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1958/03/05 第31回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第031回国会 大蔵委員会専売事業に関する小委員会 第3号
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1958/03/05 第31回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第031回国会 大蔵委員会専売事業に関する小委員会 第3号

#1
第031回国会 大蔵委員会専売事業に関する小委員会 第3号
昭和三十四年三月五日(木曜日)
    午後二時十三分開議
 出席小委員
   小委員長 濱田 幸雄君
      奧村又十郎君    西村 英一君
      山下 春江君    石野 久男君
      田万 廣文君    廣瀬 勝邦君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (大臣官房日本
        専売公社監理
        官)      村上孝太郎君
 小委員外の出席者
        日本専売公社総
        裁       松隈 秀雄君
        日本専売公社塩
        脳部長     小林  章君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 専売事業に関する件
     ――――◇―――――
#2
○濱田小委員長 これより会議を開きます。
 専売事業に関する件についての調査を進めたいと思います。
 本日は、前回の小委員会におきましてその要綱の説明を聴取いたしましたところの塩業整備臨時措置法案につきまして、その政令案について政府当局より説明を聴取することといたします。村上政府委員。
#3
○村上(孝)政府委員 ただいまお手元にお配りいたしました「塩業整備臨時措置法施行令案要綱」という印刷物をもとにしまして、御説明をいたします。急速に作成いたしました関係上、表現についてまだ十分な政令の体をなしておりません。また論理的にもすべてを尽しておるかどうか、少し研究を要する素案の段階でございまするが、法案の実体的な御理解を願いますために、特に御関心の深いと思われます第三条につきましては、できるだけ詳細に規定してみたつもりでございます。これから政令案でわれわれの考えております実体的な内容についての御説明を申し上げたいと存じます。
 まず第一には、第二条の第二項にある政令でございますが、そこにございますように「災害等の事由により塩の製造が廃止されたため、従来これにかん水を供給していた者が、その製造を継続することが困難となった場合について定めるものとする。」あまり適用の機会はないかもしれないわれわれの想定をいたしましたケースでございますが、取り消しと同じように、これに準ずるような理由で、鹹水の製造者が生産継続が困難となった、すなわち災害等の事由によって塩の製造が廃止され、これに従来鹹水を供給していた製造者がその生産の継続が困難となった場合においても、自主的な廃業の選択を認めよう、こういう規定でございます。
 その次が問題の第三条でございますが、これは非常に複雑をきわめますので、そこにございますように、それぞれの政令に該当するものについて横線で表わしております。これを政令の形にしますと、同じことを三度繰り返していくような形になりますので、実体を述べまして、その実体についてそれぞれの政令に相当する部分に記号をつけたわけでございます。
 この第三条は、法文を読んでいただきますとおわかりになりますが、三つの政令が引用してございます。「交付金の額は、その交付を受けるべき廃止業者につき、その製造の廃止の際に当該製造の用に供されている製塩施設の当該廃止による減価をうめるための費用、当該廃止に伴って必要とされる退職金を支払うための費用、当該廃止の際に当該製造の用に供されている塩田を他の用途に転用するものとした場合に必要とされる費用その他政令で定める事項」というのがまず第一の政令でございます。これは傍線を右に付してございます。ここは、いわば積算の事項で、法文に列挙しないものを政令に譲っておるわけでございます。その次には、この政令に続いて「それぞれ政令で定める算定基準により算定した金額の合計額とする。」その次の政令は算定基準を詳細に規定した政令でございます。一項にはこの二つの政令があるわけでございます。二項に「前項に規定するもののほか、同項に規定する製塩施設及び塩田の範囲、当該製塩施設の減価の算定方法その他交付金の額の算定に関し必要な事項は、政令で定める。」これが三番目の政令でございまして、これはそれぞれ、塩田の範囲はどうかとか、あるいは帳簿価額はいつの決算を見るとか、そういうふうな算定方法の詳細についての事項を規定する政令でございます。
 この三つの政令をそれぞれ組み合せますと、次に書いてございますようないわゆる交付基準に関する全貌が浮き上ってくるわけでございます。第三条関係の政令について読みながら御説明申し上げます。「交付金の額は、次の積算基準によってそれぞれ算定した金額の合計額とすることを定めるものとする。」「一、一般の積算基準としては」「(1)製塩施設の減価をうめるための費用に相当する金額」これは法律に書いてある文句でございますが、その金額は「廃止日現在における製塩施設(塩又はかん水の製造の用に供されている固定資産で土地を含まないものとする。)の現在価額」施設の定義があるわけでございます。その現在価額のさらに詳細な規定としまして「(廃止業者が法人の場合は昭和三十三年中の最終決算日、」個人の場合は、事業年度がなくて、青色申告の関係から暦年決算ということになっておりますので、「個人の場合は昭和三十三年十二月二十一日の、適正と認められる帳簿価額を基準とし、廃止日までの法定減価償却費を控除した額とする。帳簿価額がない場合は推定取得価額から廃止日までの推定減価償却費を控除した額とする。)からその処分見込価額(鑑定人の評価額)を控除した額」こういうふうなものになるわけであります。
 一般積算基準としての(2)は、退職金についての積算方法でございまするが、「退職金を支払うための費用に相当する金額は、昭和三十三年中に支払われた給与の額」しかし、三十三年中に支払われた給与の額から廃止日までにすでにやめておるものを差し引かねばなりませんので、カッコでより詳細に「(廃止日に在職する常傭の従業者に支払われた基準内賃金のうち廃止された製造に係る部分)」事業の一部がやめます場合には、その廃止された製造にかかわる分「に廃止日現在における平均勤続期間(計算は月単位で行い、一月未満の端数は切り上げる。)」この平均勤続期間の算定方法によって計算しましたものを「一月につき百二十分の一を乗じたものに相当する額から廃止日における退職給与積立金の額に相当する額を控除した金額」この言葉はなかなか複雑なので、参考に数式を表わしておきましたが、十年の勤続者に対して一カ年の退職金が渡るような原資を確保したいという今度の積算基準の趣旨から申しますと、平均勤続期間に比例して出しますと、給与の額かける十二分の十二かける百二十分のn。nは平均勤続月数でございます。もしこれが十年でありますと、nは百二十という数字になりまして、十二分の十二も一、百二十分のnも一、結局一カ年分の給与の額が渡る、こういうことになるわけでございます。
 それから、「(3)廃止業者が法人である場合には、その法人を清算するために必要な費用に相当する金額は、交付金額の二%を限度として公社が特に必要と認める額に相当する金額」これは清算費用に関する積算基準であります。
 それから、二は「次に塩田製塩業者に特殊な積算基準として」「(4)塩田(かん水の製造の用に供されている土地で、撤砂面、流下盤、濃縮施設等の敷地及びこれらのものに附属してかん水の製造の用に供されている施設の敷地をいい、堤防上、玉土手上又は工場構内にある濃縮施設及び流下盤の敷地を除く。)」塩田の範囲に関する規定がカッコの中の三番目の政令の規定として引用してあるわけであります。「を他の用途に転用するものとした場合に必要とされる費用に相当する金額は、塩田の面積一ヘクタールにつき八十六万七千円に相当する額。」を言うんだ、こういう規定でございます。
 (5)は塩田製塩業者再建に関する転業資金の規定でございますが、「塩田製塩業者及びこれに準ずる温泉熱利用製塩業者に対し、納付塩量(昭和三十三年中の実績を包装白塩に換算した数量とする。)に廃止を申請した日における包装白塩の収納価格を乗じて得た額の三割に相当する金額。但し、塩田製塩業者の納付塩量が、廃止塩田一ヘクタール当り百五十トンに満たないときは、百五十トンとする。」こういうふうになっております。
 三番目は、この前も御説明申し上げましたように、廃止が早ければ早いほど過剰塩の発生は少くなる、過剰塩の発生が少くなれば、それだけ国損が減るということの見合いとしまして、実質的な赤字について、昭和三十四年度中に自主的な廃業を申請した者に対して、赤字分に対する資本投下未回収額、資本投下回収不能額を見てやろうという規定でございます。「三、この他に、昭和三十四年度中に自主的廃業を申請して廃業の許可を受けた者に対する特殊の積算基準として」「(6)昭和三十四年度中に製造廃止の申出をした製造者には一の(1)製塩施設の減価をうめるための費用に相当する額によって回収できないと認められる資本投下額のうち公社が適正と認める額に相当する金額」これを平たい言葉で言えば、実質的な赤字ということでございます。これが第三条の関係の政令でございます。
 その次は、第四条一項は、交付金を請求する手続についての規定でございますが、そのうちの政令、これは大した政令ではございませんが、塩業整理交付金交付請求書の書式及び添付書類等についてきめるようになっております。
 それから、第四条の二項は、「公社は、特にやむを得ない理由があると認めるときは、政令で定めるところにより、前項の請求書の提出期限を延期することができる。」廃止の日から二カ月以内に塩業整理交付金交付請求書を提出しなければならぬことになっておりまするが、この二項の規定によりまして、特に理由があれば延期できる。「第四条第二項関係」は「請求書の提出期限を延期しようとする者は、公社の定める書式により理由を附して公社に申請すべきことを定めるものとする。」こういうふうな規定でございます。
 それから、四条には四項にも政令がございます。これもこの前御説明申し上げましたが、退職金とか、転業資金とか、あるいは施設の減価を埋めるための経費、あるいは塩田を転用するものとして積算したいわゆる塩田交付金相当額のものにつきましては、原則として昭和三十四年度中に交付することといたしておりますが、施設につきましては、これを分割交付するといいますか、実質的に金融機関への償還になります分について、これを分割交付できるような規定になっております。「交付金は、原則として昭和三十四年度中に交付することとするが、製塩施設の減価をうめるための費用相当額については、昭和三十四年度中に償還期限の到来する分のみを同年度中に交付し、残額は、分割して交付すること及び清算費用相当額については、公社が必要と認めるつど、これを交付することを定めるものとする。」こういう規定でございます。
 それから、その次は第七条の政令でございまするが、取り消しを受けたことによって通常生ずべき損失に対して交付する金と、それから自主的廃業を申し出た場合の交付金との間に著しい均衡を失するようなことのないように、その差額を限度といたしまして特別交付金を交付することができるような規定になっております。その政令できめるのは、「特別交付金の算定方法は、第三条の交付金の額(三を除く。)」先ほど申しましたように、三は三十四年度中に自主的廃業を申し出た者についてのみ認めるわけでございますから、「(三を除く。)から補償金の額を控除した額とすることを定めるものとする。」こういうふうに規定してあるわけでございます。
 それから、第八条でございまするが、第八条の最初の政令は、いわゆる副産塩という特殊な塩、これは硝石に塩化カリを加えて肥料をとる、その際黒い塩がジョイント・プロダクトとしてできるらしいのでございますが、そういう特殊な副産塩につきましては、今回の整備とは全然範疇を異にする部門として取り扱うべきであるということで、これを除いているわけでございます。「副産塩を製造する者と定めるものとする。」副産塩については除くということであります。それから、納付金については、そこにございますように、「二百円をこえない範囲内において政令で定める額」と書いてございますが、その「納付金は、納付塩一トンにつき五十円とする」ということを予定しておる、こういうことでございます。
 それから、九条の政令でありますが、第九条は異議の申し立ての手続に関する規定であります。一、「異議の申立手続については、異議申立書の記載事項(申立人の氏名及び住所、法人にあってはその名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名)、添附を要する書類(処分通知書の写、異議の内容を立証する書面)及び異議申立書の提出先(経由機関)」を経由して出せということを定めるのだ、こういうことでございます。それから、「審査の手続については、異議申立書を受理した日から一カ月以内に審査を開始することを定めるものとする。」それから、決定の手続につきましては、「異議の申立に対する決定書は、異議申立書の提出先(経由機関)をとおして通知すること」等々を定めるということが書いてあるわけでございます。
 それから、その次は課税の特例に関する政令でございますが、課税関係は技術的に非常に繁雑な政令文になりますので、ここでは実態をわかりやすく表現して書いてみたわけでございます。第一項の関係でございますが、これは施設の減価を埋めるための交付金相当額の記帳を認めるという規定でございます。一は「本項の規定の適用を受けるためには、申告を要すること等を定めるものとする。」二は、「製塩施設の取得価額又は帳簿価額を減額することができる額は、製塩施設の減価をうめるための費用に相当する交付金の額とすること等を定めるものとする。」三は、「処分見込価額は、製塩施設の取得価額及び帳簿価額から、製塩施設の減価をうめるための費用に相当する交付金を控除した額とすること等を定めるものとする。」
 それから、十条の二項は、塩田を他の用途に転用するものとした場合に必要とされる費用の積算基準、これについても、二年以内に資本的支出に充てた場合には益金に算入しないという規定でございますが、一、「塩田を他の用途に転用するものとした場合に必要とされる費用に相当する交付金については、その交付を受けた日から資本的支出をする日までの間仮勘定として経理した場合は、これを損益に関係させないものとするほか、本項の規定の適用を受けるためには、申告を要すること等を定めるものとする。」二年以内に資本的支出に充てられない場合に、法人にあっては益金に算入される。個人のときにはその次の三項に規定しておるわけでございます。ここでいう資本的支出はどういうものか。その内容は、政令で、「資本的支出は、塩田を農地等に転用するための造成費その他営業用固定資産の取得のための支出と定めるものとする。」こういうふうに規定してあるわけでございます。
 それから、十条三項関係、これは、先ほど申し上げましたように、個人の場合に、この「塩田を他の用途に転用するものとした場合に必要とされる費用に相当する交付金を資本的支出に充てなかったときに」どうなるかという規定であります。「これを総収入金額とみなす時期及び本項の規定の適用を受けるためには、申告を要すること等を定めるものとする。」その収入金額は一時所得と見よう、こういうわけであります。
 それから、第十条の五項にもやはりまた政令がありますが、この政令は、「交付金のうち退職金を支払うための費用及び清算費用に相当する交付金については、その交付を受けた日から退職金及び清算費用として実際に支出される日までの間、これらを仮勘定として経理することを認めること等を定めるものとする。」課税の特例についてはこれらの政令を予定いたしております。
 それから、十一条の政令は、昭和三十七年における基準価格をどうきめるかという問題でございます。「基準価格は、昭和三十七年四月一日から包装白塩一トン当り一万円と予定することを定めるものとする。」こういうふうな政令の内容をわれわれは考えております。
 それから、第十二条は、臨時塩業整備審議会の組織及び運営に関し必要な事項を定める政令でございます。「臨時塩業整備審議会(以下「審議会」という。)の運営に関し必要な事項として、次のことを定めるものとする。」「一、審議会に会務を総理するため会長を置き、会長は委員のうちからの互選とすること。」「二、公社は、その定めるところにより、委員に対し手当及び旅費を支給すること。」「三、関係行政機関の職員、公社の役員若しくは職員又は塩業関係者は、会長の許可を受けて、審議会に出席して意見を述べることができること。」「四、審議会の事務は、公社の主たる事務所の塩業整備を担当する部局において処理すること。」「五、この政令に定めるもののほか、審議会の議事及び運営に関し必要な事項は、会長が審議会にはかって定める議事規則で定めること。」これらはすべて審議会の政令文でございます。
 以上、われわれが現在考えております政令の内容をなしておることで、特に今度の法案の審議で御理解を助けるために必要であると思われるところをできるだけ拾ってみたわけでございます。具体的なこの政令の文章は相当変ってくるかもしれないと存じますが、実態については、われわれとしては、現在考えられることをできるだけ御披露して、審議の便のお役に立てたい、こう考えまして、まとめてみたわけでございます。
 以上で私の説明を終ります。
#4
○濱田小委員長 続いて質疑に入ります。奧村又十郎君。
#5
○奧村小委員 まずお尋ねいたしたいのは、先般来われわれも申し上げておりますように、この塩業整備臨時措置法というものは、現行の塩専売法の規定からはかなりワクをはずれた思い切った制度を新たに作ろうということで、専売公社としての運営からいっても、これは重大な問題であります。従って、これを公社がおきめになり、大蔵大臣と御相談になって国会に提案するについては、当然専売事業の審議会に諮らねばならぬと思うのですが、専売事業審議会の答申はどうなっておりますか。
#6
○村上(孝)政府委員 専売事業審議会には、特にこの問題に関する諮問をいたしておりませんが、こういうふうな塩業整備にならざるを得ない経緯から今日に至りましたので、法案を提出するまでの沿革その他については、そのつど御説明を申し上げてあります。
#7
○奧村小委員 これは総裁にお尋ねいたしますが、今のような答弁でよろしいですか。総裁は御承知の通り専売事業審議会の諮問を経て総裁に任命されているのです。従って、専売公社の運営については、これはすべて専売事業審議会に諮らねばならぬという規定になっている。先般の御答弁では、法律に規定されておらぬ塩業審議会がこうであります、ああでありましたということで、その方へ公社総裁は答弁を逃げているけれども、法律にきめた専売公社総裁の重要な諮問機関である専売事業審議会にこれを諮られなくてもいいのですか。総裁の責任として一つ御答弁を願いたい。われわれも、これを審議するのに、法律できめた専売事業審議会の機構をせっかく差し上げてあるのです。それを総裁が無視して、こういうことを提案されるということは重要な問題で、総裁はこれをどうお考えですか。
#8
○松隈説明員 専売事業審議会は、日本専売公社法第九条に規定してございまして、大蔵省に専売事業審議会を置くということになっておりまして、これは大蔵大臣の諮問機関ということになっております。
#9
○奧村小委員 それでは村上監理官にお尋ねしますが、今大蔵大臣がおられぬから、大蔵省の意見としての答弁でありますが、あなたは専売事業審議会に諮る必要はないというのですか。
#10
○村上(孝)政府委員 専売事業審議会と申しますのは、広く公社の業務の運営に関していろいろ御相談に乗っていただくわけでございます。今回のような塩業整備という非常に特殊な問題になりますと、その関係の学識経験者といいますか、そういう方々に集まっていただいて、しかも数度にわたってひんぱんに行わねばならぬと申しますか、慎重審議をしていただかねばならぬという関係から、この前の昭和二十五年の国内塩の自給対策を閣議決定いたしますときにも、塩業審議会に総裁から諮問しまして、その答申を大蔵大臣が適当と認めて閣議にあげるというふうな手続になっておりまして、今回のような塩業整備事業という特殊な問題になりますと、大体月に一回くらいしか集まっていただけないような専売事業審議会よりは、もっとそれに集中した特殊な人を集めて、数回、あるいは今度の塩業審議会では二十五回にわたって審議していただいておりますが、そちらの方が私としては適当であろうかと思っております。なお、この問題については専売事業審議会に全然諮っておらぬというわけではないのでございまして、毎月一回専売事業審議会は開かれておりますが、一昨年の十二月十八日の国内生産対策要綱以来この塩業整備に至る今日までの状況については、そのつど詳しく御説明して、御了承を得てあります。
#11
○奧村小委員 委員が少いから、それであなたは答弁になると思っておるかしらぬが、諮問をかけたならかけたで、答申も出なければならぬし、その答申があれば、われわれ法律をもってあなた方にこの制度を与えてあるのだから、このせっかくの審議会の制度を経ておられるなら、審議会の答申というものを、われわれにこの法案の審議の参考のためにお出しになったらいい。何か、今の御答弁では、月に一回集まって座談的に話したとかせぬとか、そういうことは公式の席で政府委員の答弁にならぬ。だから、今の御答弁は私は受け取っておきません。もっと別の機会に大蔵大臣にお尋ねします。
 専売公社の総裁にお尋ねいたします。この塩業整備臨時措置法で、やめる人には交付金を上げよう、あるいは補償金を上げよう、こういうことは、その提案の趣旨には、何か国民生活に非常な影響があり、ただ専売事業だけの立場でなしに、これを放置すれば社会不安も起すというような非常な広範な理由、そういうことは専売公社の業務としてはなすべきものじゃないと私は思う。業務の中には、そういう整理をして補償金を出すというような業務はない。だから、これは本来は専売公社として公社の予算でなすべきものじゃないのです。一般会計からこの金は出すべきです。このように思うのです。だから、公社の運営上、こんなことを公社としてやるかどうかということは、事のよしあしは別として、公社がこれをなすかどうかということについては、これは重要な問題です。そうしたら、その重要な運営上の問題について専売事業審議会の審議を経ないということは、総裁としては非常に無責任な態度ではなかろうか、こういうことになるわけです。これは一つ大蔵大臣と御両所おそろいのところで私はもう一ぺんお尋ねいたしますから、よくお考えおきをいただきたいと思います。
 それから、実は資料がそろいませんので、私の方も十分お尋ねする準備が整っておりませんが、錦海湾塩業組合、これは岡山県の邑久郡にあるということでありますが、これが製造の許可はいつでありましたか。先般の当委員会における御答弁によると、昭和三十一年十二月末という御答弁でありました。われわれの調べたところによると、事実と相違しておる。一体許可は何月幾日になさったのですか。
#12
○松隈説明員 錦海湾塩業に対しまする形式上の許可は、本社といたしまして製造許可方を承認いたしましたのは、三十二年の五月三十日。それを地方局に通達いたしまして、地方局長が製造許可書を与えた日は、三十二年の八月六日です。
#13
○奧村小委員 これは現松隈総裁の在任中の仕事ですか。
#14
○松隈説明員 私は三十二年の六月二日に就任をしておりまするので、本社が製造許可方針を承認決定した当時は総裁ではございません。ただし、その許可が地方へ回っていて、地方局が許可書を渡した三十二年八月六日は、総裁として在任しております。
#15
○奧村小委員 実は、錦海湾塩業組合の実態なり、許可のいきさつなり、融資状況なり、またその後の工事の状況などを調べてみると、専売公社はずいぶん放漫なことをなさったように感じられるし、政府としてもまた放漫な融資をしたと思うので、この点はこの際よく検討してみたいと思う。と申しますのは、大体こういうことは昭和三十二年に起っておる。昭和三十二年に専売公社のなさったことは、一方において大幅に製造施設を拡大させながら、一方においてはもう整理の方針を立てておられる。過剰になって整理をしよう。そういう実態がおわかりになって整理なさるならば、一方において膨大な工場施設なんかやらさないでおけばいい。昭和三十二年中に新設だけでも八工場ですか、まだ昭和三十四年においても新設工事継続中で、完成するのがおそいのは昭和三十五、六年にかかる。そうして現にりっぱに事業を運営しておるものはやめさそう、もしその計画通りにいかなければ強制的にもやめさそう、そんなことがわかっておって、どうして一方に無制限にやらしたか。この点については政府、専売公社に責任があると思う。これを明らかにしなければこの法案は通せません。というのは、政府の責任を明らかにして、これは政府が誤まった、そのための犠牲であるから補償金を出すというならわかるけれども、政府は塩専売法に基いて誤まったことはしておらぬというならば、この塩専売法にはやめたから補償金をやるというような規定はないのであるから、それをどっちかに割り切って、政府の態度あるいは専売公社の総裁の責任を明らかにしていただきたい。だから、私の所論がそこへ参る一つの段階として、きょういろいろお尋ねしている、こういうわけでありますから、そのおつもりで御答弁をわずらわしたい、かように存ずる次第であります。
 そこで、日本専売公社業務概況報告書昭和三十二年度、これを読んでみますと、昭和三十二年度だけで塩の製造を三十五万トン許可しておられる。これは事実でありますか。表によりますと、昭和三十一年度における製造許可が百八万トン、それが昭和三十二年度で百四十四万トン。これは稼働中のものだけであります。このように出ておるが、これは事実でありますか。
#16
○松隈説明員 ただいまお述べになりました数字は、専売公社が収納いたします塩の増加量でございまして、従来許可されておって、そうしてその能率がフルに発揮されてきたというようなものまで入って、年度によって塩の収納数量がふえておる。全部ふえた分が純然たる新規許可というわけではございません。
#17
○奧村小委員 塩の製造の許可につきましては、たとえば錦海湾の塩業組合に対する許可についても同様でありますが、製造見込み能力、錦海湾については十一万二千トン、これは年産です。こういうように製造見込み能力というものをもって許可しておる。だから、年十一万二千トン製造できる能力の範囲までの製造設備は、現在でも拡張されるということになっておる。従って、製造の見込み能力、つまり製造許可高というものが私は問題になると思う。そこで、この業務概況報告書昭和三十二年度の六十八ページにある表です。昭和三十一年度の許可は百八万トン、それから昭和三十二年度末は百四十四万トン、これは製造見込み能力の許可をここまでした、こういう事実を記録してあると思うのですが、その通りですか。
#18
○小林説明員 塩専売法六条に、一カ年の製造能力というものをきめることになっておりますが、私は黄表紙の本の内容は詳しくは記憶しておりませんので何ですが、おそらくそれにありますのはそれを言っておるのじゃないかと思いますが、いわゆるそれは最大の能力を一応見て許可しておるということになっておりますので、流下式への転換等によりまして許可高の変更が行われたものと考えております。
#19
○奧村小委員 そこをはっきりしていただきたいが、たとえば錦海湾の塩業組合とか松浦何とかいうものは現にただいま設備を施設中です。これは政府もおやめなさいとはよう言わぬでしょう。つまり十一万二千トンの許可能力の施設をやることについては政府はとめぬでしょう。専売公社でとめておらぬ。従って許可能力までは設備をこれからもふやしてもいい、こういう専売公社のお考えなんでしょうか。
#20
○小林説明員 大体お話の通りでありますが、これは、過日来御説明申し上げておりますように、現在の専売公社法では、許可した以上は、法律違反等のことがなければそれを取り消せない、従ってそれだけの施設はできるということになっておりますが、なお、この法案を通していただければ、例の先ほど御説明いたしました臨時塩業整備審議会で合理化計画書をとりまして、そこでスクリーンして、あらためてその辺をもう一度再検討したい、さように考えております。
#21
○奧村小委員 そこがお役人の仕事というもので、みすみす過剰になってむだの金も投下されるから、ここである程度設備を制限して、そうしてなるべく犠牲を少くする。それはしろうとでもわかることを、お役人の考えではそういうことになる。しかしちゃんと書いてあるじゃないですか。この製造につきましては、塩専売法の第九条に、「製造数量を制限することができる。」とある。製造数量を制限することができるという、この第九条を生かして、特に錦海湾の工場なんかは、御承知のように工事中でも見通しを誤まって、堤防がくずれて、やりかえしているでしょう。変更の申請を出したでしょう。そうしたら、工場は幾つも作るのだから、次を一つ待ちなさい、やめなさい、こう法律に基いて言えるのじゃないですか。それも言えぬのですか。専売公社の法律解釈では言えぬというのなら、言えぬということをはっきりして下されば、これはまた本委員会で取り上げます。
#22
○小林説明員 この解釈は、現に製造しておる数量を制限する規定でありまして、先ほどの一年の製造能力とは違うというように考えております。
#23
○奧村小委員 第九条は一年の数量の制限ではないというのですか。つまり、私の申し上げるのは、許可したときの製造見込み能力もこの第九条によってある程度制限することができる、かように私は解釈しておるのですが、公社はそうじゃないというのですか。
#24
○小林説明員 先ほど申しましたように、六条の一カ年の製造能力というのは、最高の能力を従来の許可の際に書いてきております。九条はその範囲内でこれを制限する、こういうように解釈しております。
#25
○奧村小委員 つまり一年の最高能力は許可能力で、現実に専売公社の塩の需給の立場からそれを制限することができるという第九条でしょう。そうしたら、需給が非常に緩和され、むしろ過剰になったのだから、この第九条で制限することができる、こういう解釈は私ははっきり成り立つと思うのですが、それなら現に工場の申請中のものなどは、ある程度制限できると思うのですが、どういうわけですか。申請中のものは制限できぬのですか。
#26
○小林説明員 その点は、工場施設はそれだけの能力のあるものを、許可がある以上は作られることはやむを得ない。しかし、稼働する際に塩が余ってくるという現状になれば、九条を発動して制限することができる、このように解釈しております。
#27
○奧村小委員 これはどうも水かけ論になりそうですから――どうもはっきりいたしません。本委員会でもう一ぺん私は取り上げます。そういたしますと、昭和三十二年度末で許可能力が百四十四万トン、昭和三十三年度――なるべく最近における製造許可高を一つおっしゃっていただきたいと思います。それからなお休止中の製造許可高は幾らですか。
#28
○小林説明員 実は先ほど申し上げました許可高というのは最高を押えておりまして、実際の平年作の能力とはだいぶ違いがありますので、現在その辺の調整を、この法律ができましたならば、さしてもらわなければならぬと考えております。ただいまのところ許可高についてはちょっと記憶しておりませんので、別に調べまして御報告申し上げたいと思います。
#29
○奧村小委員 今度の法案では三十万トンの製造施設を整理しようというのですが、今御質問申し上げたように、昭和三十二年度だけで三十五万六千トンの許可を与えておる。しかも、三十二年度、同じ年に国内生産塩対策を立てて、これは一つ整理しなければならぬとおきめになっておる。これはどうしても私には理解できぬのです。これもいただきました資料の業務概況報告にも載っておりますが、昭和三十二年十二月十八日にすでに整理をしなければならぬと言うておる。これによりますと、昭和三十三年と三十四年と二年度をもって整理しようというのです。ところが、この法案の提出は一年おくれて昭和三十四年からの実施になっておる。一年おくれた。これが一年早かったら私はまだ救いようがあったと思う。しかし、公社の方針は、もう昭和三十二年中に整理の方針を立てておる。その整理方針を立てたということは、これはもう多過ぎるということはおわかりになった。ところがその昭和三十二年中にまた新たに三十五万トンの許可を出した。そうして莫大な融資もした。これはどうしても矛盾しておるのですが、これはどう御答弁になりますか。
#30
○松隈説明員 先ほどから御説明申しておりますように、塩の製造許可高というものが、従来国内塩が非常に不足いたしておりまして、何とかして国内塩の生産の上において自給をはかりたい、つまり増産第一主義であった関係上、許可高もむしろ能力一ばいというような観点で許可高を与えておりまして、平年作においては実際においては許可高まで達しておらない。その意味においては、許可高というものは一種のノミナルなようなものであったとも言えるのであります。そこで、大体錦海湾それから機械製塩を含めまして、三十一年の五月までには実質的に許可すべきものは許可してしまった。それで、これらの中には、いずれも相当の資本を擁し大工事でありまするために、準備期間が相当ございましたので、その以前から専売公社としても相談に応じて内認可を与えるというような状態の時期もあったものでありますので、三十一年中において大体許可を与えておるのであります。先般も申し上げたと思うのでありますが、三十一年の五月二十一日に総裁談というものを公表いたしております。これは錦海湾まで含めて大体塩の生産量というものが百十万トンに達した、従って今後新規の製造設備は許可しないのだ、こういうことを言っておるのであります。これはつまり製造許可高ではなくして、平年度の生産見込みからいけば錦海湾を含めて百十万トンと見込まれて、これで食料塩の全量自給を達成したからして、今後は食料塩の新規の許可はいたさないという発表をした次第であります。
 なお、その際に、つけてあります表によりますと、百十万トンと言いましたのは、流下式で八十五万一千トン、入浜式で一万五千トン、温泉熱利用で二万トン、海水直煮式で二十一万二千トン、合計して百十万八千トン、こういうような付表をつけて発表をしまして、それからは新規の許可を押えると同時に、もう許可高というものは大きいのですから、さらにそれ以上増産される見込みがあるので、できれば整理をしなければいけないという方向に切りかえて、そうして三十二年の初めからは整理をしたいという方向に進んだのでありまするけれども、これは相手もあることでありまするし、話がきまるまでになかなか手間がとれて、三十二年の暮れに至ってようやく国内塩の生産対策というものの話し合いがついて、その対策において、過剰塩は整理をする、整理をするのにはどういう順でやるというようなことがとりきめられた、こういうふうに御了解願いたいと思います。
#31
○奧村小委員 今の御答弁によると、三十一年五月二十一日に製塩許可については今後許可しないというお話であります。これは速記録に載っておるのですから、どうか間違わないで答弁していただきたい。ところが、あなたの、公社の方から私がいただいた資料によりますと、その後にずいぶん許可していますが、これは話が誤まりですか。私は専売公社でいただいた資料だけ申し上げますぞ。江迎製塩株式会社、これは三十一年五月二十五日製造許可、北陸製塩工業株式会社三十一年五月三十一日、香川県綜合開発株式会社、これは三十一年八月二十七日、東北製塩三十一年十一月一日、佐世保製塩三十一年八月十日、日本化学塩業三十一年十一月十二日、錦海塩業は三十二年八月六日、今の総裁の談話と実際とは全然食い違う。これはどういうわけですか。
#32
○松隈説明員 先ほども申し上げましたように、機械製塩であるとかあるいは錦海湾のような埋め立てを行いまする大工事でありますと、事業計画をいたしまして、そうして必要な資金を集めて、それからあるいは漁業補償の問題であるとか、あるいはその他関係方面と連絡をすることが多いものですから、実際上認可の申請を受け付けて、そしてそれを不審議していく間に相当の時間がかかっておるのであります。錦海湾につきましても、最初に事業計画を申し出て相談に乗りましたのは昭和二十九年の十一月ということになっておるのであります。国会におきましても、錦海湾の塩田化促進に関する請願というのが出ておりまして、これも衆議院が受け付けて三十年七月に採択されている。こういうような経過を経まして、だんだんにこれは許可すべきものであるという方向にきたわけであります。三十一年の三月五日に錦海塩業組合の定款の認証を行なっておる、こういう段階にくれば大体内認可を与えておる、こう申し上げていいと思うのであります。先ほど申し上げ、また今御例示になりましたのは、いずれも形式上の認可書の渡った日でありまして、この三十一年五月二十一日に前総裁談として発表されましたのは、事実上認めたものを考慮に入れて百十万トン程度に達したから、これから後の新規は受け付けない、つまり申請は受け付けない、今まで受け付けておるもので進行しておるものは考慮の中に入れて、そうして新規に出てくることを防ぐ、こういう意味で、特に総裁談を発表したのだと思います。
#33
○奧村小委員 苦しい御答弁で、それは総裁の立場はわかりますが、それならいっそ、私は三十二年の五月に総裁になったのだから、前の総裁のやったことはわからないとおっしゃるなら、まだ話はわかるけれども、今の御答弁のように、許可はこれは形式的なもので、事実の申請はそのもっと前に出ておるから――そんなことで国会答弁になりますか。許可というその法律上の事項をそんなにあなたは軽々しくお考えになるのですか。許可によって公社にも責任が起り、また製造者にも権利義務が生ずるのですが、どうも今の答弁では――松隈総裁は大蔵省にも長いことおられたのですが、そういう御答弁で国会が話が通るとすれば、まことに私は――私の方が何か間違うておりますかな。少し変な御答弁だと思います。これも本委員会でもら一ぺん取り上げてみたいと思います。
 それじゃ、お尋ねしますが、錦海塩業組合というものは、これはどうして認可したのですか。この錦海塩業組合というのは、塩業組合法の規定違反ですよ。御承知の通り、塩業組合というのは、もと塩業事業協同組合つまり農業協同組合や漁業協同組合と同じような協同組合です。それが塩業組合、こういうように、たしかこれは昭和二十八年ですか、名称を変えている。ところがこの塩業組合の地区は岡山県邑久郡になっておる。塩業組合法をごらんになればわかるが、その地区の住民であり、その地区で塩を製造しておる者が組合員の資格を持っておる。ところが、この塩業組合は、六億円の出資金で、そのうち四億円の払い込みをしたというのだが、ずいぶん出資者はたくさんあって、これがまた邑久郡の塩業者というのはほとんどおらぬので、これは私は明らかに法律違反と思うのだが、こういうのをどういうわけで塩業組合として認可なさったか、これを一つお尋ねしたい。この役員名簿を見ても、代表理事は香川県の坂出市、専務理事はお二人とも東京都です。元公社の監事をしておられた方と、一方は農林中金の何かをしておられた。岡山県邑久郡の人というのは、役員の中には二人です。出資者の名簿を見れば、ずいぶんあるが、みな東京やら大阪やらで、これは東京や大阪で塩を作っておるといえるのですか。これは組合法違反ですが、どうお考えになっておりますか。
#34
○松隈説明員 塩業組合法は独立の法律でありまして、他の法律と必ずしも体裁を一にしておりませんが、その第六条によれば、「地区塩業組合の組合員たる資格を有する者は、その組合の地区内において塩又はかん水の製造を行う者であって、定款で定めるものとする。」と書いてあって、その地区の住民であるとか住所ということは、一応この六条の上には出ておらない。従って、錦海湾の地区において塩または鹹水の製造を行う、こういう意図を持って組合員となって組合を結成して認可申請してきた場合においては、住所が香川県であっても東京であっても、認可して差しつかえない、こういう解釈をとっておるわけであります。
#35
○奧村小委員 なるほど。そうなりますと、株式会社とちっともこれは変らぬのですな。金さえ出しておけば、その組合員になれる。しかし、それなら、塩業組合法の規定というものは、これは書きかえなければいかぬです。よくお考え下さい。株式会社と全然違わぬ。ところが、塩業組合は、塩業組合なるがゆえに、株式会社とはずっと違った恩恵、恩典を受けておる。税法上においても、御承知のように、地方税の特典を受けておるし、融資においても、農林漁業金融公庫の融資も受けておる。なぜこういう恩恵を受けるかといえば、いわゆる農林漁業者の共同利用である、共通の利益を発展させるためにという漁業協同組合、農業協同組合の精神でこれはできておる。今の御答弁でいくと、もう漁民であろうが農民であろうが、そんなことはおかまいなし、金さえ出せば組合員である。これは全くけっこうな解釈でありますが、これもどうもここで議論をしても水かけ論になりますから、いずれこれは衆議院の法制局長にでも来てもらってお尋ねせねばいかぬ。これも私としては大きな法律違反と思います。
 それでは、お尋ねしますが、定款にもそういうことが書いてありますが、定款は、地区であって、岡山県邑久郡で塩業を営む者と書いてある。そうすると、現に東京におる者でも、金さえ出せば岡山県の邑久郡て塩業を営む者という解釈が成り立つのですか。
#36
○小林説明員 定款では、詳しいことは忘れましたが、組合員の資格としては、組合の地区内で鹹水を製造する事業者というようになっておったと思うのであります。従いまして鹹水を製造する事業者であればいいのでありまして、住所がどこにありましようとも、何も自分で海水を流す必要はございませんので、鹹水製造人であればいいわけでありますので、法律的にはいささかも違法な点はない、かように考えております。
#37
○奧村小委員 私ども、農業協同組合、漁業協同組合あるいは中小企業等協同組合を見ますと、これはやはり地区という意味は、その地区内に住所あるいは事業所を持つ者を組合員とする。そこに地区という意味がある。金さえ出せば東京におっても香川県におってもいいというなら、それなら地区という意味はどこをもって地区というのですか。
#38
○小林説明員 鹹水を製造する地区と、かように考えておりますが……。
#39
○奧村小委員 何をおっしゃるか。そんな答弁で――国会の者がばかになったのか、政府の者がばかになったのか、さっぱり歯車が食い違ってしまった。結局これは株式会社とちっとも変らぬことになる。私が問題にするのは、これにまた農林漁業金融公庫から十億の融資を出しておる。あるいは農林中金から融資を出しておる。私はこれが根本的におかしいと思うので、特にこの点を取り上げたのです。監理官にお尋ねしますが、三十一年の八月二十八日に、錦海湾の塩田化について大蔵省の省議がきまったということを聞いておるのですが、この三十一年八月二十八日の省議決定の内容をお尋ねいたしたいと思います。
#40
○村上(孝)政府委員 私の見ますところによりますと、十月の十日のようになっておりますが、これは口頭でされておるということをいっておるようでありますけれども、それに付帯して、「錦海湾塩開発計画の実施は、諸般の事情からみてやむを得ないものと考えられるが、国内塩の増産は、塩事業会計の損失増大をきたす状況にかんがみ、今後、製塩設備の合理化等により製塩コストの低減を図って塩収納価格を引き下げるとともに公社経費の節減に努め、塩事業会計の損失を招かざるよう格段の努力を払われたい。」こういうふうになっておる。諸般の事情から見てやむを得ないというのは、先ほど総裁がるる言われておるように、すでにでき上ったいろいろな既成事実という点から見て、この錦海湾というものの取扱いとしてはすでに内認可も与えておることだし、やむを得ぬではないか、こういうふうに私は理解しておる。その詳細についてはちょっと私今……。
#41
○奧村小委員 ただいまお読み上げになりましたのは、錦海塩業組合にあてている書簡の形になっておるのですが、これはどなたにあてたものですか。
#42
○村上(孝)政府委員 これは公社の副総裁に対する口頭の回答に添えてこういうメモ書きをされたというふうに考えております。
#43
○奧村小委員 総裁にお尋ねしますが、三十一年の八月にそういうことを大蔵省がきめておられる。総裁は三十二年の五月に総裁におなりになったのですが、総裁のきめることを大蔵省が約一年も前にきめてしまったというようなことは、いかに総裁が大蔵大臣の任命を受けておっても、ちょっとおかしいではないですか。総裁としてこれをどうお考えになりますか。
#44
○松隈説明員 前総裁の時代に、副総裁に対する口頭の了解と同時に、塩専売事業の合理化をはかるようにという大蔵省の御意向が伝達されたわけでありまして、専売公社を監督しておる大蔵省の立場からは、だんだん製塩事業の許可が多くなって、国内塩の生産の目標を突破しそうであるからして、十分注意するようにというお話であれば、ごもっともな御指示だと思います。
#45
○奧村小委員 現在まだ工事中で施設が完了していない。従って製品ができてきていない。そういう未稼働の新設工場は今どことどこですか、お尋ねしておきます。
#46
○小林説明員 許可をいたしておりまして稼働いたしておりませんのは、錦海塩業と、九州の佐世保塩業、それから四国の綜合開発の三カ所だったと思います。
#47
○奧村小委員 松浦製塩はできておりますか。
#48
○小林説明員 松浦はもうすでに稼働いたしておるはずだと思っております。
#49
○奧村小委員 そこで、許可は今後もうしないということははっきりしておるのですが、ことしの農林漁業金融公庫の予算を見ますと、農林漁業金融公庫の融資を今年度は七億を計画しておられる。これはどことどこへ融資する予定になっておるのですか。
#50
○小林説明員 予算としては一応七億のワクになっておりますが、来年度の支出につきましては、整理とも関連して参りますので、この法案が通りましたならば、法案の実施と並行して具体的に考えたい、かように考えております。
#51
○奧村小委員 昭和三十一年度とそれから昭和三十二年度の農林漁業金融公庫の塩業に対する融資は、当初の予算が十数億、ところが年度末ではこれがみな非常な増額になっておるのですね。これはどういうわけですか。特に三十二年度においては、当初予算十七億の融資をするということになっておったのが、年度末の業種間の調整で十億追加している。ほかの業種にはこういうことはないが、どうして塩業だけこういうことになったのですか。
#52
○小林説明員 御承知かと思いますが、農林漁業金融公庫のワクの中で、塩業の長期低利の資金を融通してもらっておるわけであります。今回の法案の際にもいろいろ御審議があったかと思うのでありますが、ほかの業種につきましては、一応限度額一ぱいまで貸されておるようでありますけれども、塩業の場合には、流下式転換というような大事業がありました関係で、融資ワクに対して事業量の方が多くて、限度額までなかなか貸せないというような事情でありましたので、その間、毎年年度末になりまして、公庫の方で融通できる金を回していただいておったように記憶いたしております。
#53
○奧村小委員 これは農林漁業金融公庫の方にお尋ねいたしたいと思います。
 話は変りますが、公社の業務概況報告を見ると、昭和三十二年度でも塩の密売、あるいはやみ製造、これを大へん取締っておられる。これは私は非常に興味のある問題だと思うのです。酒の密造なら、あるいはタバコの密売買なら、これは脱税になりますから、国家財政確保の立場からタバコや酒の密造や密売は非常に困る。しかし、塩の密売、密造ということは、別に国民生活にそう迷惑をかけぬし、また国家財政上どうということはない。塩専売でむしろ赤字が出ているのですから、取り締るのは、専売法があるのだから、お役人の立場で取り締られてもけっこうだが、しかし、こういう事実が各地にあるということに私は問題があると思う。静岡県の袖師ですか、あの方面では塩を作っておった。あるいはまた宮城県においても何とかがまというので塩を作っておった。これは今許可がない。が、しかし、古い施設があるから、ないしょで塩を作って、それを近隣のお百姓に売る。中には東京まで持ってきてみそ屋さんに売る。けれども、それはやはり専売局の塩よりも安くよいものができるから売れるのでしょう。専売局へ行って安くよいものが買えるなら、何も苦労して危ない橋を渡ってやみの塩を買わなければならぬこともない。そこに私は問題があると思う。一体静岡県あるいは宮城県における塩の密造及び密売取締りというものが――大体幾らぐらいでやみの塩の売買が行われているか、一つ実態を聞かしていただきたい。
#54
○小林説明員 塩の取締りについてのお話でございますが、お話の通り塩は別に税金をかけておりませんから、脱税云々の問題はございませんが、かつて塩飢饉で悩みました終戦前後のころのことを思い浮べましても、塩の専売につきましては、流通秩序の確立というような非常に重大な問題であります。国民にとっては生活を脅かす問題でもあろうかと思いますので、従いまして、そういうやみ製造とかやみ取引というものが行われているということは、また塩飢饉になりましたときには、それが温存されておって、その勢力がすぐにそれに向うというおそれがあるので、常時限られた範囲内でありますけれども、法律違反の内容に目を光らせているようなわけであります。
 なお、ただいま静岡県と宮城県の密造の問題についてお話がありましたが、静岡県の方は今のところ詳しいことを存じておりませんが、宮城県につきましては、おそらく渡波の塩田のことを言われているのかと思うのであります。従来から、渡波の塩田につきましては、やみ取引が多かったようであります。これは、私の知っておる限りでは、むしろ農家経済がまだ貨幣経済になっていなくて、物々交換の段階にある色彩が濃厚でありまして、そういう関係で、農家と平がま――いわゆる昔ながらの平がまでありますが、その両者の間に立つ者が物々交換して利ざやをかせいでおると聞いております。従って、幾らくらいの金額かということは、ただいま知っておるところでは、そういうように記憶いたしております。それから、静岡県の方はただいまちょっと記憶いたしておりません。
#55
○奧村小委員 懇談の時間も必要だそうですから、あと一、二点で終りたいと思います。この提案の臨時措置法によるところの交付金、これの金の支出の性格は法律上どうなのですか。政府の方針が変ったから、塩業者に犠牲を与えるから、そのための補償金、こういう意味ですか。あるいは、そうじゃない、ただお気の毒だからお見舞金を出すというのですか。これはよく解釈しておきませんと、同じ専売公社でも、やはり葉タバコの方も、葉タバコが過剰で減反をやっておられる。減反をやれば、その中でタバコ乾燥場、これはどうにもほかに活用のできぬものですから、タバコ乾燥場くらいは、この塩業整備と同じように、補償金を上げなければならぬという考え方も起ってくるので、塩にのみこういう交付金を差し上げるということは、これは法律上どういう性格になるんですか。政府の責任における補償金というわけですか。
#56
○村上(孝)政府委員 今回の塩業整備臨時措置法はその第一条に目的が明示してございまするが、いわゆる塩の公益専売の前提となる条件としましては、過剰生産力というものがありましては、その存立の条件がいわば危うくされるわけでございまして、この際過剰生産力を除きたいということは、これは私は最も大事な目的ではないかと思っております。そのためには自主的な廃業ということだけで解決がつかない場合に、取り消し権という強制権を最後には発動するような構想になっております。この取り消し権という強制権を背景にしました整理ということでありまして、その際、塩のごとき非常に大きな固定投資が生産設備に投下されておるというふうなものにつきまして、そうした最後には強制整理で切り捨てごめんでやるということになりますと、これは塩業を包みますいろいろな経済的あるいは社会的秩序が混乱を生ずる、従って、そうした混乱を回避するために交付金を交付するのだ、私はこういうふうに考えます。
#57
○奧村小委員 塩の過剰生産力を整理しよう、それには許可を取り消すところの強制権も持ちたいということです。そこで私は言うのだ。現に稼働中の施設があって、これ以上金をつぎ込まなくてもどんどん塩ができるものを、今度の命令によって許可を取り上げようという強権を持つようなほどの必要があるなら、現にこれから施設を作ろうというものをなぜ押えてやめさせられぬか。こう言うと、政府は、それは今施設を新設中のものは原価が安くつきますから、塩全体の原価を安くするためにと、こういう答弁になるだろうと思う。どうせこれは水かけ論だから、こっちの方から先に言うてしまいます。そこで、そういう政府の答弁通りになるかということが問題です。岡山県の錦海湾の塩業についても、現に堤防を作っておる。一たんでき上ったけれども、五百メートルほど流されてしまって、海のものとも山のものともまだわからぬ。その上十何億円の、しかも政府の金をつぎ込む。そんなものをおやめになれば、これによってどれだけの者が救われるか。そこが問題でありますが、それをお尋ねするについては、まだ錦海湾塩業などの実態についての十分の資料が私のところへ届いておりませんから、これは後日に譲りまして、私の質問はこれで終ります。
#58
○濱田小委員長 この際、お諮りをいたしたいと思います。本問題の調査の便宜上、これから懇談に入ってみてはどうかと思うておりますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○濱田小委員長 御異議なしと認めますので、これから懇談に入ることにいたします。
    ―――――――――――――
    〔午後三時三十四分懇談会に入る〕
    〔午後四時二十九分懇談会を終る〕
     ――――◇―――――
#60
○濱田小委員長 これにて懇談会を終了いたします。
 本日はこの程度にとどめ、次会は追って御通知することとし、これにて散会いたします。
    午後四時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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