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1958/10/06 第30回国会 参議院 参議院会議録情報 第030回国会 決算委員会 第1号
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1958/10/06 第30回国会 参議院

参議院会議録情報 第030回国会 決算委員会 第1号

#1
第030回国会 決算委員会 第1号
昭和三十三年十月六日(月曜日)
   午後一時二十五分開会
 委員氏名
   委員長     小西 英雄君
   理事      仲原 善一君
   理事      西岡 ハル君
   理事      平島 敏夫君
   理事      増原 恵吉君
   理事      相澤 重明君
           石井  桂君
           稲浦 鹿藏君
           井上 清一君
           勝俣  稔君
           白井  勇君
           高野 一夫君
           高橋進太郎君
           手島  栄君
           松村 秀逸君
           横山 フク君
           東   隆君
           江田 三郎君
           大倉 精一君
           大矢  正君
           岡  三郎君
           片岡 文重君
           鈴木  壽君
           相馬 助治君
           奥 むめお君
           後藤 文夫君
           常岡 一郎君
           大竹平八郎君
           竹中 恒夫君
           岩間 正男君
  ―――――――――――――
  委員の異動
九月三十日委員横山フク君及び江田三
郎君辞任につき、その補欠として井上
知治君及び島清君を議長において指名
した。
本日委員松村秀逸君及び高野一夫君辞
任につき、その補欠として小林英三君
及び小沢久太郎君を議長において指名
した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小西 英雄君
   理事
           西岡 ハル君
           平島 敏夫君
           相澤 重明君
           大矢  正君
   委員
           稲浦 鹿藏君
           小沢久太郎君
           勝俣  稔君
           小林 英三君
           高橋進太郎君
           東   隆君
           島   清君
           後藤 文夫君
           常岡 一郎君
           岩間 正男君
  国務大臣
   通商産業大臣  高碕達之助君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       中川 俊思君
   通商産業大臣官
   房長      齋藤 正年君
   通商産業省通商
   局長      松尾泰一郎君
   通商産業省企業
   局長      松尾 金藏君
   中小企業庁長官 岩武 照彦君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修藏君
  説明員
   会計検査院事務
   総局第四局長  石渡 達夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○調査承認要求の件
○昭和三十一年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十九回国会継
 続)
○昭和三十一年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十九回国会継
 続)
○昭和三十一年度国税収納金整理資金
 受払計算書(内閣提出)(第二十九
 回国会継続)
○昭和三十一年度政府関係機関決算書
 (内閣提出)(第二十九回国会継
 続)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小西英雄君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の変更を御報告申し上げます。
 閉会中、九月二十六日、阿部竹松君、湯山勇君の辞任に伴いまして、大矢正君、大倉精一君が補欠として選任されました。
 九月二十七日、秋山俊一郎君、木内四郎君、本多市郎君の辞任に伴いまして、高野一夫君、井上清一君、白井勇君が補欠として選任されました。
 今回になりましてから、九月三十日横山フク君、江田三郎君の辞任に伴いまして、井上知治君、島清君が補欠として選任されました。また、本日、松村秀逸君、高野一夫君の辞任に伴いまして、小林英三君、小沢久太郎君が補欠として選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(小西英雄君) 理事補欠互選を行いたいと存じます。
 去る九月九日に、理事大矢正君が委員を一時辞任されたので、理事に一名の欠員が生じております。従来の慣例もあり、理事の互選は、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
#4
○委員長(小西英雄君) 異議なしと認めます。大矢正君の補欠として、大矢正君を理事に指名いたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(小西英雄君) 去る十月一日委員長及び理事打合会において申し合せました事項にっいて御報告申し上げます。
 昭和三十一年度決算につきましては、検査報告書の順に従って、通産省から始めて、毎週月、水、金と審議を行い、大体、今会期中に決算の審査を終了することと申し合せしたのでありますが、次の申し合せの通り決定することに御異議ありませんか。
#6
○委員長(小西英雄君) では、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#7
○委員長(小西英雄君) 調査承認要求の件についてお諮りいたしますが、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査承認要求書を、本院規則第七十四条の三によりまして、議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
#8
○委員長(小西英雄君) 異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書作成及び手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
#9
○委員長(小西英雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#10
○委員長(小西英雄君) 昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十一年度政府関係機関決算書を議題といたします。
 本日は、通商産業省の部を審議いたします。検査報告の批難事項は、第九百七号から第九百二十一号までであります。
 本件に関し御出席の方は、通商産業大臣高碕達之助君、通商産業大臣官房長齋藤正年君、通商局長松尾泰一郎君、工業技術院院長黒川眞武君、工業技術院調整部長出雲井正雄君、会計検査院第四局長石渡達夫君、石炭局長樋詰誠明君、通商産業大臣官房会計課長阿部久一君であります。
 まず、会計検査院から概要の説明をお願いいたします。
#11
○説明員(石渡達夫君) 通商産業省の一般会計から御説明いたします。
 まず最初に、貿易振興に対する国庫補助金の分から説明いたします。
 これは財団法人の海外貿易振興会が実施しております海外市場の調査、貿易のあっせん、輸出商品の宣伝、国際見本市への参加等の事業に対しまして、毎年国庫補助金を交付しておりますが、同会から提出されました決算書の内容に関する検討が十分でありませんでしたために、補助対象外の経費が含まれていた事案でございます。
 次に、鉱工業等に関する技術の研究または工業化試験を奨励助長いたしますために、国庫補助金を交付しましたところ、交付に当りまして、調査が不十分でありましたり、交付後の指導監督が適切でありませんでしたために、減額補助をするものが三件で二百三十万円ほどでありました。
 それから百五十四ページの中小企業協同組合共同施設等に対する国庫補助金でありますが、これは中小企業の経営合理化のため、協同組合または会社等に設けました施設費等に対しまして、道府県が特別会計を設けて、必要資金を貸し付けます際、その財源として、道府県が一般会計から特別会計に繰り入れた額とほぼ同額のものを国から補助金として交付し、道府県は、これをあわせて貸付財源とする建前のものでありますが、補助対象となる設備を全然設置しなかったり、補助対象外の設備を設置したもの等で、いやしくも交付時の調査、または交付後の指導監督が適切を欠いた事案でございます。
 次に、特別会計について御説明いたします。
 まず、中小企業信用保険特別会計について申し上げます。
 本院におきましては、支払保険金が年々増加する傾向にありますので、三十一年度も、前年度に引き続きまして、保険事故の内容及び支払保険金の当否に重点を置きまして検査しましたところ、貸付金が指定業種外のものに貸し付けられていたり、金融機関の旧債返還に充てられたりした事例がございました。
 最後に、特別鉱害復旧特別会計について御説明申し上げます。
 これは単純なる計算の誤まりでありまして、簡易水道の送水管用鋳鉄管の長さが三百八十四メートルでありまして、その一メートル当りの単価が八百五十八円でありますのでそのまま乗じて計算すればよいのに、誤まって三メートルものの価格、二千五百七十四円を一メートル当りの単価として、工事施工の長さに乗じましたために、工事雑費等を加えて、七十万円程度過大交付となった事案でございます。
 以上で通産省関係の説明を終ります。
#12
○委員長(小西英雄君) 次に、通商産業省から概要の説明をお願いいたします。
#13
○国務大臣(高碕達之助君) ただいま会計検査院より御報告のありました通商産業省関係の昭和三十一年度の決算検査報告事項につきまして、その概略を御説明申し上げます。
 不当事項といたしまして報告せられましたのは十五件、金額にいたしまして八百九十一万六千六百三十五円であります。
 当省といたしましては、予算の執行に当りましては、いやしくも不当な支出や批難されるべき点のないように常時、格段の配慮をいたしまして、その適正を期して参ったのでありますが、ただいま御指摘のような事項がございましたことは、まことに遺憾に存じます。
 会計検査院の指摘されました事項につきましては、当省におきましても、十分実情の調査、把握に努め、是正を要する点につきましては、極力是正の措置を講じて参りました結果、三十一年度十五件のうち、返還を要する金額につきましては返還命令を出しまして、その金額が、返納済みとなりましたものが十三件、返還命令を出して、まだ完済に至らないものが二件でありまして、現在までに、そのうち九十五万円を収納いたしまして、残額は百十五万六千円でありますが、これは近く完納される予定でございます。何とぞよろしく御審議をお願いいたします。
 なお、今後この種の事案の発生を未然に防止するために、事務運営の合理化、関係係官の訓練に努めますとともに、内部監査につきましては、考査官制度を一そう活用いたしまして、事前、事後にわたる実情調査の徹底を期しまして、予算執行の適正を期する所存でございます。
 以上をもって概略の御説明をいたしました。
#14
○委員長(小西英雄君) 何か補足説明がありましたらお願いいたします。――なければ以上をもって説明を終ります。
 これより質疑に入ります。なお、高碕通産大臣は、三時まで御出席の予定でありますから、質疑のある方は順次、御発言を願います。
#15
○相澤重明君 大臣にお尋ねをしたいと思うのでありますが、この決算書の九百七から九百八に出されております「貿易振興に対する国庫補助金の経理当を得ないもの」ということで、実は、日本の国民が非常に期待しているところの貿易の問題について、通産省としても努力していると思うが、こういう事案が出されたことを、まことにどうも残念に思うのですが、貿易の三十三年度の計画なり、あるいは一体、この中にうたわれているような国際見本市の開催等、そういう問題について最初に一つお答えを願いたいと思います。
#16
○国務大臣(高碕達之助君) 貿易振興の方は非常に大事な点でございまして、これに努力をいたしまして、ますます努めたいというときに、こういう問題が起りましたことは、まことに遺憾に存じます。
 現在の貿易の情勢は、昨年度は御承知のごとく、一昨年に比較いたしまして、輸出も一三%もふえ、輸入も二〇%もふえておるという状態で、戦後最高の記録を呈しておったのでありますが、本年の七月までの状態から見ますというと、四カ月間で、前年の同期と比較いたしますと、輸出は二%ぐらい減っております。で、輸入は四〇%、これも減っているわけであります。これは価格が、かれこれ七%ないし一〇%滅っておりますから、数量につきましてはあまり大きな変化はないようでございますが、しかしながら、どうしても政府は、これを十分に輸出を増進していきたいと、こう存ずるわけでございまして、そのためには、いろいろ施策を講じておりますが、特にアメリカ、イギリス、豪州等の相当先進国で金を持っている国については、貿易振興のジェトロ等を十分活用いたしまして、その方面には、価格方面の許す範囲におきまして見本市その他の方法をもって輸出を増進いたしたいと、こういう考えでございますが、その詳細のことにつきましては政府委員から御説明申し上げます。
#17
○政府委員(松尾泰一郎君) 日本貿易振興会の実施いたしております各種の貿易振興事業の一つといたしまして、国際見本市の事業があるわけであります。お手元に「昭和三十三年日本貿易振興会事業概要」というのをお配りをいたしておりますので、それをごらんいただきたいのでありますが、その十四ページに詳細記載をいたしております。
 まず、「国際見本市事業」といたしまして、その第一は、海外見本市の事業でありますが、そのページのまん中辺から以下のところに書いてあります。三十三年度はおおむね次の見本市に参加、ないしわが方で主催をする予定になっておるのであります。第二回の米国世界見本市、これはニューヨークでございます。それから次に第八十回カナダ国民展示会、これはトロントであります。その次はタイ国の見本市、これはバンコック、次はバクダットの国際農業工業見本市、それからシドニー日本商品見本市、メルボルン国際見本市、リオ・デ・ジャネイロ国際見本市、ロスアンゼルス国際見本市に参加いたすことになっておるのであります。このうち、いずれも世界とか国際という表現になっておりますのは、日本が参加する方でありますし、しからざるものは、日本がイニシアチブをとって開催をいたすものであります。
 それから、その次には、日本の国際見本市事業に対する協力でありますが、御存じのように、昭和二十九年以来、東京、大阪で隔年に開催いたしております日本国際見本市に、主催団体の一員として協力いたしておるのであります。それからその次は、やや臨時的のものでありまするが、本年の四月からこの十月の半ばまで開催をいたしておりますブラッセルの万国博覧会に対する参加であります。これは政府の参加でありまするが、事実上、日本貿易振興会へ実務を委託して事業をいたしておるのであります。次にはインド及びブラジルにおきまして日本映画の見本市を開催する予定になっております。
 これは三十三年度の事業の概要でありますが、三十二年度あるいは先の方は「沿革」のところに簡単に記載をいたしておりますので、この資料によって詳細御承知を願いたいと思います。
#18
○相澤重明君 今の補足の、国際見本市等は、今年度は昨年よりは数多く開催をする、こういう御説明であるわけです。そこで、国際見本市についても相当多額な、一億七千万以上の予算も計上をしておると思うのでありますが、特に私はお尋ねしたいのは、先ほど大臣が御説明になったように、今年の七月以降の経済不況の影響で、やはり輸入、輸出ともに減少をしている。こういう点についてはわれわれも非常に大きな関心を持っておるわけでありますが、これを一体、転換する、この経済不況というものを何とか上向きにさせる、向上させる方法として、どういうことを今お考えになっておるか、その点を一つお答えいただきたいと思うのです。
#19
○国務大臣(高碕達之助君) これは従前やっておりました方法で、過当競争を排除するとか、輸出取引を確立するとか、輸出に関する金融、税制上の優遇、輸出保険制度とか、いろいろなこともやっておりますが、根本といたしまして、昨年に比較いたしまして今年悪うなっている原因はどこにあるかと申しますと、御承知の中共貿易は五月以来途絶しておりますことと、それから東南アジアにおきまして、あるいは中近東におきましても、また南米におきましても、未開発国における保有している外貨の保有量がだんだん、非常に減って参りましたものでありますから、これに対する輸出が減退している。こういう事実にかんがみまして、この方面に対しましては、できるだけ円クレジットを設定するとか、あるいは取引条件を緩和するとか、あるいは経済協力をもって当るとか、こういうふうなことにいたしまして、支払いを緩和する、条件を緩和するという条件で、逐次進んでいるようなわけでありまして、そういうふうにして、現在持っている日本の在庫が、あり余っているこの商品を一時肩すかしするということは、それは貿易振興というのみならず、現在の日本の経済をもっと振興させる唯一の道である、こう存じておりまして、その方法で進んでいるわけでございます。
 また、アメリカ、豪州、ヨーロッパ等は、だんだん購買力もふえて参りましたし、これは幸いにアメリカのごときは、本年は昨年よりは一割五分から二割ばかり輸出を増進できるという見込みをもって努力をいたしておるわけでございます。また、ヨーロッパも、イギリス及びフランスを除いては、ほかは相当消費が増大しているようでありますから、また、豪州も同様でございますから、その方面には、従前の方法により、一そう馬力をかけて輸出を増強いたしたい、こういう考えであります。
#20
○相澤重明君 今の御答弁ですと、米英あるいは西欧等については輸出振興も増加が可能であるというような御答弁であったのでありますが、中共貿易なり東南アジアあるいは中近東、南米ですね、こういう地帯は外貨も減っている、こういうお話ですが、特に私は、せっかくきょうは大臣も御出席で、また今次臨時国会の中でも、一番やはり国民の関心が高いのは、貿易振興についての、特に東南アジアなりアジア地帯の貿易をどうするかということだと私は思うのです。従って、大臣のそういう構想なり、あるいは計画性なりが、どういうふうに国民に印象づけられるか、あるいはまた、積極的に協力をするような事態を生んでもらえるかということが大きな問題だと思う。
 そこで、私はちょっと大臣にお尋ねしたいのは、最近、自民党といたしまして、いわゆるソ連に移動大使を派遣をし、これは政府として正式に出したわけでありますが、政府の正式でない池田君や、あるいはまあだれですか、あれは、だれか二、三出ていると、こういうようなことの話を聞いておるのですが、通産省としては、この貿易問題もやはりあなたの所管になるわけですが、そういう点についてはどういうふうにお考えになっておるか。また、今回、党として派遣をすることについて、通産省が積極的にそういう立場をおとりになったのかどうか、北村さんもたしかおいでになるとかいうお話も聞いておるのですが、一体これはどういうことなんでしょうね。大臣、閣内の実力者ですから、あなたは特に貿易問題の中心の位置におられるのですから、その点一つお答え願いたいと思います。
#21
○国務大臣(高碕達之助君) この共産圏の貿易の問題は、私はまだまだ伸び得るだろうと存じております。特にソ連との関係につきましても、問題は、こちらから売るものは相当あるわけであります。ところが向うから買うものは少いと、こういうことのために、どうも思っておる通りに伸びない点があるようでありますが、まあいかなるものが向うから輸入できるかと、こういうふうなことのためには、できるだけ眼界の広い人たちに行っていただきまして、たとえば工業方面に明るい人とか、あるいは各方面の仕事に明るい人が現場に行っていただいてよく折衝していただく、こういうことのために、私どもは、できるだけいわゆる政府の役人でなくて、民間の人にも行ってもらいたい、こういう考えで進んでおるわけであります。またヨーロッパにいたしましても、アメリカにいたしましても、また豪州にいたしましても、従前の政府だけのやり方あるいは外務省だけのやり方では、まだもの足りない点が多々ありまして、今回豪州及びアメリカにはすでに業界の人たちを、おもにこれは生産業者を中心といたしまして、その人たちが中心になって現場を見ていただいて、相手方の業者とも折衝して、いろいろな問題の起らないように話をつけてもらうということにいたしまして、まあ最近にはまたヨーロッパの方にも出したいと、こういう考えで、貿易政策を遂行いたしまする上におきましては、ひとり政府だけがひとりよがりでやっておってはいけないと、どうしても民間の人たちに尽力してもらいたいと、こういうふうな考えで進んでいきたいと考えております。
#22
○相澤重明君 そうしますと大臣、あれですか、大臣の今のお話を聞いておりますと、政府はもちろん一生懸命やるけれども、やはりたんのうな民間の人もできるだけ多く行ってもらうと、こういうお話だと思うのです。そうすると、今度中共に行く池田君あるいはソ連に回る北村徳太郎君の、そういう行くことについては、あなたは、通産省の意向というものを持たしてやったのか、またやるのか、あるいはそれとも、政府は政府として、永野移動大使をソ連に派遣したように、まあ別の立場でそれはそういう手続をとらしたのか、その点はいかがでしょう。
#23
○国務大臣(高碕達之助君) 政府としてこうやれ、ああやれということは申しません。これは行っていただくということについては、私どもは賛成いたしておりますが、やはり民間は民間のイニシアチブを持って、それでよく調べてもらって、その結果御報告願いたいと、こういうことを考えておるわけであります。
#24
○相澤重明君 そこで一つ大臣、この間の参議院の本会議でも、貿易問題について非常に熱心にやりたいというあなたの御答弁があったわけですが、そこで第四次日中貿易協定が、あなたの先ほどの御答弁のように、五月以来途絶しておるわけですね。これは別に中国側でどうこうということでなくて、これは日本政府の方針に私はあると思うのですよ。そこでまあ所管大臣として、たとえば民間の池田正之輔君は民間代表という形で、日中貿易打開のためにおいでになると思うのですが、いわゆる政府の所管大臣としてのあなたの立場は、この第四次貿易問題についてはどういうふうにお考えになっているのでしょうね。
#25
○国務大臣(高碕達之助君) 貿易振興を日本の経済の一番重要な問題といたしております政府の、その貿易の責任を持っております通産大臣といたしましては、日中貿易が一日も早くこれは回復されんことを非常に希望しておるわけでありまして、もう御承知のごとく、本年、輸出は思う通りにいっていないということのはっきりしておることは、一億ドルに及んでおりましょうし、また、ココムを緩和できた結果、これまた五千万ドルなり七、八千万ドル、当然輸出できるものが輸出できなくなっておるということはわかっておりますから、これは通産大臣として、一日も早くこれを解決してもらいたいということを心から念願しておるわけなんであります。今の相澤さんのおっしゃるような、これは日本の都合だけでやっておるわけではないのでありまして、第四次貿易協定もぜひ実行いたしたいことは当然でありまして、日本だけの方針でどうこうということでなくて、やはり相手国があるものでありますから、相手国は御承知の政治と貿易というものはこれは切り離すことができない国でありまして、私どもはやはり、政治と貿易とは切り離してやりたい、これはどっちかといえば、こっちの考えは虫がいい考えかもしれませんが、そうしなければならぬ現状でございますから、そういう点から勢い行き違いが参りまして、まだ解決できないということは非常に残念でございますが、これをどうして解決するかという問題が政府に、また特に私どもに課せられた重大なる、一番大きな使命だと私は信じておるわけであります。今、あの手この手を考えておるわけでございますが、まだここにはっきりいつからできるか、どういう方法でやるかということが言明できないことはまことに残念と存じておりますが、しかしやってみたい、早くやりたい、この熱意を持って進んでおるものであります。
#26
○相澤重明君 大臣から一生懸命やりたいという御答弁をいただくと、私ども非常に気が強くなりますね。これは国会議員としては、ぜひ、今の苦悩しておる日本の経済界の不況を打開するには、何といってもアジア貿易が必要だ、特に中国貿易というのは、その中から大きなウェートを占めておるのです。そこで、議員連盟なり国際貿易なり、そういう民間団体が、あなたのおっしゃるように、政府自身がとにかく正式な立場でできないと、いろいろな条件があるかもしらぬが、とにかく、民間団体が一生懸命やってくれと、民間団体が友好、親善を深めて、そうして政府にこれをやってもらおう、こういうふうなことで進めてきたのですから、これまた政府が、それじゃ一つ、せっかく日本国民の大多数が、こういうふうな貿易を促進してくれという要請があれば、やはりこれは政府も親身になって、協定をされたことは尊重をしてやるようにすればできるのじゃないか。要は腹がまえで、政府がほんとうにやるという気になれば、私は、この日中貿易は打開ができる、こう思うのですが、何か面子だけにこだわると、なかなかこれはお互いに、あなたのおっしゃる通り相手国のことですから、相手国を尊重して、そうして日本の国も一つ尊重してもらうという立場でいけば、私はこれは理解ができるのではないかと思うのですが、あなたの御答弁で、積極的にやりたいというなら、どうですか、大臣みずからお出かけになるような意思はございませんか。
#27
○国務大臣(高碕達之助君) これは行って確かに解決のできる見込みがあるという時期になれば、私は喜んで、私の全生涯を打ち込んでもやってみたいというくらいの熱意は持っておるのでありますが、ただ、そういうことをやっても何ら効をなさぬ、かえって害を及ぼすというふうな場合はよほど注意しなければいかぬ、こういうふうに存じております。特に私は、閣僚の一員としております上におきましては、私自身の考えをここで申し述べて、かえって誤解を受けることは、はなはだ困るわけでございますから、岸内閣の方針に従って行動いたすことに心しなければならぬことだと思っております。
#28
○相澤重明君 どうも少し大臣弱気になったような今の御答弁なんですが、私は、あなたの硬骨漢のところが非常に閣僚の中でも買われていると思うのですが、この日中貿易の打開のために、あなたがほんとうにやる気になれば、私はできると思うのです。政府でも、岸内閣でも、これは重要な施策の一つとして私は取り上げることができると思う。だから要は、近ごろ大臣どうも少し遠慮しているのじゃないかとみんな心配をしておるわけです。あなたの言うように、自分は場合によれば全生涯をかけてもやるという御決意のほどがあるならば、この際、もうそれに乗り出していい時期ではないか、こう思うのです。それでそのことを、いわゆる岸内閣として、また主管大臣としてやっていただけるなら、この臨時国会は非常にりっぱな臨時国会になると思う。ところが、口先だけでもって、実際にこれが実行に入らないということになると、やはり何か、政府は口では言っておるけれども、実際には、国民の中小企業なり零細企業の振興ということは考えてくれないのだ、こういう印象になってしまうわけです。だから、むしろ私は、あなたが本会議でも言われ、ただいまでも御答弁されるように、一つこの際、あなたの歴史の一ページを作ることにもなると思うのですが、日中貿易打開の決意を私は出されていいのじゃないか、こう思うのです。まあ、あなたも閣僚の一人だから、少しお考えになる時間を与えましょう。これは一つ、いずれそのうちにお呼びして意見を聞きたいと思うのですが、私は日中貿易の打開こそ、今日最も必要なことであろう、こう思っておるわけです。
 それから次に、日中貿易関係と同じような方向できた日本と朝鮮との貿易ですね。今、日韓会談も開かれておるわけでありますが、たとえば韓国の場合あるいは北朝鮮の場合、この日朝貿易について、政府の基本的な立場というものはどういうふうにお考えになっておるのか、こういう点も、私どもとしては知りたいわけなのです。そういう点について、今、日韓会談は進行中ではあるけれども、通産省として、この貿易問題についてのお考えを一つお答えをいただきたいと思う。
#29
○国務大臣(高碕達之助君) 日中貿易につきましては、ただいまの御意見は、私非常な心強い御忠言だと存じまして、この御意見を承わることにいたします。私の意見は、今申し上げかねるような状態である、これだけは御了解を願いたいと思います。
 日韓の貿易につきましても、目と鼻の先の韓国との間がこういうような状態であるということは、南朝鮮はもちろん、北朝鮮に対しても、私は、この間の関係がうまくいかないで、あるいは東南アジアがどうだとか何とか言うのは、むしろ日本として信を外国に失うゆえんだと存じまして、自分の近くの方からまず解決していくべきことが、これが信を外国に得るゆえんだと存じまして、日韓会談はもちろんのこと、北朝鮮との間につきましても、お互いに、先方も日本の物をほしがっておるわけでありますし、こちらも向うの物を持ってくるということは一番大事な点でありますから、これはどうしても十分に進んでいくことにいたしたいと、こういう所存でございます。
#30
○相澤重明君 そこで、大臣に、今の日本の業界では、実は通産省の決断を待っていることが、先ほどの日中貿易はもちろんですが、この朝鮮との貿易にもあると思うのです。業界の諸君は、何としても今のこの不況を打開するには、直接貿易、あるいは直接船を向うの国に入るようにするという直接配船ということが非常に要望されておるわけです。その日朝貿易について、たとえば、業界の人たちがそういう要請をされたらば、あなたの今の御答弁のように、一生懸命やりたいということであるから、許可をされるのかどうか、この点は非常に私は大事なこととだ思う。私、神奈川県に住んでおりますが、京浜間の中小企業は、日中、日朝貿易が途絶したために倒壊をしておるのが非常に多いのです。あるいは生産をした品物が売れないために、金融関係が行き詰まっちゃった。これはもう私はいろいろなそういう相談を受けるのですが、これは非常に気の毒なわけですね。ですから、政府がその気になれば、これは打開できるわけです。そこで、たとえば、国際貿易促進委員会なり、あるいはそういった日朝貿易なりの人たちが、政府に、あなたのところに、そういう要請をされた場合には、どういうふうにおとりになるか、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思う。
#31
○国務大臣(高碕達之助君) 私は、先ほど来申し上げておりますことは、貿易を振興するという純経済問題として申し上げておるわけなんでございますが、現実は、なかなかこれを訴さないことでございまして、台湾との関係上、中共との関係がうまくいかぬと同様に、北朝鮮におきましても、南朝鮮との関係上、これはわれわれが思う通りにいかないという、いわゆる政治的の制約がそこに入って参りまして、非常にデリケートな問題がございますから、そのケース・バイ・ケースによって、よく考えて進んでいきたい。全面的にこういう場合には許すかどうか、こういうふうなことにつきましては、今ここに総括的にお答えすることができないことは非常に残念でございます。
#32
○相澤重明君 これは、欧州なりあるいは米国の方と互いに貿易を促進するといっても、距離的にいっても、あるいは業界自体からすれば、運賃からいっても、これは非常に違うわけですね。ですから、あなたの先ほどの御答弁のように、一番近い中共なりあるいは朝鮮との貿易を促進できないようでは、この日本の業界の振興というものも、これはなかなか口では言ってもできないわけですよ。そこで、あなたも御心配しておるようでありますが、一つ、この年末を迎えて、この業界の人たちの苦悩ということを考えれば、この際、私はやはり腹をきめて、あなたが、よし、それじゃ貿易問題であるから、純経済的な立場であるから、この問題については処理をしようという決意で私は出してもらいたいと思うのです。そうすることによって、実は客観情勢も、あるいは政治的な問題も変ってくると思うのです。ところが、相手の国は、政治と経済が一本だから、日本と同じでないから、すべて向うの情勢待ちということでは、私はやはり日本の経済の情勢というものは好転しないと思う。そういう意味で、先ほど申し上げた直接配船、直接貿易ということは、業界の人が望んでおれば、これは民間では、具体的にどういうふうにしたら政府は許してもいいのだ、通産省は、どういうふうにしたらこれをやってもいいのだというサゼスチョンをしてもいいと思う。これは日本国全体のためなんですからね。ここでは、閣内できまっておるから、正式に答弁はできないという立場だと思うのです。
 結局、この通産省の決算をやるに当って、どういう不正があったとか何とかいうことについては、これは省内として、先ほどあなたが言われたように、粛正をされると思いますから、むしろ国民の期待というのは、経済の好転をいかにしてはかってくれるか、そのためには、予算の裏づけの問題についてどう仕事をやっていくだろうか、こういうところが、私は今日は一番大きな関心事だと思う。そういう意味で、先ほどの朝鮮貿易の問題については、私も後日大臣によく御相談をしたいと思うのだが、一つ業界諸君のそういう要請についても検討して、そうしてできるだけ早い機会に実現のできるようにやっていただきたい、そう思う。これは私の大臣にお預けをしておくことです。
 そこで、大臣にお尋ねをしたいのは、先ほども担当者から、日本貿易振興会の事業概要というのが述べられたわけでありますが、このパンフレットを見ると、役員の方々から、その内容というものがずいぶん載っておるわけですが、どうでしょうね、これは。通産省としては、貿易振興会に政府から仕事を一部委任をするというようなことも行われておると思うのでありますが、この日本貿易振興会というのは、それだけ実は首脳部の人が一生懸命やってくれておるんでしょうかね、どうなんでしょう、これは。私はどうも、名前だけはたくさん作って、あるいは肩書きはいかにもよくなっておるようだけれども、どうも積極政策、あるいは積極的に政府のそうお考えになっておる通りに実際はいっていないのじゃないか、こういう心配をするわけですよ。そういう点、どうなんでしょうな。大臣、あなたが通産大臣に就任されて、部下からもいろいろ御説明も聞き、あるいはそういう財界や、あるいはまた貿易振興会の幹部ともお話しになったと思いますが、そういう点、何かあなた、身に感じたことはありませんか。
#33
○国務大臣(高碕達之助君) これは私どもの期待する点から申しますと、もっとやってもらいたいという気は十分いたしております。また一部からもそういう批評も耳にしておるわけであります。しかし、実際に実情を調べてみますと、これはなかなか骨を折ってやっておるということは事実でございます。これは思ったほど効果が上っていない。これはどうしたら効果が上るかということにつきましては、さらに予算の上におきまして、十分予算措置を講じまして、十分活用していきたい、こう思っております。
#34
○相澤重明君 私は、大臣、予算が現在の予算額だからどうも活動が思うようにいかないというようにはあまり考えられないんですがね。ということは、大へん恐縮な話なんですが、五ページの役員の方々の名前を見ると、これは実にりっぱな人なんですね。仕事がたくさんあって、忙しい方ばかりで。おそらく、たとえばこの貿易問題にしても、あなたの今お考えになっておる、予算がないから云々でなくて、実際に仕事が大へんあって、実はなかなかやれないのじゃないか、こういうような気がするわけですよ。
 それで、むしろほんとうに通産省としては、積極的な協力を求める、民間団体を作ってある以上は、その民間団体に、積極的に熱を入れていただける、専門にやっていただけるという人のほうが、知名士よりいいのじゃないか、こういうふうに私はちょっと拝見して感ずるわけです。
 それからいま一つは、この中のいろいろの事業内容あるいは予算というものを見ると、これはあれですか、大臣にお尋ねするよりは担当官のほうがいいと思いますが、役員は皆無報酬ですか、どうなんです。
#35
○政府委員(松尾泰一郎君) お答えいたしますが、役員につきましては、理事長の杉道助さんにつきましては、若干他に事業をお持ちでありますが、副理事長、理事以下は、この日本貿易振興会の仕事を本務にしていたしておりまして、ほかの事業はいたしていない。私、所管局長として見ました場合に、非常に皆さんよく役員の方はやっておられる、こういうふうに判断をしております。
 で、先ほど大臣のお言葉もありましたが、この日本貿易振興会が特殊法人になりましたのは、この七月の二十五日であります。で、従来の海外貿易振興会時代、資金的、あるいは機構的な問題からいたしまして、本腰を入れて貿易振興事業ができないということで、こういう特殊法人にしていただいたのでありまして、まだその新機関に改組しまして早々でございますが、理事長以下、役員一丸となりまして、貿易振興事業の遂行に当っているわけです。しかしながら、何分まだ七月二十五日に、従来のジェトロの事業を引き継ぎました関係上、事務当局等につきましては、まだ十分な点もないことは承知いたしておりますが、それらを今非常に急ぎまして整備をいたしておるような次第であります。近いうちに全能力を発揮するであろう、こういうふうに思っております。
 ただ、先ほども大臣からお話がありましたように、大体事業の大ワクというものは、予算でもって制約を受けるわけでございます。予算は、われわれ通産省が要求しました予算が、いつも全部通るわけではございません。その意味におきましては、これもやってもらいたい、あれもやってもらいたいと思いましても、予算がついておりませんために、不十分な点があることは、われわれ自身も認めているわけでありますが、与えられた予算の範囲内において、今、地方庁あるいは民間の協力を得まして、政府からの予算以上の事業を実はいたしておるのでありますが、その運営ぶりにつきましては、中において、われわれ監督をする立場の者から見ますと、十分に事業は遂行しておる、こういうふうに見ております。
#36
○相澤重明君 あなたの答弁では、政府から出された予算、こういうものより以上に仕事をしているという御説明ですが、私はそういうところにも、先ほど会計検査院から指摘をされた事項にある、実はかなり民間の一般団体からも協力をされているのがあると思うのです。たとえば調査等を行う場合においても、その費用を出してもらうということも、これはあり得ることになっているわけです。そういうような問題について、実は若干説明の足りない点があるのではないかと私は思うのですが、海外の駐在員、連絡員といいますか、派遣員、あるいは嘱託調査といいますか、そういうものもだいぶ出ているように思うのでありますが、今あなたの御説明になった日本貿易振興会の事業費の中で、そういう委託をされた場合に受ける金額というものは大よそどのくらいにお考えになっているか、あるいは見通しを持っているのか、もしわかったならば、一つ御説明をいただきたいと思います。
#37
○政府委員(松尾泰一郎君) お手元に、昭和三十三年度日本貿易振興会収支予算案、三十三年七月二十五日から三十四年三月三十一日までの収支予算案をお配りいたしておりますが、この表でごらん願いますと、一番よく御理解いただけるかと思うのでありますが、この八、九カ月間に十四億一千六百万円の収入を得て、それと同額の支出を持つ事業をいたすわけでありますが、その十四億の中で国から補助を受けますのは、この第一の委託費と、次の補助金になるわけであります。合計をいたしまして約七億五千万円程度かと思うのであります。従って、そのあとの半額は利用者負担あるいは地方公共団体からの補助金なり、賛助会員からの補助金なり、あるいは関係団体からの協力費ということでやっておるわけです。まあ大まかに申しまして、事業の資金の半分を政府からもらいまして、あとの半分は地方庁、民間あるいは関係団体、あるいはその事業を利用するものからの手数料収入というようなものでやっておる、こういう格好であります。これはこの七月二十五日にスタートいたしておりまするので、ここに十四億一千六百万円ということになっておりますが、大体この程度の事業で、年間べースにいたしますと十九億か二十億程度の事業、こういうふうに考えております。
#38
○相澤重明君 そこでお尋ねしたいのは、そういう一般の、いわゆる自治体なり、あるいはまた関係の利用者からの負担というものが出されるわけでありますが、一体、海外におけるこの振興会が、そういう事業計画を持ち、あるいは資金を使って、どの程度のことが実は行われておるか、またはそれを本省として、通産省として、そういう問題について、どういうふうにしてこれを現実的に調査をし、あるいはいわゆる成果というものをお考えになっておるのか。そういう点、もし、七月から実際にやっておるというけれども、これは七月よりは前の海外貿易のときにも、通産省としてはやっておった。それをむしろ発展をさしてここまできているのだから、過去のこともあるだろうし、また新しい機構になってからもこれはわかると思うのですが、その間の事情を少しく御説明願いたいと思うのです。
#39
○政府委員(松尾泰一郎君) この事業の概要につきましては、あとで詳細申し上げます。
 一覧をしていただきますと、この十四億のうち、人件費、事務費、これらはいずれも国内でございまするが、この事業費のうち、事業費は総額十二億三千七百万円になっておりますが、海外で消費をいたしますものは、そのうち九億九千七百万円ということでありまして、相当部分、かなりの部分を海外の事業に消費をしておるわけです。
 資金的にはさような格好になっておりますが、この事業の概要を申し上げますと、お配りをいたしておりまする「日本貿易振興会事業概要」の六ページから記載をいたしておるのでありまするが、まず第一点が、海外の市場調査の事業、これにつきましては、ここに記載しておりますように、海外の市況調査あるいは受託調査、委託信用調査、あるいは引合調査等に分れておりますが、現在は、海外の主要都市三十一カ所に調査員を配置しておるわけです。また臨時に専門調査員も派遣をいたしまして、調査をいたしておるのであります。その調査は、一応本部で総合いたしまして、各種の日報、月刊の資料を通じまして、関係の業界、業者等に流しておるのでありまして、非常に好評を博しておるような次第であります。
 それから第二は、輸出品の品質、意匠の向上事業をいたしておりますが、これもまず第一が、外国におきまして優秀な見本を買い集めてきまして、これを持って帰りましたものを、府県庁等の協力も得まして、内地におきまして巡回展示をいたしております。これも非常に好評を博しておるのでありますが、そのほか産業意匠の研究調査のために、現地に研究員の派遣をいたしております。現在のところは米、仏だったと思いますが、五、六名の者を常時学校に入れまして勉強さしておる。そのほか臨時に調査出張でもってやらしておる部分もある。そのほか外人のデザイナーの招聘をいたしまして、各地を巡回してもらっていろいろ指導していただくというようなこともやっておる。
 それから第三は、ジャパン・トレード・センターの設置、運営でありますが、これは現在、ニューヨーク、サンフランシスコ、トロント、カイロにトレード・センターを設置いたしまして、いわゆる常設の展示室を設けまして、物を見せることによって宣伝をし、また調査もあわせていたしておるのであります。本年度におきましては、従来の四カ所のほかに、バンコック、ハンブルグにトレード・センターを新設する予定になっております。従いまして、本年度においては六カ所トレード・センターができるということになるわけであります。
 それから機械センターの設置、運営をいたしておりますが、これは現在インドのボンベイ及びメキシコに設置をいたしまして、これも常設展示室を設けまして、宣伝をあわせて調査をし、機械類の輸出の拡大に努めておるのであります。
 それからその次は、輸出振興共同事業関係の施設でありますが、まずその第一は、農水産物の輸出振興共同施設の運営、次は医療品の輸出振興共同施設の運営、次は農林水産物需要増進の事業、また日本カメラ事務所を設置する、あるいは日本自転車サービス部を設けるとか、あるいはミシンのサービス部を設けますとか、あるいはバンコックの塗料貿易あっせん所を設けるとかいたしておりますが、これらはいずれも関係の輸出組合あるいは振興機関と協力をいたしまして、それぞれ海外に宣伝、あるいはアフター・サービス、あるいはあわせて市場調査等をいたしておるのであります。
 次は海外の宣伝の事業でありますが、これにはまずテレビ、映画、PRエージェントを使用して行うPR、また出版物を利用して行う宣伝事業をいたしておりますが、詳細いずれもここに記載をいたしておりますので、ごらんを願いたいと思います。
 それから次には、先ほどもちょっと御説明を申しました国際見本市に参加したり、あるいは日本みずからの手でそういう見本市を開催するというような事業もいたしておるのであります。それからその他出版事業でありますが、これは先ほど申しました事業のうちの海外の事業ではなしに、国内の事業になるわけであります。海外からいろいろ集まってくる情報、ないしその調査の結果をいろいろな日刊のあるいは通商弘報とか、あるいは月刊のいろいろの資料を発行いたしまして、その貴重なる資料が埋もれないように、できるだけ関係団体なり民間業者に利用を願っておるというようなことであります。その他貿易図書室を運営をいたしております。また貿易相談にも応ずるというようなことをいたしております。総じてこの海外の事業がまあ七〜八割を占めておるわけであります。いろいろ申し上げますと長くなりますが、詳細はこの事業概要でごらんを願います。
#40
○相澤重明君 私の聞いているのは、このパンフレットをあなたに読んでくれと言っているのではないのだ。この日本貿易振興会の事業概要というものはあるのだけれども、多くの、いわゆる九億から十億というような費用を今年度にしてもそのために使う。一体通産省としてはそれだけのたくさんのお金を投資して、一体その貿易振興のために具体的にどうなっておるか、こういう点を私は説明をしろとこう言ったのです。何もこの本を一々全部ページをあけて読むのならば、別にあなたに特にわたし聞かなくていい。だからそういうことを、一体それだけの多額な投資をして、こういう事業をやるのだけれども、その結果どうなっておるのか、あるいはまたそれに対する通産省としての監督はどのように行われておるか、ここが実は私どものお尋ねをしておるところなんです。だからそういう点について、この文章を一々読まないで、そういう肝心なところを一つ説明をしてもらいたい。
#41
○政府委員(松尾泰一郎君) この貿易振興事業とその効果というお尋ねかと思うのでありますが、これは非常にむずかしいお尋ねでありまして、この薬を盛ったからどの程度きいたかというような、若干例が悪うございまするが、そういうようなことになるわけであります。われわれといたしましては、こういう事業なかりせば、かくまで日本品の宣伝も、あるいは海外市場の調査もできておらんのではないかと思うのであります。戦前におきましては三井、三菱等の大商社が、それぞれの有力な調査網を持ち、あるいはまた宣伝もいたしたのでありますが、戦後は何分貿易業者の実力が非常に劣っておるわけであります。従いまして海外貿易振興会、現在のこの日本貿易振興会がなかりせばどうだったか、ということを振り返る方が早かろうと思うのでありまするが、われわれはアメリカに対しましてあれだけ日本品が急速びたに伸こと、あるいはまた東南アジア、あるいはヨーロッパ市場、アフリカ市場につきまして、それぞれ問題はございまするが、日本品があれほど伸びたのは、やはりこの貿易振興会がやったいろいろの調査なり宣伝事業の結果だ、というふうに確信をしておりますが、しかしこの十億円の金を使った結果、これは何億ドルの輸出に響いておるかという計算になりますと、これは非常にむずかしいのであります。はっきりと科学的に割り出したような説明は申し上げられませんが、これは貿易業界がいずれもみなそれを認めておるのであります。まだ、諸外国の実施をしております貿易振興の規模に比べまして、日本の方は非常に劣っておるわけでありますが、劣っておると申しましても、これだけやっていることは相当の効果があると、こういうふうに確信をいたしておるわけであります。
 それから監督関係でございまするが、日本貿易振興会法の中に条文でいろいろの認可あるいは許可等の事項がございます。これも一々申し上げますと、また条文を朗読したというようなことになりますので省略をさせていただきますが、いわゆる政府の全額出資をいたしておりまする特殊法人でございまするので、かなり監督の規定は厳重になっておるのでありますが、しかしながら、先般日本貿易振興会法の審議の節、国内の事業を営む機関と違って海外事業を営む機関であるので、国内機関並みの監督規定を設け、またそれを厳重に発動することは慎しむべきである、非常に振興会の弾力的な運営をやるように役所側も協力しなければならぬ、というような御趣旨もありましたので、認可等につきましては、現在のととろ非常に弾力的にやっておるつもりでございますが、それと申しましても、十億円内外の補助金を使う関係でありますし、また会計検査院の監督もあることでありますので、この七月、新機関になりまして以降はまだ海外の事業の監督はいたしておりませんが、毎年一、二回はこの担当官を海外に派遣をいたしまして、事業に疎漏のないように、特に経理上の支出に間違いのないようには監督はいたしておるわけであります。
#42
○大矢正君 今のジェトロのことに関係してちょっとお尋ねしたいのですが、現在の状態の中で考えてみて、貿易をする業者あるいは商社が、貿易の振興のために自主的にその企業の中で使われている海外市場調査の費用であるとか、宣伝の費用であるとか、その他貿易拡大のために関係する経費というものが実際にどの程度あるというように分析をされているのか、それから総体的にどの程度のそういった貿易拡大に関する費用がかかって、そのうちこのジェトロはどの程度の幅でそれをみずからが負担しようとして考えておられるのか、その点お答えをいただきたいと思います。
#43
○国務大臣(高碕達之助君) これは大体が十四億、ジェトロは使っておると、こう言うのですが、これは三百五十万ドルから四百万ドルぐらいになります。日本の貿易から申しますと一%ないし二%というくらいのものまでは、これは使わなければならぬことかと思っておりますが、これを有効適切に使うということはまだまだ考えなければならぬと思っておりますが、そういうふうな腹がまえでおりますが、業者自体がどれくらいこれを使っておるかということは、今私の手元じゃちょっとわからぬですが、政府自体もちょっとわかりかねると思いますが、おそらくは相当なんでございましょう、政府が使っている以上のもっと大きな金額を使っていることだと存じております。
#44
○大矢正君 大体、ジェトロは、できることならば政府の一貫した貿易政策に基いて海外の市場調査や宣伝を行なっていきたい、という趣旨から生まれたものであると考えるのです。そうすれば、可能であれば将来において貿易に関する一切のものはジェトロを経由して、と言っちゃなんでございますけれども、海外の市場調査や宣伝やその他は、ある程度やっぱりベースに乗ってジェトロを通じてやるのが妥当じゃないかと、その方がより効率的ではないかという気が私はするのです。そういうお考えはあるのかどうか。
#45
○国務大臣(高碕達之助君) これは私はもうジェトロだけによるということは間違いだと思います。ジェトロはジェトロとしてやるべきことはやらなければならぬが、これはもう命がけで商売をやる考えでいっておる民間業者の努力というものは、やはりこれは相当やらすだけやらせなければいかぬと。それに対するある程度ジェトロはビタミンの役をしているというくらいに考えていくべきものだと、こう思っております。
#46
○大矢正君 それはいろいろ議論のあるところだと思うのですが、そうすると本年度は七月からの実施でありますから十四億という予算がある。これを平年度に引き直した場合には二十億円の収入そうして支出、という形で予算が編成されるというのですが、そうすると平年度において予算を編成する場合に、何を一体基準にして予算を編成しようとするのか。たとえば業者の申し出その他によってやろうとするのか。そうじゃなくて、もう業者の要請やなんかは別として、ジェトロ自身が考えてことしはこれだけの事業をやりたい、という事業を中心にして検討されて、この予算編成というものがなされるのか。私は、今の通産大臣の御答弁によると、商社やそれから貿易業者自体が行おうとする海外調査、市場調査その他の一切は自主的にやるものはやらしておいて、われわれはわれわれとしてやるのだ、こういう意図のようですから、そうすると何を基準にして予算が編成されるのかちょっとわからないのです。
#47
○国務大臣(高碕達之助君) 大体は今申しました通りに輸出入貿易額によるべきものだと、私はこう思っておりますが、三十億輸出するものだとすればあるいは三百万ドルとか、今のところでは三十億とすれば千分の一になっておりますね。千分の一ないし二、先ほど百分の一ないし二と申しましたが……。大体貿易額に応じてこれは予算を組むべきものだと、こう存じております。
#48
○大矢正君 そうすると、こまかいことでお尋ねするのですが、たとえばこの欄の中に海外特別宣伝というのがあって、二千七百三十九万円という予算が業者の負担という形で計上され、そうして補助金として一億五千百二十七万円ですか、これが国庫補助という形で計上されているのですが、たとえば一つの品物を海外に宣伝をしようとする場合に、これはやはり宣伝の仕方はいろいろとあると思うのですが、たとえばある商品が「ライフ」を通じて宣伝をしようという場合には、もうたとえば一回の広告費が三千万円もかかる、というような非常に膨大な宣伝の仕方も私はあると思うのですが、私が聞いているところによれば、「ライフ」の場合なんか一面を使うと三千万から四千万とられるという話ですが、そういう宣伝の仕方もやはり宣伝の仕方でしょうし、それからもっと消極的な宣伝の仕方も宣伝の仕方だと思うのでありますが、こういうように宣伝の仕方一つながめてみても、事実上どの程度まで強力に宣伝をするかということになると、これはなかなか議論のあるところだと思うのですが、こういった点については政府は一体どう考えているのか。たとえば業者にしてみれば、この際宣伝をするのであれば、まあアメリカでも有数な雑誌に広告を依頼をして宣伝をするということが、一番妥当だと思うし、その場合に半額もしくは三分の二も国庫が補助をするということであれば、これはまことに幸いなことなんですが、こういうふうに議論をやってくると、なかなか海外の特別宣伝それ自身についても、私は非常に議論のあるところだし、複雑な問題をはらんでいるのじゃないかという気もするのですが、こういう点についてはいかがですか。
#49
○政府委員(松尾泰一郎君) この海外の特別宣伝のやり方につきましては、確かに今御指摘のように非常にむずかしいのであります。まあその他市場調査にしましても、あっせん所の経営にしましても、国際見本市の参加にしましても、先ほど大臣もお話がありましたこの貿易額に応じた規模で、ということを考えたいのでありますが、何分まだ今の段階におきましては、そこまで考えるところに実は至っておらぬのであります。貿易業界といたしましては、かりに三十億ドルの輸出ということになると一兆円であります。その一%――百億円、百億円ぐらいな金はこの貿易振興費に導入すべきであるということも、何年か前から主張しておるわけであります。私たちといたしましては、まあ毎年二、三億ずつはふえてはおりまするけれども、先ほど申したような、まだ〇・一%になるかならぬかぐらいなところでございまして、従いまして、ともかく調査費の数にしましても、世界のこの何百ある都市から見まして三十一カ所、貿易あっせん所もことし二カ所ふえまして六カ所というふうなこと、国際見本市の参加にしましてもことしは若干ふえますが、七、八カ所しか参加できぬ。この特別宣伝にしましても、いろいろな企画はあるわけであります。たとえば「ライフ」を利用する方法、あるいは各国がみなやっておることでありますが、ニューヨーク・タイムスの新年号を利用すること、これも毎年計画になっておるのでありますが、それ一つだけでどえらい金がかかるということで、それをやるとあとはしばらく何もできぬというようなことでもありますので、まだ実施ができぬということであります。もう多々ますます弁ずるというふうな状況であるわけでありまして、しかしながらこれもいわゆるジェトロの人員の能力にもよるわけでありまして、むちゃくちゃに消化不能の予算をいただいてもいたし方ないわけでありまして、従いまして、事務能力の範囲内におきまして、できるだけ貿易振興費をいただくということで進んでおるような次第であります。まあ先生方の御協力も願いたいと思いますが来年度におきましてもかなりふやしていただかぬといかぬというふうに考えております。この内容につきましては、何ならこまかく申し上げてもけっこうであります。まだなかなか多いとか何とかという議論の段階じゃございません。まだ序の口でありますので、できるだけふやすという方向でしゃにむに進んでおるような状況でございます。
#50
○岩間正男君 私も簡単に二、三点関連してお伺いしたいのですが、これは海外貿易振興会時代と事業量はどうなっていますか。これが改組されて政府の全額出資という形で機構が変ったわけですが、その時代と事業量を比較してみてどうなりますか、平年度に直してみて。この比較は大体お持ちでしょうね、どうです。
#51
○政府委員(松尾泰一郎君) ことしのべースが先ほども申しましたように約二十億、七月から切っておりますけれども、十四億ということであります。
#52
○岩間正男君 平年度でね、わかりました。
#53
○政府委員(松尾泰一郎君) たしか昨年度は十三億程度のベースになります。
#54
○委員長(小西英雄君) ちょっと岩間君、大臣は三時の約束ですからね。大臣以外のはずっとあとでけっこうですから、大臣の答弁に関連する……。
#55
○岩間正男君 関連します。そこで先の御答弁に関連するのですが、全体の商社の事業率、こういうふうなのはどうなっているか。こういう点の調査があまり詳しくついてないようですが、たとえば調査の委託とか、宣伝とかその他いろいろ項目がありますけれども、そういうことで全体の商社がこれをどれだけ利用しておるか。私が事業量を問題にするのは、実は二十億の政府出資をしているのですね、全額。そうして、さらに補助金その他合せて約十億というのですね。そうするとこの仕事というのはこれは恵まれた、いわば温室内の仕事になる可能性が非常にあるのじゃないかというふうに思う。大体こんな二十億の資本金をもって、そうして二十億の仕事しかできないというのは、これは民間の事業じゃ成立しないと思う。さらにはこれの政府の補助が十億、事業量の大半をこえておる。こういう形では、これはこの仕事はうまくいかないということになると、実際はこれは通産省の一つの官僚機構という形になる可能性が非常に多いのです。この点私は心配するのです。今の応答を聞いていましてこの点についての打開、この点を十分にフルに利用することが制度の当然の目的だと思うのですが、この点について通産大臣はどういうふうに打開されることを考えておられるか。どうもこれは通産大臣のような民間の経験を非常に豊富に持っていられる方からお考えになれば、当然な問題だと思うのです。この点どうお考えになりますか。
#56
○国務大臣(高碕達之助君) これは一年に、去年は十三億使う、今度二十億というのですが、これは二十億の事業資金を出して、これで利益をあげるという目的じゃなくて、これは主として中小企業者は――大企業者は大体自分の人間を外国に送って、外国の市場調査等をやるわけであります。中小企業者はこれはないのです。そういう機関がない。またそれだけの資力もない。こういうわけでありますから、ごらんのごとく内容はおもに中小企業の製品をどういうふうにして売っていって、どういうふうに販路を開くかということの調査に、一年に二十億をかける。こういうわけなんでございますが、二十億という金額はこれをもってすぐに利益をあげるというわけではなくて、それは出っぱなしの方だというわけでありますが、しかし、それについても今の岩間さんの御意見のごとく、これは無経験な政府の役人に近い人たちが行ってやるだけではいかぬから、民間ともよく提携を密にやっていくということでありますから、この運営のやり方はよほど私はむずかしかろう、むずかしいがこのやり方いかんによれば、非常な効果があるだろうと思って、期待をしているわけであります。下手をやれば二十億ほんとうに捨てっぱなしになっちゃって、それは行っている人たちが外国に行って遊んでくる費用になっちゃう、ということになっゃ大へんなことだと存じます。今後十分、その点にはむしろ会計の監督も必要でありますが、より以上私が考えておりますことは、それがどの程度利用されておるかということは、よく民間の意見等も聞いて批評してもらって、そうして今後進んでいきたいと、こう思っております。
#57
○東隆君 私は、商魂たくましい貿易業者が、特に輸出入両方やっておる業者が、その場合に、実は農林水産物関係のものは、その貿易の場合に非常に安く抱き合せのような形で輸出をされる。そういうような場合が非常に多いのじゃないか。そうすると、農林水産物の場合は外貨の獲得率が非常に大きくって、これは非常に輸出の方面では重要な役割を持つものだとこう考えておりますが、そこでこのジェトロですね、これは、輸出ばかりの方をやっておるようですけれども、この場合に輸入の面をある程度監督をし、あるいはチェックをするような、そういう面はどういうような形でおやりになるのですか。私は、二十億、国は全額出資をしておる、こういうふうなことを考えると、相当力強くやれるのじゃないか。こういうように考えますが、その点に何かお考えがありますか。
#58
○国務大臣(高碕達之助君) これは、その貿易額が一つの商品で大きくなってしまったときには、あまり政府は心配しなくてもジェトロがやらなくてもよいわけでありますが、現在の輸出をやっております商品のそのスタートはきわめてわずかなものです。小さなものであるわけなんです。それが逐次市場を開発していくのだ、そうしてこれが相当の金額になると大商社が取り扱うということになってくるわけでありますが、商社の今までのやり方をずっと見ておりますと、努力はできるだけせずにできるだけ大きなもうけをしたい。こういうのは、これはもっともな話であります。これだけに依存することはできない。そこにジェトロの働く道があることだとこう存じておりますから、今の農産物のごとき小さな商品を、逐次新しい販路を見つけていくということに、これは重点を置いてやらしたいと思っておりますが、いよいよこれを取引という関係になりますと、今のお話のごとく、輸出と輸入とはどうしても相手方によっては見返って、同様の――よけい買えばよけい売る。こういうふうなことになりますから、輸入の方も一方的に考えていくということは、やめなければならぬと存じますから、従いましてジェトロ自身が現地へ行って見ております以上は、これだけのものを売らんとすれば、こういうふうなものを輸入した方がいいじゃないか、といったふうなことも十分調査さす考えでおります。
#59
○東隆君 私は、農林水産物が非常に安く輸出をされるということは、国内の生産の方面で非常に災いをすると思うのです。そんな関係で、輸出業者は、これはどちらかというと、農林水産物のようなものは、これは非常に利益の率が少いと思う。ところが、国内でどうしても必要だから輸入をする、こういうような物資は、これは利益が非常に多いと思う。そういうような関係で、どうも犠牲になる面が、農林水産物に非常に多いのじゃないか。こう考えるので、農林水産物のようなものは、一つ――昔、日本輸出農産物会社というようなものがありましたが、ああいうような一本の窓口にしてやるようなお考えは出てきませんか。
#60
○国務大臣(高碕達之助君) この問題は、今、農林水産物を作る製造業者というものの数は、いろいろたくさんに分れております関係上、現在におきましても共同販売会社を作るとか、あるいは輸出品一手買取会社を作るとかいうことになるべく引っ張っていって、一本にこれをやらして、数量をまとめ、そうして品質を統一してやっていくということで進んでいくべきものだと存じておりますので、その点は今度輸出取引法を改正いたしますれば、十分活用していきたいと、こう存じておりますが、同時に、ひとり農水産物といわずに、中小工業者が作っておる品物につきましても、どうしてもやはりこちらの売り方いかんによりましては不当の競争が多くなってしまって、当然高く売るべきものが、お互いに競争するから安くなってくる。こういうふうなことで、今の御指摘のごとく、どうも安く売っているのじゃないか、こういう御批評はあるようでありますが、これは順次不当競争を防止して、窓口を一本にするという方針で進んでいきたいと存じております。
#61
○委員長(小西英雄君) 時間がないのですが、一言通産大臣に要望を申し上げます。
 ただいままでいろいろ審議された中の、貿易振興会に対する予算の請求に対する根拠が、少しあいまいであるという点、また通産大臣は、かつて経済企画庁長官当時に、国会も国民も予算については非常に力を入れてとることには血眼だが、この予算をとったのちのこの処置についてあまり国民が関心を持たない。いかに有効に使われたのかということについて書物まで出されて、われわれよく承わっておるのでありますが、はからずもここで通産大臣がやったことではないのですが、前任者の大臣のときにいろいろ批難事項が出ておることを遺憾に思うのでありますが、通産省は特に農林省と同じように業界との関係も深く、また特にこの貿易振興会について海外で多くの金を使うということについて、多少の疑惑を持たれやすいのであって、われわれ決算委員としていろいろすでに指摘したこともあるのでありますが、こういうふうに指摘されてきた金額も、やはり海外において金を使われる問題の点が焦点になっておりますが、相当多額の金が海外で使われるということについては、十分な監督をせねばならない。いろいろうわさでありますが、この貿易振興会に出した補助は通産官僚が旅費の足し前にするためだ、というような悪口を言う人もありますが、真偽のほどはわからないと存じますが、通産大臣においては、全額出資したこの事業体については国民が相当な関心を持っておる、通産省の問題については。
 それともう一つは、やはり補助金が適当であるか不適当であるか、という問題等もきわめて判断のむずかしい問題でありますが、これらについて十分な監督を要することと存じます。私がこの貿易振興会の理事長についていろいろ苦言を申し上げたことも、これは善人でただ非常に有名な人であるからこれが適当だ、というふうに安易な考え方で、こういう政府出資の会社に理事長を送ることについて、私たちは根本的に反対であります。その人の人間がいいかどうかではなくして、相当責任ある配慮をしなければならない。前線に出ていて、海外の見本市を理事長はどういうふうに見てきておるかということ等について、国民は深い関心を持っておりますので、本日は非常に時間がございませんので、約束の三時で帰っていただくために、私たちは今後決算委員会のいろいろの審議が終りましても、いつ何どきでも、国民の疑惑を抱く点につきまして、事が起るならば出て、ここでその責任ある答弁をお願いいたすつもりでありますから、私が要望事項として通産大臣にそのことを申し上げておきます。
#62
○国務大臣(高碕達之助君) 本日の御審議の経過にかんがみまして、通産省といたしましても今後御指摘の点は十分留意いたしまして、所管事項にわたりまして実情の調査とか把握の徹底を期し、予算の執行の適正をはかることに一そう努力いたしますと同時に、予算をとった以上は私は有効適切に使うことに努力いたしたいと存じます。よろしく御支援をお願いいたします。はなはだ勝手でありますが、三時になりましたので失礼いたします。
#63
○相澤重明君 大臣がお帰りになってしまったけれども、せっかく政務次官においで願ったので、一つお答えをいただきたいと思うのですが、実は先ほど担当者からも国際見本市の内容について御説明をいただいたのですが、中国貿易についてはどうもまだはっきりした態度ができないという大臣の答弁で、苦悩しておるようでありますが、貿易をやはり促進する意味においても、見本市等は必要なことだと思うのです。またそのためにこれだけのいわゆる予算というものを政府は出すということにもなるわけです。そこで、従来行なっておったところの広州見本市等について、今、先ほども私申し上げたのですが、池田君が中共貿易の問題についてはいわゆる民間使節という形で行っているわけでありますが、そういう点について広州見本市というようなものを再開する考えはないのかどうか。この点一つ次官、御相談したのだと思うのですが、このプリントの中にあるものは、われわれはわかっているのですが、少くともそういう積極的ないわゆる中小企業、零細企業の振興対策というものからいって、どういうふうにお考えになっておるか、あるいは御相談をされておるか、一つお答えをいただきたいと思うのです。
#64
○政府委員(中川俊思君) 見本市の点について御質問のようでございますが、申し上げるまでもなく、輸出を振興いたします上においては、見本市は必要であることは申し上げるまでもないところだと思うのです。ただ私も実は東京商工会議所に長くおりまして、そういうような方面のことを多少研究してみたのですが、見本市をやったから必ずしも貿易が増大するとも考えられない。しかしまたこれをやらなければならない事態もまたあると思うのです。今の御指摘の広州見本市、いわゆる中共等における見本市等は、日本に隣接いたしました中国でございますから、これと密接な取引を招来する上からいって、大いに見本市を再開したいことはやまやまでございます。私は、就任をいたしましてから池田君から何らの相談も、実は私自身は承わっておりません。通商局長の方に対しては連絡あったかしれませんが、私自身はまだそういう御相談にあずかったわけではございませんが、しかし相談にあずかっているとかいなとかいうことは別としまして、ただいま申し上げますように、隣りの中国とは密接に貿易をしなければならないのでありますから、大いに見本市を再開すべきだと思うのです。ただ現状におきましては、これを再開していいかどうかということについては、私も多少疑念を持っているわけです。従って再開する時期になりますれば、通産省としては積極的にやるべきであるということが、私の現在考えているところでございます。そういう時期にすみやかになることを希望いたしておるわけであります。
#65
○相澤重明君 今、政務次官は、まだ就任早々だから聞いておらぬというのだけれども、事務当局はどうなんですか。
#66
○政府委員(松尾泰一郎君) 御存じのように広州、武漢の見本市はこの春済んだばかりであります。で、今貿易が御承知のような状況になりましたので、この跡始末をどうするかということでいろいろ研究をしている段階でありますので、新しく見本市をやるという問題につきましては、これはそういう事態になれば、もちろん今政務次官がおっしゃいましたように考えるべきだと思いますが、まだ今ちょっとそのことを考える時期では私はないのじゃないかと思うのであります。あまり時期が早過ぎるのじゃないかというふうに考えています。
 それから、池田先生がヨーロッパ旅行をされます前にちょっとお話は伺ったのでございまするが、あまり詳細には私承わっておりません。こういうことで行ってきたいというようなお話がありましただけで、深くあまり相談をいたしておりません。
#67
○相澤重明君 私は、そういうところがやはり大臣だとか政務次官はもちろん党で御相談もあるし、政府としても相談することだと思うのですが、やはり何といっても大事なことは事務局だと思うのですよ。事務当局が実際にやはり積極的な考え方というものを持たないとこれはもうなかなか大臣が一から十まで全部やるといったところで、これはやはり相談には限度があると思うのです。そこでとにもかくにも第四次日中貿易の協定締結の際には、団長の池田君が中国の事情を一つ打診をし、そしてでき得るならばこの日中貿易の再開をはかりたいといって出かけて行ったわけなんだから、民間であろうと個人であろうと、とにかくいわゆるこれだけの大きな日本国内における日中貿易の打開ということが、今問題になっておるので、その事務当局があいさつには来たけれども、深いことも相談もしなかったということは、やはり私はどうもその積極的な考えがないのじゃないかとこういう心配をするわけなんです。むしろまあ政府としていろいろ困難な事情はあろうけれども、何とか打開をする道を考えてくれというところまで私は行っていいんじゃないかと思うのです。こういうふうに思うわけです。ですから実はこの国会を取り巻く中にも、池田君の行ったことと北村君のソ連へ行くことと、とにかく何とか経済問題を一つ大物の二人が行ってもらって一つ打開をしてもらいたいのだと、こういう空気がびんびん伝わっておるわけだ。これは業界の人たちにもあるいは商社にも、それを事務当局が全然、大臣から指示がないといわずに、もちろん越権は困ると思うのですが、少くとも専門的な立場では、やはり積極的にこういう打開の道はないか、ああいうような事情はないかというようなことくらいは、私は相談をしてもいいんじゃないか、こう思うのです。この点はまあ政党出身の次官であるからよくおわかりだと私は思うのですが、やはり今年度の予算の中においても貿易を三十一億五千万ドル、いわゆる政府としては進めるということを説明をされておって、それでその貿易の促進が、少くとも近い国の中国なり朝鮮なりアジアなり、あるいはまあラテン・アメリカなり西欧なり、それぞれの地域に積極的に進めるというような政府の方針であった。昨年よりはとにかく今年は貿易を、多く輸出する、こういう促進をするということになっておるにもかかわらず(今のような答弁ではちょっと私は心もとないと思うのですよ。そういう意味で私はもちろん実は香港に私も行って帰ってきたばかりで、あそこの経済事情をいろいろ調べてみると、やはりもっと日本の積極的な海外進出ということが必要じゃないか。むしろ通産省は少しお役所になり過ぎる。実際にはいろんなパンフレットを作り計画はしておるけれども、やっていないのじゃないか、こういうことが実は心配されるわけなんです。そこで松尾君の言うように、この春やったからその跡片づけが今問題であって、次のことを考えておらない……。少くとも計画性を持たない見本市というものはあり得ない、私はそう思うのですよ。そういう点について池田君がせっかく行く時期に、あなた方が相談がなかったということはどうも私どもとしてはもの足りない。もっとやってほしかった、こう思うのです、率直に言えば。そういう点を今後も一つ、事務当局にはそのくらいの積極性、資料というものをいろいろ集めて……今香港へ行ってごらんなさい、ほんとうに国際的ないわゆる物資はしわ寄せをされて、日本の品物なんかもうただみたいですよ、安くなっておる。一つの例を話すとビールなんか日本で百二十七円であるけれども六十円だ。向うはたった六十円でビールは売られておる。そうやって日本商品というものは売られているのだ。そういう、国内から見れば、国内では高いものでやっているというのは、あれはやはり通産省の積極政策がないから、日本品というものはがたがた落ちているわけだ。そういうところを、私は先ほど日本貿易振興会の予算書を見て、あるいは宣伝もいろいろ聞いて、いろいろ外地におってもそういうことは聞いておるわけだ。いろいろ調べてみますと、どうも通産省のやり方がお役所仕事になり下っておるのじゃないか、こういう実は心配を私はしているわけだ。そこでお尋ねしたところが、はからずも池田君が行くのに、あれだけのとにかく日中貿易の立役者として行った御本人が、まあ日本の国内事情とはいえ、とにかく協定が締結ができなくてダウンしてしまって、今日非常に国内の経済界は不況になっている。だからそれを何とか打開しようといって出かけていった、そういう際にこそやはり相談をされていいのだ。こう思ったのですが、それがはからずも暴露されてしまったのですが、どうでしょう、政務次官、今のようなことでは私はやはりいかぬと思うのですよ。大臣はさっきも一生懸命やると、こういう御答弁をこの委員会で言っておるわけです。確かに若干の問題点はあるだろう。しかしその若干の問題点も国民経済の向上のためには打開をしたい。こういう熱意を持っておるのだから、そこであなたもその担当局長部長を一つ督励をして、そうして日中貿易を再開させる方向、その前提となるやはり見本市等は、少くとも先ほど松尾君も言ったように、広州、武漢の見本市は日本がやる気ならばすぐできる。やる気にならないからできない。こういうふうに私は向うに行ってみてやはりそういう事情がわかるわけなんです。そういう点を、ただ政治経済が中共は一本であって、日本は資本主義の国だから一本にならないからどうも事情が違うのだというだけでは、私は経済問題について国民は納得しないと思う。そういう点について一つ通産省の中でいま少し努力をしてもらいたいと思うのだが、政務次官どうですか。
#68
○政府委員(中川俊思君) 御説全く同感でございます。私は今いろいろ御注意なり御意見を拝聴いたした中でも、それに関して常に思うのでありますが、通産省の事務当局が積極性がない、こういうことでございまするが、これはまあいろいろな面を勘案して、私がわずか数カ月の間の経験からしますと、実はむしろ積極性がありすぎるのじゃないかというように考えて、私はちょっとブレーキをかけたりしておる点が実はあるのであります。しかし幸いにして、今もお話しになりましたが高碕通産大臣は非常な、この貿易に対しては熱意を持っておられる方でございまして、これは私どもが大臣として仰いでおるから言うわけではございませんが、失礼な言い分でございまするが、今の閣僚中では高碕大臣ぐらい中共貿易について熱意を持っておられる人は実はないじゃないかと思います。具体的にここで申し上げることは、いろいろな人の名前が出まするから御遠慮申し上げまするが、中共貿易につきましては非常な熱意を持っておられます。直接に政府からの代表を出さなくても、あちらへ行かれる人が行かれます場合には、常にその人に通産大臣からいろいろなことを、耳打ちして、そうして中共貿易がすみやかに打開できるような方向に持っていってもらいたい。都合によったら自分も飛んでいってもいいというくらいな、非常な熱意を実は持っておられるのであります。従って、事務当局もこの意を体して、決して私は消極的とは実は思わないのでありまするが、しかしなお御指摘になりますような点がございましたら御注意をいただきまして、私なり大臣なりで事務当局を鞭撻いたしまして御意思に沿うようにいたしたいと思いますから、一つ御注意をいただきたいと思うのであります。
 なお、広州の展示会の問題でありまするが、これは先ほど通商局長もお答えをいたしました通りに、あまりに――まあタイミングの問題もありまするし、どうかと思いまするが、しかしまた今御指摘のように、いつでもいいじゃないか、今すぐ大いにやったらいいじゃないか、という理論も成り立つと思います。しかし御案内の通り、日本がいかに積極的にやろうといたしましても、受け入れる方でただいまのような両国の国交問題がありますと、果してこれがうまく受け入れられるかどうかということも、また一応いろいろな観点からも考えなければならない問題だと思いまするし、また池田君の問題がたまたま出ましたが、第四次日中協定後におきまして、御承知の通りいろいろ両国間に問題が起きましたために、すべてのそういう問題がストップしておるのではないかと実は思うのでありまするが、そういう点も、高碕通産大臣というああいう熱心な方がおられまするので、通産省としましては全力をあげて、そういう展示会等がすみやかにできるような方向に持っていきたい、という熱意を持っておりまするから、今後につきましても、また何かと皆様方から御指示なり御注意をいただきたいと考えておるわけでございます。
#69
○相澤重明君 一、二で終ります。
 今、次官の心強い答弁があったわけですが、そうしますと、事務当局もむしろ積極的にやっておったという点で、私は大へん喜びとするものです。なお一そうそういうふうに、経済問題は何といっても国民生活につながる問題ですから、ぜひ一つ通産省としても積極政策をとってもらいたい、こう思うのです。
 そこで、事務当局では、非常にそういうことでいろいろの観点から研究をされておると思うのですが、たとえば、私、先ほどちょっと大臣ともお話ししたのですが、朝鮮貿易をたとえば再開をするとしたら、銀行決済等についてはどういう道をお考えになっておるか。これは一つ松尾さんから、いろいろあなたが経験を持ってお考えになっておると思うのですが、事務当局の考えをお答えいただきたいと思う。
#70
○政府委員(松尾泰一郎君) 北鮮との貿易の問題であろうと思うのであります。韓国との貿易の問題ではないんじゃないかと思いますが、先ほども大臣がお答えになりましたように、南鮮との関係で非常にデリケートな状況になっておるようで、やり方につきまして非常に慎重を期しておるような次第でございますが、今決済問題に限りどうするのだと、こういうお尋ねと思います。従来も、決済といたしましては現金決済ということにいたしております。大体ポンドの現金決済というのが普通のやり方ではなかろうか、オープン・アカウントではない、現金決済が一番普通のやり方ではなかろうか、こういうように考えております。
#71
○相澤重明君 そうしますと、大体ポンド圏ですから、キャッシュの決済で直接貿易なり直接配船なりその他のものをやる、こういうことは可能であると思うのです、この方針がきまれば。そこで、あなたが先ほどちょっと申された韓国ですが、いわゆる今日韓会談が進められておるけれども、日本には代表部が来ておるんだけれども、実際に日本の代表部は向うに行っておらぬでしょう。そこで通商関係について、韓国についても、何かそういう点は代表部の問題が討議されておるかどうか。その点いかがでしょうか。
#72
○政府委員(松尾泰一郎君) 私、率直にこの会談の内容を承知をいたしませんが、当然その中に代表部の問題も含まれておるのではなかろうか、というふうに想像ではございまするがしております。
#73
○相澤重明君 そこで一つ政務次官、私はこうまあ思うのですが、たとえば今韓国の場合の代表部を日本として向うに設ける、日韓会談の中でそれを進めてもらいたいのです、貿易問題としては非常に大きい問題ですから。
 次に、北鮮の場合については、今のところまだそこまでいっておらないけれども、少くとも相手の国が貿易をやってもいいということになれば、今松尾君が言うように、たとえば支払いについても、銀行決済についても、ポンド圏であるから現金なら現金でできるということになれば、貿易問題についてはそういう点でお互いに、こちらからも派遣をする、向うからも入国をさせるということが、やっぱり取りきめをしなければ、この貿易問題というのはなかなかむずかしいと思うのですよ。そういう点について、もし政府で、相手の国からそういうことがあるという場合には、お話を進める用意があるかどうか。先ほどの通産大臣のお話ですと、できるだけそういう点打開をしていきたいというお話だったのですが、この際、これで私は終りですから、次官の一つお答えをいただきたいと思うのです。
#74
○政府委員(中川俊思君) 前段の韓国の問題でございまするが、実はこれも私見としてお聞き願いたいのですが、通産省の意向ではないかもしれません。私は常に考えておりますことは、韓国の代表部は日本にございます。ところが日本の代表部は韓国にない。こんなばかな話があるかということが実は私の考えなんです。従って、こういう点が貿易を進める上におきましても、またすべての問題のガンになっておるんじゃないか、というふうに実は私自身は考えておるわけでございます。さらにまた、御案内の通り韓国との間では、現在貿易はバーター・システムになっております。この貿易をやる上におきましても、韓国からこちらに入れたいというのもございます。また日本から出したいというのもある。しかし、韓国と日本との間には御案内の通り五千万ドルという焦げつきがございます。この問題を解決せずして、そうしてそれはそのままたな上げにしておいて次の貿易に移る、というような点を考えておる向きもあるのでございます。しかし、私は通産省に入ってみまして考えておりますことは、その問題をまず解決してからそうして日本の代表部を向うに置いて、対等な立場で貿易というものはすべきじゃないか、こういう実は考えを持っておるわけでございます。まあいろいろな事情がありますために簡単にはいかないかしりませんが、私はそういうまず大原則を確立して、貿易をお互いに仲よくやっていくべきではないかという考えをもっておるわけです。
 後段の北鮮の問題でございまするが、これはお説の通りで、そういうふうにやっていかなければならぬと思いますけれどもが、ただ、いろいろな国際情勢が、これには複雑したものが北鮮側にもございましょうし、また日本側にもあると思います。従って、果してお説のような、きわめて常識的に考える点が常識的に運用できるかどうか。こういう点につきましては、一段の私は日本政府としても努力を要するのじゃないかと思いますが、しかしいずれにいたしましても、韓国とか北鮮とかあるいは中共とかいうふうに、日本に隣接いたしております国といつまでもこういう状態を続けておるということは、日本のためにもとるべき手段、態度ではございませんので、私ども政府のものといたしましては、内部においてできるだけそういう点はすみやかに打開の道を講じたい、という熱意をもって今後に善処いたしたいと思いますから、一つこれらの点につきましてもまた忌憚のない御指示、御指導を願いたいと思います。
#75
○委員長(小西英雄君) ほかにいろいろまだきょう欠席しておる委員の方から、日本貿易振興会あるいはその他の問題で質疑等もあるように承わっておりますが、それは後日の総括質疑に譲りまして、本日はこの程度といたし、通商産業省の部、検査報告批難事項第九百七号から第九百二十一号までの質疑は、一応終了したものとすることに御異議ございませんか。
#76
○委員長(小西英雄君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
#77
○政府委員(中川俊思君) 先ほど大臣からも申し述べられましたように、これまでの御審議の経過にかんがみまして、通商産業省といたしましては、今後御指摘の点に十分留意いたしまして、事前事後にわたり、実情の調査、把握の徹底を期し、さらに予算執行の適正をはかるために、一そうの努力をいたす所存でございまするから御了承願いたいと思います。
#78
○委員長(小西英雄君) 通産省を代表して中川政務次官より懇切なる御答弁がありましたので、以上をもって本日の審議は終了いたしました。
 次回は十月八日水曜日、午後一時より昭和三十一年度決算うち、運輸省の部を審議することにいたします。
 これをもって委員会を散会いたします。
   午後三時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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