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1958/10/21 第30回国会 参議院 参議院会議録情報 第030回国会 文教委員会 第4号
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1958/10/21 第30回国会 参議院

参議院会議録情報 第030回国会 文教委員会 第4号

#1
第030回国会 文教委員会 第4号
昭和三十三年十月二十一日(火曜日)
   午後一時十二分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十月十七日委員後藤義隆君辞任につ
き、その補欠として高橋進太郎君を議
長において指名した。
本日委員佐野廣君及び高橋進太郎君辞
任につき、その補欠として剱木亨弘君
及び後藤義隆君を議長において指名し
た。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     竹中 勝男君
   理事
           中野 文門君
           松永 忠二君
   委員
           川口爲之助君
           剱木 亨弘君
           近藤 鶴代君
           下條 康麿君
           林屋亀次郎君
           吉江 勝保君
           秋山 長造君
           高田なほ子君
           湯山  勇君
           吉田 法晴君
           加賀山之雄君
  国務大臣
   文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
  政府委員
   文部政務次官  高見 三郎君
   文部省初等中等
   教育局長    内藤誉三郎君
   文部省社会教育
   局長      福田  繁君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工樂 英司君
  法制局側
   法 制 局 長 齋藤 朔郎君
   参     事
   (第一部第一課
   長)      杉山惠一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○本委員会の運営に関する件
○国会法第五十六条の三第一項の解釈
 に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(竹中勝男君) これより文教委員会を開会いたします。
 委員の異動がありましたから報告いたします。
 本日、佐野廣君が辞任され、補欠として剱木亨弘君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(竹中勝男君) この際、理事の補欠互選を行います。
 現在、本委員会には欠員が一名あります。互選の方法は、慣例により、委員長の指名によりたいと存じますが、御異議ございませんか。
#4
○委員長(竹中勝男君) 御異議ないと認めます。
 それでは、委員長は、理事に後藤義隆君を指名いたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(竹中勝男君) 先刻開会いたしました委員長及び理事打合会の経過について報告いたします。
 まず、勤務評定問題を中心とする教育行政のあり方について参考人の意見を求める件は、協議をいたしましたが、決定に至らず、次回の理事会において協議することとなりました。
 次に、地方行政委員会において本審査になっております風俗営業取締法の一部を改正する法律案について連合審査会の申し入れを行う件について提案がありましたが、本件は、本日の委員会散会後協議することといたします。
 また、今次台風による教育施設等の被害に関する資料が提出されれば本件について質疑を行うことになっております。
 本日の日程につきましては、前回の委員会において御了承いただいております審査の範囲に関する法制局への質疑をまず取り上げ、次いで教職員の勤務評定に関する質疑を行い、その後に社会教育法等の一部を改正する法律案及び高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案について質疑を行うことといたします。
 以上、報告の通り取り運ぶことに御異議ございませんか。
#6
○秋山長造君 ただいまの委員長報告の前段の方にありました勤務評定についての参考人の問題ですが、これは何回も理事会の報告として、きまるに至らず次に、ということで見送られてきているのですが、もういいかげんにケリをつけたらどうですか。どういう事情できまらぬのですか。もう少し内容を御説明願いたい。
#7
○委員長(竹中勝男君) これは自民党さんの方で、勤務評定に関する問題は、すでに今あらためて参考人を呼んで意見を求める必要はないのではないかという意見が相当強いので、社会党は、まだこの問題は解決していないし、これまで社会党の方の意見の中には、実施者の方の意見は聞いたけれども、実施される方の意見も聞きたいという希望もありますし、さらに勤評の問題は、先ほど申した通りに、いまだ解決に至っていない問題もたくさん残している段階でありますから、ぜひ参考人を呼んで意見を聞きたいという、この両方の主張がありますために決定しないでいるわけです。
#8
○秋山長造君 すべてわれわれが参考人を呼んで意見を聴取する場合には、問題になっている案件について、賛成、反対、そうして第三者的な立場、こういう三者の意見を聴取するというのが、大体これは常識であり、また、慣例でもあるわけです。特に勤務評定の問題のように、非常に社会的な大きな問題になっている案件については、なおさらこれについての賛成、反対の両当事者、さらにまた第三者といいますか、学識経験者としての立場の人、こういうものを呼んで十分に意見を聞くということは、これはもう当然だろうと思うのです。これはきわめて大義名分にかなったやり方だろうと思うのです。遺憾ながらこの勤務評定の問題については、去る三月以来参考人を呼んで十分意見を聞くという強い要求をわれわれの方から繰り返してやっているにもかかわらず、ただきわめて限られた、しかも勤務評定を実施する立場の教育委員長なり教育長なりの意見を聞いたにとどまっているわけなんです。これではどんなに善意に解釈してもあまりにも不十分であり、かつ、委員会として参考人の意見を聞くという角度からいってもあまりにも一方的に片寄っていると思う。しかも、それ以来半年ばかりの間に、この問題をめぐる情勢はずいぶんまた幅も広く広がってきているし、また、いろいろの面で非常に重大化してきているわけですから、なおさらやはりこの三月から始まっておる参考人の意見聴取ということを、さらに一方的にとどめないで、受ける立場の、この前はやる立場の人の意見を聞いたのですから、今度は受ける立場の人なり、さらにこの前から言っておる学長グループの人なり、われわれは何も学長グループだけにこだわるわけではないのですからね、そういう学識経験者の意見を聞くということは、これはだれが考えても当然なことだろうと思うのですが、どうかこの点は一つ自民党さんの方でもこれは虚心たんかいに受け取っていただいて、善処願いたいと思うのですがね。これはもう繰り返し重ねての要望なんですけれども、中野さんこの点どうですか。やはり教育委員長と、教育長と二人だけの意見を聞いてそれでもうよろしいというわけには参らぬと思うのですが、これは常識で考えてもそれはあまりにも私は不十分であり片寄っておると思うのですけれども、この際、受ける側の人なり、あるいは学識経験者なりを呼んで、十分意見を聞こうじゃないですか、どうですか。
#9
○中野文門君 私の名前が出ましたので申し上げたいと思います。この問題は、ただいま現在未解決に理事会ではなっております。と申しますのは、三月あるいは四月ころ、当委員会でどういう話があったかはしばらく別といたしまして、最近九月十五日の例の事件以後の理事会におきまして、あの当委員会においてのいわゆる九月十五日直前の機会に学長グループと称する有力な方々が何人か、どういうように集まって、どういう協議の上であっせんと申しますか、乗り出されたかは私はつまびらかにはいたしておりませんが、あの九月十五日直前に学長グループの人たちが勤評問題について、あの九月十五日闘争と申しますか、それをやめさせるということに関連をして、勤評問題について文部大臣と話し合いをしたことについては、当委員会でもどなたかの委員から文部大臣に説明を求められて、質疑応答があったことは御承知の通りでございます。私はこの九月十五日の勤評闘争直前に行われた学長グループの人たちを、当委員会に参考人として呼んで、当時の模様等を聞きたいという社会党の理事の方の御要求に対しまして、いろいろと私どもといたしましても検討したのでありますが、学長グループの人たちを、九月十五日直前に行われたこれらの人々の行動等について、あるいは意見等について、今さら当委員会の参考人としてお呼びして聞いてもまんざら無益とは思いませんけれども、はなはだしく有益であろうとは思えない、さらにまた、聞かれようとする社会党の方の方々を考えてみましても、もう社会党は党議をもって勤評は全面反対と、一線に立って指導と申しますか応援と申しますか、勤評反対の前面に立って反対し切っておって、何らここにゆとりのあるようなかまえが社会党の方にあろうようにも思えませんし、むしろ学長グループの方々よりも、申し出られた社会党の面々の有力な議員の方々の方が、むしろあの学者先生方よりも勤評問題については格段の知識、頭脳をお持ちである、こういうふうに私自身は判断をいたしまして、何をか今さら学長グループの先生方を当委員会に呼んで聞く必要はないではないかというような考えが私にも浮んだのでございまして、そこで昨日でございますか、日本社会党の参議院の国会対策の方から私どもの自民党の国会対策の方へ、やはりこの問題に関連をして話し合いが持たれておるようでございますが、その結果はまだ聞いておりませんが、私は学長グループを限定をし、もちろん最近になりましては単に学長グループとか、読売調査団の人とかいうふうに限定をされておらないような持っていき方に話がなっておるのでございますが、だんだんとこうして折衝しておりまする間に、双方によい知恵が出てくるように私も思いますが、決してばく然と学長グループを呼ぶことに、何ら意味なく反対をいたしておるようなことでもありませんし、重ねて申し上げますが、勤務評定問題につきましては、日本社会党の方は確固不抜の信念を持たれて、少々の学者先生方の意見くらいは、もう参考になるような状況でないと私は判断をいたしておりますが、もしそうでないよい意見があれば、よい意見に従うと申しますか、よい意見を取り入れる余裕がしゃくしゃくとしてあるのだということであれば、さらにまた私どもの考え方は変ってくると思いますが、これは幸いにしてただいま理事会でもこの話が載って協議をされておりますので、以上私の名前が出ましたので、私の見解を表明いたしておきます。
#10
○秋山長造君 中野さんの今のお話は、これは本筋の話じゃないと思うのですよ。たとえば、法案が出た場合に、法案について賛成してくれるのなら聞いてもいいが、反対がわかっておるなら聞く必要はないと、そういう参考人問題の扱い方というものは、いまだかつて私は聞かざるところなんです。これはあなたが初めてそういうことをおっしゃる。勤評問題についても、賛成、反対、賛成だからどうとか、反対だからどうとかいうこととは私は違うと思うのですよ。およそ、とにかくあなたの方は、とことんまで、どんなことがあっても既定方針で押しまくると、こう言っているのですよ。だけれども、そういう押しまくるとか、反対だとかいうこととは別に、やはりわれわれとしては、これだけ大きな問題になっている以上は、これについて世間にある反対の意見、賛成の意見、また学識経験者の意見というものは、これはお互いに虚心たんかいに耳を傾けて聞くべきじゃないかと思う。これは、そのことを聞くということそのことが、私はやはり国会審議の上において大きな意味を持っておると思うのでして、だから、初めから社会党は反対だから学識経験者の意見は聞く必要はないという言い方、そういう出方というものは、私は国会審議のあるべき姿じゃないと思うのです。いわんや、とにかくこの勤務評定をやる直接の当事者の立場に立たれておる木下教育委員長なり本島教育長なりの意見だけはとりあえず聞いておるのですから、それからまた、われわれは文部大臣とか文部省から云々という話もあるけれども、だけれども、文部大臣にしても文部省にしても、これはもういずれも同じ立場の人なんですからね。だから、同じ立場の人だけの話しかわれわれは聞くことができない、逆の立場の人の話も聞く機会も与えられるならば、第三者的な学識経験者の話も聞く機会が与えられんということは、私はおかしいと思うのです。それは、それだけの話を聞いた上で、十分審議を尽していったらいいと思うのですがね。だから、そういう初めから社会党はどうだとか、こうだとかいうようなことをあまりきめつけるような考え方でなしに、もっとゆとりを持っていただいて、そして当然これは常識としてやる立場の人の話を聞けば、今度やられる立場の話を聞くのは当りまえだし、また、第三者の学識経験者としての立場の人の話も聞くのも、私はまともに考えたら当りまえの話なんだと思うのですよ。で、九月十五日の問題、私はあの問題だけに何もこだわらないという、こういうようにだいぶ折れてきているのですからね。自民党さんの方の御意向等も十分参酌してわれわれの方もそこまで譲歩しておるのですからね。だから、これを聞いてちっとも役に立たんとおっしゃるけれども、私は役に立たんことはないと思う。何も勤評問題をめぐる紛争が九月十五日にもう終ったわけじゃないのですから、さらにさらに――表面的にはともかくとして、とにかく問題はさらに広がっていっておるのですからね。しかも、当時の天下の情勢から見ても、あの学長グループがあっせんに――結果的には不成功に終ったけれども、しかし、とにかくあの学長グループがあっせんに立ったということについては、これはもう満天下の世論というものは賛否の立場のいかんを問わず、非常に注目をしたことは、これは事実なんですからね。しかも、そういう注目した気持ということは、これは今日においても別に変っているわけじゃないわけですからね。文部大臣を通じてあのあっせんの気持がどうだったとか、こうだったということはもう聞いたからいいとおっしゃるけれども、それは当事者に聞くに越したことはないと思う。それが何も思いつきでやられたわけではないし、教育という問題についてそれぞれに高い識見をもって社会的にもその権威を認められた人たちですからね。だから、今日の段階においてそういう人たちの意見をお互いに十分聞いてみるということは、これは大いに有意義なことじゃないか、このように考えるのです。あなたの方でも理事会でさらに話し合ったらいいじゃないかというお話なんですけれども、これは理事会というもので話し合うというても、ただ一日延ばしに――話し合う話し合うと言いながら一日延ばしにされてほうって置かれたのではわれわれも困る。だから、やっぱりこれは、ものにはおよそ限度というものがあるのですから、だから、この際、委員長の方でももう少しきっぱりしていただいて、そうして理事会の方でもすみやかに具体的なことを取り運びをしていただきたいと思うのですがね。これはあまりにもだらしがないと思う、率直に言いますと。
#11
○委員長(竹中勝男君) この前も、きょうの理事会でこれは相談をするという、私が言ったときに、同じ条件でお互いに話し合っているのではおそらく結論が出ないだろうと私は申したのですが、中野さんの方で、きょうもこの前と同じ意見なんです。こちらも、社会党の方も同じ意見なんですが、しかし、それでは参考人を呼ぶことを取りとめるかというわけにもいかない。両方が同じことを繰り返しておるわけです。それで、これはやはり党と党との話し合いに持っていった方が――いかない限りは、これは理事会の出先ではもうこれ以上は話し合いがまとまらないだろうと思っております。
 で、自民党さんの方では、きょう社会党から何か申し入れがあるはずですが、理事として聞いておられますか。
#12
○中野文門君 まあそもそもの起りが、九月十五日に登場してきた学長グループを参考人として呼ぶか呼ばないかということであったのが、ここ両三日前からその話が多少変化を――変化といいますか、必ずしも学長グループに限定せぬというような考え方の相談になって来ておるようでございます。そこで、秋山君がいろいろと言われますが、なるほどこれはいろいろ見方、見ようもあろうと思います。ほんとうに必要があると思うものもあればないと思うものもある。これはお互いにしいるわけにはいかない。そこが相談で、結局長引いておるというのは、結局重大な問題だから長引くのだ、こういうことに私は判断をいたして、決して……、もちろん自分以外のものは全部何らかの参考になることが当然であって、全然むだとは言わないけれども、勤務評定の一つの仕事が現在全国的に作業されておる。これに対して反対の動きのあることはこれも事実でございます。お互いにその立場といいますか、一つの問題に対するあるいは政治的な感覚の相違、あるいは事柄の認識の相違等によって、一つ一つの事柄のふくささばきというものが違ってくるので――違ってくるからといって相談に、必ずしもそのままよろしいと言えないからどうだ、こうだというようなことは、これはちょっと私当らぬと思うのでございます。これはよけいなことのようでございますが、秋山発言がございましたので、私はそういう見解をとっております。幸いなことにはまだこの問題が理事会で残っております。これはもう今月今日ただいま右左をきめろと言われた段階においては、それじゃ反対だ、もう少し相談しようじゃないかということでの相談で、決して延ばしておるのが私の方だけでないので、あなたの方のお気に入らぬから延びておるということは言えるかも存じませんけれども、今直ちに右左に黒白をつけろといえば、瞬間にして右左がいつでもできるその用意はして理事会にも臨んでおるのでありますが、しかし、それでは理事会の相談にならないので、そこで相談が長引いておるというふうに私はとっております。
 そこで、ただいま委員長の申されたことでございますが、社会党の国会対策でございますか、その方の責任者の方から、私の方の国会対策の委員長の方へこのことに関連をした話し合いが昨日か来ておるようでございます。それにつきまして、私の方の国会対策の方でも、今朝来いろいろと相談をしておるようでございまして、その結果はまだ聞いておりませんが、そのような状況でありますので、さよう御了承願いたいと思います。
#13
○委員長(竹中勝男君) 中野理事にお尋ねしますけれども、次回の理事会において協議することになっておるのですが、次回の理事会までに大体まとまりそうですか。
#14
○中野文門君 まとまるということ、結局これは私聞いてみなければわからぬのですが、ただもう一つ、これは私、理事会でも整理して考えなくてはならぬのは、いわゆる最初学長グループの人々を、ということが最初の話で、それから読売の調査団が出て来、それからさらにいろいろと話の形が相当変ってきておる節もあろうと思うので、そういう点も一つさらにこの理事会でもはっきりと整理をして、そうしてたとえば、文教行政一般に対する――もちろんその中には勤務評定も入ろうが、に対して、その参考人を呼びたい、参考人を呼ぶにはどういう人を呼ぶかとかいうような具体的なことになってこようと思いますが、最初の出鼻の話が九・一五の闘争に関連をして登場した学長グループの先生方を呼んでおる、こういうところが最初のすべり出しであったために、いろいろとこちらも考えたのですが、話もだいぶん変っておるようでもございますが、これは私の方としても理事会でもう一ぺん一つ社会党の理事さんにもお尋ねもしたいと、かように思っております。何もかも断じて反対しておるのではありませんので、それで国会対策の方はまだ結果を聞いておりませんがね。
#15
○松永忠二君 中野委員からいろいろお話があったのですが、私たちの方は別に変ってきて、非常に前と言い方が違ってきたから検討をし直さにゃできぬという言い方できておるのじゃないのです。最初から今、秋山委員からお話のあったように、実施する立場のものをやったので、ほんとうなら実施されるものを聞かなければできないけれども、ちょうど九月の十五日のあの闘争から第三者的な立場に立って学長グループやあるいは読売調査団も一つの案を出し、また働きもかけたので、こういうような問題も通して一体勤評問題についてどういう考え方をしていくべきであるか、そういう点について文教委員会としても検討すべき必要があるので、学長グループや読売調査団等の人たちを招いて、それでその意見を聞きたいということを提案をしたわけであります。ところが、その後あなた方の方では、そういう人たちの意見も聞く必要がない、もう勤評が実施をされている段階において学長グループとか、あるいは読売調査団等の意見を聞いたからといって何らの参考にもならないし、聞く必要もないというお話であったのです。だがしかし、私どもは、国民もやはりこの問題について、国会が何らかのやはり働きかけというか考え方を示すということについても期待をしておるし、われわれもそういう点について努力をするために意見を聞いてみようではないかということを提案をした。しかし、学長グループと読売調査団の意見を聞くということになると、あなた方の立場からどうもこの人たちだけでは工合が悪いというお考えもお持ちであろうと思うから、それではそういう人に限るということではなくて、そういう人を含めて勤評を中心として教育行政のあり方について話し合いを、第三者から意見を聞くということであれば、あんた方の考え方を持っておられる方々も呼ぶことができるから、そういうふうにワクを広げて一つ配慮を願いたいということを申し上げたのであって、初めから私たちの主張しておるのが、第三者の意見を聞きたいと、実施をする立場のものの意見も聞きたいから、そういう要求も長く高田委員から主張され、しかも、理事会で検討すべきだということまで議事録に載っておるけれども、とにかく第三者としての働きをされた方々があるし、その方々の意見なり働きというものがとにかく当時たくさんの人の期待を寄せられたことでもあるので、こういうところの御意見を聞いてみる必要があるじゃないか、第三者の意見をこの問題について聞いていきたいということで提案をしておるので、何も急に変化をしたのではないので、私たちとすれば、今国会対策でその問題が正式に取り上げられるとすれば、早急にその結論を見て、はっきりこの問題についてやはり明確な回答をしていただきたい。そうでないと、先ほどお話のように、ずるずる委員長・理事打合会がこの問題を未解決のままにいくということはできないので、ぜひそういうふうではっきりした日を切って回答を願いたいというのがわれわれの今の立場ですから、誤解のないように一つお願いをしたい。
#16
○中野文門君 ずっと私の方が返答せずに今日まで来たのでないことは、これは松永さんも御承知のように、一度はその必要がないということを申し上げた席もあったはずなんです。ところが、そうばかりではいけないので、あなたの方がさらに強い希望を持っておられるので、あなたの方の御要望もあり、さらにいま一ぺん私の方も考え直そうということになったので、最初からずっと今まで返事せずに理事会に臨んでおったのでは断じてないので、せっかくあなたの方も一生懸命そういうふうに言われるし、その誠意にほだされて私の方も何とかなるものであれば、こっちは聞きたいことはないけれども、あなた方の方でぜひ参考になることは聞きたいということならば、何とか御同調できないかということで、実は苦慮して今日まできておるので、一度も返事をせずに今日まで未回答で理事会の意思表示をせずにきたのではございません。その点は一つ、将来この問題の御期待に沿うか沿わぬかは別として、やはり会議というものに臨んでは、一応二応の締めくくりはつけつつきておるので、一口も回答せずに私の方が待った待ったといって引き延ばしておるのでないことを一つ御了承を賜わりたい。
#17
○高田なほ子君 大体中野さんのお話で事情は一応了解できるのです。ただしかし、けさほど私仄聞するところによると、文部省が自民党に相当ハッパをかけて、そうしてわれわれがせっかく第三者の意見を聞こうというようなことで、ずいぶん中野さんも御苦心して下さっておるにかかわらず、文部省がハッパをかけてこれを呼ばせないようにしているというようなことを仄聞するのですが、これがもし真実とするならば、私は非常な問題だろうと思う。大体前の、木下さん並びに本島教育長をお呼びして、私どもは結局は意見を聞いたのですが、その過程においても相当文部省がブレーキをかけて、そうして国会にこれを出させないようにしたということも私どもは仄聞をしている。一体参考人を呼んで私どもは意見を聞くというのは、政府にこびへつらったり、政府にしいてたてつくためにこういう機会を設けるのではなくて、私どもの持つ審議権というものを十分に果すとともに、なかんずく今日政治問題として最も大きな文部省自体が責任を負わねばならないような事態になっているのに拱手傍観するのではなくて、何とか解決の策を見つけ出そう、フルにわれわれの審議権を活用して事態の円滑な進展と、そうして本問題のよりよい解決の糸口を探そうとするときに、文部省が少くともわれわれの審議権に介入して、これこそ不当干渉、呼ばせないようにしているというようなことがもし事実だとすれば、私は大へんな問題だと思う。私は文部省というのは、自民党の出先機関じゃないと思っている。私はこのことが真実であるとするならば、はなはだしく遺憾の意を表せざるを得ない。従って、文部省から私のこの意のあるところに対して御答弁をわずらわしておきたいと思います。どなたでもけっこうです。
#18
○中野文門君 文部省に対して高田委員、どのように思いをされようと、これは私は別に何とも申しませんが、文部省に圧力と申しますか、文部省から何か押えられて、参議院議員中野文門が一つの意見を、自分の考え方と違った方向で動いているように仄聞すると、絶対に私はそういうことはありませんから、どうぞ御心配のないように、政府官僚と申しますか、政府役人と申しますか、少くとも議会外の何人からも議会行動に対して牽制もされなければ、また、されようともいたしたことがありませんので、どうぞ一つその点はあなたと同じような気持でおりますので、御心配のないように、この問題の交渉に関して絶対にそういうことございませんから、一つ御安心を願いたいと思います。
#19
○高田なほ子君 私は中野さんを別に詰問しようなどというような、そんなおこがましい考え方は持っておらない。しかし、私どもの党がけさほどあなたの党に対して申し入れをした際に、一応この文部省の介入というようなことがお話に出たやに承わっている。これに屈すか、屈しないかということは、これは中野さんの御良識の通りで、私は中野さんのお考えはきわめて正しいものだと思う。しかし、事こういう問題が出たときに、文部省が何のためにハッパをかけにいくかというのです。何のために文部省が自民党さんの方に、何じゃかんじゃ知恵をつけにいくかというのです。その知恵をつけられるか、つけられないかは、これは自民党さんの御自由です。また良識に待つべきものだと思いますけれども、最近の文部省のあり方というものは、ことごとく私は疑問を持つのです。だから今私が質問したのは、中野さんに対する質問ではない。文部省のそういうあり方について私は疑問を持つから、文部省としての見解を私は聞いているわけなのです。文部省から答えてもらえばいいのです。
#20
○国務大臣(灘尾弘吉君) 文部省の名前が出たわけでございますが、ただいま問題となっております案件について、だれがどういうことを申したか存じませんけれども、私ここではっきり申し上げます。この問題は国会内のことであります。国会の皆さん方が、どうぞ御自由に一つ御決定を願いたいと思っております。ほかに何も考えていることはございません。
#21
○高田なほ子君 御自由に御決定を願いたいといいましても、あなたの下にある人が、あなたがまさかその党の方に何じゃかんじゃ言われるなどということは考えておりません。しかし、あなたの下にいる者が、その知恵をつけに走り回っているというようなことが、もしあったとしたら、それはいけないことでしょう。いいことではないでしょう。こういうことについての見解を承わっているのです。
#22
○国務大臣(灘尾弘吉君) 党ともいろいろ連絡のあることでございますので、党からまた何か話があれば意見を申し上げるというようなことはあるかと思いますけれども、今この問題につきましては、ただいま私お答え申し上げたことによって一つお考え願いたいと思います。
#23
○秋山長造君 ただいまの文部大臣の言をそのまま受け入れれば、大臣はもちろん文部省の役人から参考人を呼んでもらっては困るとか、困らぬというような種類のことは一切やらぬということなんで、自由にやってほしいということですから、文部省の一応の見解は、きわめて明快になったと思うのです。それからまた、先ほど中野さんが自民党の空気を代表して御発言になった点も、この参考人を呼ぶことについて反対だとか、何だとかいうことではないので、もう少し十分話し合った上できめたいということで、ゆとりを持ったお話のようですから、あとは一つ委員長の腕だと思うのです。委員長一つさっそく理事会を開いて、そしてこの問題を一つ早急に結論を出して実現をお願いしたいと思うのです。委員長の努力を求めます。
#24
○委員長(竹中勝男君) 善処いたします。
#25
○高田なほ子君 もう一つ要望があります。それは二番目に御報告になりました深夜喫茶の問題ですね。地方行政委員会との連合審査を持つということは一応御報告になったわけですが、ただお願いしたいことは、地方行政委員会もいろいろ重要な案件をお持ちになって、懸案が山積していらっしゃるように承わっておるわけです。できれば、できるだけ早い機会に連合委員会を持たれるように、早急に委員長の方からお申し入れいただければ、まことに仕合せすると思いますが、この意を含まれて、散会後の理事会で本日中に御決定になって、申し入れして下さるようにお願いしておきたいと思います。
#26
○委員長(竹中勝男君) 風俗営業取締法の一部を改正する法律案については、連合審査をやるということは自民党さんの方では反対ではないのです。ただ最後的に、こちらの日程が相当たくさんの問題を持っておりますので、十分これは全体との関係も考えてやらなくちゃならないという意見でありましたので、委員長としては、きょうこの委員会のあとで委員長理事打合会を開く予定でおりますので、それで早急に決定して、正式に申し入れたいと思っております。しかし、とりあえず地方行政委員会の委員長に対しては、そういう考えでおるからということを申し入れておきました。
#27
○湯山勇君 今の青少年問題につきましては、当委員会においても、しばしば問題になったところですし、特に鳩森小学校の問題については、この委員会で、学校の環境に関して特別な立法まで用意した事情もあるわけです。当時、その環境保全の法律は、厚生委員会の方で旅館業法の一部改正ということで処理したいというようなことで、まあいいかげんなことになって、結局目的を十分に達していない事情もありますから、今回特に深夜喫茶の問題で新しい立法措置がとられるというのでございますから、むしろこれは、こっちでやってもいいような性質のものも多分にあると思うので、ぜひその連合審査は、先方の事情によって延びるとか、早くなるとかいうようなことはあるにしても、こちらの委員会の都合で、これをどうこうするというようなことは私はちょっと筋が違うと思いますので、そういう点、お含みの上で一つ御善処願いたいと思います。
#28
○委員長(竹中勝男君) 承知しました。自民党の理事の方々には十分御了解と思いますので、早急にこのあとの委員長理事打合会で決定して、向うに申し入れるように善処したいと思っております。
 先ほど申しましたことに引き続きまして、以上の報告の通り取り運ぶことに御異議ございませんか。
#29
○委員長(竹中勝男君) 御異議ないと認めます。
 それではまず法制局に対する質疑を行うことにいたします。
 法制局の方から、資料といいますか、国会法第五十六条の三第一項の審査中の解釈について、この前、湯山委員からの御質問がありましたのに対して、文書をもって回答がありますが、齋藤法制局長から……。
#30
○法制局長(齋藤朔郎君) 国会法五十六条の三の中間報告の規定に関する解釈について、われわれの意見を明らかにするようにという御要望でございますので、一応文書にしたためまして、お手元へお配りいたしておきましたのが、結論的なわれわれの意見でございます。もう少しそれを肉づけいたしまして、敷衍いたしまして御説明いたしますと、結局問題点は、議案を付託された委員会の審議が、ある程度の段階に達しなければ議院は中間報告を求められないのか。あるいはそうでなくて、付託されれば、その後において委員会の審議がどの程度の段階に達しようとも、付託された以後は、事情のいかんによっては、議院は中間報告の求めをすることができるのか、そういう点に問題の中心点があるように考えるのでございます。もちろん私から今さら申し上げますまでもなく、法律の解釈の行き方といたしましては、法文の文字に重点を置いて、その文字をもととして形式論をあやつって解釈する、そういう行き方もございますが、それに対して、法文の文字を無視するわけじゃございませんけれども、それにあまりこだわり過ぎずに、むしろ法規の設けられた趣旨、その他の実質的な点を判断して、合理的な解釈を見出していこう、こういう立場もございました。われわれといたしましては、むしろ、あとに述べましたような観点で法律の解釈をいたしておるつもりでございます。
 さて、国会法は御承知のように、委員会中心主義をとっておると言われておりますけれども、しかし、それは委員会の決定が最も至上のものだ、最も高いものだという意味じゃございませんで、議院の最終的の意思決定は、その議院の本会議がきめるのが当然なことでございますから、委員会中心主義ということは、その本会議の審査の一つの便宜、本会議の審査をより効果的に実質的にするために設けられた制度だと思うわけでございます。言いかえれば、本会議が主であり、委員会は従であると言わざるを得ないと思うのでございます。従いまして、もしかりに委員会の審査がある程度の段階に達しなければ、その議院の本会議は中間報告を求めることができないのだ、こういう解釈をとりますると、委員会の行動いかんによって、その議院の最終的の意思決定が左右されてしまう、言いかえれば、委員会のいかんによって本会議の機能は停止されてしまうというような結果にならないとも限りませんので、さような事態を防ぐための、これはやむを得ない一つの制度として設けられたのだと考えるのでございます。御承知のように、法律の中には、法律があるからといって、それがどんどん行われるのが望ましい法律もございましょうし、法律はあるけれども、それはむしろ通常の状態においては、そういう法律の行われないのが望ましい法律もあると思うのでございます。たとえば離婚の制度というようなものについて考えてみましても、離婚に関する法規があるからといって、どんどん離婚をやっていくということは、必ずしも望ましいことではないので、離婚制度というのは、婚姻生活の破綻を処理するやむを得ない最終のぎりぎりの線で初めて活用される一つの制度だと思うわけでございまして、さような意味におきまして中間報告の制度も、やむを得ないぎりぎりの場合にとられる手段でありますから、もちろんそういう制度があるからといって、どんどんそれを活用するということが望ましいわけじゃございませんで、その運用については慎重なる取扱いが必要だということは、申すまでもないことだと思います。
 法文の解釈として問題になりますのは、この国会法の五十六条の三の一項に「審査中の案件」とある。で、それに対して参議院規則の三十九条には、「委員会は、議案が付託されたときは、先ず議案の趣旨について説明を聴いた後、察査に入る。」、こういう条文がございます。国会法の五十六条の三の一項の「審査中」ということと、参議院規則三十九条の「議案の趣旨について説明を聴いた後、審査に入る。」、ここに言っておる「審査」と、国会法のさっきの条文の「審査」、これは同じだという文字解釈を、かりにいたしますと、議案の趣旨の説明を聞いた後、審査に入ると書いてあるんでございますから、文字だけから判断いたしますれば、議案の趣旨の説明があって後、質疑応答があって初めて審査行為が始まるんだ、だから国会法でいう「審査中」というのは、趣旨説明のあった後の質疑応答が始まってから後において、初めて「審査中」と言えるんだと、こういう一つの文字解釈、これは文字だけをもとにして解釈をいたしますれば、そういう解釈ももちろんできると思うのでございます。しかし法文の字句と申しますのは、同じ文句が使ってあるから、常に同じに解釈しなければならぬかと申しますと、さようなわけではないのでございまして、同じ字句を使ってありましても、法律または規則の違いによって、そこに意味のニュアンスがかかってきておるという例は、これはたくさんございます。われわれの考えといたしましては、国会法五十六条でいっております「審査中」というのは一つの手続――これは議院の委員会の審査というのは一つの手続でございますが、手続的に考えた観念でありまして、議案が付託されれば、その委員会で審査すべき手続が始まっておる、だから「審査中」というのは、審査すべきことになっておる議案、こういう意味に解釈するわけでございますが、参議院規則の三十九条の、趣旨の説明を聞いた後に審査に入ると書いてある「審査」ということは、これは行為的な観念でございまして、これは質問応答という一つの人間の行為にとられた観念でございまして、必ずしも文字が同一だからといって同じ解釈にならなくても私はいいんじゃないかと思うのでございます。これは一つの別の例でございまするが、国会の議案の審査も一つの一連の手続でございますが、その他に手続としては裁判所で行なっております訴訟手続というものも、これも一連の手続であります、こういう訴訟手続なんかの言葉の使い方を見ましても、弁論という言葉がございますが、弁論ということは、普通われわれ常識的に考えましたら、検察官の論告、弁護人の弁論あるいは証拠の申し出、あるいは法廷でいろいろ口で質疑応答、論争をするというのが弁論という普通の言葉だろうと思います。これは行為的に考えた弁論で、参議院規則の三十九条にいう「審査」も、同じような人間の行為を頭に置いて考えた言葉でございます。それに対しまして、これは純訴訟法の問題でございますけれども、弁論を併合する、あるいは弁論を分離するという言葉がございます。この場合の弁論というのは、そういう論告とか、弁護人の弁論を半分に割るとか、二つに合わせるとか、そんな意味をいっておるのであって、弁論を併合するという言葉は、二つの事件の訴訟手続を一つの訴訟手続に合わすということで、分離すると申しますことは、一つの訴訟手続で起訴されておる事件を、二つとか、数個の事件に分つ、だからこの併合、分離という場合の弁論というものは行為的な観念でなくて、訴訟手続的な観念でございまして、こういう場合に同じ言葉を使いましても、別の意味合いになっている例があるわけでございます。参議院規則の三十九条と国会法五十六条の三の一項の「審査」という文字は同じでございますけれども、そこにそういう解釈をいたしますれば、矛盾なく理解ができるのじゃないかというふうに私どもとしては考えた次第でございます。
#31
○湯山勇君 ただいまの御説明によりまして、法制局の御見解が示されましたけれども、承わっておっても、やはり釈然としないものが相当残ると思います。それは局長のおっしゃいましたように、法文の解釈というものが、文字に基いて形式論理を追ってやっていく、これはやはり一つの公式だと思います。むしろ法文というものの形をとったものについては、その方が主であって、その場合にいろいろな問題が起るとか、その場合こうもとれる、あうもとれるという場合に、初めて今おっしゃったような趣旨、実質に基いて判断をしていくというのであって、今の御説明からいうと、逆に法文の文字に基いての形式論理は一応無視した形において趣旨実質を優先的に取り上げていって、そこで審査という言葉も、他の例もお引きになりましたけれども、私どもとして非常に釈然としないような御説明であったと思います。と申しますのは、この国会法並びに参議院規則の中で、審議とか、審査とかという言葉は、議会活動の中心になる行為を示した言葉ですから、今おっしゃったような、あちらにでも、こちらにでもというふうにルーズな扱いをしていないと思います。それははっきり調査は調査、それから審査は審査、それから審議は審議と明確に区別して使われてあるのでございまして、そういうふうな相当重要な語句で、しかも注意して使われているのを、この際、今のような法文解釈の方法も、常識的な方法をとらないでいって、しかも今のように相当注意された用語についても、なおかつ右の解釈をしていくというようなやり方というのは、私は正常なやり方ではないのではないかというような疑念を持つわけでございますが、内容についてお尋ねする前に、その点いかがでしょうか。
#32
○法制局長(齋藤朔郎君) われわれも、もちろん法文の字句を全然無視してしまうということは、法律の解釈としては正しい行き方ではないと思いますけれども、文字にあまりこだわり過ぎるということも、これまた正しい解釈でないと思うのでございまして、その使われておる法文の内容によりまして、同じ言葉を違う意味に解釈するということは、これは先ほども申しましたように、いろいろの例がございまするので、文理解釈を常に尊重しなければならぬ、こういうお説に対しましては、一応御意見としては承わっておきますけれども、私としては、むしろ実質的な判断によって合理的な解釈をしていくという立場に立ちたいというふうに、少くとも考えている次第でございます。
#33
○湯山勇君 それで、法制局がこういう見解に立った最も大きな理由は、もしこういうふうに解釈しなければ、本会議の機能が停止するということが最も大きな条件であったように承わりましたが、そういう解釈に立てば、審査中の案件については中間報告以外にとる方法はないという解釈に立っておられるのでしょうか、その点伺いたいと思います。
#34
○法制局長(齋藤朔郎君) 御質問に対しましては、中間報告を求める以外に、その議院の本会議で意思決定をする方法はないというふうに一応考えております。
#35
○湯山勇君 そうすると、法制局長の御意見によれば、付託によって審査行為が始まる、だから、一たん付託されたものは、もう審査中になっておりますから、中間報告以外にはもう処理の方法はない、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか、重ねて伺いたいと思います。
#36
○法制局長(齋藤朔郎君) さように考えておりますが、先ほども申しましたように、法案が委員会に付託されますれば、その委員会でその法案を審査すべきことになる、だから現実の審査行為はなくても、審査手続というものは、もう法案の付託という瞬間から始まっているものだ、だから五十六条の三の「審査中」に含むのだ、それを本会議で取り上げる場合には中間報告を求めると、こういうことになるように考えております。
#37
○湯山勇君 これは非常に厳密な問題ですから、今の御発言について、もう一度お伺いいたしたいと思います。それは、付託によって審査すベきことになるということと、審査しているということとは違うと思います。たとえば今のような、手続が始まっているということになれば、提案も同じ手続の中に含まれることになると思いますから、提案されたということは、とにかく審査されるということ、審査すべきものになるということに建前としてはなっておるわけですから、だから、そうすべきことになるということと、現にそうなっているということとは、これは当然概念としては違うと思いますけれども、それは同じだと御判断になっておられるのでしょうか。
#38
○法制局長(齋藤朔郎君) 提案だけじゃ、まだその委員会としては審査すべきことにはなっていないかと思うのでございます。付託されて初めて審査すべきことになるのじゃないか。だから国会法五十六条の三の一で言っている「審査中」というのは、そういう審査すべきことになっているという意味に解釈しているわけでございます。
#39
○湯山勇君 たとえて申しますと、何々すべきことになっているということと、そうなっていると、たとえば死刑されることになっているということと、死刑されたということとは私はやはり違うと思うのです。だから今おっしゃるように、一般的に、すべきことになっているということの概念と、それからそうなっていると、つまり審査すべきことになっているということと審査されている、審査中という言葉ですね、それとは概念としては違っていると思うのでございますけれども、その点はいかがでしょう。
#40
○法制局長(齋藤朔郎君) その点は、さっき私が申しました手続的ということと、行為的ということだと思います。審査すべきことになっておるというのは手続的な、静的なと申しますか、静かな、静、動、その静的な観念でございます。だから審査しているとかという言葉は、これは行為的な、むしろ動的な観念だ、従って、その観念は違いはあるということは私も認めるわけでございます。
#41
○湯山勇君 従って、もう一度今の点についてお尋ねいたしますと、すべきことになるというのは可能性を示している、そして「審査中」という「中」という言葉は、これはすべきことになっているという状態じゃなくて、今のお言葉からいけば、「中」という言葉は何々中、食事中、睡眠中、会談中、そういうのがそういう状態になる。そういうすべきことになるという状態じゃなくて、すでにその行為に入っているということでなければ、これは「中」という言葉は使わないと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
#42
○法制局長(齋藤朔郎君) 非常に微妙な御質問でございますが、結局先ほど来申しましておるように、五十六条の三の「審査」ということは一つの一連の手続的な観念だ、だから手続的な観念の場合の「中」と、それから参議院規則の三十九条のような行為的な観念の場合の「中」とは頭の概念が違うのですから、それは上の「中」も下の「中」の部分も内容としては変ることは当然だと思うのです。だから五十六条の三の一項中の「審査中」ということは、その委員会にかかっておる手続中――手続中という言葉はいい言葉じゃございませんが、手続が継続しておる、そういう意味に解釈すればいいのではないか、参議院規則三十九条の方の「審査」は、これは行為的ですから、それは湯山委員の仰せられましたような、食事中とか、読書中とか、そういう場合の「中」と同じだと思いますが、国会法五十六条の三の一項の「審査中」というのは、その審査の一つの手続、一連した手続、ずっと続いておる手続、だからその場合の「中」というのは、必ずしも行為的に考えられないと思うのでございます。
#43
○湯山勇君 もう一度今の点、念を押してお尋ねいたしたいのは、これは「審査中」という表現は相当誤解を招く表現である。正確にいえば、付託後の案件についてもと、こういう方が正確だ、こうおっしゃるのだと思いますが、いかがでしょう。
#44
○法制局長(齋藤朔郎君) 実質はさようでございます。付託後……。
#45
○湯山勇君 の案件についてですね。
#46
○法制局長(齋藤朔郎君) あるいはまた別の言い方をいたしますれば、参議院規則の三十九条の方の「審査中」という言葉も、あるいは審議とか、何か別の言葉にした方がよかったというような議論も立つかとも考えられますけれども……。
#47
○湯山勇君 法制局長にお言葉を返して恐縮なんですけれども、この国会法及び規則では、本会議の場合にだけしか「審議」という言葉は使わないで、委員会はすべて「審査」です。だからそういえば、ただ、今おっしゃるような意味じゃなくて、「審査」といえば、もうどの場でどうされるということが、お互い議員の間には頭に浮んでくるわけです。従って、あとの場合は当然「審査」でなきゃ、この体系としてはいけないのであって、これはもう「審議」という言葉にすれば大へんな混乱が起ってくると思います。
#48
○法制局長(齋藤朔郎君) それはそういう御意見を持つ人もございますが、他に適当な言葉、たとえば質疑に入るとか、何かそういう言葉を使っているのなら、あるいは疑問を避けられてよかったかもしれぬと思います。
#49
○湯山勇君 それでお考えはわかりました。私まだ納得したわけではありませんけれども、お考えだけわかりましたが、そういたしますと、先の問題に帰りまして、結局、「審査中」という言葉を付託後と、こう解釈しなければ本会議の機能が停止するという御判断に立っておられる、これはよろしゅうございますか、法制局の方の前提はそういう御解釈だという点については。
#50
○法制局長(齋藤朔郎君) さようでございます。
#51
○湯山勇君 そういたしますと、参議院規則も衆議院規則も、その点に関してはほとんど違いがございませんね。ところが衆議院におきましては、先般の警察官職務執行法の場合、議長が委員会に付託いたしまして、議長職権をもって地方行政委員会に付託して、それを中間報告という形をとらないで付託を取り上げております。こういうことは、今おっしゃったように、局長の御解釈ではできないことになると思うのでございますが、もしそういうことができるとすれば、そういうふうに解釈した前提になる本会議の機能停止ということがなくなってしまいますから、その点についてはどういうふうに御解釈になっておりますか。
#52
○法制局長(齋藤朔郎君) 付託の取り消しということは、どうも国会法、また参議院規則にはないようでございますので、その点、衆議院のやりました行為について、私どうこういう批判をするのは、ちょっとここではいたしかねますけれども、そういう取り消しというような規定はないことは事実でございます。ただ、これは十分考えたわけではございませんけれども、この間の問題は、あれを取り消して、すぐに本会議で、本会議の最終的な判断を付するというためにやったのじゃございませんのじゃないのでございましょうか。あるいはもう一度やはり委員会に付託して、それから特に審議をして、本会議にかける、だからちょっと中間報告の問題と違うのじゃないかと思うのでございますけれども……。
#53
○湯山勇君 違うからお尋ねしているので、中間報告、もし衆議院のような例が認められれば、中間報告という以外に、付託後の案件についても処理の方法があるということになりますから、局長の御解釈の根底が違ってくるわけです。そのことを申し上げたわけですが、ただそこで、衆議院のやったことについて、とやかくの批評を避けたいとおっしゃるのですけれども、これは私はそういう御遠慮は要らないので、この際は、私どもは衆議院のやったことは間違っている、参議院ではそうではないのだということ、そうおっしゃっていただかないと困ると思います。これが政治的な含みのある問題とか、何とかであれば、それはおっしゃるような言い方もできますし、一般的な行為の批評ということでしたら。ですけれども、国会法及び参議院規則の解釈についてお尋ねしているわけですから、その点については、衆議院規則、参議院規則、変るところがないわけで、参議院では、今おっしゃったように、付託になった以上は中間報告以外には方法はない、今のようにおっしゃったことから判断していくと、衆議院の方でおとりになった行為というものは、間違っているなら間違っているということは、おっしゃれるのじゃないかと思いますが、いかがでございましょう。
#54
○法制局長(齋藤朔郎君) その点は、先ほども申しましたように、その議院の最終の意思決定をきめるのは本会議でございますから、委員会に付託された案件を本会議で取り上げて、最終的に意思決定をするという方法は、私はどうも中間報告以外にはないと思うのでございますが、ただ、先ほども申しましたように、そうじゃなくて、委員会に付託をして、それを取り上げて、また委員会に付託する、こういう場合には、その取り上げ方が、その本会議で最終的の意思決定をするための取り上げ方ではございませんものですから、そこはまた、そういうものが認められるかどうかは別の問題だと思います。
#55
○湯山勇君 それは大へん失礼ですけれども、間違った解釈だと思います。というのは、中間報告の規定というのは、今おっしゃったような規定を含んでおります。つまり、そこで決定するのじゃなくて、中間報告を求めて、それから委員会に差し戻す、そのときに期限を付することもできるというように、今、局長のおっしゃった通りの規定は、むしろ五十六条の三に規定されておることなので、だから、これを今言われたように解釈しなければ機能が停止するということも、私は一応理論としては肯定しておるわけです。ですから、そういう論拠に立てば、今、局長のおっしゃったようなことは出てこないと思うのでございますが、いかがでしょうか。
#56
○法制局長(齋藤朔郎君) 今、湯山委員の御指摘になりました国会法五十六条の三の三項でございますね、この場合も、やはり目的としては、その議院の本会議の意思決定をきめるかきめないか、そこに目的があるのだと思うのでございますけれども、それも付託の仕方のいい悪いと、そういうことに論点があるのではなくて、やはり五十六条の三の三項も、場合によっては、本会議で最終的な判断をするということもあり得るわけでございますから、そういうことをするのが妥当かどうかというところに目的を置いて、とる手段でございますから、やはり違うと私は思います。
#57
○湯山勇君 もし今、局長の言われたようなことを、かりに肯定しますと、衆議院のやったことを肯定するということになれば、それじゃこの委員会のある審査の段階を経なければ、審査の段階という言葉は、ちょっと私の言葉としては不穏当ですけれども、手続の段階を経なければ、本会議でやれないということになれば、本会議の機能が停止するという理論が今度はくずれてくると思います。これは今の解釈のどちらかが間違いで、どちらかが合っておるのでなければ、今の結論は出てこないと思うのですが。――そこで、衆議院の方が間違いだということになるか、あるいは参議院の方でお考えになっておることが間違いか、どっちかでなければ、そういう結論にならないと思いますが、どうなりましょうか。
#58
○剱木亨弘君 私長く議運をやっておりまして、衆議院と参議院と法文の解釈上の問題で相違が二、三あった例があります。この委員会付託の問題は、参議院といたしましては、参議院規則及び国会法に定める通り、委員会へ付託をいたしましたら、それを本会議で取り上げる方法は中間報告よりほかにない。それで、その解釈につきまして、今度の警職法でも、これは本会議にかける、かけぬは未決定でございましたけれども、議運の方では、委員会に付託しないでその決定を待ってやったと考えます。それで、ほかに例もあったのでございますけれども、これは実例をちょっと忘れましたが、先般の会期延長の問題がありますけれども、参議院と衆議院と解釈が違いまして、参議院の方から正式に衆議院に、その解釈上の誤まりを申し入れたことがございます。その際におきましても、衆議院は衆議院としての解釈をする、他院の干渉を受けない、こういうはっきりした答弁がありました。衆議院におきましては、各委員会に一ぺん付託して、それからそれをもう一ぺん話し合いによって本会議にかけたりした例は、しばしばあるように聞いております。でございますので、私どもは、参議院は参議院としての独自の解釈で、この国会法並びに参議院規則を解釈すべきものだという解釈を立てておるのでございますが、そういう点について、局長、どういうふうにお考えになりますか。
#59
○法制局長(齋藤朔郎君) それは申すまでもなく、参議院は参議院独自の立場で国会法及び参議院規則の解釈をすべきことは当然でございます。同様のことは衆議院についても言えるわけでありますから、衆議院は衆議院の立場で、その国会法関係の法規の運用をいたしておると思うのでございますが、私はどうも、ただいま湯山委員が問題にされております衆議院のこの前の問題と、この中間報告の問題とは、どうも違うように思うので、衆議院の解釈が間違っておるということを、ここではっきり言い切ることはできないと、私は今のところ、さように考えております。
#60
○湯山勇君 そういう御結論が出ないようにと思って、さっきから、ずいぶん段階を経てお尋ねをしてきたつもりです。局長の言われるのは、もしこういうふうに、付託後というふうに解釈をしなければ国会の機能が停止する、これが一点です。それから一たん付託になったものは、中間報告以外にとる規定はない、これも局長の言われた通りです。そうなれば、衆議院の場合は一たん付託になったことは間違いありません。それは中間報告以外にとる方法はないという範疇に入ることも、今、局長自身がお答えになった通りなんです。そうだとすれば、衆議院のとった措置については、どういうふうに解釈されるかということについて、他院のことだということで、御言明を避けられたため、お尋ねしたわけなんですが、もし局長の言われるように、衆議院のやったような行為も認められるとすれば、何もこの審査中という言葉を付託後と解釈する必要はないことになります。そのことをお尋ねしておったわけです。だから、まあお尋ねしておる趣旨は、よくおわかりいただいたと思うのですが、そうなると、どういうことになるでしょう。
#61
○法制局参事(杉山惠一郎君) 議案が提出されまして、国会法では、これを委員会に付託して審査して、そうして報告させて、本会議できめるという行き方と、それから法案を提出したときに、同時に書面を出して、委員会審査省略の議決を経て、委員会の審査をやらないで、本会議で直接審議をするという方法と二つ以外には、本会議で最終的決定をする段階はないだろうと思います。衆議院で、今言ったような方法をとった場合に、まあいい悪いは別にして、とにかく衆議院で、一ぺん付託したやつを取り上げて本会議で審議したいといって、そこで、すぐにその法案に対する審議を本会議でやって、そこで最終的に議決をしてしまうという方法は、おそらくはとれないんじゃないかと思います。おそらくその場合でも、必ず委員会に付託して、そしてさらに委員会の審査を経たあとでなければ、本会議の最終的な議決はできないはずのものです。ですから衆議院でやった方法があるから、中間報告をそういうふうに解釈する必要がないということにはどうもならないので、衆議院でやっておるのは、ただ委員会にいくまでの段階を往復しているに過ぎないので、衆議院では必ず委員会に付託する以外には、おそらく審査の方法がないのだろうと思います。というのは、政府は委員会審査省略の要求を出しておりませんから、必ず委員会に付託する以外には方法がないと私は思います。
#62
○湯山勇君 だから、どうなのかということがわからないのです。参議院では、一たん付託になったものは審査中に入っておる、間違いありませんね。審査中のものについては、中間報告以外にとる方法はない、これも間違いないですね。だから、それがどういう形でどう往復しようが、とにかく衆議院の場合は、一たん地方行政委員会に付託になったわけですから、そうすると、それは審査中に入っている、あなた方の解釈によれば。その審査中に入っておるものは、中間報告以外にとる方法はない。これも間違いないでしょう、さっき局長言われた通りです。
#63
○法制局長(齋藤朔郎君) それは間違いないのでございますけれども、その場合には、ねらいが違うと思うのです。中間報告の場合には、本会議の意思決定をするために取り上げるのでございますから。
#64
○湯山勇君 そこが違うと思います。それは本会議の意思決定をするために取り上げる中間報告もあります。けれども本会議の意思決定以前に、委員会へ差し戻すという中間報告もあるわけです。委員会へ差し戻された場合には、委員会でその結果を報告しようが、しまいが、結論が出ればですけれども、たとえば今付託になった、すぐ寝ころばしておいて、中間報告になっても寝ころばしておく、期限がつけられなければ。そういう方法もあるわけですから、そういう方法が認められれば、今おっしゃったように、この法案が本会議でそういう方法をとらなければ、付託直後から中間報告もできるという方法をとらなければ、ころんでしまう、手のつけようがなくなるということはなくなるわけです。その点、目的が違うとか何とかじゃなくて、今のように、審査中に入ったものは、これ以外に方法はない。こういうことになれば、その範疇に入ってしまうということを申し上げておるわけです。
#65
○法制局長(齋藤朔郎君) さっきの五十六条三項の場合も、結局は、その議院の本会議の意思決定をするためにやるのですから、やはり目的は同じだと思うのです。委員会に差し戻して、委員会で審査をやらなければ、期限がきて一定の効果が生じるわけですから、だから衆議院でやった付託の手続きだけのやりかえというのとは、どうも私は違うと考えざるを得ないのでございます。
#66
○湯山勇君 そうしたら、参議院なら参議院で、委員会に付託されたそういう案件は、そのままでは、いつ今のように議長の職権をもって付託を取り消して本会議に取り上げて、そうして本会議の審議に移すということをされるかわからない状態にあるわけですね、付託された直後の案件というのは。今おっしゃったような言い方をすればですね。議長の意思をもって議長が付託したわけです。その議長の意思をもって取り上げて付託したけれども、また取り消し、本会議に上程して審議するのだ、質疑応答ですから審議ですね。そうするのだというような状態に置かれておるわけですね、付託された直後では。だからどうなるかわからない、その状態では不安定な状態にある、こういうことが言えますか。
#67
○委員長(竹中勝男君) どうですか、法制局の方で解釈がつきませんか。
#68
○法制局参事(杉山惠一郎君) 湯山先生は、今、衆議院でやっておるような付託のやりかえがあると、それから五十六条の三の中間報告と同じだと、こうおっしゃるのですけれども、衆議院の方でやっておるように、付託を取り上げて、趣旨説明を聞くやり方をやって、そのまま本会議でもって最終的に決定をしてしまうという方法はないのは、さっき申し上げた通りなんです。必ず衆議院としては、また委員会に付託して、委員会で審査する必要がある、これが五十六条三で中間報告を求めたやつについては、直接、本会議で審議して議決してしまうという効果が発生し得る……。
#69
○湯山勇君 その点については両方とも同じです。
#70
○法制局参事(杉山惠一郎君) 全然違うわけです。委員会に戻ってこない場合があるわけです、五十六条の三項では。ところが衆議院の方では、必ず委員会に一ぺん戻ってこなければならないのです。委員会審査省略の方法というものはないのですから。
#71
○剱木亨弘君 関連して一つお聞きしたいのですが、法制局では、三十三条をどうお考えでございましょうか。参議院規則第三十三条に、「委員会は、付託を受けた案件の審査又は調査のためこれを開くことができる。」とある。もしこの付託を受けた案件の審査という中に、議案の趣旨についての説明ということが入らないといたすならば、よく政府の提案理由の説明を聞くためにのみ委員会を開くことがありますが、それは三十三条の違反であるかどうか。いわゆる審査という中には、議案の趣旨説明ということも、付託を受けた案件の審査という中には、すでに開始されておると私は解釈するのでございますが、もしそうでないとするなら、この議案の趣旨についての説明を聞くということだけのために委員会は開けない、この三十三条の解釈をどうお考えでございましょうか。
#72
○法制局長(齋藤朔郎君) 参議院規則三十三条の付託を受けた案件の審査ということと、三十九条の、まず趣旨の説明を聞いた後、審査に入る、この二つの字句の関連をお聞きになっておられるのだと思いますが、委員会の開会は、御承知のように、審査とか、それから調査以外にも開けないことはないのでございまして、たとえば理事の互選というようなことのために委員会を開くこともできるわけでございますから、条文の解釈としては、この三十三条の審査と三十九条の審査と同じ範囲に読んでも、議案の趣旨説明を聞くために委員会の開会はできるのじゃないかというように考えます。
#73
○湯山勇君 そこで私の質問に一つ答えていただきたい。今、課長の言われたような解釈は、それじゃ言われたように、とにかく将来どうするのだという見通しが違えば、付託したものを取り上げて、また再付託してもいいし、ほかに付託してもいいし、それは議長の計らいで、どんなことでもできるということです、あなたのお説によれば。本会議で結論を出すという要素が含まれていなければ取り上げてもかまわないし、それからどうやってもかまわない、こういう解釈ですね、あなたは。
#74
○法制局参事(杉山惠一郎君) 私は衆議院のやったことがいいか悪いかはとにかく別として、どっちということではなくして、衆議院でやったようなやり方をやった場合には、どっちにしても、もう一ぺん委員会に付託して審議を経ない限りは、本会議で最終的な決定ができないということを申し上げました。
#75
○湯山勇君 そのことは、そういう議論をここでするのはあまり好みませんけれども、おっしゃるようなことであれば、委員会にかりに付託されて、そうして質問がずっと延びて会期切れになっても同じことなんです。何もそういう機会がないことと同じですから、それだけでもって言われることは私は了解がつかない。
#76
○法制局参事(杉山惠一郎君) 今の衆議院のようなやり方と、中間報告を求めて本会議でやった場合との効果の一番の違いは、中間報告を求めてやった場合は、委員会に戻さなくとも、そのまま本会議で議決できるという点が根本的な違いだと思います。衆議院の場合には、付託を取り消し、本会議に持ち込んで、あそこでもって審議をして、そのまま法案を議決してしまうという方法がない。ところが、中間報告を求めた場合は、中間報告を求めて、そうして本会議でもって審議をやって、そのまま議決するという方法がある。もちろんそれは委員会に期限をつけて戻すという方法もありますけれども、しかし、直接そのまま本会議で議決して、そのままその法案の運命を決定してしまうという方法があるわけです。それが衆議院のやったような方法ではとれないというところが、全然違うところだと思います。
#77
○湯山勇君 だからどうなんですか。
#78
○法制局参事(杉山惠一郎君) ですから、衆議院でやったものは中間報告とは全然性格が違うものだということであります。
#79
○湯山勇君 その点違うのは、一たん付託されたものは中間報告以外に取り上げる方法はない、これは間違いありませんか。そこが間違っていなければ今のところが問題なんです。
#80
○法制局参事(杉山惠一郎君) 取り上げることができるのではなくして、中間報告という制度がなければ、本会議でその法案についての最終的な処理方針をきめることができないような場合が出てくる、それでは困るということを申し上げたわけであります。
#81
○湯山勇君 課長の答弁は、私の質問の焦点とずっとはずれております。これは非常に残念なことですけれども、申し上げたのは、結局この審査中という言葉を付託後と解釈しなければならない一番大きな原因は、そういうふうな事実判断に基いて解釈したのは、こういうふうに解釈しなければ本会議の機能が停止する。つまり、たとえばどこかの委員会に付託になったあと、ころがしておけば、手のつけようがないじゃないか、こういうことなんです。だから、結果がどうなるとか、結論を出す、出さないというのは、もっと先の問題で、今は、そういう解釈に立てば、一たん本委員会に付託になったものは、もう取り上げる方法がないじゃないかと言ったら、そうだ。ところが衆議院では、一たん委員会に付託しておきながら、また取り上げた、そういう方法が肯定されるとすれば、ころがしておくということにはならないのじゃないか、こう申し上げているのです。
#82
○法制局長(齋藤朔郎君) まことに、お言葉を返すのじゃございませんけれども、さっきから同じことをぐるぐる回りしているわけなんでございますけれども、議院の本会議で意思決定をする方法としては、どうも議案の取り上げ方は中間報告以外にはない、こういうわけでございまして、衆議院のような付託だけの取り消しですと、今度は、さっき杉山課長も申しましたように、政府から委員会の審査省略が出ておりません限りは、やっぱりもう一ぺん委員会に付託しなければならない。本会議で前の付託を取り消しておいて、そのまま本会議で最終的の結論まで持っていくということは、これは委員会の審査省略が政府の要求にないわけですから、そういうことはできぬ。それじゃ、付託という手続の一部分だけを取り消しましても、そうしたら今度はまた別の付託をして、そうして今度は別の付託をされたものが、本会議の期待通りの進行をしないという場合には、やっぱりどうするかといえば、中間報告の制度を持ってこなければならぬわけであります。どうも中間報告の問題と衆議院でやりました問題と違うというように、われわれは考えるのでございますけれども、この点はもうぐるぐる回りで、まことにお言葉を返すようで恐縮なんでございますけれども。
#83
○湯山勇君 そうすると、こういうことになりますか。審査中の案件について、中間報告以外に、付託を取り消し、またはそれを本会議で取り上げる、こういうことは可能かどうか。現在の国会法及び参議院規則において、これはどうなりますか。審査中の案件について、それを議長職権をもって取り消し、あるいは議長職権をもって取り消して中間報告によらないで本会議で審議をする、そういうことが可能かどうか。それが可能でなければ、今おっしゃったような理窟は成り立たないと思うのでお尋ねしたのですが。
#84
○法制局長(齋藤朔郎君) 問題は違うと申しているのでございますから、片方が可能でなければ片方が成り立たぬというのは、論理的におかしいと思います。
#85
○湯山勇君 初めの方だけでけっこうです。
#86
○法制局長(齋藤朔郎君) 初めの方だけの問題、これは要するに、湯山委員の御質問の趣旨を誤解したらいけませんので、もう一度私の頭で繰り返させていただきますが、委員会に一ぺん議長が付託いたしました案件を、本会議の意思決定をするために取り上げるのじゃなくて、ただ付託手続だけを取り消すということができるかと、こういう問題でございましょうか。その点は、むしろ委員部の方が先例等にお詳しいのだと思いますが、先例があるかどうかは存じませんが、一応冒頭に申しましたように、国会法にも参議院規則にも、さような規定はないのでございます。少くとも参議院においては、さようなことは今までして参っておらないのじゃないかと思います。
#87
○湯山勇君 もう一度言葉を厳密に申し上げます。審査中の案件について、それを取り消して本会議で審議するということを中間報告以外にやる方法があるかないか、それについてお答えをいただきたいと思います。
#88
○理事(松永忠二君) 速記をとめて。
   午後三時速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時二十四分速記開始
#89
○委員長(竹中勝男君) 速記を起して下さい。
 本日の委員会はこの程度で終了することにいたします。
   午後三時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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