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1958/10/16 第30回国会 参議院 参議院会議録情報 第030回国会 地方行政委員会 第5号
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1958/10/16 第30回国会 参議院

参議院会議録情報 第030回国会 地方行政委員会 第5号

#1
第030回国会 地方行政委員会 第5号
昭和三十三年十月十六日(木曜日)
   午前十時五十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員山本利壽君及び西田信一君辞
任につき、その補欠として館哲二君及
び本多市郎君を議長において指名した

  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     田中 啓一君
   理事
           大沢 雄一君
           小柳 牧衞君
           占部 秀男君
           鈴木  壽君
   委員
           伊能繁次郎君
           小林 武治君
           西郷吉之助君
           成田 一郎君
           本多 市郎君
           中田 吉雄君
           成瀬 幡治君
           松澤 兼人君
           森 八三一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  説明員
   運輸省海運局次
   長       辻  章男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査の件
 (本年九月発生の台風第二十二号に
 よる災害対策に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(田中啓一君) これより委員会を開きます。
 委員の異動がございましたので、報告いたします。
 本日西田信一君、山本利壽君が辞任され、本多市郎君、館哲二君が後任として選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(田中啓一君) 本日は、昨日に引き続き、本年九月発生の台風第二十二号による災害対策に関する件を議題に供します。
#4
○小林武治君 昨日、政府当局に対して、二十二号台風による静岡県の狩野川のはんらんによりまして、田方郡の平野数十町歩の地域にわたって、流木あるいは家屋の流出破壊による廃材が堆積しておる。従って、これの処理につきまして、単に水難救護法の通常の規定によるのほか、これの処分あるいは搬出等について何らかの特例を必要としないか、こういう質問をいたしたのでありますが、これにつきまして、所管の官庁につきまして必ずしも明確でなかったので、本日運輸省海運局が出られて来たところを見ますと、海運局の所管と思われるのでありますが、私のお尋ねしたようなこれらの流木の処分ということについて、何らか特例を設ける必要があると私どもは考えますが、当局はどういうふうに考えておるか、その点をまずお伺いいたします。
#5
○説明員(辻章男君) お答え申し上げます。実は二、三年前も和歌山で台風による水害がございまして、多数の流木があったのでございますが、これは、もっとも大部分は文字通り大阪湾に浮かびまして、一部は陸上にあったものもあるようでございますが、これの流木の扱いにつきましては、水難救護法によりまする漂流物の扱いといたしまして処理いたしたのでございますが、今回の狩野川のはんらんによりまする流木あるいは家屋の廃材の堆積の問題につきましては、一体これが大部分は水によって流されたものであろうと想像されるのでございますが、あるいは一部は山くずれ等によってそういうこともあり得るのじゃないかというので、実は警察御当局と、遺失物として扱うか、まあ漂流物として考えるかということにつきましてお打ち合せいたしまして、一応水によって流れたものが大部分であろうから、漂流物として扱うということにいたしております。ただ、今小林先生からお話がございました、特に特例を設けるかという点につきましては、私ども特例を設けるというような考えは持っておりません。ただ、御参考に申し上げますと、いつか熊本地方で、あれは球磨川でございますか、はんらんいたしまして、非常に土砂が熊本市付近に堆積いたしました際に、これを取り除くという特別立法がございますが、これは、建設省がお出しになったように記憶いたしております。
#6
○小林武治君 救護法の関係は、水難救護法等が、陸上の水田の上に堆積した流木等についてもあなたの方の御所管と、こういうふうに承知してよろしゅうございますか。
#7
○説明員(辻章男君) これは、現実に申しますと、「漂流物又ハ沈没品」と書いてございますので、陸上にありますものは、厳密な意味では漂流物とは言いがたいと考えております。
#8
○西郷吉之助君 今の小林君の質問で、最初には漂流物として扱ったと、しかし、前の兵庫県の場合には、海上にほんとうに流木として浮んでおったのでしょう。今度のは、今言うように、川がはんらんして、田畑に流木が流れてきて、水が引いたから、現在は田畑の上に置いてあるわけですね。今の御答弁だと、それはもう沈没品ということだから、扱わぬ、こういうことになれば処理できないということなんでしょうか。それで、きのうも海上保安庁の部長が出てこられて、水難救護法はどこの所管かと言ったところが、自治庁と運輸省だ、そう言う。誤まっていると思うのですね。自治庁がそんなものを所管しておるはずはないので、どうも水難救護法は、これはもう明治何年かにできた古い法律で、所管がどうも政府に聞いてもはっきりしなかった。あなたは、自分の方の所管とは言われないけれども、出てきて答弁されておるのだから、あなたとしては、自分の方の所管だと思っておられるのじゃないかと思うのだが、果してそちらの所管なのかどうかということも伺いたいし、今の御答弁だと、流木として処理をしていた、田畑の上に水が引いたあとに残ったものは扱わぬということになれば、この静岡の流木の処理はできないということじゃないですか。その当時は川がはんらんして浮いておったけれども、今は水が引いたから陸上にあるわけですね。田畑の上にころがっておる。それをいかにして処理するかということをきのうから論じておるのだけれども、明確でない。遺失物でもないのだ。その水難救護法でやるのだ、今の御答弁だと、水が引いて田畑の上にあるのだから、現在は流木じゃない。それをじゃいかにして処理するかという問題が、非常に広範囲でもあるし、量も多いから、どうするかという問題を昨日から論じているので、今の御答弁では処理できない。しかも、特例を設ける考えもないのだ、それじゃどうして処理するのか、それを明確に答えてもらいたい。あなたの今の御答弁、二度目の御答弁だと処理できない、それじゃどうにもならぬでしょう。
#9
○説明員(辻章男君) お答え申し上げます。水難救護法につきましては、運輸大臣が主務大臣でございます。それからその次の、田畑の上にある流木その他の材木は漂流物ではないんじゃないかというお言葉でございますが、その通りでございまして、漂流物でなくて、やはり遺失物と考えざるを得ないのじゃないかと考えているのでございます。
#10
○西郷吉之助君 それはそういうふうに答えると……。今ここで、ただ言葉のあやを争っているんじゃないんですよ、われわれは。ああいう大水害があったから、いかにして、具体的に処理しないと困るでしょう。流木じゃないと言ったって、その当時は流木であったわけですよ。川がはんらんしたから流木で、流れたわけですね。水が引いたから田畑の上にころがっているわけなんです。それをいかにして処理するかという問題なんで、あなたの今の御答弁だと処理できないでしょう。しかし、水難救護法でやるというと、水難救護法はあなたの方の所管だ、どうしてやるか、それから、今の法律だと、今のような御答弁で、できないので、特例を設けなければできないんじゃないか、それをどうして処理するか、具体的に処理する問題なんです。言葉のあやを聞いているのじゃない。いかにしたらば……流木として流れてきたものが、現在は水が引いて、田畑にころがっておって非常に困る。これをやれば非常な広範囲だし、たくさんな流木だから、金もかかる。しかし、遺失物というのですが、最初ははんらんしたから流木だったわけですよ。ところが、水が引いたから、今度はもう田畑の上にころがっておるわけなのです。それをいかにして処理するかという具体的な方法を聞いておるので、言葉のあやじゃないのですよ。
#11
○説明員(辻章男君) お答え申し上げます。おっしゃる通り、厳密な意味では、現在の状態は漂流物ではございませんが、水によって流されたということから、漂流物としてわれわれは扱ってもいいんじゃないかと、かように考えております。もしどうしても漂流物として認められぬというものにつきましては、やはり遺失物として扱わざるを得ないのじゃないかと、かように考えております。
#12
○小林武治君 どうも、この政府の見解というものは一つもまとまりがない。水難救護法は運輸省の所管だ。ところが、陸の上に残った流木等は自分たちはかまえない、こういうことじゃ、さっぱり政府がどこで始末していくという考えがまとまっていない。これは御相談なさったのですか、一体関係省の間で。
#13
○説明員(辻章男君) これは、警察の方と事務的にお打ち合せいたしまして、まあ大部分のものをできるだけまあ漂流物として扱おうじゃないかということに、警察御当局とお話し合いをいたしました。
#14
○小林武治君 そうすると、先ほどのあなたのお答えとは違うね。そうすると、運輸省でお扱いになる、こういうことですか。
#15
○説明員(辻章男君) さようでございます。
#16
○小林武治君 そうすると、先ほどの答弁とは違うわけですね。
#17
○説明員(辻章男君) 現在の状態が漂流物であるかどうかということにつきましては、田畑の上の木材というものは、まあ流木とは厳密な法律的な意味では言うことが困難かと思うのですが、扱いとしては流木として扱おうということでございます。
#18
○小林武治君 まあ流木として扱う、その場合、流木の処理について、普通の水難救護法の規定のように、六ヵ月間これを保管するとか、あるいはこれを適当な場所に運び出すとか、こういうようなことはできない。従って、私は、何らかの特例を設けて、これの処分について法律の解釈なりあるいは特例の法律を作るなりしてもらいたいと言うのは、あなたは、もういかにもそっけなく、何も特例を設ける意思はありませんなんて答弁されておりますが、これではこの水害の処理はできないのです。あなたの方でもって、自分の所管で、しようがないから、まあ漂流物としましょうと、こう言うなら、その特例を何らか作る必要が私はどうしてもあると思うのでありまして、その点、もしあなたで返事ができなければ、大臣なり適当な人を呼びますが、どうですか、何とか特別な法律を作るなり、あるいは水難救護法の特別な解釈を政府が作って、これを通牒するなりすることは。ことにこの熊本の場合の土砂の排出と運搬等については、これは、特別の法律を作って、そして補助金も十分出しておる。ところが、今度の材木は、とにかく数十町歩あるいは数百町歩に及ぶ材木の集積でありまして、これらの問題とほとんど甲乙ないし、もっと始末が悪い。従って、これの搬出あるいはその保管というものについて、政府は補助金でも出さなければなるまい。これは、土砂の排出の場合、この際の毎年の土砂の搬出については、建設省は、土砂を運び出すための補助金も計上するというお約束もしておりますが、それ以上もっと始末の悪い、もっと経費のかかる、しかも、それ自体には相当な価格があって、これを保管あるいは処分しなきゃならぬ、こういうものについては、土砂の場合よりかさらに特例を作る必要があると思いますが、それはどうですか。
#19
○説明員(辻章男君) 実は水難救護法の第十一条に、これは船舶に関する規定でございますが、市町村長が遭難船舶を救い上げまして、この「保管ノ費用其ノ物件ノ価格ニ超過シ又ハ其ノ価格ニ比シ不相当ナル」場合におきましては、その物件を所有者に周知さすために公告とかその他の手続を要せずして、その大部分を公売しまして、代金を保管するという規定がございまして、これが漂流物にも準用されておりますので、今回のような、今小林先生のおっしゃいましたようなものにつきましては、直ちにこれを集積して公売するということが可能だと考えております。
 それから、公売いたしまして、その取除き費用がその公売価格で償わないとき、その差額につきましては国庫から補給するという規定が二十八条にございまして、これを適用すれば、公売価格と取除き費用との差額は国庫が支出するということに相なると解釈いたしております。
#20
○小林武治君 私は、今度の事例というのは、要するに全く前例もなしだね、そうして法規その他がこういうものを全然予定して作っておらない。従って、今の準用程度のことでは間に合わない。こういうふうに思うんだから、何かそう厄介がらずに、今の土砂搬出についてまで補助金を出しておる。だからして、今度の始末も、流木ばかりではない、家屋の廃材ですね、これが相当な部分を占めておる。従って、何かですね、その特別のものを作るというふうな親切気があっていいんじゃないかと思うし、もしどうしてもそれがいけないというなら、あなたのような解釈を……市町村長は今迷っておるんだけれども、それじゃこれでやれと、もう処分していいと、即日、あるいはそこに残っておるものを全部自分でもって拾得してもかまわない。こういうことであればそんなに困らない。これをこのままにしておいて、そうして遺失物法とかあるいは水難救護法の適用があるなどと言うておるから、どうしても始末できない。手をつけるわけにいかない。
 それから、御承知のように、たんぼだから、狭いあぜ道があるだけで、そういうものを積むには、また何町歩という土地をつぶして、その上に集積しなければならない。その田畑の復旧遅延その他に対する損害なんかどうするかと、こういうふうな非常なむずかしい問題も起きてくる。ですから、要するに普通に処分してもいいということをあなたの方がきめて、市町村に通牒でも出してくれるならば、これもまた一つの方法であると思うが、そういうことはやりますか。
#21
○説明員(辻章男君) お答え申し上げます。多少これは越権がましくなって恐縮でございますが、今小林先生おっしゃいましたように、実はこういう水難救護法という法律は、こういうような災害に対するようなことを全然予定してない法律でございまして、ただいま私ども申し上げましたのは、現行法の法制下において狩野川のはんらんの問題の流木を扱うことについて、まあ政府部内で打ち合せをいたしまして、私が先ほど申し上げましたような扱いで処理したらどうかということに一応きめたわけでございますが、一体元来が多少は無理があるのでございまして、まあ熊本の災害の土砂の排除のような、ああいう臨時立法をいたしますか、あるいは年々台風の災害があるものでございますから、そういうものを予定して、一般的な災害のそういう流木、廃材等の除去について恒久的な立法化をするかしないかという問題があるわけでございますが、これにつきましては、一体役所の所管として、そういうことになりますと、運輸省がそういう一般的な災害のことについて立法するのが適当な役所であるかどうかというような問題があるわけでございます。私どもは、現行法のままで政府全体としていくならば、狩野川の問題につきましては、先ほど申し上げたような解釈で、市町村長から照会があれば、そういうふうに指示をいたすつもりでおります。
 それからなお、関係の官庁の方に、臨時かあるいは恒久かにいたしましても、ああいう事態について持別の立法を考えるかどうかということは、なお御相談してみたいと思います。現行法でいくならば、先ほどの解釈のようなことを市町村長にも周知さしたい、かように考えております。
#22
○小林武治君 今のような、照会があればなんというようなことでなくてですね。実際政府は、今の水害対策というものはもっと積極的に、どこでもやっているのですから、それで、今現実に一番困っているのは、この材木の問題なんですよ。流木の問題が全く手のつけようがないのです。だからして、それは土砂の場合よりかもっと始末が悪いし、もっと経費がかかるというのだから、これは、全くこういうことは前例がないのだから、それだけにもっと親切に、特例を考えるとか、対策を考えてくれて、あなたの方は海の方をやっているのだから、おかの方はできようがないというのなら投げ出して、そうして政府のどこかでやってくれるのだから、最初は自分の所管でないとおっしゃったが、あとは所管であると、こういうことであるならば、所管であるならば、所管のことは対策を立ててくれるのが当然であるし、いけないなら投げ出して政府に持ち出してくれれば、ここでまたやりますから、それでもう、地方から照会があったらどうこうというようなことじゃなくて、その問題は、運輸省のあなたの所管であるならば、自分で一つやれという通牒なり出してくれればいい。しかも、売り払ってまた不足があれば国庫が補給するなんというような問題じゃないので、不足も何も、私は、土を搬出、排出するのと同じように、補助金等のこともぜひ考えてほしいのです、政府としては。これも法律が要ると思うが、そうしてそれは、まさか海運局でやれということも妙な話であるが、もう少し相談してきょうも出てきてくれると思ったが、一向どうもそういうこともやってくれない。これは要するに海の上ではない。とにかく数百町歩のたんぼの上に材木が集積していると、こういうことなんだから、あなたの方で扱いにくいならば、これは適当なところでもって一つ相談して、水難救護法がおれの方で所管だというなら、あなたの方でやってくれるならいいが、それができないとするならば、政府全体の問題としてぜひ相談してほしい。それで、もしあなたが説明できないならば、次の機会に政府の責任者に来てもらって、運輸大臣に来てもらって、御質問をするというふうなことで、ぜひ、報告を願いたいと思いますが、どうですか。
#23
○説明員(辻章男君) さっそく関係の官庁に連絡いたしまして、その結果を報告さしていただくようにいたしたいと思います。
#24
○西郷吉之助君 さっそく関係官庁と言ったって、ずいぶん日がたっているのじゃないですか。そういうことをこれからやるのだという、質問を受けてからやるのだという、そんなのんきな事態じゃないのじゃないですか。海運についての所管であれば、どのくらいの金がかかるとか、現地はもう非常に困窮状態にあるのでしょう。そういうのんきな、今まであなた、きのう災害が起きたわけじゃないじゃありませんか。そういうのんきな答弁を国会で今ごろやっているようじゃやはり困るので、至急、あなたは次長として、そういうつまらぬ答弁をしないで、もう少し明確な答弁を国会でやってもらわぬと、きのう起きた災害じゃないじゃないですか。そんなのんきなことを今ごろ言ってもしようがない。きのうから引き続いてやっているのですよ。あなたはそういうことを一つも検討しておらぬから、そういうのらりくらりしたことを言っている。そういうことを聞こうと思っているのじゃない。もっと明確な答弁を海運局はしたらいいじゃないですか。ただのらりくらり、ここで言葉のあれをするだけが答弁じゃないので、それならどのくらいの金がかかるという、具体的なことを言うべきじゃないですか。きのう起きた災害じゃないですよ。どうするのですか。
#25
○説明員(辻章男君) 実際私どもの方で伺っておりましたのは、大体この法律的な扱いについて、どういうふうにするかというようなことを主にして実は関係の役所と打ち合せをいたしておりましたような次第でございまして、そういう予算的な点につきましては、まことに不勉強で、申しわけないのでございますが、まだ検討いたしておりませんので、何ともお答え申し上げるわけにいかないのでございます。
#26
○小林武治君 もう一つここで注意を申し上げておきますが、田畑を復旧するためには、農地の復旧ということのためには、どうしても多額の費用を要する。この廃材の、あるいは流木の処理をしなければならぬ。従って、農地の復旧という問題は、あるいは農林省の農地局で扱うとか、こういうようなこともあり得ると思うのですが、その辺を一つ頭に置いて、問題は、ただの荒れ地に材木がたまっているのじゃない。水田の上にたまっているのだから、農地を復旧するためには、どうしてもこれを取りのけるということになるのだからして、あるいは政府の全体の関係で農地局で扱う。農地局であるいは特例を設ける、あるいは法律を作る、補助金をやる、こういうような措置をすることも考えられるのだが、その点も一つ念頭に置いて、政府自体の相談をぜひ急いでまとめてもらいたい。
#27
○松澤兼人君 速記をとめてちょっと懇談したらどうですか。
#28
○委員長(田中啓一君) 速記とめて。
#29
○委員長(田中啓一君) 速記を始めて。
#30
○森八三一君 ただいま懇談中に松澤委員から御発言がありました点については、委員長でそれぞれ善処されることを希望いたしますが、その間、先刻小林委員の質問に対して、本件の取扱いにつきましては、政府部内で協議の結果、水難救護法を適用して処置をするということに一応目下のところでは話がまとまっておる。そこで、その水難救護法の適用のもとに処理される具体的な姿として、流木等については、直ちに処分をしてもよろしいという御発言があり、その処分した対価と処理に要する費用との間にマイナスが生じた場合には、その法律によって当然国庫がそのめんどうを見るんだという付加的な御説明もございましたが、私の承知いたしておりますところでは、相当価値のある流木等については、即刻処分ということは、これは認められない。法律の命ずる六ヵ月間は管理をしておらなければならないはずであります。もし御発言の通り、直ちに処分をしてもよろしいということになりますれば、現地では、住宅等すでに流されてしまって困っておるという状況ですから、復興の住宅用材等にこれは非常に用途はあるんですから、きわめて迅速に有効に処置ができる。実際はそれができないはずです。もし御発言の通りでよろしいということであれば、そのことをもう一ぺん明確に御答弁を願いたいと思います。
#31
○説明員(辻章男君) 水難救護法の第十一条の準用によりまして、保管の費用がその物件の価格に比しまして不相当であるという場合には、即刻公売の手続をなし得ることになっております。でありますから、そういうふうにやっていただいていいと、かように考えております。
#32
○森八三一君 流木等については、一応その所有者がその当時においては明確でない。そこで、明確になる期間を一応六ヵ月と定めて、管理を法律は命じておると思うのです。その期間を経過せざる前に、所有者の判明するか判明しないかの未定のものを処分してよろしいというように解釈をなさっておるように思うのですが、そういうように理解してよいのでございますか。
#33
○説明員(辻章男君) 今お話がございましたように、原則は、六ヵ月間の間保管して、所有者を待つのが原則でございますが、非常に保管するためにいたずらに費用倒れになるというおそれがあります場合には、先ほど申し上げましたような措置がとり得ることに相なっております。
#34
○森八三一君 そこが問題なんで、私の経験では、今度のような災害ではございませんが、非常に豪雨等があって、山の中で搬出を待っておった木材が河川を通じて流れた、それが沿岸町村のどっちかに漂流した、そいつを処分したような場合には、違法事項として処罰を受けている例がたくさんあるのです。だから、今お話しのように、保管を要するために相当の費用がかかる場合には特例として処分をしてよろしいというような取扱いは、今日まではなかったように思うのですが、こういう非常の災害時だからそういうことをやってよろしいという解釈でございますればけっこうですけれども、今までの慣例によると、そういうような扱いはされておりませんので、きょうここであなたの御発言になったことは、これは公式な場における御発言ですから、われわれはこれをすぐ現地へ連絡することもあり得ると思うのです。やった場合に、それは法律上違反だということで、罪に問われるようなことになっちゃ大へんなことなんです。もっと明確に、やってよろしいと思うというようなことでなく、やってよろしい、一つはっきりとしておいていただかぬと、これは、現地ではもう火のついた問題ですからね。その点、もうちょっとはっきりと一つ……。
#35
○小林武治君 ちょっと関連して。今森さんの言われる通り、あなたの答弁は、少し私は軽卒だと思う。こんなことは、先ほど私が申したように、よければいいといって、法律の解釈を私は通牒してもらいたい。ただあなたがここで言うただけでなくて、運輸大臣の正当解釈として、すぐに関係の市町村長に、もし保管に困るなら、これはみな全部処分していいと、そういう通牒を出してくれますか。その点をはっきりして下さい。
#36
○説明員(辻章男君) さっそくそういう通牒を準備いたしたいと思います。
#37
○占部秀男君 関連。それは、準備するのはいいんですけれども、流木の問題は、あなたの方の所管だけの問題じゃない問題があるわけなんですよ。その水難救護法が適用された後の問題と、適用以前の問題とがあるので、そう簡単にはあなた、ここで通牒を、そういう通牒出しますなんと言ったって、大へんな問題ですよ。たとえば、農林関係、森林法関係であるとか、先ほど西郷先生の言われたように、遺失物法関係であるとか、いろいろな場合場合によって場合があるのですから、それを全部調べてからやってもらわぬと、ただここで簡単に言われても、それでよければいいですけれども、それは問題になりますよ。
#38
○説明員(辻章男君) 私が準備と申し上げましたのは、そういう意味も含めまして、関係の官庁には連絡いたしましてあれいたしますから。
#39
○森八三一君 そういう準備が完了するというか、打ち合せがついて何らかの措置が講ぜられる間、本日ここで御発言になったことは、遂行されることによって別段非違なとがめを受けないということの保障が与えられておりませんといかぬと思う。もし疑問があれば、お取り消しを願っておかぬと……。すぐ処分してよろしいということは間違いございませんね。
#40
○委員長(田中啓一君) ちょっと待って下さい。委員長として発言いたします。
 論点がどうも明らかでないのです。海運局次長は、私がお聞きしておるところによると、その管理権は市町村長だということを言っておられるのです。ところが、森君の御質問には、その点にちっともお触れにならない。だから、だれがやってもいいという意味には次長は言うておられぬように私は思う。それから第二点は、保管の費用がとうていそれを売り払ってもその費用は償わぬだろうという場合には、即決処分をしてもよろしいと言っておられる。その点も、質問にはちっとも明らかになっておらない。だから、その点は明らかにされないと、質問だとか答弁だとかにはあとで責任を負えないことになると思いますから、どうかその点を明確にして、海運局次長は御答弁を願いたいと思います。
#41
○説明員(辻章男君) ただいまお話がございましたように、そういう公売をいたす場合には、市町村長がやるわけでございます。それから、その物件の保管の費用がその物件の価格から超過するとか、あるいは超過しないまでも、その価格に比して不当にかかるという場合に限られております。
#42
○森八三一君 もう一ぺん明確にしておきたいですがね。伊豆地方の災害によって漂流してきました木材等の漂流物を拾得者が市長村長に届出をする、その届出を待って、市町村長がそれを競売に付して処分をするということは、法律が原則的に規定しておる六ヵ月の期間を待たずして即決処分をすることが可能であるというように了解をいたすのでありますが、それで間違いございませんか。
#43
○説明員(辻章男君) その場合に、当該物件の保管の費用が物件の価格に比して不相当に要すると認められる場合に、ただいま仰せのような処置ができるということでございます。
#44
○森八三一君 その物件の競売価格が保管等に要する費用に満たないというような場合に限るというお話でありますが、競売をしてみなければ、具体的に保管に要する費用を償い得るか償い得ないかということは明確ではないはずであります。ただ、常識的に想像はできようと思う。常識的な推察、想像によって、償い得ないと認められるような場合には処分をしてよろしい、結果的には、あるいは償い得るという場合が起きるかもしれませんが、そういう場合を含めて即決処分は認められるというように理解をしてよろしいかどうかを一つ明確にしてもらいたい。
#45
○説明員(辻章男君) その保管の費用が物件の価格を超過するとか、あるいは超過しないまでも、その価格に比較いたしまして不相当によけいかかるという場合でございます。従いまして、その物件の価格に保管費用が必ず超過するんだという場合だけを言っておるわけではございません。
#46
○森八三一君 そうしますると、私が御質問申し上げましたように、大きな材木等を、特定な集積場所を設けて、六ヵ月間保管するということを想定して計算をした場合に、そのものが売れるであろう価格との対比においてマイナスになるというように思われる場合には、処分をしてよろしいというように了解いたしますが、それでよろしいかどうか。
#47
○委員長(田中啓一君) ちょっと御注文しますが、条分を読んでみて下さい。これはもう例外規定に違いないんですから。
#48
○説明員(辻章男君) 条文を読み上げます。水難救護法の第十一条に、
 「市町村長ハ救上ケタル物件左ニ掲クル事項ノ一ニ該当スト認メタルトキハ之ヲ公売シ其ノ代金ヲ保管スヘシ
 一 物件久ニ耐へ難キコト又ハ著シク其ノ価格を減スル虞アルコト
 二 爆発物、容易ニ燃焼スヘキ物又ハ其ノ他ノ物件ニシテ保管上危険ノ虞アルコト
 三 保管ノ費用其ノ物件ノ価格ニ超過シ又ハ其ノ価格ニ比シ不相当ナルコト
 前項ノ規定ニ依リ公売ヲ為サントスル場合ニ於テ船長其ノ地ニ在ルトキハ市町村長ハ期間ヲ定メ其ノ期間内ニ市町村長ノ相当ト認ムル担保ヲ供シテ物件ノ引渡ヲ請求セサルトキハ公売ニ付スヘキ旨ヲ船長ニ告知スヘシ
 遭難船舶ノ所在地船籍港ナルトキハ前項ノ告知ハ船舶所有者ニ之ヲ為スヘシ
 船長又ハ船舶所有者ニ於テ第二項ノ規定ニ依リ物件ノ引渡ヲ請求シタルトキハ公売ヲ為スコトヲ得ス」
 これは、遭難船舶についていっておることでございますが、これを二十六条によりまして、漂流物に準用いたしておるわけでございます。二十六条を読みますと、「第十一条第一項ノ規定ハ漂流物及沈没品ニ之ヲ準用ス」と、第一項がこの規定によりまして、二十六条によりまして、漂流物及び沈没品に準用されておるわけであります。
#49
○森八三一君 そうすると、具体的にお伺いしますが、今のあなたがお読みになった法律を適用して、今回の伊豆地方における災害に際して、伐採をして搬出をしようとしておった材木が田畑に流れ込んできて、非常な惨状を呈しておる。一刻も早く取り片づけをしなくちゃならないという場合、その材木は、今お読みになった各項目に当てはめて処分し得ると御解釈になるのかどうかという点を具体的に一つお答え願いたいと思います。
#50
○説明員(辻章男君) 材木の価格がその保管の費用に比しまして非常に不相当にかかるかかからぬかというところが法律の解釈上の問題になると思うのでございますが、その点、具体的に、どれくらいの価格のものか、私存じ上げませんので、その点につきましては、ちょっとお答え申し上げかねると思います。
#51
○森八三一君 まあ、今ここでこの問題をこれ以上究明しようとは思いませんが、本日政府委員の小林委員に対するお答えですね。これがそのまま進んで参りますと、私は、重大な罪人を作るというような危惧を感ずるんです。でございますから、これは、早急に政府部内の意見をまとめて、明確に指揮をしていただかんと、因った問題が発生すると思いますので、そういうような一つお取扱いを願いたいと思います。きょうの御答弁は、どうも信頼をするわけにいきませんので、私が取り消すことはできませんけれども、私は、気持の上で、もう取り消されたものぐらいに考えて実は進んだ方がいいと、自分はそう思っております。でございますので、むしろこの際、小林委員の質問に対する答弁は、取り消しを求められておく方が、善良な国民のためには非常にいいんじゃないか、こう思いますので、そんなお扱いはいかがなものでしょうか。委員長に一つ善処方を希望いたします。
#52
○委員長(田中啓一君) 委員長の意見を申し上げます。
 海運局次長は、水難救護法の一応の解釈を説明をしておられるものと思います。ところが、これを具体的なケースに当てはめる場合には、よく実情をお調べの上でおっしゃっておるわけでもありませんので、これは相当問題もあろうと考えられますので、本日の御答弁によって、早急な、何と申しますか、災害地方への連絡等は、委員の方々も傍聴の方々も、一つお差し控えを願いたい。そうして一つ海運局次長は、さっそく関係の向き並びに、ことに災害対策本部ができておりますから、それを中心といたしまして、十分に御協議、御検討の上で、具体的な措置を講ぜられるように要望いたしたいと思います。
#53
○占部秀男君 委員長に希望があります。それは、小林さんのきのうからきょうにかけての熱心な御質問の中心になる点は、問題は流木で、その流木が田畑を荒しておる現状を早く回復したいというのが御意見のように思うんです。そうなると、これはもう緊急にやらなくちゃならぬ問題なんです。そこで、先ほど松澤先生からもお話もありましたように、これはやはり一つのケースで何か法律をいじっているというような小さな問題じゃなくて、やはり災害対策の根本的の施策の問題であると私は思いますので、先ほど先生の言われたように、やはり災害対策本部の責任のある方、大臣なりにやはり委員会として正式に来てもらって、そうしてそういう点が、かりにまだ抜けていれば抜けているで、そういう点についての御注意を申し上げる、あるいはりっぱなものができておればそれでけっこうでありますが、そういうような方向をやはり委員会として正式にとっていただきたいことを私は希望するわけでありますが、委員長、いかがでございますか、皆さんの御意見は……。
#54
○委員長(田中啓一君) 委員長は、運輸省に向って、ただいまのような要望をすると同時に、先ほどの懇談の次第もございまして、災害対策本部長に対して本委員会の要望を伝えまして、しかも、適当の機会に、なるべく早く具体的対策について報告を願うということに処置をいたしたいと存じます。
#55
○小林武治君 要するにこの問題は、水難救護法なんかの適用で間に合うものでない。だから、何か特例を一つぜひ作ってもらいたい。特別立法をしてもらいたいと同時に、土砂の搬出と同じように、この木材の取り片づけについては、何か補助金みたいなものをぜひ出してもらいたい。こういうことは、こんな救護法なんかで間に合う問題でないということを一つよく認識してもらいたい。だから、この法の解釈はどうでこうで、海の上に材木が三本や五本流れたというようなものでないんですから、漂流物というような観念に入らない。そこを一つしっかり認識をして、特段の措置をしてもらいたいということが結論ですから、その上で一つ相談願います。
#56
○委員長(田中啓一君) 他に御質疑がございませんければ、この問題についてはこの程度にいたしておきます。
 それでは、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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