くして、縮小していきたい。できればもうなくしていきたいというぐらいにまで考えている次第でありますから、この問題については一つ十分に研究して調査をして、次の委員会あたりでも回答ができるようにお願いをしたい、こう思います。それでは次に参ります。先ほどちょっと問題になりました、東京、福岡に超大電力を設置するということになっておりますが、今度の大電力というものはどのくらいに増力するわけですか。
#106
○首藤参考人 東京、大阪、福岡の大電力は、三十四年度にはございませんで、計画としましては三十六年度ごろからかかりまして三十七年度に東京が完成される。それから大阪、福岡は三十七年度ごろからかかってそれ以後に完成するということにいたしてございます。
#107
○森本委員 出力はどのくらい……。
#108
○首藤参考人 出力につきましては、ただいまの計画は、東京は三百キロ、大阪が百五十キロ、福岡は千キロと予定しております。
#109
○森本委員 その福岡の千キロというのと、東京の何ぼでしたか、それはここにも大体説明がありますように、その大電力の増力ということについてはやはり外国電波の混信を防止するということが主になっておるわけですか。
#110
○溝上参考人 お説の通り外国電波が最近非常に強力になりまして、日本全体に、各所に混信を起しております。それで、それに対する対策としまして個々の局をそれぞれ増力することも一つの方法でございますが、これは実際上非常に数が多いものですから、そこで主要な都市の電力を超大電力にしまして、それらを総合して日本の土地のどこへ行っても一応その電波を聞けば、大体混信なしに聞かれるという限度まで数局を引き上げたいという、そういうふうな計算から今のような電力がきまっております。ただし、もちろんこれは今後のいろいろな国際的の関係とか、許可の関係、それらが全部済んだ場合に実現する、われわれの一応の希望でございます。
#111
○森本委員 外国電波の防止ということはわかるのですが、この外国電波というのは今はどこから来ているのですか。これは電波監理当局にお尋ねします。
#112
○濱田政府委員 おもにアジア大陸、シベリヤ、あるいは北鮮、それから北シナ等であると思います。
#113
○森本委員 ソ連は今日の電波の国際の中へは入っていないのですか。
#114
○濱田政府委員 ソ連は国際電気通信連合のメンバーになっております。
#115
○森本委員 今、シベリヤという話が出ましたが、そういう方向から来ておるものはありますか。これはおそらく私の想像では北鮮もしくは中華人民共和国から来ておる電波ではないか、こう思うのですが、シベリヤから来ておるやつがありますか。
#116
○濱田政府委員 シベリヤからもあると思います。
#117
○森本委員 そのシベリヤから来ておるというのは、そういうものについては一つの国際機構を通じての抑制ができぬのですか。
#118
○濱田政府委員 明瞭な妨害があります場合には、さっそく通告しまして周波数等の変更を求めて妨害がないように適当な処置をとっております。
#119
○森本委員 そのシベリヤ方面から来ておるというのの周波数は幾らですか。
#120
○濱田政府委員 推定でございますが、チチハルから千二百キロ・サイクル、ハルピンが千四百四十キロ・サイクルでございます。それによって妨害を受けているわけであります。
#121
○森本委員 しかしそれはシベリヤですか、今言ったのは……。
#122
○濱田政府委員 シベリヤではございませんで、中華人民共和国でございます。
#123
○森本委員 だから私が初めに聞いておるじゃないですか、国際会議に入っておるものについては、そういうふうなことについては、これを防止することができるであろう。ただし、北鮮、中華人民共和国については今日国交が回復をされていないし、それからそういう会議に入っていないから、これを防止するという方向はとり得ない、これは実際問題としてはなかなかでき得ない。しかしこの問題についてはおそらく将来国交回復をし、また今のような国際情勢が将来ずっと続いていくということは、これはアジアにとっても非常に不幸な問題でありまして、電波の関係から見てもそういう問題はおそらく私は解決がつくのではないかということも考えるわけであります。そういう点とかみ合せてこの大電力の増強というものについては考えていかなければならぬのではないかということを、私はこの際言っておきたいのです。将来、日本の中波放送を大電力にして、さらにこれを中国大陸あるいは北鮮、台湾、東南アジア方面に対しても、この放送が現在の短波の国際放送にかわるような状態にまで持っていきたいということであるならば、これはまた考え方は別であります。別でありますけれども、そういう考え方に立つとするならば、先ほど私が言いましたように、日本の放送というものがいかようにあるべきかについての、大きな路線というものを明確にして、そうして中波の国際放送もあり得るという形のものを持ち出していって、その一環としての大電力ということをやるならば別であります。今あなたの方から説明がありましたように、外国の電波の防止策として電力千キロワットを増設するということであるならば、今申しました点は相当考えていかなければならぬのじゃないか。私は今の国際情勢がいつまでも続くと考えたくないし、またそうあってはならぬと考えておりますが、そういう点を一つ十分にかみ合せてやっていっていただきたい。そこで、ついでに聞いておきたいと思いますが、今言いました中波の放送をもって、たとえば中国大陸あるいは朝鮮、台湾、東南アジア、そういう方面に対する国際放送の分野にまで伸ばしていくという考え方を持っておるかどうか、この際ちょっと聞いておきたいと思います。
#124
○濱田政府委員 さような考えは持っておりません。
#125
○森本委員 持っておらないとするならば、私は場合によっては、そういうものを持ってもいいのじゃないかという気もいたします。今ここでさような考えは持っておりませんと言うよりか、よく研究しておきますと言った方が妥当ではないかというふうに私は考えるわけであります。やはり私は、中波のそういうふうに限定された方面における、国際的視野に立った放送というものを考えてもいい時期もくるのじゃないかと思うわけです。十分その点も研究され、同時に大電力の増力ということについても、今言った国際情勢ともにらみ合せて考えてやってもらいたいということを申し上げておきたいと思うわけであります。
 次に、NHKの説明によりますと、教育テレビジョン放送網については、五年間に四十九局を設置するということがあるわけでありまするが、これは一体NHKだけの考え方で、その波はどういう方向で使っていくわけでありますか。
#126
○溝上参考人 教育テレビジョンの電波でございますが、これは現在使い得るVHFのチャンネルだけでは確かに足りないわけです。従ってUHFの問題が出てくるわけですが、今までの経緯をいろいろ考えてみますと、UHFの電波はアメリカでも、使っておりますと伸びが悪いし、機械も複雑であるというような関係から好まれていない実情でもございますので、できれば全局をVHFのチャンネルをいただきたいということを在来からお願いしておったわけであります。実際問題といたしましてなかなかむずかしいのでございまして、VHFで今後いただける分だけはぜひ教育放送へちょうだいして、万やむを得ない場合はUHFでも計画を完成していきたい、かように考えております。
#127
○森本委員 いただけるならばVHF帯でやって、どうしてもできないときはUHF帯でやりたいということでありますが、電波監理局長、そういうことは可能ですか。
#128
○濱田政府委員 今、溝上さんが言われましたように、VHFでNHKが希望せられる置局を行うことは、今のところでは私は困難であろうかと考えております。しかし、といってUHFとVHFと両方重畳するということにつきましては、非常に問題がある。どうしたらば教育テレビ放送が早期に普及するかについては、いろいろな方法を考えていかなければならない、万やむを得なければ、UHFを適当な場所を選んで使わざるを得ないだろう、そう考えております。
#129
○森本委員 わかったようなわからぬような答弁でありまして、VHF帯は使えぬということははっきりしたわけです。ただUHF帯については云々ということがありましたが、こういう点、NHKがほんとうにこれから計画し実行に移していくということになると、やはり一般の国民の受像機ということについても考えてやらないと、すでに前の六チャンネルのものでは使えない、十二チャンネルのやつに切りかえなければならないという格好になっておるわけでありまして、こういう点私は、NHK当局と電波監理当局の意見が、あまり大きく食い違うとは思いませんけれども、ちょっと食い違う点があるやに見受けるのでありますが、こういう長期にわたる計画については、NHKも電波監理当局も、何といってもNHKは日本唯一の公共放送でありますから、NHKを中心にして、テレビにしても、FMにしても、あるいはラジオ放送にしても考えていかなければだめでありますから、そういうことを考えた場合に、こういう重大な問題については、十分に意見の交換をし、一致した点で計画を立ててもらいたい。そうしないと、われわれが見てもこれはおかしいじゃないかという点が出てくるのであります。両者の意見が違っているというようなことが外部から見てもわかるような態度は改めてもらいたいと思うのであります。特にこういうような教育テレビジョンの放送網というようなことについて、さらにまた次に出てきますところのFM放送の計画について、あるいはまたカラー・テレビの計画について、こういう問題についてはややともいたしますと両者の意見が違うというような点がありましては、非常に迷惑するのは国民でありますから、何といたしましても、そういう放送の中心になるのはNHKであると考えますので、そういう観点で、将来出てくるいろいろの問題について、NHKを中心にしての計画というものをやはり立てていかなければならぬのじゃないかと思うのでありますが、電波監理局長としてどうですか。
#130
○濱田政府委員 御趣旨はよく了解いたします。教育放送のチャンネルにVHFかUHFかという問題は、非常に込み入った問題なんでありまして、ちょっと外部から見ますと何だかわけがわからないようにも見えますけれども、そういうものなんです。非常にわかりにくいものなんだと私は考えております。しかしNHKの計画と、また私どもはチャンネルを扱います立場からいろいろな計画を立てますけれども、それとの関係は密接不可分にして、できますならば、外部からごらんになりましても一致した、はっきりしたものにしたいと考えております。
#131
○森本委員 これはあなたの言っているように、ややこしい、わかりにくいものであるということは、私もわかります。われわれといたしましても、一応チャンネルをどうする、波がどうなるということぐらいはわかっているつもりです。しかし、こういうふうにNHKが計画を出し、あなたから、VHF帯にするということは今まだむずかしいという答弁があった。そうすると、どういう計画をするんだろう。そうなってくると、前から論争せられておりますUHF帯を使わなければできないということになると、やはり受像機の問題にも関係してくるわけであります。だから国民に非常に関係のある事項ですから、そういう点についてもNHKは、NHKで計画を立て、電波監理当局はこういう考え方であるということでなしに、日本の放送の中心は日本放送協会をおいてほかにないわけです。だから、そういう点を十分によく話し合いをして、打ち合せをした後においてそういう計画を立てるべきだ、こういうことを言っておるわけであります。そういう点については電波監理局長も一つ十分に心してやっていっていただきたい、こう考えておるわけであります。
 それから、これはNHKの説明書の中にもありますが、放送時間の延長、番組の発展というような点はいいわけでありますが、映画番組施設等の整備ということをうたっておるわけであります。これは私が前から言っておることでありますが、今のNHKの映画というものを見ておりますと、新しいものが一つもないわけでありまして、まあ古い名画祭でありますか、そういうものをやっておるわけであります。見ておる方はこれは月三百円だから安いものだと思って見ておる者もあるし、あるいはまた、ばかにするなということで見ておる者もあろうと思いますが、やはりテレビを放送するに当りましても、この映画番組については相当慎重に考えていかないといけないと思います。NHKが今のようなやり方をいたしておりますと、新しい民間テレビ局が出て参りまして、しかも新しい方向においてやろうとする今日においては、私はNHKの映画を見る者が非常に少くなるのじゃないかというふうな気もするわけであります。このNHKの映画番組施設等の整備ということがここに載っておりますが、この点についてはどうお考えですか。
#132
○前田参考人 今御質問の点につきましては、私どもも、なるべく早く御期待に沿えるような方向に向わなければいけないということで、御審議をいただいております明年度予算の中でも一部その方針をはっきり打ち出しております。映画の問題は、今御質問の趣旨は、おそらく劇映画あるいは短編映画についての御質問かと思いますが、この点につきましても、明年度以降は自家製作に踏み切る方針でおりまして、それに対する施設、それから特別の経費を明年度以降計上して実行に移して参りたいと考えております。
#133
○森本委員 そういう点については一つ十分に考えてやっていってもらいたいと思いますが、特にNHKのテレビ映画についてはいろいろの批判もありますので、十分に考えてやっていただきたい。特に今回の予算案の中にはそういう点が盛られておりますので、来年度の予算を審議するときにおきましては、こういう確実な成果が上ったというような点が報告できまするように、特に念を押しておきたい、こう思うわけであります。
 それから、そのすぐ下の七項にこういう説明がありますね。「職員の労働条件の向上については給与、福祉厚生、」これはいいわけでありますが、「退職後の生活保証等あらゆる面において一般社会水準におくれることのないよう十分な措置を講ずる。」この「退職後の生活保証等あらゆる面において」云々という項についてはどういうお考えなのか、具体的に御説明を願いたいと思います。
#134
○首藤参考人 第一には退職金でございますが、退職金は、社会的水準に比べて必ずしもようございませんので、提出予算の中で退職金を現行の四割をふやすという原資を計上さしていただいております。それからまた退職後の問題につきましては、いろいろ、退職後の就職をあっせんするとか、そういうふうなことも積極的にやっております。今後も一そうその点について退職後の安定ということをはかっていきたいと考えておるわけでございます。
#135
○森本委員 その次の四ページに、「社会水準より低位にある職員の待遇改善等当面緊急に対策を講じないと」云々ということがあるわけでありますが、これは現在の給与が一般の社会水準から見ても低い地位にあるということをNHK自体が認めておるわけでありますが、この社会水準より低位にあるということを具体的にちょっと説明願いたいと思うわけです。
#136
○首藤参考人 比較の対象がいろいろございますが、私どもが比較しておりますのは、中労委の調べました全産業――中労委の調べは、資本金が一億以上、使用人が千人以上という企業を集計したものでございます。それと、同業の、同じような仕事をしております新聞放送関係の企業と比較したわけでございます。中労委の調べによりまする全産業との比較でございますが、昭和三十二年六月現在のものを比較してみまして、そのときに引き直しての数字を出しますと、全産業では、基準賃金が、平均しまして二万六千五百大十七円となっております。これに対しまして協会の基準平均賃金は二万二千七百二十円、三千八百円ばかりの較差がございます。それから、これは全体的な平均でございますが、これを勤続年数、平均年令を同じ標準にして直してみますと、約二千四百円の較差が生ずるのでございます。それから同じような仕事をしておりますところ、代表的な新聞社、放送関係のところというように比較いたしますと、さらにこの較差が開いて参ります。これは、具体的な数字につきましては他社のお名前も出しかねるわけでございますけれども、新聞社のごときは非常によろしいわけです。これらにつきましては先般資料を御配付しておりますので、御了承願いたいと思います。
#137
○金丸(徳)委員 先ほどの森本委員の質問に対する会長のお答えの中で、行く行くはテレビとラジオと一緒にした財政状況の中で経営した方がよろしいのではないか、そういう方向に進んでいくであろうというようなお言葉を承わったのでありますが、それは、たとえば三十四年度予算にはそういうようなお気持で組んだ面があるのでありましようか、いかがでありましょうか、ちょっと承わっておきたいと思います。
#138
○野村参考人 三十四年度予算には、そういう意味で組んだのはありませんが、早晩そういたしたい、またそうあった方が、NHKの財政を運営し事業を遂行する上において、健全かつ円滑であろうということを私は考えております。
#139
○金丸(徳)委員 それは全体としてコンバインして経営した方がよろしいというお考えに立ってのことか、最近世間にはラジオはどうやら斜陽産業といいますか、経営もなかなか苦しくなっていくであろう、テレビの発達に伴いまして、その方に世間の需要は増していくであろうなどともいわれております。そういたしますると、ラジオだけでは経営困難に陥る。将来テレビの発達を見越し、その方面の収入を、斜陽産業といいますラジオの方にも向けた方が、ラジオのためにもよろしいのではないかというお考えに立っておられましょうか、いかがでありましょうか。
#140
○野村参考人 私はラジオは聴取者は減らない、ただ契約者は聴取者の数のようにはふえませんが、ラジオの聴取者は決して減らない、むしろ多くなりはしないか。また私はラジオをどうしても聞いてもらわなければならぬ、NHKのラジオはどうしても聞かねばならぬというように、いい番組をもってラジオの放送をいたしたい、かように考えております。従って、そういうような考えを持ってラジオの放送をしておれば、自然にラジオの放送を聞かれる方々も契約して下さるだろうという期待をかけておるのであります。この一本化についてはテレビの受信者が相当ふえた場合を考えていることでありまして、今すぐどうするというわけではありません。テレビは必ず数年の後には数百万の数になるだろうと思います。その場合にはラジオとテレビの一本化ということを考えていいんじゃないか、またそういうように早くなるようにわれわれとしても努力していきたい、かように考えておるわけであります。
#141
○金丸(徳)委員 よくわかりましたが、実はその点、先日からのNHK御当局の説明の中に何かラジオの将来に対して、あるいはラジオの契約者の獲得について相当の困難があるかのように承わって非常に気になっておったものですから、そしてきょう会長の御決意を承わって、もしかそういうようなことのためにコンバインした経営の方がよろしいというようにお考えになっておられるとしますれば、また非常に考えなければならないと思っておったのでありますが、今そういうことでラジオの聴取者は将来に向ってもふえることはあっても減ることはあるまいという御希望に基いての三十四年度予算だとわかりました。
#142
○森本委員 時間もだんだん切迫して参りましたので、大体最後の質問をしてみたいと思いますが、三十四年度の今度のラジオの事業収入は、受信料の改訂とそれから受信者の増加によって三十三億四千万円の収入増加となっておりますけれども、この受信者の増加というものを除いて値上げだけの分での金額は幾らですか。
#143
○首藤参考人 約三十二億円でございます。
#144
○森本委員 そこで今受信料の免除者の分がだいぶ出ておりますが、今年度の免除者の分で、実際にこれを政府がかりに補給をするということになりますと、かなりの金額になると思いますが、免除者の分の総金額は幾らですか。
#145
○首藤参考人 現在免除しておりますものに今度範囲を拡大しますものを合せますと約七億円でございます。
#146
○森本委員 それからNHKがカラー・テレビその他の放送技術研究をやっておるわけでありますが、そのNHKの技術研究所、そういう方面の経費は全部で幾らですか。
#147
○首藤参考人 人件費を入れませんと四億一千七百万、それに研究に従事しております者の人件費を入れますと八億二千二百万でございます。
#148
○森本委員 それから固定資産税は幾らになりますか。
#149
○首藤参考人 四千六百万くらいでございます。
#150
○森本委員 今回六十七円から八十五円に値上げをいたしまして三十二億円ということでありますが、この六十七円から八十五円に値上げするというこの内容については、われわれもこの内容を見るとある程度同調すべき点もあるやに見受けられますけれども、しかし実際問題として、このNHKの六十七円を八十五円に値上げするというのはパーセンテージは非常に高いものになっておる。それからこれは六十七円から八十五円ということになりますと、各家庭ではわずかであるということをよくNHK当局は説明をいたしておりますが、こういうものはやはり連鎖反応をいたしまして、その他の物価の問題にも相当影響してくるのではないか、こういうふうに考えるわけであります。そういうことを考えて参りますと、この間の質問でも問題になりました今回のこのラジオの特別償却の六億円という問題についても、五年後におきますところの使途というものは不明確である。その場合には五年後の使途については、そのときはそのときでまた考えていきたいという答弁をする、しかもその特別償却ということについては、これは施設の取りかえといいますけれども、これはほとんど新しい施設を置くのと同様な意味を持っておるものであります。こういうものは場合によっては借入金というようなことでやる考え方を持っていないわけですか。
#151
○首藤参考人 特別償却の五年後の問題につきましては、先般の御説明がやや不明確であったように私は存じますが、これは五年後におきまして当然かかって参る経費がございます。それは借入金の返還金がふえるわけであります。それとFM放送の経費がふえて参ります、それから五年間に超大電力が完成されますと、その運用経費がふえてくるというようなことで、この特別償却の五年後終了に出ます余裕原資というものは、これらに当然充当されるのだと考えております。たとえば先般申し上げましたのは、その間におきましてこの五年間の受信者の増加を算定しておるのでございますが、それが今後の努力によりまして、それ以上にふえました場合に当然そのふえました分は、ただいま考えております計画の範囲内においては余裕原資になってくるのではないか、そういうふうな場合には、当然その分につきましてその後に起りました新規の、ただいま予想できません経費とかいうようなものがない限りにおいては、そのときにまた研究しなければならない問題ではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
#152
○森本委員 今の答弁を見ましても、やはり六億円の特別償却の点については私はまだ納得のいかない点があるわけですが、ただ、先ほど私が最初に申しましたように、公共放送というものの基幹的な料金を値上げするということはかなり慎重にしなければならないということは明らかであります。そこで値上げをして、そうして安易な運営をしていくということになると、われわれといたしましては今私が質問いたしましたように、ただ技術研究というものについて、あるいは国際放送について、あるいはまた免除者の分についてもこれを政府が補給をするということになってくるならば、この三十二億という金は大体出てくるわけです。それに近い金額が出てくる。それであとは若干経費を節約すれば出てくるわけであります。そこで、そういうふうにいたしまして、少くともこの値上げということについては相当慎重であってしかるべきであるというふうに考えるわけでありますが、そういう技術研究費を政府が補給するとか、あるいはまた免除者の分についての金を政府が補給するとかいうふうなことについては、NHKにまずお聞きしたいと思いますが、そういう要請を政府に行なったことがありますか。
#153
○首藤参考人 免除のことにつきましては、まだ御要求をいたしたことはございません。
 それから国際放送につきましてはいつもお願いしておりますけれども、私どもとしては十分なものは満たされておりません。
 また研究につきましては、個々の例としまして従来そういうことがあったわけでございますけれども、今日まで実現には至っておりません。
#154
○森本委員 これは政府はそういう点をNHKの要請がなくても、物価を値上げするということは自民党政府としても重大な問題でありますので、何とか値上げをせずにいくものはないか。しかしNHKは要るものは要るわけでありますから、その経費につきましては、先ほど言っておりますところの放送法の第三十五条に基いたものをやれば、これは十億円くらいの金は出てくるわけです。あとの免除者の分についても、かなりの金額が出てくるわけであります。そういう点については政府当局としてはお考えはなかったわけでありますか。
#155
○廣瀬政府委員 受信料の値上げにつきましては、御指摘のような心配をされるわけでございまして、最も慎重に研究をいたしたわけでございますが、いろいろな事情によりまして、明年度の予算といたしましてはやむを得ないだろうというように考えたわけでございます。
 国際放送につきましては、先般来御指摘のように、これは努めてその方向に考究されるべきであると思うのでございまして、十分とれなかったことはまことに遺憾に思っております。
 研究費あるいは免除等につきましては、私はこれはやはりNHK自体がやるべきじゃないかと思うのでございまして、研究費を独自に、政府の方から補助金を出すとかあるいはむしろ生活保護というようなことで、NHK自体がお考えになっているそのこと、あるいはまた政府も別に特に考えるべきだというようなことにつきましては、これは私どもはどうかと思うのでございまして、NHK自体がおやりになっているという程度が妥当ではないかと思うのであります。
#156
○森本委員 私は、そういう答弁を政務次官がすると、やはり一言言わざるを得ないと思う。やはり放送法の第三十四条と第三十五条に明確に出ておるわけです。いわゆる放送技術の研究については、すでにカラー・テレビの問題についてもNHKを中心として、郵政省はそういうことを研究しなさいということを指令しておるわけですよ。そういう放送技術等の進歩発達をはかるために研究を命じた場合には、政府が交付金を支給しなければならぬということになっておる。ところが今日まで一ぺんもやっていないわけですよ。先般電波監理局長に質問したと同様に、政府としても出したいけれども、財政が許さないから今日のNHKの財政にたよっている、答弁はこういうことです。それをあなたの方は出す必要がないというなら、私の方はそうじゃないと開き直らざるを得ないわけです。
#157
○廣瀬政府委員 さっきの研究のことにつきましてお答えしたときは、その条文を思い出しましたからあとの方で少しぼかして参ったのでございますが、研究につきましては、さような条文があるのでございますが、現在の国家財政からいたしまして、出したいのはやまやまでございますけれども、出せないというような事情にあるわけでございまして、その点さよう御了承願いたいと思います。
#158
○淺香委員長 ほかに質疑もないようですから、本件に対する質疑はこれにて終局いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#159
○淺香委員長 御異議なしと認め、本件に対する質疑はこれにて終局いたしました。
 これより討論に入ります。討論の申し出がありますので、順次これを許します。
 小沢貞孝君。
#160
○小沢(貞)委員 私は日本社会党を代表しまして、ただいま議題となりました日本放送協会の昭和三十四年度収支予算、事業計画及び資金計画に対して反対の討論を行わんとするものであります。
 反対せんとするおもなる理由は三つあります。
 第一には、今度提案されました収支予算、事業計画及び資金計画の中には、今まで月額六十七円であった放送聴取料が一躍八十五円と、約三〇%の値上げが計上されているということであります。
 第二のおもなる理由は、先般われわれ社会党が言論、思想、学問等表現の自由――この自由は憲法に保障された基本的人権でありますが、この自由を守るために身をもって反対した放送法の改悪を、いよいよ具体的に予算の裏づけをもって強行せんとするものにほかなりません。
 第三の理由は、このたびの値上げが国民生活に与える階級性にあると存じます。
 以下第一、第二、第二の理由について順を追うて簡単に説明して、委員各位の御賛成を得たいと存ずる次第であります。
 まず最初に、料金値上げについてであります。われわれもまた難聴地帯の解消、老朽設備の近代化、番組の充実向上、報道取材網の拡充強化、研究機関の整備、職員の待遇改善等々いずれも急を要するものと認めるにやぶさかでないのであります。しかし、これらの要求をただ安易に料金の値上げ、しかも大幅に三割も引き上げすることだけで行わんとすることには反対であります。NKHの総資産は約百億円と聞いておりますが、二十四年度においては特別償却を含めて三十三年度償却の三倍強に当る十四億円であり、三十四年度以降五カ年計画完遂の昭和三十七年度までの四カ年周に特別償却二十三億円を含めて実に六十四億円の巨額であって、わずか四カ年間に総資産の六四%を償却せんとしているわけであります。かかる償却が企業である他の民間会社、工場等に果してあるでありましょうか。NHKが本年より急速四カ年計画で技術のおくれ、設備の近代化を思い立たねばならない情勢にあるとするならば、協会の経営陣の無計画性を暴露せるものといわなければなりません。第一次五カ年計画は昭和三十三年度よりスタートしたのであります。計画を立て、それを完遂するからには、それに伴う資金計画、事業計画があるはずであります。しかるに第一年度である三十三年度にその見通しを立てずして計画を進め、第二年度で行き詰まったというがごときは全く無計画だったといわざるを得ません。それとも、昨年の衆議院選挙という政治的圧力に屈して、当初より計画がそごを来たしたというならば、政治的に中立であるべき協会が一党一派の党利党略に屈したと称されても仕方がないわけであります。さらに今後の増収を普及率の向上によって得んとする意欲が全然見当らないのであります。すなわち三十四年度のみは料金値上げによって、前年度より事業収入三十二億五千万円の増を見込んでおるのでありますが、三十五年度以降三十七年度までは普及率の伸びを年々一%前後として、事業収入の増はわずかに一億余円を見込んでおるにすぎません。年々一億円の増は、本年度の収納欠損額一億二千二百万円にも満たない額であります。これは協会が、ラジオ普及に全然熱意がないか、または故意に普及率の過小評価をし、事業収入の増を隠蔽して料金値上げの口実を作り出さんと計画したものにほかなりません。そのいずれにしても協会の公共性を忘れ、独占企業の上にあぐらをかいているものといわざるを得ません。
 次に放送文化の中央集権化であります。先般の私の質問に答えて、会長の答弁では、外遊の中で学んだ例を引用されて、よき地方新聞のあるところによき地方政治があると言われました。しかし、本年度事業計画、収支予算に現われているものは、教育放送、総合放送を前年度に比してそれぞれ二時間半と二時間増加させて、このための予算増は実に十七億円に近いものがあるわけでございます。それにもかかわらず、ローカル放送についての充実は具体的に何ら計画されておらないのであります。私は民主政治の健全なる発達のためには、地方自治の発展が基盤であるというように確信しております。新憲法もこのことのために、わざわざ一章を設けて、地方自治の発展の健全化を願っているわけであります。しかるに最近の保守政党の教育、文化関係の諸施策は、この精神をじゅうりんして、ことごとく中央集権的な支配を強行せんとしているまことに憂うべき状態であり、われわれの断じて許し得ざるところであります。たとえば最近における勤務評定、道徳教育、社会教育の改悪等々枚挙にいとまないほどでありますが、その中にあっても、今国会においてわれわれの反対を押し切って本院を通過させた放送法の改悪は、主として「公安及び善良な風俗を害さないこと。」という美名のもとに、NHKに対し放送の番組編集を規制し、官僚による統制の道を開き、最も自由闊達であるべき民間放送までもこれに準用せしめる等、言論、思想、表現の自由が著しく規制される憂いがきわめて濃厚であります。このようなときにこそ言論機関、特に放送による批判的精神の高揚と、地方における政治、教育、文化、産業経済、社会福祉等々多面にわたる番組充実の強化によって、放送文化の中央集権化と対決せねばならないわけであります。しかるに、先ほども申し上げたごとく、われわれの念願とは逆に、中央による地方支配を思わせるがごとき、十七億に近い予算増額によって、反動的政治、教育文化の支配を策するがごときを思わせる予算には断固として反対し、地域社会に密着した地方色豊かな放送ができ得る具体的な予算計上を要求せざるを得ないのであります。
 最後には、このたびの値上げのもたらす社会政策的影響についてであります。たびたび委員会で論議せられたるごとく、いかほど巨費を投じて局の新設、増設、増力を行なって、電波のカバレージは一〇〇%となろうとも、放送文化の恵沢に浴し得ざる階層は、ついに救い得ざるものと思われるのであります。すなわち、最近は普及率が逓減して、昭和三十四年度の見通しは、三十一年度の七十万件増加と比較して七分の一に激減さえ予想されているのであります。しかも、全放送聴取料の一割一分に相当する十数億円の徴収費を注ぎ込んでいるにもかかわらず、収納不能による欠損見込額一億二千余万円を計上せねばならないのが実情であります。このことは明らかに、受信機の購入、聴取料、電気料金の支払い能力のない階層が全国民の一割から一割六、七分はあるということを雄弁に物語つています。すべての国民は、健康にして文化的な生活を保障され、放送法には「協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」とうたわれています。しかるに、この事業計画、収支予算及び近く改訂を予定される受信料免除基準には、この国民的な崇高な目的を達成せんとする具体的な予算計画の何ものをも見出すことができないのであります。これは直接関係するNHKの韓部はもとより、政府の態度においても全く同様であります。すなわち、放送聴取料を国民の所得段階に応ずるような格差を付する意思のないこと、減免基準の拡大についても、さらに熱意のないこと、受信機の普及についての具体的な措置が何らとられておらないこと等々であります。憲法や放送法の目的とするところは、いかに貧しい階層にも電波の恩恵を、空気や水と同じように吸い取らせるようにすることではないでしょうか。このたびの値上げが、一律値上げの方針であるにもかかわらず、これらのことが全然考慮されていないのでありまして、これが反対の第三の理由であります。
 何とぞ思いをこれらの階層に向けられて、この予算事業計画に反対し、NHKをして組みかえ提案をせしめるよう念願いたしまして、反対討論を終りたいと存じます。(拍手)
#161
○淺香委員長 秋田大助君。
#162
○秋田委員 ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求める件に対し、私は自由民主党を代表して、これに承認を与うるに賛成の意を表するものであります。
 日本放送協会の収支予算、事業計画及び資金計画の当否を判断し、かつ毎年度の受信料の額を決定する権限と責務とは、放送法の規定により、国会に属しておりまするから、当委員会としては、これに対して十分なる検討を加えて、その適否を判定すべき責任を有するのでありますが、ことに、本議案の内容をなす昭和三十四年度の収支予算においては、ラジオ受信料の引き上げを含んでおりますので、わが党としても、これが取扱いは特に慎重を期したのでありますが、結論として本議案を承認するに決した理由を以下簡単に申し述べます。
 NHKは全国あまねくラジオ並びにテレビジョンのサービスを提供すべき公共的使命をにない、現に全国世帯の八二%、千四百万をこえる受信者を対象としているのでありますから、放送の普及のためにも、また多数受信者の負担を軽からしめる上からも、受信料はでき得る限り低廉であることを理想とすることは申すまでもありません。しかしながら一方において、NHKは現在、放送の全国普及義務を課せられ、また放送番組の面においても、公衆の要望を満たし、文化水準の向上に寄与すべき義務を負っており、さらに現在国会において審議中の放送法改正案が成立した暁においては、国際放送の業務、技術研究の業務も明確にNHKの重要なる本来業務の中に加えられ、番組の適正向上化に関しても一そう重い義務を課せられるに至るのであります。
 ここに一言いたしたいのは、最近ラジオ、テレビが国民の教育、教養に寄与する役割に対する認識が深められ、教育ラジオ、教育テレビの必要が強く叫ばれるに至ったのでありますが、NHK、商業放送二本立制のわが国において、この方面によりよく貢献できる立場にあるものは、商業放送にあらずしてNHKであります。NHKが施設面においても、番組面においても、今後最も力を注ぐべき分野は、ラジオ、テレビを通じて国民の教育、教養に資する面にあることは疑いを入れる余地のないところと思います。
 このように、NHKは商業放送とは別個の公共的使命をになっているのであって、いわゆる公共放送として、基幹放送として、ある場合には収支の採算を度外視しても、なすべきことをなさなければならない責務を負っているものとわれわれは解しているのであります。しかるに、他方NHKの収入源は、受信料収入に限られておりまするので、ここにNHKの使命遂行と、受信料の額との調整をいかにはかるべきかの問題を生じ、すなわち、今回の場合についていえば、NHKをしてその使命を果さしめるために、ラジオ受信料月額十八円の引き上げを認めることが正しいかどうかの判定が求められているのであります。
 本議案の内容を検討いたしまするに、NHKは別途昭和三十三年度より三十七年度に至る五カ年計画を策定し、この間に中波放送網の完成、テレビジョンの全国普及、FM放送の開設、国際放送の拡充、教育、教養番組の強化等をはかり、その一環として昭和三十四年度においては、ラジオの老朽施設の改善、放送番組、研究活動、国際放送の充実、テレビジョンの普及等に重点を指向して、NHKとして当然なすべき任務の推進に努めようとしているのであります。さらに、NHKとしては、現在類似業種に比し著しいおくれを見せている職員の待遇改善をはかるほか、その施設に対する過去の償却不足分も取り返して、財政の健全化をもはかっているのであります。従ってこの事業計画が承認を与えられたならば、NHKの事業は正常な軌道に乗り、国民によりよい放送を享受することができるでありましょう。しかしてわれわれとしては、国民は日本国中どこでもラジオが聞けるようになるならば、また番組の内容においてもよりよい放送をやってもらえるならば、放送料金の国民への負担はなるべく軽きに越したことがないことはもちろんでありますが、この際月額十八円程度の負担の増加には、この内容を大衆によく理解していただけば、進んで応じてくれるものと判断するのであります。
 元来、NHKの事業は大別してラジオ部門とテレビ部門とに分れておりますが、昭和三十四年度のテレビ部門の収支予算においては受信料は据え置きであり、事業計画も今日何人も急務と認める総合テレビ及び教育テレビの全国普及を最大目標としておりますので、これに対してはさすが反対がお好きな社会党にもあまり御異論がないようであります。これに反して、問題はラジオ部門の放送料金の値上げでございますが、社会党がラジオ受信料の引き上げに反対される理由の第一は、受信料の値上げはそれ自体国民大衆の家計に圧迫を加えるのみならず、連鎖反応によって他物価の高騰を促し、悪性インフレの誘因となるというのであります。もとより国民経済の安定はわが党の根本政策であり、軽々しくインフレの要因の発生を看過するようなことはあり得ないことでありまして、今回の受信料の引き上げに際しても、それが絶対の必要であるかどうか、それが経済界ないし国民生活にいかなる影響を及ぼすかを慎重に検討したのでありますが、その結果として、第一に、戦前を基準として現在における諸物価の騰貴率を比較した場合、ラジオ受信料は今回の引き上げをもってしても、なお著しく低位に置かれておることは明らかであります。一例を申せば昭和八年を基準として、今日卸売物価は三百六十八倍、新聞は三百四十八倍、郵便は三百三十三倍、映画は二百十二倍、鉄道運賃は百五十三倍となっているのに比較し、ラジオは現行受信料で八十九倍、引き上げ後も百十三倍にとどまるのであります。またわが国の受信料をイギリス、フランス、西ドイツ、その他欧州各国の受信料と比較したところによりましても、わが国の受信料は改訂後においてもほとんど最下位にあるのでありまして、わが国の受信料が諸外国に比しても、他物価に比してもはなはだ低廉であることは疑いを入れない事実であります。
 次にラジオ受信料引き上げの家計に及ぼす影響はもとより絶無ではありませんがきわめて微々たるものでありまして、総理府統計局の資料に徴しても、受信料が家計支出中に占める割合というものは、昭和三十三年、現行料金で〇・二二%、八十五円に値上げしても〇・二八%、これを勤労者の総収入に対する割合で見れば、値上げ前〇・一七%、値上げ後〇・二一%という状況で、とりたてて論ずるほどのものではありません。ことにわが国の国民所得は毎年着実に増加しており、その若干をさいてより高い放送文化を享受し得るとすれば、それが家計の僅少なる膨脹を伴うにせよ、文化国家の建設を目途とするわが国のあり方としては、当然というべきでありましょう。また受信料金の引き上げが連鎖反応を起して他物価の高騰を誘発するという論は、反対せんがための反対のきらいがございます。他物価のコスト形成とほとんど無関係ともいうべき受信料金の値上げが連鎖反応を起すべきいわれなく、いわんや悪性インフレの誘因となるというに至っては、誤解もきわまれりといわざるを得ません。
 次に社会党は、NHKのラジオ収支が赤字を生ずるならば、これを補てんする方途は、財政資金の融通及びその利子の国庫補助等の手段によるべきであって、受信料の値上げに待つべきではないという主張のようであります。しかしながら、NHKのラジオ部門の新規建設計画は、目下策定中の五カ年計画をもってほぼ完成の域に達するものであり、これが資金は外部資金に仰ぐことになっておりますが、今回料金の値上げを財源として実施しようとするところのものは、老朽陳腐化施設の取りかえ、その他差しおきがたい業務改善に属するものでありまして、これら経常的経費を財政資金にせよ外部資金にたよることは、NHK収支の健全を害することは明瞭であり、たとい今回の値上げは免れたとしても、これら借入金の元利返済支払いのために将来再三にわたって値上げを余儀なくされ、しかもその値上げ額の総計は、理論上利子の加算分だけでもこの原案による十八円の値上げを上回ることは必至で、結局は大衆の負担を増すものであります。かくのごとく将来値上げ措置を毎回にわたり繰り返すことは、NHK財政の将来に暗影を投ずるものであります。おそかれ早かれ料金の改訂を必要とするならば、経済情勢の比較的安定している今日これを実施して、今後長期にわたり、NHK収支の安定とラジオ放送料金の安定をはかることが賢明かつ適切な施策であることは言を待たないところであります。
 なお言論の自由を抑圧しあるいは思想その他経営全般にわたり本計画は中央集権化の傾向を強めるものであるという御非難がございましたが、これは事実に反する反対せんがための反対であって、とるに足らぬ議論であると思うのでございます。
 これを要するに、公共的使命を達成するためにNHKとしては少くともこれだけのことはしたい、また国民としてもしてもらわなければならないぎりぎりの必要に迫られて策定されたのがこの事業計画であり、この計画を達成するために必要なのがこの収支予算であります。しかもこの計画に基くラジオ放送料金の値上げが家計と国民経済に及ぼす悪影響のほとんど認められない以上、本承認を否定する有力なる反対論拠を発見するにわれわれは苦しむものでございます。由来NHKの公共性に対して深い認識を示されていた社会党が、今回わずかの受信料値上げに拘泥して全面的に反対の態度に出られたことは、私の意外とし、かつ遺憾とするところであります。自由民主党といたしましては、まず本事業計画の内容をしさいに検討し、次いで本収支予算、なかんずくラジオ受信料引き上げの影響についても慎電考究の結果、本議案の内容は適切妥当なものと認め、これに承認を与うるに賛成いたすものであります。
 最後に私はNHK当局に対し、国民は今回の受信料の値上げを応諾する半面において、NHKがよりよい放送を提供してくれることを要望し期待しているのでありますから、NHKとしてもこの要望と期待とにこたえるよう、最善の努力を傾倒せられんことを希望いたしまして、私の討論を終ります。
#163
○淺香委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件に承認を与うべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#164
○淺香委員長 起立多数。よって、本件は承認を与うべきものと決しました。
 なお、本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#165
○淺香委員長 御異議なしと認め、さよう決します。
 この際、寺尾郵政大臣及び野村日本放送協会会長より、それぞれ発言を求められております。これを許します。寺尾郵政大臣。
#166
○寺尾国務大臣 ただいまは、日本放送協会の昭和三十四年におきます事業計画、収支予算並びに聴取料の問題等につきましては連日にわたりまして御熱心なる御審議を賜わり、御承認をいただきますことになりましたことを深く感謝いたし厚く御礼申し上げます。
#167
○野村参考人 NHKの昭和三十四年度収支予算、事業計画及び資金計画について、本日当委員会において御承認をいただいたことを非常に感謝いたしましてここに厚く御礼を申し上げます。
 本年度の予算は平年度の予算と違ってラジオの受信料値上げを内包した予算でありまして、皆さんにおいて慎重御審議をいただき、またいろいろの御議論、御意見を拝聴することは私としてこの点非常に感銘いたしておるのであります。私はこの予算を編成するにつきましてはできるだけ受信料の値上げを控えていきたいということを考えましたけれども、NHKの使命を達成いたしたいという強い念願から必要悪と思ってこの受信料値上げを計画いたし、そうしてこの予算案を政府を通じて国会に提出いたした次第であります。私はこの受信料の値上げによって私どもNHKに課せられた大きな使命を十二分に達成するように、最善の努力を尽していきたいと思います。先ほど受信料の上にあぐらをかいてはいかぬということを仰せになりましたが、私は前々から受信料の上にあぐらをかいてはいかぬ、ことに受信料の値上げによって安易なる経営をいたしてはならぬということを強く協会の同人に言っておるところであります。今後ともわれわれの最善の力を尽して経営の合理化をはかり、そうしてよい番組をよい施設、技術によって国民によりよくサービスをいたして、国民の御期待に沿うように努めていきたいと考えております。今後ともよろしく御協力をお願い申し上げます。(拍手)
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#168
○淺香委員長 この際参考人招致の件についてお諮りいたします。来たる十九日木曜日午前十時三十分より当委員会において、電気通信に関する件について国際電信電話株式会社より参考人を招致し、意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#169
○淺香委員長 御異議なしと認め、さよう決します。なお、参考人の人選については委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#170
○淺香委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。
 次会は来たる十九日木曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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