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1958/10/31 第30回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第030回国会 逓信委員会 第9号
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1958/10/31 第30回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第030回国会 逓信委員会 第9号

#1
第030回国会 逓信委員会 第9号
昭和三十三年十月三十一日(金曜日)
    午前十時四十八分開議
 出席委員
   委員長 淺香 忠雄君
   理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君
   理事 武知 勇記君 理事 粟山  博君
  理事 橋本登美三郎君 理事 片島  港君
   理事 森本  靖君
      進藤 一馬君    田邉 國男君
      塚田十一郎君    服部 安司君
    早稻田柳右エ門君    渡邊 本治君
      小沢 貞孝君    金丸 徳重君
      佐々木更三君    原   茂君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 寺尾  豊君
 出席政府委員
        郵政政務次官  廣瀬 正雄君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      濱田 成徳君
 委員外の出席者
        郵政事務官
        (電波監理局次
        長)      荘   宏君
        郵政事務官
        (電波監理局法
        規課長)    石川 義憲君
        郵政事務官
        (電波監理局放
        送業務課長)  館野  繁君
        専  門  員 吉田 弘苗君
    ―――――――――――――
十月三十一日
 委員大平正芳君及び松前重義君辞任につき、そ
 の補欠として塚田十一郎君及び河野密君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 放送法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
 八号)
     ――――◇―――――
#2
○淺香委員長 これより会議を開きます。
 放送法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。これより質疑を行います。質疑の通告があります。これを許します。小沢貞孝君。
#3
○小沢(貞)委員 きのうの答弁であいまいな点があったわけですが、放送の規律ということを一つあらためてどういうことかお尋ねしたいと思うのです。それがあいまいだと前進しないわけです。局長の答弁は、放送の規律とは、放送番組や放送内容等、放送法に盛られた一切のことが放送の規律だと称するわけですが、大臣はそうではなさそうな答弁なんです。どうもその辺がはっきりわからないのですが、放送の規律とは一体どういうことか。郵政省設置法や電波法から始まって、放送の規律という言葉が五十も百もあるわけです。ところが、放送の規律とはこのことを言うということはどこにも明示してないようです。だから放送の規律ということはどういうことか、そういうことから一つ答弁を願いたいと思います。
#4
○廣瀬政府委員 ただいまの問題につきまして、きのうどうも政府の答弁がはっきりしなかったうらみがございましたので、いろいろ解釈につきましての疑点を統一させまして、ただいま事務当局から御説明させますので、御聴取願いたいと思います。
#5
○荘説明員 事務的にはただいま法制局当局とも相談をいたしつつございますので、恐縮でございますが、いましばらく御猶予をいただきたいと思います。
#6
○小沢(貞)委員 それでは放送の規律ということがわからないと、この非常に大切なところが全然前進しませんから、またその解釈等お聞きしてからこの条は御質問を続けたいと思います。
 資料はなくてもいいです。御答弁をいただけばなおけっこうですが、第四十四条の七、「協会は、政令の定めるところにより、当該放送番組の放送後一箇月以内に限り」、云々とありますが、その政令というのは一体どういうことを予定しているのですか。
#7
○廣瀬政府委員 ただいま御質問の事後措置の政令の内容といたしましては、現在考えておりますところは、事後措置を要する放送内容の範囲といたしましては、1、報道、時事問題を取り扱った事項及び協会または一般放送事業者が法第四条の規定による訂正または取り消しの放送に関係することがあると認める事項、2、放送番組審議会または放送番組審議機関が保存を要求した事項、そういう放送内容の範囲を規定いたしたいと考えております。事後措置の方法といたしましては、ただいま申しました前段1の事項につきましては、原稿、録音、録画等のうち最も適切な方法により、後段で申しました事項につきましては、放送番組審議会または放送番組審議機関が要求する方法によりまして、放送番組審議会もしくは放送番組審議機関または訂正もしくは取り消しの放送の関係者が確認し得るように整理して保存すること。それから事後措置の期間といたしましては、第一番に申しました前段の事項については二週間、ただし、第四条の規定による訂正または取り消しの放送の請求があったものについては一カ月を限度としてその請求が継続する期間、後段の事項につきましては、一カ月を限度といたしまして、放送番組審議会または放送番組審議機関が要求した期間。かようなことを政令にうたいたいと一応今のところは考えておるのでございます。
#8
○小沢(貞)委員 今の読み方が非常に早くてよくわかりませんから、きのうと同じように、印刷物で出して下さい。
#9
○廣瀬政府委員 承知しました。本日直ちに差し上げてけっこうでございます。
#10
○小沢(貞)委員 先般の参考人のここで発言された中にも、「ことに録像フィルムの場合は、たとい一日分といえども、私たちといたしましては、とうてい実行が不可能ではないか、かように考えておるのでございます。」こういうようにありますけれども、一体その政令の中にはこういうものが入っているのですか。
#11
○廣瀬政府委員 録画につきましては、最も適切な方法によるという工合に考えておるのでありまして、録画をことごとく保存してもらいたいということは全然考えておりません。なお政令を最後的に決定するにつきましては、一応業者の意見等も十分承わりまして、最も経費のかからない最もできやすいような方法を十分考究いたしまして、政令の内容を確定いたしたいと思っております。
#12
○小沢(貞)委員 印刷物を出してくれと言ったら出しますということと、あとでゆっくり業者と話をするということはおかしいと思うのですが、どういうことですか。
#13
○廣瀬政府委員 ただいまこの法律案の審議をお願いいたしておるのでありますから、その資料といたしましてこうして腹案を持ってきておるわけであります。その具体的な方法なんかにつきましては、やはり業者の意見を聞きたいと思いますので、そのことについて申し上げたのであります。一応の案はできておるのでございます。
#14
○小沢(貞)委員 今案が出たようでございますが、まだ見てないので、そのことについてはあとで質問いたしたいと思います。
 法律は作ったものの、まだ業者と相談しなければいけない、業者の方では録像フィルムはとうてい置くことはできないと言っておる。こういうようなものをこの法律にわざわざうたわなければならない目的は根本的にどういうところにあるのですか。
#15
○廣瀬政府委員 ただいまの御質問の御趣旨がよくわからなかったのでありますが、業者がこういうものは置くことはできないという何か具体的なお話でもございますれば、それに基きましてお答えいたしたいと思うのでございますけれども、事後措置ができないという全般的な問題でございますか、それともこの政令の内容について、さような要請に応ずることはできないという御趣旨でありますか、御質問の趣旨がよくわからなかったのですが…。
#16
○小沢(貞)委員 私はこの間の参考人の議事録で言っておるのです。議事録の三ページの下から二段目の半分から左の方にこういうことが書いてあるのです。「経済的にも技術的にもきわめて困難な措置でございます。ことに録像フィルムの場合は、たとい一日分といえども、私たちといたしましては、とうてい実行が不可能ではないか、かように考えておるのでございます。」だから、たとい一日分たりといえども技術的に不可能だ。私は技術のことはよくわかりませんが、不可能ではないかということを一カ月もとっておかなければならないというふうに規定しなければならない根本的な理由はどこにあるかということです。事後措置のこの四十四条の七、これをきめた根本的な理由がどこにあるか、そのことをお尋ねしておるわけです。
#17
○荘説明員 政務次官がお答え申し上げましたことを私から補足して申し上げます。四十四条の七の立法の理由といたしましては、現在の放送法にも第四条という規定がございまして、放送によって権利の侵害等を受けた人は訂正等の放送の申し込みをすることができることとなっております。それらの人々が申し込みをした場合に、何を言っていっても、そういうことを言ったことがないというようにしてはねつけられるようでは、それらの人々の権利を、地位を、利益を擁護することができないわけでございます。従いましてこの四条の規定を生かしていくためには、どうしてもある程度記録というものが残っていく必要があるわけでございます。四条を生かすという趣旨が、従いまして四十四条の七を設けた第一点でございます。
 それから第二点といたしましては、今回番組の適正向上をはかるために放送番組審議会または審議機関というものを設けることを考えたわけでございますが、審議会、審議機関がその機能を果しますためには、どのような放送が行われたかということを知り得る機会を与えることが必要であろう、かように考えまして、審議機関の活動を容易ならしめる、その目的を達成せしめることを容易ならしめるという意味におきまして四十四条の七を作ろうという次第でございます。
#18
○森本委員 今、小澤さんの方から質問をしておりまするのは、この間も、たった一日といえども録画というようなことについてやるということは非常に困難である、録音ということについても困難である、そういう参考人の御意見が出ておったではないか、それにもかかわらず一カ月もそういうことをやるということになったらよけい困難じゃないか、こういう質問をしておるわけです。そこで今あなたの方から初めてここに配られたこの案を見てみると、場合によっては原稿だけでよろしいというふうに認定をすることもあり得る。そこで、「原稿、録音、録画、最も適切な方法により、」こういうようなところを具体的に答弁をしていかないと、ほかのところへそれちゃっておるわけです。今、小澤さんが聞いておるのは、この間参考人がこういうことはむずかしいと言ったじゃないか、それに対してあなたの方はこういう案を出してきておるわけであって、その中にちゃんと書いてある。その中で、録音とか録画というようなことについては非常にむずかしいという場合には原稿だけで済ます場合もあり得るというふうな答弁をしていって、初めてこれが審議の過程に乗ってくるわけですよ。その点を一つよく聞いて、答弁の方も親切にやって下さい。その内容を詳しく説明せぬとわからぬです。
#19
○荘説明員 原稿、録音、録画等のうち、最も適切な方法によりたいということがただいまの気持でございます。その適切な方法と申しますのは、業者に対しまして無用の経済的な負担をかけるようなことのないようにいたしたい、こういう趣旨で政令を作って参りたい、かような気持でございます。
#20
○小沢(貞)委員 ちょっと政令を説明してくれませんか。簡単でいいですから……。今いただいた資料を……。
#21
○館野説明員 それでは簡単に御説明申し上げます。
 一といたしましては、事後措置を要する放送内容の範囲でございますが、そのうちの一つは、「報道、時事問題を取り扱った事項」、これが一つきめたいという事項でございます。「及び協会又は一般放送事業者が法第四条の規定による訂正又は取消の放送に関係することがあると認める事項」、法第四条によりまして一般の聴取者はその権利といたしまして訂正または取り消しの放送を放送事業者に要求することがございますので、それに対し放送事業者は調査いたしまして、間違っていたら訂正放送をするという義務があるわけでございます。そういう要求があるのではないか、あるいはあった場合に、記録として保存しておく必要があると思われると放送事業者が認める事項について残しておくということでございます。それから二番目といたしましては、放送番組審議会または放送番組審議機関が、必要によって、こういう番組を残しておいてほしいというように放送事業者に要求した事項ということでございます。以上の1、2が範囲でございます。
 それから事後措置の方法といたしましてば、前項1、すなわち報道、時事問題を取り扱った事項とそれから法第四条に関係する訂正または取り消しの放送のために必要あると放送事業者が考えた事項につきましては、原稿、録音、録画等のうち最も適切な方法によって保存しておく。この最も適切な方法と申しまするのは、単に主観的に放送事業者が適切だと思うだけでなく、客観的に適切な方法というわけでございますが、その客観的に適切な方法ということ自体を認定しますのは放送事業者ということになると思います。それから放送番組審議会または放送番組審議機関が要求いたしまする事項につきましては、その方法につきましては、番組審議会または番組審議機関が、こうこうこういう方法で保存しておいてほしい、おきなさいという方法によって保存するのだということでございます。要するに、以上の方法によりまして、放送番組審議会もしくは審議機関が、番組の審議に便利なように、また、訂正放送または取り消しの放送の請求がありましたときに、その請求者が容易に確認し得るように整理するということがこの方法の眼目であるということをうたってあるわけでございます。
 それからつ事後措置の期間といたしましては、第一項の1の事項、すなわち報道、時事問題及び法第四条に関係いたします事項につきましては二週間といたしたい、ただし、法第四条の訂正放送または取り消し放送の要求に関しましては、その要求がありましてからいろいろと調査をいたしまして、事案が解決あるいは調査完了ということに若干の日にちがかかるであろう、それで放送後二週間をたってもまだ調査がきまらぬというようなこともあり得るであろう、そういう場合には二週間を越えるようになりまするけれども、それとても法で定められる一カ月以内を限度とするということが、第1項に関する期間でございます。それから放送番組審議会または審議機関が要求いたしまする事項につきましては、同じく法で定められまする一カ月を限度として、番組審議会なり審議機関が要求した期間だけは、十日でも十五日でも保存しておくというような意味でございます。
#22
○小沢(貞)委員 なかなかむずかしい御説明ですが、たとえば放送番組審議会等が要求すればみな置いておかなければならぬということになるわけですね、この政令でいくと。そういうことが技術的にも経済的にもできるわけですか。それが一点。
 もう一つは、「第四条の規定による訂正又は取消の放送に関係することがあると認める事項」こういうことは、私はよくわからないと思うのです。正しいと思って放送するであろうことが、訂正または取り消しの放送に関係することがあると認められる事項とあらかじめわかるのですか。その二点。
#23
○館野説明員 第一点の御質問につきましては、こういうきめ方をいたしますると、もし放送番組審議会なり審議機関が、次の審議会には一つ全放送を聞いて審議しようじゃないかというようなお考えになりますれば、それもこの政令上は許されるわけでございますが、おのずからそこに放送番組審議会の審議の重点なり方法なりがあるものと思いまするので、具体的には、この次には一つこまかく、番組のうち何々について審議しようとか、あるいは一つ来週の予定にある何の放送を残しておいて、それについて意見を述べようとかということによりまして――それはすべて放送番組審議会のきめる事項でございまするから、形式論から申しますれば全番組ということも入るわけでございますが、おのずからそこには、何といいますか、放送事業者の経済的な面もあわせて、審議会は保存の要求をすることであろうという前提に立っておるのでございます。
 それから「第四条の規定による訂正又は取消の放送に関係することがあると認める事項」と申しますのは、認めるのは放送事業者自体でございまするが、報道、時事問題のほかにも、たとえば、これはあとあと非常に議論になるかもしれぬというようなことを意識しまして編集なりいろいろの番組を編成することもございましょうし、あるいは放送を現実に放送済みと申しますか、放送中に、これは残しておかなければ問題が起ったときに証拠がなくて困るかもしれぬというようなことで、放送事業者が残すようなことがあると思いまして、それはすべて放送事業者の責任において放送事業者が認定する事項というふうにきめたわけでございます。
#24
○小沢(貞)委員 今の問題についてはまだ質問がたくさんあるわけですが、これはこの条文をよく検討してみて、あとからまた機会があったら質問することといたします。
 そこで、きのう出していただいたこの政令の内容案について一、二質問をしたいと思うのですが、一番終りの第三項「いかなる場合であっても、郵政大臣は、個々の放送番組の内容に関して報告を徴しない。」こういうようなことを政令にうたうのですか。
#25
○廣瀬政府委員 これは政令には具体的にうたわないのですけれども、政令を作るに当りましてはこういう考えで政令を作るという意味なのであります。個々の放送番組の内容に関しては報告を徴しないなんということは政令には書きませんけれども、積極的にそういうことはしないということなのでございます。
#26
○小沢(貞)委員 法律的にこういうことが明確にならないから、政令のところでこういう精神でやろうじゃないかというようなことでこういう文句を入れたのだろうと思いますが、法律的には私が言うように明確になっていない。第四十九条の解釈がはっきりしないから、内容についてまで云々するというようなことを政令の方へ持っていって、報告を徴しないというようなことを書いてみなければ気が済まないのでしょう。法律的にはこれは明確になっていないわけです。それは先ほど来答弁を待っているわけなんですが、具体的な答弁がないのでそういうことが明確になっていない。そういうことが私には考えられるが、そうでしょう。
#27
○廣瀬政府委員 きのうの質問に対しましてまだ答弁がはっきりしないということに関しまする限りはその通りでございますけれども、間もなくはっきりした御答弁をいたしますが、それによって明らかになりますごとく、内容につきましては全然郵政大臣たりともとやかくのことは言えないという立場で進みますことは、昨日大臣が御答弁した通りなのでございます。
#28
○小沢(貞)委員 内容案の終りから四行目ですが、「放送番組の供給に関する協定に関する事項。但し、本報告は、一般に公表し又は公衆の閲覧に供しない。」この放送番組の供給に関する協定に関する事項、こういうものを報告させるわけですか。それからこれを公表しないという理由を説明して下さい。
#29
○館野説明員 ただいまの御質問につきまして、「放送番組の供給に関する協定に関する事項。」ということで事項をあげておきましたのは、改正法律案におきまして、放送番組の供給に関する協定の中において、特定の者からのみ供給を受けるという条項を含まないようにということが新たに出ております。従いまして、その法律の執行がどういうことになっているかということにつきまして、政府として必要がある場合には、いろいろの放送政策樹立その他放送法執行上必要がある場合には、それを事業者から出していただくということが必要であろうということでございます。このただし書きは、アメリカの立法にもございますが、アメリカにおいては供給に関する事項のみでなく、スポンサー契約等のうちの大口スポンサーについての契約までも政府に報告することになっておりますが、それらの番組供給あるいはスポンサー契約等につきまして特別に規定を設けまして、これはコンフィデンシャルなものとして政府は取り扱うものとするという規定がございますが、事の性質上、これが一般に公表されあるいは他の業者なり公衆なりの閲覧に供せられるようなことがありますと、放送事業者の経営にもかかわる問題がむやみに公けにされるということで望ましいことではないという考えから、このただし書きが必要ではないかと考えておる次第でございます。
#30
○小沢(貞)委員 それと関連があるだろうと思いますが、ずっと前の方にいって、第九条の二項の七、これを新たに設けた理由はどういうことですか。これにはこういうふうに書いてあります。「放送番組及びその編集上必要な資料を第五十一条に規定する一般放送事業者の用に供し、又は外国の放送局に提供すること。」これは特別関係がありますか。
#31
○廣瀬政府委員 これは直接は関係がございません。ただ協会の公共的性格にかんがみてかようなものを追加いたしたわけであります。
#32
○小沢(貞)委員 これは要するに協会の編集上の必要な資料、番組、そういうものを民間に供給することができるという道を開いた、そういう意味ですか。その場合には協会は金をとれないから無料でやるわけですか。
#33
○濱田政府委員 そういう場合には必要な実費をいただくことがよいと考えております。
#34
○小沢(貞)委員 この政令の案についても私まだ検討していないので、あとで機会があったら質問させていただくことにいたします。
 それでは第四十四条の五項の教育番組のことについて少し詳しくお尋ねしたいと思います。今NHKその他で教育番組としてやっておるものは、何も法できめられたものではないので、学習指導要領ですか何ですか、そういうものから多少逸脱するようなことがあっても、これは別にそういろいろ文句を言う筋合いでもないと思います。ただ一応ここで法でもって教育番組ということを規定して、しかも対象とする者が明確であることとか、あるいは組織的かつ継続的であるとか、それから学校向けの場合にはどうだとか、あるいは内容が学校教育に関する法令の定める教育課程の基準に準拠するようにしなければならないとか、こういうふうにして学校向けの放送について教育番組というものを設けて、それが法律でこういうようにきまったということになってくると、この放送を実際やるものにとっては、これは教育基本法とか学校教育法とか、地方教育行政の組織及び運営に関する法律とか、今月一日に出た学習指導要領とか、こういうようなものに関する知識を持っていないと、放送はうまくいかないと思うわけです。それでこういう規定を作るについて、少くとも文部省と連絡、相談をしてやったかどうか、こういうことを一つ、簡単でいいですから伺いたい。
#35
○濱田政府委員 文部当局とはずいぶん打ち合ぜをしてこの案を立案いたしました。
#36
○小沢(貞)委員 文部大臣がこの間来られたときには、そういうことはなるべく自主的にやった方がいいというように森本委員の質問に答えているはずだと思う。映画も映倫で自主的にやっているんだからその方がいいだろう、こういうことを答えておりますけれども、その辺は文部省と打ち合せてもそういうことはなかったわけですね。
#37
○濱田政府委員 文部省当局におきましても、私どもと同じように自主的にやるのがよろしいという考え方であります。しかし教育放送に関する準則というようなものはどうしても作らなければいけないという結論は、文部省とわれわれは全く同様でございます。
#38
○小沢(貞)委員 具体的にこういう問題が出てきた場合にはどうしますか。たとえば非常におかしい話ですが、今月一日の中学校学習指導要領、小学校学習指導要領、こういうようなもの――解説ですからこういうようにはっきりうたってあるかどうかわかりませんが、たとえば小学校一年では君が代をやれとか、何とかをやれとかいろいろこまかく規定されているわけですが、学校向けの教育番組について、これは学習指導要領を若干逸脱するとかいう問題がもし起った場合があるとしますと、そういうものは文部省側から、あるいは学校当局から、これはちょっと違うじゃないかという問題が出てきた場合には、どういう過程を経て、どういうようにこれを訂正させるか。その道順というか、コースを説明して下さい。これは一体どこに持ち込まれて、どういうようになるのですか。
#39
○濱田政府委員 かような問題は番組審議機関におきまして検討せられ、適切な措置が講ぜらるべきだと考えております。
#40
○小沢(貞)委員 私の非常に心配しているのは、NHKでは学校向けという特定な教育番組については非常な気を使わなければできないのではないか、こういうように考えるわけです。今までNHKあるいは民放が独自で教育番組をやっている間はそれでよかったと思う。ところが法律でもって、教育番組だ、学校向けだ、こういうようにやってくると、これは今や教育基本法から始まって末端の学習指導要領まで全部承知してやらなければならないということはまことに煩瑣であり、それについて多少でも逸脱しているようなことがあると、今番組審議会とか何とか言ったけれども、将来政府の方からも、文句が言えるようになるわけでしょう。これは放送の規律という問題が解決しませんと、私そこまでいきませんけれども、非常に煩瑣な問題になるわけじゃないですか。こういうものを作ってそれだけ規定しなければならなかったという理由が私にはよくわからないわけです。
#41
○館野説明員 第五項の保障と申しますか、その維持に関しましても他の番組の基準と同様に、あげて番組審議機関、番組審議会の活動に待つという建前でございます。従いましてこれはその前の項の、調和を保つことであるとか、その他番組に関しまして本法上準則と申しますか、あげておりますものと同様な保障の手だてと申しますか、によるわけでございます。
 それからお話の第二点の、現在までNHKなりあるいは民間放送において若干行われておりますいわゆる教育番組の提供ということにつきしては、この法で定義づけと申しますか、その要素をあげましたようなことをほとんど全部あげて放送されているやに聞いております。かつまたこの法の書き方と申しますか、言っておることは、教育番組の一つの技術的指標というものを明定しておく必要があるであろうということでございまして、内容そのものにつきまして具体的にあげているわけではございまんで、技術的に組織性、継続性、対象の明確性、それから従来ですとテキストと申しますか、聞く人が前もってその放送の内容なり勉強の手順なりというものがわかるような手だて、そういうものがあるものを教育番組として法は認めると申しますか、教育番組として考えるということが主体でございまして、さらに内容につきましては、教育番組のレベルを最低限において維持すると申しますか、期待するという意味合いから、法令の定める教育課程の基準に準拠するという一つのよりどころを与えているものを解しております。
#42
○小沢(貞)委員 私の今質問しておる、そういうむずかしいものをなぜわざわざ規定したかということは、あとでまた大臣に答弁していただきたいと思います。
 それから、先ほどの放送の規律ということは、まだわかりませんか。これがわからなければ、根本問題だから前進しないわけなんです。
#43
○廣瀬政府委員 もう五、六分でお答えできますから、もう少しお待ち願います。
#44
○小沢(貞)委員 それでは飛び飛びになりますが、事務的なことをお尋ねいたします。
 先ほどの政令のところに戻りますが、報告徴収の範囲を定める政令の二の「左に掲げる事項については、郵政大臣は、特に必要があると認める場合には、放送事業者から報告を徴することができる。」とあって、次に「協会が行うことができる業務(第九条第二項に掲げるもの。)の実施に関する事項」というのがある。この九条二項は非常にたくさんあるわけです。そこに「放送番組編集のため、ニュース及び情報を収集し、」ということがあるのですが、情報収集のことについてまで大臣が報告をさせることができるわけですか。要するにニュース・ソースの問題と関連があるのではないかと私は思うのです。
#45
○館野説明員 ここに差し上げましたプリントに非常に簡単に「協会が行うことができる業務」とありますが、それは協会の任意業務と申しますか、行うことができる業務の中で必要がある場合ということで、非常に簡単に書いてございますが、改正法によりまして第二項の一から十までの中に出ている事項につきまして全部報告を徴するというようなことは、結果としては出てこないものと考えます。と申しますのは、おのずから放送法の他の各条によりまして、郵政大臣が放送法上行わなければならないこと、知らなければならないこと、措置しなければならないことというものは厳重に規定されておりますから、この一から十までの中に言葉が上っておりましても、それが他の各条に規定しておりますことと背馳するような、あるいは背馳するおそれのあるような事項につきましては、当然報告をとることができないと解しておるわけでございます。具体的に御指摘になりましたニュース・ソースの問題などにつきましては、これは放送法第三条の番組編集の自由ということと密接に関係し、番組編集の自由ということがきわめて強く本法において保障されておりますことから考えましても、ニュース・ソースについてむやみに報告を求めるなどということは、全然許されないものと考えております。
#46
○小沢(貞)委員 法律解釈できのうもやはり同じことが出たわけです。第三条においては、確かに「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」、ところが前段の方には、「法律に定める権限に基く場合でなければ、」とあって、法律に定めればいいわけですね。その法律に定めたのが今度の改正の、わざわざ新しく入れた第四十九条の二です。「逓信大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令の定めるところにより、協会に対しその業務に関し報告をさせることができ。」るといって、法的に道を開いたわけです。法的に道を開いておいて、今度は政令の方においては、大臣が必要のあるときはこの今のニュース、情報収集等についても報告させることができると、法的にちゃんと道が開けているわけじゃないですか。だからきのうも私は、四十九条の二というのはこの放送法の改正で非常に重夫な問題だということを一生懸命言っているわけです。法的にここで道を開いておるわけじゃないですか。
#47
○廣瀬政府委員 昨日来御指摘の第四十九条が、小澤委員の御質問に何かと御関連がありますから、ただいま政府といたしましての法律改正の見解がきまりましたので、御説明いたします。
 電波監理審議会は放送法第一条の目的を達成するため設けられたものでありまして、かつ同審議会が郵政省の付属機関とされておりますので、放送法第四十九条第一項の規定によります勧告の範囲は、当然に放送法第一条の目的を達成するための範囲であります。かつ郵政大臣の権限の事項に限られるものと解釈できると思います。この場合に郵政大臣の権限に属する事項とは、内閣法、郵政省設置法、放送法、電波法その他の関係法令で定められておりまして、これらの法令上権限が認められております事項、このうちにはこれらの法令の改正のための手続も含んでおりますが、さような事項をいうのでございます。従いまして、放送法第一条もしくは第三条に反するごとき事項は放送の規律の中には含まれていないわけであります。
#48
○小沢(貞)委員 先ほどの答弁をして下さい。法的なことでいいです。
#49
○館野説明員 先ほどの報告に関しますことでございますが、大体報告の徴収に関しましての本法の改正案の規定が、「この法律の施行に必要な限度において、」ということになっておるのでございまして、四十九条の二以外の各条項、一条から最後の条項までに定められております権限内のことにつきまして、郵政大臣が責務として課せられておりますことを実施いたしますのに必要な限度というのでございますから、各条項に反するようなことにまでこの報告の条項が新たに権限を付与すると解すべきでたいと思います。
#50
○小沢(貞)委員 解すべきではないということは、これは法的にそうなんですね。あなたの見解ということでなくて、これを――私は法律はよくわからないのです。前に入れてあって、あとにきてできるということがあるのです。必要と認めれば大臣がそれを出すことができる。私は法律の知識がないのでよくわからないものだから、それは法的に解釈していってそうなんですか、法制局の意見というのは、法的にそうなんですね、そこをはっきりして下さい。
#51
○館野説明員 先ほど政務次官から御答弁申し上げました四十九条と全く同じでございまして、この報告その他すでにあります四十九条の勧告の範囲につきまして、一体郵政大臣に、こういう条文があるから、そのことのために他の各条に規定しております以上に権限が与えられるものと解すべきかどうかということにつきましては、全般的に法制局と打ち合せた結果、そういうものでない、新たな権限の付与でないということに政府として確定しておるわけであります。
#52
○小沢(貞)委員 先ほどの政務次官の答弁も、それと同じようなことでございますね。
#53
○廣瀬政府委員 さようでございます。
#54
○小沢(貞)委員 私はくどいようですが、これはだれが解釈しても放送の規律ということで、内郷その他についてはいろいろ言う権限がないわけですね。要するに先ほど私が言った教育番組の方で、どうも教育基本法あるいは地方教育行政の組織及び運営に関する法律、あるいはここにいう学習指導要領、こういうものから若干逸脱したような放送をされた場合に、放送の規律という問題で文句を言われるような道はできないわけですね。改正になった条文はたくさんあるわけですが、非常にあいまいなんです。私はきのうから言うように、善良な風俗とか教育の問題とか、番組の適正化だとか、そういうふうにいずれも抽象的なもので、わからないものがあるわけです。そういうものが、だれかが逸脱しているんだと解釈したとした場合に、この放送の規律という問題で、それについて大臣が適当な処置をする道が開かれていると思うのですが、そういうことはできないのですね。放送の規律ということは、法律的にそうでしょう。今、大臣の見解とか次宿の見解じゃないんですよ。法的にできないわけですね。
#55
○石川説明員 そうでして、言わずもがなのことと思いますが、法律の解釈は第一次的には、政府としては内閣の法制局が最終的に統一的な見解を出しております。従って、いろいろな見解が出ましても、それは公式的なものではない。ただ問題といたしまして、この法制局の解釈がくつがえされますのは、御承知の通り最嵩裁の判決でくつがえることはございますが、それまでは政府といたしましては法制局の見解をとっております。従いまして、ただいまあとで御質問になりました点については、仰せの通りでございます。
#56
○小沢(貞)委員 それじゃ、法制局の見解としてはそういうことだと言うのですね。
#57
○石川説明員 その通りでございます。
#58
○小沢(貞)委員 了解しました。あとは大臣が来てから……。
#59
○金丸(徳)委員 議事進行で。私は、一昨日の私の質問の中で、今度の改正案に盛られているところの番組審議会の委員の選任の方法だとか、あるいは任期であるとか、また審議会の会議の運営のあり方というようなものについて何か腹案がおありと思うので、その腹案をお示しが願いたいということを御要望いたしておきました。このことはこれから私が時間がありますればお尋ねしなければならないことの前提をなすものでありますので、その質問のときにも申し上げたのでありますが、こうしたものを作ることのよしあしは次といたしまして、一応お考えになっておるところのといいますか、今持っておるところの手のうちを見せていただいて、ほんとうに大臣及び政務次官があのときお答え下さいましたように、今度の改正案の真意が放送の民主化を念願する、そしてまた事業者を不出に拘束するものではない、もう一つには公衆の利益と申しますか、一般聴取者の利益のためをひたすら願うというような意味においてこの審議会が構成せられ運営せられるならば、また考えてもいいことになりはしないかというような意味で、その手のうちを見せていただくようにお願いをいたしておったのであります。きょうの資料の中にはそれが入っておりませんので、どうかそれらについて一つできるだけ詳しい手のうちといいますか、腹の中を見せていただきますれば、今後私どもがこの法案を審議いたします上において大へん好都合に存じますので、お願いを申し上げます。
#60
○濱田政府委員 番組審議会を作ります理念、構想は、先般来お話し申し上げた通りでありまして、またただいま金丸委員からのお話の通り、全く同感でございます。つきましては、この審議会の委員の選定ということは、全く当該放送事業者が自主的に行うべきものでございますけれども、この審議会の設立の趣旨、運営についての基本方針等は、放送法第一条の精神を徹底化するために、その目的のために作ります以上、たとえば昨日もお話がございましたように、NHKの経営委員会の選定と大体において同じような、しかしこれよりもできますならば番組の編集等について知識、経験等豊富に持った方を選ぶように、そういう考えを強めましてお選びになったらいいだろうと考えておるわけであります。しかし産業、文化、科学、技術、各方面から公平になるべくいろいろな人が聴取者の代表として、聴取者一般の意見が十分に編集上に反映するように、そういうような意見を述べ得る人を選ばなければならぬのでありまして、絶対に利益代表というふうな考えを持つことは相ならないと考えております。でございますから、婦人が出るのはいいでございましょう、しかしながら必ずしも婦人である必要もない、あるいは学校の先生から必ず出さなければいけないということも私はないと思います。要するに放送が公共の福祉に適合するように、最もよく利用せられるために番組の編集が行われる、そういうことについて最も公正妥当な意見を述べ得る能力がある、そういう人物が選ばれるように配慮さるべきであろう、さように考えます。
#61
○金丸(徳)委員 そういうようなお心持で念願されるということはわかるのでありますが、これは報告事項になっておるし、報告されたものについてやはり何かの意見なり何なりが出てくると思います。そういうことの関係からいきましても、あらかじめ何らかの基準といいますか、そういう念願を示すことがより親切ではないかと思うのです。ことに十六条できめられておるように、経営委員会においては各分野から公平に採用といいますか、任命するようにということをいっております。私はそういう意味において、番組審議会についても委員が選出される母体といいますか、あるいは意見を代表するところの階層というようなものはおのずから公平であり、だれが見てもなるほどこれならば自分たちの代表として意見を言ってくれるであろう、自分たちのために番組の適正向上をはかってくれるであろうというようなものにしておく必要がありはしないかと思います。私は先般参考人に対して意見を求めましたときにも、婦人代表というようなものを何らかの形で出すべき分野の一つとして考えておく必要がありはしないかということをお尋ねしたのであります。また原委員からは、さらに世の中の階層的な考え方からいっても、そういうものから一つ選び出すような形をとっておかなければならないという御意見も出たのであります。私はこの際、この番組審議会が他意あろものではないのだ、ひとえに放送のとうとい目的を達せんがための機関であるということを証明する意味におきましても、この法案審議の過程において、当局としては法律には規定しなかったけれども、腹の中にはかく念願するものであるということをやはりここでもって表明しておく必要があるように思うのです。それはなるべく具体的に書いて、そうしてこの審議会が他意なきものであるということを示す必要があり、そうして信頼されることを念願しておるということを示す必要がありはしないか。またそういう意味におきましては、この機会において、寒議会委員が野放図に、一たび指名されたならばそれが未来永劫というような形でなしに、ある期間においては交代するのだというようなこともやっておかなければならないのではないか。またこの審議会の運営に当っては、月に一度は寄って意見を交換するというようなことも希望されるならば、やはりこの際はっきりしておいていただきたいと思います。月に一度寄ったがいいかどうか、週に一度寄ったがいいかどうかということも、この規定では「会長の諮問に応じて」ということになっておりますが、しかしほんとうに審議会の効果を発揮するという念願を達成するためには、果してその諮問に応ずるだけでいいかどうかということを私どもは疑う。そういう意味においては、全く常設的ということでなくとも、何かそういう一つの基準といいますか、方針というものがあっていいように思います。もしあるとするならばこの際一つ御表明願いたい、こう思うものであります。
#62
○廣瀬政府委員 ただいまの御指摘はまことに私ども同感なんでございまして、さようなところに番組審議機関を新しく設置するということを法定いたしたいというのがねらいでありますけれども、各分野と申しますか、各階層と申しますか、そういうところから委員が出られまして、しかもそういうような人も決してその分野、その階層の特定の利益の代表者という立場でなくて、大所高所から物事を判断して下さるというような、全体的な視野から物事を判断し得るような適材を得て、いわゆる良識を持って審議して下さるというような方々が望ましいと思うのでございます。さような意味で学識経験という言葉を使っておりますだけでございます。全体といたしまして、さようなりっぱな審議機関ができますことを私たちとしましては希望いたしております。
#63
○森本委員 郵政大臣は、あとどのくらいしたら出席になりますか。
#64
○淺香委員長 もうNHKの報告事項に本会議が入るようです。終りましたらすぐということで、これは予想ですが、もう十分もすれば来れるのじゃないかと思います。
#65
○森本委員 きょうは参議院も本会議があるというようなことでありますので、議事が予定通り進みませんが、一つその大臣の出席については政務次官の方で早身心に連絡をとって、あとどのくらいしたら来れるかということを正確にお知らせ願いたいと思います。そうしないと予定の通りの議事が進んでいきませんので、一つその手配をすぐやっていただきたいと思います。
 それから、今の金丸委員が言われました問題については、政務次官が今答弁をいたしましたが、しかし金丸委員が要求をいたしておりますのは、もっと広範囲な番組審議会についての郵政省としての構想、腹案、そういうものがあれば、そう遠慮せずに一応文書に印刷をして出したらどうか、こういうことを言っておるわけでありまして、単に口頭における今言ったような簡単な答弁を金丸委員は望んでおるわけではないのです。だから、これは場合によってはそういうことが必要であると思いますので、もしあなたの方に腹案があるとするならば、一つこういうような腹案を持っているということをあとでお示し願いたい。これは先ほどの政令の内容というようなものと一緒にプリントにしてぜひお願いしたい、こう思うわけでございます。
#66
○廣瀬政府委員 承知いたしました。さよういたしたいと思います。
#67
○森本委員 それでは、大臣が来るまでちょっと時間があるようでありますので、ちょうど館野課長がそこにおられますから、前々から私が不審に思っておった点を、これはちょっと重要な問題でありますので、ただしておきたいと思います。
 それは、十月二十一日の「民間放送」という機関紙でありまするが、これに「社説放送は違法でない、館野課長現行法の見解表明」ということで、大きく載っておるわけであります。これは非常に間違った法律解釈をしておると思います。この中で民放が社説を持っておることはよろしい、そしてその持つについては、「「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。」の”不偏不党”云々は、「外部の社会的、政治的、経済的等あらゆる圧力によってマゲられないことを保障する」と解釈する。」こういうことが載っておるわけでありますが、これは課長、あなたの言明ということで載っておるわけたから聞いておいてもらいたい。これは前にも当委員会において大臣と局長と私との間にもいろいろ論争いたしまして、そこで新聞と放送というものは違うということが明確になっておりまするし、それから放送の不偏不党ということについても明確になっておるわけです。そこで外部の社会的、政治的、経済的な圧力がない場合における表明ならばよろしいというふうにあなたの言明ではとれるわけでありまするが、しかし外部からかりに社会的、政治的、経済的な圧力がなかったにいたしましても、個人々々の政治的な信条、あるいは政治的な思想、あるいは政治的の表現、そういうものについては自由なんです。ところが、それを放送を通じて表明するということになりますると、これはやはり制約を受けるわけであります。そこでこの問題について、この利口な課長がなぜこんな言明をして、問題になるような新聞記事になったかということで私は非常に不審に思っておるわけでありまするが、この点について、こういう委員会の際でありまするので、明確にしておいてもらいたいと思います。
#68
○館野説明員 私も民放連の機関紙でございますかを見ましたが、実はそれは民放連事務局のいろいろ調査関係を担当しておられるある方から電話がありました。これは私個人的にいろいろ勉強させてもらっておる、放送について非常に研究しておる民放連事務局の局員の方でございますが、いろいろと社説について今アメリカでも日本でも問題になっておるが、お前は純法律論としてどういうふうに考えるかというようなことの電話がございました。それで私としましては、別に役所の法定解釈、あるいはもちろん政府としての法定解釈といったようなものもそれまでに私自身確かめておりませんし、そのひまもそのときはございませんで、まあ電話の話でございますから、自分とそれから自分の課員が日ごろ話しているところではこんなふうに解しているんだがどうだろうか、というような電話の応答をしましたものがその記事になって出ております。私個人の見解でございますが、ただその書き方が、私が電話でその調査部長と話しましたものがそのまま正確には表われておりませんので補足させていただきますと、社説の問題と放送法の関係については、これは政策論、それから大きな国の放送行政という面からではなくて、法律の条文の形式的解釈からするならばという前提でございますが、社説に関しまして第一条が直接かかるということはないのではないかと思われる。放送法の第一条というのは、第二条以下がどんな目的をもって作られているかということの宣明であって、第二条以下を解釈する際の指標にはなるけれども、放送業者はこうあらねばならない、郵政大臣はこうあらねばならないということが第一条自体から出てくるのではなくて、そういうことは二条以下の各条から出てくるものであろうと自分は解していることをまず大前提に話したわけでございます。そして、そういう前提から第一条の二を読んでみますと、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。」と書いてあるので、これはこの法律が二条以下の各条によって放送の不偏不党、真実及び自律を保障してやるぞ、保障することをもって二条以下が書いてある。それでその目的は、放送による表現の自由を確保することにあるんだという宣言に読むべきではないか。そういうふうに読んだときに、それでは二条以下に不偏不党なり真実なり自律なりが保障されているかということを実定法上探してみると申しますか、当てはめてみますと、たとえてみるならば、不偏不党について二条以下が保障している規定といたしましては、まずNHKに関しましては非常に詳細にその組織、人事、財務等について規定されておる。たとえば経営委員会の委員の選出、それからその他の役員の選出等において非常に公正、不偏不党にそのNHKの事業体が構成され得るように規定されておりまするし、それから財務に関しましても、たとえば一部の広告主等によって左右されないように聴取料制度というものを設けているというように、NHKについては非常に保障の規定が多い。それから、民間放送につきましては何らその組織法上あるいは人事法上、財務法上規定がない。それじゃ民間放送に対してこの放送の不偏不党を保障していることは何であろうかと思って条文を読んでみると、民間放送、これはNHKにももちろん通じますが、第一に、第三条という非常に大切な放送事業者の権利と申しますか、番組は何人からも干渉され、規律されることがないという条文を掲げることによって、放送の不偏不党なり自律なりを保障していると読まざるを得ないのではないだろうか。そうしますと、この不偏不党という言葉は、現実には実定法上は第三条で規定されているように、何人からも干渉されないと法が規定しているというふうに読みますると、まず他からの圧迫なりあるいはいろいろの問題によって曲げられる、あるいは党派的になるというようなことがないようにと読む方がすなおではないだろうか、という話を電話でしたわけでございます。それから、それでは社説の問題に限って何でも自由にできるのか。第三条で編集の自由が保障されているのだから何でもできるのかというと、四十四条の三項でちゃんと放送の準則というのがきまっている。従って、この四十四条の三項、これは民間放送にももちろん準用されておりますが、これだけは絶対守らなければならないことである。ですから、くどくなりますけれども、社説に関しましては第一条自体が発動するのではなくて、直接の問題は三条と四十四条の関係であろうということを話したわけでございます。従って四十四条の三項が厳格に守られている限りにおいては、社説であろうと解説であろうと、スポーツ・ニュースであろうと、法律上は禁じていないだろうと思う。ところが、現実の問題としては、四十四条三項を守りながら社説を出すということは、これはもう非常にむずかしい、神様でないとできないだろうという話をしたわけでございます。
#69
○森本委員 おそらくそうだろうと思った。思ったが、こういう書き方をすると、これは非常に誤解を招くもとである。それから今の問題については、もう何回もこの委員会において論争している。この四十四条の第三項の範囲内における社説ということでは、とうてい今日の政治問題を論ずることはできないわけですよ。今日の政治問題を社説で論ずるのに四十四条の三項を厳守してやるということになれば、自民党もいいけれども、社会党もいい、社会党も悪いけれども、自民党も悪い、現実の問題としてこんな社説しか載せられないわけです。だから現実に学術、技芸、そういう問題について――いわゆる人工衛星がどうだなんというふうな社説を掲げるなら別として、今日の聞新社で言っておる社説というものは、もう政治問題を論じておる社説が一番だ。おそらくこの社説という意味も、民放連が今言っている社説という意味も、やはり今のニュース解説に毛がはえたぐらいの社説は出したいというのが今日の民間放送の意見なんです。しかしそれは現実の問題として、放送法の第一条と第四十四条の三項が厳然と生きておる限りにおいてはでき得ない。あなたも今言ったように、神様であってもこれはなかなか困難であるということをはっきりと認識しておいてもらって、そしてあなたもそういう考え方であるということを言われたので、ここにそれが明確になってきたわけであります。そこで現実の問題としては、民間放送が政治問題を取り上げた社説を論ずるということは非常に不可能である。今日の放送法の範囲内においては、不可能というよりも、やろうとしてもなかなかでき得ない、この法律的解釈からいったら、こういうことにならざるを得ないだろうと思うのですが、これは局長、どうですか。
#70
○濱田政府委員 全く同感であります。
#71
○淺香委員長 小沢貞孝君。
#72
○小沢(貞)委員 大臣が来るまで事務的なことを…。今統一見解を聞いたのですが、そうするときのうの局長の言ったことは違う。これはまたあとで局長は取り消していただけばいいのですが、たとえば番組の調和がうまくとれていないと大臣が認定する、あるいは善良な風俗を害すると、極端に考えられるとします。そうすると、そういうものは放送規律にあてはめてどうすることもできないわけですね。放送法では、調和を保たなければいけないと規定されている、あるいはまた善良な風俗を害するようなことをしてはいけないと規定している。それを害したとしても、放送の規律ということでは律しられないわけですね。さっきの統一見解から、私のこのような質問が出るのはおかしいですかね。質問の意味がよくわからないかもしれませんが、調和が保たれなければならないとある。調和が保たれていない場合に、逆にいえば、それでは一体どうすることもできないか、といえばもっと簡単だと思う。どうすることもできないか。この放送法の四十九条の二から、どうすることもできないかということです。第一条、第三条に反することはやってはいけないと、こう今明確な放送の規律という定義が下されたから……。
#73
○荘説明員 放送の調和が失われた場合に、郵政大臣はどうこうすることができるという規定がございませんから、できません。
#74
○小沢(貞)委員 そうすると、ここにうたってあっても、これは何の意味もないということですね。これは大臣が来てから聞こうと思うのだけれども、調和を保たなければいけないと法律ではきめても、調和がうんと逸脱してしまったところで、どうすることもできないという考えなんだから……。
#75
○荘説明員 この調和の問題がただいま法律案になっておりますが、法律として確定した場合には、これが国の政策として宣明されたことになるわけでございまして、業者といたしましては当然国の政策にみずからの良識によって従うということになるものと、かように考えております。
#76
○小沢(貞)委員 それでは、大臣に一つお聞きします。
 きのうから懸案であった放送の規律という法的な解釈を今聞いたわけです。それから大臣の留守に、善良な風俗を害するような放送をしても、番組の調和がとれなければいけないという法律から逸脱していても、調和がはずれていても、そういうようなことをやっても大臣は別にどうすることもできないようになっているわけです。これは、はなはだけっこうなことだと思うのですが、法的にはそういうふうにできないことになっているそうです。そうすると、この四十九条の二に定めたいろいろの報告をさせなければいけないようになっているわけです。間違って答弁されちゃいけないから、ここに印刷物をもらったんですが、こういういろいろな報告をさせるようになっているんです。これだけ報告をとったりあれしたりするということは非常に大へんなことだと思うのです。とったところで、それをチェックしたところで何もすることもできなければ何の意味もないんだから、なぜこれをとることにしたのですか。私の聞きたいことはそういうことです。つまり四十九条の二なんていうものをなぜ設けたのですか。
 もう一回最初から言うと、番組の調和がとれていなくても、善良な風俗を害するようなことがあったにしても、大臣はどうすることもできないわけです。今、うしろの方の法的な解釈はそういうことです。しかるになぜこんなやかましい、NHKも民放も大へん迷惑だし、監理局が大へんな労力を要する、そんな報告を徴収するような法律をわざわざここに設けたのですか。
 それから、きのうもお尋ねしたのですが、放送専門調査官というようなものをわざわざ人をふやして置くということまで聞いておるのですが、一体何の目的でそんなことをやるのですか。
#77
○寺尾国務大臣 お答え申し上げます。昨日放送法第四十九条の問題につきまして、電波監理審議会は郵政大臣に勧告ができる、その場合には郵政大臣がこれを尊重して措置しなければならぬ、こういう点郵政省の見解が不一致であったことは大へん遺憾であり、申しわけないと思います。その後種々検討いたしました結果、先刻政務次官からお答えを申し上げました結論が出たわけであります。従いまして、電波監理審議会は放送法第一条の目的というもつのに対して、これを助成していくという立場から、結局四十九条に示してあります「その他放送の規律に関し、」この中にはいわゆる放送番組の編成の自由というものは入らないのだということに結論的に解釈されるのでありますから、私への勧告もまたこの規制によって、番組の内容に対していろいろこれに勧告をするあるいは措置をする、こういうことの事実が生まれない、こういうことを申し上げたいのであります。
 それから善良な風俗あるいは番組の調和、こういうこまごまと示したこの改正案に対して、それがその通りいかない、それが守れないということに対して何も方法がないというが、それは無意味じゃないか、こういう御質問でありますが、これは番組基準を作る上においてのいろいろなよりどころ、準則として、これらのものが設けてあることは先日お答え申した通りであります。従ってこのことにおいてこういう準則を設けまして、その準則によって放送事業者とそれから番組審議機関がいわゆる放送番組の基準を設ける、こういうことによって自主的にこの放送法に従って、しかも第一条の高い使命にその責任を果していくということを自主的に要望をいたしておるわけでありますることは御承知の通りであります。これに違反すると申しますか、そぐわないということにつきましては、たとえば日本放送協会にいたしましても一般放送事業者にしても、こういう準則によって番組基準も設け、あらゆる自主的な態勢を整えてりっぱな放送をするというこの努力は、私は期待ができると思います。そういう努力をしないということはあり得ない、少くも自分たちが国民生活に非常に大きな影響を持ちまするこの放送事業を責任を持って行うのでありますから、これに努力をするということは私は信じられる、期待できる。その努力をすることによってまずい面が出てくるということは、やはり私はこれを好意的に見るべきだ。それになれないからまずかったとか、まだ十分そういった態勢が整わないためにまずいものが出た、直ちにこれを指摘して、これはいかぬ――こういうことは、やはり放送事業者を育成して成績を上げていかせるためには、そういう考え方じゃいけない。大きな目をもってそれを見守り、これを助成するという気持で、大いにこれを発展せしめるという気持で見るならば、やかましく言わない、干渉しない、すべて自律的に自主的にやっていくべきである。こういう観点に立って今回の放送法の改正というものがなされたのでありますから、昨日も申し上げましたように、小澤さんはいろいろこれに御心配をあそばしていらっしゃる、それはもうごもっともだと思います。しかしこのいろいろのこまかい規制をしたということは、そうしたよりどころというものを示して、それによって番組基準を作り、そうしてりっぱな放送をやってもらう。そのかわりだんだんそういう努力が繰り返されていけば、必ず放送というものはりっぱな放送が期待できる。そういう絶対的な信頼感を持って放送事業者に対していこう。従ってそういう場合に、もしそれでもまずいのが出たらどうだ、あるいはその期待に沿わないようなものが出たらどうかというような場合には、これは一つの放送事業者の成績として黒まるがつくと思います。あるいは番組審議機関が聴取者から批判を受けると思います。でありますから、どうしてもこれはいわゆる切瑳琢磨といいますか、民間放送会社においてはお互いの会社同士がだんだん切瑳琢磨をしながら、いい放送をするように努力する。従ってこれが繰り返し繰り返しまずいことが出てくるならば、免許更新のときにはこれが大きく響くかもしれません。政府としてはそういう一つの方針でありますから、番組そのものがそういったような点で若干まずかったとか、調和を欠いたとか、あるいは善良な風俗を欠いたような点があっても、それはやはり自主的に反省するように、番組審議会あるいは放送事業者等がそれをだんだんによき方面に直していくということを期待をしておる、こういうわけでございます。
#78
○小沢(貞)委員 今までずっと長々と答弁していただいたのですが、私の質問していることは別にそういうことでなく、どうしてこのわずらわしい報告を義務づけしたか、こういうことです。ここに政令の案があるのですが、これを拡大していけば幾らでもいろいろの報告を求めることができるようになっている。これはわずらわしくてしょうがない。こういうようなことをどうして義務づけをしたかということを私は尋ねている。
 それともう一つは、放送専門調査官というようなものをふやしてまでその報告を徴収したり何かする必要があるかということを言っているんですよ。そのことだけです。
#79
○寺尾国務大臣 この放送調査官なるものは、まだきわめてはっきりしない、検討中のものだと私は考えております。局長の方ではそういったようなものを前々から考えておるということで検討しておるという報告を受けておりますが、これはまだ検討中のものでありまして、これを今直ちに、あるいはいつごろというような、それほど具体化しておる段階ではございません。
 それから、この報告の問題でありますが、いわゆる政令による、この「左に掲げる事項については、放送事業者は、郵政大臣に報告する。」ということが若干出ております。しかしこれはあくまでも業務に関する事項の報告を、私から申しますと、できるだけ少い範囲において必要最小限度で報告をさせる、こういうことで、昨日もお答え申し上げましたように、放送番組の内容とか営業全般といったようなことに対しては全然報告を求めておりませんので、業務に関するここに示しております程度のものは、これはやはり報告を徴収いたしまして、この放送事業の円滑な運営と申しますか、そういうことがなされていっておるということを、監督いたしております省といたしましてもこの程度のものは知っておる必要がある、こういう見解に立ちましてこれを求めておる次第でございます。
#80
○小沢(貞)委員 これはたくさんいろいろあることをやろうと思えば、どんどん報告させることができそうに私は解釈できるわけなんですが、その報告を出さしたところで、その結果に基いてどうすることもできないし、何もすることができないというなら、業者も大へんでしょうし、大体放送調査官なんといったものを設けてそれを一々チェックすることも大へんですし、やらない方がいいじゃないですか。私の言っていることはそういうことなんですよ。
 それから、きのう専門調査官を設けるということを局長は言っておられた。大臣はそういう人をふやさないと言っておったけれども、きょうはまた検討中だ、こういうお話です。だから、こういうものは私は設けてもらわない方かいいと思う。人をふやせばまたこの条項に基いて、あれも報告しろこれも報告しろ、こういうことが出てくるに違いない。だから報告義務なんかやらない方がいい、こういうことを私は言っておるわけです。
 それはそれでいいですが、こういうことは大臣、心配はありませんか。たとえば教育番組ということで今度法律できめた。それでNHKも民間放送も教育番組ということでやるわけです。ところが、その教育番組というものは私は非常にむずかしいものだと思う。教育基本法から始まって、ずっと下までいけば学習指導要領までいく。むずかしいものなんで、それを間違って放送していても、それは一切くちばしを入れることができませんから、教育番組については学校向けなら学校向けについて間違った放送がなされる可能性があるわけです。ところが、それを聞いて子供たちはほんとうにその通りだと思い込んでしまうと、逆に今度は法律で教育番組というものを作ったがために弊害が大きいわけです。民間で勝手に教育番組だといってやっていたなら、あれは間違いだぞ、こういう程度で済むのですが、教育番組だと銘打って法律できめたからには、これは多少違ったところがあったって何も矯正する手段がないのです。また法律できまった教育番組でやられると、今度はまるで、あたかも正しいものであるがごとく子供や先生のところに入っていくわけです。だから、教育番組なんというものを法律できめれば、逆な効果が出てくるということを私は心配するわけです。なぜ教育番組なんというものをわざわざ設けたか、こういうことをお尋ねしたいのです。
#81
○寺尾国務大臣 これはやはり教育教養番組というものは、一般の放送事業者に対しても三〇%はこれを入れなければならない、こういう規定を設けておることは御承知の通りでありますし、またこの教育番組というものは、やはり教育基本法なり教育の一つのそうした基本法の準則に従って行うということは、当然のことであって、これをばらばらに教育放送を勝手にやらせるというわけにはいかない。従ってここに教育関係の規定、こういう教育番組の放送のよりどころ、こういうものを示したわけでありますから、これを放送事業者は番組審議機関に諮問をするし、番組審議機関はその放送事業者の諮問に答えてこの教育番組をいかなる方法に作り上げるかということを自主的にやるのであって、これは政府といたしましてはこの放送法に準拠すべき一つのよりどころというものを示してやらないことには、これを作らなかったということであれば、要するに一致したこいねがうところの真の教育番組というものは期待できないのじゃないか。そういうことでこのよりどころというものを一応これで示して、そのあとのことは一切放送事業者並びに番組審議機関等で十分いろいろの点を――この示されたるよりどころ、ないしはまた放送事業者並びにこの放送番組審議機関でいろいろよりよき教育番組の編成についていわゆる番組基準を作っていただかなければならぬし、またこれを公表しなければならぬということになっておりますから、堂々公表したものによって、そういう基準によって放送をしていくということは、あくまでも自主的にやっていただくということであるから、これをなぜこんなにこまごまと示したかという御意見でありますけれども、このよりどころだけは示しておかないと――そこに基準を作るにいたしましても、放送事業者並びに番組審議会の委員がこれを作る場合の一つの参考資料、簡単に申し上げますればこのよりどころ、それの資料だ。お互いが何を研究しても、何を計画いたしましても、これはいろいろのデータというものは要るわけでありますから、それを少くも監督をしておる私どもとしては示すべきである、このところまでは絶対に責任だ。そのかわりあとの放送、このよりどころによっていかなるりっぱな教育放送番組を作ってこれを放送するかということの責任はすべて放送事業者にある。こういう考え方でございますから、この点はおわかりいただけるのじゃないか、かように思っております。
#82
○小沢(貞)委員 大体私の心配しておることは、対象が明確であることとか、非常に大切な項目としてこれをうたったわけです。組織的かつ継続的であることとか、それから学校向けの番組なら番組ということではっきりきめるとか、学校教育に関する法令の定める教育課程の基準に準拠するというような工合にこまかく規定して、法的に教育番組というものをきめたわけです。ところが、これが間違った放送をしていたところでこれを直すこともできないし、どうすることもできないわけです。だから、純教育的の立場から考えれば、法律的にちゃんと教育番組といってきめて、それに基く放送をしておるのに、間違った放送をしていたら教育を受ける側からいえばこれは迷惑なことなんです。また今度は私たちの立場からいえば、教育の法律に定められたことを逸脱して、政府があるいは経営委員会か知りませんけれども、番組審議会か知らないが、今度は逆にもっと悪いことを積極的に放送するというようなことになったところでこれはどうするわけにもいかない。そうしてしかもそれは法律できめられて、こういうことに基いてやるという隠れみのがあるわけなんです。そういうことを私は心配しているわけなんです。だから大臣の言っていることでは私は了解ができないわけなんですが、そういうことを私は心配しているわけなんです。
#83
○濱田政府委員 今、小澤委員は、準則に違反した場合にどうすることもできないと言われましたが、確かに郵政大臣は何ら番組編集に干渉はできません。けれどもここに番組審議機関なるものがありまして、この番組審議機関には番組の最大の批判者であるところの国民の代表が多く選定されるだろうと思うのであります。この番組審議機関においてその放送せられた番組について、あるいは今後放送せられる番組につきましていろいろ勘案し、批判し、それによって是正をはかっていく。国会において御承認を得ましたならば、この準則なるものがなるべく守られるように、かように番組審議会が法律を守っていくように努めるだろうということを期待するわけであります。
 これにつきまして先ほど来、何ゆえにかくのごとくたくさんの報告をとるようにするのかという、必要性についての御質問がありました。これは郵政大臣は、放送法につきましてはこれを守るについて国会に対して責任があります。これにつきまして、どのようにこの放送法が守られているかということについて絶えずいろいろな資料を収集し、その動向を見守り、これについて必要なる措置を講じなければならないと思うのであります。それゆえに必要な報告はなるべく集め、また必要な調査、研究は絶えず行わなければならないと思うのでありまして、そのために先刻申し上げましたような放送業務、放送技術関係の人員は、今日のところでは毎日の日常業務に追われる人員しかございませんために、非常に不足を感じておりまして、その増員をはかろう、こういう意味で、できましたならば増員をお認め願いたいということを考える次第であります。
#84
○小沢(貞)委員 そういうことで切瑳琢磨してやる、常に努力するということは民間で一生懸命やっておるし、現在もやっております。これをわざわざ法律できめたことについては、逆に弊害があるだろう、法律できめられた学校向け教育番組だというようなことで間違った放送をされたときとか、あるいは逆に教育の中央集権化というか、そういうことを私は心配しております。皆さんの方はきめた方がよかろうと言うし、私の方は今まで自主的にやってきたし、やっていった方がよかろうということで、これは見解の相違だろうから、これ以上答弁を求めても仕方がない。また機会があったら、他の点もありますので質問をしたいと思いますが、きょうはこれで打ち切りたいと思います。
#85
○淺香委員長 次会は来たる十一月四日火曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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