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1958/03/12 第31回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第031回国会 運輸委員会 第16号
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1958/03/12 第31回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第031回国会 運輸委員会 第16号

#1
第031回国会 運輸委員会 第16号
昭和三十四年三月十二日(木曜日)
    午前十時五十四分開議
 出席委員
   委員長 塚原 俊郎君
   理事 天野 公義君 理事 簡牛 凡夫君
   理事 木村 俊夫君 理事 堀内 一雄君
   理事 井岡 大治君 理事 土井 直作君
      宇田 國榮君    川野 芳滿君
      菅家 喜六君    小枝 一雄君
      關谷 勝利君    高橋 英吉君
      菊川 君子君    杉山元治郎君
      館  俊三君
 出席政府委員
        運輸政務次官  中馬 辰猪君
        運輸事務官
        (大臣官房長) 細田 吉藏君
        運 輸 技 官
        (船舶局長)  山下 正雄君
        運 輸 技 官
        (港湾局長)  中道 峰夫君
        運輸事務官
        (自動車局長) 國友 弘康君
        運輸事務官
        (観光局長)  岡本  悟君
 委員外の出席者
        運輸事務官
        (船舶局監理課
        長)      蒲   章君
        専  門  員 志鎌 一之君
    ―――――――――――――
三月四日
 中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案(内閣提
 出第一三八号)(参議院送付)
同月十一日
 日本観光協会法案(内閣提出第一五四号)(参
 議院送付)
 自動車ターミナル法案(内閣提出第一五五号)
 (参議院送付)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 港湾運送事業法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一〇七号)
 中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案(内閣提
 出第一三六号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○塚原委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付にかかる中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案を議題とし、審査を行います。
 質疑の通告がありますので、これを許します。井岡大治君。
#3
○井岡委員 中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案、こういう法案ですから、私は少くともこの法律は、中小型鋼船の造船業の合理化をはかる、近代化をはかる、こういうように考えておったのですが、この法律案全体を通覧してみますと、合理化をやりたい、こういうだけであって、何の裏づけもないように思うわけです。わずかに政府は、全文を通じて運輸大臣の基本計画であるとか、あるいは計画の変更であるとかいうようにうたっておりますが、六条の中に、「政府は、合理化実施計画に定める中小型鋼船造船業の合理化のための設備の設置に必要な資金のあっせんに努めるものとする。」これがいわゆるすべての条文を見ると、「運輸大臣」から「政府」という言葉を使っている、これが一点。それから附則の2で、「モータボート競走法の一部を次のように改正する。」この二つしか目新しいものがないように思うのですが、この点についてもう一度お伺いをいたしいたいと思う。
#4
○山下(正)政府委員 中小造船所の問題につきましては、私どもかねがねこの事業の合理化につきまして何かしなければならない、またこれを行うにはどうしたらいいであろうかということをいろいろ研究をいたしておりました。中小企業としまして一番問題になりますのは、この合理化をやりますには資金の問題が第一の問題であります。すなわち開発銀行等の融資対象にもならない、また一般の市中銀行等の融資としても非常な妙味の薄い対象のように今まで考えられております。しかし私ども翻って中小の造船所の問題を考えてみますると、現在御承知のように、わが国の海運業としましては、小さい古い船が相当たくさんございます。戦争中作りましたE型船等の処理の問題、また最近木造船が鋼船に漸次移りつつあるという情勢がございます。
 もう一つの理由といたしましては、東南アジア方面における小型船舶の需要というものが今後相当大幅にふえるであろうと思います。この問題につきましては、従って私ども東南アジア方面の小型船の需要または海運の状況等につきまして調査団を派遣いたして、いろいろ調べておりますが、将来中小の船の需要というものは東南アジア方面に相当大きなものがあると思われる。従いまして私どもとしましては、国内の需要と国外の需要とを考えてみますと、ただいまのような中小造船所の形において果してこれらのあらゆる条件を満足し得るかどうか、非常に疑問に思ったのでございます。従いましてこの中小の問題につきましては、一番肝心な技術の問題と設備の合理化を早急にやる必要があるのではないか。こういうようなわけで、この中小企業の強化、合理化を考えたわけでございます。
 御承知のように、中小問題につきましては、他の法律等でいろいろ中小企業の助成を考えております。従いまして最初の原案といたしましては、これらの合理化につきまして協同組合なりまたは共同行為等を行いまして、この法律でそれらの強化ができるようなことを考えたわけでございまするが、しかし法制局の意見といたしまして、中小企業についてはいろいろの法律があるから、この法律に譲ったらどうだということで、実はこの条文等を現在考えておりますものからのけたわけでございます。しかし法律事項ではなくて、ある程度行政的にやれることもございますが、しかし、この法律の中で政府がはっきりと中小企業に対する合理化の決意というものを表明し、またこの資金につきまして政府がめんどうを見るのだ、運輸大臣がめんどうを見るというのが普通の運輸省関係の法律に多いわけでありますけれども、そこに「政府」とありますのは、これは大蔵省とも打ち合せの上で、政府の責任において資金のあっせんをするのだという決意を表明しておるわけでございまして、この点につきましては事務的にも大蔵省と十分打ち合せをしておるわけでございます。従いまして、運輸大臣のあっせんというのよりも、政府のあっせんという方が、実際的に言いますと金を中小企業に入れるためには非常に強力なものになるだろうということと、それから先ほどお話がございましたモーターボート競走法の改正をいたしておりますが、交付金といたしまして年間一億八千万円ないし一億六千万円程度のものが、従来関連工業とかまたは海難防止等に用いられておりますが、中小造船所につきましてもこれらの金が利用できるようにいたしたいということでございます。そういうような考えでございますが、私どもが一番重要に考えておりますのは、その資金のことを今申し上げましたが、それ以外には全般の基本的な合理化計画というものを私どもとしましては非常に重要に考えております。と申しますのは、御承知のように、日本の造船業が現在のところ世界でも布教な大きな規模に達しております。従いまして、中小造船所がさらに日本の造船力に大きくプラスになる、すなわち、この中小造船所の規模がますます拡大して大型造船所になるようなことになりますと、これは世界の全般の需給のバランスの上からしましても非常に困ることになるのじゃなかろうか。従いまして、ねらいといたしましては中小企業の範囲内において、適当な規模においてその内容を改善するということに重点を置いてやりたいという考えに立っているわけでございます。従いまして、具体的に中小企業の内容等も十分調査いたしまして、必要な面についての体質の改善、内容の充実ということを考えておるわけでございます。以上のような考えでこの法律をお願い申し上げておるわけでございます。
#5
○井岡委員 その考え方は私は賛成なんです。しかし臨時措置法である限りにおいて、これは時限立法だ、私はこう思う。これは単に私が考えるだけでなしに、法案の第三条の二項の初めに、「昭和三十八年度末おける中小型鋼船造船業の合理化の目標」こういうように書いてある。従って、時限立法である限りにおいては、年度別計画というものが出されないと、現実には、今申されたようなことを実施しようとしてもできないのじゃないか。同時に今日の中小企業の造船所が近代化されなかったというのは、主として私は技術の面でなくて財政的な面だったと、こう思うのです。この点はそうじゃないというお考えがあるならば明らかにしていただきたい。そこで、財政的な面がそのおもな原因であるとすれば、ほかに中小企業に対する手当としてのいろんな立法があるからそれによるのだ、こう言われますけれども、今までそれによったけれども、できなかったんじゃないか。こういう点を考えるならば、なぜこれに対していわゆる立法事項を含めた共同行為というようなものをもやらなかったかということが、非常に大きな問題となって出てくるんじゃないか、こう思うのですが、この二つの点をお伺いいたしたい。
#6
○山下(正)政府委員 お尋ねのように、確かにこの法律は五カ年間の臨時立法になっております。なぜ五カ年間にこの合理化をしぼったかと申しますのは、先ほど申しましたようないろいろの将来の需要を考えまして、少くとも五カ年のうちに目的を達してしまいたいというねらいでございます。五年も十年もかかってやるのでは意味がない。少くとも五カ年のうちに目的を達して、国内の需要または外国の需要に十分こたえていくために、そういうような考えを持っております。従いまして、五カ年間につきましての全般の資金計画は約五十億でございます。それで初年度といたしましては十億を期待いたしておりますが、そのうち五億を開発銀行等の財政資金に依存いたしまして、あとのの五億につきましては、市中その他の資金に依存いたしたい、こう考えております。一応私どもといたしましては、この十億の内訳につきましていろいろ計画はございますが、この計画につきましては、この法律案にもございますように、海運造船合理化審議会、または造船技術審議会等におきまして十分意見を聞きまして、その意見に従って、この具体的な設備の更新の問題につきまして処理をいたしていきたいと考えております。それからさらに、たとえば老朽施設等の取りかえの問題ができると思います。その問題につきましては、初年度におきまして、工場の実態調査を十分にやりまして、そしてほんとうに取りかえなければならぬものがあった場合には、三十五年度予算におきまして、政府の補助等が行われるように努力をしたいと考えております。そういうようなわけで、設備の更新につきましては、わずかであるかもしれませんけれども、中小企業に年間十億程度の金が入りますことは、決してわずかな影響ではなくて、今まで数年間にわたりましてわずか三十五億の金が中小企業の合理化に使われておったような関係から見まして、年間十億の金が毎年入ることになりますと、相当大きな効果があるんじゃないかというような期待をいたしております。
 それから法律の問題でございますが、御承知のように、中小企業につきましては、協同組合法とかまたは中小企業団体組織法というような法律がございまして、それぞれいろいろのことを規定いたしております。従いまして、また独占禁止法等の適用等も場合によっては考慮され得るわけでありますから、そういうような事態ができましたときには、これらの法律によりまして、この中小造船所の困難な問題を解決いたしたいと考えておるわけでございます。
#7
○井岡委員 先ほどから申し上げておる中で明らかになったのは、初年度十億で――これは十一億くらいになりますが、十億でも十一億でもそれは大した問題になりませんからあれですが、五カ年で五十億の金かかかるという。それから開発銀行は五億円出してくれるという話し合いがついた、あとの五億を、市中銀行に政府があっせんをして出すのだ、こういうことなのです。しかしこれは、極端な申し方をして失礼かもわかりませんが、子供に、お前の勉強しやすいように、同時にお前が将来大きくなって生活が営んでいけるようにするために、まあピアノを買うてやる、勉強室も作ってやる、あるいは何々をやってやる、そういうことで、おやじさん、じゃその金はどこにあるのかと言われたら、とにかく五億円だけはあるのだ、あとの五億円は、これから一生懸命あっせんして探すのだ、こう言って子供を――小学校の子供ならそれで丁解するかもわかりませんか、現実にそれを見せ金で見せてもらわないと、なかなか私はみんなは安心をしないと思う。特に中小企業が今まで共同行為ができなかった理由というものを、あなた方は十分御存じのはずなのです。共同して、ものをやろうということをしなかった理由というものをよく御存じのはずなのです。こういうように考えてきますと、今局長が、いろいろ考え方としての申し述べをされましたけれども、私はどうもそれでは納得ができない。ですから、もう少し、この点に具体的な裏づけがあればお知らせをいただきたい、こう思うのです。
#8
○山下(正)政府委員 今の御質問、まことにごもっともな点だと思います。しかし、私ども今までモーターボート競争会の交付金を運用して参りました場合に、この競争会のなには商工中金から、市中銀行の協調融資を得まして、関連工場の企業の合理化に使えるのでございます。商工中金の方から金が出るということになりますと、その協調融資としまして、市中金融は案外すらすらとついておる実例がずいぶんございます。このような事態から見まして、開発銀行等が融資をするということになりますと、地方の海運局といたしましても、市中の銀行と折衝するにも非常に楽になりますし、また業者としましても、もちろん非常に楽になるということが、私ども今までやっておりますモーターボート競走会の交付金の運用から見ましても、相当いけるのじゃないか、こういうふうな考えをいたしております。それからもう一つは、この造船合理化審議会の下にいろいろの専門部会を作って、合理化の問題につきまして検討するわけでございますが、この委員会の中にも、中小企業金融公庫の方とかまたは市銀の方等も御参加順うことにいたしております。従いまして、全般の造船業がめちゃくちゃにふくらむのだということであれば、金融界としましても非常に警戒をされると思いますけれども、しかしそうではなくて、実質的にこれこれの需要を期待し、これこれの合理化を行うのだ、従って、金融的に見ても、これが十分納得できるのだというようなことも、もちろんこの中で十分説明をしなければならぬと思います。従いまして、そういうような納得が得られる場合には、市中の協調融資というものが、非常に期待をしやすくなるのじゃないかというふうに考えております。従いまして、市中の半分の金につきましては、今具体的に、では確保できるかというお話に対しては、まことにばく然とした御返事で申しわけございませんけれども、そういうようなことで極力努力をしていく、またこの条文にもございますように、政府が資金のあっせんをするとございまするので、当然大蔵省としても、これについて一はだ脱いでいただくことになっておるわけでありますから、私どもは極力努力をいたしまして、市中金融の確保に努力をしたいと思っております。
#9
○井岡委員 そうしますと、市中銀行がかなり協力をしてくれるという前提なんですが、私は、市中銀行というのはやはり採算ベースに乗らなければ、そうむやみやたらに融資をしないと思うのです。ところがあなたの方から御配付いただいておる「造船業の現状について一と、う中の八表では、必ずしも今まで採算ベースに乗っておらない無配の会社あるいは欠損の会社、こういうものがあると思うのです。従って、もし市中銀行に協力を求めようというのであれば、やはり五カ年計画を年次別に明らかにして、そしてその成果がどうだ、こういうように考えるのが私は妥当じゃないかと思うのです。ところがあなたの方は一年だけの計画をここに載せておいででございますが、次年度における計画というものが載っておらない。同時に初年度にこれだけの計画をやった後における合理化された成果、こういうものが現われておらない。こういう状態では、私はそうあなたのおっしゃるようなわけには参らないと思う。
 それからもう一つ私の心配いたしますのは、あなたの提案の説明には、最近の東南アジア各国に対する賠償の進展及びその他後進国のわが国中小型鋼船に対する引き合い状況等にかんがみまして、今後中小型鋼船の輸出の振興を造船政策の重点の一つとして考える、こういうように言っておられる。ところが一方では欧州海運会社からの受注は、ボンド圏受注拒否が原因となって全体の一一%にとどまっている。私は、東南アジアというものはほとんどポンド圏じゃないか、ドル圏じゃないと思う。こういう点から考えますと、あなた方が期待しているような成果は必ずしも十分上らないじゃないか、こう思うのです。これは大蔵省が来ておったら大蔵省にこの点だけ聞きたいのですが、まだ来ないようですからまずあなたの方から先に聞きたい。
#10
○塚原委員長 ちょっと速記をやめて下さい。
    〔速記中止〕
#11
○塚原委員長 速記を始めて下さい。
#12
○山下(正)政府委員 先ほどの工場の合理化について一年ぽっきりの資金を供給しても、全般的な合理化ができぬじゃないかということだと思いますが、実はそういうふうには考えておりませんので、審議会等を開きまして基本的な造船所全般の合理化の問題と、それからその個々の造船所の合理化の問題と、問題を二つ取り上げていくわけであります。従いまして、初めといたしましては、全般の日本の中小造船所のあり方はいかにあるべきかということを議論いたしまして、そのあとでその内訳として、日本の個々の造船所がいかに合理化をしていくべきかということの個々の計画になるわけであります。従いまして五カ年に達成できる工場もございましょうし、二カ年くらいで達成できる工場もございましょうが、その工場ごとのいわゆる合理化計画というものが具体的に検討されるわけでございますから、従いましてその計画が会社に大きなプラスになるということであれば、資金の確保ということは決して困難ではない、こういうふうに考えております。
 それからもう一つ、将来の輸出の問題でございますが、現在のところ御承知のように東南アジアにおきましては、戦争が終りましてまだ間もない時期でございます。従いましてまだ国土の開発その他も十分行われておりません。従って経済協力とかまたは賠償等によりまして、いろいろ向うの経済事情の立ち直りにつきまして努力はいたしでおりますが、しかし現状におきましては、資金不足の関係でなかなかまとまった注文を外国に出し得ないというような実情にあると思います。しかしこのような状態というものがいつまでも続くものではなくて、漸次東南アジア方面の経済が回復しなければならぬ、またさせるためには、船舶局長の申すことではないかもしれませんけれども、日本の国としまして、東南アジアと一貫したいわゆる経済の振興というものを考えなければならぬとすれば、当然何らかの形においてこれらの国の経済が伸びるような協力がなされるであろうと思います。これはもちろん仮定でございますが、またそうなければならぬと実は考えておるわけでございます。従いましてそれらの国の開発が漸次行われる、また行われるためには、やはり船が要るわけでございます。そういうような意味におきまして、私どもとしましては、決して東南アジア方面の小型船の需要というものは少くないのじゃないか、また少ければ東南アジアの開発はできないのじゃないか、そういうような観点から大きな望みを擁しておるわけでございます。
 それからポンドの問題につきましては、先般来欧州で通貨の自由化という問題が取り上げられておりまして、これがはっきりした形においてどのような効果があるかはまだ結論までいってないと思いますけれども、しかし漸次この通貨の交換の自由性が行われてきました場合に、もちろん日本もいろいろな意味におきまして大きな影響を受けると思います。が、しかし少くともポンドに関する限りにおいては割合に安定した形をとら得るのではなかろうかと思います。従いまして現在、為替損失補償法という法律がございますが、しかしこれらにつきましても、しばらく向うの通貨の状況等を見、経済の状態等を見ました場合に、損失補償法の適用等が場合によっては要らなくなるのじゃないかというようなことも一応考えられると思います。これにつきましては、私ども専門家でもございませんので、大蔵省と十分今後検討をいたしまして、また相談もいたしまして、この問題の処理をいたしていきたいと考えております。
#13
○井岡委員 ボンドの安定ということがないと、やはりボンド圏への輸出ということは困難だ、こうおっしゃっておいでのようですが、しかし私のつたない調査なり研究をしてみて、西ドイツあたりはポンドに対してはそんなに心配しておらないわけなんです。ですからインドなり中近東、あるいは東南アジアに対して非常な進出をしておる。わが国は、政府は口を開いたら東南アジアとの貿易の振興をはかるんだ、開発をはかるんだ、こう言っておるけれども、そのポンド自体については非常に警戒的だと思うのです。ですからこの際ポンド自体についての考え方を明らかにしないと、この法律で、第一条で、「船舶の輸出の振興及び海運業の健全な発達に寄与することを目的とする。」というように大きくうたっておるけれども、現実には何もそういう問題に対して手当をしておらない。あるいはいわゆる時間待ちというような格好で、非常に消極的な態度をおとりになっておる。これでは第一条の目的が達成できないじゃないか。私はこれは大臣に聞こうと思っていたのですが、大臣なかなか来ないですから、一つあなたにもいろいろ事情を聞いておきたいと思います。
#14
○山下(正)政府委員 もちろん運輸省といたしましては、この造船所の現状の報告等に書いてございますように、大蔵省と、ポンドの損失補償につきましてぜひ一つやってくれということで今交渉をいたしております。しかし大蔵省の見解といたしましては、船というものは非常に強い輸出品であるから、そういうものについて損失補償をつけるのは困るんだ、また一件ごとに金額が大きいから困るのだというような言い方を従来とも続けております。しかし先ほど申しましたような欧州の通貨の事情が若干変りつつあるわけでございます。従いましてこの問題につきましては、どのような考え方でいくべきかということの根本的な検討をしなければならぬ時期にきておると思います。従いましてその点につきましては、私どももいろいろ研究をいたしますが、大蔵省の方と十分打ち合せをいたしまして、将来ポンドの損失補償が要るか要らないかというような問題につきまして研究をいたしたいと考えております。
#15
○井岡委員 もう一度そこのところ伺います。ポンドに対する認識なり考え方なりを再検討する時期がきている、こうおっしゃるわけです。時期が来ているのであれば、特にこの際こうあるべだという態度を示さないと、先ほどから申し上げておりますように、これに対してはいわゆる五カ年でやる計画を持っている。けれども何らの財政的裏づけもなされておらぬわけです。あなたは、開発銀行で本年度は五億円貸してもらえる、あと五億円は市中銀行から貸してくれるのだ、こうおっしゃっておられます。開発銀行の方については、それは政府がそういうことで出すとと言っておるのでしょうから、おそらくお出しになると思うのですが、あとの五億というものは、これは自信があるといえばある。ないといえばない、こういうことになると思うのですね。あなたが言われたように、これは臨時措置法で、これが十年、十五年もかかっておったら間に合わぬのだ、そして五年くらいでやってしまわなければならぬのだとおっしゃっておられる限りにおいては、その五年でやる条件というものも、法律を制定されるならそこで明らかにすべきだ。そうでないと、おっしゃる通りの話を聞いておれば、これは行政措置でやれぬこともないこともないでしょう。法律にしなくても単なる行政措置でやれることなのだ。それをあえて法律にしようということは、あなた方がいわゆる中小造船の合理化をはかるということに対しての熱意を示されることだと思う。熱意を示されたのであれば、当然それに対しての裏づけというものをしないと、子供が言うように、いすを買ってあるのだといばってみても、これはひとりよがりになって、一人で相撲を取っているのと少しも変らぬと思う。だからこの点をもう一度お伺いしたいと思う。
#16
○山下(正)政府委員 この六条につきましては、当初「資金の確保」という形で実は考えたわけでございます。ところがこの「資金の確保」につきましては、大蔵省としてはそういう書き方では困るというような強い意見が出まして、このためには十分いろいろ折衝をいたしましたが、「確保」では困る、「あっせん」に直してくれということでございました。しかし「あっせん」に直しても、君たちの言うことはよくわかるから十分の一つ協力をする、協力をするかわりに「確保」を「あっせん」に直してくれということでございまして、まことに裏話で恐縮でございますが、その点につきましては十分約束をいたしておるわけでございます。開発銀行の方とも事務的にいろいろ打ち合せをいたしておりまして、私どもといたしまして資金の確保ができるというつもりはいたしております。まことに不明確な答弁で申しわけございませんが、御了承願いたいと思います。
#17
○井岡委員 まあ内輪話もされて非常に苦労されていることですから、私はあえて追及しようとは思いません。思いませんが、大蔵省が確保では困る、あっせんにしてくれという限りにおいては、大蔵省自体もあなた方の五カ年計画というものについては了解するけれども、必ずしもそれを遂行させてやろうというだけの自信というものがやはりないのじゃないか、こう思うのです。ここがやはり問題だと思うのです。だからあなたは協力してくれるのだ、してくれるのだと言っても、われわれには直接交渉をしておらないのですから、われわれはこの法案の条文を見て国民の救済をはかることしか知らないのですから、この点を明確にしておく必要があると思うのです。ですからお尋ねしておるのです。もう一度言って下さい。それから開発銀行、開発銀行とおっしゃっておりますけれども、開発銀行の問題は特別ワクはなんですか。一般ワクではないのですか。
#18
○山下(正)政府委員 開発銀行の資金ワクは一般ワクでございます。それで、こればまた裏話を申し上げまして恐縮でございますが、実は中小型鋼船造船業の合理化の法案を提案をして参りました場合に、君たちがこういうことを考えるなら、どんな業態でも全部こういう格好にして持ってくれば法律になるのじゃないが、これに一々「確保」と書かれたのでは、大蔵省としては将来もうこういう法律でにっちもさっちも財政資金の融通ができなくなるのだというようなこともございました。しかし私どもとしましては、この中小の問題につきましては、先ほど言いましたように国内のことはもちろん、将来につきましても非常な大きな発展性があり、またぜひしなければならぬというようなことで、極力私ともの熱意のあるところを披瀝して、やっと――ただし「確保」でなしに「あっせん」でがまんしてくれ、そのかわり協力してやるというようなことでございまして、それ以上の説明を申し上げることができないのは非常に残念でございますが、そういうような事情であったわけでございます。
#19
○井岡委員 まあ意地の悪いことを言うならば、あなた方は「あっせん」で協力してくれるのだという認証をもらわれたわけです。またそれを信じておいでになる。そうなると、私が意地の悪い人間なら、それに基いて五カ年計画を出しなさいと言ったら、あなたは出しますか。それはなかなか出せないでしょう。この点だけははっきり答えてもらわないと……。
#20
○山下(正)政府委員 五カ年計画につきましては先ほど申しましたように、海運造船合理化審議会なりまた造船技術審議会の意見を十分聞きまして、そうして全般的な合理化計画をきめたいと考えております。それで一応私どものペーパー・プランはできるかもしれませんけれども、しかしそのペーパー・プランで現実にものを進めるということは非常に危険性もございます。十分検討をいたした上で、具体的にこうするのだということで、この最後的な合理化計画というものを推進していきたいわけでございますから、従って正確な五カ年計画全般の資金の具体的な内容につきましては、今申し上げるわけにはいかないと思います。
#21
○關谷委員 関連してお尋ねしますが、今の御答弁を聞いておりますと、まことに不都合な話であります。これを法律にいたしますときに、この五カ年計画というものの合理化の目標を五カ年後にどこに置くのだ、この五カ年の計画はこうなるのだ、その資金はどれだけ要るのだ、そのために初年度の三十四年度はどれだけ要るのだという数字ができずに大蔵省とあなた方が相撲を取るから、横綱とふんどしかつぎの相撲のような勝負になってしまうのだ。それをはっきりとした五カ年計画を作って、そうしてこの通り要りますのだ、これで迫らずして、あなた方かはっきりした腹がまえがなくして、大蔵省のあの出すことは一切いやがるところに出させると言ってもそれは出るものじゃないのです。はっきりした五カ年計画というものを作らなければならぬのですが、ことに今造船合理化審議会の答申をというて、あの人方の顔ぶれの中に中小造船業のわかる人がおりますか。そんなところで審議したってできるものではないのです。これはあなた方が独自で一つ五ヵ年計画を作って、こういうふうな計画でこれだけやる、だからこうしてくれないと――私はそのつもりでこの法案を審議しておるんですよ。そうでないのなら、これは行政措置でやったって何も差しつかえないのです。法律でやって、最後に大蔵省当局もここへ出てきてもらって、この「あっせん」ということについては、開発銀行の金を出させるのだからこれは「確保」ということが書きにくければ、あっせんするに違いないからあっせんだというのは了承する。資金を確保することは間違いないが、大蔵省のする仕事はあっせんだから政府はあっせんだと私は承知をしておるのですが、はっきりとした計画を立てずして大蔵省に迫るというようなことは、それは局長、相撲になりません。さらにもう少しはっきりとした計画を作って、私たちもこの委員会で、まだこれは審議の道中でもありますが、あなた方が考えておるほんとうの合理化計画を――あなた方も今までそれを専門の仕事にしておられるのだから、中小造船所の合理化はこのくらいやろうという概算ぐらいはすぐ立つはずなんです。それだけでも私は示してもらいたい。そうすれば私たちも、これだけ要るがこの資金をどうするのだと大蔵省にこの委員会として迫りようもある。もう少しはっきりしたものを作ってもらわなければ、井岡委員がいろいろ質問をしておるのに、あなたがくねりくねりとここだけは答弁で済むかもしれませんが、この法律ができた後に、ほんとうのぬるま湯のようなことになって抜きも差しもならぬようなことになってはいかぬという、私はほんとうにいいことを言っていると思うのですが、実際ほんとうの計画を、はっきりとしたものを立ててもらいたい。これは最初あなた方は中小造船の審議会を作ろうという腹を持っておったけれども、それができなかったので今造船合理化審議会ということを言うておられるのですが、あの造船合理化審議会のメンバーにこんなものを相談したってわかりますか。それよりはあなた方が相談するには、こんな案がありますがこれでどうですかと見迂るくらいなところまでいかなければ、あの造船合理化審議会の役に立ちません。もしこの法律をほんとうに忠実にやろうとするならば、あの造船合理化審議会のメンバーをおかえなさい。そういうふうにしていかなければだめだと思いますが、それよりまずあなた方の気持が、自分の五カ年計画をはっきり作り上げてこれで迫るのだというかたい決意のほどがその計画の上に現われなければ、私はこの法律案は無意味なものになってしまうと思う。この第六条をほんとうに活用するためには、どうしてもそれか先決であると思います。実際にあなた方が見たらペーパー・プランでもよろしい。最初はペーパー・プランでもいいのです。それで初年度の計画をしておる間に五カ年計画というものをはっきりと策定して、そうしてあとの四年間で完全にやればいいということになります。もし大蔵省の方が資金面でほんとうにしてくれぬというなら、三十九年三月で打ち切る必要はない。延期しても差しつかえたい。実際に全部の合理化ができるまでやっていけばいいのです。あなた方、概算も今までやっておる。これは無理のないところ、これだけ要るのだ、こういうのです。その中にはいろいろなものがありましょう。あなた方が考えておられるのは、開発銀行が幾らだ、それから市中銀行でどれだけときまっておるのだ、それにはこういうふうな方法を考えよう、その調達のためにはこう考えるのだというものがあるはずだ。モーターボートもこういうふうになっておりますが、この法律改正まで付則の方に入れておくのは、モーターボートからどれだけ出すのだ、どれだけ資金としてはできる見通しだ、そうすると結局開発銀行はこれだけやってもらわなければならぬという数字も出てくるはずなんです。そこらの計画というものもはっきりとしたものがあるのかないのか。あるのなら大体こんなところという説明をしてみて下さい。
#22
○山下(正)政府委員 もちろん事務的にはそういう数字を持っております。たとえば設備につきましては、電気溶接設備につきましては手動のものが数量六百、自動のものが四十、金属加工設備につきましては百二十、金額を申すことを忘れましたが、手動につきましては金額が六千万円、自動のものにつきましては八千万円、金属加工設備につきましては五億、工作機械は四百台で十二億、電源の設備は二十で二億八千万円、運搬設備といたしましては電気溶接機、タワークレーンが五十基、十五億、その他の運搬設備百、二億八千万円、その他付帯設備、船体加工設備、岸壁等五十、金額が四億、ドックが十、四億二千万円、試験検査設備が二百で四億、合計五十一億二千万円という一応の計画は持っておるわけでございます。中小企業の実態等を調べまして、この程度のものは要るだろうという概算を立てておりまするが、これを具体的にどの工場にどうなるかということにつきましては多少の出入りその他はあると思いますけれども、一応計画は持っておるわけでございます。しかし何にいたしましても、十分調査しましてこのものがほんとうに効果のあるようにするためには若干のものの出入り、または変更等が当然なければならぬということを申し上げたわけでございます。
 それから先ほどの海運造船合理化審議会のあのメンバーではとうてい議論ができぬだろうからというお話でございますが、私どもも当然そういうふうに考えております。しかし基本的な問題につきましては、あの審議会でも議論できますが、具体的な問題になりましたときには小委員会等を作りまして、この小委員会等に斯界の実務に明るい方を御参加願いまして、そして十分検討を加えていくというような考えを持っております。もちろん造船技術審議会におきましても具体的の技術の問題を十分きわめなければなりませんので、当然現在の委員の下に小委員会等を持ちまして、そこに現場に明るい人、また実際の技術に明るい人等を御参加願いまして、十分その点は審査をしていきたいというように考えております。しかし大綱としましては海運造船合理化審議会に一応諮るという方針をとりたいと思います。
#23
○關谷委員 それだけの計画があるのなら、これだけありますと井岡委員の質問に対して答えたら、こんな長たらしい質疑は要らぬことになる。答弁は何か言われたときに出そうとかいうことでちびりちびり出す必要はないのであって、最初から計画はこの通りでございます、この通りやってもらいたいのだけれども、ことしはこれだけしかないのだが、来年からは御協力願いますとはっきり言えば、質疑応答の時間か短かくて済むのであります。もう少しはっきり答弁していただきたい。今のはその計画を一つ資料として御提出願いたい。そして総額がどういうふうになっているか。今私が見てみましたら、設備の関係だけを言われておりましたけれども、いろいろなコストの引き下げのために、設計その他をやるというふうなことについての設計指導費というようなものがその中に含まれてなかったように思いますが、あなたが今読んだ中にありましたか。私、耳が遠いから聞えなかったように思いますが。
#24
○山下(正)政府委員 資料をちびちび申し上げてまことに申しわけございませんが、標準設計の費用につきましては、予算といたしまして四百万円ほどついております。それからそのほか技術の講習会とか、いろいろの技術に対する打ち合せ等を当然しなければならぬと思いますが、それらにつきましてはモーターボート競走法を改正していただいた交付金を利用していきたいと考えております。もちろん年額交付金としましては一億八千万円から一億六千万円程度ございまするので、それらの費用をこの設備の点にさくということは、なるべくしたくないと考えております。と申しますのは、それらの金が今海難防止または関連工業の設備の近代化のために使われておりますので、それらの方になるべく重点的に充てまして、全般の合理化のためのいろいろな会合とか研究だとか、そういうことに競走法の改正をお願いしました交付金を利用していきたいと考えております。
#25
○關谷委員 それなら最初から、私があの附則で変更したモーターボートの金はどういうふうにして幾らあるのかと言ったときに、これは幾らあります、こう使いますと答弁すれば、二度聞かなくても済むわけであります。どういうものか局長は答弁を残しておいて、そうして少しでも長引いた答弁をしたいというふうな考え方のように思うが、委員会の審議をもう少し早くするように、こちらの聞いたことは残らず答弁をしてあとへ残さぬようにしてもらいたいと思います。大体あとはあなたを責め立てたところで、それは言うのが無理なので、これから大蔵省の方に私たちはただしたいと思います。
 これに関連して二、三点お尋ねしたいと思います。そこらに鉛筆ででもお尋ねすることを残さぬように書いておいて下さい。この五カ年計画を実施いたしまして、そこに合理化ができたということになりますと、合理化のできたところは表示をするのかどうか。積極的にあなたの方から表示ができないということなら、合理化ができた工場としては、うちは合理化ができているということを表示したい。また表示することによって世間への信用も高まってくるので、必ず業界からそういう申請が出てくると思うのでありますが、出てきた場合には、これはそういうふうな条項はないので、認定というふうなことを向うが申請してきた場合には認定できるかどうか。そういうふうな具体的な方法はどんなことを考えておられるか。
 同時にもう一つ。合理化のできたところでは、賠償等の輸出船のようなものができてきますが、そういう場合の配分の際にもそういうふうなことを特に考慮せられるのか、そういう点もあわせて答えていただきたい。
#26
○山下(正)政府委員 認定の問題につきましては、業者の申請によって認定をいたしたいと思っております。積極的にこちらが認定するというのでなくて、業者がこういう設備をやったから認定してもらいたいということで認定をいたしたいと思います。
 それから輸出の問題につきましては、実は中小業者で団体を組織する動きがございます。従来は、造船工業会の乙種会員として全国の八つの地区にみな入っておる中小造船所と、もう一つは、全国的な中小造船協議会という団体を組織しておるのと二つございました。これが今回この法律を機縁にいたしまして全国一本にまとまりまして、社団法人格を持った団体になろうとしております。従いまして、これらの団体と輸出組合とを結びつけるというような形をもちろんとるつもりでございます。
 このほか中小造船所の輸出の確保につきましては、端的に申しますと会費の集まり等も十分じゃございませんので、輸出全般として伸びるような方法を何らか考えなきゃならぬというふうにも思っておりますが、具体的に考えておりますのは、ただ輸出組合との結びつきの問題を考えております。
#27
○關谷委員 私は関連で自分の質問をして、井岡委員には相済まぬのでありますが、もう一、二点でありますので、関連して済まさしていただきたいと思います。
 これで中小鋼船造船業の関係の対策は五カ年計画もできますが、もう一つ零細な修繕専門のところとか、あるいは木造船造船所に対しては、これが終るとあとの対策として、運輸省としては、零細企業対策というふうなこと、これは中小企業対策といいますか、それでやるわけでありますが、もう一歩踏み出して、木造船関係の零細な造船所あたりの合理化という点も、私は気をつけなければならぬと思うのです。これについてはどういうふうな考えを持っておられますか。あなた方、そんなものはアメーバのようなもので、ほうっておいたらまたちぎれながらも何とかして生きていくのだというふうに考えておられるのか、あるいはまた何とかしてこれを助けてやって、コストの引き下げのできるように、経済界に裨益するようにしよう、こういうふうに考えておられるのか、この点、参考に伺っておきたい。
#28
○山下(正)政府委員 木造船を対象にして業界の合理化をはかっていきたいということは、かねがね考えておりましたが、実は非常にむずかしい問題があるわけであります。と申しますのは、木造船の需要という問題がはっきり大きくクローズ・アップしてこない。というて、それでほうっておいていいかということになりますと、決してそうじゃないのでございまして、地方の海運局といたしましては、地区的に協同組合等を組織して資金のあっせん等をいたしておりますが、それが必ずしも十分な成果を上げていない実情でございます。従って、少くとも技術のレベル・アッフについてでも何らかの施策はないかというふうに考えておりましたが、御承知のように予算で木造船造船所の技術向上の諸経費を要求いたしておりますけれども、いつも大蔵省の承認するところとなっておりません。従って今回この中小型鋼船造船業合理化の法案に伴いまして、モーターボートの交付金等の利用の道が開けるようになりますので、できれば木造船の船主の講習会程度のことは、大した費用も要りませんので、この費用のうちでできるのではないかと考えておりますが、基本的な木造船造船所の合理化の問題につきましては、今後私ども十分検討していきたいと考えております。
#29
○關谷委員 この分の法律ができましてからのいろいろなこともありましょうが、木造船は昔からある日本の木材資源の関係、その他石油等の関係で発達してきたものでありますので、まだこれがなくなるというような事態は参りません。そしてこれからも需要があまりないというようなことですが、それは大きな認識の誤まりでありますので、木造船というものはもっと力を入れなければならぬ。ことにあの中からセメントで張りつけておるようなボロ船ばかりあるときに、もう少し考えなければならぬ。これは海運局においても船腹調整の面で考えてもおりますが、それと同時にこの造船所の関係についてはもっともっと――これはあなた方もまだ十分頭の中に置いておられぬようですが、私たちもそういうふうなことについて、実情はあなた方によくわかるように御説明もいたしますから、その点について一つよく対策を練っていただきたい。とりあえず、まずこの中小鋼船造船についての対策をやって、それと並行して木造船の造船所の関係もやはり研究するような係を二人や三人置いて、実情調査をさしてみなさいよ。需要の関係やなんかわからぬと言うが、何もそういうふうなことをしてないからわからぬのであって、実際の木造船の状態なんかを考えたら、おそろしいようなものがあります。これはあなた方、この点にもよく手をつけられるように、安閑として今までの惰力でやっていくというようなことでなくして、このごろは海運局にも船舶局にも中小企業対策があるんだというようなことで打ち出しておるのでありますが、もう一つ零細企業対策もあるんだというところまで徹底した方策をとろうとしておるのが、私たちの考えでありますので、その点一つよく今から御調査を願いたい。そうしてそのための係員等も準備してもらいたいということを希望して、私は質問を打ち切ります。
#30
○井岡委員 同僚の關谷さんがほとんど尋ねていただいたので、私は重複を避けます。
 そこで最後に、この法律案をちびりちびり出されたということですが、私はどうでもいいのですが、いずれにしても「もしあとにこの法案を見る人があれば、法律にならない法律として奇異な感を持つであろう」というような文章の出ているほど、これは先ほどから言うように、なまぬるい湯に入ってしまって、それから出るこ出られね困った法律だと私は申し上げているのです。ですから十分御注意願って、特段の措置を講じていただきたいということをお願いしておきます。いずれほかの問題は、大臣なり大蔵当局が参りましてから二、三お伺いしたいと思いますので、それに譲ることにいたします。
 この機会にもう一つだけ、この法律案とは関係はございませんが、輸出の振興策について一つお願いをしておきたい。船が大きくなって参ったので、大造船所あたりはかなり大きな仕事を持っている。しかし大造船の部類に入って、そうして一万トン級の船台のある造船所は、全くここ二、三カ月で仕事がないという状態じゃないかと思うのです。こういう点について、船舶当局はどういうお考えを持っておられるか、一つお伺いをしたいと思う。
#31
○山下(正)政府委員 現在の世界の海運市況は非常に悪いわけでありますが、特に不定期船の建造につきましては船主の意欲か減退をいたしております。そういうようなわけで、輸出船にいたしましても注文があれば大型タンカーに集中いたしておりまして、不定期船の注文ということが比較的少いわけでございます。従いまして私どもといたしましては、できる限り中小造船所の需要を喚起したいわけでございますが、実は不定期船またはライナーと申します貨物船といたしましては、欧州方面に船主が相当あるわけでございます。従ってまた日本の注文者が、従来はギリシャ系のアメカの船主に非常に片寄り過ぎておったわけでありまして、どうしても市場を少し広く、欧州市場に自を開く必要があるんじゃないかという考えを持ちまして、昨年造船工業会等とも折衝をいたしまして、やはり欧州方面のそういう貨物船を注文するような船主を開拓する一つの機関を作ったらどうかというような提案もいたしました。ところが、そのうち約半額程度は国の援助に待つわけでございますが、これが貿易振興費の関係で全面的に認められなかった。私どもいろいろ通産省とも打ち合せをしてやりましたけれども、通産省の方で大蔵省の了解を得られなかったという事情がございまして、非常に残念に思っております。しかし今ジェトロの事務所等がハンブルグ等にできるようでございますし、できればそこに何らかの形で人を送って、欧州市場をできるだけ開拓するというような努力を今後いたしたいと考えております。
 それからもう一つは、賠償関係で貨物船の要求が相当ございますハイ・スピードの非常な優秀な船につきましては、必ずしも今手あきのところができるとは限りませんけれども、できるだけそれらのハイ・スピードの船でなくて、いわゆるコンモン・キャリアとしてのトランパーの注文をなるべく多くしてもらいたいというような希望を持っております。従いまして、私どもは輸出船につき、そのような努力をいたしたい考えであります。それから、国内船につきましては、最近造船所の延べ払いまたはストック・ボートの形式で貨物船の四、五千トンから七、八千トンまでの船の受注がぼちぼち出ております。と申しまするのは、現在船価が割合に安いのと、それからもう一つは、造船所も何とかして仕事をとりたいという二つの考えから、船主といろいろ話し合いをしまして、場合によってはストック・ボート、場合によっては延べ払いというような形で船の注文が若干ふえつつあります。私どもといたしましては、積極的に船主に船を作れというわけにも参りませんけれども、できるだけ需要の造成ということに努めて参りたいと思います。
#32
○井岡委員 そのためにもポント圏の問題を解決してもらいたいということと、延べ払いの問題が、今いわゆるドイツとかあるいはイギリスに比較して日本は非常に短かいのじゃないか、こういう点からかなり輸出船について困難を来たしている向きもあるのじゃないか、こう思うのですが、この点はどういうふうにお考えですか。
#33
○山下(正)政府委員 今延べ払いの問題につきましては、実は日本では原則といたしまして、引き渡しまでに三割のキャッシュ、あと六年ないし七年の延べ払いというのがおもに行われております。ところが、先ほどお話が出ましたような東南アジア方面等の資金の非常に少いところ、または中南米等で資金事情の非常に困難なところでは、もっと大幅な延べ払いを希望いたしております。たとえば、一五%の八年ないし十年くらいの延べ払いというような希望が出ております。ところが、欧洲ではとういうふうにやっておるかと申しますると、原則的にドイツではあまり大きな延べ払いをやっておりません。しかし東南アジア方面とか、資金の足らない国につきましては、先般もインドネシアの大使館から公電が参りましたけれども、一五%で十年の延べ払いというようなケースがあった。またイタリア等につきましては、多分頭金が五%か一〇%で、それが十五年の延べ払いだというような奨約が成立しつつあるというような公電が入っております。従いまして私どもは、大蔵省に造船の現状をるる説明をいたしまして、今後輸出造船を伸ばすためには、そういう資金の不足した国については、大幅な延べ払い、少くとも先ほど申しましたような、一五%の頭金で五年ないし十年くらいの延べ払いというのをぜひやってもらわなければ困るというような話をいたしておりますが、まだ具体的にそこまで折衝の結論が至っておりません。
 現在引き合いのありますものをごく簡単に申し上げますと、二月の中旬のデータでございますが、ビルマから五百トンの船が一隻……。
#34
○井岡委員 それは局長、時間の節約上、あとで資料をいただいたらいいですから、考え方だけを述べて下さい。
#35
○山下(正)政府委員 では資料をあとで差し上げることにいたしまして、そのような努力をいたしております。
#36
○井岡委員 ぜひ輸出の振興のためにも、この点は当局は努力をしてもらいたいと思うのです。大きいところは三万トン、五万トン、十万トンというので、これはある。ところが一万トンくらいの船台を持っている造船所は全く困っているのです。同時にいわゆる計画造船についても、不定期船は船主が希望しないというので、船舶当局もこれになかなか当ててやるというようなことをしない。こういうことでは、せっかく近代化しろということで盛んに金をつぎ込んで、近代化したところで仕事がなくなった、こういうことで、いわゆる泣きつらにバチというような格好で大へん困っておるので、やはり中近東あるいは欧洲方面に対しての市場を開拓してもらうためにも、一つボンドの問題を考えていただくと同時に、延べ払いの問題を十分検討してもらいたい。こういうことをお願いして、私の質問を終ります。
#37
○塚原委員長 土井直作君。
#38
○土井委員 同僚の各位から中小型造船業の合理化の問題について、それぞれ質問があったのでありまするが、あるいは重複するような場合もあり得るかと思いまするけれども、ごく必要な事項だけ要約して、二、三の質疑を申し上げたいと思います。
 第一にお伺いしたいと思いますることは、中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案とモーターボート競走法というものとの関連性において、提案の第六に、モーターボート競走法の一部を改正するということが規定されております。これとの関係が、どういう理由によってこういうようなことに相なっておるのか、まずその点をお聞き申し上げたいと思うのであります。
#39
○山下(正)政府委員 御承知のようにモーターボート競走法におきまして、従来海難防止、また関連工業の振興、そのほか関連工業に対する貸付金としまして、年間一億八千万円から一億六千万円の資金が運用されております。ところが今回中小型鋼船造船業の合理化をはかっていくということでございますけれども、実はこの中小型鋼船造船業がモーターボートに関係があるかということでございますが、概念的には船ということで関係はございますが、直接には関係がたいわけでございます。しかしこのねらいといたしまして、中小の造船所の問題は中小の関連工業の問題とひとしくいろいろな意味において合理化をはかるという必要がございまするので、まことに便宜的な考えではございますが、このモーターボート競走法の交付金の一部をこの中小企業の合理化のために利用させていただきたいということでございます。まことに便宜的な考えで申しわけございませんけれども、直接の関係はございません。
#40
○土井委員 合理化措置法における中小型造船所の設備の合理化の計画、それが全国的に見てどういうような内容を示しておるのであるか、この点についても御計画があれば御発表願いたいと思います。
#41
○山下(正)政府委員 先ほど資料の御要求がございまして、五カ年間にどのくらいの機械を備え付け、更新するかという資料を差し上げることにいたしておりますが、それをごらん願えればけっこうかと思います。
#42
○土井委員 さきにそれらの質問があったやに承知しておりまするが、その資料を提出する場合において、もとより総合的な計画のあれが出て参りましょうが、それに関連する全国的に見ての資金計画の総ワク、この点も同じような形で御提出を願いたいと思います。もしわかっておればこの際御発表願いたいと思います。こまかい数字になってかえって答弁に困難であれば、いずれ適当な機会を通じて資料を御提出願いたいと思います。
 それから右の借り入れの相手先の関係でありまするが、勧銀であるとかあるいは市銀であるとか、さらにただいまお話のモーターボートの方の交付金の関係でこれに充当しょうという考え方もあるやに承わっておりますが、そういう点についても念のため、どういうような処置をとられるかということについて一つ考えていただきたい。
 その次に御質問申し上げたいのは、モーターボートの資金の期待額とモーターボートの交付金側の供給能力に対するところの比較の問題でありますが、これは一体どういうような形になって現われて参りますか、この点を御質問申し上げます。
#43
○山下(正)政府委員 先ほどの資金計画につきましては、具体的に資料に記載してございまするので、それで御了承願いたいと思います。総ワクとしましては約五十一億ほど五カ年間にこの事業に入れるわけでございますが、このうち約半額を開発銀行資金に期待をいたしており、あと半額を一般市中金触に期待をいたしておるわけでございます。
 それからモーターボートの交付金の関係でございますが、ごく簡単に申し上げますと、昭和三十三年度には交付金の予想額が一億六千三百三十九万八千円になります。三十二年度の交付金は一億八千三百十八万三千円でございます。三十一年度は一億六千六百八万九千円でございます。この使用の状況を申し上げますと、三十二年度は、交付金といたしまして先ほどの一億八千三百万円が収入としてありまして、貸付金の償還金が五千三百万円、受取利息が一千百万円、繰越金が六千八百万円、合計いたしまして収入としては三億一千六百万円ございます。それから支出といたしまして、関連工業等に対する貸付金が二億三千八百万円、関連工業振興のための調査研究費といたしまして九百万円、事業の補助金といたしまして五百八十万円、以上関連工業の振興費といたしまして二億五千三百万円が組まれておりますが、そのほか業務委託手数料が二百二十万円、管理費が約五百万円、合計二億六千六十八万円が支出されております。従いまして五千五百万円が三十三年度に繰り越しされております。三十三年度の見込みといたしましては、収入として交付金が一億六千三百万円、貸付金の償還金が一億八百万円、受取利息が一千六百万円、雑収入が四十八万円、繰越金が五千五百万円、合計三億四千四百万円が収入でございます。支出といたしましては、関連工業の振興の貸付金か二億三千五百万円、調査研究費が三千百万円、補助金が三千万円、合計いたしまして二億九千七百万円、そのほかに業務の委託手数料か四十四万円、管理費が一千二百万円、合計三億九百万円が支出されております。従いまして三千四百万円ほど三十四年度に繰り越しされる予定でございます。
#44
○土井委員 そこでモーターボート競走法の交付金の関係は、従来、御存じの通り造船関連工業にこれを貸し付けるということがその目的とされておるわけであります。そこで、それに対する貸付の具体的な処置すなわち合理化的な処置の問題等については連合会が計画を立てる、こういう形になっておりまするが、実質的に連合会が何らがの都合で当局の意に沿わないような、造船合理化の年次計画に即応しないところの計画を立てたような場合において、これに対していわゆる政府としてはどういう処置が講ぜられるが。あるいはまた連合会の計画が、これは違法ではなくてきわめて適正であり、どの方面から見ても十分見識のある考え方であるという場合、こういう場合において政府としましてはこれに対してどれだけの、たとえば行政的な指導あるいは監督をするところの権限があるのか、どこまであるのか、強制力が伴うのかどうか、この点についての御見解を発表していただきたいと思います。
#45
○山下(正)政府委員 関連工業の振興費の問題でございますが、この費用につきましては事前によく連合会と打ち合せをいたしております。従いまして、この出ましたものが修正を受けない程度までによく事務的に打ち合せをいたしておりますから、連合会がお出しになったものを運輸省が認めないということにはなり得ないのじゃないか、こういうように考えております。事前に十分おち合せをいたしておるわけでございます。
#46
○土井委員 その点は連合会が監督される形になっておりますから、万々あり得ないと思いまするが、要するに政府当局の方と多少感情的とかあるいはそれに対する処置方法等において不満不平がある、そういう場合において――今まではスムーズにいっておるし、お互いに十分な連絡があるから、この点についてはごうまつも差しつかえないわけでありまするが、万一そういうような場合が、山下船舶局長は非常に円満な方であるから今のところはよろしいだろうが、局長がかわったり何かしてそれで強制力を持ったり、専制的なやり方をする場合において、事が起った場合において行政官庁としてのどれだけの権限があるのかないのか、最終的にはどうなのか、この点です。
#47
○山下(正)政府委員 運輸大臣としましては交付金の使途につきましては認可権がございます。運輸省が、大臣が認可をなさらなければ連合会はこの金の使用ができないことになっております。
#48
○土井委員 そこでモーターボート競走法の十九条の関係が今度の合理化問題と関連して交付金が改正されるのでありますが、この交付金に対する使途の問題については二十二条の中ではっきり書いてあるわけであります。三、四が大体そのおもなるものでありまするけれども、こういうようなはっきりしたものとそれからそうでないもの、言いかえまするならば第六号の「その他」となっておりまするが、「その他」というのはきわめてばく然としているし、抽象的でございますから、一体これはどういう目的と意図を持って「その他」という文字が使われておるのかどうか、この点をお伺い申し上げたいと思います。
#49
○山下(正)政府委員 お答え申し上げます。「モーダーボートその他の船舶、」とございますが、モーダーボートももちろん船舶に入りますが、モーターボートという文字を削るわけに参りませんので、モーターボートを含んで、またそのほかの船舶というようなことで書いておるわけでございます。
#50
○土井委員 それからこの法二十二条の四の第四号の表現の中で「モーターボート、船舶用機関及び船舶用品の製造に関する事業並びに海難防止に関する事業又はこれらの事業の振興を目的とする事業」とありますが、具体的に大別いたしましてどういう内容を持っておりますか、この点についてお聞きを申し上げたいと思います。
#51
○蒲説明員 お答えいたします。モーターボートとありますのはモーターボートそれ自体のことを言っています。それから船舶用機関といいますのは主機関、補助機関を含めまして機関を製造する事業であります。船舶用品と申しますのはこれは非常に広範にわたりますが、大きいものは船に積みます荷役機械を製造するもの、下は船灯に至るまで万般、船舶用品という範疇に入るものを製造する事業全般を含んでおります。それから海難防止に関しますものは、現在ではほとんどこれは昨年法律が改正されましたときに新たに発足いたしました海難防止協会のやる事業、これになりますが、海難防止に関する事業といたしましては、海難防止をやるのに必要な船を持っておるもの、あるいはさらに海難防止に関する啓蒙宣伝までを含みまして非常に広範囲にわたっております。
#52
○土井委員 それから従来の関連工業に対する貸付の関係も問題でございますが、この貸付が比較的資本金の、いわゆる企業の大きいもの、そういうようなものに片寄るような傾向がなかったかどうか、すなわち適正にこの目的を達成されるような内容の貸付になっておるかどうかという問題でございます。要するに技術的に非常におくれた地域の技術開発等にこれが使用されているのかどうか、あるいはまた貸付規定によるところの資本金の制限の範囲内において比較的大企業に優先の形で行われているのではないか、こういうような懸念を持つわけでありますが、これらについてそういう事実があるかないかという点について念のためお聞き申し上げたいと思います。
#53
○山下(正)政府委員 交付金の貸付につきましてはお話のように大資本には貸し付けないという方針をとっております。資本金につきましては、資本金が一億未満のものに限っております。一億未満のものでも開発銀行の対象等になるものにつきましては、全然考慮いたしておりません。それから、たとえば地区的に小さい修繕工場でございましても、どうしても機械が不良であって、十分な仕事ができないというような、津々浦々の工場で特に必要があると考えるものにつきましては、もちろん融資をいたしまして、修繕が円滑にいくようにいたしております。極力広く効果的に使えるようにいたしたいと思います。
#54
○土井委員 何か本日は本会議が正一時から開かれて、鳩山さんの追悼演説等があるそうでありますから、できるだけ端折って質疑を申し上げたいと思います。
 なおお聞き申し上げたいと思います事柄でございますが、これはただいま直ちに答弁をしていただきたいと考えてはおりません。というのは、従来関連工業としてそれぞれ交付金の申請等がありましたでしょうか、これに対する申請企業並びにそれぞれの資本の金額、それから一体平均点はどういうふうになっているか、また補助金の関係でございますが、二十九年度以降の各年度別にわたる本件に関する申請のあった件名、金額、団体及びその概要等について、まだこれが何件申請があって何件決定されておったか。それからもう一つ聞きたいのは、決定するまでの経緯、こういう点については資料が今ございませんければ、適当な機会に資料でもって示していただければけっこうだと思います
 なお先ほど山下船舶局長の答弁によりますと、いわゆる交付金額に対する関係において、三十三年度の予算で二億三千五百万円という金額が出ておるのであります。ところがこれが実際に使用されておるのは一億三千五百万円程度ではないかと思われるのであります。この間に約一億円の金が現在残っておるように承知しておるのであります。それから関連工業の育成のためにそれぞれ交付金を増額しなければならない、それによって実質的には船舶業者に対する合理化を促進するという一つの目的がこの法案の中に盛られておるのであります。そのためにモーターボート競走法施行規則の十九条の交付金の問題が、この中で法律となって出て参っておるわけであります。ところが三十四年度の予算、ついこの間運輸省の方の許可を得ましたものから見ますと、今度の貸付金額の総額は、今までは二億三千五百万円という数字であったのが、今度は七千万円になっておる。しかも前年度をそのまま持って参りますと、当然これは一億八千万円ばかりのものが加えられなければならない。ところが実際上においては、今言ったように七千万円というように変ってきておる。減ってきておる。これではこの企業合理化というものの目的を達成することはできないのじゃないか、こう思われるのですが、この点についての御見解を一つ承わりたいと思うのであります。
#55
○山下(正)政府委員 本年度の資金につきましては、連合会の方でいろいろお考えがあると思います。いずれその考えが私どもに出てくるのじゃないかというふうに考えております。
 それから、後段の御質問の要点がはっきりのみ込めませんでしたが、お差しつかえなければもう一度お願いしたいと思います。
#56
○土井委員 先ほど局長のお話によりますと、大体連合会からの関係は、事務的にもいろいろ折衝されて万遺漏なきを期したいということであり、またそれぞれ連合会の関連工業に対する貸付金その他の問題についても、一応事務的に十分打ち合せをして、もしそれに不合理な点があったり、あるいは不公平な点があれば、これは運輸大臣が許可をしない、こういうことであった。そこで実際上から見ますと、今度の予算の立て方というものについて、一応運輸省が許可をしているわけですね。しているということは、内容的には十分に打ち合せが済んでおるのではないか、こう思われるわけです。打ち合せが済んでいるということが前提でございますれば、いわゆる連合会からどういうような意図をもって、どういう形で出るかということよりも、むしろその前に大体打ち合せができて了解がついているのではないかと思いますが、この間の消息についてはあまり多くを質疑することはこの際避けますけれども、できるだけそういう点についての遺漏のない処置を十分とっていただくように特に希望を申し上げておきます。
#57
○塚原委員長 ちょっと速記をとめて下さい。
    〔速記中止〕
#58
○塚原委員長 速記を始めて下さい。
#59
○土井委員 それでは委員長のお言葉もありますので、中途でありまするけれども、一応保留いたしまして、本日はこの程度にとどめておきたいと思います。
    ―――――――――――――
#60
○塚原委員長 次に、港湾運送事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 他に御質疑はございませんか。――ないようでございますので、質疑はこれにて終了いたしました。
 この際關谷勝利君外九名提出の本案に対する修正案が委員長の手元に提出されております。まず本修正案の趣旨について説明を求めます。關谷勝利君。
    ―――――――――――――
#61
○關谷委員 私は、ただいま議題となっております港湾運送事業法の一部を改正する法律案に対しまして、自由民主党並びに日本社会党を代表して、修正動議を提出いたします。
 この修正案は、政府原案の全部修正でありまして、その案文は、ただいまお手許に配付してあります印刷物により御承知願うこととして、この際朗読を省略させていただきます。
 次に、修正の趣旨並びにその内容の要点を簡単に御説明申し上げます。
 今回の政府原案のおもなる点は、事業の限定登録制度の設定、登録拒否及び取り消しに関する規定の整備、私的独占禁止法の適用除外の範囲の拡張等、以上の三点でありますが、これらのうち最も重要な登録の拒否要件の整備は、今回若干整備されるとは申しながら、これに該当する者のみを排除するという相変らず消極的な登録制度が採用されているのであります。
 一方、港湾運送事業の現状を見ますと、今後港湾諸施設が急速に整備されるのに対して、積極的に荷役の近代化、合理化が強く要請されているにもかかわらず、事業者の乱立、不適格業者の出現等に起因して、荷役の近代化はおろか、秩序は混乱し、労使双方に不安動揺を与えているのであります。かかる憂慮すべき事態が生じますのは、事業が単なる登録制であるがため、その実体を的確に把握し得ないためであることは申し上げるまでもありません。
 以上のような実情にかんがみまして、この際港湾運送事業を免許制に改めまして、港湾運送の秩序を確立し、事業の健全な発達をはかり、もって公共の福祉の増進に寄与せしめようとするものであります。
 次に内容のおもなるものといたしましては、免許制設定に伴いまして、免許の申請手続、免許基準、事業開始の義務、運送引受義務、運賃及び料金、運送約款、事業計画の変更等の認可、事業の改善命令、運輸審議会への諮問、罰則及び経過規定等について、他の運送関係法規に準じて整備いたしました。
 次に、船積貨物の検数事業、鑑定事業及び検量事業でありますが、現在これらの事業は、海上運送法により事業は届出制、従事者は登録制と規定されておりますが、元来これらの事業は港湾運送事業ときわめて密接な関係を有し、所管も港湾局の所掌となっておりまして、当然港湾運送事業法で規定すべきであるにもかかわらず、海上運送法が先に制定せられました関係上、変則な状態のまま現在に至ったのであります。
 なお、これらの事業は、その性質上、公平かつ厳正を期するはもちろんのこと、特に対外取引上常にその信用を保持しなければならないのであります。
 かような理由に基きまして、これらの事業を港湾運送事業の種類に加えまして、免許制とし、従事者につきましては従来通り登録制を採用することにいたしました。
 以上が修正の理由並びに概要であります。委員各位の御賛成をお願いいたします。
#62
○塚原委員長 ただいまの修正案について御質疑はございませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○塚原委員長 別に御質疑もないようでございますので、これより本案並びに關谷君外九名提出の修正案を一括して討論に入りたいと存じます。
 別に討論の申し出もございませんので、これより直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○塚原委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 これより港湾運送事業法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 まず關谷君外九名提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
#65
○塚原委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。従って内閣提出の原案は本修正案の通り修正議決いたしました。
 ただいま修正議決されました本案の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○塚原委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 次会は来たる十七日火曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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