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1958/10/31 第30回国会 参議院 参議院会議録情報 第030回国会 地方行政委員会 第11号
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1958/10/31 第30回国会 参議院

参議院会議録情報 第030回国会 地方行政委員会 第11号

#1
第030回国会 地方行政委員会 第11号
昭和三十三年十月三十一日(金曜日)
   午後一時二十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     田中 啓一君
   理 事
           大沢 雄一君
           小柳 牧衞君
           占部 秀男君
           鈴木  壽君
   委 員
           伊能繁次郎君
           小林 武治君
           西郷吉之助君
           館  哲二君
           本多 市郎君
           加瀬  完君
           松澤 兼人君
           森 八三一君
  政府委員
   自治政務次官  黒金 泰美君
   自治庁行政局長 藤井 貞夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永與一郎君
  説明員
   自治庁行政局振
   興課長     吉浦 淨眞君
   文部省管理局教
   育施設部助成課
   長       今村 武俊君
   農林省振興局参
   事官      林田悠紀夫君
   林野庁林政部長 戸嶋 芳雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○新市町村建設促進法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(田中啓一君) これより委員会を開きます。
 委員長及び理事打ち合せの結果を申し上げます。
 当委員会は、新市町村建設促進法の一部を改正する法律案につきましては、本日質疑を続行し、残りますれば、若干は来週火曜日にさらに質疑と請願の審査を行いまして、同日中に討論、採決をいたすことに意見の一致をみた次第であります。さらに火曜日には、目下予備審査の付託になっております案件について、提案理由の説明を聞くことにいたしたいと思うのであります。打ち合せの通りに進行いたしまして御異議ございませんか。
#3
○委員長(田中啓一君) 御異議なきものと認めまして、そのように進行いたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(田中啓一君) 昨日に引き続き、新市町村建設促進法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#5
○鈴木壽君 きのう新市町村に対する国有林野の売り払いの問題で、資料関係でちょっとお尋ねをし、保留になっておる点がありますから、もし御答弁できるならば、この機会にお願いしたいと思います。
#6
○説明員(戸嶋芳雄君) 昨日ちょっと資料の関係で申し上げかねた点について申し上げたいと思います。三十三年の一月末現在から、その後十月一日現在までの間の申し出の町村数と面積について、はっきりしたいと思いますので、まず一月三十一日現在で申し出の町村が五百四町村、それから面積が十六万四千百六十九町歩、こういうことになっております。これは御指摘を受けた通りでございます。そうして十月一日現在でその町村数が四百六十五、それから面積にして十五万八千八百九十三町歩、こうなっておりますので、逆に減っておるではないかという御指摘を受けたのでありますが、よく内容を調べてみますると、新規の申し出があったのが十八町村で九千八百五十八町歩でございます。それに今度は取り下げが行われまして、その取り下げした町村が五十七町村、その面積が一万五千百三十四町歩、こういうことになりますので、従って新規申し出を加えて、そうして取り下げの面積を引きますと、今御指摘になりましたように、十五万八千八百九十三町歩、逆に減っておるような格好になりますが、内容は以上のような状態でございますので、御承知願いたいと思います。
 それから、その後の事務の進捗工合はどうなっておるかという点でございますが、これは一月三十一日現在におきましては、百七カ町村、面積にして七千九百九十五町歩を処分いたしております。その後処分をしたものが七十六カ町村で、その面積が六千五百十七町歩、従いまして、まあ十月一日現在では、一万四千五百十二町歩というものを処分したことになっております。遅々ではありますけれども、幾分進捗したと言うことができますが、ただその関係を局ごとに見て参りますと、はなはだ不均衡がありまして、たとえば秋田の例をとって参りますと、今年の十月一日現在で見ますると、十四カ町村というものは全く未上申の格好になって未決定ということになっております。その面積が二千八百二町歩というような工合で、これはその後ほとんど進展しておらない。すなわち一月の三十一日現在では、秋田ではこれは町村にして十三カ町村、その面積二千五百二十三町歩というように、その後の処理はほとんど停滞の状態になっておるというような局もございますので、これはわれわれ今後の事務促進のためには、特にそういった事務の渋滞しておる局については、相当強くこのことの推進について、さらに鞭撻をする必要があると思います。
 それから、きのう申し上げなかった点でちょっと申し上げておきたいのは、九月に営林局長会議を開きまして、そうして秋田も新しい局長になったのでございますが、秋田の新しい局長は、さっそく営林署長会議を九月に開きまして、その際担当の班長をぜひ派遣してほしいという申請がございましたので、さっそく派遣をしまして、そこでもぜひこの仕事は促進をするようにということをやりましたことを、一つ申し添えたいと思います。以上でございます。
#7
○鈴木壽君 ただいま御説明があったわけでございますが、なおこの点につきましては、後日資料を整理なされてお出し下さることができるでございましょうか。もしできるならば、そういうふうにしていただきたいと思いますし、そうして、局別集計表のようなものについては、単に件数というだけでなしに、町村数と件数を二つ並べてやっていただければ、かなりはっきりするところが出てくると思いますので、そのような資料をお作りになっていただいて、前にいただきました新市町村建設促進法による国有林野売払処理状況調というふうな形で、また局別のこういう表を作っていただければ、今後私ども、この問題についていろいろと考える際にありがたいと思いますが、そういうふうにしていただけますか。
#8
○説明員(戸嶋芳雄君) 今の御要求になりました資料はぜひ作りたいと思います。ただし期日は少しかかると思いますが。
#9
○鈴木壽君 これはいろいろあらためてさらに調査をされるというような関係もあると思いますから、ここ一両日中というような無理なことは申し上げるつもりはございませんけれども、いずれ後日、今申し上げましたような表にしたものを一つお出しいただきたいと思います。その節またいろいろお尋ねすることもあると思うのであります。ともかく私御要望申し上げたいことは、この問題についての促進については、昨日も申し上げた通りであり、さらに今の部長さんのお話のように、一、二の局かもしれませんが、特におくれておるというようなことのないように今後の御指導を願いたい。こういうことを申し上げて、一応国有林野の売払い問題についての質問は終りにいたしたいと思います。
#10
○加瀬完君 新市町村建設促進法の一部を改正する法律案の提案理由の御説明を伺いますと、結局一つの大きな目的は、未処理の町村合併の問題を急速に終止符を打つ、その一つの問題としては未合併町村の実情を検討いたしまして、計画調整をしなければならない問題が一つと、もう一つは合併勧告後における各般の事情の変更によって勧告そのものを妥当と認めがたいものが出てきたので、勧告の中止をするというような、こういう方法をとることが一つのねらいとなっておるのですが、そこでお答えをいただきたいのは、この計画の調整または勧告の変更等を考えての立法措置でありますけれども、具体的にはどのような計画変更や調整の必要というものが生じて、このような立法をしなければならないという結果になったのか。まあくだいて言うならば、勧告変更や計画調整をしなければならない原因というもの、その説明をもう少し承わりたい。
#11
○政府委員(藤井貞夫君) 現在行われておりまする勧告は、昨年の三月三十一日までにそれぞれ県におきまして、県の審議会の意見を聞き、当庁とも協議をしていただきまして、出したものでございます。そういう意味では、そのときの勧告というものを出す際に、よく事情を検討しておったならば、それが一年数カ月たった後において、またそれを変更しなければならぬというようなぶざまなことにはならなかったのではないかという点は、確かにあると思うのであります。ただ県といたしましては、その後勧告を受けました市町村の実態について、よく検討して参りまするというと、やはり住民の意向その他からみまして、この勧告というものは変更をして、他の合併ブロックということを考えてみた方が、より適切に町村合併が進むのではないかというような状況が出て参った点が一つございます。そういうような事情は、前の勧告の当時によくよく調整してやっておくべきであったと思います。その当時におきましては、当時なりのいろいろ慎重な検討をいたしたとは思うのでありますが、その点の十分の検討と申しまするか、現状に即した慎重な調査というものについて、若干欠けるような点もあったというようなことがございまして、計画を変更いたしました方が、合併を推進するために適当であるというような事態が生じました面が一つございます。
 それからもう一つは、勧告は一応かかっておるのでありますけれども、全県的な見通し、あるいは全国的な視野に立ってこれを見まする場合におきましては、勧告を受けた町村の実態というものが、それぞれ不可能町村に準じた取扱いをしてごうも差しつかえがない。勧告はいたしたけれども、事実その勧告が行われたことによって、合併を推進をいたしますることの実質的な根拠があまりないというような場合、あるいは町村の規模というものがかなり大きくございまして、人口こそ、たとえば八千には達しておらない、七千とかあるいは七千五、六百ということになっておって、標準人口には達していないけれども、ほぼ標準人口に達しておりまするし、その他財政能力等の点からみましても、他のいわゆる独立村、適正規模町村とそんなに遜色もないというようなものもあるわけでございまして、そういうようなものについては、無理にこの合併を推進するということは、勧告をかけておくことはやめまして、勧告から切り離して独立村としての地位を与えていく、そのことによりまして、全般としての未合併町村というものの数を減少せしめる方が、新市町村建設ということに向って、積極的に乗り出して参りまする態勢を整えて参る上にも適当なのではないか、そういう事情も出て参ったような次第でありまして、われわれといたしましては、そのような事情をよく検討いたしました結果、この際町村合併にできるだけすみやかに終止符を打ちたい。そのための一つの方策として、計画変更を可能ならしめる措置をお願い申し上げたような次第であります。
#12
○加瀬完君 昭和二十八年でありますか、町村合併促進法が作られますときの町村合併を促進する目的というものと、今新市町村建設という目的で町村合併を進めている考えと、少し食い違っておると思う。それは初めの町村合併を促進しようとしたときには、一応人口八千なら八千という基準町村というものを考えて、それより以下で非常に行政能力も未熟であるし、住民の福祉にも問題があると、こういうものを一応人口八千なら八千という基準のところにまで引き上げようと、こういうことが一つの大きなねらいであったと思うのです。ところが、このごろ自治庁の御説明を聞いていると、町村合併の進捗率がどうということが非常に話題の中心になりまして、どこを基準にして町村合併というものを進めていくかという基準がなくなっちゃって、あっても非常にそれがあいまいになって、ただ膨大な町村になっても何でも町村合併をしていけばいいと、こういう形で進められている傾向が顕著になってきたと思うのです。こういうやり方では、結局町村合併をするかしないかということは、住民の意思できまることが、そうではなくて、初めから指摘をされたように、町村の合併を進める、それ自体には問題がないのだが、それが何か官制的な統制的な行き方で町村合併を無理にさせられるということは、それは地方自治の本旨にもはずれるという意見が非常に強かったのですが、われわれの杞憂だとそのときは言われておったその杞憂が杞憂ではなくなってしまった、こういう感じを持つわけです。そこで進捗率ということを非常に問題にしておりますが、今回いろいろな問題から法案を改訂しようというならば、むしろ一体住民の福祉というものはどれだけ守られたかと、もっと極端に言うならば、住民の福祉がそこなわれたような町村合併がないか、あればこれを訂正しなければならない、引き戻さなければならない、こういう点にも私どもは考慮が払われてしかるべきだと思う。そういうことが表面には出ないで、あるいは具体的な資料としても、町村合併が住民にとってマイナスな面というものを収集をして、その除去をする方法というものを法律の中に加えていくということはあまり積極的には取り上げないで、ただ何とかして未合併の町村というものを合併町村に適合させていこうと、それだけを進められては、私は町村合併促進法にも、あるいは新市町村建設促進法の精神にもはずれてくると思うのですよ。未合併町村というものがあったって当然いいはずの町村合併促進法であったと思うのです。ただその未合併町村それ自体が住民の福祉がそこなわれるし、あるいは行政能力その他が非常に適格性を欠くと、こういう場合に未合併町村が問題になるのであって、合併しないから、合併しない町村はどうしても合併しなければいかぬと、こういう行き方ではなかった。このごろはどうも私は事務的な進捗率ということだけが先になって、一番初め考えられた、どれだけ一体町村合併をすることによって住民の福祉が引き上げられるか、行政効果が上るか、こういうこととは少しずれたような形で町村合併が扱われているという感じを、当初の町村合併促進法を審議した経過から考えても、私どもはそう感じられてならない。この点は自治庁はどのようにお考えですか。
#13
○政府委員(藤井貞夫君) われわれといたしましては、合併の進捗率というものを上げることにだけ専念をいたしているというつもりはもちろんございません。もしそういうような疑念を一般に与えている面があるとすれば、われわれ自身も事務の指導その他について、反省をしなければならないと考えるのであります。特に県あたりが他県とのにらみ合せで、率を上げることにのみ専念をする、隣りの県はこうなのに、自分の方は率が悪いというようなことで、しゃにむに未合併町村の数を減らしていくということに努力をするというようなことでありましては、これは町村合併の本質にはずれる事柄でございまして、その点については加瀬委員が御指摘になりました通りでございます。われわれといたしましては、やはり町村合併の本来の目的というものが、行財政能力その他におきまして、著しく貧弱なところというものは、これを合併をすることによってその基盤を強化し、そうして新しい時代に即応し得るような新市町村としての能力を付与するということが、本来の目的でございます。その場合におきまして、住宅の意思というものをできるだけ尊重して参らなければならないということは、第一義的に考えて参らなければならぬことでありまして、大体われわれとしては、そういう方向で事柄を進めていっておるつもりでございますけれども、しかしながら、局部的にはいろいろ問題が起っておることもこれは事実でございます。そういうことがあるいは境界変更に関する紛争その他となって現われてきておると思うのであります。しかしながら、そういうような面については、別の方途をもちまして紛争の解決についてすみやかに終止符を打つという努力をいたして参らなければならぬと同様に、全体としてここまで進んで参りますると、大体においてやはり合併ということの目的は全般的には到達ができた段階でございまして、あと残っておるものについて適正な分類区分けをいたしまして、すみやかに町村合併について終止符の時期を画したい、かように考えておる次第でございます。
#14
○加瀬完君 終止符は、この法律が時限法であったわけですから、その期間内で終止符はもう打たれていると思うのです。それで残ったものは他の自治法その他にも、必ずしも町村合併がやれないということではなくて、やれる規定があるわけですから、それで終止符を打っていけばいいので、紛争があろうが、境界変更がなければ合併が進捗しなかろうが、一応今までの経過から見てそういう結論が出たのですから、結論は結論で、あとはその結論を住民がどう変更していくか、時期を待って、自治法の規定の内容の中で救済していくということで私はよろしいのじゃないか。だんだんに勧告をした。勧告をしたものをさらに撤回する。審議会できめたその計画をさらに変更する。変更し、あるいは勧告を引き下げても、新しい勧告を出せばまとまるという見通しがあるならばそれでもいい。もうこうこじれてしまうと、勧告に反対なものを別の勧告を出したって、また初めの勧告に賛成な者が反対するという形で、勧告の変更とか計画の変更だけでは結局終止符を打てないのじゃないか。こういうふうに一般的には考えられるのですが、具体的に自治庁といたしましては、この際計画の調整をするなり、勧告の変更をするなりすれば、ある程度円満な解決の見通しがつく町村が幾つかある、こういうお見通しなのですか。
#15
○政府委員(藤井貞夫君) お述べになりましたように、私たちといたしましては、計画変更というものが全般にわたって今の未合併町村について行われるというふうにはもちろん考えておらないのでありまして、ただ未合併町村の中には、計画を変更をいたしますることによって合併が達成できる、今のままではなかなかむずかしいけれども、計画変更を行うことによって合併を達成できるという町村が相当存するのではないかというふうに考えております。一面におきまして、またこの際、合併不可能町村なり、あるいは適正規模町村に準ずるものとして計画から落すことによって、当該町村について合併の問題というものから一応切り離すことにいたすということによりまして、当該地域住民が落ちついた状況において行政運営に参画ができるというようなこともねらっておるわけでございます。
#16
○加瀬完君 具体的に伺いますが、御配付いただきました資料の中に、「都県の境界にわたる町村合併の処分について自治庁長官談話」という文書がございます。これによりますと、問題の境界、越境合併といいますか、都県の境界にわたる町村合併の案件について各般の事情を総合的に考慮した結果、現在の事態に即して事態の円満な解決をはかるために、最善の方策としてこのような案を出したのだ、こういう前置きで、それぞれ問題の区域についての解決案が出ております。そこで長野県の神坂村の問題でありますが、神坂村は、これによりますと、峠、馬籠、荒町の区域を長野県に残して、あとは岐阜県の中に合併をさせる、編入すると、こういう形をとったわけですが、この結論までの経過はどういう筋道をとっておるのですか。
#17
○政府委員(藤井貞夫君) 神坂村につきましては、神坂村と受け入れ側の岐阜県の中津川市におきまして合併決議を行いまして、これを申請をいたしたわけでございまするが、受け入れ側の岐阜県の方では議会でもってもちろん議決をいたしたのでありますが、神坂村の関係の長野県では越県合併は賛成できないということで、県議会でこの議決をいたさないということから、法に定むるところに従いまして、内閣総理大臣に申請が出てきた案件でございます。総理大臣といたしましては、中央審議会の意見を聞いて裁決をするということに相なっておりまするので、審議会にこの案件を付議いたしたのであります。その結果、いろいろ検討をいたしました結果、神坂村は中津川市に合併がしかるべしという結論を出して総理大臣に対して答申を出されたのであります。その間合併反対、合併賛成ということで、非常に熾烈なる紛争の姿が出て参りました。現地においてもそうでありますが、陳情その他の形式をもちまして中央にも非常に大きな問題として提起をせられたようなことでございます。われわれといたしましては、審議会の答申が出ました限りにおきましては、この審議会の答申の趣旨というものはやはりできるだけ尊重していくという建前に立つことは当然であるというふうに考えたのであります。本案件に関する基本的な方針というものは、すべてそこに置いたわけでございます。しかしながら、一面このような案件を処理をいたしまする際におきましては、地元住民の意向というものを第一義的に考えて参らなければならぬことは事実でございますが、そのほかにこの合併自体が県の行政にどのような影響を与えていくかというようなことも、これは度外視するわけには参らない。そういうような点を総合的に検討しなければならぬということに相なってきたわけであります。神坂村につきましては、実はこれは古い昔に二カ村が合併をいたしまして、神坂村ということに相なっておりますが、その中で長野県の隣村の山口村に隣接をいたしておりまする旧馬籠地区というものがございます。これは昔旧馬籠村というふうに言っておりました所でございまして、この地区は今御指摘になりました三部落を包含をいたしておる地区でございます。ところでこの三部落の中には、かなりこの合併自体に反対の勢力も有力でございまして、われわれは長野県にそのままとどまっていたいという相当の希望者があったことは事実でございます。その比率等につきましては、判定はなかなかむずかしいわけでございましたけれども、しかし全体として相当有力な部分が神坂村の中でそのまま長野県に残存をしたいという希望があることが見られました。かたがた県の方からも馬籠地区というものが藤村の出身地である、そういう県民感情というものも十分考慮すべきであるという熾烈なる要請がございましたことも加味されまして、私たちといたしましては、神坂村の中で馬籠を中心とする三部落について、これが相当地元の住民においても希望のあることでもあり、これはそのまま長野県に残置をして、他の残る神坂村は、これを中津川市に編入をするという裁定方針を打ち出した次第であります。
#18
○加瀬完君 私ども昨年岐阜の方に調査に参りましたときに、中津川市の代表の方から、この合併には神坂村自体には何も問題がない、こういう話を聞きまして、あとは長野県と岐阜県の問題であるというような報告を受けておったわけであります。最近この合併がこじれまして、テレビなんかによりますと、児童、生徒の就学拒否というような形まで出てきておるわけですが、このような紛争をいたすようになりますことが、昨年あたりでは、現地では私どもいろいろ根掘り葉掘り聞きましたにもかかわらず、予想できなかったわけですが、受け入れ側の方で児童、生徒の就学を拒否するというような形になるのは、新しく何か問題があるのですか。
#19
○政府委員(藤井貞夫君) 実は問題が問題でございましたために、非常に住民間においても感情的な対立が激化いたしておりまして、最終段階になりましては、今申し上げました馬籠三部落におきまして賛成、反対両派が入り乱れて、大へんな紛争を惹起いたしておったのであります。結果といたしまして、裁定がこのように出ましたために、直ちに事態が冷静に復するということをわれわれとしては希望を持っておりましたけれども、現実問題はやはりむずかしい感情のしこりその他が残っておりまして、現在具体的に一番問題となっておってわれわれが心配をいたしておりますのは、御指摘になりましたような児童の就学問題、これに発展をいたしておるような次第でございます。われわれといたしましては、なるべく早く事態のすみやかな解決をはかりたいということで、現在両県の当局に指示をいたしておるのでございますが、今のところでは、まだはっきりした線が出ておりません。旧馬籠部落の中で合併に対して反対をいたしておりました者の児童は、中津川の学校に受け入れないという点をいわゆる合併賛成派の方は強く主張して、その就学を拒否するという態度に出ているのであります。
#20
○加瀬完君 市町村の境界変更に関する基本的条件といたしまして、たとえば御説明の中にもある第二十七条の五項が示すように、「地勢、交通、経済事情その他の事情に照らし、」とありますね。「その他の事情」という内容を自治庁はどういうふうに考えておられるか。あるいは「その他の事情」というのはどういう内容について十分な考慮をしろというような、関係の市町村に対して御指導をしておられるのか、この点どうでしょうか。
#21
○政府委員(藤井貞夫君) 町村合併に当って考えなければならないことの一つは、地勢、交通、経済その他のいわゆる客観的状況というものがございます。これらの客観的状況について、関係町村の中で一体的なものあるいは密接な関係が存在するということが一つの重要な要件でございます。それともう一つは、いわば住民の意向、住民の意思という点でございまして、これを主観的条件と申しますならば、主観的条件というものもきわめてこれは重要な問題であろうと思うのであります。われわれといたしましては、これらの総合的判断のもとに、最も適切なる町村間における結合というものが行われるということを期待をいたしておるのであります。
 さらに県境にまたがる問題につきましては、県境でありまするがために、これは現在御承知のように自治法のいわゆる自主的合併の点におきましては、関係の町村だけの議決では足りませんで、それぞれ関係都道府県の議会の議決も要する、すなわち四者の完全なる意思の合致がなければ、県境にまたがる合併というものは処理できないという自治法自体の建前になっておるのであります。ただ、町村合併促進法ができまして、あるいは新市町村建設促進法が制定をせられましたその経緯等にかんがみましても、県境問題についても、地元が相当にそれを希望しておるということであれば、県がいわゆる従来の県の区域というものは一切変更させないというような態度をもって、住民の意向というものが入れられないという事態は、何とかそれが不合理である場合は是正をする道を開いた方がいいのじゃないかということで、総理大臣裁定の道が開かれたわけであります。そういういきさつから申しまして、今申した主観的、客観的な条件のほかに、やはり関係当局の意向なり、関係の行政に対して、それらの合併問題がいかなる影響を与えていくかというようなこともあわせて考慮をすべきものであるというふうに、われわれ理解をいたしておるのであります。
#22
○加瀬完君 局長さんのおっしゃるのは、客観的状況とか、あるいは主観的条件としての住民の意思とか、あるいはそれに加えて関係行政官庁の考え方とか、連絡とか、意思の疎通とか、そういういろいろのことをあわせ考えたいとおっしゃるのですが、この法律の条文そのものを見れば、「地勢、交通、経済事情その他の事情」という、この「その他の事情」の中には、当然この住民の意思を決定すべきもとになるもの、あるいはまた客観的条件を決定すべきもとになるもの、たとえていえば郷土の歴史とか伝統とか、あるいはあなたのさっき御説明の中でお話しになりましたが、お国自慢といいますか、郷土自慢といいますが、こういう感情というか、そういったものがもろもろ入っておると思うのです。この神坂村の場合、明治、大正文学といいますか、近代文学といいますか、現代文学といいますか、その一つの嶺である藤村、あるいは藤村文学というものを抜きにして、この合併というものを考えていくその行き方に問題があったのじゃないか。たとえば藤村というものを論ずるときに、その背景になっておる信州というものが当然出てくるわけです。あるいは御存じの「夜明け前」というような代表作を見れば、馬籠あるいは峠といったような、この木曾街道というものが中心になって物語が展開されてくる。文学史的に見れば、藤村というものは信州とは切っても切れないような形に、だれが見てもなっている。まして長野県人はそういう一つの誇りを持っているだろうし、お国自慢として、藤村というものを自分の区域の中に入れておきたいという感情が非常に強いと思うのです。そういうものを全然考えないで、一体行政区画の変更というものを進めていくことが妥当かどうか、これらについて一体どういうように――長野県の意思そのものはわかるけれども、自治庁として岐阜県あるいは神坂村に対して、どのような一体状況の把握をしておったか、あるいはまた長野県と岐阜県との間に立って、円満な解決にお骨折りをなさったか、それらの経過を一つ承わりたい。
#23
○政府委員(藤井貞夫君) 今お述べになりましたような県民感情、あるいは藤村の出身地であるというそういう地区に対する愛惜の感情というものは、これはやはり私は否定のできない重要な要素であろうというふうに考えておったのであります。先刻住民意思のことについても申し上げたのでありますが、一面において県の立場というものも、そこに反映せしめなければならないと申し上げたのは、今お述べになりましたような点もあわせて考慮する必要があるという意味において申し上げたつもりでございます。そういうような点もございまして、ちょうど馬籠地区というのは藤村の出生地というような関係もございます。また馬籠地区自体におきましては、住民の中でも相当多数の者が地元そのまま長野県に残っていたいというような意思の表示が相当顕著に認められたというような事実もございましたので、われわれとしてはこのような一つの裁定案を出し、妥協案でもって解決をはかった次第でございます。
#24
○加瀬完君 しかし、こういう妥協案を出すまでの一体経過なり、こういう妥協案を出さなければならないであろうという自治庁の意思というものは、中津川なり岐阜県なりに十分伝わっていたとは私は思われない。ここまで持ってこないで、就学児童、生徒の登校を拒否する、こういう形にまで感情をこじらせないうちに、こういう線を出すなら出すように、なぜ一体岐阜県あるいは中津川市に十二分にあっせんがなされなかったのか、この点、課長でもいいです。
#25
○説明員(吉浦淨眞君) 越県合併として発生いたしましたものは、これを含めまして全部で九件も発生したわけでありますが、実は法律といたしましては、観念的にどれだけの事案が発生するであろうかということを具体的に予想したわけではございません。従いまして、本問題が発生するに当りましても、神坂村の村長といたしましては、しばしば長野県庁に参りまして、あまり積極的に県内の合併を進めた場合には、われわれとしては中津川市と合併せざるを得ないというふうなことで、内々交渉をいたしておったような事実がございます。しかしながら、当該神坂村の村内におきましても、やはりそういった感情といいますか、多少は両派のいろいろな論拠がありまして、一挙にこの問題がまとまったわけでもないのでございます。そういったいろいろな経緯をたどって、遂に中津川市への合併を申し入れをしたわけでございますが、この問題がこのような形で発生して参りますと、直ちに両県といたしましては、賛成なり反対なりの意見を表明したわけでございまして、われわれといたしましては、何と申しましても最終的な裁定の官庁でございまして、この問題の解決の大筋というものは、これは中央審議会の審議にかけなければならない。中央審議会でどういう御見解を示されるかということは、これは軽々しくわれわれが予断を許さないところでございます。自治庁といたしまして、当問題の処理の方針につきましては、合併し得るものであるとも、あるいは合併できないものであるとも、そういった見解については、きわめて慎重に意思を表示しなかったのでありまして、あくまで中央審議会の答申を待って、そうして本問題を処理するというふうなことで進んで参りました。その後の経緯につきましては、先ほど行政局長が御説明した通りであります。
#26
○加瀬完君 それは形式的に見れば、あなたのおっしゃるように、中央審議会でこういうトラブルが生じたことは議案として審議されて、中央審議会の結論を待って自治庁が措置をする、それは当然ですよ。しかし、これは自治庁そのものではないにしても、出先の各府県にすれば、町村合併というものに対しては相当強引なやり方をしていろいろ取りまとめをしておるわけです。だから中央審議会に形式的にはかけることになりましょうが、その前になぜ一体自治庁としては、当然岐阜県なり長野県なりの関係者を呼んで、神坂村のこういう結論を出せば、こういう結論が妥当であろうということを、両者の話し合いの場を自治庁が作って持たせて、そうしてまたあっせんの労をとる、こういう形にすれば、中津川だって何とかするだろうし、長野の方だって十二分に岐阜との意思の疎通というものを積極的にはかるという形もとれるだろうし、こういう形はこれは越境合併をする場合には、当然自治庁として私はあっせん役を買って出ても、各府県の進めている町村合併を自治庁が阻害をしたとか、ブレーキをかけたということにはならない、当然の私は義務だと思う。こういう方法をおとりになったのか、ならないのか。
#27
○説明員(吉浦淨眞君) 先ほど言葉が足りなかったと思いますが、本問題が発生いたしまして、神坂村が中津川市に合併を申し入れた直後に、長野県といたしましては、県議会で満場一致の決議で反対を表明しております。同時に岐阜県の方でも賛成を表明しておりまして、県と県の意見は、完全に両極端に立ったわけでございまして、その間に立ちまして、われわれが事務当局だけで、これから中央審議会の審議にかけようとするやさきに、一つの結論を持ちながら、藤村問題なり何なりをいって、そうして妥協的な解決方策をなぜやらなかったかというふうに言われるのでありますが、これはむしろそういう反対、賛成なり、県の力でやるというふうな態度、それに対してむしろわれわれとしましては、賛成、反対の見解を表明されることはけっこうであるけれども、当該神坂村に入り込んで賛成なり反対なりの論拠を振り立てて紛争状態を引き起すというふうなことは、これは絶対にやっては困るというふうな意味で、むしろ消極的に当該住民の意思にまかしていくようにということで、しばしばこれは注意を喚起したわけでございます。当時の実際の状態と申しますのは、決してそういった妥協なり何なりを出せるような空気ではなかったと同時に、相互のきわめて激しくなって参りました陳情をこれ以上誘発しないように、紳士的な態度で臨むようにということを言うことが、実は最も重要なことであったと、そういうふうに考えております。
#28
○加瀬完君 私は、事務的に御説明をされるなら、それで私は説明は十分足りていると思う。しかし、町村合併というものを進めるなら、町村合併を進める指導理念というものは、自治庁自身で指導理念を押しつけるわけではなくしても、持っておらなくてはならないと思う。その中に先ほど例に出しました二十七条の中にもあります「その他の事情」の中に、伝統とか文化とかいうものを尊重するという一体考え方があるのかないのか、非常に私は希薄だと思う。これは高知にしても、徳島にしても、最近私ども調査に参った所でいろいろ町村合併が進められておりますが、それは行政の便宜性といったようなものは非常に問題になりますし、あるいは町にするとか市にするとかといったようなことは問題になっているけれども、その地域の伝統なり、その地域の文化なりというものが尊重されて審議されているかというと、私はほとんど軽視されていると思う。特にこの神坂村のような場合は、それが藤村というものが偶然そこの出身でありましたので、そこで藤村の文学というものから非常に長野県に残した方がいいというような意見が起りましたから、こういう裁定案が出るようなものの、町村合併そのものの進め方に、伝統とか文化というものをどれだけ一体尊重するような指導の方針というのがあるのかということになりますと、私はそこにこういう問題を紛糾させた原因があるのじゃないか、それが大筋に初めから打ち出されておれば、中津川でも岐阜県でもここまで引っ込みのつかぬような合併の促進というものはしなくてすむ、紛争になってしまってから、藤村の関係があるからこれはこっちへ残せと言って来た、初めからそういう話が出てないから、これは中津川でもやはりそうですか、よくわかりましたというふうにいかなくなってくる。その点はどうでしょう。
#29
○説明員(吉浦淨眞君) 過去の町村合併のいろいろな経緯に照らしまして、自治庁といたしまして基本的にとって参りました態度は、町村合併計画自体も、具体的に申し上げれば、県の審議会に知事が相談いたしまして、県独自の立場で現地のもろもろの実情に即応したような計画を立てるように指導をいたしましたり、また合併自体の進め方の問題にいたしましても、それぞれの事情に適応したような合併推進の方策をとるように指導して参ったのでございます。具体的に文化のそういった面なり、あるいは地域の一体性を確保するという面から、そういった過去の伝統なり、文化の度合いなりを十分に考慮して指導しておったかというふうなことでございますが、われわれといたしましては、具体的に個々の実情に即応してそれらの点を判断するように指示をしたわけでございまして、特に伝統というもののみを強調して指導したというふうなことは、実はうかつであったかもわかりませんが、それを強調したという事実はございません。
#30
○加瀬完君 これは私はやはり町村合併を促進をさせていこうとするときには、あるいは今の法律の通りにすれば、新市町村を建設していこうとするときには、その建設の新市町村の実態というものがどういう姿を目標にするかということになれば、やはりほんとうの意味の聚落、集団というのは部落である。古い名前で言えば村といったような部落自体だけしかほんとうの意味の私は共同体というものは存在しておらないと思う。そこの伝統なり、文化なりというものをやはり尊重するような形で町村合併に考慮を払わないところに、いろいろの紛争の原因が私はあると思う。ただ地図の上で線を引いて、これからこっちはAの方へ行け、これからこっちはBの方へ行けといったような勧告案が、各県でずいぶん出ておりますけれども、それぞれの部落、それぞれの旧村には、伝統なり慣習なりというものがあるわけですから、その村民感情なり、部落民の感情なりというものを抜きにして町村合併を進めていったとしても、どうしてもこれはもう理屈でなくて、感情の対立でどうにもならないという例がたくさんあると思う。ここだってちゃんと法律の中で「その他の事情」と書いてある。「その他の事情」というものの中には、当然伝統なり文化なりというものを最小限度において考慮するような仕方をしなければ、あまりに機械的です。で、私はそういう点も今後最後の仕上げをする上に考慮していただきたいと思うわけです。
 次の質問に移りますが、今問題になっている勧告を訂正したり、計画を変更したりするということですけれども、こういう具体的な問題については自治庁はどうお考えになるか、たとえば県が勧告を出しまして、その勧告と違った議決を地方議会でしてしまった、それでがんとして県の勧告に応じない。今度は県は県で審議会の議を経て勧告したわけですから、当然これは総理大臣にも勧告の内容というものは連絡した上で、法律的には行われているわけですから、今さら引っ込めるわけにいかない。といってこちらには議決がある。こういうような紛争が具体的にあります。これらについては自治庁としてはどういう御指導をなさいますか。今後の変更なり、調整なりの内容として。
#31
○説明員(吉浦淨眞君) 具体的な案件としてそういう事態が起って参っておることは、私が知っておるだけでも相当数に上っておるのであります。そこで今回計画変更のでき得るような措置をこの法律改正に当ってお願いしたわけでございますが、現在議決している状況自体が真にやはり住民の意思を反映してやられてあるかどうか、大部分の住民が議会と遊離しないでそういう状態がやられておるかどうかということが一つの問題であろうかと考えます。もしそれが、議会が住民の大多数の意思をそのまま反映して、しかも相当数の多数決を持ちましてそういった議決がなされておるといたしますと、これは知事の方で従来の合併勧告をそのまま強行する限りにおいては、ここ数カ年は合併の達成の見込みがないということに相なるかと思います。
その際は知事の方としましては、いわゆる従来の行きがかりを捨てまして、新しい観点からその住民の希望、すなわち議会の議決の線に従った合併をさせることによって地域全体がおさまるかどうか、それによってまた反対側住民がどの程度の騒ぎを起すかどうか、こういうような点も検討いたしまして、県全体の立場からこの合併計画の変更を認めることが、さまで他の町村あるいは当該地域についての紛争を惹起しないでこのままおさまるかどうかということの判断に立つわけでございまして、私どもの方としましては、そういった住民の意思を反映して、当該市町村が議決しているという状態にあるといたしますならば、それがそのような悪影響を及ばさない限りにおいて、むしろ知事の方でフランクに合併計画を変更してはいかがであろうかというようなことで慫慂するつもりであります。
#32
○加瀬完君 今までの法律からすれば、勧告というものが出れば、少くともその勧告の線に従って町村合併というのは進められなければならないわけですね。いやならば、あるいは投票によってきめるという形をとらなければならないわけですけれども、主体はやはり新市町村建設促進審議会の議を経たところの知事の勧告というものがどこまでも論理的には一番合併としてはいい案だという形で押していかなければおかしいと思います。ところが今度それを修正していいということになれば、たとえば審議会なら審議会は八対七だと、七対七で議長採決で八対七になったとか、あるいは開いているところでも十対八とか、こういう形で議決をされて、内容的に見ると、一区画は全部村の計画には反対だけれども、一区画は賛成だ、それが十対八になった、こういう形の県の勧告、そういう形の実態から県が勧告を出した。今度はその勧告を引っ込めて、村の実態に合わせろということになると、どういうような合わせ方ができるかといえば、合わせようにも合わせる方法がなくて、新しい勧告を出せば、またその勧告によって紛争を激化させるだけにすぎない形に私はなってくると思う。なかなか具体的にむずかしいと思います。ですから、私は勧告のその訂正をしたり、新しい勧告を出し直したりというようなことは、非常に町村合併の紛争というものを終止符を打つためには、むしろ逆効果をする部面が出てくるのではないかということを心配するのですが、これについて自治庁はどのようにお考えですか。
#33
○政府委員(藤井貞夫君) 軽々に勧告の変更をいたしますることによって、かえって町村合併というものを終止符を打つどころか、混乱に導くというような可能性はどうかという点でございますが、これはまあやり方いかんによってはそういうような危険性も確かにあるのではないかというふうに考えるのであります。今具体的にお述べになりましたように、村が全体の傾向として、その合併の相手方についていわば半々に分れているとか、あるいは非常にまあ近接したそういう状況にある。それが勧告の線を変更して、今度は他の半分の住民の意向と認められるようなところに勧告の変更を行うというようなことになりました場合は、これはおそらくお述べになりましたように、かえって混乱を激成するということになるだろうと思います。そういうような点は、これは十分注意をいたしませんと、そういうような案件について軽々に合併計画を変更するということになれば、これはかえってむずかしい結果になってくるんじゃないかというふうに考えます。その点は御指摘の通りでありまして、われわれはここで考えておりますのは、そういうようなものはやはり合併の勧告というものを変更すべきものではない。むしろ具体的な計画自体について住民の意向その他を勘案いたしました場合に、その計画と異なる合併ということを目標として計画変更いたしました場合においては、スムーズにその合併が成就するといった大体の見通しを得られるものについてのみ、この変更をさせるというようなことでございまして、これ以上のことは実は考えておらないのでございます。
#34
○加瀬完君 新市町村建設促進審議会というのが各都道府県には設けられておるはずですね。それからまた町村合併の調整委員というものもあるわけですね。この調整委員なり、促進審議会なりというものがフルに活動しておると自治庁は御認定になりますか。言葉をかえて言うなら、審議会なり調整委員というのは、それだけのはっきりした権限というものを内外から認められているか。それから、認められた上で法律にきめられておるような活動の実績というものを持っておるかどうか。説明を加えるなら、審議会があっても、審議会の意見よりもむしろ県の議会の意思というものが先行してしまって、審議会の意見というものが県議会で自由にかき回されて、全然審議会そのものの役をなしておらない、調整委員があっても、調整委員のまとめ方というものがさっぱり実効を現わさないという実態をわれわれは見受けるわけでありますが、この点はどうでしょうか。
#35
○政府委員(藤井貞夫君) 大体におきましては、本来期待されておる機能を果し、期待にこたえて活動していただいておるというふうに思うのでありますが、具体的に名前を出すことは、これは差し控えますけれども、あるところによっては今御指摘になりましたような影響力が及ぶことによって、本来的な機能というものが十分に達成をせられておらぬという向きも、中にはございますことは、これは否定のできない事実だろうと思います。
#36
○加瀬完君 質問を先に進めますが、農林省の方いらしておりますか。
#37
○説明員(林田悠紀夫君) はい。
#38
○加瀬完君 新農山漁村振興計画というものがお宅の方で進められておりますが、それは一体この新市町村の建設計画というものとどういう関係を持たせて進まれておるか、この点について御説明を願いたい。
#39
○説明員(林田悠紀夫君) 新農村の建設計画は、御承知のように昭和三十一年度から始めておりまして、大体五カ年でほとんどの町村を指定いたしまして、日本全体の町村をよくしていこうというふうな計画でございます。それでこの地域の指定につきましては、やはりその産業上の性格、すなわち立地条件とか、その他の経済条件を主にいたしまして、大体まあそういう条件を同一にしておるようなところを農林漁業地域というふうに指定いたしまして、そしてその地域を中心にしてよくしていこう、こういうふうな考え方で指定をしておるわけでございます。それが一方新しい町村合併の区域とうまく調整をとっていくということは当然必要でございまするので、そういうことも十分調整をしながら指定をしておるわけでございます。それで今までのところは大体市町村の新しい合併された区域と同じような区域を指定するというふうなことになっておりまするのは、大体五二%くらいはそういうふうになっております。ほかの立地条件の関係から、たとえば山地と平地とを一緒にして、新しい今回の新農村の区域ということで指定いたしましても、それは経済条件の上から無理が伴うというふうなこともございまするので、そういうふうに合併町村の区域を分割して指定しておるようなものもありまするし、あるいは合併された町村の区域をオーバーして指定しているというふうな区域もあるような状況でございます。
#40
○加瀬完君 その農山漁村の振興区域として指定する指定の方法なり、手続なりというものは、どういう形で取り運ばれるのですか。
#41
○説明員(林田悠紀夫君) この今回の新農村の計画と申しまするのは、大体その他の住民が自主的にその農村を建設していこうというふうな気持があるということを主にして考えておるわけであります。従いまして、県におきまして、まずそういうふうな区域を指定していくというふうなことになるわけでありまするが、その場合には、大体経済条件を同じにしているような区域の住民が集まりまして、そこをりっぱにしていくというふうな気がまえのあるところを指定をしていくというふうなことになっておりまして、それで県におきましては、そういうふうなことについていろいろ指導を加えていくことになるわけであります。それで県でそのために特別に人を設置いたしまして、そういう人がその地域に出まして、そういうことをまとめる、そして計画を作る、そういうふうなことになるわけであります。そしてそれが県に上って参りまして、それが農林省の方に参る。そうしますると、農林省の方では、中央の審議会がございまして、その中央審議会にかけまして、そういう地域を指定していく、こういうことになっておるわけであります。
#42
○加瀬完君 結局中心は、県の指導官が実情を調査して、これはあなたのおっしゃるように、地方住民の自主的建設の意欲が非常にあるから、新農村振興計画の地域として指定すると、こういう形をとるわけですか。
#43
○説明員(林田悠紀夫君) そういうわけでございます。
#44
○加瀬完君 それでは、一体地方住民の自主的意欲というのは、その自主的意欲があるかないかときめるのは、住民自身がきめるのではなくて、県の係官か指導官か知らぬが、そういうものが認定することによって、適当か不適当かということがきまることですね。市町村の議会というものとは何も関係がなくてきめられるという形になりますね。
#45
○説明員(林田悠紀夫君) それはもちろん県にも、やはりこのための顧問団とか、あるいは審議会が設置されておりまして、そういうふうなものの意見を聞いてきめていくということになっておるわけであります。
#46
○加瀬完君 顧問団があろうが、審議会があろうが、それは法律的には住民の意思ではない。住民の意思というならば、市町村の議会の意思というものが住民の意思という形に法律的になるわけですからして、新市町村の建設計画というのがあって、その建設計画の中でいろいろ議論がされて、住民の意思として議会で取り上げた問題が県に幾つか集まって、県で優先的に優秀なものからとっていくというならまだ話はわかるけれども、町村の意思というものと没交渉に顧問団なり審議会、そういうものと相談の上で県が一方的に、これは農村の振興計画区域にする、こっちはだめだ、こうきめていくとすると、それが自治庁、あなた方のおっしゃる新市町村建設計画とマッチした一体新農山漁村の振興計画ということになりますか。
#47
○説明員(林田悠紀夫君) 実はそういうふうな先生のおっしゃるような懸念もございまするので、私たちの方におきましては、その農村の青年とかあるいは婦人とか、それは青年団とか、あるいは四Hクラブとか、その他農村の青年建設班とか、いろいろそういうふうなものもございます。それから婦人の団体もありまするが、そういう人たちとか、あるいは農業委員会とか、あるいは市町村長、そういうふうな方々を十分指導を加えていく、そして自主的な意思と申しましても、やはりその自主的な意思を発露してもらうためには、いろいろどういうふうなことを国が考えておるのかということにつきまして、そういう契機になることを啓蒙していくということが一方において必要なわけであります。そういうふうな会議を県において持ち、あるいは中央においても持ちまして、そういうふうな地方の住民が、自分たちがどういうふうに計画をしていこうかということにつきまして、十分考えていただけるような機会を持つように心がけておりまして、そういうふうなところから計画が出て参るというふうなことになっておるわけでございます。
#48
○加瀬完君 あなたの方で、農林省でおやりになろうとしていることはよくわかります。しかし、あなた方に指導を加えてもらわなければ住民の意思がきまらないという考え方そのものが、はなはだおかしいのですよ。翼賛体制じゃないのですから、今は。主権は住民にあるわけですから、その住民の意思を決定するのに町村長を集めたり、それから四Hクラブを集めたり、農業委員会を集めたり、そこへあなた方農林省が行って、十分指導を加えて、それからさて住民の意思をどうしようかと、こんなばかな話がありますか。自治庁は一体どう考えるか、こんな新農山漁村振興計画は市町村の建設計画とどうしてマッチするという考え方が成り立ちますか、はなはだけしからんと思う、自治庁はどう考えるか。
#49
○説明員(吉浦淨眞君) 結局その新市町村建設計画におきましては、産業振興に関する計画というのが中に入っておるわけでございますが、昨日も御説明いたしましたように、農林省の今やっておられます新農山漁村建設計画との関連をどのように考えていくかということで、われわれの方といたしましても非常に苦心をいたしまして、地域の産業計画、新市町村建設計画が相反しないような指導をとって参っておるのであります。まあ具体的に申し上げますならば、それはいろいろ農林省の方としての考え方もございまして、地域の産業振興策として農林省がお考えになっている方向と、それから新市町村自体が考えております方向との間にたとえば実施する機関とか年度とか、そういう点で若干の食い違いがあろうと思いますが、そういった点につきましては、私どもの方といたしましては、県の方におきましてできるだけそこに調整を加えていただきまして、万遺漏なきを期するような方向で進んでおるわけでございます。
#50
○加瀬完君 万遺漏だらけだ、(笑声)万遺漏なきを期すると言っているけれども、万遺漏だらけだ。あなた方局長や課長に聞いたってこれはだめだ。私はこれは保留して農林大臣とそれから自治庁長官に来てもらって聞く。こんな政府の不統一ではこれはだめですよ。実際に新農山漁村の振興計画というものが、今農林省の参事官がおっしゃったような方向で、おっしゃったように動いているので、新市町村の建設計画と一つもマッチしていない。極端に言うならば、非常に熱心に、むしろわれわれから見れば実に産業経済計画をよくやっているという新市町村の建設計画があっても、それにバック・アップするようなこの農林省関係の振興計画がおりて来ない、だからこれはもっとどうマッチさせるかということを大臣として、政府の態度としてこれははっきりさせてもらわなければだめだ、これはあなたの答えを必要としない、保留いたします。
#51
○委員長(田中啓一君) まあいいといっても、せっかく答弁をするというのだから……。
#52
○加瀬完君 わからないのに聞いてもしようがない。
#53
○説明員(林田悠紀夫君) ちょっと言葉が……。
#54
○委員長(田中啓一君) 参事官の方はあとで。振興課長。
#55
○説明員(吉浦淨眞君) それからちょっとわれわれの言葉も足りないわけでございますが、きのうも御説明申し上げましたように、新市町村建設計画の従来のやり方と申しますものは、新市町村当局自体がやる事業についての計画でありまして、それから御承知の通りその新農山漁村建設計画の方は、事業主体が市町村当局でない場合が多いわけでございまして、農業協同組合であるとか、土地改良区であるとか、漁業協同組合というものがやっておるのであります。その相互の建設計画の中に乱れがあってはいけないということから、その関連性を持たせるということを今御説明申し上げたわけでありまして、その辺新市町村建設計画、すなわち市町村当局の計画とそれから農林漁業団体側との計画がどこでどう一致するか、必ずしも一致していないということは、これは事業主体が違っておりますので、その辺を関連的に一致させるというわけにはいきませんが、できるだけ相互の調節をとっていくという方向で進めておるわけであります。御了承を願います。
#56
○説明員(林田悠紀夫君) ちょっと言葉が足りなかったので恐縮でございましたが、ただいま申し上げましたように、府県知事が定めるのでございますけれども、その場合には都道府県の農山漁村振興対策審議会の意見を聞いて定めるということになっておりまして、それからその振興計画は、その農林漁業地域内の農山漁民の自主的な総意を尊重いたしまして、農山漁村の振興協議会というものが設けてございます。その農山漁村振興協議会が樹立いたしまして、都道府県知事の承認を得るということになっているわけであります。それで都道府県の農山漁村の振興協議会と申しますのは、農林漁業地域ごとに設置することになっておりまして、その地域の実情に応じまして、市町村長なり、あるいは農業委員会の代表者、農業協同組合、土地改良区、森林組合、漁業協同組合等の農林漁業団体、あるいは青年、婦人の組織の代表者、あるいはその付近にいらっしゃいまする学識経験者、こういうふうな方々で組織することにいたしておりまして、そういう方々に振興計画を樹立していただきまして、そういう計画が県の方へ上って参ります。そうして地域をきめて、それが中央に上って参りまして、ほんとうにその地域を指定していくということになっているわけでございます。
#57
○加瀬完君 私が言いたいのは、最小限の地域を押えると、そこに市なり町村という地域があるわけです。ここで産業経済計画が進展すれば、それは県の計画であろうが、国の計画であろうが、住民は満足なんで、具体的には、一番その地域における産業経済計画に具体的な希望というものを持ち、あるいはまた要求も強いのはこれは地域の住民ですよ。だからその地域の振興建設計画によって新町村の建設計画にきめた経済計画なり産業の開発計画というものを、どの部面は市町村でやらせ、どの部面は団体営でやらせ、どの部面は県がやる、どの部面は国がやるというような関連性を持たせて、そうしてどこの部面は一体新農山漁村の振興計画で分担するか、あるいは県の単独補助事業で分担するか、あるいは市町村が自前でやるか、こういう連関性がないと、一つの所にたくさんの事業主体ができたり、またほんとうに市町村でやるのは困難なような有益な事業があっても、また農林省がこれだけのいい計画があっても、それには連関性を持たないというようなことが実態なんで、その連関性をはっきりしてもらうような形において、具体的には住民が、なるほど新市町村の建設計画といろいろの振興計画によって、これだけ所得が上ったという形の行政をやってもらわなければ困るということです。これはまだ十二分に連絡がとれているとは言えないと思います。
 農林省の方に御注文申し上げますが、新農山漁村の振興計画で一番先に取り上げているのは何ですか。その地域の産業経済計画に対する振興策なり何なりというものを打ち出しているかどうか、具体的に。産業経済計画とは縁もゆかりもないようなものに金を使っているような実態がたくさんある。有線放送に金を出したりなんかして、ばかげた話です。もっと、主体が主体なんですから、主として農林省なら農林省としてのやらなければならない問題がたくさんあると思う。そういうものを、もっと町村の意見を聞き、県の意見を聞き、あなたのおっしゃるように、いろいろの団体の意見も聞いて、最小限度、県なら県で総合計画を立てて、なるほど新市町村建設計画の上にも新農山漁村振興計画が役立ったという形をとってもらいたいということなんです。
 それから、自治庁に伺いますが、今度の法案なんかも、私は何回も言うけれども、どうも事務的に、町村合併の進捗率ばかり上げることを考えていますが、一体、建設効果というものはどうなっているのですか、建設効果というものは。具体的に言うならば、住民税は、町村合併を進めれば、下るとは言わないけれども、少くもそう上らないというような説明があった。またひいては、住民税にかかわりなく非常に広がるというような御説明が十分あった。しかし、最近の住民税の所得割なんかを見ていますと、オプション・ツウのただし書きで取っているところが、これは昨年の統計ですが、二千九百七十三町村であって七七・六%、これでは、町村合併をやって住民税が上った、上ったから直ちに悪いということは言えないけれども、上ったという結論が出ると思う。なお、住民税の上った一つの証左といたしまして、住民税に増加措置をとった町村が、三十二年には二百九十町村で六・六%でありましたのが、三十三年には二百五十六町村で八・七%、これはあなたがたの統計で、間違いない。だんだん住民税が町村合併をやって上ってきている。それで、さっき言ったように、新市町村建設計画がさっぱり進まない。税金をよけい取られて、町村合併はするだけだということになっては非常に困るのだが、この建設効果というものは一体どう考えているか。きのうお配りいただいた「新市町村建設計画に基く事業実施状況」でも、非常によくなったのは庁舎の建設だけだ。役場や市役所なんかはうんと建ったが、保健衛生とか産業経済というものはさっぱり計画が進捗しておらない。まあ自治庁が干渉することは非常に困るけれども、町村合併をやって役場ばかりりっぱにした。こういう町村合併のやり方に対して、どんな御指導をなさっておられるか。住民税は上った。役場ばかりはりっぱになった。しかし、保健衛生なり産業経済なりの事業というものはさっぱり進展していない。これでは、何のために町村合併を進めたかと疑いたくなる。この問題について、どういうお考えをお持ちですか。
#58
○政府委員(藤井貞夫君) 合併の効果の問題につきまして、一つの資料として御提示を申し上げたのが十七ページにございますが、これによって見ましても、全体の実施率というものもそれほど期待をしていたほど上っておらないことは事実でございますが、一面、逐年この実施率というものがだんだん上って参っておりますることも、われわれとしては認めておるのであります。三十二年度につきましては、現在なお集計中でございますが、この実施率につきましても、七〇%をこえるという状況になってきておると思います。さらに、この実施率自体につきましては、事業計画というものが、当初新市町村建設計画を立てましたそのままの報告を累計をいたしておりまするので、現在、御承知のように、新市町村建設計画の調整というものをはかっております。実態に即した計画を、新市町村自体の一体性を確立するという見地から、樹立いたしておるという点もございまして、あれこれ考えて参りますと、事業実施というものがだんだんと軌道に乗ってくるであろうというふうに期待をいたしておるのであります。御指摘になりましたように、町村合併を行なっても、庁舎がりっぱになっただけじゃないか、そのほかの点においてはほとんど見るべき成果が上っていないではないかという点でございますが、しかし、その点につきましては、われわれ個々の具体的な町村について、全部が全部これに当って調査をいたしたわけでもございませんので、確信のあることは申し上げかねるのでございますが、全般的には、やはり消費的経費というものが総体的には比率が下って、これがだんだんと投資的経費の方に回っていっておるという実情は、一つの傾向としてはっきりと看取できるのではないかというふうに考えるのであります。住民税の増高等の点は、確かにございます。ございますけれども、全体といたしてこれを見まする場合におきましては、ただ単に庁舎建設というようなことだけではなくて、その他行政各般にわたりまして、当方顕著な結果というものが出てき始めておるのではないかというふうに、われわれとしては考えておるのであります。庁舎建設につきましても、これはやはり一体性を確保していくというような点から見まして、場合によっては必要である部面もございますということで、自治庁関係の施設整備の補助金につきましても、その対象に特にこれを取り入れるということにいたしておりまして、これによって、人件費あるいはその他の消費的経費等の節減をはかるに資したいというふうに考えておるのであります。しかしながら、先刻来いろいろお話がございましたように、やはり第一重点的に考えなければならぬことは、やはり住民の福祉、それによる地域社会の経済力の向上ということに重点が指向されなければならないことは当然のことでございまして、そういう面から見れば、何か役場の庁舎が建つ、あるいは学校が建つ、そういうようなことだけで、基礎的な条件整備というものがほとんど行われておらないではないかというような点につきましては、われわれ自身といたしましても、これは十分に反省をいたさなければならぬ部面が多いことは、はっきり申し上げなければいけないと思います。
#59
○加瀬完君 いいですよ、庁舎の建築も、ほかとバランスのとれた上で進めるならば。新市町村建設計画を各町村で立てまして、たとえば昭和三十一年度を押えると、庁舎の建設は、実施率が六七%、ところが土木関係になりますと四七%、それから産業経済になりますと五五%、住民に必要欠くべからざるものの実施率が非常に低くて、庁舎のようなものばかりが実施率が高いという行政のやり方には、私は問題があるじゃないかと申し上げているわけで、住民税も上っておりますとともに、固定資産税の評価額が町村合併によって非常に上っているじゃないか。特に新市建設で新しい市がたくさんできましたが、その市になりますと、多くの所は、固定資産税の評価額が非常に上って、かえって負担そのものは旧町村よりも引き上げられたという形をとっておるじゃないか。これらの問題は、自治庁はどう把握されておりますか。
#60
○政府委員(藤井貞夫君) 特に新市等ができます場合には、その地域的な問題から、評価額というものが上って参っておる事実というものは、これは確かにその通りでありまして、これを否定するつもりはございません。この点につきましては、一面におきまして、負担の増高というものは極力避けなければならないということは当然でございますけれども、やはり、一つの自治体として存立をいたして参りますることに相なりますると、その区域間の均衡という問題も、当然一方においては必要な要素としてこれは取り入れて参らなければならぬと思うのであります。ただ問題は、住民負担が増高をいたすことは、ある程度やむを得ないといたしましても、その結果が、やはり住民の福祉にできるだけ還元されていく、その還元の度合いの問題であろうというふうに考えるのであります。そのためには、やはり支出の面あるいは事業の面におきまして、住民というものが最も期待をいたしておる面はどういうことか、あるいは基礎的な経済条件の整備、基盤を確立するということを考えた場合に、切実に要求される面はどこか、という点に十分な配慮をめぐらしてやって参らなければ、負担が増高するばかりで、というような、住民のいろいろな不平不満もそこに起ってくる可能性もございます。そういうような点につきましては、われわれとしてもさらに特段の指導をやっていきたい、かように考えております。
#61
○加瀬完君 それはお宅の方から配られた表によっても明らかなように、産業経済とか土木とか保健衛生とか、こういう住民の利益に直結するものが、どちらかというと、実施率が低くて、そうでないものは高いということで、税金だけ取って、今、局長さんのおっしゃるのとは逆に、町村合併で、いろいろにおいはかがせられたけれども、さっぱりにおいだけで、実際のごちそうは目の前にこないということに不平があって、このままの状態が続けられていくならば、合併された所からもう一回分村の運動が、復元運動が起ってくるということにも、私はなりかねないと思う。たとえば実際的に効果があるかどうかという問題で、道路五カ年計画というものを今度政府がお考えになっておりますね。道路五カ年計画と新市町村の道路計画というものと、どういう関係を結ばしていくのか。このままですと、結局道路五カ年計画の負担は、町村にかかってくるかもしれんけれども、国の道路五カ年計画そのものによっては、新市町村の道路計画はさっぱり進まない。こういうことであれば、これはまた不平不満のもとが一つふえるということにもなると思う。この委員会でも道路五カ年計画の問題については、いろいろ議論があったのですけれども、これと新市町村の道路計画というものを、どうマッチさしていきますか、いこうとする御計画をお持ちですか。
#62
○政府委員(藤井貞夫君) この点につきましては、先刻農林省関係の新農山漁村の建設計画等との関連と同様のことが言い得ると思うのでありますが、新市町村建設計画というものを樹立し、これを実施をしていくについて一番問題となりますことは、一方においてやはり市町村らしく、それにふさわしい内容の施設というものを持っていかなければならないということとともに、それが実施不可能な、全く夢のようなものであっては、これはならないというふうに考えられるのであります。そういうような点につきまして、各省間の連係というものがさらにもう一歩進んで密接になって参らなければならぬということが一つでございます。そのことについては、われわれとしても極力やっておるつもりでございますけれども、しかし究極の問題は、やはり県の段階におきましてその調整をとっていくということが最も適切であり、計画を達成せしめるゆえんではないかというふうに考えております。そういうような点で、現在各市町村につきまして、新市町村建設計画の調整というものを行なっておるのでありますが、その指導体制といたしまして、県に各部局の職員を網羅いたしましたような組織を持ちまして、ここであらゆる点から総合的に検討をしてやっていく。計画自体がばらばらになってしまわないように、また国の立てておりまする施策というものともあまりかけ離れたものでないようにこれを組み入れていくということが必要でございますので、そういう方向の努力を特に注意してやらしているのであります。農山漁村の建設計画につきましても、まだ十分その間の調整が払われておりません部面も残っております。道路計画自体にいたしましても、大体の計画というものにつきましては、そのアウトラインがわかりますならば、これは県自体においてもどの線でどういうふうになるかということはわかって参るわけでございますので、そういうような点については、新市町村建設計画というものに取り入れる際におきましても、県の土木だけの問題ではなくて、新市町村建設計画の調整という総合的な見地からその調和をはかっていくように努めておる次第でございます。
#63
○大沢雄一君 私は今の加瀬委員と局長さんとの応答は、聞き誤まっておるかもしれませんが、合併によって住民税、固定資産税が上ったということを局長さん肯定された御答弁をしたやに私は伺ったのですが、果してそうでございますか。合併のために下ることはあっても、必然に上るということはちょっと理解しかねておりますが……。ことにまた、固定資産税につきましては、これは勝手に評価を変えられないように年次か何か改めるようにきまっておるのですが、ちょっとその点を、今の質問に関連して私はお伺いしたい。
#64
○政府委員(藤井貞夫君) 私の申し上げておりますのは、市というものがありまして、そこに隣接の町村等が編入されるというような事態が起きました場合におきましては、市というものの基準から見まして改定が行われる、それの均衡をはかるために評価額が変るというような点は事実あるように私は承わっておる、そういう意味で申し上げたのであります。
#65
○大沢雄一君 そういたしますと、合併の場合には、固定資産税の基準になっておる賃貸価格なり何なりの評定変えができるということになりますか。
#66
○政府委員(藤井貞夫君) 合併の場合に直ちにということでなくて、要するに、固定資産評価委員というものがございまして、それが不当に低いというふうに認めた場合におきましては、一般的にそういう是正措置が行われるように承知をいたしておるのであります。
#67
○大沢雄一君 評価委員があって、あれはたしか何年目かに評価変えといいまするか、何かそれができるように私は聞いておりますが、ちょうどそういうところに当って、均衡を保つためにやるというような場合はあるかもしれませんが、まあ多くの場合には、むしろその税金は減るということが必ず合併を勧奨する場合においては言われて、そういうことが合併のやはり大きな促進になっておると思う。合併して上るということならば、とてもこれは合併などできるものではないと思いますが、事実そういうことになっておるとすれば、これは事実の問題でございますから、それでも円滑にあとの一体化ができておれば、今ここでその問題は申し上げませんけれども、この問題は、固定資産税に対する減税問題と非常に関連がありまして、固定資産税が高いから減税してもらいたいという農民方面の要望に対して、自治体当局の方では、それでは困るという問題がありますことは御存じの通りであります。減税問題は、今その点で財源補てんということになって悩んでおるわけであります。そういう問題がありますので、これは、今ここで私言いませんけれども、適当な機会に一つ資料を――ここでは要りません――私は適当な機会に、果してどういうことになっておるか、合併によって上った所がどれくらいあるか、そういうところを一つ資料としてお願いいたします。
#68
○加瀬完君 道路五カ年計画と、それから農林省はお帰りになりましたが、小規模の土地改良の問題、こういう問題が、新市町村の建設計画の中では一番要望されておりますけれども、財源の裏づけもなければ、実現の方法もないので、行き悩んでおるというのが実態だと思う。これらをもっと進めてもらわなければならないと思うわけであります。それらについても、今、大沢委員からも出ましたけれども、実態は、三カ町村、四カ町村が合併いたしまして、町になったり、村のままであっても、大体合併町村は、やはり一番高い方の標準にみな合わせられておりますよ。一番低い方におろしてきたなどという町村はありません。一年目はそうでなくても、二年目、三年目には、だんだんそうなってきております。それで、たとえばオプション・ワンをとっておった所も、今度はオプション・ツーの準拠率になるとか、あるいはオプション・ツーの準拠率を、今度はさらにオプション・ツーの準拠率でない方に持っていくとか、これではだんだん困って参りますから、財源をあさって、住民税にかけてくるというのが、これは大体の傾向であると思う。貧弱町村であれば貧弱町村であるだけその傾向が強い。そこで、合併町村に対しては、地方税において年限を切って特別措置がとられておったわけですね、これは今後どうしていきますか。
#69
○説明員(吉浦淨眞君) 特別措置に二通りございまして、合併をした当座の善後処理費的なものを見ていく措置と、それから合併補正係数というものをもちまして、合併後五カ年間は一般的な財政需要が発生するものとみなして、それを見ていくものと、二通りございます。で、現在、百三十億程度の交付税を、財政需要を見込んでおりまして、それを過去続けて参っております。これにつきましては、個々の合併町村によりまして、時期の点が異なりますが、それぞれにつきましては、合併をした翌年度から起算いたしまして五カ年間は、そういった財政需要を見込んでいくということで参っております。
#70
○加瀬完君 これは将来、三年なり四年なり延ばしていく考えはお持ちですか、どうですか。五年で打ち切るつもりかどうか。
#71
○説明員(吉浦淨眞君) この状態につきましては、もちろん合併町村自体といたしましては、五カ年間だけ財政需要が補正されて、上って参るわけでございますが、私どもの見解といたしましては、やはり全般を通じての行政水準の向上というものと睨み合せまして、ただ単に合併町村だけをそういった面で救済していくということでなしに、五カ年間を経過いたしました暁におきましては、やはり新市町村に、そういった考え方で行政水準の向上をはかるべき要素を加味しまして、全体の財政需要を正当な状態において把握しよう、こういう考え方を持っておりますので、現在の段階におきましては、現在法律で定められております五カ年間の合併補正につきまして、それを延長するということは、ただいまのところ、考慮いたしておりません。
#72
○加瀬完君 文部省の方がいらしっておるようですから、文部省関係でちょっと伺いたいのですが、あなた方の方で、町村合併に伴う――それのみではありませんが――一応小、中学校の統合について特別の助成をいたしておるわけであります。その特別助成をする統合の基準ですが、特に町村などに参りますと、中学校では六学級というのが、これはパーセントの上では圧倒的に多い、ですからほんとうの意味で住民の利便ということを考えて、しかも内容の充実した中学校を作りたいというのならば、その六学級というものを対象にして、そこに合わしていくというのなら話はわかるけれども、実際はそうじゃなくて、非常に大きな多学級というものを対象にして合わせていっている、これでは統合は、補助金があってできるかもしれない、しかしながら、通学の不便とか、その他父兄や各個人のこうむる経済的負担というのは、非常に大きいと思うのです。で、一体、一番多い六学級というものを標準にして、六学級以下のものを六学級にまとめるというところに、なぜ標準を置いて助成をしないのか、この点どうでしょう。
#73
○説明員(今村武俊君) 六学級が、学級数としては最も多いわけでございますけれども、教育の効果なりあるいは教育の経費の節約という点から考えて参りますと、やはり十二学級から十八学級くらいまでの規模が最も適当であるということになっておるわけでございまして、そのことは、文部省の中央教育審議会において、相当の期間を費して審議されたわけでございます。従いまして、目標としては、十二学級から十八学級の学校規模になるものと……、しかしながら、おっしゃる通り、通学の距離が遠くなり過ぎて、児童、生徒の心身の疲労をもたらしては困りますので、通学の距離も一応限定いたしまして、小学校であれば、おおむね四キロメートル以内、中学校であれば六キロメートル以内になるものを適正な学校規模とし、そのような学校規模に統合される場合に、主として国庫負担をするという建前を明らかにいたしております。しかしながら現状は、おっしゃるように六学級程度のものが、現在の地勢、交通状況では多うございますし、また、六学級以下のものを統合して、そういう程度に持ってくることも、当面の問題としては肝要なことでございますので、国庫負担法の施行令の経過規定におきまして、当分の間、そういうものに対しても国庫負担をするということを明らかにしておるようなわけでございまして、現に、そういうものに対しても国庫負担をしておるわけでございます。
#74
○加瀬完君 効果とおっしゃいますけれども、効果は、教員の配当なり、設備の内容なりというもので、六学級が十二学級に劣っているということには、私はならないと思う。フランスなんかでは、こういう大きい学校なんというものは、小、中学校だってほとんどありませんし、町村だって非常に小さい、町村が小さいから自治体の発達がおくれているかというと、そういうことにはなっておらないのです。学校が小さいからといっても、その他の条件がよければ、むしろ効果は上るわけです。六学級というのが一番多いということは、実態がそうなんですから……。だから六学級以下を六学級のところまで引き上げるということの方が、僻陬地の町村の合併のためには、非常に意味がある、ところがそれを極端に、今度は六学級じゃなくて、十二学級から十八学級に押えられれば、経費の節約といわれるけれども、行政経費は節約されるかもしれないけれども、教育経費として個人負担が非常に増大する、たとえば歩いて通っていた者も、今度は自転車を買わなければならぬ、あるいはもっと気のきいたところでは、今度はスクール・バスで通わせなければならない、それでは結局、経費の節約にならぬですよ。
 それから、町村合併というものを中心に考えるならば、町村合併に即した六学級程度のものをも標準学級として、それに対して助成をするというところに中心を置いていくというように御説明をいただきたいと思うのですが、この点はいかがですか。
#75
○説明員(今村武俊君) 教育の効果という問題だけに限定して考えますならば、なかなか問題はむずかしいわけでございます。非常に精神的な要素も入って参りますので、むずかしいわけでございます。従って、先生のおっしゃるような御見解も、一つの考え方だと思いますけれども、私の方では、中央教育審議会の審議も十分経ました上で考えておることで、現に政令の中にも入っておることでございますので、おっしゃる通りには考えておらないわけでございます。
#76
○加瀬完君 考えておらないというのが、私は実態に即さないと言うのですよ。私は、中央教育審議会で審議をした中に、僻陬地の町村合併によって、三学級、二学級の中学校がたくさんあるのだから、それを統合するためには、六学級くらいのものが中心になるであろうということまで考慮に入れて、中央教育審議会が審議をしたか、そうでなくて、ただ理論的に全体の統計を見て、全国的な平均から、通学距離などをやると、十二学級から十八学級くらいに押えても無理がない、ここならば現状の教員配当で、ある程度の効果を上げられるだろう、こういう便宜的な、過渡的な、これは一つの結論だろうと思うのです。教育審議会の方々が、十分に、教育理論的に考えて、六学級でだめで十二学級でなけりゃならないという理論は、どこからも成り立たないわけです。今は、町村合併の建設計画というもののうちに含めてお伺いしておりまするので、一つ、僻陬地なんかの町村合併に対しては、六学級ぐらいにまとめることも、喫緊の一つに行政面で加えていただきたい。これはまあ希望を申し上げるわけです。
#77
○説明員(今村武俊君) ただいまおっしゃいましたような点は、僻陬地を含む町村合併に関連した問題としての、特に限定された問題でございますならば、そのことは、現在の私どもの関係の法律の施行令の中でも認められておることでございまするので、そしてまた、法令上、予算上、許す限り、合併町村に対しまして有利な取扱いをすべく、規定もあることでございますから、国庫負担金の分配に当りまして、十分考慮いたしたいと考えております。
#78
○加瀬完君 それはあなたのおっしゃるように、もう法律的に、あるいは県などの法規的に、僻陬地と認められておる所は、それでいいですよ。けれども、僻陬地または僻陬地的な地域だという所にまで、それを広げてもらわなければ、実際の町村合併に役立たないということなんです。
 自治庁にお伺いしますが、これは直接この法案には関係がないことですけれども、新市町村による人口増とは別に、近ごろ、いわゆる団地なんかによる人工都市の建設によって、社会増というのが非常にできてくる。特に東京近郊の町村は、合併して新市などを作って、新市町村建設計画を進めようと思うと、それよりも先に、団地でごっそりと社会増の人口が来てしまって、そこの学校、保健衛生、道路をどうするか、それに追われて、旧町村の建設計画そのものが進み得ない実情にあるわけです。これらの点を、自治庁としては、何か特別救済をする、助成をする方法を考えてもらわないと、どうにもやり繰りがつかないという実情に追いやられているわけですけれども、特に、首都圏の膨張による社会増をかかえておる合併町村の振興計画について、何かそういう対策をお考えになられておりますか。
#79
○政府委員(藤井貞夫君) 社会増に基きまする人口の急激な増加というような点は、最近は特に、局地的ではございまするけれども、各市町村において認められる現象でございます。こういう人口増加が、突然でございますというと、そのために実は収入がふえるというよりも、支出面が急激に増加をいたします。道路の整備の問題なり、その他学校の建築の問題なり、あるいは社会施設関係なりということで、急増をいたすということは御指摘の通りでございます。これを、ただ単なる一般の措置をもってやって参りまするということになりますと、そこに、本来の建設計画というようなものも、全くやり直しをしていかなければならぬというような事態も生じてくるのであります。しかしながら、この点については、何らかの措置を講ずる必要は、私も認めておるわけでございまするが、現在のところ、特別にこれに対して何らかの対策というようなことは考慮いたしておる段階ではございません。
#80
○加瀬完君 これは交付税の補正係数か何かでやはり考えていただいて当然しかるべきものだと私は思いますがね。何か交付税なんかの補正で、適当な方法で処置をするというようなお考えは、自治庁にありませんか。
#81
○説明員(吉浦淨眞君) たとえば、具体的な例をあげますと、柏市にできておりまするような、住宅公団の団地の問題でございまするが、学校施設等を作りまする場合には、住宅公団でも特定の融資をいたしておりまするし、文部省の方でも補助金もいただいておりまして、具体的には、個々に解決をしておるようであります。その地元負担分の配分につきましては、これは特別交付税なりあるいは起債なり、措置しておりまして、十分とは言えませんけれども、せんだってなくなりました市長とも、私、非常にその点につきましては、新市の建設の困難性を訴えられておりまして、できるだけ相談相手となりましてやって参ったわけであります。今後そういった問題も、その地域だけでなしに、ほかにも起ってくるわけでございますので、抽象的にもその問題を一般論として考えていかなければならぬ、そう考えております。
#82
○加瀬完君 今、いろいろ御考慮いただいているお話を承わりまして、厚くお礼申し上げますが、これは単に、千葉県の一、二の都市には限らないと思うのですよ。将来は、埼玉にいたしましても、茨城にいたしましても、あるいは大阪、名古屋、こういう近郊でも当然こういう問題は起ってくると思う、それは文部省は学校を建てると補助しますよ。たとえば柏市の光ケ丘のような場合には、立てかえ払いというのですか、建てます。しかし、起債なり将来の償還などは、全部市がしょうわけです。これはやはりできたものそのものが、たとえば、光ケ丘の場合なんかはどう考えても優秀な建築だとは思われないような建物を公団が建てる、公団は学校を建てる目的で建てるわけじゃないですから、どうしても公団の住宅そのものとは熱意が違うように感じられます。これをしょって、あとこれからやっていくのは市ですよ。ところが、そのものは負担能力が非常に低い、悪いことをいえば注文は多い。下水にしても道路にしても、一般市民と同じようなことをやっておったら、市長はつるし上げられてしまいますよ。それはやはり客観的問題として対策を立てていただかないと、首都圏のために、新市町村の建設計画が旧町村に対しては何にも行われないということになりますから、一つお考えを願います。
#83
○鈴木壽君 文部省の今村課長さんにお聞きしますが、自治庁の方からいただいた資料で、私お尋ねするのですが、これはあなたの方とどういう連絡のもとに出されたのかわかりませんので、これでお尋ねしていいかどうか、まず……。これ、よろしゅうございますか。
#84
○説明員(今村武俊君) はい。
#85
○鈴木壽君 それではこの資料でちょっとお尋ねしておきたいのですが、三十一年度の合併計画のうち、計画内容と、それから実施の内容と、こういうふうになっておりますが、「実施内容及び効果」という欄の学校統合数というこの五十六校というのは、統合された結果できた学校の数ですか。それとも五十六あったものが幾つかにまとめられたというのですか。そこら辺どうですか。
#86
○説明員(今村武俊君) 「実施内容及び効果」の欄に五十六校と書いてございますのは、統合後の学校の数でございます。
#87
○鈴木壽君 そうしますと、三十二年度の分についても同様とこう見ていいわけですね。
#88
○説明員(今村武俊君) 同様でございます。
#89
○鈴木壽君 これは何校を統合の結果五十六校になり、また三十二年度では百五十七校になったのか、これを一つ。
#90
○説明員(今村武俊君) 今その数字を持ち合せございませんが、記憶によりますと、その約二倍の学校数がそういう数字になっております。
#91
○鈴木壽君 はっきりした数字わかりませんか。実は、今私がお尋ねしました三十一年度と三十二年度の実施内容の欄のところの統合数五十六校、百五十七校と、こう二つのものと、その欄の一番下の実績というのがありますね。ここで小学校七十三校、学級数は一千四十学級、それから中学校百二十八校、一千八百十七学級が統合済みとなっておりますが、ここの校数と一番上の五十六、百五十七というこの校数との関係は、これはどうなりますか。
#92
○説明員(今村武俊君) 学校統合の計画に補助を出します場合に、その統合校舎の建築が二年または三年にわたって行われる場合がございます。それで、三十一年度と三十二年度の間に継続工事となって重複したものがあると思います。それで五十六校及び百五十七校という数字は、その年度補助を出した学校の数でございますが、実質的に何校になるかという問題になりますと、そのうちの重複分を除きますので、下に書いてあるような実績になっているのだと考えます。
#93
○鈴木壽君 考えるでは困る。はっきりした数字の問題ですから、これはやはりはっきりしていただかないと、私らは見るのにどっちをどう見ていいのか……。これは補助の問題でなしに、私は、これは実績と、それから学校の統合数とのこの数字は、いわゆる統合された結果できた学校の数でありますから、補助にはあまりこの欄のには関係しないものとして見るべきではないだろうか、こう思うのですが、たとえば実績の欄にしましても、小学校七十三校、一千四十学級統合済みでしょう、こういうことになっているのですから……。その間に補助があるからというようなことなんですか。
#94
○説明員(今村武俊君) 私の方で正確にわかるのは、三十一年度と三十二年度のこの五十六校と百五十七校という数字でございます。これは、当該年度に補助を出した学校数でございます。一番下に書いてございます実績というのは、これはここで初めて見た数字でございますが、おそらく重複があるから、その実際の学校数であろうと考えるわけでございます。
#95
○鈴木壽君 それでは自治庁の方に……。この実績はあなたの方でお調べになった実績と、こういう意味ですか。
#96
○説明員(吉浦淨眞君) この数字は、文部省の事務当局からお聞きいたしまして登載した数でございます。
#97
○鈴木壽君 そうすると、あなたの方の、自治庁の方の考え方では、見方では、一番上の学校統合数の校数と実績のところの欄の小、中学校の校数、学級数は、どういうふうにこれをごらんになっているのですか。
#98
○説明員(吉浦淨眞君) 今文部省の方からもお述べになりましたように、学校統合につきまして補助をつけて参りますのと、それから実際にその補助をつけましても、いろいろな工合で実施に至らない――財源確保の面から実施に至らないでおるものもございますので、私どもの方といたしましては、三十一年度以来、文部省の補助金等によりまして、実際に統合した数はどれくらいであるかということを聞き合せたわけでございますので、その間に、計画自体として現在建築が進行中のものもございますので、その間の開きが出ておるのだと考えております。
#99
○鈴木壽君 どうもお話がわからぬな、これは。
 それでは両方、文部省と自治庁で連絡して、よく打ち合せた上で、いわゆる学校統合数を、三十三年度はよろしゅうございますから、三十一年度と二年度におきますところの学校統合数五十六、それから三十二年度では百五十七校は、何校をこれだけの数にいわゆる統合をしたのか、それと、下の方の実績は補助等の関係なのか、あるいは補助を抜きにして、実際はこれだけができたのだ、こういうふうなものなのか。しかも、その内容として、何校を七十三校にまとめ、中学校の何校を百二十八校にまとめたのか、この点一つはっきりさしていただきたいと思います。
 それから文部省の方にお尋ねしますが、全体計画というのがありますが、小学校の統合一千七百八十一校を八百七十六校にする、それから中学校の方は二千三百四十四校を一千七十九校にする、学級数のことは今省略しますが、こういう全体計画を立てておられるようですが、これは、文部省としての小中学を含めたいわゆる学校統合としての現在実施中の計画と、こういうふうに見てよろしゅうございますか。
#100
○説明員(今村武俊君) この全体計画は、昨年度の五月一日現在で全国の各市町村について調査した数字でございます。この数字のうちの約半分は、市町村が自主的に決定しているもので、つまり市町村の教育委員会か市町村の議会においてすでに議決済みの学校統合計画の必要坪数というものでございます。残りの約半分は、市町村においてはまだ計画を立てておらないけれども、当該数校の学校を合併することが適当である、学校の規模の面から考えても、通学の距離の面から考えても、統合を進めることが適当であるので、県の教育委員会が、ここ数年の間に強力に市町村に勧告して統合させたいと思っているものという計画坪数まで含めた数字でございます。私どもが、目下学校統合計画を五カ年計画において基礎としておる数字が、この全体計画の数字でございます。
#101
○鈴木壽君 そうしますと、全体計画は、今の御答弁の最後の言葉にありますあなた方の方の文部省としての計画だということについては、これはその通りでございますね。
#102
○説明員(今村武俊君) その通りであります。
#103
○鈴木壽君 そうしてその内容とするところは、しかし実際は市町村等においていわば希望し、あるいは議会において議決されたもの、そういうものも含めたいわば希望というようなものが約半分くらい入っているのだ、こういうふうな御説明であったと思いますが、その通りでよろしゅうございますか。
#104
○説明員(今村武俊君) 半分は市町村で議決済みのもの、あと半分は県の教育委員会が今後勧告して市町村にやらせたいと欲している坪数、こういうことでございます。
#105
○鈴木壽君 そうしますと、この全体計画をあなた方文部省としても最終的な計画としてこれを実施していきたいというお話でございましたが、これについてのいわゆる実施について、年次計画というようなものはおありですか。
#106
○説明員(今村武俊君) 三十四年度を初年度とする公立文教学校五カ年計画を策定しております。それに基いて目下予算要求をいたしております。
#107
○鈴木壽君 三十四年度と三十五年度、そういうことでございますか。
#108
○説明員(今村武俊君) その通りでございます。
#109
○鈴木壽君 二カ年で、残されておるものをこなしていきたいと、こういうことなんですか。
#110
○説明員(今村武俊君) 先ほどの説明が悪かったと思いますが、三十四年度を初年度とする五カ年計画を立てておるということであります。
#111
○鈴木壽君 すると、大体三十四年度から五カ年計画と、こうなりますと、この計画からしますと、校数にして統合後の校数が一千九百五十五校、小、中学校合せてそういうふうになるようでございます。小学校八百七十六校と中学校一千七十九校ですから千九百五十五校になるようですが、これはすでに統合されたもの、それから三十三年度において今統合を実施中のものも入ってくると思うのですが、残りは的確にどの程度になりますか。いずれ五十六校、百五十七校、今年度計画の二百三十三校の計を差し引いたものが、今後残された実施計画の中に入ってくると思いますのですが、その残されたものを五年間でやるとする場合に、年次的に三十四年度、三十五年度というふうに五カ年の年次割の統合された結果の校数なんか、一応押えておりますか。私の申し上げたことの要点を申しますと、一千九百五十五校というものがある、すでに統合されたものがある、それを除いたこれからやる分について、三十四年度、三十五年度三十六年度というふうに年次割に、三十四年度では何校、三十五年度では何校というふうな、そういう計画であるかどうか、こういうことです。
#112
○説明員(今村武俊君) 私どもの方では、学校数を中心としないで、坪数を中心として考えておりますが、この千九百五十五校が必要とする統合後の学校の面積が、約八十万坪でございます。その八十万坪のうち、三十二年、三十三年で実施する坪数が十万坪でございまして、三十四年度以降五カ年間に整備を要するのが六十四万坪という計算になります。その六十四万坪の五分の一ずつ、つまり十二万九千坪ずつ毎年新増築していきたいという計画を立てております。
#113
○鈴木壽君 そうすると、坪数でいく……。これは補助の、何といいますか、対象を、単なる校数でなしに、建設される学校校舎の坪数でこうやっていくのでございましょうから、まあそれはそれとしてよろしゅうございますが、三十三年度では五万六千坪が対象になっておるようでございますね。
#114
○説明員(今村武俊君) そうでございます。
#115
○鈴木壽君 そうしますと、三十四年度の要求の坪数が、これはまあ予算確定後でなければはっきりしませんが、この要求の坪数が九万六千九百坪しかない、それで今のお話の十二万何がしという坪数からしますと、もう三十四年度の初っぱなにおいて、五カ年計画の第一年次において、すでに相当の開きがある、しかも要求においてですから、実際はあるいはもっと大きな開きが出てくるのじゃないかと思うのですが、その点どうでしょう。
#116
○説明員(今村武俊君) 五カ年計画を策定するに当りましては、従来の実績ということも考えまして、国庫負担の対象となる坪数と、それから単独事業として行われる坪数と、両方考えたわけでございますが、国庫負担の対象となる坪数を、その全体の七五%と考えましたので、十二万九千坪のうちの七五%は九万六千坪ということで予算要求いたしておるわけでございます。
#117
○鈴木壽君 それでは御説明でその間の様子はわかりました。そうすると、問題は、これから先のことでございますから、ちょっと今さらそれについてどうのこうのと言えないのですが、あなた方これは九万六千九百坪は確信ありますか、これがくずれると、第一年次から計画そのものの実施というものは変になりますよ。
#118
○説明員(今村武俊君) 確信があるかないかという御質問でございますが、大いに努力する所存でございます。
#119
○鈴木壽君 結局こういう計画の場合に、これは計画そのまままるまる百パーセントというふうなことは、実際の計画進行上からいっては、そうあり得ない場合があると思います。ただ、計画は全部で十二万九千、約十三万坪だ。そのうち七五%が国庫補助の対象であり、他は単独事業であるというような計画を立て、いざ実際予算のきまった際に、その七五%がはるかに下回るような額にかりに落ちつく。あとはお前たち単独でやれと、こういうようなことで計画の遂行がなされるような心配も私はあると思う。そこで、そういう単独でやれといっても、実際は、単独事業に対する起債というものはなかなかこれは簡単でないことはあなたも十分御承知だと思うので、そうすると私が心配するようなことが、もう計画の第一年度からくずれてくるというようなことになりはしないかと思うのですが、そういう点について、あなた方努力をすることはけっこうだし、もちろんやっていただかなければならないと思いますが、これは一応のある程度の見通しをはっきり立てて、よほどがんばらないと変なものになってしまうと思うのですが、この点あらためて一つ。
#120
○説明員(今村武俊君) 先生のおっしゃる点もまさにその通りでございまして、予算が要求通り認められることは少いのでございますけれども、さりとて、山かけて要求するということもできませんので、正確な計算のもとに最善の努力をいたしたいと考えております。
#121
○鈴木壽君 まあ私山かけろとか何とか――要求のいろいろテクニックはあると思いますが、そんなものがあるからといって、山かけろとか、うんとふっかけろとか、いろいろなことを申し上げるのじゃなくて、やはり計画ですから、その計画が実施できるように、最大の努力をすべきじゃないかということなんです。
 いま一つは、私は特にそういうことを申し上げて御努力願いたいのは、何でもかんでもこの予算が足りない、あの予算が足りないからうんとやれと、こういうことだけでなしに、特に学校統合の問題はあなた方の指導がよかったせいか、うんと希望があるのですよ。当初は予想しなかったようなこれは事態です。町村合併の当初には、だれも予想しておらなかった事態なんです。しかし、まあ従来からも全然ないわけじゃない。それこそあなたのおっしゃるような教育上の見地から統合の必要性があったりなんかいたしますけれども、いざ合併という問題が起ってからは、どこの町村でも、町村合併の際に学校の統廃合なんというものはタブーであったと思うのですよ。そんなことを持ち出したら、どこだって簡単に合併なんかできやしないという実情であったと思います。しかし、その後いろいろな指導なりあるいは必要性なりからして、町村では希望するものもたくさんふえてきたし、また、教育委員会等においてもぜひやはり教育上の見地から、あるいは場合によっては財政上の見地もあるでしょうが、いろいろな面でやらなければならないということになってきて、あなた方に申し出る希望というものは相当ふえている、この表によって見ましても。ところが、さて指導はされて、あるいはまたある点において踏み切ってやろうとしますけれども、実際は、どうも補助金がこない。私、せんだってあなたのおらないところで自治庁の方にも申し上げましたが、実情はそうなんです。あなた方の所にわれわれも頭を下げて願いに行かなければならないような事態もしばしばこれはあると思うので、そういうようなことになって、さあ計画は立てた、しかし、実際は統合がなかなか進まないということで、今非常に町村では困っている。それに今度からんで、いろいろなトラブルまでも起りかけているというような事情を私は見ておるものですから、そういう点から、一つ教育上の見地あるいはその他の見地から必要であり、どうしてもやらなきゃいけないという統合の一つの方針であるならば、やはりそれをほぼ完全に近いような形で遂行させるということが、事教育の問題であり、学校の問題であるがゆえに、私は特に必要な問題であろうと、こういうように今申し上げ、また御意見を聞いているわけなんですが、ここで一つ十分考えて、計画の遂行をりっぱにやっていただくようにお願いしておきたいと思います。
 最後に、質問じゃございません、さっき言った数字的なことは、これはあとでよろしゅうございますから、あとの機会に出していただきたいと思います。
#122
○松澤兼人君 まことに、いろはから先に質問するわけなんですが、地方財政計画の中において、職員の給与という点はどういう種類のものを計上されていられるのですか。その点から一つ。
#123
○政府委員(藤井貞夫君) 一般職員とそれから警察職員、教育職員、その中で一般職員等につきましては、府県の一般職員と市町村の職員、こういうふうに区分けをして、財政計画に盛り込んでおる次第でございます。
#124
○松澤兼人君 その府県職員でもいいし、市町村職員でもいいのですけれども、それでは、給与の項目と申しますか、給与及び諸手当、これはもちろん公務員法の中に書いてあるのですが、これをどの程度まで見ておられるかという問題です。
#125
○政府委員(藤井貞夫君) 給与の種類につきましては、自治法の二百四条の一項、二項に規定をいたしておるのでありまして、すなわち二百四条の一項では「給料及び旅費」、それから二項に参りまして、「扶養手当、通勤手当、特殊勤務手当、時間外勤務手当、宿日直手当、夜間勤務手当、休日勤務手当、管理職手当、期末手当、勤勉手当、寒冷地手当、石炭手当、薪炭手当、産業教育手当」、「退職手当」、これらの種類について、それぞれ財政計画に盛り込んでいると承知いたしております。
#126
○松澤兼人君 そうしますと、もし条例で、この中の一部を支給しないという条例をこしらえたとすれば、財政計画の中では落ちるわけですか。それとも全般的な問題として、こういうものは当然計上してあるものですか。その点は。
#127
○政府委員(藤井貞夫君) 具体的な当該市町村においてどういう条例を作るかとは関係なく、財政計画においては、全体をにらみ合せまして、制度として確立しておるものについては、全部これを組み入れておる次第でございます。
#128
○松澤兼人君 そうしますと、ある市町村におきまして、これらの手当のうちのあるものを条例で制定していないという所へは、実際問題として、職員費といいますか、そういうものは流れているのですか、いないのですか。たとえば、この中の時間外勤務手当というものを条例として定めていない場合には、財政計画の中から流れていっているのですか、いっていないのですか。
#129
○政府委員(藤井貞夫君) 当該団体においてそういう条例を制定しておりませんでも、財政計画自体としては流しております。
#130
○松澤兼人君 そうしますと、条例でそういう手当を支給しないということになっている場合には、その分が余分に流れていくということになるのですか。
#131
○政府委員(藤井貞夫君) これは、財政計画自体は、一般の地方の財政の規模についての推定でございまして、この通りに個々の具体的な市町村の人件費等がそのままに算定をされておるのではございません。ただ一つのめどとしてやっておる次第でございますが、ただ財政計画上といたしましては、そういうような必要経費というものは、全部これを支弁し得る一応の態勢として、これを流しておる次第でございます。
#132
○松澤兼人君 今の財政計画は下から積み上げていったのではないと思います。そうしますと、特別の手当を支給すると条例できめている場合もあるだろうし、それからきめていない場合もある。しかし、財政計画としてはそれを見ているわけですね、単価掛ける何人分といったような計算で。それが、実際の町村においては、条例がないから支給できない。しかし、計算上はそこへいっているはずだということになるのじゃないですか。
#133
○政府委員(藤井貞夫君) 実際問題はそういうことになるわけであります。
#134
○松澤兼人君 具体的な例をとりますと、扶養家族手当を支給するということになっている。しかし、条例では妻六百円、第一子六百円、第二子が四百円、第三子以下は扶養家族手当を支給しない、そういう条例を作っている所があるとすれば、これは一体どういうことになるのですか。
#135
○政府委員(藤井貞夫君) この点は、財政計画の問題と個々の市町村における条例の内容の差異、食い違いの問題になると思うのでありますが、一応建前といたしましては、御承知のように給料、手当等につきましては、その中の給料、旅費についてはこれは必要的な経費として義務的な支出になっておりまして、法律においても、「給料及び旅費を支給しなければならない。」ということになっております。それに対しまして、扶養手当以下の諸手当等につきましては、一応法律の建前といたしましては、いわゆる任意支給、任意支出ということになっておりまして、法律上の表現も、これらの「手当を支給することができる。」ということに相なっているのであります。従いまして、扶養手当等についてこれを支給しない、条例を作らないということも、一応形式的、法律的には二百四条自体からは別に違法ではないということに相なるわけでございますけれども、一面、地方公務員法の二十四条に、給与に関する規定を置いておりまして、この第三項に、「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない」と、そういう規定を置いておりますので、大体われわれの指導方針といたしましては、国の制度改正等が行われる場合には、それに準じて市町村においても措置せらるべきであるということでやってきております。また、事実やろうと思えば可能なような、いわゆる財政の裏づけをするということが必要でございますので、財政計画も、制度改正の行われるつど、それを組み込んでいるわけでございます。
#136
○松澤兼人君 そうしますと、やはり扶養家族手当の場合でも、国に準じて計算しているわけであって、妻が六百円、第一子六百円、あとは四百円、制限なく条例ができるということが妥当であって、それを途中で打ち切っているということは、国の給与に準ずるという点からいえば、おもしろくないという結果になりますか。
#137
○政府委員(藤井貞夫君) 建前としては妥当でないというふうに考えております。
#138
○松澤兼人君 それから地方公務員法の二十五条の二項にあるわけですが、「給与に関する条例には、左の事項を規定するものとする。」「一 給料表」、「二 昇給の基準に関する事項」、それから「三 時間外勤務、夜間勤務」というふうになっているようですが、給与に関する条例というものは、必ずこれを含まなければならぬというのです。そうすると、昇給の基準というものは必ず含まれなければならない。かつまた時間外勤務ということについては、夜間勤務も同様でありますけれども、時間外勤務した場合には、どういう命令か、とにかく時間外勤務というものを命ぜられたものに対しては、その勤務の報酬として、当然時間外手当、勤務手当というものが支払われなければならないし、また、支払うように条例を規定しなければならないと思うのですが、その通りですか。
#139
○政府委員(藤井貞夫君) この二十五条の第二項に掲げておりますのは、給与に関する条例についてのいわゆる必要的記載事項を列挙いたしておるのでありますが、この中には、必ず全部が全部規定しなければ給与条例の体裁をなさないというふうに規定をいたしておるわけではないと思います。というのは、たとえば四号をごらんいただきますと、ここには特別地域勤務、それから危険作業等と書いてございますが、これらの危険作業等におきましては、市町村の職員の勤務実態から申しまして、こういう業態に当らないものも中にはあるわけでございます。全部が全部こういうものを包含しておるわけではございませんので、その必要のない所では、これは規定する要はないというふうに考えるのでございますが、しかし、時間内勤務等のことは、これは当然給与ということがある限り、また地方公務員につきましては、労働基準法というものが一般的には原則的に適用されておりまする関係から申しまして、当然規定を置いていくべきであると思います。
#140
○松澤兼人君 そうしますと、第二項の四号という場合は、必ずしも全市町村の職員に適用があるとも思われないけれども、しかし第一号、二号、三号というものは、当然これは条例の中に規定されなければならないと、こういうふうに解釈してよろしいのですか。
#141
○政府委員(藤井貞夫君) 給与条例には少くとも、一、二、三号あたりは、これは必要的な記載事項であると考えております。
#142
○松澤兼人君 もしかりに、条例で時間外勤務というような規定があり、かつまた実際上時間外勤務をやらせているという場合に、時間外勤務の手当を支給しないという場合は、これは法律的には違反しているということになるのですか、条例に違反しているのですか。
#143
○政府委員(藤井貞夫君) これは形式的には条例に違反することになると思います。ただ、御承知のように時間外勤務手当等につきましては、もちろん法律上の建前は時間外勤務の事実があり、そういう命令を発した限りは、全部これは義務として支出をしなければならぬのがあくまで建前でございます。ただ財政事情その他がございまして、国の予算等においてもそうでございまするし、県等の予算におきましても大体俸給の何パーセントという押え方をいたしまして、おのずからそのワク内において操作をするという仕組みになっておりますことほ、これは事実上の問題としてございます。しかし、あくまで時間外勤務の事実があり、また命令も出しておるというのに、全然予算もない、また全然時間外勤務の支給もやらないということになりますれば、これは条例に対しまして反する行為であるということは、これははっきり言えることだと思います。
#144
○松澤兼人君 そうしますと、条例に規定されてあり、当然一カ年間に幾らかの時間外勤務というものはあり得るということであれば、予算の当初にこれを計上するということが本旨であるというふうに解釈してよろしいですか。
#145
○政府委員(藤井貞夫君) 普通の場合は、県の場合においてはもちろんこれは超過勤務手当の費目として、当初予算に計上いたしております。市町村につきましても、大部分の所ではそういう計上の仕方をいたしておると思います。
#146
○松澤兼人君 もう一つ伺うのですが、昇給の基準あるいは昇給の率というものは、当然条例で規定されていなければならない、こういうふうにとっていいのですか。
#147
○政府委員(藤井貞夫君) 率ということではございませんで、おのおの給与条例には俸給表というものが規定をせられまして、その俸給表自体には、何号俸から何号俸に上るには昇給年月がどのくらい要るかということを書いてございまして、そういう表によって昇給に関する事項というものも規定をいたしまするのが一般的な慣行でございます。
#148
○松澤兼人君 そうすれば、一年間に当然常態ならば昇給し得るという人数、それから昇給金額もわかるわけですね、昇給期間がわかっているわけですから。そういうものは、当然当初予算に計上しておかなければいけないわけですね。
#149
○政府委員(藤井貞夫君) 年度間の新陳代謝の考慮等もございますが、大体の府県あるいは大きい市等におきましては、年間を見越しましても、なおそれぞれ減員減給主義をとるにいたしましても、それに対して何パーセントかの昇給原資というものが予算化いたしておるのが普通例でございます。
#150
○松澤兼人君 自治庁として実際に地方団体に対する指導は、そういうふうに指導しておられるのですか。
#151
○政府委員(藤井貞夫君) さようでございます。
#152
○松澤兼人君 もしもそれを実際に行なっていないという場合には、自治庁としてはどうなさるのですか。
#153
○政府委員(藤井貞夫君) その点については、はっきりとわかったものにつきましては、是正措置を、事実上勧告その他の方法でやって参っておるのでありますが、まあ県あたりにおいては、ほとんど問題はないと思いますが、市町村、特に小規模の町村あたりにおきましては、そういう事例も中にはあるのではないかというふうに考えております。また、事実そういう所もあるということを、われわれも承知をいたしておるのであります。ただ、その点につきましては、現在、先般も申し上げておるのでありますが、本年の七月一日現在をもって、地方公務員全般につきまして、全国的な悉皆調査を現在実施をいたしております。その結果でもってそういう実態がはっきりと把握できると思うのでありまして、その実態を把握いたしました上で、必要なる措置というものを具体的に講じていきたいと考えておる次第でございます。
#154
○松澤兼人君 その地方公務員の給与実態調査というものの結果は、いつわかるのですか。
#155
○政府委員(藤井貞夫君) 大体年内に何とか要点だけはまとめたいと思っておりますが、何分にも全国的な悉皆調査のことでもございまするので、今のところ、督促はいたしておりますが、確たる期日は判明いたしておりません。
#156
○松澤兼人君 自治庁の方針は大体わかるわけですが、県の地方課などにおきましても、自治庁ともちろん同じ指導の方針をとっているものと考えていいのですか。
#157
○政府委員(藤井貞夫君) さようでございます。
#158
○松澤兼人君 今までの町村給与というものは、非常にまあ封建的であったし、それに非常に個人的であるので、町村長が手づかみでやると、お前まあこのぐらいでしんぼうしておけといったようなことであったのが実態だと思うのですけれども、まあ昨年からの給与改定によりまして、一つの新しい給与体系ができたように思うのです。そこで、この給与体系というものは、言ってみますならば、県の地方課あたりの非常に熱心な協力がありまして、中にはまあモデル条例を作って、どっちかというと、押しつけたという格好もないではありませんけれども、町村ほとんどすべてがその基準によって条例ができた、これが一つの私は地方公務員に対する、特に町村職員に対する給与の新しい出発だと思うのです。これがもしくずれてしまうということになれば、昔と同じことになってしまいまして、昇給期間、昇給金額というものがわかっていても、結局いつまでたっても上らないというような結果になりはしないかと思うのです。これを、まあ励行といいますか、これを守っていくためには、自治庁あるいは都道府県それぞれの段階において、非常な決意が必要だと思うのです。その点、どんな方針を持っていらっしゃるか。
#159
○政府委員(藤井貞夫君) お述べになりましたように、全部が全部の町村ではございませんですが、町村の中には、確かにいわゆる給与政策と申しまするか、給与の運営方式自体というものが、非常に後進的なものが残っておるということは事実であったのであります。で、われわれといたしましても、何とかやはり給与制度自体というものは、公務員法に規定をいたしまするような体制にできるだけ持っていきたいということで、鋭意努力してきたつもりでございます。特に昨年の給与改定の場合におきましては、従来の制度が変りまして、これに切りかえるときで、非常に時期的にも絶好の機会であるというふうにわれわれとしては認識をいたしたのであります。特に県当局、なかんずく地方課というものを督促をいたしまして、全町村にわたって法律の趣旨にのっとった給与改定が行われるようにと、また、給与体系自体もそれに順じた措置がとれるように、強力に指導したつもりでございます。大体においてそう完全とまでは参りますまいと思いますが、ある程度軌道に乗ってきたというふうに、われわれとしても認めておるのでありますが、今度の給与実態調査で、そういうような点もはっきりと認識ができるのではないかと考えております。今度といえども私たちといたしましては、公務員法の規定に基きまするそういう方向に向って、町村職員の給与政策、また給与の運営方式なりというものが、前時代的なものから脱却をして、新しい方式でもって運営をされるように、軌道に乗せるように、今後とも努力して参る所存でございます。
#160
○松澤兼人君 そういう御意思は大へんけっこうなんですが、そこで、先ほど申しましたように、その条例ができた後におきましても、扶養家族手当が三人で打ち切りだとか、あるいはもう六百円、その次はあとみんな四百円といったようなことで、五人で打ち切りといったようなことも現在行われているわけなんです。それから、あるいは初任給がはっきりしないで、非常に安い給料で、たとえば連絡員だとかいうようなことで、四千五百円くらいで高校卒業者を使っておるという場合もある。それから先ほど申しましたように、時間外勤務手当というものの原資を、当初予算に組んでおらない、あるいは昇給原資も当初予算に組んでない、そういうことが実際に行われているわけなんですよ。形だけはきれいになったのですけれども、しかし、その形といっても、裏を突っついてみますというと、扶養家族手当が六・六・四で打ち切られておるというような実情もありまして、くずされていく傾向というものは非常に多いのですね。そうしてまた、くずしていこうという力というものが非常に強いのです。そういう中にありまして、とにかく新しい給与体系というものができて、これを守っていこうという人もありし、あるいはまあ議会方面から非常に強い意見が出てくればくずれていっても仕方がない、こういうふうに思う人もある。この問題は非常に私は重要な問題だと思うので、一つ一つはささいな問題でありましても、一つがくずれてくれば全体がくずれる危険性というものは非常に大きいのですから、何とかしてこれをくずさないように、しかも、現在この自治庁が考えられるような線まで行ってない、今申しましたようなことは、早くその線まで上げておかないと、同じ町村で、隣接している所で、片方は無制限に扶養家族手当を公務員と同じように出している。片方は六・六・四というところで打ち切ってしまっている、そうすると、こちらの国家公務員と同じように扶養家族手当を出している所は、隣はもう六・六・四で切ってあるじゃないか、うちもそうしたらどうかということを、町村長に圧力をかけるということが、決してないわけじゃないのです。そういうレベルの低いものが、せっかくでき上った体系をくずしていくということの危険が非常に多いわけなんですが、これを何とかして現在平均的と考えられるような水準まで上げていくことが必要だと思うのですけれども、それについてはどうですか。
#161
○政府委員(藤井貞夫君) 率直に申しまして、去年の給与改定を機といたしまして、町村の給与制度というものもある程度確立の方向に向ってきておると思うのでありますが、しかしながら、一たん確立しかけたものをまたもとへ戻していくというようなことになりましては、これは好ましくないことは当然でございますし、なお、現在の町村職員の給与自体が、全体のレベル自体が、私は国家公務員なり都道府県職員に比べますと、これは低位にあるということは事実だろうと思います。いろいろ沿革的な、歴史的な事実があるにいたしましても、やはり今日の段階におきましては、町村職員といえども勤務態様というものは、府県の職員なり、国家公務員というものとそう違わないということに相なってきておるのであります。それが町村職員なるがゆえに非常に低位に甘んじなければならないというようなことは、これはやはり考えなければならぬ事柄でありまして、われわれといたしましては、これを契機といたしまして、ますます給与制度というものが確立されて、りっぱに運営されて参るように、この上とも一つ努力をしていきたい所存でございます。
#162
○松澤兼人君 ちょうど局長の方からそういうお話があったわけですが、国家公務員に比べればどうしても低いと、これを何とかして底上げをしていかなければならないということは、町村職員共通の要望であろうと思うのです。なぜ低いかということになりますと、それはいろいろ事情があります。しかし、現実に低いことは、これはまあ行政措置なり、あるいはまたは指導なりで上げていかなければならないと思うのですが、これを上げるという方法なんですが、どういう方法で法律で規定するのか、あるいはまたは、少くとも地方公務員に対する初任給は幾らでなければならないといったようなことを、別に地方公務員法なりあるいは他の法律において規定することが正しいのか、あるいはまたは、先ほど申しましたような、いろいろその給与手当の面で問題となっているところがあるわけですから、そういうことを法律で規定するのがいいのか、あるいは法律で規定するまでいかなくても、自治庁の指導で何とか底上げをしていくことができるのか、この点についてどう考えられたか。
#163
○政府委員(藤井貞夫君) 私は率直に申して、公共団体の職員の給与というものは、当該公共団体において条例で自主的に決定していくということが法律上の建前になっておりまするし、またそのあり方というものも正しいあり方ではないかと思うのであります。ただ、条例自体の中に盛り込みまする内容というものは、これはあくまで国家公務員法の精神にのっとって、他の公共団体なり、国の公務員と均衡を保っていくということが基本原則でございます。この場合に、法律でもって何か初任給というものはこれでなければならぬというような規定をいたすやり方というものも一つございましょうが、私たちといたしましては、一般のやはり基本原則は、国家公務員なり他の地方公務員というものの均衡を考慮して、適切にきめていくということを基本としながら、あとはやはり漸次行政的指導をもちまして、これを向上せしめていく、そういう努力をやって参るということが筋ではないかと、私はそう考えております。
#164
○松澤兼人君 今度、国家職員につきましては、年末手当増額があるわけですが、これは当然地方職員に対してもこの増額はしなきゃならぬし、それは財政計画の中に追加せられて支給せられることになると思うのですが、それははっきりそうなさるお考えなんですか。
#165
○政府委員(藤井貞夫君) 今度の年末手当の増額措置が法律でもって確定をいたしまするならば、地方公務員につきましても、当然右へならった措置を講ずるように、直ちに通牒を発したい、かように考えておる次第であります。
#166
○松澤兼人君 通牒だけじゃなくて、財源措置をなさる。もちろんそうでしょうね。
#167
○政府委員(藤井貞夫君) 現在の建前では、財政計画自体を、この期末手当の増額に関連いたしまして、全般的にもう一ぺん変更するということは、実は考えておらないのであります。国の場合におきましても、全般の経費の節減その他によって捻出をするということに相なっております。地方の場合は、そういう捻出の余地なんかというものがあるものかというような議論もあるかと思いますが、全般といたしまして、額についても、それほど大きな額でもございません。従って、既定経費のやり繰りによってこれを捻出するという建前でいくことに、現在のところはなっておるのであります。
#168
○松澤兼人君 そういうことになれば、増額分が支給されないということも当然考えられるわけです。それはかまわないのですか。
#169
○政府委員(藤井貞夫君) 計画変更のことは、今申し上げましたように、今のところは考えておらないのでありますが、しかし法律でもって〇・一なら〇・一の期末手当の増額というものの方針が打ち出されまするならば、この方針に従って、やはり地方公共団体も右にならってやってくれということは、これは強力に指導したいと考えております。
#170
○松澤兼人君 それは指導だけで果してできるかどうか。これまででも、年末手当の増額分というものを地方財政計画に追加して交付金の形において、特別交付金ですか、めんどうを見ておったときですらも、府県段階で支給されなかったという所があったのですね。それをただ一片の通牒だけで、末端までいって増額分を支給できるということは、ちょっと私、考えられないのですけれども、もう少し親切があるならば、通牒を出す場合に、これこれ財源は見ていくから、国家職員並みに地方職員に対しても年末手当の増額分は支給しなさいと、こういうことであるならば、それは町村長といえども支給するでしょうけれども、財源は何にもめんどうを見るわけにはいかないけれども、既定経費の中でその分だけは出しなさいということだったら、これは実施が、私は非常に困難じゃないかと思うのです。
#171
○政府委員(藤井貞夫君) 過去においてかなり目立った増額措置が講ぜられましたような場合におきましては、財政計画の改定をやりますると同時に、財政措置も講ずるというようなことをやった事例が、むしろ一般的であったのじゃないかと思います。その場合におきましても、なお府県段階等におきましても、その所期通りの措置が講ぜられなかった、あるいは時期的に非常にずれてそれが達成をせられたというようなこともあったのであります。ただ、今のところ、地方財政現況というものが、もちろん、まだまだ満足すべき状況ではございませんですが、一時と比べると、ある程度緩和されて参ったと申しまするか、ほっと一息というような段階に来ておることは事実のように見受けられるのでありまして、私たちといたしましては、目下のところは、そういう措置によりましてこれを指導することによって、十分に期末手当の増額についても、それぞれの府県、市町村について措置ができるものと確信をいたしておる次第でございます。
#172
○松澤兼人君 まあ二十九年、三十年のころに比べれば、ほっと一息ですけれども、末端の町村などにいきますと、まだまだ火の車ですよ。それで、事、給与の問題に関しましては、町村長が、たとい上の方から、国家職員に対してはこういうふうに変ったのだから、町村職員に対しても余分の年末手当を出さなければならぬ、そういうふうに県の地方課から言ってきた、こう言っても、なかなか町村議会の議員の方々の同意を得ることは困難で、放っておいたら、そのままになってしまいますよ。これはどうしたって財源のめんどうを見てやらなければ私は困難だと思う。先ほどおっしゃるように、せっかく給与の新しい体系というものができて、これが出発点でなければならないというふうに考えておる今日、そうでなくても、こういうところから、やってもいいのだ、やらなくてもいいのだ、ただ強い勧奨だけするのだということであれば、私は非常に困難だと思うのです。これは、しかし財政当局との関係もありますし、行政局長だけに質問してみても始まらないことなんで、いずれ、まあ愛知長官ですか、自治庁長官にもお尋ねして、この財政的な措置を講ずることを強く要望しなければなりませんし、これに関連して質問もいたしたいと、こう考えております。この点、委員長、御了承願えますか。
#173
○委員長(田中啓一君) 委員長は、本日冒頭において、当委員会の議事日程を当委員会として定めましたので、その通りにいたしたいと思います。
#174
○松澤兼人君 私は冒頭におりませんでしたけれども、愛知国務大臣が出席されるということがその中に含まれておるのか。
#175
○委員長(田中啓一君) むろん、必要でありますれば、大臣の出席を要求したいと思いますが、本日定めましたことを繰り返しますと、もし質問が残っておりますれば、若干の質問を次回にしていただきまして、請願審査、討論採決ということにいたしたいということで、本日かように委員会できまりましたので、その通りに進行したいと思います。
#176
○松澤兼人君 これは私の方の理事も出席して取りきめになったのですか。
#177
○委員長(田中啓一君) もちろんそうです。
#178
○松澤兼人君 討論採決の場合には、大体、国務大臣が出て来られることになるわけでしょう。
#179
○委員長(田中啓一君) そうです。
#180
○松澤兼人君 その以前に、期末手当の問題について、行政と財政の上の問題、政策の問題として、国務大臣に御質問いたしたい、その希望を一つ御考慮願いたい。
#181
○委員長(田中啓一君) 了承いたしました。
 それでは、本日はこの程度にいたしまして、次回は十一月四日、火曜日午前十時より開会をいたします。
 これで散会いたします。
   午後四時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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