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1958/12/20 第31回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第031回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
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1958/12/20 第31回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第031回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号

#1
第031回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
昭和三十三年十二月二十日(土曜日)
    午前十一時九分開議
 出席委員
   委員長 早稻田柳右エ門君
   理事 加藤 高藏君 理事 鍛冶 良作君
   理事 古川 丈吉君 理事 高橋 禎一君
   理事 南  好雄君 理事 島上善五郎君
   理事 矢尾喜三郎君
      藏内 修治君    高橋清一郎君
     橋本登美三郎君    三田村武夫君
      柏  正男君    滝井 義高君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 愛知 揆一君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (自治庁選挙局
        長)      兼子 秀夫君
 委員外の出席者
        議     員 島上善五郎君
        総理府事務官
        (自治庁選挙局
        選挙課長)   皆川 迪夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方公共団体の議会の館員及び長の選挙期日等
 の臨時特例に関する法律案(内閣提出第一五
 号)
 公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一八号)
 公職選挙法の一部を改正する法科案(島上善五
 郎君外六名提出、衆法第一八号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(島上
 善五郎君外六名提出、衆法第一九号)
     ――――◇―――――
#2
○鍛冶委員長代理 これより会議を開きます。
 昨日本委員会に付正されました内閣提出、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案、同じく内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、同じく島上善五郎君外六名提出の公職選挙法の一部を改正する法律案及び島上善五郎君外六名提出、政治資金規正法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、審査に入ります。
 まず、内閣提出、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案及び公職選挙法の一部を改正する法律案、右両案の趣旨について順次政府の説明を求めます。愛知国務大臣。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#3
○愛知国務大臣 ただいま議題となりました地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案の提案理由と、その要旨を御説明申し上げます。
 御承知のごとく、都道府県及び市町村を通じて、全国大多数の地方公共団体におきましては、議会の議員及び長の任期が、明年四月または五月をもって満了することとなるのでありまして、現行法によりますれば、その任期満了前一ヵ月以内に多数の地方選挙が集中して行われることになるのであります。政府といたしましては、前例にもかんがみ、これら多数の選挙の円滑な執行を期するとともに、国民の地方選挙に対する開心を高める意味において、これらの選挙の期日を統一して行うことが適当であると考え、この法律案を提出した次第であります。
 この法律案の内容は、前回提出いたしましたものと全く同じでありますが、以下その概略について御説明申し上げます。
 第一に、助言を統一する選挙の範囲につきましては、一、明年四月及び五月中に任期が満了することが予定されている地方公共団体の議会の議員または長の任期満了による選挙を行う場合、二、これらの議会の議員または長について選挙を行うべき事由が発生し、四月中に選挙を行うこととなる場合、並びに、三、明年四月及び五月中に任期が満了することが予定されていない地方公共団体の議会の議員または長について選挙を行うべき事由が発生し、四月中に選挙を行うこととなる場合について、これらの選挙の期日を統一することといたしております。
 第二に、選挙期日につきましては、都道府県及び指定都市の選挙にあっては、前例及び年度末の都道府県議会の会期との関係を考慮して、これを四月二十三日とし、市町村の選挙にあっては、市町村の選挙における立候補届出受理の事務と都道府県の選挙における投票及び開票の事務との関係を考慮して、これを四月二十八日とするとともに、これらの選挙期日を告示する日につきましては、各選挙の選挙運動期間が公職選挙法に規定する最短期間となるように、これを法定いたしたのであります。
 第三に、この法律の規定により統一期日に行われる各選挙は、法律上当然に同時選挙の手続によって行うものとして選挙管理事務の簡素化をはかるとともに、統一期日に行われる選挙の候補者となった者は、関係区域において行われる他の選挙の候補者となることができないこととして、重複立候補による弊害を除くことといたしました。
 なお、この法律の規定の適用を受ける選挙の手続その他その執行に関し特に必要があるときは、政令で特別の定めをすることができるものとし、選挙の円滑な執行をはかることといたした次第であります。
 以上が、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可次あらんことをお願い申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案の提案理由と、その要旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近における選挙の実施状況にかんがみ、一、立候補の手続及び要件に所要の改正を加えること、二、政党その他の政治団体の選挙における政治活動の規制を合理化すること、三、その他選挙の管理執行に関する規定を整備することの三点を骨子として、公職選挙法に所要の改正を加えようとするものでありまして、施行の時期に関する規定を除いては、去る第三十回国会に提出いたしました同名の法律案と全く同じ内容のものであります。
 次に内容の概略について御説明申し上げます。
 まず第一に、立候補の手続及び要件に関する改正であります。
 御承知のように、現行法におきましては、郵便を利用して立候補の届出をすることも不可能ではないのでありますが、このような届出は、その受付の時期及び順序の認定、記載事項に不備な点があった場合の措置、受理した後における選挙運動関係物件の交付方法等についていろいろな問題を生ずるのでありまして、確実迅速を旨とする立候補の手続としてはまことに不適当であると考えられるのであります。そこで、今回の改正案におきましては、立候補の届出は本人または代人が直接選挙長のもとに提出すべきものといたしたのであります。また、立候補届出書の記載事項につきましては、従来施行令で定めていたのでありますが、他の管理執行規定との関連もあり、これを法律で規定することといたしました。
 次に、最近における選挙の実情を見ますのに、町村長の選挙におきましても、いわゆる泡沫候補と称せられるような立候補がしばしば見受けられるのでありまして、この際町村長の選挙について新たに供託の制度を設けることにいたしますとともに、既存の供託制度につきましては、その金額をおおむね二倍程度に引き上げることといたしたのであります。
 次に、現行法におきましては、都道府県知事及び市町村長は、任期満了による選挙に限り、在職のまま立候補することが認められているのでありますが、このような独任制の執行機関の職にある者が在職のまま立候補いたしますと、公務の執行と選挙運動との区別があいまいになり、弊害も認められますので、選挙運動の公明をはかる見地から、これを禁止することといたしたのであります。
 改正の第二点は、政党その他の政治団体の選挙における政治活動の規制の合理化に関するものであります。
 現行法上、政党その他の政治団体が選挙運動の期間中及び選挙の当日特定の政治活動をすることができる資格を取得するためには、一定数以上の所属候補者を有することが必要とされておりますが、その所属候補者の意義について法律上明確を欠いておりますため、政治活動の規制の取扱いにつき妥当を欠く点があったように思われるのであります。そこで、この点について明確な規定を設けるとともに、都道府県知事及び市長の選挙においては、無所属として立候補し、特定の政党その他の政治団体の推薦を受ける場合が多いので、その選挙の実態に着目して、そのような推薦候補者を有する政党その他の政治団体についても、一定の条件のもとに政治活動の特例を認めることといたしたのであります。
 なお、政治活動用ポスターの掲示につきましては、政談演説会と同じように、所属候補者を有する選挙区に限りこれを認めることといたし、また、政談演説会または街頭政談演説については、投票所周辺の静穏を確保するために、選挙の当日投票所を閉じる時刻までの間は、その投票所を設けた場所の入口から三百メートル以内の区域において、これを開催することができないようにいたしたのであります。
 改正の第三点は、その他選挙の管理執行規定の合理化に関するものでありまして、その一は、基本選挙人名簿の調製期限を十一月十日、確定期日を十二月三十日といたしまして、選挙人名簿調製事務のために十分な時間的余裕を与えるとともに、名簿登録資格の年令を暦年と一致せしめることにより、名簿調製の完璧を期することといたしたのであります。
 その二は、衆議院議員及び参議院議員の選挙においては、選挙人名簿調製後他市町村へ住所を移しても選挙権は失わないので、これらの者に不在者投票を認めて投票の便宜をはかることといたしました。
 その三は、開票立会人及び選挙立会人となるべき者の届出については、届出の便宜と的確とを期するため、市町村の選挙管理委員会に届け出ることにいたしました。
 その四は、市町村長の選挙が行われる場合に、これと同時に行われる市町村の議会の議員の再選挙または補欠選挙は、当該選挙の執行に必要な準備期間を確保できるものに限り義務づけることにいたすとともに、選挙執行の手続としては、必ず同時選挙の手続によって行うことにいたしました。
 そのほか、附則におきまして、ただいま申し上げました公職選挙法の一部改正に伴い、関係法律の規定の整備を行うことにいたしたのであります。
 以上が公職選挙法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○鍛冶委員長代理 次に、島上善五郎君外六名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案及び政治資金規正法の一部を改正する法律案、右両案の趣旨について順次提出者の説明を求めます。島上善五郎君。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#5
○島上善五郎君 ただいま議題となりました私外六名提出の公職選挙法の一部を改正する法律案の提案理由並びに改正の要点につき、簡単に御説明申し上げます。
 現在の公職選挙法は、ざる法との批評がありますように問題点が非常に多いのであります。私どもは、公明な正しい選挙によって、民意が直結した清潔な政治を実現しようとする見地に立ってこの法律に根本的な検討を加え、もっと広範な改正をしなければならないと考えておりますが、明春早々から続々と選挙が行われるこの時期に、そのような広範な改正をするということは改正法の周知徹底を欠き、多少の混乱を起すおそれもありますので、今回提案しましたのは、明春の選挙に必要と思われる最小限度の重要な数点のみであります。
 ことしの春の衆議院議員総選挙の実状にかんがみまして、私どもは、第一に金のかからい、きれいな選挙にするということのためには、現行法の寄付制限をもっと強化し、明確にする必要があると考えます。と申しますのは、現行法におきましては、国及び地方公共団体と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者となっておりまするが、御承知のように、今日国の予算を見ましても、国から財政投融資、利子補給、補助金、交付金等を与えております団体は相当多数ございまするし、その金額もまた多額に上っておるのであります。このような国から補助金、交付金、財政投融資、利子補給等を受けている団体が、政党及び候補者に寄付することはそれ自体理論的にも誤まりでありますし、政界浄化の点から考えましても大きな問題をはらんでいると思います。私どもは、これは当然禁止すべきものと考えます。従ってまた、政党及び候補者は、これを受けてはならない、こういうように改正すべきものであろうと思います。これにつきましては、選挙改正のみならず、政治資金規正法の改正も当然必要になって参りますので、私どもは、この選挙法改正案に見合って、政治資金規正法の改正案も別途提案した次第でございます。正確に申しますと、もっと詳細な点を申し上げなければなりませんが、そのこまかい点につきましては、法文に記載してございますから、御参照願いたいと思います。要するに、国が直接間接の形で財政援助を与えている会社その他の法人からは、選挙に関して、政党及び候補者は寄付を受けてはならないというふうに、はっきりすべきものであろうと考えるのであります。
 また、現行法でも、公職の候補者及び候補者となろうとする者は、当該選挙区内にある者に対しては、選挙に関して、寄付をしてはならないとなっておりますが、ただし書きで、政党及び政治団体並びにその支部に対しては全く野放しになっています。これは大きな矛盾でありまして、そのために、選挙運動期間あるいはその前において、政党の支部の発会式であるとか、総会であるとかいう名目で、一種の供応と思われるような行事が、候補者及び候補者となろうとする者の寄付によってはなばなしく行われているという現状でありますので、政党及び政治団体、その支部に対しても、候補者及び候補者となろうとする者の寄付を制限するのが当然であろうと考えて、このように改正いたしたいと思います。
 次に公営の拡大の点でありますが、今日都道府県議会の議員の選挙には、地方の条例によって、立会演説会と選挙公報の発行ができるようになっておりまするけどれも、実際にやっているところはきわめてまれでございます。やはり、少くとも都道府県会議員の選挙には、立会演説会と選挙公報の発行を義務制とすることが当然じゃなかろうかと考える次第であります。ただし、現状からしまして、一挙に義務制にして必ず立会演説会と選挙公報の発行をやらなければならぬということにいたしますると、選管の現在の機能等から考えて多少無理なところもあろうかと思いますので、目標は義務制を考えておりまするが、それへの第一歩としまして、事情の許す限り立会演説会と選挙公報を発行するように改正をいたしたいと考えておる次第であります。
 第三点は、連呼制の緩和であります。これは前々からも議論があった点でございますが、今日選挙の実際を見ますと、いわゆる終盤戦になりますると、ほとんど連呼もしくは連呼に近いような状態になっておりまして、取締り上も非常に困難を来たしておる現状でございます。この点につきましては、選挙法改正に関する地方への出張調査の際にも、大体時間を限って緩和していいのではなかろうかという意見が、与野党を問わず、また取締り当局の方面からもかなり多く出ておったのであります。特に明年の参議院の選挙、全国区選挙などを考えますならば、車上における連呼というものは、一定の時間を限って許してよいのではないでしょうか。すなわち、私どもは、午前八時から午後六時までの間はこれを許すというふうに緩和することが適当であろう、かように考えた次第であります。
 第四点としましては罰則の強化でございますが、買収、供応、多人数買収、供応並びに新聞、雑誌の不正利用の罪に問われて有罪となった者は、必ず公民権を停止するようにいたしたい。現行法では、御承知のように一たびそのような罪に問われて有罪となった者は、二度目には必ず公民権を停止することになっておりまするが、二度目ではなしに、最初でありましょうとも、このような悪質な罪によって有罪となった者は、必ず公民権を停止するように改正することが適当であろうと考える次第であります。
 以上要するに、私たちは選挙をきれいに、公明に行うことが主眼でございまして、先ほど申しましたように、そのために当面考えられる必要最小限度、この程度の改正はどうしてもいたしたいと考える次第であります。十分御審議の上、良識ある議員諸君の御賛成を得て、本案がすみやかに可決されんことを希望する次第であります。
 次に、ただいま上程になりました政治資金規正法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。
 政治資金規正法の改正案は、第二十四回国会にもわが党から提出し、論議をいたして参った案件でありますが、昭和二十九年の国会が混乱いたしました直後の五党の会議に取り上げられまして、いかにして国会の権威を高め、また政党の内容を刷新いたしまして国民の信頼にこたえるかということを重点にし、当時取り上げられました問題は、一つは公職選挙法の改正であり、次は国会法の改正であり、第三はこの政治資金規正法の改正であったのであります。この三つが当時いわゆる自粛三法といわれまして、国民に対する約束として与野党一致して改正しようということでございまして、その後各党から委員を選びまして、きわめて熱心にこの改正について審議をいたしました。この委員会で、できますならば各党共同提出の法案として改正したいということから、長いこと審議をいたしましたが、その三つの法案のうちで、国会法及び選挙法改正は相当大幅な改正を実現したのでございますが、政治資金規正法の改正についてだけは、その後いまだに改正ができずに、国民に対する約束も実行しないという状態で今日まで停頓しておるのであります。このような過程を通っておる法律でありますから、われわれとしましても、この問題に関しましてはぜひ与党の諸君にも御協力を願いまして、政治資金規正法の改正をいたしたい。国民から政党が疑惑を持って見られないように、政府と関係のある会社その他の法人等との悪いつながりを断ちまして、政党が本来の姿で発達できますような形をとりたい。これが本案を提出した理由でございます。
 なお、内容に入ります前に、この改正点の重要な点を二点申しますならば、現行法は、御承知のように「選挙に関して」という条件と申しますか、言葉があるのであります。ところが、選挙に関してということはきわめてあいまいでありまして、たとえば、選挙中であるから選挙に関してということになるのか、一年くらい前に選挙したものが選挙に関してであるのかという点になりますと、なかなかむずかしいのです。そこで私どもは、この選挙に関してということを十分に検討した上、規制すべきものは、選挙に関してであろうとなかろうと規制するというふうにするのが当然ではないか、これが一点であります。
 もう一つは、現行法で規制されておりますのは、国または公共企業体と特別の利益を伴う契約の当事者というふうになっております。特別の利益を伴う契約の当事者という言葉自体もきわめてあいまいな言葉でございまして、反対に言うならば、通常の利益を伴う契約の当事者であるならば差しつかえないのかという議論も、当然出て参るのであります。そこで私どもとしましては、特別の利益を伴う契約の当事者はもちろんのことでありますが、国から財政投融資、補助金、交付金等を与えている団体は、政党及び候補者に寄付をしてはならないというふうに規制することが必要ではなかろうか、かように考えておるのであります。
 改正案の内容の詳細につきましては、いずれ審議の際に御質問等もあろうかと思いますので詳しく申し上げませんが、今ここで簡単に重点だけを申しますならば、今申しましたような考えのもとに、国が直接または間接に補助金、助成金、財政投融資、利子補給等をいたしておりますような、つまり財政援助を与えております会社その他の法人、あるいは国が資本金を全部あるいは一部を出資しておる会社その他の法人というような団体が、今日では全く政治資金規正法から除外されて野放しになっておりますので、われわれは、これを改正いたしまして禁止すべきだと考えるのであります。国と直接間接のつながりのあるものだけを禁止しようというので、対象はごく限られたものでありますから、決して無理はないと思うのであります。
 各国の政治資金規正の実情について見ましても、アメリカあるいはイギリス等における政治資金の規正に関する資料等も検討いたしましたが、特にアメリカにおきましては、われわれが見ても厳重過ぎるくらいに規制を行なっておるのであります。国と直接のつながりのある会社または法人はもちろんのこと、当初は、ただいま提案されておりますように、国から直接のつながりを持つものだけでございましたが、その後には、直接つながりのある会社法人だけではなく、一般民間会社も寄付してはならないということに厳重に規制しております。これは理論的な根拠はいろいろあると存じますが、共同的財産というものが、特殊の政党に寄付をされるということに問題があるというふうに考えているようであります。たとえば株式会社等にいたしましても、株主の全部が一党を支持するということはあり得ないことである。従って共同財産の構成をいたしておりますものがかりに国家につながりのない会社であっても、一党に寄付するということはよろしくない、こういう考えを持っておるようであります。もし寄付するならば、政党の寄付は個人でいくべきである、アメリカではこのように考えておる。私どもは、そこまで今日一挙にいくことはどうかと思いまして、今申しましたように国と直接間接財政上のつながりのある、国から財政の援助を受けている団体の規制をしよう、かように考えて本案を提出した次第であります。
 またもう一つのことは、先ほど申しましたように選挙に関してというあいまいな言葉を取り除きまして、選挙に関してであろうとなかろうと規制するというふうにいたしたい。
 いずれ詳細に御審議願いますが、何とぞすみやかに御可決のあらんことを望む次第であります。
#6
○鍛冶委員長代理 以上で趣旨説明は終りました。
    ―――――――――――――
#7
○鍛冶委員長代理 それでは、内閣提出、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案を議題とし、審議を進めます。
 本法案に対し、日本社会党島上善五郎君より修正案が提出されております。
 これより修正案について提案者より趣旨説明を求めます。島上善五郎君。
    ―――――――――――――
#8
○島上委員 もっと十分に御質問申したいのでありますが、御質問と前後するわけですけれども、私はこの期日について修正案を出したいと思います。
 条文を申しますと、第一条第一項中の「同月二十八日」とありますところを「同年五月六日」と改める。第二条第四号中の「四月十八日」を「四月二十六日」に改め、同条第五号中「四月二十一日」を「四月二十九日」に改める。第四条第一項中「同月二十八日」を「同年五月六日」に改める。こういうふうに条文ではいたしたいと思います。
 簡単に御説明いたしますと、ただいま政府から提案されました法律案は選挙の期日を統一するということでございますが、私どもは、その統一をするという趣旨にはもちろん賛成であります。賛成でありますが、この政府案によりますと、都道府県知事、都道府県会議員及び五大市の長及び議員の選挙は四月二十三日、五大市以外の市町村は二十八日というようになっております。つまり都道府県知事及び都道府県会議員、五大市の選挙は二十三日に投票日で、そのあと五日置いた後にその他の選挙をしよう、こういうことであります。これは御承知のように、この前の改正によりまして選挙運動期間が短縮されまして、二十八日に行われます選挙は十日ないし七日になりました。かりに七日になった町村の選挙を例にとりますと二十一日に告示になる、こういうことになります。十日になります市の選挙は十八日に告示する、こういうことになりますと、前に行われる、つまり大きな選挙、都道府県知事及び都道府県会議員、五大市の選挙が二十三日に投票日である。その二日前の二十一日に告示になる、あるいは五日前の十八日に告示になるということは、大きな選挙の、つまり前の選挙の終盤戦とあとの選挙の緒戦とが三日間ないし五日間重なり合うということです。こういうことになりますと、第一に、政府の提案理由の中に選挙管理事務の簡素化をはかるということも理由の一つにありますけれども、このように終盤戦と緒戦が重なり合うということは、選挙管理事務が簡素化どころではなく、非常に煩瑣と申しますか、複雑と申しますか、現在の選挙管理委員会の機能としては、しょい切れないように問題が当然ここに起って参ります。それともう一つは、選挙に立候補した候補者と、候補者の当選を期して運動する政党あるいは選挙事務所といったような選挙運動の関係者にとっては非常に困る問題が起ってくる。と申しますのは、終盤戦と緒戦が重なり合うということは、あとの二十八日に行われる選挙は実際上、投票日と開票日は選挙運動にはならぬ。法律では禁止されておりません。一定の場所的な制限以外に禁止はされておりませんけれども、投票日と開票日は、実際には選挙運動にはならぬということは事実であります。そういたしますと、一週間の期間しかない町村の選挙は、二十四日開票して五、六、七と三日間しか正味の選挙運動期間がない、こういうことになります。十日間の期間があります市の選挙の場合も同様、二日ないし三日間は選挙運動が事実上できない、こういう状態になりますために、選挙運動期間が非常に短縮されるという結果を生むのであります。私どもは、この前の法改正のときにも、選挙運動期間をこのように短縮することは間違いであると言って反対をしたのでありますが、公然たる選挙運動期間を短縮するということは結局非公然の、あるいは非合法の、地下に潜行した運動が猛烈になるという結果を生むことになります。私どもは、今言ったように終盤戦と緒戦が重なり合う結果生ずる選挙運動の混乱や、あるいは選挙運動の事実上できないというような事態を救うためには、前の選挙、すなわち都道府県知事、都道府県会議員、五大市の選挙を二十三日にするということには賛成でございますが、その開票の済んだ後に次の選挙の告示が行われる、こういうふうにすることが一番妥当ではなかろうか、かように考えたのであります。このことは、私ども実は昨年地方へ調査に参りました際に、地方の選管が異口同音に希望しておったことでありまして、地方の選管では全国の会合を開きまして、十二日間期間を置いてほしいということを正式に決定して、文書でもって私どもに要望されております。私どもその要望に基いていろいろ検討いたしました結果、選管としても無理からぬ要望である、同時に今申しましたように立候補して選挙運動する側から見ましても、やはり離れておる方がよろしい、かような結論に達しましたので、今提案しましたように前の選挙が終って、開票が終ってからあとの選挙の告示をするように、こういうふうにいたしたい。これが本修正案の趣旨であります。
 ただ、その場合に一つ問題となろうと思われますのは、政府案の提案理由の中にも述べられましたが、重複立候補による弊害という問題が起って参ろうかと思います。前の選挙で落選した者が次の選挙に立候補する。これは私どもも、そういうことの弊害については考えなければならぬと思っております。しかし今日、政党の発達による公認制の確立ということがありますから、その政党の候補者でない無所属の候補者にまで及ぼすことは困難でありますけれども、政党の公認制が確立しておる現状においては、今申しましたような弊害は、ほんの一部を除いては政党の力によって取り除くことができるという現状である、こう考えまして、そのような若干の弊害があることをも承知の上で今申しましたように修正をいたしたい、かように考える次第であります。
#9
○鍛冶委員長代理 これにて修正案の趣旨説明は終りました。
 引き続き、これより原案及び修正案を一括して審議に入ります。
 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時四十八分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった。〕
ソース: 国立国会図書館
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