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1958/10/23 第30回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第030回国会 本会議 第12号
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1958/10/23 第30回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第030回国会 本会議 第12号

#1
第030回国会 本会議 第12号
昭和三十三年十月二十三日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十二号
  昭和三十三年十月二十三日
    午後一時開議
 一 小売商業特別措置法案(内閣提出)及び商業調整法案(水谷長三郎君外二十三名提出)の趣旨説明
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 公正取引委員会委員任命につき事後の承認又は同意を求めるの件
 地方財政審議会委員任命につき事後の同意を求めるの件
 公安審査委員会委員任命につき事後の承認を求めるの件
 社会保険審査会委員任命につき事後の承認を求めるの件
 労働保険審査会委員任命につき事後の承認を求めるの件
 国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 鉱山保安法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 鉱業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 小売商業特別措置法案(内閣提出)及び商業調整法案(水谷長三郎君外二十三名)の趣旨説明並びに質疑
    午後二時四十六分開議
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  岸  信介君
        大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
        厚 生 大 臣 橋本 龍伍君
        通商産業大臣  高碕達之助君
        労 働 大 臣 倉石 忠雄君
 出席政府委員
        内閣官房長官  赤城 宗徳君
        法制局長官   林  修三君
        自治政務次官  黒金 泰美君
        厚生省社会局長 安田  巖君
        中小企業庁長官 岩武 照彦君
     ――――◇―――――
#2
○議長(星島二郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 公正取引委員会委員任命につき事後の承認又は同意を求めるの件
#3
○議長(星島二郎君) お諮りいたします。内閣から、公正取引委員会委員に鈴木憲三君を任命したので、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第三十条第四項の規定によりその事後の承認を、また、同委員に高坂正雄君を任命したいので、同法第二十九条第二項の規定により本院の同意を得たいとの申し出があります。
 まず、鈴木憲三君の任命について事後承認の件につき採決いたします。本件は承認を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(星島二郎君) 御異議なしと認めます。よって、承認を与えるに決しました。
 次に、高坂正雄君の任命について同意の件につき採決いたします。本件は同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(星島二郎君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
 地方財政審議会委員任命につき事後の同意を求めるの件
#6
○議長(星島二郎君) 次に、内閣から、地方財政審議会委員に兒玉政介君、木村清司君、上原六郎君、荻田保君及び遠山信一郎君を任命したので、自治庁設置法第十五条第六項の規定によりその事後の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(星島二郎君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
 公安審査委員会委員任命につき事後の承認を求めるの件
#8
○議長(星島二郎君) 次に、内閣から、公安審査委員会委員に阿部眞之助君、挾間茂君及び矢部貞治君を任命したので、公安審査委員会設置法第五条第三項の規定によりその事後の承認を得たいとの申し出があります。右申し出の通り承認を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(星島二郎君) 御異議なしと認めます。よって、承認を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
 社会保険審査会委員任命につき事後の承認を求めるの件
#10
○議長(星島二郎君) 次に、内閣から、社会保険審査会委員に赤松金雄君を任命したので、社会保険審査官及び社会保険審査会法第二十二条第三項の規定によりその事後の承認を得たいとの申し出があります。右申し出の通り承認を与えるに御異議ありませんか。
    [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#11
○議長(星島二郎君) 御異議なしと認めます。よって、承認を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
 労働保険審査会委員任命につき事後の承認を求めるの件
#12
○議長(星島二郎君) 次に、内閣から、労働保険審査会委員に花澤武夫君を任命したので、労働保険審査官及び労働保険審査会法第二十七条第三項の規定によりその事後の承認を得たいとの申し出があります。右申し出の通り承認を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(星島二郎君) 御異議なしと認めます。よって、承認を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
 国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
#14
○松澤雄藏君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#15
○議長(星島二郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(星島二郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長早川崇君。
    …………………………………
    …………………………………
    〔早川崇君登壇〕
#17
○早川崇君 ただいま議題となりました国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法案は、現行の国家公務員のための国設宿舎に関する法律が、昭和二十四年に制定された占領期間中の立法で、今日の実情に沿わない点が多いので、これを全面的に改正して、題名も国家公務員宿舎法に改めようとするものであります。
 次に、改正の要点を概略申し上げますと、まず第一は、宿舎審議会の廃止であります。宿舎に関する運営が軌道に乗り、存置する理由がほとんど消滅したので、この際、行政簡素化の趣旨に即してこれを廃止することにいたしております。
 改正の第二は、宿舎貸与の対象となる国家公務員の範囲を明確にし、原則として常時勤務に服する国家公務員に限ることとしておりますが、臨時職員であっても、必要がある者につきましては宿舎を貸与し得ることにいたしております。
 改正の第三は、宿舎の設置に関して、その基本となる設置計画の作成及び変更の手続を明確にし、また、公邸の備品、光熱水料等の費用の負担区分及び無料宿舎を貸与する者の範囲を明確にいたしております。
 改正の第四として、有料宿舎の使用料は、原則として宿舎の設置等に要する費用を回収する建前のもとに、その算定方法を合理的なものに改め、また、被貸与者の宿舎使用上の義務を明確にする等、必要な規定を追加いたしております。
 以上が本案改正の主要点でありますが、この法律案は、去る九月二十九日本委員会に付託せられ、慎重審議の結果、本日質疑を終了し、討論の申し出がないので、直ちに採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
#18
○議長(星島二郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○議長(星島二郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 鉱山保安法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 鉱業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#20
○松澤雄藏君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、鉱山保安法の一部を改正する法律案、鉱業法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#21
○議長(星島二郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(星島二郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 鉱山保安法の一部を改正する法律案、鉱業法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。商工委員会理事小川平二君。
    …………………………………
    …………………………………
    〔小川平二君登壇〕
    〔議長退席、副議長着席〕
#23
○小川平二君 ただいま議題となりました鉱業法の一部を改正する法律案並びに鉱山保安法の一部を改正する法律案の、商工委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 最近鉱山における災害が頻発している実情にかんがみて、この際、このような災害を防止するため所要の改正を行なったものであります。
 まず、鉱業法の一部を改正する法律案の内容を申し上げます。
 第一は、悪質な鉱業権者が鉱業に従事する機会を制限するため、現行法では、採掘権が取り消された後、直ちに出願できることになっている規定を、六十日間は出願を停止することとしたのであります。
 第二は、盗掘を防止いたしますために、盗掘に対する罰則を若干強化しますとともに、新たに盗掘した鉱物を運搬、保管した者にも刑罰を課することとしたのであります。
 次に、鉱山保安法の一部を改正する法律案の内容を申し上げます。
 第一は、いわゆるボタ山等による鉱害を防止するために、ボタ山等が他に譲渡された後であっても、なお鉱業権者は保安上の義務を有する旨を明確にしたことであります。
 第二は、侵掘個所の保安については、現行法では保安監督の規定がありませんために種々の弊害を生じておりますので、侵掘個所においても、保安上必要ある場合は、鉱山保安監督部長が必要な命令をなし得ることとしたのであります。
 第三は、鉱山において災害をこうむった者を救出するために必要があると認めるときは、鉱山保安監督部長は鉱業権者に対して救出に必要な措置を講ずることを命ずることができることとし、命令が履行されない場合において、行政代執行法によって、国がみずから、または第三者をして救出作業を行わせることができるようにしたこと等であります。
 両案について、十月一日、高碕通商産業大臣より提案理由の説明を聴取し、十月二十一日より質疑が行われたのでありますが、その詳細は会議録に譲ります。
 十月二十三日、両案に対する質疑を終了しましたので、討論を省略して採決に付しましたところ、両案とも全会一致をもって政府原案通り可決すべきものと決した次第であります。
 なお、両案に対して、鉱業法並びに鉱山保安法を根本的に改正すべく検討を行えとの趣旨の附帯決議案が提出されましたが、それぞれ全会一致をもって可決いたした次第でございます。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
#24
○副議長(椎熊三郎君) 両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○副議長(椎熊三郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 小売商業特別措置法案(内閣提出)及び商業調整法案(水谷長三郎君外二十三名提出)の趣旨説明
#26
○副議長(椎熊三郎君) 内閣提出、小売商業特別措置法案及び水谷長三郎君外二十三名提出、商業調整法案の両案の趣旨の説明を順次求めます。
 通商産業大臣高碕達之助君。
    〔国務大臣高碕達之助君登壇〕
#27
○国務大臣(高碕達之助君) 小売商業特別措置法案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 小売商業が国民経済上きわめて重要な分野を占めていることは、あらためて申すまでもありませんが、全国百数十万の小売商業者の大部分は、いわゆる零細小売商であります。その数は年々増加する傾向を示し、同業者間の競争はますます激甚となり、加うるに、購買会等小売業者以外のものの小売方面への進出により、経営の不振と不安定とに悩んでいるのであります。
 政府は、かかる点に思いをいたしまして、小売商業について特別な措置をとり得るよう、第二十六国会において小売商業特別措置法案を提案いたしたのでありますが、第二十八国会において審議未了となりましたので、あらためて十分再検討を加えまして、このたび本法案を提案するに至った次第であります。
 次に、本法案の概要について申し上げますと、第一に、都道府県知事は、いわゆる購買会の事業活動が中小小売商の利益を著しく害すると認めるとき、その員外利用を禁止し、さらに、必要があればその禁止を確保するため必要なる命令を出し得ることとしたのであります。
 第二に、消費生活協同組合は、消費生活協同組合法によって、行政庁の許可を受けた場合に員外利用を認めているのでありますが、この員外利用の許可申請があった場合におきましても、当該行政庁は、中小小売商の利益を著しく害するおそれがあると認める場合には許可を与えてはならないこととし、また、員外利用を未然に防止するため必要な命令を発し得ることとしたのであります。
 第三に、いわゆる小売市場につきまして、近年大阪、神戸、名古屋等の都市において、その乱立による過当競争が激化し、しばしば不公正な取引方法が用いられているのでありますが、かかる小売市場の乱立の根源をなしている市場業者による過大な家賃等の徴収を防止すため、まず特定の市においては、市場業者の貸付契約について都道府県知事の許可を要することといたし、また、市場内小売商の不公正取引について、都道府県知事及び公正取引委員会が必要なる措置をとるための規定を設けることといたしたのであります。
 第四に、生産業者の直売行為、卸売商の小売行為等、中小小売商の事業活動にかかる紛争につきましては、都道府県知事が、あっせんまたは調停を行うことといたしますとともに、必要があれば都道府県知事または主務大臣が紛争の当事者に対して勧告できることといたしまして、紛争の解決に万全を期したのであります。
 以上申し述べました通り、本法案は、小売商の事業活動の機会を確保し、小売商業の正常な秩序を阻害する要因を除去するためのものでありまして、中小企業団体の組織に関する法律の円滑なる運用と相待って中小小売商の経営の安定と向上とを期待するとともに、ひいては国民経済の健全なる発展に寄与することを目的としているのであります。
 以上が小売商業特別措置法案の趣旨でございます。何とぞ御審議を願います。(拍手)
#28
○副議長(椎熊三郎君) 提出者永井勝次郎君。
    〔永井勝次郎君登壇〕
#29
○永井勝次郎君 私は、日本社会党提出の商業調整法案について、提案の理由を御説明申し上げます。
 わが国の中小企業の全産業の中に占める地位は、事業所において九九・九%、従業員数において八三・九%、出荷数において五六%でありまして、その重要性は数字の示す通りであります。
 今日の中小企業の悩みは、過度の競争、金融難、税金高、原料高の製品安、施設の不備、技術の後進性、外貨導入の圧迫、アメリカの輸入制限、中共貿易の中絶など、数え切れないほどであります。特に、昨年以来の金融引き締め政策の影響は深刻でありまして、その多くは生存の危機にさらされている実情であります。しかるに、政府の中小企業対策は、口先だけのごまかしで、当面の措置はもちろん、恒久対策のごとき実効を期待し得るものは何もないと言って過言でありません。(拍手)確かに二、三の立法措置は講ぜられましたが、しかし、体系だったものではなく、その場しのぎの思いつき程度のものにすぎないのであります。裏づけとなるべき予算化、あるいは金融等、経済措置に至りましては、ただただ驚くのほかはないのであります。旱天にしめりを渇望している気の毒な中小企業者に対し、政府の与えようとしているものは何であるか。それは、独禁法の緩和、輸出入取引法の改正、産業基盤の確立等の名による大企業への集中化であり、中小企業への犠牲ではありませんか。(拍手)空腹にあえぎながらパンを求むる中小企業者に対し、石をもってなぐりつけるがごとき政府の冷酷な仕打に対しましては、いずれの日にか思い知らされるであろうことを覚悟しておくべきでありましょう。(拍手)
 わが社会党は、中小企業の置かれている今日の窮状をすみやかに打解するため、本国会に、独占資本の不当な圧迫の排除、産業分野の規制、金融税制関係及び百貨店法、官公需の確保など、中小企業の振興をはかる一連の産業経済関係立法十余件を提案いたしているのであります。さらに、法律改正十余件、行政措置四十余件等を含めまして、中小企業対策を総合一貫的に推進しようとしている次第であります。要するに、わが党の中小企業対策は、常に国の産業経済全体の中で考え、立法措置だけではなくて、所要の財政経済的裏づけを並行せしめ、その実効を期待しようとするものであります。ここに提案いたしました商業調整法案、これらのものの中の一つであることを御了承いただきたいと存ずる次第であります。
 以下、本法案の概要について御説明を申し上げます。
 本法案の目的は、卸売業、製造業と小売業との間に、または小売業相互の間に業務分野を調整し、適正な流通秩序を維持することによって一般小売業者を保護しようとするものであります。今日、小売業者は、百貨店の新増設、あるいは大規模な月賦販売、予約販売等による不当な営業方法、大メーカーによるその製品のいろいろな手段による安売り、また、卸売業者による直接販売等によりその利益を著しくそこなわれているのであります。
 そこで、本法案、まず第一に、調整を要すべき業種と地域を、商業調整審議会の意見に基き、主務大臣が指定することといたしたのであります。すなわち、小売業の分野において、製造業者または卸売業者と一般小売業者との間に競合が起り、一般小売業者の利益がそこなわれるような場合に、関係の業種、地域を限って、一般小売業者の適正な経営を確保しようとするものであります。業種及び地域の指定を行う理由は、不必要に消費者の利益を害することのないように考えてのことであります。この際、小売業者の団体に指定申請の道を開いておるのであります。
 第二に、この業種並びに地域の指定があった場合、特別の事情がない限り、指定地域において、指定業種につき、製造業者、卸売業者の小売販売は新規に行うことができないことといたしました。
 第三に、このような禁止は新規開業のものだけでは不十分でありますので、既存の兼業者につき、指定地域内指定業種に属する小売部門の設備の新増設その他経営規模の拡大をも禁止したのであります。さらに、既存兼業者の小売活動が一般小売業者の存立に重大な影響を与える場合、これが圧迫緩和につき適切な措置をとるよう行政命令を出し得ることといたしたわけであります。
 第四に、以上の規制に対し、大資本による脱法行為が予想されるので、これが予防の措置を講ずることといたしました。たとえば、東横百貨店における東光ストア、高島屋における高島屋ストアなどのごとく、資本的にまたは人的に支配する別会社を組織し、いわゆるスーパー・マーケット方式による事業の拡張が行われている実例もあるのでありまするから、この種の事例は脱法行為とみなし、行政命令によって排除措置をとり得ることといたしておるのであります。なお、百貨店関係については、わが党はすでに本国会に提出いたしております百貨店法の一部改正法案の中で、百貨店法の脱法行為として規制を加えることといたしておるのであります。
 第五に、公設または私設小売市場の新設拡張については、これを許可事項といたしたのであります。小売市場については、特に関西地方に見られるように、その乱立が目立ち、市場相互間並びに周辺の一般小売業者との関係に調整を要する事態となっておるのであります。そこで、乱立防止に必要な地域を政令で定め、地域内における小売市場の新増設を許可制としたのであります。この場合、五大都市においては、市長にその許可の権限をゆだねた次第であります。
 第六に、購買会事業の規制を行うことといたしました。いわゆる会社購買会による小売販売事業は年間一千数百億円に上り、その員外者利用は周辺の一般小売業者に重大な影響を与えているのであります。会社購買会は、会社経営にとってその資金運営に寄与するばかりでなく、一方では労務管理にも利用されておるのでありまして、その形態自体にも問題がありますので、わが党は、別途、労働者の指導権による消費生協への組織がえを考えておりまするが、ここでは、当面、員外販売を禁止することといたしております。消費生協は、購買会に比べまして、売上高はその四分の一にすぎない微少なものであり、その組織は労働者の正当な生活権に基礎を置くものであり、購買会とは同一に論ずるわけには参りません。わが党は、消費生協の存在意義を正当に評価し、わが国における小売事業活動の特殊な諸条件を考慮しつつ、消費生協に対し、特に員外利用二〇%を認めることといたしました。
 最後に、本法案の運用に重要な役割を果すべき商業審議会の構成については、小売業者代表、消費者代表の参加を法文に明記し、公正にして適切な運営を期待した次第であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あられんことをお願い申し上げる次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 小売商業特別措置法案(内閣提出)及び商業調整法案(水谷長三郎君外二十三名提出)の趣旨説明に対する質疑
#30
○副議長(椎熊三郎君) ただいまの趣旨の説明に対して、質疑の通告があります。これを許します。松平忠久君。
    〔松平忠久君登壇〕
#31
○松平忠久君 私はただいま議題となりました政府提案の小売商業特別措置法案に対して、日本社会党を代表して、総理並びに関係閣僚に若干の質疑を行わんとするものであります。(拍手)
 本法案は、大企業の代弁者である藤山愛一郎氏が、お門違いにも、中小企業振興審議会の会長として、昭和三十一年十二月二十四日、政府に対して行った答申に基き、政府はこれに資本家的手心を加えて第二十六国会に提案し、今回再び若干修正の上提案して参ったものであります。
 小売商は、わが国の経済機構のもとにおいて末端流通部門の責任を受け持ち、きわめて重要な役割をになっておるのでありますが、政府は、過酷な徴税の対象としてはいるけれども、何ら今日まで保護助成の手を差し伸べることなく、全くこれを放置して参ったことは、明らかに怠慢といわねばなりません。(拍手)しかるに、この流通部門は、戦後著しい変化を起しております。すなわち、昭和二十三年に、全産業に従事する者三千三百三十二万九千人の中で、商業者は二百三十六万五千人、その比率は七%でありましたが、その後漸次小売商に割り込む者が多く、三十一年には、全産業就業者四千三百八十七万人に対して、商業者は、驚くなかれ、家族まで含めて七百万人を突破し、その比率も一八%に達しました。まさに三倍の激増であります。従って、今日、小売商は潜在失業者の温床となり、この問題は今や社会問題と化して、生活困窮のための自殺、一家心中の大部分も、実はこの階層から出ておるのであって、その責任はあげて政府の自由放任主義による無為無策にあることを指摘しなければなりません。(拍手)
 およそ、生産者から流通機構を経て消費者に至る経済の仕組みの中で、流通機構、迅速、低廉、親切で、消費者を満足せしむるものでなければならないと同時に、生産者と消費者との間のクッション的な役割を果さなければならぬのであります。わが国では、大卸から中卸を経て小売商へ渡るもの、メーカー自身が小売を兼業しておるもの、あるいはまた、小売商にいたしましても、独立のもの、集団的なもの、また、経営の方針にいたしましても、営利本位のもの、消費者本位のもの等等、種々雑多であります。欧米においては、今日、それぞれその実情に応じまして、一定の理想的な方向に流通機構が漸次整備されつつある現状でありますが、総理は、一体、わが国の流通機構をどういう仕組みにすることが最も理想的であると考えておるか。本法案のごときも、一つの理想的は流通機構を想定して、それに向う第一歩でなければなりませんので、まず第一に、この点に関して総理の見解を承わりたいと存じます。(拍手)
 次に、第二といたしましては、このような理想的な流通機構を考えていく場合においても、わが国の小売商は、何としても過剰であります。この過剰の始末をしなければ、小売商の安定もなく、また、流通秩序も保たれません。これを一体どうするつもりであるか。自由主義経済であるから仕方がないといって放置していくつもりであるか、あわせて総理の考えをお聞きいたしたいと存じます。
 第三は、何ゆえに小売商が最も強く要望してきたメーカー及び問屋の小売面への進出を阻止する方針をとらなかったかということであります。本法案第一条には「小売商業の正常な秩序を阻害する要因を除去し、もって国民経済の健全な発展に寄与する」云々とあります。また、本法案は、紛争を予想して、あっせん、調停、勧告の措置を規定している以上、彼らが正常な秩序を阻害していることを政府みずから肯定いたしておるのであります。政府が調停、勧告の線にとどまっておって小売商の不満を買っていることは、明らかに、大企業に遠慮して、大企業の主張に屈服したものといわなければなりません。通産大臣の率直な答弁を要求するものであります。
 第四は購買会及び消費生活協同組合に関連した問題であります。本法案第二条ないし第四条において、政府は、この両者に対して全く同じ取締り規定を制定せんといたしております。そもそも、購買会は、先ほど永井議員からも説明がありましたが、会社が福利厚生の名のもとに行なっておる事業であって、低賃金をカバーし、しかも、その賃金の一部は購買会で再び会社に吸い上げられる仕組みであって、その経理も、会社全体の経理の中に没入して、徴税の直接対象外であり、準拠法もなく、まことにあいまいもこたる存在であります。しかるに、他方、消費生活協同組合は昭和二十三年法律第二百号によって生まれたものであって、また、他の法律によりまして、国家がその発展、育成を助長してやる義務を負っておるものであります。従って、両者は全く異質なものである。ところが、この点に対して、政府は全く認識を欠いているとしか思えません。しからざれば、何ゆえ、政府は、この全く異質なものに対して同じ態度をもって臨み、同じ取締り規定を適用せんとしておるのか。まず、私は、その理由を伺わなければなりません。
 次に、両者の小売商に及ぼす影響を調査してみても、購買会の年間売上高は一千五百億円程度、消費生協は三百億円程度、小売商全体の総売上高はおよそ三兆七千四百億円であります。従って、購買会は四・五%を占め、消費生協はたった〇・九%を占めておるにすぎません。保守党政府は、よく、政治は実情に即さなければならないと言っておるけれども、かかる一律的な措置は実情を無視するものであって、消費生活協同組合法の精神にも違反しておるのではないか。厚生大臣並びに通産大臣の見解を承わりたいと存じます。(拍手)
 なお、消費生協に対し、厚生省が熱意がないの、了解に苦しむところであります。消費生活協同組合資金の貸付に関する法律によって今日まで貸し付けられた金額は、昭和三十八年二千五百万円、三十年二千万円、三十二年一千万円、三十三年九百万円という工合に、急テンポに減ってきております。生協の普及率、英国が一二%、スエーデン一五%、フィンランド三三%、デンマーク二三%であるにもかかわらず、わが国の普及率は、たった〇・九%であります。欧州においては、市価主義と払い戻し制度によって、大した摩擦もなく普及されてきておるけれども、わが国における生協は、ほとんどが廉売主義と不払い戻し制度によっておるのであります。小売商との間に摩擦があるとするならば、この辺に原因があると思われるけれども、政府は、この根本問題を何ゆえ解決せんとしないのか。消費生協に資金的な裏づけのめんどうを見てやるならば、わが国でも、市価主義に基く払い戻し制度に全面的に移行させていって、小売商との間の摩擦を避けていくことができるわけであって、この際、政府は、生協の共済の責任準備金積立制度の確立、生協事業に営利を目的としない消費者団体の加入、農協と同じように一定の員外利用の承認等を実現させて、もって根本的な解決をはかり、消費者にも十分な満足を与える方策をとるつもりはないか。根本問題でありますから、総理並びに主管大臣の答弁をお願いしたいと存じます。
 なお、購買会は大企業に遠慮して放置しておるわけであるが、これは一体どういうふうに編成がえをしていくつもりであるか。これは通産大臣並びに厚生大臣にお伺いをいたします。
 第五は、購買会及び消費生活協同組合活動の規制を急ぐのあまり、日本銀行券の強制通用力を無視せんとしておる点であります。すなわち、本法案第四条第三項において、「組合が発行する利用券と引換に又はその利用券に必要な事項を記入するのでなければ物品の供給事業を利用させない」としてあります。第二条第二項第三号においても同様な規定があるが、これは日銀券の通用排除を意味するものであります。日本銀行法第三十九条第二項に、日本銀行券は「公私一切ノ取引二無制限二通用ス」と規定してある。これに対して本条項は特例を設ける趣旨のごとく受け取られるわけであって、日銀法違反の疑いがあると思うのであります。この利用券は明らかに手形や商品券とも異なる性質のものであって、かくのごとく積極的に日銀券の否定を立法化することは、明らかに重大なる疑義を差しはさまざるを得ないところであります。この点、大蔵大臣の明快な答弁を求めたいと存じます。
 第六点は、小売商と他の関連業者との間の紛争解決の手段の問題であります。本案によると、ケース・バイ・ケースの、調停員による調停、あっせんと知事の勧告とでありますが、中小企業審議会の答申は審議会制度の活用を主張し、小売商もまたこれを希望いたしております。すなわち、審議会は紛争当事者に対して共通の土俵を与えて話し合う機会を持たせる、また、審議会自体が中小企業全般の問題について意見具申をする機能を持ち、民主的に民意を直接に反映する仕組みになっておるのでありまして、先ほどの政府の修正第一次案には、この条項があったはずであります。これが一体いつの間に落ちてしまったのか。審議会を常置すると、経費がかかって、うるさいとかいうことが、その理由であるように聞いておるのでありますが、知事がただ下僚の役人の言によって勧告するのでは、必ずやこれは官僚的、独善的、権力的となることは明らかであって、全く岸内閣の性格をそのままここにむき出したような改悪であります。一体、だれが審議会の設置に反対したのか。通産省の役人に言わせれば、自治庁が反対したと言っておる。自治庁の役人に聞けば、通産省が反対したと言っておる。この点、その理由とともに、関係者大臣の明快な答弁を要求するものであります。
 次に、中小企業振興審議会は、五人未満の事業所の労働者に健康保険、失業保険を強制適用すること、労働基準法の適用を適切ならしめること等を勧告いたしております。政府は商店員の退職金制度の確立を企図しておると聞いておるが、商店員の最大の苦情は、就労時間が十四時間というように非常に長いということであります。従って、その他の労働条件の劣悪と相待って、雇い入れがきわめて困難になってきておる。最近はやっておる集団雇用、これも充足率は三二%という低い成績であります。閉店時刻及び週休の規定というものも中小企業振興審議会は勧告いたしておりますけれども、政府は何らの措置もとっておりません。政府は、商店員の労働条件の改善について、いかなる積極的な具体策をもってこの審議会の答申にこたえんとしておるものであるか、所信のほどを労働大臣にお伺いいたします。
 最後にお伺いいたしたいことは、末端流通秩序の中にある小売商に対して、政府はいかなる積極的な保護育成策を持っておるかということであります。申すまでもなく、中小企業振興審議会は、昭和三十一年九月にわが党中小企業政策特別委員会が中小企業全体に関する具体案を発表してから三カ月もおくれて答申を作成、提出したのでありまして、この法律案もまた、わが党の提案した法律案に刺激をされて提案されるに至ったものであります。政府は約二年間、中小、ことに小売商に対しては何らかの恩恵を与えるようなふうに装って、ちらちらとその内容をちらつかせながら、小売商を今日まで引っぱってきたものであります。ところが、経済の不況に直面して大企業の主張に屈服し、独禁法の改正を急ぎ、今や、片方の手で小売商のほっぺたをたたきながら、片方の手であめを見せびらかしているという格好であります。しかし、よくよく見ると、これは、あめではなくて、何だかわからない粉にサッカリンか何かを塗ったような、栄養も何もないものであります。(拍手)小売商は、今日、栄養を欲しておるのであります。政府は何ゆえに小売商に対して栄養を与えないのか。大部分の小売商が対象となっておるところの例の中小企業等協同組合法の中の小組合についても、同法第二十三条の三に「小組合の組合員に対し、税制上、金融上特別の措置を講じなければならない。」と規定されておるにかかわらず、今もって何らの措置をも講じておりません。議員の発議による修正であるために大蔵官僚が軽視しておるとするならば、これはもってのほかであります。なおまた、本年六月末の全国銀行の総貸し出し残高は、日銀の調査によれば七兆二千三十四億円で、そのうち小売商に対する貸付は二千七十三億円、たった二・七%にすぎません。しかるに、大蔵大臣は、中小企業に対する金融は十分だなどと放言しておるけれども、一体どこを押せばそういう音が出るのか、その無神経さにはあきれざるを得ないのであります。(拍手)
 わが党は、先ほど永井議員からも趣旨説明の際に説明がありましたけれども、二十数件にわたる法律の改正案、四十余件にわたる行政措置等の改正によりまして、一貫したところの小売商をも含めた中小企業に対する振興策を講ぜんとしておるのであります。しかるに、一体、政府は、どういうやり方をもってこの小売商並びに家族が安心して業務に専念し、生活が保障されるような具体的な措置を講じようとしているのか、明確な答弁を要求するとともに、政府が相変らずの大企業偏重の政策のもとに中小並びに零細業者に対して瞞着糊塗政策を続けるにおいては、今や政治的認識に目ざめつつあるこれらの人々は、やがて政府に対して一大鉄槌を下すことも遠くないことを警告いたしまして、私の質問を終るものであります。(拍手)
    〔国務大臣岸信介君登壇〕
#32
○国務大臣(岸信介君) お答えいたします。
 流通機構として理想的なものはどこに考えておるかということであります。これは、私どものように自由経済を根本に考えておる者から申しますと、形を一つのものに作って、これにすべてのものを当てるという考え方はいたしておりません。いずれにしても、流通機構に関しての根本的な考え方は、いかにして生産と消費を円滑に結びつけるか、この機能をどういうふうに円滑に果させるようにするかということ、流通機構に従事しておる人々の生活の基礎をいかにして確立するか、この二つが私どもは基本的な問題であると思います。その具体的の方法につきまして、いろいろな点を考えなければならぬと思います。もちろん、法律だけでもってこの二つのことが達せられるわけではございません。同時に、金融の面や、あるいは税制の点や、その他の点をあわせて考慮すべきことは言うを待ちませんが、今回の、われわれが提案いたしておる法律によりまして、小売商の地位を確立して、そうして、適正な機能を果すようにわれわれとしては考慮しておるというのが、私どもの根本的な考えでございます。
 さらに、流通機構に従事しておる小売商の数が多過ぎるのではないかというお話であります。これは、いろいろな点から考えまして、日本の流通機構に従事しておる小売商の数が、日本の経済規模から見てあまりにも多いんじゃないかということを、いろいろな面から数字をあげて論ぜられております。ただ、この問題は、根本的には日本の人口問題に関係を持つ問題であることは言うを待ちません。同時に、われわれ、できるだけ産業の規模を拡大し、国民生活の水準を高めて、流通経済の扱うところの分量をふやしていくということは、これは基本的に考えなければならぬことであると思います。私どもは、そういう点において、この問題に対処していかなければなりませんが、同時に、現在あるところの小売商の立場が、あるいは今おあげになりました大きな企業の面から、あるいは購買会やその他の生活協同組合の方面から脅かされておる点を確保する、そうして、この小売商間にあるところの不当な過度の競争というものを、あるいは中小企業団体法等によりまして、団体の力によって適正にしていくというようなことと相待って、小売商の立場を確立していくことが必要であると思っております。(拍手)
    〔国務大臣高碕達之助君登壇〕
#33
○国務大臣(高碕達之助君) 第一の御質問の、生産業者と卸売業者とが直売をして小売商を圧迫するということでございますが、生産業者の直売は、元来が製品の宣伝をすることが目的であります。また、卸売業者が直売いたします場合、これは一般消費者に売っておるのか、あるいは小売業者に売っておるのか、これはなかなか見分けることが困難であります。こういう点から考えまして、小売業者を圧迫する場合は、ケース・バイ・ケースによりまして、行政機構がこれを調整する、あるいは勧告することがいいと考えます。
 第二の、購買会と消費生活協同組合との関係でございますが、購買会というものは、元来、事業者が従業員の福利厚生のために物資をなるべく低廉に配給する、こういうことが目的であります。また、消費生活協同組合は、一定の限定された範囲において、組合員相互の補助機関としてやっておる団体でありますから、おのずから両方の歩み方は違っておるわけでありまして、従いまして、購買会を今すぐにこの消費生活協同組合と同じように編成するということは考えておりません。
 第三の、調停の方法について、なぜこれは審議会にかけないか、こういうことでありますが、これは調停、勧告することによりまする調停制度の方が実際的確に行い得る、こう存じまして、そういたしたのであります。
    〔国務大臣佐藤榮作君登壇〕
#34
○国務大臣(佐藤榮作君) 購買会並びに消費生活協同組合が利用券を発行しておる、利用券がなければ物品販売事業を利用することができない、これは明らかに日銀法の第二十九条第二項に抵触するものではないかというお尋ねでございますが、ただいま前段でお話をいたしましたように、利用券は、どこまでも物品販売事業の利用について規定しておるものでございまして、日銀券のように、公私にわたる決済手段としてのいわゆる通用力を規定しておるものとは、およそ違うのであります。この意味において、私はこれを一緒にすることは適当でないと考えます。
 次に、中小企業並びに零細事業者を含めて、これが保護育成についていかなる処置をとっているかということでございます。特に、金融の面についての資金ワク等がまことに不足ではないか、こういうお尋ねであったかと思います。御承知のように、負担の軽減という点については、過去の累次にわたる税制改革に際しまして、その負担の軽減をはかって参りました。また、今回も、法人税並びに事業税等の軽減に際しましても十分意を用いるつもりであります。また、金融につきましては、中小企業、特に零細企業の金融対象であります国民金融公庫については、三十三年度予算編成に際しまして、相当多額のものを計上いたしました。さらにまた、親金庫として考えられます商工中金等につきましても資金を増額いたしておりますが、なお年末等に際しましては特にこの資金ワクを増加する、これをも計画していることをつけ加えて申し上げまして、中小企業の保護育成に政府が格段の意を用いていることを御了承願います。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍伍君登壇〕
#35
○国務大臣(橋本龍伍君) ただいまの御質問にお答えを申し上げます。
 員外利用の点につきましてでございますが、御承知のように、消費生活協同組合は、協同組合法によって監督を受けておる特別法人でございまして、保護を受けると同時に、事業についての調整を法によって考えられておるわけであります。従いまして、員外利用の問題につきましては、消費生活協同組合は、法によって初めから原則として禁止されておりまして、員外利用が認められるのは特別な場合に限っておるのでございまして、これの許可基準もきわめて限定的でございます。従いまして、今回の小売商業特別措置法案によって規定をいたしましたところは、単に、当初からこの法案に考えられておりますところの考え方をさらに明確にしたにすぎないのでありまして、新たにこれによって限定されることはないのでございます。購買会の方は、何ら法律上の制約を受けていない任意の団体でありまして、消費生活協同組合とは違うものであります。それで、購買会の方につきましては、この法案によって新たに規制を受けるわけであります。
 なお、消費生活協同組合の保護育成の点につきましては、御説の通りでございまして、できるだけこれの育成をはかって、健全な発達をはかって参らなければならぬと考えております。
 御指摘のございました貸付金の問題につきましては、この貸付の仕方は、府県の生活協同組合に対する貸付に対しまして同額を国から県に貸し付けるという仕組みになっておるのでありまして、この法律もございますので、毎年府県の所要額とにらみ合せながら必要な金額を計上いたして参った次第でございまして、今後も引き続きこれを計上して参るつもりでございます。
 なお、共済事業に関しまする法定制限準備金制度につきまして、御趣旨の通り、これはやる必要があると考えておりまして、目下十分検討をいたしておるところでございます。
 なお、生活協同組合への団体加入であるとか、あるいは一定割合の員外利用を認めるという点につきまして、これは現行法の原則と根本的に違う面がございまして、ただいまのお話の点について、よほど慎重に検討いたしたいと考えております。
 なお、購買会を将来どのように扱うかということでございますが、これはおのずから様子の違うものもございますので、一がいにどうこうということはむずかしいと思いますが、購買会の中で消費生活協同組合としての基準に合致するものにつきましては、法の基準なしに購買会としてやるよりも、むしろ、これを消費生活協同組合として適正な指導をはかって参りたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣倉石忠雄君登壇〕
#36
○国務大臣(倉石忠雄君) 五人未満の事業所に対する社会保険のお話がございました。二十八回国会で失業保険法の一部改正が行われまして、五人未満の事業所の者もこれに加入できるようになったことは御承知の通りでありますが、それをさらにだんだん拡大して参りたいと思っております。
 それから労災保険のことでありますが、労災保険も、五人未満の事業所でございましても、特に災害の発生が多いと思われるようなものについては強制適用の事業とされておることは、御承知の通りであります。従って、この制度で、労災の面においては任意加入ではありますけれども、特殊なものは強制加入、こういうことで行き渡るようになっております。
 労働基準法による補償制度でございますが、これも御承知のように完備いたしておるのでありまして、現在の状況で、労働者保護の制度としては欠くるところがない、このように私どもは存じております。
 それから、中小企業に働く労働者の労働条件が大企業の労働者に比べて劣悪ではないかというお話であります。まことにその通りであります。そこで、この比較的恵まれない立場に立っております中小企業の労働者に、どうやったならば政治の力であたたかい手を差し伸べることができるかということが、私どもの最も苦慮いたしておる労働政策の基本線であります。中小企業というものがそういう状態であることは、およそ産業構造の今日の段階でやむを得ないことでありますが、そこで、まず、先ほど来お話のありました、中小企業をいんしんならしめるためには、生産性向上とか、経営基盤を強化するというようなことは、もちろん産業政策として必要でありますが、その方面に従業しておられる人々に対して、将来性を持ち、楽しみを持って働いていただくようにしむけてあげたいということで、私どもが先般来奨励いたしておりました週休制の実施、それからまた、その出た余暇をいかにして善用するかというふうなことについては、着々青少年ホームというような施設が各地においてできつつあることも御承知の通りであります。さらに、基本的には、今各方面の御意見を承わっておるのでありますけれども、中小企業の従業員に対する退職共済制度というようなものを実施して参りたいと思っております。
 それから、また、今国会で審議を願っております最低賃金法などというものも、やはり今申し上げました角度からぜひ必要なことであるということでお願いをいたしておるような次第でありまして、私ども政府といたしましては、比較的恵まれざる中小企業の従業者に対して、政治の面で、いかにしたならばできるだけあたたかい手を差し伸べることができるかということに重点を置いてやっておることは、御了解を願いたいと思います。(拍手)
#37
○副議長(椎熊三郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#38
○副議長(椎熊三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五十分散会
     ――――◇―――――
   出席国務大臣
    内閣総理大臣  岸  信介君
    大蔵大臣    佐藤 榮作君
    厚生大臣    橋本 龍伍君
    通商産業大臣  高碕達之助君
    労働大臣    倉石 忠雄君
   出席政府委員
    内閣官房長官  赤城 宗徳君
    法制局長官   林  修三君
    自治政務次官  黒金 泰美君
    厚生省社会局長 安田  巖君
    中小企業庁長官 岩武 照彦君
     ――――◇―――――
○朗読を省略した報告(応召議員)
 一、去る十七日召集に応じた議員は次の通りである。
 広島県第二区選出  谷川 和穗君(常任委員辞任)
 一、去る二十一日議長において、次の常任委員の辞任を許可した。
   地方行政委員   長谷川 峻君
   商工委員     水谷長三郎君
   予算委員     佐々木良作君
 一、昨二十二日議長において、次の常任委員の辞任を許可した。
   外務委員     高田 富之君
   文教委員     北村徳太郎君
   農林水産委員   足鹿  覺君
   商工委員
    久野 忠治君  井手 以誠君
    永井勝次郎君  小西 寅松君
    伊藤卯四郎君
   運輸委員
    伊藤卯四郎君  永井勝次郎君
   逓信委員
    大倉 三郎君  篠田 弘作君
   建設委員
    小西 寅松君  久野 忠治君
   予算委員
    篠田 弘作君  水谷長三郎君
    大倉 三郎君
  (常任委員補欠選任)
 一、去る二十一日議長において、次の通り常任委員の補欠を指名した。
   地方行政委員   野原 正勝君
   商工委員     井手 以誠君
   予算委員     水谷長三郎君
 一、昨二十二日議長において、次の通り常任委員の補欠を指名した。
   外務委員     足鹿  覺君
   文教委員     木村 守江君
   農林水産委員   高田 富之君
   商工委員
    小西 寅松君  水谷長三郎君
    伊藤卯四郎君  久野 忠治君
    永井勝次郎君
   運輸委員
    永井勝次郎君  伊藤卯四郎君
   逓信委員
    篠田 弘作君  大倉 三郎君
   建設委員
    久野 忠治君  小西 寅松君
   予算委員
    大倉 三郎君  佐々木良作君
    篠田 弘作君
 (理事互選)
 一、去る二十一日海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会において、理事互選の結果、次の通り当選した。
   理事
    逢澤  寛君  稻葉  修君
    高橋  等君  中山 マサ君
    山下 春江君 茜ケ久保重光君
    受田 新吉君  戸叶 里子君
 (議案受領)
 一、去る二十一日予備審査のため参議院から送付された次の議案を受領した。
  産業教育振興法の一部を改正する法律案
 一、昨二十二日予備審査のため参議院から送付された次の議案を受領した。
 公共企業体等労働関係法等の一部を改正する法律案(条約付託)
 一、去る二十一日委員会に付託された条約は次の通りである。原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第三号)
 原力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第四号)
 原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(条約第五号)
   以上三件 外務委員会 付託(議案付託)
 一、去る二十一日予備審査のため参議院から送付された議案は次の委員会に付託された。
 産業教育振興法の一部を改正する法律案(秋山長造君外二名提出、参法第一号)(予) 文教委員会 付託
 一、昨二十二日予備審査のため参議院から送付された議案は次の委員会に付託された。
 公共企業体等労働関係法等の一部を改正する法律案(藤田藤太郎君外六名提出、参法第二号)(予)
      社会労働委員会 付託
 (条約送付)
 一、去る二十一日参議院に送付した条約は次の通りである。
 日本国とポーランド人民共和国との間の通商に関する条約の締結について承認を求めるの件
 通商に関する日本国とニュー・ジーランドとの間の協定の締結について承認を求めるの件
 (質問書提出)
 一、昨二十二日議員から提出した質問主意書は次の通りである。北海道産豆類の価格安定に関する質問主意書(松浦定義君提出)
ソース: 国立国会図書館
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