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1958/10/17 第30回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第030回国会 地方行政委員会 第4号
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1958/10/17 第30回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第030回国会 地方行政委員会 第4号

#1
第030回国会 地方行政委員会 第4号
昭和三十三年十月十七日(金曜日)
    午前十一時二十七分開議
 出席委員
   委員長 鈴木 善幸君
   理事 亀山 孝一君 理事 渡海元三郎君
   理事 丹羽喬四郎君 理事 吉田 重延君
   理事 川村 継義君 理事 中井徳次郎君
   理事 門司  亮君
      天野 光晴君    飯塚 定輔君
      加藤 精三君    金子 岩三君
      中島 茂喜君    長谷川 峻君
      山崎  巖君    石田 宥全君
      加賀田 進君    佐野 憲治君
      阪上安太郎君    下平 正一君
      北條 秀一君    安井 吉典君
 出席政府委員
        自治政務次官  黒金 泰美君
        総理府事務官
        (自治庁行政局
        長)      藤井 貞夫君
 委員外の出席者
        専  門  員 円地与四松君
    ―――――――――――――
十月十七日
 委員矢尾喜三郎君辞任につき、その補欠として
 石田宥全君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員石田宥全君辞任につき、その補欠として矢
 尾喜三郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十月十六日
 中小企業事業税撤廃に関する請願(荒木萬壽夫
 君紹介)(第四八二号)
 同(臼井莊一君外二名紹介)(第四八三号)
 同(中垣國男君紹介)(第四八四号)
 同(保岡武久君紹介)(第四八五号)
 同(岡部得三君紹介)(第四九六号)
 同外一件(川野芳滿君紹介)(第四九七号)
 同(木倉和一郎君紹介)(第四九八号)
 同外二件(島村一郎君紹介)(第四九九号)
 同(久野忠治君紹介)(第五〇〇号)
 同(中村幸八君紹介)(第五〇一号)
 同外二件(永山忠則君紹介)(第五〇二号)
 同外一件(井原岸高君紹介)(第五七一号)
 同(大坪保雄君紹介)(第五七二号)
 同(倉成正君紹介)(第五七三号)
 同外二件(内藤隆君紹介)(第五七四号)
 同(永山忠則君紹介)(第五七五号)
 同外一件(福田篤泰君紹介)(第五七六号)
 同(中曽根康弘君紹介)(第五七七号)
 同(前尾繁三郎君紹介)(第五七八号)
 同(柳谷清三郎君紹介)(第五七九号)
 亜炭鉱業に対する電気ガス税撤廃に関する請願
 外一件(長谷川峻君紹介)(第五〇三号)
 深夜喫茶取締りに関する請願(栗原俊夫君紹
 介)(第五〇四号)
 同(中崎敏君紹介)(第五〇五号)
 同(黒金泰美君紹介)(第五八〇号)
 同(八木昇君紹介)(第五八一号)
 消防施設費国庫補助増額に関する請願(木村守
 江君紹介)(第五〇六号)
 地方税法の一部改正に関する請願(木村守江君
 紹介)(第五〇七号)
 町村議会議員の退職年金制度創設に関する請願
 (木村守江君紹介)(第五〇八号)
 新町村の育成強化に関する請願(木村守江君紹
 介)(第五〇九号)
 市町村職員共済組合法の一部改正に関する請願
 (足鹿覺君紹介)(第五六九号)
 遊興飲食税減免に関する請願(赤松勇君紹介)
 (第五七〇号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 新市町村建設促進法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第二三号)
     ――――◇―――――
#2
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 前会に引き続き、新市町村建設促進法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。石田宥全君。
#3
○石田(宥)委員 行政局長にお伺いいたしたいと思うのでありますが、先年来地方町村の合併の特例法が設けられ、それが市との合併にまで発展をいたしておるのであります。一般論としては好ましい方向であるとは考えられるのでありますが、しかし、私ども特に農業県において、農村に住んでおる者といたしましては、必ずしも歓迎することのできない事態が発生しておるのであります。私は特に農村の関係で農林水産の委員会にもおるわけでありますが、この町村合併が行われまして以来の農政の後退というものは、まことに著しいものがあるのであります。たとえば、ある市におきまして、農政というものは一農政課長の任務になってしまっておる。あるとき大きな水害が起った。元の合併前の一つの村がほとんど壊滅的な打撃を受けておる。ところが、たまたま私が県庁に行っておりましたら、市長が県に出て参りましたが、その他の用事は話しておるけれども、農村における水害のことには一言も触れないで帰った。こういうような事例もあるわけです。町村長でありまするならば、その任務というものは、大よそ農政さえやっておれば、それで任務は終ると言っても過言ではない。しかるに、膨大な町となり膨大な市となりますると、一農政課長の任務となって、その首長はほとんどこれにタッチしないというような実情にあるのであります。こういう点から見て、近時農政の後退の著しいということについて痛切に感じておるわけであります。自治庁は、別の角度からこれはごらんになっておられると思うのでありますが、局長のこれに対する見解を承わっておきたいと思います。
#4
○藤井(貞)政府委員 町村合併が始まりまして以来、いわゆる農村地帯というものが市へ編入されるというような事例が全国的にたくさん出て参りましたことは、御指摘の通りでございます。この場合に、区域も広くなり、また全般的にその区域内におきまして、いろいろの農工商というような業態というものを包括的に運営して参るというような必要が生じて参ったのであります。そのこと自体に運営よろしきを得ますれば、非常に総合的な運営ということによって効果が上る面も実は期待をされるのであります。われわれの聞いておりまする、あるいは調べておりまする市その他の町というようなものの行政運営というものをよく観察をいたしますると、中には相当の効果を上げておる。われわれ毎年優良市町村として表彰等のことを行なっておりまする中には、そのようなりっぱな成績を上げておるものも多いというふうには考えられるのであります。ただ一面、市に町村が編入をされるということの結果、どうしても市の当局者の関心が都市的施設の整備というようなことに追われまして、農政ということに対して、従来より全般的に見て関心が薄くなるというような傾向も、これは絶無ではないと思います。そういうような点は、われわれもかなり耳にいたしておるのであります。私たちといたしましては、従来町そのものであるとか、村そのものとして存続をいたしておりましたときよりも、市に編入されたがために、その部分の農政が後退をするというようなことでありましてはならないというふうに考えております。むしろ、規模が拡大をされることによりまして、行財政能力の弾力性がふえ、その弾力性のふえた力を有効に発揮いたしまして、総合的に行政運営のバランスがとれてやっていく。しかも時といたしましては、総合花的になるということは好ましくないことでもございまするので、その点はおのずから重点を置いて、ある時期においては都市的な施設の整備、またあるときには農政の拡充というようなことで、重点が変って参ることはございますけれども、少し長期に見通しをつけまする場合におきましては、全体で、今までの施策よりもさらに一歩進んだ行政というものが行われて参る。これが望ましい形態ではないかというふうに考えるのでありますが、われわれといたしましては、これは直接には所管ではございませんけれども、しかし新市町村の運営自体を効果的、能率的に、しかも最も早い状況においてこれを進めて参りまする上からは、どうしても片寄った行政運営ということが行われることは厳に慎しまなければならぬことであるというふうに考えておりまして、その点は、機会のあるごとにわれわれといたしましても強調して、市町村当局の反省を求めておるような次第でございます。その点につきましては、今後ともわれわれとして特段の注意を払って遺憾のないように指導して参りたい、かように考えております。
#5
○石田(宥)委員 今、御説明のように、その運営よろしきを得ますれば、これはけっこうだと思うのですが、やはり村が町になり、町が市になるということは、多分に外観的な虚栄心的なものがひそんでおるわけです。そういう心理がありますから、従ってどうしてもやはり都市中心、市街地中心の政治が行われるのが現状であります。至るところ、最近では市といいながら、山奥のクマの出るようなところまで市になっておる。こういうような場合においては、ほとんど市街地中心の施策が行われておることは何人も否定できないのです。特に財源という面から考えましても、農村地域が非常に広大であって、都市部のきわめて少いようなところにおきましては、その財源はほとんど農村の固定資産税――これはきわめて不合理に高く今はきめられておるようでありますが、固定資産税等の農村の負担が大部分でありながら、その施設は都市中心になる。こういう傾向が顕著であめると思うのであります。ただいまの御答弁によりますと、そういう点についての運営よろしきを得るように、しばしばそれらについての通達等を発しておるということでありますが、これはまことにけっこうなことであるが、さらに一そうこの点に留意されて、やはり村部の多い地域においては、農村を無視するような市政を行なってはならない、町政を行なってはならない。これはもう当然なことであるけれども、当然なことが現在は行われておらないという実情であると思うのであります。
 なお、その精神がありまするがゆえに、地方自治法の第八条には一定の基準を設けまして、「当該普通地方公共団体の中心の市街地を形成している区域内に在る戸数が、全戸数の六割以上であること。」あるいは人口においても六割以上であることというような標準を設けまして、準農村に市制をしくということは適当でないということをここに示したものではないかと考えるのでありますが、この点についての御見解を伺っておきたいと思います。
#6
○藤井(貞)政府委員 市の要件につきましては、自治法の八条で規定しておるところでございますが、この趣旨は、今お述べになりました趣旨の通りであるというふうにわれわれ考えておりまして、準農村について、この要件に当るものはほとんど見当らないのであります。従って、そういうものが市になるということは期待をしておらないのであります。
#7
○石田(宥)委員 そこで私は、具体的な問題についてお尋ねをいたしたいのでありますが、新潟県の白根町でございますが、白根町が先般市制を施行するということの議決をいたしたのであります。この議決は九月二十五日に行われまして、特例法によって九月三十日までという期限を頭に置いて、急遽これの議決をいたした次第でございます。二十九日には知事に対して申請書が届けられ、十月一日に県の自治課の者が行政局の係官のところに出頭をしておるようであります。十月二日に、県知事はこれを県議会に提案をしようとしたのでありますが、これはこの法律によって、あらかじめ知事は自治庁と協議をしなければならない、こういうことになっておるようでありますが、あらかじめ協議がございましたかどうか。またその後具体的に、白根町に市制を施行するということについて、県から御協議がございましたかどうですか、この点を伺いたいと思います。
#8
○藤井(貞)政府委員 正式の手続として、この自治法にございます七条の二項に規定をいたしております意味における協議というものは、われわれの方としては受けておりません。なおその後におきましても、事情はいろいろ連絡はいたしておりますけれども、協議というような手続は、その後われわれの方には参っておらないのが実情であります。
#9
○石田(宥)委員 協議をしなければならないということは、先刻お話のございましたような、第八条に規定する諸項等を基準として、その基準に当てはまるかどうかというようなことを中心とする協議ではないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。
#10
○藤井(貞)政府委員 協議の場合におきましては、われわれといたしましては、八条に規定をいたしておりますような要件を満たしておるかどうかというようなことを、書面上においていろいろ検討いたしますと同時に、係官を現地に派遣をいたしまして、実情についても調べた上で、この協議に応ずるかいなかということを決定をいたしておりますのが従来の手続でございまして、協議をいたします必要性というものは、もっぱら八条の要件を具体的に備えておるかどうかということについて認定をいたしますための手続でございます。
#11
○石田(宥)委員 そこでこの協議と県議会の議決の問題でありますが、新潟県の鈴木副知事は、自治庁と打ち合せたところ、自治法よる事前協議をしなければならないの項目については、多少の疑義があるが、県議会に提案することは差しつかえないとのことであった。こう言っておるのです。私も、これは実は電話で話をしたのでありますけれども、あなたのところのある係員は、それは県議会で議決をすることは、協議と同意または認可とは別だ。自治団体が議決をすることは差しつかえないということを言っておるのでありますが、これは自治庁の係官の発言としては穏当ではないのではないかと思うのでありますが、いかがですか。
#12
○藤井(貞)政府委員 その点は、新潟の副知事がどのようなことをおっしゃったか、私、直接に聞いておりませんので存じません。また自治庁において、係官の方でそのようなことを言ったということについても、実は承知をいたしておらないのであります。従来の手続といたしましては、やはり県会に正式に出します前に、あるいはさらには市となろうとするところで、関係町村なりが議決をいたしますその以前に、むしろこちらで大体の打ち合せをして、よかろうというようなことで手続を進めるのが普通の例でございます。
#13
○石田(宥)委員 よくわかりました。それでは次に、やがて自治庁に対し協議を行うであろうと考えますので、なおその具体的な事例についてお伺いをいたしたいと思うのでありますが、先ほど申しました九月二十五日に町議会を開催いたしまして、そこで賛成三十、反対二十三、白票三、こういう議決であります。こればその後動きがまた変っておるようでありますが、しかしながら、一応この数字で議決が行われておるのであります。実は町当局は、八月の下旬になりましてこれを考えついたようであります。そこで、九月の上旬になりまして、旧一町八ヵ村において説明会というものをやっております。公聴会のようなものでありますが、これはその地区出身の町会議員、農家組合長、駐在員、連絡員、婦人会長、青年会長、農民組合代表、農協組合長等でやったわけです。これは、そのときの議決を行いました町議会に文書をもって報告された事項でありますが、旧町村の地区で、新飯田地区の状況は、出席二十二名でありまして、市制施行に反対の発言、意見のみで、賛成の発言はありません。それから茨曽根地区の状況は、出席二十名で、市制施行に賛成の意見もありましたが、反対の発言、意見が大部分であった。それから庄瀬地区の状況は、出席者三十五名で、市制施行に反対の発言、意見はありましたが、賛成意見はありません。臼井地区の状況は、出席者五十名で、市制施行に反対の発言、意見はありましたが、賛成意見はありません。大郷地区の状況は、出席者十五名、市制施行に反対の発言、意見はありましたが、賛成の発言はありません。鷲巻地区の状況は、出席者三十名、市制施行に反対の発言、意見はありましたが、賛成意見はありません。小林地区の状況は、出席者三十八名、市制施行に反対の発言、意見はありましたが、賛成なし。白根地区、これは町でありますが、これだけか、出席者二十五名で、市制施行に賛成の発言、意見はあったが、反対はなかった。それから根岸地区の状況は、出席者二十三名で、市制施行に賛成の発言、意見もありましたが、反対の意見もありました。こういうふうに、もうほとんど大部分が反対意見であるということを、これは町当局が文書をもって町議会に報告をしておるわけです。
 こういうふうに圧倒的に反対の理由というものは、大体この町は準農村の町でありますので、町部というものがきわめて微々たるものだということであります。さらに、この九ヵ町村の合併で、やはり町部中心の町政が行われておりまして、農村というものは非常な不便、不利を感じて、実は合併はしたけれど、とうていがまんができないということで、遠隔な地域の旧町村では、分村をしたいという意見がかなり強く起っておったということであります。さらにもう一つは、合併当時は旧町村ごとに町の支所というものを置きまして、町民にサービスをいたしておったのでありますが、最近この支所を廃止いたしました。そういたしますと、図面をごらんになればおわかりになるわけでありますが、遠いところでは、町役場から十二キロぐらいあるわけです。交通の不便なところで、十二キロも離れたところがあるのでありますが、支所が廃止されてサービスが低下をして、一切がっさい町役場に行かなければ事務の手続ができないというような実情にあったわけです。こういう実情のもとにおいて、さらにこれを三万以上という九月三十日までの特例法にひっかけて市制を施行しなければならないということは、常識判断ではとうてい考えられないのであります。もちろん多くの町民の諸君も、市制を施行してよろしいような態勢で、たとえば工場を誘致するなり、交通機関を完備するなり、そういうふうに条件が整った後において市制を施行することはよろしいのであるけれども、現状のままにおいては、大部分の町民が反対をしておる。これは実はまだ自治庁には提出をしておりませんけれども、町民の六割何分、七割近くのものが反対の署名をいたしておるわけであります。そういう状況のもとにおいて、なぜ一体市制を施行しなければならないかということは、私ども第三者としても、実に判断に苦しむところなのであります。今、かなり具体的な事例をあげたわけでありますが、こういう状況のもとにおいて市制を施行することが妥当であるかどうか、無理にこれを強行するようなことがありますならば、おそらくこの紛糾というものは相当長い期間にわたるのではないか、こういうことも予想されるのでありますが、これについて局長の見解を一つ伺っておきたいと思います。
#14
○藤井(貞)政府委員 先刻申し上げましたように、まだ県の方からは、実は正式に内協議も全然出ておらない状況でございます。われわれといたしましては、内協議がございました際において、いろいろの実情をよく検討してみる、なお実地についてもよく調査をして、その上で結論を下すというのが従来の建前でございます。従いまして内協議等の手続を県においてとって参りますことがございますれば、今お述べになりましたような点も含めまして、すべての点につきまして詳細に検討して結論を出したいというふうに思っておりまして、今ここでそのよしあしについて申し上げることは差し控えておく方がいいのではないかというふうに考えるのでありますが、ただ一般的に申して、市制施行などどという問題は、特殊の例外を除きましては、大体において挙町一致、中には少しいろいろ意見の異なる方もございますから、若干の反対は絶無ではないかもしれません。しかし、大体において、今までわれわれ取り扱って参りました市制施行の問題というのは、大体挙町一致、全町民があげて慶祝のうちに生れてくるというのが普通でございます。大へんたくさんの者が反対をしておられるというような事例は実はございません。そういうような点につきましても、やはり市となるべき要件、その他の点について機運が熟しておるかどうかというような点にも問題があるからこそ、そういうような事態になっておるのではないかというように考えるのでありまして、県がこれからどういう態度をとりますか、まだ今のところ連絡ございませんですが、協議がございました段階におきましては、そういうような点を中心として、詳細に検討いたしました結果、結論を下したい、かように考えております。
#15
○石田(宥)委員 局長さん、なかなか大事をとっておられますが、大体私は、いろいろ条件をあげたわけですね。それで御判断ができるのではないかと思うのでありますが、しかし、なお重ねてそれじゃもう一、二点申し上げますが、第一、第八条の二号に戸数ということになっておるのですが、町当局の数字では世帯となっております。都会では、世帯ということと戸ということとはなかなか混淆するような面もありますけれども、農村ではほとんどそういうことはないと思うのです。大体同一と解釈してよろしいと思うのです。そこで数字をちょっと申し上げますが、世帯数は五千九百六世帯であります。全戸数のうちに、第二号に該当する「中心の市街地を形成している区域内に在る戸数」というものが、いわゆる商工業者の戸数が一三%です。この規定では六〇%以上となっておるが、これは一三%です。人口で申しますると、やはり六〇%ということになっておりますが、人口は三万七千幾らでありまして、やはり商工業関係が一万二千名、農業関係が二万四千幾ら、その他が約一千、こういう実情なんです。ですから、この数字をごらんになっても――これは町当局の調査なんですよ。町当局の出した白根町概観というか、そういうものの数字なんですよ。私がこれをなにしたのじゃない。こういうふうに町当局の数字が、六〇%以上でなければならないというのが一三%であったり、あるいは二〇%であったりするような実態なんです。こういう実態のもとにおいて、この数字をそのままあげてきたのでは、県あるいは自治庁が、たとえば文書審理をやられる場合においても、これは適格条項が備わっておらない、こうはっきり言えるわけです。そこで町当局は、この数字を逆に書いて県庁に出した。自治庁にも、これは正式なものかどうかは存じませんけれども、ちゃんとそういう文書が出ておるのです。これはあなたの管轄ではございませんけれども、公文書偽造ではないかということで、一部の人たちから告訴が行われております。これが公文書偽造になるかどうかは別の問題です。別の問題ですけれども、先刻来私が申し上げておるような実態の中に、特にこういう条件が今申し上げるほどへだたりがある。こういう状態ならば、その条件だけでも、自治庁はこれに対して同意し得ないのではないかと思うのですが、どうですか。
#16
○藤井(貞)政府委員 八条二号の関係は、これは連檐戸数というふうにわれわれは称しておるのでありますが、ここにもございますように、「中心の市街地を形成している区域内に在る戸数が、全戸数の六割以上である」というのが要件に相なっておるのであります。今まで取り扱いました案件について、実際のやり方を申し上げてみますと、これは第一次的には書面によって一応の審査はいたします。その書面審査をいたします際に、最近におきましては、いろいろな詳細な資料のほかに、大体航空写真をつけてくるのが普通の例になっております。航空写真によって市街地を形成している戸数というようなものを判定いたしますことは、通観いたしまして、非常に容易に判然といたしますので、そういう方式もとっておるのでございます。従いまして、これに該当しないということになりますれば、もちろん要件の一部を欠くことにも相なるのであります。今お述べになりました際におあげになりました資料、この資料通りが実態であるとかりに仮定をいたしますれば、これは要件に合致することはなかなかむずかしいのではないかというふうには考えるのであります。いずれにいたしましても、この点は、一面において書面審理は一応いたしますけれども、なおその書面に書かれておることが実態とどういう工合になっておるかということにつきましては、例外なく市制施行の際は係官を現地に派遣して調査をいたします。そこでその実態に適合しておるかどうかということを認定いたすわけでありまして、本件につきましても、正式の協議等がございますれば、今のような点はよくわれわれとしても頭に入れておきまして、審査の際に万全を期したい、かように考えております。
#17
○石田(宥)委員 よくわかりました。それで航空写真の問題ですが、実は県並びに自治庁に提出いたしました航空写真を私は見たのでありますが、これは白根町をとっておるのでありますけれども、中ノロ川という人工の川があるのですが、これは非常に狭い川ですから、その対岸に郡の違うところの味方村白根というのがあるのでありますが、それを巧みに白根町であるかのごとき写真をとっておるのであります。しかし、これは現地御調査をお願いすれば一目瞭然でございますので、私が申し上げる必要はないと思いますが、以上のような状況でございます。私どもも、市制を施行することについて反対なのではございません。また町民もそういう気持なんです。市制を施行してもよろしいような条件を具備するような方向にもっと努力をして、たとえば工場誘致をするなり、あるいはもっと産業の開発等に主力を注ぎまして、そうして市制施行に適するような状況にまで一日も早くこれを発展繁栄せしめて、しかる後に市制を施行すべきであるという意見でお互いに動いておるような状況であります。先刻お話がございましたように、およそ市制施行というようなものは、全町あげてお祭騒ぎをしてやるのが全国の例だというお説でありますが、ごもっともな話で、われわれも願わくは、やはりそういうふうにやりたいと思うが、今のところは非常に無理なことである。また法令にも、地方自治法にも、県条例にも当てはまらないのです。ところが、さきに申しましたように、自治庁の相当な立場の人が、それは協議がなくとも自治体だから県議会が議決することは差しつかえなかろうなどということを言われますると、これはやはり欠格条項のいかんにかかわらず、町議会も多数決で議決をしておる、県議会も議決してしまった、これを既成事実として、やむを得ず自治庁もこれを承認せざるを得ないようなことになりますと、さっきも申しましたように、今ですらも、非常に無理な町村合併を行いましたために分村運動が起っておるような実情なのです。局長よく御承知なのですが、鷲巻地区という一番下の方の地区は、ほかの西蒲原郡の方の町に合併の運動が起っておるし、また新飯田地区は、南蒲原郡の方にいくかというような機運も起っておるところに、今申しましたような無理な、欠格条項をも無視して既成事実を作って、既成事実を作ったから自治庁もこれを承認しろというようなことになり、自治庁もやむを得ずこれを承認するような事態になりますと、これはもうはからざる混乱と紛糾を見ることは必至であると思うのでありまして、やがて正式に協議に参ると思うのでありますが、この点については局長は、局長の手元にいくまでの間に今申しますようなトラブルが起ってはならないのでありますから、その局の中の取扱いの係官、特に振興課長に対して、そういうトラブルが起らないように、あらかじめ一つこういう機運のあることを漏らしておいていただきたい。そしてすみやかに市制を施行するに適するような状況に指導されるように私は切望してやまない次第であります。以上で私の質問は終ります。
#18
○藤井(貞)政府委員 御趣旨は十分拝聴いたしました。ここに振興課長が参っておりますので、今の点もよく検討いたさせます。本件の取扱いにつきましては、われわれといたしましても、他の案件同様に慎重に行いたい、かように考えております。
#19
○鈴木委員長 本日はこれにて散会いたします。
   午後、零時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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