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1958/10/31 第30回国会 参議院 参議院会議録情報 第030回国会 農林水産委員会 第12号
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1958/10/31 第30回国会 参議院

参議院会議録情報 第030回国会 農林水産委員会 第12号

#1
第030回国会 農林水産委員会 第12号
昭和三十三年十月三十一日(金曜日)
   午後一時四十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員青山正一君及び江田三郎君辞
任につき、その補欠として小山邦太郎
君及び小笠原二三男君を議長において
指名した。

 出席者は左の通り。
   委員長     関根 久藏君
   理事
           藤野 繁雄君
           堀本 宜実君
           東   隆君
           北村  暢君
   委員
           秋山俊一郎君
           伊能 芳雄君
           小山邦太郎君
           重政 庸徳君
           田中 茂穂君
           堀  末治君
           安部キミ子君
           大河原一次君
          小笠原二三男君
           河合 義一君
           清澤 俊英君
           北 勝太郎君
           島村 軍次君
  衆議院議員
           芳賀  貢君
  政府委員
   農林政務次官  高橋  衛君
   農林省蚕糸局長 大澤  融君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安樂城敏男君
  参考人
   全国養蚕販売農
   業協同組合連合
   会会長     田原  徳君
   全国養蚕販売農
   業協同組合連合
   会参事     梶原 東一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農家負債整理資金融通特別措置法案
 (衆議院送付、予備審査)
○寒冷地畑作農業振興臨時措置法案
 (衆議院送付、予備審査)
○繭糸価格の安定に関する臨時措置法
 の一部を改正する法律案(内閣送
 付、予備審査)
○農林水産政策に関する調査の件
 (蚕糸対策に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(関根久藏君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
 去る二十八日、当委員会に予備付託となりました農家負債整理資金融通特別措置法案(衆議院議員芳賀貢君外十一名提出)(衆第九号)(予備審査)及び寒冷地畑作農業振興臨時措置法案(衆議院議員芳賀貢君外十九名提出)(衆第一〇号)(予備審査)を一括議題にいたします。
 まず、提案理由の説明を求めます。
#3
○衆議院議員(芳賀貢君) ただいま提案されました寒冷地畑作農業振興臨時措置法案の提案理由を御説明いたします。
 まず、この法律を提案するに至りました経緯等について申し上げたいと存じます。
 北海道を初めとする寒冷地帯の農業は、その開発以来劣悪な自然条件のもとで、地域農民のたくましい努力により、食糧増産酪農振興等、わが国農業の発展途上に多大の成果を上げて今日に至ったのでありますが、常襲的な冷害凶作及び経済事情の変動により、農業経営はいまだに不健全であり、従って農家経済もまた不安定の実情にあります。
 すなわち、寒冷地帯の農業は、昭和二十八、二十九両年の連続冷害により、大きな打撃をこうむったのでありますが、さらに加えて昭和三十一年には四十数年ぶりという大凶作に見舞われましたため、農家負債は急増し、農業経営は著しく悪化するに至り、ために農民は営農意欲に燃えながらも、苦境に呻吟しているのであります。
 このような農民の窮状を打開するため、もとより国としても、また地方公共団体としてももろもろの応急対策を実施し、何とか再生産の維持に努めているのでありますが、今日までの施策は農民の当面する窮状の打開策にとどまっているにすぎないのでありまして、もし今後長く根本策の確立を怠りこのような事態を放置いたしますならば寒冷地帯の農業は常に冷害凶作の災害に見舞われ、農民がいよいよ塗炭の苦しみに陥りますことは想像にかたくないところであります。
 それゆえに、昭和三十一年の大凶作を契機に寒冷地帯の農業振興のための恒久対策を樹立すべきであるとの意見がほうふつとして高まってきたのであります。
 寒冷地帯の畑作農業経営の特色は、寒冷がはなはだしいという気象条件と特殊土壤が多いという劣悪な土地条件のもとにおいて、農耕期間が短かく、土地利用が制約されている上、土地改良の立ちおくれと、地方収奪的な農法により、地方が著しく低下しており、生産手段が整備されておらず、営農技術の水準もまたきわめて低いため、農業生産力が著しく停滞しているのみならず、さらには農産物価格の変動等の影響をも受けて一そう不安定なものとなっているということであります。
 従いまして、寒冷地帯における畑作農業の振興をはかるためには、このような自然的な制約条件に対応して、農業生産上における各般の基礎条件を整備するとともに、地方の維持増強、生産手段の整備、営農技術の向上等のために必要な措置を総合的に実施し、もって寒冷地帯に適応する農業経営、すなわち家畜を組み入れた主畜経営、または混同経営を確立することが絶対不可欠の要件であります。
 しかしながら、これがためには多額の投資を必要といたしますので、冷害により経済的な苦境にある農民が多額の自己資本を投下し、冷寒地帯に適応する農業経営を確立することはもとより至難のことであります。
 また、農林漁業金融公庫資金その他の制度資金の融通、あるいは国庫補助等の方法により行われております各種の補助助成措置も、ともすれば米麦の増産に重点的に振り向けられる場合が多く、特に融資については、金利、償還期限等の条件が寒冷地帯における農民の経済状態に適合していないため、通常の金融ベースに乗らないという欠陥があると存ずるのであります。
 政府においても、以上のような寒冷地帯の畑作農業の実情にかんがみまして、昭和三十二年度に実施いたしました寒冷地農業調査の結果に基き、本年度から農林漁業金融公庫資金の計画的な融通による畑作営農改善対策を実施し、これまで組織だった政策としてほとんど取り上げられていなかった寒冷地農業振興対策を、現行諸法規の許す範囲内で著しく前進させたのでありますが、この対策におきましては農業生産の基礎条件の整備が並行して行われがたく、金利や償還期限等の融資条件がかなりきびしく、さらには指導の組織的な強化が容易でない等の難点があることを指摘せざるを得ないのであります。
 すでに衆議院農林水産委員会においても、昭和三十三年四月二十三日全会一致をもって「寒冷地農業振興対策特別措置の確立に関する決議」を行い、これが立法化の必要を明らかにいたした経緯にかんがみましても、寒冷地帯の畑作農業を振興させるためには、その実態に即応した基本対策を、総合的かつ計画的に実施する必要があると思うのであります。
 以上が、この法律案を提出するに至りました経緯と趣旨の大要でありますが、次に本案の骨子について簡単に御説明いたしたいと存じます。
 まず第一に、寒冷地畑作農業振興地域の指定についてでありますが、農林大臣は、平年度において、五月から九月までの積算温度が摂氏二千六百度以下、無霜期間が百七十日以下または七月及び八月の平均気温が摂氏二十度以下であって、耕地利用率が百分の百十以下の畑作を主とする農業地域で、主畜経営または混同経営によらなければ、その地域内の農業者の経営の安定が得られないと認められる道県の区域の全部または一部を寒冷地畑作農業振興地域として指定することとしているのであります。
 第二に、以上の寒冷地畑作農業振興地域について、自然的経済的社会的条件に応じて、農業経営の目標を定めることでありますが、この農業経営の目標につきましては、道県知事の定めるものを農業経営基準、また市町村長の定めるものを営農類型としているのであります。
 第三に、農業振興計画の樹立及び実施に関することでありますが、これは寒冷地畑作農業振興地域内の農民の経営を以上のような目標に到達しやすくするため、市町村長及び道県知事並びに農林大臣が農業生産基盤、農業生産手段及び生産物の流通機構の整備に関する農業振興計画を定め、政府はこの計画を実施するために必要な経費を予算に計上しなければならないとしているのであります。
 第四に、寒冷地畑作農業振興地域内の農民の経営が、さきに述べました目標に到達するために必要な長期低利資金を融通しようとするものでありますが、これは、まず農民に自己の農業経営改善計画を樹立させ、次にこれを道県知事が認定し、その認定を受けた者に対し、農林漁業金融公庫から、当該計画を実施するために必要な資金を利率三分五厘、償還期間三十年以内で計画的に融通することとしているのであります。
 第五に、指導の強化に関することでありますが、これは、農業経営改善計画の作成及び実施を指導させるため、特に道県に農業経営改善指導員を置くことができることとし、この設置に要する経費の一部を補助しようというものであります。なお、道県知事及び市町村長が指導を行うに当っては、自主的な協力組織として作られた農家群と密接な連絡を保って指導を行い、その効果を高めることにしているのであります。
 以上が、この法律の主眼点となっているのでありますが、これらの五つの事項の実施によりまして、寒冷地帯における農民の営農を具体的に改善し、自然的、社会的、経済的な悪条件に対応する強靱な農業経営を確立し、すみやかに農業生産力の発展と農業経営の安定をはかり、もって国民経済の発展にも大きく寄与せしめたいと存ずるのであります。
 何とぞ、御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
 次に、農業負債整理資金融通特別措置法案の提案の理由を御説明いたします。
 北海道を初めとする寒冷地帯並びに常襲水害地帯の多くの農家が、二十八年以降数次にわたって連続災害をこうむりましたことは御承知の通りであります。国及び地方公共団体は、そのつどそれぞれ金融対策等の応急措置を講じ、急場をしのいで参りましたが、これらの災害時に借り入れた資金のうち多額のものが、ついに過度負債として固定化するに至っているのであります。しかもこれらの地帯におきましては、いまだ災害を未然に防止する諸施設の整備がおくれ、かつ一般に土地生産力が低く、加えて平常年でも通常の借入金を返済した場合は、その余剰でどうやら家計を維持することができる階層の農家が大部分を占めておりますため、災害時に累積しましたこれらの過度負債は、それ自体が年々延滞利子を加算して膨張し、現在では農家経済の循環過程において重大な悪影響を与えるようになっているのであります。
 このような事態をこのまま放置いたしますならば、多くの農家は、農業経営の正常な発展をはばまれるのみならず、農家経済の破滅を招来するものと予測せられ、その結果は債権者たる系統金融機関等も甚大な打撃をこうむる結果となるのであります。
 特に北海道等一部地区におきましては、社会不安の様相を呈しつつあり、非常に憂慮すべき状況にあるのであります。
 かかる事態に対処いたしますためには、北海道等の災害常襲地帯において過去の天災のため現在すでに償還能力以上の多額の過度負債を有し、その経済が撹乱されている農家に対し、新たな立法措置を講じ、政府の金融調整による負債の長期分割償還、農家負担金利の低減等の措置をすみやかに講じ、これらの地帯の負債問題を早急に解消し農業再生産の基礎を確固たらしめることが緊急の要務であると信ずるものであります。
 以上が、この法律案を提出するに至りました経緯と趣旨の大要でありますが、次にこの法案の骨子を簡単に御説明いたしたいと存じます。
 その第一点は、すでに天災による多額の固定化負債を有する農家であって、現在その農業経営が著しく不安定な状態にはあるが、今後積極的に農家経済の再建をはかろうとする意欲を有している者に対し、農林漁業金融公庫が、低利、長期の負債整理資金を融通し、農家の固定化負債を流動化せしめようとすることであります。
 第二点は、農林漁業金融公庫から負債整理資金の貸付を受けようとする者については、負債の整理計画等を含む農家経済再建計画を樹立せしめ、その再建計画を都道府県知事が認定し、その認定を受けた者に対し、農林漁業金融公庫から当該計画を実施するために必要な資金を利率年三分、償還期間三十年以内で融通することにしているのであります。
 第三点は、負債整理の所期の成果を上げしめるためには、農家の再建計画の樹立、実施に関する重厚な指導、助言並びに条件緩和等に関する債権、債務者間の調停、あっせん、勧告等が必ず伴わなければ効率的な成果を期待することができないことは過去の経験に徴し明らかでありますが、これらに要する経費のすべてを常襲被災害地帯の地方自治体に負担せしめることは、現在の地方財政の実情にてらしきわめて至難であり、かつ適当でないと思われますので、都道府県が農家経済再建指導員を設置いたします場合、その設置に要する経費及び都道府県が、農家負債整理についての調停、あっせん、勧告等を行う機関を設置する市町村に対し補助を行う場合は、その補助に要する経費につきまして、政府は予算の範囲内でその全部または一部を補助することとし、この負債整理対策の成果を完全なものにしようとしているのであります。
 以上、簡単に農家負債整理資金融通特別措置法案の提案の趣旨と内容を御説明いたしましたが、何とぞ御審議の上すみやかに御可決あらんことを御願い申し上げる次第であります。
#4
○委員長(関根久藏君) 両法律案の審査は日を改めて行うことにいたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(関根久藏君) 去る二十九日、当委員会に予備付託となりました繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)(閣法第三七号)(予備審査)を議題にいたします。
 まず、提案理由の説明を求めます。
#6
○政府委員(高橋衛君) 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を説明申し上げます。
 政府は、前国会において成立いたしました繭糸価格の安定に関する臨時措置法によりまして、日本輸出生糸保管株式会社を通じて生糸及び乾繭の買い入れを行うことにより繭糸価格の安定に努めて参りました。同会社は、現在までに相当大量のたな上げを行なったのでありますが、その後の需給事情はなお好転するに至っておりません。このような事態に対処して今回夏秋蚕繭につきまして生産者団体が約三百万貫を市場よりたな上げして繭及び生糸の価格の安定をはかろうとしておりますので、この円滑な実施をはかるためたな上げした繭の保管会社買入価格を特別の価格とすることができるようにすることが必要となったのであります。
 この法律案は、以上の趣旨によりまして、日本輸出生糸保管株式会社が夏秋蚕繭を特別の価格で買い入れることができるようにするための改正でありますが、以下法律案の内容についてその概略を申し上げますと、
 第一は、繭糸価格の安定に関する臨時措置法による日本輸出生糸保管株式会社の繭の買入価格を一万一千二百五十トン(三百万貫)の範囲内の数量については、政令で定める額に保管費用等を加えた額とすることであります。
 第二は、これに伴いまして同会社が同法により買い入れ等を行なって取得した生糸または乾繭を政府が買い入れる場合における買入金額の限度額を五十億円増額いたしまして二百億円としたことであります。
 以上が、繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の提案の理由であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
#7
○委員長(関根久藏君) この法律案の審査は日を改めて行うことにいたします。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(関根久藏君) 蚕糸対策の件を議題にいたしまして参考人の意見を求めることにいたします。参考人はお手元にお配りいたしておきました両君をわずらわしております。
 参考人には御多忙中お差し繰りいただきましてありがとうございました。
 参考人に対して御質疑の向きは御質疑を願います。
#9
○清澤俊英君 本日、非常に御多忙の中を田原会長、梶原参事に御出席をいただきましてありがたくお礼申し上げます。
 それで、いろいろ蚕糸の、夏秋蚕以後の紛糾に対しましては下部農民は非常に混乱しておる状態でありまして、従って農林省等にいろいろ乾繭の実態その他をお伺いしましてもなかなか明確な答えは、すべてが全養連の調査に基いたものを基礎にしてお答えになっておるような次第でありますので、従っていろいろの経緯にかんがみまして両氏にいろいろお伺いしたいと思います。お伺いしまするにつきましては、何々さんとあらかじめ申しませんので、適当にお二人の方からお答えをお願いしたいと思います。
 まず第一番に、初めう伺いしますことは、春繭の掃き立て状況、それから掃き立て教量はどれくらいあったか。第二番目には、これが飼育状況並びに桑園等の生育状況等が例年に比べてどうであったか、従って最後に総収繭量はどうであったのか、例年に比べてどういう収繭量を持ったか、それはただ単なる取引を中心にいたしました収繭額ではなくして、と同時に、質的に見まして、それが実際上またどれくらいふえているのだ、質と表面の何十何百、千何百万貫、しかしながら、これが例年と違って質的にはこのくらいの伸びがある、こういう工合に区別してまずお伺いしたいと思います。
#10
○参考人(田原徳君) お答えをいたす前に一言お礼を申し上げたいと存じますが、昨年の暮以来業界は非常に波乱に波乱を重ねまして、その間八十余万戸といわれる養蚕農民が非常に苦労をいたしておったのでございますが、諸先生方には常にわれわれの業界に対しまして御高配を賜わりまして、幸い春には何とか定められた額に近い価格で取引を終ったのであります。夏秋蚕繭につきましては当時の事情と大へんな変り方でありまして、いまだにその解決を見ないでおります。養蚕農家といたしましては不安焦燥といいましょうか、むしろ最近に至りましては怒りに近いような言葉まで出てきておるような状態であります。そんなことも、ただいま御質問のありましたような実態がよく把握されておらないために出てくるいろいろな言葉といいましょうか、流れておりまするこのことがかえってそういうような不安を起しておるというような状態でございまして、私どもはまことにその責任のある立場において残念に思っておったのでございますが、ただいまの御質問に対しまして数字をもって申し上げたいと存じます。これは事務的に申し上げた方がいいと思いますから、参事の方からお答えをいたします。
#11
○参考人(梶原東一君) ただいまの御質問の本年度の春繭が数字的にどういうふうな状態であったかという御質問でございますが、掃き立て数量につきましては本年度は百七十二万七千四百二十六箱を掃き立ていたしております。もっともこの中には種繭用として掃き立てたものもございますので、つまり生糸になります糸繭用というものをこの中からより出しますと、百六十八万六千百四十六箱が掃き立てられております。この掃き立てから繭がどれくらいとれたかと申しますと、総収繭高におきまして千四百五十二万千九百四十七貫とれております。この中には玉繭でありますとか、くず繭であるとかというような生糸に使えない繭がございますので、それを差し引きまして、いわゆる生糸に作ります上繭数量にしますと千三百三十万六千六百五十貫というものが本年度の春繭として収繭されたわけでございます。このうちわれわれは乾繭共同保管といたしまして最終的に政府買い上げになりますように、保管会社と売買契約を結びましたものが百四十五万七千三百四十三貫というものが保管会社と契約を結びまして、これは来年度に保管会社に買い入れてもらい、さらに最終的には政府買い上げに持ち越していく、こういうようなことになっております。で、質的に申し上げますと……。
#12
○清澤俊英君 こまかなことは言いません。お伺いしているのはそういうこまかい数字をお伺いしておりません。お伺いしておるのだけでよろしい。
#13
○参考人(梶原東一君) そういたしますと、本年度の、質的に申しますと、大体春繭におきましては昨年度より糸歩の点がちょっとよくなっておりますので、従いまして産繭額に比べると生糸の生産量はそれだけふえたというようなことがいえると思います。春繭の状況だけでございますか、夏秋蚕も……。
#14
○清澤俊英君 夏秋蚕はお伺いしておりません。私の聞いておりますのは、大体の数字でよろしゅうございますが、掃き立ての数量は、それは昨年と比べて多かったか少なかったかということと、それから繭の飼育の状況において、非常に条件が整っておったか、整っておらなかったか、それについての生育状況は昨年に比べてよかったのか悪かったのか、簡単でよろしいのです。
 それからその次には、桑園の生育の状況が昨年に比べてよかったか悪いのか、それを中心にしまして本年の総収繭量をお伺いして、それが昨年とどういう比率であったかという、こういうことなんです。昨年との比率をお伺いしているのです。
#15
○参考人(梶原東一君) 今、昨年度の掃き立て数量はちょっと数字をここに持ってきておりませんが、結局上繭数量においては昨年度が千三百一万九千貫という数字が出ておりますので、昨年に比べて今年が千三百三十万貫でございますからほとんど変りはない、二、三十万貫程度本年は去年よりか春繭では上繭数量がふえておる、こういうことは申し上げられると思います。それから先ほど申し上げましたように、糸歩がふえておりますので、まだ生糸の生産高全部はわかりませんけれども、実際に三十万貫程度の増産であるけれども、糸にしますというと、かなりの、約五、六%程度は昨年度よりか糸がふえるのではないか、こういうふうに考えられます。
 それから夏秋蚕におきましては、これは私どもの方の調査では、今のところ全部のまだ集計はついておりませんけれども、掃き立て数量におきましては、昨年度から比べましては二割の生産制限を行いましたものの、それが実際においてその数字ははっきり出て参りませんで、約一割程度が去年の掃き立てに比べると減少になったと、二割生産制限が結局その半分になったというような数字が出ております。これはまだ晩々秋なんというようなものもございますので、今各県に照会調査中でございますので、秋繭総額ははっきりした数字は持っておりません。しかし、過日、農林省の統計調査事務所でお調べになって御発表になった数字は、一千六百五万というような数字が出ておりますが、これに対しましてはその後の、御調査になったあとにおきまして、かなり産繭額の多い府県に軟化病等が出まして、私どもから見ると、五、六十万貫程度はその調査より減るのではないか、こういうことが考えられます。従いまして、春の糸で大体十五万俵程度、それから夏秋におきまして上繭とすればやはり十五万から十六万くらい、合計しまして三十万から三十一万俵程度が本年度の生糸として生産されるのではないかと、かように推定いたしております。
#16
○清澤俊英君 質問外の答弁がありますから、委員長から注意していただきたい。私のお伺いしているのは、眼目として、第一が掃き立ての箱数が昨年とどうであったか、同時にその数量はどうであったか、これをまず質問しているのです。ところが、夏秋蚕の点までぺらぺらとやられまして、たれにもわからない。質問はまだ春繭の段階においていろいろお伺いしているのでありまして、従って、お伺いすることに対して一口ずつでいいからお答えを願いたい。
 まずあらためてお伺いしますが、春繭の掃き立て数量は、昨年から見まして概算的に数量がふえておったのか、昨年と同額掃き立てていったのか、その数量がどれだけか、これなんです、第一は。一つずつお伺いします。そうでないと混乱しますから。
#17
○参考人(梶原東一君) 御質問の去年の掃き立て数量がちょっと今手持ちがございませんので、すぐ調査いたしましてお答えすることにいたします。
#18
○清澤俊英君 その次に、今年の飼育状況ですな。飼育状況はわれわれが聞く範囲におきましては近来まれな好天に恵まれて、天候事情に恵まれて非常な飼育状況がよくあったと、こういうことを聞いているのですが、それがどうであったかということと、従いまして、桑園の生育状況も例年から見ますれば三割くらいの生育状況がよかった、こういうことをわれわれ聞いているのです。それにつきまして、その状況はどうであったかと、われわれ聞いたことは私は言えないので、あなたに飼育状況並びに桑園の生育状況はどうであったかと、こうお伺いしているのです。その状況はどうでございましょうか。
#19
○参考人(梶原東一君) 今お話がございましたように、本年度の春繭につきましては、気象条件がよかったために非常な豊作でございました。御指摘の通りでございます。
 それから桑の生育状況も大体私ども二割から三割程度の増産――増産と申しますか、生育の状況が昨年度よりよかったと、かように存じております。
#20
○清澤俊英君 そこで、それを中心にしまして今年の収繭量になりますが、ただいまの御説明によりますと、こういう状況において掃き立ての数量はあまり違わぬ、だがしかし、いろいろの条件がよかったから大体において三十万貫の増産であったと、そうして糸目にしまするならば五、六%の増産になりはしないかと、これはあまりに数量が合い過ぎないのじゃないかと思います。私は自然増収はもっとこれに従ってです、従って大豊作と言われるものがある限りにおいては、私は春繭はもっと量を多く生産せられているのじゃないか、こう考えまするので、その数字はどうなっておるか、こうお伺いしているのです。つじつまがちょっと合わぬところがありますので、その点を明確にしていただきたい。
#21
○参考人(梶原東一君) 収繭量が三十万貫程度で糸にして五、六%程度ふえたと、桑の生育状況が非常によかった、従って豊作でもあったが、その桑の生育状況がよかったということは、夏秋蚕にまあ繰り越されて桑が残っておるということも言えるわけでございます。桑を全部春繭に使い切っていないということも言えるわけでございます。
 それから糸歩の点は、大体私どもの見当からいきますと、その程度ではないかと思います。収繭量においては三十万程度であったけれども、糸目が多かったから生糸とすれば相当それが伸びが出ておると、こういうことを申し上げておるわけであります。
#22
○清澤俊英君 ちょっとこの点に疑問が残りますが、まあそう言われればそれで一応――納得しませんが、それ以上の私は反駁する材料を持ちませんので、御質問はやめておきますが、まあ結局しますと、千三百七十万貫ぐらいのものができ上ったと、こう了承していいですか。
#23
○参考人(梶原東一君) 春繭ですか。
#24
○清澤俊英君 ええ、春繭だけ。
#25
○参考人(梶原東一君) 統計上では千三百三十万六千貫と、これは上繭数量でございます。玉、くず繭をのけた上繭だけの数量でございます。総収繭量にいきますと、一千四百五十二万貫という数字が出ております。
#26
○清澤俊英君 何かこの当時の新聞を見ますと、千七百万貫できたような記事がちょっと出ておったように思いますが、あれは非常な間違いなんでしょうか。私の記憶違いでしょうか。
#27
○参考人(梶原東一君) 春繭で千七百万貫といった数字は私ども存じておりませんが。新聞にもそういったようなことは私拝見したことはないと思います。
#28
○清澤俊英君 その次に、今度は夏秋蚕のことでお伺いしますが、夏秋蚕の二割減ということは、われわれの解釈から申しますれば、一貫したる三十三年度糸価安定法による一つの施策であった、春繭におきましては百五十億の政府資金を投じて乾繭並びに生糸の買い上げによって十九万円の価格を維持すると、それを行いつつ夏秋蚕に対しましては自主的に一つ二割生産制限を行なって、その生産制限を行うことによって十九万円を維持しようと、維持できると、こうお考えになっておったのは政府の考えであります。そこで、あなたにお伺いしたいことは、この二割制限につきまして、養連は政府のこの考え方についてどういう関係に置かれたのか、これが一つ。どういう関係に置れたのか。と申しますることは、いま一歩突っ込んでお伺いしまするならば、養連はこの生産制限をすることによって価格維持ができると、こういう建前をとられて、これに協力しなければならぬのか、あるいはこういうことをやっていったら糸価の維持ができる、こういうようないろいろな点で、農林省との関係におきまして、あらかじめの御相談があったのかないのか、これをまずお伺いします。
#29
○参考人(田原徳君) お答えいたします。春の繭処理に関しまして、臨時措置法を提案された。そこで、この臨時措置法によって、百億円の生糸代金と、五十億円の乾繭共同保管分でございますが、こういうことだけではこれからの糸価維持は容易ではない、そこで、需給調整をしてこれにいくならば、昭和三十三年の繭糸価格は安定できる、こういう御説明がありました。そこで私どもは、生産団体として、生産制限をして価格維持をするならば、しないも同じことなんで、これはどうもはなはだ承服できないという初め考え方でおったのでございますが、何と申しましても、その当時春繭が出てきておりまして、もうガが出る、繭としてどうにも始末がつかないという状況が出てきておりましたので、それを私ども乾燥しておりましたような関係で、当時の価格からいいますと、非常に低かった。そこで、どうしてもこの価格を維持していくためには、生産制限もやむなしというような結論になりまして、二割の生産調整という言葉で、これがいろいろな機関にはかってやっていく、こういうことになったわけでございます。
#30
○清澤俊英君 そこで、これが発表せられまして、いよいよ夏秋蚕の夏繭の出回り期に入りまして、地方の養蚕農協を中心とした養蚕連大会が持たれました。そこで養蚕農民側としては、御承知のように、二割制限は反対だ、こう申し入れたことは御承知の通りであります。田原会長みずから出ておられたんですから、よく御存じだと思います。それを農民側から見まするならば、養連が今申されたような事情でこれをのまれた。そしてこれが結局しまするところ、実際的には強行して参られた。のまれてそれが実施に移された、こう私は考えております。その実施に移した過程におきまして、あなた方はどう考えるか、この二割制限がうまくいったかいかないか、この点を簡単でよろしいです。いったと考えられるか、いかないと考えられるか。
#31
○参考人(田原徳君) 掃き立てにおいては、二割の調整をいたしておりますが、当初発表されました計算の基礎に間違いがありましたので、それを是正いたしまして、当初言った二割というものとは、多少違う数字があれば、各府県ごとにこれはもちろん違うわけでございますが、当初計算の基礎と多少違った点がありますので、幾らか相互において、その違いを是正したということがありますけれども、掃き立ての二割生産制限という点は毛頭変りはございません。
#32
○清澤俊英君 これは間違いなしいっております。従いまして、蚕種の統制買い上げというんですか、制限して、余ったものを政府が買い上げるというのでしょう。その買い上げ数量はわかっておりますか。
#33
○参考人(田原徳君) 三万五千四百二十八貫二百二匁、これが種繭を買い上げて乾燥をいたした数字でございます。
#34
○清澤俊英君 その次にお伺いしますのは、こうやって二割制限せられまして、そうして実際夏秋蚕としてでき上りましたものが、昨年と比べまして、この実収量は大体どのくらいになっておりますか。
#35
○参考人(田原徳君) 先ほど清澤先生からお話がありましたように、本年の桑は例年に比較しまして、三割以上もよくできておる。従いまして、従来の飼育のやり方よりも、掃き立ても二割制限をされておりまするから、非常に丁寧に、しかもたくさん桑を使っておりますから、収繭量は、当初計画をいたしました数字に、是正をした数字を加えましたよりも、あるいは多いと思われるかもしれませんが、千六百万貫といわれております。
#36
○清澤俊英君 千六百万貫はあなた方は確認したんじゃないでしょう。確認したんですか、どうですか。
#37
○参考人(田原徳君) 確認はいたしておりません。
#38
○清澤俊英君 そうしますと、春繭のところで数字に非常に無理が出ておりますね。飼育状況もよくて、桑の育ちもよくて、掃き立て量は昨年と大差ないというのに、一方においては、千六百万貫は、ほとんど昨年から見ますと大差ない数量だ、こう農林省は言うておられる。昨年と比べて、どれくらいの減産になっておりますか。
#39
○参考人(田原徳君) 昨年の収繭量は、千七百五十万貫程度と記憶いたしております。従いまして、本年の桑をフルに使えれば、これは大へんな数字になるというふうに考えておりますから、私どもは効果があったものと思っております。
#40
○参考人(梶原東一君) 春繭のことで清澤先生が御疑問に思っていらっしゃるところの、掃き立て数量が変らないで、わずか三十万程度しかふえていないじゃないかと言われるんですが、それは内情はこういう内情があるのであります。つまり蚕種の正量取引というものに問題があるのであります。つまり二万粒一箱というもので正常な取引をしていこう。今までずっとそういう正量、各県に蚕種公正取引委員会なるものができまして、それで二万粒を守っていこう。これは蚕糸業法によりましても、二万粒で増し種をしてはいかぬということになっておりますけれども、なかなか行われない。つまり養蚕家の方で、うちは一箱当り何貫匁の繭を取ったということを自慢するような格好で、従いまして種屋の方で、二万粒の上に、二割も三割も増し種をする、こういう習慣行為があったのであります。この機会に、蚕種の方も増し種をしない、いわゆる正量にしようというようなことになりまして、本年度は大体蚕種が正量に行われております。従いまして、その箱数からいえば、去年からあまり違わないのに、産繭額でわずか三十万貫ぐらいしか出ていないじゃないかということになりますけれども、これは正量に近い二割程度のものが、これは府県によりましては三割も五割もの増し種が入っているのでありますが、それが今年は正量になったというようなことから数字のそういう御疑問の点が出てくるんじゃないかと、かように存じます。
#41
○清澤俊英君 今の御説明をわかりやすく申しますれば、正常な取引方法になった。春繭も、今までの不公正な増し掃き立て分、それをその分だけ減産をやっておった、こう言いかえても差しつかえないですね。春繭も減産をやっておった、こう解釈してよろしゅうございますか。
#42
○参考人(梶原東一君) 私ども養蚕の指導に当りましては、こういうふうに正量にするから、ぜひその分だけは、桑はこれだけあるから、余分に掃き立てをしてもらいたいということを技術員なんかに指導させるんですけれども、なかなか養蚕家はそういうわけにいかないのでございます。従いまして、先生御指摘のような結果になったということも考えられると思います。
#43
○清澤俊英君 その次に、この三百万貫の買い上げの問題についてお伺いしたいと思います。ただいま夏秋蚕対策としての最後の点として出て参りましたのは、提案の説明によりましても、農業団体等の切実な御要求もありまして、そうして三百万貫の買い上げをもって夏秋蚕対策の価格維持に振り向けるのだ、こういう御説明に提案説明はなっている。これで農業団体のということは、養蚕連のことだと思いますが、養蚕連の首脳部としてのあなた方は安定価格に盛られました十九万円、繭は千四百円、これが維持できるとお考えになってこういう要請をせられたのかどうか、これは非常に重要なところでありますから、一つお伺いしておきたい。この点は一つはっきり、農林省がいろいろ検討せられて、養蚕特別議員の中で、できました特別委員会、あるいは政調会それから大蔵省、農林省というような人たちが寄ってこういう案を立ててあなた方に示されたのか。この説明にありまする通り、あなた方がこうすれば価格は維持できるんだとして要請せられて農林省がそれをのんだのか、これは非常に重要な分れ目でありますので、一つ明確に御答弁を願いたい。
#44
○参考人(田原徳君) 非常に重大な点でありますので、あるいは言葉が足りないか、誤解を招くような点がありましたら、あとで訂正をお許し願いたいと思いますが、私どもは夏秋蚕の価格安定のために、先には二割の生産制限ということをやはり涙をのんでこれに踏み切らざるを得なかった。そうしてこの夏秋蚕になりますると、当時の状況と変りまして価格は安定いたしません。従いまして製糸業と折衝をいたしましても繭の価格というものははっきりと表に出てこない、というよりも出せなかったような業界の実情にあったと思います。そこで、私はそれぞれの機関に諮りまして、全量を自主的に乾繭保管をしておく、このことにつきましてはそれぞれの方面と話し合いをいたしましたが、今日夏秋蚕対策として特別の予算措置ももちろんございませんし、方法はない。そして全量の自主的な乾繭共同保管ということをいたしておったわけでございますし、現在もまたそうでございます。従いまして三百万貫をたな上げして繭糸価格の安定をはかる、こういうものではなく、私どもは全量を乾繭共同保管をして、それぞれの対策をお待ちいたしておったわけでございます。冒頭ごあいさつに申し上げましたように、それが非常に延び延びになりまして、今苦しい立場になっておりますが、われわれの考えはあくまで全量乾繭共同保管、そうしてこれに対しまして対策を立てていただき、所定の価格で取引のできるように客観情勢を作っていただきたい、こういうように考えておるわけであります。
#45
○清澤俊英君 ちょっと私の質問しているところをそれていたと思います。私の質問しているのはごく簡単でよろしい、あなた方がかりに現在全量を乾繭しておるが、これを全部何とか処置してくれと、こう申し出たが、うまくいかないので、従ってあとへ下って自主乾繭した分だけの三百万貫を一つたな上げしてもらいたい、こうあなた方が言うて出たのか、これは農林省がこういうことを考えてあなた方に相談を持ってこられたのか、こういうことなんです。あなた方の言ったところと狂ったところが出ておるでしょう。狂ったものが出ておるにかかわらず、この説明では農業団体等の要請云々と書いてあります。こう書いてあります。「生産者団体が約三百万貫を市場より棚上げして繭及び生糸の価格の安定を図ろうとしているので」こうある、あなた方はそういうことを言っておるのでそれを取り上げてやったのだ、こう考えられておる、ちゃんと出ておる。そこのところをいま少し簡単で、一口でいいです。一口で言ってもらった方がはっきりするのです。
#46
○参考人(田原徳君) お答をいたしますが、これは三百万貫というのではなくて、私は全量乾繭共同保管をして適切なる処置をお願いいたしたのでございます。ところが、いろいろの客観情勢、いわゆる工場やその他のいろいろな観点からいろいろ計算されたのでございますが、予算措置のためでございますか、三百万貫というふうに出てきたようでございますが、まだ正式に三百万貫をどうするかということを全養連といたしましてはお引き受けをしたわけでもなければ、三百万貫という数字にきっちり押えているというわけのものでもございません。
#47
○清澤俊英君 これは養連としてはのんでおられるのですか。全養連としては三百万貫でたな上げしてそれでよろしい、のんでおられるのですか、その点を梶原さんにお伺いします。
#48
○参考人(梶原東一君) 私どもの方では、今田原会長のお話がございましたように、全量のたな上げを主張したのでございますが、まあ予算的ないろいろな面からとうていそれは実行不可能である、従って大体二百万とかあるいはその前後の数字もいろいろ折衝の過程において出て参りましたが、結局少しでもよけいにたな上げをするということによって、御承知の通りに十四万円台に下落した、これは繭の値段にすると千円前後ということになりますので、その土台を引き上げるために、方法としてはあらゆる方策を講じなければならぬ、とりあえず予算措置によってそれができるということは、糸の買い上げでございますが、これはちょっと今のところむずかしい、それならばそれにかわるべき方法として繭のたな上げをというようなことになりましたので、その三百万貫につきましては、私どもは内々いろいろ調査をいたしまして、大体その程度が可能であろう、そういうような線を出したわけでございます。正式には私どもの方といたしましては、来たる来月の五日に役員会を、六日に総会をいたしまして、ここで正式にきめる、こういうことになっております。
#49
○清澤俊英君 そうしますと、のんでおられぬのですな、簡単でいいんです。のんでおらぬならのんでおらぬ、こうはっきり一つお答え願いたい。
#50
○小笠原二三男君 養連の方でも検討したんだから、その数字はのんでいるんじゃないか。
#51
○清澤俊英君 これはのんでおらぬならのんでおらぬで、はっきり一つお答えを願いたい。
#52
○参考人(田原徳君) それは……。
#53
○清澤俊英君 田原さんにお伺いしているんではない。梶原さんにお伺いしておる。
#54
○参考人(梶原東一君) これは夏秋蚕のとにかく繭価安定を一日も早くしなければならぬ、とにかく三月以上もたっておるようなものも相当ございますので、一日も早くしなければならぬというのが農民の声なんでございます。従いましてこの対策は非常に急がなければならぬというような関係から、私どもの方は全国的にいろいろな調査をいたしますし、全国のいろいろな意見も聞かなければなりませんので、正式にはそういったような次第で、来月の五、六日にきめることにいたしましたが、内面には各県といろいろ連絡して、こういうような方法でやっていきたいんだが、これに該当する繭はどのくらいあるか、あなたの県はどのくらいあるかというようなことで話を進めて参っております。ですから実際上におきましては、その三百万貫というものはとうてい、どうせそういったような形に持っていかなければならぬというような心づもりで話を進めてきた。しかし、そういう団体のことでございますので、一応事後承認とでもいいますか、正規の機関にはかって五、六日にきめる、こういうことにしております。
#55
○清澤俊英君 これは誤報かどうか知りませんが、ある通信の記事を見ますと、十月の「十六日午後五時から山梨県下部温泉で左記諸氏」とこうなっておって、それから群馬、東京、埼玉、長野、新潟、栃木、茨城、千葉等の八県かと思います。関東ブロックといわれるものが御相談せられて、その説明を養連側のどなたかがなさって、この三百万貫たな上げ相談をなさって、その席上におきましてはお断わりしている、こういうことが伝えられている。なお、梶原さんの御意向として、「三百万貫棚上げは繭価対策の土台」である。「全養連では右関東ブロック会議の決議による県連会長会議を二十一日午前十時から蚕糸会館において開催することに決定した。」これが五日に延びているかと思いますが、「尚関東ブロック会議において各県連会長異口同音で、全養連の繭三百万貫棚上げの政府案を諒承したことに対し弱腰しと非難したが、右につき梶原参事は十八日全養連で次の通り語った。
 「三百万貫棚上げは夏秋蚕繭価対策の基底をなすもので、これなくしては繭価がどこまで下るか防ぐことが出来ない。他のいかなる夏秋蚕対策もこれを前提として始めて生きてくるのである。関東ブロックが全養連に批判的だったというが、先般の常任理事会では全会一致で三百万貫棚上げを承認している。関東ブロックの態度はその点に関しては理解に苦しむ。」
 こういう発表をしておられる。この点は間違いありませんか。
#56
○参考人(梶原東一君) 多少話の過程で私がそういうふうに申し上げたことになっておりますが、あるいはそういったようなことを申し上げたかもしれません。しかし、関東ブロック会議で行われましたものは多少裏の話がある。と申しますのは、この三百万貫たな上げによりまして、私どもは全量を持っていこうということで自主乾繭をいたしておりました。ですから、その三百万貫で、全量に対するいろいろな施策が帳消しになるのではないかということになると、この三百万貫をうっかり取り上げるとそうなるぞという懸念が私どもにはあったわけであります。従いまして、関東ブロックにおいてもそれを一番懸念いたしまして、それを先にきめないとこの三百万貫の問題はちょっと取り上げると工合が悪いぞというような内輪のいろいろな裏面の思惑がありまして、そこで関東ブロック会議では、一応三百万貫問題はその先の話がきまらなければちょっと受けられないじゃないかというような話です。
 それから、今、先生お読み上げになった通りに、全国会長会議の要請がございましたので、二十一日に全国会長会議を開きまして、そしてこの問題について、いろいろ協議をしたわけでございます。その結果は、結局いろいろその当時糸価は十四万そこそこといったような状態でございまして、たとえば繭の値段にしても千円から千五十円というような話もちらほら出ておるときでございまして、従いまして先ほど申し上げたように、糸価を引き上げる、土台を引き上げるためには三百万貫やむを得ないであろうというようなことで、これを関東ブロック会議に御出席になった、会長の方も全員御出席になっておりました二十一日の全国会長会議ではこれをのむ、三百万貫にするということになったわけでございます。しかし、これは全国会長会議でございまして、私どもの全養連の団体とすれば、役員会総会において決定すべき事項でございますので、大体顔ぶれは同じお集まりになった会長ですが、実際にはそういう役員会とか総会という形に持っていかなければなりませんから、この五、六日に役員会、総会をやって、正式にこれを認めよう、こういうことになっているわけでございます。
#57
○清澤俊英君 これは非常な混乱した情勢でお話しになっておりますけれども、下部団体はなかなか承知をしておらぬということは御認識になっておりますか、幹部団体でなく、単協にまで下りましたらもうなかなかそれを了承しておらぬということは御承知になっておりますか。
#58
○参考人(田原徳君) 賛否いろいろの御意見が出て参りまして、ただいま参事から申し上げましたように、いろいろな、こういう場合にどうなるかというようなことで、事務的に検討されておりますが、正式に機関にはかかっておりませんので、まだどうとも言えませんけれども、賛否両論でございます。
#59
○清澤俊英君 この問題は一応その辺で打ち切りまして、次の段階に入ります。
 そこで、夏秋蚕に対しまする自己乾繭は、大体、総量はどれくらいになっているのですか。
#60
○参考人(梶原東一君) 夏秋蚕の乾繭保管と申しますと、私どもは最初から実は夏秋蚕における千四百円確保ということが、もし実際の生糸の値段から割り出した価格ということになると、だいぶ差が出てくるのではないかということを実は多少予想しておったのであります。従いまして何とかその千四百円に、本年度だけは千四百円にしてもらいたいということを政府にも、国会の先生方にもいろいろ御要請を申し上げておったわけでございますが、いろいろの面から検討してみますと、政府からいろいろ助成をいただくにしても、乾繭保管をして、その乾繭の経費というような格好でなければその助成がむずかしいというようなことが大体ほぼわかったのでございます。従いまして、これは一応全量乾繭保管の形にしておかなければ、できるだけ系統金融を利用して、そして何しろ設備を持っておりませんので、これは製糸と相談して製糸に乾繭してもらう、保管してもらうのだが、こういうような乾繭保管の格好にしておかないと補助金をもらうことができないのじゃないか。従って、そういう準備をしておく必要があるというので、一応全量乾繭保管という形にしたわけでございます。ところが、その後いろいろいきさつがございまして、たとえば春繭の足りないような地方を、早く糸にしたい、それでなければ工場は休めないというような地方もありまして、いつまでも全量を持って置くわけにはいかなくなりまして、そういうような問題もいろいろございまして、結局現在におきましては養蚕団体みずからが系統金融機関の金融によりましてそして純粋にたな上げする。たとえば補助金規制令なんかでやられました場合にもどこからつかれても大丈夫だというような数量というようなことになりますと、大体三百万貫前後の数量になるというよなことでございます。それで、これは私どもの方は全国のやつはまだまとまっておりません、この四、五日ごろまでに全部まとまるわけでありますが、一応まあ十府県の産繭額の非常に多い県、これは大体八割の産繭額を持っております。その府県について実態をいろいろ調査いたしまして、あなたの県ではどれくらい乾繭保管に持ち込むことができるかという調査をいたしましたところが、現在では約二百八十四万貫という数字が集まっております。これよりも多少ふえるであろう、あるいは三百万貫をオーバーするような数字が出てくるのではないかというようなふうに考えております。
#61
○清澤俊英君 先日、私どもはここで蚕糸局長に乾繭数量を聞きましたが、自分の手元に資料がないので養連にこれを問い合せましたところ、大体五百四十万貫の自己乾繭をやっている、こういう御答弁がありましたので、これは五百四十万貫を訂正して養連としては自己乾繭、すなわち自分の持つ乾繭所、もしくは製糸家等との関連でない自分が保管できる乾繭所に委託して乾繭した、農業協同組合自身が乾繭したものを二百八十四万貫と了承してよろしゅうございますか。
#62
○参考人(梶原東一君) 自己が持っております乾繭設備、あるいはその倉庫に保管しておる数量はこの中でもごく少いのでございます。ほとんどが製糸に委託して乾繭し倉庫に入れておるという数量が大半だと思います。それは、最近そういう倉庫とかそういったようなものを使っておりませんので、一、二県には協同組合自体が持っておるものもございますけれども、あとはほとんどございません。従いまして、その製糸業者に頼んでやりませんとそれが行われませんから、それでほとんどこの大半は製糸業者に依頼してやったものだと、五百何十万貫という数字は実はこういう解釈を初めしたわけであります。その金融がいろいろな府県の信連の需要がございまして、ちょっとその貸し出しが受けられない府県がございます。そういうような府県におきましては系統金融から金融を求めることはちょっと困難だった、そういたしますと、製糸からそれじゃ金を借りて製糸から仮渡し金というものを出してもらいますというと、これは仮渡し金、内渡し金ということになると、所有権の移転ということになりますので、製糸に渡ってしまう、その製糸に渡ってしまわない方法とすれば、その製糸から仮渡しをもらうのではなく、仮渡しに相当する額を製糸から養蚕団体が借り受けまして、そうしてそれが養蚕家に対して仮渡し金をする、いわゆるあくまでその製糸家との間には貸借関係だ、こういうような道をとりまして、乾繭保管を少しでも、ほとんど全量に近いものをしようということでやったわけでございます。そういったようなものを入れますと大体五百何十万貫という数字が出てくる、しかしそれは今申し上げましたように、つまり製糸から金を供りてやったとはいうのですけれども、製糸の取扱い方はもう自分の工場に入れたかのような感じを持っておるところもございますので、私どもが純粋に系統金融でほんとうにやったという数量は大体今の十府県におきましては二百八十四万貫程度だ、それも貸借関係だから差しつかえないということになれば五百何十万貫という数字が生まれてくる、さように存じます。
#63
○清澤俊英君 それは逐次あなた方にお伺いしようと思っていることを全部言ってしまった。われわれは非常に不審に思いましたことは、先般蚕糸局長に三百万貫買い上げを対象とするものは何なんだ、こう聞きました。そうしますると、自己乾繭したものを買い上げる、ところが、あなた方の方では三百四十万貫、今聞きますれば買い入れの形式で概算払いしているなり何なり、大事なことですよ、いいかね。製糸家から金を借りてきて一応あなた方の手で養蚕家に金を払っているのだ、概算払いをしているのだ、従ってこの繭は所有権はあなた方が持つというものが五百四十万貫だ、こう解釈してよろしいのですか、今の御説明でいきますと。それとあなたは、先ほどからわれわれは全量乾繭保管をやってきたのだ、この全量保管乾繭と自己の有しまするところの乾繭施設等をもって乾繭したということと、従ってわれわれは、この乾繭所有権は、臨時措置法の出ましたとき、この五十万貫は大体だれがいかなるところで乾繭するのか、それに対しては、農林省が少くとも中間に立って製糸家とこれの委託乾繭のできるようなあっせんをしなければこれはできないのじゃないかとわれわれは主張してきたのであります。ところが、そういう所有権に対しては憲法の規定するところによって強制するわけにいかない、こういう御返答で実は困っておったのです。だから全量乾繭をしたと、われわれ、私は新潟でありますが、梶原さんも御承知の通りだ、新潟県の養連にいたしますれば全量乾繭したというのです。全量乾繭はやっておるのであります、こう言うのであります。その全量乾繭が、われわれがよく聞きますれば、決して全量乾繭にあらざるものを全量乾繭と梶原さんはおっしゃっておる、これが大体私は納得参らぬと思うのです。それで、自分が自由になる乾繭というものが二つに分れている。今お伺いしますと、農業協同組合が所有権を現在持つ乾繭の方式を持っておるものが二つであって、その一つは自己乾繭と称する二百八十万貫、一方におきましては五百四十万貫、二つのものが出ておりますが、その間のいきさつを一つわかるように説明していただきたいと思います。同時に、全量乾繭ということにつきましては大体わかりましたから、これは別にお伺いします。
#64
○参考人(田原徳君) 専門家の清澤先生なので、大へん微妙なところに、こうむずかしさが出てきているようでございますが、私どもが乾繭共同保管を自主的にやるということは、販売はしないのだ、乾繭器は持っておりませんから、製糸場の乾繭器を借り、倉庫もありませんから、製糸場にしばらくお預けしておきます。しかしながら、販売はしない。それはあくまで自主的に乾繭共同保管であるという建前でやっているわけであります。それは全景でございます。もちろん夏秋の一部、早い時期に乾繭共同保管を自主的にやるという方針を立てる前に、夏蚕として早く出た分が一部なくなっているようでございます。これは見ておりませんが、そういうような解釈をいたしまして、私どもは全量乾繭共同保管、ただ養蚕農家におきましては、どうしても今までの慣習からして、仮払金というものを少くも八割程度のものを、その繭を持ってきたときに受け取らなければならない、そこで初秋期におきましては、でき得る限り系統農協の資金を利用いたしまして、いわゆる県養連が信連から借りて、県養連が直接これを支払ってきた。この数字がさっき出た数字でございますが、その他の信連においてそれだけの資金の手当のできないところ、あるいは県養連に対して貸付の決議をしておらないところにおきましては、一日も早く農林中金の資金を回していただくということをお願いいたしたのでありますが、いまだに農林中金の資金というものは出て参りません。そこで従来の関連と、ことに本年は、いろいろな災害ばかりではございません。金が現金として出てくるものが少いために、早くくれ、早くくれということから、これを一応乾繭保管をいたしましたものが製糸の倉庫に入っておりまするから、担保として養連が金を借りて、単位農協に支払っている。これを私どもは自主的な保管と解釈いたしているわけでございます。ただ今のように、それがいろいろの糸の引き方その他において経理上帳簿を見たり、会計検査院がこれを見た場合、必ず補助金の適正化法というようなものに当てはまる問題かどうかということは、さきに一貫日当り二百円ずつ乾繭共同保管並びに金利、倉敷料としてこれを補助して下さるのだというようなお話がありましたので、その際に、それが必ずしも適正化法に合うかどうかというような問題が出ましたので、数字にいろいろといきさつが出てきまして、あるいはそれは三百万貫、あるいは五百万貫というお話が出ております。しかしながら、乾繭共同保管を自主的にやったということは、解釈は、ただいま申しましたように、売買契約、これから価格の協定をやるのですから、まだ価格協定をやって糸を引いているものはございません。製糸場ではどんどん早く繭をよこせということを言われております。毎日のように責められておりますが、今政府の対策がきまりませんと千四百円というものをどうして持っていくか、二百円下さるならば千二百円としてこれからこの土台を作らなくちゃいけませんから、そういう関係からいまだに繭価協定というものはいたしておりません。従いまして、所有権はあくまで現在は養蚕家の手元にあると信じておりますから、その数字が違ってきていると思います。
#65
○清澤俊英君 そうしますとね。またくずれてきた。二百八十何万貫というものは自己乾繭である、その次には、少くとも農協が所有権として持つものが五百四十万貫、会長の言われることなら全乾繭である。現在今製糸家に団交の未解決のまま渡して、そうして概算払いをしている、その全体があなた方のものだ、こうなる。三つに乾繭保管ということが分れております。一体われわれはどれをとってよろしいのか、これをとると同時に、三百万貫はいかに処理されるかという問題をお伺いしなければならぬ。これを黙って聞いておりますれば、いろいろわかったような、わからぬようなことを言われるが、結局三百万貫の買い入れ、千二百円の保証を得るものはあなた方の今腹の中にある。二百八十何万貫、これに該当するものとわれわれは考えざるを得ない。それで、これにのっけたものは一体どうなるのか、こういうことも考えられる。これは別に後に数字的にお伺いしますが、まず第一に、三つに分れているものをわれわれは統一して、どう考えてよろしいのか。たくさん、めんどうなことは言わないでよろしい。二百八十万何千貫、このうち自主乾繭というものの性格、それから五百四十万貫というものの性格、全乾繭というものの性格、この三つがどう違うのだか、これはもうたくさん御説明は要りません。ただ問題は、自己乾繭というものである限りにおいては、これは農業協同組合の自由になるのであります。従ってこれに対しては、製糸家は一つでも手をつけたら、これは大へんな問題だ。そうしまするならば、それに対しまするおのおのの契約があろうかと思う。契約書等を作成して、末端に流して――そういう契約をしてなさったのかどうか。あなた方の頭だけで、そういうことになっていると御解釈になっているのかどうか。その点を明確に――これは重大な問題でありますので、この法案が生きるか死ぬかのせとぎわだろうと思う。従ってこれは、私はどこまででも追及して参りますので、そのつもりで、私の納得いくまで一つ――大部分が納得して、私が納得いかぬければやめます。だが、おそらくこれは、お聞きになったどなたも納得が参らぬだろうと思う。何が何だかさっぱりわからない。そこをはっきりわからしていただきたい。
#66
○参考人(田原徳君) お答えいたしますが、それはただいま申し上げましたように、乾繭共同保管というものの認定のいかんにあろうと思います。と申しますことは、私は、販売をしないで、自分が、養蚕連合会が金を借りて一応支払っておった。あるいは信連でありましょう。あるいは全購連でありましょう。あるいは工場から借りているものもあるかもしれません。そのいずれを問わず、販売契約をしないものは、あくまでも自主的な乾繭共同保管であるという解釈のもとに立って申し上げておりますから、私の申し上げているのは全量だと申し上げている。(小笠原二三男君「それはいい、それでその二百八十何万貫というのは何だ、それは」と述ぶ)だから、それは自由に自分でそれを持ち出す、こういうことに対して――たとえば三百万貫繭を作ることに対して自由に持ち出すことということになりますれば、いろいろな貸借関係から、乾燥料金、倉敷料というようなものもあるでしょう。それを今この程度――私は全量を買ってくれろということを言っているということは先ほど申し上げた通りでございますが、今参事の方で、いろいろとこの事務的な計算から出た場合に、そういうように今すぐに持ってこれるものですが、製糸が承知しなければ、これはなかなか自由に――自分たちのものだからと言っても、そういういろいろな経費がかかっておりますから、それは出てこない。従いまして、二百八十万貫というのが適切か、五百四十万貫というのが適切なのかは、よくここで今話してみますが、私はただいまのような解釈が全乾繭であるとするならば、全量であると、こう申し上げているのであります。
#67
○清澤俊英君 しからば、糸は、繭は製糸家に委託保管をしていただいているのだ。その契約書はありますか。覚書はありますか。
#68
○参考人(田原徳君) みな持っております。持っております。そういうような乾繭共同保管ということで、いろいろ製糸に乾繭の、委託乾繭というような契約のもとにこれをやって、検定も受け、準備をしております。それから各製糸から、一日も早く価格をきめて渡してくれという要求が各県養連に集まっているということは、はっきりとこれを私は証拠づけるものだと思います。
#69
○清澤俊英君 末端では、私はそうは聞いておりませんですがね。そこのところが非常にあいまいだ。糸屋は使っているだろう、こういう傾向は相当あります。あなた方の委託した繭を、これが委託の乾繭である……。これは拒否したのでしょう、一応。委託乾繭は一応製糸家が拒否したという話は前に聞いているのだ。
#70
○参考人(田原徳君) ただいまの拒否されたというのは、春繭のときでございまして、夏秋蚕繭につきましては、進んで協力を賜わっております。
#71
○清澤俊英君 その何ですか、しからばその契約は、中央段階において覚書並びに契約書を取りかわされたのか、あるいは各末端の委託製糸家と出荷協同組合とが契約書を取りかわされたのか、どういう形式になっているのですか。
#72
○参考人(梶原東一君) この契約書の問題は、私ども全養連が直接やるわけではございませんので、全養連といたしましては、委託乾繭要綱というものを作りまして、各府県にこれを示しております。春繭の場合も、そういう方法をとっております。これは各府県に趣旨の徹底をするように、全国参事会も開きますし、ブロック会議も開きまして、その趣旨の徹底方も十分にやっておるつもりでございます。従いまして、それに従いまして各府県においては、製糸との問にそういったような条項で契約が取りかわされたであろうと、かように存じております。
#73
○清澤俊英君 そうしますると、あなた方の見たところでは、大体全量千六百万貫が――その幾分は逃げておるかもしれませんが、少くともそれに近いものが全量ですから――乾繭だけで済んだ。そのうちから、どういう形で――三百万貫をたな上げする場合にどういう形でたな上げしていかれるのか、これも同一条件に置かれる繭でありますので、従って農林省が言われるような自己乾繭したもの云々と言われると、農林省は自分の設備を持ったもので、自分で乾繭して、自分が持ったものが対象だと、こうこの問題弁せられております。それだというと、ごくわずかでも問題になりませんが、従ってそうしますると、今のような契約による委託乾繭ですね、預けた乾繭――預けたのですよ、こういう乾繭は非常な数量の多いものなんです、これが。これに対しては千二百円か、とにかくこの法律が通りますると、あなた方の手元に入る。入るのです。そうしますると、この各県におきまする割当等が、非常に数量が不足になりますので、紛糾すると思いますが、その取扱いをいかようにせられるのか、大体において、各県に振り当て等が、もう大体予想してできておられるのかどうか。
#74
○参考人(梶原東一君) 私の方では、全国の参事を集めまして、いろいろ検討をいたしましたところ、産繭額の少い府県におきましては、それをたな上げされることによって、製糸業が休業しなければならぬというような事態があって、その乾繭を、この三百万貫の中に持ち込んでくることはちょっと困難だというような事情がございます。従いまして大体製糸に依頼をして――先ほど政府の方から、自分の乾繭設備、自分の乾繭保管倉庫によってやられたものが二百万とか、三百万とかというお話のようであったようですけれども、それは私どもちょっと了解に苦しみます。そういったような数字はないと思います。それだけの設備はまたございません、現在におきましては。従いまして、この各府県でやっておりますこの二百何十万と申し上げたものも、大体大半が製糸に委託してやった。それから、たとえばその春繭におきましては、先ほどのお話にありましたように、製糸の方から拒否されまして、乾繭を引き受けるということはできないということで拒否されまして、従いまして、その乾繭倉庫業者というのがございます、いわゆる繭問屋といったようなものがございます。そういうところに委託してやりましたところが、これは非常に――製糸に拒否された、そうすると自分のところに持ってくるよりほか、乾繭保管の方法がないからというようなことで、全部いろいろ相談して、乾繭料を非常に高くつり上げ、あるいは保管料をつり上げるといったようなことで、政府からいただきますあの基準によりましては、かえって不足を生ずるような状態になってきて、従いまして今度の夏秋の場合も、大体政府から出てくるのが春繭と同じような率によって出てくるということが予想されましたので、そういう保管業者に頼んでやるというと、経費の面でかえって赤字を生ずるようなおそれもあるので、製糸家とできるだけ相談をして、製糸でやれば、これの何分の一かは実際には少くて済むわけなんですから、そういうような面で、製糸とよく交替しながらやってもらうようにしてもらいたいというような話をつけまして、製糸に頼んで乾繭し、保管をしたわけございます。
#75
○清澤俊英君 そこのところがどうも不明確なのが残っております。せっかく全乾繭をして――製糸家が困ればこそ適正価格が出くるのじゃなかろうか――あるいは無理な適正価格が出るかもしれないが、それだけの強力なカルテルが結ばれてこそ、問題が解決点に入るのじゃないか。しかるに片側から、困るからと言われて出してやったからというような問題になると、何のために全乾繭を差し押えようとしているのか、これをずんずん拡大していきますならば、八百円の概算金を貸したのか、概算金で払ったのか不明確になってしまうだろう。今、会長は製糸家からなんて金を借りていない、大体は私がこしらえたと大みえを切っておられるが、大部分は製糸家から出ているのですよ。この膨大な金を全養連が作る能力を持っておりますか。持っていたら大したものなんです。どこからお借りになったか知らぬけれども、政府も中金もかまわぬといっているのにそれができたということになると、これは奇想天外、われわれはその偉大なる能力に対して脅威を感じておるわけであります。そうすれば大体において先ほどの御説明のように、製糸家から借りて一応はやった。これが最善の策だろうと思う。そこのところが大体末端においては、私が聞きまするところでは非常に不明確になっている。概算金で取っているのか、覚書があるかといって聞きましたら、覚書がないというところもあります。使っているのかというと、使っていると思います。こういう状態で進行しているのか、何が何だかわけのわからぬ御説明であったが、全くわれわれは納得しかねる。あなた方がおっしゃっているような状態ならば、もっともっと問題は早目に私は解決すると思うのですよ。それこそちょっと不当に養蚕連なんかと結んで、日本の蚕糸業界を壊滅せしめるというような世論がもっと出てくると思う。全部ストップしなければなりませんから、そう言っていないですよ。私は言っていないと思うのです。そういう声はまだ一つも聞いておりません。その中の三百万貫やるという乾繭の振り分けに対し、二百八十何万貫、五百四十何万貫だ、そこにわれわれは納得しがたいものを認める。どうしても私は会長並びに梶原さんは、今やっている委託乾繭はこれはどこまでも委託であって所有権は農協がまだ持っておる、こう言い切られます。明日にでもこれをとめるといったら製糸会社の機械が全部とまるという、それは幾らか気持もありましょうが、すぐとまるとは考えられないが、一大脅威を与えるような状態に契約が行われているのかどうか、それができるのかどうか、そこまで混乱に陥れるということは別ですが、しいることができる状態に契約がなっているのかどうか、それを違反した場合には法律によって仮執行でも何でもして、操業を停止して使うことをとめるまでの力があるとここで言い切られますかどうか。
#76
○参考人(田原徳君) ただいまの御質問の中に製糸家から金を借りずに私が金を作ったと、まことにどうも大した手腕だということでございますが、それほどの手腕はございません。私が申し上げたのは農協、系統機関から、あるいは銀行その他の筋から、それから製糸工場からそれぞれ養連が借りて、これを単協に支払っておる。現在は売買契約をいたしたものは、これは全部とは言われませんけれども、まだ売買成立したというものは聞いておりません。ということは、われわれが要求しておりまする最低価格保証の制度がまだはっきり出てきませんので、どこまでもわれわれはその価格を支持する意味において今乾繭共同保管をいたしております。従って、この売買を成立するということは全く政府の対策待ちというような格好で今日まであらゆる苦痛を忍びながら養蚕家に同調を求めていたわけでございます。ところが、これはただいま申し上げましたように、製糸家から養連が借りてこれを支払っていると、こういうので売買はいたしておりません。一部はわかりません。一部のものは先ほど申し上げましたように、こういう制度のできる前に出たものがありますから、これについてはわかりませんけれども、大方のものはこの乾繭の自主保管によって最低繭価を獲得するようにしていただきたい、こういうことを衆参両院の先生方に常にお願いして歩いておるわけでございます。
#77
○清澤俊英君 それでは、まことに御迷惑だろうと思いますが、契約の、模範契約の写しを一部参考として提出していただきたいと思います。委託に対する写しを。それから末端に流されました指導要綱。第一が契約に対する写し、それから第二が指導要綱をちょうだいしたい。第三番目には、まだ非常に不明確なものがありますので、従って末端の農業協同組合が自己のものとして主張し得る全数量を可及的に早く取りまとめて出していただきたい。そうしますると、それが出て参りますれば、二百八十二万貫あるいは五百四十万貫という数字は消滅して、提出せられましたるその確定数量が現在の乾繭数量であるということに私は解釈してよろしいのじゃないかと思いますので、その点をお伺いいたします。
 そしてこの質問はここでちょっと打ち切って、次へ移りたいと思います。
#78
○参考人(田原徳君) ただいま仰せつけいただきました三つのものにつきましては、ただいま数字を持っておりませんし、その写しを持っておりませんので、御指定の期日にこれを持って参りたいと思いますから、あらためてその際一つ御審議を願います。
#79
○清澤俊英君 もう一度確認しておきますが、それがまとまりますれば、農協が自分で所有しているものであるという確定数が出ますれば、先ほど来御説明になりました二百八十二万貫あるいは五百四十万貫という数字は、これは消えて、それを基本にしてよろしいか、こういうことであります。私は結果においてよろしいものと思います。
#80
○参考人(田原徳君) あらためて提出いたします。
#81
○清澤俊英君 これで大体……。まことに声も大きくなりましたが、これで打ち切って、次にちょっとお伺いいたしますが、これに関連しまして、せっかく今全国で持っております数十個所の乾繭処理所がほとんど休眠状態になっておる。私は初めからこれはここで使われまいと、無理であろう、こういうことを言っておったのでありますが、この乾繭処理ですね、これは一体今どういう形で処理されておるか、処理というか、保管をされておるか。と申しますことは、私の最近までに知っておりまするところでは、これは二十二年かと思いますが、例の蚕糸統制会社が解散いたしました際、解散金のうちから養蚕家に対してなんか貫二円ということでありましたか、なんか二円が単価でこれは養蚕家に引き渡されて、それが結局金で渡らんで、各県の旧来の乾繭所が養蚕農民の手元へ返ったと思う。ところが、その形が現在におきましては県養連、県乾繭組合というようなものが、わずかの幹部で乾繭組合を組織して、これが管理しておるのじゃないか、こう思う。また、ある所では郡養連等で買っておる場所がある。それを中心にして製糸会社等を作っておる場所もある。いろいろまちまちになっていると思うのでありますが、大体全国的に見まして、この乾繭の管理状態が養連との関係においてどうなっておるか。この点をお伺いしておきたい。
#82
○参考人(梶原東一君) 今の清澤先生の御指摘の通りでございまして、いろいろな形になっております。一番農協で運営をしておりますというのは、新潟県が大体その大半を農協で運営をいたしております。あとは所有権が農協にあります、あるいは郡養連とか、あるいは県養連とか、乾繭設備を一番多く持っておりますのは、埼玉と新潟でございます、団体が持っておりますのは。統制会社から払い下げを受けまして持っているのは埼玉と新潟が一番個所数は多いのであります。しかし、実際に運営しておりますのは、先生御承知の通り新潟県におきましては、郡養連、あるいは村の農協がやっているところもあります。そんな格好で団体が大体において新潟県では運営をいたしております。しかし、ほかの府県におきましては、なかなかこれは産繭額が少くなってしまいましたものですから、年間わずかの数量でいたしますというと、これの経費が非常に膨大なものになる。従いましてその乾繭料というものが、たとえば貫当り四十円とか、五十円とか、あるいは六十円も取らなければならないというような、維持ができないというような状態になって参りまして、ほとほとこの維持には手を焼いておるような状態であります。従いましてほかの県におきましては、所有権は団体の所有権であっても、これを実際製糸に貸し付けておる。貸し付けて製糸がそれを借り受けて運営をいたしておるというような設備が大体大半だろうと思います。ほかの府県の状況では、その後繭が非常に少くなってしまって整理をしてしまってなくなったり、そういうような状態で、今この乾繭設備の方は、私どもと違います全国乾繭連合会というようなふうに別に組織を作りまして、全乾連の方に加入してやっておるような状態でございます。
#83
○清澤俊英君 それが問題だというのです。そういう全乾連というようなものが入り用かどうかということなんです。養連で吸収できないのかどうか、養連のものであります。生産農民と関係のない別な組織で、生産農民に返った金でそれが管理せられているということはおかしいじゃないですか。従って大倉製糸のような問題も出て参ります。いろいろ不快な問題も出てくる。水沢の乾繭所のような問題も出てくる。もう売り払ってしまって何も跡形もない。そういう複雑のことをしないで、当然過去の経緯によって、それが生産県で二円で買ったとするならば、私は正当に養連がこれを吸収して、そうしてその始末をすべきものだ、それが正当な形ではないかと思います。しかるにいまだかつて、場合によりますと何ら養蚕に関係のない、下部に忘れられた幹部がこれを管理している。そうして全国乾繭連を作っている。利用もしないのに作っておって、その経費は大体どこから出るのだろう。しまいには経費のために、農民にせっかく返ったものを売られて、それらの幹部が分けるということになると思う。金で分けなくても、長い間の幹部の会合、あるいは手当、その他いろいろなものに片っ端から食いつぶされるということよりほかに考えられない。そんなばかなことをどうしてやっているのか、実際そういう情勢にあるものなら売り払ってしまうことも一つの方法だと思う。そうして非常に微弱でありますところの養連にそれは返るのが正当であると思う。最もこういうことには精通して、その当時最もこれに力を入れられました梶原さん等が養連の中心の参事として控えておって、これらのことがどうして解決できないのか、私は全く不合理のものが残っておると思うが、こういうものに対していかようにお考えになりますか。
#84
○参考人(梶原東一君) 第一その乾繭の乾繭所が非常に古いということが一つの大きな問題なのでございます。統制会社が買い入れました当時に、すでに非常に古くなっていた設備を統制会社が買い入れた。ところが、戦時中からずっと非常に物資が窮乏しておりましたために、この乾繭の設備の修理ということは実に容易ではなかった。それですから、統制会社が払い下げました当時には実に、非常に悪い言葉でいいますと、ボロボロになっておったような乾繭所も非常に多かったわけであります。一部には、倉庫なんかは鉄筋のいいものもございましたが、ボイラーやその他は使用に耐えない。従いまして、これを運営していくためには、建物、それからボイラーとか、乾繭器といったようなものをかえていかなければならない。しかも乾繭技術というものはどんどんやはり変って参りまして、旧来の乾繭器ではなかなかうまく乾繭ができないというような状態で、乾繭器を取りかえなければならないということになりますと、莫大な資金が要る。それも年間一乾繭所で五、六万貫以上の乾繭を行うことができるのであればある程度まで償却もできますが、二、三万程度しか一カ年間に乾繭所が乾繭する乾繭の量がないということになりますと、なかなか維持なり経営が困難であります。そんな状態でなかなかそれがうまくいかなかったわけでございまして、従いまして売却したりあるいは縮小したりというような事態も出てきておろうと思います。現在におきましてもだいぶ運営には苦しんでおるようであります。
 それから全乾連との問題は、これは全乾連の中には、農業協同組合の所有しておるものも全乾連の会員になっておりますし、それから統制会社が払い下げをいたしましたときに、民間業者に払い下げしたのもあるのでございます。それが乾繭倉庫業者として営業しておるものもかなりあるわけでございます。たとえば豊橋方面のごときはそういう状態でございます。従いまして、そういったような業者のものも全乾連の会員として入っておるというようなことで、全乾連は私どもの方とはちょっと状態が違うわけでございます。業者と農協の両方が入って作っている。そこで御指摘のように、全養連に吸収合併してやるべきじゃないかというような議論は私の方にもございます。過去におきましてもそういう議論が何回も出まして、いろいろ交渉を重ねたり検討をしたことはございましたが、しかし、今申し上げましたように、養蚕家だけでなく業者の入っている全乾連といったようなものがなかなか思う通りには参りませんので、これは未解決のままに実はなっている、こういう状況でございます。
#85
○清澤俊英君 わしは梶原さん、その利用率のないことはよくわかっているのです。その利用率のない、利用できないもの、だからこの間も自己乾繭をするのは、須賀君が何百何十カ所全国にあります、乾繭能力は何十何万貫という話をせられましたけれども、それは架空であります。そんなものはあっても使えませんとはっきり言うている。そういうものを今さら乾繭組合というようなものでもっていくことが不合理じゃないかというのです。大部分は農民のところに返ったのでしょう、業者が少しは入っているかもしれないけれども。これらのものは話がつくだろうと思う。今の八十万養蚕農家といいますか、あの統制に入りますときはその数倍はなかったかと思われる。また、繭の生産率も数倍だったと思う。数十倍だったかもしれない、そう当時は。その農民が出したものを今二重の組織で持っていることは不経済であり、従って農民に何ら利益がなくて、そういう一部の幹部だけで始末してしまうのじゃないか、こういうことを私は申し上げている。早く始末して養連にでも入れれば幾らかでも農民の手元に返ってくるのじゃないか。農民の役に立たないものをなぜ持っているか。あなたの言うことはよくわかるから言うのです。これに対して何か一歩進めるお考えをお持ちになるかのかどうか。進まれるということは私は正当だと思う。これを言いましたために、私は新潟県においてはビラをまかれてひどい目にあいました。清澤は選挙のために農民を扇動して云々とか――私の言うことは正当であったと思う。そこで、そういう昔の乾繭組合の幹部十六人くらいがこれを持っているということは不合理である、こういう議論を吐いてひどい目にあいました。私はそういうことは今でも不合理だと考えますので、新潟県に最も精通していられる梶原さんとしては、これらの点を一時も早く解決されていただきたい。現に十日町におきましてはそれを中心にして組合製糸ができ上った。六日町でもこれを利用している。あなたがおっしゃる通り農民の手元に返って利用度を高めようとしている。また、売って何かにしようと考えている。それのできないところはだんだん腐っていくだけなんです。しまいにはぐにゃぐにゃになって中条の乾繭所のごとく、大倉製紙に二十九万円で売りましたが、時価三千万円というような、不快千万なものがそこに出てくる。これは全く不快です。一つ養連の中に入って、一日も早く解決せられることを私はひとえにお願いしたいのです。これで私の大体の質問を終りたいと思います。
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#86
○委員長(関根久藏君) この際、委員の変更について御報告いたします。
 本日、青山正一君が辞任され、小山邦太郎君が選任されました。
  ―――――――――――――
#87
○委員長(関根久藏君) 参考人の方に申し上げますが、要求されました資料はできるだけ早く御提出をお願いいたします。
#88
○参考人(梶原東一君) 承知いたしました。
#89
○参考人(田原徳君) ちょっと一言。ただいま清澤先生からのお申し立ての点につきましては、すみやかにそれを提出するようにいたします。
 ただ、冒頭申し上げましたように、この繭糸価格の問題が八十万の養蚕農民の上にと申し上げましたが、そのことがまた関連いたしまして、非常にたくさんの農民並びに農家の購買力に依存をいたしております中小都市等において、だいぶ差が出てきているのでございます。そこで、でき得る限り早い機会にこれらの安定の施策を御決定いただきますことを特にお願い申し上げたいと思います。
#90
○小山邦太郎君 先刻、清澤委員の御質問によりまして、私もお尋ねをいたしたい点が明らかになりました。それは、政府の施策は四囲の事情が、繭糸価格維持のために百五十億を限度として施策を講じようという当時とは、事情が変って参りましたので、従って、これに対する施策の変るのも当然と思うのでございまするが、ただ、三百万貫乾繭に対するこの処置と、それからやがて養蚕農民のために特殊機関を作るということだけで、いわゆる自主乾繭を慫慂されて、これに従って行なった一千万貫に近い乾繭を行なった養蚕家がこれでおさまるか、これは私も非常に心配しておるところである。今伺うことによって、全養連は関東における有志幹部はこの状況を放置しておけば、さらに農民のために悪影響ありという観点からやむを得ざるものとお認めになったようではあるが、全国の養蚕代表者がまだこれを認めたことになっておらぬ。従って、これを放置しておくと、なかなか容易ならざる騒ぎが起きてくるおそれが多分にあると思うのです。かくのごとく糸価並びに繭価が大変動をいたし、政府もまた百五十億に加えて五十億を増し、当初要求の二百億には達したものの施策一貫を欠き、ためにこれまで骨を折りながら、なお多くの蚕糸業者に不満を与えるということは、私は日本の蚕糸業の将来のために非常に憂うべきことである。使う金は必ずしも少いものではない。にもかかわらず、その結果が多くの人々を納得させ、喜ばしむるに至らないということになったのでは、はなはだ遺憾に思いまするので、どうぞ委員長におかれては、引き続きこの委員会においてきわめるところをきわめて、そうして早く、そう万全を期することはなかなかできますまいが、全力を傾けまして、まず納得ができ、多くの人々が、そうして次の蚕糸業の発展に進み得るように願いたい。聞くところによれば、桑畑転換のために相当の予算措置も講ずるようですが、これとて少し不況に見舞わるればやれ抜き取りと叫び、少しよくなればまたどしどし植え付けろと言う。これではしようがない。私はやはりこの施策の中には改植に対する手当も十分織り込んでもらわなければならぬのではないかとも思います。その他幾多にわたって御質問を申し上げたい――御質問というよりはむしろ希望を申し上げたいと思っておるのでございまするが、きょうはすでに長い時間でもございまするし、私も委員になったばかりですから、次回に一つ発言の機会をお与え願いたいと思います。望むところは、なるたけ早くこの問題を中心にとっとと進めて、そうして是正すべきは是正して、問題をすみやかに解決して業界を安定せしむることが肝要であると思うのでございます。よろしくお願いいたします。
#91
○委員長(関根久藏君) 本件は、この程度にいたします。
 参考人には長時間にわたりまして御苦労様でした。
 残余の議事は後日に譲り、本日は、これをもって散会いたします。
   午後三時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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