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1958/10/16 第30回国会 参議院 参議院会議録情報 第030回国会 農林水産委員会 第5号
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1958/10/16 第30回国会 参議院

参議院会議録情報 第030回国会 農林水産委員会 第5号

#1
第030回国会 農林水産委員会 第5号
昭和三十三年十月十六日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員小笠原二三男君辞任につき、
その補欠として江田三郎君を議長にお
いて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     関根 久藏君
   理事
           堀本 宜実君
           東   隆君
           北村  暢君
           河野 謙三君
   委員
           青山 正一君
           秋山俊一郎君
           重政 庸徳君
           仲原 善一君
           大河原一次君
           北 勝太郎君
           千田  正君
           北條 雋八君
  政府委員
   農林政務次官  高橋  衞君
   農林大臣官房長 齋藤  誠君
   農林省農地局長 伊東 正義君
   林野庁長官   山崎  齊君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安樂城敏男君
  説明員
   林野庁指導部治
   山課長     若江 則忠君
   水産庁次長   西村健次郎君
   水産庁生産部漁
   港課長     林  眞治君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○派遣委員の報告
○農林水産政策に関する調査の件
 (台風による農林水産関係の被害に
 関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(関根久藏君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
 委員派遣の件を議題にいたします。
 過般、台風第二十一号及び第二十二号による農林水産関係被害状況現地調査のため、第一班、埼玉及び福島の両県に、第二班、宮城及び岩手の両県に、委員派遣が行われましたので、派遣委員の各位におかれましては、遠路お出向きを願い、ありがとうございました。ただいまから御報告を伺うことにいたします。
 なお、御報告に対する御質疑は、両班の御報告が終ってからにお願いいたします。
#3
○大河原一次君 第一班、埼玉県、福島県の御報告を申し上げます。
 第一班は私と堀本委員の二人で、本委員会の決定に基きまして、お見舞を兼ねて、十月八日は埼玉県、十月九日、十日の二日間は福島県という日程で調査をいたしました。まず、このたびの台風で両県が共通した被害の概略を申し上げますると、第一に、おもに、台風二十一号は埼玉県の秩父地方と福島県の会津地方及び中通りの比較的高地帯を、二十二号は雨台風の性質から、局地的に洪水が発生した埼玉県の川口市周辺を中心とした南埼玉地方、福島県の浜通りの比較的低湿地帯とに、被害が集中したのであります。台風二十一号と二十二号との間隔は、わずか十日程度であったので、両県とも被害の調査に当りこれを区別することがはなはだ困難な状態となり、その被害額等については、両台風を合せ集計したものであります。
 埼玉県の実情について申し上げます。本県では、川口市並びに南埼玉の越谷町及び八潮村を中心とする、その周辺の蔬菜並びに稲作の被害を視察したのでありまするが、特に地元の要望もあり、これらに加えて最も被害の大きかった中川、綾瀬川、芝川改修地区等の実情も見て参ったのであります。当局の説明に当り、特に関根委員長も同席されたのでありますが、それによれば、農林関係の被害額は、農作物関係で五億八千五百万円、農業用施設関係で三億四千万円、林野関係で一億円、計十億二千五百万円に達すると推定いたしております。農作物関係の内訳は、水稲関係で三億七千万円、そのうち冠水二億九千万円、倒伏八千万円、陸稲関係で一千四百万円、そのうち冠水四百万円、倒伏一千万円、その他カンショ、野菜、蚕糸等で一億九千万円であります。
 視察の内容について、第一に本県の蔬菜地帯である南埼玉地方の野菜類の被害状況であります。冠水と土砂の堆積で全滅の所が相当多く、それに端境期に被害を受けた関係上、経済現象にも現われまして、たとえば大根、コマツナ、ホウレンソウ等が平年の二倍、三倍という高値になり、しかも、暮れから正月にかけて当分野菜不足に悩むことは当然ということでした。県といたしましては、この状態を防止するため適切な技術指導をせねばならないので、とりあえず、指導の面ではビニール栽培の普及につとめ、野菜不足を解消し、また、財政の面では一応五千万円を五分の無利子で融資し、その利子負担については、県が三分の一、市町村が三分の一、残りの三分の一を国が負担されるよう計画をしておるとのことであります。各農家ではすでに作付準備を急いでおります。しかし、来春の二、三月ごろを目途に作付を終っておるものを合せますと、一度にどっと春野菜が出回るおそれもあり、暴落といううき目も免れないのではなかろうかという懸念がありました。被害関係当局においては、蔬菜類の種子購入に対し、これがあっせん及び購入費に対する助成措置を講ぜられたいということと、農作物の被害状況に応じた適切なる技術指導を徹底させるために要する経費の助成措置を講ぜられたいという要請がありました。
 第二に、稲作被害についてであります。冠水と土砂かぶりをした被害水稲の標本を持って参っておりますが、ごらんのように発芽しておりまして、脱穀しても砕け米が多く、とうてい買付の対象にはならないであろうし、また、総生産量は減収にならなくても、品質的に等外米がふえることは明らかであって、これは福島県においても同じでありましたが、一般に豊作見込みという地方では、こういう現実に苦しめられておるのではなかろうかと思ったのであります。これら等外米の政府買い上げ措置を講ぜられたいという強い要請がございました。
 第三には、海抜一メートルという低地も含めた、いわゆる低湿地帯の川口市周辺を中心とした南埼玉地方を囲むように流れておる中川並びに綾瀬川の改修工事促進と、目下着工中の芝川改修工事の早期完成促進について申し上げます。この地方は全く宿命的に多くの河川に囲まれていて、そのため、堤防の決壊等があり、洪水の直接の原因となったのであります。従って、この各河川の水系を計画的に完成することこそ、焦盾の急務であって、そのうち特に次のように早期の完成を迫られておる問題がありました。それは利根川、江戸川及び荒川に囲まれた中川水系流域は本県の一大穀倉地帯であるが、この水系河川のうち、改修工事を行おうとしておる中川本川と綾瀬川とを国の直轄としてもらいたいということであります。また、このたびはんらんをした逆川のことについて申し上げますと、この川はその両端が中川と芝川に通じ、中川の水位が高くなると芝川方面に流れ、芝川の水位が高くなると中川方面に流れ、中川と芝川の両水位が同じになるとはんらんするという、全国でも珍しい特殊なものでありまして、実は川というのは名ばかりで、用水路でありますが、そのため補助率も少いので、せめて準河川にでも査定してもらって補助率をふやしたいということであります。もう一つは、芝川改修工事促進についてでありまして、これは川口市街地の上流部より外周を通る放水路を開さくし、市内とは水門によって隔絶する工事を行うことで、現在の予算計上状態では今後十数年を要するので、五ヵ年以内に完成させるべく予算措置を願いたいということでありました。なお、これらの諸工事促進に当っては、地理的条件からして隣接都県との話し合いが必要であり、この点にも問題があるということでありました。
 要望事項については、大体次の福島県と同じでありますので、終りに取りまとめたいと思います。
 次に、福島県について申し上げます。本県においては、福島市周辺の荒川、松川の決壊、橋梁の流失等の被害状況と、相馬郡の相馬市、原町市、鹿島町、小高町、双葉郡の浪江町、双葉町、富岡町等を中心とする周辺の被害状況を視察したのであります。ここで一言申し上げておきたいのは、日程の順路と時間等の関係で、水産関係被害の実情を視察することができなかったことについては、はなはだ遺憾に存じておる次第であります。県当局の説明によりますれば、総被害額が約九十二億円、農林水産関係は、そのうち約五十七億円であります。このうち農作物関係は、開拓地の被害をも含めて約三十九億八千万円、水産関係は約八千五百万円、農地等農業用施設関係は約十三億二千七百万円、林道及び林産物関係は約二十五億一千万円であります。
 次に、視察して参りました相馬郡を双葉郡一円の特殊な被害状況は、まず第一に、原町市付近を初め、その他多くのため池の塘堤決壊による被害であります。この地方のため池は非常に古いものであって、護岸工事も全くないのが特に目立っておるようであります。このため堤防決壊を起し、被害の少い所で三十町歩、多い所で六十町歩程度の田畑に土砂等が流入、堆積し、被害関係者といたしましては、目下の対策として、来年の植付までに決壊復旧ができない場合には、水田を畑に切りかえ、アスパラガス等の換金作物に転作させる指導等の計画もありますが、まだ具体的にまとまっておるわけではなく、その荒れ方には、被害関係当局も農家も手をあぐんでおるという状況で、これに対する国の助成措置をとられるよう特に配慮してもらいたいという強い要請がございました。
 第二に、干拓地の被害についてでありますが、その一つの例といたしまして、海抜マイナス五十センチという新沼干拓地を視察したのでありますが、この夏の塩害に引き続き、このたびの災害で、しかも、ここの農家は全く他に副業を持たないので、今すぐに転職することもできず、その日その日の生活もできないという現状に、われわれも手がつけられないような感じを受け取って参りました。一日も早く対策を立てられるよう希望するものであります。
 第三に、この地方は特に一般小災害(ただし、農林水産施設災害復旧事業費一団地十万円以下の災害)が多く、これを数字的に見ますと、一般災害五億八千万円、一般小災害八千三百万円、代行災害二千万円、海洋災害一千五百万円、失対事業二百万円というようなことで、その対策を考慮してほしいという要請がございました。地元の方々の希望される視察個所も多々あったのでありまするが、日程に追われ、十分に視察できなかったことは遺憾でございます。
 以上で視察の概略を終りますが、不足の点については、これから申し上げます要望事項等において補いたいと存ずる次第であります。両県ともほとんど共通しておりますが、そのおもなるものを申し上げます。
 一、農林水産業の災害対策の基本法をすみやかに制定し、措置すること。
 一、蔬菜、飼料作物等の種子購入に対し、これがあっせん及び購入費に対する助成措置を講ずること。
 一、転作種子購入費の助成措置を講ずること。
 一、天災融資法による災害の指定を台風第二十一号、第二十二号の被害時に遡及して適用することを考慮のこと。
 一、営農資金の融資を講ずること。
 一、農作物の被害状況に応じ、適切な技術指導を徹底させるために要する経費に対する助成措置を講ずること。
 一、農業災害補償法に基く、農業共済保険金の早期仮払いの実施を急ぐこと。
 一、等外米の政府買い上げ措置を講ずること。
 一、災害用応急米の追加割当の措置を講ずること。
 一、土地改良事業の促進をはかるための財政投融資の拡大をはかること。
 一、農地、林地及び公共的施設等の災害復旧費についてのすみやかな助成措置を講ずること。
 一、自作農維持創設資金の増額融資を措置すること。
 一、農業災害復旧事業費補助金の早期交付を講ずること。
 一、罹災農家の所得税減免措置を講ずること。
 一、災害資金及び既借入資金等の償還期限の延期並びに開拓農家に対する特別措置を講ずること。
 一、罹災養蚕農家の救済措置を講ずること。
 一、応急災害復旧事業費のつなぎ融資並びに長期低利の資金の融資を早急に実施すること。
 一、予約米の概算金返納に関する特別措置を講じ、救済に万全を期すること。
 一、罹災農家に対する救農土木事業の実施の措置を講ずること。
 一、飯米買入金の延納措置を講ずること。
 一、干拓地災害復旧補助金を大幅に増額すること。
 一、農林水産業施設災害復旧事業一団地十万円以上を三万円まで引き下げること。
 一、移民対策の措置として、罹災農家に対し、移民等による適切な救済措置を講ずるとともに、罹災農家の財産処分の際、災害農地については、特別価格にて買い入れるよう措置すること。
 一、重点的に治山工事を施行できるよう措置を講ずること。
 一、林道災害復旧事業について、市町村工事の起債及びつなぎ融資のワクを大幅に増加する措置を講ずること。
 以上であります。これらに対して、何とぞ適切なる措置を希望するものであります。
#4
○委員長(関根久藏君) 第二班、千田委員。
#5
○千田正君 第二班の報告を申し上げます。
 第二班は、青山委員と私とで宮城県岩手県の両県下を視察して参りました。十月九日に東京を立ち、夕方仙台着、直ちに県庁に向いまして大沼知事を初め県議会、市町村会、町村議会議長会等の各位に会いまして、今回の台風被害のお見舞を申し述べるとともに、被害の実情について総括的な説明を聞いた次第であります。台風二十一号、二十二号の九月末現在における県下の総被害額は、死傷十名、家屋の全半壊百余を除いて五十六億円に達し、最も大きいのは農作物被害で四十億円、林業、水産被害の六億、漁港土木被害の四億円等がそのおもなるものであります。かくて平年作三百万石をこえる県下の穀倉地帯は、四年続きの豊作も夢となり、作付面積の八〇%が倒伏、水稲の減収は四十四万石と推定され、一転して被害県となったと関係者一同暗たんたる姿をしておったのであります。
 翌十日は、県南亘理町役場を訪れ、阿武隅川下流地帯の被害状況を視察しました。この地帯は低湿地帯で、二十一号台風で浸水し、その浸水の引かないうちに二十二号台風が来襲、幸い阿武隈川は決壊しなかったが、長期浸水のため、収穫皆無になった地帯もあり、その後の天候不良とともに、穂発芽となり、下流浸水家屋の被害も加え、総被害額は二億五千万に達するといわれております。次に、河口を太平洋岸まで出て、被害の最もひどかった荒浜地区を見てきましたが、災害ごとに鳥海がはんらんするので、さらにポンプを増設し、排水施設を完成することと、阿武隈河口海岸の護岸波返し工事の完成等が強く要望されておりました。
 次いで松島海岸を北上、松島町役場に至り、この地区の被害状況を見ました。この地帯は、春は水不足で植付不能となり、揚水等に相当金を使った上、ようやく田植を行なったところ、今度は水害となり、二十一号台風の冠水がなお引かないうちに二十二号台風に見舞われ、到伏したまま滞水久しく、ついに収穫皆無となった個所が管内に五十五町歩に達するといわれております。特に品井沼干拓地一帯の滞水はひどく、滞水十五日に達し、稲が腐り始め、この腐敗水が海に流れ込み養殖中のカキが死滅するといった被害があり、カキの収穫期はまだ二ヵ月あるので被害はなお相当多くなると見られています。品井沼干拓地は、隣の鹿島台町の耕作者が六〇%を占めておりますので、同町の助役さんたちを加えて現場を視察しましたが、なお滞水が引かず、水の中で稲が黒く腐っているのが見られました。この地区の排水は、サイフォンで吉田川をくぐらせ、多賀川に流していますが、対策としては、ポンプで直接吉田川に排水するよう、根本的に改修してほしいという要望が強く述べられました。県下の穀倉地帯には、このように昔の沼沢を排水して美田にした地区が多く、中田町の宝江地区もその一つで、ここに行ってみますと、台風十七号以来倒伏した稲がそのまま二十一号、二十二号台風にあい、穂発芽しており、田は無効分けつで青いが、収穫皆無の状況であります。さらに、ポンプ場を増し、排水を完備してほしいという陳情がありました。最近上流にダムができて、大河の決壊はなくなったが、低湿地帯の滞水日数は確かに二、三日長くなり、被害はそれだけ大きくなり、排水計画を変える必要があることが知られました。迫町の助役さんも現場に来て同様の陳情があり、春には旱害で反平均六千五百円の揚水費を使っている上、台風で収穫を失い、今や野菜も米もなく困っている農家が多いようであります。来年の再生産資金も一戸当り二十八万円を要するといわれ、これが低利融資と救農土木事業による現金収入の道を至急考えてほしいという要望がありました。また、宮城県の水産被害六億円のうち、五億円はノリ、カキの被害でありまして、その大部分は松島湾と気仙沼に集中しています。とりわけ、気仙沼の被害は大きく、総額二億三千万円のうち、約一億がカキいかだの被害、約五千万円がノリ施設の被害であります。特にカキいかだは目下潜水夫を使って復旧を急いでおりますが、天災法の発動等による融資の道を開いてほしいとの陳情がありました。
 翌十一日は岩手県に入り、陸前高田、大船渡地区の被害状況を見ました。この地方も雨量二百三十ミリ、風速二十五メートルをこえ、高田浜の有名な松原が、この風によるところの風倒木が出て参りまして、それが林間の家屋をこわしているのが見られました。また、同市の米崎は岩手りんごの産地でありますが、暴風雨のため落果、倒伏し、樹勢回復のためにも五年はかかるので、再生産の資金の手当と、何らかの助成の道を開いてほしいとの陳情でありました。この地方も、ノリ、カキの被害が最も大きく、大船渡だけでも約一億円に達しており、沿岸漁業振興の道は浅海養殖よりほかに道がないので、早く立ち直れるよう、国の援助をお願いしたいとの陳情でありました。
 次いで北上川に近い江刺町役場を訪れ、水沢、前沢、金ヶ崎地方の被害状況を聞き、各種の要望や陳情を受けました。江刺町の被害は、米どころだけに、水稲の流失、埋没完全倒伏の減収が最も多く、一億円をこえ、金ヶ崎六千五百万円、前沢一億円といったありさまで、いずれも中小河川のはんらんによる被害で、災害復旧対策規模の引き下げによる早期復旧処置と、滞水時間を少くするための抜本的な土地改良のやり直しが要望されたのであります。岩手県の穀倉地帯であるだけに、この際、災いを転じて福となす施策が実行さるべきであるという強い要請が述べられました。
 沿道の災害地を視察しつつ盛岡に着いて、阿部知事初め、県首脳部から県下の被害状況の概要を聞きました。岩手県では総額六十二億の被害を受けていますが、最も大きいのは農作物の被害で、約三十二億、その他河川、海岸、道路、橋梁等の土木被害が十一億円に達しております。県としては、特に県北の冷害凶作地帯の被害に頭を痛めており、天災融資、自作農資金の調達を願うほか、貧弱町村が多いので、災害復旧のための起債や既往借入政府資金の償還繰り延べを願いたいとの要請がありました。特に山間部の製炭地帯では、十二万俵の木炭が水浸しになり、林道切断のために搬出不能となり、換金できなくて困っているから、早急に救農土木事業等で林道の復旧をはかり、現状を打開してほしいとの陳情がありました。夜は雫石町を代表して副議長あるいは総務課長等が見え、冠水四百五十町歩、農作物被害三千万円、土木被害四千万円という同町の被害の実情を述べ、小規模多数の被害個所の早期復旧と防災ため池事業の早期完成、永久橋への改良復旧等について強く要望されました。
 翌日は県北久慈市におもむき、市役所で近隣町村の代表の方々と会い、この地方の被害の実情を承わりました。久慈市は被害最もひどく、ほとんど全市浸水したほか、農作物、土木被害等五億六千万円に達し、その後の情報では、被害は七億に上るとのこと、交通、通信長く杜絶し、被害額の判明したのも、県下で一番おそかった地帯であります。このような地帯でありますので、山形、野田、種市の各町村長及び議会代表者の方々も、この辺境の財政力のない災害地の復旧が見落されたり、あと回しにならぬよう特段の御考慮を願いたいというのであります。そしてこの地方がこの災害を機として大きく発展し得るよう、港湾、河川の整備改修、三陸縦断鉄道を早期に完成してほしいという要望が述べられました。われわれはさらに九戸郡の大野村を訪れ、この地区の被害を視察、さらに軽米町役場に回り、御見舞と被害状況を調査して帰途についた次第であります。大野村の被害は一億六千万円、軽米町の被害額は五千万円、いずれも農作物被害と小規模の農地被害が多く、水田の少い畑作地帯であるだけに、一反歩、二反歩といった小耕地で、小河川のはんらんによる埋没水田も痛々しく、ヒエの常食地帯のヒエの流失農家に対しては、生活扶助の対象にしてほしいという強い要望があったのであります。災害対策実施についても特別の考慮を払う必要があるということを痛感されました。
 こうして両県を縦断する現地調査を終ったのでありますが、両県を通じて結論的に言い得ることは、今次の台風被害が農作物に集中しており、水稲の流失、埋没もさることながら、完全倒伏、冠水、穂発芽の被害が大きいことであります。また、小規模被害が多いので、一ヵ所十万円という暫定法第二条の規定を緩和することと、天災融資法の指定を行い、長期低利の資金を手当することが必要であり、米麦の安売り措置や予約米概算金返納延期や利子の減免措置の必要もあり、開拓農家の窮乏に対する政策の確立、あるいは漁港施設の復旧、浅海養殖事業の復旧助成の必要が痛感された次第であります。
 最後に、今回の台風被害は、静岡県伊豆地方の災害のニュースに集中され、東北辺境の被害は忘れられた感があり、特に気仙沼、大船渡、久慈、軽米地方には見舞に訪れる者もない状況でありましたから、今回の参議院農林水産委員会の委員派遣は、大いに感謝され、市町村当局の感動はもとより、被害地で泥にまみれながら涙して穂発芽の倒伏稲を刈っている農民諸君にも強い感銘を与えたと感謝されたことを申し添えまして、この報告を終らせていただきます。以上。
#6
○委員長(関根久藏君) ありがとうございました。
 ただいまの御報告に対しまして、御質疑がありましたら御質疑を願います。――本件はこの程度にいたします。
 ちょっと速記をとめて。
#7
○委員長(関根久藏君) 速記を始めて。
 農林水産関係の台風被害の件を議題にいたします。
 この件については、かねて委員会の問題になっておりまして、また、派遣委員が行われまして、本日その御報告を伺ったのでありますが、ただいまから政府委員について、御質疑の向きは御質疑を願いたいと思います。
#8
○青山正一君 今度の十一号台風あるいは二十一、二十二、こういった台風が各地に非常な被害を与えておりますが、ただ、その特徴といたしまして、今までの被害というものは、ほとんど何と申しますか、土木災害、こういったものが非常に多かったわけでありますが、今度の面は、農業にいたしましても、あるいは水産にいたしましても、ほとんど農作物とか漁獲物、こういったものの被害が非常に多いように思えるわけでございます。そこで、まあ漁業の面から申し上げますと、たとえば宮城県とか、あるいは岩手県、そういった海岸地帯におきまして、いろいろ零細な漁業者が操業しておりますところのカキ漁業とか、あるいはノリ漁業、こういった方面が非常な被害が多いわけでございます。そういった農作物とか、あるいは漁獲物のこの被害を、政府としてはどういうふうな救済の道を講ずるか、現在のところ、ほとんど政府のあり方としては、こういう方面の救済の道というものは、著しく欠けておるのではなかろうか、こういうふうに考えられますが、その点について、政務次官なり、あるいは水産庁の次長なり、そういった方々からいろいろお話を承わりたいと思います。
#9
○説明員(西村健次郎君) ただいま青山委員の御指摘のように、静岡県でもしかり、ことに宮城県、岩手県におきましては、あるいはノリとかカキというような水産物と申しますか、そういうものの被害というものが非常に大きいということは事実でございます。しかし現在、従来からの災害復旧というものは、こういうものに対しては向けられておらない、たとえば公共事業については、土木の復旧法があり、共同施設につきましては、法律がございます。いずれにしましても、こういうものにつきまして適切に災害を手当するという方は、遺憾ながら十分でなかった、こう思っております。しかし、私どもとしましては、それでも、たとえば共同利用施設の復旧というようなことで、相当部分は、と申しますか、ある程度のことは何らかの対策は考えられるのじゃないか、それからもう一つは、これが経営資金の天災融資という面になりますと、あるいは漁具――これは限定はされております――というものの融資ということで、立ち上り資金を供給するというような災害復旧ということで、一つの体系的なそういう漁獲物の被害というものに対する制度というものが完全にできているとは申せませんけれども、そういういろいろな面を通じまして、あわせて漁業の経営の指導、さらに、ある一面から申しますれば、浅海増殖施設、これは従来から政府がやっております、これもそれらに焦点をある程度合せつつ、考慮して参るというようなことでやって参りたい、かように考えております。
#10
○青山正一君 いま一点。これは農地局長からいろいろお聞きいたしたいと思いますが、どの県へ行きましても、相当小災害の問題が、非常に大きく扱われておるわけでございます。たとえば、先ほど大河原委員のお話のように、あるいは千田委員のお話のように、何とか今まで十万円以上というようなふうになっておるのを、三万円以上とか、あるいは五万円以上にしてもらいたいというふうな注文が非常に多いわけでございます。また、それなくしては解決の道がなかろうと、こういうふうに考えておりますが、この小災害の関係は、法律を改正しない限りは、これはうまくいかないというふうにも言われておりますが、この小災害をどういうふうにして農地局長あたりは、その解釈の仕方によって、いろいろ救いの道もあると思いますが、その点についてお聞かせ願いたいと思います。
#11
○政府委員(伊東正義君) 小災害につきましては、今お話の通り、法律では十万円以上ということになっておりますが、それ以下のものにつきましては、補助する対象にならないということになっております。われわれの方といたしましては、その法律の読み方の、解釈の点で救えるものは救おうというようなことで、昨年諌早の場合にも普通河川――準用河川以下のものでございますが、小河川につきましては、農林省で考えまして、一つの水路、一本の施設として考えて、その水路におきます小災害は全部それに含める、あるいは今度の災害につきましては、従来は農地とか農業施設、おのおのが十万円以上でなければならないというふうな考え方でおりましたが、これも接続しておりますものは、農地と農業施設を含めまして十万円あればよろしいというように拡張解釈をいたしまして、極力救えるものは救おうということで今やっております。ただし、それでいけませんものにつきましては、これは、実は事務所に申しましても、小災害の査定と申しますのは、実は件数からいきますと、十万円以上の災害に匹敵する、あるいはそれ以上の件数になるのでございまして、これを一々査定いたしまして、それで設計書を作ってやっていくということが事実上ほとんど不可能でございます。実は長崎の二十八年の災害のときに三万円と下げたのでございますが、これにつきましては、ほとんど県につかみで補助金を上げまして適当にやって下さいというようにやりましたのが実情でございます。それで、これにつきましては、その後いろいろ問題を起しておりまして、われわれといたしましては、この小災害につきましては、先ほど申し上げましたように、救えるものはなるべく実情に合ったように救いまして、それ以外のものにつきましては、これは今自治庁ともいろいろ話し合いをいたしておりますが、いわゆる市町村営でやってもらいまして、それで起債、それから交付税というものによりまして、市町村営でなるべくこれを救っていくのが一番実情に合うのじゃないかということで、自治庁、大蔵省と今お話をしているのであります。
#12
○大河原一次君 ただいまの青山委員の質問に関連するわけで、具体的に申し上げますと、こういう実態があるわけであります。先ほど御報告申し上げました特に福島県の相馬あるいは原町における奥地の農家のため、中には百年もたっておって、それに対する十分の手当ができない。加うるに、ため池というやつは、部落の共有という形でやっておる。従って、私が見たところ、十六ヵ所のためがやられておって、全然使いものにならぬ。従って、さしあたっては、来年の作付をどうするということで非常に心配されておるのだが、その手当をするための資金がないということは、今言ったように、部落で共有ということになっておるために、補助の対象になっていない、こういうことで非常に苦労されて、しかも、来年の作付にも困っておる、こういう事態に逢着しておるのですが、こういう場合に、どのように政府としては考えられておりますか。
#13
○政府委員(伊東正義君) 今のため池の問題でございますが、ためが部落有であるために補助金が出ないということは私ないと思います。そういう施設につきましては、農業用の施設として、ただいまの十万円の問題もあるのでございますが、私もため池の惨状は、いろいろ話を聞きまして、大体みなそれ以上のものだと思っております。そういうものにつきましては、当然これは補助の対象として考えていきたいというふうに考えております。
#14
○大河原一次君 それから、これはやはり青山委員が触れられた法律改正の問題に触れてくるのですが、今のための問題もあわせて、あるいはその他河川の問題もあるのですが、いわゆる三・五・二の問題ですね。三・五・二の問題を考えて、この三ヵ年における復旧のことがあるけれども、これにも、今言ったように、来年の問題をどうするかという問題があるのでございます。たまたま先般新聞に、三・五・二の復旧の率を四・四・二にするのだというようなことがちょっと新聞にも出ておったと思うのですが、政府は、そのような復旧の率を改めるということを考えておられるのですか。
#15
○政府委員(伊東正義君) 来年の植付のための早期の復旧につきまして、いろいろ問題があるわけでございますが、今われわれ補正予算を大蔵省といろいろ話しております。その一つの問題は、補助率の問題でございますが、農地は五割、農業施設は六割五分と法律に書いてございますが、これにつきましては、昨年三十二年度の実績はもっと高くなっております。農地については六〇何%、農業施設については七〇以上というような昨年の実績になっておりますので、一つは、高い補助率で予算の要求はいたしております。それから今先生の御指摘の三・五・二の問題でございますが、これは、実は今までにも三・五・二になっていないのが現状でございます。われわれとしましては、今やっておりますのは、少くとも三・五・二のところまでは予算をつけてくれ、そして補助金も、法律で高率適用になっておりますような高い補助率でやってくれということを要求いたしております。来年の植付につきましては、この補助金と、あるいは今お話ししました起債あるいは農林漁業金融公庫の資金とか、そういうようなものをいろいろ考えて、なるべく植付には間に合うようにしたいということで今努力しておるところでございます。
#16
○千田正君 私がお尋ねしたいのは、ことしの夏の旱魃に関して、各農家が、あるいは町村別にもありますけれども、水揚げポンプ等を施設して、水揚げに費用をかけたということと、その後引き続いてこうした水害が来て、水害のたんびに水防隊といいますか、水害防止のために特別出動で相当金がかかっておる、そういう金の捻出の方法も今ないのだということを非常に方々で要請されたのですが、この問題はどういうふうに考えておられるかということと、それから岩手県地方に参りましたところが、いわゆる、さっき報告申し上げた通り、山間地帯におけるところの林道がめちゃめちゃにこわされたために、焼いた炭が運べない、それでもって、さらに水浸しになったために、十万俵ぐらいも滞貨しておる、こういう処置に対してはどういう方法をとるか。製炭業者でありますから、農地なんかほとんど有する者はないし、それ以外に換金の方法がない、その換金の最大の木炭がやられてしまっておる、それで飯が食えない、これに対して、何とか救農土木なんかやってもらいたい、こういう陳情は、山間地帯の至るところで受けたのですが、こういうことに対しては何か考えられておるかということをお伺いしたい。
 それから水産庁にお伺いしたいのは、零細な漁業関係の浅海漁業に対する損害が非常に大きい、大きいと同時に、農業と比較しまして、農業共済のような共済制度が十分に発達していない、こういうときになると、つくづくそうした共済制度の確立ということを考えるのですが、そういう手当は、三十四年度予算その他に対して十分になっておるかどうか、また、そうした面における今度の被害対策としての方針をどういうような方向に持っていくか、先ほど青山委員の質問に対して、抽象的なお話がありましたが、具体的な施策を何か考えておるか、その点をもう一ぺんお答えを願いたい。
#17
○政府委員(伊東正義君) 第一番目の問題でございますが、水防関係の費用につきましては、実は旱害の場合には、御承知のように、次官通達を出しまして、ポンプの施設費でありますとか、あるいは燃料費、動力費というようなものまでは見たのでございますが、そのほか、先生のおっしゃいましたようないわゆる労務費に該当しますか、そういうものまでは実は見ておりません。それから水防につきましては、この前、この委員会で新潟の問題で清澤先生から御質問がありまして、土のう等を積んでやったんだ、それに対してある程度考えてくれというお話があったのでございますが、これにつきまして大臣の御答弁がございましたので、われわれも今土のうその他につきましては、実は建設省の水防の関係と非常に問題があるのでございますが、その点の補正予算の要求はいたしておりますが、一般的に水防費として要求は、実は従前もやっておりませんで、今度も実はそこまでは考えてはおりませんです。
#18
○説明員(西村健次郎君) 今千田委員からの御質問にお答えいたします。御質問に対しまして、逆の方からお答えした方がいいかと思いますが、先ほど申し上げまして、そういう零細漁業者の漁獲、ノリとかカキ、そういうものの被害に対してどういう具体的な措置ということでございます。私どもとして、先ほど率直に申し上げましたように、それ自体、漁獲物の損失についての補償ということは、現在の制度もございませんし、それ自体としていくということは考えられないと思います。ただ、実態を見きわめまして、あるものは共同施設なり、あるいは経常資金の天災融資法による補助、それからさらに今後の問題と関連しまして、水産増殖施設の補助を、これはその実態を勘案して推進していく、これはその事実と申しますか、実態に即して考えなくちゃいけない問題と思いますので、それ以上になりますと、実はこまかく分れる問題だろうと思います。そこで問題は、しからば、どういう漁獲物の損失に対する――たとえば農業における農業共済というようなものがないじゃないか、これに対してどうだ、それは仰せの通り、昨年から漁業共済制度というものの試験実施――試験実施という言葉は多少穏当でないかもしれません。政府の委託によりましてそういう実施の緒についたわけでございます。これにつきましては、先般来漁業共済制度調査会というもので今後どういうふうにやっていくかという点についても答申を得ましたし、その答申の線に沿って、今後できるだけこれを育て上げる方向に持っていきたい、これは千田委員も御承知のように、漁業の実態というものは非常に複雑多岐であります。それらの点をよく見きわめつつやっていきたい。しかして、三十四年度におきましては、四十五都道府県について実施する、こういうふうな意味をもちましてその予算を要求中でございます。
#19
○千田正君 ただいま農地局長のお話がありましたが、実は、農民が、たとえば開拓農民もそうでありますが、いろいろ今までの資金を相当借りている。で、借りているところへもってきて、またこの損害を受けて、まあ政府としては、低利資金の融資とか、そういうことをお考えになっておるようですが、もう金を借りる力もない、いわゆる今までの利子さえも返済できないでおるのにまた災害を受けて、それでまた政府は貸してやろう、貸してやろうと言ったって、返すすべもない、食う米もないのだ、そういうのに貸してやろうということでは、私はなかなか災害対策というものはできないじゃないか。借りるのはごめんだと言っているのですよ。あるいはもう何とか助けてくれというのが現在の農村の声なんですから、そうした零細農民の。これに対してはどういう政策を考えられるか。貸す以外にないというのならば、これは全然野放しの状況に陥る。これに対して何か政策ありますか。返せない、今までの金さえも返せないのです。
#20
○青山正一君 今の千田さんの質問に関連しまして私もちょっとお聞きしたいと思いますが、岩手県とか、あるいは青森県の県境、そういった方面はほとんど米を常食としておるのでなしにヒエ米を常食としておる。そのヒエ米も全部流されておる。食うべき米もなければヒエもない、こういうふうな状態でありまして、その間、生活扶助を受けなければならぬという面がおそらく一部落に八割以上を占めておる、こういう状態であります。それも一つ関連してお聞きしたいと思いますが、そういうふうな連中は、農林省として生活扶助の道を講ずる、積極的にこれは講ずべきがほんとうだろうと思いますが、その点も一つ関連してお聞きいたしたいと思います。
#21
○政府委員(齋藤誠君) 災害地におきまして罹災を受けた農家あるいは林業者等で、現金の収入面において今後非常にお困りになっておるという事情をいろいろ承わっておるのでございます。これらにつきましては、ひとり農林省ばかりでなしに、あるいは厚生省の生活保護だとか、あるいはその他の社会保障等について、あらゆる手が伸べらるべきだと考えるわけでございますが、農林省の分野におきましても、できるべきことをやるというのは当然であるわけなんであります。先般、静岡の罹災地におきましても、飯米に数トンを購入する代金に困るというような事態もございましたので、さしあたり静岡につきましては、罹災の農家で困窮しておるものに対しましては、飯米の一ヵ年延納の措置を講じたわけでございますが、これらの飯米の措置につきましては、ひとり静岡県といわず、現在食糧庁を通じてそれらの実態を調べておるわけであります。県の方とも打ち合せによりましては、今後そういう事態につきましては、静岡県と同様な飯米の延納措置、特別売却による延納措置を講じて参りたい、かように考えておるわけでございます。それ以外の現金収入の道についてどういうふうに考えるべきかということでございますけれども、これらにつきましては、先ほど千田委員の方からも御質問がありましたような何らかの就労の機会を与えるべきである。当然農林関係におきましても、さような水害の地帯におきましては、何らかの復旧施設事業というものがあるわけでございますので、われわれとしては、従来の例によりまして、できるだけそういう地帯の罹災者を就労させるように指導して参りたいというふうに考えておるわけでございます。
 また、東北地方におきましては、特に炭がまが流れるとか、あるいはそれに必要な原木の供給に支障を来たすとかいうような農家も相当あるとの陳情も受けておるわけであります。炭がまに対する融資なり、その他の助成なり、あるいはそれらに必要な、かりにその地方において国有林があります場合に、原木の特売とかいうようなことについては、今後それらの実態を精査の上で、そういう手を政府としても打ちたい、かように現在考えております。
#22
○堀本宜実君 被害農地の原形復旧事業の問題について、各委員から御質問がございまして御答弁がございました。われわれは特別処置によって今後の小災害を復旧するという措置を講じていただきたいと、かように考えておるのでありますが、政府内におきましても、それぞれ関係省と協議を願いたいということをお願いを申し上げておきます。いずれまた、この問題につきましては後刻問題になると存じまするが、まず一点、それを申し上げておきたいと存じまするが、小災害について、ただいま局長のお話によりますと、現在の法によって救い得るものはなるべく救うような手段を講じたい、こういうお話であります。まことにけっこうだと思うのでありますが、かりに十万円以下というような災害が、同じ所有者においてもたとえば二ヵ所、三ヵ所に分れておって、その合計が十万円以上になる場合がある。あるいは一ヵ所で十万円でなければならないという規定があるのではないかと思うのでありますが、たとえば三ヵ所において十万円になる。所が変っておるけれども、しかし、その災害を受けた本人は同一人であるというような場合には、これは立ち上ることのできない問題なのであります。たとえば金を貸す、起債を許すと言いましても、ただいま千田委員からもお話がありましたけれども、金を借りて、受けた災害を原形に復旧してもそれはもとであります。それ以上にのんだのではないのであります。金を返すという力はもはやございません。従いまして、これを含めて、その地域内における同一所有人の災害は、全体の災害を一つの災害とみなすというような解釈が必要だろうと思うのであります。現在の法によって救い得るものは救うという好意ある御説明の中にはそれが含まれておるのかどうか、この点を一つ伺いたい。
 それから、これは要望でございますが、直接今度の十一ないしは二十一、二十二の災害には関係はございませんが、やはり災害としましては旱害災害というものがございます。これについての事後処理についての要望を一ついたしておきたい。私は先般災害地を見舞いまして、派遣をされまして出ていったのでありますが、災害地の旱害を受けた所によりますと、たとえば応急災害と恒久災害の区別のつかないものを旱害に対しても仕事をしておるようであります。たとえば当然応急災害ということならば赤土で行うべきものがセメントを使っておるというようなものがございます。これは自分の永久に耕作をしなければならない耕地を守りますという人情の常から当然恒久化した丈夫なものを、同じやる手間を費すならばやりたいという本能的な常識でありますが、それでセメントを使ったら恒久的なものであるから補助の対象にならないというようなことで、それは全部とは申しませんが、一部井堰であるとか、漏水をとめる、あるいは水路の漏水防止というようなものにそういうものでやっておるものを見るのでありますが、それが査定に当って、応急でなくこれは恒久の部類に入るのだということで除外されるように聞くのでありますが、こういうものにつきましては、応急、恒久の判別をどこでするかということが重要な問題として残されておるのでありますが、従って、こういう出先機関で、条文に示されたものだけで、そういうものさしだけでこれをはからないで、もっと弾力のある方法で査定する必要があるのではないか。もしそういう問題が起ったならば、中央でこれを取り上げて、たとえば応急対策でいけないということによって生じたその工事の問題につきましては、たとえば救農土木であとを見てやる、あるいは旱害通常の事業費で見てやるとか、何らかの方法でこの事業を見てやるということでなければ、私はよい政治とは言えぬと思うのでありますが、そういう点につきましての格段の御高配を願うようにお願いを申し上げたい、これは要望でございます。前段のは質問でございます。
#23
○重政庸徳君 関連して。この農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案、これはたしか昭和二十六年に改正されたように記憶いたしておりますが、二十六年以来、年々の災害でこの法律に非常に欠陥があるということを発見したんです。災害のたびに、農民並びに地方自治体の市町村長は、その一つは、十万円以下の問題、これに対しては市町村が起債をすることができるように法律改正が今年度なっておるのだけれども、自治庁に行けば、予算のワクが少いので、というようなことを言う。それがために市町村長は、農林省のもう一つ残されているのは、いわゆる自作農の資金ということで、市町村長は自作農資金の借り入れ申請に殺到する、自作農資金も今年度のワクは足らぬというようなことで、これはどうも年々非常な欠陥がある。意味をなさない。私どもは今年度の十一並びに二十一、二十二のこの災害を機に、一つこれを根本的に改正をする腹を今きめて奔走いたしておるのであります。十万円以下の災害をこの現行法でできるだけ補助のワクに入れるとか何とかいうような、そういう考えでは全然だめなんです。自治体は災害ごとに非常な赤字を生ずる、大体自治体の財政を救済する意味からしても、根本的に十万円以下の問題は解決しなければならぬ、そういうところに農林省は気がついておるかどうかということなんです、私は。今のこの現行法で自治体の赤字を救済することができるかどうかということをお考えになったかということを第一番にお尋ねいたしたいと思うのであります。
 それから第二番には、これはまあちょっと追加しておきますが、今の法律で高率補助の制度が二十六年の改正である。これはきわめて災害民に対してはありがたい施設になっておる。ところが、この高率補助は六年間の経過を見ると、災害が起きた翌々年、たとえていえば、今年の三十三年度の災害は三十五年度にこの高率の部分の補助金を第一年度で渡すというようなことになっておる。これでは災害民は意味をなさない。同じ政府は金を出してもこの問題については、結局一年を通じた災害によって農民一戸当り八万円以上というものに対して高率補助をする、こういう規定になっておるのだが、それをいいことにして、あるいは手が足らぬとか、それまで事務が進まぬとかいうようなことで、この決定は十二月後に決定する、だから予算月に間に合わない、予算月に間に合わねば、私はこれは予備金で出してもいい、それをいわゆる三十三年度の災害でこれに該当すべきものは三十五年度にその部分を支出するというようなきわめて不親切なことをやっておる。その理由をただしますと、事務的にできぬとかいうことなんです。事務的にできぬために、災害民にそういう被害を及ぼす、事務的にできぬのならば、農林省は査定官を政府に要求すればいいと私は考えておる。この点については、大蔵省も研究しますという言質を与えておる、私に対して。だから、これは一つ農林省はどう考えるか、その点をこれは農林省自体がその点について改正を私はせねばならぬものだと思う。この点あわせて御答弁をお願いいたします。
#24
○政府委員(伊東正義君) 順序が不同になるかもしれませんが、この法律の改正は、新しいのは三十一年でございます。二十八年の大災害の経験に徴しましてこの法律改正をいたしましたのは三十一年でございます。実はそう古くないのでございます。で、小災害の問題でございますが、政府部内でよく相談せいというお話、ごもっともだと思いますので、実は大蔵省、自治庁とよく話し合っております。
#25
○重政庸徳君 いや、二十六年にも改正しておるよ。
#26
○政府委員(伊東正義君) 前にもございます。何回も実は改正がございますが、最近の改正は三十一年でございます。で、なるべくこれを範囲を広げて、という私御答弁をしたのでございますが、これにもやはり一つの前提がございまして、あるいは五十メートル以内であるとか、あるいは五十メートルの間隔で連続しておるとか、あるいは一緒に仕事をした方が効用上適当であるというようないろいろな条件がついておるのでございますが、それを私はなるべく広く読んでというつもりでおるのでございます。ただ、先生のおっしゃった御質問の中で、一人の所有者でありましても非常に飛び地になっておりまして、それが農地が少し飛んでいるものを、それが三万円のところがあっちこっちあった、それで十万円だというような場合は、これは私はやはりそういうのは無理じゃなかろうか、それは。ただし、一人の所有者でありましても、今の五十メートルとか、あるいは非常に接続しておるとかということであれば、当然これは救っていけるというふうに考えておりますので、そういうものは全部がだめというわけじゃございませんで、先生がおっしゃられたものでも、あるものは入り、あるものは入らぬということになるのだろうと思います。ただ、私は三万とか四万とかという一つ一つを拾い上げて、これを査定して設計書を作ってやっていくというやり方が、これはどうしても事実上不可能だ、それで、先ほど申しましたように、なるべくこれは大蔵省、自治庁と話をしておるのでありますが、そういう方法でなくて、起債の方法と、それからその裏打ちをします交付税の関係と、これを含めまして、先ほど重政先生から自治体の救済を考えたかというお話でございますが、これは交付税が当然問題になってきます。これを含めまして政府部内でいろいろ相談をしておるところでございます。
 それから査定官のお話が出たのでございますが、重政先生がおっしゃいましたように、高率適用になっているが、非常に高率適用の補助金が来るのがおそいじゃないかというお話であります。これは法律に書いてありますように、十二月三十一日までの累計で何万円以上、八万、十万、こうなっておるのでございますから、先生のおっしゃられるのは遺憾だと思いますが、実は今度の補正予算では、先ほど申しましたように、補助金は六割五分でなくて、正確に申し上げますと、農地につきましては六八%――六割八分の補助率、農業用施設については八割の補助率という昨年の実績を使いまして、補正予算の要求をいたしております。これは今後大蔵省との話し合いで進んでいく、こういう実績で補助率を認めるということになりますと、これは十二月までで累計しまして、何とか三月までに補正予算の中から高率のものを払っていくということに私はしたいというつもりで、今大蔵省に要求いたしております。
 ただ、走査官が足りないじゃないかというお話は、実はこういうふうに災害が累増いたしますと、ことしのようになりますと、実は若干手薄でございまして、熊本とか岡山とか、比較的災害のなかったところから人を持ってきて手伝わせるとか、あるいは本省から十数人他方に出すというようなことで実はやっておりますが、これにつきましても、大蔵省と予算の話をする場合に、来年度の要求として話してみたいと思っております。
#27
○重政庸徳君 私は、それは非常に思慮ある予算要求をしておられると思うのでございますが、しかし、大蔵省が出さぬといえばそれまでで、私は、これは法律的に、あるいは十月までという一つの段階をここで切る、もちろん、十月、十一月、十二月の災害というものは、ほとんどこれはまれなんですから。今までの経過を見ると、七月の災害でも、やはり十二月までその決定を待っておるというようなきわめて不合理なことがある。だから、九月の三十日までというような法律に改正すべきであろう。そうすると、当然これは翌年、普通の災害で法律的に予算をつけねばならぬというようになるので、その点はどうお考えですか。それの方がやりいいのじゃないか、それから実態に適するのじゃないかというふうに私は考えて議論いたすのですが、局長はどうお考えになりますか。
#28
○政府委員(伊東正義君) 十一、十二月には比較的災害が少いということは、これは確かだと思っております。一年ととりましたのは、おそらく、立法趣旨としては、一年間の農家所得を考えてみて、八万―十五万と出しましたのは、実は、農家経済調査をもとにしまして、そしてそれによって、償還の能力はどのくらいあるだろうかということをもとにして、八万―十五万というものを出しております。そうして、大体年間の所得がどのくらいという見きわめをつけてからそれを考えるということで、私は、十二月になっているのだろうと思いますが、その点につきましては、私の方ももう少し検討してみます。
#29
○北村暢君 農地の問題では今詳細に伺いましたが、千田委員からも質問がありましたように、水産関係の災害復旧について、まあ漁具については、これは災害の補助で適用されるが、カキの養殖だなとか、こういうものは、沿岸漁民にとっては、やはり生産の手段であって、農民にとっての農地と漁民にとっての養殖だなというものは匹敵するものである。しかし、農地と同じような永久性のあるものでない。これは何年かたてば使えなくなってしまうというものですから、そういう差はあるとしても、やはりこの対象は生産の手段なんですから、これは災害の復旧でもって高率補助の特例を今回認めるべきでないか、こういうふうに思うのですが、その点、どういうふうに考えておられるのかという点をまずお伺いしたい。
#30
○説明員(西村健次郎君) 北村委員の御質問に対してお答えいたします。先ほど私、漁具について申し上げましたのは、天災融資法の経営資金で入ると――私、ちょっとさっき間違えましたけれども、ノリ、カキのたな等につきましても、経営資金として貸し付ける、こういうことになっております。ただ、もう一つ問題は、その補助金の問題で、これにつきましては、さっきの共同施設ということで考えられる部分もあり、考えられない部分もあるかもしれません。ただ問題は、たとえば昨年の諌早の例にありましたように、漁場が全部埋まってしまう、ああいうカキの養殖場、こういうものにつきましては、今の法律について直接規定はございませんので、われわれとしては、今そういうものについていかにすべきか、あるいは予算措置については、そういうような措置でやっていけば漁場復旧というようなことは考えられるのじゃないか、こう思っております。
#31
○北村暢君 関連して続いて伺いますが、今の天災融資法でやるというのは、災害ですから、いろいろの処置があるのは当然なんですが、やはりたなをなくしたというものについては、今言った諌早のように、新たに漁場を作るということになれば、これはまた大へんなことでしょうが、たなを作るということは、もうこの被害をこうむったというのは、来年の養殖なりなんなりに、すでに直接必要である、そういう場合に融資でやれという点はもちろんあるけれども、今言ったように、私は農地関係は、まあ特に水田地帯は非常に政治力も強いし、いろいろな措置というものがなされてきている。ところが、沿岸漁民については、今までのいろいろな同業関係にある災害補償といったものも今検討中というような段階でもあるし、そういう点からいえば、非常に置き忘れられてきておる。これは水産ばかりでなくして、山の、ほんとうの山の地帯の炭焼きのかまだって同じだと思うのですが、そういうふうに置き忘れられてきておるのだから、諌早の場合と今度の災害の場合とは、やはり相当違うので、そのカキのたななり、ノリの養殖のための施設というものについて、農地が補助金でもって高率適用になるまで、十万から以下のまでやれ、三万くらいの被害まで補助金でやれ、こういって多数の人の意見が出ているくらいだから、それに対して、共同施設に該当すればやるとか、個人であればそれじゃあ該当しないことになってしまいますから、個人で持っているたなというものは見捨てられてしまう、こういう結果に次長の説明によればなるわけですね。そうすれば、そういうものというものが忘れられるじゃないか。何も適用する法もないし、制度もないし、ということで結局見捨てられてしまう。これは沿岸漁業が非常に疲弊している今日、この災害に当って立ち上るということが決定的に私は不可能に近いと思う。ですから、この際、この前の大臣に対しても、今度の災害については、今までの法律なりなんなりによってできないものについては、特別な処置をとることについて、私どもも要望したし、それについて検討もすると、いろいろ農地局からは、三万―十万の施設について、いろいろな検討をされておるんだから、水産庁はどうもそういう制度がないとかなんとかいうことで検討するのが非常に冷淡なような感じを今受けるわけなんです。だから、これはやはり今度の災害に当って、私は、特別措置をとるように緊急に一つ省内の意見をまとめていただきたい、このことを一つ特に要望いたしておきます。
 それから、林野関係から見えておりませんから、官房長に一つお願いしておきますが、薪炭関係のかまのことも、経営資金でもって天災融資法で融資されます、確かに。しかし、炭を焼くかま等については、災害にあったということについては、はっきりわかってしまうので、査定だのなんだのというむずかしいことは要らない。しかも、一つのかまを築くのに幾らかかるかということも、もう明確にわかるのですよ。ですから、これはおそらく十万なんというものはかからないでできるでしょう。できるでしょうが、そういう簡単に査定のできるものについては、やはりこれは高率補助というようなことをこれは考えるべきじゃないか。農地に対してそういう非常な特別な補助措置というものが考えられているんだから、その平場地帯の農民よりもやはり生活程度においても、経営の内容においても非常に苦しんでおる山間僻地の農山村民、あるいは漁民というものに対する災害に対しての手厚いやり方というものについては、やはり考えるべきでないかと、こういうふうに思うんです。いろいろまあ手は打っておられるようですけれども、この点について、今回の災害に当って特別の処置として、私はこの点を一つ強力に要望をしておきたいと思います。これについて考えがあれば一つお伺いいたします。
#32
○説明員(西村健次郎君) ただいま北村委員のお話でございますが、例の、私が申し上げた趣旨は、現在の制度によるものとしては先ほどのようなことがある。ただ、問題は、漁場復旧と申しますか、そういうカキだなとか、ノリのたなというものについて、たとえば協同組合のものでないとすれば、個人のものでは一応制度には載っていない。しかしながら、漁場復旧ということで、これはたとえば諌早のはただ例にあげただけでございまして、また、予算的に考える道はあるだろうというようなことで、今せっかく検討しているのであります。決して私の方がそれに無関心であるとか、冷淡だというようなことは毛頭ございません。ただ、かれこれ権衡の問題になりますと、これはなかなかむずかしい、とめどもない議論になってきますので、私どもの方としては予算――特に宮城県、岩手県については、そういう零細な浅海漁業者の被害が大きいことはよく承知しておりますので、今、この点は目下検討中でございます。そういう意味でございます。
#33
○説明員(若江則忠君) 炭がまの復旧につきましての御質問でございますが、特に東北地方で炭がまの壊滅その他の被害が大きかったわけでございますが、御承知のように、製炭者に対する復旧の道は、天災融資法による経営資金の融通という道しかないわけでございますが、たまたま、東北地方にはかなりの国有林が分布いたしておりまするので、当面の現金収入を得るために国有林内の仕事に従事してもらいまして、当面の収入を得ながら、必要に応じまして所要の原木を払い下げするようなことによりまして製炭者の復旧に資したい、かように考えております。
 なお、仰せのような炭がま復旧に対する補助の問題につきましては、二十八年災の例と、それから三十一年の北海道の冷害対策といたしまして、特別措置で復旧の補助をした例がございますので、今回の災害にかんがみまして、炭がまの復旧につきましてどのような措置を講ずればいいかというような点を検討中でございますので、さように御承知願いたいと思います。
#34
○千田正君 水産庁次長並びに漁港課長が見えられておりますからお伺いしますが、従来の災害復旧は、御承知の通り原形復旧であると思います。原形復旧でありますというと、いつも、たとえば二十メートルなら二十メートルの風が吹くとか、あるいは十メートルの波浪がやってきた場合にはこわされる、その程度のことがあったら毎年必ず破壊される。で、原形復旧であっては、国の金も費えになるわけでありますから、それに対するプラス恒久対策というものをこの災害復旧の構築をする際に考えなければならないと思うんですが、これに対してはどういうふうにお考えになってますか。そうでなければ、毎年同じような、あるいはその程度の風が吹いたり、あるいは波浪があった場合には、大がいこわされている。そのたびに国の予算から支出しなければならない。それよりも、それに対して強固な修築をするとか、かさ上げをして波浪を防ぐとか、何か一つのプラス・アルファの恒久対策をしなかったら、同じ災害を繰り返しては何ら意味がない。これに対する対策は何がありますか。
#35
○説明員(西村健次郎君) 今、千田委員のおっしゃることは、たとえば二十メートルの風でやられた堤防を、同じものを作ればまた二十メートルでやられる、これはお話の通りであろうと思います。従って、私どもとしまして、今度の災害復旧につきまして、漁港のいわゆる関連事業費というものを要求しております。これは今のお話の点についてお答えするということになると思います。
 なお、詳しくは漁港課長の方から申し上げたいと思います。
#36
○説明員(林眞治君) ただいま次長から御説明申し上げましたように、関連事業がその最たるものになるわけでございます。私の方は公共土木施設災害の方で主としてといいますか、ほとんど全部やっておるわけであります。もちろん災害復旧の根本としましては、原形復旧ということになっております。法律によりましても、いわゆる質的な改良は行うことにしておるわけであります。原則としまして、量的な改良はこれは一応やらないということになっております。つまり、従来の構造で持たないものを丈夫にするということはやっておるわけであります。なお、量的な面では、ただいま、先ほどの関連事業というもので、必要最小限度にはなりますが、処理しておるわけであります。たとえば、お話の出ました波返し等をやりますのは関連事業としてやることにしておるわけであります。これが災害復旧といたしましての処置でございますが、災害復旧あるいはそれに関連します処置だけではとうていまだ実情に即さないという場合がかりに出たといたしますと、それは災害ではございませんが、たとえば国土改良事業というようなものを、これはわれわれ行政的な面において並行的に考えまして、その処置をして参るということを考えておるわけであります。そういうようなことによりまして再び災害を起さないようにということで今後も処置していきたいと考えておる次第であります。
#37
○千田正君 毎年どうも水産庁の漁港予算というものは大体三十億前後ということなんですね。六十億要求して、いつでも三十億程度ということになりますと、たとえば、今漁港課長が申されたように、今までの風水害はノース・ウエストの風によってやられたと、ノース・ウエストの風によってしょっちゅうやられるんだから、これをかさ上げするとか、強固にする、これだけではその港がやれない場合には、もう一つこっちに堤防を築かなければならない。これは一面においては、今の改良なんかがあるでしょうが、そういう予算が私は非常に少いじゃないか、原形復旧、プラス・アルファの、もう一つやれば完全になるという予算のつけ方が非常に少いんじゃないかという感を深くします。そうして漁港予算を見ますと、今年、たとえば漁港が完成したならば、完成した分の分として漁港を新たに追加するとか、こういうことを繰り返しておるんですけれども、そうじゃなくて、実際に必要に迫られたものは、ある程度増額要求して、今の災害等を防ぎつつ漁港の修築の完備を期さなければならない、そういう点につきましての行政官庁としてあなた方の考えはどうですか。いつでも三十億程度でなく、もう少し私は増額して、もっと強固なものを作る必要があるんじゃないかと思うので、その点どうですか。
#38
○説明員(西村健次郎君) 漁港修築関係の予算につきましては、ただいま千田委員の御指摘のように、例年農林省について大体三十数億という現状でございますが、ただしこれは、年々多少は増額して参っております。ただ、その根底としまして、ただいま千田委員の御指摘のようなことは多分にあると思います。私どもとしましては、やはりそれは漁港の選び方という問題とともに、漁港修築計画の問題が一つあるのじゃないか。従って、問題はもっと基本的には、あまり薄く広くということは果していいのかどうか、もっと重点的ということは、絶えずこれは補助事業に関連して言われることでございますが、そういう御批判はあるいは漁港についてもあり得るのじゃないか。私どもとしましては、その点につきましては、ただいま千田委員の御指摘のような点も絶えず反省しつつ善処して参りたい、かように思っております。
#39
○東隆君 先ほどの報告の中で倒伏あるいは穂発芽ですね、こういうふうな面が非常に多いのですが、これは今回の災害の関係につきましては、査定の場合に非常に考えなければならない問題であろうと思います。それと共済関係、その辺はこれは非常に考えなければ、今までの共済関係の関係でいくと圃場を中心にして査定する、そんな関係で直接農家は大きな被害を受けておるのにかかわらず、共済関係はおのずから違った形でもって査定を受ける、こんなような形が出ておる。そこで、それを救済するような考え方がどこかに出ておりますか。それをどういうふうにして救済をして、そして実際の災害を受けたものにそれを補償するような形ができるか。この点は災害にかかっているたびに、いつも問題になることなのでありますが、今回のは非常に大きい。従って、それについての農林省の考え方をお聞きしたい。
#40
○政府委員(齋藤誠君) 今回の水害に伴いまして、冠水あるいは倒伏等の現象が相当各地に出ておることは承知しております。これに対して何らかの災害対策を講ずべきじゃないかという御意見も拝聴いたしておるわけでございますが、特にそれらの関係の各地方からの御要望もありまして、食糧庁におきましては、特に穂発芽ということを対象にいたしたわけではございませんが、それに伴って穂発芽が出てきて、その結果等外の上が出てくる、あるいは五等が出てくるとか、こういうようなものも相当出てくるのじゃないかということで、実は今回の予約米の買付対象につきましても、二十数県につきましては、等外の上を予約米の対象にするという措置をとったわけでございます。穂発芽を精米、調製した結果、相当の部分を等外の上、あるいは五等、あるいは水分過剰米というようなものも相当含まれておるのじゃないか。水分過剰米につきましては、特別の規格を設けて、これまた買い上げの対象にいたすということについては、すでに当委員会においても御報告したと記憶いたしております。等外上につきましても、特に今回買い上げの対象にするという措置をとったわけであります。
 それから第二の御質問の、従来の農業共済等におきましては立毛だけで処理しておった。従って、その後において生じたような穂発芽の査定についてはどのようにするかという御質問だと思いますが、従来のあるいはそういう取扱いが常道であろうと私も思いますけれども、保険の方の今回の取扱いにつきましては、一応圃場にある場合においては、その減収を見て考える。従って、刈り取っても圃場にある場合におきましては、そのような措置をとりたいということで検討しておるということでありますので、完全に俵に詰まってからの後の問題は別でございますけれども、圃場で、たとえばほしておる状態のときに、いろいろな関係で穂発芽が出てきたというような場合におきましては、同様にそれらを考慮して査定する、こういうような取扱いをしたいということでございます。
#41
○東隆君 今のあとの点で、圃場にあるというのを起点にすると、まだ救われない部分もたくさんある。たとえば穂発芽をしたものが非常に多いためにこれが非常に減収になる、それから事実収量がありましても、俵の中に詰めこれがかさだけはものすごく多くなる、こんなような問題があって、実際に私は非常に大きな減収になる。ですから、そういうようなものに対して何らの考え方が行われないとすると、共済金のかりに出る場合と出ない場合がある、そういう境目の問題が非常に問題になろうと思います。もう少し実際に当てはまるような形でもって見なければ、共済制度を作った意味がないと思う。そこで、物理的に流れてしまったもの、収穫後にですよ、流れてしまったものもそれを計算に入れる必要はない、いろいろな問題があろうと思います。ですから、そういう問題をやはり考えて共済の対象にしなければ意味をなさぬと思う。その点はどうですか。
#42
○政府委員(齋藤誠君) 私も個々の具体的なケースにつきまして詳細正確にお答えする用意をいたしておりませんが、今の御質問の、たとえば流亡するというような場合に、つまり、それは減収として見られるかどうかというような御質問だと思います。実際に取扱う場合に、おそらくは入るのではなかろうかと思いますけれども、なお、よく一つ調べてみて正確なお答えをいたしたいと思います。
#43
○委員長(関根久藏君) 速記をとめて。
#44
○委員長(関根久藏君) 速記をつけて。
#45
○堀本宜実君 私は、各派を代表いたしまして、台風被害の激甚なのにかんがみまして、これら台風の救済復旧に関して政府を促し、その対策に万全を期するために、各派共同提案による次の決議案を提出いたしたいと存じます。
 決議案を朗読いたしてみます。
  決議案
 台風等災害復旧促進に関する件
本年第十一号台風以来累次の災害によりその被害甚大であり、特に台風第二十二号の被害は激甚を極めた。しかしてこれら諸災害の被災者の惨状を見るに忍びずこれが救済及び復興は刻下の急務である。
ここにかんがみ、既に政府は応急の措置を講じつつあるところではあるが、なお被災者の悲痛な要望をきき、速かに予算の補正を図り、充分な予算を確保し、所要の特別立法を行い、その他災害の救済及び復旧に苟しくも遺憾なからしむべきである。
 右決議する。
  昭和三十三年十月十六日
#46
○委員長(関根久藏君) ただいま堀本委員から述べられました各派共同提案による災害復旧促進に関する決議案を本委員会の決議とすることに賛成の諸君の挙手を求めます。
#47
○委員長(関根久藏君) 全会一致であります。よってそのように決定いたしました。
 なお、本決議に対し、高橋農林政務次官から発言が求められておりますから、この際、御発言を願うことにいたします。
#48
○政府委員(高橋衞君) 本年の累次の災害に関しましては、政府といたしましても、その被害の激甚さに対処いたしまして、それぞれ所管に応じ全力をあげてこれが救済または応急の措置、復興の措置等に当っている次第でございます。ただいま御決議の趣旨に基きまして、なお、今後の予算措置その他の事柄に対しまして遺憾なく善処いたしたいと存じます。
#49
○委員長(関根久藏君) 本件は、この程度にいたします。
 速記をとめて。
#50
○委員長(関根久藏君) 速記をつけて。
 それでは本日は、この程度で散会いたします。
   午後零時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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