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1958/10/30 第30回国会 参議院 参議院会議録情報 第030回国会 法務委員会 第5号
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1958/10/30 第30回国会 参議院

参議院会議録情報 第030回国会 法務委員会 第5号

#1
第030回国会 法務委員会 第5号
昭和三十三年十月三十日(木曜日)
   午後二時二分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員井上知治君辞任した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     野本 品吉君
   理 事
           一松 定吉君
           棚橋 小虎君
   委 員
           青山 正一君
           大谷 瑩潤君
           鈴木 万平君
           吉野 信次君
           赤松 常子君
           辻  武寿君
  政府委員
   法務政務次官  木島 虎藏君
   法務大臣官房司
  法法制調査部長  津田  實君
  ―――――――――――――
   最高裁判所長官
   代理者
   (事務次長)  内藤 頼博君
   最高裁判所長官
   代理者
(総務局総務課長)  海部 安昌君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       西村 高兄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○司法試験法の一部を改正する法律案
 (内閣送付、予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(野本品吉君) それではこれから本日の委員会を開会いたします。
 委員会の開会に先立ちまして委員の異動について御報告申し上げます。十月三十日付で井上知治君が辞任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(野本品吉君) それでは前回に引き続きまして、司法試験法の一部を改正する法律案の質疑を行います。御質疑のあります方は順次御発言願います。
#4
○棚橋小虎君 法制審議会の答申案によるというと、一般教養科目は短答式による方がいいという答申をしておる。それから最高裁判所の意見書を見ますというと、やはり一般教養の科目は、試験の方法は短答式のみを採用し、受験者に受験準備をしいる結果とならない程度のものが肝要である、こういうことを言っておりますが、これを改正案では、短答式でなくて、短答式はただ憲法と民法と刑法というふうになっておりますが、これはどういう理由からでありますか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
#5
○政府委員(木島虎藏君) お答えいたします。法制審議会の案では、御承知のように、政治、経済、社会に関する一般常識について短答式の試験を行うということになっておりましたのですが、私ども政府部内でいろいろ検討いたしまして、この点につきましては、長所欠点いろいろございますが、受験者の方の側から見ますと非常に試験の対象がばくとしておりまして、そして準備もしにくいし、それから採否を決するのにもいろいろ困難が伴うではないかというような意見もございまして、そしてそれで提出案のように変更した次第でございます。
#6
○棚橋小虎君 一般教養科目というものの試験は、特に一つの学問科目としてやるというよりも、大体その人の常識がどういう程度のものであるか、そういう点を調べるのを主としているのですから、受験者の方からばくとしているとかという意見があったのだというけれども、ばくとしているのは一般教養科目の試験じゃないかと思うのですが、その点はどういうわけで特にこれを短答式によらずにやったのかという点を、もう一ぺんお尋ねしたい。
#7
○政府委員(木島虎藏君) お説の通りに、ばくとしているところが一般教養をみるのに適すという点はその通りでございます。ところが、第一次試験に一般教養を課するということになっておりまして、これで通ってきた者に、もう一ぺん同じようなことを試験するということに異論がございましたのと、それから一般試験を免除されております大学を卒業された方々、この方方についてもやはり同じように二度同じようなことをするのじゃないか。もう一般的な常識はあるという前提でこの第二次試験はやるのだから、まあいろいろな点を考慮して、とってもいいのじゃないか、こういう考えでございます。
#8
○棚橋小虎君 その点そのくらいにしておきますが、論文式による試験というのは、最高裁の意見書によるというと、専門科目については筆記試験、口述試験ともに現在よりも試験科目の数を減少すべきである。これは新制大学の学生などについては非常に負担が重いからこういうふうにせいというその理由からきているのであって、当然な御意見だと思うのでありますが、これはやはり法制審議会の方でも、論文式による試験は、左の六科目について行う。憲法、民法、商法、刑法、それから民訴法、刑訴法のうちあらかじめ受験者の選択した一科目、それから左の科目のうちさらに一科目、行政法……、つまりいわば最高裁の方の御意見も、それから法制審議会の御意見も、科目を今より少くするという点で一致している。ところが今度の改正案によりますというと、科目はむしろふえている。一科目ふえております。とにかく双方の言うところよりもふえているわけであります。これはどういうわけでありますか。
#9
○政府委員(木島虎藏君) お説の通りに、科目が一科目ふえておるのでありますが、これは法制審議会の答申の精神と申しますか、その趣旨を多少参酌いたしまして、法律の専門家でありましても、やはり一般的な社会科学に関する専門的な学科を併課して、並べ課して、そして採用試験を施行する方が、優秀なる、将来、法曹に入るにふさわしいような人が採用できるんじゃないか、こういう考え方で、この法制審議会の、まあ言いますなれば短答式の四、五をはずしましたのと直接関連があるようなないようなものでありますが、まあ考え方といたしましては、そういう意味で、社会科学的な専門的な学問を法律のほかに一つふやした。それで一つふえておるようなことになっておるのであります。
#10
○棚橋小虎君 今度の試験の改正の目的は、在学生などの負担を軽減するということが第一の眼目であったとすれば、学科をふやしたのでは矛盾することになるわけなんで、目的を達せられないことになると思うのだが、それはどういうことになりますか。
#11
○政府委員(津田實君) 御指摘の点はごもっともでございますが、選択科目の範囲を非常に広げておりまして、あるいは法制審議会の答申にございません破産法でありますとか国際公法というようなものを法律的科目の中に入れます。さらに政治経済、経済原論、会計学、心理学、経済政策、社会政策というような法律科目以外の専門科目を加えておるわけであります。これによりまして、大学の在学生が、それぞれ自分の得意とする科目をこの範囲内において選定できるということになりますので、狭く型にはめるよりは、受験者にとってはやはり結果的に負担が軽くなる。この試験におきましては、試験の程度を下げるということは、法曹になるべき人の程度を下げることになりますので、試験の程度は下げたくないという考え方が根本にあるわけでございますので、そういう法律科目以外の科目あるいは法律科目にしましても、相当広い範囲のやはり素養のある人がそれぞれ法曹に入ってくるということは、非常に望ましいところであると考えられますので、その選択の範囲を広くすることによって、やはり在学生の負担を軽減してやるということを考えた次第でございます。
#12
○棚橋小虎君 どうもその点がふに落ちないのでありますが、それはまあそれだけにしておきます。
 口述試験の点は、最高裁判所のこの意見書は、憲法、民法、刑法、民事訴訟法または刑事訴訟法のうち、あらかじめ選択する一科目、合計で四科目、それから法制審議会の方の答申は、口述試験は憲法、民法、商法、刑法及び民事訴訟法または刑事訴訟法のうち一つ、つまり五科目ということです。ところが、この原案によるというと、筆記試験をやった七科目全部についてまた口述試験をもう一ぺんやる、こういうことになっております。これではやはり受験者の負担を軽減することにならぬと思いますし、そして特にこういうふうにしたについては何か御意見があるのだろうと思いますが、どういうことなんですか。
#13
○政府委員(津田實君) 元来、口述試験の本質は、論文式試験におきまして、実際その程度の素養がないにもかかわらず、論文式試験に合格をしたというような人がないかどうかということを確かめるということが本質で、そういうことに運用されて参っております。現に口述試験において不合格者は非常に少数になっておりますのは、そのためでございます。その理屈から申しますると、全科目について口述試験を施行するということが望ましいわけでありまするが、現在は司法試験の考査委員の数が四人以内と限定されております等の関係から、多くの科目について口述試験を施行することは、実際施行上の難点があるわけであります。そこで必要科目と申しまするか、主要科目に限って口述試験を施行しておるという形になるわけであります。ところが、改正案によりますると、考査委員の数の制限を撤廃いたすことになりましたので、考査委員についての問題はなくなりますし、そういう趣旨の試験でありまするから、当然全科目に及ぼす方が適当であろうと考えられますると同時に、それぞれみな論文式試験において十分勉強してきておるわけでありますから、口述で聞かれるということになりましても、そのこと自体によって、口述のための特別勉強というものは必ずしも必要がないということが考えられますので、受験者にとってはそれほど負担の増加――現に出てきて試験を受けるというだけのことになろうかと思うのでございます。なお、元来、筆記試験においては、受験者の学識、応用能力、ことに理解力、推理力、判断力等を十分にためすには、やはり多少の欠陥を免れませんので、考査委員の口頭による試問、口頭による答え、解答によりまして、それらの点を十分にためすことができるということも考えられますので、さような意味におきまして、法曹たるの適格者を精査して試験合格者とするというために、さような措置をとった次第でございます。
#14
○棚橋小虎君 その法制審議会の答申と、それから最高裁判所の御意見というものは、大体似ておるのですが、私らの個人の意見としても、やはりそういうふうで、つまりいえば、一般教養科目などは初めに短答式の試験によってやることにして、あとはなるべく法律の科目について、科目を少くしてやる、口述試験などは、もうすでに短答式の筆記試験を通ってきておる、大体その方については力のわかっておる人であるからして、これについては、科目を憲法、民法、商法、刑法、訴訟法の一つぐらいに限って、少しこまかいことを口述試験によって聞くというような行き方が、私は試験としては一番いいのじゃないかと思います。私の考えは、やはり法制審議会と、それからして最高裁の御意見と一致しておるわけですから、この改正案は全部逆にいっちまっておるしするので、こういうふうにされたについては、今いろいろ御意見もあったようでありますが、しかし、こういう原案を作成されることについて、法制審議会の方と、それから最高裁の方とは、ある程度の了解を得られておるのですか。その方は了解を別に得られずにこういうふうにしておられるのですか、その点はどうですか。
#15
○政府委員(津田實君) ただいまの御質問の点でございますが、法制審議会につきましては、もちろん法制審議会そのものの機関に諮問したわけではございませんけれども、法制審議会の総会の構成委員等につきましては、御了解を、ある程度の御了解を得ておる次第でありますし、先ほど政務次官が申しましたような趣旨においてこれを了解するという委員の方々が、法制審議会の委員の方々がおられるわけであります。なお、最高裁判所につきましては、もちろん、この法律案を提案いたします直前に、御了解と申しますか、この事実を説明いたしたわけでございまするけれども、この提案いたしました案を作成いたしますにつきましては、政府部内におきまして各方面の意見を徴しまして法制審議会の答申を変更いたした次第でございまして、その点は最終的には政府の責任においていたしておる次第でございます。
#16
○棚橋小虎君 最高裁はその点については別に御意見はないわけですか。
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君)
 この法案についての最高裁判所の了解についてお尋ねがございましたが、この案を御通知いただいたことはただいま津田部長から申し上げた通りであります。なお裁判所が了解したかどうかは、これは裁判所の立場上この法案を了解するとかしないとかいう見解は表明すべきものではないのでございまして、普通法案につきましてそういう意味の了解、あるいは不了解ということが立場上表明できないように私考えておる次第でございます。意見はまた別にあるわけでございます。
#17
○棚橋小虎君 今度のこの改正案によりますというと、負担を軽減するということの目的で法律科目などについては試験科目の範囲を限定するとかいうような相当重大なことが、司法試験の管理委員会ですか、それに一任されておるような形になるわけなんですが、委員が三人ということですね、それだけで十分にいろいろの支障がないようにやれるかどうか、これは各大学などについてもある学校ではここは講義が終っておるが、ある学校ではそれが済んでいないとか、いろいろ違うと思うのですが、そういう点は十分調整して三人の委員だけで十分できるかどうかということを心配しておるわけです、その点いかがですか。
#18
○政府委員(津田實君) その点につきましては、ただいまのところこの法案の立案に際しましても、十分各大学の授業科目の配当等についてはこれを調査し検討し参酌いたした次第でありますが、なおこの改正案の六条の四項によりますような管理委員会の権限を行使いたしますにつきましては、これは当然それらの調査を十分遂げた上でなすべきものと考えられるわけでございますが、もちろんそれらの調査については万全を期すべきであり、またそれらの調査は十分なし得るところと私ども考えておる次第でございます。
#19
○棚橋小虎君 それから今度のこの試験によるというと、現行の学制に歩調を合わせて出題の範囲を限定する、あるいは訴訟法の選択科目等の措置がわかっておるために合格者の法律知識が総体的にレベルが現在より若干下回るようなことは避けられないかと思うのでございますが、従ってその司法研修生の課程で裁判官としての必要最小限度の専門知識を修得させるについては現在より以上にその内容を強化することが必要である、こう思われます。また合格者数の増加に伴って研修所の機構の拡充をはかることが必要になってくると思うのですが、これらの点については最高裁の当局はどんなふうにお考えになっておりますか。
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君)
 この法案によりまして合格者の法律知識が低下するのじゃないかという御心配でありますが、それもごもっともなことと存じますが、まあ私ども考えまして、これによって特にはなはだしく法律知識が低下するとも考えませんし、また私どもが期待いたしますのは、そういう具体的な法律の知識ということよりも、やはり素養と申しますか、合格者の素質を問題にしたいと存じておるわけでございまして、従って現行の試験が本案によって変ったために、素質が非常に低下しやしないかという心配は私どもとしてはしておらない次第でございます。
 なおしかしながら司法修習生の修習の方法につきましては、これは前々から司法研修所におきまして、その内容の再検討をいたしているわけでございます。現在のやり方がだんだん修習生がふえて参りましたのにかかわらず、施設その他がこれに伴いませんで、十分な修習ができないということからいろいろ検討を加えているわけでございますが、来年度の予算にもこれは要求しているわけでございますが、修習の方法として大きい教室、講堂における講義による修習でございますが、どうもこういう方法も必要ではございますけれども、もっと少数の単位に分けました、いわゆるセミナー式の修習をもっと加えるべきではないかというようなことを研究しているわけでございます。で、セミナー式のということになりますと、大体十数名を単位にした実務の修習を中心にしてゆくという考え方でございますが、これに伴いまして教官であるとか、あるいは演習室であるとか、それにお願いする講師の資金であるとか、いろいろ予算面の、あるいは施設面の拡充が必要なわけでございます。これは司法研修所といたしましても来年度にはぜひ実現して修習の内容を充実したいというふうに考えているわけでございます。今後法曹――裁判官、検察官、弁護士三者を含めまして、法曹全体の修習がどうあるべきかということは、やはり研修所の大きな問題で、ございまして、ただいま申し上げましたような方法を講じながら、その内容の充実を期している次第でございます。
#20
○棚橋小虎君 ちょっとついでに司法修習の教科目とか、あるいは課程の内容などについて概略の御説明を願いたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君)
 司法研修所におきましては、司法修習生は二年間の修習を受けることになっているわけでございます。で、最初に前期修習と申しまして四月から七月までの四カ月間司法研修所に全部集めまして、実務に関する基礎的な修習をいたすわけでございます。それが終りますと、今度は裁判所、検察庁、弁護士会にそれぞれ配属されまして、これは全国の主要な都市の裁判所、検察庁、弁護士会でございますが、それぞれ配属されまして、そこで実際の仕事についての修習を受けるわけでございます。これは裁判所が八カ月、検察庁が四カ月、弁護士会が四カ月というふうになっております。これで合計十六カ月になります。現地で修習を受けるわけでございます。それが終りますと、さらに司法研修所に、もう一度集まりまして、四カ月間の最後の修習を受けるわけでございます。これが修習の総仕上げになるわけでございます。その間の研修所における研修の仕方でございますが、大体民事裁判、刑事裁判、それから検察、それから民事弁護、刑事弁護というふうな分け方をしております。それぞれに修習記録、これは実際の事件につきまして整理して作成した記録でございますが、その修習記録を用いまして修習をいたすわけでございます。それは非常に実務に即した――一般の法律の講義ではなくて、実務に即した修習の方法をとっているわけでございます。判決の起案もいたしますし、それから検察の起案もいたしますし、あるいは弁護の起案などもいたすわけでございます。それにつきまして各教官が――裁判官からも検察官からも弁護士会からも教官が来ておりまして、それに対する講評あるいは問題の検討をいたすわけでございます。そのほかに法律あるいは実務についての特殊な講義がございます。たとえば行政法であるとか、労働法であるとか、家庭裁判所関係の法律であるとか、そういった特殊の講義をいたします。これは講堂における講義でございます。同様に講義といたしまして、補助科学、たとえば法医学であるとか、精神医学であるとか、犯罪心理学、会計学等の補助科学の講義を受けております。また外国法の輪読というようなことも原書についてやっております。さらに一般教養の科目といたしまして、宗教、文学、美術その他そういう教養科目の特殊な講義もございますし、また取引所とか、産業施設だとか、そういったような所の見学なども行なっているわけでございます。以上が大体二年間に行います修習の内容でございます。
#21
○棚橋小虎君 終りに、本改正案と、裁判官の充実について、ちょっとお伺いをしたいのですが、前回の委員会で、大川委員から、本改正案実施の暁に、どのくらい第二次試験合格者、それから裁判官志望者が増加する見込みであるかということについて質問されておりましたが、有能な裁判官の卵を多数確保するということは、裁判機構の充実、特に当面問題となっておる第一審強化のために、裁判所にとって非常に重要な関心事であろうと思うのであります。それで、最高裁側からも、この改正の結果どのくらいの裁判官志望者が増加すると見込んでおるのか。またそれによって必要な裁判官の卵の確保に十分であるかどうか。第一審強化に関連して、本法案にどういう期待をかけておるか。こういうような点について御所見をお伺いをしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君)
 ただいま御意見がございましたように、まことに裁判官に有能な人を得ることが、裁判所の司法の充実の一番大切な点だと存じます。私どももそれに日夜苦心をいたしておる次第でございます。この案を拝見いたしまして、私ども、実は試験を受ける側としては、今の試験よりは若干やはり負担は軽くなるのじゃなかろうかというふうな見方をしているわけでございます。これは先ほど棚橋委員から御意見がございましたけれども、一つは短答式が整理されましたこと、また一つは訴訟法が一つの選択になりましたこと。これは実は学生にとりまして、訴訟法の負担というのは相当実質的に大きいのでございます。これが訴訟法が、二つか、あるいは自分の好きなものの一つかということは、相当に負担が実質的には影響して参ると存じます。そういう意味で、私どもは大体どちらかといえば、負担が軽くなるのではないかというような見方をしているわけでございます。従いまして、試験の合格者の数が今日までよりはふえるのではなかろうかということでございます。そういたしますと、司法修習生の数がふえますし、修習を終りましたときに、裁判官に志望する者も自然にふえるだろうということを期待するわけでございます。今日、将来の数字を予想して申し上げることはちょっと不可能でございますけれども、従来の数字から見ますと、修習を終りました者の三〇%は裁判官に志望し、裁判官に任命されているわけでございます。そういうことから考えまして、合格者の数がふえ、修習生の数がふえれば、裁判官のそれだけの数的な充実はできるのではなかろうかというふうに考えております。従ってそれによって、一審強化という線も期待できるのではなかろうかと思っております。ただここで一つ私ども心配をいたしますのは、ただいま、修習を終りました者の三〇%は、と申しましたけれども、実は最近三年間ばかりみますと、このパーセンテージが減っているのでございます。三十一年度が三四%ございましたのが三十二年度が二九%になり、三十三年度は二五%に減っているのでございます。この裁判官になりたい志望者のパーセンテージが減るということは、これは、私どもとしては相当考えなければならない問題でございます。これは、実は本案とは直接関係のないことでございますけれども、将来何とか考えなければならない重要な問題になってくるのではなかろうか、というふうに考えているわけでございます。
#22
○委員長(野本品吉君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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