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1958/10/28 第30回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第030回国会 本会議 第13号
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1958/10/28 第30回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第030回国会 本会議 第13号

#1
第030回国会 本会議 第13号
昭和三十三年十月二十八日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十三号
  昭和三十三年十月二十八日
    午後一時開議
 第一 新市町村建設促進法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 日本国とラオスとの間の経済及び技術協力協定の締結について承認を求めるの件
 第三 河川法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員松山義雄君逝去につき院議をもって弔詞を贈呈することとし、その弔詞は議長に一任するの動議(平岡忠次郎君提出)
 佐藤国務大臣の昭和三十三年度補正予算に関する演説及びこれに対する質疑
 日程第一 新市町村建設促進法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 日本国とラオスとの間の経済及び技術協力協定の締結について承認を求めるの件
 日程第三 河川法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後三時十六分開議
#2
○議長(星島二郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員松山義雄君逝去につき院議をもって弔詞を贈呈することとし、その弔詞は議長に一任するの動議(平岡忠次郎君提出)
#3
○議長(星島二郎君) 御報告いたすことがあります。議員松山義雄君は去る十月二十五日逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 この際、弔意を表するため、平岡忠次郎君から発言を求められております。これを許します。平岡忠次郎君。
    〔平岡忠次郎君登壇〕
#4
○平岡忠次郎君 ただいま議長から御報告になりました故衆議院議員松山義雄君に対し院議をもって弔詞を贈呈し、その弔詞はこれを議長に一任するの動議を提出いたします。(拍手)
 松山君は、去る十月二十五日、病のため逝去せられました。私は、諸君の御同意を得て、議員一同を代表し、ここにつつしんで哀悼の言葉を申し述べたいと存じます。(拍手)
 松山君が初めて本院に議席を占められたのは昭和二十七年十月の第二十五回総選挙のときであります。自来、本院議員に当選すること連続四回、在職六カ年有余に及んでおられます。私もたまたま同君と時を同じゅうして初当選し、以来今日まで親交を重ね、お互いに主義主張こそ異にしておりましたが、君の高潔な人格に対しては常に深い尊敬の念を抱いておったのでありまして、思いがけない君の計報に接し、まことに哀惜の情にたえない次第であります。
 松山君は、明治三十六年三月長崎県諌早市に生まれ、同地の中学校を終えた後、笈を負うて上京し、中央大学に学ばれました。君は、つとに志を法曹界に寄せ、同大学卒業後、高文司法試験に合格され、少壮弁護士として雄図を開かれたのであります。
 昭和十三年には東京弁護士会常議員、同十六年には日本弁護士会理事に選任せられ、ますますその才幹を伸ばされたのでありますが、その間、縁あって本院元議長松永東先生の女婿となられ、千恵子夫人との間に一男二女をもうけられ、居も埼玉県に移し、円満な家庭を営んでおられました。
 昭和二十四年、中央大学の同窓である、現参議院議員、当時の埼玉県知事大沢雄一君の懇望もだしがたく、副知事の要職に就任し、地方自治の発展と県民の福祉増進のために全力を傾注し、大なる成り果をおさめられたのであります。同時に、君は、この政治的経験を契機として志を中央政界に求めるに至ったのでありまして、昭和二十七年の初当選は、岳父松永東先生との新子当選として、郷党から大いに祝福せられたのであります。
 政界に入るや、君は、着実なるコースをたどり、法務、農林、地方行政、予算等の各委員会に活躍せられ、あるいは裁判官訴追委員、弾劾裁判所裁判員となり、特に昭和三十年十二月には選ばれて本院運輸委員長の重任についてその職務に尽瘁し、わが国の交通の改善、発達にまことに大なる足跡を残されました。
 君は、また、畑地農業改良促進対策審議会委員、米価審議会委員等に選ばれ、農業経済の安定と農民生活の向上とのために大いに貢献し、昭和三十一年八月には本院から中南米へ派遣され、同地における移民問題等について鋭意調査するとともに、帰途欧州に渡り、各国の政治事情を視察し、国際政情に認識を深められたのであります。
 かくして、君は、国政審議に精励して、よくその重責を果されたのでありまして、この功績はきわめて顕著なるものがあるのであります。
 松山君は、温厚篤実、身を持することきわめて謹厳、まれに見る強い正義感の持主でありました。しかも、人情にはすこぶる厚く、一見近寄りがたく見えながら、その胸底に無限の温情を蔵しておられたことは親しく君に接する者の常に心を打たれたところであります。
 君は、また、第二の故郷である埼玉県下の産業開発に献身せられました。すなわち、県の土地改良協会会長について農業振興に力を尽くし、あるいは武蔵野線建設のために百方奔走してその実現をはかられたことは、郷党のひとしく認めるところであります。
 私どもの記憶にまだなまなましいことでありますが、今春五月の総選挙に際しては、君は大手術後の身を病床に横たえ、一切の選挙運動に携わることができなかったのでありますが、それにもかかわらず、みごと当選の栄を得られましたことは松山君の徳望がいかに厚かったかを物語るものと存じます。(拍手)
 戦後十三年、わが国の政治情勢は、なお内政に外交に幾多の懸案を擁し、まことに国事多端であります。かかる際、よわいいまだ五十五才、練達にして前途有為の君を失いましたことは本院にとり、また国家にとり、この上ない不幸でありまして、痛惜の情一そう切なるを覚える次第であります。(拍手)
 ここに、松山君の功績を追懐し、その人となりをしのんで、つつしんで追悼の言葉といたします。(拍手)
#5
○議長(星島二郎君) ただいま平岡君から提出されました動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(星島二郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議は可決せられました。
 ここに、議長の手元において起草いたしました文案があります。これを朗読いたします。
 衆議院ハ議員正五位勲三等松山義雄君ノ長逝ヲ哀悼シ恭シク弔詞ヲ呈ス
    〔拍手〕
 この弔詞の贈呈方は議長において取り計らいます。
     ――――◇―――――
#7
○議長(星島二郎君) 佐藤国務大臣から昭和三十三年度補正予算に関して発言を求められております。これを許します。国務大臣佐藤榮作君。
    〔国務大臣佐藤榮作君登壇〕
#8
○国務大臣(佐藤榮作君) ここに、昭和三十三年度補正予算を提出するに当り、わが国当面の経済情勢と、これに対処すべき財政金融施策の大要を申し述べるとともに、補正予算の概要を御説明いたします。
 私は、先般、国際通貨基金及び国際復興開発銀行の総会に出席いたしました。その際、わが国経済に対する国際的な評価がきわめて高いことを強く感じて参った次第であります。すなわち、国民各位の御努力により、国際収支は昨年十月以来引き続き黒字基調を続け、本年度上半期における外国為替収支の受取超過は実に二億五千万ドルに及んでおります。このような情勢におきまして、昨年夏外貨減少に備えて国際通貨基金から借り入れました一億二千五百万ドルも、本年中に返済の運びに至りました。私は、このようにわが国経済が信を海外に博し得ましたことを、国民各位とともに心から喜びたいと存じます。(拍手)
 今日までのわが国経済の情勢は、一部の産業において、過去の投資活動の行き過ぎの反動として、なお若干の問題が残ってはおりますが、大勢としては生産面、雇用面等さしたる困難もなく推移しているのでありまして、昨年来のわが国経済の調整過程は、今日ようやくその仕上げの段階に入りつつあるものと考えます。
 私は、大蔵大臣に就任以来、鋭意経済活動の円滑な調整に努めて参りました。すなわち、日本銀行公定歩合の再度にわたる引き下げにより、金利水準の異常高は是正され、金融は正常化の方向に進んで参りました。また、財政面におきましても、公共事業を繰り上げ実施して雇用の推進に資する等、各般の情勢に応じ臨機の措置をとって参ったのであります。今後におきましても、中小企業に対する金融措置を拡充し、重要部門の資金を確保する等、財政投融資の弾力的運用を中心といたしまして、経済の調整過程より起る諸問題には慎重に対処して参る考えであります。
 他面、世界の経済及び貿易の状況は、ただいまのところ、なお停滞を続けておりますものの、アメリカ経済はすでに立ち直りの様相を示し、また各国も、国際通貨基金及び国際復興開発銀行の増資の方向に踏み切るなど、互いに協力して世界貿易の拡大をはかろうとする機運にあるのでありまして、わが国経済を取り巻く国際環境にも、ようやく好転のきざしが見えつつあるやに思われます。
 私は、このような内外の情勢に際して、いわゆる不況対策等、目先の有効需要の動向のみを問題として、一時的に刺激を与えるような対策を講ずることは適当ではないと考えるのであります。今後における財政金融の諸施策は、通貨価値の安定を中核としつつ、長い目で見て経済の健全な成長をはかることにその基本を置くべきであり、今日のわが国経済が来年度以降にわたって着実に伸び続け、しかも、その間に経済の体質をより強いものに仕上げていくことが重要であると考えます。明年度予算の編成につきましても、国民各位に公約いたしております中央・地方を通ずる減税、国民年金制度の創設、経済基盤の強化充実等の諸施策を実行いたすことはもとよりでありますが、その考え方につきましては、以上申し述べましたところを基本といたしたいと存じます。
 次に、昭和三十三年度補正予算について御説明いたします。
 先般来の台風により各地に災害が発生いたしましたことはまことに遺憾に存じます。災害を受けられた方々に深く御同情申し上げるとともに、被災者各位の復興の御努力に対し、深甚の敬意を表するものであります。政府といたしましてはすでに関係法令及び予備費の範囲内において応急の対策を講じて参ったのでありますが、今回さらに一般会計予算を補正してこれが対策に万全を期することといたした次第であります。また、特に被害の激甚な地域につきましては、農地、公立義務教育学校の災害復旧のための補助率の引き上げ、起債ワクの拡大その他特段の配意を加えることとし、近く関係法律案を提出して御審議を願うことといたしております。
 今回の予算補正による一般会計の歳入歳出の追加額は九十億九千八百万円でありまして、歳出追加の内訳は風水害、旱害、凍霜害等の被害対策費として八十億九千八百万円、災害対策に充てるための予備費として十億円となっております。
 以上の歳出の追加に必要な財源は、日本銀行納付金の増加等、いわゆる税外収入の増加によって全額これを支弁することといたしておりまして、そのうち貴金属特別会計からの受け入れの計上に関連して、同会計の予算補正を行うことといたしております。
 また、政府、かねてより電源開発事業等の推進をはかるため、国際復興開発銀行からの借款につき努力を重ねて参りましたが、今般この借款計画とあわせて、産業投資特別会計の貸付財源の一部に充てるため、百八億円に相当する外貨債を募集いたしたい考えであります。これがため、別途、産業投資特別会計の貸付の財源に充てるための外貨債の発行に関する法律案を提出するとともに、産業投資特別会計及び国債整理基金特別会計の予算について、所要の補正を行うことといたしております。
 なお、この際、中小企業金融対策について一言申し述べたいと存じます。政府といたしましては従来とも中小企業対策に意を用いて参ったのでありますが、今回さらに、年末資金及び災害復旧資金需要等を考慮して、百億円の資金を手当することといたしました。すなわち、国民金融公庫、中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫に対しそれぞれ二十億円、日本不動産銀行に対し十億円、計七十億円の政府資金を追加するとともに、必要に応じて三十億円の繰り上げ使用を認めることといたした次第であります。
 以上、当面の経済情勢と、これに対処すべき財政金融施策についての考え方を明らかにし、補正予算の大要について御説明いたしました。
 国民経済の望ましい姿はその安定的な発展であることは申すまでもありません。国民の創意と工夫とを十分に生かしつつ、国民経済の規模を着実に拡大し、国民生活の向上と雇用の増大をはかることが私の念願であります。――国民各位も、政府の意のあるところを了とせられ、一そうの御協力を賜わるよう切望いたす次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
#9
○議長(星島二郎君) これより国務大臣の演説に対する質疑に入ります。小松幹君。
    〔小松幹君登壇〕
#10
○小松幹君 私は、日本社会党を代表して、ただいま政府より提案説明されました昭和三十三年度一般会計予算補正並びに昭和三十三年度特別会計予算補正の両案について、若干の質疑を試みたいと思います。(拍手)
 政府がおくればせながら本年度災害について復旧予算を計上しましたことはもとより当然なことでありますが、しかしながら、依然として今日深まりつつある現下の不況に対して、この実態を無視し、不況対策予算を計上していないところに、まことに遺憾の意を表するものであります。(拍手)
 政府は、九月九日、本年度下期経済見通しを発表いたしましたが、この見通しによれば、本年度の経済は昭和三十三年度当初予算をこしらえ、当初発表いたしました計画より、はるかに後退いたしておるのであります。すなわち、国民総生産及び国民所得の伸びは、当初においては三%であったのでありますが、これを変更いたしまして〇・三%、十分の一に切り下げたのであります。鉱工業生産に至りましては、四・五%から、これも〇・三%に引き下げておるのであります。
 およそ、ただいま大蔵大臣が説明しましたように、国民経済の伸びということが問題でありますが、経済の成長を予約し、これを確保していくことが政治の価値あるところであろうと思います。ことに、日本のように、年々九十万の人口が増加して、過大なる労働人口がひた押しにやって参ります、これを完全に吸収して経済計画の線に乗せていくこと、すなわち、完全雇用の達成こそ、国政の最大の課題であり、経済政策の最大の任務であると思うのであります。(拍手)しかしながら、岸内閣がみずからの責任において本年度出した経済計画を、半年もたたぬうちに引き下げ修正したということは、これはどういうことでございましょうか。それ自体、経済政策に失敗したということを、みずから表明しておるのであろうと思うのであります。(拍手)経済成長の低調なことは経済の短期的循環の谷、すなわち、不況現象を作っておるといわなければならないのであります。この点について、岸総理の明快なる所見を承わりたい。
 現在の不況を経済発展上の一時的停滞というような言葉の遊戯をやめて、首相は率直に不況の実態を直視してもらいたいと思うのであります。あなたが大企業と銀行資本に思うがままに設備投資をやらした結果、容易に回復ができない生産過剰、設備過剰を招来して、あなたの部下である閣僚が幾たびか在庫調整の見通しは大体ついたという希望的観測を出しながらも、そのことが希望的観測でいつもはずされて、そのたびごとに在庫調整はまだまだ長引く、底入れはまだひまが要る、こういうような修正を余儀なくされておるのであります。経済成長率の引き下げも、経済見通しの誤まりも、すべてこれは岸内閣の経済政策の失敗であると私は思うのであります。(拍手)岸総理の、景気後退、不況に対する考え方は一体いかなるものであるか、御説明を願いたい。
 次に、経済企画庁長官並びに大蔵大臣にお伺いしたいのでありますが、九月九日に発表された経済計画の改訂版によりますと、本年下期には意外な楽観説を出しております。しかし、実際問題として一体どうなるのか、われわれは不安でなりません。九月に入りますと、有名大企業が相次いで企業整備に入りました。大量人員整理も行なっております。大企業の九月期決算を見たらよくわかる。ほとんどが軒並みに前期より悪化しておる状態であります。不況のしわ寄せば大企業の臨時工やあるいは臨時職員等に及んで、これから年末にかけては失業者の増大も考えなければならないという状態になって参りました。のそほか、駐留軍関係の労務者の大量失業等を考えますと、これは政府は官庁統計を言われるかもしれませんが、統計に載らない多くの深刻な失業者の群れがあるということを知らなければなりません。私はまず、経済企画庁長官に、現在あるいは将来の失業者の見通しを聞きたいのであります。
 また、在庫関係を見ますと、メーカーの在庫指数、業種によって低下しているものもあります。しかしながら、最近は販売業者の在庫指数は全般的に上昇して、過剰在庫が再びメーカーから販売業者へ移行しているということが考えられるのであります。金融緩和は、この販売業者の在庫をある程度ささえているかもしれませんが、しかし、これには限界があります。従って、政府の言う、この秋から年末にかけて季節的需要を助けるということは幾分あるかもしれませんが、これはほんとうの意味の経済上昇ではありません。要するに、滞貨融資によって危機を引き延ばしておるだけにすぎないのであります。
 かく見ると、政府が楽観説を出しておるがごとく景気はよくなりません。景気動向は、依然として、どの指数を見ても長期低迷の様相を呈しておるのであります。しかしながら、ここに、偶然か、国際収支は大幅な黒字を示しております。外貨が蓄積されていることも事実であります。この際に当って、政府は何らかの積極的な景気支持策を打ち出すべきチャンスがきたのではないかと思う。すなわち、景気はなべ底から抜け切らないで、過剰設備の底入れの圧力のために、操短が再び生産力化するおそれがあるのであります。企業合理化基盤の確立もなされず、このままコスト・インフレになるおそれもあるのであります。このあたりで、私は、政府の施策として有効需要の造出をはかる必要があると考えるのであります。なおまた、国際収支のいわゆる黒字基調というものを見込みまして、さらに、アメリカ景気が、先ほど大臣が言ったように上昇過程をたどっておるならば、なおのこと、国内需要造成の絶好の機会といわなければならないと思うのであります。すなわち、私は、タイミングの問題が一番重要な問題だと思うのであります。いわゆる不況予算を考えなければならないという段階がきておるのです。政府はいかなるお考えでいますか、このことをお尋ねします。景気対策として最もよい時期に、依然として無為無策な静観の態度を続けていることは許されません。大蔵大臣の明快なる御答弁をお願いしたい。
 次に、政府は補正予算財源として、ただいま二百二十一億円のたな上げ資金を持っております。私は今度の補正予算に、このたな上げ資金を使うのかと思ったら、あにはからんや、使っておりません。どういうわけで使わなかったか。この資金は、当初予算を編成するときに、経済基盤強化資金として二十三年度当初設定し、その目的の一つに、異常災害時の復旧に使うという一項目が明記されておるのであります。(拍手)今次の災害予算提出に当って、このたな上げ資金をいち早く活用するというのが政治の常道でなくてはならぬ。本来の趣旨を踏み違えて、政府は、何ゆえか、他の資金よりもこれを大事に持ち続けておるのであります。
 政府はいろいろの税外収入の自然増をもって補正予算財源としておりますが、これは、私に言わせまするならば、財政法の規定に反するものである。これらは、全部、来年、再来年に繰り越して、明後年の繰り越し財源とすべき性格のものを、今、やたらに、あっちからこっちから拾い上げてきて、補正財源に使っておるわけであります。いわゆる先食いをしておるというわけであります。健全財政の趣旨に違反しているものといわなければなりません。政府は何ゆえ補正財源を既定経費の予算のワク内から持ち出さないのか。さらに、既定経費を再検討することが必要ではないか。特に防衛庁費などはずいぶん乱費されているが、こういうところに再検討を加えて補正財源にすることが正しい財政支出の妙であると思う。(拍手)
 次にお伺いしたいことは、外債発行の問題であります。政府、産業投資特別会計に、三千万ドルの外債発行に伴って百八億円の資金を受けるようにしております。この外債発行の件は、すでに大蔵委員会においてわが党の委員から質問されて、大蔵大臣は、アメリカにおける外債募集は必ずしも有利でないと、みずから証言しております。事実、発行者利回りが、世界銀行の融資条件であるところの五分七厘五毛を大幅に上回って、すなわち、年六分をこえるという高金利が予想されておりますが、このような条件の悪い外債を、しいて早急になぜ発行しなければならないか、その理由がわからない。なおまた、現在国際収支の帳じりは黒字基調であります。四億五千万ドルの金が余り、さらに外貨の手持ちは八億ドル以上になっておると思っておりますが、こういう外貨を持っているときに、なぜ、特別の、外貨獲得の点から外債を発行しなければならぬかというところに問題がある。これはおそらく、大蔵大臣は、外貨の問題でなくて、国内円資金の不足補てんのために使おうという考えで外債発行を持ってきていると思う。こういう、いわゆる国内円資金不足補てんのために外債発行を持ち出すということは、これは政策的に、大蔵大臣としてはまことに無能な政策であると私は思う。しかも、それは独善的な政策である。今、御承知のように、現在の銀行筋を見ますと、金融はゆるんでおります。日銀の借り入ればどんどんと返されております。日銀の貸出残高はすでに四千億台を割っております。一方、市中の貸出金利はますます低下しております。企業活動が停滞し、設備資金の需要低下のために、銀行の手元に余裕金がたくさんできております。ところが、この余裕金を政府が野放しにしているために、その余裕金はどこに走っているかというと、コール・ローンに回っております。しかも、自己系列資本である大企業の救済資金、失業対策の方に金が向いている。こういう状態でありますが、この市中金融の緩和に対して、政府は何らの手も打っていない、これを放置して、金融の非能率、しかも、財政背離をますます高めているようなことを金融政策でやっている。何がゆえにこの市中余裕金を外債発行以前に利用しないのかと言いたいのであります。
 政府は大銀行追随の無為無策の金融政策を改め、積極的に市中金融機関の余裕金を財政の方に向わせるべく指導することが正しい金融政策であると私は思う。最近、農林中金に余裕金ができたから、これを日銀の手形売却に充てております。そうして吸収しておりますが、農林中金にそういうものをあてがったら、なぜ一般市中銀行にもそれをやらないのか。すなわち、政府手持ちの短期証券の売オペによって、百八億くらいな、わずかな円資金の調達は、私は今の市中銀行の資金のゆるみから、できないことはないと思うのです。市中銀行の、そういう金融政策をやらないで、いきなり外債に飛びついて円資金の調達をやろうとするところに、私は賛成できないところがあるわけであります。現在、大蔵省内部でも、この点については相当問題がある。そうして、いろいろ市中銀行の余裕金をどういうふうに扱うかということにも意見があるわけでありますが、こういう大蔵省側の意見も用いずして、ただ、いたずらに面子にこだわって、あるいは来年度予算のプールにしたいためにあの金はとって、そして外債に飛びつくというような道を安易にとっておる大蔵大臣は、これは私はただ面子だけにこだわっておる政治ではないかと思うわけであります。
 さらに、外資法ができましてから、今日八年になりますが、外資の導入は、すでに五億六千八百万ドルに上っております。そして、それだけではなく、技術援助という名のもとに、特許料の権利支払いをやっております。本年上期をとってみましもて、三千百万ドルの権利支払いをやっております。この分でいきますと、昭和三十六年には、外資導入によって支払われる利子と、そういう支払い外貨というものは年に三億ドルになろうとしておるのであります。戦前の外債がまだ残っております。二億三千万ドルだけ戦前の外債もまだ残っております。支払い外貨の過大が予想されるのではないかと思う。なおまた、累積している賠償があります。九億七千万ドルの賠償をすでに決定しておりますが、さらに、最近はアメリカの対日援助資金であるガリオア資金、イロア資金の返済が待っております。これを返済するに当っては、西ドイツ方式によりましても、私は六億ドル以上の弁償を考えねばならぬのじゃないかと思っておるのであります。ここに、政府は、賠償あるいは援助資金の返済、あるいは特許料の支払い、外債と、こういう外貨がどんどん日本から出ていきますが、一体、外貨の支払いについて、一貫した政策の持ち合せが大蔵大臣にあるかどうかということをお伺いしたいのであります。私は外貨の導入も一応この辺が一つの限度ではないかと考えられるのであります。
 さらに、この際、私はつけ加えておきますが、ガリオア、イロアの資金の返済について一言お尋ねしておきます。
 アンダーソン米財務長官が最近日本に参って、この返済を強く要請しておりますが、この返済資金に対して、大蔵大臣はどのような考えで臨むおつもりか、あわせて御答弁をお願いしたい。
 現在、金融事情は非常にゆるんでおりますが、金融が直接景気の上昇を造成するという段階ではないと私は思う。しかしながら、政府は現在の金融が果す経済的役割を一体どこに置いているのか、お伺いしたい。日銀は現在なお執拗に在庫調整の態勢をこわしておりません。調整を進め、さらに、企業合理化態勢強化を推し進めております。このことについて、日銀の考えと、あなたの考えはどういうようになっておるのか。九月二十九日の大蔵大臣の記者会見を見ますと、大蔵大臣は、滞貨融資を認め、在庫が適正水準にくるまで静観するということを発言しております。これは今までの、在庫調整をするという考えから一つ飛躍しておると思うのでありますが、大蔵大臣の金融政策をお伺いしたい。
 さらに、現在の金利水準は非常に低下の傾向になっておりますが、公定歩合は下げるつもりか、上げるつもりか。今の提案によりますと、公定歩合のことは過去のことを言って、これから先どうするかということを言っておらないのであります。そこでお尋ねしたいのであります。もし公定歩合を下げるということになれば、私は預金金利も下げるという一つの傾向も出てくると思いますが、そうなれば、ここに金利体系というものを一応考えなければならぬ。金利政策について、大蔵大臣の一応の構想を承わりたいのであります。
 次に、大蔵大臣並びに建設大臣、農林大臣、自治庁長官にお伺いしたいのでありますが、政府は十月十三日、本年度災害の総まとめの額を七百四十億円と発表いたしております。これに対して、政府が計上した金額は、補正予算として九十億円の少額であります。すでに予備費の支出を加えておりますから、百十億程度の復旧費でございますが、七百四十億と発表しておきながら、本年当初は期間も短かいとしましても、百十億円程度で、一体今次の災害の復旧が緒につくかどうかということが問題であります。三年計画の原形復旧が私はできないのではないかと思われる。政府、災害復旧三年計画の完成をはっきりここで言明せられる意思があるのかどうか、お伺いしたい。さらに、建設大臣、自治庁長官にも、そのことを御答弁願いたいわけであります。
 私は本年度の災害の規模は二十八年の災害の規模に負けず劣らずの大きな被害であったと思うが、当時、二十八年のときには、政府は、二十数種類の特別立法を用意いたして、その措置でもってやって参りましたが、今度の災害について、政府は特別立法をあまり用意していない、熱意がないように見受けられます。しかしながら、ただいまの提案によりますと、少くとも農地、学校の復旧のための補助率の引き上げなど、若干の特別立法を用意しておるらしいのであります。しかし、まだ法案が出ていないのでありますから、らしいでございます。これらのうち、今回の補正予算に関係するものがあるのであります。従いまして、法案が提出されないで、その高もわからぬ、その補助率もわからなければ、補正予算の審議は、この法律案ができなければ、あしたからの予算委員会は開かれないと思うのであります。(拍手)大臣はこの席上からでもいいから、災害関係の特別立法に対する、こまごました、具体的な問題について御答弁願いたいと思うのであります。
 また、災害復旧に対して地方自治団体の最も要望しておることは何か、私は自治庁長官が一番よく知っておると思う。このことについて自治庁長官に承わりたい。
 さらに、災害復旧のあとにくるものは必ず治山治水事業の完成ということであります。これに対して政府はいかなる対策を持っておるのか、お伺いしたい。日本の河川の現状は、大体三百ミリから三百五十ミリの一時的な降雨量をみれば、至るととろで今日のような災害を受けるのであります。そうして、どこの地でも三百五十ミリ以上降れば本年のような災害を繰り返すとすれば、防災のためにも本格的な治山治水の計画を推進しなければ、さいの川原の石ころ積みになると思うのであります。さきに、昭和二十八年の災害直後、治山治水五カ年計画というものをきめて、政府はこれをやっておるはずでありますが、はずでございまして、その進捗度を見れば、三年たった今日、まだ五〇%の進捗しかしていないのであります。今度の伊豆の狩野川の放水路の問題も、あれも何ら施策が行き届かないために、途中で、ついに元も子もなくなっておるのが、今の実態であると思うのであります。この際、政府は、治山治水五カ年計画に対する責任ある態度を岸総理より弁明されたいと思うのであります。(発言する者あり)治山治水五カ年計画を出していながら、やらないのですから、弁明になるわけであります。これに対して、治山治水の振興のために促進法がないのでありますが、建設大臣はこの促進法を用意をしておるかどうか承わりたいのであります。
 最後に、岸総理にお尋ねしたい。今回の補正予算の編成を見ますと、その編成ぶりの過程においては、明年度予算の編成に非常に心胆を使って、あらゆる財源を確保して、最大の努力は来年度の財源確保であったのであります。そうして、当然本年支出すべきところの不況予算、あるいは災害予算の削減等に力を入れておるということは、まことにけしからぬことである。それならば、一体、来年度予算に対して、どのように、ことしできなかった不況対策を盛り込むか、そのことを私は聞きたいのであります。政府みずからが言っているように、長い目で見た経済の健全なる発達、しかし、その長い目で見た中に、一時的に停滞がきておると政府は説明をしておるのだが、一体、その停滞を来年度はどうするのか。予算的、資金的に停滞をどうするのか。不況じゃない、一時的停滞だと言っておるが、その停滞を来年度予算でどうするのか、ことに来年度予算の構想を承わらなくてはならないのでありますが、大蔵大臣は、来年度予算に、今日の停滞を救うために、景気をひた押しするために、どういう考えを持っているのか、基本的な来年度予算の構想をお伺いしたいと思うわけでございます。
 以上をもちまして私の質問を終るものでございます。(拍手)
    〔国務大臣岸信介君登壇〕
#11
○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。
 現在の経済状態をどう見るか、不況と見ずして経済の一時的な停滞と見るという考え方は間違っておるという御議論でございます。言うまでもなく、経済が安定した基礎の上に拡大をされていかなければならぬととは、日本の人口の増加から見ましても当然でありまして、また、経済政策の究極の目的が完全雇用にあるということも、われわれ、しばしば申し上げておる通りであります。しとうして、その事柄に対しましては、すでにわれわれは長期計画を立てて、その線によって、最高の目標は、五百万人の人々に職を与えるということを目ざしておることも、御承知の通りであります。ただ、経済の問題は、途中においていろいろな変化を生ずることは、経済の実態から当然のことでありまして、その場合に処するのにどういう政策をとるかということが問題である。今不況であるか停滞であるかということは言葉の争いでございますが、結局は、この状況に対して特別の不況対策をとる必要があるかどうかという問題であろうと思う。社会党の諸君は、現在に対して有効需要を増加するような不況対策をやるべきだという御議論であることは、私も承知いたしております。しこうして、私どもは、そういう必要を認めない、また、そういうことをすることは、現在の経済状態に処する上からいって、健全な将来の発展を考える上からいって適当でないという考えの基礎の違いでございます。しかしながら、停滞の状況から生じておるところのいろいろな経済の状況に対処しましては、特殊の産業について、あるいは繊維産業についての織機の買い上げであるとか、繭糸対策であるとか、あるいは酪農業に対する問題であるとか、そういう特殊の産業に対する特殊の措置は、もちろん講じております。また、公共事業費の繰り上げ使用等によりまして、なお一そうこれに処しております。とういう方法で将来の基礎を作っていくととが最も適当であるというのが政府の考えでございます。
 治山治水の問題につきましては、私も、小松委員のお考えのごとく、年々われわれがこうした水害その他の災害をこうむっておる事情を考えますと、この治山治水の問題を強力に推進していかなければならぬという考えにつきましては全然同感であります。従って、その計画を立て、その計画に基いたことを強力に推進するにつきましては、一そう政府としても努力をしていきたいと思っております。(拍手)
    〔国務大臣佐藤榮作君登壇〕
#12
○国務大臣(佐藤榮作君) 現在の経済の見方につきましては、ただいま岸総理からお答えいたした通りであります。同時に、また、これに対して特別な対策をとれというのが社会党の皆さんの御主張でございますが、先ほど補正予算提出について御説明いたしました通り、私は、今日のこの段階において、特に不況対策として刺激を与えるような対策をとることは不適当だ、かように考えておりますのでへ遺憾ながら立場の相違でございますから御了承いただきたいと思います。
 次に、予算の金額につきましていろいろお尋ねがございました。
 まず第一は、ことしの災害はまことに被害が甚大であるので、この計上の金額では不足だというような御指摘であったと思いますが、御承知のように、すでに予備費から支出いたした金額もございます。今回の補正予算と合計いたしまして、予備費等を含んで、私どもは約百三十億円を予定いたしております。今日まで災害として報告を受けました金額は七百二十二億円でございます。この点から考えますと、今後の災害対策費等の十億円もこの中には入っておりますが、予備費並びに今回の補正予算で、災害関係として支出し得る金額は約百三十億円に上っておるのであります。
 さらにまた、この予算を税外収入でまかなったことは不適当ではないか、たな上げ資金があるのに、これをなぜ使わないかということでございますが、今日計上いたしましたこの税外収入は、すでに確定したもの等でございまして、在来の例から見まして、との種の扱い方が慣例でございます。この点では、特にたな上げ資金を使わなければならないと私どもは考えておりません。
 次に、金利についてのお尋ねがございました。また、外債発行とあわせての御意見を拝聴いたしたのでございます。金利の問題につきましては、過去において二回にわたって公定歩合を引き下げ、市中金融もこれに大体追随しておることは、御承知の通りであります。今後の公定歩合をいかに扱うべきか。これが抽象的あるいは観念的な議論といたしましては、私は、すでに国内金利は国際金利にさや寄せすべきだということを実は申しておりますが、具体的な問題として、公定歩合を上げるとか下げるとか、かような明確なお話をしたことは、いまだかつてございません。すでに御承知の通り、金利に関する問題は日本銀行の扱うところでございます。金融の中立性というものはやはり維持されるべきが望ましい、かように私は考えております。基本的な構想は、ただいま申し上げた通り、国際金利水準にさや寄せするという考え方を持っておりますが、具体的な問題については、私は発言を慎重にいたしておるのでございます。
 次に、外資の問題につきましていろいろの御意見を伺いました。私は、国内の産業を発展さす、こういう観点に立ちまして、国内外の資金を確保する。要すれば、国内資金とあわせて国外資金を確保する、これは当然なことだと思います。いたずらに借金を望むものではございません。問題は日本の経済が公債を募集し得るだけの力を持っておる。言いかえますならば、借り入れるだけの力があるということを考えますならば、外債は別に必配すべきではないと思うのであります。
 ただいま、小松君から、日本の負債としての賠償の問題であるとか、あるいは旧外債の支払いであるとか、あるいは世銀等の借り入れその他の支払いについての十分の見通しが立っておるか、こういうようなお尋ねでございました。長期にわたる経済の見通しを立てることが私どもの基本的な考え方でございますし、先ほどの提案理由の末尾にもそのことを申し上げた次第でございます。資金のあんばい、これまた長期にわたって考えなければならないと思います。
    〔議長退席、副議長着席〕
ことに、過去三十年の間、外債を一度も発行したことのないわが国といたしましては、今回の試みが、よし、わずか三千万ドルにいたしましても、新しい試みであり、今後の長期にわたる国際収支の決済の問題の一部として考えました際に、金額はわずかでありましても、その意味において意義があるものと確信をいたしておるのであります。特に、今回急いでこの種の法案を出しましたことにつきまして、いろいろ御心配もいただいておりますが、小松君御自身が御指摘でもありましたように、アメリカ経済はすでに立ち直ったともいわれております。アメリカの金利自体はすでに引き上げを見ておるのでございます。今後のアメリカ金利の動向等を考えますと、必要な資金の確保のためには一日も時期早くこの種の問題を決定すべきものだ、かように考えるのであります。(拍手)時期がおくれますならば一そう当方にとりまして不利を招く、かようにもおそれておる次第であります。
 次に、ガリオア、イロアの問題についてお尋ねがございました。今日までアメリカ政府との交渉の結果は、これが具体的には進んでおりません。ことに、小松君のお話にもありましたように、わが国は賠償交渉がまだ全部まとまっておるわけでもございません。こういうような状態のもとにおきまして、イロアあるいはガリオアの返済という問題と具体的に取り組むことは時期的にやや早い感がいたしておるのであります。今日の交渉の段階におきましても、ただいま申し上げるような点を十分アメリカ側に説明して了承を求めておるような次第であります。(拍手)
    〔国務大臣三木武夫君登壇〕
#13
○国務大臣(三木武夫君) 私に対しての御質問は、下期の経済見通しと、失業者の状態でございますが、下期の経済見通しについて、小松君も御承知のように、経済の機動力をなすものは国民の消費、財政、輸出、設備投資、在庫投資、これがやはり経済の機動力をなすものでありますが、そのうちで、季節性もあるし、財政の面においては公共事業等も相当繰り上げ実施をいたしておりますから、設備投資を除いて、今言ったような経済の機動力になる要素は、みな下期にはプラスの要素であります。ただ、設備投資が問題でありますが、在庫り投資が、下期にはこれはふえてくることは間違いがございませんから、在庫投資等ともにらみ合せて考えてみれば、これは設備投資、在庫投資を加えるならばプラスの要因である。そうなつってくると、経済の機動力の要因をなすすべてのものがプラスの要因であるとするならば、下期の経済が上昇のカーブをとることも間違いない。大きな上昇のカーブでないまでも、上期に比べて下期の日本経済というものがこれ以上悪くなっていくということは考えられないのであります。むろん、個々の産業について不況産業のようなものはございますが、全体としての国民経済の基調はこれ以上悪化するものではない、こう考えておる次第であります。
 また、失業問題については、現在六十五万程度の失業を見込んで予算の措置もいたしましたし、経済の計画も立てたのでございますが、七月は五十七万、八月は五十八万というので、当初予定したよりも完全失業者の数は多くないのであります。けれども、日本の場合は、完全失業者の数ばかりではいかないのであります。雇用の状態、雇用の条件等も日本では問題でございますから、今後経済の発展をはかって、雇用状態、雇用条件の悪化を来たさないように万全の措置をとりたいと考えております。(拍手)
    [国務大臣遠藤三郎君登壇]
#14
○国務大臣(遠藤三郎君) 私に対する御質問はこの補正予算で災害の復旧はできるかどうかということでありましたが、御承知のように、今回の災害は、公共事業におきまして大体四百七十七億円でございます。それに対して政府が負担すべき金額が大体二百二十八億円になっております。そこで、災害関係の復旧の法律の趣旨にのっとりまして、これを、直轄工事については五割をやってしまう、補助事業につきましては、三割を初年度にやり、次年度に五割やり、三年度にさらに残りをやってしまうという、そういう建前になっておりますので、その精神にのっとって計画をいたして参ったのでありますが、大体、今回の補正予算を加えまして、予備費ですでにいただいて工事を進めておるものと合せて六十三億になります。この六十三億の支出をお願いすることができれば、完全に復旧の仕事ができ上る、そういうことを確信を持っておるものでございます。(拍手)
 それから、治水事業についてのお尋ねでございました。先ほど総理大臣から答弁がございましたが、治山治水事業がきわめて重要な国策であり、内閣といたしましても重要政策としてこれを取り扱って参っておるのでございます。昭和二十八年におきまして治山治水基本計画を定めて進めて参りましたが、これが財政の事情その他から思うような進渉を見なかったこと、これは事実でございますが、今後、この問題につきましては、私どもはでき得る限りの力を尽して参りたい。ことに、私は、今後はっきりした五カ年計画を定めて、計画的に治水事業を遂行して参りたい。同時に、お尋ねの治水事業促進法につきましても今検討を進めておるのでございますが、でき得れば来たるべき通常国会に成案を得てお諮りするようにしたい、そういう考えで今進めておるところであります。御了承をいただきたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣愛知揆一君登壇〕
#15
○国務大臣(愛知揆一君) 自治庁に関する御質疑に対しましてお答えを申し上げます。
 まず第一は公共施設の災害復旧事業でございますが、この分の地方負担につきましては原則として地方債の発行を認めますから、御心配はないと思います。なおまた、増加分のワクも適当に広げることについては検討中でございます。
 次に、歳入欠陥及び災害救助の対策の経費の財源に充てるための特別債につきましては今次の災害が異常な甚大な災害であったことにかんがみまして、この点につきましては立法措置を適当と認めまして、なるべくすみやかに所要の法案を具して御審議をお願いいたしたいと存じております。
 地方団体が単独で実施いたしまする復旧事業につきましても、おおむね二年以内で完了することに万般の手配をいたしておりまするので、御懸念のようなことはないと思います。(拍手)
    〔国務大臣三浦一雄君登壇〕
#16
○国務大臣(三浦一雄君) 農業災害の復旧につきましては三年間で完了し得るか、こういうお尋ねでございます。農業災害に関しまして、その緊急なるものにつきまして、三年間でこれを完了するということは臨時措置法の建前にもなっておりまするし、かつまた、これに関連する国庫負担法の定めでもございます。従いまして、今回策定いたしました災害復旧の予算もこれに応じて編成しておりまするし、同時にまた、必要なる融資等もこれに応じて措置いたしますから、三年間をもって所要の復旧を完了し得る見込みでございます。(拍手)
#17
○副議長(椎熊三郎君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#18
○副議長(椎熊三郎君) 日程第一、新市町村建設促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員長鈴木善幸君。
    [鈴木善幸君登壇〕
#19
○鈴木善幸君 ただいま議題となりました新市町村建設促進法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審議の経過及び結果の概要を御報告申し上げます。
 昭和二十八年十月町村合併促進法施行以来満五カ年、町村合併はきわめて顕著な成果を上げることができ、今や、大勢は、町村合併の促進から、新市町村の建設に大きな転換をはかるべき段階に立ち至っております。本案は、かかる現状にかんがみ、未処理の町村合併問題についてすみやかに終止符を打つため、新市町村建設促進法の一部を改正して、残存している約五百の未合併町村の最終的な取扱い方針を決定し、各都道府県知事の合併勧告の対象となっておる市町村の実態に即して、合併問題を円滑かつ急速に解決しようとするものであります。
 その内容は、第一に、都道府県知事の勧告した町村合併に関する計画について、合併計画策定後の事情の変更等の理由により、従来の合併計画を調整する必要があるものについて、昭和三十四年三月三十一日までの間に計画の変更ができるものとすること。第二は、合併計画の変更に伴って市町村の境界変更に関する争論が発生した場合においては、昭和三十四年三月三十一日までの間は、町村合併調整委員のあっせんまたは調停の制度によってこれが解決をはかることができるものとすること。第三は、新市町村が他の市町村と合併をして、さらに新しく市町村が設置された場合、及び他の市町村の区域の全部もしくは一部を編入した場合についても、これを新市町村としての取扱いができるものとすること等であります。
 本案は、十月一日本委員会に付託され、七日黒金自治政務次官より提案理由の説明を聴取し、自来、慎重審議いたしました。その詳細は会議録に譲りますが、ただ、政府は、町村合併に伴う紛争の早期解決を期するはもちろん、さらに新市町村建設の目的を達成するため、国の総合的施策の徹底、特に財政面の助成について格段の努力をいたすべきことが強調されました。
 かくて、二十三日質疑を終了、翌二十四日討論に付し、吉田重延君は自由民主党を代表して賛成、中井徳次郎君は日本社会党を代表して反対の意見の開陳がありました。採決の結果、本案は賛成多数をもって原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#20
○副議長(椎熊三郎君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#21
○副議長(椎熊三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#22
○副議長(椎熊三郎君) 日程第二、日本国とラオスとの間の経済及び技術協力協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員長櫻内義雄君。
    〔櫻内義雄君登壇〕
#23
○櫻内義雄君 ただいま議題となりました日本国とラオスとの間の経済及び技術協力協定の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 ラオス政府は、昨年三月、サンフランシスコ平和条約に基く同国の賠償請求権を放棄する旨をわが国に通告して参り、また、同国の経済開発のためわが国の援助を得たい旨を希望して参りました。政府は、このラオスの好意に報いるため、また同国の希望に応じてその経済開発を援助するため、ラオス側と協定の締結交渉を行なって参りましたところ、このほど双方の合意が成立し、去る十月十五日、東京において、この協定の署名調印が行われました。
 この協定によりまして、わが国はラオスに対し、生産物及び役務の供与の形式で、総額十億円の無償の援助を与えることとなっております。援助の期間は原則として二年といたしております。なお、協定の実施細目については近く両国間に合意に達する見込みでありますが、生産物及び役務の供与の方式は現行の賠償実施方式に類したものとなるはずであります。また、この援助の対象となる事業につきましては両国間の合意により決定されることとなっておりますが、ラオス政府は、同国の首都ヴィエンチャンの上水道建設に援助を受けたいとの希望を表明していますので、政府は調査団を派遣し、調査の結果、その可能性につきほぼ見通しを得ておりますので、協定発効の上、この上水道建設計画が進められることと思われます。
 本件は、十月十五日外務委員会に付託されましたので、本委員会において政府の提案理由の説明を聞き、質疑に入り、審議を行いましたが、その詳細は委員会議録により御了承を願い上げます。
 かくて、本件は十月二十四日、討論を省略し、採決の結果、全会一致をもって承認すべきものと議決いたした次第であります。
 以上、報告申し上げます。(拍手)
#24
○副議長(椎熊三郎君) 採決いたします。本件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○副議長(椎熊三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告の通り承認するに決しました。
     ――――◇―――――
#26
○副議長(椎熊三郎君) 日程第三、河川法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員会理事木村守江君。
    〔木村守江君登壇]
#27
○木村守江君 ただいま議題となりました河川法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます、
 まず、本法案の提出の理由並びに内容について申し上げます。
 近時、砂利の需要が増大いたしまして、河川における砂利の乱掘により河床が低下し、それによる災害の誘発、取水の困難等が重大な問題となって参りました。一方、現行法では、砂利の乱掘その他の違反行為に対する罰則は最高二千円の罰金にとどまっておりますために、河川管理の実効が確保できなかったのでありまして、本法案の提案は、かねて各方面から要望せられておったものであります。
 本法案の主要なる点を申し上げますと、その第一は、河川の区域内において土石を採取しようとする者は都道府県知事の許可を受けなければならないものとし、知事はこれらの者から土石採取料を徴収することができることといたしたのであります。第二に、許可を受けないで土石を採取した者に対する罰則、その他河川法の規定に違反した者に対する罰則の規定を実情に即するように整備したことであります。
 本法案は、十月十四日本委員会に付託せられ、十月十四日政府の説明を聞き、十月二十二、二十四日の両日質疑を行なった後にこれを終了したのでありますが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
 十月二十四日討論に入り、自由民主党を代表して私が、日本社会党を代表して石川次夫君からそれぞれ発言がありました。いずれも、本改正案は河川管理を整備強化するものであるが、実際の運用に当って実効を上げるためには、河川管理者が現場の監督を強化し、要望に沿うようにせねばならぬとの意見を付しまして賛成の意を述べられたのであります。
 かくて、採決の結果、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
#28
○副議長(椎熊三郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
#29
○副議長(椎熊三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#30
○副議長(椎熊三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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