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1958/10/24 第30回国会 参議院 参議院会議録情報 第030回国会 内閣委員会 第6号
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1958/10/24 第30回国会 参議院

参議院会議録情報 第030回国会 内閣委員会 第6号

#1
第030回国会 内閣委員会 第6号
昭和三十三年十月二十四日(金曜日)
   午前十一時十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     永岡 光治君
   理事
           大谷藤之助君
           松岡 平市君
           矢嶋 三義君
           竹下 豐次君
   委員
           江藤  智君
           木村篤太郎君
           苫米地義三君
           堀木 鎌三君
           増原 恵吉君
           松村 秀逸君
           伊藤 顕道君
           近藤 信一君
           千葉  信君
           藤田  進君
  政府委員
   防衛政務次官  辻  寛一君
   防衛庁長官官房
   長       門叶 宗雄君
   防衛庁装備局長 小山 雄二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
  説明員
   防衛庁技術研究
   本部開発官空将
   補       永盛 義夫君
   防衛庁航空幕僚
   監部技術部技術
   第一課長一等空
   佐       高山 捷一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国の防衛に関する調査の件
 (航空自衛隊の次期主力戦闘機の機
 種選定に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(永岡光治君) これより内閣委員会を開会いたします。
 国の防衛に関する調査を議題として、前回に引き続き航空自衛隊の次期主力戦闘機の機種選定に関する件について調査を進めます。ただいま門叶官房長のほか特に説明員として、技術研究本部開発官空将補永盛義夫君及び航空幕僚監部技術部技術第一課長一等空佐高山捷一君が出席されておりますから、主として説明員に対する質疑を先にしていただきたいと存じます。
 それでは御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#3
○矢嶋三義君 永盛さんにお伺いいたしますが、あなたが調査団長として出発する以前はノースアメリカンのF―100とロッキードのF―104が非常に有力なる候補機で、相当国内で論戦が行われておったと了承しているのですが、さようでありますか。
#4
○説明員(永盛義夫君) さようでございます。
#5
○矢嶋三義君 その段階において、すでにあなた方の技術畑のみならず、政界方面へも売り込み競争が行われて、政界筋からの意向の反映もあって、非常に決定しかねている段階であった。そこにあなた方が使命を帯びて派遣されたと、こういう情勢であったと了承しているのですが、あなたはいかように把握されておりますか。
#6
○説明員(永盛義夫君) 私はそういう状況は全然存じておりません。
#7
○矢嶋三義君 それでは、部内ではいずれが有力でありましたか。
#8
○説明員(永盛義夫君) 部内でいずれが有力であるかということも、私は存じておりませんでした。当時は技術研究所の第六部長でありまして、航空幕僚監部、あるいは防衛庁の方で、機種選定のことに関しましては直接の衝に当っておりませんし、もっぱら技術研究の航空関係の担当の部長をしておりました。
#9
○矢嶋三義君 では、あなたの出張命令の主要眼目点は何ですか。
#10
○説明員(永盛義夫君) 私が内命を受けましたのが、昨年の八月上旬、十日に大体近いころだったと思います。それまでは全然、そういったアメリカに出張するとか、調査団長でやられるとかいうことは、承知してもおりませんし、突然の内命でありまして、正式発令になりましたのは、十日が過ぎてからだったと思います。出発いたしましたのは、八月の十七日だったと記憶しております。
#11
○矢嶋三義君 出張命令書に書かれた、いわゆる出張目的のおもなる点を述べて下さい。
#12
○説明員(永盛義夫君) 防衛庁が、航空自衛隊が保有すべき次期の戦闘機の決定に必要な資料を、現地においてできるだけ詳細に調査してくるようにと、特に口頭でございましたが、当時の長官、それから今井次官から、それぞれ、今までの国内において調べた調査のいきさつとは全然関係なしに、白紙の状態でお前は行って調べてこいと、こういう命令でございました。
#13
○矢嶋三義君 ノース・アメリカンとロッキードのいずれに最後決定をするか、その調査をするのが主で、あわせてアメリカの防衛状況を視察すると、こういう目的であったと聞いているのですが、その点どうですか。
#14
○説明員(永盛義夫君) 私は、先ほども申し上げましたように、その二機種に限ったというようには解釈しておりません。もっと広い視野で、アメリカの国内、もちろんこれは全世界の状況ではないと思いますが、主としてアメリカが持っておる飛行機というように私は解釈して出かけました。
#15
○矢嶋三義君 その出張命令書は、書面として残っていますか。
#16
○説明員(永盛義夫君) 残っておるはずであります。
#17
○矢嶋三義君 次の委員会までに、その正式文書を複写したものを出して下さい。よろしゅうございますか。
#18
○委員長(永岡光治君) よろしゅうございますそうです。
#19
○矢嶋三義君 団員の内命は、八月初旬に行われておりますが、その当時幕僚におられました岡という人、この人は八月十五日、その後退職しておりますが、この人ともう一人の人が内命されて変更になっておりますが、それはどういう事情に基くものですか。
#20
○説明員(永盛義夫君) 私が存じております範囲では、団員のどういうような候補者であるとか、そういうことは全然私存じておりませんでした。それからどういう候補者があったかということも、私が最後に知ったわけでありまして、よくそこらあたりの事情は存じておりません。
#21
○矢嶋三義君 では、その点官房長に伺いますが、衆議院の決算委員会の速記録において岡証人の証言を見ますと、幕僚に在職し、その後技研の方に移ったが、その移るときも、上司の方から、君は内命通り調査団に加わって行くのだからと、こういう話があったのに、全く突然に変更されて、非常に意外であったと、その理由も説明を受けなかったと、かような証言をいたしておりますが、これはどういう事情であったのでありますか。
#22
○政府委員(門叶宗雄君) 岡当時の空幕二佐が、この調査団の候補者に上っておったというようなことも、私当時の事情として承知いたしておりません。従いまして、今のどういう理由でそれから排除されたかということも、私実は承知いたしておらないのであります。
#23
○矢嶋三義君 この人は、速記録を見ますと、電波関係の専門家のようですが、昨年の今ごろまでは、海上自衛隊の幹部であったわけですね。その人が、団員から何らの説明も受けずに突然はずされたと、そしてさらに、ノース・アメリカン、ロッキードを盛んにわれわれは論じて、いずれが適当か、アメリカに、現地に行って視察するつもりで自分も張り切っておったと、ところが、団員が帰って来て半年もたたぬうちに、突然過去二カ年半の研究というものが、わずか半年足らずで部内の隊員の言の葉に上らなかったグラマンがこつ然と出て来たことについては、自分はどうしても納得しかねると、何かあるのじゃないかというような疑惑を含めた証言をされているのですがね。これが外部の人ならば、私はあまり重視しないわけなんですけれども、一年前まであなた方の隊の幹部として、同僚として仕事をしておったその人が、国会において証人としてこういう証言をするということは、外部のわれわれから見ると、どういう事情なんだと察しかねる点があるのですが、このことについて永盛元団長は、どうわれわれに解明せんとされるのですか。
#24
○説明員(永盛義夫君) 今の岡君の発言に対しましては、私は彼の事情をよく知りませんが、おそらく団員の選定に関しましては、出張旅費等の予算の関係もございまして、人数が相当制約されておったためだと思います。それから、これは私の想像でございますが、この機種の調査の第一段階といたしましては、エレクトロニクス関係はむしろ第二段階、あるものがきまってしまってから、そのものに載せるエレクトロニクスは、どの飛行機でも大体同じものになると思いますが、そういうものは、最初のどういうものを調べるかという段階においては、その方の専門家が必ずしも必要じゃないのではないか。むしろもっとほかのメンバーで、要するに人数が制限されておりますので、その制限された人数の、重要度と申しますか、その選び方からきまったのではないかと私は想像いたしております。従って、参りました団員は私のほか五名でございます。一名は当時の空幕の防衛課長をしておりました浦君で、それからもう一人はテスト・パイロット、現在も実験航空隊の隊長を兼務しております高岡一佐、それからもう一人は整備関係の専門であります、現在空幕の整備課長をしております升本一佐、あとは内局の航空機課の川上部員と松岡部員、この合計私を入れまして六名で編成されております。
#25
○委員長(永岡光治君) 速記をとめて。
#26
○委員長(永岡光治君) 速記を始めて。
#27
○矢嶋三義君 永盛さん、人数制限云々ということを言われているのですが、人数というのは、初めからきまっているのですね。ただ、人がかわっただけです。団長自体もかわっていますね。あなたは最初から団長ではなかったですよ。だから、あなたは八月十日に内命を受けた。他の人の内命を受けたのは、もっとずっと早いですね。あなたは内命を八月十日に受けて、一週間足らずで出発したので、あなたは出発直前に内命を受けたので、その前は浦一佐が団長に内命を受けておったのですよ。そこで、私は松岡委員の発言にも関連してお伺いしますが、これらの事情を官房長が知らないのは、私はどうしてかと思って先ほど来疑問を持っていたのですが、一体団員の編成内命はどこでやられたものか。さらにもう一つは、エレクトロニクスはあとでいいから、機体の性能だけ調べればいいから、エレクトロニクス関係はあと回しでいいからかえられたのだろうということを永盛さんは言われましたけれども、この言葉はかなり重大ではないかと思う。きのうも源田空将がおいでになったのですが、源田さんは自衛官の一人ですから、ここへ来てそう自分の思うままのことを言うわけにはいかないので、相当含みのある、非常に意味深長な発言を、あの明敏な頭脳で非常に用心深く言っておったのだろうと私は受け取ったのですが、その中の一つで、FCS、電子工学進歩時代における電子機器の重要性というものを、あの人は文芸春秋にも書かれておりますが、きのうこの席でもはっきり言っておられます。そうして、そういうエレクトロニクス関係なんかは、機体の性能とむしろ並行か、先行して先にぐらいやらねばならぬほど、今の飛行機にはそういう関係は重要になっているのだということを発言されて、言外に、今度の主力戦闘機種の選定に当って、その電子機器関係を従的に、機体の性能だけを先行してやったのは、やや今の時代に即応しないということを含ませながら、あの明敏な頭脳で、きわめて含みのある答弁をされて、私は非常に傾聴したのでありますが、その角度から、あなたがエレクトロニクス関係だから省いたというのは、これは私は当らないと思う。そうだとするならば、団の編成そのものに、構成そのものに問題があるのじゃないかと思うのですが、お答え願いたい点は、どういう方針で構成され、だれが団員を構成し、だれが命令書を出したのか、そういう点を一つ官房長並びに永盛さんからお答え願いたい。
#28
○政府委員(門叶宗雄君) 先ほど矢嶋委員の御質問にお答え申し上げたのでありますが、岡二佐が候補者に入ったか、あるいはなぜ候補者から除外されたかということを、私は存じませんと申し上げたのでありますが、なおこの間の事情については、主管局長である小山装備局長が出席されておりますので、装備局長からお答え申し上げたいと思います。
#29
○政府委員(小山雄二君) 調査団を構成します仕事、これを形式的に申しますと、永盛将補は技研におりますし、空幕の人、内局の人、いろいろおりますので、書面はそれぞれ出ることになると思いますが、実質的に一つのまとまりで行くわけでございまして、そのまとまりをどういう見地から作るかということは、主として、私の記憶では、空幕副長が空幕長の意思をいろいろ聞きながら、われかれといろいろ交渉されたわけであります。初めは、空幕はたしか八人ぐらい出したいということでございました。一方、先ほども話のありましたように、予算の制約がありまして、これはもう八月でございますので、出張旅費その他の関係もありまして、経理局の方では、なかなか人を出せない、五人にしてくれというような話もありまして、私がいろいろ中に入って両者の折衝をやりまして、結局六人にしぼったわけでございます。団の機成につきましては、実は空幕は、私に団長になって行ってくれということを言っておったわけです、一番初め数の多いときには……。しかし、これはまず最初はもっぱら技術的な資料、データを集める調査だから、これは技術者の人が中心になって行くべきだということで、結局永盛将補に団長になってもらおうという話をしたわけでございます。それから、専門別の選定につきましては、先ほども話がありましたように、確かにエレクトロニクスは大事なんでございますが、まず飛行機全体の機体の関係、それから運用の関係、整備の関係、それから乗るパイロットの関係、それから内局の面は、川上君というのが生産関係の部員でございまして、松岡部員というのは外務省から来てずっと飛行機を手がけて参った人でございまして、これはどうしても入ってもらわなければ、いろいろ資料の関係その他で困るというので、そういう構成になったわけであります。岡二佐が当時内命を受けたというのは、確かめておりませんが、私のなにでは、空幕が八人も九人も出せる前提のもとで、あるいは副長あたりから、お前に行ってもらうかもしれぬということを言ったのではないか、私はそういう点まだ確かめておりませんが、その程度の内命であったと存じます。
#30
○矢嶋三義君 それなら、岡二佐を内命からはずすのならば、本人が納得できるように話してはずすのが普通じゃないですかね。幕僚監部におるときも、そういう内命を受けて、それから技研に移るときも、君は幕僚から技研に移るが、戦闘機種の調査団に行くその内命は変らないのだからというように念を押されたというのですね。それで自分としては、今国内で問題になっているノース・アメリカンとロッキードのその調査をして来ようと思って張り切って勉強しておったと、ところが何の断りもなくはずされた。たったそれだけで、私は、いやしくも一年前まで二佐であった、あるいは航空自衛隊の幹部であった岡二佐が、衆議院の決算委員会で証人としてああいう証言をしないと思う。これは私は重大だと思うのですよ。自分も専門家の一人として、かつては航空自衛隊の幹部の一人として、機種の選定については納得しかねるということを述べておるのだね。これは私は重大だと思うのです。そうしてまた一部には、衆議院の決算委員の諸君のところには、速記録を見ればはっきりしますが、自衛隊の方から資料が流れてきているというわけですね。山本君の発言に、はっきりそう書いてある。機密文書が流れてきておる。航空自衛隊の中に不満分子がかくかくにある、名前こそ言わないが、はっきりと速記録に何カ所も残っておる。これは本人に聞いてみなければわかりませんけれども、しかしいやしくも国会議員が速記をつけて何度もそう言っておれば、何か防衛庁関係の不満分子から資料が流れておるものと認定せざるを得ない。それをさらに追いかけて、その幹部であった岡二佐がああいう証言をされている。これは防衛庁の不徳のいたすところじゃ済まぬと思うのです。あなた方はおそらくもとの同僚であるから、一隊員とは違う、少くとも二佐だったわけですからね。岡二佐の証言というものは読まれていると思うのです。どういうわけで岡二佐はああいう発言をされたとあなた方は判断されているのか、あるいは永盛さんと一緒に団員の一人として行く予定であったところの岡二佐の……、永盛さんお答え願いたい。どういう判断ですか。
#31
○説明員(永盛義夫君) 私の先ほどの説明がちょっと足りなかったために、矢嶋委員に誤解をされたのじゃないかと思いますが、FCSは重要でないとか、あと回わしでいいとかということを申し上げたつもりじゃありませんで、FCSは、おっしゃいますように一番重要なものでございます。ただ、どの飛行機になりましてもFCSそのものを同じように採用されていかなければならない、どのFCSをとるべきかということが、やはり一番第一に考えなければならないのであり、どの機種をとるかということと、FCSをとるということは並行に考えていいのじゃないかと私は思います。
 それから岡二佐の今の問題に関しましては、私はどういう心境であるかということは存じておりません。全然関知しておりませんので、その点は私からはお答えできません。
 もう一つ、先ほど予算の制約、人数の制約になりました点では、エレクトロニクス関係では、先ほどの航空機課の川上部員は、前々から生産関係のみならず、ずっと海軍におりますときから、兵器関係の担当者の専門屋でありまして、必ずしも二人がダブって、FCS関係の人がダブって行かなくてもいいんじゃないかということも、これは私の想像でありますが、人数の制約のある場合には、当然そういうこともあり得ると私は思っております。川上部員は相当の、その点のエキスパートでございますので、君はそのように考えております。
#32
○矢嶋三義君 もう一言、官房長に聞きたいと思うのです。岡君の証言を官房長はどう考えますか。また、衆議院の速記録の至るところに防衛庁航空自衛隊の内部に理解できない人がおって、衆議院の議員諸君に資料が提供されている。このことについて、防衛庁の官房長としては、どういう御見解を持っておられますか。
#33
○政府委員(門叶宗雄君) 岡元二佐の証言をなさる際、私はその場で承わっておった次第であります。空幕の装備課の通信関係をやっておった岡君が、なぜ技研に行ったか、さらに技研から浜松の航空隊の方に転任させられた理由がどこにあるかというような点、さらに先ほど御指摘があった通り、当初100ないしは104が主力候補としておったのが、急激にほかの機種に変った理由はどうかというような点について、岡元二佐から証言があったと記憶いたしております。なるほど新しい機種が突然出た点については、自分は通信関係で航空機の専門家ではないからその点についてはよくわからぬ、前段かわった点につきましては、転任の点については、自分としては何も言えないが、適当でないというふうに考えて上司がやられたのだろうというような証言と当時拝承しておったわけでございます。なお、先ほどもお話がございました。派遣要員の中に初めは加わっておったが、あとから抜けたというような点についても、今御指摘のあったように、はっきりした御証言ではなかったように思っている次第であります。なお、岡証人からいろいろな資料が外部に漏れたというふうには私は考えておりません。
#34
○矢嶋三義君 あなたへの質疑が目的でないから、あなたに対する質疑はこれで打ち切りますが、あなたの認識は違いますよ。衆議院の決算委員会の速記録の第十号の四ページに、そこに岡氏はこういうことを言っている。よほど有力な資料があるのだろう、それで説明してもらわぬことには自分は納得できない、さらに三十ページに岡氏は、ぜひともそういう説明を聞きたいものだ、まことに奇なことだという証言をされている。それから防衛庁から資料が漏れた云々ということは、衆議院の山本君、田中君が至るところでそういうことを述べております。これはいやしくも国会議員でありますから、まあ一回は口をすべらせるということがあるかもしれないが、何度も繰り返して述べているところを見ると、これは火のないところに煙は立たないという言葉もあるが、これは問題だと考えております。この点については私はもう一ぺん速記録を見るように注意を喚起して次の質問に移ります。
 次に一つ永盛さんに伺いますが、飛行機の選定に当って、アメリカでは海軍にマーフィー法、空軍にクッククレギー法というものがあるということを私は読んでおりますが、これは内容はどういうものであるか、できるだけ言葉少なに要を尽して簡単に御説明願います。
#35
○説明員(永盛義夫君) マーフィー法、クッククレギー法のあることは、私も詳しくは存じておりませんが、大体のごく概略と申しますか、概念的に申し上げますと、大体両方とも同じようなものでありまして、ある一つの飛行機を試作いたします際、正式に採用して生産に移すという段階は、急に一ぺんにたくさんのものを作るというと、非常にあとで不経済なことが起きますので、慎重にその試作から生産の段階に移ることを何か規定した、これは法律じゃなくて一つのメソッドといいますか、そういうものがあるように私は聞いております。この詳細こまかいことは、私は読んでもおりませんが、ただそういうように承わっております。
#36
○矢嶋三義君 そこで、その点はあまり掘り下げて質問しませんが、私の読んだ範囲内では、きわめて慎重にやっているわけですね。飛行機を開発していくのに当って、ナンバーがちょっと違ってもうまくいかぬ場合もあるので、非常に慎重にやって、それから商社と契約する場合には、試作機を最初二機とか、次に五機とか次々と作って、二十機とか作って、そうして大量生産に入るという経過をたどっている。そういう精神のもとにマーフィー法、クッククレギー法というものが作られている、かように私は思いますがそうですか。
#37
○説明員(永盛義夫君) そうだと私も了解しております。
#38
○矢嶋三義君 そこで伺いますが、われわれ国会で審議いたしましてもそうですし、また、その後のあなた方のお言葉を聞いておりますと、新しい戦闘機種がきまったならば、三百機を発注するのだ。だから三百機というものを念頭において、商社はそろばんをはじき、それからその施設設備が要るわけですからね。あるいは新三菱、川崎にやっていただくにしても、それだけの施設設備が要る。しかもその施設というものは早急にできるわけではないのですから、財政投融資というようなものをつけて、早目々々と計画されていく。そのときに常に三百機というものが、根底に三百という数字がある。こういうところは、私は少し早過ぎるのじゃないか。やや軽率過ぎるのじゃないか。これはあの進歩しているアメリカでこういうマーフィー法、クッククレギー法で慎重な態度をとっておるのに比較して、幾ら改良型とはいえ、エンジンもできていない、現物の飛行機もできていないというのに、初めから三百機々々々という、三百という数字を前提に考えていくということは、少し私は目立ち過ぎるのじゃないかと、不安を持つのですが、あなたの御見解はいかがですか。
#39
○説明員(永盛義夫君) 全然新しい飛行機を設計いたします場合は、今、矢嶋委員の申された通りだと思います。それから今お言葉の中に、新しいエンジンがまだできていないというお話しでありましたが、私の了解しております範囲では、エンジンはできて飛行機に積んで飛んでおるものもあるように聞いております。今の自衛隊が予定しております飛行機に積むべきエンジンでございますあのJ79―7のことじゃなかったかと思いますが、これはすでにでき上って飛行機に積んでおるものもあるように聞いております。それで、全然新しい飛行機を設計いたします場合には、でございますが、ただいまの航空自衛隊の次期戦闘機あたりを検討しておりますところの次の飛行機というのは、全然新しい飛行機と解釈されるのは、ちょっと当らないのじゃないかと私は思います。前々から決算委員会でも問題になっております飛行機の機種の、F11F―1Fという飛行機と、それからグラマンが言っております98J―21という符号をつけておるものと、これは全然違った飛行機であって、仮想の飛行機であるというように区別してしまうのは、ちょっと当らないのじゃないかと私は思っております。従って私どもは、これは私は技術屋でありまして、ずっと戦争前から飛行機の特に戦闘機関係の設計にタッチしておったものでありますが、大体F11F―1FというのがF11F―1というアメリカの海軍がすでに生産に入り、実用しておりますところの飛行機の一つのファミリーである。要するにそれでもって相当実験をし、確認したものの、中につきますところのエンジンを取りかえて、―1Fの符号をつけたもの、いわゆるスーパー・タイガーという俗称をつけておりますが、そういうように名前をつけておるのじゃないかと私は思っております。従って全然初めから試作をスタートした飛行機とはだいぶん考え方を変えなきゃいけないのじゃないかと思っております。
#40
○矢嶋三義君 あなたは帰国後復命書を出されましたか。
#41
○説明員(永盛義夫君) 出しております。
#42
○矢嶋三義君 その復命書の内容の要点をできるだけ言葉少なに要を尽して簡単にお答え願います。
#43
○説明員(永盛義夫君) 私が提出いたしました内容の要点と申しますのは、結論的に申しますと、調べました機種はF―100D、それからF―102A、F―104A、それからF11F―1F、N―156F、大体この五機種につきまして、それらの長所短所等を列記いたしまして出しております。
 この内容も全部言うのでありますか。
#44
○矢嶋三義君 大事な結論だけ……。
#45
○説明員(永盛義夫君) F―100Dは戦闘爆撃機として最もすぐれた性能を持っております。ただしかし、全天候性のものではありません。また速度、上昇力というものは一九六〇年ないし六五年ごろの予想の目標機に対しまして不十分でありますので、要撃機としては第二義的のものと考えられます。操縦、訓練、整備、補給上に関しましては、とくに難点を認めません。本機は米空軍におきまして目下おおむね安定した状態で生産中の飛行機でありまして、日本で国産化いたします場合には、チタニューム加工、大型のスパーミリング機械など若干の増設をいたしますれば、F―86の生産技術をもって比較的要易に実施可能と認めます。本機に対しまして、会社側において全天候性を有せしめる改造の計画案がありますが、その飛行性能は要撃機としてなお十分とは認められない状態であります。
 次に、F―102Aでございますが、この飛行機は全天候の要撃機でありますが、予想いたしますところの目標機に対しまして、その性能はおおむねF―100Dと同様不十分であります。また操縦、訓練上は難点を認めないが、整備、補給はやや困難と認めます。国産につきましては、機体が大型のデルタ機、三角翼を持った飛行機であります。デルタ機でありますので、生産上他の機種に比べまして、最も問題が多いものと考えます。
 第三は、F―104Aでありますが、これはクリアー・エア・マス、雲のない晴天と申しますか、夜であっても昼でもでありますが、クリアー・エア・マスにおける要撃機としては最もすぐれた性能を有するものと認めます。本機は米空軍において基礎的性能試験をおおむね終了し、実用実験を本年七月開始、この本年は、昨年の三十二年の七月でございます。これと並行して三十二年の九月中に部隊用法上の検討が行われるとのことであります。操縦性に関しては、特に難点を認めませんが、戦技訓練に対しては実験未了であり、また、画期的性能を備え、失速角以上におけるピッチアップ対策としてのオートマチック・ピッチ・コントロール、高揚力装置としてのバウンダーリー・レイヤー・コントロール等複雑な機械を有しまするので、教育訓練上特に考慮を要するものと認めます。
#46
○矢嶋三義君 答弁の途中でありますが、今あなたが述べられているのはプリントにしていただいております。それでこれがあなたの復命書のすべてだと判断するのですが、時間の関係もありますから、あと三機種についての説明は、次の角度からしていただきたいのです。私はここに出されているこの文書から判断することは、F11F―1Fの長所と短所も相当あなたあげられている。F11F―1Fが適当であるという結論を出されたものでない、かように私は文書からとるわけです。それからN―156Fは、開発にちょっとかかるが、これは非常に参考になる有力な飛行機種だと、かように復命されておるようにこの文書を了承します。そして(6)の最後の結論としては、どの飛行機がよろしいという立場でなくて、非常に高度の立場からあなたが復命されたと思うのですが、最後の(6)のところに重点を置いて、そういう角度から簡単にお答え願いたいと思います。
#47
○説明員(永盛義夫君) 今のちょっと矢嶋委員からの御質問の途中で、N―156Fは非常に優秀なというようにお伺いしたのでありますが、私はそういうように報告しておりませんで、将来わが国において独自の戦闘機を試作いたします場合に有力な参考資料として役立つと、要するに、設計構想と申しますか、こういうものはウエポン・システム的に考えまして、将来われわれ自身の要求で新しく飛行機を設計いたします場合に、こういう飛行機の設計構想というものは有力な参考資料になります、こういう意味で報告しております。
 それから結論的のことは、総合いたしまして各機種とも一長一短がございます。従って、日本が次期の戦闘機として採用いたします機種を決定される場合には、ただ単に上昇力とか、スピードとか、そういった性能的なことのみならず、いろいろな角度からこれをながめられて、どれに重点をどの程度置かれるかによって、おのずから結論が出てくるものであると私は信じますので、どの飛行機が最も次の候補として第一であるとか、第二であるとかいうことは、私どもの出張の命令の範囲をこえることと信じまして、それは防衛庁の長官のところで、どれが最も優秀であるかということをおきめになるのじゃなかろうかと考えております。
#48
○矢嶋三義君 ただいまF11F―1Fの復命書の概要を説明されなかったので、その点を御説明願います。
#49
○説明員(永盛義夫君) F11F―1F、これは先ほど申し上げましたように、F11F―1、現在米海軍の艦上戦闘機として生産されておりますところのこの飛行機にJ79―3というエンジンを積みかえまして、多少空気の取り入れ口その他を適合するように改良されておりますが、そういうような、これは飛行機の開発をやります場合の、私どもの常識的なやり方でありますが、そうしてでき上った飛行機が現在アメリカの空軍の手でもって、エドワード・エアホース・ベースという空軍の基地がございますが、そこで試験された二機種がある。その飛行機は、飛んでみた結果は、非常に予想以上にすなおないい性能を出しておるということでありまして、最初私どもが出かけます前には、調査の対象として予定して行っていなかったのでありますが、向うの方で、こういう飛行機もあるからということで、資料として私どもは空軍の方から説明をしていただいたものでありますので、これを最初の予定に追加いたしまして、ここに報告したのでありますが、大体性能といたしましてはF―104Aに、飛行性能の点から申しますと、これに次ぐりっぱな飛行機だと思います。国産化に関しましては、特に生産技術上の難点も認められないと考えておりますし、ただ、この飛行機のプロートタイプと申しますか、初めの原型が、アメリカの海軍の飛行機でございますので、いろいろ装備品の製造系列等は、従来のF―86Fのように米空軍が作っております。生産の部品等、多少そこに相違するものがある点がありますので、国産化が多少そこに困難が予想される、こういうように判断しております。
#50
○矢嶋三義君 あなたはF11F―1Fは、向うに行ってアメリカ軍の人からこういうのがあるからといって教えていただいたというのですが、飛ぶのを見ましたか。
#51
○説明員(永盛義夫君) ただいま申し上げましたように、エドワード空軍基地にこの二機が飛んでおりまして、私どももその飛行を見ました。
#52
○矢嶋三義君 そこでアメリカへ行った場合に、五種の飛行機をごらんになったというのですが、アメリカの責任ある幹部から全部資料を見せていただき、また受け取りましたか。
#53
○説明員(永盛義夫君) 今の五機種のうちでN―156Fは、まだでき上っておりません飛行機でありまして、設計の段階でございます。もちろんこれのプロートタイプと申しますか、T―38というアメリカの空軍練習機としてノースロップに発注しております飛行機が、これは正式に向うで設計試作の段階にあります。もちろんまだ形ができておりませんで、最近の情報によりますと、今年の六月だったか七月だったと思いますが、このT―38という複座の練習機としての飛行機ができ上ったと聞いております。そういう状況であります。N―156Fは要するにまだ図面の段階でありまして、木型と申しまして、実物大のフルスケールのモデルが練習機のT―38のモデルと一緒に準備してございましたが、この飛行機だけは木型で見せてもらいました。あとの飛行機は、全部現物をエドワードの空軍基地で見せていただきまして、それに関します資料、もちろんN―156Fの設計上のこういう予想性能度という資料もあわせて説明を聞いて、そのデータももらってきております。
#54
○矢嶋三義君 このさっきあなたが述べられた機種について、アメリカ軍部としては、何も隠すことなくすべて資料をあなた方に提供された、受け取った、こういうように判断しているのですか。
#55
○説明員(永盛義夫君) 私は何も隠さず全部を説明してくれたとは思っておりません。これはいろいろアメリカの政府といたしましては機密保護法、機密のいろんな段階がございまして、私どもに話をする限度というものが当然あるのじゃないかと思います。従って、何でもかんでも裸になって説明したかどうかは、私はしたとは信じておりません。ただし、各機種とも同じような見地から、大体比較するのに必要なデータは私どもにはくれたものと思っております。特にその秘密の程度の高いものと申しますと、これは私ども想像で申し上げるのですが、特に先ほど申されましたFCSあたりの、一番飛行機の大事なところと申しますか、そういうものは、なかなか向うの方としても日本に機密保護法があれば説明するがというようなことをだれかが言っておりまして、そういうものがない現状においては、機密程度の高いところまでは、私どもに十分話はしてくれなかったと私どもは考えております。
#56
○矢嶋三義君 そういうことから申しますと、あなたは、やっぱりこの専門家として、機密保護法は必要だなという感じを起したわけですか。そうでしょうね。飛行機を選定するに当って、機密保護法でもあればなあと向うが言うて、大事なところを教えてくれぬとなれば、機密保護法があれば、判断するのに資料もよけいそろうのになあ、こういう感じを持たれると思うのですが、その点はいかがですか。
#57
○説明員(永盛義夫君) 私はそういうふうには申し上げなかったのでありまして、アメリカ政府の中に機密の段階がございまして、私どもに話していい段階まで話してくれたと、こう思っておるのであります。もちろん、日米の協定がございますので、その範囲で、われわれを信用して、機密は漏れないが、その話しする限度が、やはりアメリカの国としてはある、こういうように、これは私の想像でありますが……。
#58
○矢嶋三義君 次の質問をするに当って、ここで一つ、大事なことで、基本的なことを、横にはずれて聞きますが、あなたは、交渉の段階において、機密保護法の必要ということを感じたろうと思う。これは、日本に機密保護法があればよけい教えてもらえるのだが、ないから向うが教えないから機密保護法がほしいなあ、と同時に、あなたもやっぱり日本の国家公務員ですから、憲法の制約を受けているわけで、日々非常に御苦労な仕事をしていただいておるわけですが、やはりあなた方のやっている仕事、やりたい仕事と憲法との間には、一国民、一国家公務員として、折々悩まれることがあると思うのですか、いかがですか。ありませんか。見解を持っているはずです。
#59
○説明員(永盛義夫君) 私個人の見解でありますが、今の日米の間の行政協定と申しますか、こういった範囲内における機密というものは、当然私どもも了解しておりますし、その範囲内において、差しあたり、今の仕事をやっていきます上には、その範囲内でやるわけでありますが、もっと限定された、広範囲な機密保護法と申しましても、いろいろカテゴリーがあると思いますが、あるきわめて限定された範囲において、そういったものがあれば、よりアメリカ政府の方が、いろんな資料を提供するのに有利なんじゃなかろうか、これは、私ども研究開発の立場におります者といたしましては、いつもそういう悩みは持っております。もう少しアメリカが、この次の段階と申しますか、もうちょっと話してくれるところも話してくれないというような点があるのじゃなかろうかと想像しております。
#60
○矢嶋三義君 そこで、憲法上機密保護法が持てないので、憲法そのものに悩みを持っておられるのじゃないかということです。
#61
○説明員(永盛義夫君) まあ、そこまで私飛躍して考えてはおりませんです。
#62
○矢嶋三義君 その点はもう追及はしません。本論に入ります。そこで伺いたい点は、きのう佐薙空幕長が来て、とにかく長く、レコード的に、いろいろ申しわけ的に、ずっと説明されたわけですが、その中で、ともかく僕が一番印象に残ったのは、自主的々々々という言葉です。飛行機は、日本が自主的にきめる、アメリカも自主的にきめよと、こう言うというのですが、この点少し私は伺いたいのです。ということは、あなたはN―156で、われわれ自身、日本だけの独自の要求で飛行機を作るとすれば、N―156というものは、非常に有力な参考資料として役立つものと思われる。こういう復命をされておるわけです。盛んに自主的自主的というのはおかしいと思うのですよ。どうも納得できない。というのは、アメリカは全部の資料は出さぬわけでしょう。一部だけ出すわけでしょう。ある飛行機の資料は出さぬ、ある飛行機の資料は五〇%、ある飛行機の資料は八〇%、それを素材として、日本が、あなた方判断するわけですからね。たとえば、ロッキードのF―104にしても、あなたは、出発前は、滑走路は大体五千フィートぐらいであればいいという判断で出発された。これは国会の速記録に載っておる、防衛庁の政府委員の……。行ってみたところが、やはり七千フィートぐらいあるので、これは、ロッキードは滑走路が短いからいいと思っていたら、違っておった。こういうことをあなたは実見された。そういうことも復命されたわけですね。それは、向うからそれだけしか局部的にしか資料が出ていないからそうなんでしょう。ところが、アメリカに行ったところが、F11F―1F、こういうのがある、どうですかと言われた。初めて聞く名前であるが、なるほど二機できてきて、それを見ると、よさそうだ、それからファイア・コントロール・システムのような大事なところについては、機密保護法の関係で教えてくれない。見たり聞いたりしたところでは、幾らかよさそうだ、こういうように判断し、復命書には断定的にこれがよろしいということを書かれていないことは、先ほど申し上げた通り。だから、いかにも日本が全知全能をしぼって、自主的に日本の国情に合う飛行機をきめた、きめたということはおこがましいことだと思う。非常に制約された自主的じゃないですか。いかがですか、永盛さん、どうお考えになっておる。永盛さんの答弁の後に官房長の答弁を聞きます。
#63
○説明員(永盛義夫君) この自主的と申しますのも、もちろん、押しつけられた、向うから、この飛行機を使え、これがいいぞというふうにわれわれに押しつけるようなことはもちろんないと思います。日本は、日本の国情に最も適したものを、自分たちの研究、自分たちの判断においてやるべきであるということを、向うの国防省並びに空軍当局の人たちがいつも言っておりました。これは、F―86Fを日本で国産いたします場合には、むしろ天下り的に、この飛行機を作ったらどうかというように、向うの方から逆に言いますと、機種をきめられてきたんじゃないかと私は思いますが、今度はそういう段階ではなくて、日本にはいろいろ経済的な制約がありますので、一機種しか選べないとすれば、やはりいろいろなものを見て、その資料を自分で判断して、人から押しつけられてやるというふうな考え方できめるべきじゃない、こういうふうに私は判断しております。それで、先ほどの、ある飛行機に関してはここまでを示し、ある飛行機は三〇%しか示さないとか、非常にまちまちなデータを出して、それが判定の資料になったんじゃなかろうかというように私は承わったのでありますが、大体五機種につきましては、もちろんN―156Fというのは、設計の数字でありまして、それもちゃんと断わって説明してありますが、ほかの飛行機は全部飛行実験の結果出した性能である、滑走距離その他のデータに関しましても、同じレベルで私どもに示してくれておりますものと、私は信じております。従って、私どもは、どの飛行機が特別にアメリカの政府としていいように、と申しますか、ウエートは同じウエートで私どもは読んでいいじゃないかと解釈しております。それから、特に国防省で私どもに注意がありたましたことは、いろいろ各会社を回って説明を聞きますと、その会社は自分の飛行機を買ってもらいたいばかりに、最も有利な数字を提供し、ややもすると、そういう数字だけをながめてすると、全体を判断するのに公平でない資料になってくるので、私どもがここで説明する資料をもとにして比較されたら、一番適当だと思う、こういうように前置きをして説明をしてくれております。従って、各会社ごとに出しますところの数字、あるいはその会社のいわゆる商策と申しますか、自分の会社の飛行機が一番いいのだと、どの会社でも申します。これは、会社の営業としては当然のことだと私は考えておりますが、そういう数字のために、いろいろこちらで聞いておりました、私どもが出かけるまでにこちらで得られましたデータも、そういったように、各会社から来た雑誌、新聞あたりで発表されたような数字がもとになって、いろいろと判断に迷うような数字が出たりすることはあり得ることだと私は思います。
#64
○政府委員(門叶宗雄君) ただいま永盛説明員から御説明申し上げた通り、機種選定に必要な限度の資料は得てきた。ただ細部の点については、あるいは説明のできかねたものがあったというふうに私どもも了承いたしております。なお、こちらが調査いたしました五種の機種について、あるものについては特に詳細なるデータを示し、あるものは特殊な意図のもとに詳細な資料を提供しなかったということはないと承知いたしております。
#65
○矢嶋三義君 こちらが知らない、向うが持っておるものをちびちびに出すのですから、それを全部同一基準で出したか、あるいは部分的に出したかどうかということは、何人もにわかに判定しがたいと思います。そういう意味から私は、自主的ということを大きな声で言いなさんなと言うのです。これは大きく制約された自主的ということです。そういう点を指摘したことですが、時間がないから、次に伺います。
 私、今から読みますから。このことはあなたの報告書の不備というような点から出てきたものかどうか。あなたの報告書と、復命書と、どういう関連があるとあなたは考えるか。もし、あなたの復命書と関連がないとすれば、どの段階において関連があって、こういう事態になったとあなたは判断されるか。ともかくあなたは団長として海外出張までさせられた人ですから、主力戦闘機種が最終決定するまでは重大関心を持っておられると思います。責任もあると思います。従ってどういう判断をされているかということを伺います。私があなたにお耳に入れるのは、与党の川島幹事長ですが、非常に政治的に責任あるお方です。その人が証人として衆議院で述べておる言葉に、こういうことがあります。「防衛庁だけで研究した結果、疑惑を持たれたのでありますからして、防衛庁の影響力のない委員会を作る必要があるのでありまして、」こういう言葉を述べております。そして、途中抜いて、「適当な民間の人を集めて研究してもらう、こういうことが趣意であります。言いかえれば、防衛庁がやった今までの措置に対しまして、疑惑を一掃するために防衛庁以外の人が必要だ、こう考えたわけであります。」さらに、「防衛庁の影響力のない委員会を作ってもらいたいということでありまして、」それを至るところで述べております。一度じゃない。さらにこういうことを述べております。時間の関係上、省きますが、こういうことを述べておる。三役会でもって防衛庁長官その他にわれわれが進言した結果こういうものが、結論になったのであります。ところがわれわれのこの要望を入れて、広岡事務局長のもとに、ある会合を開いたが、「その会合もやはり防衛庁の影響力がある、こう考えましたからして、さらに赤城官房長官に向って、新たにもう一つ別の会合を作って、そこで真剣に研究してもらいたいということを第二段として申し込んで、今、官房長官が構想を練っておるというのが現在の状況であります。」こういうことを与党の大幹事長である川島さんが証人として衆議院で述べられております。このことは、あなたの調査団長としての復命書とどういう関係があるのか。どういうところからこういう事態になったと判断されるか。あなたの復命書と関係なければ、どの段階においてこういう事態が生じてきたと判断されておられるか、お答えを願いたいと思います。
#66
○説明員(永盛義夫君) 私の復命書と、今の川島幹事長の証言との関連、私はちっょとそこのところがわかりませんが、もちろん私は調査団長として、この報告、復命書を出しますには、私のでき得る限りの公正なる判断、まあ、出発前にも口頭で私は申しつけられて参りました通り、完全に、従来のいきさつと申しますか、データ、そういうものから白紙に戻って、お前は調べてこいという御命令でありましたので、私としましては、団員一同に、常に公平な立場、白紙に、今までのデータは、もちろんそれは全然ゼロにするという考えではありませんけれども、参考にしながら、絶えずそれを検討批判をしながら、公平な見方をしてきたものでございます。もちろん、私どもの団員のアリメカにおりますときの一挙一動も、絶対に私ども自粛いたしまして、疑いを持たれるようなことのないような行動をやって参りました。これは私団長として十分責任をもって皆さんに申し上げるわけでございます。それで、この機種の決定に関しましては、先ほどの結論でも申しましたように、いろいろな角度から決定されるものでありまして、私の報告書も、その報告書そのものだけのデータできまったとは私は思っておりません。もちろん、私は関心は持っておりますけれども、その衝と離れたただいまも、技術研究本部の技術開発官をしておりますので、直接のこの機種選定の問題その他に関しましては、タッチはしておりませんが、私の行って参りました報告書の内容が十分加味され、さらにその後得られましたところの新しい資料も十分検討されて、やられたはずであるものと信じております。防衛庁の決定に疑惑が云々ということに関しましては、これは疑惑の晴れる、と申しますか、そういう疑惑のないようにされることが、まず先決問題ではないかと思います。疑惑があるままにしておいて、そうしてそれに関連性のない適当な人を集めて云々ということに対しましては、私はまず疑惑のないようにはっきりしてかかって、この機種選定の問題を早く解決されることが一番大事なことではないかと、私は思っております。
#67
○矢嶋三義君 あなたはりっぱなお方のようですし、責任をもって、きわめて誠実に、長駆自分の職務を果して参った、私もそれを信じたい。だとすれば、川島幹事長のこういう発言が、責任ある人から、責任のある立場においてなされるに至ったからには、まああなたの方にない、防衛庁にないとすれば、他の面、あるいは政界、あるいは実業界とか、どこかに何か原因があって、こういう発言がなされたものではないか、こういうふうに一般国民は感ずるのじゃないかと思うのです。何とも感じないという人はないと思うのであります。あなたはどういうふうに考えておりますか。
#68
○説明員(永盛義夫君) ちょっと今の御質問に対しましては、私、何ともお答えができない状況でございます。
#69
○矢嶋三義君 時間がありませんから、それにはあまり触れません。そこで、さっきあなたの発言の中に、FCS、ファイアー・コントロール・システムは並行的に考えるという御発言でございましたが、あなたは調査団として行かれて、ファイアー・コントロールは並行的にどういうふうにお考えになり、どういうデータを持って帰られましたか、簡単にお答え願います。
#70
○説明員(永盛義夫君) FCSに関しましては、私はこれは飛行機の設計の立場から、申し上げるのでありますが、もちろん、飛行機というものはFCSとまとまって一体となった総合的な性能になるわけでありまして、当然それを考えに入れながら飛行機の選定というものをやられるわけでありますが、ただし、ある一つのFCSがいいものがありますと、それはどの飛行機にもそれが入る。この飛行機には、ここにあげました五機種に対しましては、この飛行機には積めるけれども、この飛行機には全然積めないというような特別なものはないわけでありまして、大体一つの飛行機に積めますならば、ほかの飛行機にもそのものが得られると、こういう私は見解でおります。要するにある飛行機だけに特定なFCSというものはあり得ないので、大体その最もいいFCSがあれば、それはどの飛行機にも積むことができ、また積むように諸改造いたしますと、できるものと、こういうように私は見ております。
#71
○矢嶋三義君 その点は、あなたは専門家だから、ここで論争はしない。ただ、私は常識として、私の持てる科学的精神から判断をして、そういう機械だったなら、積める種類も多いし、重さもあるわけです。重量というものが出てくれば、その飛行機の速度とか、上昇速度とか、そういうものに影響性が出てくるわけですから、一つのファイア・コントロールをその飛行機に積んで、それがどの飛行機にも載って、同じように働く、こういうことは理論上考えられないと思うのです。だからそういう点については、あなたとここで論争しませんが、ただ、私伺っておるのは、並行的に考えたというならば、そのFCSというものは、どういうものがいいとお考えになって帰られたか。またFCSというのは、少くとも数種類ぐらいあると思うが、どういうようなデータがあるのですか、これはアメリカに、あなた発言されるように、重要な資料を、大事な機械だから出してくれというのはごもっともだと思うのですが、どの程度の資料を責任ある米軍当局から持って帰られたのか、そのことを聞いておる。
#72
○説明員(永盛義夫君) FCSに関しましては、ただいま先ほども申し上げましたように、絶えず新しいものがアメリカでも開発されております。きのう使っておりましたFCSは、もうあしたになりますと別のものに変る、非常にこの最先端をいっておりまして、なかなかこの飛行機が将来生産される時期において、最も適当なものが大体どの段階であるかというようなことも予測はできない状況でありますが、ただし、現在私どもが調査いたしました、昨年私どもが参りましたときに聞いて参りましたものは、ただ名前だけでありまして、その当時聞いて参りました名前のものも、承わりましたところによると、最近ではまた新しいいろんなものができておる。そういうような状況でありまして、私どものこの調査で持って参りましたFCSに関しましては、今後作ります飛行機に、そのものはあまり重要な参考にならないのじゃないかと私は考えております。
#73
○矢嶋三義君 今の時点に立ってFCSはどれをつけたらいいと思っておられますか。
#74
○説明員(永盛義夫君) そこのFCSの問題は、私ただいまも直接関係いたしておりませんので、ここに来ておりますところの高山説明員の方からかわって説明さしていただきたいと思います。
#75
○矢嶋三義君 それはきのう聞いたからわかっておるのですが、おかしいな。あなたは団長で行って専門なのに、その最終決定をするのは、きのう源田さんも非常に大事だと言っておられたのですが、どのファイア・コントロール・システムをとるかということを協議する場合に、あなたはその協議の一員に入らなかったのですかね、いかんですね。きのうの答弁では、エアロ13を入れる予定だと、こういうことなんですが、その重さとか、価格とか、あるいは有効距離はどのくらいかということを言ったら答弁できないから、資料として出しなさいということを要求しておったのです。それを決定するに当って、その協議にあなたが参画しないというのは、ちょっとおかしいですね。
#76
○説明員(永盛義夫君) 先ほども申し上げましたように、私は団長として参りましたので、私が復命書を長官に提出いたしますと同時に、私の調査団の任務は終ったものと私は考えております。もちろん、私が出しました報告書に対します責任は、当然責任はあるわけでありますが、その後も技術研究本部におりますので、技術上の面におきましていろいろ相談にもあずかっておりますが、直接のどのファイア・コントロール・システムがどういうように決定されておるか、そこらあたりに関しましては、十分こまかいことは私承知しておりません。
#77
○矢嶋三義君 結局あなたはこういうことですね、FCSについて名前は聞いて参ったが、非常に日進月歩の時代で、自分らが聞いて参ったのは今さら参考にならぬ。それで自分の調査団長としての命は解かれておるのだから、FCSの決定に関しては、自分は関与しない、こういう発言をされておるわけです。それはそういうことにして聞いておきましょう。私はその点はふに落ちませんが、それは機種の決定とどのFCSを採用するかということは不可分の関係で、あらためて重大関心を持っておる者を協議者にしなければならぬと思うのです。かりに最近内定ということを言われておりますが、グラマン会社のにきまりますと、要求性能というものは、日本が向うに要求することになるのですか、指示することになるのですか、どうなんですか。
#78
○説明員(永盛義夫君) やはりこちらの方から要求する、いろいろ性能その他それに搭載する装備品、今申されたようなFCS関係の最も重大なそういう装備品に関しましては、こちらから要求する形で出すことになると思います。
#79
○矢嶋三義君 それは性能ですね、要求性能というものは出しますね、それを向うで今から作るわけですから、それがこちらの要求の基準に合わぬ場合は破約するわけですか、どうなんですか、これは装備局長にお伺いいたします。
#80
○政府委員(小山雄二君) これは結局形式的には日米交渉の問題になると思います。日米交渉で費用の分担の問題もありますし、スペックの問題もあります。結局こちらが飛行機を選定しまして、積むものをきめまして、米側と詳細に打ち合せて、日本側と米軍側とがそれぞれ会社の方にそれができるかどうかということを確かめまして、それで交渉が成立する。そうして会社はそれに続いて生産をやっていくということになると思います。これは契約上の問題でありますから、できたものを受け取るときに検査いたしまして、スペック通りのものができておらなければ値引きするとか、そういう契約上の問題は生ずると思います。
#81
○矢嶋三義君 その要求性能に合わぬ場合は、契約を解く場合もあるわけだな。
#82
○政府委員(小山雄二君) 大きな性能の差ができるということになると、契約解除も起りましょうし、小さい問題で値引きをするということも起りましょうし、そういう契約上の問題でございます。
#83
○矢嶋三義君 時間が参りましたので、これで終りたいと思いますが、あなたがお帰りになった後に佐薙さんが外国に行かれましたね。そのときはあなたとどういう打ち合せをされましたか。
#84
○説明員(永盛義夫君) 佐薙幕僚長がおいでになります場合には、私は何にも打ち合せと申しますか、呼び出しにもあずかっておりませんし、何もやっておりません。
#85
○矢嶋三義君 官房長にお答え願いたいのですが、こういうところは、どうも十分でないと思うのですがね。非常に千数百億を使うような重要な問題をきめるのに、この前の委員会では、佐薙さんはアメリカから招かれて行ったので、機種選定にはあまり関係がないのだと、こういう印象を与えるような発言をされたと思う。きのうの佐薙さんの発言では、非常に機種をいずれにするかを研究したい気持で行ったと、向うでもよく見たと言ってだね、その人が調査団長である永盛さんと出発前にそういうことについて何も話さぬというのは、非常識だと思うのです。まあ常識的に言って、永盛君、君、向うでどういうふうに見たか、どういうふうであったかというようなことを聞いて行きそうなものですが、そういうような話が全然行われていなかったというのは、一体どういうふうに理解したらよいのですか。
#86
○説明員(永盛義夫君) 幕僚長の御出張になります前に、いろんな打ち合せをしたかという御質問だったから、そうお答えしたわけでありまして、私は調査団長として帰りましてからは、私の見て参りましたこと、調査したことに関しましては、十分復命書の補足的な説明、いろいろ文章で足りないところを補うような説明、そういう点は十分尽して、幕僚長には報告してあります。従って幕僚長がおいでになりますときには、私はむしろ、ほんとうに御出発の二、三日前に知った程度でありまして、どういう任務でおいでになったかも知らなかった状態であります。
#87
○矢嶋三義君 約束の時間になったからやめます。
#88
○松岡平市君 少し、あなたが調査団長でありますからお聞きしておきたい。それは、実はごく最近ですけれども、私たちのところに、それは私だけのところではない、それはほかの委員のところにも行っているようですが、F―102A、会社はコンベアという会社ですが、この会社から、あなた方が調査団としておいでになったときには、米軍がその飛行機については相当な機密事項としてあなた方に資料は提供できなかった。ところが、今年、最近になってその機密が解かれた。で大へんおくれたけれども、日本の要撃機としては自分のところのF―102Aというものが最もすぐれておると自分たちは考えておる。ついてはそのことについて十分この段階で考えてもらいたい、という意味の手紙を再三にわたって、少くとも私のところにはよこしております。ただいまあなたの御報告を聞いておるというと、なお参考資料としてお出しになった、あなたの調査報告の報告書の印刷によっても、このF―102Aというものは整備、補給に困難である、補給はやや困難であると認める、国産化については最も問題がある、こういうふうに書いてあるし、まああなたもそういうふうに御説明でございましたが、整備、補給が困難だ、これはその私たちに来た書類によりますというと、アメリカ空軍が現在要撃機として最も多数に使用しておる、私はその事実を知りませんが、こういうことを書かれてあります。もし、アメリカ空軍が今日たくさん使っておる、現実に使っておる、今飛ばしておる飛行機であるということであれば、その整備とか補給とかいうようなものは最も楽であろう。現在日本が製造しておるF―86というようなものと同じように、その補給等についても私は比較的楽じゃないか、今までのこの委員会におけるあなた以外の政府委員あるいは説明員との質疑応答の際にも、これはまあそのアメリカ軍の使っておるものは、補給等には非常に便利である。F11F―1F、これの改造法についても、これを日本だけで使うという場合には、補給等は非常に困難が生ずるだろうけれども、まあそれでもやむを得ないという答弁をしておられる。むしろ、あなたの、整備補給にやや困難であるということは逆になりはせんかという、私は考え方をしておる。それから生産関係が他の機種に比べて非常に困難だということについて問題が最も多いというのは、大型デルタ機であるということで、三角翼だというようなことから、生産関係が困難だと、こういうふうに簡単に書いておられる。報告の中にも一番これは簡単にしておられる。それと、きのう私は黙ってそのままにしておきましたが、佐薙空幕長の御答弁もそのことについて触れた答弁の中に、製造会社の関係もあって、これは一番初めに落したと、こういうふうな御答弁もあったわけです。これは今別段問題にはならない別のことですけれども、とにかく私たちのところに最もすぐれた日本に適当な要撃機であるということを申し入れてきております。あなたがたのお耳にも入っておると思う。この問題について、これだけについても一応私たちは考察をせざるを得ないと思う。こういう報告になったことについて、今私が疑問点として持ち上げたこと、その点について一応ここで御説明を、あなた調査団として、その後のことはあれとして、調査団として行かれた当時の、これをこういうふうに判断せられたところは、どういう点にあったかということを御説明を願いたい。
#89
○説明員(永盛義夫君) ただいまのF―102Aに関しましては、整備補給上やはり部品の点数が非常に多いわけであります。この飛行機は全天候性、完全な全天候性でありまして、私どもが考えております全天候性の範囲以上に非常にもっともっと広範な全天候性を持たしておる飛行機でありまして、それについておりますエレクトロニクスの部品その他の非常に複雑な機構、数千点のエレクトロニクスの部品を積んでおりますのと、それから飛行機が大型でありますために、部品の点数も非常に多くなっております。そういう意味でほかの飛行機に比べて、これは比較的な書き方をしておりますので、それでもそのものだけを考えれば、あるいは楽だという言い方もできるかもしれませんが、比較的な言い方で私は書いております。それから生産性に関しましても、非常に大型でありますので、工場の施設、機械等も現在作っております小型の飛行機を作る場合と全然また違った設備をあらためてやらなければならない。そういうような意味で書いておりますので、これも比較的な問題でございます。それからもう一つは、性能上の問題でありますが、一九六〇年ないし六五年という将来の次の飛行機という見地に立ちまして、その性能の点から言っても、まあここにあげました飛行機の中でも一番下位に属する、こういうようなことでございまして、いろいろな見地から考えなければならぬわけでありますが、特に一九六〇年ないし六五年においては、このF―102Aというのは、現在すでに生産がとまっている飛行機でありまして、アメリカで生産がとまっておる飛行機を日本で作ってやっていく場合、使う場合、整備して参ります場合には、いろいろな点でやはり難点を、現在F―86等でもそういうことがあるのでありますが、向うの生産が終ってしまった飛行機を買うことは、そういう意味においてもいろいろの困難が伴う、こういう意味でございます。
#90
○松岡平市君 私たちのところに来ておる書類では、今アメリカ空軍が一番よけい使っておる飛行機である、こういうことを言って、さらに、これが改良された106というようなものは、これは非常な性能を持っておるけれども、日本には非常に高くてだめであるということだが、F―102というものはアメリカの要撃機としてこれがもっぱら使われているんだということを書いてあるが、あなたに聞くと、これは生産がとまっておるんだ、そうするとこれは会社がもう生産がとまったものをアメリカ空軍が最もよけい使っておると、こういうふうなうそを言っておると了解してよろしゅうございますか。
#91
○説明員(永盛義夫君) この生産がとまりまして、今F―106という改良型の飛行機の生産に移ったように私は承知しております。会社がうそを言っておる、まあどこまで信用していいかは、これはいろいろな調査をしないとわかりませんけれども、やはり自分のところで生産がとまっております、それに使っておりましたところの治具その他の工具類は、勢いスクラップにせざるを得ない。そういうものをこちらの方へ移しまして、自分のところにライセンス料なりいろいろなことをやるのは、会社の商治動としては、当然これは考えられることでありまして、やはり売らんかなの一つの活動であると私は考えます。従って私どもは、次期の戦闘機はどこまでも、今から四年ないし五年後において私どもが第一線で使う飛行機としては、今ここにあげました五つの機種の中では、一番最下低に考えられるのじゃないかと私は考えます。
#92
○松岡平市君 そうすると、現在アメリカで要撃機としてはこれを一番よけいに使っておるという事実はどうなんでしょう。それはないのでしょうか、あるのでしょうか。
#93
○説明員(永盛義夫君) 先ほど申し上げましたように、全天候性を備えた要撃機としては、現在アメリカの空軍が使っておると私は承知しております。
#94
○松岡平市君 そうすると、今使っておるけれども、製造がもうこれはとまっておる。で、この飛行機、少くとも106は別として、102Aというものは、もうある程度これから補給も何もせずにそのやつは減っていくのだ、こういうふうに了解してよろしゅうございますね。
#95
○説明員(永盛義夫君) さように私も了解して差しつかえないと考えます。
#96
○矢嶋三義君 ちょっとその点について装備局長に伺いますが、ロッキードから最近説明会をしたいからお聞きいただきたいというような申し入れがありましたか、ありませんでしたか。
#97
○政府委員(小山雄二君) ロッキードでございますか。
#98
○矢嶋三義君 F―102ですね。
#99
○政府委員(小山雄二君) コンベア……。
#100
○矢嶋三義君 コンベアです。間違いました。
#101
○政府委員(小山雄二君) そういうことは聞いておりません。あるいは空幕の方でそういうことを言っておりますか、聞いておりません。
#102
○矢嶋三義君 もしコンベアの方から、新しい資料があるから、それを提示するから、説明会をしたいからお聞き願いたいということになると、あなた方関係者は聞きますか、聞きませんか……。
#103
○政府委員(小山雄二君) 104の場合もそうだったのですが、専門家の方では、それぞれそういうことは聞いております。だから説明会を開いて聞くというか、そういう新しい技術的なデータに変ったところがあれば、それぞれの担当のところへきて、根本的な問題のようなことがあれば、またみんなで聞くというようなことにでもしたらどうかと私は考えております。
#104
○矢嶋三義君 担当のところでなく、あなた方の防衛庁として関係者が総括的に集まって聞くというようなことはありますか、ありませんかと、そういうことを聞いているのです、ただ担当の一人の局長とか課長が聞くということでなくて。
#105
○政府委員(小山雄二君) それほど本質的な、今まで集めてわれわれの承知しておるデータから本質的な変りがあるかどうかというような点で、大げさに言えば、集まって説明会に出て聞くというようなところにいくのには、そういう要素があればやりますが、そうでなければ、担当のところで資料を集めて、その過程を通じてそういうことがあるかないかということで、やるかやらぬかということをきめたいと考えております。
#106
○矢嶋三義君 その点僕は納得できぬから、この問題をうちの党でも追及しているのですよ。この衆議院の決算委員会の速記録を見ると、ロッキードかグラマンかということにしぼって論じている。きのう佐薙さんがそういう立場で説明されたのですが、私どもそういう立場に立っていないわけです。広く十分検討してあらゆる角度から、採用するならベストのものを採用してもらいたい。こういう立場から国民の疑惑を約得させるために言っているのです。これはあなたの方にも来ていると思いますが、私ども内閣委員だからきたと思うのですが、これはコンベアから何回にもわたって資料が来ている。おそらく皆さんにも全部来ていると思う。これは読むとずいぶんいいようなことが書いてある。真偽のほどはわからぬ。この中には、一つとしては、ようやくアメリカから、ことしの二月ごろか、内容を発表していいというお許しを得たので、そういう資料をあらためて出したというようなことから、おそらく松岡委員が読まれたのもこれだと思う。その一部を公表されているわけですね。だから私が言うことは、コンベアがいいというようなことを言っておるのじゃないのですよ。だからコンベアから要請があったら聞くか聞かぬかということなんです。そうすると、あなたは、特別に変更がなければ一部関係者でと言うけれども、そこが納得できない。というのは、ロッキードのF―104に対する永盛報告はあまりいい報告をされていない。だから入れてなかったのでしょうが、あなた、河野総務会長から川島さんを通してやかましく言われたから、八月の七日、九日のホテル・テートでロッキード社から説明を聞いているじゃないですか。それをここにちゃんと資料をもらっている。今井次官、加藤防衛局長、佐薙空幕長から小山装備局長からずらっと出ている。そうして話し合いの会を開いている。この会はなぜやったかというと、これは河野総務会長と川島幹事長の要請に基いてやったのじゃないですか。さらに衆議院の速記録を見ると、きのうこれは追及しなかったのですが、佐薙空幕長はだれから出ろと言われたか、課長から言われたのか何かわからぬ。ただ自分は出たのだ。どういうわけでひょこっとこういう会が催されるのか。そういう点あなたはどういうふうに認識して出たかと言うと、そういう記憶はないと言う。衆議院の速記録を見てごらんなさい。いやしくも日本国の空幕長の答弁じゃないですよ。だらだらだらだらと言うている。いやしくもこういうロッキードの説明会に出ろと言われたら、どういうわけで出るのですか、相手はどういう人が来るのですか、こっちはだれが出るのですか。そういう出席目的を確かめないで、課長だったか局長だったかだれに言われたか知らんが、私は行きましたというようなことでは無責任だと思う、空幕長答弁として。衆議院の速記録見てごらんなさい。あきれたですよ、あの答弁。きのう、佐薙さん追及しなかったけれども。この会たるや、これは河野総務会長から、その後ロッキードのいいのが出そうだから、これは衆議院の決算委員会で田中君や何かが力説しているところです、速記録を見ると、だから説明を聞く必要があるというので、再三にわたってある意味においては圧力でしょう、あなた方に加わって、そうしてホテル・テートでこの会を持ったのでしょう。そうしたらコンベアは、私ら直接交渉は何もないが、これだけの資料が来ている。これは内閣委員だから来ているに違いない。諸君のところにも行っていると思う。うちの同僚のところにも来ている。そうすれば、私は、そのコンベアの方からあなたの方に、その後新しい資料、公表が軍当局から許された、従ってお聞き下さいということを申し出たか、申し出ぬか、私どもそれは知らぬ。もし申し出たならば、聞かなければおかしいじゃないかということを言うのです。河野総務会長から言われれば聞くのか、言われなければ聞かぬか。そういうところに、純科学的に専門家によってなさるべき問題に、どういううしろに黒幕があるか、私はここで明確なことはまだ申し上げませんけれども、そういうところにうしろ暗さがある、不明朗さがあるということを指摘しているわけです。その立場からお答え願いたい。
#107
○政府委員(小山雄二君) コンベアの102につきましては、そういう資料は私どもの方に参っております。しかし、それは何といいますか、技術的なデータでないわけでありまして、ただ大臣のところに、これはきのう私、大臣からもらったのですが、国会の論議を通して言っておることは間違っておるという手紙が来ております。それを翻訳しておりますが、そういうことで技術的なデータ、内容について、これまでのわれわれ判断が間違っているというようなことがありますれば、申し出ればもちろんそういうことはやらなければならないと思います。今104のホテル・テートでやりました会合のお話がございましたが、これは実はそういう意見が党の方にもあったことは事実でございますが、われわれが本質的に相当問題があると思いましたのは、104Aにつきましては、昨年ロッキードが川崎と共同作業をやりましたときに出してきた値段、それと今度104Cで出しております値段、それが非常に違うのであります。われわれには、そういうことはどうしてそうなるのか、104Aから性能の方はずっと整備しております。104Cになったとき、わかっておるつど整備して、内定のときも大体104Cの性能でやっております。その後の性能の部分的な変化も入れておりますが、値段につきましては104A以後提案がなかったわけであります。104Cの提案を七月ころしてきたときの値段が少し下っているわけです。相当改造されたのに値段が下るということは、われわれは中身がよくわからなかったし、相当本質的な問題でありましたので、そこに来てもらいまして詳しく聞きました。ことに、二回目は私ども生産関係というか、日本関係の者だけで一日かかって聞いたわけです。そういうことで、本質的にそういう問題がありましたからそういうことをやったという実質でございまして、コンベアの方にも性能面あるいは価格の面等でそういう問題がありますれば、またそういうことを聞いてくれと言われますれば、聞くことにいたします。
#108
○松岡平市君 これは、私、大臣も見えておりませんから、政務次官に御質問申し上げます。機種の決定で、今、必ずしも国民が非常にすっきりした納得をしておらない。当委員会が相当な日時を費して、この機種決定、内定に至るまでの経緯をいろいろなところから調べておることも、国民の前に少くとも防衛庁の立場から、あるいは日本の将来の立場から、国の財政その他ともあわせて考えて、最も日本の防衛のために日本の国家のためにすぐれた機種を選ぼうと虚心坦懐に努力した結果こういうことに決定した、ということを明らかにしたい段階にあるわけです。その際に疑惑としてあるのは、それを十分比較検討せずに、ある一つの成心をもって、あるいは104を調査団の出発前にはやや決定しかかった。新聞等にも出ております。そういうことを一応しておった、それが今度は、非常に短時日の間にグラマンのF11F―1Fというようなものに変った。そういうことに何か成心があったのじゃないか。何らの成心なしに、あらゆる必要なる戦闘機について十分なデータをそろえて比較検討した結果これが技術的にも、日本の財政から見ても、国家のためにあらゆる検討の結果一番いいのだということの、その確心に基いてきめられたのじゃないのじゃないか、こういう疑いなんです。その論議の段階において、一つの別な飛行機にしろ、たとえば技術的な面にあれ、価格の面にあれ、われわれのところにこれだけの書類を出して、私たちの方の機種について注意を向けて下さいという要請をしている。防衛庁もその事実を知っておられる。それをもう技術的には一ぺん調べたようなものだから、もうそのことについてみんなが検討する必要はないというただいまの答弁ははなはだ不満足です。私どもは何もこの機種がいいか、悪いか、しろうとであるから何にもわかりません。しかしながら、少くとも調査団の行ったときには、まだ機密事項がたくさんあって、十分な説明をされておらない。であれば、それはあなた方が技術的な調査は十分終っているとおっしゃることはおこがましい。それがもしかりに事実でなければ、先ほども言うように、これはうそですかと私は聞いておる。しかし、それは技術的に今言うように、アメリカ軍がその当時は機密であったかどうかということについては御答弁がない。あるいはその当時機密であって、調査団は知らないけれども、もっと隠された、非常にすぐれたものがあるのかもしれないじゃないですか。それを今日、もし、そういう点について、機密が解かれたから詳細をお話して、できればこの段階にこれをお考えに入れていただきたいというものを、それは技術的にはもう済んでいるから聞く必要はない。関係者が聞けばよかろう。こういうような態度こそ、今日われわれがこういう問題について非常な苦労をして、あなた方が権威をもっておやりになって、ちゃんとおやりになっておるならば何にも問題が起るはずがない。それが今日こういうことになってくるのは、実際はどうか知らんけれども、そういう答弁態度というものが、こういう事態を引き起す一つの大きな要因であると、私はこう考えます。そういうものがあれば、今日いろいろあるけれども、それは進んで聞きたい。こういうことが防衛庁の全部の空気でなければならぬと思う。何も問題にならないときならとにもかくにも、今日これほどの問題になっておるのになおかつ……、きのう、私は、その点について佐薙空幕長にも、あなたは自分たちの決心を変えるには至らぬと言っておられるけれども、もしさらに重大なことがここで発見されればその決心を変えて、日本国のために新しい機種でも御決定になるかと聞いたら、重大なことが発見されれば、それはいたしますと言っておられる。それはコンベアであろうが、あるいはロッキードであろうが、あるいはグラマンでも、あなた方がすでに決定したということでも、あるいはグラマンの方に重大な欠点を発見し、あるいはロッキードなりコンベアなり非常にすぐれたものを新しく発見したら、進んでそういうものを選ぼうという努力を今日なおお続けにならなければならぬ立場に置かれる人が、私は、ただいまの整備局長の御答弁は何かのお考え違いであろうと思う。ぜひ一つ政務次官は大臣にかわって、この段階においても、少しでも、技術の面にあれ、価格の面にあれ、それらの総合された面にあれ、国民のいろいろな疑惑に包まれておる際に機種決定をするに当っては、どういう小さなことでも進んで防衛庁全員が耳を傾けて聞くということをはっきりここで私は、一つ御答弁を願いたい。それができないならできないということも、また、今の装備局長の答弁をあなたの方から確認し、それはする必要がないという、そうして、それには理由をあげて私は御答弁を願いたい。いずれであるか、一つ大臣にかわって責任のある御答弁を願いたい。
#109
○政府委員(辻寛一君) 私、今、装備局長からの話を聞いておりまして、これは身びいきじゃございませんですけれども、検討をするにやぶさかであるという意味のことを申したのではないと思います。今までの集まったデータよりさらに新規なのがあれば、いつでもそれは聞かしてもらうということを言っておると思いまして、私どももたまたまこうした疑惑に包まれました以上は、あくまで一つ明らかにしていただきたいと存じておるわけでございます。ただ、その商魂たくましいいろいろな売り込みに一々かかわり合っておるわけには参らないのでありまするけれども、しかし参りまするいろいろの申し出等に対しましては、よくこれを調査いたしまして、もし聞くべき点があり、さらに慎重に調査を重ねなければならぬということでありまするならば、さっそくそれに取りかかるつもりでおります。
#110
○矢嶋三義君 委員長、議事進行。
#111
○委員長(永岡光治君) ちょっと待って下さい。
 ほかにありませんか。
#112
○松岡平市君 今の答弁、私は、ほかのことは何もセールスマンの手先になってかれこれやるようなことを申し上げておるつもりじゃございませんが、しかし、アメリカに調査団が行かれたとき、あるいはその後でも、非常な重大な機密として示さなかった。それが今解かれたのだ、こういうことについて私は申し上げておる。そうしたらば、その機密というものは、実に、日本にとって機種決定の上に重要な要素をかかえておるかもしれないのですから、そういうことが申し出られたならば、それは、そういうことについては、十分耳を傾けるということを私はおやりにならなければならぬと思うのであります。そういう申し出がなければ、何もそんなことをなさる必要はちっともありません。しかし、申し出があったら、それについては十分耳を傾けられて、そうしてそれが、いろいろ聞いてみたけれども、こういう面、こういう面の話があったが、それはとるに足らなかった。あるいは、これについては相当やはりなお調査の必要がある、とかいうようなことは、やがていずれこの委員会において、そのことについて私たちは御答弁を願わなければならぬ。かように考えております。これは何もコンベアに限りません。あるいはロッキードであれ、そのほかのものであれ、申し入れのあったものについては、ぜひ、こういう疑惑に包まれている際には、あるいは単なるセールスマンの売り込みのことであるかもしれぬけれども、そういうものでも、なおかつ虚心坦懐に聞けるだけは聞く、不十分な資料をもっと完全ならしめるためには、あらゆる努力を払うということは、この際防衛庁としてはぜひ一つ私はやっていただきたい、こういうことを強く要望しておきます。今まで申しましたように、やがて、機種決定をされる前に、そういうことの有無については、さらにあらためて委員会を開いていただいて、私たちは防衛庁に質疑をしなければならぬと思いますが、この点だけは申し入れをしておきます。
#113
○政府委員(辻寛一君) ただいまのお話しごもっともでございます。従いまして調査団が参りました当時は機密に属しておりまして、調査を十分尽すことができなかったのが、機密を公開することができるようになった云々ということもあるようでございますので、もしそれが事実でございますれば、そうした点につきまして、いまだこちらとしても十分な調査をいたさなかったということにも相なりまするから、これはあえて申し出を待つまでもなく、進んで私どもの方では、さらに調査の手を尽したいという心がまえでおりますことを重ねてお答え申し上げます。
#114
○大谷藤之助君 昨日来これで航空関係のいわゆる作戦用兵的な立場の人の問題、同時に実施部隊の関係の問題、きょうは、航空技術のエキスパートの立場の人に来てもらって、いろいろここに質問を重ねたわけでありますが、きのうからの意見は、私非常に参考になったと考えております。ただ、この問題でいろいろ格別には御審議いたされておるようですが、航空技術の関係者として、先ほど永盛さんは、調査団長の立場からいろいろ御意見を述べられたようですが、おいでの高山さんには、まだその点御質問が出ていないようですので、重複する点があるかもしれませんが、一つだけ――根本的な問題に関連する一つだと思いますから、重ねてお聞きしておきたい。今までのこの機種決定に対して、一番問題の中心の一つとなった点は、F11F―1F、これで現用あるいは試作段階、試作実験飛行をやっているものは、GE―3のエンジンを積んでいる。ところが国防会議に、今日いわゆるグラマン、グラマンといわれているものは、F11F―1F(GE―7)であって、エンジンの正体は、GE―7低空エンジンに置きかえたものをもってこれを説明しておるというところに、問題点の根本が一つある。これを言う人によっては、しろうとが言うと、エンジンをすりかえた表を出して、しかも既存の性能を流用して、ここに幽霊機のデータを作り上げておる、かように言い回しをされる人もある。これを一応飛行機なりその関連の立場から、この経緯を知っている人の立場から見れば、いやそうではない、これは従来の例もたくさんある。いわゆる実用者側、エキスパートの立場から言えば、これは性能向上型、あるいは改良型であり、何ら機種の本質の変るものではない、そのデータは確実な信憑性がある。こういうところに大きな問題の一つがあるわけです。これはしろうととかあるいは用兵者とか、あるいは実施部隊という立場でなくて、これをきめられる一番ポイントの一つは、やはり航空技術関係の担当者の立場の方であると思うのです。そういう意味におきまして、永盛さんはここに調査団長としておいでになって、その点をお含みになってのお立場があったと思いますが、高山さんは航空技術関係の同じような立場で、このGE―7のエンジンに置きかえたこのスーパー・グラマンが、現在のGE―3のエンジンのものに比べて、これは確実に性能向上型である、あるいは昔の飛行機でいえば、これは同じ陸軍の戦闘機あるいは海軍の零戦であるけれども、エンジンはたびたびかえて、1型、2型、3型となったが、本質は変っていない、性能向上型であるということが、技術者の立場においてここに御確認を願えるならば、その辺一つ確実なお答えを、高山さんからお願いしたいと思います。
#115
○矢嶋三義君 大谷さんの発言に関連して。私はさっきから議事進行を求めておったのですが、今の大谷さんの発言と関係があるから、一応発言させてもらって、協議していただきたい。実はきのう佐薙航空幕僚長に対する質問の時間が非常におそくなったものですから、二人しかやれなかった。それであと二人の人はどうするかというので協議をしたときに、私が申し上げたように、私のところは、党内の行事関係できょうは非常に工合が悪かったわけです。ところが皆さん方の、十一時かっきりに始めようという御意見で、それに同調して十一時かっきりに始めようというので始めたわけです。ところが、前から計画した党内行事の関係で、十二時以後うちの所属の議員に都合の悪い状態があって、ごらんのようにはずされたわけなんです。それで今のあなたの質疑も、伊藤委員の発言された内容にも関係があるし、伊藤委員も聞きたいところじゃないかと思うので、私は、議事進行としては、きのう、十一時から一時ごろまで、それなら僕の方も何とかおれるからというので御相談したので、でき得べくんば今のあなたのたださんとするところは、時間も来ているから次回ということにしていただけぬかというので、協議申し上げたいと思って、議事進行の発言を求めたのですが。
#116
○大谷藤之助君 これは今まで三者の立場から出ているのです。高山さんは新しい立場ですが、大体三者の意見をもとにして出ている。これは私は、補足として高山さんから聞いておきたい、こういうことです。次回にやらぬでも、答弁によって速記録を御参照いただいて、また私が質問してもいいのではないかと思います。
#117
○委員長(永岡光治君) 大谷君の発言はこれだけですか。
#118
○大谷藤之助君 もう一点あります。
#119
○委員長(永岡光治君) ちょっと速記をやめて。
#120
○委員長(永岡光治君) 速記を起して下さい。
#121
○説明員(高山捷一君) 今、御質問のありました点の結論を申し上げますと、技術的に見まして、われわれは新機種とは考えていないということでございます。戦争中の零戦の一例を申し上げますが、エンジンがいろいろ変っておりますが、栄というエンジンを最初つけておりますが、途中でやはり三回変っております。いわゆる性能向上でございます。それで、こういうようなエンジンの変遷をいたしますと、別なエンジンというわけではなしに、ちょうど子供から小学校、中学校、高校、大学を卒業して一人前になっていくというような時間の推移の経過に伴う成長であるという工合に見ております。今回の場合のJ79―GE―3及びGE―7、この二つのエンジンを比べてみますと、中身のおそらく九五%以上というのは何も変っていないわけです。それでタービンという一部分の所が寸法が少し変っておる、それで直径で二インチばかり一部分太くなって、目方が百二十五ポンドふえている、しかしながら性能がよくなっている、しかも、食う燃料の量が減っている、たとえて言いますと、学生時代から比べますと、少し胴回りが太りまして、目方も、体重もふえたのですが、食べるのが少し少くなった、少し経済的になったという感じでございまして、エンジンは決して別のエンジンではない。ですから時間がたって成長してきております。これを昔のままの古いエンジンでよろしいというのがおかしいくらいの感じを私は持っております。飛行機の性能というものは、やはり一旦持ちました以上、時間の経過とともにできるだけの手段を講じて新しい機種に変えるという手を講じないで、持っておるものは空力的な面とエンジンの性能向上、二つかね合して性能を上げる、あるいはいい兵器ができてきたらいい兵器にすりかえるというような方法で戦闘力を上げて、なるべく有効に働くように持っていくというのが、これがわれわれの技術的に見ましての重要な仕事の一つと考えておりますが、今議題になっておりますエンジンの―3、―7というのは、そのうちのエンジンの成長という工合に技術的に考えております。それで、以上総合しまして、結論は、新機種ではない、ただエンジンが成長しただけであるという工合にお取り願って決して間違いございません。確信を持って申し上げます。
#122
○大谷藤之助君 ただいまの御答弁で、大体今の機種決定に対する専門的なあるいは技術的な立場からのいろいろわれわれが不審に思った点が相当解明されたような私気持がいたしております。ただ、もう一つ、今までこの問題が衆議院側において取り上げられ、あるいはまた巷間伝えられるところからいいますというと、昨日松岡委員から佐薙説明員に御質問があり、これはいわゆる技術的、専門的な立場を離れまして、調査団の団長として永盛さんは向うにおいでになった。永盛さんのお人柄もけさからの御答弁なりそれを通じて私どももここに存じ上げてもおりますが、いわゆる国会の審議の過程なり、あるいは巷間伝えるところでは技術的な、専門的な立場からのこの機種決定以外に、この問題について何か割り切れない、あるいは失礼な話でありますけれども、こういうことをあなた方に面と向って言うこともどうかと思いますけれども、まあ不正でもあるのじゃないか、かようなふうにとられておるような点も、ここに巷間流布されておるわけであります。昨日防衛庁の、あるいは空幕において、あるいは航空の実施部隊の立場において、そういう点が解明されてきたように思いますが、特に調査団としておいでになり、あるいは航空の技術本部の立場においでになって、従来でもそうでありましょうけれども、これからは、外にもうちにもやはり生産技術の立場において、いろいろ深い御関係をお持ちになっておるお立場なんです。あなた自身もまことに心外千万にお思いになっておるかもしれませんけれども、まあ、巷間そういうようなこともいろいろ流布されておる際でありますから、この際まことにぶしつけで恐縮でございますけれども、かような流布されたことが事実かどうか。あるいは永盛さんの今日のお立場でさような点についてのお気持を一つ率直に私は承わっておきたいと思います。この点重ねて一つお願いいたします。
#123
○説明員(永盛義夫君) 先ほどちょっと触れました点でありますが、会社の運営といたしましては、当然自分の会社の飛行機が一番いい、どこの飛行機にも負けない、一番いい、私のやつが一番いいというのがこれは商売の常道だと私は考えます。私もある会社で約十年間営業関係その他を担当いたしたこともありますが、やはり自分のところの会社が一番かわいいわけであります。そういう商魂の現れというものが、今度のいろいろ疑惑をお持ちになるような現象になってきたのではないかと私は考えておりますので、先ほども申し上げましたように、その疑惑を解くことがロッキードの、あるいはロッキードの飛行機を作っておる会社の社長ではありませんで、それの中間にありますロッキード・エアークラフト・サービスオーバーシーズという海外販売会社の社長としては、全力を尽して自分の扱っている飛行機を売るということは当然のことだと私は思います。従ってそういう彼らの活動がどういうように行われているか、私も全然存じていないわけでありますが、彼はすでに相当長い間日本に連続滞在しているようにも聞いております。私も全然会っておりませんけれども、そういう点で、当然売る会社の社長の立場としては、最後まで全力を尽して自分の飛行機が一番いいのだ、今度の102のコンベアのケラーという人だと思いますが、この人もやってきて、やはり自分の飛行機が一番いいのだ、こう言っているのは、彼らの立場としては当然じゃないかと、私は彼らの立場に立ってそういうように想像いたしております。従って、そういったような疑惑を、そちらの方の面から、どういう活動をしているのか、どういうように今まで彼らが動いているのかということをあわせてお調べになるのが必要じゃないかと私は思います。
#124
○矢嶋三義君 ただいまの答弁ですがね、今、日本にアメリカの軍隊がいる、ある意味において完全独立していない。それから戦後の空白期間で、日本の飛行機生産技術、その科学水準の空白というものが考えられる。そういう要素があるだけに、日本の国防という立場から、ベストの機種とはどういうのがいいのかというこの点についてのわれわれ国民の関心、さらに今までの経過からたどって、何か不正があるのじゃないかというこの二面がやはり問題があると思うのです。その点から解明して参りますと、先般来承わって、一部解明された点もあります、私自身。と同時にまた新たな、これは防衛庁というわけじゃないですよ、新たな他の面への疑問点というのが生じてきた点もあります。従ってそれらの点を私は解明せにゃならぬと思うのですが、ただ原則論としては、さっき松岡委員がちょっと触れられた内容と一致するかと思うのですが、防衛庁はあくまでも慎重で謙虚でなければ、大きな禍根を残すと思うのです。具体的に、たとえば永盛さんが向うに行かれてFCSの資料を持ってこられたのは今じゃ役に立たぬ。それほど進歩しているという発言でありましたけれども、防衛庁としては、当初は、戦闘機種の決定というのは昨年の夏ごろじゃなかったかと思うのです。少くとももう一年ぐらい予定が狂っているわけで、それだけに世界の情勢も技術水準も動いているわけですからね、あくまで慎重であり謙虚であって、禍根を残さぬようにしてもらわなければならぬ、この点の願いは松岡委員と同じです。
 それから最後に、またいずれ機会があれば承わりたいと思いますが、さっきエンジンのことについて専門家から御説明承わりました。私もしろうとでよくわからぬけれども、引いた例が悪いものだから、ちっょと私は気にかかるのですよ。たとえ話しに、成長したのだ、それで子供が大学を卒業して、太って、めしをよけい食わぬようになった、こういうような例で言われると、そうすると、太ったら疲れるというようなこともあるし、それから動きが鈍くなるということもあるので、エンジンの話のときに、幼稚園の生徒ならいいが、僕らにああいう例で説明されると、太ったら食わぬようになるというのはおかしい。太ったら疲れるということもあるし、動きが鈍くなるのじゃないか。そういうようなことは、またあらためて承わります。
#125
○大谷藤之助君 実は、先ほど永盛さんの御答弁ちょうだいしたのですが、私の質問のあるいは仕方が悪かったかもしれませんが、ちょっと答弁が私が思っていることとは的はずれのように考えるわけですが、私のお聞きしました趣意は、外部からのそういうあるいは商魂のたくましさ、あるいはまた率直に言いますれば、誘惑といいましょうか、そういう巻き添えに、調査団のお立場なりあるいは生産技術、航空技術本部のそういうお立場で、さような誘惑なりあるいは商魂のたくましさに巻き添えを食われたような事実が、あるいはあったかもしれない、あるかもしれない。あるいはさようなことについてはどうかと思って、そのお立場を聞いておるわけです。この点を御説明願いたい。
#126
○説明員(永盛義夫君) その点は、私の良心にかけまして、絶対にございません。
#127
○松岡平市君 私言わんでもいいんですけれども、先ほどの高山説明員のことについても、私は矢嶋君と同じ感をしたのです。私一番心配したことは、ああいう例が出されるというと、太って飯を食わなくなる、運動が鈍くなるというけれども、大学に入学できないのじゃないか。高等学校までは今のそれでよかったけれども、それでもう少し性能を上げようと思って大学に入れようと思ったけれども、開発段階で一向どうもうまくいかないで、高等学校以上には行けない。むだ銭を使って三年も四年も足踏みして、とうとう大学に入れないということになりゃせんかという心配があるからわれわれ聞いておるので、ああいう例で説明されることは、これはちょっと不適当である。この次いずれ聞かなきゃならぬけれども、そういうようなことでわれわれはしろうとであるけれども、そういう例をあげて当委員会で説明されることは、これは初めてのことであって無理もないけれども、いかぬ。これは一つこの次の答弁には、ああいうことではだんだんいろいろなことを生み出しますから、与党として私特に御注意申し上げておきます。
#128
○委員長(永岡光治君) 高山説明員等に対する御質疑は、次回に譲り、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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