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1958/10/31 第30回国会 参議院 参議院会議録情報 第030回国会 内閣委員会 第9号
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1958/10/31 第30回国会 参議院

参議院会議録情報 第030回国会 内閣委員会 第9号

#1
第030回国会 内閣委員会 第9号
昭和三十三年十月三十一日(金曜日)
   午後一時五十二分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員西川彌平治君及び重宗雄三君
辞任につき、その補欠として剱木亨弘
君及び宮田重文君を議長において指名
した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     永岡 光治君
   理事
           大谷藤之助君
           松岡 平市君
           矢嶋 三義君
           竹下 豐次君
   委員
           木村篤太郎君
           剱木 亨弘君
           佐藤清一郎君
           増原 恵吉君
           松村 秀逸君
           宮田 重文君
           千葉  信君
           八木 幸吉君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
   運 輸 大 臣 永野  護君
  政府委員
   大蔵政務次官  佐野  廣君
   大蔵省主計局長 石原 周夫君
   大蔵省管財局長 賀屋 正雄君
   運輸政務次官  中馬 辰猪君
   運輸省鉄道監督
   局長      權田 良彦君
   郵政省電気通信
   監理官     岩田 敏男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
  説明員
   大蔵省主計局給
   与課長     岸本  晋君
   大蔵省管財局総
   務課長     谷川  宏君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公共企業体職員等共済組合法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○国家公務員のための国設宿舎に関す
 る法律の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(永岡光治君) これにより内閣委員会を開会いたします。
 まず、公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引き続き、質疑を続行いたします。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#3
○矢嶋三義君 大臣に伺いますが、昨日今度の改正に当って、健康保険法の一部改正に伴って一部負担の制度を改正した、初診料その他ですね。どういうわけで一部負担にしたのかということを伺ったわけです。一部負担をしなければやっていけないのかどうかということを伺って資料の提出を要望したわけですが、今それをいただきました。これをつぶさに検討する時間がないわけですが、しかし一通り目を通すと、専売共済組合の利益金、これは単位は円ですね。五百十一万円、それから国鉄共済組合の利益金を見ますと、二億九千百八十四万円、それから日本電信電話共済組合の利益金を見ると、四億六千九百五十六万円何がし、この億台の利益金があるわけですね。こうなりますと、一部負担を新たにやらなくても十分やっていけるのではないかと、かように私は出された損益計算書から判断するわけですが、その点はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
#4
○国務大臣(永野護君) お説の通り、ただいまのところの決算の結果は非常によくなっております。ただ、御承知のような医療費の改正がありまして、新点数制によりますと、将来は支出の方がかなり大幅に上る見通しであります。なお国鉄の場合につきましては、今回の法律改正によりまして、療養の給付を原則とする給付制度に切りかえなければなりませんので、それにつきましても相当経費が増加すると見込まれております。従いまして一応百円の初診料ということは、健康保険とつり合いをとったという理由が一応の理由でありますけれども、将来の支出の増加がかなり具体的に見通されておりますから、それに相応するために一部負担ということを取り入れたのであります。従いまして、今までの過去の決算の数字は、将来これは永続はしないという前提に立った改正であります。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(永岡光治君) 先刻委員の異動がございました。重宗雄三君及び西川彌平治君が辞任され、後任として宮田重文君及び剱木亨弘君が委員に選任されました。
 以上御報告いたします。
  ―――――――――――――
#6
○矢嶋三義君 現在における損益計算書からいえば大丈夫であるが、将来を見通した場合に、これではやっていけそうにないので、こういう改正をやったんだと、その理由としては、新点数表の実施によって支出が多くなる、こういう説明ですが、新点数表の実施に際しては、医療の質的向上をはかると、しかし、患者の負担増は来たさない、多く負担増を来たさないという説明がかつて政府側からもなされたわけですが、このたびは新点数表実施のために、将来支出が多くなるから云々ということは、新点数表実施によって患者の、組合員の負担増をはかるということになるわけで、聞きようによってはおかしいと思うのですが、その辺はどの程度負担は多くなるという数字を持たれているのですか。
#7
○国務大臣(永野護君) 大体八%半くらいの経費増になる見込みでありますが、その経費増の八%半の内容につきましては、政府委員の方から御説明します。
#8
○政府委員(權田良彦君) 補足してお答え申し上げますが、先ほど大臣からお答えがありましたように、この一部負担金制度を取り入れられましたのは、提案理由にも申し上げましたように、健康保険法で一部負担制が実施されましたときにも、確かに赤字解消の一つの原因ではございましたが、被保険者間の負担の均衡、または医療水準を上げるということも大きな目的であったと考えられるのでございまして、一方、共済組合法が、いわば健康保険法を、保険を代行するものでございますので、その基本的制度については同一にする方が妥当適切であるという根本的な趣旨に立っておりますが、この赤字黒字の問題になりますと、先生も御指摘の通りに、共済組合の短期経理の収支は、昨年度の決算もお示ししましたように、確かに黒字ができておるのであります。従って収支状況だけからは、この一部負担制をとらなければ収支が合わないというものではない決算の数字が出ておりまするけれども、一方、この決算のことでございますので、将来の見通しを申し上げますと、今大臣のおっしゃったように、この点数表の問題以外にも、さらに療養給付の問題その他で、私どもの方の国鉄の共済組合を例にとりますと、今後一、二年の間に相当苦しい状況が来るのではないかという見通しを申し上げたわけでございますが、まあ、理屈といたしますと、この法律にも書いてありますように、当分の間は払い戻しその他という暫定措置がついておりますが、将来にわたってなおこれが全体として黒字であれば、理屈から申し上げますと、これは掛金を下げる方向へ向うべきでありますが、一部負担金制度というものは、先ほど申し上げたことによって講じなければ適切でないと事務的に考えた次第でございます。
 なお、今新点数表のお話がございましたが、新点数表は御指摘の通りに八・五%増で今回組まれたと私ども記憶しておりますが、私どもの方で今申し上げましたのは、いわゆる新点数表の八・五%増の増加に伴うところの負担増とは考えておらないのでありまして、前に申し上げましたような趣旨で事務的に考えた次第でございます。以上、補足して御説明申し上げます。
#9
○委員長(永岡光治君) なお、政府側から永野運輸大臣、中馬運輸政務次官、權田鉄道監督局長、佐野大蔵政務次官、岸本主計局給与課長、岩田電気通信監理官が出席されております。
#10
○矢嶋三義君 で、余裕財源が生じた場合には、一部負担金を払い戻すという、これは暫定規定ですが、そういう規定がされているようです。それは今のあなたの答弁とあわせ考えれば、一部負担を健康保険法の改正に伴ってしてもらう、そうして余裕財源ができれば、その範囲内で一部償還をする。しかし、恒常的にこれを考える場合には、掛金の引き下げということに結びついていく。若干ここで経理をやってみて、そういう結果になれば掛金の引き下げということが予想される、こういうふうに了承してよろしいですか。
#11
○政府委員(權田良彦君) お答え申し上げます。この一部負担金の払い戻し、その他の措置が、先生の御指摘のように今回の経過規定で出ておりまして、その返還をどんな方法でやるかということでございまして、方法としては、まあ現実に組合員が支払いましたその金額を現金で払い戻す方法、あるいはこれらの現金を組合員に払い戻さずに別途積み立てて、組合員の福祉のために利用するというようなやり方、またあるいは付加給付を実施するといういろいろな方法があるわけでございますが、いずれの方法をとるにいたしましても、これはまあ先の見通しにも関係いたしまして、短期経理全体の収支の見通しにも関係いたしますので、実は事務的にはなお十分の検討を要すると存じまして、関係方面において目下慎重に検討中でございます。従って、経過規定の返還方法は、以上、御説明申し上げましたような点を深く検討しておりますが、これがもし御指摘のように、将来長期にわたって確実に黒字であれば、理屈としてはこれは掛金を下げるということに共済組合の性質上相なるかとも思いまして、先ほどそれに触れたわけでございます。
#12
○矢嶋三義君 あなたの答弁は、発音も内容も非常に明確でよくわかりますが、今出ましたこの付加給付、付加給付の実施状況は、完璧に行われておりますか。実情はどうですか。
#13
○政府委員(權田良彦君) 今払い戻し方法で、たとえばで方法を三つ申し上げましたうちの付加給付の実施は、今のところまだ実施しておりません。今回、この法律の御賛成を得て、執行に当りました場合に、三つの方法として慎重に検討したい、かように考えておる次第でございます。
#14
○矢嶋三義君 付加給付制度があるわけですが、新たに一部負担をしていただく、その結果余裕の財源が出てきた、そのときに一部負担金を払い戻す、それで付加給付をやるというのは、私は筋が違う、おかしいのではないかと思うのですがね。そういうことは別個に付加給付は付加給付としてやるべきじゃないでしょうか。
#15
○政府委員(權田良彦君) 仰せの通りでございまして、今いろいろな方法を例示で申し上げまして事務的に検討している内容を申し上げたのでありますが、付加給付の問題は、もし一部負担の制度の採用のために財政的な好転が見込まれ、余裕財源ができればそういう意味で考えられるという意味で申し上げたのでございます。
#16
○矢嶋三義君 次にお伺いしますが、公共企業体職員の退職金ですね、この引き上げがこの法案の中に盛られるだろうと予想しておった。ということは、第二十八回国会において国家公務員共済組合法並びに退職金の暫定措置法が通った場合に、関係者の退職金が、暫定措置で引き上げになりましたので、それにつり合うように公共企業体職員の退職金の引き上げが、二割ないし三割程度引き上げる内容のものが盛られるだろうと思ったが盛られていない。昨日運輸大臣に伺いましたところが、調子を合わせるためにこうしたのだというので、どういうふうに調子を合わせるのか数字をもってお示しを願いたいと昨日お願いしておいたわけですが、その調子の合わせ方を説明して下さい。
#17
○政府委員(權田良彦君) 御指摘の通りに退職手当暫定措置法の改正で、公社職員の退職手当の問題が起って参りまして、あれは先生のただいま御指摘のようなあの法律の付則で、別の法律で定めるということになっておりますので、別の法律をお出しするべく、目下関係当局で準備中でございますが、すでに御案内の通りいわゆる共済組合の退職年金とまたいわゆる退職手当等総合したものが退職給付として考えられるのでございますので、この国家公務員と公共企業体職員との間に、これらの均衡をとる必要がございます。これまた御承知のように共済組合の退職年金につきましては、実はこの前にこの国会で御成立願いました五現業のそれと公社職員のそれと基礎俸給が違っているので、いわゆる最終俸給問題と最終三カ年平均俸給問題というものがございまして、基礎俸給が違っております。また、退職一時金につきましては、これはまあ一時金でございますが、これが両者とも要件並びに給付額が違っている。これをあわせて考えませんと、共済組合の方は御案内のように共済組合員の掛金と公社の負担金で成り立っておりますし、いわゆる退職手当は公社の方で払うというものでございますので、その筋合いも違い、従ってこれらを考えてこの三公社の退職手当を考える必要がございます。法律的に言えば、退職手当暫定措置法の附則に基きます別法律を御提出いたさなければならないわけ柄でございますので、目下これを数字的にも制度的にも運輸、大蔵、郵政で検討中でございます。これは非常に複雑な数字になっておりまして、いろいろな年数で違って参りますので、実は三省とも成案をまだ正直なところ得ていないのでありまして、これを早急に成案を得次第、附則に基く別法律として提案いたしたい、かように考えておりますのでそのいきさつを申し上げた次第でございます。
#18
○矢嶋三義君 運輸大臣に伺いますが、今政府委員の説明された附則に基く別法律、これは三省間で検討されているということなんですが、検討されて次の通常国会ぐらいに御提案になられるんでしょうか。どういうふうにお考えになっておられるのですか。
#19
○国務大臣(永野護君) 政府委員からも申しましたように、非常に複雑な数字になっておりまして、そうして三省の間にそれぞれの変った数字が出ておりますので、これの調整をとりますことに鋭意努力しておるのでございます。なるたけ早く出したいということは念願しておるのでありますけれども、時期を通常国会までに必ず出せるかどうか、今ここではっきり申し上げることはできませんけれども、ぜひ出せるようにしたいと思って努力をしております。
#20
○矢嶋三義君 大蔵政務次官にちょっと伺いますが、こういうことを聞くんですが、いかがなものなんでしょうかね。それは公共企業体職員の退職金の引き上げは、大蔵当局としては期待に沿うようにやってもよろしいが、公共企業体職員共済組合の方では資金運用部資金の方に預託してくれない。だからその懲罰と言えばおかしいのですけれども、そのお返し的な立場から、なかなかうんと言わないのだと、こういうようなことを聞くのですが、どうなんでしょうかね。その点、事情をちょっと承わっておきたいと思います。
#21
○政府委員(佐野廣君) ただいま矢嶋委員のおっしゃいました点、別に懲罰的に云々というふうなことを考えておるわけではございませんので、ことに退職手当の問題につきましては、今運輸大臣から御答弁の通りで大体着手をいたしておりまして、その今のお話しのような資金運用部に預託の問題で、そういう経過的に見ますと、そういう方向へ現段階においては進んでおりますが、別にこれで懲罰的にとか報復的にとか、こういうふうなことは考えておりませんし、考えるべきものじゃないことは申すまでもございません。御了承願います。
#22
○矢嶋三義君 国家公務員共済組合法を審議する場合も質疑応答したわけですが、この組合員がささやかでもあるが非常に高価である掛金を納める。その納めた金を大部分を資金運用部資金のところに預託してしまって、そして大蔵大臣の掌握もとにこれが入って、そして大蔵大臣の方針のもとに組合員の掛金が使われなければならない。これはある程度は助言なり指導という立場はよろしいと思うのですが、やはり共済組織から考えて組合員の掛金は、これは組合員の意向というものが強く反映されて、そして組合員の福祉増進のために福利厚生施設の拡充等に使われるようにしなければならんと思うのですね。これは私は原則だと思うのですよ。従って資金運用部資金に預託して大蔵大臣の自由になる勢力範囲内に、金を君持ってこないから、だからどうだというようなことは、まさかあるまいと思ったわけですが、念のために聞いたわけですが、預託がないこととは無関係だと今の答弁了承して安心したわけですが、そうですね。
#23
○政府委員(佐野廣君) 退職手当につきましては、全くその通りでございまして、厚生年金積立金は資金運用部預託でありますから、それと均衡をとって共済積立金の一部を預託することとしておるのでありますけれども、今の矢嶋委員のおっしゃいましたような点につきましては、全くそういう意図はございません。
#24
○矢嶋三義君 次に、少し具体的なことを承わりたいと思うのですが、共済組合に勤めている職員ですね、その職員が公共企業体に転職と申しますか身分がえと申しますか、そうした場合に、それらの期間は通算されて公共企業体職員等共済組合法の適用を受けるようになっておりますね。これは間違いかどうか、私そうなっていると思う。ところが、一方共済組合の職員が国家公務員の方に身分がえをした場合、その場合にこれは期間が通算されて、国家公務員共済組合法の適用を受けるというようになっていないのですね。これは私の今伺ったのは間違いかどうかということ。前者は通算されて法の適用を受け、後者は通算もされないし、もちろん国家公務員共済組合法の適用を受けないわけです。こういう点、私はアンバランスだと思うのですがね、これは両方通じて共済組合の職員がそういうふうに身分がえした場合は、いずれも身分がえをした共済組合法を適用して、その勤務期間も通算するようにするのが、私は立法精神に合っていると思うのですが、いかがでしょうか。
#25
○政府委員(權田良彦君) 組合の職員が通算されるかという一つの問題、これは御承知の通りに、組合職員につきましては、この法律ができましたときに組合員になったわけでございまして、で、問題は、この年金の資格期間というものに通算されるかどうか、その点は御案内のように、すでに旧組合時代においては、組合の職員から公社職員に移行するのが例でございました。そのために公社職員の期間だけでは二十年に達しない。しかし組合職員の期間を入れれば二十年に達する。そうすると、これは年金資格期間があるわけでございまして、その点が今までの公共企業体共済組合法では欠けておりました、御指摘のように……。で、今回のこの法律によりまして、こういうものも年金資格期間に通算されるということに相なりますので、その点が大いに改善されるわけでございます。それから国家公務員とこの公共企業体共済組合法の組合員との間には、これは二つの制度が並立になりまして通算はございません。さように理解しております。
#26
○矢嶋三義君 私の理解と同じなんですがね。公社の場合、国家公務員共済組合法を適用して、期間も認めるようにすべきものだと私は思うのですがね。こういう立法精神からいってそうあるべきものだと思うのです。大蔵政務次官のお答えを願いたいのです。そういうふうに改正してもらいたい。
#27
○政府委員(佐野廣君) 政府委員からちょっと事務的な答弁をさしていただきまして、そのあとでお答えいたします。
#28
○説明員(岸本晋君) 技術的な問題でございますので、政務次官にかわりましてお答えさしていただきます。御質問の公共企業体の共済組合の職員が国家公務員になった場合に、なぜ期間通算がないかという御質問かと思いますが、公共企業体の共済組合の職員ということは、元来公共企業体の職員そのものではございません。しかし、公共企業体の重要な共済年金、そういった仕事に携わっておりますので、その公社の職員並に共済制度を適用しよう、資格期間も通算しよう、こういう建前に相なったわけでございます。それが公社の共済組合の職員が公社の職員にならないで、直接に国家公務員になった場合にはどうかという御質問でございますね。この点は、期間通算はやはりいたしておらないわけでございます。つまり、公社という特殊な企業体の職員である、関係している職員であるという意味で、その公社の共済組合に加入しております。それが国家公務員になりました場合には、いわば民間の職員の方が国家公務員になられたというのと同じ立場になるわけであります。そこで、ただいまのところは、この問題は国家公務員共済組合の方では取り上げていないのでありますが、将来いろいろ諸年金制度の通算措置というような問題が出て参ります。そういう場合には、総合的に検討したいと考えております。
#29
○矢嶋三義君 もう一つ聞きますが、たとえば国家公務員共済組合の職員が国家公務員になった場合ですね、国家公務員共済組合法を適用して期間も認める、これはそうなっておらぬのですね、今。
#30
○説明員(岸本晋君) 国家公務員共済組合の職員が国家公務員となった場合、これは現在ございません。ただ後に雇用人たる国家公務員になりました場合には、過去の期間ある一定の条件を限って認めております。たとえば国家公務員共済組合の事務職員は、従来厚生年金保険に入っております。そういう方々が今度の国家公務員の共済組合法の改正によりまして共済組合法の適用を受けることになったわけでございます。その場合に厚生年金保険の被保険者であった期間は資格期間に通算するということにいたしております。従いまして、そういう人たちがさらに雇用人たる国家公務員になりました場合には、過去の厚生年金保険の被保険者であった期間も全部通算する、こういう建前になっております。
#31
○矢嶋三義君 そのあとのところは了承します。あまり制限をつけないでね、こういう制度というのは、福祉国家を目ざす社会保障政策の一環ですからね、あまりむずかしいことを言わないで、筋は通さなければならぬですけれども、大きな立法精神から、勤労者のためになるように扱っていただきたい。その点はさらに検討していただくように要望しておきます。
 それらと類似した問題として一つ具体的な問題でございますが、ここで転出組合員とか、復帰組合員とか、転入組合員とか、更新組合員とかいろいろ術語が出てきておりますが、たとえば国鉄に勤めておった職員が国家公務員になる、そうして再び国鉄に復帰すると、こういう復帰組合員は期間の通算が認められておりますがね。ところが、国鉄に勤めておった人が国家公務員になって、そして同じ公社の専売の方へ身分がえした場合には、これは復帰組合員として期間を通算しないようになっておりますね。これどういうわけでそういうことをしているのですか。みな同じように復帰組合員として期間通算するような扱い方をすべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。
#32
○政府委員(權田良彦君) 今お示しの通りになっております。国鉄からたとえば国家公務員になって国鉄へ戻れば通算される。国鉄から国家公務員になって今度専売公社の方へ行くとそこで切れる。こうなっておりますが、これはこの共済組合というものが、それぞれ独立の法人になっておりまするので、その間の中だけの通算は認めておりますが、それ以外にわたる場合には、何と申しますか、新規採用と申しますか、そういうものと扱いを一つにせざるを得ないということで、今お示しのような例になっております。
#33
○矢嶋三義君 新規採用のような扱い方をしなければ工合が悪いですか。通算してはどうしていけないのですか。
#34
○政府委員(權田良彦君) それは技術的に非常に困難でございまして、在来の掛金をどうもって回るか、あるいはその財政状態も、それぞれで違いますので、それをどう技術的に結びつけるか、そういう点に難点があるので実施できないと、かように了解しております。
#35
○矢嶋三義君 岸総理も国民年金制度賛成だ、ぜひやりたいというので、今作業を始めているわけですが、国民年金にしても、年金制度はいろいろあるものだから、その結びつけ工合、まあ、通算措置とか何とかずいぶんめんどうなことがあって、最近衆議院の社労委員会でも公聴会までやったようですがね。まあ、今審議の対象になっているこれらにしても、今まで幾つもばらばらにできておったものを統括するということはむずかしいだろうけれども、長い将来のことを考えれば、若干むずかしい点があっても既得権を侵害しないように、当事者にはマイナスにならぬで少しぐらいプラスになるということがあってもいいと思うのです。そういうぐらいな幅をもって、できるだけすっきり統括するような方向をたどらないと、実際行政事務能率も上らないし、実際運用する場合に困ると思うのですね。だからそういう角度からいって、同じ公社だったら、その程度のものはそうささやかな損得を言わないで、少しでも勤労者のためにプラスになるというような角度から検討したら、私はできぬことはないと思うのですね。やるべきだと思うのですが、やってもらえませんか。
#36
○政府委員(權田良彦君) その点はごもっともな御指摘でございまして、先ほど私がお答え申し上げましたのは、現在のあり方のゆえん、現状を御説明したので、ああいうふうになっておりますが、今確かに国民年金との間の、他の共済組合との間のいろいろな給付の調整、通算の問題、また共済組合間における今御指摘の問題は、実に重要な大きなポイントになっております。特に国民年金との関係は、よく御存じの通りに、社会保障制度審議会で今非常に熱心に、かつ慎重に御検討願っておりまするので、私どもも事務的には現在のあり方だけにこだわらずに大いに検討を要する点だと思いまして、こういうものとあわせて検討をいたしております。特にまた、長期給付の問題につきましても、この制度的な調整ということは、今せっかく関係各省で打ち合せておりますので、御指摘の点も検討中の重要なる点でございます。
#37
○矢嶋三義君 その点は十分一つ、むずかしい点があるでしょうが検討をしていただきたいと思います。
 最後に資料として要求し、また承わりたい点は、第二十八回国会で、国家公務員共済組合法を審議する場合に、衆議院審議の最終段階において、私ども社会党におきましても部会でいろいろ検討いたしまして、そうして衆議院大蔵委員会で付帯決議をなしたわけです。これは与野党一致してなしたわけですが、この付帯決議の文章が私けさから探したのですが、ちょっと手に入らないので、これをプリントして一つお出し願いたいと思いますし、それからこの付帯決議を政府当局はいかように取り扱われたか、そのお答えを願いたいと思います。……今ちょうど事務局から案文をここに届けていただきましたが、まだ読むひまはないのですが、どういうふうに取り扱ったか、お答え願いたいと思います。
#38
○政府委員(權田良彦君) 仰せの通り、前国会の衆議院の大蔵委員会で、国家公務員共済組合法案を可決する際に、付帯決議をおつけになりまして、その決議の第三項でございます。その内容は、「医療機関等の規定について所要の改正を行い、あわせて次に掲げる事項等の長期給付に関する附則の規定を整備する必要がある」、こう決議せられておるのでありまして、その一つは、「傷病年金、傷病賜金についても、増加恩給と同様支給を停止しないことにする。」という点でございまして、これは今回の附則第四条第四項中、「増加恩給」とあります字の下に「並びに恩給に関する法令の規定による傷病年金及び傷病賜金」という文字を加えて、今回の今御審議願っております改正案で解決をいたしております。
 それから第二は、「更新組合員の組合員期間に職員期間に準ずる国家公務員であった期間で、運営規則の定めるものを加へる。」という点でございますが、これはやはり今回の附則第五条第三項に一号を加えて第三号といたしまして、「その他前二号に掲げる者に準ずる国家公務員又は地方公務員で運営規則で定めるもの」を追加いたして、解決いたしております。
 その三は、「組合員期間二十年未満の者に支給する年金の資格年限のうちに旧組合職員の在職期間で、運営規則の定めるものを加へる。」という点でございまして、これは先生が先ほど御指摘され、お答えいたした点でございますが、これは同じく今回の改正法案の附則第十一条第一項に一号を加えまして、第五号といたしまして、「旧組合に使用された者(運営規則で定める者に限る。)であった期間(その前又は後に引き続き職員であった期間を含む。)で施行日まで引き続いているもののうち、職員であった期間及び恩給公務員期間を除いた期間」を追加いたして、解決いたしております。
 以上申し上げました通り、付帯決議で御要望相なりました諸点は、すべてこの改正法案に織り込み済みでございます。
#39
○矢嶋三義君 この付帯決議が出ましたが、この付帯決議は多く分けて三項目あり、その第三の点について今説明があったわけですが、きのうもちょっと触れておきましたが、この付帯決議のうちの重要な部分、これは参議院でも確認したわけですが、第一の点については、政府側で検討がおくれているようですね、きのう説明員の方からちょっと説明がありましたが、この点については大蔵大臣の答弁を求めたいので保留しておきますが、後ほど次の宿舎関係の法律案のときにおそらく大蔵大臣が来るでしょうから、そのときに承わりたいと思います。この公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案、ただいま質疑がありましたが、あなたは政府委員ですか、説明員ですか。
#40
○政府委員(權田良彦君) 私、政府委員です。
#41
○矢嶋三義君 政府委員の答弁はなかなか明快で、私の質疑は時間の都合もあるので、この程度にとどめたいと思います。私の党では、伊藤君が非常にこの法案について質疑をいたしたいと前々から理事の私の方に申し出ておったわけですが、本日やむを得ない事情があって来ておりませんので、私は先刻来の答弁で質疑を終りますが、伊藤君の質疑だけ願わくは保留していただいて、次の、他に質疑する人がなければ、次の法律案の方に審議を移していただきたいと、かように思います。
#42
○千葉信君 私はまず第一番に、質問に入る前に当って、そのただいままで答弁をされた政府委員の資格について若干の疑義がありますので、この点についてお尋ねしたいと思います。この三つの公社にまたがる共済組合法の関係について、それぞれ鉄道公社は運輸省、郵政省は電気通信公社、専売公社の関係は大蔵省と、それぞれ主管がきまっており、それぞれの共済組合については主務大臣も明確になっておりますけれども、しかし、国会に対して責任をもって答弁される大臣の関係については、組織法上疑義があって、従って政府の方でも特に閣議で担当大臣を決定して出席をされておる、そういう経緯があります。ところが、運輸省の関係の政府委員がこの委員会に出席されて、鉄道公社の方の関係の共済組合の問題について答弁をされるならば、私は了承するけれども、質問が三公社全体にまたがる問題に関連して、たとえばさっきの退職手当の問題等について、何か三公社を代表するかのごとき答弁があり、おそらくこれは担当大臣がたまたま運輸大臣にきまったからという理由で、補佐の立場で来ておられるのかもしれませんけれども、この点は私は答弁の行き過ぎだという見解なんですが、担当大臣、どうですか。
#43
○国務大臣(永野護君) 千葉委員のお説の通り、本来は各省大臣がみんなそれぞれ責任を分担しておるのでありますから、一つの質問に三大臣がそれぞれの所管についての答弁をすべきはずであります。ただ実際問題といたしまして、同一性質のものに三大臣が別々に答弁いたしますよりは、一応共通の問題については整理いたしまして、便宜上運輸大臣が答弁いたしまして、それに対する責任は、各省大臣ともこれを自分の所管事務については、責任を負うという建前で、この議事を進めておる次第でございます。従いまして、事務的のこまかい部分について運輸大臣が説明するのに適当でない部分は、運輸省から出ておりまする政府委員が御説明申し上げまして、その点につきましては、それが他の所管省の担当部分のものに関しましても、政府全体の責任においての答弁だと御了承を願いたいと思います。
#44
○千葉信君 どうも担当大臣、私の質問の骨子を理解されておられないようですが、今お聞きになっておられた通り、矢嶋委員の質問に対して、単に鉄道公社関係、運輸省の所管事項関係だけの答弁ではない答弁をされておるわけです。たとえば退職手当の問題に関連して、あの答弁のごときは、私はこれは運輸省関係だけの立場での政府委員としては、その答弁は少し自分の資格を誤まっている答弁だと思います。その点について大臣の見解をお尋ねしておるのです。
#45
○国務大臣(永野護君) ごく十二分に申しますと、お説の通り各大臣がそれぞれ来てそれの答弁を申し上げるべきはずであります。ただ実際問題といたしまして、非常に事務に繁閑があるものでありますから、便宜上三大臣がそろって出席いたしますかわりに、運輸大臣の答弁をもってその所管大臣の答弁にかえるという申し合せをしたわけであります。だから責任は担当大臣がしょいます。ただし、特に重要な問題がございましたら、御要求を願いまして、たとえば大蔵大臣、たとえば郵政大臣の出席を求めるという御要求がございましたら、もうまかしたからわれわれのじゃないという問題ではないのでありますから、喜んで出席して御答弁をいたすつもりであります。
#46
○千葉信君 あまり私はこんな問題で時間を食いたくはありませんが、どうも担当大臣私の質問の意味をよく了解しておられないと思うのです。どうしてかというと、今回運輸大臣が担当大臣として出られたのは、これは三つの省にまたがる問題である関係上、国会に対してはっきり担当大臣をきめて責任の限界を明らかにして、国会に対して責任を持って答弁しなければならないという組織法上の建前から、政府としては今回わざわざ閣議であなたを担当大臣にきめたわけです。ですからそういう厳格な意味で考えるならば、各省ごとの政府委員がここへ来て自分の方の公社関係だけの問題ならばそれはよろしい。しかし、他の公社の関係等とも関係のある重大な問題について、退職手当の問題、大蔵省との折衝問題等についてああいう答弁をするということは権限乱用である。そうは担当大臣考えませんか。
#47
○国務大臣(永野護君) 各省間にわたる問題は各省間と協議いたしまして、あるいは各省が……。
#48
○千葉信君 それはわかっていますよ。
#49
○国務大臣(永野護君) 別々に御答弁申し上げるのが、厳格な意味においては正確かもしれませんけれども、私が三省間の申し合せによりましてかわって答弁申し上げるという意味の中には、三省間にわたる問題も総合してその政府の態度を御説明申し上げる資格を得ていると、こう私は考えております。
#50
○千葉信君 大臣、どうしてそう質問の意味がわからぬのかね。三つの公社にまたがる問題についてそれぞれ主務大臣がある、しかし政府としてこの法律を出して国会でその責任ある答弁をするためには、各省ごとに答弁はできないから、だれか担当大臣をきめなければならぬ。それは国家行政組織法でも、内閣法でも明かです。責任の限界が明確でない場合は、閣議でだれかを担当大臣に指名してそれに当らせる、そういう措置が今回私の質疑に基いてはっきりしたわけです。ところが、あなた方、この問題について答弁されることはいいけれども、この問題に関連する質問について、あなた以外の政府委員が公社だけの関係についての質問ならば私はさっきの答弁でもよろしい。しかし問題は公社だけの問題じゃなくて、三公社にまたがっている部分について運輸省から来ている政府委員が、あなたの運輸省では部下はしらぬけれども、この内閣法なり組織法に基くと、これはあなたの部下ではないのだ、きょうは。あなたの部下とは違うのだ。今のあなたが答弁されておられるのはこの法律に関連する担当大臣として来られておる。そうすれば運輸省のどの局長であろうと、この問題についてあなたの部下としての答弁はあなたにかわってできない。そうだとすれば、そういう見解からいけば、運輸省のだれであろうと、郵政省のだれであろうと、三つの公社にまたがる、三つの省にまたがる問題について答弁はできぬはずだ。そうでしょう。それをお尋ねしている。だからあなたの場合には気の毒だけれども、ここではあなたの代理者として答弁するわけにはいかぬのだ、ああいう問題について。あなたが答弁しなければいかぬ。その点がおわかりにならぬのですかと言うのです。簡単な理屈ですよ。ここにいる人はみんなわかっているはずだ。
#51
○国務大臣(永野護君) 私は今の私の方から出ております政府委員は、つまり鉄監局長は、その問題に関する限り私の部下でないという理論が……。
#52
○千葉信君 あなたにかわって答弁する資格はない。
#53
○国務大臣(永野護君) 私は必ずしも了承できないのであります。
#54
○千葉信君 どうしても了解できないのだ。
#55
○国務大臣(永野護君) 私が私の口を通じて、かわって、私が自分の発言をしなければならぬ私の口の延長だとお考えになることはできませんか。私が自分で説明するかわりに、たまたま事件が非常にこまかいことにわたるものですから、それを私の省の政府委員にかわって答弁をさすということは、私は不可能ではないと考えておるのであります。
#56
○委員長(永岡光治君) ちょっと速記をとめて。
#57
○委員長(永岡光治君) 速記を起して。
#58
○千葉信君 質問に入りますが、どうも速記の上では、ただいまの質疑応答が結論として明確になっておりませんけれども、しかしまあ、時間の関係もありますから、私はそろそろ本論に入って質問したいと思います。ただしかし、この際御注意申し上げておきたいことは、さっきのようなあやまちは繰り返してもらわないこと、重大な問題については特に担当大臣が責任をもって答えるようにしてもらう、この点を私は、これ以上深追いしないことを条件として、大臣に希望しておきます。
 そこで本題に入りますけれども、今度の共済組合法の関係は、健康保険法の一部改正法律に関連して、負担の増大ということが大きな問題になってきている。私は健康保険法の審議に際して、社会労働委員長としてあの問題を担当したものですが、そこで特に健康保険法の関係については、どうしても累積する赤字を何とかしなきゃならぬと、こういうことがあの法律改正の大きな前提です。今政府の方では、本法たる健康保険法に平仄を合わせる意味からこの改正を行うのだ、こういう御答弁になってきております。私はその政府の方針が、できるだけ社会保障制度を充実する。社会保障制度の中心問題としては、何といっても医療の保障である。そういう意味からいうと必要に迫られて、他の方法がないために改正されたその健康保険法の改正に、平仄を合わせるという立場から、常々社会保障制度の充実ということを公約している政府としては、あまりにこのやり方はその公約に反し、政府としてのこのやり方としては、その母法に合わせるという方法をとるだけという答弁は、政府の答弁としては私は答弁にならぬと思うのです。この点永野さんいかがですか。
#59
○国務大臣(永野護君) 千葉委員にお伺いいたしますが、いわゆる一部負担の増額の問題でございますか。それは先ほど申しましたように、健康保険法と調子を合せるためにやるということ、つまり健康保険法が変ったために、これを変えるという点もむろんあるのであります。ありますけれども、そればかりでなくて、今のお目にかけた数字が、かつての決算においては、はっきりと相当な黒字を出しておりますけれども、結果においてこれが赤字になるという見通しが出ております。それが健康保険法の関係において赤字が出るということがけしからぬじゃないか。つまり社会保障制度を遂行するためにできた法律が、逆に社会保障制度の妨げになるような結果になるのはけしからぬじゃないかという御質問と了解してよろしゅうございますか――。今日の、この一部負担金の問題は、この現実をどうして補っていくかというために、それをやらざるを得ないという数字上の計算から、こういう案が出たものだと私は了承しております。解釈しております。
#60
○千葉信君 どうもたよりない答弁ですが、これじゃ先に進めませんが、私は必ずしも今の答弁で納得するどころじゃありませんけれども、次に進めますが、大臣、少々勘違いされて答弁されておりますが、かりに永野さんが言われるように、どうも計算上将来赤字が見込まれるという、今のお話がその通りだったとしたならば、今回一部負担をすることによって組合員の負担が増大する。そのやり方の中で、はっきりここで一部負担に対する払い戻し云々であるとか、それを現金で払い戻すとか、あるいは付加給付の増額という問題とか、そういう措置をとるという答弁も先刻ありました。そういうことになりますと、今の永野さんの答弁、食い違ってきませんか。
#61
○国務大臣(永野護君) 私は食い違ってはいないと思います。と申しますのは、余った場合にどうするかというのは、仮定の問題であります。ただ一応今の見通しでは余らない。むしろ不足するという見通しがあるから、こうしたのでありますけれども、万一、余った場合にはこうするということを言っておるのでありますから、一方において余るというその可能性はあります。しかし、どちらの可能性が多いかと言えば、はっきりと不足することが、そのパーセンテージはわかりませんけれども、不足するという見通しのほうが多いものでありますから、そういう対策をとったのであります。しかし、これは見通しでありますから、余る場合もあり得ますから、その場合にはこうするということを申し上げておるのでありますから、答弁に食い違いはないと考えます。
#62
○千葉信君 この際、私は鉄道公社関係の共済組合の問題について、実際にその経理が今の大臣の答弁のような状態か。そしてまた、大臣が答弁されたように、場合によっては、もう近々にも赤字という格好になる状態にあるのか、その点、一つ運輸省のほうから御答弁を願いたいと思います。
#63
○政府委員(權田良彦君) 国鉄共済組合の短期経理の損益計算でございますが、先ほどもお答えしたように昨年度の決算はこうなっております。問題は、今後の見通しでございまして、この事業支出の点がどうなってくるか。その場合に点数制の問題、あるいは療養給付を原則にいたしまして療養費払いをできるだけ本来の趣旨にのっとるようにいたしますれば、共済組合としての経費増が考えられます。
 それからまた、直営医療機関の見通し、御案内のように直営医療機関は、ただいまのところ相当な赤字を出しております。これらについての考えを見ました経費増を今いろいろ試算しているのでありますが、まあこの程度の黒字、昨年度は二億九千万円ばかりでございますが、これでまた一部負担金でどのくらい入るかという方も、今さだかにはまだ計算ができ上っておりませんが、まあ、私どもの試算では、一億足らずの増ではないかと思っておりますが、それと、経費増を見ますると、見通しとしては、二年ぐらいの間にこの黒字を食うおそれがありはせぬかという経理的な見通しは、一応ただいま持っておりますが、なお、この点について慎重に国鉄共済組合の方の数字も精査している次第でありまして、国鉄共済組合に関する限りは、この黒字というものは、そう長続きはしないという見通しを今持っているわけでございます。
#64
○千葉信君 引き続いての質問ですが、そういたしますと、この附則で考えられている付加給付の増額であるとか、それから一部負担金の払い戻しとか、ないしはまた、それを現金で行うとか、こういう問題は大体がほんとうの暫定的な、実際的にはもう絵にかいた餅みたいに終る可能性があるという確認に立っていいのですか。
#65
○政府委員(權田良彦君) その点は、ただいま申し上げましたように、長期の見通しの関係でございます。まあ悲観的に見れば、二年ぐらいしか持たないというような数字も出てくるわけでありますが、それに至るまでの間において、単年度においては余る場合も想定できるわけであります。ごく過渡的に、従ってその場合にいろいろな別途積み立てるというような方法を慎重検討いたさなければならないので、検討しておるのでありまして、従って先ほども申し上げましたように、もし、これが長期に黒字になるというような見通しがはっきり立てば、理論的には掛金を下げるべきであると先ほど申し上げたのは、その意味でありまして、従って具体的には今御質問のように、この一部負担金の返還というのは、どのような方向をとるにせよ、相当過渡的なものであるという見通しは立てておる次第であります。
#66
○千葉信君 そこで、質問は永野さんに戻りますけれども、おそらく永野さんもこの前の二十八国会で衆議院の大蔵委員会が国家公務員共済組合法を審議したときに、法律案の修正が行われ、それから付帯決議がつけられたことも御承知だと思う。特にこの修正の趣旨というのは、三公社の職員についても、五現業職員、非現業雇用人と同様に、現行の退職手当より有利な特例措置が受けられるように本法を適用することとし、その支給額については別に法律で定める、これが修正の趣旨です。それから付帯決議にいたしましても、「附則第十四項による法律的措置は、公社の特殊性にかんがみ、他の職員と同様の処遇が確保されるよう、速やかに、できれば次期国会にこれを行うべきである。」こういう法律案の修正と付帯決議がなされております。これ永野さん御存じでしたか。今の状態を見ますと、どうも今、係官の方から見せてもらって、やっと今それ承知されたような格好だと思いますが、いかがですか。これを知っておられますか。
#67
○国務大臣(永野護君) 大体のそういうふうな趣意のことがきめられたということは承知しておりますけれども、こまかく内容的に暗記しているという程度の理解の仕方じゃございません。
#68
○千葉信君 永野さん、それじゃいかぬです。あなたは今この共済組合法を提案されている責任者なんです。これと密接不可分の関係を持っている法律案の修正付帯決議です。しかも、この法律案を提出するには、当然そういう問題も同時に解決されなければならぬというのが、この付帯決議の趣旨です。特にその付帯決議におきましても、次期国会ということをはっきりうたっております。まあ、次期国会といえば、通常国会で言ったんだから、次の通常国会だろうなんという遁辞もあるかもしれません。しかし、次期国会という以上は、少くもその次にどんな臨時国会、特別国会が想定されるにしろ、その国会が指向されている。そういうときまでに出せという国会の意思決定があったのに、そっちの方は、国会が始まって委員会で追及されてから、やっと全文を見るなどという格好では、私はほんとうに責任ある態度とは言えないと思う。まあ、その点についていえば、あなたにこれ以上どうこうといって責任を追及してみても、これは少し過酷にわたりますから、これ以上私は追及しませんけれども、しかし少くとも実に遺憾千万です。
 ところで、この退職手当の問題について、退職手当をできるだけ均衡を得るように直すべきだというその問題について、たまたま、ちょうどさっき私が冒頭にお尋ねしたように、一応答弁は政府委員からありました。筋違いだけれども答弁はありました。これは私は、ここで大臣に、この問題についてのはっきりした態度をこの際とってもらわなければならぬ。さっきの大蔵政務次官の答弁によりますと、懲罰的な意味とか、報復的な意味は含まないという答弁がありました。その通りだと思う。しかし、永野さんがこの法律案を出される以上は、今回この共済組合法の関係、特に国家公務員の共済組合法の関係、あるいは三公社の関係、現業の関係等について、いろいろ政府の中に折衝が行われたようです。で、私はそのそれぞれの三公社なり、もしくは、また主務大臣なり、あるいはまた、実際に財源を捻出する方の大蔵省の見解なるものの、はっきり私は知っております。おそらく永野さんも、自分がやったかどうかは別として、その交渉内容は御承知だと思う。その交渉の中で、さっき矢嶋君が聞いたような事実が実は遺憾ながらはっきりあるのです。大蔵省の方では、国家公務員の共済組合法、この前の二十八国会の、あのときの立法で、従来各省ばらばらな格好で所管しておった共済組合の積立金が、資金運用部資金の方で一本で運用された。非常にこれに対しては反対が多かった。反対が多いにかかわらず、とうとう政府の意向通り押し切られた、結論は。これが今度もまた三公社と大蔵省との間に、その問題についての折衝があった。そうして、その過程の中で、大蔵省の方の立場として主張されておることは、やはりその三公社の共済組合の積立金についても、資金運用部資金の運用に、少くとも責任準備金の分については持っていこうという意向がはっきりしてきた。その問題が解決されなければ、退職手当の増額についての問題が解決しないという実際的な状態である。まず第一番に永野さんは、そういう事実をはっきり御承知になっているかどうか。それから第二番目には、その交渉は今後どういう見通しを持っておられるか。私はその内容にわたるそれぞれのはっきりした文書を、文書としてはっきりそれぞれの意見が明確になっている点をここに持っておりますから、一応その二点について、まず永野さんに承わりたい。
#69
○国務大臣(永野護君) 公社の、少くも準備金を資金運用部の方に繰り入れるという要請のあることは、よく承知しております。そうして、私どもの方の立場からは、少しでも組合員の利益を多くいたしますために、資金運用部に運用をまかせて五分何厘というよりは、あるいは他の方法によると、たとえば七分なり八分なり、または単に金の問題ばかりじゃなくて、もっと組合員が全般的に便利を亨受し得る投資にした方がいいという観点から、私どもの方はそれに応じかねておるのが今実情でございます。そこまではよく承知しております。ただし、まあそれと引きかえといいますか、そのために今の退職手当の増額について、まあ言葉が悪いかもしれませんけれども、こう引きかえのようなことで、できなくなっておるのだとは思いませんので、この付帯決議に、この前の付帯決議でありますが、できれば次期国会に出すようにというようなことがあったのでありますから、目下そういう交渉を継続しておりますが、できれば通常国会に出すように努力を続けております。
#70
○千葉信君 佐野大蔵政務次官にお尋ねいたします。大蔵政務次官は、退職手当の問題に関するこの衆議院の大蔵委員会における付帯決議は御承知ですか。
#71
○政府委員(佐野廣君) 一応了承しております。
#72
○千葉信君 一応了承しておるというのは、ただ知っておるだけの意味ですか。
#73
○政府委員(佐野廣君) その程度はどうでございましょうか、一応担当官から前回の状況等を聞いておるということに御了承をお願いしておきましょう。
#74
○千葉信君 どうも大蔵省の政務次官ともあろう者が、あなたが、国会の中でどういうことがきまったか、国会で審議の状況がどうであるか、国会の意向がどういうものであるか等について、省側と連絡し、大臣と連絡し、大臣の意向がどういうものか、大臣の方針がどういうものであるかということについて、国会側と連絡をとるのが、あなたの任務じゃありませんか。そういう任務を持っておるあなたが、国会のこの付帯決議について、今ごろやっと、内容だけは知っておるが、その経過等についてはおれは知らぬから係官ということでは、これではどうも、あなたが十分職責を果しておる名政務次官とは言えないと思うのだが、どうですか。
#75
○政府委員(佐野廣君) 率直に申し上げまして、千葉委員のように専門にこれを担当して事こまかにおやりになった方とは違いまして、ほかの方もやっておりましたので、この研究の程度に浅さのあることは認めざるを得ないと思います。
#76
○千葉信君 今の答弁なっちょらぬ。浅い深いの問題ではない。あなたの責任のある問題です。あなたの省の所管の問題です、これは、退職手当というのは、大蔵省の所管の問題です。それをこの国会で、この審議の場にいなかったから、そんなことは知らぬということでは、これは落第じゃありませんか。そこで、私は重ねてあなたに、この問題は一体先刻来の質疑応答でもはっきり出ているように、どうも大蔵省と三公社との間に話がまとまらぬ、まとまらない理由については、さっきのあなたの答弁では、決して報復的な意味、懲罰的な意味は持っておらぬという話しでしたが、今担当大臣から聞いても、かなりこの問題については、大蔵省と実際的にしげく交渉が行われたことがはっきりしておる。なぜ一体、大蔵省はこういう共済組合法の提案は、これは大蔵省の専売公社の関係で関係の深い省でしょう。その共済組合法を提案するとき、なぜ一体前提条件たるべきその問題について、大蔵省としては迅速な措置をとろうとしなかったのか、とらなければならぬ責任があるはずです。
#77
○政府委員(佐野廣君) これをとろうとしなかったということはございません。ただ、前に永野大臣から答弁がありましたように、できれば次期国会にすみやかに出すような手続をとるということで、目下検討を誠意をもってやっておりますので、とらなかったというふうなことはないことを申し上げて、今後努力いたしたいとかように考えます。
#78
○千葉信君 いつごろ御提案される心組みですか。質疑応答して、たまたまその決意を急速に固められたと思うのだけれども、いつごろ出されるおつもりですか。
#79
○政府委員(佐野廣君) これはただいまいつごろということを申し上げる時期にございません。段階に至っておりません。が、できるだけすみやかに、次期国会に提出するという態度で進む覚悟でございます。
#80
○千葉信君 速記をとめて下さい。
#81
○委員長(永岡光治君) 速記をとめて。
#82
○委員長(永岡光治君) 速記を始めて下さい。
 それでは本案に対する質疑はこの程度にとどめます。
  ―――――――――――――
#83
○委員長(永岡光治君) 次に、国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を続行いたします。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#84
○矢嶋三義君 要求資料が出ておりますが、それらについての質疑は後刻に回して、この資料によれば、公務員宿舎がどういうように分布されておるかということも詳しくわかるわけですけれども、私まず伺いたいのは、あなた方の説明の中にもあるように、非常に大都市になると、宿舎が少い、なかなか宿舎が確保できない。そういう地域で公務員に宿舎を確保するようにより以上努力するということはけっこうなことだと思います。そこで、これに関連して、政務次官、聞いておいて下さい、政治的な発言を求めたいのですが、たとえば東京とか大阪という大都市になると官庁が多い。大事な仕事をしておって通勤距離は非常に長い。しかも宿舎がない。こうなってくると、宿舎を提供するということも大事であると同時に、私は通勤費の問題がやはり起ってくると思うのです。それで資料を見て痛切に感ずるのですが、通勤費が最高六百円で打ち切られているわけですね。民間では実費を出している所もあるわけです。私ちょっとあたってみたのですが、国電と都電というふうに、あるいは国電と私鉄、ちょっと乗りかえて一時間程度の通勤距離があれば、大ていの人は通勤費というのは実に千数百円払っている。だから例の六百円という最高額があるのだが、この宿舎の問題が出て、いい機会だと思うのですが、僕は宿舎を確保するという計画を立てると同時に、通勤費の問題は、もう少し実情に沿うように再検討をする必要がある。かように私は考えているのですが、いずれ給与のところで深く伺いますが、そういう点についてどういうお考えでおられるか、承わっておきたいと思います。
#85
○政府委員(佐野廣君) 御指摘のように、最近の通勤のいろいろな費用等も相当かさんでおることと思います。前回にこの通勤費の設定がありましたのが、いつであったか私ただいま承知しておりませんけれども、通勤者の利便等のことも考えまして検討いたしてみたいと思います。
#86
○矢嶋三義君 もう一回承わりますが、宿舎、通勤費なんかというのは非常に不可分な関係にあると思うのです。通勤費はもう少し実態に沿うようにきめなければならぬと思うのですよ。この前ミニマム百円、マキシマム六百円という、機械的に全国全部一律にやりましたが、第一段階としてはあれでいいと思うのですが、実施後の状況を十分調査して再検討すべきだと思うのですが、検討していただけますね。
#87
○政府委員(佐野廣君) 通勤費の問題は、宿舎の関係ともちろん非常に近接した問題だと思いますけれども、この宿舎の方は、この中にもありますように、できるだけ居住制限をした者に、近い所にやりますとか、運営の上におきましてできるだけそういうふうな利便のある所へ宿舎を建設するということも、これまた必要なことだと思いますので、矢嶋委員のおっしゃいます関係が大いにあるということにおきましては、そういう意味において特に私あると思いますので、宿舎建設等の際におきましての配慮は十分いたさねばならぬと、かように考えます。
#88
○矢嶋三義君 いずれ宿舎の建設計画はただしますが、それが十分できないとなれば、通勤費というものは実態に沿うようにしなければならぬと思うのです。私二、三の国会職員に聞いてびっくりしたですよ。ちょっと池袋の先あたり私鉄でも乗ってくる所は、千何百円という通勤費を払っている。実情少しあたってごらんなさい。この前きめたのは、ああいう画一的にきめたので実情に沿わないということはよくわかると思うのです。きょうは通勤費の問題を論ずるわけでないから、この程度にしておきます。
 次に、管財局長に伺いますが、建物を宿舎がわりに使っているのがずいぶんありますね、国有財産建物を。まあ、私の郷里の熊本あたりにもあるのですが、昔の師団長宿舎なんかりっぱな建物があるのですよ、師団長が住んだ。それで財務局長あたりに伺ってみますと、別に何も使ってないのですね。見ると、財務局の職員が何人か独身者が泊っている。宿舎のようでもあるし、宿舎でないようでもある。きわめて不経済な使い方だと思うのですが、ああいう事例は私は全国にあるのじゃないかと思うのですが、あるのじゃないかじゃない、あります。管財局長としてはどういうお考えであられるのですか。あれは何か専門語でいえば宿舎財産というのですか、そういうものの中にああいう種類のものが入っておりますかどうか、おそらく入っていないのじゃないか。入れるなら入れるで、宿舎財産ならもっと宿舎財産らしく能率的にもっと改善しなければならぬと思うが、とにかく宿舎らしく改造もしない、払い下げもしない、事務にも使わない、遊休施設と申しますか、そういう形のものが全国にかなりあるのですが、管財局長としてはどういう見解を持っておられるか、承わりたいと思います。
#89
○政府委員(賀屋正雄君) お答え申し上げます。御指摘のもとの師団長の住んでおりました建物を、そのまま宿舎のような使用を認めておるという個々の点につきましては、私詳細を存じ上げておりませんが、従来、物納財産でありますとか、御指摘のような旧軍用財産等に、事実上人が住んでおるという例は、あったようでございます。これは普通財産として大蔵省の管理すべきものでございます。こうした財産は、できるだけ早い機会に処分をいたすべきものだという考えでおるわけでございまして、一時そういう人たちが居住の用に充てておりますものはなるべく早く一般の宿舎……、どうしても必要な向きに対しましては、行政財産である宿舎を付与する、貸与するという方針に切りかえまして、その間をしっくりさせるような努力を、今日まで続けてきておりますが、今後もその努力を続けて、できるだけ早く、またどうしてもその普通財産を宿舎に今後使う必要があるという場合におきましては、普通財産として売り払いをいたしませんで、それをむしろ行政財産として、宿舎として管理するというふうに切りかえるという措置を従来とって参りまして、多少の例外は残っておるかと思いますが、大部分はそういう切りかえを了しておることと信じている次第でございます。
#90
○矢嶋三義君 国有財産の管理方針、実情という一般論になりますが、それはきょうの目的でないから触れません。しかし今の例をあげましたように、国有財産が非常に効率的に扱われていない例が多いので、具体的な例については、いずれ個別的に、機会を得て伺いたいと思いますので、ただいまのところ、この問題についての質問はその答弁で了としておきます。
 次に承わりたいことは、宿舎は給与の一部と考えておるのですか、どうですか。
#91
○政府委員(佐野廣君) これは必ずしも給与の一部というふうに解釈しない方がいいと思います。それは特に居所を指定いたしましたりいろいろいたしますので、また、その他必要に応じて宿舎を作っておりますので、必ずしも実質的にあるいはそういうふうになる場合があるかもしれませんが、そういうふうに考えない方がいいじゃないかと、かように考えております。
#92
○千葉信君 関連して、どうも今の政務次官の答弁おかしいですがね。提案されたこの法律案の第十二条の第二項によると、「無料宿舎は、国家公務員の職務に対する給与の一部として貸与されるものとする。」はっきり法文はあるじゃありませんか。これはどういうことです。今の政務次官の答弁と食い違った法律の条文がありますよ。
#93
○政府委員(佐野廣君) 大へん失礼いたしました。有料宿舎と無料宿舎との区別がありまして、私から今申し上げましたのは、有料の方でございましたので訂正いたします。
#94
○矢嶋三義君 そこで私、宿舎と伺ったのですがね、宿舎には公邸と無料宿舎と有料宿舎と三つあるわけです。無料宿舎は、十二条の二項に、給与の一部として貸与すると、こうなっておる。そうすると、公邸というのは、どういうふうに考えたらいいのかということになりますね。伺いたい点は、一般職の職員の給与に関する法律ですね、これに宿舎を「無料で貸与される場合においては、これを給与の一部とし、別に法律で定めるところにより、その職員の俸給額を調整する。」と、こう書いてある。「但し、この調整は、国家公務員のための国設宿舎に関する法律に定める公邸及び無料宿舎については行わない。」調整は行わないと、この一般職の職員の給与に関する法律の無料宿舎については、俸給表を調整しない、こういう条文と、無料宿舎は職員の職務に対する給与の一部とするという、この条文とは、私は矛盾するような感じがするのですがね。それをちょっと示してもらいたい。それからその無料宿舎が給与の一部とすれば、公邸をどう考えたらいいか。そこでたとえば、国税庁の長官とか、調達庁の長官あるいは水産庁、林野庁の長官、それから海上保安庁の長官とか、こういうところは、まあ公邸はないわけですね、公邸はここに十三あげられているわけです。この十三の職種の俸給表、これを検討する場合、公邸があるとないとで区別してやってないと思うのですがね、それは俸給表を見ればはっきりしているのです。だから何というか公邸ということは、上役になったら一つ役得だというような何かこぶみたいなものになっていると思う。意義がはっきりしてない感じがする。俸給表を作るときに何ら考慮されてない。その点をどういうふうに理解したらよろしいのか。ということは、あまり私は上司の宿舎ばかり次々に作っていくことは反対なんです。で、この表を見ましても、まだ総理府総務長官の公邸、国立国会図書館長の公邸は、今は設置されてないわけですが、この法律からいえばすぐ設置しなければならぬはずですね。次の予算案あたりにその予算を組むのじゃないかと思いますが、私は必ずしも賛成しない、その意義が明確にならなければ。で、その点と国鉄とか電電公社、専売公社の総裁あるいはそれに準ずるもので、公邸に準じて無料で貸与されている状況はどうなっているのか。これは特別会計ですけれども、国の予算と密接な関係があるので、そういう三公社関係の公邸に準ずるようなものはどうなっているか、その点一つ事務当局、お聞かせ願いたい。
#95
○政府委員(佐野廣君) 前段の高給者に非常に公舎等があるじゃないかと、これは役得じゃないかというような御意見でございましたが、私どもは必ずしもさようにのみ解してはおらないのでありまして、やはりそれぞれの地位に応じまして、交際でありますとか、そのほかいろいろな公けの場に使用する場合が多いのでございまして、そういう場合に使用するために公舎を設けられたのでありまして、それから後段の方の公舎の方につきましては、この問題とは少し離れているのじゃないかと、私は今申し上げる段階じゃ、ないのじゃないかと、しかし趣旨は大体これは同様じゃないかと、かように解釈しております。
#96
○矢嶋三義君 佐野次官の御答弁、不満ですが、あとで伺いますけれども、予算委員会の関係で、大蔵大臣、お急ぎのようですから、大蔵大臣に二、三承わりたいと思います。それはこの宿舎は、公邸と、無料宿舎と、有料宿舎とあるのですがね。これらの使用の仕方ですね、特に公邸の問題については、鳩山内閣以来ずいぶん世論を沸かしたわけなんですが、できるだけ能率的にこれを運用するし、また国民の負担も多くならないような角度から、これらを取り扱っていかなければならぬと思うのですが、その立場から、この総理官邸は、先ほど伺いますと総理府本庁だと、昔のように総理大臣が住居にし、また事務をとった総理官邸と性格が変って、今は総理府の本庁だ。で、ことしから総理公邸として、新たに公舎を借り上げているのだと、こういう説明ですがね。そうなれば私はこの総理官邸というものは、今法制上名前はないですからね、これは総理府本庁とか、あるいは総理府庁舎とか名前を変えるべきだ。そうして総理の公邸が必要となれば、今のように総理大臣のお隣りにちょうどいい家があったから借り上げると、昨日の質問の答弁に対しては七十七万円と言ったのですが、きょうのこの資料によるとずっとふえて、これはあとでまた事務当局に伺いますがね、非常に数字が違っているのですね、きのうと。きょうの資料によると百八十五万九千円借り上げに出している。これは非常に御都合主義だと思うのですよ。だから総理公邸が実際必要ならば永久的にどっか作るか、それからその前に伺いたい点は、今の総理官邸は昔の総理官邸の考えで、率直に言うと、ときどき自民党の青年部会、婦人部会に使ったり、やや公私混用している点があるので、そういう点を厳格にやれば、あの今のいわゆる総理官邸で総理公邸はまかなえるのじゃないか。そうすると別に作らぬでいいわけですから、まかなえるのじゃないか、こういう私は見解を持っているのですが、総理官邸の名称の問題ですね。それからまかなえるかまかなえないか。それから総理公邸、ちょうど岸さんのお隣りに女優さんの適当な家があったから借り上げておるというのは、非常に御都合主義だと思うのですが、そういうことでは困ると思うのですが、そういう点どういうふうにお考えになっておるか承わりたい。
#97
○国務大臣(佐藤榮作君) 私の知らない点もございますので、そういう点は事務当局から説明さしたいと思います。知らないというのは、ただいまの名称の問題でございますが、これは何か理由は一応あるか、また理由がないならば、これは適当に処理すべきだと思います。今お話しになりましたように、いわゆる宿舎、公邸というようなもの、これが一時非常に住居が不足いたしました際に、いろんな便法を講じて参ったようでございます。従いましていわゆる一口に公邸あるいは宿舎というような名前をつけてはおりますが、その使い方が、職務上どうしても公けの場所として必要だというような場合もありましょうし、またいわゆる住宅不足、そういう意味から住宅整備というような意味でやっておる場合もある、いろいろあると思います。一般のものは別として総理官邸について考えてみますと、あそこは元宿舎のあったことというか、あそこで同時に住まいができるようになっておったということは、御承知の通りでございますが、その点が今なくなっておる。やはり別待遇いう意味ではございませんが、公人として公的にいろいろ接見するというようなこともあるわけでございます。そういう意味で、今、公邸というものが、ある程度必要だということも、これまた御了承をいただきたいと思うのでございます。かように申しましたからといって、いわゆる大臣、次官、局長、こういうものに対しては全部必要だというようなことを実は申すわけではございません。中央の長、いわゆる行政官庁の長などは、ただいま申すような意味において公的な場所としての住居の整備というようなことも、実は必要でございますので、各省ともそういうようなものに対して公邸、官舎等を整備している例が多いのでございます。まあこういう点は一つ御了承いただきたいと思います。
 具体的な総理の公邸の問題でございますが、ただいま金額が大へんでたらめじゃないかというおしかりを受けております。これはどうも事務的な扱い方の間違いであった。と申しますのは、その半年分と一年分の相違だということをはっきり実は申しております。こういうような点は取扱い上の不備に基いたものでございます。もちろん、こういうものは借り入れと申せば、これは一時的な便宜的なものとして処理されるのだと思います。購入ということになりますと、これはやはり永久的な処置だと実は思います。今回岸総理の場合におきましては、非常に公邸が便宜的な扱い方で処理されている、この点も御了承いただきたいのでございます。私どもは、御指摘になりましたように、名前がどうあろうと、また理屈がどうであろうと、非常な国民の負担を増すような処置はとりたくございませんし、また、待遇の面からだけこの種の措置をとることは、私は制度あるいは思想として、必ずしも賛成するものではございません。一面におきまして、先ほど申しますように、非常に住宅不足、こういうような意味から、住宅整備というようなことが考えられる。これなどは適当な方法だろうと思います。こういう意味で有料宿舎というような制度が生れてくる。しかし同時に、他面どうしても公的な機関としての長、それに対しての住居というものが、公けの場所として必要であるということ、これまた御了承いただきたい、かように考えております。
#98
○矢嶋三義君 そこで、少し具体的にお伺いしたいのですがね。衆参議長公邸も問題になっているのですけれどもね。たとえば参議院の議長の公邸はあの不便な目黒にあって、年間三百六十万円の借り上げ料を払っておる。これは非常に割高ですよ、あの位置から見ましても。私はこの衆参の議長公邸というものはかなり必要でもあり、政治をやっていくのに使う場合も多いわけで、私は国会議事堂の周辺の接収解除された土地にするか、あるいは国会周辺の適当なところに計画性をもって建築すべきではないかと、こういう見解を持っておるわけです。計画性がないものです。から、李王さんのお屋敷なんかは、あれは当時は九千万円だったのですが、あの当時参議院の議長公邸として買収しておけば問題がなかったわけですが、それをやらなかったのに、年額三百六十万円も払ってあの目黒でほとんど利用価値はない。そこで見解を承わりたいのですが、接収解除された土地を使うというのも一つですが、私は議員会館ですね、これは国民の税金で議員に事務所を提供しておるのですが、国会に陳情に来た人たちもあれを利用しておるのですよ。また、議員諸公も助かっておるようです。しかも今土地造成というものが非常に重大であり、関心事のときに、あの木造の二階建てがたくさんあって、第一、第二、第三と参議院とあって、土地を広く占有しておるということは不経済な話だと思うのですね。だから今の建物がまだ使えるわけですから、使える間はそれでよろしいのですが、これがある程度老朽化して参ったら、次の段階においては、エスカレーターをつければ、どんなお年寄りの議員でも使えるわけですから、四階くらいな鉄筋の建物にすれば、エレベーター、エスカレーターをつければお年寄りの議員でも使えるのですから、土地が半分以下で済むと思う。そういうところに総理府の庁舎が必要であるならば、総理府の庁舎を、今ばらばらになっておるのを、国会周辺にまとめる。そうして今のいわゆる総理官邸というものを総理公邸にも使える。そういう私は計画が立たぬことはないと思う。そういう私は将来を見通した全般的な計画を持って、一時的には財政の都合もあるからいかぬけれども、逐次時計画に移していかなければならぬのじゃないかと思う。私見として申し述べるわけですが、これは大蔵大臣は所管大臣ですから、どういうお考えでおられるか、具体性を持って一つお答えをいただきたい。
#99
○国務大臣(佐藤榮作君) 矢嶋君は私見だと言われますが、私ども全面的に御意見に賛成でございます。そこで、いろいろ計画を進めておりますが、ただいまあります両議院の議員の事務所というか、その会館の問題等につきましても、あれだけの膨大な地域を取る必要はないと思います。これは適当なときにやはり立体的にこれを使うようにする。ことに国会を中心にいたしまして、あるいは官庁街を作るとか、ただいま言われる議員の利用の事務所等を考えるとか、あるいは両院議長の宿舎を考えるとかということを実は計画を立てまして、それぞれ準備を進めておるわけでございます。御承知のように、都市計画、道路計画もございます。またいわゆる緑地計画、こういうものもありますし、また多数の官庁、さらにまた、今御指摘になりました両院議長の公邸であるとか、あるいはまた最近は国立劇場設置の問題であるとか、こういうものをあわせて、この限られた土地の中に、それぞれその場所を得るように、ただいま長期計画を構想の上において、実現可能のものから順次進めていくと、こういう措置をとっております。ただいま御指摘になりました通りの考え方をいたしておるということを、この際つけ加えて申し上げておきます。
#100
○矢嶋三義君 次に、在外公館の長が公邸としてこの条文にうたわれておるわけですが、私、昨日事務当局に伺って、資料を出していただいたんですが、私、海外出張の機会というのは二回しかないのですが、在外公館の公邸的なもの、これは借り上げているのが割に多くて、これは資料で出ていますが、相当の金額なんですね。それが実にみすぼらしいのが中にあるのですね、国際社会に復帰して外国に公館がある場合は、ある程度面子の問題もあると思うし、これは国家財政との関連もあるわけですが、日本の出先機関ですから、高い借り上げ料を毎年払って、そうしてやっていくというようなことは、非経済的なことなんですね。これも年次計画を立てて、日本の国の体面を保てる程度のものを、年次計画で計画的に国有財産に移していくという計画があってしかるべきだと思うわけですが、それらの点についてはどういうお考え、御計画を持っておられるか、基本方針を承わっておきたいと思います。
#101
○国務大臣(佐藤榮作君) 在外公館の事務所についての御意見でございますが、これはもう御指摘の通り、ただいま大部分民家借り入れというか、そういうものでまかなっております。これはなかなか家賃も高いし、うまく考えれば、むしろ家を作った方がかえって経費としては安いのじゃないかという、こういう実は場所すらあるのであります。ところが、御承知のように、最近非常に急速に在外公館がふえて、またもう一つは適当な土地を選ぶ、これがなかなかむずかしいという問題がありますが、と同時にまた、国によりましては、公館といえども、外交官の事務所といえども、外国人には土地は売らない、こういうふうな国があったり、各国の事情で実はまちまちでございます。私ども、今のような状況で推移することはあまり望ましくない、何とか整備したいということで、予算の許す範囲で順次整備していく、こういうことに努力はしております。ただ、今非常に困っておると思うのは、その見かけの問題もございますが、事務的にも狭隘を感じていて、どうしても建て増しをしなければならない。こういうような場所も二、三カ所あるようなわけであります。こういうようなものから、急を要するものからそれを取り上げてみよう、こういうようなことを計画いたしております。これはもう最近両院議員の方が外国に行かれまして同じような感じを持たれ、私どもも日本の国の代表として他国と交渉いたします場合に、今の状況では、まことに不便、不都合が多い、かように考えておりますが、ただいま申し上げますように、金だとか、あるいは土地の選定だとか、あるいはその国の法制だとかいうような制約がありまして、思うようにいかないのですが、これまた御了承いただきたいのであります。
#102
○矢嶋三義君 お忙しいようですから、最後に二つばかり要望申し上げて、それに対する見解をお答え願うとともに、一つは質問となります。それは公邸の使用に当っては、使用並びに所管省としてこれを監査、監督するに当っては、厳重にしていただきたい。このたび提出された法律は、宿舎関係を整備する法律としては非常によくできたと思うのです。この運用自体は、非常にけっこうだと思います。で、十分法の運用を厳重にしてもらいたい要望と、それからもう一つは職務によって必要な人に提供するので、上司下司にかかわらず、下級職員でも、職種によっては非常に必要なものがあると思うのです。ところがこの表を見ますと、おおむね上級職員に非常に多く宿舎がいって、下級職員は必要であるのに渡っていないというところがありますが、そういう点、上級職員とか下級職員にあまりとらわれることなく、その仕事の内容から、宿舎が必要かどうかという角度から扱っていくべきものではないか、これは要望を含めて伺うわけです。
 それから最後にもう一つ、最後の第三点は、今、国会周辺の土地の問題が出ましたから伺いますが、国立劇場、あれはパレス・ハイツが敷地になっているのですが、日本が文化国家を主唱して、外国の人もこれから参るわけですが、国民に対してもまた外国の人に対しても、さすが日本だ、りっぱなものがあるなという、見ばえのするようなところに、見ばえのするようなものを作りたい。そういう立場からいえば、パレス・ハイツの正面に作りますと、あれは警視庁の方から見てもどこから見ても一目でわかるし、相当に僕は効果があがるのじゃないかと思うのですが、今度の大蔵大臣は非常にものわかりのいいお方なので、どういう見解を持っておられるか、お忙しいようですから、それだけをお伺いしまして私の質問を終ります。
#103
○千葉信君 お急ぎのようですから、具体的な問題については政務次官その他からお聞きしておきますが、この法律案でいろいろ建設、維持、管理等の関係については、かなり具体的に規定されておりますが、宿舎の問題で一番問題のありますことは、貸与する場合の選定等の問題をめぐって、職場々々に非常にいやな問題が起ってくるのです。最近も私はある職場の職員から宿舎の問題について、入りたいからぜひ自分の職場の長のところへ行って交渉してもらいたい、交渉してくれると、だれでも解決されるようだから、こういう話がありましたが、私は感じが悪いのでとうとう行きませんでしたが、それは参議院の職員の場合でもそういう点が非常に多いようです。ですから貸与する場合の選定の基準について、今度の法律はすこぶるずさんです。大半が政令にまかせるとか、政令を見ても、その政令もずさんです。ですからこれを一つもう少し、職場にいやな気分、それからまた、その問題をめぐって能率の低下を来たすようなことがあっては逆効果ですから、そういう点について、政令等の場合、十分大臣の方でお考え願って御決定下さることを、この際一応注文しておきます。これは私は質問ではなく、希望を申し上げておきます。
#104
○国務大臣(佐藤榮作君) 矢嶋君並びに千葉君からの御意見であります。ことに、矢嶋君の第一に御指摘になりました管理、監督と申しますか、これを一つ厳重にし、おそらくはっきりはおっしゃらなかったが、公私の区別を明らかにしろ、また同時に、管理の面で遺漏なきを期し、その建物の保守等についても意を用いろ、こういう点だろうと思います。まことにごもっともな点でありまして、私どももさように考えます。
 次に、千葉君の御意見も御一緒だと思います。ただいままでのところ、宿舎を貸与いたします場合に、大蔵省といたしましては各省に戸数を割当てて、それから先は各省がどういう職にこれを回すかということをきめるわけでございます。そういう意味で政令等の規定があるのかと思います。私は矢嶋君がお話しになりましたように、長だとかあるいは上役だというので、これに優先的に考えろということを考えるべきではないだろうと思います。ただ、長というのは数が少いものでございますから、非常に戸数は少くても、割当率というものを考えますと、非常にいいところへいくと思うのです。しかし、下級の職員でも非常に宿舎を必要とする職が多い。ことに私どものところでは、税務署の職員などになりますと、これはやはり民家を借り入れてやっておることは、職務の性質上、あまりいいことじゃないと思います。あるいはまた、鉄道だとかあるいは電信電話とか、こういうようなところを考えてみますと、業務遂行上、やはり急に動員といえば言葉が強過ぎるかもわかりませんが、緊急招集を必要とするような職種もあるわけであります。そういうようなものに対しては、やはり宿舎の割り当ての戸数をふやしていきまして、業務遂行上万遺憾なきを期する、こういうようなことをいたさなければならぬと思います。こういう点を特に気をつけて参る、私は御指摘になりました御意見に全面的に賛成でございます。ただ、先ほど来千葉君の御意見では、なかなか実際に割り当てがうまくいっていない、こういうようなことがございますが、こういう点は、やはりお互いに遠慮なしに話をしていただくことが望ましいので、もしそういうなことで係りに話すれば、簡単に片づくのだというようなことがあれば、国会の議員にそういうお手伝いをさせてはまことに相済まないことですが、それまた職員のためでもありますから、どうか御遠慮なしにお話を願いたいと思います。
 それから第三の国立劇場の問題でございますが、これは矢嶋議員もかねてから特に熱心に御要望になっておられ、ことに私ども今回の国立劇場の土地の選定なり、またその規模等について、両院の議員の方々から非常に御理解ある、計画遂行に協力されておられますので、この意味において私どもも非常に扱い方が楽であったと、かように実は思っておるのでございます。ただいまのところでは大へんおくれましたが、来月の十二日ですか、国有財産審議会を開くことにいたしております、そこまでの運びになりまして、ようやく土地の最終的決定をみるかと思います。そういう運びになっておることを一つ御了承を願いまして、ただいま半蔵門のところ、あの軍の方の建物が返ってきたその機会に、同時にまた警視庁職員の宿舎等がございますが、それに対しましても、ある程度他に移転してもらうというようなことで敷地を確保する方法をただいま講じておる次第でございます。警視庁と十分相談して、そうしてただいま申し上げますように、あの土地を国立劇場と同時にまた最高裁の庁舎と、その二つに割り当てていくということで計画を進めております。おそらく十二日に審議会にかけますならば、皆様の御賛同を得られるのじゃないか、そういう段取りまで運びましたことを御報告いたしておきます。
#105
○矢嶋三義君 政務次官、さっきの国鉄、電電公社、それから専売公社ですね、この三公社の総裁の入っている家というものは、これは無料で入っている、公邸に準ずるようなものなんでしょう。
#106
○説明員(谷川宏君) 専売公社等の公社の職員に対して貸与いたしまする宿舎は、国家公務員の宿舎法の適用がございませんわけで、と申しますのは、国家公務員でないからでございます。従いまして公社の総裁等が使っておられます宿舎について使用料を取るか取らないかは、公社の総裁がおきめになることになっておりますので、今のところ私どもの承知しないわけであります。
#107
○矢嶋三義君 だから政務次官に伺ったのですが、それは国家公務員でないことはわかっております。しかし、純然たる民間会社でないのですから、国家財政、国民の税金等と不可分の関係にあるのですから、公社の総裁から副総裁等が公邸に準ずるという以上のものを扱うとか、最近はどうか知らぬが、国鉄の総裁が地方に出張するときは、特別列車まで出しておったのだが、今どうなっているか知らぬが、いくら公社になっても自由にできるものじゃないと思うのですよ。これは干渉しない程度にやはりバランスというものを考えなければならぬと思うのですよ。その点は注意を喚起しておきます。
 給与のさっきの答弁をもう一ぺんいただきたいのですが、無料宿舎の方は、職員の職務に対する給与の一部として出すということですが、公邸というのはどう考えておられるものか。役職につくということの解釈になるのですか。そうなると、さっき言ったように、外局の長官、林野庁とか水産庁とか、海上保安庁とか、こういうところの長官あたりの宿舎というものはどうなっているのか。決して私は俸給表をきめるとき、そういうことは計算に入れていないと思う。これは俸給表を見てもわかる。特別職、一般職の俸給表を見て、これは宿舎があるとか何とかいうことを計算に入れないで表を作っていると、私は直感でそう感じます。ところが、実際見ると、きのうほめておいたのですが、「もっぱら居住者の私用に供するものを除く。」、こういう活字を入れたことはけっこうだ。倫理規定の役目を果すかもしれないとほめておきましたが、ところが、きょう出た資料を見ますと、電気、水道、ガス、相当な金額ですね。これは「もっぱら居住者の私用に供するものを除く。」というようなことは、実際問題としてできることじゃないのだし、そういうことを勘案すれば、この公邸扱いの人は、相当国民の税金によってよく処遇されているということになるわけです。それだけにこの公邸に入っている人は、やはり自粛自戒してその公邸を効率的に使う心がけがなくちゃならぬと思う。その心がけは私は不十分だと思う。それが十分でなければ、公邸なんというものはごく限ったものにして、あと全部やめてしまう。それで金が浮いたら、それぞれ下級公務員の宿舎でも作った方が、よほど私は適当だと思う。こういうような実情というものは、官僚国家時代のやはり遺産ですよ。そういう立場で私はこの法の整備ができた機会に厳重にやらなきゃならぬ、かように考える。意見を述べながら伺ったわけです。お答え願います。
#108
○政府委員(賀屋正雄君) 御指摘の通り、無料宿舎は給与の一部として取り扱うことをはっきり明文で書いてございます。公邸につきましては、その間そのような規定がございませんで、どういうふうに観念すべきであるかという点でありますが、公邸は現行法におきましても十条、それから改正法におきましても大体同様の条文を設けまして、大体特別職の重要な職責の方々を限定的に列挙いたしております。これだけを特に選びました理由として、はっきりきまった基準があるわけではございませんが、大体職務の性質、それから沿革的な理由もあろうかと思いますし、それから特に他との折衝の多い少ないといったような点も考慮いたしまして、この程度にとどまっておるわけでございまして、従いましてこの公邸は、観念的にはやはり職務をそこで遂行する、まあいずれも特別の、各国務大臣にいたしましても、各省の庁舎にそれぞれ大臣室というものが設けられており、その他ここに列挙されております職種の方々、いずれもその官庁の建物の中に特別の部屋があるわけでございますが、しかしながら、こうした方々はその勤務時間中、その官省においてだけ仕事をするのではどうしても不十分である。時をきらわず仕事をする、人に接する、内部の会合を設けて重要事項を打ち合せる、そういったような必要から、特に居住と公務を執行する場所とをあわせてこういう公邸を設けておるのであろうかと思うのでございまして、まあそのうちその点の区別を、今回はガス、水道料といったような点につきまして、あるいは部品の点につきましても、けじめをはっきりさせようといたしておるわけでございますが、居住の部分につきましては、結局無料宿舎と同じような考え方になるわけでございまして、まあその点では無料宿舎と同じように給与の一部と見ることができると考えるのでございます。
 それから御指摘がありました一般職の職員の給与に関する法律第五条第二項に、「宿舎、食事、制服その他これらに類する有価物が職員に支給され、又は無料で貸与される場合においては、これを給与の一部とし、別に法律で定めるところにより、その職員の俸給額を調整する。但し、この調整は、国家公務員のための国設宿舎に関する法律に定める公邸及び無料宿舎については行わない。」という規定が設けられております。これは宿舎法は御承知の通り、昭和二十四年にできた法律でございまして、この一般職の職員に関する法律に先だって立法せられておりましたような関係もありますので、このような但し書を設けたというふうに私どもは考えております。
#109
○千葉信君 政務次官にお尋ねいたしますが、新しく国家公務員の宿舎法が制定されるに当って、大蔵省の方として、これに関する政令等用意されておられますか。
#110
○政府委員(佐野廣君) ただいままだ成案を得ておりません。各省に関係いたしておりますので、目下鋭意研究中でございます。
#111
○千葉信君 そうなるとちょっと問題だと思うのですがね。どうしてかというと、かなり重要な事項が政令に委任されているのです。特に問題になりますことは、先刻来いろいろ御質疑がありましたが、大体その建設、維持、管理等については、まああまり問題にならない程度にかなりはっきり規定されております。先ほど大臣がおいでになるときに触れましたけれども、私はこの宿舎の関係、公邸それから無料宿舎の場合には、かなりはっきりと規定されていますからそう問題はないようですが、有料の宿舎等の場合、非常に貸与者の決定の問題でいろいろな問題が起っておる。いただきました資料によっても、総体の人員としては七十三万四千、そのうち実際もう既設戸数として使われているものが八万二千、いろいろな事情でどうしても必要と思われるその戸数というのは十四万四千、これが大体必要と思われる人員数二十二万六千ということになって、その割合が三六%、この三六%だけの職員はいいけれども、それ以外の職員の中に、つまり大蔵省の方でも必要と思われる十四万四千という数だし、この人たちは非常に宿舎に入ることを希望している職員です。しかも、さっきもちょっと触れたように、たとえばその選定の基準が、現在の法律ではかなり今度の新しい法律案も含んで、だれを一体入居させるか、どういう人に選定するかということの基準については、すこぶる不明確です。政令もそうです。十二条、十三条から十四条に至る現在の法律、それから同じくこの法律の施行に関する政令を見ましても、実際にその選定の基準というのが非常にあいまいです。そのために各職場ごとにいろいろな不愉快な気分がみなぎったり、まあ、たとえば職場の長に委任されている関係上、その職場の長の権力行使の一つにもなっている。何か有力な人に頼めば、簡単にその人が入れるという状況もしょっちゅうあるようだし、これはこの周辺の私どものいる周辺の国会の職員諸君の場合でも、その問題は同様なんです。ですから私はせめて法律ではっきり規制しないならば、政令でもう少し具体的に規制する必要があると思う。たとえば勤続年数によるとか、もしくは上級者によるとか、私は上の者はどんどん公舎、公邸もしくは宿舎に入っていることをいかぬとか何とかというやぼなことは言いませんが、少くとももっと公平な格好でこの問題は処理される必要がある。その場合には、方法は二つあろうと思うのです。一つは、はっきり法律なり政令なりで問題が起らぬように一応の順序とか選定の基準とか、それを明らかにきめておくとか、ないしはまた各職場の長、各省庁にまかされているようですが、その場合に何とかこの問題について納得づくで問題が解決するような方法を講ずる。幾らでもあると思うのです。そういう方法をとらなければならぬという規制でもいいと思う。そういう点をやはりある程度国会の審議に際して明確にする必要があると思うので、そういう意味で政令ができているかということをお尋ねしたのですけれども、ここで政令を出せなんということをまた突っぱれば、せっかくこの法律案、きょう採決をどうのこうのと言っている諸君の気持の問題もありますから、私はそこまで要求しませんが、おそらく大蔵省としてもある程度のものは、政令の内容らしいものは検討されておられると思うのです。その程度でもけっこうですから、ここで一つ明らかにしてもらいたいと思います。
#112
○政府委員(佐野廣君) 千葉委員のお説ごもっともでございまして、私どももそういう事件に携わった体験上からいたしましても、仰せの通り非常に注意すべき点がたくさんあるかと承知いたしております。何分需要と供給との関係で、数が足らないと、勢いそういう弊害も起りやすいのでございまして、一応ただいまのところでは、従来あります政令によってやるほかございませんが、なお足らないところは将来研究をいたしまして充足しなくちゃいけないと考えます。各省ともよく連絡をいたしまして、御指摘のような弊害のないように、できるだけ完全な政令を作るように今後努力いたしたいと考える次第でございます。
#113
○千葉信君 必ずしも満足すべき答弁ではありませんが、次の点について御質問申し上げます。今お尋ねした点については、御答弁がありましたように、十分慎重な態度で検討されることを要望して次の質問に入ります。いただきました資料によりましても、各官庁ごと、各省庁ごとに、現在の宿舎の充足状況というのが非常にばらばらですね。国家公務員の関係だけについてもそうだし、それからさらに国家公務員のうちの特別会計関係なんかを見ますと、極端な例は九八%という充足率だし、ひどい例はやっと一四%というそういう格好で放置されているところもあるようです。一体こういう状態に対して、年度計画なり国設宿舎の建設計画の場合も、こういうアンバランスについては、是正するような方向へ努力しておられるかどうか。私の聞いている限りでは、どうも予算折衝の場合における、他の問題も同様ですが、こういう問題に至ると、すこぶる大蔵省は権勢的だという批判がありまして、大蔵省の主管ですから、大蔵省の意向を迎えなければ、簡単にはこの問題等についても認めてもらえぬという空気が強いようです。そういうことを排除するためにも、私はやはりこういうアンバランスは、年次計画ごとに、一挙には不可能でしょうから、できるだけこのアンバランスを是正することがまず第一条件でなければならぬと思うのですが、計画はそういうふうにやられるおつもりですか。
#114
○政府委員(賀屋正雄君) 御指摘の通りこの表で見ますると、いろいろアンバランスの点もあるのでございますが、これを一挙に解決いたしますには、やはり何といっても、設置の絶対数をふやさないことには、それがそれに達することがむずかしいのでございまして、私ども毎年度予算の折衝時期になりますと、できるだけ多くということで計画を立てるのでございますが、同じ大蔵省でも、なかなかほかの重要な経費もありますので、私どもが考えましても、十分とは言えない予算しか取られておらぬ。従いまして建設の戸数も、三千戸ないし五千戸程度ということでございます。これを各省に割り振りますと、なかなかお配りいたしました三十三年度の設置計画にも出て参りますように、非常に少い戸数になりまして、これでもってこの充足率を向上させるということは非常に困難でございますが、しかしながら、御指摘のような考えもしごくごもっともと存じますので、少いながらも、その分け方、各省の割当をきめます際には、その充足率のバランスをできるだけとるようにという気持でもって、配分いたすように今後心がけて参りたいと存じております。
#115
○千葉信君 さっきちょっと問題になりました第十二条の第二項には、無料宿舎の貸与については、これを給与の一部とみなすという条項があります。私はこの条文がどうもすなおに受け取れない点もありますけれども、私はここではそれは問題にするつもりありません。問題は、その第一条の精神を生かす、つまりその不便を感じている職員に対して住宅を供与するということは、実際上庶務能率の向上に非常に役に立つことで、この点は大賛成。ただしかし、その運用を誤まると、これはかえって逆効果を来たす場合が多いし、従ってそういう意味で、今度の法律でも二十一条で人事院のこの問題についての勧告権というものがはっきり保障されています。大蔵省の方で、たとえばその住宅の建設等の関係、あるいは政令の決定等の場合に、そっちの方と十分連絡をとっておられるかどうか。まあ不敏にして従来この問題等に関する人事院がどういう行動をとったかということを、よく把握していないものですから、その点一つ従来の状態と、今後どういう連絡をおとりになるおつもりか、その点を御答弁願いたい。
#116
○政府委員(賀屋正雄君) 従来におきましても、給与との関連の面におきまして、宿舎の運営をどういうふうにすべきかということは、きわめて密接な関係がある重要な問題であろうと考えまして、昨日御説明いたしましたように、今回の法律では宿舎審議会を廃止することにいたしておりますが、この廃止いたします前の従来の審議会におきましては、審議会の委員といたしまして、人事院の事務次長を加えまして、その面からの有力な御意見を伺いまして、こちらの行政に反映さしていたわけであります。今回この審議会を廃止いたしますが、実際上の取扱いといたしましては、たとえ大蔵大臣が宿舎の総括大臣というふうにはっきり法律上うたいましても、独断専行いたす考えは毛頭ございませんで、従来通り各省並びに国会の関係、あるいは人事院の関係等の方々とも十分打ち合せまして、この宿舎の行政運営が公平適切に行われるように運用して参りたいと考えております。
#117
○矢嶋三義君 二、三お伺いいたしますから、最も短かい言葉でお答え願いたいと思います。この法律の施行によって、現在宿舎に入っておる賃貸料は変りますか変りませんか。
#118
○政府委員(賀屋正雄君) 絶対に変らないとは申し上げられませんが、大体は現在と同じ程度というふうに考えております。
#119
○矢嶋三義君 次に、さっき総理大臣に承わりました総理官邸というものは、今そういうものはないわけですから、公式文書には総理官邸という活字を使うべきじゃないと思います。きのうの答弁から言えることは、総理府本庁あるいは総理府庁舎とか、そういう活字を使うべきで、公文書に総理官邸という活字を使うべきでないと考えますが、いかがですか。
#120
○政府委員(賀屋正雄君) 厳密に申し上げますれば御説の通りと存じますが、長い沿革もございまして、慣用上そういう言葉を事実上使っておるわけでありますが、厳格な文書を作成いたします場合は、今後注意して参りたいと思います。
#121
○矢嶋三義君 官邸という言葉を使うから、使い方を誤まるのです。きのうの答弁からいって、はっきりと総理府庁舎とかいうようにすべきだと考えます。これは大臣とも協議してもらいたい。それから、これは最後ですが、昨日要請しましたところが、大へんりっぱな資料を出していただいて、一晩に大へんだったと思います。これは今後大いに活用しますので、御苦労でした。それで、これを見ればわかりますから質疑はいたしません。ただ一つやっておくことは、この地域別公務員宿舎充足状況調というのを、千葉委員の要請で出されたのですが、北九州、南九州が最下である、というのは私は九州出身だから言うのじゃありませんが、北海道は大きいのはわかるが、これはとんでもないことだと思うのです。北九州は大体非常に人口が稠密なところで、宿舎のないところで困っておる。それから南九州は、あなたの部下に聞いてごらんなさい。博多までは行ってもいいが、博多から南熊本、鹿児島、宮崎はごめんだと言って、役人なかなか行きたがらぬ。転任したら、行って翌日くらいから、大阪とか東京へ帰えれるように運動している。しりが落ちつかない。そういう地域はむしろ宿舎の充足率を高くしなくちゃならぬと思うのに、北九州が二九%、南九州が三一%、一番低いということは、これは公平に見て妥当じゃないと思いますが、どうしてこういう数字になっておるのか、本年度の建設計画を見ても、格別にあんばいしていないようだが、私は適当でないと思う。今後計画を修正するなり、来年度においては実情に沿うように直す用意があるかどうか、答弁次第では再質問いたします。
#122
○政府委員(賀屋正雄君) 北九州、南九州は水準以下の充足率になっておりますが、これはおそらくここに既設戸数として上っております八万二千三百二十三戸でございますが、これは公務員宿舎法ができましてから建ったものが約半数でございまして、それ以前からの古い宿舎がやはり半数でございまして、その古い宿舎がこの北九州、南九州地方に少かったということから、こういう数字が出てきておるのも一つの理由だと思われるのでございます。できるだけ地域的なアンバランスのないようにすべきものであるということは、お説の通りでございますので、本年度は十分とは申せませんが、南九州をごらんいただきますと、相当絶対数におきましては多くの戸数を予定いたしておるわけでございますが、来年度以降につきましても、この点については十分気をつけて参りたいと思います。
#123
○矢嶋三義君 終ります。
#124
○委員長(永岡光治君) 速記をとめて下さい。
#125
○委員長(永岡光治君) 速記を始めて下さい。
 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認め、これにて質疑を終局することに御異議ございませんか。
#126
○委員長(永岡光治君) 御異議ないものと認めます。
 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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