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1958/11/04 第30回国会 参議院 参議院会議録情報 第030回国会 農林水産委員会 第13号
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1958/11/04 第30回国会 参議院

参議院会議録情報 第030回国会 農林水産委員会 第13号

#1
第030回国会 農林水産委員会 第13号
昭和三十三年十一月四日(火曜日)
   午後二時六分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十一月一日委員小山邦太郎君辞任につ
き、その補欠として青山正一君を議長
において指名した。
本日委員仲原善一君及び安部キミ子君
辞任につき、その補欠として小山邦太
郎君及び吉田法晴君を議長において指
名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     関根 久藏君
   理事
           藤野 繁雄君
           堀本 宜實君
           東   隆君
           北村  暢君
           河野 謙三君
   委員
           秋山俊一郎君
           雨森 常夫君
           伊能 芳雄君
           小山邦太郎君
           重政 庸徳君
           田中 茂穂君
           大河原一次君
          小笠原二三男君
           河合 義一君
           清澤 俊英君
           北 勝太郎君
           島村 軍次君
  政府委員
   農林政務次官  高橋  衛君
   農林省蚕糸局長 大澤  融君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十三年七月、八月及び九月の
 豪雨及び暴風雨による被害農家に対
 する米穀の売渡の特例に関する法律
 案(内閣送付、予備審査)
○農林水産業施設災害復旧事業費国庫
 補助の暫定措置に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣送付、予備
 審査)
○繭糸価格の安定に関する臨時措置法
 の一部を改正する法律案(内閣送
 付、予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(関根久藏君) ただいまより農林水産委員会を開きます。
 最初に、委員の変更について御報告いたします。
 十一月一日小山邦太郎君が辞任され、青山正一君が選任され、本日仲原善一君及び安部キミ子君が辞任され、小山邦太郎君及び吉田法晴君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(関根久藏君) 議題に追加して、去る十一月一日、当委員会に予備付託となりました昭和三十三年七月、八月及び九月の豪雨及び暴風雨による被害農家に対する米穀の売渡の特例に関する法律案(閣法第三九号)(内閣提出、予備審査)及び農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第四〇号)(内閣提出、予備審査)を一括して議題にいたします。
 まず、提案理由の説明を求めます。
#4
○政府委員(高橋衛君) ただいま上程されました昭和三十三年七月、八月及び九月の豪雨及び暴風雨による被害農家に対する米穀の売渡の特例に関する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 御承知の通り本年七月以降九月に及ぶ間において屡次にわたりわが本土に来襲いたしました台風並びにこれらの台風に前後して各地を襲いました豪雨によりまして、狩野川のはんらんにより惨害をこうむりました伊豆地方等、米穀の生産に損害を生じ、その減収により飯用食糧にも事欠く農家を生じている状態であります。
 ここにおきまして、政府はかかる農家に対しましてその食糧の不安をなくするために、政府所有の米穀を特別価格で売り渡し、他の災害対策と相まって米穀の再生産確保に寄与したいと考えましてこの法律案を提案した次第であります。
 次に、本法案の骨子につきまして御説明申し上げます。
 第一点は、本法案の対象となる災害は、本年七月、八月及び九月の豪風及び暴風雨により政令で定める地域内において生じた災害と規定しております。すなわち適用地域は政令で定めるのでありますが、被害の程度を調査いたしまして、これにより地域の指定をすることといたしているのであります。
 第二点といたしましては、本法案によりまして米穀の売り渡しを受ける農家は、その生産する米穀が災害によって著しい減収を来たし、そのため、その生産する米穀が飯用として消費する量に著しく不足する旨の都道府県知事の認定を受けることといたしております。
 第三点といたしましては、政府は都道府県及び市町村を通じて被害農家に米穀を売り渡すことにしている点でありますが、これはなるべく被害農家の米穀の購入が立法の趣旨に沿って行われるようにはかっているのでありまして、政府、都道府県、市町村が一体となって農家の救済を期しているのであります。
 第四点といたしましては、被害農家が米穀をおおむね生産者価格をもって購入できるようにはかっている点であります。
 以上が提案理由の概要でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
 次に、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。
 本年三月の融雪害、四月から五月にかけての水害、特に七月以降の相次ぐ豪雨及び二十一号、二十二号を中心とする台風により、静岡県を初め各地に激甚な被害をもたらしました。とりわけ農林業関係施設ははなはだしい被害をこうむり、農家は、たび重なる災害のため、多大の困難に遭遇し、農林業生産に支障を来たしている実情であります。このような事態に対処しまして、一日も早く損壊施設の復旧をはかり、農林業生産の回復をはかることは、焦眉の緊要事でございます。
 従来、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律に基く農林水産業施設の災害復旧事業費に対する国の補助につきましては、甚大な被害を受けた地域に限りまして、高率補助の適用をすることとして被災農家等の負担の軽減をはかってきたのでありますが、農地及び奥地幹線林道以外の林道につきましては、農家の負担能力等から見まして、現行補助率では十分な復旧を期待することができませんので、被害が特に激甚な場合についてさらに補助率を引き上げ、農家の負担を軽減して災害復旧事業の促進をはかり、農林業生産力の増進と経営の安定をはかることといたしました。
 以下、この法律案の概要を御説明申しあげます。現行法におきましては、農地及び奥地幹線林道以外の林道の災害復旧事業につきまして、一般地域のものは、当該事業費の五割を補助いたしておりますが、その年の一月から十二月までに発生した災害により甚大な被害を受けた地域におきましては、災害復旧事業費のうち、政令で定める一定額以上の部分については、高率の補助にはなっておりますものの、いかに被害額が大きい場合におきましても、農地にあっては十分の八、奥地幹線林道以外の林道にあっては十分の七・五の補助率にとどめられておりました。今回の改正は、前に御説明申し上げた趣旨により、この高率補助適用部分のうちさらに政令で定める一定額以上の部分について、農地にあっては十分の九、林道にあっては十分の八・五の補助率を適用し、補助率を累進的に高めることにいたしたのであります。
 なお、この改正された新制度は、本年の一月から十二月までに発生した災害にかかる災害復旧事業から適用されることとなっております。
 以上がこの法律案を提案する理由でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
#5
○委員長(関根久藏君) これら両法律案の審査は、日を改めて行うことにいたします。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(関根久藏君) 繭糸価格安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(閣法第三七号)(内閣提出、予備審査)を議題にいたします。
 本法律案につきましては、前回の委員会において提案理由の説明を開いたのでありまして、本日は、まず、補足説明を聞くことにいたします。
#7
○政府委員(大澤融君) 簡単な法律改正でございますので、先般政務次官から提案理由を御説明になりました中で内容的にも触れてありますので、特に私から内容について補足する点はないのでありますが、お配りいたしました資料について、簡単に御説明を申し上げたいと思います。
 お配りしました資料は、一つが、繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案関係資料としてございまして、この間説明申し上げました提案の趣旨、それから繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部の改正の法律案要綱、それから第四番目に、繭糸価格の安定に関する臨時措置法の新旧対照の表、それから二十三ページ以下には関係条項を整理して載せてある次第でございます。もう一つは、横書きでございますが、繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案付属資料、これを簡単に御説明申し上げたいと思います。
 最初の第一表ですが、これはごらんになっていただけばこの通りでありますが、戦前といたしまして九―十一年、それから戦後二十三年から昨年までの繭、生糸の生産、それに見合います需要といたしまして輸出、内需の関係を整理してございます。
 それから次のページの三十三生糸年度の生糸の需給状況――今年の六月から始まりました今年の生糸年度の需給状況を昨年と対比して載せてございます。生糸生産においては、器械生糸が操短をいたしまして減っておりますが、国用製糸の関係で急増いたしまして、全体としては、昨年と大体同様くらいの生糸の生産になっております。輸出の方の関係ですが、御承知のように六月以来非常に減退いたしまして、ここにありますように、昨年に比べて約半分という程度になっております。ただ、このときまでに整理が間に合いませんでおりましたが、その後十月の輸出数量でございますが、これは九月一千俵というような非常に低い数量になりましたが、十月には伸びまして六千俵を少しこえる数量になっております。
 次のページは三十三生糸年度の国別の輸出の実績でございますが、いずれも減退しております。
 それから次のページにございますが、生糸及び乾繭の買い入れ状況、まず、輸出生糸保管株式会社の生糸の買い入れ状況、例の百億の金でありますが、これは十月二十八日まで、こうなっておりますが、先月末までの数字がありますので申し上げますと、買い入れは、ここに五千三百二十七とありますが、五千八百二俵でございます。従いまして、累計が三万七千六百三十一、なお、十一月に入りましてからは、まだ一日だけの数字でございますが、これに百二十九俵プラスしていただくわけでございます。ですから三万七千七百六十俵、こういう累計でございます。その次の日本輸出生糸保管株式会社の乾繭の買い入れ予約数量でございますが、これは買い入れ予約いたしましたものが百四十五万貫ございましたが、その後売れまして、ここにございますように百三十九万二千俵、これは十月二十八日現在となっておりますが、もちろん今日現在でも同じ数量でございます。次の政府の生糸の買い入れ状況、これはここにありますように四万九千四百九十七俵、約五万俵でございます。それから次の日本輸出生糸保管株式会社の玉糸の特別買い入れ状況、これは九条の繭糸価格安定法の第二条による買付でありますが、現在二百九十俵でございます。それから次のページの生糸の価格でございますが、これは御承知のように、六月以後今日まで下落の一途をたどっておりますけれども、ここに書いてありますのは、現物のその月の最高と最低、平均、それから清算先限、これは六ヵ月先の相場を出しております。十月二十八日までに最高十五万七千ということでございましたが、これは、その後なお上りまして、十月には十五万八千五百円という最高値を出しております。また、先限の方でも、千五百四十三円というのは千五百四十八円ということでございます。
 それから最後のページは、これは繭の生産状況、春蚕繭が千四百五十二万貫、夏秋蚕繭が、これは統計調査部の第一次の予想でございまして、千六百四万、その後の話ですと、軟化病等の関係で幾らかこれが減るのではないかというようなことがいわれております。通算いたしまして、昨年度よりは約四%の減、こういうことになっております。
 簡単でありますが、補足説明としての私の説明を終ります。
#8
○委員長(関根久藏君) ただいまから本法律案の審査に入ります。
 まず、質疑を行います、御質疑の向きは御質疑を願います。
#9
○小笠原二三男君 補足説明があったので、それに関してだけお尋ねしますが、六ページにあります三十二年度の夏秋蚕、この生産量は掃き立て箱数は幾らでこのぐらいの生産になったのですか。
#10
○政府委員(大澤融君) 統計調査部のこのときの調べでございますが、夏秋蚕のうち、前期初秋蚕でございますが、これの掃き立て見込み卵量が前年度は、初秋蚕で九十二万六千二百箱でございます。それから後期は、秋晩蚕で、前年実績が百五十四万四千六百、合計いたしまして二百四十七万八百とこういうことになっております。
#11
○小笠原二三男君 ことしのそれは幾らですか。
#12
○政府委員(大澤融君) ことしのは、前期九十二万に相当しますのは八十七万三箱、前年に対して約六%ほどの減です。それから後期晩秋蚕、これは百五十四万に相当しますのは百四十万四千、約九分減です。これは今申し上げましたのは、掃き立て見込み卵量の中の総数でございますから、多少の種繭用のものを含んでおりますが、大勢には影響ございません。
#13
○小笠原二三男君 前年度の掃き立て箱数は、これはやみのものが入っていますか。
#14
○政府委員(大澤融君) やみと申しますか、これは私が御説明申し上げますのはなんですが、統計調査部で例のサンプル調査に農家をつかんで、どのくらいの掃き立てをしたということから、全体を集計している数なんですが、やみとかやみじゃないとかいうことを無関係に、実際に掃き立てをした数ということが出ているわけでございます。
#15
○小笠原二三男君 じゃ、本年、業界からどれだけ掃き立てたという説明を農林省は受けていると思うのですが、その数字と、今この六%減とか九%減とか言っている数字とは同じものですか。
#16
○政府委員(大澤融君) 統計調査部の調査と、全養連の方から報告を受けてつかんでいる数字とは、多少の相違がございます。
#17
○小笠原二三男君 全養連から出ている数字は幾らですか、本年のですよ。
#18
○政府委員(大澤融君) 取引証紙の使用数量ということで箱数が出ますが、これではこちらと統計調査部の調査と多少相違しまして、当初三十三年度――ことしでございまして、ことしの夏秋蚕についてですが、当初割り当てましたのは百九十四万二千四百八十二箱、それからその後追加をいたしましたのが十二万百七十、さらに予備割当といたしまして、違作災害用というようなものに充当するために、当初割当の約三%ぐらいを考えておったのですが、これが五万八千二百七十九、合計いたしまして二百十二万九百三十一、しかし、そのうち使用したものは二百九万八千八百九十三、こういうことになっております。
#19
○小笠原二三男君 それは政府が勧めて、二割減産ということで割付使用したものが大体二百九万何がしというふうに考えていいわけですか。そういう意味は、もう一つ聞きたいことは、じゃ、三十二年度には二百九万に見合う数字は幾らだったのかということをお尋ねしたい。
#20
○政府委員(大澤融君) ちょっと昨年のこれに見合う数字、私、手持ちがございませんので、後ほど調べてお答えいたしたいと思います。ただ、前段のこの数字は、全養連が二割制限をしましょうという考え方の基礎の上で割当をした数字でございます。
#21
○小笠原二三男君 二百九万というのが昨年との見合いで二割減産の分だというのですが、全養連の方のこの間のお話では、去年まではそれぞれ農家は方々から種紙を買って、実際目標以上の掃き立てをしておった。しかし、本年春蚕からはそういうことはしないようになった。夏秋蚕についても、割当以外のものはどこからも買えないようになっておるということだったのです。それでこれがなおかつ二百九万。ところが、昨年は、統計調査部で調べた推定が二百四十七万ですね。これはむろん、いわゆる系統機関を使わない種紙が入っておるということです、全部引っくるめるのですから。そうだとすれば、全養連さんが本年二割減産で二百九万という掃き立てに見合う計数は実際幾らだったのか。ほんとうに二割減産ということを全養連が考えて、きちんとやったのかどうかということが私たちにはわからぬわけです。それでさっきから二百九万を計算した基礎になる数字は幾らだったのか、それは農林省でつかんでおるのかということを聞きたかったのですけれども、その数字がないということなら、なぜ六分や九分の減産にしかならなかったか。去年は不作で、本年は豊作だったのでこうなったと言い切れるかどうか。その原因をもう少し的確に究明せられたところを説明願いたいと思います。
#22
○政府委員(大澤融君) 先ほど数字がわからぬと言って失礼しました。基礎になりました数字は、先ほど申し上げました掃き立て見込み量の前年の実績二百四十七万箱、これが基礎になっております。
#23
○小笠原二三男君 ところが、この間、全養連さんのお話では、最初割当をした、そうした計数に誤算があって、それでまた割当をした。その結果、二割減産ということにならぬでこういうことになったのだということで、基礎の数字の取り方いかんによって、こういう結果が出たのだということを説明しておったのですが、実際二割減産ということで割り当てたのか、初めから一割程度なんだということで割り当てたのか、その点を聞きたい。皆さんはどういうふうにそれを握っておられるのですか。
#24
○政府委員(大澤融君) ちょっとこれ計算をしてみないとわからないのですが、二百四十七万の二割減というのは、大体先ほど申し上げました当初割当の百九十万に相当していると思います。その後、追加割当ということで十二万箱ほど出ておるわけでありますけれども、これはここでも御説明申し上げたことがあると思いますが、たとえば昨年は蚕を掃かなかったけれども、ことしは掃くというような方があったり、あるいは開拓地でやはりそういうような事例があるというようなことで、いろいろ調整しなければならない面が出てきました。それの分として十二万箱の追加をした、こういうふうに聞いております。ですから、百九十万箱と十二万箱で結果として二百九万箱になっておりますから、二割ではなくして配給した種は一五%ぐらい。ですから、全養連が種の関係から生産調整をした数量というのは、前年に比べて十五、六%ということになろうかと思います。
#25
○小笠原二三男君 当時、農林当局は、全養連が自主的に二割減産をするということをきん然としてこれを認めた。従って、そうなる。従って、価格の維持もできるのだということを再三主張しておった。ところが、今のお話ですと、新規に夏秋蚕をやりたいというものには別途種を出してやる、こういう措置をとることが一つの大きな比率に影響を与えて、二割なら二割にならなかったのだということは、農林当局としては何ら指導しなかったわけですか。そういうことはいけない。養蚕家全体の掃き立て数量を減らして回すならとにかく、総ワクとしては二割なら二割ということを厳守してもらいたいということは、これは連合会の方には何ら話がなかったわけですか。それともう一点聞きたいことは、全養連さんの方では、去年まではやみの種紙を使ってめいめいが割当以上の生産をやったのだが、本年春からはそういうことはなくなった。そうして規制しているということを言っておりますが、基礎の数字をとるのに実績でとったというのはどういうことなんですか。全養連さんの方の去年渡した種、それが計算の基礎にならないで、推計されたものが基礎になったというのはどういうことなんですか、この二つをお聞きしておきます。
#26
○政府委員(大澤融君) 推計という言葉が悪いのですが、前年の実績としてとり得る数字は、公けのものとしてはこの数字以外にないわけであります、二百四十七万という。それから前段の御質問ですけれども、繰り返し大臣からお話がございましたように、本年の蚕糸対策として、百五十億ということと二割制限ということで繭価、糸価が維持されることを期待いたしているのでありますが、何度も申し上げますように、政府として二割制限をせいということを言ったわけではなくて、二割制限をするということによってあのようなことが期待できたのだということでございまして、政府としては、二割きっちりしなければいけないというようなことは言ったことはないのであります。
#27
○清澤俊英君 先日、養連の幹部を呼んで聞いたのですが、二割制限は間違いなくやりました。はっきり言っている。あなたのと非常に食い違っている。二割制限ははっきりやっている。それからいま一つは、局長は、農林省が二割制限せいと言うたのじゃない、養連の方からこれをしてくれ、する、こう言うたのでやったという、ここも食い違っている。この点を非常に重視しまして聞きましたところ、養連はお断りした。お断りしたが、これより方法がないと言われてやむなくこれを実行しました、こう言うております。どうも食い違っています。その点はどうなんですか。言われる通りだとするならば、いま一度養連の幹部を呼んで両方から聞かなければわかりません。
#28
○政府委員(大澤融君) 先ほど私が申し上げました取引証紙の発行は、これは全養連と、それから全国蚕種協会とが共同で発行したものでありまして、この点については、全養連も数字の食い違いはないと思います。それを一つ。従いまして、確実に去年の数字に対して二〇%減になっておるかなってないかというようなことは、先ほど申し上げたような結果になるわけであります。また、最後の全養連が二割制限をいたしましたのは、政府がやれと言って、断ったのだが、仕方なくやったんだというようなことを清澤先生も言われますが、私ども事実として、そうではなくて、もちろん相談はあったでありましょうが、全養連が自主的にやられたということに理解しております。
#29
○清澤俊英君 いま一つ関連、行政措置として種のたな上げした分、蚕種のたな上げした分に対しましては、これを補助する、こうなっておりますね。ところが、それは実行せられたとしたならば、何十何箱分、金額にして幾らを補助したのか、その数字を教えてもらいたい。
#30
○政府委員(大澤融君) 予備金の支出の見込額が六千七百九十八万九千円であります。全養連が種繭としまして買い上げたものが三万五千四百二十九貫です。
#31
○小笠原二三男君 二割制限ということは、強制したこともなければ、そういうことをやれということを勧めたわけでもないような、どっちもなかったような話がちょっとあったのですが、政府としては、二割制限になれば価格維持ができるという期待のもとに、全養連に対して強制したか、話し合ったかどうかわからぬが、これだけはしっかりやってくれよという頼みごともなかったわけなんですか。
#32
○政府委員(大澤融君) 全養連が自主的に二割制限をするということで、政府は先ほど申し上げましたような繭糸価の維持ができるということを期待しておったわけであります。
#33
○小笠原二三男君 だから、これは政府の施策として、財政投融資当初予算でこれこれと、それで、それは春蚕だけの手当でないかということから、夏秋蚕はどうするかとなったら、夏秋蚕に対しては財源措置は必要がないのだ、しなくとも二割制限によって、かようかくかくになるから価格維持ができ得るのだと、政策としてそういうことを言っておるのですよ。政策として言っていながら、全養連さんは自主的にやることなんで、やろうがやるまいが、政府のあずかり知らざるところというようなことではおかしいじゃないですか。全養連さんが二割制限をしてくれる、養連さんが二割制限してくれるということが前提になって、政府の施策が生きてくるのだから、その場合に、農林当局が全養連さんに、何の干渉も、何のお勧めもせぬで、また、そのことは現にそうなっておるのかどうかということを監督することもなしに野放しにしたというわけなんですが、筋道は、政府の政策なんですよ。価格安定は政府の責任でやることなんですよ。それをさあ、実際生産することについては、政府はあずかり知りませんということなんですか、その点がどうも話のニュアンスからいうと、私たちは聞き取れないのですがね。
#34
○政府委員(大澤融君) 言葉の言い回しですが、もちろん、どの程度の制限をするというようなことに具体的な話し合いがあったのかとも思いますけれども、政府としては、全養連が自主的に二割制限をされるという基礎の上に繭の、生糸の需給というようなことを考えて政策を立てて実行したわけであります。
#35
○小笠原二三男君 そういう言い方なら、二割制限もしなかったことなんだから、それは全く全養連の責任なんで、それで価格維持ができなかったら、政府はほうっておいてもいいことですか。
#36
○政府委員(大澤融君) 先ほどから申しますように、統計調査部の調査によれば、このような掃き立て卵量になっておりまして、とても二割も制限したというような結果にはこれは出ておらないのでありますが、そういう事態あるいはまた、桑のできがよかったとか、いろいろなこともございまして、先ほど申し上げたような千六百万貫程度のものができるというような事態になりましたので、先般申し上げたような対策を立て、また今、御審議願っておる法律の改正をする、こういうことでございます。
#37
○小笠原二三男君 そうすると、端的にいうと、農林当局の見込み違い、指導力の欠除、そういうことですね。
#38
○政府委員(大澤融君) 先ほど来申し上げたような規定のもとにやっておりましたことが、現実としては、生産もそれほど制限調整されないという結果になったという新たな事態のもとに新しい展開をさして、このような方策になったわけでございます。
#39
○小笠原二三男君 私の尋ねることにお答え願えばいいのであって、私の尋ねたことに対して、イエス、ノーと言ってもらえばいい。どっちなんです。ということは、当時、われわれは二割制限といっても、相当それは養蚕家自身には不満がある。従って、そのことは十全の目的を達成し得ない。また、そのことによって価格維持ということはあり得ない。夏秋蚕についても十分な手当をすべきでないかということを再三申し上げて、なおかつ、そういうことは財源的な措置は一切知らぬ、それから全養連の諸君、養蚕家諸君もこの事態をよくわかっておりながら、二割制限はきっとできるであろうということでわれわれの申し上げたことをみなけ飛ばして、結局、結果は全く野放しになっちまったというのと同じなんです。政府の考えとして、養連に責任を負わせるのでなくて、政府が二割制限ということの基礎の上に立って価格を形成しよう、そういう見込みを立てるなら立てるなりに努力すべきだったのであって、そのことができなくなったとなれば、やはりそれは政府の見込み違いとして責任を負うべきことでしょう。そしてまた、絶対金は出さないのだというものを、出すようなそういう段取りになるなら、見込み違いだったために、こういうふうにしましたと、率直な御意見があっていいでしょう。まず、私端的に聞くが、うまくいかなかった責任はどこにあるのですかということです。それは、相場なり経済なりというものは動くのだから、どうにもしようがないといえばしようがないということですが、こういう蚕糸対策の当面の責任を負うべき農林当局自身として、見込み違いや努力不足については、十分な責任を負うべきでないかということを申し上げているのですよ。あなたとしては、かわって局長になったので、当時のそれには責任はない。人のしりを拭ってものを言わせられるのはいやだというなら言わぬですわっておってよろしい。当時からおられた政務次官にお尋ねする。局長はすわっておってよろしい、お気の毒だから。
#40
○政府委員(大澤融君) 同じ蚕糸局長ということで、継続して前のことに責任がございますので答弁申し上げますが、先ほど来申し上げましたように、全養連が二割制限を自主的にするという期待の上に政策が立てられたわけでありまして、その期待が結果としてはずれたということについては、どこに責任があるのかという問題があるいはあるのかもしれませんけれども、それを論じても今としてはいたし方ないので、新しい前進をいたしたい、こういう気持で私はおります。
 それから需給関係も、当時見込んでおりましたものと、現在の状態とは、確かに違いがございます。そのことが、政府として需給関係の見込み違いを大いにやったのだと言われれば、あるいはそういうことかとも思いますけれども、今も小笠原先生おっしゃるように、経済は生きものでございます。いろいろな事情が爆発的に、その後に今日のような需給状態を現出したものでありまして、当時としては、あのような需給関係の見込みを立てるよりいたし方なかったものと、こういうふうに私は考えております。
#41
○小笠原二三男君 それではまた角度を変えてお尋ねしますが、この全部を使わなかったけれども、二十一万何がしという箱数をこれを掃き立てるということなんですが、この指導は、二十一万何がしと決定したのは農林当局ですか、全養連ですか。また種業者に対しては、そういう規制をして、それ以上のものは冷凍なら冷凍させたのは全養連の方ですか。農林省として監督官庁としてやったことですか。各府県への配給はどこが権限的にやったのですか。
#42
○政府委員(大澤融君) この割当をいたしましたのは全養連でございます。農林省ではございません。それから種繭をつぶしたのは、全養連が種屋から買ってつぶしたわけであります。それを、先ほど申し上げましたように買い上げておる。予備金で始末するわけであります。
#43
○小笠原二三男君 私はしろうとでわからぬのですが、こういうことをやるときに、種屋の方を規制する仕事は農林当局ではできないのですか。
#44
○政府委員(大澤融君) 政府は直接はできません。
#45
○小笠原二三男君 そうすると、何でもかんでも自主的ということで、二割制限を期待する努力というものは、何ら農林当局はやらぬ。そして各県では県の蚕糸課なりなんなりが、養蚕課の係員が、それぞれ県内割当をどういうふうに各農家の実績を調べて割り付けるか、苦労しておったようですが、各県の県庁当局の方は一生懸命やる、そして上級機関的な農林省が何もやらなかったというのは、ほんとうに真相なんですか。
#46
○政府委員(大澤融君) 基礎的な数字その他で御援助は申し上げておるかと思います。
#47
○小笠原二三男君 じゃ、基礎的な数字や何かで援助はしたが、具体的に各県当局をもってそれぞれ二割減産に協力するような各種の指導を末端においてやらせるというようなことも何にもなしに、もう端的に、全養連そのものを信頼して、一切全養連の自主的な行為にだけまかしておった、何にもやらなかったということですか。
#48
○政府委員(大澤融君) 全養連がやりますことについて、県庁に連絡その他のことはやったように聞いております。
#49
○小笠原二三男君 それなら各県ではどういうふうにしたのですか。各県に対しては蚕糸局としてはどういう指導をするように、勧奨と申しますか、通達と申しますか、私は官庁用語はわかりませんが、どういうふうに各県には示し、各県はどういうふうに動いて養蚕家を指導することを期待したのですか。
#50
○政府委員(大澤融君) 各県の養蚕担当者のところで、全養連がやります生産制限についていろいろの協力をするようにというような連絡をしたと思います。県は蚕業指導所その他を通じて全養連のやります仕事にいろいろ相談に乗ったかと思います。
#51
○小笠原二三男君 そうすると、結局、農林省というものは価格形成の上には責任を負い――これは私の考えとはまた別ですが――責任は負うが、生産の方はまかせきりで野放しだった、こういう春蚕に見られるような危機が現われてきたにもかかわらず、やはり夏秋蚕については野放しだったと言わざるを得ないのですね、そうじゃないですか。そういうことが、今日のような事態を招く一半の責任があったのだというように私は思うのですが、どうなんですか。
#52
○政府委員(大澤融君) 先ほど来申し上げておりますように、決して野放しだったのではなく、たとえば全養連が買い上げた繭についての予備金支出もするというようなことをやっておったわけであります。
#53
○小笠原二三男君 だから、種繭の買い上げに予備金支出さえもする、国民の税金をさえさいてまでそういうことをやらせようとして金を使いながら、なお、その金が死んでしまう、生きてこない、こういう結果になることは、どうも私にはわからぬのですね。それは桑の育ちがよくて、そうして増産になったんだというようなことは十分聞きますよ。しかし、種そのものでももう二割の制限という割付でない。そこはもうゆるんでおる。そうして、なおかつ一部に対しては補助金を出す、こういうことは画龍点睛を欠くというか、ほんとうの趣旨が生かされておらなかったということじゃないですかね。そういう意味では野放しにはしないと言っているが、野放しにしないということは何かというと、金を出してやるということであります。それは養蚕家自身の努力で増産になるということを私は言っておるのじゃない。基礎自身においてもう狂ってしまっておるというようなことは、どういうふうにこれは説明するのか、少くとも国費は使っておるんですからね。そういうところを丁寧に私はお聞きしたいんです。
#54
○政府委員(大澤融君) 結果といたしまして、最初、目標の千四百万貫ということにはならずに、先ほど申し上げたような数字になったわけでありますが、これは単に全養連の種の配り方が悪かったというようなことでもありませんし、いろいろの天候その他の事情が集まってこのような結果になったのでありまして、一がいにやり方が悪かったからこうなったというふうには、考え方でございますが、私はそうは考えておりません。
#55
○小笠原二三男君 それならまた角度を変えてお尋ねしますが、じゃ、当時の見通しであった千四百万貫程度の生産であれば、今回のような財政措置を必要とすることのない相場を維持することができたんですか。これはもう全くの農林当局のお考え方として聞くんですがね。
#56
○政府委員(大澤融君) 仮定の上での議論になりますので、はなはだお答えしにくいわけでございますけれども、千四百万貫であり、あるいは当時予想しておりましたような需要の方の状況というようなことでありますれば、当時の期待と同じような事実が実現しておるのではないかと私は思います。
#57
○小笠原二三男君 千四百万貫出ようが、千二百万貫出ようが、十九万円、千四百円台という相場を維持することができたのかどうかということは、私は問題があると思う。あなたは仮定の問題だからお答えしがたいということでしたが、少くとも業界なり、あるいは専門的に勉強なすっておられる方々は、やはり農林当局が考えるようにいくだろうというふうに、一般はそういうふうに考えておったんですか。私不勉強でわかりませんが、たしか、春の予算委員会かに出た人の公述によると、そういうことは容易でないんだと、増産だから安いんだ、あるいは千四百万貫台だから価格維持ができるんだというようなわけにはいかぬと、別の要素も問題だということを言っておるように私聞いたことがあるんですがね。たったここの二百万貫か三百万貫かの出入りの関係で、十九万円台が十四、五万円台に暴落してきたというような形に、あなたたち、まあ蚕糸行政をやっている方々は、ほんとうにそう認識しておるんですか。私はしろうとでわからないから、ほんとうにそう認識しておるのかどうか聞きたいんです。あとで参考人など専門家を呼んで聞いてみればはっきりわかることですが。
#58
○政府委員(大澤融君) もちろん二百万貫の差でこういうふうに立ち至ったのではないのでありまして、先ほど私が御説明申し上げたのは、当時考えておったような供給、あるいは需要側の事情、それがあの通りになれば、当時のような期待が実現せられたのではないか、こう申し上げたのでありまして、供給の側においても、需要の側におきましても、当時考えたこととは変っております。
#59
○小笠原二三男君 そうすると話は変ってきて、二割生産制限なんということは、制限しようがしまいが、初めから価格維持のためにはあまり効果のない施策として政府はもうお考えになっておった、この点も見通しを誤まっているのだという議論になりませんか。
#60
○政府委員(高橋衛君) 今年の春ごろ以来、御承知のようにアメリカに対する生糸の輸出が急激に減少して参ったのでございます。その減少の程度が非常に急激でありましたこと等の事情もございまするし、また、御承知のように、生糸は何と申しましても他の繊維との競争関係もございまして、従って、他の繊維の価格がどうなるか、他の繊維の全般の消費の状況がどうなるかということもにらみ合せて将来を考えていかなければいかぬという状況でありますが、その当時の状況といたしましては、御承知のように他の繊維、つまり合成繊維、綿等につきましても、まあ大体三割の操短その他によって何とか切り抜けられるのじゃないのだろうかという全般の経済家の観測のもとに、それらの相談が行われておったような情勢でございます。また、一方考えますると、生糸のアメリカにおけるところの全繊維に対する消費の割合は、わずかに〇・一%である。また説をなす人によりますと、何と申しましても、生糸が一番のぜいたく品である、従って、これは宣伝の方法とか、またはその他の措置がよろしきを得れば、あるいは価格の問題じゃなしに、この消費が継続できるのじゃなかろうかという主張をなさる方も相当あったような次第でございます。そういうふうな観点からあの当時の情勢として、将来について必ずしもこうなるという見通しを持ったわけではございませんけれども、とにかく暫定的にこの価格の安定と申しますか、支持についてのあの臨時措置をいたしまして、そうして恒久対策については、すみやかにそれらの点も検討いたしまして、将来の方向を定めていきたいと、かように考えてあの法律案の御審議を願い、御決定を願ったような次第でございます。従いまして、あの当時の状況におきましては、先ほど来申し上げますように、何とかまあこういうふうなことによって、一方、全養連におきましても生産の制限をせられるということでありますので、それらのことと一応相待って将来安定を期待し得るのじゃなかろうかという考え方のもとにあれをやったのであります。
 なおもう一つ、先ほどの御質問に対してお答え申し上げておきますが、全養連と申しますか、蚕種その他について、法律的に制限する方法は、現在の法制においては権限がございません。しかしながら、蚕種の製造については、それぞれ検査したものでなければ譲渡または販売することができないという建前になっておりまして、大体その数量も確認できる状況でございますので、全養連が蚕種の種繭になっていくことがはっきりしているものが大体確認できるとすれば、そのうちの、予算では三万五千貫というふうに見積ったのでございますが、三万五千貫程度をつぶして、そうして蚕種の供給量を少くすれば、それが結局生産の制限になって参ります。従って、今日、他の繊維においても操短をするような次第でございますので、ある程度こういうふうな生産制限をしていただくということが事態を安定に導く上において効果があるのだという考え方のもとに、これに対して予備金支出をし、そして全体として総合的に善処する方策として考えたような次第であります。
#61
○清澤俊英君 関連。どうも政府の方の答弁が恒久対策に結び付けようとするところに私は、おもしろくないところがある。これは三十三年度の繭の現状安定に対してわれわれは質問している。恒久対策ならいろいろ言うべき議論はたくさん持っております。ということは、大体、審議会ができて、一つの恒久対策まで考えるとすれば、需給調整の問題はもうやらないでいるのです。やらないでもうここまで来てしまった。三十三年度の予算対策だけをやっていて、あとのことは何にもやらないで来ているのです。これが一つと、その当時の意見は、まだこれは新興産業であって、斜陽産業でない、蚕糸業は。こういう議論も盛んであって、もっと増産対策をとるべきだ。それで増産五カ年計画も持ってやられた。だから、その三十四年度以降の恒久対策を議論するならば、これは別の機会に私はやりたいと思うのです。私どもは三十三年度の臨時措置の結末をどこでつけるかということが議論の対象になっておると、こう思うのです。そのところはどうも一つ間違っていただきたくない。
 そこで、私は関連質問をしてお伺いしたいのは、大体いろいろの数字で、きょうもこの資料をいただいておりまするが、全体において三十二年度から見れば四%の減だ。だから、二割減産はしておらない、こういう数字が出ております。これは表の数字だろうと思うのです。少くとも養蚕家から見ますれば、今年は非常に天候も、初期のうちは恵まれておった。桑の太りもいいのだ。これが事実なんだ。従って、二割くらいの増産は見込めると、こう言うのです。二割くらいの増産は、今年黙っておったら二割くらいは増産する、こう言うのです、黙っておきますと。そうすれば、三十二年度を基準にして約三千二百万貫、これの二割というと、六百四十万貫くらいです。本年かりに放任しておきますれば、三千九百万貫くらいできる。それが御承知の通り、三十三年度三十万貫となりますと、二割以上の減産を現にしておるのだ。ここらはどこで大体そういう減り方をしたのだ、こういうので、いろいろこの間、養連の人たちに聞きますれば、まず、春蚕におきまして普通の年ならば正常な、何十何万箱を掃き立てる、その箱に、普通の場合ならば、それに二割くらいの何かが乗って出るのだ、本年はそれをやらなかったのです、こう言うのです。あなたがお聞きになっている、次官もお聞きになっている通り、それをやりませんでした。やらないので、春繭というものの量が減り方がどうもひどいじゃないかという質問に対して、そういうことをやっておらぬのでありますから、ここで二割現実に減産をやっている。それから夏秋蚕に対しましては、いわれただけの箱は押えている、その上晩秋蚕の違蚕の憂いがあるということから、はっきりした数字が出ていないが、相当だめになっている、こういうふうな数字ですからもっと減ってくる。現実に繭の生産は、農民の手元から見れば、大へんな減産になっていると思う。ただ、天候でよくなったものまで減産しないのだという言い方には納得できない。だから、私は今までの御説明でいきますと、どうしても納得いかないのは、それだと思う。いろいろ農民も、養蚕関係の人たちも努力をしたが、天候によって所期の目的を達することができない云々と、こうおっしゃるならば私は納得できると思う。どうなんです。本年は桑も三倍くらい太った。今、小山さん言われたのでまことに残念ですけれども、これは委員長、一番よく知っているのです。本年黙っていたら三割増産だ、こういうのです。しかるに、現実は三割増産どころじゃない。マイナス四になっている。これは常識として通らぬ話をしておられる。その点はどうお考えになっているのですか。私の言うことは間違いかどうか。
#62
○政府委員(大澤融君) 春蚕が昨年に比べまして、ほんのわずかな増があるということについて、いろいろお話があったわけでありますが、私不勉強で、春蚕についての生産事情ということを、今、私どもの意見を申し上げられないので残念ですが、ただ、夏秋蚕につきましては、先ほど来申し上げておりますように、種の量で昨年の二割の制限をしようとしてかかったのが、結果としては、統計調査部の調査のようなことに相なっておりますし、そのために、もちろん減産のいろいろの努力があったと思います。あったと思いますが、天候その他の事情によって、今日のような数量が出ているものと思うのであります。
#63
○小笠原二三男君 それでは、しつこいようですが、夏秋蚕から系統的に恒久対策として、十九万円、千四百円、こういう生糸と繭との価格を維持していくという場合に、最低前年度までの実績から見て、輸出はどの程度あればよい、内需はどの程度あればその維持ができるという推定のもとにこのことが始まったのが、もう一度思い起すためにお尋ねしたい。
#64
○政府委員(大澤融君) それでは私から当時の糸の需給見通しをお話し申し上げます。繭の量でありますが、これは三十三年六月ごろでありますので、今、申し上げた春繭の量と多少の相違はございますが、千五百五十万貫の供給を予想しております。夏秋蚕が、制限するということで約千四百万貫、それから繰り越しの増が五十万、締めまして三千万貫、これは糸にいたしますと三十一万俵。そこで、生糸の方の需要関係ですが、輸出を年間六万俵と見ております。それから国内引き渡し、これは内需と、それから輸出用の絹織物、いわゆる輸絹、これを両方含めまして輸絹が五万五千俵、内需は十四万五千俵、合計して二十万俵、前年の一〇%減くらいに見ております。そこで、需要の計がこれで二十六万俵になります。二十六万俵になりますので、先ほどの三十一万俵との差五万俵、これを買い上げるということで、千四百万貫という、二割制限が実現することを期待して、当時の期待のような繭糸価格の維持を期待しておった、こういう関係になっております。
#65
○小笠原二三男君 それがまあ実勢で六月から九月までのところから見ても相当の狂いがあるという三ページの資料があるわけですが、今から輸出の関係で努力するとしましても、現在の見通しとしては、生糸と絹織物、合してどの程度の輸出総額が見込まれますか。
#66
○政府委員(大澤融君) いろいろの価格で想定はしておりますが、確実な見通しを立てることが困難でありますので、数字としてはちょっと申し上げかねるのですが、御了承願います。
#67
○小笠原二三男君 そうすると、来年度、蚕糸局としては、価格安定のための財政投資をどれほど大蔵省に、従来の行き方からいえば、当面の問題として来年度当初予算にどの程度の要求をしているのですか。
#68
○政府委員(大澤融君) 今後、価格が実勢としてどのくらいのところに落ちつくかということを見ませんと、それを基礎にしてどのくらい需要が減り、供給の方もどういうふうにしていったらいいかという見当がつきませんので、それを見た上で一つ計画を立てたい、こう思っております。
#69
○小笠原二三男君 そうすると、実勢価格で最低の買い入れ価格を押えるということで、それもきまらぬ、また、数量を調整する分で価格を維持していくということにも努力が要るでしょうが、そうすると、その方も見通しがつかないということで、来年度の当初予算はまあ手づかみで幾らか置いておくという計算になるのですか。今、もう十一月になっているのですが、どういう計算の基礎を持って十二月最終予算を作ろうとお考えになっているのですか、大蔵省との間では。基礎になる計数がどっちも見通しが立たない、さて、予算は作らなければならないと、どういうことになりますか。
#70
○政府委員(大澤融君) 今、申し上げましたように、実勢を見て、その基礎の上に予算を組みたい、こう考えておるわけでありますが、もちろんそのときの見込みでやるわけでございますから、予算に間に合わないということではございません。
#71
○小笠原二三男君 じゃ、角度を変えてもう一度お尋ねしますが、来年度に持ち越しになるものはどれくらいある、出るというお見込みですか。
#72
○政府委員(大澤融君) 御質問の御趣旨は……。
#73
○小笠原二三男君 三十一万俵のうち。
#74
○政府委員(大澤融君) さしあたり、すでに春繭についての生糸百億、それから春蚕の繭を先ほど申し上げました百四十万貫買っております。それから今後、ただいまやっております三百万貫のたな上げ措置をやることになりますから、そうしたものは来年度へ持ち越しになるというふうに予想されます。
#75
○小笠原二三男君 そのほかに、何といいますか、市場でだぶつくということはないわけですか。
#76
○政府委員(大澤融君) 三百万貫という数字は非常にこまかい算出基礎があっての数字ではございませんけれども、この程度のものをたな上げすれば正常価格も維持される、市場に物がだぶつくということがないだろうという予想を持っております。
#77
○小笠原二三男君 それはまた輸出の伸びということが基礎にならなければそういうことも言えないわけで、どのくらいの輸出を見込んでそういうことを言っておるのですか。
#78
○政府委員(大澤融君) 先ほど来申し上げますように、輸出の伸びというのは、これは数字的にはじきますことは非常に困難かと思いますけれども、九月に非常に落ちて、千俵台ということがあったのでございますが、先月、十月に入りましてやや価格が先行きも安定してきたというような様相を呈しましたものですから、六千俵台に回復するというようなこともありますので、これについても、価格が安定すればそうひどい、今までのようなひどい減退にはならず、もちろん一月以降不需要期ですけれども、ひどい減退の仕方ではなくて、伸びを示すのではないかという予想を持っております。ただ、数字的にどのくらいになるかということをはじき出すことは、いろいろ私ども試算はやっておりますけれども、こうだということを申し上げるほど確実な数字ではございませんので、申し上げかねる状態であります。
#79
○小笠原二三男君 そうすると、そういう今までの抽象的なあなたのお話の裏打ちになるものは、今度の三百万貫買い上げが、一俵十七万円、一貫目千二百円台の実勢相場ということをめどにして、そういう価格が維持されるというお考えなのですか。
#80
○政府委員(大澤融君) 三百万貫を千二百円で買い上げる、こういうことでございますけれども、これが、必ずしもそのまま実勢価格が千二百円になるだろうということを、必ずしもその通りになるということを予想しておるわけではございませんので、三百万貫をたな上げ措置をやりますのに、千二百円ぐらいで買い上げれば、その効果を確実に発揮し得るだろうということで、千二百円ということで買い上げておるわけであります。
#81
○小笠原二三男君 じゃ、その貫千二百円で買い上げると大体生糸相場も安定するだろうというお話ですが、その生糸相場の安定というのはどの程度を見込んでおるのですか、千二百円に対して。
#82
○政府委員(大澤融君) これは今後実勢の動きを見て、どの辺に安定するかということを見なければ言えないのでありますが、今、申し上げましたように、こういう下りぎみのときは、正常な価格よりも、より以上下る傾向がある、それを防止するために、三百万貫を千二百円で買い上げて、完全にたな上げをしてしまうということにいたしますれば、正常な価格の実現ということに効果があるという意味で、このような措置をとったわけでありまして、その正常な価格がどの辺に落ちつくかということは、もちろん、私どもも、いろいろなことからはじいちゃおりますけれども、それは実勢を見て、どこに落ちつくかということを見なければ、今ここではわからないというようなことしか御返事申し上げられません。
#83
○小笠原二三男君 そうすると、生糸の方の正常な価格というものは言えないが、養蚕家からの買い入れ価格というものは、千二百円台で買い入れる、ここだけは動かない、そして生糸相場の方で動く分は、どれが正常なものやらはわからない、こういうことですか。
#84
○政府委員(大澤融君) ある一定の糸価を基礎にしまして、今までこのぐらいに売れるならばこのぐらいの繭の売買であろうというようなことで、繭価協定も行われておるわけでありまするが、正常な価格が実現すれば、それを基礎にして今までのように繭価協定が行われるということを期待しているわけでございます。千二百円そのものが繭価協定のための価格になるということは、ここでは必ずしも予想できないわけでございます。
#85
○小笠原二三男君 そうしますると、千二百円で三百万貫買い上げるというのは、何に対する呼び水なんですか。繭の価格をどこに安定させるかという責任があって、三百万貫を千百円台で買おうというのでしょう。ところが、三百万貫だけは千二百円で買いますが、あとのものは、上るか下るか、それは御自由でございますということなんですか。私はしろうとなものですから、聞きようが悪いかもしれませんが、わかるようにおっしゃっていただきたい。私、生糸や繭について全然専門家でないのですから。
#86
○政府委員(大澤融君) 三百万貫を千二百円で買い上げるという意味は、この間から申し上げておりまするように、こういう時期には、糸の値段が、実際あるべき水準よりも下の方にくっつく可能性が非常に強いわけであります。そこで、何らかそれを正常な水準に戻すための措置というものが必要になってくるわけであります。その措置として、生産されます繭を三百万貫ほどたな上げする、つまり、糸にすれば三万俵たな上げしてしまうということをやれば、今、申し上げた正常な価格水準が実現するであろうということが予想されるわけでございます。三百万貫のたな上げが確実に行われなきゃいかぬ。そこで、これを目標にしまして、千二百円で買い上げるということにすれば、ここですぐ安売りをして現金を手に入れるよりは、しまっておいて将来政府に売っても千二百円なら、たな上げをして、全体の繭の値段、ひいては糸の値段をつり上げて正常な価格にし得るということになると思うのです。そういう意味で三百万貫を千二百円で買い上げるわけでありまして、こういうことをすることによって、どういう価格をお前は期待しているのか、こういうお話でありますが、これに対するお答えとしては、正常な価格を実現するためにこういうことをやる、こうお答えをせざるを得ないのであります。
#87
○小笠原二三男君 では、政府が三百万貫を千二百円で買い上げようという、千二百円というのは、養蚕家の生産コストも何も考えない、それは正常な価格ではない政治価格なんですか。
#88
○政府委員(大澤融君) 正確な算出基礎があっての千二百円ではございません。千二百円、この程度ならば今、申し上げたような措置が確実にとられ得るであろうという奨励的な意味での千二百円でございます。
#89
○小笠原二三男君 そうすると、養蚕家は春蚕の千四百円が夏秋蚕で千二百円にはなったが、まあまあがまんし得るところであろう、養蚕家のみに犠牲を負わせるものではない、そういう確信があって大体正常価格というものを期待しつつ、政府としては、養蚕家に対して千二百円でいいだろうというお考えなんですから、結局は、政府として考えるのは、千二百円台が正常価格だということにならないのですか。もしも、ならないとするなら、あとの千三百万貫なりなんなりというものは正常価格で取引してもらうんだというのですが、国がこういう金さえも出して三百万貫買い上げようということは、千二百円台で繭の価格が安定することを期待しているのではないのですか。それもどうかわからぬというのですか。
#90
○政府委員(大澤融君) 何度も同じことを繰り返して恐縮でございますけれども、千二百円で買い上げるということは、先ほど申し上げたような奨励的な意味の千二百円であります。そこで、先ほども申し上げましたように、どのくらいの値段になるだろうということは、私どもいろいろはじいちゃおりますけれども、それは今申し上げるということは、はばからねばならないと思うのでありまして、そういう奨励的な措置によって、正常な価格水準が実現するようにという期待を持っておるわけでございます。この正常な価格水準が千幾らであるかということは、今後の実勢を見なければわからない、こう言わざるを得ないと思います。
#91
○小笠原二三男君 じゃ、角度を変えてお尋ねいたしますが、蚕糸局としては、養蚕を奨励し養蚕家の利益を守り保護するという建前があると思う。それで今回も千二百円で買い上げる財政投資をやる、そういうことであるなら、養蚕家の買い上げ価格は、最低この辺でなけりゃ養蚕家は困る、そういうことで価格を形成していかなければ困るぞというはっきりしたものを持っていなくちゃいかぬように私は思うのですが、こういうものはなくて、実勢にただ押し流されてとか、そうしておさまったところが正常価格だという考え方は、私はどうも納得いかない。野放しにして落ちついたのが正常価格だというふうには私は考えない。もしも、私の言い分にどこかとるところがあるなら、千二百円で政府が買い上げるというなら、千二百円台で他の繭を売買ができるようなことを期待するということでなくちゃいかぬのでないでしょうか、最低でも。そうなれば、今度は製糸業者の方の関係で、生糸の相場はどの程度になっておらぬと千二百円台が割れるという計算も、これもいろいろ計算しているそうだから、計算があるでしょう。見込みとしては計算が立つと思う。そういうことが何にも言われなきゃ、私たちは、この臨時措置法による臨時的な、こうやくばりの措置そのものをかりに認めるとしても、この輸出の見通し等からいって、来年度予算がどうなってくる、来年度以降の恒久対策はどういうものが必要であるかということをお尋ねもできないし、議員として勉強もできない。私たちをそういう点はつんぼさじきに置いて、まあまかしておけというのですか。私、さっきからわかるように聞かせてくれというのはそこなんですよ。蚕糸局は何のためにあるのですか、通産省じゃないですからね、あなたは。千二百円を維持したいというお考えがあるのかないのか、そういうことも言えないのですか。じゃ、幾らならいいと思っておるのですか、ことしの夏秋蚕は、養蚕家の立場に立てばいろいろの言い分があるだろうけれども、蚕糸局の考えるところによれば、どの程度ならいいというお考えなんですか。どの程度なら農家にも満足されるであろう。あるいは犠牲をしいることにもなるだろうが、この程度でなければ、今後養蚕業というものは維持できない……。何か私は見解があっていいと思うのですね。
#92
○河野謙三君 関連して、一緒に御答弁願いたいのですが、私はこの政府の答弁を聞いておりますと、農林省は本来養蚕農家の生産費を保証する立場におるけれども、現在のところ、何といっても生糸の糸価が非常に不安定で海外、特にアメリカにこういう不安定の形においては起るべき需要も起らないから、この際は、とりあえず養蚕農家の生産費というものと離れて、とにかく、
 まず生糸の価格の安定対策をやらなきゃいかぬということで、千二百円が養蚕農家のコストとは離れておるけれども、とりあえず糸価安定のために千二百円の買い上げ措置で、しかも、とりあえず養蚕農家の価格保証ではなくで、生糸の糸価対策をとりあえずやるということなんじゃないですか。それとも、この千二百円というものは、先ほど小笠原委員が言っておられるように、養蚕農家のコストを保証するという道とつながっておるのですか。私はそれとは別に、とりあえず、遺憾ながら応急の措置として生糸の糸価の安定対策をやる、それは養蚕農家のコストの保証の問題とはつながっていない。遺憾であるけれども、とりあえずは、それよりほかに道がなかったのだ、こういうことじゃないですか。そういう意味に私は受け取っておったのだが、そうじゃないのですか。
#93
○政府委員(大澤融君) 同様の御質問かと思いますので、一緒にお答えさしていただきますが、千二百円と申しますのは、河野委員言われますように、生産費を基礎としてやったものでございます。生産費を保証するというようないわゆる今までの最低価格のきめ方の方式からそういうふうに考えたというものではないのでありまして、そうした最低価格をどうするかということとは全然離れまして、先ほど来申し上げておりますように、正常な価格水準を実現するために、三百万貫たな上げの奨励的な意味での千二百円、こういうことでございます。そこで、最低価格をどうするかということは、これまた全然別個の問題でありまして、もちろん今までの法律にありますように、生産費を基準としてこれは考えていくべきものだと思います。私ども、もちろん蚕糸局といたしまして、養蚕農民の保護ということは考えておるところでございますが、ただ、支持価格制度で所得を実現させるというねらいがあるのでありますが、単にこれだけでは不満足なんで別個の方面から、生産という面からまたこれも考え、両々相待って養蚕農家の保護、場合によれば、これで養蚕をやっていったのではいかない、ほかのものに転換した方がいいというものにつきましても、奨励的な措置を講じて、そうした支持価格制度ということと生産政策ということと相待って、そういう小笠原委員の言われるような養蚕農民あるいは農民の保護ということを打ち出して参りたい、こういう気持でやっております。
#94
○小笠原二三男君 そうすると、三百万貫、千二百円で買い上げることで市場価格は安定しない、従って、繭の価格もきまらない、そういう状態が推移する場合もあるわけですね。そうすればこの三百万貫買い上げるというのは、そういうことになっていけば何ら意味のないことなんです。ただ、相場をいじるものにいいことをされる、そういうような形の場合も予想されますね。あなたはもう何度聞いても言わぬのですが、大丈夫、あなた方が試算しておる、計算しておるように安定するのだということを、春蚕の場合にわれわれに言うたように、断々固として言えるのですか。大丈夫なんだ、まかしておけ……。
#95
○政府委員(大澤融君) 先ほどから申し上げておりますように、正常な価格水準が実現するということを期待しておるのでありまして、それはここなんだということをわれわれは考えておるわけではないのでありまして、将来、今のような措置をとりまして正常な価格水準が出てくるということをわれわれ期待しておるわけであります。
#96
○小笠原二三男君 だから、私は、そう言われるならば聞きたいことは、正常な価格水準、特に生産者の繭の買上価格は、正常価格としてはどういうものを期待しておるか、それを聞きたい。それを聞かない限りは、全然この審議はできません。それで養蚕農家が守れるのか、コストの関係はどうなっているのか、いろいろそれは検討を要すると思う。政府のお考えとして、正常な価格水準を期待する価格というものはどの程度のものなのか、それを言ってくれないで、出たとこ勝負で、千円台も正常価格、九百円台も正常価格、やむを得ませんでしたという価格が正常価格だということでは、何のこういう臨時措置法、何のこういう財政投資かと言わざるを得ない。私の申し上げていることは、無理なんでしょうか。政府はこれこれこれこれの正常な価格で取引できるように市場価格を安定させたい、そのためには三百万貫買い上げれば、かようかようかようなるものと思われる、なぜ春蚕のときのように堂々と皆さんおっしゃらぬのですか。それを言われなければ、ちっともわれわれは判断の材料を持つことができないのだから、三百万貫、千二百円で買い上げることがいいものやら悪いものやらちっともわからぬのです。白紙委任状みたいなものです、あなたに対する……。そういうものを渡せというようなものです。だから、農林省としては、市場の方がまた思惑でやられたりなんかする関係があるから、箝口令をしいて言わないことにしよう、また、言うて先の方を間違ったりすると、また、しこたまやられるから、もう絶対ものを言わぬように、まあこの点は防戦これ努めようなんというようなことにでもなっているのですか。養蚕家は三百万貫買い上げてくれると、千二百円で買ってくれるそうだとなれば、ははあ、それでおれたちの繭の価格がどの程度になるということで守ってくれるだろうと、こういう期待はあると思うのです。その期待に政府がこたえないというのは、私はおかしいと思う。私の申し上げていることは無理だというなら他の委員からも御指摘願いたい。そうしたら私はもうこの質問はやめます。無理でもなさそうだと思うから、皆さん黙っておるのだろうし、河野さんのような先輩はいろいろ知恵をつけてあげて、それでうまい答弁をさせますが、この問題だけは黙っておられるから、聞いてもいいのだろうと思うのですね。私は。
#97
○河野謙三君 ちょっと速記をとめて懇談してみたらどうですか。それで、小笠原さんの今、言われるようにデリケートな問題が出て、速記をつけてやるというのは工合が悪いとか、公開では工合が悪いという話があれば、公開でやっては、速記があってはどうしてもこれはいけないというならいけないで、そこら辺、懇談してみたらどうですか。
#98
○委員長(関根久藏君) 速記をとめて下さい。
#99
○委員長(関根久藏君) 速記をつけて。
 本日の質疑は、この程度にいたします。
 これをもって散会いたします。
   午後四時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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