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1958/10/31 第30回国会 参議院 参議院会議録情報 第030回国会 決算委員会 第8号
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1958/10/31 第30回国会 参議院

参議院会議録情報 第030回国会 決算委員会 第8号

#1
第030回国会 決算委員会 第8号
昭和三十三年十月三十一日(金曜日)
   午後一時二十九分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小西 英雄君
   理事
           西岡 ハル君
           平島 敏夫君
           増原 恵吉君
           相澤 重明君
   委員
           稲浦 鹿藏君
           勝俣  稔君
           白井  勇君
           手島  栄君
           島   清君
           鈴木  壽君
           森中 守義君
           後藤 文夫君
           大竹平八郎君
           岩間 正男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修藏君
  説明員
   通商産業省通商
   局為替金融課勤
   務       後藤 一正君
   会計検査院事務
   総局第五局長  上村 照昌君
  参考人
   中小企業金融公
   庫総裁     坂口 芳久君
   北海道開発公庫
   総裁      松田 令輔君
   日本開発銀行総
   裁       太田利三郎君
   日本開発銀行理
   事       河野 通一君
   日本輸出入銀行
   総裁      古沢 潤一君
   日本輸出入銀行
   理事      東條 猛猪君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十一年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十九回国会継
 続)
○昭和三十一年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十九回国会継
 続)
○昭和三十一年度国税収納金整理資金
 受払計算書(内閣提出)(第二十九
 回国会継続)
○昭和三十一年度政府関係機関決算書
 (内閣提出)(第二十九回国会継
 続)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小西英雄君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 昭和三十一年度一般会計歳入歳出の決算、昭和三十一年度特別会計歳入歳出の決算、昭和三十一年慶国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十一年度政府関係機関決算書を議題といたします。
 本日は中小企業金融公庫、北海道開発公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行について審議を行います。中小企業金融公庫の部を審査いたします。検査報告書には第二百五十一ページに掲載されております。本件に関し御出席の方は、参考人として中小企業金融公庫総裁坂口芳久君、井染中小企業金融公庫総務部長、岩田中小企業金融公庫総務部次長、高藤中小企業金融公庫業務部次長西塚中小企業金融公庫調査課長、会計検査院第五局長上村照昌君の諸氏であります。
 まず会計検査院から概要の説明をお願いします。
#3
○説明員(上村照昌君) 中小企業金融公庫に関しましては、検査報告二百五十一ページから二百五十二ページにかけまして、業務の概況のほか、三十年度検査報告において、延滞復金承継貸付の委託管理を直接管理に切りかえるなどの処置が望ましい、と要望しておきました点につきまして、その後復金直接貸分につきましては公庫の直接管理に切りかえられたことと、二十九年度検査報告におきまして、業務委託手数料の引き下げ方を要望しておりますが、三十一年四月から新規貸付分については、ある程度引き下げの処置がとられたという事後の処置について記述しております。
 なお三十一年度検査の結果不当として掲記する事項はございません。
#4
○委員長(小西英雄君) 次に中小企業金融公庫から概要の説明を願います。
#5
○参考人(坂口芳久君) 三十一年度の決算の御報告の中で、当時はちょうど貸付の残高は六百四十億でございましたが、その後ただいまの九百七十億円と、当時に比べますとだいぶふえて大きくなって参りました。三十一年度の御指摘のありました点につきまして、第一点は直接貸しが当時計画しておりました六十億円の計画でございましたが、その半分もできなかったのでございますが、その後事務能力もだんだん充実して参りまして、昨年では六十債を計画いたしまして七十四億と、だんだんよけい直接貸しの方も計画以上に達するように事務能力も充実して参りました。
 それから次に復金承継の貸付の延滞の整理につきまして、ただいま御報告がございましたように、代理管理を直接管理に移しまして漸次延滞を整理して参りまして、その後本年度におきましては、さらに検査院の御注意に従いまして管理回収を直接やることにしまして、相当効果は上ってきたと存じております。
 それから代理手数料につきましては、御指摘がございましたので、昨年度におきましては、今上村さんからお話のございましたように引き下げましたが、新規貸付のみについて引き下げました。本年度におきましてはさらに全体の貸付につきまして引き下げを行いまして、ちょうど三十二年度に約一〇%、三十三年度にさらに一一%の程度を全体の貸付について引き下げを行なって、大体御趣旨に沿うように努めて参りました。
 非常に簡単でございますが、以上ここで御指摘いただきました点につきましてだけ報告いたします。
#6
○委員長(小西英雄君) 以上をもって説明を終りました。これより質疑を行います。御質疑のある方は順次発言を願います。
#7
○相澤重明君 会計検査院の指摘されている通り、昨年度から見ると三十一年度は大へん成績がよくなっていることは、私ども敬意を表したいと思うのです。それでさらに回収が順調に進んでいるようでありますが、まだ全部というわけには参らぬと思うのです。そこで今後どのくらいの見通しで整理ができるのか、そういう点おわかりになったらばお答えいただきたいと思う。
#8
○参考人(坂口芳久君) 全体の延滞の利子で申しますと、三十一年度末におきましては五%あまりあったのでございます、全体の貸付の。正確に申しますと五・二%でありまして、それが三十二年度末には延滞金額で申しますれば三三・二%よくなって、参りました。これは全体の貸付について申し上げましたのでございますが、承継位権につきましては率といたしましては、だんだん回収は困難になって参っておりますので、承継債権のみを取りますと全体の率は悪くなりますが、回収の成績は代理貸しにしておりますよりもよけいに上っておると考えております。これからあと三年ですべての貸付を、承継債権をきれいにしたいという計画で今進めておりますが、なお、その中でやはり償却すべき部分は相当出るかと思います。直接貸しに移しまして回収は進んできていると思いますが、利子だけで申しますと元金が減って参りましたものですから、率はお手元に差し上げました表でごらんいただきますと、率としてはかえって悪くなるのでございますが、回収はよけいしているとこう思います。
#9
○相澤重明君 それから、さらに今言った不良債権の回収も逐次よくなると思うのですが、昨年は三十二年度には新潟、熊本等の支店を増設して直接貸しの拡大をはかった、こういうふうにして成績が上っておると思うのですが、具体的にどのくらいの人数をふやして、それによってどの程度の資金が回収をされたか、これが第一点。
 それから第二点は、先ほどの会計検査院並びに坂口総裁からも御説明がございましたが、三十一年度は計画額が六十億円に対して実績は二十四億円だった、こういうことは事務能力の不足ということもいえますが、三十二年度に職員を増加したりあるいは貸付審査の事務がよくなったので、六十億の計画に対して七十三億七千万円貸付けた、こういうことをいわれておるわけですね。従って、三十三年度についてはどうなのか、こういう二つの点についてお答えいただきたいと思うのです。
#10
○参考人(坂口芳久君) 第一番目の人員との関係は、総体で見ておりますものですから、幾ら人数がふえたからどれだけ回収はふえたとははっきりとは申し上げにくいのでございますが、今日現在の人員は六百五十三人でございまして、一昨、昨年、この二カ年で約百五十人ばかりふえております。そうして支店は今年新潟と熊本をふやしまして全部で十カ店になっております。
 それから本年は直接貸しにつきましては九十億の計画を持っております。ほぼそれに達するぐらいに現在のところではいく予定でございます。なお三十二年度におきます予定よりよくできましたことは人員だけでございませんで、だいぶ事務にも職員がなれて参りました点もございまして、六十億の計画が七十億余りにできたのはこの関係でございます。
 それから、さらにこれから先につきましては来年度はさらに百二、三十億くらいまで直接貸しをふやしていきたい、こういうふうに考えております。
#11
○大竹平八郎君 きょうの実は補正予算の大蔵大臣の説明の中にもあったのですが、問題の中小企業に対するこの年末金融の問題なんでありますが、中小企業金融公庫、商工中金。それから国民公庫ですか、この三機関に対して相当量の、二十億といっていましたが、一応政府は増額をするということをきょう大蔵大臣自身が声明をされたのでありますが、この中小企業者の立場からいきますと、中小企業金融公庫というものは非常な大きな頼りになる機関なんでありまして、そういう意味でこれはまあ社会党あたりは相当まあ膨大なものを希望といたしまして、年末金融に要望をされておるのでありますが、最近の特にこの不況のときに当りまして、しかも加えて年末というようなときに当って、果してこれくらいのような増額の程度で、非常にこの中小企業者が頼りにしておる公庫といたしまして、それにこたえることができるのでしょうか。この点一つお聞きしたいと思います。
#12
○参考人(坂口芳久君) 私どもの公庫といたしましては、お話のございましたように資金需要は非常に多うございまして、今度政府で直接御決定いただきましたのは二十億でございますが、これは必ずしも十分とは申せませんものでございますから、私どもといたしましては、政府では百億のうちの三十億は情勢を見てということでございますので、できますならばそのうちの大きな部分を、私どもの方の公庫の方に助けていただきたいとこう考えまして、ただいまお話をいたしております。そのお話の途中なんでございますが、私どもとしては場合によっては、繰り上げるというものをできるだけ多く私どもの公庫に助けていただきたい、とこう考えて今お話をいたしております。
#13
○大竹平八郎君 総裁がごらんになりました、その中小企業を中心になる現在の金融状況というような諸般の建前から参りまして、年末の金融という問題につきまして御所感を一つ述べていただきたいと思います。
#14
○参考人(坂口芳久君) 今年の年末と昨年の年末とこう比較しての感じでございまするが、全体の金融は御承知のように多少ゆるみかげんでございますが、中小企業の金融につきましても、短期の金融につきましてはいくらか昨年とは違った感じ、差し迫ったという感じは多少なくなったのではないかと思いますが、長期資金の需要につきましては、あまり衰えていないような感じがいたします。御承知のように金利もあまり下っておりません。短期の方につきましては多少下ってきておりますので、昨年と比べていくらか感じが違っておるという気がいたしますが、しかし中小企業全体から見まして、金融についてはそう感じられまするが、中小企業の業態の方から見ますると、相当いろいろな点につきまして注意して経営すべき状況にきていると思います。そういう意味で金融全体といたしましては、ゆるんだような感じはいたしますけれども、必ずしも十分だということは、中小企業に十分に金が回るところまではいっていないと思いますが、昨年度と比べますとそういう感じがいたす次第でございます。
#15
○大竹平八郎君 それからいま一点お尋ねいたしたいのですが、いろいろ私どもがこの窓口の問題はこれは単にあなた方の方だけではないのでありますが、政府機関の各公庫等でそういう話を聞くのでありますが、私どもも実はよくあなたの方の借りることに当って、いろいろな書類上の問題とか、あるいはいろいろな手続の問題だとかまあいろいろなそういうことを、とかく多少非難的にまあ聞くのでありますが、最近いろいろまああなた方の方としても全国的な統計をとっておられると思いますが、そういう点に対しての最近の状況というものはどうなんですか。
#16
○参考人(坂口芳久君) あの私どもの公庫ができました当時、また直接貸しを始めました当時、私どもの公庫のいただきまする書類等につきまして、非常に数が多いとか手続がむずかしい、とかいうお話がございましたので漸次改めまして、書類も数だけで申しましても初め二十数件の資料をいただきましたのを、最近ではそれを三分の一、七件くらいにいたしましたし、それは数だけで申しましたのですが、そのほかの手続につきましても、なるべく中小企業に合うようなやり方でやりたいと考えまして、漸次改めて参っております。
 しかし何しろ長期の資金でございますので、長い金をお貸しいたしまする関係上、多少短期の金融をなさる金融機関と違う点でございますので、まだよくその点につきまして御注意をいただきますので、今後も簡素にやるようにまた早くやりまするように努めたいと思っております。
#17
○大竹平八郎君 今一点お聞きいたしまするが、これは昨日国民公庫の調査に当って、責任者にお尋ねをいたしたのでありますが、国民公庫との問題なんでありますが、これについて相当国民公庫の方としては、ときにこの中小企業金融公庫との重複的な面もあるやに聞いておるのでありますが、あなたのお立場から見られていかがでありますか。
#18
○参考人(坂口芳久君) 私どもの方の一件の平均貸付金額は約二百三、四十万円でございます。お手元に差し上げました資料の中にもございますが、国民公庫の方はそれに比べますとたしか二十万円程度でございまして、まあ平均で見ますると相当差がございまするが、私の方の一番小さいのは一応五十万円程度と申しておりますのですが、大体におきましては三十万円くらいまでお貸しするところもあります。んで、そういうことになりますと国民公庫の方では大体五十万円が暫通の原則のようでございますので、その点では多少重複の点もあると思いますが、まあ中小企業者の立場から考えますと、多少の重複があれば漏れがなくていいんじゃないかという感じがいたします。しかし同じ政府機関で重復して貸すことにつきましては、いろいろまた問題もあろうかと思いますが、なるべく向うとの重複は避けましていきたいと思います。
 なお私どもの公庫と国民公庫の違います点、また私どもの公庫に対して非難を受けます点として、私どもは使途を非常にやかましく言っておりますので、この点国民公庫さんとは多少違っておるかと思います。この点につきましては使途がやかましいという御非難を受けております。そんなような点で多少違っておるんじゃないかと思います。
#19
○委員長(小西英雄君) なおお尋ねいたしたいんですが、中小企業金融公庫から見て、景気のいいときにこの資金量が、今の統計からいったらよく出るんですが、不況といわれたときには、三十一年度ですか、いわゆる六十億円に対して二十四億かそれくらいしか貸し付けてない。これはどういう現象から起きたんでしょうか。それについて。
#20
○参考人(坂口芳久君) それについては三十一年度は決算委員会への御報告にもございますように、実は直接貸した。従いましてその前年の十月からでございまして、私どもの方はほんとうになれておりませんでしたものでしたから、せっかくの申し込みがありましてもうまく処理ができなかったのでございましたが、漸次私どもの手も整って参りましたし、また事務にもなれて参りましたのでふえて参りましたので、今お話がございました全体の景気との関係でなくてああいう数字が出たのでありますが、景気との関係で一番私ども深く感じますのは、私ども公庫から出す設備資金と運転資金の割合が、景気に非常に関係あるような動きを示しております。お手元に差し上げました「五年の歩み」というグラフをごらんただきましても、非常に金融の詰まりましたときは運転資金の割合が非常に伸びて参りまして、金融の割合緩慢なときは設備資金の割合が高まっていく、金融の繁閑が非常に運転資金と設備資金の割合でわかってくるような気がいたします。これでごらんいただきますと、一番金融について窮屈でありました昨年の暮れあたりが、運転資金については全体の三九%余でございまして、一般には大体二〇%程度でございまして、その辺が景気といいますか、金融の繁閑と多少合ったような数字が出ているような感じでございます。運転資金の割合が高いときには、割合に金融が詰まっているときだという感じが、このグラフを見ながら感じました次第であります。
#21
○委員長(小西英雄君) 先ほど大竹委員からも指摘したのですが、今年非常に不況だという点、あるいはいろいろな面から政府の方で二十億年末融資を増すと言われたのでありますが、この二十億を増したので、現在公庫の方の申し込みに対してそれが十分であるかどうか。あるいは大幅にたとえば百億を公庫の方に回すといたした場合、それを貸し出すだけの事務的な手続能力はどの程度あるかということについて伺いたいと思います。
#22
○参考人(坂口芳久君) 私どもの貸出能力につきまして、先ほど申し上げましたのは主として直接貸しでございまして、代理貸し制につきましては、代理金融機関の方に多くの手続をおまかせいたしておりますので、資金が今後ふえましても、直接貸しにつきましては今から急にふやすことは問題がございます。年末にかけてふやすことは非常にむずかしいのでございますが、代理金融機関を通じて出します限りにおきましては、相当資金がふえましても消化は十分できる、今度二十億ふやしていただきますにつきましては、主として代理貸付の方に持っていきたいと思っております。
 なお代理店からの要望を申しますと、さらに二十億でも三十億でも消化できる、したいということを強く言っております。で、事務能力につきましは、直接貸しにつきましては急には受け入れることは非常にむずかしいのであります。
#23
○委員長(小西英雄君) 現在の職員の総数は何ぼで、今度支店を熊本、新潟にふやしたようですが、そういう点についてどういう経過をたどっているか。また代理貸付の方がいいのであれば、いろいろな支店を設置したり今後人員をふやす必要はなかろうと思いますが、代理貸付なり直接貸しについての一般の世論の反響、あるいはお客さんから聞く反響等について御説明を願います。
#24
○参考人(坂口芳久君) 直接貸しと代理貸しにつきましては、それぞれ長所も短所もございますが、お客さんから伺います中には直接貸しの方がいいと、それはたとえば代理金融機関の方に行きますと預金のことが話に出たり、かえってめんどうですから直接貸しにしてくれというような御要望もございます。また代理貸しの方がいいということにつきましては、私どもの方で調べます手数、事務手続がまだ不十分だというような点もございまして、多少手続のおそいというような点から、場合によっては代理貸しの方がいいというお客さんもございますが、私どもといたしましては、できますならば私の方は手の能力一ぱいまでは直接貸しをやっていきたい。しかしその点は、十分に全国の多数の中小企業者に行き渡るような貸付はできないものでございますから、代理貸しをも併用してやっていく方がいいんじゃないかというふうに私は考えております。
#25
○委員長(小西英雄君) 職員の数は。
#26
○参考人(坂口芳久君) 職員は六百五十三名が定員でございます。
#27
○委員長(小西英雄君) 今後なお支店等についてふやしたい意向があるのか、現在程度で代理貸しでいきたいのかということについて伺います。
#28
○参考人(坂口芳久君) 代理貸しももちろん伸ばしていきたいと思いますが、直接貸しもあわせて手の及ぶだけ伸ばしたいと思っております。従って現在の店舗だけでは不十分だと考えますので、来年度もできますならば数支店を設けたい、こう考えて政府の方とお話もしております。
#29
○委員長(小西英雄君) 中小企業者が、この中小金融公庫のいろいろな事務的手続等について、非常に今までむずかしかったということをしばしば聞いているのですが、またそういう点からみても、中小企業公庫がこういう使命でやっているということを、店が新しい関係から十分周知徹底していないきらいがあるのではないか。そういう場合には、現在の資金量ではあまりそういうPRした場合に足らなくなるので、そういうことをあまりすれば資金量が足らないから現状のままでいるような気持か、その点一つ。
#30
○参考人(坂口芳久君) 私どもといたしましてはできるだけPRをいたしまして、皆さまお客さまに来ていただきたいと思っておりますが、今委員長のお話のございましたように、事務能力の関係がございますので、直接貸しにつきましてはもう少しPRすればもっとふえるだろうと思うのでございますが、かえってお客様をお待たせして、そのために不平をお抱きになるようなことがありましてはと考えまして、多少遠慮しながらPRをするようなこともございます。ただ資金の量の関係と申しますよりは、むしろ私どもの事務能力の方が、直接貸しにつきましてはまだ十分じゃないということは言えるのでございます。ただし代理金融機関を使ってやります貸付につきましては、これはなおもう少し多くても十分に処理していけると思います。今年この年末にかけましても、昨年の、代理金融機関から申し出てほしいといって申し出た金額よりは、さらに大きな金額を代理金融機関からはほしいと言ってきている関係でございまして、代理貸しにつきましては資金の方の制限が強うございますし、また直接貸しにつきましては、まだ私どもの方の手が十分でないという点で不十分な点がある、こういうのが現状でございます。
#31
○委員長(小西英雄君) その点が私たち現在の立場で大事だと思うのは、まあ中小金融公庫というものは国家性を帯びたもので一般の銀行と異なりますので、そういう点について一般の営利会社というか、一般銀行はなかなか担保物件その他につきまして相当厳重な審査を必要とする。中小企業金融公庫はいろいろな中小企業救済の主目的というもので、だいぶ一般の銀行と内容を異にしている。今の公庫の坂口総裁の話からいえば、政府がここに画期的に中小企業者の金融を緩和しようとして多くの金を出そうとしても、むしろそれは急にやったのでは事務的能力がなくて、金をどんどん出す剛といっても、貸付機関の能力が今のところ限定されているということになると、急にいろいろたくさんの金を出してやろうと思ってもできないというのが実情であるのですね、御答弁願います。
#32
○参考人(坂口芳久君) 今急に直接貸しをいたしますことは、今お話の通りなかなかむずかしいのでございます。しかし少し余裕をとっていただきますならば、職員をふやすあるいは事務能力を上げることによりまして、もう少し直接貸しがふえると思います。たとえば来年度におきまして、本年度よりは約五割ぐらいふやす程度の直接貸しをやりたいと考えて、今計画いたしておりますようなわけでございまして、少し時間をかけていただきますならば、だんだん直接貸しはふえて参るかと考えております。
#33
○委員長(小西英雄君) 中小企業金融公庫は、政府といたしましても、国家といたしましても、一番日本の産業の大部分を占めておるこれを何とか救済してもらいたい、また救済しようという立場に立っておるので、そういう民意を十分反映した公庫の運営を特に総裁にお願いして、これで当委員会の質問を終ります。
 ほかに御質疑ございませんか。――御質疑はないものと認めます。
 では、これをもって中小企業金融公庫に行う質疑は一応終了したものとすることに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(小西英雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#35
○委員長(小西英雄君) これより北海道開発公庫の部を審議いたします。
 検査報告書には第二百五十二ページに掲載されております。本件に関しての御出席の方は、参考人として北海道東北開発公庫総裁松田令輔君、小川北海道東北開発公庫総務部次長、石原北海道東北開発公庫理事、吉田北海道東北開発公庫監事、ほかに上村会計検査院第五局長の諸君であります。
 まず、会計検査院から概要の説明を願います。
#36
○説明員(上村照昌君) 北海道開発公庫につきましては、検査報告の二百五十二ページから二百五十三ページに記載してある通りでありますが、検査の結果を見ますと、設備資金貸付におきまして、他の政府関係機関が貸付対象としたもの、重複して貸し付けられておるものがごさいました。なおまた、一般の金融機関から調達済みのものに対して貸し付けておられるというような事態がございまして、これは当公庫が御承知のように三十一年度発足いたしまして、業務開始早々のことで事務不なれの関係等から、かような事態が起っておるのではないかと思います。この点に関しまして、公庫に対しまして改善方を要望しておるところでございます。その後、本年度の検査におきまして、大体見ましたところでは、事務の関係も相当充実して参って、昨年見ましたような点は大体において改善されてきておるのではないか、かように見ておるわけでございます。
 一応御説明を終ります。
#37
○委員長(小西英雄君) 次に、北海道東北開発公庫から概要の説明を願います。
#38
○参考人(松田令輔君) 三十一年度の予算におきましては、投融資の総額は八十億と定められたのであります。その資金の調達は、政府の出資千億、資金運用部からの借入金が三十億、残り四十億は社債によって調達する、かような計画であったのであります。ところが、公庫が現実に出発いたしましたのが七月の一日でございまして、自後、陣容の整備とかあるいは事務の諸般の準備等がありまして、申し込みは即日受け付けましたけれども、審査その他の着手がおくれまして、実際上は九月以降において貸付を実行するようなことに相なったのでありまして、その結果八十意の資金計画のうち、現実に資金融資といたしまして交付いたしましたものが、四十五億ということに相なったのであります。ただし計画において定められました八十億というものにつきましては、資金の調達といたしましては全部を完了いたしたのでありまして、それは後年度におきまして融資を実行済みでございます。
#39
○委員長(小西英雄君) 以上をもって説明を終りました。
 これより質疑を行います。御質疑のある方は順次発言を願います。
#40
○大竹平八郎君 北海道東北開発公庫の重要な使命は、いうまでもなくその地域的な産業の振興ということがねらいで設立されたわけなんでありますが、北海道と東北を私は区別して申し上げますが、東北の問題に至りましては、御承知の東北開発会社という国策会社が従来あったわけなんでありますが、これは私ども、商工委員会におきましてもしばしば大きな問題になつた。その問題の焦点というものはどういうところにあったかというと、極端に言うと、業務成績というものはほとんど上っていない。そうして東北開発振興のために全く寄与してないでないかという議論が非常に多くて、ことに大事な東北を目標地帯にしておるにもかかわらず、本社があっても、本社には十人かあるいは十二人末満くらいの人間しか来なくて、ほとんどが東京におるというようなこと。それからまあ一つの例を引きまするならば、日本の造船景気がご承知の通り、ここ二、三年前に非常に盛んになった。そういうようなときにかかわらず造船設備が御承知の塩釜にあった。こういうもの、それに対応するような方針というものがほとんどとられていない。これは一つの例証なんであります。そういう意味で非常に問題が多かったのであります。それであなたの方の仕事は、これは開発銀行と違いまして、その関係省から特別推薦せられての融資でないだけに、そういった企業関係に対しましては、他の銀行と違った特別な関心をもって調査研究をして、そうしてこれが東北の振興になるものとするならば、大いにこれを一つあなたの方が奮発してやってもらうということが建前なのでありますが、まだ開設早々ではありますが、その後の東北地帯の産業及びまた、あなたの方が今後意図をいたしておりまする計画等についていろいろ案があると思うのでありますが、その点を一つお聞かせ願いたいと思います。
#41
○参考人(松田令輔君) 北海道開発公庫としまして三十一年度に出発をいたしたのでありますが、その後一年たちまして東北に地域が拡げられまして、東北地区におきまする長期開発資金というものの供給の仕事をわれわれ命ぜられたのであります。まだ東北地区の業務を実行いたしましたる期間も日が浅いのでありまして、われわれの認識も必ずしも十分でないかとも思いますが、一応今までわれわれが東北地方からの要望等を伺いまして、またその事情等を調査いたしまして、ほぼ私程どもの方で考えておりますることを申し上げますると、東北地区におきまする特徴と申しますか、資源の他と異なった特徴は、第一が砂鉄、次に非鉄金属の問題、これは全国的に申しましても、この資源がこの地方に多い。そうしてその次に天然ガスがこの地方に多くある。その次には森林資源がこの地方に多い。従いまして、私どもの方で資金の需要を申し込まれましたものについて見ますると、そういう方面が実際多いのであります。また私どもが今日まで融資を実行いたして参りましたのも、そういうものが比較的に多いことになっております。なお一、二それにつけ加えて申し上げますると、石灰石が多い関係で、これに関連する化学工業ないしはセメント等の問題がございます。それから北海道と多少の差はありまするけれども、水産物の関係、これは水産物の問題につきましては、現実の漁業自身は私どもの方の業務の範囲の外でありまするけれども、これの加工、貯蔵等につきましては、私どもの方から融資をするようなふうに業種の指定がなっております。大体申しますると、これらの業種に資金を現実に回す、それらの方向に向って融資されておるというのが大体の実情であります。
#42
○大竹平八郎君 一つの例をあげますると、これは場所を記憶しておりませんが、最近岩手県か何かで大きなセメント会社ができるように聞いておりますが、これなんかの融資はどうなったのですか。
#43
○参考人(松田令輔君) 岩手県において問題となっておりまするセメント工場は東北開発会社の方で実行いたしております。私どもの方では、従いまして融資をいたしておりません。
#44
○大竹平八郎君 それから北海道関係なんでありますが、これはきわめて政治的、というと少し大げさになるのでありますが、北海道は御承知の通り開発局とそれから道庁というものがあるわけなんでありますが、何も表面決して道庁と開発局が正面衝突をしているとか、あるいはつばぜり合いしているとかいうようなことは、これはむろん言えないと思うのでありますが、しかし私どもが行って、ほうぼうの、各産業状況なんかを視察して見るときに、やはり何か裏面には多少セクト主義というと語弊がありますが、多少セクト主義のような状況があるのでありますが、こういう道庁並びに開発局、むろん、まあ仕事はおのずから一応規定を別個にされているのでありますけれども、しかし中にはかなり重複的な仕事の面も見えるのでありますが、こういう点について公庫といたしましては、特にそういう開発局、道庁の中に立って、そうして業務上非常に支障を来たした、あるいはまた支障を来たすおそれがあるというようなお感じはございませんですか、その点を一つ伺いたい。
#45
○参考人(松田令輔君) ただいまお尋ねの点につきまして、北海道開発庁の出先の機関といたしまして開発局がおりますけれども、これは主として公共事業を現実に実行いたしております。現地におきまする実情といたしましては、私どもの方ともっとも緊密に連絡を要する部局は、通産局と、それから北海道庁あるいは営林局、海運局といったようなところと事務上の連絡をいたしておるのであります。こうしまして、これの問題が東京の方へ上って参りまするというと、本店でまたこれを審査いたしまして、そうしてこれを北海道に関する部分は開発庁の方に、またいろいろと連絡をいたし、ないしは通産等の本省と連絡をいたしているのであります。従いまして、現地におきまする感じといたしましては、われわれは開発局と、それから北海道庁との間の関係につきましては、現実には私どもの方にはさしたる特に困ったというような事例は、ただいまのところございません。これは私どもの方に関する限りでございます。
#46
○大竹平八郎君 いま一点伺いたいのは、水産物につきましては、加工及び貯蔵等に融資をされるということなんでありますが、まだ開設早々で、十分にむろんこれは行きわたっていないのも無理はないと思うのでありますが、特に北海道は御承知の通り、水産物関係の仕事というものが非常に多いわけなんであります。それから、さらに、私どもが参りまして、よく陳情も受け、それからまた私どもといたしましても、これは何とかしてやらなければいかぬということを感じますのは、たとえば根室あたりにいる、歯舞、色丹あたりの漁民が引き揚げてきて、そうして零細な漁業に携わっている。こういうことについての問題は、生業資金の問題であるとか、あるいはまた、その自分たちの新しい仕事に対する融資の問題がある。それからまた樺太あたりから引き揚げて、手近の関係もあるのでしょうが、比較的小樽を中心に多くいる。しかも、これは大体水産関係並びに水産に関連をしている仕事に従事している向きが多い。中にはりっぱな組合をこしらえ、あるいはまた大企業の下請をやっているというのもありますが、こういう方面につきましては、われわれといたしましては、特段の注意を願って、そうして融資をしてもらった方がいいんじゃないかと考えておるのでありますが、現実においてはどういうような状況になっておりますか。
#47
○参考人(松田令輔君) 私どもの方の公庫の業務につきましては、他の政府関係の金融機関との間におきまして、業務上の分野を一応きめられておるのであります。ただいま御質問のありました漁業の点につきましては、漁業に対する融資は農林漁業金融公庫の方でいたします。従って、その方面には私どもの方は融資をいたさない。私の方で融資をいたすのは水産物の加工部分、こうしてまた、これはあえて水産業だけではありません。全体の問題、先ほどもこちらは見えておりましたけれども、中小企業金融公庫との間におきましても、私どもの方で業務上の分野の一応定めがあるのであります。これを通じましては、結局私どもの対象といたしまする貸付先は、資本金が一千万円以上である。それ以下は中小ないしは農林漁業の方面の問題でありまして、大体資本金の点につきましてさような制限があります。と同時に、また個々の貸付の対象となるべき業種につきましても、個別に政府から定められております。ただいまの御質問の分につきましては、これは農林漁業の分野といたしまして、私どもの方ではその分野にはタッチいたしておらないというのが実情でございます。
#48
○大竹平八郎君 私の質問の仕方もまずかったのでありますが、たとえば、今の引き揚げ関係の人たちあたりが、細々ながらわずかな資本で水産加工的な仕事をかなり現実においてやっておるのです。私はそういう方面にあなたの方が今までどれだけの貸し出しの実績を持っておるか、その点をお尋ねしたのですが。
#49
○参考人(松田令輔君) 今日まで私の方で実際出しておりまするものは、主として冷凍、冷蔵が多うございます。そのほかに水産物加工業がありまするけれども、これはまだほんの一、二しかありませんので、非常に特殊なものにとどまっております。従いまして、加工全体につきましては、ただいま開発庁ないしは道庁方面で、加工業についてのいろいろな研究が進んでおるようでありまするが、それらの計画が具体化しますというと、その一部は私どもの方にもまた話があるだろうと思っておりますが、現在では政府の方でいろいろと調査研究しておられるというような話は伺っております。さような状況でございます。
#50
○委員長(小西英雄君) 公庫総裁にお尋ねしたいのですが、三十一年度に北海道開発公庫として発足されて、三十一年度に予定しておった資金が貸し付け実行に至らなかったという点をわれわれいろいろお尋ねしたいより、こういう特殊会社が発足して、特殊な金融機関が、あなた方が金融機関の立場から見て、北海道と東北に対して年間何十億かの金を貸し付けていく、実際に理想論としては、北海道にはいろいろな産業の十分広がる余地がある、あるいは東北にもまだ未開発地帯が相当あると一般にはいわれるのですが、実際、実行に移してみて、何十億、何百億かの金を順々に貸し付けていって、具体的にそれだけの陣容でないのに、急にそういうものが発達するようには、われわれいろいろ専門的に考えられないのですが、公庫総裁として過去二カ年の実績から見て、総裁はかつては満州にもおられ、こちらでいろいろ仕事をされた関係上、日本内地においては、こういうふうな仕事がすぐに根がはえてりっぱなものになっていくような状況に芽ばえていけるかどうか、それについて一つ率直な意見をお尋ねしたい。
#51
○参考人(松田令輔君) 初年度におきまして、計画額の資金の現実の貸し付けができませんでした事柄は、先ほど申し上げた通りでありますが、その後の状況からいたしますと、人員も逐次整備していただきまして、三十二年度におきましては百六十九億の計画、そのうち五十億の繰り延べが行われまして、百十九億が現実の実行計画になりましたのでございますが、これはほぼ完全に融資をいたしました。
 次に、その融資の結果の効果でございますが、私どもの方で融資いたしますのは、不肖かつて外地でやりましたのと様子を果にいたしまして、現在私どもの方で北海道、東北でやっておりまする実情は、それぞれの企業家が現実の企業計画をもって私どもの方に申し込みをいたします。それに対して判断をして融資をするということであります。のみならず、この融資をいたす場合におきましても、これは私どもの公庫だけでなしに、他の市中の金融機関もこれに協調いたすことを前提といたしておるのであります。従いまして、これらの銀行と私どもの方と双方でこれの実現の能否あるいはその効果等を十分に検討いたしまして今までやって参っております。それで、かつて外地におきまして私どもも関係いたしたのでありますが、政府と申しますか、役人が立てた計画を実行しようとして、ずいぶんできなかったものがたくさんあったわけでございますけれども、今私どもが関係いたしておりまする東北、北海道の関係分野におきましては、現実の企業家が現実に即して企業計画を持ってくるものをわれわれが判断してやっておりまする関係上、これまで融資いたしましたものは、それぞれあるいは工場あるいは鉱山、その他の施設というものはおおむねと申しますのはそれは一部建設中のものもありますけれども、途中において挫折するというようなことなしに、それぞれ建設を進行し、あるものは生産を開始いたして、所期の目的を大体において達成しつつある、かように考えております。
#52
○委員長(小西英雄君) 北海道開発公庫の現在の職員の大体の数はどれほどあって、北海道公庫の職員なり、いろいろな幹部の皆さん方がどういう経歴の人がおるか。たとえば電源開発はかつての日発の人が多いとか、あるいは満州の関係者が多いのですが、東北開発の人数とその内容について、審査等については代理行為をしなくても、自分らの陣容で十分できる見込みかどうか、それについて。
#53
○参考人(松田令輔君) 役員は総裁一名、ほか理事四名、監事二名でございます。職員は総体で百四十五名であります。そうしまして役職員の構成でございますが、これは三十一年に開店すると同時にやはり実務を行なっていかなければならない。そのためには経験者を用いなければならない、それからまた同時に資料を相当われわれは整備しなければならない、それまでの間にはいろいろと資料を、他で持っておられるものを借用する等のこともありまして、経験者を当てるということで考えております。従いまして、理事四名のうち二名は銀行出身でございます。一名は興業銀行、一名は北海道拓殖銀行、この人、並びに当該の銀行は、多年長期金融に携わってきた経験がありまするので、それを利用してもらいたいと思いまして、さような構成にいたした。職員につきましてもほぼ同様でございまして、大半は興銀、拓銀、また一部は勧業銀行その他の金融機関の経験者をもって構成いたしております。
 それで、今日までのところでは、まずまず与えられました資金計画はわれわれどもの方で、特に代理貸しという制度でなしに、他の窓口を利用いたしませず、直接貸しで実行いたしております。実はかような状況であります。
#54
○委員長(小西英雄君) 当委員会として、いろいろの不当事項が、まだ発足間もないので、ないことは、これは当然だと思いますが、われわれは一番心配いたしますことは、北海道開発公庫などというものが、一つの目的に向って、ある範囲のきめられた貸付機関であるから、それらの機関がよほどしっかりしていなければ、この新しい分野の開拓、北海道あるいは東北のために、国会で相当な審議をして組まれたものが、今までの過去の実績からいって、戦前にも東北開発株式会社というものができておったが、親方が日の丸だ、国家の資金だということで、非常にずさんになりやすく、ほんとうに筋金の入ったことが今までなかったり、現在いろいろ、あらゆる公団ができておるが、三、四年もしてもなかなか内容がりっぱにならない。住宅公団になったり、あるいは事務所だけの救済機関になったり、いろいろな面が出ておりますが、そういう点のないように十分一つ、松田総裁において今後の貸付の内容、あるいはその歩みについて、釈迦に説法かもわかりませんが、一つ東北の開発あるいは北海道の開発に十分な指導的立場で今後やっていただきたいことをお願いして、大体私の質問を終ります。
#55
○相澤重明君 一つだけお尋ねしておきたいのですが、北海道東北開発公庫として融資をする、あるいは出資をする場合に、これはあれですか、地域のいわゆるそういう人たちに対する融資をするのですか、あるいは全国的なのも、東北、北海道区内にある、こういうことで融資をしておるのか、その点を先に一つお尋ねをしておきたいと思います。
#56
○参考人(松田令輔君) その点につきましては、ねらいは北海道、東北における資源の利用開発ということでありまして、その資源の利用開発をいたしまする事業所が現地にある限りにおいて、それに対する融資をするということでありまして、北海道に在籍するところの法人だけではありませんので、それ以外の地域において本店のあるものも、その地区内において開発事業をいたすときには、これに対しても融資をいたすという建前になっております。
#57
○相澤重明君 私は資料をいただいたわけですが、たとえば余剰農産物会計の一部、あるいは政府出資、それから債権、こういう形になっているわけでありますが、たとえば北海道の十勝の地方における融資については、どうも審査等が行われた形跡が少いのじゃないかということを私ちょっと聞いているわけであります。ということは、十勝で五社なら五社に融資をするために過当な競争が行われて、むしろ経営が非常に困難になったというようなこともちょっと聞いているのでありますが、そういう点、融資をする場合の審査の状況といいますか、そういうようなものについて、どういうふうにお考えになっているかということを一つお尋ねをしたいことと、いま一つは、今のお話で、北海道なり東北を開発するという目的であるから、その事業所がその区域内にあればだれでもいいのだ、こういうふうな御趣旨でありますが、趣旨はなるほどそうかもしれませんが、特に全国的な、たとえば東芝であるとかあるいは日立であるとか、いろいろ大きないわば独占的な企業のものもあると思う。そういうのは、何も北海道東北開発公庫だけを使わなくても、私はできるような面もあるのじゃないか、そのために、むしろ北海道東北開発公庫の資金が足りなくなるというようなことも考えられるような点もある、こういうような問題について、あなた方の方ではどうお考えになっておるか、この二点をちょっとお答えをいただきたいと思います。
#58
○参考人(松田令輔君) この業種のいかんによりますという、あるいは原料集荷とかというような面で、地域的な配分というようなものが重要な場合がしばしばございます。これらにつきましては、先ほどお話しのような、ある地区におけるものが共倒れになるというような危険に陥るようなことはいたすべきではないと考えているのであります。この点はそれぞれの主務官庁等と連絡いたしまして、工業の立地配分等につきましては十分連絡をいたしてやることにいたしております。今後もその点はさようにいたしていきたいと、かように考えております。
 それから次に、北海道ないし東北におけるところに本社を有する会社というもの、これはもちろん、これを決して軽視するわけではありませんので、できるだけこれも融資をして、その活動を求めるということについては、十分私どももさように考えているのでありまするが、ただ仕事の性質によりますというと、膨大な資本ないし特別な技術と経験を必要とするようなものがありまして、これらにつきましては、やはり本州のそれぞれの専門的な資本ないし技術というものを導入して、初めてできる部門もありますので、これらに対しても融資はいたしております。ただ、さような場合におきましては、もちろん、それ自体が市中から調達する能力も多いわけでありますので、その点につきましては協調関係で、そこの割合を調節いたしておるのであります。御承知のように今日までの実情といたしましては、なかなか、ことに長期の資金といたしますというと、民間で調達することはかなり困難がありまするので、ある程度の割合におきましては、私どもの方でもやはり要求されます関係上、それぞれの実情にかんがみながら出している、こういう状態でございます。
#59
○岩間正男君 私も二、三点お聞きしたいのですが、北海道、東北関係で一千万円以上の資金の会社、これに貸し付けられるということですが、大体これは統計的にお調べになっていらっしゃると思いますが、どのくらいございますか、一千万円以上の会社というものは。
#60
○参考人(松田令輔君) 会社の資本金別の表をただいま持って参っておりませんので、これは後日提出いたすようにいたします。
#61
○岩間正男君 私は、こういうことをお聞きしているのは、実は、東北開発の特殊性をよく性格的にきわめなければならないということと、それから、これと関連して、果して東北の産業開発に大いに浸透した役割をしているかどうかということが非常に問題であります。私お聞きしているのは、今、現在出資しているそういう会社の内容がどうかということじゃなくて、全体としてどれくらいあるかということ、それで全国の何%くらい占めているのか。そういうことをお聞きしているのは、東北の産業規模というのは、やはり京阪とか京浜、こういう地帯とは非常に違っていると私は思うのです。大きな資本形態をとっていない。全国的に見たら中とか小とか、そういうことになっているわけです。そういう中で一千万円以上の会社に――資本金を持たないところには貸さない。ほかのところでまかなえというので、農林中金とか、それから中小企業金融公庫とか、そういう方向に資本源を求める、こういうことになって、果して東北の産業開発がうまくいくかどうか、こういう点で問題なんです。ところが、この公庫の名前を見ますと、北海道東北開発公庫というのですから、われわれ自身も、そういう内容にタッチしない限りは、これはとにかくそういう、もっと中小のそういうものも相手にしているような印象を受けるのです。こういう点で、果して公庫の性格を私たち政策的に見きわめる上で、そういう資料が必要なんですが、これは御調査がないというのですが、これはやっぱり出していただきたいと思います。どうでしょうか。東北の産業規模、これを全国的に見て、そういう点から考えて、現状における一千万円以上の資本を持たなければ投資をしない、こういうような公庫法ですね、こういう形で十分に任務を達成することができる、こういうふうにお考えになっておりますかどうか。つまり法律はできているのだけれども、その範囲内で業務は行われておるのだ、こういうことだけでは、私たちの審議の対象にはならぬわけです。そういう点からお聞きしておるのですが、どうでしょうか。
#62
○参考人(松田令輔君) ただいま仰せのごとく、北海道、東北におきましては、何といたしましても産業の後進地域であります。法人の総数といたしましても少く、またその資本の規模等におきましても小さいということは、大よそ考えられるのでありますが、その実数等につきましては、後日書面をもって提出したいと思いますが、ただ私どもの方で今日業務を実行いたしております基準としましては、先ほどちょっと申し上げましたが、政府関係金融機関が他にそれぞれありまするので、それらとの間に業務の分野を調整するために一定のことが定められておりまして、その範囲内においていたしているのであります。ただし、一千万円以上というふうになっておりますけれども、その例外等は許されないかというと、必ずしもさようでなく、例外は認められております。ただ現実の問題を申し上げますというと、私どもの方は直接貸しをもって実行いたしている。ところが、先ほどこちらに見えておりました中小企業金融公庫は代理貸しを主にやっておられる。一般の店舗の数も向うが多く、それから個々の業者といたしましても、取引は、その窓口をなしている銀行との間に取引がずっと継続して行われているのでありまして、従いまして、どうしても自然の成り行きといたしましては、中小関係は中小企業金融公庫の方にいくものが多いのであります。私どもの方へ特に一千万円以下で参ってくるものは、いずれ業務の拡張の計画を持っておって、中小の範囲を近い将来においてこえてくるというふうな見通しを持った人がやってくるというのが今の現状でございます。
 それから中小企業の概念は、一千万円ないし従業員三百人以下ということになっておりますが、これらに対して私どもが融資いたしております数は、会社数といたしましては、総数二百二十九件のうち約百五件と申しますものが、中小企業の概念に入っております一千万円もしくは従業員三百人未満というものになっております。決して中小企業に対するものを軽視するといったような考えは持っておりません。
#63
○岩間正男君 これはもっと詳細に内容を調べて検討してみてから発言したいと思うのでありますが、東北の規模という観点をやはり十分に考える必要があるじゃないかと思います。非常に未開発地方のこれを開発するための役割を持った公庫なのですから。ところが実際は比較的大きな産業にだけ投資されている。しかし基幹産業だけまかなうかというと、そうではない。たとえば電気のようなものは独占資本の企業であるから、別の資金系統でまかなうとして、中小の石炭、可燃性天然ガス、農林畜産、鉱業、その他、交通運輸業となっているが、どうも性格が非常に考えてみると不明瞭だと思う。従って性格が不明瞭だということは、PRを十分にされないということも関係して、これは一般に浸透していないじゃないかというような気持がするのです。また親近感をもってこれを利用するというわけにもいかないというような形ですね。さればといって中小企業や農業関係の公庫の方で、そういうものを全部まかなえるかというと、まかない切れない。やはり一般の、ことに中から小にかけての零細というようなところには、ほとんど資金が回らない、そういうところに、やはり金融機関の一つの何と言いますか盲点があるのではないか、その盲点が、現実にはやはり開発をおくらしている面が出てくるのではないか。そういう点から考えますと、もっと金融機関のそういうところを、統一した機能を発揮させるという点で必要なんじゃないか、どうも一般の、いろいろな公庫やその他の金融機関があるわけです。しかし、そういうところから非常に漏れている。そしてまた東北は、非常に開発がおくれているから、そこに特別な地域として、こういうものを持ったのですが、屋上屋を重ねたり、非常に競合し合って複雑になったり、そういうことのために、なかなか利用ができない。あるいはまたいろいろ、この手続がめんどうだ、こういうことで、利用ができない。果して、そういう任務を十分に果しているかどうかという点については、やはりこの問題は、東北の開発とも関連して検討する必要がある。
 しかも、また一方では、資金が非常に総花的に分散しておる、そういうことのために、できるだけ短かい期間のうちに、効率を上げるということができないというような、いろいろな事情が、どうも東北、北海道というような未開発の地域に、資金の効率が十分に発揮されているかというと、そういっていない。こういう点で、私たちは今話を聞いていましても、そういう感じを持つのです。
 しかし、これは今、私いろいろな資料をいただいておりませんので、この資料をいただいてから、当委員会でも政策論議の立場から、こういう問題は、もっと総合的に論議したい、こういうふうに考えております。ですからこれで終りますが、資料はいただきたいと思います。
#64
○委員長(小西英雄君) 岩間委員からの資料と相並んで、北海道、東北開発公庫の関係する県の、大体対象になるような一千万円以上の会社について、つけ足し願いたいのと、もう一つは、現在実行された貸付金の百七十億、あるいは百九十億になっておるかと思いますが、それらの対象は、どこどこになっておるかという点をつけ加えて、資料としていただきたい。
 もう一つ、尋ねておかないと――忘れておったのですが、現在開発公庫は、先ほどもいろいろ意見が出たのですが、たとえば三井、三菱、住友というような、ああいうふうな、大きな全国的にまたがっておる企業体にも貸すのか、それとも、そういうものは、大体中央で開銀とか、そういうその他の機関から借りているから、そういうものを対象としない、地場産業で、何か地盤にやりたい、いろいろな経験を持っているが、地方に資金がないために、今回できたようなこういう北海道、東北開発公庫から借りたいというものを主眼としておるのか、その点どうです、総裁。
#65
○参考人(松田令輔君) 全国的な大会社でありましても、北海道において開発事業をいたします場合においては、私どもの方で融資いたしておる例も多多ございます。ただ、その融資いたしますときに、協調銀行との割り振りの問題、そういう資産、信用の問題はできるだけ協調銀の行方の負担を多くしてもらいまして、私どもの方の分は、最小限度の程度にとどめてもらうというふうに努力いたしております。
 ただ、それなら、何でもやるかと言いますと、必ずしもさようではないのでありまして、実際上の例を申し上げまするというと、実際は同じ化学工業と申しましても、特殊な、たとえば田圃の中のガスの利用だとか、あるいは泥地の特殊な開発として、やや何と申しますか、パイオニアみたいなつもりでやられるようなところの方へ、どちらかというと重点を置いております。全国的な会社につきましても、程度はありますけれども、現実には融資はいたしております。
#66
○委員長(小西英雄君) 私は、今後これは非常に問題だと思うことは、こういうふうに北海道、東北開発公庫あたりの仕事が、結局中央において、もう従来からの信用もあるし、株が場株として出ているような調査を必要としないような会社に対して、これを金融を重ねるなら、もう、そういう必要性が、作った意味からだいぶはずれるので、現地にあろうが、もう企業体のりっぱなものに、それを分けて貸しちゃうというふうなことなら、この公庫の意味が非常に薄くなる。まあ、いろいろ今後国会等の審議において、非常に批難される事項になりはしないか非常に心配するのですが、北海道、東北あたり、森林資源、あるいは海産資源とか、いろいろなものが、他の県より開発がおくれておる。地場にそういうふうな、ある程度土着のやりたい人、あるいは経験者がいるところに貸して、初めてこの公庫の意味が見出されるので、そういう点を一つ、特に注意を払っていただかなければ、今までの金融業者が、一つお裾分けで、この資金を簡単に貸付けるというようなことになっては、非常に目的に沿わなくなると思うので、そういう点を一つ、十分今後注意してやられたらどうか、こう思います。
 ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#67
○委員長(小西英雄君) 速記を始めて。
 ほかに御質疑はございませんか。御質疑ないと認めます。では、これをもって北海道開発公庫の部の質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(小西英雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 大へん、どうも御苦労様でした。
  ―――――――――――――
#69
○委員長(小西英雄君) 続いて日本開発銀行の部を審議いたします。検査報告書には、第二百五十四ページに掲載されております。本件に関して御出席の方は、参考人として日本開発銀行総裁太田利三郎君、河野日本開発銀行理事、会計検査院第五局長上村君の諸君であります。
 まず会計検査院から概要の説明を願います。
#70
○説明員(上村照昌君) 日本開発銀行につきまして、その概要は検査報告に記載してある通りであります。検査の結果については、特に申し上げる点はございません。
#71
○委員長(小西英雄君) 次に、日本開発銀行から概要の説明を願います。
#72
○参考人(太田利三郎君) 昭和三十一年度におきまして開発銀行の業務及び決算の概要につきましては、決算報告に述べられている通りでございますが、若干の補足説明を加えさしていただきます。
 三十一年度におきましては、いわゆる金融緩慢を背景といたしますところの産業界の資金調達力増大の見通しと、一方政府における原資の不足という事態とに基きまして、産業設備資金は、大幅にこれを民間金融によらしめる方針が打ち出されまして、本行の貸付規模は、当初三百六十億円と予定せられたのでございます。本行といたしましては、例年の通り、閣議了解のもとに、本行に御通知をいただきます「政府資金の産業設備に関する運用基本方針」に基きまして、三十一年度は、特に民間資金の活用に留意いたし、でき得る限り民間資金による調達を基調といたしまして、重点的かつ効率的な産業設備融資を行なって参ったのでございます。
 しかしながら、経済情勢の進展に伴いまして、年度の後半には、電力、鉄鋼、輸送等の基幹産業部門における隘路がはっきりいたして参りまして、一方、金融も次第に逼迫して参りましたので、これら隘路産業部門を中心といたしまして、本行に対する資金需要は、きわめて旺盛となり、年度当初の本行の貸付規模三百六十億円をもってしましては、とうていこれらの需要をまかない切れない情勢となって参ったのでございます。幸いにしまして、従前の貸付金の回収がきわめて順調でございまして、本行といたしましては、資金上の余裕を生じておりましたので、政府当局の御指示により、電気業に対し五十三億円、海運業に対し十三億円、一般産業に対し七億円、合計七十三億円の追加融資が認められることとなり、その結果、三十一年度における本行の貸付規模は四百三十三億円となった次第でございます。
 検査報告にございます四百九十五億円余の貸付実行額と申しますのは、国際復興開発銀行からの借入資金による外貨貸付約四十億円及び経済援助資金の貸付約七億円を含みますほか、前年度貸付規模のうち貸付手続が本年度に持ち越されたものの貸付実行分をも含むものでございます。なお、この年度における既往貸付金の回収につきましては、開発資金の回収百八十六億二千三百万円、復金承継債権の回収七十六億四百万円、見返承継債権の回収百十五億八千二百万円、合計三百七十八億九百万円のほかに、外貨資金貸付回収金二億七千五百万円を含めまして、検査報告にございますように、総計三百八十億八千四百万円余に上る回収をなしたのでございます。このうち外貨貸付金の回収金を除きまして残余は新規貸付の主要な財源となったのでございますが、この回収額は、一般経済情勢の好転を反映いたしまして、本行の予定しておりました回収額を相当大幅に上回った次第でございまして、これら予定以上の回収金によりまして、先ほど申し述べました七十三億円の貸付増額分をもまかなうことができましたような次第でございます。また、残余は、次年度以降の貸付の財源として留保せられたものであります。
 次に、決算の概要に一言触れますると、検査報告にございますように、本年度は百五十九億四千三百万円余の利益金を計上し、法令の定めるところによりましてこの利益金の二%を法定準備金として積み立て、残額百二十七億五千五百万円を国庫に納付いたしたのであります。また、年度末における貸付残高は、各資金合計で四千六億三千四百万円余となり、このうち七十九億三百万円が、約定の償還条件に対し延滞となっておりますが、この延滞は、もとよりそのまま回収不能というものではございませんので、現にその後も回収せられて、三十三年三月末日現在では、総貸付残高四千四百七十二億円余に対しまして、延滞額は五十七億円余というように減少いたしておる次第でございます。
 次に、御参考までにその後の各年度の業務を簡単に申し述べます。
 昭和三十二年度におきましては、当初貸付規模は六百億円とし、その内訳は、政府の運用基本方針によりまして、電力二百五十億円、海運百八十億円、一般産業百二十億円、予備五十億円と予定せられたのでございます。その後、政府における国際収支改善緊急対策の一環としての財政投融資の繰り延べ措置に応じまして、貸付規模を約一割減の五百四十億円に圧縮することを一応の目安として貸付業務を進めて参ったのでございますが、年度後半に至りまして、電力、石炭等重要産業部門における設備資金需給状況が逼迫して参りまして、繰り延べ分の解除を含めて八十七億円を追加することとされ、結局六百二十七億円の運用規模となった次第でございまして、その内訳は、電力三百億円、海運百九十三億円、一般産業百三十四億円となっております。
 次に、本三十三年度におきましては、貸付規模は総額六百二十億円とし、その内訳は、電力二百五十億円、海運百八十億円、一般産業百九十億円と予定せられておりまして、例年と同様、「政府資金の産業設備に関する基本方針」にのっとりまして業務を運営している次第でございます。
 なお、御承知の通り、政府におきましては、昭和三十二年九月国際復興開発銀行に対しまして、電力、鉄鋼及び道路の三業種九企業につき総額三億千五百万ドルに上る借款申し込みをいたしたのでございますが、このうち、開発銀行を通じましたもの、電力三社九千百万ドル、鉄鋼四社七千三百万ドル、合計一億六千四百万ドルにつきましては、本年三月以降九月末までの間に、すべて順調に借款成立を見たような次第でございますが、このような本行を通ずる外貨資金の導入も、現在は本行業務のおもな仕事の一つとして行なって参っておるものでございます。
 以上で、簡単でございますが、本行業務の概要を申し述べました。
#73
○委員長(小西英雄君) 以上をもって、説明は終りました。
 これより質疑を行います。御質疑のある方は、順次発言を願います。
#74
○大竹平八郎君 二、三の点につきまして、お尋ねをいたしたいのでありますが、まず第一に、御承知の、政府は昨年から、総合経済政策をとられまして、そうして、いろいろ各産業部門にわたりまして、過剰生産の抑制その他について、非常に努力をせられた。政府の言明によりますと、その総合政策が今年の半期あたりから漸次出つつある、同時にまた、アメリカの景気も、漸次盛り上がってくる、こういうことで、非常に楽観をいたしておるのでありますが、そういう意味におきまして、あなたのほうは、大体、基幹虚業である電力、あるいは海運、たとえば、三十一年度のパーセンテージを一つ見ましても、電気に対しましては三二%、海運に対しましては三〇%というように、基幹産業に主として融資をせられておるのでありますけれども、こうした政府の全体的ないわゆる総合政策に対処をいたしまして、開発銀行といたしましては、どういうように処置をしてこられたか、また、今後この政府の方針等に対して、どう歩調を合せて、金融政策というものを行なっていくかということを、まず第一にお尋ねいたしたいと思います。
#75
○参考人(太田利三郎君) 御承知の通り、開発銀行は、政府の金融機関でございますので、むろん政府の施策にのっとって運用いたしておるわけでございます。総合施策も、御承知のように、五カ年計画におきまして、それぞれの部門におきまして、大体の方向が決められております。また、各年度ごとに、電力、海運それぞれ各官庁におきまして、計画を検討せられ、またわれわれも、その計画を検討いたしまして、長期の経済計画にマッチしているかどうか、またその年度といたしまして、大体それが可能かどうか、一つは需給の方面から見まして、供給の方が設備が進み過ぎやしないか、また不当に供給が足らなくなることがあるか、及びことにわれわれとしましては、資金関係から判断いたしまして、市中の調達力その他を勘案して、まずこのくらいが妥当ではなかろうかという線を見まして、われわれの与えられました資金の範囲で、それに協力しておる、こういう実情でございます。
#76
○大竹平八郎君 具体的な問題につきまして、一、二点お尋ねいたしますが、例のあの復金からの承継債権であります。これは三十二年度末において、大体承継総額の七五%が回収済みだということが記載されておるのでありますが、これはあなたに、総裁にお聞きするのは、どうかと思うのでありますけれども、しかし関連をしておりますので、ぜひ一つ伺っておきたいのでありますが、復金の仕事は、御承知の通り終戦直後の、非常な日本の産業界が混乱のときに当りまして、特殊な金融使命を立てて、そうして日本の新しい復興のために、非常に役に立ったわけなのです。その辺は、われわれも十二分に認めておるのでありますが、しかしいろいろ企業の建設が、あまりに火急であり、それからあまりに多かったというような点におきまして、かなりわれわれが見ましても、焦げつき的な様相を持ったものもあったのでありますが、この七五%というものは、復金から受け継いだものに対しての七五%だと思うのでありますが、その以前に、つまりあなたの方が受け継ぎをせられなかった前の復金の回収状況ということが、もしおわかりでしたら、これは非常に重要な関連がありますので、お答え願いたいと思います。河野さんからでもけっこうですよ。
#77
○参考人(河野通一君) 復金の業務を開発銀行におきまして承継いたします以前の事柄につきましては、回収の状況については、実は私ども詳しく実情は存じておりません。しかし相当程度回収の状況が困難なものがございましたことは、本行において、これを承継いたしました後におきましても、想像されるのであります。その前の問題につきまして、今詳細な資料を実は持っておりません。
#78
○大竹平八郎君 それじゃ別の機会におきまして、その方は、私の方で調査いたしますが、その七五%の回収、そうすると二五%というものが残っておるのですが、この二五%についての見込みは、どうでございますか。
#79
○参考人(太田利三郎君) これは最近の残高は、三十三年三月末でございますが、復金から引き継ぎましたものが百九十五億残っております。おもなものは電気業、それから鉱業、鉱業と申しましても石炭でございます。これがほとんど大部分でございまして、電気の方は、これは九電力会社に引き継いでおりますので、むろん問題はございません。石炭もこれは、その後もわれわれの方で、償還確実と認めますものにつきましては、融資を続けて参っております。そういうものは、期限が長くなりましても問題はないと思いますけれども、中小炭鉱の中には、回収が少し長期にわたるというものもあるかと思いますので、今までのようなテンポで、すぐに残高がなくなるというふうにいきますかどうか、ちょっとこれは、われわれの方も確信を持っておりませんが、大体は、ほとんど大部分は、問題なく回収し得るものと、こういうふうに思っております。
#80
○大竹平八郎君 百九十五億の、この電気、石炭関係のお話でありますが、ここに資料が出ておれば、もうお答えをしていただく必要はありませんが、もし資料が出てないとするならば、そうこまかく全部の御答弁は要りませんが、主要な会社名をお知らせ願いたいと思います。
#81
○参考人(太田利三郎君) 会社名は、ただいま実は用意しておりませんので、また後ほど調製いたしまして御提出いたしたいと思います。
#82
○大竹平八郎君 大体、数はどのくらいあるのですか、会社の件数は。
#83
○参考人(太田利三郎君) ちょっと、それも正確に今記憶しておりませんので、申し上げられませんが。
#84
○大竹平八郎君 では、それを委員長に要求しておきますが、詳細な調査を。
#85
○委員長(小西英雄君) 委員長からも、今大竹委員から指摘された会社名、その百九十五億の滞納している会社名と、その金額等についてのあれを後日、一つ資料として御提出願います。
#86
○参考人(河野通一君) 件数だけは、ちょっとここにメモしたものがございますから申し上げます。
 復金につきましては、御承知のように設備資金のみならず、運転資金も出しておりましたので、この設備資金、運転資金を分けまして申し上げますと、設備資金につきまして、現在の残高のうち残っております件数は二百八十一件でございます。運転資金につきましては二十七件、合計いたしまして三百八件であります。ただし、これは御案内のように、一つの会社――会社数とは合いません、一つの会社について何件という貸付になっているものでございますので、会社数はまた別でございます。
#87
○大竹平八郎君 それじゃ、その詳細な資料を二つお願いいたしまして、次に、この先ほど申し上げました通り、電気、海運というものが、大体両方合せますと、まあ六〇%ぐらいを占めているわけなんでありますが、二十八年度は、特にこれは多かったのでありますが、その後二十九年、三十年、三十一年を見ますると、この貸付状況等を見ると減っていっているのでありますが、この減額をしていっているということは、これは海運並びに電力は、御承知の通りたくさんな資金を食うのでありますので、利息の関係というような問題だとか、あるいはまた市中銀行が、非常に最近の景気から、ことに海運会社なんかには出ししぶっていると、そういうような点で、あなたの方も、それと同一的な行動を取ったのであるか。あるいはまたその財政投融資のワクに一応縛られて、こういうような状況になっているのであるか、この点をお聞きいたしたいのでありますが、私どもといたしますれば、ほかの産業と違いまして、まあ御承知の通り海運は、電気と並んで、最近は非常に、どちらかと申しますれば、船があり余って、そうして、そこへも、てきて世界的な不景気というようなことで、係船も非常に多くなっている状態は、御承知の通りなんでありますが、電力関係につきましては、いよいよますます資金を要する段階に入っているわけなんであります。しかし、両方おしなべて見まするというと、漸減の傾向をたどっておる。こういう点につきまして、御説明願いたいと思います。
#88
○参考人(太田利三郎君) 年度によりまして、非常に開発銀行の融資額が移動がございますのは、主として財政投融資計画によりまして、われわれに与えられましたワクが減りましたり、ふえましたりすることがおもな事情になっております。そのもとになりまするのは、これは私から申し上げるのは、少し筋違いかもしれませんが、原資の関係、それからその年の市中調達分の多寡の見通しということに基いて、資金的にはきめられる。それから、一方計画の方は、経済企画庁での事業見通しというものと照らし合せておきめになりますので、今申しましたように、主として財政投融資の政府御決定の結果によって、こういうふうになった次第でございます。
#89
○大竹平八郎君 それから、次に伺いたいのは、まあ従来は、今申し上げました通り、電気、海運に非常に主力を注いでこられたんですが、最近、これは、経済界のむろん要望でもあるし、それからまた、当該関係役所等の要望もあると思うのでありますが、何か新しい一つの産業として、融資対象を合成化学産業とか、あるいは電子産業、あるいはさらに原子力産業等についても、相当考えておられるというように聞いておるのですが、まあ原子力産業をその中に入れるということは、これは原子力が絶対的なものであることは、これは申すまでもないんですが、これはある意味において、日本開発銀行としておやりになる一体、筋合いかどうかということについて、多少私どもは、別な考えを持つわけなんであります。
 そういう意味においては、そういった融資というものが、危険を伴わずして果して円満にいくかどうかということを疑わざるを得ないのでありますが、この新産業に対する新しい融資という点につきましては、どういう工合に決定をしておるのか、また今後どういうような総裁はお考えを持って進むのか、この点をお聞きしたい。
#90
○参考人(太田利三郎君) 開発銀行といたしましては、国家で、これは助成すべき産業である、こういうふうにお考えになりました産業につきましては、これはわれわれの方としても、できるだけ援助すべきである、こういうふうに思っております。ことに、こういう産業は、なかなか初め採算がとりにくうございまして、自己資本というものもございませんし、それから市中調達力も薄弱でございますので、ある程度、採算が、かなりよくなりまして、市中調達力が増すまでは、開発銀行のごとき政府機関で、これを援助するのが、われわれの任務であろうと、かように考えております。
 従いまして、この一、両年、たとえば石油化学でございますとか、それから合成ゴムというような新規産業につきましては、われわれの方といたしましても、ある程度、これを援助しておる次第でございます。またお尋ねのございました原子力産業につきましては、これは、今後の問題でございまして、ただいまの段階では、まだこれに対して融資をするとかしないとかいうような、金融の問題として考える段階に参っておりませんですけれども、将来、これは当然、われわれの任務としましても、融資の対象として考えるべき産業であろう、こういうふうに思っております。
#91
○大竹平八郎君 今の原子力産業の問題でありますが、当該官庁から、特にこの問題につきまして、あなたの方に相談的に懇談をせられたような事実は、今までにおいてないのでありますか。
#92
○参考人(太田利三郎君) これは原子力発電会社が、電力会社が設立されますときに、将来、開発銀行の融資を予定されましておりますので、そういう関係で、一応われわれの方でも、お話は承わっておりますけれども、今の段階では、まだ具体的に融資をどうというようなところに至っておらないのであります。
#93
○大竹平八郎君 それから、いま一点伺いたいのでありますが、この貸し出しの段階なんでありますが、大体この当該役所、たとえば主として通産省関係が多いと思うのでありますが、まあ、大体通産省の推薦ということが主になるのでありますが、そればかりでなく、またあなたの方の考え方によりまして、あえて通産省の推薦でなくも、あなたの方が、大体、これは至当だと思うような立場から、貸し出しをしておる面もあると思うのでありますが、そういう立場において、つまり通産省が推薦をしてくるという点に対する重点の度合いですね、ということは、どの程度においておられるのか、それから当該役所の推薦がなくも、あなたの方の判断によって、これはまあ、いろいろ金額その他においての限定はあろうと思いますが、どの程度に貸し出しをなされておるのか、その点を伺いたいのであります。
#94
○参考人(太田利三郎君) 御承知のように、実際の仕事の進め方としまして、通産省だけでございませんで、運輸省、それから農林省等からも、毎年御推薦をいただきまして、それに対して融資をしておるのでありますが、建前としましては、むろんわれわれの方で判断いたしまして、適当なものには貸し出し得るわけでございますが、何分、毎年非常に資金のワクが窮屈でございます。先ほどもお話が出ましたように、電力とか船舶とかいうもので大部分を占めております関係上、一般産業、そういうような対象になりそうな一般産業というもののワクが非常に少くなります。それに対して各省からの御推薦は、そのワクを非常に上回るほどの多くの件数と多くの金額を御推薦をいただいておりますので、実際問題としましては、ほとんどその官庁の御推薦のワクの中で一ぱいになっておる。しかも御推薦があっても、それが全部融資できず、昨年のごときも、御推薦いただいたもので、全然一文も御融資できないというのが、かなりの件数によっておるような次第でございまして、そういう資金のワクからいたしまして、われわれの判断だけで、われわれの方に、アプライされて、すぐそれに融資するというケースが、実はないわけでございます。
 それから、官庁の御推薦は、これは、むろん推薦でございまして、われわれとしましては、一応、これを尊重いたしますけれども、いろいろな業種にわたりますので、さらにこれはわれわれの銀行で判断をして、また念のため各省と、もう一度相談いたしまして、順位といってはおかしゅうございますけれども、順次に融資をしていく、こういうような扱いにいたしております。
#95
○大竹平八郎君 それから、いま一点伺いたいのですが、逆に、官庁との特別の連絡もなく、またあなた方の方で御判断をされて、これは非常に日本の産業のために重要だというようなことで、ただ、あなた方だけの判断でなく、逆に、あなた方の方から当該役所に推薦をしてそうして融資をせられたというような事例は過去においてございましたかどうか、その点を伺いたい。
#96
○参考人(太田利三郎君) 実際問題としましては、ほとんど役所に御相談に行かれるようでございますけれども、そういう手続を御存じないところもございまして、われわれの方に直接おこしになる場合も、最近ずいぶんございます。そういう者には、われわれの方としては、こういうような手続で融資しておりますから、一度役所の方とも御相談下さいということで、役所の方に紹介いたしまして、役所の方の御推薦をいただいて、融資をしているという例も、過去にございます。
#97
○委員長(小西英雄君) 私から、二、三点伺いたいのですが、今、大竹委員が指摘しておった貸し出し方について、日本開発銀行の毎年の貸し出し総額は、千億近い膨大な国民の資金である。それが開銀の独自の判断で貸し付ける場合に、何か順序か、あるいは会社の内容の充実とか、公益性が優先とか、そういうものについて、何かきまった順序がございますか。
#98
○参考人(太田利三郎君) これは順序というものは、別にございませんけれども、公益性とか、何と言いますか、償還力と申しますか、資産、信用状態、これは、両方とも尊重して審査を進めるわけであります。
 実際問題として、非常に数の多いような場合には、これを官庁と連絡いたしまして、大体、資金を優先的にやるものと、資金に余裕ができてやるものというふうな区分けは、官庁と相談の上で大体やっております。
 それから追加いたしますと、基本方針ですね、大体われわれののっとるべき準則と申しますか、重要度の何が、われわれに示されております、むろんそれによってやることは申すまでもないことであります。毎年の政府資金の重要産業設備に関する運用基本方針というものがありまして、閣議了解の上で示されております。これに、かなりそういったことが出ております。
#99
○委員長(小西英雄君) そこいらで、会計検査院から指摘がないのですが、われわれ、産業人からいろいろと聞かれる点は、一体どれが公益性をもっておるかということについての定義がないとすれば、その貸し出し方について、どういう影響力があるかということ、一般長期資金というものは、たとえばいろいろ興銀であるとか、あるいはその他にも長期の貸付金の普通銀行ですね、信託銀行等との関係――信託銀行が、長期の場合には日歩何厘で日本開発銀行で借りれば、日歩何厘だ、これについての開きとは、どういう関係があるのですか。今の開銀の長期資金は、大体六分ですか。
#100
○参考人(太田利三郎君) 基準金利は九分でございます。これは開発銀行法によりまして、開発銀行の金利は、市中金利を勘案して定めるようにと、こういう一条がございまして、それで、あまり市中金利と乖離しない金利ということが要請されておるのであります。これは市中銀行と競争の立場に置かないようにという配慮かと思いますが、そういうことであります。
 一般の金利は九分となっておりますが、特に国家として、あるいは基幹産業として特別の措置を講じなければならないものというふうに認められまするものは、特に六分五厘という金利で提供しております。たとえば電力とか、船舶、そういったものは、この金利で特に出しております。
#101
○委員長(小西英雄君) 六分五厘と九分というものの資金の割合高は、どちらが毎年の貸し出しの現在何%に当っておりますか。
#102
○参考人(太田利三郎君) これは電力、船舶、その他の融資が、非常に金額的に多いものでありますから、六分五厘の方が、金額的には約九割ぐらいを占めて、おります。あとの残りが九分、大きく分けて、そういう割合であります。
#103
○委員長(小西英雄君) 九分でも、現在の長期普通金融機関から借りるより安い、日歩金利に直すと。たとえば十億円を普通の一般市中から借りる場合に、三、四千万円の開きができる。百億借りれば三、四億、あるいは六百億になれば、六倍ということですね、この金利の開きがあるということが、この貸し方のいかんによっては……。開銀がどういうわけで、こういう貸し方をするのか。たとえば通産省なり、あるいは政府の推薦しないもので、公益性が少いのに、それを上回って貸し出されるという例も多々あって、そういう点については、非常に世間の疑惑を生んでいる、こういう点があるのですが、大体、本年の総貸付額はなんぼですか。目標としておる金額の総額は一体幾らか。
#104
○参考人(太田利三郎君) 本年度の額でございますか。
#105
○委員長(小西英雄君) はあ、先ほどちょっと言われましたが。
#106
○参考人(太田利三郎君) 六百二十億でございます。
#107
○委員長(小西英雄君) 六百二十億、その九割の五百四十億という膨大な金を六分、五厘で貸した場合、それと、一般の人が開銀によらずして、ほかから借りた場合には、金利だけでも、その額が膨大な数字に上ると思いますが、そういう関係から、あなたの方で、今、内閣の指示、閣議の指示があると承ったのですが、そういう点も、われわれ明らかじゃないのです。そういう点については、貸し方が非常に重要性を帯びていると思うのです。数十億に上る金利のさや、開銀から借りた場合には成り立つが、開銀から借りぬ場合には、事業が成り立たない。政府が推薦しても、だめなものもあるし、政府が推薦しなくても、それに対する貸し方のいかんによっては、何も推薦しなくても、その内容がいいという場合に貸し出される場合には、相当な疑問が生まれてくると思うのですがどうですか。開発銀行として、それについて本年度は、重要な点は電力であるとか、あるいは今年は鉄鋼であるとか、あるいは合成ゴムであるとか、そういうものは、個別的には何もきまっていないわけですか。
#108
○参考人(太田利三郎君) 六分五厘というのは、今、申しましたように電力とか、海運とかという、特別に、国家として安い金利で融資いたしませんと、結局電力料金に、それが出てくるとか、あるいは船の場合ですと、国際競争力が薄弱になるという、特別のものに、六分五厘でありまして、あとのいわゆる一般産業、市中と競合いたしますようなものは、今申しましたように九分でございます。市中金利との開きが最近はほとんどないかと思いますが、その程度の金利でやっております。
 基本方針は、これは経済企画庁でお作りになりますのですが、昭和三十三年度政府資金の産業設備に関する運用基本方針というようなものを定められまして、これは開発銀行だけでございませんで、政府で設備資金を出します金融機関の運用方針を定められたものでありますが、開発銀行におきましては、たとえば電源開発の促進でございますとか、外航船舶の整備、石炭の増産態勢の整備と合理化の促進、鉄鋼業の充実、強化、新規産業及び新技術の工業化、事業の育成、機械工業の合理化といったような大きな題目が並べられてございまして、そういったものには、大いに重点的にやるように、こういうような基本方針が定められているのであります。
 それから、先ほどちょっと、誤解がございましたかと思いますが、開発銀行に推薦なしに言っておいでになりましても、ただ開発銀行の独自の判断で貸すという事例はございませんけれども、これがさらに、申し込まれました会社が、政府と御相談の上、さらに御推薦をいただいた上で取扱う、こういうことになっております。
#109
○委員長(小西英雄君) そこでお尋ねするのですが、たとえば開発銀行が、電力なら電力を全部一列に見ておられる向きがあるが、電力でも、公益性を多分に帯びたもの、たとえば九電力会社か、あるいは電源開発等は、明らかに公益性を帯びているのですが、たとえば昭和電工なり、あるいは軽金属等が、自分のところの会社でやれば、これはいろいろな都合上、個々の会社の製品が安くなるというような一つの営利会社が、内輪における開発資金というか、電気を作る場合も同率なんですか、どうなんですか、そういう点については、電気全体としては同率かどうか。
#110
○参考人(河野通一君) 私どもといたしましては、今お話の点につきましては、いわゆる電力業者と他の事業をやっておりますものが、自家の電力を必要のために発電いたします自家発と申しておりますが、自家発とは、区別して考えております。前者におきましては、政府におきまする電源開発審議会等におきまして、いろいろ御審議された地点というもの、優先的に取り上げるべき電源開発地点、あるいは電源開発工事というものが、電源開発審議会というものが、たしか経済企画庁にあると思いますが、ここで、いろいろ御審議されまして、大体政府が、政策として取り上げる必要があるというような地点が示されるわけでございます。その地点を、できるだけ私どもが優先的に取り上げて参っておるというわけです。
 それから、自家発の方につきましては、これは、むしろその自家発を使用いたしまする企業自体の重要性、たとえば化学工業が、自分の化学工業のための発電工事をいたします場合におきましては、その化学工業自体が、非常に重要性が多いかどうかというような判断を別に加えて、その化学工業の設備資金、その一環として融資をするということが出てくるわけであります。
#111
○委員長(小西英雄君) その重要性についての判断は、開銀自体でやるものであるか、あるいはそれの担当省がやるのですか。それについて伺います。
#112
○参考人(河野通一君) これは、先ほど総裁から申し上げました通り、基本的には政府の閣議の決定に基きまする重要産業の設備資金に関する基本方針というものがございます。その中にいろいろ重要度の高いものとか低いものとか、おのずから出て参るわけでございます。そのうちにおきまして、この基本方針にのっとられまして、各所管の省、官庁から御推薦というものをいただきます。その御推薦と、今申し上げました基本方針とをにらみ合せながら、取り上げるべきものを私どもにおいて選定いたします。しかし、その御推薦がありましたもの、あるいは基本方針に、事柄としては該当いたしますものでありましても、金融機関でありますから、その資産とか、信用力とか、回収の確実性といったような点から、十分に、これは審査をいたしまして、単に、その事業の業種が緊要度が高いというだけでは、私どもとしては、開発銀行として当然に融資をするというわけに参りませんので、慎重な審査をいたしまして、金融の対象として取り上げることができるというものに限って取り上げる、こういうふうな取扱いにいたしておるわけでございます。
#113
○委員長(小西英雄君) なお、復金から引き継いだ焦げつきと申しますか、今まで回収のできてない金額が、先ほど総裁からも百九十五億円と承わっておるのでありますが、その件数については、二百三十数件と承わるのですが、これは、もう一件当りにしても、八千万円近い金になるのですが、それは、先ほどから何回も言われたのですが、回収については、これは、われわれ引き継いだ当時、国民金融公庫とか、その他の方に引き継いだ負債の方が、非常に不良なものであった、中小企業とか国民金融公庫等に復金の金を引き継いだ場合、その中で一番回収のしょいものということで、われわれ考えておったのですが、現在百九十五億というものは、非常に多いと思うのですが、それについてもう一度、一つ御答弁願いたい。
#114
○参考人(太田利三郎君) 百九十五億というのは、実は残高でございまして、全部焦げついておるというわけではないのであります。まだ期限のきていないものもその中にあるのですが、全体の額としましては、三十三年三月末におきまして、復金から引き継ぎましたもので延滞しておりますものが約三十七億ございます。そのうち、大部分が石炭、こういうことでございます。
#115
○委員長(小西英雄君) なお、世銀の借り入れにつきましては、一応法的には、どうですか、日本開銀を経由して、各銀行に出すようになっておりますか、直接に出すこともあり得るわけですか。
#116
○参考人(太田利三郎君) これは開発銀行が、政府の保証を要求しておりますのですけれども、国家が、個々の企業に保証するということも建前上まずいのじゃないか。それで、開発銀行が借り主になりまして、開発銀行が、最後の借手に又貸しする、政府は、開発銀行に保証する、こういう手続でやっておりますので、世界銀行が直接企業に貸しておるというのはございません。ただ世界銀行が、愛知用水公団でございますとか、機械開発公団ですとか、こういうような政府の機関に対しましては、直接に貸し出しをいたしておるわけでございます。
#117
○委員長(小西英雄君) その場合に、世銀の金を開発銀行を経由して貸した場合、これは大会社、あるいは国策会社というようなものが借りるわけですから、そういうものが倒れるということは、予想されぬのですが、もしそういうことがあった場合には、何か開銀等に影響ありますか。この貸し倒れについての責任といいますか、それについて。
#118
○参考人(太田利三郎君) それは開発銀行は世界銀行に対しましては、直接の債務者でございますので、当然これは、責任があるわけでございます。そのかわり、われわれ貸し出しますときには、やはり慎重に審査をいたしまして、また担保も十分取って貸し付ける。われわれが国内で貸しております以上に、世界銀行なかなかきびしいものでございますから、そういった十分な措置をとって融資をいたしておりますので、そういった心配は、万ないものと思っております。
#119
○委員長(小西英雄君) ほかに御質疑ございませんか。――御質疑はないものと認めます。
 それでは、これをもって日本開発銀行に関する質疑は、一応終了したものとすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#120
○委員長(小西英雄君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。どうも御苦労様でした。
  ―――――――――――――
#121
○委員長(小西英雄君) 引き続いて日本輸出入銀行の部を審議いたします。検査報告の第二百五十五ページに掲載されております。
 本件に関しての出席の方は、参考人として日本輸出入銀行総裁古沢潤一君東条輸出入銀行理事、小川日本輸出入銀行総務課長、会計検査院第五局長上村照昌君の諸君であります。
 まず、会計検査院から概要の説明を願います。
#122
○説明員(上村照昌君) 日本輸出入銀行の業務の概況につきましては、検査、報告に記述してある通りでございます。検査の結果につきましては特に御報告申し上げる点はございません。
#123
○委員長(小西英雄君) 次に、日本輸出入銀行から概要の説明を願います。
#124
○参考人(古沢潤一君) それでは私かも昭和三十一年度の業務の概要について御説明申し上げます。
 まず第一に、融資の承諾状況でございますが、三十一年度中の融資承諾額は百二十九件五百八十億八千五百万円でありまして、件数、金額とも前年度を多少下回っております。しかるに三十一年度の融資対象契約額は千三百九十二億千二百万円でありまして、これは前年度、三十年度の契約額をかなり上回っておるのであります。従って契約額に対する承諾額の比率は、三十年度の五三%に対しまして、三十一年度は四二%と著しく低下して参りました。これは三十一年四月、輸出船舶についての本行の協調融資分担割合を従来八対二であったものを、七対三に引き下げたことと、さらに船舶の引き渡し時までに全額入金する、いわゆるキャッシュ・ベースの取り引きの増加など、船舶の支払い条件が日本にとって好転したことがおもなる原因と言い得るのでございます。そうして上記の融資承諾のうち、輸出入銀行は百二十三件五百七十三億七千二百万円、これは融資承諾の約九九%を占めております。
 それから投資金融は五件、六億六千九百万円、これは三十年度と同様に中南米の製造業への投資が大部分を占めております。また輸入金融につきましては、三十年度は全然ございませんでしたが、三十一年度になりまして鉱石輸入の前払資金の貸し付けが一件四千四百万円。
 次に品目別仕向地別にみた輸出金融の特色といたしましては、まず第一に船舶の比重が三十年度の八二%から七八%に若干低下いたしてきたわけです。船舶以外の各種のプラントが、わずかではありますが、出そろって参ったことであります。それからこれらのプラントは極東及び東南アジア向けであるために、この地域の比重が非常に増加して参りました。それからパナマからリベリアまでの輸出船の仕向地変更が出てきたために、アフリカの比重が増加してきたというようなことが考えられます。
 それからついでに申し上げますが、輸出金融の一件の平均融資承諾額は四億六千七百万円でございまして、三十年度の平均をかなり上回っております。これはブラント輸出の規模がだいぶ大きくなって参ったことと、それから船につきましては、船型が大型になったことと、それから船の値段がだんだんに高くなって参ったためにそういうことになっているわけでございます。
 それから三十一年度に始まった新らしい業務の一つといたしまして、賠償金融が起って参りました。これは日本が戦時中の東南アジア諸国に賠償債務を負いましたが、それに伴ってこの賠償と並びに賠償協力ということをやるという義務を負いましたが、それを実施するに当りまして、私の方の銀行が金融をいたしておりますが、それが始まりました。三十一年の十月以降ビルマの賠償が七件四億五千七百万円、それからフィリピンの賠償に関係するものが五件三億二百万円、計十二件七億五千九百万円の輸出金融を行いました。
 それから次に、貸し出しの回収状況をちょっと申し上げますというと、三十年度末までの融資承諾額にかかるものを含めた三十一年度中の貸出実行額は五百八十六億一千三百万円、回収額は三百九十八億五百万円、三十年度の実績をそれぞれ三十%、五九%上回っております。この回収額の増加は、輸出船の支払条件が、延べ払い条件から現金払いに変更されたことなどによる船舶金融の回収増加がおもな原因でございまして、三十一年度末の貸出残高、前に申し上げました通り六百三十五億七千二百万円、これは表に出ております。年度間に百八十八億七百万円の貸出純増をみましたけれども、これは三十年度間の純増額二百億八千万円を少し下回っているという状態でございます。
 それからうちの資金状況を申し上げますが、三十一年度の新規投入資金とした産業特別会計からの出資金が四十八億円でございまして、それから資金運用部からの借入金が百九十七億円を予定しておりましたが、このうち出資金は三十一年度中に全額払い込まれまして、払い込資本金は現在三百八十八億円となっております。それから借入金につきましては三十一年度中に九十五億円を借入れました。しかし産投特別会計からの借入れ分二十九年度分三億円の返済がありましたために年間純増は九十二億円で、三十一年度末借入金残高は二百五十二億円となりました。なお借入金返済はこのほか三十二年三月三十一日期日到来のものが三億円ありましたが、これはちょうどその日が休日でございましたので、翌年度の四月一日に返済することとなったのであります。
 決算の状況につきましては、利益金は三十一年度二億九千三百万円でございます。これは年度末の貸し出し残高の千分の七相当額に達しないために、全額準備金といたしまして積み立てましたので、政府に対する納付金はゼロ、こういうことになっております。
 以上概況でございます。
#125
○委員長(小西英雄君) 以上をもって説明は終ります。
 なお、説明員通商産業省通商局為替金融課の事務官、後藤一正君が見えました。
 これより質疑を行います。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#126
○大竹平八郎君 私はまず第一にお尋ねをいたしたいことは、御承知の通り本年の政府の輸出目標が三十一億五千万ドルということが一応の目標でありましたが、これは本日の本会議におきましても、高碕通産大臣より二十八億五千万ドルにまあ目標を下げた。これはむろん物価も下ったと、いろいろな点もあるでありましょうが、そういう意味においてとにかく今の日本の経済状況からいって、輸出振興ということがまあ最大の目的であるということは、これはもう言うを待たないのであります。そういう意味における日本輸出入銀行の存在、またその業務というものは私は非常な重要な意義を持つものと思うのでありますが、しかしながら本年の貿易は御承知の通りまあアメリカが幾らか建て直ったと申しましても、世界的には非常に不況で、ことに日本の非常に重要な市場であります。東南アジア、それからまあ中近東は御承知のようなわけでありまして、なかなか思うように参りません。ことにそこに中共が最近非常な進出をしてきておる。そういうわけで、その中共の進出も、製品があり余って、そうして日本の進出に対してスライドして、そうして値段も日本より下げているというだけでなくて、条件というものが非常にまあ整っておるということ、ということはどういうことであるかというと、結局借款の問題であるとか、それから延べ払いという問題がまあ非常に多くやられておるわけなんでありまして、そういう意味で、昨年が前年に比べて東南アジアの一つ商品を取り上げましても、繊維は日本は五六%も少くなっている。その他大体三、四〇%はみんな少くなっている。その主として原因がまあ中共の進出、その中共の進出というものは、今申し上げたような延べ払い、あるいは借款というようなものが問題になるので、そういう意味で、この延べ払いの問題ということが、日本のことに後進国に対する輸出につきましては、非常な重点になってきておるわけであります。そこでことにこの船舶関係などは特にそうだと思うのであります。少くとも一年半とか二年ぐらいの契約でできるわけなんでありますが、そうした外注による船舶などが、最初は景気がよかったからでき上りに残額を払うというような契約が非常に多かったと思うのです、今までのケースとして。ところが今申し上げたようなことで、船舶などは世界的な不況だというようなことから、勢い延べ払いというような問題が出てくる。これは船舶に限らず諸種の問題にそれは言えるんだと思うのでありますが、まあ船舶の例などは一番私はいい例だと思うのであります。そういう意味において、最近あなたのもとでお取り計いになられた――せっかくこの本契約をやってでき上って、これは船舶が例になるが、でき上って残金を支払うということが、今申し上げたような事情によって、これを延べ払いをせなければならぬというようなことで、結局あなたのところに厄介になるわけであります。そういうケースは、大体現状においてどのくらいありますか、その点をまず一つ伺いたい。
#127
○参考人(古沢潤一君) 先ほどもちょっとお話し申し上げましたが、この私どもがやっている輸出金融の中で、大部分のパーセンテージを占めているのがこの輸出船舶への金融でございます。これは昨年の夏ごろまでの間は非常に一種のブームといわれるような格好でございましたので、世界的にそういうブームだったものですから、船を注文する船主の方でも、現金を払って買うというのが大部分でございました。ところが昨年の夏ごろからだんだんこれが世界的に不況になったために、注文は減って参りましたし、それから従来キャッシュ・ベースでやった契約も延べ払いにしてくれぬか、こういう申し出がございまして、それが大体三十件ぐらいあったと思います。そして物によってはキャンセルしたのもございます。日本にとってあまり不利益な場合には、造船所の方でそれはキャンセルした例もございますけれども、大部分向うの条件変更に応じて参ってきておるのでございます。これも大体もう一わたり既契約の分については、その変更手続というようなものはおおよそ済んでいるんじゃないかと思うのでございますけれども、これから新しく出る契約につきましては、現状から申しまして前のようにキャッシュ・べースでいくというのはほとんどないと思います。皆延べ払いでやってくる。ところが私の方の銀行としましては延べ払いでやるというと結局金が長期間要る。どうしてもその間の資金が不足してくるという状態が起ってくるわけになっておりますので、延べ払いが多くなれば、従って日本輸出入銀行の資金をもう少し増してもらわなければ、仕事が非常にやりにくくなるだろう、こういう状態になって参ると思います。
#128
○大竹平八郎君 政府の考え方としては、私どもこれはほんとうの何です、つんぼさじきからの見方なんでありますが、輸出振興が、先ほどことに東南アジアの関係なんか申し上げましたが、これはもう延べ払い、場合によれば焦げつきでも仕方がないというくらいの、焦げつきといっても永久に焦げつくわけではないんでしょうが、それくらいの覚悟までして、一時は三十一億五千万ドルを遂行しよう、こういう覚悟がわれわれにはたびたび披瀝されたわけなんであります。そういう意味で、この延べ払いの関係というものは、多々ますますこれはやっていかなければならぬと、こう思うのでありまして、たとえばこれは例なんであります。最近、これはまだ決定的なことじゃございませんが、台湾から、これは国際入札に一応なるのでありますが、総金額にして二千五百万ドル、一万トン級の船が四はい、あと五千トン級が八はいばかりだと思いますが、これの注文を、できるならば日本で一つやってもらいたいというような実は空気があるわけです。こういうときに当って世界の各造船業者がいろいろいい条件を出しておる。イタリアあたりでは最初三割、それから十年間とかいうような、べらぼうに先の長いいい条件を持っていっている。しかし向うの方としてみればどうしてもやっぱり船は日本で作りたいというような空気が強い。日本には注文はしたいけれども、しかし支払条件というものがどうも自分たちの考えとマッチしないということで、かなり二の足を踏んでおるというような、これは実際今起りつつあるケースがあるのでありますが、こういうようなことが具体化した場合、これはむろんあなたの方の一存ではいかぬと思うのでありますが、むろんこれは通産省の重工業局あたりが大いに奔走し、それからまた先ほど申し上げましたように政府の意向というものが今できるだけ延べ払いも大幅に認めていくというような傾向なんでありますが、このことにつきまして、そういうものの具体化するということになりますれば、あなた方の態度がどういうふうに一つおとりになれるか、そういう点を承わっておきたい。これは実際問題であります。
#129
○参考人(古沢潤一君) ただいまの御質問の点でございますが、従来私の方の考え方といたしましては、なるべく日本の船は高く売りたいのです、外国に対しては。ところがやはり世界市場がございまして、そう高くも売れないという場合には、個々の商談を一々お話願いまして、それを通産省がよく見ておるわけでありまして、関係官庁と十分相談の上、延べ払いの期限を何年に認めるのが最も有利であるかというようなことにつきましては、私どもの銀行と官庁ときわめて密接な連絡をとって当っておりますので、まあいい契約を逃すというようなことは万々ないのじゃないかというふうに考えております。
#130
○大竹平八郎君 通産省どなたかおられたら、今の点について一つ。
#131
○説明員(後藤一正君) 具体的なケースにつきましては、まだ当っていないのでございますが、通産省といたしましても、できるだけ輸出の商談を成立させたいという気持でございますので、特に台湾につきましては、オープン・アカウントという問題もあるわけでございますけれども、十分検討いたしまして、諸外国に商談をとられないようにせっかく検討したいというふうに考えております。
#132
○大竹平八郎君 それから延べ払いの問題につきまして、最近のケースとして、あるいは私がよく承知をしないのかもしれませんが、対インド関係の延べ払いの条件があったと思うのであります。最近変更されたことで、総裁でなくても、どなたでもよろしいですが。
#133
○参考人(東條猛猪君) 最近のインド関係でございますが、ごく大ざっぱに申し上げまして、過般成立をみましたいわゆる五千万ドルの円借款の系統の話と、今般外務省方面で大体の打合せをインド側と終えられました追加一千万ドルの借款の話と、それからいわゆるそれらクレジット以外の、官庁方面でワク外の延べ払いと言っておりますがこの三つの系統があるわけでございます。それぞれのケースに応じまして具体的に私どもの方といたしましては、官庁方面とお打合せをいたしまして、十分大局的な、判断に遺憾ないように、また有利な商談の行われますように、せっかく努力をいたしておるつもりでございます。
#134
○大竹平八郎君 今一つ、これは角度を違えてお尋ねしたいのであります。先ほどの総裁のお話の中にもちょっと触れていたようでございますが、プラント輸出についてであります。このプラント輸出の地域別の、これはごく大ざっぱでよろしいですが、パーセンテージがわかりましたら、ちょっとお教えいただきたい。
#135
○参考人(古沢潤一君) 今持っております資料は三十三年度の九月まででございますが、多少投資も入っているのでございます。パーセンテージを申し上げますと、極東が三%、東南アジアが二〇%、中近東が一〇%、中南米が三四%、それからヨーロッパが八%、アフリカが二五%でございます。
#136
○大竹平八郎君 よくわかりました。主として特に大きいのは言うまでもなく中南米、東南アジアであります。ほかのところはよろしゅうございますが、中南米並びに東南アジアで大きな比重を占めているものは、どういうものが大体多いのですか。
#137
○参考人(古沢潤一君) 一番多いのは何と申しましても船舶であります。船舶は船籍の関係上、中南米並びにアフリカのリベリア、それから中米のメキシコ、パナマの船籍のものが多いのでございますから、それが非常に大きいというのが特色でございます。それから次に、繊維機械、電気機械、それから車両、最近は多少鉄鋼製品のレール、そういうものが南米の方に出るようになって参りました。
#138
○岩間正男君 三十一年度貸付が百三十億程度ふえているのですね。三十二年度の貸付と回収状況はどうなっておりますか、ちょっとお知らせ下さい。
#139
○参考人(古沢潤一君) 三十二年度の状況を申し上げますと、貸し出しが五百八十七億三千二百万円、回収五百八十四億五千九百万円でございます。三十三年度は上半期までしか出ておりませんが、貸し出しが二百二十六億二千三百万円、回収が百九十五億七千六百万円でございます。
#140
○岩間正男君 そうすると、三十二年度は大体回収とそれから貸し出しがとんとんにいっておるわけですね、大体そういうことになりますね。
#141
○参考人(古沢潤一君) そうです。
#142
○岩間正男君 今のお話によりますと、三十二年度夏ごろまでは非常に世界的なブームでキャッシュの契約がどんどんできた、こういう中で回収が三十二年度全体を含めて比較的悪い、こういう原因はどこにあったのでしょうか。そして結局非常に貸し出しの残がふえておるのですね、三十二年度は。
#143
○参考人(古沢潤一君) それは三十年度と比較を願いますとよくおわかりになるわけです。三十年度は回収が二百五十億だったのです。それが三十一年度は三百九十八億になって非常にふえておる。これはキャッシュ・ベースの支払いのしりが三十一年度に出て参りましたので、三十二年度に参りますというと、三十一年度は三百九十八億の回収が、五百八十四億にふえております。これはますますキャッシュ・ベースの取引が非常に船舶において行われている、そういう結果こういう数字に現われてきているわけであります。
#144
○岩間正男君 これはどうなるのですか。六百三十五億というようなこれは残になっているわけですが、これはほとんどまあその後の景気変動の中でこれはなかなか回収困難な状況が出てきているのじゃないかと思うのですが、延べ払いの問題とも関連してどういう傾向なりまたどういう方針でこれを処理されていくつもりなのか。これは一方では非常に延べ払いのために現金不足だ、資金不足だというようなお話があったのですが、これと関連してこういう点についてはどういう方針をお持ちになっておるか、お答え願いたい。
#145
○参考人(古沢潤一君) これは自慢じゃないのですけれども、私の方の銀行ではまだ焦げつきというものが一つも出ていないわけであります。融資金額も少いところでありますけれども、回収不能になったというふうな事件は一件もございません。従って会計検査院の検査でも不当貸し付け、そういうようなものは今までなかったわけであります。これから先の問題でありますが、延べ払いの国家の方針に従って延べ払いがいいということになれば、これはやらざるを得ないわけであります。貿易拡張の意味から。そういう場合には担保をとるなり、相手方の信用をよく調べるなり、貸付金が焦げついたり回収不能になったりするようなことのないように十分気をつけて貸し出しをやっておりますから、今のところではそういう問題は起ってこないと考えております。
#146
○岩間正男君 資金不足の問題はどういうふうにしてまかなわれるお考えですか。
#147
○参考人(古沢潤一君) 先ほども申し上げましたように、延べ払いがだんだんふえてきますというと、どうしても金が国として要るようになるわけです。私の方の銀行は、今資本金が三百八十八億、貸出額と資本金の差額は政府からの借り入れをしているわけでございます。その資本金は無利息の金でありますから、幾らで借してももうかる。借り入れの方は大体六分五厘で政府から借りているわけです。輸出金融の場合をとって申しますというと、うちはそれを四分で借しているわけです。いわゆる逆ざやで損をする、そうなりますというと、借り入れば、われわれの銀行運用に必要な資金を調達するということは、銀行の経営上むずかしい、ある一定の限度がございますので、本年度においては、政府に対しましてなるべくいわゆる無利息の出資をしていただきたい、こういうふうにお願いしているわけであります。
#148
○委員長(小西英雄君) ほかに御質疑はございませんか。――御質疑がないと認めます。では、これをもって日本輸出入銀行の部の質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#149
○委員長(小西英雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 以上をもって本日の審議は終了いたしました。次回は十一月四日午前十時より三十一年度の決算日本国有鉄道の部を審議する予定であります。
 では、これをもって本日は散会いたします。
   午後四時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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