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1958/10/29 第30回国会 参議院 参議院会議録情報 第030回国会 決算委員会 第6号
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1958/10/29 第30回国会 参議院

参議院会議録情報 第030回国会 決算委員会 第6号

#1
第030回国会 決算委員会 第6号
昭和三十三年十月二十九日(水曜日)
   午前十一時二十九分開会
  ―――――――――――――
本日委員大倉精一君辞任につき、その
補欠として小柳勇君を議長において指
名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事
           平島 敏夫君
           増原 恵吉君
           相澤 重明君
   委員
           稲浦 鹿藏君
           勝俣  稔君
           高野 一夫君
           手島  栄君
           東   隆君
           岡  三郎君
           小柳  勇君
           島   清君
           鈴木  壽君
           相馬 助治君
           森中 守義君
           常岡 一郎君
           岩間 正男君
  政府委員
   郵政大臣官房電
   気通信監理官  岩田 敏男君
   郵政省監察局長 荒巻伊勢雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修蔵君
  説明員
   会計検査院事務
   総局第五局長  上村 照昌君
   日本電信電話公
   社総裁     大橋 八郎君
   日本電信電話公
   社副総裁    横田 信夫君
   日本電信電話公
   社監査局長   久保 威夫君
   日本電信電話公
   社施設局長   平山  温君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和三十一年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十九回国会継
 続)
○昭和三十一年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十九回国会継
 続)
○昭和三十一年度国税収納金整理資金
 受払計算書(内閣提出)(第二十九
 回国会継続)
○昭和三十一年度政府関係機関決算書
 (内閣提出)(第二十九回国会継
 続)
  ―――――――――――――
#2
○理事(平島敏夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 本日は小西委員長に差しつかえがございますので、私が委託を受けまして委員長の職務を勤めさしていただきます。どうかよろしくお願いいたします。
 まず委員の変更を報告申し上げます。
 本日大倉精一君の辞任に伴いまして、小柳勇君が補欠として選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○理事(平島敏夫君) 昨日の委員長及び理事打合会におきまして申し合わせました事項を御報告申し上げます。
 明十月三十日木曜日午後一時から住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、国民金融公庫、十月三十一日金曜日午後一時より中小企業金融公庫、北海道開発公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行、十一月四及び六日午前十時より国鉄関係の質疑を行うことを申し合せました。御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○理事(平島敏夫君) 御異議ないと認めましてさよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#5
○理事(平島敏夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和三十一年度決算の審査に当って、国民金融公庫その他の政府関係機関の責任者から説明を求めるため、参考人として出席を求めることにいたしたいと思います。人選その他の手続は委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○理事(平島敏夫君) 御異議ないと認めましてさよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#7
○理事(平島敏夫君) 昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十一年度政府関係機関決算書、これを議題といたします。本日は日本電信電話公社の部を審議いたします。検査報告批難事項は第千百二十二号から千百二十七号までであります。本件に関し御出席の方は日本電信電話公社総裁大橋八郎君、横田電信電話公社副総裁、久保監査局長、山本経理局長、平山施設局長、会計検査院上村第五局長、郵政省電気通信監理官岩田敏男君、以上の諸君であります。まず会計検査院から概要の御説明をお願いします。
#8
○説明員(上村照昌君) 日本電信電話公社の三十一年度の検査の結果について御説明いたします。
 三十一年度の検査報告に個別事項として記載しておりますものは、工事関係の不当事項が三件、不正行為三件、合計六件となっております。
 最初の千百二十二号は、九州電気通信局で請負に付して施行されました八幡局改式工事のうち、地下管路布設工事について設計が適当でなかったため、不必要な管路二条を布設せられたため、約四百三十万円が不経済となっておる事態であります。すなわち、G十八号マンホールからG三十三号までの千四百七十九メートルの区間に六条または七条の管路を布設せられたものでありますが、そのうち二条については、同一路線に直埋めで布設してあります苅田―福岡間の無装荷五十四対ケーブルが道路の舗装により移設する必要があるというので布設されたものでありますが、もともとこのケーブルは道路の歩道部分に布設されているものでありまして、道路の舗装とは関係のない所にあるものでありますから移設の必要はなかったものであります。このようになりましたのは、ケーブルの布設個所について十分の検討がなされなかったことと考えます。
 次は、千百二十三号の東北電気通信局で請負に付し施行せられた仙台―石巻間市外電話ケーブル施設工事のうち、約六百万円で施行されましたケーブル移設工事についてでありますが、この工事は宮城県矢本町地内の四千百九十五メートルの五十四対地下ケーブルが埋設してありました国道に並行して新国道ができたため、旧国道が廃道になるおそれがあるという予想で、このケーブルを撤去して、新国道に並行しています既設の裸線路に、同対数の架空ケーブルとして移設したものであります。しかし旧国道は廃道ときまったものでなく、地元の矢本町で町道として使用することを希望しておるなど、引き続き道路として存続されるものと考えられるものでありますので、しいて移設工事をしないでもよかったものでありまして実施しなかったとしますと、撤去ケーブルの再用価格を差し引いても約四百三十万円の工事費を節減することができたと考えられます。
 工事の最後は東海電気通信局の千百二十四号でありまして、予定価格において運搬費の積算が適当でなかったため、約二百八十万円が不経済となっている事態であります。この工事は船山マイクロウエーブ中継所局舎新築工事と、山ろくから局舎に通ずる道路補修工事でありまして三十一年十月指名競争の形式で大日本土木株式会社と契約したことになっておりますが、実際はそれより前に同会社を指定して工事施行を開始したものでありまして、その後予定価格を局舎工事を七百三十六万円、道路補修工事を三百二十六万円とし、これとほぼ同額で契約したものでありますが、しかし、予定価格を作られる場合、計算せられた局舎工事の建築資材の運搬費を、局舎の方の予定価格に入れると局舎が高くなり過ぎるということで、作為して一部を道路補修工事の予定価格に含めておられますので、この点を考えますと、実際の建築資材の予定価格は五百余万円になっておるものであります。このうち直接運搬費を人夫一人が一日平均五十キロを運ぶものとして所要人夫が二千二百人、その人夫賃が一日千円として二百二十余万円と積算しておられますが、他の同種工事では人夫賃は最高七百円、運搬量は一日七十四キロ程度で、これに比べ本件は相当割高な積算になっております。また、諸経費のほかに食料費、人夫運搬雑費等百八十余万円を積算しておられますが、他の通信局ではその例を見ないところであります。今、本件工事の施行時期等を勘案し、他の事例によりかりに積算いたしますと、当局の運搬費の積算五百余万円に対し二百十余万円程度が適当ではないかと考えられます。
 次の千百二十五号から千百二十七号は、職員の不正行為により公社に損害を与えたものであります。
 なお、検査報告二百三十八ページから二百四十ページにかけて概括的な記述をしておりますが、そのうちに資産の陳腐化等により撤去された甲種固定資産の未償却相当額に対する経理方法が、前年度と取扱いが異なっている点、物品について多少異例の取扱いが行われていること等を記述しております。
 以上で説明を終ります。
#9
○理事(平島敏夫君) 次に日本電信電話公社から概要の説明をお願いいたします。
#10
○説明員(大橋八郎君) 御説明を申し上げる前にお許しを得まして、ちょっとごあいさつ申し上げます。私、先般、日本電信電話公社総裁を拝命いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。なお、同時に、隣席にあります横田が副総裁を拝命いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 では、昭和三十一年度決算検査報告に関しまして、日本電信電話公社として一言御説明申し上げます。
 昭和三十一年度当公社の事業収入は、電話加入者数の増加によります増収のほかに、サービスの向上改善に努めましたことが、経済界の好況と相待って全般的に利用度の増加をもたらした結果、三十年度に比べてかなりの純益の増加を上げることができた次第であります。しかしながら、今後の見通しとして考えますると、最近における電気通信技術の急速な進歩発達に伴いまして、施設の近代化のための取りかえを年々大量に行わなければなりませんので、減価償却費などが増大して参りまするし、また施設の拡張に伴う資本利子の支払いも増加して参りますので、現在程度の利益率の維持につきましてはかなりの懸念もありますが、今後も一そう経営の改善と合理化に努力する所存であります。
 三十一年度検査報告で御指摘を受けました事項は不当事項三件、不正行為三件であります。これを三十年度の不当事項五件、不正行為三件、二十九年度の不当事項十八件、不正行為八件と比較いたしますと、相当改善の跡がうかがわれるのでありますが、今後とも事業成績の向上について一そうの努力をいたしたいと考えております。
 建設工事は、電信電話拡充五カ年計画の第四年度として、工事計画達成のため総力をあげて努力いたしました結果、工事は順調に進捗いたしまして、おおむね当初の計画を遂行することができた次第であります。しかしながら、個々の工事の計画、実施に際しましては、事前調査、関係部門間の連絡、工事施行の実態の把握等につきましては、検査報告で御指摘の例のごとく、不手ぎわなものがあることをよく承知いたしております。第一次五カ年計画はおおむね所期の成果を上げまして昭和三十二年度をもって終了いたし、昭和三十三年度から第二次五カ年計画に入るのでありますが、今後当分の間、公社経営の根幹は、この建設工事をいかに経済的に計画し、能率的に実施するかにあると思われますので、今後も経営の重点をここに集中いたす考えであります。
 今回御指摘を受けました事項は、工事の計画、施行に当って事前の調査が十分でなかったもの、及び、工事の積算、契約に当って工事現場の実態把握が十分でなかったものでありまして、このような事態を生じましたことはまことに遺憾に存じている次第であります。今後はかような事例を繰り返すことのないように、一そうの改善をはかる所存であります。
 次に、資材の調達管理及び運用についてでありますが、数年来極力改善に努力をして参りました結果、相当成果を上げることができたと存じております。資材の調達額と貯蔵品在庫額は三十年度より増加いたしておりますが、これは工事量が三十年度と比べて相当大幅に増加したためであります。なお、供給材料の管理、調達価格の決定、物品の仕様規格などにつきましては、今後改善に一そうの努力を尽す所存であります。
 最後に、不正行為につきまして、このような事故が職員の中から起きましたことは、まことに申しわけなく存じております。本人につきましては懲戒免職、監督者につきましては厳重に処分をいたしますとともに、鋭意損害の回収に努めている次第であります。今後はますます綱紀の粛正に努めて事故の事前防止をはかりますとともに、内部監査、内部牽制の強化をはかりまして、この種事故の絶滅を期する所存であります。
 以上はなはだ簡単でありますが、概要を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#11
○理事(平島敏夫君) 以上をもって説明は終りました。
 これより質疑を行います。御質疑の方は順次御発言を願います。
#12
○相澤重明君 総裁にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、あなたは今のごあいさつの中にありましたように今度新任をされまして、第一次五カ年計画が終了をして第二次五カ年計画に入るわけでありますが、前任者のあとを引き継いで新しく就任をされて、経営の向上あるいは合理化を促進をする、こういうごあいさつでありましたが、合理化についてどのような御計画を持たれておるか、端的に一つ御説明をいただきたいと思います。
#13
○説明員(大橋八郎君) いろいろな方法はあろうかと思いますけれども、技術の進歩発達がどうしてもすべての中心になろうかと思います。今後の技術の進歩発達をはかり、また一方、経営その他についてもできるだけ事務の簡捷あるいは綱紀の粛正、いろいろな方法を講じて今後の事業の改新をはかっていきたいと、かように考えております。
#14
○相澤重明君 事務の簡素化とかあるいは技術の進歩ということでありますが、私は当初にお尋ねしておきたいと思うのは、経営の合理化ということが即人員整理、あるいはまたそうしたところにしわ寄せがされるということについては、問題が将来に非常に残る。しかも、電信電話の需要度というものは、国民の文化の程度の向上に従ってますます多くなってきておる。しかし、なかなか現状では追い付けないような状況なんです。こういうような問題をどうして解決をするかということを、総裁就任後いろいろ御検討されたことがあると私は思うんですが、そういう点はまだ御発表の時期でございませんか。いかがでしょう。
#15
○説明員(大橋八郎君) 実は就任早々まだ日が浅いのでありまして、現在のところは五カ年計画初年度の成立しておりますものをいかに遂行していくかということでまず一ぱいでありまして、これから一つ十分検討をしたいと考えております。
#16
○相澤重明君 そこで、それでは次に、今の私の申し上げた少くとも国民の需要度に応ずる電電公社のあり方から考えると、国民に対するサービス、あるいはできるだけ現在の電話を引く場合にも低廉な方向に行く、ということの検討をされてしかるべきではないが、こう思うわけです。そういう点については、総裁も就任早々ですから、十分御検討願って、次の委員会あたりには一つそういう方向というものを私は出してもらいたいと、こう思う。同時にまた冒頭に申し上げましたように、企業の合理化あるいは機械化ということによって、つまらんところの人員削減というようなことで問題を起さないように、十分配慮あってしかるべきであると、こう思うんです。
 そこで、具体的に今度は、決算ですから、お尋ねをしたいと思うのでありますが、第一次五カ年計画が大体完成をした、こういうお話でありますが、先ほどの御説明もある通り、今までの資金の投入計画は大体計画に近い額が投入されておるわけですが、一方においては電話の需要というものは非常に多かったために、収入というものは非常に私は多くなったろうと思う。そういう点でどのくらいの、いわゆるこの当初計画の投入資金と、それから収入に伴うところのそのいわゆる工事というものが行われているのか。その五カ年計画の最終的な実績というものを一つ御報告を願いたいと思うのです。
#17
○説明員(横田信夫君) ただいまお話のありましたように、御指摘の点は、この総額といたしましては、当初の計画の建設過程をほぼ充足をいたしまして、ある部分においては当初計画を相当超過いたしたいというものが相当多いわけでありますが、その建設資金の内訳といたしましては、総体的に申し上げますと、収入の増に伴うこの自己資金の充当が予定の金額より幾分多くなっている、外部借入金が幾分予定よりは少くなっているということになっておりますが、その自己資金並びに外部資金の各年度の充当額は……、この五カ年の総計を申し上げます。外部資金の五カ年の予定は一千百四十五億予定いたしておったわけでございますが、予算上成立いたしました外部資金が八百八十四億、外部資金として実際に充当されました額が九百五十五億。自己資金といたしまして当初計画で予定いたしましたものが一千六百二十七億、予算上の額が一千八百十九億、実績といたしまして充当されたものが一千九百八十億、こういうことに相なっております。
#18
○相澤重明君 そこで、今の御説明のように、当初の計画よりは、実績としては資金量が相当上回っている。従って工事も当然まあこれは多くなっているということが私は考えられると思うのですが、その間に三十一年までには相当の、この神武景気ということで一時資材の値上りがあったと思う、そういうような面において、実際の消化額といいますかそういう面において、困難性を私は伴ったというようなこともあるのじゃないかと、こう思うのですが、そういう資材の点についてはいかがだったでしょうかね。
#19
○説明員(横田信夫君) まあこの第一次五カ年計画の途中におきましても、種々の困難に逢着いたしたわけでございますが、お話のごとく、この建設工事のうちの大部分の費用を占めるものは実は資材費でございまして、七割ないし八割、場合によってはそれ以上のものが資材費ということになるわけでございまして、実際の工費はわずかのものでございます。そこで資材の値上りその他――資材が高くなれば当然予定規模が同じ金額ではできない、という問題に逢着いたすわけでございますが、第一次五カ年計画を総体的に見ますと、そういう困難もある程度との技術の進歩というようなものと相殺いたしまして、一応全体的には予定計画を上回る工事量が一応できたと、こういうことに相なっております。
#20
○相澤重明君 そこで、今のような御説明だけではちょっとはっきりしないのですがね。私は、資材の値上り、建設工事の促進度合によって、公社としては若干この経理上妥当を欠くのではないかと、こういう、面が見られるのは、先ほどの会計検査院から指摘をされておった、「資材の調達、管理および運用について」、二百三十九ページから二百四十ページにわたるものがあるのです。この内容を見ると、貯蔵品というものを前年度と異なる取扱いをしているということはわかりますが、供給材料勘定で二十九億九千四百余万円ある。しかもこの積送品勘定で輸送の途中にあるもの等をこの勘定に入れますと、相当な額になる。従ってこの工事用物品を実際に、何といいますか最も合理的に使用するということになれば、倉に入れておくいわゆる貯蔵しておるものが少し多過ぎやしないか、年度末においてまだ供給されていないものが、少くとも九億九千八百余万円に上っておる、こういうことを会計検査院は指摘をしておるわけです。こういうことやあるいはまた「右の貯蔵品等のほかに、納期を年度内と定めて契約したもので、年度末在庫調整のためとしてその納入期限を次年度に延伸する措置をとったものが十一億七千五百余万円」、こういうことはこれは少し――あまりとんとん拍子によかったので、少しそういう点で放漫になったおそれはないか。こういう点を考えられるわけですが公社としては、いやこういうことは当然であってまだ足りないくらいである、こういうようにお考えになっておるのか、あるいは会計検査院の指摘をされたようなお気持が現在もあるのかどうか、こういう点についてお答えをいただきたいのであります。
#21
○説明員(横田信夫君) ただいま御指摘を受けました点につきましては、われわれの努力の足らない点もまだ多々あるかと存じますが、実は公社発足当時この貯蔵品の在庫量は約百五十億程度あったわけでありまして、ただいま御指摘の通り、事業運営の一番能率的基本の一つの大きな問題は、できるだけ少い貯蔵品で工事を円滑にやっていく、事業を円滑に運営していくということが、事業運営の一つの大事な骨幹であろうかと思うのであります。この点は御指摘の通りでありまして、公社になりましてから非常に努力いたしました点は、ここに相当重点が置かれておったわけであります。そこでできるだけ在庫量を少くしていくということに努力を置いていったわけでありまして、年々その意味でこの在庫量が少くなって、むしろ工事の幅は多くなるけれども、在庫量はできるだけ少くなっていくという意味の成果を上げて参ったわけであります。
 で、全体的に申しますと、三十年度はその貯蔵品を非常に少くするという反面、それに非常に努力をしたために、ちょっと工事に間に合わないというような現象を三十年度に少し起したわけであります。そういう点もありまして、三十一年度は、在庫量は少いに越したことはないけれども、在庫がないために工事が遅れるというようなことのないようにという点で、そういう意味の在庫品の補充等について、従来の非常にシヴィアな制限を幾分緩和いたした点はあります。この点が経理上の一番今後の問題でもありまして、在庫はできるだけ少くして、しかし事業運営なり工事に差しつかえない、これが一番経理上の一つのむずかしい点でありますが、この三十一年度を全体的に見ますと、そういう意味において、三十年度よりは幾分その在庫量が多くなってきたという点は、御指摘の通り少しあるわけであります。しかし同時にまた工事量も相当ふえて参りましたので、当然ある程度まで在庫も幾分ふえざるを得ない。そこでできるだけ在庫の回転率をよくするということの回転率の点で、工事の幅は多いけれども回転率は同じだという結果になればいいわけでありますが、回転率も幾分三十一年度は落ちたわけでありまして、その点は三十二年度に努力して三十年度よりまた取り返していく、こういう成果をあげ得たわけであります。
 それからなお今御指摘の積送品勘定の問題でありますが、この辺も制度を幾分変えました趣旨は、実はこういう点にあるわけでありまして、御承知のようにわれわれの事業も年度を一応三月三十一日をもって切っておりますが、そこで一応工事をいたした物品の使用したものを固定資産として計上するということにいたしておるわけでありますが、その年度のちょうど境になるときに、年度途中も当然積送品というものがあるわけでありますが、一番問題は、その年度の境のときに来年度の工事を円滑にするためには、当然貯蔵品を現場に置かしてもらわなければならぬという問題が起るわけであります。しかし現場においてはそれを建設にまだ使っていないというものが年度の境にある。これを会計上どう処理したらいいかというのが一つの問題でありますが、三十一年度に処理いたしましたのは、このものがまだ建設に使われていないというので、これを資産計上するのはおかしいのじゃないか、まだ資産になっていないというので積送品勘定にそのままで計上いたしておった、こういうことのやり方をいたしたわけであります。これは考え方によりますが、この考え方の方がむしろ正しいのじゃないか、こう思いまして、三十一年度のみならず三十二年度もまた同じ方式を踏襲いたしてきております、積送品勘定に計上して貯蔵品としてそのままおいて、まだ財産にはなっていない、固定資産にはなっていないという、そういう形のままの扱いをいたしてきたわけであります。
 それから供給材料につきましては、この九億九千万円というものをまだ工事請負業者に渡していない。これは当然現場の監督者がすぐ工事請負業者に渡すべきであったということを、これをわれわれの方からの、中央からの指示が十分説明が理解されておらなくて、工事監督がそのまま持っておって渡さなかった、すぐ渡してくれればよかったのですが、これは確かに手違いでありまして、この点は三十二年度においてはそういう問題は起っておりません。
 以上のようなわけでありまして、全体といたしましてこの資材の在庫をできるだけ少くいたしたい、しかも工事を円滑にやっていくということにつきましては、今後とも経営上の努力を十分やっていきたい、こう考えております。
#22
○相澤重明君 なるべく要領よく適切に一つ説明をしていただきたいと思います。
 私はこれ一つで大体今のところ終って、他の委員の御発言がありますから……。特に私の申し上げたいことは、在庫品の多いというのは、ともすれば粗末になり過ぎるおそれがあるわけです。ですから不急不要品であれば処置をして、必要な資材というものはやはり購入しなければ今の需要度には間に合わない。私は必要品を買い過ぎてはいけないということを言っているのではない。そういう点をとくと一つ公社で気をつけていただきたい。
 それから今の副総裁が言われた計画の、いわゆる中央と地方との連絡の問題です。これは私ども昨年大阪、近畿地方を電電公社の決算の現地調査に行ったわけです。やはりこういう点に若干のそごもあったわけです。そういう点も三十二年度はないとおっしゃるから、いずれ三十二年度もやりますが、けっこうなことだと思います。ぜひそういう中央地方の計画上のそごのないように一つ努力していただきたいと思います。
 それから設備の点でありますが、私は電電公社の新しい建物が一面においてはどんどん建っていきますが、他面におきましては旧庁舎の設備を改善しなければならぬものもたくさんあると思います。そういう点が比較的新しいものにあまり頭を突っ込み過ぎて古い設備のいわゆる修理、改築というものがなおざりになるおそれがないか。もっと率直にいえば新しい局を作るのが必要で当然であるけれども、古いところのそういう設備の拡充ということをしないために、非常に人口の多い所で比較的電話というものがやはり新しく申し込んでもなかなか付けられない、こういうのがありはしないか。そういう点で設備上第一次五カ年計画の中で当初は大体完了するというふうに聞いておったが、実際に残ったものはなかったかどうか。こういう点について第一次五カ年計画の中における最終的な設備上の問題について、もしおわかりになったら一つ御報告を願いたい。
#23
○説明員(横田信夫君) ただいま先生の御指摘になりましたような点が、われわれとしても一番頭の痛い点でございまして、実は先ほど概括御説明申し上げましたように、予定工程といたしましては、第一次五カ年計画に掲げました加入者工程、あるいは市外回線キロ程を予定工程以上のものをやっているわけでございます。これが実は予定工程と申しましても、われわれの事業はお客さんの要望に対してこれに対応していくという事業であります。ところが予定、予想いたしました以上にお客さんの需要が非常に多いという結果から、今、先生の御指摘になったような問題が各地に起っておる。全体的に申し上げますと、第一次五カ年計画をかくのごとく相当大幅に遂行いたしましたけれども、日本全国といたしましてお客さんが電話を申し込んでおって、付かないといういわゆるわれわれ積滞数と申しておりますが、そのお客さんの数が第一次五カ年計画を開始したときは約四十数万、第一次五カ年計画の終了したときには約六十万近いという、十万以上というお客さんの申し込みのたまったものがふえてきた、五カ年計画の拡充をしたけれども、拡充計画と言ったけれども、実はお客さんの需要の伸びの方が多くて、お客さんの需要のたまり方が十万もよけいたまってきた。こういう現象になっておるわけでございまして、このお客さんの要望が特に都市に多いという関係で、御指摘のごとく都市におけるお客さんの需要がまだ十分充足されない。こういう現象を来たしておるわけでございまして、そういう点におきまして、第一次五カ年計画の幅も今まで予想した以上の伸びがあるといたしますならば、この第二次五カ年計画においてもこの点を十分考えまして、お客さんの要望に沿うように、規模の拡大ということもわれわれは考えていかなければならないのじゃないか、そして皆様方の御助力も得なければならないのじゃないか、こういうように考えております。
#24
○小柳勇君 さっき副総裁の建設資金の予定と実績の中で発表された数字によって質問いたします。
 予定として自己資金一千六百二十七億のところ、実績として千九百八十億、プラス三百五十三億自己資金がふえているのでありますが、さっき総裁のお話の中でも施設の増強なり、サービスの向上によって増収があったのでというような発言がありました。この三百五十三億の自己資金のふえた分、これは施設の増強とサービスの向上と振り分けて、一体どのくらいの数字の振り分けができるものか御説明願いたいと思います。
#25
○説明員(横田信夫君) 自己資金のふえの内訳でございますが、サービスの向上と施設の増と、こういうような分け方にはっきり該当するかどうか幾分疑問がありますが、お話の点のたとえば減価償却繰り入れというものは、これは設備が予定以上にふえてくれば、当然この減価償却というものの金額もふえるわけでございますので、こういうものは設備増というように考えていきますと、それからそのほか資産を充当したものがあります。今の在庫品を大いに活用していくとか、あるいは撤去品を活用していく、こういうものもやはり設備増と考えていいと思いますが、減価償却の引当金が予定計画に対して、これは大体予定と実際と同じであります。で、資産充当いたしましたものが、予定に対しまして実際ふえたものが約百六十億円くらいふえております。それから装置料と申しまして、加入者に予定以上つければお客さんからいただくことになっておりますものが、予定よりふえたものが約六十億あります。それから損益勘定の差額のふえたものが計画に対して百五十億、そういうような内訳になっております。
#26
○小柳勇君 損益勘定の大体百五十億というものも、大体サービスの向上というふうにとってよろしかろうと思いますけれども、こういうような百五十億の金というものは、もちろん五カ年計画に急がれて設備資金の中に繰り入れられたのでありましょうけれども、職員のオーバーロードなりあるいは特殊な作業なり、いわゆるサービスの向上というようなもので考えるとするならば、当然この中の大部分というものは、職員の方に手当なりあるいは増給として支払うべきものではないかと考えるが、いかがですか。
#27
○説明員(横田信夫君) われわれといたしまして、この事業の目的といたしまして、お客さんに対してサービスをよくしていくということとともに、われわれの公社の中で働いておる従業員の生活が向上していくということは、われわれ事業経営者といたしまして、当然これはわれわれとしてもできるだけそういう線に沿っていきたいということは考えておるわけであります。ただ予定以上の収入があったとき、それが全額従業員の方にいくべきものであるかどうかということにつきましては、これは全額でなくして、一部が従業員の方に還元されてしかるべきものではないかと考えております。御承知のように、われわれの方の電信電話の従業員の給与ベースも昔は非常に悪かったのでありますが、ようやく一般のレベルに大体近づいてきたように私考えております。従いまして、過去五カ年間におきましても、従業員のベース・アップその他につきましては一般の社会レベルとともに向上いたしてきておりますし、われわれの中の従業員の生活向上というものも当然なされてきておる、われわれ事業管理者といたしましてはそういう自信を持っております。
#28
○小柳勇君 五カ年計画の総括的なことで、数字で、私、話しましたけれども、三十一年度のやつを見ましても、自己資金と外部資金との当初の考えと実績というものは相当違ってきておるわけです。年々歳々そういう現象にあるわけです。それで、もちろん予定ですからいろいろありましょうけれども、そういうふうに初めの予定の自己資金の見通しと、それから実績と、自己資金のふえ方、そういうものについては、やはり私はもっと職員に還元すべき要素が多分にあるような気がするわけです。実際上私もいろいろ今まで職員と話をしておりますが、しかもその五カ年計画の途中では、職員が賃金の引き上げを総裁に要求して、いろいろ御相談申し上げた場面もあったと思うのであります。あるいは手当についても相当要請した場面もあったのですが、このような建設を急ぐのあまり、そういうようにこの自己資金をもって建設をまかなっていかれたのだと思うのですけれども、将来もあることです、今後もやはり設備の増強についてあるのですが、もう少しこの内容について、自己資金が初めの予定に対してこういうふうに実積がふえてきている、もう少しその損益勘定の中の細部の問題についても、もしわかっておったらもう少し親切に御説明願いたいと思うのです。
#29
○説明員(横田信夫君) 今の御指摘の点につきまして、この予定収入が増加いたすということは、われわれの方の予算は御承知のごとく、建設勘定におきましても加入者の数というものが予算総則で弾力性を持たしてある。従いまして設備の余裕のある所ではお客さんの需要が予定以上に多いという場合は、予定以上のお客さんがつくということがあるわけでありますが、その場合は当然今の装置料等が予定以上に上るとともに、お客さんの方の収入というものも当然上ってくるわけでありますが、そういう当然上るべくして上るものと、それから非常に従業員の創意工夫そのほかによって上ったものと、こういうようにあるわけでありますが、これは各地方々々で相当こまかく違っておりますので、大体の考え方だけ申し上げますと、そういうものが予定以上の創意工夫でできた場合はその一部を従業員に還元してもらうと、こういう一つのプリンシプルのもとに大蔵省の方の承認もある程度得ている、こういうことで従来も運用いたしてきたわけであります。
#30
○小柳勇君 最後に一つ質問とそれから若干要望をいたしますけれども、現在この電信電話公社の職場というものが非常に近代化されてくる、これはけっこうなことです。ところかこういうふうに建設資金の中に自己資金、いわゆるサービスを向上して収益が多かったものが建設資金の中に繰り入れられていく。そうすると職場はだんだん近代化していきますが、その反面労働者の数というものはどんどん減少していくわけです。従ってそういうような、これからも第二次五カ年計画に入られると思うのですけれども、そういうものはやはり総裁も十分一つ腹の中に入れておいてもらってこういうふうに収益のあったものはどんどん建設資金に回していくというような考え方がもしあるとするならば、私は改めてもらって、そうして職員の労働条件に属するようなものは職員に還元する、これは当然そういう建前になっているのですから、公社は。そういうことをお考えになって、そうしていわゆる労働条件、生活条件と建設等がバランスして進行するように考えていただきたい、意見でありますが、もしそういうことで総裁なり副総裁がお考えがあるならば、ここで一つ御発表願っておきたいと思います。
#31
○説明員(横田信夫君) お話の通りわれわれもこの従業員の努力というものによる還元ということによって従業員も能率を上げることにより一そうの、どう申しますかモラル、いわゆる作業意欲、労働意欲というものも向上されるわけでありますので、その点はわれわれとしても今後とも、より努力いたしたいと考えております。それから全体の方の従業員の数の問題でありますが、まあわれわれの方は今御指摘のごとく事業の性質上技術的進歩ということが相当多いし、また技術的進歩に即応をしないとサービスの向上はできないということで、これはどうしてもわれわれの事業に与えられた使命であると思いますが、幸いにして全体の規模が非常に拡張の規模にありますので、全体の必要人員といたしましては全体的には減らない、むしろふえる、従業員の数は。ただある部分的には従来の手動電話局が自動化するとその交換手は要らなくなる、こういう問題が起るわけでありまして、そこで配置転換そのほかについての問題をできるだけ円満にやり得るように、これを組合の方とも常に話し合いまして円満にやれるようにわれわれとしては考えております。なお要員計画と見合わしてこれらの設備計画も改良していくというように進めております。
#32
○小柳勇君 ちょっと気になりますのでもう一言質問いたしておきますが、さっき副総裁は職員の生活状態なり待遇も大体水準までに追っついたと考えると、こういうような御発言がありましたけれども、私は現在の電通の職員の給与は、なおまだ副総裁が今言われたほどそのレベルが上ったとは考えておらないのです。もう一つその点に限って御回答願っておきたい。
#33
○説明員(横田信夫君) 私も従業員の生活の向上は、できればより以上向上した方がいいと考えております。ただ、これはわれわれの方の事業といたしましてわれわれの従業員の待遇向上はお客さんの犠牲においてやるべきでなくしてわれわれの事業の能率的経営というものをお互いにはかっていってこれによって従業員の生活も向上いたしていくということが望ましいと、こういうことでありまして、生活向上は一般レベルに追いついても、またそれ以上になることが望ましいことでありまして、現在の従業員の待遇が終着点であるとは毛頭考えておりません。
#34
○岩間正男君 ただいまの小柳委員の御質問に関連しまして二、三点お伺いしたいのですが、第一に、年々予想外に収益が上っておる、こういうことによって一部還元されておるというのでありますが、一部還元の大体率というものは数字で今までお持ちですか。それから例年の、ここ三、四年、数年間の統計でいいのですが、その数字ございませんですか、どの程度になるのですか、これはパーセンテージとして。
#35
○説明員(横田信夫君) ただいま申し上げましたように、この従業員の創意工夫、努力によって成果を上げたものについて、職員に還元する業績手当の額でありますが、昭和二十八年度五億二千七百万円、昭和二十九年度二億四千七百万円、昭和三十年度九億四千六百万円、昭和三十一年度十九億九千七百万円、昭和三十二年度二十六億ということに相なっております。
#36
○岩間正男君 これで収入に対して一部というお話ですが、パーセンテージにしてどのくらいになるものでしょうか。つまり創意工夫によって増収分見込みができていると思うのですが、それに対して一部還元というその一部の度合い、これをお聞きしたいのですが、どんなパーセンテージになりますか。
#37
○説明員(横田信夫君) 各年度において幾分その相違がありますが、約三〇%程度がこれの基準になっております。しかしこれは先ほど申しましたように当然ふえてくるものは別にいたしまして、そういう今の超過額の約三分の一と申しますか、三〇%程度が基準になっております。
#38
○岩間正男君 当然ベース・アップその他の自然増ですね、そういうものを抜いて、そうして今のお話はそういうことなんですね。その分での三〇%だけは一部還元されておる、こういうお話なんですね。この点、つまり今も小柳委員から質問がありましたけれども、あたりの公社並みなりほかの公務員並みに最近なっているのだというのですが、なかなか、私どもは職場の声を聞いておりますが、生活条件というものは必ずしも労働条件に対してバランスがとれているという形にはなっていないのであります。その証拠は何よりも現在やはり電電公社の労働者の諸君がこれに対する要求を激しく持っている。そういう点からも、うかがわれると思うのですが、こういう要求についてもっと努力をされて、そうして三〇%をもっと率を上げることによってこの要求の一部でも満たしていくことができると思う。それだけの財源を持っているのだ。――とにかく公社の中で黒字を大きく上げておる、最近そういう点では経営内容が非常に豊かなのは電電公社だというのは天下周知のことです。それにもかかわらず実際の職場における労働者の諸君が、果してそれだけの待遇の面において均霑を受けておるかというと、そういう形になっていないんじゃないか、そのバランスがとれていないというのが現状じゃないか、こういうふうに思うのですが、この点についてどうお考えになりますか。
#39
○説明員(横田信夫君) 実はこの傾向がいつまで続くかという問題もあるわけでありまして、実は本年度あたりになりますと、予定に対しての実績というものが、予定に対して非常に少いのです。そこで今のお話のような三〇%でいいかどうかというような問題にも現実にぶつかっているわけであります。この点は今後われわれとしてもいろいろ研究していきたい、こう考えております。
#40
○岩間正男君 これは大部分は職員の創造、工夫、努力こういうものに負うところが多い、そうしてまた還元されるのは三〇%ということになりますと、こういう点についてわれわれはやはりもっと考慮する余地があるのじゃないかと思うわけですね。今お話のように全体として黒字が出ているのですが、そのうちでも特に今のような労働者の勤労に応じ……、従いましてこの還元率というものは非常にバランスがとれていない。非常に概括的でありますけれどもそんな感じがするので、この点についてのもっと明確な立場をとられることが必要じゃないか。むろん他との振り合いということで締められている面があり、それがまたあなたたちの、ともすると労働者の要求に対してのそれを拒否する口実になっているのじゃないか。しかしこういう点ではやはり何といいましても労働者のある意味では、悪い言葉を使えば犠牲によって、これだけの大きな収益が上っているので、当然還元率というものはそれにふさわしいところの還元がされるということなのです。それが当然私は労使の、現在におきましての建前じゃないかというふうに考えるのですが、そこのところのバランスがうまくとれていないというところに、今のやはり労働者のいろいろな要求が出ているのじゃないか、こういうふうに思うのですが、こういう点について概括してどうお考えになるか、この際――これは総裁は就任されたばかりでこういう問題について当然直面されるわけですが、経験はこれはあまりお持ちにならないかもしれませんが、概括的にどうお考えになりますか。
#41
○説明員(大橋八郎君) 今の御質問の点でありますが、実際問題としてなかなかむずかしい問題でありまして、収益の源泉が果して全部従業員の努力でされたものか、あるいは一般のこの世の中の景気なりあるいは利用者の利用度が非常に増加したためになったのか、いろいろな原因がそこに全部総合してそれだけの収益が生まれたわけであります。そのうちのどの程度が果してほんとうの労働に従事している人の努力に負うものであるかということの判定は、なかなかむずかしいのでございまして、今までは今申し上げたような程度でやっておるのでありますが、何かうまくそれを考え出す基準がありますともっと明確になるのでございますが、なかなかその辺がむずかしいところであります。今後何とか研究してなるべく御趣旨に沿うように努力はしたいと思います。
#42
○岩間正男君 こういうところが、実際はたとえば黒字の内容、そういう収益の原因を科学的に追及するということは、それは経理に当っては当然私はとられなければならないことだと思うのですが、むろん何といっても景気の問題もありましょう。しかし最近のこの電電公社の場合を見ておりますと、オートメーション化によって非常に一人当ての仕事量というものは多くなってきた。そういう問題も非常に含んでいるのじゃないかということを思うわけであります。しかし一方では、当然これはそのために職場を失う者が出てくるわけです。これは非常に電電公社の場合は著しいと思うのです。私は国鉄の内容なんかも聞いておりますが、国鉄でも多少そういう傾向がありますけれども、電電公社の場合はもっとこれは近代化されているという点からきている。オートメーション化に伴うところのいわば人員の縮小という問題が大きく出てきているわけですね。ですからそういう点について、もう少し経理内容を科学的に検討することが可能だと私は思うのでありますがね。そういう点が明確になっていない、いつでもぽかされているところに、やはり労使の間の問題が不明朗になっているところがあると思う。こういう点については御努力されるというお話でありますけれども、これを急速にやはり科学的に経理内容を分析して明確にする、こういう努力をされることが非常に重要だと思うのです6
 これと関連しまして、配置転換をしておるという話でありますけれども、どうですか、あなたたちの企業内部で配置転換を受け入れるようなそういう余裕はあるのでございますか。どういう形になっておるんですか。この点私しろうとでよくわかりませんけれども、お伺いしたい。
#43
○説明員(横田信夫君) 全体的に申し上げますと、先ほど申し上げましたように、われわれは幸いにして拡張過程をたどっておりますので、一方において自動化そのほかの機械化の問題はありますが、全体としての従業員はかえってふえておる、こういう傾向にあります。従いまして、職種転換、配置転換ということの話し合いができますならば、全体としては人間の縮小はなしにいける、こういう部分的な地域としてはある、こういうような情勢に相なっておるわけであります。
#44
○岩間正男君 この問題も、まあある程度のピークに達して、そのあとはやはり行き詰まりというような傾向を一つ持つ可能性があるわけですね。もっとも最近の需要からいえば、もっともっと電話の口数をふやすという傾向にありますから、当分はそういうピークには達しないかもしれません。そういうことに対する見通しの問題と、もう一つは、配置転換ですね、これはまあ当人の意に反してずいぶんこれは配置転換しなければならないということが起ってくると思うのですが、そういうような犠牲について、どういうふうに犠牲に対して処置をするのか。相当いろいろな問題が起っておることを私たち絶えず耳にしておるのでありますけれども、いわばこれは経営者の都合で機械化されたそのことによって、人員の縮小が当然生まれた、そうしてそのことによっていろいろ不本意ながらも異動しなければならぬという事態が起るのですが、これについて十分バツク・アップするような給付の態勢を考えておられるんですか。現状は果してそういうところまで手が行き届いておりますかどうですか。そういう点お伺いしたいんですが。
#45
○説明員(横田信夫君) 従業員にしわ寄せがいかないように、われわれとしても最大の考慮を払うという趣旨でやっておりまして、御趣旨の通りでありますが、たとえば電報の中継機械化が行われるという場合に、この電報中継機械化で、従来モールス通信をやっておった人が今度は機械の保守に当らなければならぬ、こういうようなことになるわけでありますが、その場合には事前にその当人に相当訓練をしてもらっておく。で、その待遇においても、その配転、職転によっての直接損害を受けることのないように考えたい、こういうような原則のもとに個々の事態を処理していくというようなことにいたしております。
#46
○理事(平島敏夫君) ほかに御質問の方ありませんか。
#47
○森中守義君 総裁に二、三点承わりたいと思います。
 その前に、この前私は、この委員会で郵政関係を少しお尋ねいたしましたが、郵政関係が国営事業であるのに、あまり不正事項、不当事項、批難事項が多い。これは年々歳々郵政関係は一向に減小の傾向にありませんが、公社の場合には本年度のは、先刻検査院からも言われましたように、非常に軽小であるということは、比較論において私はけっこうだと思います。ただ依然として六件にわたる批難、不正行為が存在するということは、これは必ずしもいいことじゃありませんが、比較論に関する限り、私は、やや努力の跡を国会としても認むべきである、こういうようなふうに考えておるのであります。従いまして個々の事案の内容についてお尋ねする必要はもとより今のところありません。願わくば今後、先刻総裁も言われましたように、この絶滅に向って努力をしていただきたいと思います。従ってこの機会にお尋ねしておきたいと思いますことは、公社の現在の状態に、はたしてこれがオールマイティだというようにお考えであるかどうか。オールマイティであるかということは、もっと具体的に申し上げるならばこういうことです。郵政省が、監督官庁になっておる。あるいは予算についても郵政大臣を経由して大蔵省が掌握をしておる。さらに会計検査院が存在をして予算の執行あるいは業務の金に関する運行についての検査を受ける。さらにまた内部においても、内部の監察局やあるいは経営委員会等は、これは当然でありましょうが、あまりにも監督といいますか、あるいは検査というか、制限をする機関が多い。で、これは今日の制度からいくならば、国のいわゆる国家機関ということでありますからやむを得ないと思いますが、国の仕事から完全に分離したというのは、私はこういった監督的な色彩をあまり強めないで、自由自在にわが国の産業あるいは経済、文化向上のために、電気通信事業を大いに飛躍発展させるというところに根源がおかれていたと思います。であるのにここ数年を出でずして、第二次五カ年計画に入ってはおりますが、あまりこの政府機関の直接の監督が多いために公社の自主性がややともすると失われていくのではあるまいか、こういうことを非常に危惧するのであります。従って総裁新任まだ日も浅いときのことでありますし、おそらく、今後の公社の経営について、こういうような状態を続けるべきであるかどうかという、一つの定見をお持ちであろうと思います。昨年の決算委員会における速記録を読んでみますと、田中前郵政大臣は、すでに公共企業体等の審議会の中における一応の結論が出ています、こういう答弁をされた。しかもその答弁の中には、必ずしも今日の公社の経営の形態がベターであるとは思わない、こういうことも付言をしておるところを考えて参りますと、非常に重要な、しかも大事な問題でありますが、この公社を発足せしめたという真の意義から考えて……そろそろこの極度な監督権を強化しようという方向に向いつつあり、明らかに郵政省設置法の改正案を今国会に出して参っております。公社に極度な監督を加えようとしておることは事実であります。これは私は、電電公社法を制定し、公社を創設せしめた意義に反するというように考えます。総裁としては公社の経営の形態が現状のままで可とされるか、あるいはもう少し改革の必要があるとお思いであるか、この問題についてまず総裁の所見をお聞かせいただきたいと思います。
#48
○説明員(大橋八郎君) 公社の制度そのものに関する根本の考え方の問題でありますが、この同じ公社と申しましても、おそらくいろいろな段階があると思うのであります。初めて公社制度が提案されましたときに、私も当時民間人として衆議院の委員会へ呼び出されまして、意見を求められたことがあるのでありますが、そのときの私の個人の意見といたしましては、いま少し、今のお話のように、自主性を持った公社が望ましいのじゃなかろうかということを申し述べたことを記憶しております。たとえば予算のごときものも、一々毎年度の予算を国会に提出するということじゃなしに、むしろ、国会なり政府なりの関係は、いろんな財政計画の関係もありましょうから、つまり、財政計画関係というようなことに関連のあるもの、あるいは事業計画そのものを国会なり、あるいは政府に出して、そして予算そのものは一々こまかい数字まで政府へ出し、それは参考としてもちろん提出することは、当然これは事業計画を出す以上は当然のことでありますけれども、当然の予算として政府に提出したり、あるいは国会に出すということなどよりも、むしろ公社にまかせておいた方がよくはないかという意見を、これは一個人の意見として当時述べたことがあります。個人の意見としては、まず公社がそこまでいくということは望ましいことであると思うのでありますが、しかし、当時の各種の情勢その他からみて、一躍でそこまで行くことはどうであろうかということで、現在の制度になったことと考えるのであります。今日まで実行せられたところでは、まず、しかし、一応少くとも電電公社に関する限りにおいては、割合に順調にまあ支障なくいっているのではないかと考えております。従いまして、今度政府の方で今御指摘のような法案が出ておるそうでありますが、これは私どもが知っておる限りにおいては、必ずしも公社にこれ以上の何といいますか、拘束を加えるとか、あるいは監督権を特に強化して十分厳しくいこう、という趣旨とは私ども承わっておりません。これはむしろ主として電気通信政策等の問題に関して、政府の方でいろいろ研究する機関を整えられるということのように承わっておりますので、現在の制度で一応しばらくの間これを続けていっても特に支障があるとは考えておりません。
#49
○政府委員(岩田敏男君) ただいま森中委員からの質問の中に、私、郵政省でございますが、郵政省に関係あることがありますので、一言御説明をいたしたいと思いますが、郵政省が電電公社を監督しておる、その内容については年々監督を強化していくのじゃないかというようなことのようなお話があったのでございますが、私ども郵政省といたしましては、そういうような考えは毛頭ないのでございます。最近設置法が出されておりますけれども、その目的も電電公社の監督強化ということをねらいとして出されているわけではございません。これにつきましては設置法の審議のときにまたいろいろとお話があると思うのでございますが、決して電電公社の監督を強化していくということでございません。電電公社の監督につきましては、公社法の中に明記してありまして、公社法にこの法律によって郵政大臣は監督をするのであると、こう書いてありまして、公社法の内容自体は変っておりませんし、変える意思もないのでございますから、そういう点からいいましても、監督強化というような意思はないのでございます。
 それから公共企業体につきましては、昨年も前大臣が、現在の公共企業体の形態が最もいいと思うというふうに答えております。現在われわれといたしましてもそのように考えておるわけでございます。その点ちょっと御説明いたしておきます。
#50
○森中守義君 先刻、総裁の方でお答えの中でちょっと気になりますのは、何も私は今の公社の経営が不当であるとかよろしくないということを指摘しておるのじゃない。ただ問題は、戦後今までの電信電話の工事の進捗ということは、全くぐざぐざになり果てたこの事業を再建をされて来られたので、比較的にスムーズに行ったと思うのですが、いよいよ二次、三次という工合になっていけば必ずしもそうはいかぬだろう、で、そうなるとたとえば四千二百億ですか、第二次五カ年計画の所要総額でありますね、これにしても先刻来質問があっておりますように、さて自己資本がどれだけ、他に財源をどうして求めるか、こういうことになりますと、まあやはりこれはよほど公社が自主性を持っておかないと、どうしても極端に言うならば政党的に中立であり得ない、こういう場面も私は来るのではないかというような気もするのです。で、こういう先のことと同時に、先刻小柳委員からもお話がありましたが、たとえば給与の面一つ見てもやはり自主性はない、明らかにありません。給与総額というものを大蔵省に話をして、そのワク内における処遇しかできないではありませんか。そこへもって来て年間剰余金が出た、その剰余金はどうする、全部これは建設勘定にほうり込む。もちろんその財源を、剰余金を遊休状態に置くというわけではありませんから、それもけっこうです。しかし剰余金が出たのに職員たちには何らこれが配分されていない。これはやはり制度の欠陥ですよ。これは事業の本質が公社に移ったということは、これは電信電話の持っている本質的な意味と同時に、その本質的な意味をより高度化していくためには、職員の勤労意欲を高めさしていこう、これも私は裏面に存在するものの一つとして考えなければいかぬと思います。従業員は明らかに剰余金が出たということを知っておる。しかしこれは全部建設勘定に振り向けられていって何ら配分されていない。これもやはり制度上の欠陥と言わずしてはほかに表現の方法がない。あれやこれや考えていけば、いろいろ現行の公社制度そのものに私は自主性があまりない、こう思うのです。もとより今の総裁の立場からいけば、今日の公社法を中心にして仕事をし、ものをお考えになる、これも私はやむを得ないことであろうと思いますが、しかし新任の総裁に多くの者が寄せている期待というものは、もっと公社の自主性を強めて国民に、より高度な電信電話を提供して、それで産業や経済や文化、まあこういうものに貢献をしてもらおうということであると思えば、この現行の公社制度がただいま申し上げた一、二の事例でも明らかなように制約を受けておりますから、との公社法の改定を自発的に公共企業体等の審議会に発言をされるなり、あるいはみずから郵政大臣とお話をされるなりして、もっとこの公社の自主性を強めていく、こういうようなことはお考えにならないかどうか。もちろん岩田監理官が言われる設置法の問題は、これはまた論ずる場所があります。もちろん午後は郵政大臣もおいでのようでありますから、そのことに関連して、この問題は後刻お尋ねをいたしますが、要するに現行の公社制度というものは、実はこれはほんとうに公社としての真価を発揮しておらずして、むしろ官僚統制による公社制度ではなかろうか、こういう工合に私は極言できるような気がいたします。こういう観点から総裁は現行の公社制度を再検討するという御意思をお持ちであるかどうか、これをもう一度お尋ねしておきたいと思います。
#51
○説明員(大橋八郎君) なお私、就任以後の経験によりまして今後検討はいたしたいと思いますが、今日の段階においては、まだこれを提案をするとかこう直してもらいだいとかいう定まった腹案を持っておりません。
#52
○森中守義君 腹案がまあないということはその通りでありましょう。しかし方向としては現行制度に対して再検討を加える時期が来ておる。まあ私は外国の通信事業とわが国の通信事業の水準が果してマッチしているものか、あるいは著しくダウンの状態にあるか、それは知りませんが、少くとも郵政省が通信政策として確立せんとする中身には、およそ国際的な技術水準に到達させなければならぬという使命をうたっております。また私は、水準に達するどころではなくして、これを凌駕するような状態にわが国の通信事業は置かるべきであろうとこう思う。そういうことになれば、やはりわが国の今日の公社制度というものについては、方向として今日の制度は官僚統制があまりにも強すぎる、公社本来の使命に達するような状態にないというこれだけは、総裁も御認識いただけるのじゃなかろうかと思いますので、方向としては、公社制度の検討を加える、それで郵政大臣あたりから設置法の改定をする、あるいは予算上で制限を加えていく、こういう監督を受けざるを得ない、という立場に追い込まれた場合にはこれに抵抗を示す、これを排除します、公社の自主性を守っていくというようなことをお誓いいただけるのじゃなかろうか、こう思いますので、方向としてそういうことをお考えになるのかどうか、それをもう一度承わっておきたいと思います。
#53
○説明員(大橋八郎君) ただいま森中さんの御意見は御意見として十分承わっておきます。
#54
○森中守義君 これはある業界紙に、この前逓信委員会でのあなたと私との問答を称して、どうもあなたがあまりにもうますぎる、抽象論でごまかすのが、これが昔から大臣や総裁あたりの仕事であると皮肉った文章を見たことがあります。しかし今のようなことではこれはやはりすまないのです。今日の公社運営の実態からしてほんとうに自主性があると思っておいでになりますか、それを一つはっきりさせようじゃありませんか。
#55
○説明員(大橋八郎君) ある程度の自主性はあると思っております。しかし完全な自主性があるとは考えておりません。
#56
○森中守義君 それはどうも人を食ったような答弁ですよ。国の行政機関じゃないですから、それはなければならない。なければ意味がありませんよ。ところがある程度あるというのがおかしい。つまり監督を受けるというのが実はおかしいと言っているのです。全面的に自主性がなければいけない、こういうことです。だからして、たとえば先刻の給与総額の問題も、あるいは財政投融資の問題も、もしくは総裁、副総裁の任命の問題も自主性がないじゃないですか。こういうことじゃ困る。だから実態の中に公社が自主性をお持ちであるかどうかということを聞いておるのです。今のようなことではとても話にならない。
#57
○説明員(大橋八郎君) 完全な自主性となりますと、これはやはり会社にならないとほんとうの完全な自主性はないと思います。公社である以上ある程度の自主性は制限されるということは、これはやむを得ないことと私は考えております。
#58
○森中守義君 それで、非常に飛躍した御意見になりましたが、いろいろ揣摩憶測が飛んでいる。電信だけを公社に残しておく、あるいは国の行政機関に残しておく、電話だけは民営にするのじゃないか、その前提に立って郵政省は監督権を強化していく、民営にした場合にも完全に掌握するぞ、こういうような論議も単なる空想論ではなくて、実態としては存在すると私は思う。こういうことになれば、なるほど民間の株式会社か有限会社になれば、それはまた別ですけれども、しかし公社法の中に、明らかに全面的に何もかも自主独立であるということは、それは無理であるかもわかりませんが、もう少し予算の面でも、あるいは人事の面でもいろいろと自主性があってもいいと思うのです。私は電電公社の内容を詳しくは知りませんが、いろいろな面で自主性がないんじゃないですか。これは横田副総裁からでも専門の方からでもけっこうですから、具体的にどういう点が監督を受けているということを並べてもらいましょう。
#59
○説明員(横田信夫君) まあ公共企業体というものがどうあるべきかという問題にも関係する問題だろうと思いますが、今、先生のおっしゃったように、公共企業体のいわゆる経営管理は、公共企業体にした場合においてはできるだけまかしていく、これが公共企業体の本来の使命であると私も存じております。ただこういう公共企業体が民営と違うところは、やはり一つの独占企業をするところの、まあ公益的な事業であるというような意味におきまして、いわゆる公益的監督というものがやはり政府にあろうと存じます。従いまして、たとえば料金の基本原則は、国会ないし、あるいはその実行上幾分政府が認可事項をもつのが、これはやはりこういうふうな公共事業である上において当然である。われわれの企業体においては当然あるべきことであろうと思います。なおゼネラル・ポリシィと申しますか、国としての通信政策上のいろいろ指示があるということも、やはり国として当然やるべきことであろうと思います。経営管理というものはできるだけ公共企業体に今後まかしていくという方向へいくのが、やはり一つの進歩であろうと思います。これもやはり国民の支持と申しましょうか、世論の支持とともにいくべきであろうと思いまして、たとえば今御指摘のありました給与総額の制限というようなものは、もうなくなっていい時期ではなかろうかと、これも私やはり世論と申しますか、国会の皆さま方が、そういう時期に来たかどうかを御判定される問題だろうと思うのであります。御承知のように国営事業のときは、ただ給与総額の制限というのでなくてそれ以上の、人員の数が何人か、一人々々の給与ベースが何々ということまで大蔵省との折衝があったわけですが、それが公共企業体になりましてとにかく一歩は進歩した。それで給与総額の範囲で公社の経営者にまかしていく、こういう趣旨、幾分まだ制限は残っております。しかしその根本の法律的な建前はそこまでいったわけです。その制約も取っ払って、もう公社の経営管理者にまかして十分だというところにいっていると、そう御判定なさるかどうかは、これはやはり国会の方の御判定の問題であろうと思います。そういう意味で、先般来公共企業体審議会においてはそういう点も十分御審議願って、各方面からの御意見が出たところであろうと思っております。また公共企業体の場合、ごく最高首脳部が政府の任命にかかるというようなことは、やはり公共企業体という性質である以上残すべきものではなかろうか。これは世界の趨勢を見ましても、やはりパブリック・コーポレーションで相当経営管理をまかしているところでも、首脳、トップ・マネージャーはやはり政府が任命するというような形は、世界の傾向として残っているように思います。ただ世界の一般的傾向としてパブリック・コーポレーションの経営管理の自主性は、やはり日本より自主的管理の度合いが進んでいるように思っております。
#60
○森中守義君 今の副総裁の御答弁は現状そのままを青写真にしてお話しになったことで、大体私も了承しているところですが、問題はこれから先のこととして、もう少しいろんな制限条項を緩和していくのか、そういうことを実はお尋ねしているつもりなんです。それをさっきから総裁に申し上げているのですが、どうもやはりはっきりいたしませんので、方向としてはやはりコーポレーションはコーポレーションらしい行き方がある。少くとも公社を制定した当時のあの国会の中における論議の過程からしても、あるいは設立に参加されたらいろいろな皆さま方の御意見を拝見しても、今の制度は、やはり有形無形に法律上もあるいは実体上も、何かの干渉が強過ぎるんではないか、こういうようなお話がある。そうなると、二次計画を実行し三次計画に移っていく、こういういろいろな想像し得る問題を考えていけば、やはりもう少し制限条項をゆるめていくという方向にいくべきではなかろうか、こういう工合に私は考えて、この問題をあえて提起したわけですが、総裁からはまだ明確なお話がありません。で、そういうような観点から、もう少し進んで、この際法律の改訂を郵政大臣に相談をしようとか、国会に出そうという御意向が、次の国会、その次の国会という、時間的に制限を加えたものじゃなくしても、一応検討をするというようなことはお考えにならないのか。ことに今日の前で、郵政省は何も監督権を強化するのではない、公社の方もそれをあらかた御了承になったかのようなお話でありますが、私どもは設置法については別に考えております。必ずしもそのことは同意できませんが、この郵政省の設置法を改定しようという案が出ているときのことでもありますから、もう少しその点について、この設置法に対してはどういうような認識を持っているか、あるいはまた実態として制限緩和の方向に進めていく、こういう公社自体の、もちろんそういうことは国会が最終的には決定はすることでありますが、公社としてはどういうお気持であるか、そのことを大へん回りくどいようですけれども、もう一度伺っておきたいと思います。
#61
○説明員(横田信夫君) 公社といたしまして、大きな方向といたしましてはお話のごとく、できるだけ経営管理上の問題は、だんだんと自主性を拡大していっていただくという方面にお願いいたしたいと思っております。なお、この問題につきましては、御承知のように、公共企業体審議会が約六カ月にわたって詳細御調査になった。その公共企業体審議会のときにわれわれの希望もこまかく申し上げてあります。で、あの公共企業体審議会の跡始末として、当然政府の方も関係方面でも御審議願えることと一応考えております。
 なおついでながら、設置法の問題につきましては、この監督権の強化あるいは認可事項というようなものが、御承知のように、今の設置法の問題でなくして、公社法あるいは公衆電気通信法、有線電気通信法、こういう中できめられるべきもので、設置法自身は、監督権の強化という問題とは、法律的に無関係じゃないか、こう存じております。
#62
○相澤重明君 議事進行ですが、今、森中委員から指摘されたこの公共企業体のあり方について、特に公社制度の改定については、これはやはり大臣を呼んでたださないといけないと思うんです。いま一つは、本日の決算は、やはり郵政大臣に監督権があるから、従って大臣の出席のないまま決算を終了するわけには参らない。従って、午前中衆議院の方へ放送法の問題で大臣も出席しておるように聞いておりますから、午後の委員会ではやはり大臣に万障繰り合せて出席してもらって、そういう中でこの決算というものを私どもは一応終了したい、こう考えております。委員長において大臣の出席を一つお取り計らいをお願いいたしたいと思います。
 それからいま一つは、与党の皆さんも大へんお忙しいと思いますが、やはりできるだけ出席をして、そうしてきょう電電公社の決算は一応終了するように御協力をいただきたいと思うんです。そういう形で私は大臣の出席を要求いたしますから、委員長の方で取り計らうために、午前中の議事はこの程度で終って、午後は、大臣の御都合を聞いて大体二時を目標に再開していただきたいとこう思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#63
○理事(平島敏夫君) それでは大体午前中の質疑はこの程度にいたしまして、午後二時に再開することにいたしたいと思います。大臣との交渉はただいまやっておりますが、衆議院の逓信委員会の方で、まだ大臣の出席を要するというような連絡がありましたが、当委員会といたしましては、ぜひ大臣の出席を必要とするのであらためて交渉いたしております。大体二時から再開することにしてこれで休憩いたします。
   午後一時六分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時四十四分開会
#64
○理事(平島敏夫君) ただいまより委員会を再会いたします。
 午前に引き続き日本電信電話公社の部の質疑を続行します。御質疑のある方は順次御発言願います。
#65
○東隆君 私はこれははなはだ私事にわたって申しわけがないのですが、電話の加入者として私がもと経験がある。それは昭和二十七年に私は札幌で電話の加入申し込みをいたしました。そうしたところがそれがなかなつきませんで、そうして昭和二十八年の五月過ぎてから実はついたのであります。それで当初に申し入れましたときに調査をする、こういうお話で調査をいたしまして、そうして何か返事があるだろう、こういうことを期待いたしておったところが、返事が参らぬわけであります。それで伺いますと、新しく電柱を六本立てなければだめだから、それであなたのところはやめてしまいました、こういうお話でありました。そこで私は参議院議員をやっておりますので、電話が政治をやっておるのにどれだけ必要だと、こういうことはおわかりだろうか、六本必要ならば六本必要だということをお話し願えばいいじゃないか、こういったところが向の方であわてまして、そうしてもう一度調査をいたします。それが二十八年の五月メーデー過ぎたあとでした。五月二日に私はいっておりますが、そうして調べたところが三本つけたらいいとこういうのであります。それでその手続をちゃんとふみましてそうしてつけたのでありますが、事実は一本しか立てないのであります、電柱を。そして実のところを申しますと電話はつきました。これははなはだ当時電話の回線その他困難なときでありますから、私は一応了解をいたしておったんでありますけれども、しかしこういうことをやる必要はないと思う。一本必要だったら一本だということでやるべきじゃないかと思う。電話の公債ももちろん買っておるわけです。そんなようなこと。
 それからもう一つ、私はいまだに不思議でかなわないのは、何でも営業をやっておる者と、それから営業をやっていない者とで、何というんですか、基本料金ですか、あれに差があるはずであります。私は参議院議員をやっておる以外に実は何もやっておらない。ところが私は営業で何でも何か月々七百円か何ぼか取られておる。取られるといって、それだけ納めている。こういうようなことが実は行われている。先ほど百五十億の収益があった、こういうお話を聞きましたが、この中には私のような者もだいぶあるんじゃないか、こういう考え方を持つんですが、これはだいぶ古くなっておりますから、昭和二十七年から始まって二十八年について、そうして現在に至っておるんですから、はなはだ実は残念なことですけれども、その当時なぜそういうことを言わなかったか、こういう問題なんですが、しかしその当時においては非常に困難なときで、駐留軍その他の電話なんかでいろいろな問題がありまして、それで、私はだいぶ遠慮しいしいやっておったんです。しかしこういうようなことは、私のような者にさえそういうことをやるんですから、一般の当時の市民で加入を申し込んだ者は、これはもう大へんだった。電話の売買は当時札幌でたしか三十万円ぐらいだった。従ってそのときには電話をつけるにいたしましても相当な苦労をしていたんです。それがだれのところに運ばれたか、こういうようなこともほぼ想定がつくだろうと思う。私はその当時を回想しながら、そうして現にまだ私のところに残っておりますから、私のやつを簡単に計算してみましても、月々少しよけい払っていますから、こいつを計算をしまして五カ年分くらいよけいお取りになっているのじゃないかとこう考えるわけでありますが、そうするとこいつを一つ返してもらおうかとこういう問題になるわけでありますけれども、しかし私は先ほど百五十億の収益があって、そして私のような立場の者が実はいじめられているわけです。私のような者にさえそういうことをやるのですから、だからほかの者にどれだけ難題を申し出したか、ほぼ見当がつくのじゃないかと思うのです。で私が今申し上げたことが、数字だの何だのそういうものがそれは違う解釈だとこういうのでありましたら、私は承知することができるのでありますが、しかしはなはだもっておかしなやり方じゃないか。それで公債を買い入れて、そして実際に必要ないろいろな施設ですね。電柱が何本、そういうようなことでそれは別途に今どうなっておりますか知りませんが、当時取っているのですから、事実において電柱はつけたが一本しかつけない、そして三本分払っているというようなことが行われているわけですから、これは書類がどういうふうになっているかその当時の書類は、私は見ませんからわかりませんけれども私はそういう目に会いました。こういうのは私に降りかかった一例で、私の個人的なことでありますけれども、しかし何かこれを釈明するようなことができるのでありましたらお聞きをしたい、こう思うわけであります。
#66
○説明員(横田信夫君) お話の点もう少し詳しく私の方も調べさせていただかんと正確に御返事できませんが、大体想像できる点がありますので御説明させていただきたいと思いますが、一般問題といたしまして、当時と今日では少し違った点はありますが、まず第一のお話の点で電柱が三本いると言われたのが実際は一本で済んだ、しかし負担していただいたのが三本分だとすると、これは確かにおもしろくないことでありますが、実は当時の制度、今日はそうしておりませんが、そういう新たに電柱をつけて新しくいろいろ設備をして、お客さんのおうちへおつけをするという場合は、実は同じ普通加入区内域であるけれども、そういう所を実は不可能地域と呼んでおったんですが、大体電柱から引込線でお客さんのうちへ持っていけるという所をどんどん先へおつけして、新たに設備する所をその次にする。しかし特別に急ぐお客さんとか、そういう特別の場合は新たに設備するその実費だけ持っていただいて、それをそこへおつけする、こういう制度を確かやっておったと思います。不可能地域の場合はその実費を持っていただく、これはより以上の金でなくて実際かかる金ですね。その当時三本の必要ないのに三本分をいただいているとすれば、ここに確かに問題があると思いますが、その辺もう一ぺんよく調査しなければなりませんが、大体想像できるところはそういうところであります。
 それからもう一つ、今のお話の点で、電話料金の基本料の違う点でございますが、実は現在もその点は違っております。これは住宅用電話と事務用電話二つありまして事務用電話の方を実は基本料をたくさんいただいております。これはどういう趣旨かと申しますと、電話料金については実費と利用価値両方から考えられておりました。事務用電話はそれだけ御使用も御便宜であるし、その基本料として少しよけいいただく、住宅用の方は利用度もずっと少い、基本料も少くいただく、そのかわりこの架設のときの順位はこの優先順位基準というものを作っておりますが、これは郵政省の認可をいただいてその順位でいっている。これは御承知の通り需要が非常に多くて供給力が伴わないものですから、どちらを先におつけするかという場合は、事務用の方が先、住宅用があと、こういうことになっております。まあ、その意味で同じ住宅におつけになるにしても、これは実は住宅用として必要でなしに、事業用として必要なんだ。従って優先順位で先につけてくれなければ困る、こういうお客さんの御要望があるときには、それを住宅につける電話でも事業上必要として事業用電話、事務用電話として順位も先にしておつけする、こういうことになるわけでありますが、つけたら今度はわしの方は住宅用だと急に変えていただくと架設順位との関係もありますので、そういう優先順位で事務用としておつけ願ったのは事務用として料金をいただく、こういうふうに現在もまだそうなっておりまして、こういうような意味で事務用としての優先でお願いした場合は、基本料も事務用としていただくということになっておろうかと存じます。その辺も先生の電話の架設の当時の事情を、実は具体的に当ってみないとちょっとわからぬ問題ですが、一般的な取扱いの原則、建前だけは以上のようになっておるわけであります。
#67
○東隆君 あまり深くこれは私のところに起きたことを申し上げて失礼なんですけれども、初め電柱はこれは実は六本必要だから、そんなにたくさんつける所はもう調べる必要もないというのでぶん投げられてしまった、最初に私が聞きに行ったらそういった。そしてそれでやめてしまったんです。これはつける意思がなかったのですね。そこで先ほど言ったようなことを申したところが、そんならもう一度調べますといって、そうして三本必要だから――実は隣のうちに電話があるわけなんです、私のところの。それでそんなにたくさん必要はないじゃないか、こういうふうに抗弁をしたところが、そんならもう一度調べますといって、それで調べた結果が三本必要です、こういって実は三本つける、三本の何を出したわけです。そうしたところが事実は線の途中から引き出しまして、そうして電柱を一本立ててそれにくっつけてうちに入れたわけなんです。そういう操作があると思う。そういうことをやったのですから一本しか使っていない。そういうことをやりましてそしてそれはそれで一応済んでおるのです。それから今の事務用の関係のことを私は承知しません、順位は。しかしまあ普通とすれば報道関係であるとか、あるいは私のような参議院議員というような公務員の者は、私は電話は非常に必要なものだと思う。ことにその前年の何には選挙がありまして、そのときもつかないのですから、そういうような問題にからんで、はなはだ私は心穏やかならざるものがあった。まあついたんですけれどもね。そして今度は月々のものがどういうことになったかというと、私が先ほどいったように事務用ですか、それによって今支払っている、ずっと。それでどうも電信電話の信の字はあまり信用おけないように考えておるのですが、それで私はそんなに詳しくお調べを願う必要はないのですけれども、そういうことがありましたので申し上げますが、これはなかなか電話が非常に事実は少なかったのです。それで私が東京の方におってあまり使わない電話ですから、そんな関係でおそらく順位を考えられてのことかもしれませんが、しかしそういうようなことをするのはこれは間違いじゃないか、こう思いますので申し上げたわけです。
 それからこれは電話の加入が非常に困難な所はいろんなこういう問題になりますが、札幌のような所でありましたからこういう問題で済みました。私は先ほどの問題から考えてきて、電信電話というようなものの必要な所は、私は都市よりも、やはり非常に不便な所にこれは最も必要なものだろうと思う。電話が民営に移るというような話、これは戦後そういう問題が起きておりましたが、民営になったらこれは永久に僻遠の地には電話がつかない、私はこういうような考え方を持ったわけでありますが、現状は公社になったために独立採算制をやることによって、私は非常にはばまれておると思う。私は北海道なんですが、北海道なんかで非常に苦しんでいるのは例のラジオの共同聴取、ああいうようなものは全部これは実はみんなが出して施設をいたします。ところがNHKの方はこの各戸にスピーカーをくっつけたやつに対してみんな一戸分ずっとって、そうしてやっているわけです。だから考えようによっては僻遠の地のものに対しては国は何らの考え方もしていない、それからさらに公社やその他は、独立採算制というような名のもとに僻遠の地になかなか施設をしない、伸びていかない、だから民営にしないで、そうして公社にした、というその建前というのは、実は民営にも経営の方面におけるいろいろな問題がありましょう。民営のいいところ、そういうものを公社がとり入れ、そうして民営ではできないような電話網の確立、そういうような方面に公社ならばやり得る、こういうところに私は公社制をとった意義があると思う。今の考えからいったらこれはなかなか農村、僻遠の地にはこれは電話はいきません。で、アメリカだの何だのと普及率を比較してみますとこれは天地雲泥の差がある。そういう点で私は問題を提起するわけでありますが、公社制とそれから民営の形、それから昔の国がやっておった形ですね、そういうようなものの間の考え方から一体僻地に対して電話をどういうような考え方で伸ばしていくか、そういうような点について私は幸い総裁もおられるのですが、先ほどあまり考え方はないようなお話をされたので、実は非常に残念に思ったのですが、僻遠の地にいかにして電話を伸ばしていくか、こういう点について私は相当考えるべき点があろうと思う。料理屋や都会のあまり必要でないような所に電話が何本もつくよりも、私はやっぱり農村と都市とも結んでそうして経済距離を短縮する、そういうようなことがこれが一番大切なことだ、こう思っておりますが、そういう点でどういうふうにお考えになっておるか、そういう面をどうすれば公社がそういう面に進んでいけるのか、私はやはりそういう点についてお考えがなければならない、こう思うわけで、前の話とこれは違いますけれども、あとのことについて一つお答えを願いたいと思います。
#68
○理事(平島敏夫君) ただいま郵政省から西村経理局長、荒巻監察局長、石丸資材部需給課長、この三人がお見えになりました。御報告をいたします。
#69
○説明員(横田信夫君) ただいまお話のありました点につきましてお答えさせていただきます。ただいま御注意がありましたように電話というものは地方においても非常に必要なものであります。実は都会における電話も私、必要だと思っております。これは電話がないと商売にならないという意味におきまして必要なものだと思います。もちろん地方における必要性も重要なものであります。そこで一体公社というものになってからと、国営時分のいなかにおける電話というものはどうかと申しますと、いなかにおける電話の数は、長い間の国営の時代の数よりも、はるかにこの数年間にうんとふえたと実は自負いたしております。しかしまだ十分でないことはお説の通りでありまして、なおこれから大いに努力していかなければならぬと存じております。もちろん公社でありますので採算一点張りということでなしに、いなかの方も考えております。これはもうからない電話はつけないというような趣旨でなしに、できるだけ無電話部落には電話、あるいは公衆電話をつけていく、あるいはその場合できるだけ経済的な電話の架設の仕方をしたい、こういうことに非常に努力をしております。そういう関係で非常に僻遠の地の電話については、多数共同加入でがまんしていただく、というようなことをやっておりますし、団体加入でその御需要を満たしていただくというような、そういういろいろな方法をもってできるだけ経済的に、しかも採算一点張りというのでなしに、いなかの方の電話も一つ御要望にできるだけ応じていきたい。しかしもちろん御要望の需要から言えばまだ少い。ただそのスピードは国営時分よりはるかに公社になってからの方が早くなった、という事実だけはわれわれとして自負いたしております。なお今後ともその点は十分努力させていただきたいと思っております。
 なお一番初めに御注意のありました点につきましては、確かにサービスの至らない点が非常に多かったと思います。今後もサービスをよくしていくことについては努力いたしたいと思います。なお二十七、八年当時のようなお話は、ほかにもそういうような事例があったかもわからないと思います。こういうものについてはだんだん手を講じてきたことは確かであります。今の工事をやった場合の調査は大体カード・システムというものをとりまして、その工事の調査の結果、こういうことだったという報告をした人に、そのカードに判を押していただくというようなことによって、工事結果の責任と正確を期していくというふうな方法もその後とられております。そういうことで、お客さんにお話しするときにうそを言ったりするようなことのないような手段を、その後だんだん講じてきておりますので、今のようなことは現在ほとんどなくなっているのではないかと思っておりますが、なお都市の、そういう普通加入区域内における新しく設備をつけなければならぬということの不可能の地域において、特別の負担をしていただくという制度は現在やめております。普通加入区域内としては普通の負担金、社債を持っていただいて、それでやっていくという制度に現在なっております。
#70
○相澤重明君 議事進行のこともかねてですが、先ほども開会する前にちょっとお話ししたように、大臣の御出席がないので、大臣の御出席を待って総体的な決算をやりたいと思っておるわけであります。まあしかしこれは後日に譲ることにいたしまして、関連をした大臣がおらなくてもできるだけのことはきょう議了してしまおう、こういう方針で、少しく皆さんにごしんぼういただきたいと、こう思っております。それで、森中委員の提案の関係の問題について、一応公社関係が、大臣関係を除いたならば一応終って、そしてまあ郵政省の関係の方に質問をする、こういうふうに委員長の方でお取り計らいをいただきたい。
 それで最後に私の一つお尋ねをしておきたいのは、二百四十三ページの不当事項の中の千百二十四号です。工事の施行に当り予定価格の積算当を得ないため不経済となった二百八十余万円、こういうのが会計検査院から指摘をされておるわけであります。非常にこの電電公社としては工事がたくさんあるわけでありますから、こういう工事を行う場合いわゆる緻密な計算というものが必要であると思うのですが、こういう不当事項が出ておったが、このような問題をどういうふうにして是正を行なっておるか、そういうことをまず第一にお答えいただきたい。
 それからいま一つは職員の不正行為でありますが、千百二十五号から千百二十七号まで、その中に三件の現金が五百八十四万三千二十二万、水銀等評価額五十八万三千三百円、そのうち三十二年九月末現在補てんされた額が四十三万九千百七十四円、こういうことになっておるわけですが、未収のものはどのようにして徴収をしておるのか、あるいはされようとするのか、こういう点について一つ御説明をいただきたいと思うのです。
#71
○説明員(平山温君) お答え申し上げます。
 ただいまのお話の中の前半の千百二十四号のことについてお答え申し上げます。この問題はマイクロウエーブの中継所の工事につきましてのことでございますが、ここにも書いておりますように、非常に突貫工事で急いでやったためにこういうことが起ったわけでございまして、今後こういうことをどうして是正するかというお尋ねでございますが、実は私どもといたしまして、このような中継所ばかりでなく、電信電話の施設の工事を進めますにつきましては、なるべく早期に計画をきめてそうして十分設計の時間を取って、積算についても誤まりなきを期してやるように心がけているわけでございます。また、さようにやっているつもりでございますが、本件につきましては、実は五月ごろ計画をきめてやるべきものが、いろいろな事情で八月まで計画がきまらない、そういうことからこういうことにだんだんなっていったのであります。従いまして、先ほど申し上げましたように、計画を早期に確定し十分の設計に時間を持つということによって、こういうことがないようにしておりますし、また今後もさようにやりたい、かように存じます。
#72
○説明員(久保威夫君) 後半の御質問でございました、不正行為のこの三件に対しましての不正金額補てんの状況はどうか、こういう御質問でございましたので、それに対してお答えを申し上げます。
 千百二十五の件でございますが、これは不正行為四百十六万円何がしでございますが、今年九月の三十日現在におきまして回収額が三十二万五千円に相なっております。次の千百二十六号でありますが、これは不正行為総額百六十八万二千三百四十三円のうち、損害回収額は七万四百三十円になっております。次の千百二十七号でございますが、これは不正行為総額が、これはちょっと評価額の点がございますので、ただいままで、はっきりいたしております不正行為総額といたしましてはこれが六十万八千八百五十一円になっておりますが、この損害回収額は五十四万五千二百四十七円になっております。
#73
○相澤重明君 答弁が足りないのですが、回収されたものと、今後の回収の見通しはどうか。
#74
○説明員(久保威夫君) 個別的にいろいろと事情がございますが、いずれもこれらに対しましては今後とも……、犯罪を犯しましたものはいずれも刑事罰を受けておりまして、そのために第一の千百二十五号の件につきましては目下本人が服役中でございますので、この点につきましては、それぞれ被害金額の中で、服役中ではございますが、それについて損害賠償の関係をはっきりいたしまして、その本人に対しての負担額をきめまして、これを三十二年一月十六日以来逐次分割の方法で納めてもらうようにいたしております。
 それから次の問題におきましても、本人及びその父あてに弁償の要求書を送付いたしまして、現在これにつきまして損害額の回収に努力をいたしております。
 それから最後の件でございますが、これにつきましては本人を一部確認しまして、被害金額の中からそれぞれ分担の納付金をきめまして徴収を進めておりますので、これは残額が十万ほど残っておりますが、これらにつきましてはなお引き続き徴収をいたしまして、回収するようにせっかく努力中でございます。
#75
○相澤重明君 そこでこういう事故が起きたというのは制度上の欠陥ということよりは、むしろ人事の運用上の欠陥があるのではないかという点がわれわれには考えられる。千二百二十五号にせよ二十六号にせよ、千二百二十五号の場合には、調定担当の料金係と現金の出納員とは相互牽制をすべきものが共謀しておる。あるいはこの千二百二十六号の場合には、調定事務と収納事務を同一人がやっておるというような、そういうようないわゆる人事の運用面についてどうも少しルーズなところがあるんじゃないか。もっとそれを率直に言わしてもらうならば、あまりにも人員整理ばかりを考えておって、総裁の言葉じゃないけれども、企業合理化に名をかりたいわゆる人手不足というのが起きているのじゃないか。無理をしてそういうようなことをやらしておるから結局事故が起きるんだ、こういうことにもなりかねないおそれがないか。従ってこの事故をお考えになって事故対策というものと、そういう人事の運用面というものについてどういうふうにいわゆる公社としては考えておるのか、その対策を一つ御発表いただきたいと思うのです。
#76
○説明員(久保威夫君) ただいま御指摘のありました点につきましては、これらの原因が私どもの見ますところでは、一つはやはり管理者が十分その監督の点に目を徹底して行き届かせるという点に、欠けた点があったことも一つでございます。それからまた先ほどもお話がございましたが、相互牽制というのが一応仕組みになっております。郵政省の場合と違いまして、この職場は比較的大きな職場になりますので、大体相互牽制をやれる仕組みになっております。先ほど御指摘のありましたような点は、これは必ずしも調定事務と収納の事務とを同一人がやっていたというわけではないのでありますけれども、しかしそういった点でまあ悪いことをやるだけのすきがあったということは、これはまたまことに遺憾に存じます。こういった点を絶滅いたすために、できるだけこれは各それぞれの職場におきますその制度上の牽制組織、そういった点について自治監査といいますか、必ず帳尻をきちっと合せて始末をしていく、こういったことと同時に自治監査を励行いたしまして、そういうことがなくなるように努めますと同時に、私ども担当いたしております監査という、会計の監査、業務監査、こういった面におきましてもさらに一そう不正の事故を早期に発見いたしまして、是正する措置をとって参りたいと考えております。現在も通信部という現場取扱い機関を直接監督いたします機関がございますが、通信部におきましても従来まあ現金の監査をある程度やっておったのでございますけれども、その点を明確にいたしまして、不正の行為がありました場合には適宜の措置がすぐとり得ますように、本年から改正をいたしまして実施をいたしておりまして、先ほどからお話のように、できるだけこういったことの起りませんように、制度上からもまた実際の運用上からも、その跡を断ちますだけの努力をさらに一そう進めて参りたいと思っております。
#77
○相澤重明君 最後に一つ。これは先ほど東委員からも御質問がありましたが、電話の需要というものはまあ非常に多い。これは公社の方が御存じの通りなのです。特に農村地帯僻陬地帯に参りますと、都市の近郷の場合でも僻陬地帯では非常に電話を欲しておる所があるのですが、そういう比較的農村地帯では金がないために個人でしくということがなかなかできない。こういうような場合にたとえば公社のサービスの赤電話、ああいうようなものがしかれるならばかなり土地の住民としてはまあ利益を受けるわけです。そういう点について赤電話いわゆる公衆電話をしく基礎ですね、これは人口がどのくらい、あるいは距離はどのくらい、地域的な条件はどういうものを考えておる、そういう点を一つ簡単でけっこうですから、御説明いただきたいと思います。
#78
○説明員(横田信夫君) これは今お話のごとく、そういう無電話部落に対して公衆電話をしいていくという問題については、これは第二次五カ年計画の主要題目の一つにいたしております。と今ちょっとこの正式の数を失念いたしましたが、全国の百戸以上の部落で電話がない所に、とにかくこの第二次五カ年計画中に全部公衆電話をつけていこうということを一応計画いたしておるわけでありますが、これもしかし今の情勢でいきますと、どうもこの第二次五カ年計画の五カ年間では少しおそすぎはしないか、少しそれを繰り上げていったらどうかという問題と、それからどうも百戸という基準、まあ基準ということになるとどうしてもそうなるのですが、百戸はないけれども九十戸以上と百戸以上とどんなに違うのかという問題がありまして、これもやはり百戸というもので、その数字ではっきり割り切っていくということがどうも不当な場合がある、それに類するようなものもやはり第二次五カ年計画中にこれを考えた方がいいじゃないか。こういう二つの問題がありますので、第二次五カ年計画で百戸というやつをその二つの問題を検討しながら早めることと、それに類似するものを入れていくという二つの問題を、同時に第二次五カ年計画で何とか解決していきたい、こういうようにして今せっかく研究中であります。一応今まで入っておりましたのはそれでありますけれども、そういうように考えております。
#79
○相澤重明君 いま一つは離島関係ですね。つまり本土内はそういう形でできるといたしましても、日本は非常に島国で本土をとり巻くたくさんの離島があるわけです。こういう所ではやはり共同の何といいますか、村の放送網を作っている所もありますが、まだまだそういう所は少いわけです。そういう点にかんがみて、まあ公社の性格から申し上げて、公共性という立場から当然そういう点も、採算からいけばあまり好ましくない、こういう点もあるかもしれませんが、国の立場からいけばやはり離島関係についてもできるだけ文化的な設備というものはしなければならぬじゃないか。こう考えるのでありますが、離島関係についてはどのようなお考えを持っておりますか。
#80
○説明員(横田信夫君) 離島問題についてはその離島の状況によって非常にむずかしい所とそうでない所とありますが、離島につきましても大体今の基準を前提にいたしてできる所からやっていきたい、ただ離島の状況によると、この場合離島へ行く場合には、海底線あるいは水底線で行く場合と無線で行く場合と両方ありますが、その土地土地の状況で非常に金額がかさむという場合は、事実上ちょっとおくれる場合があることもやむを得ない場合があることがちょいちょいありますが、大体離島の場合でも相当数戸数の所からまず今のような方法でやっていきたいというので、具体的に一々やっておるわけであります。
#81
○相澤重明君 今までの御答弁で、第二次五カ年計画の中で、今の電信電話の需要供給の問題を、できるだけ国民の期待に沿うように処置をしたいという御説明がありました。私も大へんけっこうなことだと思います。そこで、それらの点について、私は具体的な資料をできるだけ早急に一つ出してもらいたいと思う。これは私どもも決算で現地調査に行きますと、各地方からいろんなそういう陳情を実は受けているわけです。ですから、ここは決算委員会でありますから、そういう点について、公社の予算執行の上にやっぱり大きな問題もあろうかと思いますから、資料をできるだけ親切に作ってお出しをいただきたい、こう思いますから、委員長から資料の要求をしていただきたい。
#82
○理事(平島敏夫君) ただいまの資料について……。
#83
○説明員(横田信夫君) できるだけ御期待に沿うような資料を、また期間もできるだけ早くということを考えて、できるだけ御提出させていただきます。
#84
○相澤重明君 以上で電電公社関係は郵政大臣との関連の問題を除いて一応終了したことにして、いずれ大臣の御出席をいただいて、森中委員を初め関係の委員の方の御質問も残っておりますから、そのときにやりたいと思います。それで、きょうは一応電電公社の方にはここでお引き取りをいただいて、郵政関係のことが残っておりますから、郵政関係のほうを若干の時間ですが一つ質疑を続行したい、かように思います。
#85
○理事(平島敏夫君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#86
○理事(平島敏夫君) 速記をつけて。
#87
○相澤重明君 私は、現在の電電公社、並びに関係の大臣である郵政大臣、及びその関係者をこの決算委員会に出席要求を今朝からしているわけでありますが、それがただいままで出席ができないということはまことに遺憾に思うのであります。特に、森中委員から要求をされておったところの事務次官なり、人事部長が出席ができないという理由が、少くとも国会審議の上から考えた場合に、どこにその重点があるかということをわきまえないような今のちょっと連絡を受けた。こういうことでは国会の権威の上からも非常に私は将来の問題として重要な問題だと思う。従って委員長として今後、そういう出席要求をした者に対して、その要求に応じることができないという場合には、事前に明らかにしておいてもらいたい、そしてなければ、ないという国会審議の仕方があるわけですから、そういう点を私は郵政省に警告を発してもらっておきます。それで私は本日はもう大臣も事務次官も人事部長もいないのですから、本日ただいまの委員会は今度あらためて開催を要求いたします。
#88
○森中守義君 関連して。大体理事である相澤君の方から、今郵政省関係を招致したことについて、国会としての態度が明らかになりましたから、それ以上私はつけ加えませんが、この次この関係で審議をするときには、大臣及び……大臣については先国会以来の政務次官が見えて断わりの話もありましたし、また委員長、理事打合会で明らかになっておりますからこれはいいとして事務次官、人事部長、この二人については委員長の方から正式に釈明を求めてもらいたいと思います。それで釈明の内容いかんによってはしかるべき手続によってこれは何らかの制裁を加える必要があると思うのです。それも一つ加えて委員長の方で委員長、理事打合会で裁量願いたいと思います。
#89
○理事(平島敏夫君) 相澤委員並びに森中委員の御意見に対しては委員長も同感であります。事の軽重に対する判断がはなはだ足りない、かように私も考えますので、その後の手続につきましてはこちらにおまかせ願いたいと思います。
 ほかに御質疑はございませんか……、なければ本日は、この程度において審議を終了しますが、郵政省関係の問題並びに電電公社の問題については、後日あらためて打ち合せた上で会議を開きたいと思います。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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