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1958/10/22 第30回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第030回国会 逓信委員会 第4号
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1958/10/22 第30回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第030回国会 逓信委員会 第4号

#1
第030回国会 逓信委員会 第4号
昭和三十三年十月二十二日(水曜日)
    午前十時十二分開議
 出席委員
   委員長 淺香 忠雄君
   理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君
   理事 武知 勇記君 理事 粟山  博君
   理事 片島  港君 理事 小松信太郎君
   理事 森本  靖君
      木村 武雄君    藏内 修治君
      篠田 弘作君    進藤 一馬君
      塚田十一郎君    服部 安司君
      小沢 貞孝君    大野 幸一君
      金丸 徳重君    木下  哲君
      佐々木更三君    原   茂君
      松前 重義君
 出席政府委員
        郵政政務次官  廣瀬 正雄君
        郵 政 技 官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  岩田 敏男君
 委員外の出席者
        郵政事務官
        (郵務局長)  板野  學君
        日本電信電話公
        社副総裁    横田 信夫君
        日本電信電話公
        社理事
        (業務局長)  吉澤 武雄君
        参  考  人 有光 次郎君
        参  考  人
        (日本放送連合
        会、専務理事) 高田元三郎君
        参  考  人
        (日本民間放送
        連盟理事)   深水 六郎君
        参  考  人 藤原 あき君
        参  考  人
        (日本放送協会
        副会長)    溝上 けい君
        専  門  員 吉田 弘苗君
    ―――――――――――――
十月二十日
 委員大倉三郎君辞任につき、その補欠として篠
 田弘作君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員篠田弘作君辞任につき、その補欠として大
 倉三郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十月二十日
 和井内郵便局の集配事務取扱いに関する請願(
 山本猛夫君紹介)(第七三一号)
同月二十一日
 新町村区域内通信施設の統合整備に関する請願
 (武藤武雄君紹介)(第八五〇号)
の審査を本委員会に付託された。
十月十七日
 簡易保険及び郵便年金加入者保養ホーム設置に
 関する陳情書(神戸市長原口忠次郎外一名)(
 第一八九号)
 電話架設数の増加等に関する陳情書(大阪市北
 区堂島西町近畿電話協会連合会長杉道助)(第
 一九〇号)
 電話加入権の取扱に関する陳情書(東京都北区
 上中里町一ノ一四太田財政研究所長太田政記)
 (第一九一号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 放送法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
 八号)
 郵政事業に関する件
 電気通信に関する件
     ――――◇―――――
#2
○淺香委員長 これより会議を開きます。
 本日は放送法の一部を改正する法律案について参考人より御意見を承わることといたします。本日御出席の参考人のお方々は、日本放送協会副会長溝上けい君、日本民間放送連盟理事深水六郎君、日本放送連合会専務理事高田元三郎君、それに有光次郎君、藤原あき君であります。
 この際参考人各位にごあいさつを申し上げます。本日は何かと御多用のところ本委員会のために御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。どうぞ本案について忌憚のない御意見をお述べ下さいますようお願いをいたします。
 それでは、これより参考人より御意見を承わることといたしますが、御発言の順序は溝上君、深水君、高田君、有光君、藤原君とし、まずおのおの十五分程度で御意見の御開陳を願い、それが全部終ってから委員側より参考人各位に対し質疑を行うことといたします。それでは順次御意見を承わります。
 日本放送協会副会長溝上君。
#3
○溝上参考人 本日は会長が出る予定でございましたが、病気がまだ回復いたしませんので、私からかわりまして意見を述べさせていただきます。
 今回、放送法の改正案の御審議を進められるに当りまして、当協会としての見解を申し述べさせていただく機会をお与え下さいましたことを心から感謝いたす次第でございます。
 あらためて申し上げるまでもなく、放送の各分野における進歩発達はまことに目ざましいものがございまして、ラジオ放送に加え、テレビジョン放送もすでに近い将来には全国普及が達成されようといたしております。また教育テレビジョン放送につきましても、これと並行いたしまして全国普及をはかる計画でございます。さらに超短波放送、カラー・テレビジョン放送等も近い将来においてその実現が予想されておるのでございます。このように放送は、今や新しい飛躍的な発展の段階に足を踏み入れておると申すことができると考えられます。私ども公共放送に携わる者といたしましては、この際国民の負託に十分にこたえるよう、りっぱな放送を行いますとともに、わが国の放送事業の基幹的な立場を考えまして、ますますその責務の重大さを痛感いたしておる次第でございます。
 このような観点から本改正案を拝見いたしますと、放送番組の内容の質的向上のために放送事業者が技術的に番組の改善を行い得るような措置がとられております点、また協会の公共的な使命が一そう明確にされまして、わが国の放送事業の上に占める指導的な役割が明らかにされました点、及び協会の使命達成の円滑化のために経営管理面、財政面についても必要な措置がとられておりますこと等、その基本的な考え方におきましては、前回の改正案とほぼ異なるところはないものと考えております。また今回の改正案においてさきの案と違った点を見ましても、おおむねこのような考え方を一そう敷衍したものと申すことができると存じます。その一つといたしまして、放送番組審議会関係の規定が一そう整備され、国内放送では、中央放送番組審議会にあわせて、地方放送番組審議会をも設けるべきことが定められております。また国際放送に関しましては、国際放送番組審議会の設置にあわせて、国際放送番組基準を制定すべきことが定められております。このような規定の整備がはかられましたことは、協会の放送の実情に即したものであり、放送番組の一そうの質的向上の面からも効果があるものと考えております。そのほか放送内容についての事後措置につきましても、その目的が明確にされておりまして、保存期間も明定されておりますとともに、報告徴収の規定につきましても、政令においてその内容を具体的に限定されることとされております。このように本改正案は、前案同様、またそれ以上に放送事業の特殊性について十分の考慮が払われております点から、全体として適当な改正案であると考えておるのでございます。
 なお、さきの改正案及び本改正案を通じまして、会長を経営委員会の構成員からはずすこととなっております。この趣旨は、意思決定機関と執行機関の責任と使命とを明確にするためのものと考えるのでございますが、要するに、協会の運営に当りまして実際に必要なことは、業者の意思が十分に疎通し、相待って協会の使命達成に十全を期して参ることにあろうかと考えます。この点については、第二十三条第三項といたしまして、会長が経営委員会に出席して意思を述べることができるという規定が設けられてございます。私どもといたしましては、この項は会長に経営委員会に出席する固有の権限を与えた規定と解釈すべきものと考えておりますので、この規定の活用によりまして、協会の使命達成の円滑化を期して参りたいと考えておる次第でございます。
 このほか、本改正案につきまして私どもがこの際お願いいたしたいと考えております二、三の点について申し述べさしていただきたいと存じます。
 その一つは、放送内容についての事後措置の問題でございます。本改正案におきまして、事後措置をいたします資料の種類、保存の方法等につきましては政令によって定められることになっております。しかし放送は記録性のない電波を利用して行う事業でございますので、資料保存の範囲あるいは保存方法のいかんによりましては、放送事業者に過重の負担をかけるおそれの生ずることも心配され、あるいはまた業務運営の円滑化をそこなう場合の起り得ることも危惧されるのでございます。よってこの政令を制定されるに際しましては、以上のような事業運営上の支障を来たさないように十分考慮されますよう、この機会にお願いするものでございます。
 次に、報告徴収に関する規定につきましては、今回の改正案においてはその具体的な内容についてはこれを政令で定めることとされておりますが、これもまた実際に政令を制定されるに当りまして、報告を徴収する具体的事項を必要最小限度に限定され、かりにも放送番組編集の自由に影響するようなことのないよう、またその運用に当りましても、十分この点を御留意下さいまして、政令の内容を慎重にきめていただきたいと切望するものでございます。
 また本改正案においては、さきの改正案に規定されておりました一般放送事業者が放送の受信の対価を受けることを禁ずる旨の規定が削除されております。この点については、私どもといたしましては、現行放送法の建前が、日本放送協会は受信料収入、一般放送事業者は広告収入によって事業を運営して参ることにあると考えておりますので、むしろこのような建前を放送法の上に一そう明確に表わすことが適当と考えておるのでございますが、今回の改正案においてこれに触れでいないのは、協会の放送と一般放送に対する基本的な考え方は現行法で十分であるという趣旨によられたものと考えておるのでございます。
 なお、協会の業務は年々膨張を続けて参り、業務の内容も多岐にわたるとともに他面、外部との協力的な仕事の仕方もしばしば必要となっておりますので、かねて業務範囲の拡充にあわせまして、関連事業に対して出資し得るよう希望して参ったのでありますが、これは協会の性格上むずかしい点もあるように伺っておりますが、しかし、これについてはなお一段の御研究を願えれば大へんありがたいと存じております。
 以上、私どもの考えておりますところを申し述べさせていただきましたが、本改正案はその基本的な考え方におきまして、私どもとして賛成し得るところでありますし、また本案の成立により、わが国の放送事業全体の進歩発達に稗益するところも少くないものがあろうと存じます。すでに放送法は国民の生活に一日も欠くことのできないものとなり、また文化の媒体としての社会的役割もますます大きくなっております現在、少しでも早く本案が成立しまして、これによってわが国の放送に新しい発展の基礎ができることを心から願うものでございます。
#4
○淺香委員長 参考全深水六郎君。
#5
○深水参考人 本日は今度の放送法の改正につきまして、衆議院の委員の方方から、私たちが考えておりますことを聞いていただく機会を与えていただきましたことを厚くお礼を申し上げます。民間放送連盟といたしましても、今までいろいろな御意見を申し上げておったのでございますが、この際本法案に対してと同時に、若干考えておりますことをつけ加えて、皆様方の御参考にしていただけば、なお幸いと存ずる次第でございます。
 ただいまの放送法は、終戦直後、当時まだ民間放送というものが成り立ち得るかどうかというような非常に懸念があった時代にできたのでございまして、またこの放送の発達ということにつきましても、私たち当時予期しないような事態がきておるのでございます。当時の放送法でも御承知のように、この法律ができて、五年以内にその改正または存続、廃止といいますか、そういうことについて内閣総理大臣は意見を聞いてこれを処理しなければならないというような意味のことを実はつけ加えてあった条文があったと記憶をいたしております。それはあとで成立しました放送法には削除されておりますけれども、原案にはそういうのがあったということを私は記憶しておるのでございます。それもおそらくこの民間放送が発達し、また放送全体が非常な発達をするという予見のもとに、そういう場合には根本的な改正をするかどうかということが一応考えられておったのではないかというふうに考えるのでございますけれども、そういう意味からいたしましても、私たちは現在の放送全体がここまで発達して参りました現段階におきましては、すでに根本的な改正を考えていかなければならないのではないかということを常々考えて、御意見も申し上げておるような次第でございます。その根本的な問題とは何かと申しますと、私はNHKの性格と任務をはっきりこの際うたっていただきたいということでございます。どういうふうにうたうかという問題はいろいろございましょうが、とにかくその性格と任務というのをはっきりした上で、民間放送との調和というのがほんとうになって、国民のすべての方方に調和のとれたいい放送を聞いていただく、あるいはいい放送を見ていただくことができるのではないかということを考えておるのでございます。
 次に第二点は、この聴取料の問題でございます。いわゆる受信料の問題でございますが、この問題も、現在民間放送ができて、NHKと相待って、聴取者が非常にふえて参っておる。民間放送はNHKの開拓した分野にのっとりはいたしましたけれども、しかし民間放送ができたために、非常にこの放送の受信者、聴取者、聴視者というものがふえて参ったという事実もまた見のがすべからざることでございますので、この際この受信料の問題をどういうふうに解決するか。私たちの考えといたしましては、これを税にするか、税的性格を帯びたものにするかということについては、まだはっきりした結論は得ておりませんけれども、大体そういうような考えで、受信料の一部は放送全体の発達のために使うべきではないかというような考え方も持っておるわけでございまして、そういう方法にのっとって根本的な改正をしていただきたいということが第二点であります。
 それから、放送をよくするいい番組を国民の皆さん方に提供するということは、われわれ民間放送の立場からいたしますと、これは経営の安定という基盤にのっとらなければ、決していい番組はできない。少くとも私個人の考えを申しますならば、経営が非常に安定して参ったということならば、いろいろな問題は別といたしましても、少くともサス番組その他におきましても、われわれローカル放送局といたしましては、地方文化のほんとうにいい意味の発達のためになるサス番組も作って参ることができるというような考えを持っておるわけでありまして、経営の合理化、安定化ということをしていただきたい。それには現在の置局計画及び免許ということについての、ほんとうに正しいあり方としての基本計画を作っていただきたいということが第三点でございます。
 いろいろこまかい点はございますが、放送の根本的改正として私たちがし常々申し上げておりますのは、ただいま申し上げましたようなNHKの性格及び任務を明らかにしていただきたいということと、現行の受信料問題について再検討をしていただいて、その一部を放送全体の向上発展のために使用する道を作っていただきたいということと、そうして置局の基本的計画というのを作っていただきまして、いろいろな問題のために、一般にいわれておりますところの乱設置というのがないようにしていただきたい、そうして経営の合理化をして、経営の安定ということを来たさして、その上でいい番組を奉仕させていただきたいというのが、私たちの考えている根本的問題でございます。
 今度の一部改正の問題につきまして若干の意見を申しますならば、たとえば第五条でございますが、これは削除してございます。そうしますと、国際放送はもっぱら日本放送協会でやるということに結論づけられるわけでございますが、これは国際放送は今後民間放送には認めないという原則が確立されるのではないかと思うのございます。将来民間放送による国際放送の必要がないということは必ずしも断言できないと思いますので、こういう重要な問題は少くともしばらくは留保していただいて、慎重に検討していただきたいということを申し上げたいと思うのでございます。
 それから、さっき申し上げましたのに関連しまして、第九条の放送協会の業務というのも一応見送っていただきたい。と申しますのは、第七条の協会の目的の改正が一番先決問題でありますにかかわらず、これには現在何も触れておられません。第七条を根本的に改正せずして、業務の面だけを改正されるということは、いささか不合理ではないかと思うのでございまして、法全体の根本的改正の時期に、第七条の改正とともに、この第九条の改正はされていいのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 それから第四十四条でございますが、これも一応見送っていただいてはどうかと思うのでございます。第七条及び第九条の根本的な改正を待ってということをただいま申し上げましたが、これがなければ合理的な改正はあり得ないと思うのでございまして、もしもどうしてもこれをしなければならぬというならば、これはNHKだけに適用されて、民間放送への準用については、その範囲を現行通り四十四条の三項の内容だけに限定するようにしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
 それと第五十一条の二の、民間放送に放送番組審議機関を設置するという規定でございますが、これはいい番組を作れということの趣旨でございましょうし、その趣旨そのものとしては私は賛成でございますけれども、しかし放送番組審議会というものは、私たち現在各社の自主的の設置にまかせております。設置しておるところもあるし、まだ設置していないところもございますが、おおむね設置の方向に向っておるのでございます。ただ各社で持っていないところもありますけれども、民間放送連盟では一流の各界の名士の方々、権威ある方々を構成委員として、たとえば委員長に前田多門さん、副委員長には渋沢秀雄さんというような方をお願いいたしまして、民間放送の全放送番組について公平な審議を行なっておるのでございまして、本条が目的としておりますことは、この審議会によっても私は十分に上げ得ると信じておるのでございまして、これを法制化までする必要はないのではないかというふうに考えておるのでございます。だから、もしどうしてもこれを設けなければならぬということになりますならば、五十一条の二の「一般放送事業者」の次に「又はその団体」ということを加えていただきまして、一般の放送事業者の団体でありますすなわち民間放送連盟が審議会を設置するならば、各社は必ずしも設置しなくてもよろしいというふうに改めていただければ、一番現状に沿い、また放送の自主性ということからも、私は一番いい方法ではないかと考えておるのでございます。
 また報告義務でございますが、これも私はNHKと同様な報告義務を課されるということはどうかと思っておるわけでございます。NHKと違いまして、何らの財政的な保障も助成策も講じられていない民間放送に対しまして、NHKと全く同等な報告義務を課されるということは不均衡であり、かつ不適当であると思うのであります。この際この規定を新たに設けなくても、現在までも民間放送は当局に対しまして必要な資料や報告書は提出しておる次第でございまして、これも根本的な改正をやられる機会に慎重に検討されていいのではないかというふうに考えておるのでございます。
 それから四十四条の七の放送内容についての事後措置の問題でございますが、これはおそらく趣旨そのものは、事後措置をされることで非常にいいことでありますけれども、しかし実際問題といたしまして、これは非常にむずかしい問題ではないかと思うのでございます。たとえば本条の中に「放送番組の内容」ということがございますが、その内容とは何をさすのかということは非常に問題であると思うのでございます。あるいは録音テープあるいは録像フィルムを含んでおるのかどうか、あるいは放送日誌でいいのかどうか等の点が非常に不明確であると思うのでございますが、もしこれが録音テープや録像フィルムを含むといたしますならば、本来電波は放送すればすぐに消えてしまうという性質のものでありますから、これが保存を義務づけられていることは、非常に不合理であるばかりでなく、経済的にも技術的にもきわめて困難な措置でございます。ことに録像フィルムの場合は、たとい一日分といえども、私たちといたしましては、とうてい実行が不可能ではないか、かように考えておるのでございます。本条の目的に必要でありますことは、そういうことについての資料、たとえば脚本とか放送原稿、放送日誌等によりまして各社が保存しておる。そういうのは各社が現在保存しておる実情でございますので、私は本条は撤回されまして、各社の良識的な措置にまかせられてしかるべきではないかと思うのでございます。今までもいろいろ調べましたけれども、単なるコマーシャルの問題だとかその他はございますが、今まで人権の侵害というような重要な問題は一件もなかったということを確信しておるのでございます。
 それから第五十二条の三に「一般放送事業者は、特定の者からのみ放送番組の供給を受けることとなる条項を含む放送番組の供給に関する協定を締結してはならない。」という条文がございますが、これは一応政府当局にもお尋ねしてみたいと思う点があるのでございますけれども、たとえば「特定の者」というのは、特定の一社という意味であるのかどうか、あるいは二社ないし三社、すなわち複数の特定でもいけないのかどうか、あるいはその「供給を受けることとなる条項」というのは、いつでも地の社からとれるということであれば、結果的には一社になってもそれは差しつかえないのかどうかといういろいろな問題がございますし、また民間放送では経営上の非常に重要な問題もそれにからまって参りますし、またネット・ワークの問題もございます。あるいはマイクロウェーブの技術的な問題ということがどうなるか、こういう点については、はっきりした見通しがややつきかけておる状態でございますので、これは一部改正でありましても、根本的改正のときに考えられてもいいのではないかと思います。そういうように五十二条の三の条項は、私たちまだはっきりしたそういう点の見通しということについて、ただいま今ごろからテレビなんかもできるところもございますし、いろいろな重要な問題も含むと思いますし、ただいま申し上げましたような「特定の者」という意味がどうであるか、あるいはその条項がどうかということもございますので、これも根本的改正のときに譲っていただくということがいいのではないかというふうに考えておる次第でございます。
 これを要約して申しますならば、現在のこの一部改正につきましては、私は必ずしも積極的な賛成をいたしませんけれども、少くともNHKの項だけにつきましては賛成でございます。ただ民間放送の関係につきましては、ただいま申し上げましたように、根本的改正の際に譲っていただくようにして、今後慎重に検討していただく方がよろしいのではないかというような結論を持っておる次第でございます。
#6
○淺香委員長 参考人高田元三郎君。
#7
○高田参考人 私は本年四月、第二十八回国会におきまして放送法の一部を改正する法律案が審議されましたとき、本委員会で参考人として意見を述べましたが、改正の趣旨にあえて反対するものでないということを端的、率直に申し上げました。今回の改正案は当時の案と骨子を同じくし、基本的には同一のものと考えますので、当時申し上げました私の意見は、大体におきまして、そのまま今回の改正案に対しましても相通ずるものであります。ただしかし、今回の改正案についても趣旨は賛成であるが、内容については無条件賛成ではないのでありまして、十分御審議を願いたい点がありますので、前回申し上げました要旨をあらためて申し上げると同時に、これらの点について率直な意見を申し上げたいと存ずるのであります。
 私は前回、放送事業に対する法の規制はやむを得ないが、その規制は最小限の必要に限らなければならぬということを申し上げました。私は長年言論報道の仕事に従事しておりました関係上、言論、表現の自由というものを規制するおそれのある法規、法令に対しましては、極力反対するものであります。たとい穏健なものでありましても、言論の自由を規制するおそれのある法律はない方が望ましいことは申し上げるまでもございません。しかし放送事業のマスコミの媒体としての役割がいよいよ重要性を加え、国民に訴える力が痛切でありまして、国民生活に与える影響が大きいことを考え、また放送の公共性、特に電波という公共のものを委託を受けて、あるいは免許を受けて使用する事業であるということを考えますと、必要妥当な最小限の規制を受けるということは、これはやむを得ないものであると考えるのであります。しかしその場合にも、この規制は言論、表現の自由を侵すものであってはなりません。また放送事業者の自由な事業活動を阻害するものであってはならぬと思うのであります。今回の改正案に盛られた規制は、必ずしも必要妥当とは言えぬものもありますが、全般的に見、また提案者の説明を聞きましても、言論の自由を侵すことのないような配慮と、できるだけ法的規制を少くして、放送事業者の責任において自主的に規制を行わしめ、もって公共の福祉をそこなわぬようにするという意図、精神がよくくみ取れると思うのであります。
 さらにまた、現行放送法施行後すでに八年を経過して、放送事業は商業放送の発達、テレビジョンの普及等、全く新しい時代を迎えたといっていい状態になっております。この新事態に適応する改正は当然必要だと存じます。こういう見地から、私は原則的には改正案に賛意を表するものであります。しかし内容をしさいに検討いたしますと、二、三の点でさらに慎重な考慮を要する点があると思うのであります。
 第一に、今回の改正案を見ますと、現行法の一部改正であるので、これはやむを得ないかもしれませんが、NHKと商業放送が二本立として存在するという新事態に適応する改正案としては十分でないということが明らかであります。すなわち、これは暫定的の改正措置でありまして、将来さらに根本的の改正が伴わなくてはならぬと思うのであります。さればこそ、当局におかれましても、さきに審議未了となった改正案に記載された規制の一部を削除あるいは緩和の措置をとられたものと存じまするが、なるべく早い機会に十分各方面の意見も取り入れて、NHKと民間放送がおのおのの特性を生かして二本立としての真面目を十分発揮し、しかも両々相待ち、相協力して、放送文化の向上に貢献できるように放送法の根本的改正をはかるとともに、今回の改正は当面の必要にとどめることを一そう明確にした方がいいと考えるのであります。
 第二に、番組審議会の設置を規定しました第四十四条の各項並びにこれを一般放送事業者に準用した第五十一条の二の規定は、それ自体としては、差しつかえのないものでございまするが、なるべく自主的の規制にゆだねるという精神から、地方審議会などをどの程度設ける必要があるか、NHKの地方審議会、これは政令の定める地域ということになっておりまするが、中央審議会でかなりその役割を果すのでありますから、なるべく地方審議会というようなものをこまかに地方にまで及ぼすというようなことは、避ける方がいいのではないかというふうに存ずるのであります。一般放送事業者の地方各社が一様にこれを設置すべきかいなか、これらは地方の実情に即して慎重に検討する必要があると思うのであります。
 第二は業務の報告を求める第四十九条の二並びにこれを一般放送事業者に準用した第五十三条には、今回の改正で「政令の定めるところにより、」こういう限定がつけ加えられております。これは政府による必要以上の干渉、あるいは言論の抑圧等の危惧をなくすための配慮によったものと思いまするが、いかなる政令ができるか、その点はまだ不安がないとは言えません。最小限度の必要にとどめ、無用の干渉、圧迫というようなものが起らぬように十分の御配慮を願いたいと思うのであります。
 第四は、放送の内容についての事後措置を規定した第四十四条の七、並びにこれを一般放送事業者に準用した第五十三条、これは今回の改正案では前回よりも一そう限定されまして、「放送後一箇月以内に限り」という期限がつけられて、その点前回のものよりも確かに改善されております。しかし放送番組の内容について、こういうことはいかなるものをさすのか、もう少しこれを具体的にする必要があると思うのであります。たとえば先ほど深水参考人が申されました通り、テレビの録像フィルムというものまでこれに含むといたしまするならば、これはとうてい実行不可能なものとなりはしないかと考えるのであります。この点などもさらに検討を加える必要があると思うのであります。
 これらの点につきまして各位の十分なる慎重審議をお願いいたしまして、改正の趣旨、精神がこれによって一そう明確に発揮されますよう私の希望を申し上げまして、私の意見を終らしていただきます。
#8
○淺香委員長 参考人有光次郎君。
#9
○有光参考人 この放送法ができました当時と今日では、だいぶ事情が変って参りまして、放送法ができました当時は、ラジオについて申しますと、日本放送協会だけでございまして、民間放送はまだない。当時NHK関係で百局ほどでありましたものが、現在は二百局になり、また民間放送が九十局、総体で申しまして、約三倍になっております。また、テレビで申しますと、放送法が制定されました当時は、まだスタートいたしてなかったのでございますが、現在では、NHK、民間合せて五十局、来年の春には予備免許されておりますものが三十三局、合計八十三局になるように伺っております。ラジオもそうでございますが、特にテレビにつきましては、いわゆる一億総白痴化の元凶であるかのごとく騒がれる面もございまして、視聴覚教育が今非常に各方面でその必要が叫ばれておりますときに、テレビのあり方というものは、非常な注意を要する問題であると思うのでございます。聞きますところによりますと、英国のBBCあるいはオーストラリアにおきましては、テレビが行われるようになりましたために、放送関係の法規や制度が改正をされたということを聞いておりますが、こういうような事情の変化に即応しまして、放送法の改正を企図されたということは、この面から考えまして、やはり適当な時期ではないかと思うのでございますが、放送の特殊性にかんがみまして、その目的なり番組編成の自由ということは、放送法の第一条及び第三条にそれぞれ明定されておるのでございますが、その趣旨を、こういう事情の変化に伴いまして、一そう適正に、はっきりするということは、必要なことでないかと思うのでございます。
 そういう見地から、今度の改正案を拝見いたしますと、この根本の原則に、表現の自由を確保しながら、しかも放送の内容を充実し、向上していくというような方法をどうしてとるかということにつきまして、第一に考えられたことは、放送法上の準則を整備しておられる点だと思うのでございます。それは放送協会についての事柄と、民間放送両方についての事柄と、この両面にわたって記載されているようでございますが、まず放送協会についての法律上の準則を整備された点は、大体放送協会に対して一般の国民が期待しておりますところ、あるいはまたある程度現在において放送協会がやっておりますことを法文化したということが言えるのじゃないかと思うのでございます。それから、両者に共通しまして法律上の準則を整備したという点につきましては、「善良な風俗」ということが今度加わっております。「公安」ということが規定されて、「善良な風俗」ということが規定されてなかったということは、制定当時の事情からいたしましてやむを得なかったかと存じますが、今日となりましては、この「善良なる風俗」という字句を挿入することは、適当なことでないかと思うのでございます。それから、今回の改正案によりまして、教育放送、教養放送、あるいは報道、娯楽というようなことがはっきりいたしまして、その番組の相互の間に調和をとっていくということが、法律の上に出てくるわけでございますが、これはいわゆる娯楽のオーバーにつきまして、世上いろいろ説もあることでございますので、こういうような規定が加わることは一般の大衆も異論のないところではないかと思うのでございます。ただ、こういうような準則を整備しましても、その準則をいかにして、その実効を確保するかという方法が適正でなければならないのでございますが、その方法は先ほど申しました第一条、第三条の原則に抵触するものであってはならないのでございまして、あくまでも自主的な、自律的な方法によってその効果を期待するということが大切ではないかと思うのでございます。その点につきましてこの改正案を拝見しますと、審議会を設けてその運用に期待するという面と、それから番組基準を編成してそれを公表しまして、一般にその番組基準のあり方について社会の反響を聞くというようなことになっておるわけでありまして、従来の審議会というものは日本放送協会等にもございますが、その審議会の責任なりあり方の大綱が今度の改正案できめられておるのであります。またこういうことになりますと、審議会の運営の実体がその協会のための審議会であるだけではなく、その審議会はいわば受信者の代表の立場でその職務に従事するというような意味合いがはっきり出てくるわけでありまして、その番組審議会の人選のよろしきを得なければならないことは当然でありますとともに、その番組審議会の委員の積極的な協力ということが十分期待されませんと、この法律のねらっておるところは十分実効を上げることができないと思うのでございます。この第一条、第三条の制約のもとにこの法律の規定の実効を上げます方法としては、一応この審議会の規定によってその効果を期待するということがまずまず適当なところではなかろうかと考えておる次第でございます。
 なお教育放送につきまして、前回の改正案と違いまして、この企業体の立場を考慮しながらもまた教育の立場に悪影響のないような配慮をしました規定、「学校教育の妨げになると認められる広告を含めてはならない。」ということもございますが、具体的な運営につきましては、これらもおそらくその審議会の議を経て、それが番組基準によってきめられていくことと思いますが、こういうような事柄はやはりケース・バイ・ケースで、いろいろな経験を経まして、だんだんと適正な扱い方がきまっていくというような方法が至当であって、具体的にこまかい立法をしないで、この程度の立法にとどめておられることはしかるべきところではないかと考える次第であります。
#10
○淺香委員長 参考人藤原あき君。
#11
○藤原参考人 私、このようなかたいお席でお話し申し上げるのは初めてでございますし、また放送法というものを拝見いたしましたのは今回が初めてでございますから、御審議の御参考になるようなことを申し上げることができようとは思われませんけれども、どうぞその点は初めに御了解いただきたいと思います。法律のこまかいこともよくよくわかりませんし、ただ放送や何かに出演いたしておりますことと、それから家庭婦人、また母親としての立場として見たり聞いたりいたしましたことを申し上げてみたいと思うわけであります。
 このごろでは、テレビも日本じゅうどこにおりましても見られるようになりまして、ラジオと同じようにどこの実庭でも、テレビのない御家庭というのは水道やガスのない家庭がないのと同じくらいに、ほんとに普及して参っております。それでまたそれを見ております方たちも、家族がみんなで見ておりまして、特定の方が見ていらっしゃるのじゃございません。またテレビのございますところが家庭の中のお茶の間のようなところにございまして、そこで御家族がみんな御一緒に見ていらっしゃいますから、新聞や雑誌などよりもっとしみ通る力も強いと思いますし、そういうテレビでございますから、番組の内容のこともずいぶんいろいろ問題に取り上げられておるようでございます。これは日本ばかりではなく、アメリカなんかでも子供さんに対する影響のことなどからずいぶん問題にもなっておるそうでございます。私なんかがときどきテレビに出ておりまして拝見しておりましても、放送を見ておりましても、どの番組でも、それをお作りになった番組担当の方の御苦心はその番組にかかわっておりました経験が私ございますので、大へんにその御苦心がよくわかりまして、みんなりっぱな番組だと思って感心する点ばかり目につくのでございますけれども、御家庭でそれをごらんになっているお子様方にはずいぶん影響も多くなりますし、おもしろいものでございますから、勉強がおくれたり、本をお読みにならなくなって、テレビの方に熱中してしまうということもずいぶんよく聞くことでございます。母親といたしましてはそういう子供さんたちにそうブレーキもかけられませんし、また確かにおもしろいのでございますし、同じものでも本を読みますよりも、耳に聞いたり目で見ましたりする方がよく入りますから、いい番組にしていただきたいという願いは非常に強いのでございます。それはもちろん放送をなさっている方たちも十分御注意になっていることと存じますけれども、やはり人間のすることでございますから、企画のときにいろいろの方のお知恵が集まった方がいいのだろうと思います。ただ一人、二人の母親の考えよりも、大ぜいの母親の考えが集まった方がいいように、おえら方でもお一人、お二人の御意見よりも、たくさんの御意見の方がいいのだろうと思います。このたびの放送法の改正案を拝見いたしますと、その番組をよくするために放送番組の基準をお作りになって、これに従って放送をなさるということになっておりますけれども、映画にも映倫とか申しますのがございまして、映倫規程を作って自主的に内容をいいものにしているのがあるそうでございます。それと同じように、番組基準というものができて、放送事業者が自分で番組基準をお作りになっていくことになりますのは大へんいいことだろうと思っております。放送に携わる方々が御自分で番組をよくしていこうということが一番いいことだと思いますので、こういう基準が設けられるのは大へんいいことだと存じます。またその上に学識経験のある方々で放送番組審議会をお作りになるのだと伺っております。放送番組の内容がりっぱな方々に審議されることになりますとさっき申し上げましたような母親たちの心配も非常に少くなるのだろうと思いまして、これも大へんけっこうだと思います。ただその上にお願いしたいことは、ちょつと欲ばっておりますかとも思いますけれども、放送の番組がよくなることはけっこうでございますけれども、その審議会だとか、いろいろなさいます見張り役が大へんにきびしくなりまして、度が過ぎまして、何か戦争中やなにかにございましたように非常にワクが狭くなりますと、楽しい放送ができなくなるのじゃないかと思います。これはもう当事者の方が非常に苦心して楽しい放送をお作りになっておるのでございますから、あまりワクを狭くして窮屈にしていただかないように、家庭でみなが楽しく楽しめる放送ができますように、放送をする人自身の働ける場を少し広くとっておいていただきたいと思います。放送番組基準、番組審議会ができることはけっこうでありますが、その上おもしろい、伸びやかな放送をはばまれるようなことがないようにしていただければ一番いいのではないかと存じます。
 何か大へんまとまりのないようなことでございますけれども、家庭におります母親として、そういう点だけをお願いいたしまして、あとのことはわかりませんから、どうぞよろしくお願いいたします。
#12
○淺香委員長 これにて御意見の開陳を終ります。
 次に委員諸君より参考人に対して質疑を行いますが、時間の都合上委員の質疑は一人十分程度にお願いをいたします。なお有光参考人及び藤原参考人は正午までに帰らなければならぬ御用がおありの模様でありますので、有光参考人及び藤原参考人に対する質疑は先にしていただきます。
 それでは、これより質疑に入ります。発言の通告がありますので、順次これを許します。
 上林山君。
#13
○上林山委員 まず有光参考人にお伺いしておきたいのでございますが、あなたは教育映画あるいは青少年の映画に御関係があるようでございますので、特に教育放送あるいは教養放送などについて一言承わっておきたいと思います。
 あなたのお立場からごらんになって、ただいま放送なりあるいはテレビなりに出ている放送やその他のことは、あの程度で質からいっていいとごらんになっておるか、もう少し質の向上をしたらなあというようなことをお考えになっておられるかどうか、これが一点。
 第二点は、ただいまの改正案でも各番組の調和をはかるようにいたしておりますが、教育放送あるいは教養放送の割合と申しましょうか、そうしたようなものはどの程度くらいがまあまあ適当であるか。これは民間放送からいえば経営の問題もございますし、あるいはNHKの立場からいっても他の一般の公共放送との割合も公平に考えなければならぬ点がありますので、なかなかむずかしい問題だと思いますが、あまり深くお考えにならないで、率直にお聞かせ願えれば幸いだと思います。
#14
○有光参考人 現在のラジオで申しますと、NHKにつきましては第一放送と第二放送と両方があるわけでございますが、それぞれその特色を発揮するように番組の編成が行われておるのでございます。第二放送では学校向けの放送、社会教育の面の放送等も第一放送よりもっと取り入れてやっておるわけでございますが、ほんとうの教育放送と申しますと、ある計画を持ちまして系統的に一定の対象に放送する場合につきましてもはっきりした効果が上げられると思うのでありますが、そういたしますと、時間のとり方が非常に無理にもなりますし、また工場労働者に聞かせたい、あるいは農村の人たちに聞かせたい、商業の従事者に聞かせたいというようないろんな願いを持って考えますと、それぞれの人に一番いい時間というものが出てくるわけでありますが、それを一つの番組にどう盛り込みますか、そこに非常な苦心があるわけでございまして、私も番組編成審議会の委員をいたしておりまして、そういう協会内部の方たちの苦心を伺っておる者としましては、現状においてはまず一生懸命やっておられると思うのであります。しかしこれをどうして一歩前進させるかということになりますと、どうしても第三波がほしくなる。あるいはテレビで申しますと、教育テレビというものができますと、そこらで非常な進歩発達が期待できるのじゃなかろうか。ことに地域差等によって教育の不均衡がありますようなことも大いに是正される。教育の機会均等も、ラジオ、テレビが、ことに教育テレビ、教育ラジオというようなものが普及しますれば、そのやり方によっては非常にその効果は期待できるのじゃないか、というように思うのであります。
 それから、早ければこの年末からスタートするだろうと思われますNHKの教育放送について、時間をどういうように考えておるかと申しますと、教育の時間を八五%、それから報道関係が一〇%、それから教養が五%ですか、大体そういう計画で時間割当を編成しておりますが、まず当初の試みとしましては一応うなずけるところではないかと思います。
#15
○上林山委員 時間がございませんので簡単にお尋ねいたします。第三波ないし教育テレビというものができた場合はある程度需要を満たし得るけれども、現在のところではこれを十分に満たすことはできないでおる、できない中にもみな自発的にそれぞれ調整をとってうまくやっておるように見える、こうおっしゃるのでございます。大体そうだろうと私も思いますけれども、もう少し質の向上の問題と申しましょうか、こうした問題については率直な意見が伺えなかったので残念に思うのでございます。私どもから見ますと、相当にNHKも民間放送も努力をされておりますけれども、まだまだ質の向上というところに至っていない。俗に一般の人々は総白痴化運動をやっているのじゃないかとすら評する向きもあるわけなのです。これは双方の意見をよく調和をはかって、お互い考えなければなりませんでしょうけれども、もう少し、今のままでいいかということが一点。
 それから国内放送の番組の一般の向上の問題、あるいはその適性の問題、これについてはこの改正の程度で十分だという人もおるし、まだ微温的だという人もいるし、中には行き過ぎじゃないかという人もおられるのです。そこで、私どもの意見を述べるのは別として、参考人の御意見としてこの程度の改正でまあまあいいという程度のようにも承わったのですが、その辺のところを一つ簡明率直に、だれにもこだわらぬで聞かしていただきたいと思います。
#16
○有光参考人 それは今度の改正法に現われております協会に対する準則が従来の準則よりも少し具体的になってきておることによって、一般の国民のそういう点に対する不満を解消することになるのではなかろうかと思うのであります。しかしそういう規定ができただけではまだほんとうの効果が期待できませんので、結局それは番組編成審議会が大いにその役割を果さなければならぬと思うのでございますが、この内容につきまして一、二具体的の例を申し上げてみたいと思います。芸能番組につきまして、近ごろ流行の歌謡曲がよく行われますが、そういうものは必ずしも生活の潤いになっていない。ただレコードがよく売れておるからという理由だけで歌手を出演させるということではいけないのではなかろうか、低いセンチメンタルな虚無的な歌謡曲を反復放送するというようなことがあってはいけないのじゃないかというような話がやはり番組審議会で出ております。それに対しましてNHKにおきましては「日本の芸能」という時間がございますが、その芸能番組等におきましては斯界の一流の人にできるだけ出てもらうことにしようということで、番組編成審議会で問題になりました事項がそういう工合に審議されております。それからまた科学の放送をやるわけでありますが、これはやはり科学番組を一そうわかりやすいようにしたらいいだろうというような意見が出ました。それに対しては模型とかグラフなんかを使いまして、視覚に訴える手段をもっと利用し、それから言葉を平易化するようにはかるというようなことで、当局の方でもそういう工夫をさらにしてもらうようにいたしておるわけでございます。また農業用語が、耳で聞きまして非常にむずかしい言葉が多いのでございます。これがよく問題になりますので、農業用語の辞典をNHK関係の研究所で作る作成をして、むずかしい言葉を言いかえるような工夫もしてみたらどうか、今後耳で聞いただけでわかるような言葉にしていく工夫をしたらどうかというようなことが提案されて検討されておるのが、二、三の御参考になる例かと思います。
#17
○淺香委員長 有光、藤原両参考人は正午までに帰らねばならぬ用事があるとの申し出があります。両参考人に対する質疑の通告者があと四人ありますので、どうぞそのつもりで簡略に願います。
#18
○上林山委員 時間がないそうですから一言だけ藤原参考人に伺いますが、テレビを見ているとおもしろいので子供がテレビの前から離れない、これはもっともなことだと思いますが、それにブレーキをかけるわけにもいかぬし、このまま見せておいてもいけないというジレンマに陥るような立場のお話のようでございましたが、もしほんとうに番組が向上されて質がよくなって、教育放送というような意味のことがしっかりやれるようになるということであれば、家庭の母としてはそれでもいいとお考えになっておるのか。それとも、それはそれとして、単におもしろいというだけではいけないので、あまり干渉しちゃいかぬが、少し第三者の批判を受けるなり、お互いの自発的な、良心的な番組編成なり、あるいは放送したことが切り捨てごめんにならぬように――いわゆる報道の横暴といいましょうか、こういう面もたまにはあるわけなんですね。こうしたものも自粛してもらわなければならないということも考えなければならぬと思うわけですが、さきに申し上げましたように、このままでは子供にラジオやテレビ――それはおとな向きもありましょう、あるいは子供向きもありましょうが、そのいずれを問わず、このままじゃちょっと、いつまでも見せておくのは子供の勉強に差しつかえがあるとか、あるいはおもしろいにはおもしろいが、そうためになるとは思わぬので、ちょっと母親として心配だ、こういう御心境じゃないですか。この辺をもう少しはっきりお伺いしておきたい。
#19
○藤原参考人 ただいま申し上げましたように、子供がおもしろがって見ますものというのは、チャンバラだとか、何かこう夢みたいな、ほんとうに愚にもつかないようなものがおもしろくて、それに夢中になるのでございますけれども、しかし子供の方にいたしましても割合に頭がございますのですね。ある程度見ますと、あきてしまいます。そうそう長くは、くだらないものにはとりついておりません。ですけれども、非常にテレビに興味を持つということがございますから、そこでもう少し興味を利用してためになる放送が出ましたら、母親としてはこんなけっこうなことはないと思います。小言ばかり申しましてもテレビの前からあまり動きませんし、また確かにおもしろいのはけっこうでございますが、おもしろい中にも、愚にもつかない、覚えても何にもならないものばかりでなかったらけっこうなのであります。それくらいの程度でございますね。
#20
○淺香委員長 森本君。
#21
○森本委員 有光参考人にお伺いいたします。先ほどの御意見の中で、大体全部このくらいの程度ならよろしかろうというような陳述がございました。有光さんは元文部次官で、そういう方面に詳しいので特にお聞きしたいと思いますが、これも大体あなたはよろしいというお答えでしたが、第五十二条の二の改正については、これはできるならば広告放送は一切やらない方が、教育行政からしていいのではないかということが通常考えられるわけであります。あなたはこの程度ならやむを得ないということを言われましたが、できることなら学校教育放送については、広告放送は一切取りやめてもらいたい、こういうお考えではないのですか。
#22
○有光参考人 教育テレビはNHKだけでなく、民間放送の中にも育っていってもらいたいという念願を私どもとしましては強く持つものでございますから、民間の教育テレビ事業体が企業体として成り立ちますのに、全然スポンサーの要望というものを無視するわけにもいかないと思うのであります。そこで、たしかこの前の改正案よりはこの改正案はずっと緩和されてきておると思うのでありますが、これの適正な運用ということはいろいろな場合がありますから、一々その場合を、こういう場合はだめだとか、こういう場合はいいとかいうことを法律できめますよりも、その運用はそれぞれの事業体がきめます放送基準に基いて運用していく。その運用がまたいろいろな思わぬ事態にあいまして困る場合には、新しくまた基準を是正していくというようなことによりまして、実情に即した企業体の運営にもプラスになり、しかも放送の内容自体もりっぱなものであり得るような工合に、双方が双方の立場で協力していくことによっていい結果が生まれてくるのではないだろうかというふうに考えますので、まずこの程度の規定は必要ではないかと思います。
#23
○森本委員 もう一回お伺いいたしますが、有光さんもこの点については非常に詳しいと思いますが、今度のこの問題についても、たとえば学校教育放送と教養番組はおのずから分れるような形になるわけであって、教養番組までについてはこれは広告放送という形を置いておいた方が成功すると思いますが、しかし純然たる学校教育放送というものについては、何といっても公共放送の使命を持つNHK関係が主体になってやらざるを得ないのではないか。そうしないとまた学校教育放送の意義がないのじゃないか。そういう観点からいくならば、学校教育放送については、一応これは前の改正案は非常に悪かったわけでありますが、前の改正案の学校教育放送については広告放送を認めないという、この点だけはよくはないかというふうに考えるわけでありますが、重ねて学校教育放送あるいは教養番組、そういう観点からいった場合には、前回の案がいいというふうにお考えにならないか。
#24
○有光参考人 これは私見でありますが、純然たる教育放送の場合におきましては、放送の内容に入ります前後におきまして、わずかな時間にスポンサーの名前を言うとか、最小限度のことを報道するということが考えられるのでありまして、教育放送の内容に入りまして、その内容の中で広告に関することを言うのは教育に差しつかえがあると私は考えるわけでございますが、そこらのところはそれぞれの事業体にできます番組編成審議会の委員の方たちも、おそらくはそういうようなお考えによって教育放送の広告についその放送基準というものは制定されるのではなかろうかと思うのでございます。
#25
○淺香委員長 金丸徳重君。
#26
○金丸(徳)委員 私は藤原さんにお伺いをいたしておきたいのでありますが、先ほどの御意見の開陳の中で、放送が家庭に非常な関係を持っておる、ことに母親としての立場から放送の内容なり番組の編成なりに至大の御関心を持っておられるということを承わりました。ほんとうにそうだと思いまして、今回の放送法の一部改正の提案になりまする動機あるいは原因の中には、今の放送番組あるいは内容について家庭の方面からいろいろと世評的に言われておって、それが何とかしなければというようなことからなったことも大きな一つだと想像いたしておるのであります。そこで、そういうふうな実庭の関心を今度の放送番組の編成の中に持ち込むために、何か方法が考えられなければならないわけです。具体的には放送番組審議会というのが今度公けの機関としてできまして、そこで審議されることになって、あなたもこれに全幅的な信頼を置かれておるようであります。ただしかし、それほどに信頼なさる審議会であるためには、やはり家庭のために相当な機会を持つ、ことに母親の立場から、放送内容などについて多くの経験なり勉強なりをしておってもらうことが必要ではないかと思う。ところが今度の法律には、「審議会は委員十五人以上をもって組織する。」こうなっておるのでありまして、その選任その他はむろん「学識経験を有する者のうちから、」とありますから、家庭婦人も母親も学識経験者の中の一人として考えられることとは思います。けれどもあなたの立場から、きょうは婦人として一人おいでになっておりますから特にお伺いするのでありますが、この審議会の構成の中に、たとえば十五人のうちの半分以上は婦人であってほしい、あるいは、三十人くらいにふやして、少くともそのうちの十人は子を持つ母親であってほしいというような御希望を強くお持ちになっておられるかどうか、ちょっとお伺いいたしたいのであります。
#27
○藤原参考人 大へんに女性を尊重していただいたようなことで、うれしいと存じますけれども、十五人を三十人にふやしてまで女を大ぜい入れていただかなくても、皆様方も父親でいらっしゃるのですから、子供に対する必配はフィフティ・フィフティでもって持っていただいていいと思いますから、そんなに女性をたくさんお入れいただかないでもけっこうだと思います。NHKの有光さんなんかの委員会にも婦人が入っております。ですから、もちろん女の発言者もございますと思いますけれども、そんなにまで女をふやしていただかなくても、そして父親の方が責任からお逃げになっていただきますより、皆様も父親として責任をお持ちいただいた方がうれしいと思います。
#28
○金丸(徳)委員 今のお話は、父親に信頼を持たれるということでありますが、今度の法律の中には特にそのことをうたっておかれた方がいいように私は思うからお伺いしたのでありますが、そういう例があるから、それで満足なさる。しかし今までの例によれば、とかくそういうものがゆるがせになりがちな傾向があるものだから、あなたは男性を非常に信頼なさっておられるからけっこうでありますが、世間一般にはそういう傾向になりがちなものですから、もしこの際御希望を開陳なさるならば一番いい機会だと思いましたのでお伺いしておるのであります。
#29
○藤原参考人 その十五人は必ず男性ということはございませんでしょう。ですから、そこに女性の適任者がございましたらぜひお選びいただければそれで満足だと思います。
#30
○淺香委員長 大野幸一君。
#31
○大野(幸)委員 私も藤原さんにお伺いしたいのですが、あなたが先ほど、番組編成委員会の運用いかんによってはあまりかたくなり過ぎて出演者の意に沿わない場合もあり得る、特にあなたは戦争中のようにという御発言がありました。そこであなたの戦争中に経験されたような、そういう場合がありましたら、それとまたあなたの友人、深い関係の人にそういう人がありましたら、まずそれをお伺いしたい。
#32
○藤原参考人 私は戦争中にそういうものに関係しておりませんでしたけれども、皆様から伺いますと、何を申しますのにも規則がきまっておって、そのワクの中でしなくてはならないのであって、大へん窮屈だったということを伺っております。自分の経験にはございません。
#33
○大野(幸)委員 戦争中はあなたはアメリカにおいでになったんですか。
#34
○藤原参考人 日本におりました。
#35
○大野(幸)委員 戦後のこれまでの運営では、そういう窮屈さはなかったと思いますか。
#36
○藤原参考人 別に私どもは何も窮屈なことは感じておりません。
#37
○大野(幸)委員 そこで、その窮屈でなくなったというのは、新しい憲法ができて、その憲法下に行われておったんです。ところが、今の首相は公然と改憲主義者でおいでになる。そういう政府のもとにおいて、この審議会の構成いかんによってはまた逆行の道をたどるということを心配する人たちもあるのですが、その点はあなたの耳に入っていること、風評、世論などのことについてお知りになっておるかということ。それと同時に、番組審議会が人によっては好ききらいがある、特に人によってはあるいは思想的関係、あるいは政府に迎合する人たちをこの番組の中に入れることを歓迎するが、政府の政策に批判的な人たちは番組の中に入れることをきらう、こういうようなことになったら大へんなことであります。そういう点についてのあなたのお考えはどうでしょうか。
#38
○藤原参考人 その審議会のメンバーにおなりになる方は皆様良識のある方ということがうたってあると思いますから、そういう御心配はないだろうと私は考えます。
#39
○淺香委員長 松前重義君。
#40
○松前委員 私は有光さんに簡単に御意見を承わりたいと思います。
 最近教育放送というものがだんだん実現の域に達しました。そこで将来においては超短波によるFM放送が相当チャンネルを持っておりますから、これが開放されると教育放送という具体的な講義そのものを放送するというような姿――今までのように部屋の中に閉じ込めて少数の人間を相手に先生が教壇から教育するという形が、電波によって、マス・コミュニケーションによって任意の人が任意のところでその講義を聞ける、こういう形にだんだん変化してきつつあるわけです、FM放送、超短波放送等が開放され、これが学校そのものの講義の内容を伝え、いわゆる通信教育としての役割を果すというような格好になりますると、今の通信教育に関する規定、文部省のやっておられる方式、これはすなわちある県なら県、都なら都における教育委員会の認定その他によって高等学校教育等はなされる。こういうふうな狭い範囲ではとても間に合わない非常な広域――東京に作れば関東平野一帯に電波が通じますので、そういうような広域にわたるところの問題になるマス・コミュニケーション時代、すなわち電波によってこのような地域の拡張が行われる、こういう点において現在の文部省がやっておられる通信教育のやり方は、私は根本的に改めなくちゃならぬじゃないか、こういうふうに考えております。その点は文教委員会でやらなくちゃならぬ問題ですけれども、ついでに一つ、放送によってこのような態勢がもたらされつつありますので伺いたいと思います。
#41
○有光参考人 戦後の通信教育は確かに非常な飛躍を遂げておりまして、従来の講義録中心の域を脱しまして、非常に周到な計画が立てられまして、受講者と教授側の接触もいろいろな形でとられております。高等学校の通信教育は、ただいま松前さんがおっしゃいましたように現在各府県単位で行われております。また大学教育は特殊の大学でそれぞれ行なっておるわけでございますが、特に問題は、高等学校の通信教育における今後の教育ラジオ、教育テレビのあり方だろうと思うのでありますが、これはどういう工合に利用し活用していくかということは、通信教育界でも非常に問題にしておりまして、それぞれ研究段階でもこれを取り上げております。おそらく教育テレビ、教育ラジオの方でもそういう面に対する放送の用意があることだと思います。また今後はそういうような人たちにそういう放送をすることによりまして教育の機会を均等ならしめる、教育の質の向上をはかっていくということが当然なければならぬと思うのであります。すでに現在の通信教育に従事しております人たちの中にもそういう要望がございまして、いろいろな案も検討されておるように聞いておりますから、おそらく御質問のような趣旨は、今後何らかの形におきまして具体化することだと考えております。
#42
○松前委員 大体伺いましたので、これ以上お尋ねいたしませんが、ただ問題は文部省関係、教育関係の先輩として一つ御尽力願いたいことをここでお願い申し上げたいと思うのであります。それは、ただいまのようなラジオが教育の面に利用される、しかも超短波によるFM放送あるいはUHF帯の開放等によりましてテレビがどんどん使われるということになると、今文部省あたりでおやりになっているような方法では電波の教育への応用に対して追っつかない現状にあると私は見るのです。それでいろいろな規則その他を見てみると旧態依然というか、どうも電波なんというものの想像もつかない時代にできたやり方なんでありまして、非常に非現実的なところが多いのであります。私は放送事業の動きは、先ほど来論議がありましたように、今後においては教育中心に発展していかなくてはいけないと考えておる。わけてもFM放送あるいはUHF帯のテレビのチャンネル、これらの開放は、娯楽は今のままでけっこうだから、子供なら子供だけ向きの放送をやる放送局ができてもよろしいし、もっと健全な方向に向って進まなければならぬと思うのです。それにつけても教育界においては、ことに文部省関係においてはそれにふさわしい準備を整えていただく必要があるのではないか、そういうふうに一つ御尽力をお願い申し上げて、私の質問を終ります。
#43
○淺香委員長 原茂君。
#44
○原(茂)委員 簡単に伺いたいと思います。有光さんに先にお伺いします。今の放送は、すでに皆さんもおっしゃるように国民の生活そのものと言ってもいいくらいになくてはならないものになっておるわけですが、現在日本の置かれておる立場の中で非常に重要になって参りましたのは、国民的なレベルにおいていわゆる科学技術水準の向上――低いと規定する人もありますし、国際的に高いと規定する人もあります。しかし何といってもわが国のこの小さな島国の中にたくさんの国民を持っておるこれからのわれわれの生活を考えていくのには、やはり技術革新時代にふさわしい、国民全体の科学技術水準を引き上げることが火急の要務だと思うのです。こういう時代の中ではいろいろ教育放送あるいは放送全般を考えましても、やはり放送そのものを通じて、国民にあらゆる角度から科学技術水準の引き上げというものを訴えていくことが非常に大事だし、それが非常に有効な手段だと思うわけです。単に小、中、高校、大学等の学校教育にたよるということは、ある程度は局限されて参りますし、時間が非常にかかる。子供の教育の一番大事なウェートになるものは、何といってもおとな自身の、もうすでに成人したわれわれのいわゆる時代的な感覚を技術的に引き上げるというその土壌の中から、学校教育以外の大きな技術革新の目的が果せると思うわけです。そういう前提から言うならば、特にNHKの放送等について有光さんの立場からのお考えを伺いたいのですが、むしろこの放送番組の内容を規定するものではありませんけれども、義務として科学技術に関するいわゆる国民的な視野における放送というものをやらなければいけないと規定するそのウェートの置き方――時間的、内容的には別ですが、そういうようなことがこの放送法の改正が行われる際に何らかの考慮が払われて、そのウェートの置き方は別としても、やはり義務づけるか、規定づけるかということがすでに国民の要望ではないかというふうにも一部考えられてくるわけですが、有光さんのこの放送法改正に際してのいわゆる国民の教育、特に科学技術水準の引き上げ、土壌の引き上げというようなことに関連して、この面に関しての御意見を伺いたい。もし率直にお伺いできるならば、協会、あるいは民放もその例外ではありませんが、どの程度にするかは別といたしまして、何らかの方法あるいは工夫、考案があってしかるべきではないか、こういう建前からの御意見をお伺いしたい。
#45
○有光参考人 まことにごもっともな御意見と伺いますが、おそらく今度の改正案の趣旨もその御趣旨に決して矛盾するものではないと思いますが、それはこの第四十四条の改正案を拝見しますと、従来は、「協会は、公衆の要望を満たすとともに文化水準の向上に寄与するように、」ということがありましたのを、もっと具体的にいろいろな事項を列挙してございまして、その第一号には「豊かで、かつ、よい放送番組を放送することによって公衆の要望を満たすとともに」この公衆の要望の中には、科学的な知識を吸収したいとか、科学的な水準を上げてもらいたいという要望は今日では非常に強いと思うのであります。それはこの中に、読んで解釈するところに各放送事業体の良識があるのではないかとさえ思うのであります。それから文化水準の向上に寄与するというようなところ、ある放送局では民権思想とか、あるいは宗教的な情操、知識というようなこと、宗教的な情操をもっと広げたいというようなことによって文化水準の向上をはかりたいというところもありましょうが、それらと相待って、特におくれております科学知識の普及とか、科学的な水準を上げたいということは、おそらく今では世論とさえ私思うのでございまして、お示しの点は今度の改正案によりましてもう十分くみ取れるというように思うのでございます。
#46
○原(茂)委員 そういう善意の解釈でいけばよろしいかと思いますが、やはり前々からこの放送法に規定するところは国民の文化の水準の向上ということにあるわけですから、そういう抽象的な言葉だけで今言ったようなこういう国民的な課題というものは満たされるかどうか疑問に思いますが、これはあとの委員会でいろいろと当局との審議の中で一つ解決していきたいと思います。ありがとうございました。
 藤原さんに、最後に一言だけお聞きしたいのですが、先ほどから他の同僚委員からいろいろ言われております中のいわゆる中央番組審議会委員の構成に関連しての質問に対しまして、非常にスマートな御答弁をいただいたわけですが、私は少しこれを違う角度から見て御質問したいと思うのです。今の国民の中には幾多の階層があるわけです。藤原さんがおっしゃった、婦人を何もそうたくさん入れていただかなくてもよろしい、中央審議会の中にも、あるいは番組審議会の中にも女性も入るれんでしょうというようなお答えもありました。確かに入る道はあります。しかし問題とするのは、やはり国民に各職業別にも、あるいはその他の角度からいって階層があります場合、大きく分けてやはり働く階層というものが相当大部分を占めているわけです。この働く階層の側というのは今やもうだれでもが認識する一つの階層になっています。そういうような大きく分けた階層の方々、たとえば毎日々々家庭を留守に働きに出ている御婦人、あるいは日夜工場その他で苦労している主人公、こういった働く人たちの側からと規定できるような審議会委員というのが今まで出ていないんです。ラジオを聞く階層別に見たり、あるいはその階層別に見た受信者の数は一体どっちが多いかというと、働く側の人たちが圧倒的に多いことは間違いない。藤原さんも私も、もちろん働く側の人間です。働かない人間はないわけですが、まあ一般にいわれる労働者、こういう人々が受信者としても数が相当多い。この労働階層の代表者にこういう機関に対する発言権を持たせるような機会を、番組審議会のある場合にはその審議会委員として送った方が、私はやはり相当広範囲の世論というものがこの放送の中に入り得るというふうに考えるんですが、この点はどうでしょう。今までの例は、せっかくそういう審議会がありましても、その審議会は学識経験者という名前のもとに、幾ら私どもが要求をいたしましても、なかなか労働階層というものからは選ばないのです。中小企業の階層というようなものから選ぶというような比準の取り方はしていないのです。どうしてもこれが実現できないのですが、私はこの際今度の改正法を機会に、やはり単に学識経験者というだけでなくて、経験者の中に今の労働階層の代表というものが正式委員として入り得るように何らかの考慮が払われてしかるべきではないかと思うのです。この中でいわゆる婦人の労働階層の代表、男性の労働階層の代表というふうになってくればなお好ましいと思いますが、この点いかがでしょうか。
#47
○藤原参考人 その経験ということの中に労働の経験というようなことも入っておりますでしょう。そうすれば、現在労働者でなくても、かつて労働の経験を持っている方がお入り下されば了解していただけるだろうと思いますが、婦人代議士の中にはそういう経験のある方が大ぜいいらっしゃるように思いますし、私たちにしても労働の経験はこうしておりますし、現在労働している方でなくても、経験者ならおよろしいじゃございませんか。私はそういうふうに了解いたしますが……。
#48
○原(茂)委員 藤原さんの時間もきますから、藤原さんにあまり長くお聞きするのもなにですが、これは私の感覚で参考までに申し上げるわけです。たとえば社会党なんかでも、戦前派と戦後派とあるのです。ずいぶん戦前派の古い人が社会党を指揮統率するというようなこともあります。経験は今私どもがやっているような経験をしているんですが、極端な悪口を言いますと、真田幸村という大軍師が近代人の指揮をしているのと同じだ、こういう非難までできるのです。そういうことからいいますと、前に労働者の経験があるなら、十年前だろうが、二十年前だろうが、今の労働者の感覚でものが考えられる、あるいは言えるかというと、これは私どもちょっとむずかしいと思います。われわれはそういう角度から、やはり今は今の感覚を身につけている労働階級の代表というものが入るべきだ、こういう立場からお聞きしたわけですが、けっこうです。いずれまたゆっくりお伺いします。
#49
○淺(香)委員長 藤原参考人、有光参考人に対する質疑はこれにて終りました。御両氏にはお多用の中を本日はまことにありがとうございました。どうぞお帰り下さい。
 片島港君。
#50
○片島委員 もうだいぶ時間が過ぎておりますから、簡単にお伺いしたいと思います。
 このたびの放送法の一部改正は、非常に長い間の懸案であったが、幾たびか一般に発表せられた改正案とは違った形でここに提出せられておるのでありますが、放送法の一部改正という場合には、前の放送法はその当時の放送法であって、今日非常に放送界が変っているという現状に即した放送法が作られるべきである、こういうふうに考えておりましたところ、今度の放送法というのは根本的な改正には触れておらぬようであります。たとえていいますと、NHKというのは非常に古いのれんを持っており、受信料を徴収し、聴視料を徴収して、今日まで長い経験を持って日本の放送界に非常に尽しておる。その後一般放送事業というものが開始せられて、これまた今日におきましてはNHKに劣らず、それよりもかえって隆盛な状態において非常な発展を見ておるのでありますが、この場合に放送法を改正するということになれば、NHKという従来から受信料、聴視料を徴収する公共的な放送、それからスポンサーをつけて放送する一般民間放送、この両者の性格あるいはその任務というものが明確に規定せられるということが、私は放送法の改正として今日においては最も根本的な問題であろうと思う。ただ、いろいろ放送の内容などについて今日までいわれる場合に、NHKは公共放送である、民放はそうでないかというと民放も私は公共性を無視した放送というものはあり得ないと思います。そういたしますと、ここにこの両者の根本的な性格というもの、また任務というものを明確にすることが放送法の改正の一大眼目でなければならぬと思うのであります。この点については政府当局に私は委員会を通じて徹底的にただしたいと思うのでありますが、今日は民間放送の代表者、NHKの代表者、またそれを統合した連合会の高田さんもおいでになっておりますので、一体この両者の性格なり任務というものを根本的に改正するということになれば、どういう点をはっきりさせればいいのであるか。ただこれをはっきり規定をしてもらいたいというだけでは私たちもなかなかいい知恵が今日まで浮ばないのでありますが、根本的な改正をするためにはどうしても両者の区別を明確にしなければならぬ、どういうふうにすれば明確になるのであるか、こういう点について、まあなかなかむずかしい問題でありますからそう明確な答弁は伺えないと思いますが、お三人から一つ御意見を承わりたい。まず高田さんからお伺いをして、それから溝上上さん、それから深水さんにお伺いしたいと思います。
#51
○高田参考人 お答えいたします。どうも大へんむずかしい問題であると思うのでありますが、私どももやはり根本的の改正をする必要の段階に立っているのではないかということは全く同感でございます。ただしかし、今回の改正案は、これはもう申し上げるまでもなく一部改正と、当面急を要するものだけをまず取り上げて改正をするということだろうと思うのであります。しかし、やはり先ほども申し上げましたように、八年前と全く時勢が一変しておるのでありまして、民間放送というものがかくのごとく発達し、またテレビジョン、しかも教育テレビジョンというようなものもこれから発達して参ります段階に立ちましたならば、もう一歩掘り下げて根本的な改正をするということはきわめて必要だろうと思うのであります。私自身も具体的にどういうような点でこれを改正した方がいいかというところまでまだ研究もしておりませんが、聞くところによりますと、民間放送連盟におきましては、すでにそういう見地から委員会を作りまして、相当研究が進んでおるというふうに承知しておるのであります。また同様のことはNHKにおかれましてもある程度の研究がおありではないかと思うのであります。やはりこういう根本的の改正をするということになりましたならば、そういう放送事業者の意見あるいは第三者でありますところの学識経験者、世論というようなものを十分取り入れる機会を何らかの方法をもって作っていただいて、その上で郵政省当局において立案され、それをさらに国会において十分御審議を願うということが必要であろうと思うので、そういう段階になりますると相当時間を要するというわけであろうと思うのであります。今お話がございましたようなNHKの公共放送としての性格、あるいは商業放送としての性格というものをはっきりさせて、事業内容につきましても多少の相違は出てくると思うのでありますから、そういう点についても明確な線が、これは果して引き得るかどうかということはむずかしいと思うのでありますが、そういう規定も当然必要でございましょうしまた今一般に問題になっておりまする聴視料の問題というようなものも、果して現在のままでいっていいものかどうかということは、これはいろいろ問題があるように私どもも承知しておるのであります。また二本立になった以上、おのおのがその特性を生かしてりっぱに発達するというためには、どういう方向に二つを発達さしたらいいか、またしかし、やはり放送事業全般として発達し、文化の向上に資してもらわなければならぬのでありまするから、両方の協力というものがきわめて必要であるのでございますが、そういう協力もどうして結ぶことができるかというような点、いろいろございましょうと思います。先ほど申しましたように、それぞれのところにおいては相当の研究が進んでおるように思うのでございまするから、ある時期に達しましたならば、ぜひそういうことを取り上げていただきたい、かように考えております。
#52
○溝上参考人 ただいまの問題は、これは深く考えると非常にむずかしいと思いますけれども、大体今、高田さんからお話のありましたように考えます。われわれといたしましては、現行の放送法におきましてNHKの公共的な性格というものが相当明確に出ておりますし、さらに今回の改正案においてもそれが踏襲されておるという点から、これをもっと明確にするにはどうしたらいいかということにつきましては、さらに今後研究したいと思います。ただ番組その他につきまして、その間を一そう明確にするという点につきましては、番組の改善というものは日常、常に心がけてやっておりますので、公共的な性格を持ったNHKの番組というものは今後とも一そう研究して参りたいと思っております。
#53
○深水参考人 片島さんが言われましたように、放送そのものとしては、私は民間放送もNHKもそう違いがあるべきじゃない、放送事業の公共性ということは同じだという観点に立っていろいろ研究しております。しかし現在民間放送がここまで発達した今日において、NHKと民間放送との性格を明瞭に区別して、そうして二本立と申しますか、そういう性格の違った両放送事業者が調和した放送を国民の皆さん方に奉仕するということを私たちは念願しておるわけでございます。しかし、というて両者の性格をどういうふうに規定するかということについては、私たちも今非常に腐心して研究しておるわけでございます。今度の放送法の改正でも、私たちはできますならばそういう基本的な方針と申しますか、根本的な改正が行われることを非常に期待しておるわけでございますけれども、少くともNHKと民間放送というものの性格的な違いというものは当然あり得る、そしてその違った性格をお互いに生かし、調和しながらやっていかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。たびたび申し上げるように、具体的にそれではNHKはこうだということまでは、まだ私たちも結論は得ていません。ただ番組の編成等について若干NHKとの違いその他があるべきだということ、それと今NHKの目的としておるのが、「あまねく」云々というのはこれは目的ではないので、それは施設をみんなにしてやるというただ技術的な問題だけでございますので、一部的なこういう改正をされるときに、根本的な問題とおぼしきことに触れるようなことはこの際はずしておいていただきたいということを、御質問の趣旨とは離れますけれども、私どもは希望しているわけでございます。少くとも常識的にはNHKと民間放送というものの仕事はおのずから分野が分れておるのではないか、どういうふうに分けるかということについては研究中でございますので、いずれまた御相談しながら研究して参りたいと存じております。
#54
○片島委員 むずかしい問題でありますが、しかしいずれはNHKの受信料の問題と、それから今後テレビジョンなどが全国的に発達をして参りました場合に今度は民放相互間においての非常な過当競争などが出て参りますと、当然両者の性格なり任務というものを明確に規定をしなければ解決ができないような時代がくるのではないかと私はおもんぱかっておるのでありますが、しかし利害関係者の意見が一番大きな影響力を持つのでありますから、今後とも一つ十分御研究を進めていただきたいと思います。
 次に番組審議会の問題でありますが、地方においても番組審議会をNHKにおいては作れ、こういうことになっておりますが、同時に民間放送は地方各社があるわけでありますから、それで番組審議会を作るわけでありますが、実際に中央においていろいろな審議会なり委員会というものが設置せられる場合に、一人の人で五つも六つもたくさんの委員を兼ねておるというような人が多いので、各界の代表者といいましても、なかなか中央の審議会においてすらバラエティに富んだ人を選任することが非常に困難です。いわんや今度地方において、特に私なんか地方の小都市でありますが、全国の小都市ごとに地方番組審議会をNHKも作る、民放も作る、こういうことになると、実際においてそういう適材を得ることができるかどうか。むしろ地方においてもうボス化せられた、きまり切った人たち、たとえば今教育委員をやっているとか、あるいは公安委員をやっているとか、そういったような何かの肩書きを持ったきまり切った人が出てくる、こういうことになると、かえってその審議会を運営するのに経費ばかりかけて実際上それだけの効果があるかどうか。また選任をする上において、運用する上において、非常に困難が出て参るのではないか。これは当局側にも私は十分ただしてみたいと思いますが、一つ民放とNHK両者の方のお考えをここで述べていただきたい。
#55
○溝上参考人 地方の番組審議会をどこに設けるかにつきましては、別途政令できめられるようになっている。それで私どもの考えでは、あまりこまかいところまではいかないで、大体中央局単位くらいになるのではないかと想像しておりますが、それくらいでしたらそういう御心配も多分なかろうかと思います。
#56
○深水参考人 民放におきましては、現在各社で作っておるところもあり、作ってないところもあります。大体みな作らなければならぬという機運に向っているのではないかと思います。しかしただいま申されたように、人の選定に非常にむずかしい点もあります。私のところなんか考えますと、NHKの地方局がありますから、NHKでいろいろ選定される、そうするとその以外の人からしなければならぬということになると、またずいぶん違ったことにもなると思いますが、私たちといたしましては、少くとも民放連という連盟を持っておりまして、そこに先に申し上げましたように番組審議会というのを作っておって、これが非常にいい活動をしております。その記録も、もしも御必要ならば御参考に供してもよろしゅうございます。そのほか、毎月たとえば放送倫理関係の問題といたしまして、各部門に分れたいろいろな仕事をしておって、番組その他のいろいろな問題についてやっておりますので、地方に設けるかあるいは民放連の番組審議会でこれを代行させるか、いずれかというゆとりを持たしたことにしていただけば非常にけっこうだ、かように考えているわけでございます。ぜひ持てというところまでいかなくてもいいのではないか。実際自主的に今すべてをやっておりますし、内容についても事前事後の検査もしているわけでございますので、できますならば、強制でなくて民放連において番組審議会をもって代行させることもできるということにしていただけば、私たちとしても非常に活動しやすいと思います。
#57
○片島委員 飛び飛びになりますが、この一カ月間保存をして置けという事後処理の問題であります。先ほどから意見を聞いておりますと、民放連の方ではこれは非常に困難で反対である、NHKの方でもこれは政令にゆだねてあるけれどもあまりこまかいことまでやられることになれば困難だからという希望的な意見があったのでありますが、どういう点までは大体NHKとして、また民放としても保存ができるのか。この三カ月を一カ月にする、あるいは一カ月を十日にすればどれだけ楽になるのか、あるいは一カ月を十日にしてみたところで問題にならないのであるか、むしろその保存すべき内容、種類によるのか、期間によるのか、種類ということになれば、内容ということになれば、どういう点が困難であり、どういう点まではいいのであるか、そういう点をここで明らかにしておいていただけばけっこうだと思います。
#58
○溝上参考人 実際一番困りますのは、録画なんかで残すということになりますと、これは大へんなことになりますので、内容といたしましては音の方のテープの程度であります。それから番組の種類といたしましては、あとから問題になりますような、たとえばニュースの原稿とか、あるいはいろいろ政治的な問題を取り扱った番組とか、そういったものに限定していただけばよほど取扱いは楽になると思います。
 それから期間につきましては、テープ放送でありますので、事務的にやはり少くとも三週間程度はかかるようですから、これは一カ月ぐらい見ていただいて大体よろしいかと思います。
#59
○深水参考人 私の方ではいろいろスポンサーの関係もございまするので、現在のテープなんかは若干保存しておるのもありますが、しかし、たとえばニュースとかその他はストレートにいきますし、特にテレビジョンになりますとマイクロウェーブでいくとか、いろいろなものがありますのでなかなか……。それから録像の方はとても、私の考えでは、これは期間の問題ではないと思います。技術的にまた経済的にいいまして、現在テープの問題は、若干保存しておるところもありますが、しかし、といってもこれはどの程度までいいかということは、ただ自主的にスポンサー関係においては、やっておるところもありますけれども、これを強制されて全部ということになると、具体的に何日間ぐらいがいいかということにはちょっとお答えしかねますが、非常に困難ではないか。たとえば脚本とか放送原稿とかあるいは放送日誌というようにいろいろやっておりますので、そういうのをもう少し進めていくということでやらしていただくということの方が合理的じゃないかというふうに考えております。
#60
○片島委員 それでは、もう一つだけお伺いして譲ります。
 今ではラジオだけでありますから、民放における各社もそれぞれ経営はうまくいっておると思うのでありますが、全国的にテレビが普及いたして参りますと、ラジオとテレビ、この両者を経営していくということになると、私は相当過当競争が行われるだろうと思うのであります。日本の経済力というのは大体限られておりますし、テレビ用予備免許を免許したから、それによって直ちにそう国民の購買力がふえるとか、スポンサーがそれだけ裕福になるというわけではないのでありますが、非常に過当競争が起きるということになれば、番組の面などにおいても、結局電波料を安くしてダンピングをやるというわけに参りませんので、番組の方でダンピングをやって、番組が非常に、何といいますか、低俗なものになって競争をする。わけもわからぬことをがんがんやって、おもしろくさえあればいいといったようなことになりかねないのでありますが、これは民放自体としてもある程度、ここにもし法規がなくしても、この点は留意をしていっていただかなければならぬ問題だし、同時に、民放がそういうことになると、NHKも当然また競争上これに巻き込まれるようなことになって参ると思うのでありますが、そういうことに対処して何かお考えが今ありますかどうか。一つ民放連の方からお伺いをしておきたいと思います。
#61
○深水参考人 過当競争ということは、実は私も過当競争という言葉を使ったことがございますが、過当競争ということは結局、局の数が多いからということになります。これは結局免許の問題であって、免許された局相互では同一地域にあれば結局競争になるということになりますが、しかし常識的に見て若干現在過当競争的な状況にあるのじゃないかというような見方を、私個人はいたしております。しかし、だからこれをどうするかということは、これは政府のおやりになる行政措置でありますが、私たちは、自分の社がいい番組を提供していい成績を上げて、とにかく利益を上げる。それをまたローカルとしてはローカルに即したいい番組にし、先ほど申しましたように少くとも経営が安定化すれば、サスの番組でも差しつかえないから放送していきたいという工合に考えております。だから過当競争ということは、現在も免許された局そのものは仕方がない。これをどう育成していくかが問題でございますけれども、今後の免許の方針について、先ほど申し上げましたように確たる置局計画というのを立てられて、今後いろいろな力によって乱免許がされないように措置していく方法を考えていただきたい。そうして現在の程度の民間放送局は、このままという意味ではございませんが、少くとも地域的、社会的にある適当の必要と認められる置局計画、根本的な置局計画を立てられて、これをほんとうに行政当局の良識においてまっすぐに押していただくような方法を講じていただければ、その後はわれわれ経営者の問題だ、かように考えておる次第であります。
#62
○淺香委員長 参考人の時間の都合もありまして、大体一時までに終る予定ですが、あと質疑通告者が六人もありますので、簡単に質疑をお願いいたします。なお、参考人の方々も、御答弁はなるべく要点についてのお答えをお願いいたします。
 上林山榮吉君。
#63
○上林山委員 私は深水参考人にお伺いいたしたいのですが、まず第一点は、受信料を一部は民間放送にも配分すべきである、こういう御陳述でございましたが、それは、先ほどからだんだん議論になっている根本的なNHKの放送あるいは民間の放送というふうに改正されることを前提にしての御意見であるのか、それとも、現在の段階において、この改正案において一部受信料を放送全体のために使用するということで使った方がよいという御意見なのか、これを明確に聞かしていただきたいと思います。
 それから第二点は、これは高田さんからでもけっこうでございますが、この番組審議会は御承知の通り純粋の第三者による番組審議会ではなくて、放送事業者を含む番組審議会である、こういう性格のようでございます。それは現段階ではやむを得ないとは思いますけれども、私見によればこれは純粋の第三者の方がいい、こういうふうに考えておりますが、この点はどうでありましょうか。
 また、ついででありますから伺っておきますが、番組審議会で審議したものを放送した場合に、審議会もしくはその他の機関において、あの放送は番組を編成するときの考えが間違っていなかった、非常によかったとか、あるいは番組を組むときはいいと思ったのだけれども、放送してからは反響も悪いし、中には訂正を要するあやまちもあるというような場合、一方に放送の自由というものを確保すると同時に、一方においては良心的な反省、いわゆる俗に言う放送のしっぱなしというのではなしに、率直に訂正すべき場合は訂正しなければならぬし、あるいは次の番組を組むときの重大な反省の資料にするというような、そうしたようなことを今やっているのか。あるいはやっていないとするならば、将来、番組審議会でもいいし、あるいは類似の機関でもいいから、そういうような機関を設けていわゆる反省なり、訂正なりをするということはどういうふうにお考えになっているか、この点を聞かしていただきたい。
#64
○深水参考人 お答えいたします。私がさっき申し上げましたのは、受信料の一部を民間放送にも配分してもらいたいということは申し上げておらないのであります。そうして、早く放送法の根本的改正をしていただきたい。そのうちの一つの問題は、NHKの受信料の問題である。この受信料の問題を、現在の受信料でなくして、たとえば税的な性格を持つような何らかの形に改めていただいて、そのときにはその一部分を放送事業全体のために使えるような方法を編み出していただきたい、こういうふうに申し上げたのでございます。現在でなくして将来、根本的改正を早くこいねがうそのときに、受信料の形を改めて、その一部を放送事業全体に使えるような方法を編み出していただきたい、かように希望を申し述べたわけでございます。
#65
○高田参考人 簡単にお答えいたします。ただいまの御質問で、番組審議会における委員は第三者だけで構成した方がいいんじゃないかという御意見のようでございますが、これは私自身の意見を率直に申しますと、第三者が主体になって現在も運用されているように見受けますし、またある場合には放送事業者側の意見も徴して定めなければならぬというのでございますから、これは委員として加わるか、あるいは放送事業者の側から別個に審議会に出席するということか、いずれにしましてもそういう形になっておるのでございますから、そう第三者だけに限るということにしなくてもいいんじゃないかというふうに私は考えております。
 それから番組審議会の実際の運用がどういうふうに行われているかということは、私自身はNHKの方の番組審議会の委員もしておりますので承知しておりますが、民放の方の運用等は存じませんので、はっきりしたことは申し上げられませんが、やはりこれは何といいますか、放送内容に対する世間の批判というものを受けて番組内容の向上に資するためのものというのでございますから、これにはあまり過大な期待はかけられない、少くとも現状においてはそうじゃないかというふうに私は考えております。むしろ今の段階におきましては、番組審議会よりも、もっと世間の批判というものが、新聞紙上等においてはラジオ欄等で相当取り上げられております。悪い放送というようなこと、あるいはどうかと思うような放送に対しては、もうたちまち批判が新聞社に寄せられる。その一部は新聞に収録されるが、大部分のものはおそらく局なり、放送会社の方へ届けられて、それぞれ考査部というようなものがありますから、そこでやはり相当の研究もされて、それが取り上げられるというようなふうになっておるのだろうと思います。こういうものも番組審議会とあわせて、あるいはある場合におきましてはその方が強く働くということはあり得るのじゃないかと思います。
 それから、訂正をすべき個所を番組審議会でということは、今の番組審議会の段階ではちょっと困難じゃないかと思います。月に一回とか開かれるのでありますから、これはやはり各局、各会社内に設けられておる考査部の方で十分にやるべきである、かように考えております。
#66
○淺香委員長 金丸徳重君。
#67
○金丸(徳)委員 私は各参考人の先生方から根本の考え方についてお伺いをいたしたかったのでありますが、先ほど片島委員からのお尋ねの御返答の中で伺いますと、なかなかお答えもしにくい段階のようでありますから、それはまたの機会にさしていただきます。
 ただ、この機会においてNHKの方にお伺いいたしておきたいと思いますことは、先ほど御意見の御開陳の中で、今回の一部改正案の中では、財政面についても十分考慮が払われておる――十分と言ったかどうか存じませんが、ちょっとそんな響きがあるようなお答えと承わったものですから……。これはほんとうにそういうふうにお考えになっておられるかどうか。私たちはNHKの財政面が一番苦しくなるんじゃないかということを心配いたしておったものですから、その点ちょっと確かなところをお伺いいたしておきたいと思います。
#68
○溝上参考人 財政面の中で放送法に関係のありますのは放送債券のワクであります。在来が三十億に限定されておりまして、今度実際の資産との関係でその三倍というふうなワクが広げられましたので、この点を申し上げたわけでございまして、これはもっぱら建設関係に使うわけでございますが、一般の経営費の問題ではございませんので、どうぞ……。
#69
○金丸(徳)委員 そういたしますと、必ずしも将来楽観を許さぬ、現状からは根本的に脱却されるべき条件は整っておらぬ、こういうふうに了解いたしておきます。
 そこでまた料金の問題になるのでありますが、NHKにおきましては、最近は加入者の増加率もほとんど頭打ちの状況だそうであります。しかも一面におきましては、政府の方針その他によって料金免除の幅がずいぶん広げられていくような傾向もあるやに伺っておりますし、もう一つは、民放の聴取者の増加に伴いまして、現地における料金の徴収が非常に困難を来たしておるというようなことも聞いております。そこで実際にそういう困難さがなかりせば入るべき、税金でいいますと査定額といいますか、それと実際の徴収額との比率とでも申しますか、もう一つ、免除の比率か、絶対額というようなものの資料をお持ちでありますれば正確にお伺いいたしたいのでありますが、もしお持ちでなければ、ざっとの数字でもお聞かせ願いたいと思います。
#70
○溝上参考人 ただいま資料を持っておりませんので明確にお答えできませんが、免除しておるものはごくわずかでございまして、その額が全体の運営に影響するほどのものではないと思います。
 それから一般に、確かに受信料の問題につきまして直接の担当者がいろいろ苦労するということは聞いておりますけれども、大体において今までのところは受信者の御了解を得まして相当な率まで集金しておる状況でございます。
#71
○金丸(徳)委員 時間の関係もありますから、なるべく簡単にお伺いをいたします。相当な率までということでありますが、最近においては、その傾向がだんだん高まっていくのではないかという世評も聞いております。現に私どもそういう陳情を受けて、おれは払ってないのだというようなことを言っておる人もあると聞くのであります。そういう声がだんだん高くなってくるような傾向があるものですからお伺いをいたすのでありますが、当局としてはこれをどういうふうに観察なさっておられるか。
#72
○溝上参考人 実際に一般に出ております受信機の数と加入者の数――加入者の方はわかるのですけれども、受信機の数を正確に算定することが困難なものですから、具体的にその比率はなかなか出ませんけれども、一部そういうふうな心配の点があるかと思いますが、たとえばテレビジョンなどの受信機が発売されますと、ある期間を追いまして、大体それに追いついたような加入が出ておりますが、それをさらに詳しく厳密に算定する方法がちょっとないものでありますから、できるだけ各場合々々に応じて、いろいろお願いして集金さしていただくという努力を最大限続けておるところでございます。
#73
○金丸(徳)委員 そういうふうな努力をなさっておるのにもかかわらず、滞納の率が高まっていくやの事実があるということは、実は先般私ども現地視察の中でもちょっと耳にいたしたことでありまして、そういうことについてはNHK当局といたしましては十分な対策を練っておられることとも思いますが、この際お伺いたしておきたいと思いますことは、何かそういうことについての具体的な名案とでも申しますか、むしろそれは料金を上げてしまえば別だということになりますが、料金値上げについてはずいぶんと問題がある。その以前の問題として何かお考えになっておられましょうか。
#74
○溝上参考人 現在NHKの収入源は全く受信料だけでございまして、それ以外に収入を得る道がないものですから、これは最大限番組をよくし、また集金する制度あるいはその態度を十分に気をつけまして、もしもそういうふうなことが起る心配があります場合には、できるだけ御了解を得てNHKの仕事に対する御理解を得てできるだけ正確に集金するという以外にちょっと今考えがございません。
#75
○淺香委員長 大野幸一君。
#76
○大野(幸)委員 民間放送の方にお尋ねしますが、先ほど根本的に放送法を改正する話がありました。そこで民間放送がスポンサーなしで放送しているニュースというものは全体の何%ぐらいあるものであるかということ、それから一日としては何時間に対して何時間ぐらいあるかということを御参考までに聞かしていただきたいと思います。
#77
○深水参考人 現在の民間放送のラジオの全放送時間は大体十八時間半ぐらいです。それからテレビジョンは十ないし十五時間。その中で大体全国平均いたしますと約四割程度無料放送をやっております。それからニュースは、全放送時間のラジオは約一三%、テレビジョンは約一一%ということになっております。また地方によっては若干のいろいろな違いがありますが、この無料放送の大部分は、報道とか社会、教養、教育等の番組が大部分無料になっております。また私のところでは、そのほかにときどきお知らせの時間として、県内のいろいろな催しものがあるようなときその他にはそういうものもサービスしておるようなわけであります。
#78
○大野(幸)委員 一カ月の日本民間放送連盟の総収入といいますか、広告料はどのぐらいのものですか。
#79
○深水参考人 三十二年度を見ますと、テレビで約七十億それからラジオで約百五十億です。現在一カ月両者合せて約二十億円でございます。
#80
○大野(幸)委員 先ほどの金丸委員の関連質問ですが、四十二条の放送債券について改正法では「会計検査院の検査を経た最近の事業年度の貸借対照表」こう書いてありますが、これによりますと現在を標準とし貸借対照表はどれだけ財産になっているのですか。
#81
○溝上参考人 三十二年度末におきまして約四十八億円になっております。
#82
○大野(幸)委員 それからもう一つ、改正法の役員のところですが、役員のところに理事五名ないし十名と書いてあります。五名でもできる場合があるし、十名に増員してもいい、こういうことは理事が半数になってもいいし倍数になってもいいということになる。これは五名から七名とか、七名から十名というならいいが、倍数までを増減の範囲に入れてあることは、放送協会としては何かあるのでしょうか。これに対する御意見を承わりたい。
#83
○溝上参考人 理事の数につきましては、実は私ども前々から希望しておりましたことは、現在の三名では業務の拡張した現場では足りないので、七名程度ということを希望しておったのですが、もしもこういうふうな法律がきまりますれば、ちょっときょうは会長がおりませんので、具体的な考え方を私からこの点については申し上げにくいのですけれども、大体現在でも最低七名はやはり必要と思いますが、ただ今後さらに事業の拡張に応じまして、ある程度余裕があれば、その点は非常に便利な場合もあるというふうに考えております。
#84
○淺香委員長 松前重義君。
#85
○松前委員 ちょうどあと十四分ありますから、小澤さんと七分ずつ分けることにいたします。
 放送法の改正がしばしば出て、しばしば審議されております。ところが、いつも出てくる案の中に非常に欠けておる点が一つあるのではないかと思うのです。内容について私は申しませんが、この点を一つ皆さんから御意見を承わりたいと思います。それは何かと申しますと、大体放送法はNHKや民間放送を縛ることばかり改正において考えている。それは程度問題でありまして、ある程度民間を規制することは、これは必要であろうとは思うのです。もちろんこれは程度問題です。ところが、こういう民間を規制したり運用を監視したりいたしまする前に、一番大事な問題は出発点にある。すなわち免許の条件に私はあると思います。言いかえますると、政府自体を法律によって免許の方針をある程度規制しておく必要があるのではないか、こういうふうに考えております。それは全然この法送法の中には書いてございません。放送基本法のようなものであって、言論機関として非常に有力な役割を持つものでありますから、これは非常に大事なことであります。われわれは原子力に関する基本法を作ったときにも、いろいろその中に織り込んだのは、その運営は民主的でなければならないとか、その研究成果は公開しなければならぬとか、外国からインドペンデントでなければならぬというような基本的な問題を織り込んで参りました。そして政府自体を規制してきたのです。これは私は法律の基本的な問題だと思う。またその方が政府もやりやすいのではないかと思う。たとえばこの間民放のいろいろな免許を与えるときに、政府側からは、いろいろ新聞社の出資額はこの程度にしろ、テレビの免許に際して新聞社がどの程度にしろ、それから新しくできた放送会社の増資に対してはどういう割合にしろとかいうような、いろいろな行政措置としてこれがとられて参った。これは行政措置でなくして、そういう変動する時の動きとともに変っていくようなやり方ではなくて、むしろ基本的な言論の自由を確保するための問題でありますから、これを私は放送法の中に規定しておかなくちゃいかぬのではないか、こういうふうに考えるのであります。いろいろありますけれども、この一番重要であると思う点の御意見を一つ三人のお方から承わりたいと思います。
#86
○高田参考人 お答えいたします。松前さんの御趣旨には私は同感でございます。法律が放送事業者の方を規制するという建前になっておるわけでございますが、しかしその目的とするところは、放送文化の向上と放送内容をよくするというところで規制を受けるわけであります。そこで免許の場合に、免許の条件というようなものを何らかの方法で規制することができましたならば、私はそれは大へんけっこうじゃないか、かように考えております。
#87
○深水参考人 免許のときに政府を縛るようなことが必要じゃないか、会社を縛ると同様にという意味でございますが、私は先ほど根本的改正の問題の一つの問題として置局計画と申しますか、そういう放送局を設置するところの設置基準というのを作っていただきたい、そうしてそのワク内で、設置基準に従っていくような開設基準のようなのを作っていただくことが、根本的改正のときの最大の要件であるということを申し述べたと思います。その点では全く同感でございます。免許のときの会社その他に対する条件につきましても、免許のときの条件は必要でございましょう。しかし会社がその後経営をしていく上の純然たる経営の問題まで政府で規制されることは、事業活動という面から見てどうかと思いますが、私たちとして希望いたしますところは、先に申しましたような置局の開設基準というのをもっと厳格に守っていくような基準を作って、また行政当局もこれを守っていっていただきたいということでございます。
#88
○溝上参考人 電波は国民の電波を公、共的に使っておるわけでありますから、現在でも電波法の中で開設基準その他ありまして、標準はきまっておると思いますけれども、それがさらに公正に、さらに合理的にその根拠が与えられるようなものができればけっこうだと思います。どの法律に織り込んだらいいか、法律的にはちょっとわかりませんけれども、そういう御趣旨はけっこうだと思います。
#89
○淺香委員長 小沢貞孝君。
#90
○小沢(貞)委員 時間もありませんから、一言二言だけ参考人にお伺いいたします。先ほどお述べになりました有光さんですが、四十四条の「公安を害しないこと。」というのを、「公安及び善良な風俗を害しないこと。」というように入れたのは妥当であろうという御発言があったわけです。その前にお聞きした――私は溝上さんの御発言をお聞きしなかったのですが、高田さんか深水さんの御発言では――四十四条から五十何条までずっと規定してあることは、「公安」は別として、「善良な風俗を害しないこと。」という言葉を入れたがために、あとむずかしいたくさんの規定ができたと思うのです。中央審議会だ、地方審議会だ、審議機関だというようなむずかしい規定から、報告義務から、いろいろたくさんできたと思うのです。だから、「善良な風俗を害しないこと。」というその文句さえ入らなければ、おそらく後にあるようなこれだけ長たらしく規制するようなものは入らなかったと思うわけです。ところがこれに対して深水さんですか、高田さんは、なるべく自主的にやるから、こういうむずかしい規制はしない方がよかろうというような御発言であったように私は記憶しているわけです。
 そこでお尋ねしたいのは、今までの放送番組の中で、善良な風俗を害するようなことを放送されたのか。あるいはまた、今こういうむずかしい規定ができる段階に当って、過去の放送番組についでどういう反省というか、自己批判というか、そういうことをされておるか、こういうことを実はお尋ねしたいわけです。こういうむずかしいことは私はない方がいいと思うのです。それにはどうしても自主的な統制というか、自主的な方法によってやらなければならないと思うのですが、反省をされたならば、今後自主的にどのような方法でやられるかということが引き続いて問題になってくると思うのです。こういうものはない方がいいと言われたので、過去の番組に対する反省やら今後の方針やら、そういうことについては実はお尋ねしたいと思うわけです。深水さんですか、高田さんですか、そういう御発言をなされた方……。
#91
○深水参考人 これには私は必ずしも反対ではないのです。ただ番組審議会というのまで法律で規制しなくてもいいではないか。法律で作った審議会だからいい、われわれが自主的にやった審議会だから悪いというような考え方ではなくて、できるだけ自主的にまかしていただきたい。そして公安を害するということはどういうことになりますか、もちろんありませんが、善良な風俗というのは非常にむずかしい問題でございますが、これは入れられておっても、私は必ずしもそういいとも悪いとも申し上げかねます。どちらも私としてはいいと思っております。しかしそれに対しては善良な風俗に反しないようなわれわれの操作あるいは準備と申しますか、番組審議会でやっておりますし、現在でも善良な風俗を害したという放送があったとは、民間放送でも私は寡聞にして聞いておりません。たとえばロカビリーの舞台の中継の問題が、私が民間放送に参る前にあったそうでありますけれども、こういう放送はいけないということで、たしか番組審議会で中止をされたという話も聞いております。非常に良識的な運営をされておると思っておりますので、私は自主的な運営にまかしていただいた方がいいと思っております。
#92
○小沢(貞)委員 それから、いま一点お聞きしたいのは、国際放送を民間でやり得る見通しがあるかどうかということ、これはNHKだけに規制するのは工合が悪いと思うのですが、その点が一つ。
 それからいま一つは、溝上さんにお伺いしたいのですが、先ほど金丸委員から御発言があったように、私もこの前の委員会で問題にしたのですが、最近有線放送が非常な勢いで伸びているわけです。これに対して、ラジオのないところから聴取料を取っているわけです。そんな矛盾はないじゃないかということでだいぶ大騒ぎになっておるわけです。そこでこの前の郵政大臣の御答弁では、法を改正したいというような御発言にも聞えたし、あるいはNHKの方から免除の申請があれば、免除をしてもよかろうというような御発言のようにも聞いたわけです。そこで私がお尋ねしたいのは、有線放送をやっておって、ラジオのないところからは放送料は取らぬようにする、その申請をNHKがしていただければおそらく許可になるのではないかと思うわけです。農村あたりへ行って聞いてみると、畑へ出ていたり、たんぼへ出ていたりして、一回も聞いたことはないけれども、ニュースと天気予報だけは聞いている。それで放送料三カ月二百円取りにきたということで不平があるわけです。そういうことについては免許基準の中にうたっていないのですが、今後来年の四月に改定になるときにそういう申請をされるかどうか、その辺はどういうふうにお考えになっておるかお尋ねしたいと思うのです。
#93
○深水参考人 国際放送の問題でございますけれども、将来民間放送が国際放送をやらぬとも限らぬのであるから、こういうのはこの際やめてもらいたいということを申し上げたのでございますが、現実の問題といたしましては、私たちの方でも研究をしておりますが、短波放送が非常にこれをやりたがっておるという事実もございまして、将来発達していきますと、どの会社も、おれもやらしてくれということもないとも限りませんので、NHKだけに限定するというようなことはこの際やめておいていただきたいということでございます。
#94
○溝上参考人 有線放送施設の問題でございますが、これは現行法におきましては、NHKの放送が聞ける施設からは受信料をいただくというふうに規定されておりまして、たまたまそのほかに免除基準といたしまして、生活扶助を受けておるような方々には免除するという規則が別にございますが、一応NHKの電波放送を受けられるというところからはちょうだいするようになっておりまして、これは現在の放送法の受信料の制度の建前上、個々にこの場合には安くするとか、この場合には高くするとか――たとえば電波の場合も非常に強いところもありますし、雑音があって聞きにくいところもありますが、一応全部が一様な料金でということになっておりますから、特別な場合だけ安くするとか免除するということはちょっと困難だろうと思います。
#95
○淺香委員長 これにて参考人に対する質疑は終りました。つきましては、参考人の皆さんにごあいさつを申し上げます。
 本日は御多用中のところ、わざわざ参考人として御出席下さいましてありがとうございました。それぞれ有益な御意見を承わり、今後の本法案審査の上に多大の参考になると思います。本日はまことにありがとうござまいした。
 本日は午後二時より再開することとし、これにて暫時休憩いたします。
    午後一時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時十四分開議
#96
○淺香委員長 これより会議を再開いたします。
 郵政事業、郵政監察、電気通信、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。質疑の通告があります。順次これを許します。
 篠田弘作君。
#97
○篠田委員 私は簡単に電電公社の副総裁と業務局長にお伺いしたいのであります。ここに新聞があるわけですけれども、これは毎日新聞であります。それからこっちは産経でありますが、まだほかにたくさん出ているようでありますが、最近赤電話、それから公衆電話あるいは郵便ポストというものから非常に金が盗まれるということであります。これは毎日新聞でありますが、ここには三人の兄弟で都心部や川崎、横浜など百カ所で千回にわたって五百万円を盗んだ。その盗んだ金で中古のルノーを買って、その車を使ってまた荒し回った。家には勤めていると言って、一人のかせぎ高を大体五万円程度にきめていたということになると、電話荒しもポストを荒すのもりっぱな職業として成り立つ。しかも一ぺんに何十万円という金を盗まないで、千回にわたって五百万円を盗むという、千回もそういう同じことをやられても電電公社としては何ら対策がないのか。あるいはまた、そういうふうに盗む方がもう月給取りのように一回五万円ときめて盗んでいるというようなことは、ちょっと国民の方からいっても納得ができないし、またこの前の新聞を見ますと、ポストをあけましてそうして郵便使物を全部盗み出している。そうして金だけをその中から取って、あとの郵便物は投げていたということも新聞で見ました。こっちの新聞を見ますと、電電公社の元工夫がこれをやっているということが出ています。そこでこういう事実が一体ことしに入ってどれくらいあるのか、また金額にしてどれくらいあるのか、あるいはまた公社としてそういうことに対してはどういう研究対策を整えておられるのか、そういう係があるかないか、そういう面につきまして両君から御説明を聞きたい、こう思います。
#98
○横田説明員 ただいま御注意いただきました問題、われわれとしても非常に相済まなく思っております。公衆電話の中の金が盗難にかかるということにつきましていろいろ手口があるわけでありますが、今まで非常に多かった手口は、やはり公衆電話をこじあける、いわば公衆電話の金のところをこわして取られるという例が非常に多かったのであります。これにつきましてはすぐ状況がわかるものでありますから、すぐその手配ができておったわけでありますが、今御指摘になりましたものにつきましては、実は内々に合かぎを作っておった。盗むについてもできるだけわからぬように、向う側としてはある程度のものを盗んでいく。また二重箱になっておるわけですが、合かぎであけて中の金を取っておいて、内箱を取りかえておく、こういう手口をやられておったので、非常に巧妙な手段であったためにちょっとしばらく気がつかなかった、こういうことであります。しかしこれにつきましてはやはり非常に問題でありますので、現在はそうやられてもわかるような手段を講じて参りました。大体内箱に番号をつける、各内箱についての一連番号を付して、一連番号によってほかの箱を入れたところはすぐわかるというような手段を講じて参りまして、合かぎについてもときどきこれを注意する。なおこじあけられるものにつきましても、こわされないように始終こういうものを改良いたしております。なお本件につきまして先生から御指摘がありました点を、詳細業務局長から説明いたします。
#99
○篠田委員 ポストの方も一つ説明して下さい。
#100
○吉澤説明員 ポストの問題については実はちょっと私の調査の範囲外でございますが、一応今副総裁から話がありました点を補足的に御説明を申し上げます。
 御指摘の点は最近における三人組の逮捕されましたのは、ことしの九月二十日でございます。ところがこの前におきまして、実は先ほどの手口の一つで巧妙なやり方で、これが三十一年の九月から約二年間にわたりまして、東京及び横浜の公衆電話を荒らしておったわけであります。これがどうしてわからなかったかと申しますと、結局合かぎがございまして、合かぎであけまして今度は自分の持っていた公社の金箱と同じようなものを中に置いていく。そうして実物が入ったものは持って帰りまして、そこで金を取りまして、またその箱をほかに持っていくというわけでございまして、従来外部から見えるような破損をするとか、たたきこわすという場合はわかるのでございますが、こういうような同じような合かぎを苦心してこしらえておりました。実は不思議でございましたが、何ら手がかりがなかったというのは、こちらも十分な調査研究が足りなかったのであります。そこで電話をずいぶん使うにかかわらず、あけてみると、どうも金が少いというようなことを調べる手段といたしまして、分局ごとに公衆電話の番号ごとに大体どのくらいな料金が入るだろうというような一つの見積りと、実際この電話の箱を持ってきまして幾らしか金がないということを一つ一つチェックしておったのであります。そうしますと、特定の個所に同じような手口のものが現われたのじゃないかということで、警察当局にもそれらの犯行のやり方なりを申し上げて逮捕及び捜査をお願いしておったわけであります。たまたま発見されましたのが、その同じ箱を横浜に持って参りまして、横浜の公衆電話に同じ手口をやったところが、横浜では一連の番号を全部金箱に付しているわけです。ところがそれで見ると、一つ全然番号のない箱があった。これはまさしく東京で問題にしている犯人のやり方ではないかということで、即刻警察の方に通知いたしまして、それから足がつきまして、先ほど申した九月三十日にとらえてみたのです。これはやはり三人の共犯でございまして、過去二年にわたりましてやっておりました。大体推定が三百万円近くになるのじゃなかろうか、こういうふうに私どもは考えております。詳しくは今それぞれの調査をいたしておりますが、大体御指摘の案件はそういうことでございます。
 そこでこのような手口が今後もどんどん行われるということになりますと、これはわれわれとしてもまことに困ることでございます。大事な料金についての責任上も、何とかこういうことを防止すべきであるというので考えておりました結果、かねがね箱の改良ということを研究いたしております。現在の公衆電話の大体五割くらいが古い型の電話機を使っております。これはその当時いろいろな事情で公衆電話を非常にふやすという必要がございまして、かつまた一つの使える公衆電話の電話機がありましたために、それに手近かな改良を加えて一応、用を足しておったわけであります。これがそのような合かぎが割合にきく設備になっております。これを合かぎが容易にきかないような設備にした新しい型のものを至急に整備するという方針で今進んでおります。なお新型にいたしますと、外部からねじあげるということは容易にできません。そのような点につきましてもこれによって防げるのじゃないか。また東京が今まで金箱の一連の番号というものを付しておりませんから、これを直ちに一連番号を付しまして、今申し上げたような犯罪がすぐわかる、あるいは未然に防げる、こういう方法を考えまして、一応設備的にはそういうふうに措置をしておるわけでございます。なお巡視、さらにかぎの保管などにつきましては、厳重にその当事者に責任を負わしましてやっておる次第でございます。
 そこで現在このような犯罪、盗難がどのくらいあるかというような御質問でございましたが、全国的の数字は実はここに持ち合しておりませんが、主として東京がこういう公衆電話の被害の数が多いところでございますが、それを調べましたところ、三十二年度中には六十六件あった。金額にいたしまして盗難金額が十一万八千百十円でございます。それから三十三年の十月までに九件ございまして、これが二万二千六百六十円、これがこの犯罪による被害金額の総計でございます。それ以外に、今申し上げた大きな事件というものはこれの中に入っておりません。そこでこれらの手口はどうかと申しますると、五十七件が電話機を外からいろいろな器物その他をもちまして破壊しまして金箱を盗み出す、これは一番だれもやるやり方です。合かぎによるものが七件ございます。以上のような点から申しまして、先ほど申したような設備、装置並びにこれに対する保管及び監視ということを厳重にやって参りたいというふうに考えております。
 なお、これらの組織人における責任というものにつきましては、現場におきましてこの毎日見回り及び所定の期日に公衆電話のところへ参りまして金を集めるという責任者をきめております。なお通信局には公衆電話課というものを設けまして、これらの措置につきまして十分徹底するような監督、指導をするようにしております。
#101
○篠田委員 今御説明を聞きまして、私がこの新聞で承知いたしましたのとは大へん違っておるわけでありますが、そんなに少いと思わなかった。そこで実はこの新聞の通り私は考えておりましたから、干回にもわたって、しかも定時的に五万円くらいずつ盗み出して生活の資に充てておった。そういうルーズなことが一体できるのかどうかということ。
 それから、いま一つわれわれの耳にいたしておりますことは、赤電話でありますが、最近市外直通になったために、十円玉を入れて横浜であるとか、名古屋であるとか、全部直通でかける。そこでいよいよ金を集めたときには、電電公社は勘定合って銭足りずだというような評判を非常によく聞くのです。そういう点は一体どうなんですか、そういうことはできるのですか。十円玉で名古屋と通話ができるようになっておりますか。
#102
○吉澤説明員 お答え申します。今の点は赤電話についてそういう問題がいろいろ世間で言われておるのでありますが、赤電話におきましては、御存じのように一応東京から自動でかけられるところがだいぶできたわけでございます。この場合におきまして、赤電話につきましては必ず委託者からかぎであけてもらいまして、それから市外の通話ができる、こういうわけでございまして、いきなりお客さんが行きまして赤電話を市内と同じ並みに横浜なり、あるいは川崎なり、あるいは千葉なりにかけることはできないことになっております。また十円でどこまでいくかということでございますが、十円ではどこまでもいきませんでして、やはり一般の東京の御家庭の電話におきまして、それぞれが市外通話する場合におきましては番号を申します。そうして自分の番号を言って初めて長距離の名古屋とか、あるいは大阪とか、あるいは福岡とか、交換手を介しないとできないのでございます。今申しました近距離でダイヤルでできるところは御家庭と同じようにできますが、赤電話は、かぎをあけてもらわないとできないことになっております。
#103
○淺香委員長 片島港君。
#104
○片島委員 大臣が見える前にちょっとお伺いしておきたいのでありますが、このたびの逓信省設置法案が内閣委員会にかかっておりますが、この逓信省設置法案の中に電務局を設置するという項目があるのでありますが、電務局というものの機構はどういうふうに考えておられるか。電務局を設置するということになれば、当然その内部機構というものもすでに準備をされておると思うのでありますが、その点は事務当局からまず伺っておきたい。
#105
○岩田政府委員 お答えいたします。電務局につきましては、一応機構といたしまして考えられておる内容は、局長のもとに次長が一名置かれ、その下に五課を置く、五課の名称等については確定しておりませんけれども、内容的には総括的な事務をやるところと、それから公社あるいは会社等の法律に基く監督を行うところ、それから技術の方面を主にした面を処理するところ、それからその他国際的ないろいろな仕事がありますので、それらを監理するところ、大体そういうものです。
#106
○片島委員 電務局を設置せられるについての予算上の定員は、何名成立をいたしておりますか。
#107
○岩田政府委員 三十三年度におきましては、電務局設置に伴う予算といたしまして約一千万円程度でございます。人員は十五名通過しております。
#108
○片島委員 十五名というのは増員分ですか。
#109
○岩田政府委員 増員分です。
#110
○片島委員 すると、現在はだいぶ電電公社あたりからお手伝いなどが行っておるようでありますが、予算上、一般会計で今まかなっておるあなたの方の監理官室の定員は何名ですか。
#111
○岩田政府委員 三十五名でございます。
#112
○片島委員 この三十五名というのは、あなたの方で一般会計で予算上成立した人員ですね。
#113
○岩田政府委員 さようでございます。
#114
○片島委員 今、局長、次長、それから五課を置くというお話でありますが、そうすると大へんたくさんな仕事をやられるようでありますが、課長補佐を置くと、課長と課長補佐で十名。それに係を一つの課に通例普通のところならば二係、三係くらい置く。三孫置いたということになれば、それでも係長が十数名というふうになるわけでございます。大体これだけの定員でもって電務局は十分それだけの構成ができるようになっておりますか。
#115
○岩田政府委員 現在のところ及び来年度といたしましては、一応そういうことでできるだけやって参りまして、なお事務量は年々増加して参りますので、そのときにまた増員の要求をいたしたいと考えております。
#116
○片島委員 それでこの問題は、私は大臣にお尋ねをする前に事務的なお尋ねをしたわけでありますが、今お伺いをしてみますと、だんだんとこれからふやしていく、そこに問題があるわけなんです。われわれが非常に懸念しておりますのは、最初は何か形だけを作って大したことはやらないようにしておいて、あとからだんだんふくらしていってそれを強化していくというところに私たちの非常な懸念があるわけでありますが、この点につきましては後ほど大臣にお尋ねをすることといたしたいと思います。なおあと三点ほどお尋ねしたいのでありますが、大臣がお見えになりましてからいたします。
#117
○淺香委員長 森本君。
#118
○森本委員 私も大臣が来てから聞く事項ばかりでありますが、ちょっと事務的に郵務局長に聞いておきたいと思います。現在大蔵省との間に郵政省が来年度の予算折衝を行なっておると思いまするが、初めから問題になっておりました簡易郵便局法の一部改正に伴ういわゆる四等郵便局制度、この簡易郵便局を二千局設けるというようなことについては現在郵政省の省議としてはどうきまっておるのですか、事務的なお答えでけっこうです。
#119
○板野説明員 来年度におきまして予算上は千局の設置の予定で予算要求をいたしております。
#120
○森本委員 その千局の予算上の要求については、具体的にどういう考え方を持って千局の予算要求をしているわけですか。
#121
○板野説明員 具体的の点につきましてはまだはっきりいたしておりませんが、一応この予算上必要な手数料につきましては、従来の簡易郵便局の手数料よりも若干これを上げていかなければならぬ、こういう考えのもとで私ども手数料の関係のことは大体見当をつけまして、そういう要求をしている状況でございます。
#122
○森本委員 それでは、来年度の簡易郵便局をこしらえるということについては、現在の簡易郵便局から手数料を引き上げるということだけでありますか。
#123
○板野説明員 ただいま予算要求関係ではそういうことを考えておりますが、そのほか簡便郵便局の形態をどういう工合にしたらいいか、あるいは簡易郵便局の長の形をどういう工合にしたらいいかというようなことにつきましては、まだはっきり最後の線がただいまのところ出ておりません。
#124
○森本委員 これはこの前の国会で問題になりましたように、あなたの方としては現在の地方公共団体あるいは農業協同組合以外に、個人にこれを付託をしてもやれるというような方向にこれを改正をする、こういう考え方ですか。
#125
○板野説明員 そういう面をも含めまして、ただいま最後の検討をいろいろいたしている状況でございます。
#126
○森本委員 そういう面も含めて最後の検討をしているということは、一体どういう意味ですか。僕の方にはわからぬが……。
#127
○板野説明員 そういうこともわれわれの検討の事項の中に加わっている、こういう意味でございます。
#128
○森本委員 この問題は、郵務局長は簡単に考えて、検討しておられるというようなことを言うておられるが、この法律案が、かりに今私が言ったような意味において提案がなされたということになると、これは今日の日本の郵便局制度を根底から変革をするという形になりかねない法案でありまして、場合によっては与野党が相対立をすることになりかねない法案です。もしそういうことを考えるならば、簡易郵便局だけを考えるということでなしに、現在の簡易郵便局のあり方、さらに特定郵便局のあり方、無集配郵便局のあり方、それに加えて現在の普通郵便局のあり方、あるいは統括郵便局制度のあり方というふうに、郵便局の全体のあり方を考えてこれを考えていかなければ、この面だけを、とにかく田中角榮君が二千局置くということを一応新聞に発表したもんだから、何とかその目鼻をつけなければならぬということで、簡単に現在の簡易郵便局というものを個人に請負わすことができる、来年度はその予算が一千局であるということでは、郵務局長、これはなかなか容易ならぬ問題だと思うのだが、あなたの方はそう簡単にこの簡易郵便局の昇格だけを考えているわけですか。
#129
○板野説明員 特定局の制度の関係につきましては、先般特定郵便局の委員会が設置されまして、それで一応の線が出されておりますが、私どもといたしましては、ただいま非常におくれておりまするけれども、この面につきましては十分に検討をいたしておるわけでございます。その検討が終りますれば、これは普通局との関連もございまするし、またその中には統括局の問題とも関連が出ておりまするので、全体といたしまして普通局、特定局あるいは簡易局のあり方がどうなるかという点も、私どもといたしましてははっきりさしていきたい、こういう考え方のもとにただいま作業をしておるような状況でございます。
#130
○森本委員 そういうことになりますると、来年度のこの問題については、やはりあなたの方の考え方としては、現在の普通郵便局制度、あるいは特定郵便局制度を含めてこの簡易郵便局の問題を考えている、こういうことですか。
#131
○板野説明員 私ども事務的にはそのような考えのもとで一つやりたいというようなことで、いろいろ研究をいたしておる次第でございます。
#132
○森本委員 そうすると、事務当局としては、この問題についての構想というか骨子というものは、すでに郵務局としての案は一応あると思う。来年度の予算の折衝を現在始めておる段階でありまするから、省議として正式にきまらぬにいたしましても、局議として、場合によっては次長、課長全部集まって、一つの構想がまとまっておるのじゃないか、こういうことが考えられるわけであります。そういう場合にこれに対する構想というものは、一体どういう構想を持っておるわけですか。先ほどのように簡易郵便局を一千局設けるという構想が一応きまっておる。そうなってくると、現在の特定郵便局の無集配局と、それから特定郵便局の制度、さらに普通郵便局に対する問題、そういうことの関連性を事務的にはどうお考えですか。
#133
○板野説明員 ただいま特定局の制度の問題につきまして、答申案に基きまする私どもの考え方を、実はただいま非常に急いでまとめつつあるような状況でございまして、この考え方がある程度まとまってくれば、あるいは全体の姿が出ると思いまするが、現在のところ、目下そういうところでいろいろ検討中でございまするので、はっきりしたところを事務的にもただいま申し上げることができないような状況でございます。
#134
○森本委員 それは実に職務怠慢といわざるを得ないのですよ。この特定郵便局制度審議会の答申案が出てからもう一年になるのです。一年間に一体郵務局長は何をしておったかということを言われても、これはやむを得ぬとり思う。もっともあなたの方はそういう案ができておっても、事務当局がそういう答弁をして、とんでもないことになるとあとでしかられるので、きょうは検討中ということで一応逃げておいたら間違いないということでお答えになるならば、これは別でありますけれども、しかしその問題は非常に重要であるということははっきりしておるわけです。だから簡易郵便局を、一応そういう形における現在の簡易郵便局から昇格をさすということを考えるならば、当然現在の特定郵便局の集配局と無集配局をどういう形におくかということは、この間の特定郵便局制度審議会の答申案にとらわれずにやはり考えていかなければ、この簡易郵便局の昇給という問題については出てこないと思う。だからこれについての基本的な意見というものを、あなたがここで大臣も政務次官もおらぬときに述べるということは困るというならば、これ以上追及をいたしませんが、しかし事務当局としては、そう簡単にこの問題を考えて結論を出しておったのでは、郵政省は上を下への大騒ぎになる。だからこれはあなたの頭の中で考えておるほど、そう簡単にいくものではない。少くともこういうふうな改革というものは、これこそ与野党が実際によく政治的に話し合いをすれば、お互いに一致する点もあろうと思う。郵便事業なんというものは、これは公共的事業であって、何も政治的に介入すべき余地はないのである。だからそういう点を十分事務当局としては考えて――そうしてややもすると、そういうふうな点について政治的色の濃い改革になる場合には、それは一つ事務当局として郵務局長が硬骨漢として、今言ったような公平な郵便事業制度というものを考えていかなければならぬ。そういう一大決意を持ってあなたは当ってもらいたいと思うのですが、この点はどうですか。
#135
○板野説明員 ただいまお話の通り、公共機関としてきわめて重要な関係を国民に持っておりますので、私どもといたしましては、先生のおっしゃいましたように、きわめて慎重なる態度をもちまして十分に検討をして参りたいというように考えております。
#136
○森本委員 そこで、これは今までもこの逓信委員会としては慣例となっておるわけでありますが、与野党が著しく対立をするような政治的な問題は別として、こういうような公共的なものについて、少くとも政治的な問題を排除して、一体郵政事業をどういうふうに復興させていき、あるいはまた進展をさせていったらいいかというような問題については、法案ができ上るまでに、与野党のそれぞれの意見を聴取して、ようやく固まって一致して法案を提出するという形を現在までとっておる法案がいろいろあるわけであります。そういう観点からいった場合には、少くともこの郵便局制度を根本的に改革をしようという問題になりますと、一応そういったものに当てはまるというようにわれわれとしては考えておるわけであります。そうなってきますと、これを国会に提出して、これが円満に遂行されることになりますと、やはりこれは従来のような形において、与野党を問わず一応事前に十分意見を郵政当局が聞いてしかるべきではないかと思うのでありますが、その点はどうですか。
#137
○板野説明員 ただいまの件につきましては、上司とも御相談を申し上げまして、御希望のようなことにできますればそのようにいたしたい、かように考えております。
#138
○森本委員 御希望ではない。(笑声)たとえば放送法の改正とかいう問題において政策的にある程度意見が対立するというような問題は別として、現在の郵便局を、いかようにするかという問題については、やはり従来の一応の慣例としては、今言ったような措置を歴代の郵政大臣はとってきて円満にこれをやっておる。そういうことから考えてみますと、今言った郵便局制度の改革というようなことはそういうことに当てはまる。だから、大臣はどういう考え方か知りませんよ、大臣は来ていないから、これは大臣が来てから大臣に聞けばいいが、事務当局の責任者としての郵務局長は、私が今言ったことに対しては、反対することはむろんないから、賛成だろうということを聞いておる。むろん大臣あるいは政務次官はそれぞれの政治的な意見があるでしょう。しかし事務当局としては、今私が言ったような方法においてやれば一番やりやすい問題であると思う。だから、事務当局の責任者としての郵務局長は、私が今言ったような考え方に同調できるのではないか、こういうことを聞いておるわけです。
#139
○板野説明員 上司ともよく相談してやります。
#140
○森本委員 この問題も大臣が来なければ、これ以上郵務局長に聞いても、郵務局長が苦しい立場になると思いますのであえて聞きませんが、今言ったことは非常に重要な問題でありますから、上司と相談をする場合には、あなたの方は意見を大胆率直に述べて、変な方向にいかないようにくれぐれもお願いしたいと思います。
 大臣に質問をしないとこれから先ちっとも委員会の運営が進みませんが、もう一つ郵務局長にその見解を聞いておきたいと思います。特定郵便局長の任命については、現在までは大体この委員会としては部内者を一応とっていく。しかし部内者がどうしてもいない、あるいはまた部内者には適任者がいないというふうな場合については、やむを得ず部外者を任命する、こういう方針を今日までとってきておったわけでありますが、そういう点については、郵務局長としては、郵務局の立場から見た場合は、事業的な見地から見た場合は、そういう従来の方針がやはりいいというふうに考えられますか。
#141
○板野説明員 これは人事部の関係でございまするので、人事部長が見えますから、その方から答弁をさしていただければいいと思います。
#142
○森本委員 それではもう事務当局に対する質問はやめます。大臣が来るまで待ちます。
#143
○淺香委員長 ちょっと速記をやめて。
    〔速記中止〕
#144
○淺香委員長 速記を始めて。
 次会は明後二十四日金曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後二時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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