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1958/10/21 第30回国会 参議院 参議院会議録情報 第030回国会 建設委員会 第5号
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1958/10/21 第30回国会 参議院

参議院会議録情報 第030回国会 建設委員会 第5号

#1
第030回国会 建設委員会 第5号
昭和三十三年十月二十一日(火曜日)
   午前十一時二十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十月十六日委員本多市郎君及び館哲二
君辞任につき、その補欠として西田信
一君及び山本利壽君を議長において指
名した。
十月十七日委員松野孝一君及び山本利
壽君辞任につき、その補欠として小西
英雄君及び佐藤清一郎君を議長におい
て指名した。
本日委員小西英雄君及び佐藤清一郎君
辞任につき、その補欠として松野孝一
君及び山本利壽君を議長において指名
した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     早川 愼一君
   理事
           稲浦 鹿藏君
           岩沢 忠恭君
           武藤 常介君
           田中  一君
   委員
           上林 忠次君
           西田 信一君
           松野 孝一君
           山本 利壽君
           内村 清次君
           戸叶  武君
           村上 義一君
  政府委員
   首都圏整備委員
   会事務局長   樺山 俊夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会開会の件
○公聴会開会に関する件
○首都圏の既成市街地における工業等
 の制限に関する法律案(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(早川愼一君) ただいまより建設委員会を開会いたします。
 まず本日の委員会の理事打合会における御報告をいたします。
 委員会の運営につきまして協議いたしました結果、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律案につきましては、公聴会を開会することにします。
 また公共用水城の水質の保全に関する法律案、工場排水等の規制に関する法律案につきましては、商工委員会に連合審査会を申し入れることに決定いたしました。御異議ございませんか。
#3
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認めます。なお、本日の委員会におきましては、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律案について逐条説明を聴取することにいたしました。
 以上御報告いたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(早川愼一君) 次に公聴会開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律案は、一般的関心及び目的を有する重要案件でありますので、地域関係者及び学識経験者等から意見を聞いて、審査の参考に資するため、公聴会を開きたいと存じますが、御異議ございませんか。
#5
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認めます。ただいまきまりました公聴会の日時、問題並びに公述人の数及び選定その他の手続等は委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
#6
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認め、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律案について、公聴会開会承認要求書を議長に提出することにいたします。
  ―――――――――――――
#7
○委員長(早川愼一君) それではこれより本日の議事に入ります。
 まず首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律案を議題といたします。
 本法律案につきましては、前回の委員会で提案理由の説明を聴取いたしましたので、本日は事務局長から逐条説明を聴取いたしたいと思います。
#8
○政府委員(樺山俊夫君) 首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律案につきまして、逐条の御説明を申し上げます。
 第一条は目的を規定しておりますが、すでに提案理由説明の際申し上げた通りでありますので説明を省略させていただきます。
 第二条は、以下の条文に出て参ります「既成市街地」、「作業場」、「教室」、「制限施設」、「基準面積」及び「学校」の定義をいたしたものであります。
 第一項は、既成市街地の定義でありますが、これは首都圏整備法第二条第三項の既成市街地の概念と同じものといたしております。すなわち首都圏整備法第二条第三項におきましては、既成市街地とは「東京都及びこれと連接する枢要な都市を含む区域のうち、政令で定める市街地の区域」と定められております。この規定によりまして東京都におきましては、特別都市計画法第三条の規定により緑地地域として指定された区域を除いた二十三区の全域、武蔵野市及び三鷹市についてはその大部分の区域を、横浜市、川崎市及び川口市におきましてはその相当部分の区域を既成市街地と定めております。
 第二項の「作業場」とは、物の加工業を含み、政令で定める業種に属するものを除いた製造業の用に供する工場の作業場をいうことといたしております。政令で除外する業種としては、新聞業、出版業、市乳製造業、製氷業、生コンクリート製造業等を予定しておりまして、住民の生活上、製品の性質上等により明らかに制限区域内に立地せざるを得ない業種にのみ限定していく考えであります。
 第三項の「教室」とは、学校教育法第一条に既定する大学のうち、政令で定める大学を除いたもの及び同法第八十三条第一項に規定する各種学校のうち、政令で定める各種学校を除いたものの教室をいうことといたしております。
 大学または各種学校のうち主として制限区域内の住民を対象としているような施設、たとえば勤労者を対象とする夜間学校は政令で除外していきたいと考えております。また、「教室」とは、いわゆる講義室をいうのでありまして、実習室、実験室等は除外しております。
 第四項の「制限施設」とは、作業場または教室で、一の団地内にあるものの床面積の合計が次に御説明申し上げます基準面積以上のものをいうことといたしております。
 第五項の「基準面積」とは、作業場につきましては、工場の種類に従って千六百平方メートル(約五百坪)以上で政令で定める面積とし、大学の教室につきましては二千平方メートル(約六百坪)、各種学校の教室につきましては千平方メートル(約三百坪)と規定したものであります。
 作業場につきましては、中小企業に与える影響を考慮いたしまして、作業場床面積千六百平方メートル(約五百坪)を最低基準とし、従業者百人程度以上の規模の工場を目安として、業種別に政令で基準面積を定めることといたしたのであります。
 また、大学及び各種学校につきましては、小規模のものは主として制限区域内の住民の子弟を対象としたものでありますので、おおむね学生または生徒数が千人程度のものを制限の対象といたしまして基準面積を定めたものであります。
 第三条は、工業等制限区域を規定いたしております。即ち、前条で説明申し上げました既成市街地のうち、特に人口や産業の集中のはなはだしい東京都の特別区、武蔵野市及び三鷹市の区域を工業等制限区域といたしたのであります。
 また、東京都の特別区に属する海面埋立地のうち、工業用地として埋立てられた区域については、政令で制限区域から除外いたしたいと考えております。
 第四条は、要許可行為となる「制限施設の新設」の内容を明確にするとともに、制限区域内においては、制限施設の新設を原則として禁止し、ただ例外的に東京都知事の許可を受けた場合にのみ新設し得る旨を規定したのであります。
 制限施設の新設の内容としては、次の三つの場合に分けて考えております。すなわち、
 第一に、制限施設の新設としては、さら地にその作業場または教室が基準面積以上の工場または学校を新築する場合であり、本条第一項で「制限施設の新設」といっているのは、この場合をさしているものであります。
 第二に、制限施設以外の施設、たとえば倉庫、事務所等の用途を変更したり、何らの用途に供されていない施設を利用して、基準面積以上の作業または教室に使用しようとする場合も、制限施設の新設とみなすものであります。
 第二項第一号で規定しておりますのは、このことをさしておるのであります。ただこの場合、以前に制限施設であったことがある施設については、それが現在他の用途に使用されていても、それを再び制限施設として使用することは、許可を要しないことといたしました。これは、製造業につきましては、経済情勢の変動により、工場を長期間閉鎖し、又はこれを一時他の用途に転用した後、工場を再開するような事例も多く見られ、この場合一々工場の再開のたびごとに、許可にかからしめる必要がないと考えたからであります。
 「制限施設の新設」の第三の場合といたしましては、最初に規模の小さな作業場または教室を作り、その後同一の団地内において逐次増設する場合、すなわち、作業場や教室を新築したり、増築したり、または作業場や教室以外の施設の用途を変更したり、あるいは遊休施設を工場や学校に利用することによって、作業場や教室の全体の床面積が基準面積以上のものになる場合も、制限施設の新設とみなすことにいたしたのであります。
 第二号の規定は、この第三の場合を規定したものであります。
 第五条は、第四条第一項ただし書の許可を受けて、制限施設を新設した者は、その後に行う増設については制限を受けないこととした規定であります。
 知事が制限施設の新設の許可をいたします場合には、あとで御説明いたします許可の基準に従って、真にやむを得ないもののみを許可することといたしておりますので、一度許可を受けた事業については、それが、その後の情勢の変化に応じて増設せざるを得なくなる場合であっても、再度の許可手続を省略することといたしたのであります。
 第六条の規定は、一の地域が制限区域となった際等における経過措置であります。すなわち、この法律施行前からある既存の工場または学校や、工事中の工場または学校についてあるいは今後制限区域が拡張される場合に、既存の権益を保護する必要がありますので、本則に、かかる措置を規定したものであります。
 第一項の規定は、一の地域が制限区域となった際、現にその区域内において施行されている工事にかかる制限施設については、許可を要しないこととしたものであります。制限区域となる前から遂行されていた工事につきましては、他の立法例にもならないこれを救済することといたしたのであります。
 第二項の規定は、一の地域が制限区域となった際、現に存した作業場または教室についての経過規定でありまして、既存の施設について制限を緩和しております。すなわち、第一に、作業場または教室について、その業種を変更することによって制限施設に該当することとなった場合は、許可を要しないこととしたものであります。また、これらの作業場または教室の用途を廃止した後、これを、そのまま制限施設に該当する作業または教室に利用いたします場合にも、同様な取扱いをいたすこととしたものであります。
 第二に、一の地域が制限区域となった際における既存の作業場または教室を拡張して、同一団地内においてその床面積を増加させます場合には、もとからの作業場または教室の床面積は除外し、新規に増加させる部分のみが基準面積に達するまでは制限しないことといたしているのであります。これは第四条第二項の規定の特例であります。
 第三項の規定は、一の地域が制限区域になった際、現に工事中の作業場または教室につきましても、既存の作業場または教室と同様に、第二項の規定について述べましたような制限緩和の取扱いをしたものであります。また、一の地域が制限区域となった際何らの用途に供されていない施設であって、以前に製造業または学校の用に供されていたもの、たとえば、あき工場等につきましても同様の取扱いをしたものであります。
 第四項の規定は、一の地域が制限区域となった際、現にその区域内において作業場または教室を製造業または学校の用に供していた者の事業経営に与える影響を十分勘案いたしまして、その地域が制限区域となった日から起算して六ヵ月以内に知事に届け出た場合は、その団地内におけるその後の増設を制限しないことといたしたのであります。
 第五項の規定は、一の地域が制限区域となった際、作業場または教室について工事施行中のものにつきまして、前項と同様に取り扱ったものであります。
 第六項の規定は、政令の改正により制限施設の範囲が変った場合の経過措置であります。
 政令の改正により制限施設の範囲が変る場合として、第二条第二項及び第三項の規定に基く政令が改正されて今まで制限施設でなかった工場、学校が制限施設となる場合、並びに第二条第五項の規定による作業場の基準面積を定める政令が改正された場合が考えられます。
 かような場合には、前五項の規定に準じて必要なる経過措置を政令で定め、既存権益を保護することとしたのであります。
 第七条は、許可の申請手続についての規定であります。
 申請書に記載すべき事項を、第一項において規定いたしますとともに、制限施設にかかる敷地及び建築物の配置図、その他許可の基準に該当するかいなかを判断できるような資料を、政令で定めて添付すべきものといたしたのであります。
 第八条は許可の基準を定めております。すなわち、知事は、第四条第一項ただし書の許可の申請があったときは、次の各号の一に該当する場合でなければ許可をしてはならないこととしているのであります。
 第一号は、当該制限施設の新設が制限区域内における人口の増大をもたらすこととならないと認められるときであります。これはこの法律の目的から見て当然であり、たとえばすでに基準面積以上の作業場を設置していた者が、これを取りこわして他の場所に移転するような場合で、そのために従業員数が増加するものではない場合等がこれに該当すると考えております。
 第二号は、当該制限施設の新設によって、制限区域内における住民または他の事業者が、その生活上または事業経営上現に受けており、または将来受けるべき著しい不便が排除されると認められるときであります。
 これには主として制限区域の住民のために技術習得のための各種学校の新設がぜひとも必要である場合、制限区域内の既存工場のための維持補修の工場が必要な場合等も考えております。
 第三号は、制限区域外において申請者が当該申請にかかる事業を経営することが著しく困難であると認められるときであります。これには制限区域内にある親工場に主として依存し、制限区域外に立地することが著しく困難な下請工場の新設等を考えております。
 第四号はその他政令で定める場合に該当するときであります。これは前三号に該当しないが、制限区域内に立地することがやむを得ないもの、たとえば既存の大学の学部、学科の増設等で、学生の利便等を考慮して、必要やむを得ないものと認められる場合等を考えております。
 第二項は、知事が処分をするに当って、産業政策及び文教政策との調整をはかり、処分の適正を期するため、申請にかかる製造業または学校を所管している関係行政機関の長の承認を受けることを規定したものであります。
 第九条は、許可または届出の承継の規定であります。すなわち、制限施設についてその許可を受けた場合、または一の地域が制限区域となった際、現にその区域内において作業場もしくは教室をその事業の用に供している者が、知事に届出をした場合において、これらの施設を事業または学校の譲り受け、相続、合併等の包括承継により承継した者があるときは、その者が、その行為が行われまたはその事実があったときから六ヵ月以内に知事に届け出たときは、許可を受けまたは届出をした者の地位を承継することにしたのであります。
 第十条は許可の取り消しについての規定であります。
 第四条第一項ただし書の規定によって制限施設の新設の許可を受けた者はすみやかに工事に着手すべきものであることは当然でありまして、正当な理由がないのに一年以内に工事に着手しないときは、知事はその許可を取り消し得ることといたしたのであります。
 この場合におきまして、許可の場合と同様に、あらかじめ関係行政機関の長の承認を要するものといたしたのであります。
 第十一条は違反に対する措置に関する規定であります。
 本法制定の趣旨にかんがみまして、違反に対する措置として、制限施設のうち、基準面積をこえる部分の使用制限命令を出し得るようにいたしたものであります。
 第十二条は、立ち入り検査に関し必要な規定を設けたものであります。
 すなわち、知事は、第六条第四項に規定しております届出があった場合、及び前条の規定によりまして違反に対する措置として制限施設の使用制限を命じようとする場合、以上二つの場合に限り、立ち入り検査を行うことができることとしたのであります。
 第十三条は聴聞の規定であります。すなわち、知事が第十条第一項の規定または第十一条の規定によりまして、許可の取り消しまたは違反に対する措置を行おうとする場合に、事前に公開による聴聞を行うことを要する旨を定め、もってこれらの処分の公正を期し、関係者の権利、利益が不当に侵害されることのないようにいたしたのであります。
 第十四条は訴願の規定であります。すなわち、本法の規定による知事の処分に対し、不服のある者の救済措置といたしまして、この法律の主務大臣である内閣総理大臣に訴願を提起し得る道を開いたのであります。
 内閣総理大臣がこの許願を裁決しようとするときは、首都圏整備委員会及びその他の関係行政機関の長の意見を聞かなければならないこととし、裁決の公正を期することといたしたのであります。
 第十五条は国に対する適用を明示した規定であります。
 国がみずから製造業の用に供するための工場の作業場または学校の教室を新設する場合も、国以外の者と同様に本法の適用を受けさせることは、この法律の目的に照して当然でありまして、本条はこの旨を特に明確に規定したのであります。
 第十六条は他の関係法律の適用についての規定であります。
 第四条第一項ただし書の許可の対象となる制限施設の新設に関しましては、建築基準法、学校教育法、火薬類取締法等の他の法令において、本法とは別の観点から行政庁の許可、認可等の処分を要することとなっているものもあります。
 本条は、このような他の法令と本法とが並列的に適用されるものであることを、法律上明確にしたものであります。
 第四章罰則といたしまして、第十七条から第十九条までの規定をもって、本法の施行に関し、必要な罰則を規定したものでありまして、他の法令の類似の規定の罰則と均衡をとって定められたものであります。
 附則第二項は、本法の施行に関する事務を、首都圏整備委員会事務局をして行わしめるため、首都圏整備法について所要の改正をなすものであります。
 以上でございます。
  ―――――――――――――
#9
○委員長(早川愼一君) 連合審査会に関する件につきましてお諮りをいたします。公共用水域の水質の保全に関する法律案、工場排水等の規制に関する法律案につきまして、商工委員会と連合審査会を開会することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認め、委員長は二法案につきましての連合審査会を商工委員会に申し入れることにいたします。
  ―――――――――――――
#11
○委員長(早川愼一君) 本案に対する質議は次回に譲ることにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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