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1958/10/27 第30回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第030回国会 逓信委員会 第6号
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1958/10/27 第30回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第030回国会 逓信委員会 第6号

#1
第030回国会 逓信委員会 第6号
昭和三十三年十月二十七日(月曜日)
    午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 淺香 忠雄君
   理事 秋田 大助君 理事 武知 勇記君
  理事 粟山  博君 理事 橋本登美三郎君
   理事 片島  港君 理事 小松信太郎君
   理事 森本  靖君
      大森 玉木君    木村 武雄君
      藏内 修治君    田邉 國男君
      根本龍太郎君    服部 安司君
      渡邊 本治君    小沢 貞孝君
      大野 幸一君    金丸 徳重君
      佐々木更三君    原   茂君
      松前 重義君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 寺尾  豊君
 出席政府委員
        郵政政務次官  廣瀬 正雄君
        郵 政 技 官
        (電気通信監理
        官)      岩田 敏男君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      濱田 成徳君
 委員外の出席者
        郵政事務官
        (事務次官)  小野 吉郎君
        郵政事務官
        (郵務局長)  板野  學君
        郵政事務官
        (貯金局長)  加藤 桂一君
        郵政事務官
        (電波監理局次
        長)      莊   宏君
        専  門  員 吉田 弘苗君
    ―――――――――――――
十月二十四日
 委員栗原俊夫君辞任につき、その補欠として實
 川清之君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十七日
 委員正力松太郎君辞任につき、その補欠として
 大森玉木君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員大森玉木君辞任につき、その補欠として正
 力松太郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十月二十五日
 西春局電話交換台増設に関する請願(早稻田柳
 右エ門君紹介)(第一〇二三号)
 西春局の電話加入区域拡張に関する請願(早稻
 田柳右エ門君紹介)(第一〇二四号)
 有松、大高両局の鳴海局合併等に関する請願(
 早稻田柳右エ門君紹介)(第一〇二五号)
 大草簡易郵便局の昇格に関する請願(早稻田柳
 右エ門君紹介)(第一〇二六号)
 北陸地方に簡易保険及び郵便年金加入者ホーム
 設置に関する請願(大森玉木君紹介)(第一一
 七五号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 放送法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
 八号)
 郵政事業に関する件電気通信に関する件電波監
 理及び放送に関する件
     ――――◇―――――
#2
○淺香委員長 これより会議を開きます。
 郵政事業、郵政監察、電気通信、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。この際寺尾郵政大臣より発言を求められております。これを許します。寺尾郵政大臣。
#3
○寺尾国務大臣 一言おわびを申し上げます。先週は私が病気をいたしまして欠席をいたしましたことによって、当委員会の審議の上に非常な御迷惑をかけたということに対しまして、まことに遺憾でありまするし、つつしんでおわびを申し上げます。
 なお私が前回出席をいたしました委員会で、森本委員から中共との郵便物の交換についての御質疑がございました。その節私は、この問題は政府としては非常に重大な問題でもあるし、できるだけすみやかに中共との郵便物交換をなし得るように努力しておるんだ。ついてはなお今後の問題等について外務大臣とも相談をして、将来への見通し、また政府の方針等を次会にお答え申し上げることをお約束いたしてありましたので、ここでお答えさせていただきたいと思います。
 前回御答弁申し上げましたように、中共との郵便物の交換が、現在香港を経由いたしておりますことによっていろいろの支障を来たしておることはまことに遺憾なことだと存じます。従いまして政府といたしましては、中共との正常な郵便物交換の協約を締結したい、こういう考え方からしばしば交渉をなさんといたしました。ところが中共の方では北京あるいは東京といったようなところをその交渉の地として要望いたしましたし、こちらの方は中共の現在の立場、日本との関係等を考慮いたしまして、第三国を選ぶことが適当ではないか、こういうことからジューネーヴ等を主張いたして参りまして、このことが結論を得るに至らなかったのであります。
 この点につきまして過日、係の者を外務省と折衝いたさせましたし、私といたしましても藤山外務大臣に会いまして、この問題について早急に何とか方法を講じたいということをいろいろ相談をいたしました。そうして両国の置かれておる現在の状況等の分析等もいたしたわけであります。その結果、このことはきわめて重要な問題であるから、できるだけすみやかに交渉するようにしたいが、今のところはこの問題だけを切り離して中共と交渉をすることにはやや困難な点もあるので、しばらくここで状況その他を見守って若干の期間を置いて、適当な機会をとらえてこの交渉を外務大臣としてもしたい、こういうことでありました。従いまして私といたしましても、外務大臣のさような意見、また現在両国の置かれております状況等にかんがみ、しばらくその時期をかりまして、そしてチャンスを得ればこの問題について強く交渉に乗り出していこう、かように考えておるわけであります。この点御了承が願いたいと思います。
#4
○淺香委員長 これより質疑を行います。質疑の通告がありますので、順次これを許します。
 森本靖君。
#5
○森本委員 中華人民共和国との郵便物の協定の問題については今大臣から御回答がありましたが、中共との郵便物の協定については現在できないという理由が、今の情勢からしては云々ということでありまして、どうもはっきりしないわけであります。最初からまたやり直して聞いていきたいと思いますが、一体中華人民共和国と日本政府との郵便物の協定については早急に締結をしたいという意思がありますかどうか。
#6
○寺尾国務大臣 ございます。
#7
○森本委員 そうするとこちらの方にはある、向うにない、こういうことですか。
#8
○寺尾国務大臣 さようではございません。これは交渉の地点について両方がいまだ一致の結論を出し得ない、こういうことでありますから、この点について一つ当方としてもさらにこれを交渉したい、こういうことであります。
#9
○森本委員 そうすると、交渉の場所が不一致であるというのが唯一の原因でこの協定ができない、こういうことですか。
#10
○寺尾国務大臣 すべてがそれとは申し上げられないかもしれませんが、大体それが一番大きな原因でございます。
#11
○森本委員 その交渉の場所についての話し合いが始まったのはいつですか。
#12
○板野説明員 お答え申し上げます。昭和三十一年の八月ごろから場所の問題で話し合っております。
#13
○森本委員 三十一年の八月からということになりますと、二年、三年でもう三年越しになるわけでございますが、現在それではっきりと言えるのは、交渉場所が向うはどこでこっちがどこということでいっておるわけですか。
#14
○板野説明員 中華人民共和国側は東京か北京でやってほしい、日本側よりは最初はジュネーヴということを提案しておったのでございますが、その後中共を承認しております第三国でも、場合によってはいいじゃないか、こういう提案もこちら側はいたしておるわけてございます。
#15
○森本委員 その第三国でもいいではないかというふうに提案をして話し合いをしておるというのはいつからですか。
#16
○板野説明員 これは昭和三十二年の九月ごろから、大体そのような交渉をいたしております。
#17
○森本委員 そうするとその場所については、三十二年から話をしておっていまだに解決がつかぬ、こういうことですか。
#18
○板野説明員 その通りでございます。
#19
○森本委員 そうすると、その場所について話し合いがつけばこの交渉は直ちに軌道に乗る、こういうことになりますか。
#20
○板野説明員 事務的には私どもそのように考えております。
#21
○森本委員 事務的にはということを言われましたが、大臣、政治的にはどうなんですか。
#22
○寺尾国務大臣 これは今局長からお答えいたしましたように、三十一年ごろからというのでありますから、相当長い期間この問題の交渉がなされつつ、そのままに遅々として進んでいない、こういう状況につきましてはまことに遺憾でありますが、過日藤山外務大臣と私とで相談をいたしました結果におきましては、まず交渉の地点について自分の方から機を見て向うの方に――これはジュネーヴの出先機関にも交渉させて参っておるわけであります。しかし藤山外務大臣といたしましても、このことをいつまでもこうした形で置くということは好ましくないから、それでは一つ機会を見て自分の方も少し本格的に強く交渉を進めてみましょう、ただし今の客観情勢というものから、中共との関係において、これだけを切り離してやるということには困難性があるからして、時期をしばらくかしてほしい、こういうことでありますから、いわゆる交渉の地点について中共側と一致するということになれば、私はこの解決は早くできるのではないか、さように考えております。
#23
○森本委員 現在の客観情勢からするならば、この交渉地の決定についてもむずかしい、こういうことを外務大臣が言われたと言われておりますが、現在の客観情勢というのは、岸内閣がある限りちっとも直らぬことであって、これは岸さんに内閣でも退陣をしてもらう以外は、今の客観情勢が直るということはとうていあり得ない。われわれが言っておりますこの郵便物協定ということは、そういう政治情勢を一切抜きにして、郵便は万国共通であるという観点から、これを結べということを初めから言っておりますので、その外務大臣の客観情勢云々ということは今の政治情勢が云々であるから、こういうことですか。
#24
○寺尾国務大臣 これは全部そういう意味というのではなくて、大臣と私が話した場合も、これは政治問題とは違うのだ、要するに郵便物の交換といったようなことはほんとうに事務的、技術的の問題でもあるから、これはやらなければいかぬという意味でありまするので、岸内閣云々ということは私は考えておりませんが、できるだけ早く――ただ、今直ちにということにはやや困難があるということでありまするから、若干の日数というか期間を置けば当然これは交渉をしてしかるべきものだ、さように考えておりますし、また藤山外相もさような考え方であるわけであります。
#25
○森本委員 今直ちに困難であるということは、どういう意味ですか。
#26
○寺尾国務大臣 どういう意味ということはこれだけを取り上げて今直ちにということでなくて、少し状況を見て、こういうことであろうと思いますが、このことについてはいつまでもとか、あるいはこういう政治情勢だからとかいうことではなくて、若干の準備も必要であろうし、またそれについての外務大臣の用意も必要じゃないか、私はさように考えると同時に、今の客観情勢ということをも含んでいないことはない、かように見ております。このことについては、過日私と外務大臣と相談いたしました際には、外務大臣も相当熱意を示したかに私もその点が十分察知できましたので、今後ともにそのままにはしておかないで、いつまでも客観情勢を見守っておるというのでなく、続いて私の方も大臣と連絡をいたしまして、できるだけ早くそういったような交渉をやっていきたい、さように考えております。
#27
○森本委員 どうも大臣の答弁が、私に言わせますならばしどろもどろの答弁であって、一つも要点がない。コンニャクを手でつかんでおるような格好の答弁であって、一体どこにこれが権限があるかということについてはっきりしない点があるのでありますが、大臣も病後で非常に疲れておるようでありますので、私がこれ以上辛らつな質問をするとどうも気の毒になりますし、この問題についての質問は他の委員の方から質問があるようでありますので、私の質問は一応これで終ります。しかしこの問題については三十一年八月から交渉しておる問題でありまして、今日もう三十三年であります。三年越しの問題であるし、それから当委員会においてもこれは絶えずやかましくいわれておる問題でありまするし、それからその他の郵便物のいろいろの協定等については諸外国との間においてもほとんど結ばれてしまって、残っておりまするのはこの中華人民共和国との間の問題だけであります。それで交渉地の問題についても東京、北京、ジュネーヴとか云々言っておりまするけれども、先ほど来の大臣の答弁の中にもうかがわれますように、現在のこういう政治情勢からするならば、これだけを取り上げてやるということはなかなか困難であるというのが、おそらく岸内閣の本音だろうと思う。こういう問題については郵政大臣が一人一生懸命でやったところで、内閣全体がそういう方向に向いていかなければ困難であるということはよくわかりまするけれども、しかし当面の責任大臣としての郵政大臣はやはりこの協定を結ぶということについては、内閣全体を動かしていって最終的に早急に結ぶ、そういう方針においてやる義務があるわけでありまするから、本日は私はこの追及についてはとどめますけれども、大臣としてはさらに一そうこれについての努力を願いたい。大臣の任期がいつまであるか、それは私も知りませんけれども、大臣の任期のある間に一応この問題だけはせめて解決をつけてもらいたい、こういう強い要望を持っておりまするので、十分大臣もお考えの上善処を願いたいということを希望しておきまして、一応私の質問はこれで終ります。
#28
○金丸(徳)委員 関連して。私も今の中華人民共和国とわが郵政省との郵便交換のことにつきましてしばらく前に大臣の御所見を伺っておいたものでありますが、ただいまの御答弁の中で、私がお伺いをいたしてその後御研究を願って御答弁をいただきたいと思った問題について触れておりませんので、関連してお伺いをいたしておきたいと思います。
 私はこの問題を今の段階において正面切って外交問題として取り上げようとしましても、なかなかおいそれというわけには参らないかもしれない。そういうことが望ましいことではあるけれども、なかなか容易ではないと思われるので、そこで一つの方法として、郵政大臣が商売人として、事実上の問題としてこれを何とか解決の方向に持っていかれる腹があるかどうか、またそれについてどういうふうな努力をなさっておられるかについてお伺いをいたしておったのであります。そういう問題について過去のそうした方向での御努力あるいは経過というも一のをもお伺いをいたしておったのでありますが、この機会において御答弁を願いたいと思う。
#29
○寺尾国務大臣 金丸委員から先般そのような御質疑があり、また中華人民共和国との郵便物の交換をできるだけすみやかにやるべきだという御意見を拝聴いたして参ったことも私の記憶に新たなところであります。ただ先般森本委員その他の委員からもこういう御一質疑があり、私自身もその後これをそのままにしておったというわけでなく、毎国会ごとにこの問題をどういうふうに進めていくかということについていろいろ協議もいたして参ったのでありますが、先ほど来私も申し上げますように、なかなか思うように進んで参りません。過日外務大臣と相談をいたし、まして、このことはどうしても郵政省としての方針は早急に締結をしたい、一郵便物交換をしたいのだというような意見も伝えまして、同時に藤山外相からもそのことに対して私と全く同意見りである、こういうことも両者で一致をいたしたわけでありまして、藤山外相といたしましても時期を見て何とか交換がなし得るような交渉をしたい、こういう方針をきわめてはっきりと示されましたから、でき得れば私は今の考一え方としては、藤山外相とこの交渉の地点について、日本がジュネーヴということを固執しておったのを、必ずしもジュネーヴでなくてもいいということにもなっておりますから、こういう点で外務省の方から交渉の地点をきめてもらえば、その後の解決はスムーズにいくではないか、そういうふうに考えておりますから、今のところ私が私だけでこれをやるということの前に、正式に外相と私とで協力し合い、この交渉をし成功をおさめたい、かように考えております。
#30
○金丸(徳)委員 今のように外務大臣としても早急にやりたいという御意見のようであります。郵政大臣はなおさらのことである。この点が一致いたしておりますと、これはおかしな言い分ですけれども、正面切って外交上の手続を踏もうとするから問題がすぐ壁に突き当ってしまう。そうではなくして、外交上の問題としてではなくて、その一歩手前で事実上の問題として打開していく以外にはちょっと取りつく道がないのではないかというような考え方に立って、それの行動を起していただきたいと要望を申し上げておいたのであります。私は日本赤十字社とあちらの紅十字会との交渉によって引き揚げ問題が片がついていったということを思い出すのであります。これは両国の外交関係としてはなかなかできない段階であるがゆえに、人道上の立場から進めていったことであり、そしてそれが大きな効果をもたらしておることは御承知の通りであります。私は郵政事業におきましても郵便物交換についても、そういうようなあっさりした立場でこの問題と取っ組んでいただきたい、こう思ったのであります。今のお話でありますと、依然として外務大臣と相談をしてだとか、あるいは交渉地点がどうだとかいうようなことをおっしゃっておられる。交渉地点だとか何だとかいうようなことはそれは正面切っての外交上の手続を踏もうとするからそういうことに行き詰まってしまうわけであります。交渉地点だとか交渉の相手方がかみしもを着なければというようなことではなくて、場所などは、こちらから出かけていってもいいと思いますし、上海でも香港でもいいように思います。それからこれは商売としてやるわけですから、両独立国の関係上、外務大臣への耳打ちくらいは私も必要であろうと思うけれども、その辺のところであとはおまかせ願いたいというような立場でこの問題を処理していただかなければならないのではないだろうかと思ったからでありました。もう一度郵政大臣から、商売人の立場からの御返答をいただきたいのであります。
#31
○寺尾国務大臣 金丸委員の御所見もよく私はわかります。これは私の所管であり、私自身の責任においてやらなければならぬということもわかります。ただ中共と日本との間がごらんのような形になっておりまするから、でき得れば私は外務省と出先機関等がこれに協力をして、そうしてこの交換を成功に導きたいということでありまするから、一応外務大臣もすでにさような決意をいたしておって、交渉地点等についても今直ちにとは言えないけれども、機を見てやりたい、しかもそれは積極的に自分の方も進めていきたい、かような熱意を示しておりますから、そういったこととも十分連携をいたしまして、私といたしましてはこの問題をぜひできるだけ早い機会に解決をしたいと考えております。同時に、金丸委員の御意見等につきましても、私といたしましては十分これを参考にいたしたい、かように存じております。
#32
○金丸(徳)委員 大臣の熱意はわかるのでありますが、私はその熱意を何らかの行動に移していただけないかどうか。もう行動に移していい時期でもありますし、決して早過ぎはしないと思うのであります。これにつきまして、あるいはよけいなことになるかもしれませんけれども、かつて満州国郵政庁と当時の中華民国との間の郵便物の交換を開始いたしましたときも、実は事実上の交渉が先に立っていったのであります。そうして交渉がほとんど正常化された後に両国の外交上の折衝に入っていって、そしてこれは表には出なかったのでありますが、交換協定ができたわけであります。そのとき最後に問題になりましたのは使用の郵便切手をどうするかということでもめてはおったのでありますが、事実上の交換は全く正常化された状態において行われておったというようなことを私は思い出すのでありますが、郵便の交換というのは実はそういうものだと思うのであります。そういう事実が先に立つ、あるいはそういうことを土台として――もちろん正式に交換協定ができればそれに越したことはないのでありますけれども、それがいろいろな関係上できない場合においてすらも、それを事実上の問題として扱われる例はたくさんあると思うのであります。要は関係大臣、関係当局者がその熱意を行動に移して事実上の折衝をなさるかどうかということにあろうかと思うのであります。外務大臣もそういうことについて賛成なさっておるといたしますならば、郵政大臣は直ちにこれを行動に移す必要があろうかと思うのでありますが、その事実上行動を起す態度、方法、時期というようなものについて御所見を承わっておきたいと思うのであります。
#33
○寺尾国務大臣 今の場合といたしましては、先刻来申し上げておりますように、できるだけ早く外務大臣の方から交渉の地点について交渉してもらって、それにのっとって進めていきたいと考えておりますので、このことに対しては、私は金丸委員の御質疑の中にありましたように、これは正面切ってやってもだめだというようには考えておりません。私は成功をおさめなければならぬし、またこれは他の政治問題等とは違うのでありまして、外務省も熱意を示して、そういったような交渉地点について妥結をし、私は私で熱意を持って進めばこの問題については成功し得る。それじゃいつ成功できるかということは、相手のあることでもありますけれども、この問題については必ず解決ができるのではないかと考えておりますから、先刻来申し上げておりますように一つ今後の交渉に御期待をいただきたいと思います。
#34
○金丸(徳)委員 外交上に籍口して郵政大臣が責任のがれを言っておるとは私は思いたくないのであります。しかし先刻来のお答えを聞いておりますと、どうやらそうとらなければならないようにも聞えるのであります。どうかそういうことのないように一つお運び願いたいということを要望申し上げまして、私のこの問題についての質疑を終ります。
#35
○寺尾国務大臣 小澤委員から先般の委員会におきまして、有線放送電話の加入者に対するラジオ受信料を免除するという方法はないか、あるいはまたその申請を出したときにはどうするか、こういうような御質疑がございまして、そのことに対しては私が次会の委員会でお答えを申し上げる、かようなことになっておりましたが、この点につきまして種々事務当局とも検討いたしました。また私がその際にも申し上げましたように、いろいろこの点につきましても検討いたしました結果、現行の受信料制度ということから申しますと、これを免除することが困難だ。従って有線放送電話加入者に対する免除はいたさないということでございますので、一つこの点御了承を願いたいと思います。
#36
○淺香委員長 ちょっと前段の問題で関連質問の申し出があります。大野幸
 一君。
#37
○小沢(貞)委員 私は藤山外務大臣が国際場裏に働かれているところを見ていると、なかなか新しいセンスを持って働いておられると思う。ところが一たん国内に帰られると藤山外務大臣の考え方がそのまま政治に移されていかれないというような点を見ておりますると、今度こそ一つ藤山外努大臣とあなたの今の心持とをもって貫徹していただきたいと思いますことは、昭和三十年に私たちが中国へ参りましたときに、政治の国交回復の前に、経済の方では貿易協定その他が行われておるが、とにかく文化交流を盛んにしようじゃないかということで、対外文化協会と私たち訪問団との間の文化交流に関する協定を持って参りまして、国交が開かれる前に世話団体をこしらえようというわけで呼びかけましたときには、当時の自民党の人たちも文化の問題は全く別である、これは大いにやろうじゃないか、やってくれたまえというわけで、直ちに賛成して下さいました人は自民党に多かったのです。そうういうように文化の問題は政治と切り離し得ることであり、まずこれをやることにおいて両国親善ということで一致したのでありまして、その文化の基本をなすところの郵便事業に対しては、まずそれが最も早く打開の道が開かれてけっこうだろうと思う、また当然であろうと思います。ただいまの議長星島二郎先生、松村謙三先生、川崎秀二先生、当時自民党を離れておられました佐藤現大蔵大臣にも私は会いましたところが、両国間はとにかく文字を同じくし、顔色を同じくしているのだから、文化交流だけはやる方がよろしいと叱咤激励をしてくれたようなわけです。そういうわけでありますから、この点は今の世界情勢がどうであろうと、台湾問題がどうであろうと、これは一つこの際早急に勇気を持ってやってもらいたいことを私はこの際希望申し上げたい。これだけは静観というのもほどがある、問題によっては直ちにやられてもけっこうだろうと思います。
 それから東京あるいは北京ということは、私としては妥当なことだろうと思うのです。どちらでもよいということになれば、これは妥当なことであって、あえて気がねをして第三国をてらう必要はなかろうと思うのです。この問題をそんなに場所的の関係にとらわれるということは、何か日本の自主性がないように思われる。どこかの国に遠慮しているというようなことでは、せっかく独立した日本の体面問題にも関するだろう。私はむしろ東京へ来い、東京でやることがよい道であろうと思う。何も北京まで行かなくてもこちらへ来てくれ、現にこういうことは貿易協定その他について行われておるのでありますから、ひとり文化の前提をなす郵政事業問題については、ちょうど同僚議員が言われましたように、大臣の就任中にぜひ一つ御推進を願いたいと思いますが、大臣に重ねて一つお答えを願いたい。
#38
○寺尾国務大臣 大野委員の、中共との貿易その他の問題でいろいろ御交渉に当られた御体験、またその結果等については私も全く同感でございます。従いまして、この問題は金丸委員からも御指摘がございましたように、私は決してこれを外交問題に籍口して延ばそうとか、これを一つゆるゆるやろうとかいうことではなくて、ほんとうにこういうような問題こそできるだけすみやかに解決をしなければならぬ問題でございますから、この点につきましては両委員の御意見等を十分私も身につけまして、今後責任をもって一つこの問題を、外務省との関係をも調整しつつ私の主管において一つ進めていきたい、かように存じますから御了承を願います。
#39
○小沢(貞)委員 前回の有線放送でラジオの施設のないところから聴取料を取る問題について、いろいろ御質問申し上げて次会に答弁するということで、先ほど大臣の答弁があったわけです。いろいろ検討した結果、現行の受信料制度においては免除は困難だからしない、要約すればこういう答弁のようです。しかし私はお尋ねしたいが、前回はうしろにおられる莊さんは、現行法規においてもできる、こう言われたわけです。読み上げてみますと、いろいろ答弁した中で、「それから第二項の免除基準でございますが、これは法律の解釈といたしましては、協会から有線放送関係は全部免除したいという認可申請がありまして、郵政大臣がそれを適当と認めて認可しますれば、免除の措置ができるわけでございます。」法的にはできるわけです。ところが大臣は、先ほど受信料制度ではできない、こう言われますが、その食い違いについては何の表明もないわけです。その点をお尋ねしたいと思います。
#40
○寺尾国務大臣 ただ受信料免除には、小澤さんも御承知のように一つの基準がございます。この基準にはまらないことには許されない、免除することができない、こういうことになっておりますので、この有線放送電話の加入者というものは一応この範疇においてはこの基準に入らない、ただこの入っておる加入者の個々の状態については、あるいはその基準の中にある人がその中におるかもしれませんが、これは別といたしまして、ただ有線放送電話の施設またその加入者には、この基準に当てはめるというこの規定の解釈ができない、こういうことで私が申し上げたのであり、莊次長の答弁は、郵政大臣に申請するという規定であるから、申請して郵政大臣が許可すればできるんだ、こういうことを申し上げたのではないか、私はその内容を調べてみると、結局その基準にはまらないからそれでできないと、こういうことでありまして、私へのそうした申請を提出したことに対しては一応検討する、これは当然であります。その申請が提出されたものとして検討いたしました結果、この受信料を免除するというこの基準に当てはまらないので、受信料の免除その他ができない、かようなことでございます。
#41
○小沢(貞)委員 免除基準というのですか、規定のことは私もわかりますから、あとで質問します。とにかく放送法三十二条に基いてやろうと思えば法的にはできるかどうか、そのものずばりの答弁をして下さい。やろうと思えばできるかどうか、これは大臣でなくてけっこうです。事務当局から法的な解釈をして下さい。やろうと思えばできるかどうか。この前の莊さんの言われたことをもう一回確認してもらえばいいんです。免除基準のことは私わかっておりますからあとでお尋ねしますが、法的にできるかどうかということを一つ……。
#42
○莊説明員 先般私二回お答えをしたわけでございますが、第一回目に申し上げましたのは、先ほど先生がお読み上げになった通りでございます。その点につきまして、実は言葉が足りませんでしたので、あとで補足さしていただきまして、もちろん認可すればそれは免除になるわけであるけれども、認可ということそのもの自体の中において問題があるということを申し上げたわけであります。すなわち、郵政大臣が認可されるか、されないかの問題があるということを申し上げたわけであります。その点につきまして、ただいま郵政大臣は、認可する場合には認可するに値いするものでなければならないということを言われたわけでありまして、本件につきましては認可することが妥当なものであるとは認めない、こういうことが今郵政省の見解であります。
#43
○小沢(貞)委員 法律的には認可すればこれはできるのです。先はどの答弁もそうですし、きょうの答弁もそうだと思うのです。法律的には私はできると思う。ですから、大臣にこの前の答弁を取り消していただかなければならない点があるわけです。読み上げます。だいぶ終りの方ですが、私の質問に対して「違います。どうもはなはだ御不満で申しわけありませんが、現行法においてはできない。要するに農村電話のこのラッパに対する聴取料を免除することは、現行の法律においてはできない。」二回繰り返していますが、これは間違っていますから、大臣に取り消しをまずしてもらってから、次の私の質問に入りたいと思います。これは一つ大臣から取り消しをお願いしたい。
#44
○寺尾国務大臣 私のお答えを申し上げていることは、別に間違っておると私は存じません。これは有線放送電話の問題についての申請であれば、現行法におきましてはそうしたいわゆる聴取料免除の許可ができないのでありますが、それを私は率直に申し上げたわけでありますから、それが私は間違っておるとは考えておりません。
#45
○小沢(貞)委員 何も有線放送でなくても、何か特別の事情があるものは法的には、申請してきて大臣が認可すれば、それは免除することができるんです。これはできるんです。それでいいでしょう。事務当局もそれでいいでしょう。法律にもあるし、政令にもあるから……。取らなければならないということは何も有線放送にこだわらなくてもいいのです。特別な何か事情があるものは、申請してきて、大臣がその免除基準を認めればできるんですから、この場合も一般的に考えれば法的にはできるんです。だから、できないと断言することは間違いだと思うんですが、そこをもう少し検討して御答弁をいただきたい。
#46
○寺尾国務大臣 これは小澤委員は法律論として――私は法律には全くずぶのしろうとですが、法律論としてあなたが基本問題を御質疑になったということではなくて、あなたは有線放送電話の加入者の実情をいろいろお話しになって、それの質問でありますから、現実のいわゆる有線放送電話の加入者について免除ができるかできぬかということの御質疑でありますから、私がそれに対してお答えを申し上げたということで、私は間違っておる、あるいは取り消さなければならぬものだということは考えません。
#47
○小沢(貞)委員 もとはそういうことなんです。やろうと思えば、今の法律の解釈ではできる。小澤郵政大臣ならできる、寺尾郵政大臣じゃできない、そんな法律はないんですよ。だから、今の法律でやろうと思えばできるかできないかということを言っているだけのことで、やりたくないとか、やろうとするということとは別問題ですよ。大臣がやりたくないという意思があればできないんです。これは確かにそうだと思う。やろうと思えば今の法律でできるかどうかということを言っている。私が大臣ならできるような法律、寺尾郵政大臣ならできないという、こんな二色に解釈できる法律がありますか。だから、やろうと思えばできるか、できないかと言っているんです。今の法律の解釈を言っているんです。
#48
○廣瀬政府委員 私が大臣と事務の中間みたいな立場にいますから、私からお答えいたします。
 これは事務的に申しますとお説の通りでありまして、法律的にはできることになっております。ところが大臣は、有線放送に対しましては電波監理審議会へかけまして基準ができておりますから、その基準に照らしまして認可することはできない、さような免許は有線放送に対しましてはできないという事実を申し上げているのでありまして、さようなことだけであります。
#49
○小沢(貞)委員 大臣、わかりましたですね。法律的にはできるんです。法律的にはできるということと、やりたくないということは別なんです。
 そこで私はお尋ねしたい。今の事務的なことをお尋ねします。この免除基準というものは、日本放送協会放送受信規約というものがある。この第三条には確かに、接続しているものは一個の受信機とみなすということで、取るようになっております。これは法律の通り。ところがその十二条に「放送法第三十二条第二項の規定に基き、別に定める受信料免除基準に該当する受信設備については、その設置者の申請によって受信料の全額又は半額を免除する。但し、」何とかかんとか、こういうようにあるわけです。そこで、この「別に定める受信料免除基準」というものがあるわけです。この免除基準というものは今は多分やっているようですが、日本放送協会受信料免除基準というものができておりまして、「この基準は、昭和三十一年六月一日から施行し、昭和三十四年五月三十一日まで有効とする。」来年の五月三十一日まで有効になっておるわけで、この基準を前々大臣かだれかが認可しているわけです。これに基いているから今のところはできないという状態だと思います。これは今の次官の答弁の通りだと思う。そこで私は事務的なことを先に尋ねます。この日本放送協会受信料免除基準というものは、だれが作って、だれが先に作るのか、放送協会の方が作るんですか、どこで作ってそういうようにするのか、その手続を先にお伺いしたい。NHKの方で作って大臣の方へ持ってくるのか、その手続をお尋ねしたい。
#50
○小野説明員 免除基準の原案は協会が作るわけであります。協会が作りますのには、経営委員会の議を経まして、その同意を得て原案を作ります。その原案で郵政大臣に、こういう基準で参りたい、こういう申し出があるわけであります。郵政大臣といたしましては、それを受けまして、電波監理審議会等にも諮問いたしまして、その答申を待ってそれを承認するというような建前になっているわけであります。
#51
○小沢(貞)委員 そうすると、大臣にお尋ねいたします。これは大臣がどうしても許可したくないとか、取りたいと言ってもNHKの方からこれはぜひ免除してやりたいという申請があったときにもなおかつ大臣はそれを許可いたしませんか。来年の五月三十一日になるとこの基準は切れます。そのときに、NHKの方ではこういうものは非常に気の毒だから一つ免除してやりたいというような工合に免除基準が変って、申請がきたときに、今の郵政大臣がそのまま任期があるとすれば、大臣は許可いたしますか、いたしませんつか。
#52
○寺尾国務大臣 私は許可した問題について論じてお答えを申し上げたのでありまして、いわゆる期限が切れてこれを新たにするということにつきましては、提出してきたその内容を十分検討して決定をいたしたい、かように考えております。
#53
○小沢(貞)委員 大臣はこの前の委員会の答弁のときにも、矛盾ということは所管の大臣として大へん言いにくいがということを前置きして、非常に明確に言っているわけです。「非常に不均衡だということは私は言えると思います。私が所管の責任者として矛盾しているということは申し上げかねますが、非常に不均衡な、非常に不公正なような感じがいたしますから、この料金制度の検討もこれから十分いたして参るわけでありますが、そういう際にそういったような不均衡の是正ということは考えていかなければならない、かように考えております。」それからあとの方の質問に対しては、今まさにこの料金制度について改定をせんとするとか、研究をせんとするとかという言葉まで使ってあるわけです。だからNHKの方でラジオのないところから受信料を取ったのでは気の毒だということで、あるいは半額の免除申請でもいいし、どういうことでもいいのですが、そういう免除申請がもうじきに出ると思うのです。来年の五月三十一日には今の免除基準が切れるのですが、そのときには大臣としてはどういうお考えですか。この前の答弁と比較して一つ御答弁を願いたいと思うのです。
#54
○寺尾国務大臣 私が料金制度を新たにこれから検討していくと言ったのは、料金制度即それではないので、これはNHKの受信料というものを今後どういうふうな建前において根本的に抜本的な検討をするか、こういう問題です。従ってそのことはもちろんそれに関連はございますけれども、私がこの間、今後NHKの受信料の問題について検討を加える、こう申し上げましたのは、いわゆる受信料の問題であるわけであります。しかし私が答弁申し上げた中に、そのことが非常に不公平だ、それでこのことに対しては同情にたえない、私は今でもさように考えております。しかし、このことがNHKの経営をいたして参ります上のいわゆる受信料制度というものにも影響のある問題でありますから、そこを私が将来のNHKの受信料の検討ということに結びつけてお答えを申し上げたわけであります。しかし来年その基準というものを新たにして参りました場合には、その内容を十分検討して、それに対して善処していきたい、かように考えております。
#55
○小沢(貞)委員 この前たしか放送法についての溝上参考人に対して金丸委員から質問があったはずです。NHKは免除ばかり多くなって経営にも困るし、料金のことで困るでしょう、私もそう思っておったところが、金丸委員がそういう質問をしたわけです。そうしたら溝上参考人は、いやそんなものはしれたものだから決してその心配はございませんと、こういうように明確に答弁されたと私は記憶しております。あとで議事録を見たいと思いますが、NHKの経営について心配はないというように溝上副会長が明確に答弁された。これは先ほど金丸委員に聞いてみてもはっきりそう言っているわけです。私は最後にその溝上参考人に、一時までということで、その直前に有線放送についてお尋ねしたところが、法律だか規約だか規則だか、何か法をたてにとって、そういう免除はできない、こういうことを言っているわけです。だからそういうことを総合すると、経営の方はもう心配しなくても大丈夫だと副会長が言っているのですから、これは大丈夫です。だからNHKの方でそういう申請をしてきさえすれば許可しても当然だ、こういうふうに私は考えるわけです。そこで大臣は、非常に不公平だ、これは何とかしなければならないというようなことを繰り返し言われておりますから、後日私はNHKの代表に来てもらって申請を出すか出さぬかよく尋ねて、出していただくようにいたしたいと思うわけですが、そのときには許可していただける、こういうふうに確信するわけですが、よろしゅうございますね。
 それから前の大臣かだれか知りませんけれども、昔の基準というのはだいぶ範囲が狭かったのです。たしか社会教育施設だとか生活保護だとかそういうものが免除基準になかったわけです。ところがその後、だいぶ理解ある郵政大臣のときだと思うのですが、三十一年の六月一日から実施された免除基準には、「受信料を半額免除する受信設備」というものをまた新たに一項目加えたわけです。何か長ったらしく、恩給法とか遺族等援護法の金を受けている何とかというふうに、あらためてあとで加えたわけです。だからこのあとにもう一項、寺尾郵政大臣のときに、有線放送でラジオのない家庭については半額なり全額免除することもできるということを加えても、ちっとも差しつかえないと思う。どこにもいけないという要素がないのです。NHKの方でも経営は大丈夫だと言うし、どこにもないわけですから、そのときには明確に全額なり半額免除という免除基準の申請を許可していただく、こういうふうに私も理解するわけですが、その確信のほどをもう一回御発言いただきたいと思うのです。
#56
○寺尾国務大臣 私がお答え申し上げた中から私の思想ももうおくみ取りのことで、いろいろさような御質疑があろうと思いますが、まださような時期もきていないし、その内容等もまだこれから検討され、またこれから提出される問題でありますから、私としてはそのことについてこういうようにするのだとかどうするということはお答えをいたしかねる次第でありますので、この点は御了承願います。
#57
○小沢(貞)委員 どういう種類のものを許可するとか、それは基準があるのですか。こういうものはできるとかああいうものはできないとかいう免除基準、それを大臣が許可するときのスケールは何ですか。どういうものに当りてはめてこれは許可する、許可しないというのですか。これは事務当局でも何でもいいです。ただそのときのちょっとしたお天気の工合で、これはよろしい、これは悪いというのですか。そのスケールは何ですか。
#58
○廣瀬政府委員 先般の参考人の陳述に対しまして金丸委員がどんな質問をされましたかは、私、傍聴いたしておりましたけれどもはっきり記憶いたしておりませんが、放送法の建前といたしましてはNHKの唯一の収入は受信料なんでありまして、受信料はことごとく徴収するというのが建前なんであります。きょうの委員会の劈頭におきまして大臣が答えられました受信料の性質から申しまして、と申しますことは受信機が優秀であっても劣等であっても、よく聞えても聞えなくても、難聴地帯でありましても、そういうことにかかわりませず一律に受信料はことごとく徴収しなければならない、かような建前であります。ただ例外的にごく制限いたしまして、かような場合は免除することができるという免除基準はございます。しかしその基準というのは制限的と申しますか、実体的と申しますか、それだけしか免除できないということに制限いたしました基準なんであります。ことごとく取るという建前でありますから、この点をよく御承知願いたいと思います。
#59
○小沢(貞)委員 私もそうだと思います。ことごとく取らなければいけないし、取るのが当りまえだと思う。ところが、生活保護法の家庭では大へんだろうからといって、最初免除していたわけです。その他児童福祉施設とか、いろいろのものに免除してもらった。これは最初のときだと思う。これは生活保護法の何とか基準の中にそういう金をちゃんと支給するようになっていればいいのだけれども、どうもなっていないらしいから、NHKが非常な親心で免除してやろうということでなったと思う。ところがその後昭和三十一年のときには、半額免除するというのがまた一項目入ってきたわけです。これもなるほど気の毒だし、そういう者には免除した方がよかろうということで入ったと思うのです。この第二項は「恩給法に規定する増加恩給を受けている者」云々とか、たくさん項目が書いてありますが、そういう者は免除するということになったわけです。ところがその後情勢がまた変って、政府の非常な熱意や宣伝やそういうものがあって、去年かおととしから有線放送というものができたわけなんです。これはこの前のときに申し上げた通り、政府が一生懸命力を入れてくれた、そうしてまたやりましょうというようなことで農協や村が一生懸命になって、新しい事態が出てきたわけなんです。そうしたところが、今までラジオなんか私は金がないから聞くことができないし、買わない、こういう家庭にまで有線放送が入っていって、一回も聞いたことはないけれども、私のうちから三カ月に二百円取られるが、こんな矛盾したことはないじゃないかという新しい矛盾というか、新しい事態が出てきたのです。だから新しい事態に立って、新しい観点から考えて、この免除規定を一項目押入しても、ちっとも差しつかえないことだし、当りまえのことだと思う。NHKの経営もそんなことでびくともしないということで、この前も答弁されておりますし、これは許可しない理由がない、こういうところを大臣がざっくばらんに言っているのですが、もしそういう状態になったら一つ検討して許可するということを言明されても当りまえだと私は思うのですが、どうなんですか。あまりこだわらなくてもいいじゃないですか。
#60
○寺尾国務大臣 小澤先生のおっしゃることはほんとうにわかるのです。私見もさように考えているのです。けれども、責任者としてまだ来年のことをこうする、ああするというようなことをお答え申し上げていたら、もう皆さん方からそういうことで私ががんじがらめで、一切自分がいないときまで約束をしていくというようなまことに好ま合しくない結果ができるので、その際に十分検討をいたします。さようなことで御了承を願います。
#61
○小沢(貞)委員 了解しました。もう一言だけ申し上げておきますが、次期内閣改造にでもなってかわってしまったら、そのときの約束までさせられたら大へんだという御意思もわかった。十分意思はわかったので、私の質問はこれで打ち切りたい。ただ来年の五月まで大臣の任期があられたときは、NHKの方から申請されるように私も努力したいので、どうぞ御許可をお願いしたいということで私の質問を打ち切りたいと思います。
#62
○淺香委員長 片島港君。
#63
○片島委員 だいぶ時間も過ぎましたが、大臣の所管事項説明などに関連した一般質問をまだやっておりませんでしたので、二、三の点についてお尋ねしたいと思います。
 郵政当局と全逓組合との間のいろいろな問題で、郵便物の遅配などが行われて、この前上林山委員から相当痛烈な大臣に対する追及も行われたのでありますが、この機会に、この問題について一言だけ触れておきたいと思います。去る木更津の全逓の中央委員会においてここしばらくの間、十一月二十五日でありましたか、それまでは、とにかくもうこういうことをやっておっても何だから、休戦といいますか、やろう、しかしそれまでの間に郵政当局が何らの誠意を示さない場合にはそれはもう打ち切る、こういう時限的な休戦を決定をしておるわけであります。私はしばらくの間でも小康を得たということは非常に同慶にたえないのであります。ところが大臣が所管事項の説明をされたときに、全逓の行動を無理無法な態勢というような言葉を使っておられますが、全逓組合のやっておるのは、超過勤務などに関する協定が結ばれなければ、すなわち三六協定などが結ばれなければ実際上超勤などをやる方法、基準が何もきまらぬわけでありますから、その協定を結んでもらいたい。結ばないでやろうといえばこれは無理無法でありますが、結ばなければやれないことで、結んでないからやらないのだからこれは合理合法であって、無理無法ではないのであります。ここに書いてあるのは無理無法だと言って、自分の方ばかりを言っておりますが、実際は協定を結ばなければ超過勤務ができないのであるから、できないのにやろうというのなら無理無法だけれども、できないからやらないのだから、合理合法なんです。こういう言葉をもって組合に対するところに、非常に両者の間の妥結というものに困難性があると思うのです。せっかく十一月二十五日まで休戦ということになりましたが、その間に何らかの方法――当局としても組合の方もそれだけ退却して頭を冷やそうというわけでありますから、省側としてもその期間、相当期間がございますから、この間においてやはり頭を冷やして、両者がこの期日までの間に何らかのめどをつけなければ、私は年末の郵便は非常な混乱を来たすと思うのでありますが、それに対して大臣の方では何らかのお考えを持っておられるか、そのときほそのときでまた考えればいいじゃないかというようなお考えでありますかどうか、その点をお伺いしておきたいと思います。
#64
○寺尾国務大臣 私が全逓を無理無法という表現を使いましたことは、もうすでに片島委員も御承知のように、公労法に違反した組合代表を作ってい中る、しかもそれは、新潟における七月の大会といったような改選の機会があったのにもかかわらず、そのまま解雇者を代表に選んだ、こういうことを申し上げておるのでありまして、私は正式代表がある場合においては、これはもういかようにも団交に応じ、また組合員の地位の向上その他にも積極的に協力をしていきたいという熱意は持っておるわけであります。しかし先般来、郵便物の滞留、遅配というものが非常にたくさん行われまして、最高の際は九十七万、百万にも近い郵便物の滞留があった。そういうことによって国民に非常な迷惑をかけた、しかもその中における一部の郵便局等では怠業行為が行われた、あるいは業務命令を拒否した、こういうようなことがだんだんと行われたというような点を指摘して無理無法といったような表現をいたしたのであります。しかし全逓は私の所管であり、いわば私がこれを育成また助長さしていかなければならぬ立場にありますから、そういう全逓に対して私が常にこれを批判したり、あるいはこれに対していろいろの好まない処置をしていかなければならぬということは、非常に遺憾であり、また自分が不幸であると考えております。ただ御指摘のように、去る木更津の中央委員会におきましては十一月休戦、十一月は超過勤務協約を締結する、しかしもし交渉の結果、政府が自分たちの要望を聞かない場合には、十二月は超過勤務を拒否して年末の年賀郵便等は一切ストップさせる、こういうことを示したようであります。直接私はそれを聞いておりませんからわかりませんが、情報としてさように私どもはキャッチを脱し、また片島委員からも、十一月は超過勤務を締結するということは、組合の方も若干そこに協力的な態度を示したのではないかという御指摘でありますが、私も、たとい十一月だけであっても超過勤務をやるということに踏み切ったということに対しては、それだけ国民に迷惑をかけることが減ぜられるわけでありますから、そのことについてはある程度期待をかけているのであります。ただ私は十一月一ぱいということでなく、これは職揚々々で協約が締結できるのでありまするから、一月十日くらいまで超過勤務の協約というものを締結してほしい、またそのように望んでおるわけであります。しかし私といたしましては、今御指摘のように十一月の超過勤務をしておるその期間に組合との団交を行なってこの事態を何とか一つ救済するという考え方はないかということにつきましては、ございません。さように私は考えておりません。
#65
○片島委員 先ほど無理無法の解釈がありまたが、これはILOの問題などもありまして、現在職にない者が三役になるかならぬかということについて、これが合法であるか非合法であるかということは、あなたたちはこれは非合法というけれども、しかし法律には非合法だとは書いてありません。団体交渉してはならないとも何とも書いてない。無理無法ということは私はそういうことを言っておるのではなくして、全逓がそういう姿になっておる、協定が結ばれない、協定が結ばれないから超過勤務はやれない。前はどうであろうと、協定が結ばれなければ超過勤務をやれないというのはこれは合理合法であって、三役がどうだという問題とは別です。三六協定を結ばなければ超勤はやれないのですから、これは合理合法である。それを一足飛びに前のときが悪いからというのがあなたたちの解釈であって、私たちはそういう解釈をとらないのであります。ILOの批准がされておらない今日においては、あなたたちがどういう解釈をされようとそれは勝手でありますが、十一月一ぱいの休戦というのは、もし現在休戦をしておらなければ、さきに御答弁になったようにあなた方の方では非常勤などをたくさん入れて、これを訓練しておけば実際は年末に間に合うわけなんですよ。ところが十一月一ぱいは当りまえにやるわけですから、一人も非常勤は要らない。いよいよ差し迫ってすとんといけば、かえって今ごろ休戦をしないでやっておった方がまだあなたたちは苦しいんじゃないかと思う。しかもそのころは超勤をやらないのですから、超勤をやらなければそれだけ仕事が忙しいから、新米の非常勤が来ても手をとり足をとりして教えておるような手はないわけです。一生懸命働いても仕事ははけないのですから、いわんや新米に手をとり足をとりして教えておるひまがない。それじゃ教える人はだれかといえば、局長や課長なんかもそのときはてんてこ舞いですからそんなものを教えることはできない。一方組合の方はそういうふうにして引いておるのにあなたの方は一歩も引かないで、そのまま知らぬ顔をして一月の十日ごろまでは何とかやってくれればけっこうだがなんていっておったのでは非常に誠意がない話だと私は思う。やはりその間において何らかの形で団体交渉とか――どういう名前をつけるか知りませんが、何らかの方法でその間話し合いをつけていくという誠意がそこに見えれば、あるいは十一月一ぱいが十二月一ぱいになるかもしれないと私は思うのです。ただあなたたちのように一月まで今のような状態でいってくれればいいわだけでは、一方が一カ月間冷却期間を置いたのですから、今度はあなたたちもその間において何らかの手を差し伸べていく方法を講じていかなければ、向うは引いた、また出てきたときには防衛の方法を講じるぞといったかまえから一歩も前に進まないで、現在の地点におって防御態勢を固めておるのでは解決はできないと思う。
 また郵便物がおくれるのは全逓が扱わぬからおくれるのだというような口吻ですけれども、これは郵政大臣の責任ですぞ。郵便物がおくれるというのは――あなたが郵便業務についての所管大臣ですから、従業員の人事管理をやるのもあなたがやっておる。それを何かあなたは向うが引いた、そのうちまた出てくるかもしれぬから、ここで防壁を作っておけ、そういう取っ組み合いをやっておって郵便物がおくれるのに、あれが仕事をしないから悪いのだというそんな大臣がありますか。大臣は自分の責任において郵便物をはかせるような態勢をとって、人的、物的において積極的に解決していかなければならない。この点の所見はどうです。
#66
○寺尾国務大臣 片島委員のおっしゃる通りだと思います。そう思います。確かに郵便物の滞留遅配は私の責任であり、また年末年始の繁忙期というものを何とか克服しなければならぬということも私の責任でございます。しかしこのことは私の方でいろいろこれについて対策その他も考えますけれども、御指摘のように、全く場合によっては十一月の超過勤務締結ということが、かえって結果として災いするかもしれません。しかし今の政府の態度といたしましては、正式代表が先ほど申し上げましたような形になっておる限りは、まことに遺憾ですけれども、これは不本意ですけれども、そうした交渉その他を私の方で今やる、かような意思はございません。ただ公共事業として国民に迷惑をかけられないという全従業員も大きな責任あるいはそうしたいわゆる立場にもあるわけでありますから、これは私と同様であります。でありますから、私は十一月一ぱい超過勤務ができるとするならば、公共企業体として、公共事業として全逓がその責任を感じるならば、一月十日くらいまでは当然超過勤務を締結してこの責任を果すべきだ、あくまでも私はさように要望をしてやまないという次第でございます。
#67
○片島委員 組合の方はそういうふうにしばらく頭を冷やす期間を置いておるのです、向うは何か新しい方法を考えついたわけですから、あなたの方もその期間においてやはり少しは何か新しい方法を考えつかないと、ただ、今のままで、今休んでおるからずっと頭を冷やしっぱなしにしておけというわけにいかぬと思う。そうなるとまた混乱が起きる、郵便物が滞留する、そこで処分をする、また処分撤廃闘争をする、いやまた処分するといって、幾らやっても迷惑するのは国民です。あなたは郵便物が滞留しないようにいろいろな方法を考えることがいいのであって、何ぼあなたが郵政従業員を首にしてみたところで一つもあなたの手柄にはならぬのです。それはもうあなたに手腕がない証拠であって、人を首にするよりはそういう大臣はやめた方がいい。だからせっかくこういう期間があるのです。まだ休会中といえども、とにかく十一月一ぱいまで休戦しようというのですから、その期間においてまたいろいろと大臣も考えていただきたいと思います。今あなたにそういってみたところでどうも一つも知恵はないようですから、一歩も前進しておらないですから、もう少し頭を冷やしていろいろと研究していただいて、何らか前進の方法を考えてもらいたい。ここであたたと議論しておっても時間をとるばかりですからまたの機会に伺いますが、もう少しいい知恵を考えてもらいたい。
 次にほかの問題ですが、この前の国会で成立いたしました郵便募金管理会ですか、これは法律によれば三カ月以内に設立するということになっておるのでありますが、今日に至るまでまだ設置されておらぬようでありますが、このおくれておる理由はどういうわけですか。
#68
○寺尾国務大臣 これは若干おくれたようなきらいもありますけれども、近日中にこの委員会において成立すべく、おのおの人事等につきましても今検討し、またそういうことについてもあと数日でできる、これを成立させるということになっております。
#69
○片島委員 法律では明記して、期限を切ってからこれまでの三カ月以内において発足させなければならぬといっておるのを、あなた方が人事か何かの問題でこそこそやって、これは今のあなたの返事によれば人事の問題だけでおくれているのじゃないかと思う。そういうことは遺憾なことで、これは法律違反ですよ。やはりそういうことは手ぎわよく、三カ月なら三カ月の間に発足されて、明朗な姿でこれは発足をしていただかなければならぬ。同時に私はここで大臣にただしておきたいことは、この前の国会において与党は進藤一馬君、また野党から森本靖君が代表して、このお年玉はがきのいわゆる募金のついたのとつかないの――五円、四円の二種類を出すことについて、両党とも四円も五円も大体半々ぐらい、まああまり違わない程度に発行するのが、世論の動向から見てもよかろう。これは私も相当追及したわけですが、よかろう、こういうことになっておりました。そうしたならば大臣は、御意向を十分尊重と言われたか拝聴して、それを郵政審議会などに諮ってきめるから、決して自分の思うような勝手なことはやらぬと言われておりました。ところがその当時私たちが予定をしまして、郵政審議会の委員はあなたたちが任命をされた人たちであるから、あなた方の思うように押しつけるのでありましょうが、ということまで念を押しておきました。そうしたところが、与野党があの賛成討論の中において示しました大体半数々片という意見が、この郵政審議会に示された案においては――全くその当時もうすでにわかっておる。大体八億枚くらい、七億七千か出すことになって、そのうち六億枚を五円にして、一億幾らを四円にする、そういうことになりはせぬかしらと思ったから、この委員会において実は私たちはくぎをさしておいたわけです。そうしたならば、与党の代表としての意見もまたその通り。議事録を読んでいただけばわかります通りに、現在までの実績といいますか、そういうような状態で、あまり変らない程度においてやってもらいたい、野党の方もそういう意見がある、また決議がある。この両党の賛成討論でそういう議論が行われたことをわかっておりながら、郵政審議会という隠れみの――これは隠れみのじゃない、あなたたちが勝手に任命をした人たちですから……。そういう御用機関に諮ってあなたたちの考え通りに、議会の意思は全然無視をして、ここにこういうような割合をきめられているのでありますが、一体大臣はそれに対して国会軽視のそしりを免れぬと思いますが、いかがでございますか。
#70
○寺尾国務大臣 この点には申しわけなく思っております。ただ、これは前大臣を引き合いにして大へん申しわけありませんが、前大臣から私に引き継ぎましたのは、八億枚のうち寄付金のつかない四円のはがきを一億枚と、寄付金付のものを七億枚ということが、最初の郵政省といたしましての方針であったわけであります。これを委員会でお示しを申し上げましたところが、与野党からこれに対して非常な御意見がありまして、そして四円のはがきをできるだけたくさん出せ、こういう御指摘を得ましたから、私といたしましては、与野党こぞってのこの御意見は尊重しなければならぬ、こういうことを考えたわけであります。従いまして、その後片島委員も御承知のように寄付目的というものが拡張され、しかも厚生省関係の四億五千万枚というものは一応認めていかなきゃならぬ、こういうようないきさつもありまして、そういたしますと今度のこの法律案の改正の趣旨にも沿えない、こういうような非常な窮地に陥ったわけであります。しかしながら、われわれが最初考えておった一億枚と七億枚というようなことでは、これはもう申しわけないから、そうすれば一方において六億枚にして、最初考えておったよりも七千万枚ふやし一億七千万枚を四円の方にするということの答申と申しますか、郵政審議会での意見もさようにいただきましたものですから、きわめて不本意であり、国会の委員会における御意見等に対して沿い得られなかったことはまことに申しわけないことでありますけれども、事情さような次第でありますので、この点は一つ何とぞ御了承賜わりたいと思います。
#71
○片島委員 四億五千万枚という昨年の実績は厚生省にそのままとするようないきさつになったからというのでありますが、それは私たちが反対をしたのにかかわらず、大臣が勝手に私たちの意向を無視して覚書を取りかわしたために四億五千万枚という過去の実績をそのまま振り向ける、新たな目的を作ったならばそれについてふやさなければならぬというのは、これは自繩自縛というものであります。でありますから、私どもはこの前の委員会においてもその覚書には反対の意向を示した。それは三億五千万を一億ふやすということになれば、またあなたの荷が非常に軽くなる。それをあなたたちはみずから自繩自縛をやっておいて、六億と一億七千万枚というのは、あなたたちは相当気ばって、相当負けてくれたようなことを言っておられるけれども、委員会における進藤君と森本君の議事録を読まれればわかります通り、そういうことではないのです。大体半々か、四分六分くらいにやるべきであるという意見を示しておるのを、そのときに私も相当強く委員会で追及したのを、それをあなたたちが郵政審議会にこういう案を作って示して、反対する者はいないわけですから、ほとんど一方的にそういうふうにやってしまわれて、あとの祭で、ここであやまっておられるのでありますが、私たちはこういうことがあればこそこの前注意したのです。今後はこういう法律案などが出ました場合、裏の裏のことについても十分あかしを立てなければ審議はできないという一つの証拠をこの法律案によって示されたのでありますから、大臣はそう長くおられないからわかりませんが、一つ郵政当局としては今後のことはよほど考えておいていただかないと、裏の裏までわからないと法律の審議は通らないということを肝に銘じておいていただきたい。
 第三番目に、電務局の問題で一つ承わりたい。これは岩田監理官はこの前、現在の審議官室の人員が三十五名ということを言われましたが、三十二年度の予算を調べてみますと、成立人員は二十名になっておりますが、あとの十五名はどういうふうにして持ってきておられますのか。それからまだ電務局ができないのに、電務局ができる建前でできた今年度の予算成立人員を何人か食いつぶしておられるのか、食いつぶしておられないのか、予算人員は二十名でありますが、現在人員を調べてみますと、あなたはこの前三十五人と言われたのが、職員名簿で調べてみますと二十八人か二十九人になっておるのでありますが、この二十人、三十五人、二十八、九人、こういう行き違いというのは、これはいいかげんに定員をあちらこちらにころがしておるようでありますが、一体内容はどうなっておりますか。この点は一つはっきりしていただきたい。
#72
○岩田政府委員 お答えいたします。この前の御質問に対する答弁でございますが、本年度とはっきり私聞いておったものでございますから、しかも一般会計の定員というふうに考えておったものですから、本年度は三十五名でございます。三十二年度は二十名、三十三年度予算要求のときに電務局設置――郵政省設置法の一部改正法が上程されましたときに、電務局が入っておりますので、予算もそれに合せまして要求したわけでございますが、三十三年度は十五名成立したわけであります。従って三十五名ということになります。それから実在員でございますが、実在員のことはこの間たしかお話に出なかったと思うのでございますけれども、実在員は現在三十五名全部ではございません、二十八、九名でございます。あとの定員を埋めてない面につきましては、電務局ができましたときにあらためて充員をいたす考えであります。
#73
○片島委員 一般会計の予算は三十二年度は二十名です。そうすると電務局ができない間に八、九名ふやしたのでありますか。私の調査によれば、この八、九名は三十二年度の予算が成立をする、まだ法律が通過する前からこの程度であったと思うのでありますが、いかがでありますか。
#74
○岩田政府委員 定員としては三十三年度三十五名でございますが、三十二年度の定員としては二十名でございます。実在員はそのほかに数名おるわけでございます。それは監理官制度ができました当初から非常に少い定員で仕事をしなければなりませんので、その関係から省内から借役をしているわけであります。その人間がおるわけであります。
#75
○片島委員 借役というのは何ですか。日雇いみたいにどこからか連れてくるのですか。
#76
○岩田政府委員 郵政の内部の公務員を仕事の関係上お借りして応援していただいて仕事しておるということでございます。
#77
○片島委員 それは借役かもしれませんが、会計が違うのです。あなたの方の一般会計外の郵政関係は特別会計でりす。給料はどういうふうにして払っているのですか、特別会計から払ってもらって、仕事だけを借役しておって、給料はその特別会計の方で払って、身柄だけを連れてきて仕事をやらしておるのですか、どうですか。
#78
○岩田政府委員 その通りでございます。
#79
○片島委員 それは大へんなことですよ。一般会計で成立している二十人のほかに、借役だと称して、ほかの役所に給料を払わして、身柄だけそこにいて仕事をするということはできるのですか。しかもそれはまだ二十人しか三十二年度は成立してないのに、借役をやることができるなら、それは定員の増員なんかやらずに、何ぼでも借役すれば、定員法の増員とかなんとかいう、ことをやらずに、幾らでも内部で操作できるということになりますが、役所はそういうふうにやっていいのですか。
#80
○小野説明員 一般会計で電気通信監理官室に認められた二十名の定員を現在員がこえておることは事実であります。この面はいろいろ会計的に問題がございまするが、一般会計所属の電波の方からも応援をいたしておりまして、一部は特別会計の方から払っております。全体的には特別会計の現在員は定員の範囲内になっておりますが、本省につきましては、過去数度の行政整理をいたしまして、相当な過員がございまして、定員をはるかにオーバーいたしております。会計が違うので、そういう状況になっております。これを調査課付にいたしまして、そういった面で応援をいたしておる、こういう実情でございます。
#81
○片島委員 それは法的にもまた会計、財政法の面からも非常な問題がある。この問題は私はもう少し調べてみたいと思います。これは電波監理局から持ってきたところで官庁が違うのです。一般会計は農林省も一般会計だろうが、会計ばかりでなく、ほかの官庁から人間を借役をして穴埋めをして仕事をするということは、法的にも予算的にも財政的にも非常に重要な問題が残ろうかと思います。この問題は内閣委員会と連合審査をやることになっておりますから、その節さらに詳しくお尋ねしたいと思います。その二十人の予算成立の人員のうち、現在参事官、副参事官、係長、こういうふうな職制に分れておるようでありますが、参事官の数、副参事官の数、係長の数、これを岩田監理官からここに御披露願います。
#82
○岩田政府委員 お答えいたします。参事官は五名、副参事官は六名、係長は七名でございます。
#83
○片島委員 そうすると、二十人のうち、よそから借りてきた者は参事官とか副参事官とか係長にはなれないと思うのですからこれは人夫でしょうが、参事官といえば課長相当、副参事官といえば課長補佐相当、それから係長七名と合計いたしますと十八人です。あとは平が二人、これはタイピストとかお茶くみかもしれませんが、ここに十五人持ってきて三十五人になりますけれども、この前、課を五つ設置するというお話でありましたから、今度は課もできると一つの課に二人くらいの係長ができるということになって、七名が十二名くらいにならなければならないと思いますが、一体これでどういう運営をなされようとするのか。この前岩田監理官にお尋ねしたらば、非常に人員が足りないから、これから先どんどん仕事がふえるに従って人員をふやすというようなことでありましたが、これはだんだん人間をふやしていって、要するに郵政大臣の監督権限を強化するというのがいろいろ問題になっておるのでありますが、大臣はどういうお考えでありますか。今二十人のうちに十八人係長以上がおるのであります。十五人ふえますと係長がもっとふえますから、ほとんど兵隊なしで仕事をやらなければならぬと思うのですが、この運営について大臣はどうお考えでありますか。
#84
○寺尾国務大臣 非常に業務量が多いということは、私常々報告を受けておりますが、こういうふうに二十名中十八名がほとんど役付であるというようなことについての問題につきましては、なお十分検討を要するのではないか、かように考えております。
#85
○片島委員 今度の電務局運営についてどうです。
#86
○寺尾国務大臣 いよいよこれが成立をいたしまして――御審議の結果これが成立をいたしますということになりますれば、御指摘のような点を十分注意いたしまして、軍務局の使命と申しますか、ことに万全を期していきたい、さように考えております。
#87
○片島委員 これからまたよほど借役でもしなければ運営が非常に困難になるのではないかと思うのです。機構の内部を聞きましても、それに伴う物件費などの問題もあります。物件費も今電務局関係を調査しておるわけであります。この中身を大臣はまだ知られぬようでありますから、内閣委員会との連合審査のときこまごまとお尋ねをしたい。きょうはこの程度にします。
#88
○淺香委員長 午後は一時三十分より開会することとし、休憩いたします。
    午後零時二十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時五十八分開議
#89
○淺香委員長 これより再開いたします。
 午前中に引き続いて質疑を続行いたします。松前重義君。
#90
○松前委員 この前の委員会で二、三の質問を大臣に試みたのでありますが、そのときに郵便貯金の運用については非常にむずかしい問題であるが努力をする、こういうふうにお話がありました。だいぶ時間もたって参っておりますので、ちょうど予算編成期に当面しておりますが、これに対してどういうような具体的な動きをなされたのか、今なしつつありるのか、その辺をまず第一に伺いたいと思います。
#91
○寺尾国務大臣 先般御質疑のありました郵便貯金の運用権の問題でありますが、これは前回も申し上げましたように、郵政省といたしましては長年にわたるこの運用権を郵政省が持つというようなことについては希望を持ってきたわけでありますけれども、これがなかなかさような結果を得ていないということで、先般私が大蔵大臣にもさようなことの要望をしたと申し上げたのでありますが、過日松前委員から御質疑がありました、この点につきましては、私もあらゆる努力をもってこの希望を、御指摘のように三十四年度の予算編成期も近づいておりますから、これを具体的な方法によって交渉をしたい、かように考えております。
#92
○松前委員 大体この前と同じような御答弁でありますが、私が伺っているのは、この前御質問申し上げた後において今日までどのように具体的なお運びをなさっておられるか、その辺のところの消息を伺いたいのであります。
#93
○寺尾国務大臣 関係局長にはさようなことの指示はいたしましたけれども、その後、私自身も病気等をいたしまして、私としては具体的な交渉はなすに至っておりません。
#94
○松前委員 この後においてはどういうふうな努力を具体的にお続けになるおつもりでありますか、お伺いいたします。
#95
○寺尾国務大臣 その点につきましては、検討もさせておりますし、具体的にまず大蔵大臣に十分こちらの要望を伝えまして、そしてその要望については、ある具体的な検討によるものをもって交渉をしたい、かように思っております。
#96
○松前委員 一つうんとふんばってやっていただきたいと思うのであります。郵便貯金が計画通りに進まないのは、やはり運用権が全然ない、窓口さえも郵政省を通さないというようなことも大きな一つの理由であると思います。この点は一つ十分の御努力を願いたいと思っております。特に最近非常に濃厚であると思われる現象は、大蔵省郵政局の傾向がなきにしもあらずであります。くれぐれも申しますが、どうぞ大蔵省の下部組織でないという立場において、あらゆる点において郵政省の独立のため努力していただきたい、こう思います。
 その次に伺いたいのは、放送協会の運営というものが今後、基本的に従来と違った考え方をしていかなければならなくなってきたことは御承知の通りであります。従来の中波放送や国際放送くらいでは間に合わないで、テレビの免許を通じて、テレビを全国各地にあまねく聞かさなければならない使命を帯びておるところのNHK、わけても近い将来においてはカラー・テレビジョンの問題も出てきます。こういうふうなあわただしい電波界の発展の現状に即して、一体NHKはいかなる財源によってこれらの建設に当らしめるのであるか。すなわち、従来の放送法の中に書いてある、あまねく国民をしてその放送の恩恵に浴せしめるという使命を持っているところのNHKに対して、政府はそれだけの強制をしている。この強制をしているところの放送協会が何とか立ち行くように、その目的を達し得るようにしてやるのが当然のことであると思います。これだけは私は政府の責任であると思います。この運営に対して明確な見通しを持った、将来の放送協会に対する大臣の態度を一つ伺いたいと思うのであります。この前も御質問いたしましたけれども、私不満足であり、しかもこの前は今後努力するというような抽象的なお話だけでありました。その後の御努力と今後におけるあなたの御見解、そうしてこの放送協会に対する将来の見通し、これらをほんとうに詳細に、大臣の一つ経綸を伺いたいと思うのであります。
#97
○寺尾国務大臣 この問題は私はきわめて重大でもあり、非常にむずかしい問題であると日ごろから考えております。ことに御指摘のように、いわゆる中波あるいは短波のいずれか、並びにテレビジョンというものが全国あまねく放送をされなければならぬ、しかもそれはNHKに求めておるのは、常に高度なものを求めており、なお民間放送事業者に対してあらゆる面において開放もし、またこれに大きな協力もしていかなければならぬ、こういうNHKの使命というものは御指摘のように、非常に大でありかつその範囲が広いのでありまするから、この運営ということについてはきわめて重大であり、なおかつ非常にむずかしいものではないか、私はかように考えておるわけであります。従ってNHKの現状でありますところの老朽施設等、こういったようなものもできるだけすみやかにこれを改修をする。あるいは御指摘の、全国くまなくテレビジョンを放送する、こういう問題につきましても、その資金の面、技術の面、あらゆる面において非常な大きな重責を持っておる、こういうものを解決をして参りますということにつきましては、私はまずこの資金計画、事業計画、こういうものを打ち立てていかなければならぬことはもちろんでありますが、そのに前に、NHK自身も、その経営に対する合理化あるいは機構の改革、さらに業務量が今回の放送法の改正におきましても相当増大をいたしておりますが、これらに対処して、その資金計画あるいは事業計画というものをどういうふうに打ち立てるか、こういうことについてきわめて慎重を要し、またこれは重大な問題として将来の見通し等も立てて、適切な施策を立てていかなければならぬ、かように考えておるわけであります。NHKが三十四年を起点といたしましての五カ年計画等も、まだ正式にこれが私の方に提出をされておりませんけれども、その内容等を聞いてみましても、一番問題になるのは資金計画であるわけであります。従いましてこの資金計画をどういうふうにやるかということについては、非常に困難な、しかも重要な問題でありますが、今回の放送法の改正の中に、現在におけるところのNHKのいわゆる債券の発行額というものは三十億になっております。これではいろいろのものを見積りまして――テレビジョンの計画、あるいは今後のカラー・テレビジョンの研究によるもの、あるいはその他の施設の改善によるもの、こういうものを検討いたしまして、さしあたって百五十億くらいの資金を要する、こういう見込みでありますので、こういったようなものに対してはいわゆる債券の発行額というものを増額する処置をしなければならぬ。現在会計検査院の検査による貸借対照表の純資産というものが四十八億何がしになっておりますが、今回改正をいたそうといたしまする放送法の改正案につきましては、この四十八億の純資産の三倍まではその債券の発行ができるというような処置もいたして御審議を願っておるわけであります。その他三十四年度の資金計画を立てるにいたしましても、直ちにこの問題にぶつかるわけでありまして、過日も申し上げましたように、現在の受信料で果してまかなっていけるかどうか、あるいは融資等においてこれを行うということには相当の困難な面も出て参ります。そういうような点については、なお十分これを検討しなければならぬという段階でありますが、要するに、NHK自身がこの大きな使命に徹して、そうしてその施設をできるだけ高度に、高能率に使うことができる、あるいは老朽施設はこれを改善いたしまして、そうして高度の、高能率な運営をしていかなければならぬ。その根本であるところの資金計画ということに対しましては、いわゆる今後のNHKの料金制度をどういうふうに検討すべきか、おそらく今の受信料制度で果してNHKが将来やっていけるかどうか、こういうことも相当問題ではないかと考えております。従いまして、NHKの受信料制度というものを今後十分検討いたしまして、これらに対処する方法も考えていかなければならぬことではないか。まあ各般にわたって将来のNHKの発展あるいはこのNHKに課せられた大きな責任と使命を達成させるという、その監督にある私といたしましては、あらゆる面においてNHKのこの事業計画と、これに対する資金計画をどういうようにするかということに重点を置いて、諸般の問題を十分検討して進んでいきたい、かように考えております。
#98
○松前委員 全般的に大臣の御説明は問題の提供にとどまったのであって、具体的に私はかくするという、具体的な問題にお触れにならない。もう予算編成の時期も差し迫っておりまして、すでにその方針が決定していなければならないと私は思う。放送法の一部改正案を提案しておられるのでありますが、それを提案されるならば、当然NHKに対する基本的な政策を腹に持って、そうしてその線に沿うて提案されなければならないと私は思う。一つ抽象的でなく、たとえばこの料金制度の問題のごときは、一体今度料金は上げさせるような御意思をお持ちでありますか。私どもは上げさせろということを言っておるのではありません。そういうことによって、一体このNHKの膨大な建設計画をカバーさせようと大臣はお考えになっておられるか、そういうようないわゆる資産勘定になるものは、むしろ政府の資金運用部資金によって、これを貸し付けることによってまかなっていくか、もしNHKの運営に困るならば、その資金運用部資金に対する利子補給の法案を出してでも、その使命を遂行させようと思っておられるのかどうか。この資金の問題について、ただいま資金々々というお話がありましたが、私もこの点を非常に問題としてお尋ねしておるのでありますから、一つ具体的に御答弁を願いたいと思います。
#99
○寺尾国務大臣 実は先般の委員会で、大臣はどう考えておるかという御質疑に対して、この受信料値上げについては、これを自分としては行いたい、こういう私見を申し上げたのであります。ただこれはNHKがこの事業計画、資金計画を出して私のところに承認求めるということが一つの行き方になっておるわけでありますが、実はまだNHKは三十四年度あるいはその五カ年計画というものについて検討中であって、まだ具体的に私の方へも出されていないのであります。従って、私がここでその具体的に出されていない問題についてこうする、あるいは資金運用部資金を使う場合にはこう合するということについての決意はまだ私としてはいたしていない。まずその出された計画について十分検討を加えて、そうしてその出された計画に対して、これをどう持っていけばいいかといったようなことについては、会長に対しても自分の意見等を十分開陳し、あるいはまた党は党といたしまして政調会等にもこういった問題についてはいろいろ検討をしてもらっておるわけでありますが、その計画が出されたときに十分検討いたしまして、これに恒久的な対策あるいは松前委員のおっしゃるるような将来の問題についてまで検討を加えていきたい、さように考えております。
#100
○松前委員 お役所の御答弁としては、今の御答弁で私どもとしては満足しなければならないかもしれません。しかしあなたの政治家としての御答弁としては、どうも私は満足しないのです。というのは、向うがまだ検討中だから、出してきたらそれを考えるなんて、そんな政治は私はないと思う。すでにもう内々話し合いはちゃんとなすっておるはずです。ないとおっしゃることはあり得ないことでありまして、それほど、偉大なる大臣を無視して向うだけでもってこそこそやることはありませんよ。だから、それ以上答弁することを用心なさるならばそれでもいいですけれども、あまり水くさい答弁は一つやめていただきたいと思います。もう少し親切にほんとうのことを言って――みんな国を憂えて、われわれは放送協会の使命を果して達成せしめ得るかどうかということを心配してのお話なんですから、もう少しその辺のところは、そう責任のがれの答弁でなくやってもらいたいと思うのです。しかしこれ以上もうあなたに伺いません。
 その次には、この前伺いましたことの一つとして、電気通信の総合政策を大体において立案する。――立案するというのは、官僚的な事務局で立案するのでなくて、それを大体の総合政策を諮問してきめる。しかもそれは役所だけの狭い見地からでなくて、民間あるいは各方面の英知を集めて、日本の通信政策はどうあるべきかということを一応樹立しなければならない。実は党でも御樹立になるでしょうけれども、通信政策なんというものは超党派的にやるべきではないかと思う。こういうふうな問題について、一体どういう方法をお考えになっておられるのか。この前は、電務局を作ってそこでやらせるとおっしゃるけれども、そんなことでできる通信政策は、私は幅の狭いつまらぬ結論だと思うのです。そうでなくて、もっとほんとうに政治家としてとられる通信政策の決定に対する基本的な態度、そうしてどういう通信政策の大体の骨子を作ろうとしておられるのか、その辺を伺いたいと思います。
#101
○寺尾国務大臣 日本の国際的な通信政策というものは私は非常におくれておると思う。このことは松前委員が御指摘のように、ここに画期的な国際通信事業に対する日本の方策を立てなければならぬということは、全く同感でございます。従ってこの問題につきましては、私といたしましては、今御指摘のように、単に郵政省だけとか、あるいは単に与党だけというような考え方でなく、広く英知を求めて、この国際通信――今日においては無線による国際通信というようなものも非常な発達をいたしておるわけでありまするから、そういう面における研究あるいは諮問のような一つの、たとえば電気通信に関するそうした調査の機関、こういうものを作って、きわめてむずかしい問題でもありまするから、各般の権威者に委員になってもらうといったようなことにおける調査機関と申しまするか、あるいは諮問機関にいたしまするか、そういうところでまず世界の通信の状況等の調査また資料の収集、あるいは日本の今後のそれに対する方針、こういったようなものを検討をしていきたい、かように考えております。
#102
○松前委員 どこの国でも電気通信に関するコミッティ、委員会がありまして、そうしてそこで総合的な通信政策の立案調整に当る、政府はこれに対する実行機関となって強力に進めておる。これは郵政大臣として当然御承知のことだろうと思うのであります。従来、長い間通信政策を総合的に立案し、そうしてこれを推進すべきところの総合的な取りまとめ場所がなかった。これは実は戦後における日本の政治の大きな欠陥であると私どもは見ておるのであります。今大臣が言われたように、各方面の英知を集めて何らか政策立案の委員会等を作られるというならば、これは私はその答弁で満足をします。早急に一つこれを作られまして、そうしてほんとうに公平無私な国内電気通信政策、あるいは対外電気通信政策、あるいは放送政策、これらの新しい技術の発展に即応したところの通信政策をとられんことを――これはいろいな点において私は一日もゆるがせにしてはならない問題であり、あまり目に見えないことでありますから、日本あたりでは、目先のことばかり追っかけて歩いておる政治の現状ではあまり気づかない問題でありますが、しかしこれが一番国の前進に対し重要な役割を果すのでありますので、これは一つ今御答弁のように強力に、早急に実現していただきたいと思うのであります。
 そこで最後に伺いたいのは、労働問題であります。全逓信労働組合と郵政省との間で団体交渉をなさらない。それは何名かの幹部を首切ったから、その首切られた者は云々というような法律の条文に照らして団体交渉をなさらない。なさらない結果がどうなるかといえば、だんだんこの闘争というものは泥沼に入っていく、こういうような現実であります。法律屋として一方的にその法律を解釈して、皆さん方の立場での法律の解釈の上からそういうことを続けていかれるというならば、これはどうもまことに政治家たる態度ではない、こういうふうに私は見るのでありまして、この現実の全逓と郵政省との姿、これを、どのような具体的な政治的な方法によって政治家として結論を得ようとなさっておられるのか、客観的な立場に立って、いわゆるけんかの当事者としてでなく、国全体を運用する大臣としての政治的責任のある政治家としての立場においてどのような考え方を持っておるか、これを伺いたい。
#103
○寺尾国務大臣 この問題については、先刻も片島委員から種々御質問もあり、また私に対する御注意も賜わったのであります。私は、全逓信労働組合、またいわゆる労働組合全般にわたる考え方といたしまして、根本的な問題は、やはり法を順守する、これをまず絶対の前提にすべきだ。これは、言うまでもなく法治国であるわが国としての現行の法律に照らして、これに違反をしておるということにおいて、全逓信労働組合の労働運動の進め方というものがきわめて不可解であり、遺憾である、かように考えておるわけでありまして、今こうしたことによって国民に――しかも公共事業であり、郵便物を多量に滞留あるいは遅配せしめ、あるいはまたこの労使の関係が非常に遺憾な形を作っておる、この点においては私は責任者として非常に遺憾に存じております。また今朝御質疑がありましたときも、郵便物がおくれるということは郵政大臣の責任だぞ――もちろん私はさように考えております。従いまして、私は今全逓がどうしてそういう公労法にもとるような正式代表を選ばなければならないか、こういうことを非常に不可解に考えるのであって、このことさえ一つ全逓の方で直してくれさえすれば、私は即刻すべての団交その他にも応じ、また組合員の地位の向上その他のあらゆる面に協力をいたしますことにはやぶさかでございません。しかし少くも、法を無視する、そういう態度で堂々押し切ってくるという形に対しては、私は承服ができない、従ってこれを正式な代表機関と認めるわけにいかないのであるから、正式団体交渉もなし得ない、まことに遺憾な形でありますけれども、さような方針をとっておるわけであります。
#104
○松前委員 大臣のお考えは、やはり私が最初に申し上げた、郵政省の、たとえばこれが二人のけんかでありまするならば、けんかしている自分の一方の立場に立って考えておられるのであります。大体政治家はそれを超越して考えなくてはならないと私は思う。何となれば、法を犯したとおっしゃるけれども、全逓では犯したと解釈していない。皆さんの方では法を犯したとお考えになっておる。それでおれたちは法の解釈においても絶対的な立場にあるという勝手な解釈の立場から、法を犯したというレッテルをお張りになる、そうして首をお切りになる、その人間は相手にされない、こういうふうな論理でありますが、私はそのそもそもの根源にさかのぼって、この労働運動があのような態勢において、しかもあのような大弾圧というもとに、私らが漏れ聞くところによると、相当な人間を引っぱり、あるいは首切る御用意があったらしい。それでまたそのような御計画のもとに、すでにあの闘争に対処していっておられる。これはあなたが大臣のときじゃないのですけれども、そういうふうな頭から何でもかんでもやっつけるという計画のもとに行われたこのような弾圧というようなものに、問題は私はさかのぼらなければならないと思う。でありまするから、あなた自身がかっての――最近まただいぶん処分をされたようですけれども、処分ばかりするのが政治家としての能あるやり方ではないと私は思うのですが、とにもかくにも、あのかっての弾圧の態勢に振り返ってみて、そうしてその真髄を調査し、そうしてそれに即応して政治家として冷静な判断を今下されなければならない立場に、あなたは田中さんの次の大臣としておありになるのじゃないかと私は思う。だからして私は質問を申し上げているのです。そういう立場でもう一ぺん振り返って、そうしてかっての同じ自民党内閣ではあるけれども、やはり人間にはあやまちがありまするから、しかるべき反省の立場に立って、これらのものを考え直されるおつもりはあるのかどうか、この点を伺いたいと思います。
#105
○寺尾国務大臣 私は御指摘のように労使いずれもが反省をすべきである、ことに私ども不肖の者といたしましては、こういう重責に立つにおきましては、日々私は自己反省もいたし、そしてできるだけ善を行なっていくということは、御指摘の通りだと思います。従って私の先ほど申し上げました方針はそれといたしましても、私はこれらのことについては深く自省をいたしまして、今後のこれらの問題というものを慎重に取り扱っていきたい、かように考えております。
#106
○松前委員 非常に抽象的で、反省すするというふうなお言葉を承わったのでありますが、御真意がどこにあるのか、どうも察しかねるのであります。しかしまあ長年逓信省というものが続いておりましても、私はその出身者であります。しかもかつては逓信院と称しておった時代には、私が全体にあなたのような立場に立ったことがあります。そのような経験を経て参りました私どもとしては、ほんとうに残念で仕方がない。というのは、逓信関係は一種の、もう少しお互いに了解し得る、話し合いしながらそうして円満に物事を解決していって参ったのが、いわゆゆる昔は逓信院だというようなことを言っております。そのような気持が大体逓信省の指導者には行き渡っておった。ところが法律はともかくとして、またその一方的解釈はともかくといたしまして、今日のように乱れたときは私はないと思う。また乱すようにするところに、私は政治の責任があると思うのです。やはり労働組合も日本人です。税金も納めています。その諸君をしてほんとうにあのような反抗態勢に持っていかなければならないというところに、原因をただせば、私は一つの責任があると思う。同時にまた私はいつも考えるのでありますが、そのような対立をせしめるという原因に、実は大きな政治責任があるということが第一点でありますけれども、このような対立の中にどこに一体解決を求めるかという問題があるのであります。すなわち、その解決を求める道というのは、それはやはり私は政治でなければならないと思います。古い話ですけれども、西郷隆盛が幕府を攻めるときに静岡までやってきて、そこに幕府軍の勝海舟が山岡鉄舟と重囲を破って西郷に会いにきたときに、西郷は、喜んで山岡鉄舟を迎えて相擁して国の事を談じ、そうして酒杯をあげて共に語り合って江戸城の無血入城をやらせた。普通の小人物ではできないことであります。ほんとうの政治家は、このような、今の全逓と郵政大臣の対立のような対立でなく、兵火をもって交えようとするそのときに、これがそのようにお互いに許し合って、国を救うためにはそのような態度をとった人があってこそ、その当時アメリカの植民地にならないで済んだだろうと思います。このような現実に対処して、朝敵であるから絶対に幕府軍は撃たなければならないという天皇の絶対命令も、このように平和のうちに解決してしまったのですから、そのような意味において、今日の全逓と郵政省との対立の姿は、まことに芸のない、国の将来を考えない現状であるということを痛切に感じております。このような意味において、政治家としての大臣に対し、この問題の解決をどうなさるつもりか、抽象的でなく、どういう見通しをもってやろうとしておられるのか、ほんとうにあなたの正直なところをお伺いいたしたいと思います。
#107
○寺尾国務大臣 松前委員の非常に高い御所見には、私は感激をもって拝聴いたします。全逓のこの年末始を控えての対策問題につきましては、過日本更津で中央委員の大会が四日にわたって行われたようでありますが、私はそれらの結果を総合いたしてみまするに、十一月は今まで拒否をして参りました超過勤務の三六協定を結ぶという方針を立てたようであります。しかしその間に政府と交渉して聞かなければ、いよいよ十二月から拒否をして新年のはがき等は一切これをストップさせる、こういうことを示しておるようであります。私といたしましては、先ほども申し上げましたように、この郵政、特に郵便業務というものが国民大衆と全く直結しておる、きわめて家庭に結びついておる問題でもあるし、しかもこれが公共事業として絶対に遅配、滞留等をなしてはならない、こういう高い使命に置かれておるお互いとしては、たとえば全逓が私と団交ができないから、だから十二月は超勤を拒否して、そうして郵便物を滞留せしめ、あるいはストップさせる、こういう態度に私はきわめて不可解な、きわめて遺憾な感じを持っておるわけであります。十一月にやってくれるというのなら、要するにこの年末始の繁忙時期を乗り切って、そうして日本の郵政事業、郵政業務に当る者はかくも責任を果すのだという、松前委員が御指摘のように、過去のりっぱであった当時の姿に返ってこの責任を果していただく、果してもらうということになれば、政府としても――また、問題になっておるILOの八十七号の問題、これは私の所管ではありませんけれども、私自身、過日参議院の逓信委員会でこれは批准すべきものだという、私の個人的の意見としてはそういう意見を持っておるということを申し上げたのでありまして、こういうきわめて公けの仕事を持っておるお互いとして、このことを聞かなければこれをストップさせて一切そういうものを拒否する、こういう態度というものは、全逓がこれをすみやかに反省をして、この態度は除いてもらわなければならぬ。従って私の方針といたしましては、地方の各郵政局長にも、少くも一月十日までは超勤の協約を締結するようにあらゆる努力をし、あらゆる説得を各事業場等にすべきだということを指示いたしておるわけでありますが、まず先ほど申し上げましたように、この公共事業としてのお互いが使命を果す、そのことによって要求するところのものは要求し、また政府もなすべきところは実行したい、こういう形がとられなければならないのではないか、さように私は考えています。
#108
○松前委員 問題はやはり根本にさかのぼらなければならないと思うのです。およそ私は物理学と同じように、作用あれば反作用あり、人をなぐれば自分の手も痛い、なぐられた方となぐった方とは同じような痛さを持つ。これはやはり自然現象における通則であるばかりでなく、社会現象における通則です。圧迫すればその反発は強く出ます。革命は圧迫した政治のもとにおいてのみ革命が起っております。これは歴史の通則です。ですから私は、この問題を処理しようという基本的な問題としては、やはり圧迫を加えたそのときにさかのぼらなければならないと思うのです。そのときの態度に反省がない限り、私はこの問題はなかなか解決しないと見ております。大臣の今の御答弁はそのことには全然お触れにならない。ただ現実だけを見ておやりになっておる。これは次官以下の皆さん方、事務に携わっておられる幹部の方々はそういうお考えを持っても私はいいと思いますけれども、しかし大臣はそういう方と同じお考えのもとにおやりになるべき筋合いのものではないと私は思っております。でありますからお尋ねしておりますが、その根本にわたってもう一ぺん反省して考え直されるお気持はないのかどうか、この点を伺いたいと思います。
#109
○寺尾国務大臣 先ほどもお答えをいたしましたように、私は、この問題は労使ともに十分に反省をし、そうして今後に対処していかなければならぬという基本的な考えというようなものはもう十分持っております。しかし全逓に対する具体的な対策は今後どうするかという点になりますと、今私が申し上げましたような方針以外には私はとり得ない。これはせっかくの松前委員の高いお立場での御質問でありますけれども、私の今の態度といたしましては、具体的にどうするということであれば、先ほども申した以外には出ることはできないということをお答えせざるを得ないのであります。
#110
○松前委員 くれぐれも申しますが、先ほど申しましたように根本にさかのぼって考え直してみられるお気持があるかどうかという問題でありまして、その点は、ただいまの御答弁によれば、向うが考え直せばおれも考え直す、こういうふうに受け取っていいのか、それとも絶対に過去にさかのぼっては考え直さないのだ、そうしておれはこの方針で、もう全然そこに柔軟性もなく進んでいくのだ、そういうしゃくし定木なお考えでいらっしゃるのか、どっちか、一つ伺いたいと思います。
#111
○寺尾国務大臣 決して私は、胸を張っておれはこうやるのだというような考え方でこの全逓の問題に対していないのであります。同じ家族ともいうべき、自分の監督下にあり所管である全逓信労働組合のことでありますから、組合が発展するということ、組合員の地位の向上するというようなことは、私は日ごろから念願をしてやまない点であります。従って、もうやむにやまれず私が先ほど申し上げた方針をとらざるを得ないという立場を御了承願うというよりも、さようにお答えを申し上げたいと思います。
#112
○松前委員 私がお尋ねしたのは、そういう意味ではない気持でお尋ねしているのです。かって田中さんがやられたあの大弾圧、あれを大弾圧として政府は反省する意図があるかどうか、このことであります。あなたのさっきのお言葉からいうとあるいはこうとも受け取れる、全逓が反省するならばおれの方も反省しよう、こういうふうにも受け取れる、それはどっちでしょうかということであります。
#113
○寺尾国務大臣 全逓が反省をするということは、現状であれば超過勤務をこの年末始に、十一月まではやるが、十二月は場合によれば拒否して、すべて新年の郵便物をストップさせるということは、公共事業を受け持つ者としてあまりにもこれは間違っていやしないか、さように私といたしましては言うのであって、反省を求めるということは、正式の機関を一つ選定しさえすれば、それらの問題については十分自分が考えていく、また正式団交はもちろん、組合員の地位の向上あるいは福祉の増進、こういった点も十二分に考慮していく、こういう考え方でありますと同時に、田中前大臣がやったときのことは、はなはだ何でありますけれども、私はいさいその当時の実態は知らないのであります。同時にまた、田中君がやったことを私は非常な圧迫だということにも考えておりません。
#114
○松前委員 だんだんとあいまいにつなってきて、何が何やらわからない。まことにお利口な答弁だと思うのであります。これ以上聞いても、どうも同じようなところをぐるぐる回るのではないかと思うのです。しかし私は、一つ大臣も政治家としての立場において――やはり過去の歴史は、現実の問題として、現在の基礎になるものであります。やはり過去に出発して現在がありますので、その出発点にこのことはさかのぼらなければ、問題の解決はないと思う。その過去にさかのぼるときに、何といっても、ああいう作用があれば反作用ありでありまして、これはやはり私どもとしてはこの国を非常な混乱の中に陥れてはならない責任を持っておると思う。作用あれば反作用ありで、弾圧をすればその反発がくる。ロシア革命にしても、フランス革命にしましても、あらゆる革命が、弾圧のもとに発生したいわゆる破壊作用であります。このような歴史の過程を、今日本はたどりつつあるのではないかと私は思うのです。だから非常に心配なんです。その意味においてもう一ぺん反省をされて、そうしてもとの原因にさかのぼって、何かここに円満解決の道を大臣はお考えになる必要があるのじゃないか、その責任があなたにあるのじゃないかと私はそのことを痛切に感じております。しかしこれ以上あなたにこの問題について堂々回りの議論はいたしません。善処していただきたいと思っております。私の質問はこれで終ります。
#115
○淺香委員長 金丸徳重君。
#116
○金丸(徳)委員 私のお伺いいたしたい点は、二点ございました。そのうちの一点は、今朝来片島委員、それからただいま松前委員から切々たるお言葉をもってお尋ね申し上げた中でほとんど尽きておるわけでありますから、ただ一点だけ大臣の御所見を伺っておきたいと思うのであります。それは、しばらく前に、私も当委員会の席におきまして、この全逓との問題を解決するのには、もとにさかのぼる必要がありはしないかということをお尋ね申したのでありますが、その際にも、ただいま松前委員にお答えになったようなお答えでございました。自来相当の月日がたったわけでありまして、依然として問題が解決いたしておりません。大臣は、再々のお答えの中におきまして、十分に誠意をもって善処する、それからきょうは、自分が最終の責任者としてこれを痛感しておるという言葉、それからまたわれわれの方でも反省の必要を認めているという言葉を表明されております。大臣のこの言葉の中には、少しの虚飾もなければ誇張もないと私はお受け取りいたすのでありますが、ただ心配になりますことは、大臣のそういうお心持とは別に、いろいろな点で、何かそれと相反するようなことがいわれておるのであります。たとえば、もしかの場合においては、小包郵便の引き受けを停止する、あるいは制限をするのだ、もしまた必要があるならば年賀郵便の引き受けを停止する、あるいはその引き受けの手続についても考慮を払うというようなことを言っておられるのでありますが、私どもは長く逓信省に御厄介になって、その仕事の円満なる運営に今もなお多くの関心を持っており、また自分たちの責任かのような錯覚に陥るまでの心配を、実はいたしておるのでありますが、およそ小包郵便を制限するとか、年賀郵便の引き受けを停止するというようなことは、事業の運営上よっぽどの危機に際会し、よくよくのことでなくては、なかったのであります。たとえば大正十二年の大震災、あのようなときにおいては若干そういう非常措置をとったのであります。また戦局が進んで参ったというような場合においてはそういう措置もとった歴史もあるのでありますが、これはもうよくよくの危機、万策尽きたる場合において初めてこれがとられるのであり、いわんやそれを見越して世間に対する一種のどうかつのような言辞を弄したということは、およそ逓信当局者としてはなかったことなのであります。あり得ないことであります。事業の停止あるいは引き受けの制限というものは事業運営者としてはおよそ最大の禁句、口にしてはならないことだと思っておった。ところが新聞紙上などにおきましてもわれわれ再々そういうことを聞くのであります。私は、ここにおける大臣の誠意を持ってのお答えと、そういう言葉の端々の中に何か大きな食い違いがあるような気がしてならないのであります。およそ人間の誠意というものは何か実行面に現われなければ何にもならない、ことに相手方のあるようなものにおきましてはそうだと思います。先ほどの松前委員の御質疑の中にございました大勇猛心がなければこの事態は解決し得ないのだということ、これは私もそう思います。そうして大勇猛心を発揮せんがために相手方にも何かの考慮を払わせんとすれば、相手方におきましてもおよそ大勇猛心を発揮しなければ打開できない。そういう事態になっておるので、この際私は、やはり大臣に大勇猛心を発揮してそういうせっかくの誠意ある言葉をここに表明しておきながら、実はほかの場所において、ほかの場面においてお使いになりまする言葉があまりにもこれとかけ離れておるということに残念な気持を持ちまするがゆえに、その食い違いについて何か所信の御表明が願っておきたい、そうしてそれが今後におきまするこの問題の解決の糸口になってくれれば私は非常に仕合せに存じます。
#117
○寺尾国務大臣 御指摘の点は郵政当局で私の名におきまして小包郵便の制限あるいは年賀郵便の受付停止といったようなことがお耳に入られたようでありますが、年賀郵便の受付停止というようなことはもう全然ございません。考えてもおりませんし、また言ったこともありません。ただ全逓の方針としてあくまでも年末始に超勤拒否をやると同時に、郵便物の大量遅配をねらっての闘争が続けられるということにおいて、これに対処していかなければならない。これは全逓がやらないからといって、当局としてこれを傍観するわけにいかない。そうすれば相当の非常勤を雇い入れる以外にはない。あるいはこの訓練をやる、その他の方法を講ずるより道がない。そのときになった場合に、あるいは小包郵便等の締め切りその他を若干早目にするというようなことをしなければ、ほとんど混乱が解消できないのではないかというような、技術的、事務的なことを局長から報告を受けたことはございます。しかし私といたしましては、こういったようなことには何の制限もなく、また全逓の方も十一月は超勤をやるんだという態勢でも出て参っておりますから、その十一月をさらに一月十日くらいまでにはぜひやってもらい、この公共事業を完全に守り抜く、こういう形をとってほしい、こういうことを今要望をいたしております。同時に団体交渉ということについては、正規の代表を選ぶ形をとっていただかなければこれはできない。しかし先刻も松前委員に申し上げましたように、労使ともに反省をして進むということにおいて、これはもう当然のことだ。ただ法治国といたしまして法を順守しない、法を無視するという形は私どもは許されない、こういうことを申し上げておるのでありまして、私といたしましては、こういったようなことはきわめて遺憾きわまりないことでありますけれども万やむを得ない。この処置、この方針というものが、今後進められて、彼らに反省がない、その正式代表を選出しない限りにおいては、まことに遺憾であるけれどもやむを得ない、こういうことでございますから、この点は御了承いただきたいと思います。
#118
○金丸(徳)委員 大臣まことに遺憾であるけれども万やむを得ないとおっしゃいますが、私どもは公労法も非常に大切だと思います。公労法を守ることも非常に大切だと思いますけれども、その前に私はやはり事業を守ってもらわなければならないと思います。事業の円滑なる運営によって世間の期待に沿うような、それこそが先に考えられなければならない問題だと思います。そういうような意味において、私はこの際大臣に何といいますか、竿頭一歩を進めるといいますか、大志一番といいますか、そういうときに使われる言葉はいろいろあるだろうと思いますが、私は適切な言葉を発見し得ないのであります。とにかくこういう越えがたき関をも越えて、そしてこの事業の歴史の上に非常な混乱を起すような状態を残しておいていただきたくないと私は思うのであります。そうして同時に――ひとり大臣に勇猛心をお願いするばかりではありません。相手方全逓の方におきましても、今回の決定などにつきましてはずいぶんとやはり勇猛心を起しておられると私は思います。ただああしてたくさんな人を擁した大組織なのであります。従ってこれを一本の形において、この問題を解決するまでには、組合の幹部としてずいぶん苦心を要することと思うのであります。これは大臣にこんなことを申し上げるまでもなく、よく御承知のことと思うのでありまするが、ずいぶん下部の方からは突き上げられますので、やむにやまれぬ立場に追い込まれてとっておるような行動もたびたびあるように承知いたしております。そういう立場のおのおのを御考慮になった上で、相手方にのみ反省をしいて、そこから一つ自分たちが血路を――血路というわけではありません。それはきわめて甘い道でありましょうが、そういう道をお選びになること、差し迫ったこの暮れを控えての、この時点におきまして非常にむずかしいと思う。どうか一つ事業を円滑に運営をしてきたという今までの歴史を、この際あなたの手によってやはり守っていただきたいと思います。御所見をもう一度承わって私はこの問題を打ち切りたいと思います。
#119
○寺尾国務大臣 年末始を控えて非常な金丸委員の御心痛を賜わり、恐縮でありますが、たとえば今の形だけにおいても事業場ごとに協約締結のできる三六協定を結んで、全逓がこの年末始の繁忙期を責任を果すという形は、国民大衆に対しても、公共事業というこの性格からしても、また高い使命と責任を持っておる全逓としては当然やつてもらわなければならぬことだと考えておるわけでありますが、こういう点に一つ私はなお極力各地方局長に努力するように申してあります。そういうことによってぜひとも年末始の繁忙期を一つ無事に乗り越えたい、かように考えております。その他全逓に対する私の態度ということにつきましては今の場合私はいかんともすることができない、こういう考えでありますから、その点はまことに遺憾でありますけれども御了承をいただきたい。
#120
○小沢(貞)委員 ちょっと関連してお伺いしたいのですが、常に超勤を行わなければならないような状態にあるわけなんですか。大体四、五年前から比較して郵便物はどのくらいふえて、人はどのくらいふえたか、その数字をちょっとお知らせ下さい。
#121
○板野説明員 大体この五カ年間の統計をとってみますと、郵便物の方は毎年七%くらいの増加を示しております。これに対しまして定員、いわゆる法律上の定員増というもの、それ以下の点にきまっております。大体四、五%か五、六%程度ということでございます。これはちょうど業務の特質がそういう状況になっております。たとえば三十三年度の物増と申しますのは、これから物が増加するわけでございますので、こういうものは定員で全部見るということでなしに、いわゆる定数的非常勤のごときものでこれを見るわけであります。また事業というものがその日によりまして非常に波がございますので、その波にならない大きな幅は定員なりあるいは定数的非常勤でやっておりますけれども、その波にくる部分は毎日の物数が違うわけでありますから、そういうものは超勤なりあるいは単なる非常勤、いわゆる短期の非常勤でこれに充てる、こういうようなことが事業の特質にマッチいたしておりまして、経済的にも非常にいい、こういうことで今まではやってきております。
#122
○小沢(貞)委員 昭和二十四年なら二十四年、六年なら六年のときに郵便物はどれくらいで、定数はどれくらいで、今日はそれが郵便物の方は何%になって、定数は何%になっておるのですか、そのパーセントをちょっと教えて下さい。
#123
○板野説明員 今ちょっと詳しい資料はここにございませんので、直ちに調べまして提出いたします。
#124
○小沢(貞)委員 資料を出していただくついでに、これは委員長からも要求していただきたいと思うのですが、何か請負で郵便物を運搬してくる日本逓送というのがありますね。これは昭和二十八年ごろ何とか法という法律が改正になって、そのときに締結し直したはずだと思うのです。し直しておりますね。それでそのときに締結して、たしか四年に一ぺんか何かまた請負契約を締結する。だから最近、昭和三十二年か三年ごろまた請負契約を協定していると思うのです。私はこまかいことはよくわかりませんが、その日逓送ですか、それがほとんど独占的にやっているようなんですが、この日逓送が競争でやらなくて、どこか随契でやったところがあると思うのです。われわれも非常にしろうとでよくわかりませんが、随契でやつたのが合理的な契約である、物価とかガソリン代とか自動車の消耗とか人件費とか、いろいろ合せて妥当であるということを証明できるような資料を一つ出していただきたいと思います。ほとんど独占的にやって、随契でまた続いてやっているような状況だと思うのですが、だれが見ても、なるほどこれは妥当性がある、まことにもっともな値段だ、適正な利潤で適正な価格だということがわかるような資料を一つ出していただきたい。その二つをお願いいたします。
#125
○淺香委員長 承知いたしました。
    ―――――――――――――
#126
○淺香委員長 次に、放送法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。
 片島港君。
#127
○片島委員 大体以上をもって一般質問が終りまして、これから放送法の一部改正について審議に入るわけでありますが、この際大臣に特に申し上げておきたいのは、この放送法の改正は非常に広範なものでありまして、論議が非常に多いと思います。何といいますか、大臣の答弁もおざなりのように私たち感じるのですつが、そう言っちゃ大へん失礼ですけれども、前の田中大臣は、やったことの功罪は別といたしまして、非常に素っ裸で、とにかくその問題と取り組んで、責任を持ってここで答弁をし、また答弁したことは必ず解決するというふうで、今度の年末の問題でも私のところに参りまして、今度の年末の郵便繁忙などによって、労使が対立をしておるととんだことになるから、超党派で、前にこれに関係しておった者が一ついろいろと知恵をしぼって中に入って、何とか解決の道を講じようじゃないかということまで言われております。イデオロギーとか自分の考えとかいうことは別にして、やはりこのくらいに真剣に問題と取り組んでやっていただかないと、審議も進まないし、また私たちも非常にたよりない。今度の年末闘争の問題などについても私はいろいろ聞いておりまして非常にたよりなかったのでありますから、放送法の質疑に入るに先だって、大臣は今後責任を持って答弁をし、また答えたことについては必ずこれを自分が責任を持って実行するという態度を一つ明確にしておいていただきたいということを特に私はお願いをしておきたい。
 この放送法の改正については非常に広範な改正でありますから、きょう私の質問を一つ一つ終えてしまうわけには参りませんが、私はきょうこの内容に入るに先だちまして大臣の御所見を聞いておかなければならぬ根本的な問題というのは、NHKと民放との関係であろうと思います。放送法を改正しなければならないのは、民放がまだできていなかった、テレビジョンもなかった、NHKが独占的に放送をやっておった時代の放送法でありますから、これが特に今日重要視され、また法を改正しなければならぬ事態に立ち至った一番大きな問題は、やはり民放が非常に隆盛をきわめてきたということと、テレビジョンの発展だろうと思います。そこで放送法を改正するについては――改正というよりも今度は根本的に放送法を立案し直さなければならぬような状態にきておる。このたびはそういう意味におきまして枝葉末節的な改正が多くて、根本的な問題に触れておられない。これはいずれ放送法の根本的な改正に手をつけなければならぬ時期がくると私は思う。現在の日本の放送界は、同じ放送をやっておるNHKと民放の二本立になっておるのですが、NHKと民放の根本的な性格の相違、根本的な任務の相違、この点について大臣はどういうふうに理解をせられておるか、この点を私は最初に一つお尋ねしておきたいと思います。
#128
○寺尾国務大臣 お答えを申し上げます。一九五二年と記憶しておりますが、いわゆる民間放送が発足をし、さらにその後テレビジョン放送というものが急ピッチで発展発達をいたして参って、しかも民間放送がこのテレビジョンに対する予備免許等を与えられることにおいて異常な発展をして参った、こういうことは御指摘の通りだと思います。従いましてそれまで二十数年来NHK一本で放送をしておった形に、異常な発展をもたらした民放がここに出現をいたしましたので、この放送法の問題につきましても、いろいろ改正についても抜本的な改正ができかねるというような点が御指摘の通り確かにございます。従いまして、NHKの性格と申しますことは、そのNHKの任務、目的が示されておりますように、日本放送協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において聴取できるように放送を行うことを目的としておる、私はこの一語でNHKの性格が絶対のものだと思う。しかも日本全国あまねく受信できるように放送を行うことを目的とする、こういうことでありますから、こういう点においては民放とは全く性格が違っており、先刻の松前委員の御指摘のように、NHKの事業計画にいたしましても資金計画にいたしましても、今までもそうでありましたが、今後ともに非常に大きな責任と使命がある、かように考えております。一方民放は、おのおのその使命が独自の立場に置かれておりまして、全国あまねく受信できるような放送、こういうことは何も要求されておりません。ことにその放送の内容におきましても、高度なものがNHKオンリーに求められておることも御承知の通りであります。しかしながら、一方民間放送といたしましてはスポンサーによる、広告による放送という性格の全く違った形に置かれておりますから、その両者が車の両輪のごとく発展をしていくというためには、非常にむずかしい問題もあろうか、私はかように考えておるわけであります。従いまして今回の放送法の改正に当りましても、NHKの料金制度というものを現行のままに置かざるを得なかったというような事情もございます。これはどうしてもNHKの将来を考えますと、今のいわゆる聴取料制度でいいかということには多くの識者の意見のあることは片島委員も御承知の通りであります。従伺いましてこの改正法を、NHK、民放一本として現行の放送法に若干の改正を加えるということにとどめたのでありますが、今後の問題といたしましては、これからさらに発展をしていくとついうことが予想されます民放等をも考えまして、放送法としては抜本的なものをやがて検討し始める必要があるのっではないか、さように考えております。
#129
○片島委員 非常に大臣が苦心をして答弁をされておりますけれども、やはり民放とNHKとの根本的な任務、性格の相違という点はやはり解明されておらないと私は思う。非常に強調されました公共性という問題、公共的な性格を持つということ、それからNHKは高度、それから民放は高度でなくて低い、こういうようなことを言われましても、民放もやはり公共性を無視した放送というものはやるべきではない。また公共性を無視したようなことをやろうとすれば、当然今度の改正でもそういうことはやれないように、幾らかこれは自律的な規制ではありますが、法的に規制をしようとしておるわけなのです。できるだけ公共性を持たせなければならぬ。その高度とか低度とかいったところで、これは程度の問題でありまして、場合によりましては、民放で出しておる非常に高度なものと、NHKが出しておる低い、俗的なものとを比べた場合には、ある番組についてはかえって民放の方が高いというようなこともありますから、公共的なということによって、一方はいわゆる広告収入によってやる、一方は受信料によってやる、それだけの大きな性格の相違というものはない。全国あまねくということに力を入れられましたが、これはNHKがいわゆる一社だけでやっておりました場合にはどうしても全国的にやらなければならぬので、だんだんと地方に中央局ができ、また支局ができ、今日に至っておるのであります。民放も今全国的にあまねく普及をいたしておりますから、民放も全部民放として見た場合には全国的にあまねく普及しておる。そしてネット・ワークなども相当完全に行き届いておる。そういうことになりますとNHKの各支局なり中央局、民放でいうならばちょうどそういうものがそれぞれ独立をして、そこで一社をなしておるような形になっておるのでありまして、全国的にあまねくといってみたところで、その社、一社だけを見たときにはそうでありません。ただ経営上の問題で、聞く方の側から見ましたならば、民放も全国あまねく行き届き、NHKも全国あまねく行き届いておる。公共性についてもそういうような状態でありますから、NHKというものと民放というものと――今料金制度を云々せられましたが、受信料の問題は今後ますます困難になると思います。民放がだんだんと発展をして参りますれば、民放しか聞かないのだ、NHKは聞かない、こういうようなことで、だんだんと民放が発展をすればするほどNHKの立場が何だか受信料のことはあまり大きな口で言えないような状態になって、経営の面においてもこれが非常に響く。この際放送法の根本的な改正をやる場合でも、その性格と任務というものがはっきりしておれば、遠慮しないで堂々と二本立というのがいくが、今大臣が言われたような公共的な放送を全国あまねく、民放はそうでなくて低度のものを各社ばらばらというようなことでは、これは根本的な性格や任務を解明したものではないと思う。やはりこれはここで明確に――大臣は答弁はできないでしょう、できないでしょうけれども、法的に頭をひねってNHKというものはこうこ、ういうことをやるべきものであって、こういう任務を持つのだから当然これだけの受信料は取るべきであるし、それは万人が、国民一人残らず納得すべきである、民放はそういうものでなくて、こういうものであるからという、それは料金の面から番組の面に至るまで明確なる基準、規定というものを置かなければ、私は今後の放送界というものは混乱というか、ますます無規律な状態に追い込まれると思うのでありますから、この両者の間の性格というものをこの放送法改正を審議するに先だって明確にしておいていただきたい。これは総理大臣もこちらにお呼びするようになっておりますから、総理大臣にも私たちはこの問題を明確にお答え願いたいと思うのでありますが、大臣にはこの点を特にはっきりとしておきたいと思いますから、いま一度大臣の所信を伺います。
#130
○寺尾国務大臣 お断わりを申さなければならぬことは、私の先ほどの説明の表現で、民放は低くていいのだとか、低いのだというようにおとりになったかに拝聴いたしましたが、私はさようではないのであります。民放にも第一条におけるところの「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。」ということはりっぱに準用され、民放にも示されておることでありますし、また「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保する」というようなこと、あるいは「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。」こういう非常に高度なことはひとしく民放にも規定、規律してあることでありますから、私は民放もりっぱな高い一つの使命を持っておる、いわゆる放送の事業を受け持っておる、こういうことでありますから、この点について私がNHKは高度であるが、民放は低くていいというようにお聞き取りであったということであれば、これは私が特に釈明を申し上げまして御了承を得たいと思います。でございますから、この法律案の各条項におきまして、ほとんど数点を除いてはNHKにもまた民放にも準用される。こういうことになっておりまして、番組の適正化、いわゆる番組準則の整備とかあるいはそれを確保するとかいうような点におきましても、これはNHKのみならず民放にもひとしく同じように規律をしてあるところでありまして、民放は民放としてのよさ、民放としての自由、自主性を持ったよさというものはこれを認めるばかりでなく、現在放送されておるその形においても、番組の編成等においても、かつては若干の批判も受けた時代もありましたけれども、最近のものは非常にりっぱになっておる。こういうことにおいて、私はNHKが特にすぐれておるとかどうとかいうような意味ではなく、ただ国際放送というようなものに対してはNHKがこれを行うといったようなこと、あるいは若干の点においてNHKが公共放送であるということにおいて規律されておる、求められておる、こういうことを指摘いたして申し上げたわけでありますが、NHK、民放ともにおのおの特質を持っておるので、この特質を十二分に発揮して国民に最大限に普及をし、またその効用がもたらされ、公共の福祉に適合するように規律をして、その公共の福祉に従ってNHKも民放もともに高度の放送を行なっていくべきだ。またそういうことを大きく期待しておるということにおいて何ら差はない。ただその性格、その使命に若干の差はあっても、放送といたしましての期待に対しては何ら差はない。いずれもその特質を十分に生かしていくべきだ、私はさように考えております。
#131
○片島委員 そういうふうになりますと、ますます任務なり性格というものがあいまいで境目がわからぬようになって参りますのに、一方はいわゆる商業放送として広告収入であるし、一方は強制的でありますが、法律的に受信料まで取ってやるという大きな違いが、ほとんど放送の内容なりその使命については変りはないのだということになれば、ますます問題がこんがらがってくるのです。やはりそれを明確にしないから、今日でも民放とNHKとの関係があらゆる場合に問題になってくるのです。NHKは、たとえば郵政大臣の直接の監督を受けて、事業計画にいたしましても、あるいは予算を提出する場合でも、大臣を通して国会の承認を受けるというようなことでやっておりますのに、一方はやっていない。しかも内容的にも使命的にもあまり変らないということになれば、それじゃどうしてこういうふうに取扱いが変ってこなければならないのか。そうして一方ではNHKは郵政大臣が直接にいろいろな面においての監督権を持っているが、一方においては自主性を非常に重んじた株式会社であるというような関係であります。内容的にそうなりますから、この改正の要点を見ましても、NHKに課せられたところの義務の重要な事柄はほとんど民放にも準用せられておる。そこに私は非常に重要な問題を含んでおると思うのです。これらの問題はこの法律の改正を審議するについて非常に重要な問題でありますので、総理の出席を求めてお伺いをし、次にそれを一つのもとといたしまして各条項にわたってわれわれがいろいろとわからない点を、今後質疑を通じて大臣から御答弁をお願いすることといたしまして、私は本日はこの程度にとどめておきます。
#132
○淺香委員長 次会は明後二十九日水曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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