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1958/10/17 第30回国会 参議院 参議院会議録情報 第030回国会 本会議 第6号
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1958/10/17 第30回国会 参議院

参議院会議録情報 第030回国会 本会議 第6号

#1
第030回国会 本会議 第6号
昭和三十三年十月十七日(金曜日)
   午前十時三十二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第九号
  昭和三十三年十月十七日
   午前十時開議
 第一 公正取引委員会委員の任命に関する件
 第二 地方財政審議会委員の任命に関する件
 第三 公安審査委員会委員の任命に関する件
 第四 社会保険審査会委員の任命に関する件
 第五 労働保険審査会委員の任命に関する件
 第六 公職選挙法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 第七 漁港の整備促進に関する決議案(青山正一君外四名発議)(委員会審査省略要求事件)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
 この際お諮りいたします。高良とみ君から裁判官訴追委員を辞任いたしたい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
#4
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(松野鶴平君) つきましては、この際、日程に追加して、裁判官訴追委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
#6
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
#7
○加賀山之雄君 本選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#8
○田中茂穂君 私はただいまの加賀山君の動議に賛成いたします。
#9
○議長(松野鶴平君) 加賀山君の動議に御異議ございませんか。
#10
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 よって議長は、裁判官訴追委員に中山福藏君を指名いたします。
     ―――――・―――――
#11
○議長(松野鶴平君) 国土開発縦貫自動車道建設審議会委員早川愼一君は、さきに常任委員長に選任され、国会法第三十一条第二項の規定により、その職を解かれました。
 つきましては、この際、日程に追加して、国土開発縦貫自動車道建設審議会委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
#12
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
#13
○加賀山之雄君 本選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#14
○田中茂穂君 私はただいまの加賀山君の動議に賛成いたします。
#15
○議長(松野鶴平君) 加賀山君の動議に御異議ございませんか。
#16
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 よって議長は、国土開発縦貫自動車道建設審議会委員に後藤文夫君を指名いたします。
     ―――――・―――――
#17
○議長(松野鶴平君) 日程第一、公正取引委員会委員の任命に関する件を議題といたします。
 内閣から、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第三十条第四項後段の規定により、鈴木憲三君を公正取引委員会委員に任命したことについて、本院の承認を、また同法第二十九条第二項の規定により、高坂正雄君を同委員会委員に再任することについて、本院の同意を得たいとの申し出がございました。
 これより本件の採決をいたします。まず、鈴木憲三君を公正取引委員会委員に任命したことに承認の諸君の起立を求めます。承認することについて賛成の諸君の起立を求めます。
 いま一度申し上げます。
 これより本件の採決をいたします。
 まず、鈴木憲三君を公正取引委員会委員に任命したことを承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#18
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって全会一致をもって承認することに決しました。
 次に、高坂正雄君を同委員会委員に任命することに同意の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#19
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって全会一致をもって同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#20
○議長(松野鶴平君) 日程第二、地方財政審議会委員の任命に関する件を議題といたします。
 内閣から、自治庁設置法第十五条第六項後段の規定により、児玉政介君、木村清司君、上原六郎君、荻田保君、遠山信一郎君を地方財政審議会委員に任命したことについて、本院の同意を得たいとの申し出がございました。本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#21
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#22
○議長(松野鶴平君) 日程第三、公安審査委員会委員の任命に関する件を議題といたします。
 内閣から、公安審査委員会設置法第五条第三項の規定により、阿部眞之助君、挾間茂君、矢部貞治君を公安審査委員会委員に任命したことについて、本院の承認を得たいとの申し出がございました。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#23
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本件は承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#24
○議長(松野鶴平君) 日程第四、社会保険審査会委員の任命に関する件を議題といたします。
 内閣から、社会保険審査官及び社会保険審査会法第二十二条第三項の規定により、赤松金雄君を社会保険審査会委員に任命したことについて、本院の承認を得たいとの申し出がございました。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#25
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#26
○議長(松野鶴平君) 日程第五、労働保険審査会委員の任命に関する件を議題といたします。
 内閣から、労働保険審査官及び労働保険審査会法第二十七条第三項の規定により、花澤武夫君を労働保険審査会委員に任命したことについて、本院の承認を得たいとの申し出がございました。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#27
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#28
○議長(松野鶴平君) 内閣総理大臣から、外電問題について発言を求められております。この際、発言を許します、岸内閣総理大臣。
   〔国務大臣岸信介君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(岸信介君) NBCのセシル・ブラウン記者が米国に帰国するに当り、総理と会いたい旨の申し入れが外務省の事務当局を通じてありましたので、去る九日、総理大臣官邸において、これと面会をいたしました。
 質問の内容は、憲法改正問題、安保条約改定問題、核武装問題、台湾海峡問題、日中貿易問題、東南アジア開発問題等に及んだのでありますが、新聞に報道せられておりますところは、私がブラウン記者に答えた内容とは相異なっておると思いますので、この際、私のブラウン記者に対して話しました内容をここで申し述べたいと存じます。
 まず、憲法改正問題につきましては、この問題は、日本にとってきわめて重大な問題であるから、慎重に検討するため、憲法調査会を設けて、有識者を集めて審議している次第である。私は、公知の通り、憲法改正論者であるが、改正には、衆参両院の三分の二以上の賛成及び国民の過半数の同意を必要とするものであるから、改正の実現まで相当の時日を要するのは当然である旨説明したのであります。その際、ブラウン記者が、改正問題には第九条も含まれるかという質問をいたしましたので、私は、第九条も含めて検討する旨を答えたのであります。
 安保条約改定については、昨年アイゼンハワー大統領と私との会談に引き続き、先般の藤山・ダレス会談において話し合いがありました。それは、現在は、条約成立当時とは事情も異なってきておりますので、各般の事情を考慮し、日本の自主的な立場、相互の対等の立場から、また、相互の信頼と理解の上に立った協力の原則に従って、条約の再検討を行うことを話し合ったものでありまして、日本国憲法の制約の範囲内でこの問題を取り上げるべきことは当然であって、海外派兵が現在の憲法のもとにおいて許されていないことは明らかであり、日米の相互協力と申しても、憲法の制約の範囲内で考えていかなければならぬという趣旨のことを説明いたしたのであります。特に、御承知の通り、憲法改正の問題は、今回の安保条約改定問題の起る以前から検討している問題であって、安保条約の改定とは直接に関係はない点を指摘いたしました。
 核兵器による武装の問題については、日本においては、思想や政治的立場のいかんを問わず、これに反対する考えが非常に強く、政府としても、すでに国会を通じてしばしば声明した通り、核武装はしない、核兵器の持ち込みは、これを認めないという方針を一貫しており、この際、この立場をさらに明確にいたしたい旨を説明いたしました。
 台湾海峡問題につきましては、現在の紛争が一日も早く平和的に解決することを希望するものであって、武力によって問題を解決しようとすることは適当でない。あくまで当事者間の話し合いにより、平和的に解決を望むものでありまして、この問題を内政問題であると言っただけでは問題は解決しない。関係当事者の話し合いが必要であるという意味において、国際的に関連のある問題であるということを申したのであります。
 中共と日本との関係について、貿易を拡大したいというのは、日本国民の願望であって、政府もその政策を一貫しておりますが、中共側の言っておるように、貿易拡大の代償として、政治的な関係を今直ちに中共と結ぶということは考えていない。わが国は、すでに国民政府との間に平和条約を結んでおり、その関係を調整することなく中共を承認することはできない。のみならず、朝鮮問題に関連して、国連において侵略国であるとの決議の存する限り、国連の一員としては、その決議を尊重するのは当然であるから、これらすべての関係を整理することなく中共との関係を正常化することは、日本としてはできないということを述べたのであります。
 最後に、東南アジア開発問題については、日米、特に米国が東南アジア開発に努力する必要あることを強調いたしたのであります。
 なお、念のために申し添えておきますが、この会談は、従前の例の通り、事前に質問事項の提示を受けたのではなくして、また、これも従前の例でありますが、当方の通訳をつけて話をしたものであり、一部に伝えられているように、この会談を録音したというような事実はないのであります。
 以上、申し述べた通りの次第でありまして、新聞の報道するところは、私の真意を十分に伝えておらず、誤解を生じているやに思われますので、ここに対談の内容を御説明申し上げて、この点を明瞭にいたしたいと存じた次第であります。
#30
○議長(松野鶴平君) ただいまの発言に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。岡田宗司君。
#31
○岡田宗司君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいまの岸総理の会見に関する弁明について、若干の質問を行いたいと思います。
 岸総理とアメリカのNBC放送の記者セシル・ブラウン氏とのインタービューの全米向け放送につきまして、ただいま総理よりいろいろと釈明がございましたが、これをそのまま受け取って納得して、この問題を不問に付するわけには参らないのでございます。多くの国民諸君も、これと同じ趣旨の総理の談話をすでに新聞で読み、あるいはラジオで聞いておりましても、それをそのまま信じて、釈然とすることはないと私は断言することができるのであります。事の真相を明らかにするために、以下の私の質問に対しまして、明確な御答弁をお願いしたいのであります。
 第一点は、総理はインタービューについて軽率ではなかったかという点であります。総理の否定にもかかわらず、当のブラウン記者は、十五日アメリカにおきまして、オキーフ氏との会見において、重ねて総理が「憲法第九条を廃棄すべき時が来た」と述べたと強調し、ザット・イズ・ア・ダイナマイト・ステートメント・フォア・ア・ジャパニーズ・プレミアー・ツー・メイク、すなわち、「それは日本の首相としては爆弾的声明である」とさえ評しているのであります。ブラウン氏の放送は、総理の言葉をそのまま一字一句も違いなしに述べているとは私は申しませんが、彼の創作とか捏造であるとは断じて言えないのであります。ただいまの岸総理の弁明を聞いておりますというと、あたかもブラウン記者が全く会見の内容を捏造し創作しているかのごとき感を受けるのでありますが、この会見が問題となりますや、総理は今さらのようにあわてて、打ち消したり、言いわけをしておられるのであります。また、これを発表されたことを非常に迷惑と感ぜられているようでありますが、それならなぜ、インタービューの際に、もっと慎重な態度をとられなかったのでありますか。この重大な時期に重大な問題についての一国の総理の発言が、重大な影響を各方面に及ぼすものであることについては、あなたは知らないはずはないはずであります。あなた自身、昨日、外務委員会で鶴見祐輔氏の御質問に対して答弁をされておりますが、その中において、あらかじめのクエスチョネーアを受け、それに対して慎重にしてかつ正確な答弁をするという方法をとらなかったのであります。また、通訳につきましても、しかるべき通訳を使っておったようには見受けられないのであります。さらに、発表につきましても慎重な手続をとっておらないと言えるのであります。どうも重大な内容を持つ会見としては、総理の態度は慎重を欠いているように思われるのでありますが、この点に対しまして、あなたの見解はどうであるか。あるいは、かえって、気軽に会って気軽に会談されているので、私には、総理がこの会見におきまして案外本音を吐いているものとも思われるのであります。
 そこでお伺いしたいことは、第一にこの会見について、総理は自分の態度が慎重を欠いていたことをお認めになるかどうかという点であります。第二に、総理はブラウン記者の言をしきりに否定しておられるが、しからばブラウン氏の放送内容は、彼の創作であり、あるいは捏造であるとお考えになっているかどうか、この点を明らかにしていただきたいのであります。そして第三に、もしそれが捏造であり、あるいは総理の見解を誤まって伝えているというならば、総理はこれを正式に取り消すことをお求めになるかどうか、その点をはっきりしていただきたいのであります。
 次に、私は会見の内容について若干お尋ねしたいのであります。ブラウン氏は、あなたがはっきりと「日本にとって憲法第九条を廃棄すべき時が来た」と述べているというのであります。しかも彼は、総理は当面の問題に関して、これまでにないほど大胆な表現で語ったと言い、さらに総理の否定が発表された後にも、「岸首相は会見の中で、日本が武装兵力を持つことができるような憲法改正を主張することによって、みずからの政治的運命をかけたものだと思う」と評し、また、「岸首相が東京で私と行なった会見が日本でセンセーションを起したのは、驚くべきことではない」と解説を加えているところを見ますと、あなたの言葉は、きわめて率直かつ断定的であって、ブラウン記者は非常に強い印象を与えられたものと断定せざるを得ないのであります。あなたはこの点について、「私自身は改憲論者であるが、これについては憲法調査会で検討している。憲法改正の内容には第九条も含むかとの質問があったが、これに対してはもちろん含むと答えた」と弁明しておいででありますが、こんなことで、彼があのように強い印象を受け、あのように言うはずはないと思うのであります。あなたが憲法改正論者であると自認されておる以上、憲法九条について、あなたは何らかの見解を持っていなければならないはずであります。ブラウン氏が、あなたが大胆率直に憲法第九条を廃棄する時が来たと述べたと言っておるのは、私のみならず、国民は、これがあなたの本音であると思わざるを得ないのであります。問題がこのような波紋を起しました以上、あなたは、あいまいな言葉や弁解で逃げるわけには参りません。あなたはほんとうに第九条廃棄の時が来たと考えておられるのかどうか。この際、率直にお答えを願いたいのであります。
 あなたはまた、憲法改正は安保条約の改定と関係はないと今弁明しておられるのであります。しかるに、そのすぐあとで、海外派兵はできるかと聞かれ、「憲法を改正しなければできないのだと答えたのが事実だ。海外派兵するために憲法を改正すると伝えられているのは誤まりだ」と新聞で言っておられるのでありますが、よしんばあなたのこの点の弁明を認めたといたしましても、安全保障条約の改定と憲法改正の関係のあることは明白であると言わなければならぬのであります。あなたの言う安全保障条約改定における自主性、対等性あるいは双務性とは、現行憲法のままで規定できるものであるか、この点をまずお尋ねしたいのであります。
 ブラウン氏との質疑応答から見ましても、憲法第九条の改正にあなたは言及しておられますが、攻守同盟的な相互防衛条約の締結、海外派兵の道を開くことを示唆しているものと思われるのであります。この点につきまして、あなたはそうお考えになっておられるかどうか、見解をはっきりしていただきたいと思うのであります。
 次にお尋ねしたいのは、「日本は自由世界を防衛する戦いにおいて、十分な役割を演ずる用意をしなければならない」と言っておると伝えられている点であります。あなたは、中国が、朝鮮、ベトナムの侵略者であり、現在、金門、馬祖に対する侵略者であることを指摘し、台湾海峡の事態は、内戦ではなくて、共産主義の侵略に対する国際的な戦いであるとして、台湾海峡における米台の行動を支持し、朝鮮と台湾が共産主義者の手に落ちないことが、日本の安全保障のために絶対必要であり、これを阻止するために可能なあらゆることをなす用意があると言っていると、ブラウン氏は伝えておるのであります。この点あなたは弁明のうちにおきましても、何にも否定してはおらないのであります。自由世界を防衛する戦いにおける十分な役割とは、一体何をさすものでありますか。これは前後の関係から見まして、軍事的な措置でありますことは明瞭であります。すなわち、第一は、日本の防衛力の増強であり、第二は、最大限可能の協力を規定する安保条約の交渉をすることであり、第三は、台湾、韓国を支援し、これらの国と協力することにあると受け取られるのであります。総理は、中国を侵略者なりと断定して、台湾海峡における米台の行動を、共産主義の侵略に対する国際的な戦いとして支持されているのかどうか、その点を明らかにしていただきたいのであります。さらに、アメリカのスポンサーのもとに、日韓台の軍事的協力、もしくは反共同盟、すなわち将来東北アジア条約機構のようなものを考えておられるのか、これも明らかにしていただきたいのであります。
 総理は、また中国を侵略国であると非難して、中国を承認しないこと、また、中共が経済取引の代償として外交上の承認を要求しているが、中共を承認しないことを強調したと、ブラウン氏は述べているのであります。総理は、従来われわれ及び国民に対しまして、たとえ中国を今承認しておらなくても、友好的に関係を続けていきたいとか、中国を敵視するものではないとか、中国が貿易をストップしたことを、誤解に基くものである、不可解なこととして、中国の態度に変化のあるまで静観するとか何とか言っておられますが、このことと、ブラウン記者が伝えている岸総理の中国に関する見解とは、著しく調子が違っているということを私どもは発見するのであります。アメリカ政府の見解のしり馬に乗りまして、何ら確実な根拠もなくて中国を侵略国と断定するがごときは、今日の悪化せる日中関係の打開に百害あって一利なきものと言わざるを得ないのであります。かかる言辞は、日中関係の悪化に拍車をかけることになり、これはアメリカや台湾を喜ばすかもしれません。しかし、日中関係の打開、その国交の正常化を待望する国民を失望させ、また、日本のアジアにおける国際的地位の安定化を、みずからぶちこわすものと言わなければならぬのであります。いかなる理由をもって、また何の必要があって、ここで、ことさらに中国を侵略国家なりと断定し、中国不承認をあえて強調されているのであるか、この点、明らかにしていただきたいのであります。
 ブラウン記者の会見記の全体を、私はしさいに検討して見ましたが、たとえ総理がいかに否定され、弁解されようとも、総理の考えておられる外交防衛政策が、実にこの会見記において、はっきりと浮き彫りされているのであります。すなわち、この発言によりまして、かつて東条内閣の重要な閣僚であった軍国主義者岸信介氏の本性が露呈され、かつ、その軍国主義的政策体系が、国民の前にその姿をくっきりと全貌を現わしているのであります。総理は、政府の最高責任者として、初めて公然と、しかも日本国民に対するよりも、まずアメリカに対しまして、憲法第九条の廃棄を公言したのであります。それによって、日本が核武装を含む本格的な再軍備を押し進め、海外派兵の道を開き、アメリカとの間に攻守同盟的な相互防衛条約を、また、日韓台の間に反共同盟を結ぶ方向に進むことを示唆したのであります。これは、日本をして、アメリカの反共戦略体制において、現在以上に積極的な軍事的役割を引き受けさせることを約束したものであります。すなわち日本をして、進んでアメリカのために火中のくりを拾わせようとするものであり、日本の安全を保障するどころか、日本を戦争に近づける危険きわまる政策と言わなければならぬのであります。
 また、岸総理は、アメリカに追随して、中国を侵略者と断定し、その不承認をことさらに強調し、共産主義侵略防止のため、日韓台の協力を唱えておるようでありますが、このことは、最近の世界、特にアジアにおける国際政治情勢の発展を全く無視せるものであり、国民の強く要望している日中関係の改善を一そう悪化の方向に追い込み、日本をして、悪評の高い韓国、台湾と同じ運命の道を辿らせるものと言わなければなりません。このインタービューを通じまして、岸総理の外交防衛の政策の体系を知った国民は、全く驚愕し、日本の将来の運命に非常な不安を感じているのであります。アジアにおける国際緊張を背景にして、日本の将来の運命を決する日米安保条約の改定交渉が行われている際に、かかる総理の発言は、各方面に重大な影響を及ぼすものであります。今の総理の弁明を聞きましても、国民は釈然としないのであります。どうか、私の質問に対しまして明確な御答弁を賜わり、あなたの真意を余すところなく明らかにしていただきたいのであります。
 次に、私は藤山外相に一点お尋ねしたいのであります。けさのジャパン・タイムスを見ますというと、外務省はこの岸総理とブラウン記者との会見につきまして、大へんに困惑をされているように見えるのであります。そうして、これがいろいろな外交関係に影響を及ぼすことを憂慮していることが、この新聞記事でも、うかがえるのであります。一体、藤山外相は、このことがあなたの押し進める外交上にプラスになるものか、果してマイナスになるものか、その点をはっきりとお答えを願いたいと存ずるのであります。以上。
#32
○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。
 先ほど私が申し上げましたように、この会見は、従来の例のように、事前にクエスチョネーアを出させるというような手続はとっておりませんし、また、通訳を用い、録音もとっておらないということでございますが、とにかくこれは、従来私が、しばしば外国の記者やその他の者と会ったときと同様な取扱いをいたしたわけでありますけれども、今回のセシル・ブラウン君との会見の結果、こうした問題を引き起しているということについては、はなはだ遺憾と思います。従って、その意味において、慎重を欠いたのではないかという点につきましては、将来の会見の場合におきましては、十分に留意いたしたいと考えております。また私は、この会見におけるブラウン記者の発表なり、あるいはUP、APが、これをキャリーしたところの内容と、私の会談内容とが違っている点につきましては、先ほど明確に私の会談内容を皆様に申し上げたのであります。従って、そういう意味において、私は必ずしもブラウン君が創作したとか捏造したとかということではございませんが、私の真意を伝えておらないという意味において、私が会見をいたしました再審を明確にしたわけであります。しかして、これを取り消さしめるかどうかということにつきましては、今、全文や、あるいはオキーフ記者との間の会談等を十分に検討いたしております。その上において善処するつもりであります。
 それから第三に、憲法九条の廃棄の問題でございますが、私は憲法九条廃棄という言葉は絶対に使っておりません。先ほど申し上げました通りでございます。
 第四に、安保条約と現行憲法との関係でありますが、私は、先ほど申し上げましたような、また、安保条約の改定問題につきましても、アメリカ側に明確に話していることは、日本の憲法の制約の範囲内における対等の立場なり、あるいは相互的な義務という意味において話し合いをする考えでありまして、その点は、十分この改定の問題に入る前に明確にしてある問題でありますから、この安保条約の改定が、当然憲法の改正を前提とするというような意味ではございません。
 それから自由主義国の防衛のために何か用意しているとかというような点についてのブラウン記者の言明でありますが、私はそういう意味のことは申しておりません。ただ私どもはあくまでも自由主義国の立場を堅持するものであって、この意味において、共産主義の浸透ということに対しては、それが直接間接を問わず、われわれは十分な戒心をして、この自由主義国の立場の防衛をやっていかなければならぬということは、明確に申し上げました。
 台湾海峡の問題につきましては、先ほど申した通りでありまして、内政問題だといって、内戦だといってこれは片づけることはできない。というのは、私はすでにこの国会におきましても意見を発表いたしておりますように、ワルシャワ会談というものの成功を私は心から願っているものであります。もしもこれが単純なる内政問題とするならば、ワルシャワ会談なんというものがあり得るわけはないし、また、それによって成功をさせるという問題じゃなかろうと思う。そういう意味において、国際問題であり、国際問題に関連のある問題であると考えるのが、私は当然だと思う。
 それから、アジアにおける軍事的な条約機構を考えているかという問題につきましては、私は絶対にそういうことは考えておりません。
 日中関係につきましての私の考えは、先ほど私が申し上げました通りで、これはずっと一貫して私のとっております方針でありまして、それを明瞭にしただけでございまして、何ら従来の考え方と変っておらないのであります。
#33
○国務大臣(藤山愛一郎君) 総理がセシル・ブラウン記者と会見されました問題が、いろいろな通訳その他の技術的な点から誤解を生んだということは、まことに遺憾だと思います。ただ、総理が先ほど説明されましたことは、総理の真意でありまして、今日まで総理が堅持しておられる考え方でありますので、その説明によって誤解を解いて参りますれば、外交上支障はないと存じております。
#34
○議長(松野鶴平君) 岡田宗司君。
#35
○岡田宗司君 ただいまの岸総理の御答弁を聞いておりますというと、ブラウン記者は創作をしたんではない、捏造したんではないとあなたは言われておるのでありますけれども、全くその報ずるところと、あなたの言われるところは食い違っているのであります。もし、あなたの言われることがほんとうだとするならば、ブラウン記者の言ったことは全部うそであり、創作であり、捏造であることは明瞭であります。また、あなたはフル・テキストをとって云々と言っておられますけれども、それはもうすでにこちらへ来ている。私もそれを読んで、そうして検討をいたしまして、今質問いたした次第であります。総理はこれを知らないはずはない。それに基いてお答えになっているものと思うのでありますけれども、果してそれに基かないでお答えになっているのかどうか、その点をお伺いしたい。
 それから、内容につきましては、いずれ外務委員会なりあるいは予算委員会なり、他の委員会において詳しく質問をしたい、そして御意見を伺いたいと思うのでありますけれども、今のお話のうちで、私、ただ一点お聞きしておきたいのは、中国が、金門、馬祖を侵略しておる、中国は侵略国である、こういうことをはっきりと言われておるのであります。これはおそらくブラウン記者もそう間違いなく伝えているものと私は思うのですが、もしもそうだといたしますならば、それが今日の日中関係の悪化に一そう拍車をかけることになりまして、これはもう実際これをもとへ戻すということは、非常に困難――じゃない、不可能になると私は思うのでありますが、この点は全く、先ほど申し上げましたように、百害あって一利なし。はっきりとあなたは、アイ・コンデム・レッド・チャイナというふうに翻訳されるような言葉を語られたのかどうか。また、あなたがそう言わなくても、その内容をくんで通訳がそういうふうに言ったのかどうか。これは今後重大な問題でございますので、その点を明らかにしていただきたいと思うのであります。
 それから、藤山外相はただいま、これが、このことが首相の今の言明によって真相が明らかになれば、ちっとも差しつかえないと言われておりますけれども、現在は外務省は混乱しておる。マイナスなんです。これは明らかだ。私はあなた方と政策は違うけれども、この問題が混乱を起しているということだけは私どもよくわかるのであります。また、それが日本の全体にとって悪い影響を及ぼすものであるということも、私はよくわかるのであります。また、国民がこれによって非常に不安に陥れられていることも私どもは感知できるのでありますが、これらの点について、一体、外務大臣は、それでもなおまだ、支障がない。将来真相がわかれば――と言うけれども、ブラウン記者は二十五日に帰ってくる。その上でもって、私どももブラウン記者の意見を聞く機会があるかもしれませんが、その際にも、あなたは、はっきりとそういうことが言い切れるかどうか。それらの点のお答えを願いたいのであります。
#36
○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。
 一応私のところへも、今、岡田議員のお話のように、フル・テキストを、オキーフ記者との対談の何は受けております。検討いたしております。ただ、このブラウン記者のサンフランシスコにおいて吹き込みをしたときに用いた言葉と、オキーフとの会談においての言葉との間には、やはり言葉が違っております。その辺の何につきましても、十分に検討して、適当な処置をとりたいというのが私の考えであります。
 第二の、日中関係の問題につきまして、このブラウン記者が言っておるように、私は、コンデム・レッド・チャイナというような言葉を用いてはおりませんし、また私の通訳もそういう言葉を用いておりません。これは明瞭に申し上げておきます。私も、通訳は使っておりますが、そういう言葉ぐらいはわかっておりますから、そういう意味におきまして、そういう言葉を決して使わなかったということは、この際明瞭であります。なお私は、中国を、この点はブラウン記者が言っておるところに私は多少誤解があると思いますが、はっきりと中国を侵略者だと、こう私が断定したのではなくして、先ほど申し上げましたように、この問題は国連においてそういう決議が存している、そうすると、われわれとしてもその決議を尊重して、これではいけないんじゃないか、こういうものが整理されない限りはできないんじゃないかということを申したのは、事実でございました。それ以上はございません。
 金門、馬祖の問題につきましても、私は、先ほど言っておるように、この問題、台湾海峡の問題を武力で解決しようということは私は適当でない、話し合いをすべきものであるということを申しておりますが、侵略が行われておるとかどうかというようなことは、私は申しておりません。
#37
○国務大臣(藤山愛一郎君) 先ほど御答弁申し上げましたように、こういう問題が起りましたことはほんとうに遺憾でありまして、むろん起らない方がよかったことは当然のことでありますが、しかし、首相の真意というものが逐次わかって参りますれば、それらの誤解は解けて参ると思うのでありまして、従来通りの考え方でやることに支障はないと思っております。
#38
○議長(松野鶴平君) これにて質疑の通告者の発言は終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
     ―――――・―――――
#39
○議長(松野鶴平君) 日程第六、公職選挙法の一部を改正する法律案。
 本案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。青木国務大臣。
#40
○国務大臣(青木正君) 公職選挙法の一部を改正する法律案の提案理由と、その要旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近における選挙の実施状況にかんがみまして、(一)立候補の手続及び要件に所要の改正を加えること。(二)政党その他の政治団体の選挙における政治活動の規制を合理化すること。(三)その他選挙の管理執行に関する規定を整備することの三点を骨子として、公職選挙法に所要の改正を加えようとするものであります。
 まず第一に、立候補の手続及び要件に関する改正であります。御承知のように現行法におきましては、郵便を利用して立候補の届出をすることも不可能ではないのでありますが、このような届出は、確実迅速を旨とする立候補の手続としては適当でないと考えられるので、今回の改正案におきましては、立候補の届出は本人または代人が直接選挙長のもとに提出すべきものといたしたのであります。また、最近における選挙の実情を見まするのに、町村長の選挙におきましても、いわゆる泡沫候補と称せられるような立候補がしばしば見受けられるのでありまして、この際、町村長の選挙について、新たに供託の制度を設けることにいたしますとともに、既存の供託制度につきましては、その金額をおおむね二倍程度に引き上げることといたしたのであります。次に、現行法におきましては、都道府県知事及び市町村長は、任期満了による選挙に限り、在職のまま立候補することが認められているのでありますが、このような独任制の執行機関の職にある者が在職のまま立候補いたしますと、公務の執行と選挙運動との区別があいまいになり、弊害も認められますので、選挙運動の公明をはかる見地から、これを禁止することといたしたのであります。
 改正の第二点は、政党その他の政治団体の選挙における政治活動の規制の合理化に関するものであります。現行法上、政党その他の政治団体が、運動の期間中及び選挙の当日、特定の政治活動をすることができる資格を取得するためには、一定数以上の所属候補者を有することが必要とされておりますが、その所属候補者の意義について、法律上明確を欠いておりますため、政治活動の規制の取扱いにつき妥当を欠く点があったように思われるのであります。そこで、この点について明確な規定を設けるとともに、都道府県知事及び市長の選挙においては、無所属として立候補し、特定の政党その他の政治団体の推薦を受ける場合が多いので、そのような選挙の実体に着目して、推薦候補者を有する政党その他の政治団体についても、一定の条件のもとに政治活動の特例を認めることといたしたのであります。
 なお、衆議院議員の総選挙における政治活動用ポスターの掲示につきましては、政談演説会と同じように、所属候補者を有する選挙区に限りこれを認めることといたしました。
 改正の第三点は、その他選挙の管理執行の合理化に関するものでありまして、その一は、基本選挙人名簿の調製期限を十一月十日、確定期日を十二月三十日といたしまして、選挙人名簿調製事務のために、十分な時間的余裕を与えるととも、名簿登録資格の年令を暦年と一致せしめることにより、名簿調製の完璧を期することといたしたのであります。その二は、衆議院議員及び参議院議員の選挙においては、選挙人が、選挙人名簿調製後、他市町村へ住所を移しても選挙権は失わないので、これらの者に不在者投票を認めて投票の便宜をはかることといたしました。その三は、開票立会人及び選挙立会人となるべき者の届出について、届出の便宜と適確とを期するため、市町村の選挙管理委員会に届け出ることにいたしたいのであります。この四は、市町村長の選挙が行われる場合に、これと同時に行われる市町村の議会の議員の再選挙または補欠選挙は、当該選挙の執行に必要な準備期間を確保できるものに限り義務づけることにいたすとともに、選挙執行の手続としては、必ず同時選挙の手続によって行うことにいたしたのであります。
 そのほか付則におきまして、ただいま申し上げました公職選挙法の一部改正に伴い、関係法律の規定の整備を行うことといたしたのであります。
 以上が公職選挙法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
#41
○議長(松野鶴平君) ただいまの趣旨説明に対し質疑の通告がございます。発言を許します。成瀬幡治君。
#42
○成瀬幡治君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になりました公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、岸総理に主として質問を申し上げ、関係閣僚にはあらためて委員会で質疑いたしたいと存じます。
 民主主義の原則が議会主義であり、議会が公正にして自由な民意の反映による選挙によって選出された議員によってのみ構成されますことが、民主主義の大きな柱であることは、今さら申し上げるまでもないことと存じます。政府が最も力を注ぐべきことは、日本の民主主義を伸長させることであり、選挙においては、主権者である者はだれでもが自由に選挙活動ができるようにすることであります。選挙を自由に公正にするためには、まず何よりも選挙に金のかからないようにすることであります。政界の汚職が跡を断たない根源は、選挙に金がかかり過ぎることにあります。選挙に金を使うことを投資と考え、議員になったらその穴埋めをしなければならないというところに問題があります。汚職追放を題目に終らしめないためにも、金のかからない選挙のできるようにすべきであります。わが党が多年主張して参りました選挙公営の拡大ということは、ここにその主張根拠があるのであります。
 そこで、岸総理にお伺いいたしますが、たとえば立会演説を義務制にして回数をふやすなどして、文字通り選挙公営を拡大するのが当然であると思いますが、何ゆえ今回の改正にこの点を盛り込まなかったのか、お伺いをいたします。
 次にお伺いいたします点は、いわゆる高級官僚の横すべり立候補についてであります。最近特に目に余るものに各省の高級官僚の事前運動がございます。これらの人たちは、公然と職務執行に便乗をして、各方面にあらゆる手段方法を用いて事前運動を行なっていることは、私がここで指摘するまでもないことであります。まことに、にがにがしいことであります。かつて、ある知事が、任期の途中、知事をやめて衆議院選に打って出ようとしたことがあります。このことに対して、横すべりは禁止すべきであるという趣旨の発表が自民党の幹部からなされ、その知事はついに衆議院選への立候補を断念して、現に知事にとどまっておられることは御承知の通りであります。知事が任期を捨てて横すべりすべきでないことはもちろんであります。今まで都道府県知事及び市町村長が、任期満了の選挙にのみ限り、在職のままで立候補ができましたものを、公務の執行と選挙運動との区別があいまいになり、その弊害があるというので、今回改正がなされております。この考えをさらに発展前進をさせて、高級官僚の横すべりこそ禁止すべきであります。公費で出張をし、公務の遂行と票との引きかえが公然と現に行われております。綱紀粛正の上から見ましても断じて許すことのできないことでございます。このような不心得者があったら厳重に取り締るとか、厳罰に処するとかいうような、言葉の上の答弁ではなくて、退職後一定期間を経過した者でなければ立候補できないように、はっきりと禁止規定を設けるべきと思いますが、お答えを承わりたい。
 第三点は、知事並びに五大市長などの四選の是非についてであります。独任制の知事、市長などが十二年以上続けてその座を占めることは、多分に間違いの生ずる危険があることであります。なるほど、四年ごとに選挙を通じて信任を受けておるのであり、民意がそうなればやむを得ないではないか、悪ければ選挙民が批判するからという意見もありましょうが、特権的な座にいて、権力を振り回しておれば、公正な民意もゆがめられて反映されるものであります。首長選挙を前にして、知事、市長間において三選以上はやるべきでないという意見が圧倒的で、現に四選を避ける動きが表面化しておりますが、これは良識の現われと言うべきであります。四選に対する総理の所見を伺います。
 次に、青木長官に伺いますが、要するに、選挙は自由にするのが原則であり、制限すべきは、公正なる民意を、金力をもって、権力をもってゆがめるものを制限すべきであります。今回、改正案として提出されているような政治連盟の活動の自動車の台数などを制限すべきではありません。民主団体の政治活動を認めておきながら、他面において、実質的に選挙活動ができないように、政連車を制限することは、民主団体の政治活動の禁止であり、革新政党の躍進を抑圧するものであって、党利党略に基く改正であって、断じて承服のできない点であります。労働組合、民主団体におけるところの政治活動の実質的禁止にならないかどうかをお答えを願いたいのでございます。改正すべきは、世論が圧倒的に支持をし、期待をしている連座制の強化とか、政党への寄付、政治献金を明確にするなど、政治資金規正法を厳格にすることであります。かかる点に一切触れられないのは何ゆえでありますか。
 次に、新たに町村長選挙に供託金制度を設けるとともに、全体の供託金額を大幅に引き上げられた点でありますが、これは一体どういうことでありますか。「最近の選挙の実情によると、いわゆる泡沫候補と称せられるような立候補がしばしば見受けられるので、この際、金額を二倍程度に引き上げ、町村長選挙にも新設する」というのでありますが、供託金制度は、大正十四年わが国で初めて普選が施行されたときに新設されたものでありまして、供託金制度を設けた趣旨は、普選に伴う候補者の乱立を防止しようとしたものであり、そして実質的には、当時の無産政党の進出を押えるところにねらいがあったのであります。供託金制度は、供託金を負担することのできない、資産的にゆとりのない候補者を締め出すことになりました。従って、これは財産による被選挙権の制限であり、他面、間接的には選挙民の選択範囲を選挙に先だって制限することになります。たとえ候補者のある程度の乱立があっても、いわゆる泡沫候補は選挙民が整理すべきものであって、供託金制度によって重大なる基本的人権である被選挙権を制限すべきではありません。供託金制度は撤廃の方向に進むべきであり、今日の改正は、民主国家の選挙法規としては原則的にふさわしくない措置であります。町村長選挙で泡沫候補が乱立して混乱を来たしたという例は過去にないのであります。それよりも、問題にし、憂うべき点は、今から三年前の昭和三十年四月の町村長選挙で、改選定数千六百六十三名中、実に六百十九名の無投票当選者があったことであります。政府は選挙の意義を常時啓発して、無投票地区のないように努力すべきであります。供託金制度の強化拡充は民主主義の原則に反し、公職の利権化を促進し、政治を腐敗に導くものであります。撤廃さるべきである供託金制度を強化拡充されたその理由を伺います。
 壇上の岸総理の明るい笑顔にわれわれはしばしば接しているのでありますが、どうも腹の中は反対ではないでしょうか。と申しますのは、この臨時国会にも現われておりますように、経済民主化の柱である独禁法を改正したり、オイコラ式の警官、すなわち警察国家への復活を思わせる警察官の職務執行法の改悪を企図したり、また、NBC記者には「憲法廃棄の時期が来た」と、つい本音を出して国民に衝撃を与えてみたりするなど、どうも戦前への逆戻りを意図しておられるものではないでしょうか。このことは、岸総理の戦前の実績からの推定であり、解釈であり、あるいは誤まっているかもしれませんが、残念ながら国民は、やはり疑いと不信と不安の眼をもって見ていることは確かであります。今回の改正案は、それ自体大した改正ではないと強弁されるかもしれませんが、夕に一城、朝に一城式で、最後には、岸総理の念願である憲法改悪のための小選挙区制の実施、全国区制の廃止と、選挙によらない推薦議員の任免まで持っていくのではないかというおそれであります。岸総理は、小選挙区制実施の理由の一つに、二大政党であるからと言われますが、二大政党は人為的に作り出されたものであって、天の声、地の声ではありません。また、いつまでも二大政党であるかどうかもわからない問題であります。これを小選挙区制と結びつけるのは誤まりであります。また、小選挙区制が党内派閥解消のために必要であるというがごときは、事の是非をわきまえない議論であります。小選挙区制は少数の民意を否定し、比較多数の民意が絶対多数の民意にすりかえられ、独裁を来たすおそれが十分にあります。小選挙区制について、次期通常国会に提案の意思があるのかないのかをお伺いいたします。衆議院選挙区を小選挙区にしたから、そのバランス上、参議院の全国区制を廃止し、ブロック制にするとか、地方区に一本化するなどの考えがあるのか。また、推薦議員を生み出す考えがあるのかないのか。選挙を通さない議員は存在しないはずでありますが、念のため岸総理の御答弁をお伺いいたしまして、私の質問を終ります。
#43
○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。
 第一の選挙公営の拡大の問題でありますが、私は、理論的に、選挙は、また、実際の面から見まして、金のかからない選挙というお考えを述べられましたが、全然同感でありまして、この意味から申して選挙公営を拡大する方向に持っていくということは、これはわれわれあらゆる面において努力すべきものであると思います。現に相当に拡大されてきておりますが、将来の問題につきましては、十分に一つ実際を検討してこれを拡大する方向に持っていきたいと思います。
 第二は、現職の官吏の横すべり立候補の問題についてであります。御指摘になりましたように、いろいろな官職についておる一般職の人が立候補するという問題についての弊害も確かにございます。言うまでもなく、一般職の公務員は辞職しなければ立候補できないことになっておりますが、さらに辞職後一定期間を経なければ立候補できないというふうに、被選挙権を制限することが、果して法律上適当であるかどうかというような問題は、十分一つ慎重に検討してみないと結論の出せない問題であると思います。
 次に、都道府県知事やあるいは市長等の四選の問題についてどう思うかという御質問であります。これにつきましては、いろいろ世上に、三選以上はいかぬ、あるいは四選まではいい、四選以上はいかぬとかいうような、いろいろな議論があるようでありますが、ただ純粋に理論的に言えば、これは選挙権者が決定するのであって、非常にりっぱな業績を残している人ならば、三選でも、四選でもいいじゃないかという議論も成り立とうかと思います。しかし、実際問題として、非常に長くこういう役についておるということは、いろいろそれに伴っての弊害等もございますので、私はやはりこれらについては一つ考えなければならぬ問題である、ただいずれにしても、先ほどの一般職の公務員の横すべりの問題にいたしましても、この問題にいたしましても、被選挙権をある程度制限する、法律でもって三選以上はいかぬとかいうふうに規定するということが、今の日本の憲法上どうかという疑義はあると思うのです。だから、むしろ問題は、立候補する人、この人の心がけに待つべきものであって、その良心に訴えるというのが現在のその何であろうと思います。法律上のそういう措置をとるかどうかにつきましては、憲法上の関係もありますから、慎重に一つ検討を加えなければならぬと思います。
 それから小選挙区の問題についての御質問であります。私は従来、小選挙区制を一つの選挙区制についての理想として考えております。しかし、この問題につきましては、ずいぶんこの選挙の根本に触れる問題でありまして、世上にも議論のあることでございます。従って慎重に検討をする必要があり、また小選挙区制がいいからといって、区制をいかにするかという実際問題は、非常に大事な問題でありますから、十分に一つ検討したいと思います。私は現在のところ、いつこれを出すかというふうなことはまだ結論を出しておりません。十分慎重に、時期、方法等につきまして検討いたして、小選挙区を実施したいと、かように考えております。
 参議院の全国区制の問題でありますが、この問題につきましても、いろいろ議論のあるところでありまして、実際の選挙の実態を見ても、全国区という大きな区でもって選出するという選挙制度というものにつきましては、いろいろな検討を加えるべき問題があると思います。現在選挙制度調査会に諮問をいたしております。まだ結論が出ておりませんし、なかなか問題のたくさんある問題でありますから、十分に一つ審議会の結論を得た上において、われわれの態度をきめたいと、かように思っております。
   〔国務大臣青木正君登壇、拍手〕
#44
○国務大臣(青木正君) 私に対する御質問の第一点は、今度の改正では、政治連盟等の活動を非常に阻害することになるのじゃないか、こういうお尋ねであります。御承知のように、現行法の建前でいたしますと、候補者が所属政党として届け出る場合と、それから確認団体の方で届け出る場合と違った形になっておりますので、私はこれはどう考えても、やはり合理的にするためには、確認団体の場合も立候補の場合も、やはり所属関係は同じにすべきものと思うのであります。お話のように、政党その他政治団体の活動をできるだけ活発にするという点につきましては、現行法のたとえば、所属候補者が二十五名以下は自動車が三台というような、その方をむしろふやしていって、政党の活動をもっと活発化さすというふうにする方が正しいあり方であって、現在のようなあり方は、やはり合理的に直す必要があるのじゃないか、かように考えて、今回の提案をいたしたわけであります。
 それから政治資金規正法の例の問題、これは私もいろいろ検討しなければならぬ問題も多々あると思うのであります。一面におきましては、政党の政治活動のために資金が要ること、これもわかるのであります。しかし、この規正の問題になりますと、なかなか技術的にもいろいろな困難な面もありますので、私どもさらに一そう検討して参りたい。社会党側の方からも、前々から衆議院の選挙制度調査特別委員会に、この問題についての断続審査的な御提案もあり、私の方もさらに一そう検討して参りたいと、かように存じております。
 それから供託金制度の問題でありますが、御指摘のように、日本におきましては大正十四年から実施されております。外国の例は、英仏は供託金を取っており、米国は供託金制度はないようであります。そういうふうな各国の例等を見ましても、その国のいろいろな事情あるいは沿革等もありまして、これは一がいに供託金制度を、抽象的と申しますか、理論的にばかり考えて、どうこうというわけにもいかぬかと思うのであります。それから今回町村長の方に供託金制度を採用いたすことにいたしましたのは、町村合併によりまして町村の規模が大きくなり、市長の場合と、人口上その他において、地域、区域あるいは人口等において、あまり変りのないような町村もできているということも一つでありますし、また最近の例によりますと、いろいろな選挙に一人の人がたくさん立候補し、選挙のあるごとに立候補する事例等が非常に、御承知のように多いのであります。やはりこういうものにつきましては、何らかの制限をする必要があるのじゃないか。そこで町村長の選挙に供託金制度を設ける以上、やはりこれに伴いまして均衡をとる関係等もありまして、他の供託金も上げるというのが適当ではないか、かように考えて提案いたした次第であります。
#45
○議長(松野鶴平君) これにて質疑の通告者の発言は終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
     ―――――・―――――
#46
○議長(松野鶴平君) 日程第七、漁港の整備促進に関する決議案(青山正一君外四名発議)(委員会審査省略要求事件)。
 本案は、発議者要求の通り、委員会審査を省略し、直ちにその審議に入ることに御異議ございませんか。
#47
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 よって本案を議題といたします。まず発議者の趣旨説明を求めます。青山正一君。
#48
○青山正一君 ただいま議題になりました漁港の整備促進に関する決議案について、提案者を代表して提案の趣旨を説明いたします。まず決議案を朗読いたします。
   漁港の整備促進に関する決議案
  水産業の振興を図ることは国民生活の改善あるいは国家経済の発展のため喫緊の要務である。
  しかして、水産業振興の要諦は、実に漁業生産の基盤である漁港の整備にある。
  ここにかんがみ、政府は次の事項について遺憾なく措置すべきである。
  一、既に国会の承認を得た漁港整備計画を速かに完遂すること
  一、第三種漁港のうちその規模が大きく、かつ重要なものについては、特定重要港湾の例に徴し、これが整備促進のため、特段の方途を講ずること
  一、漁港に関する行政機構を整備拡充すること
  右決議する。
 以上であります。
 四面海をもってめぐらすわが国において、水産業が、国家経済のため、あるいはまた国民生活のため、きわめて重要な役割をにない、これが振興発達をはかることの要務であることは申すまでもないことと存じます。しかして、漁港は水産業の基盤であり、漁港あっての水産業でありますから、水産業の振興発達を期するためには、漁港の整備が先決されなければならない要件であることは申すまでもないところであります。しかるに、わが国漁港の現状を見ますと、大部分のものは漁港とは名のみで、きわめて貧弱であり、漁港本来の機能を欠き、漁業生産の上に重大な支障を来たし、さらに一たび台風の襲来を受けますと、漁船は避難場所を失い、あたら尊い人命が犠牲となる、まことに憂慮すべき事態を引き起しているのであります。すなわち、国内には約二千七百に及ぶ指定漁港がありますが、このうち今日までに漁港法の規定によって整備計画の対象となっているものが、わずかに六百四十七港にすぎず、しかも、このうち昭和三十二年度までに完成したもの七十八港、いまだ着手するに至っていないものなお百八十八港の多きを残し、しかも、年々災害による漁港の壊損に思いを寄せますとき、まことに慨嘆すべき状況であります。よってこの際、政府においては、必要にして十分な漁港関係予算を確保し、漁港整備のすみやかな完遂を期すべきであると考えます。
 次に、漁港のうちその利用範囲が全国的なものは、現在第三種漁港として指定され、その数七十八港に及んでおります。ところが、近時遠洋漁業の発展により、漁船は大型化され、装備は近代化し、操業海面の拡大とともに船団出漁が行われているのでありますが、これら大型漁船団を収容するに足る大規模な漁港が皆無の現状でありまして、近代漁業操業上の重大なネックとなり、大規模漁港の修築整備の必要がまことに切なものがあります。しかしながら、これら大規模漁港の整備には多大の工費を要し、これが修築整備のやり方を従来の方式にゆだねておくときは、その実現は百年河清を待つものであり、かくては漁業の近代化等は、はかない夢にひとしいものと言わざるを得ないのであります。一般港湾におきましては、すでに特定重要港湾の制度を設け、その工事について特に高率の国庫負担を実施し、その整備がはかられておるのでありまして、このような実情にかんがみ、第三種漁港のうち特に重要なものについては、一般港湾の例に徴し国の直轄事業として、その経費については特に高率な国庫負担を行う等、特段の方途を講じ、もってこれが整備を促進し、その施設を完備することが緊要と考えられるのであります。
 かくして、漁港の問題はいよいよ重大を加え、指定漁港の維持管理に遺漏なからしめ、整備計画の実施に遺憾なきを期するためには、漁港行政に関する業務は多岐かつ膨大なものとなっているのであります。しかるに、その行政機構の現状は旧態依然として、水産庁にわずかに漁港課一調が設けられているにすぎない、はなはだ遺憾な状態でありまして、一般港湾関係の機構とは比すべくもない状況であり、かかる状況のもとにおいて、水産業のかなめである漁港問題の進展を望むことはまことに困難で、その不備が指摘されるや久しいことであります。よって、漁港行政のため、せめて部ぐらいは設けることとし、漁港行政機構の整備拡充をはかり、漁港問題の処理に遺憾なからしむべきであると存ずるのであります。
 以上、漁港の問題の重要性にかんがみ、ここに政府を促し、漁港の整備促進について、すみやかに予算上あるいは法制上、その他各般の事項にわたって万全の措置を講ぜしめるため、本決議案を提出いたした次第であります。何とぞ全会一致の御賛同をお願い申し上げ、私の趣旨説明を終ります。
#49
○議長(松野鶴平君) これに対し、討論の通告がございます。発言を許します。東隆君。
#50
○東隆君 私は、ただいま上程されている漁港の整備促進に関する決議案に対し、日本社会党を代表して賛成するものであります。
 漁港こそは漁業活動の基地であります。無謀な戦争によって喪失した漁船を、沿岸の漁民は戦前の水準にまで回復させたのであります。当然漁港整備の要求が起き、この要求によって生まれた法律が漁港法であります。漁港法は第七国会で審議され、昭和二十五年の五月公布されたのであります。従って、当面の問題は、漁港整備のために政府が予算を増額して計画を遂行することにあるのであります。ここにわれわれが注意しなければならない一事があります。それは、この漁港法が政府の提案でなく、議員の提案であったということであります。私が漁港法の提案当時のことに言及するのは、漁港の整備促進に重大な関係があるからであります。政府の提案した法律と議員の提案した法律に差異差等があるべきものではなく、かえって、民主主義の日本国憲法のもとにおいては、立法府の構成員である議員の提案こそ重視さるべきであります。しかるに、現下の日本の法案の運命を見るに、議員提案の法律は予算を伴う法律であるというので、与党議員は提案の出鼻をくじかれているのが実情であります。まさに立法府はみずからの権限を失うようなことになっているのであります。この傾向は近年ますます顕著になりつつあるのであって、このままでは民主主義の日本国国会という立法府は行政府のもとに押しつぶされ、議会は形式的なものになるおそれがあります。予算を伴わない法律などはナンセンスであります。ここに漁港整備に関する促進の決議案を上程し、政府与党である自由民主党の青山正一君が、趣旨の弁明をしなければならぬ理由が伏在しているのであります。
 すでに同僚各位の御承知のように、漁港法によって生まれた審議会によって整備の計画が検討され、国会の承認を得ている漁港整備計画があるのであります。しかるに、この計画による修築事業が遅々として進まないのは、政府が必要な予算を編成しないからであります。予算を編成しないということは、明らかに、国会の意思を自由民主党の政府が無視しているからであると言わなければなりません。この意味において私は政府の怠慢を責めるものでありますが、自由民主党の諸君は、この際、特に政府を鞭撻して、所期の目的を達するようにすべきであると思います。議員提案の法律は保守党内閣によって軽視されるようにうかがわれるので、この漁港整備計画の促進に関する決議案に賛成する機会に、政府の誠意ある措置と、立法府の権威を保持するために苦言を呈した次第であります。
 戦後の日本の水産界には打開を要すべき問題が多々あります。北洋漁業を初め、遠洋漁業については、政府は相当な熱意を示しているのでありますが、沿岸漁業については放置されております。ために沿岸漁業はあまりにも沿岸に膠着して、共食いの姿を呈しているのであります。沖合いから遠洋へと、この共食いの姿を解消するには、基地としての漁港の整備をすることが国のなすべき仕事であります。砂に埋もれた漁港、風浪のために、漁港の外の方が安全だというに至っては、水産王国が泣けてくるのであります。一昨日のラジオは、ソ連の母船四、五千トンのものが、石巻沖合い四十九海里の地点でサンマ漁をやっていることを報じております。集魚灯でサンマを集め、網を用いず、ポンプで吸い上げているというのであります。この報道を聞いて、漁港こそわが国漁業の基地であること、基地漁港の整備のいかに重要であるかを痛感いたした次第であります。漁船も大型化するとともに、漁港もこれにマッチして整備を急がなければなりません。このために、政府は、漁港関係の機構をこの際強化して、立法府の意思にこたえるべきであります。
 以上、政府が立法府の意思を十分に汲み、漁港整備に万全を期すべきことを述べて、本決議に賛成の意を表します。
#51
○議長(松野鶴平君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより本案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
#52
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
 ただいまの決議に対し、農林大臣から発言を求められました。三浦農林大臣。
#53
○国務大臣(三浦一雄君) ただいま本院において決議となりました事項、すなわち、漁港整備計画の早期完遂、第三種漁港のうち重要なものの整備促進のための特段の措置並びに漁港に関する行政機構の強化拡充等につきましては、いずれもきわめて緊急かつ重要な問題と考えますので、御決議の趣旨に沿いまして、所期の目的を達成しますよう、政府におきましては十分努力いたして参りたいと存じます。
#54
○議長(松野鶴平君) 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した案件
 一、裁判官訴追委員辞任の件
 一、裁判官訴追委員の選挙
 一、国土開発縦貫自動車道建設審議会委員の選挙
 一、日程第一 公正取引委員会委員の任命に関する件
 一、日程第二 地方財政審議会委員の任命に関する件
 一、日程第三 公安審査委員会委員の任命に関する件
 一、日程第四 社会保険審査会委員の任命に関する件
 一、日程第五 労働保険審査会委員の任命に関する件
 一、外電問題に関する内閣総理大臣の発言
 一、日程第六 公職選挙法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 一、日程第七 漁港の整備促進に関する決議案
ソース: 国立国会図書館
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