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1958/11/01 第30回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第030回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号
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1958/11/01 第30回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第030回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号

#1
第030回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号
本小委員は昭和三十三年十月三日(金曜日)委員
長の指名で次の通り選任された。
      荒木萬壽夫君    小山 長規君
      田中 角榮君    竹下  登君
      福田  一君    古川 丈吉君
      竹谷源太郎君    平岡忠次郎君
      松尾トシ子君    山花 秀雄君
同日
 小山長規君が委員長の指名で小委員長に選任さ
れた。
    ―――――――――――――
会議
昭和三十三年十一月一日(土曜日)
    午前十一時九分開議
 出席小委員
   小委員長 奧村又十郎君
      鴨田 宗一君    田中 角榮君
      竹下  登君    福田  一君
      福永 一臣君    毛利 松平君
      竹谷源太郎君    廣瀬 勝邦君
      横山 利秋君
 小委員外の出席者
        大蔵事務官
        (大臣官房財務
        調査官)    大月  高君
        大蔵事務官
        (理財局証券検
        査管理官)   岸本 好男君
        大蔵事務官
        (銀行局銀行課
        長)      塩谷 忠男君
        大蔵事務官
        (銀行局検査部
        金融検査管理
        官)      近藤 道生君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
十月十四日
 足立篤郎君、内田常雄君、奧村又十郎君、鴨田
 宗一君、福永一臣君、細田義安君、毛利松平君、
 春日一幸君、廣瀬勝邦君及び横山利秋君が委員
 長の指名で小委員に追加選任された。
同月十六日
 小委員長小山長規君辞任につき、その補欠とし
 て奧村又十郎君が委員長の指名で小委員長に選
 任された。
十一月一日
 田中角榮君十月十四日委員辞任につき、委員長
 の指名で小委員に補欠選任された。
同日
 福永一臣君十月二十七日委員辞任につき、委員
 長の指名で小委員に補欠選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 金融に関する件
     ――――◇―――――
#2
○奧村小委員長 これより会議を開きます。
 この際一言ごあいさつを申し上げます。このたび私本委員会の小委員長に選任されました。まことに微力でありますが、皆様方の御協力によりまして大過なく目的を全ういたしたいと存じますので、何分よろしくお願い申し上げます。
 金融に関する件について調査を進めます。
 先般、大蔵委員会において、社会党の春日一幸委員から北国銀行の倉荷証券の事件について質問がなされておりますが、この際その質問に対して政府の御答弁をお願いいたします。
#3
○大月説明員 先般春日委員から御質問がございました北国銀行の倉荷証券に関する件と申しますのは、北国銀行が、丸益毛織株式会社に対しまして、倉庫証券を担保として金融をいたしましたところ、その倉庫証券の記載の内容に相違がございまして、その結果銀行が損害をこうむったんじゃないか、あるいは、倉庫証券の記載事項が事実と違っておることに対して、銀行は何らか責任があるんじゃないか、こういうような御質問であったわけでありますが、かいつまんで事件の概要を御説明申し上げたいと思います。
 今年の六月でございますが、名古屋の陸運局におきまして、株式会社吉田倉庫を検査いたしたわけでございます。この吉田倉庫を検査されました結果、北国銀行が融資をいたしております先の丸益毛織株式会社という会社の商品担保物件が、倉庫証券の記載内容と相違しておる、現物と証券の記載内容とが違っておるということが発見されたわけであります。このために吉田倉庫と丸益毛織の関係者が地元の警察に逮捕されまして、有価証券偽造行使、それから背任の容疑をもちまして、金沢地検に送られたわけでございます。一方、北国銀行の融資取扱い関係者も任意出頭を求められまして、融資の状況の説明を求められたというのが、この事件の概要であります。それで、九月の下旬に至りましてこの金沢地検の取調べも終了いたしまして、結局吉田倉庫と丸益毛織の責任者が起訴されるということに決定いたしましたが、銀行は被害者の立場にあって関係がない、こういう今の検察当局の判断になっております。
 具体的にどういう点が倉庫証券の記載内容と事実と違っておったかという点について御説明申し上げますと、北国銀行は、六月に事件が発覚したわけでございまして、七月に商品担保の物件を具体的に調べてみたわけでございます。そういたしまして、織物の品質が違っておるということ、それから数量が足りなかったということがわかりまして、その結果担保の評価を一億三千五百万円減らしたわけでございます。当時、最初担保にとりましたときの商品担保の貸し出し自体は、三億八千六百万円あったわけでございます。それに対しまして倉庫証券に記載してございましたところの商品の担保評価は四億七千四百万円でございますから、もし記載通りの商品が事実その倉庫に入っておったといたしますれば、十分な担保であった、こういうことでございます。ところが、精査いたしました結果、品質が違っておったということ、数量不足であったということの結果、一億三千五百万円という評価減をせざるを得ない。そういうことで担保の価額が不足するということがわかったわけでございますので、まずとりあえずの措置といたしまして、吉田倉庫から損害額弁償の特約書というものをとったわけでございます。御迷惑をかけたので、担保切れのために融資が不健全になったならば、これは弁償いたしますということを、倉庫からまず証文をとったというのが、とりあえずの措置でございます。その後、さらにこの措置を確実にいたしますために、丸益毛織代表者個人の不動産、それから吉田倉庫の持っております不動産に対して、合計一億三千万円程度の抵当権を設定いたしまして、先刻判明した担保の評価減を補った。そして、担保の関係がございますので、貸し出しの中身についても商品担保貸し出しの一部を不動産担保貸し出しの一部に振りかえるという措置をとって、融資の健全性を確保した。これが事件でございます。
#4
○奧村小委員長 この事件について御質問がありますか。
#5
○竹谷小委員 この事件以外に、北国銀行の貸付に関して何ら刑事事件はなかったのですか。
#6
○大月説明員 ただいまの丸益毛織株式会社に対する融資に関しましては特に問題はございませんので、御質問もこの倉庫証券担保金融に関する御質問であったというように承知いたしております。
#7
○竹谷小委員 その他にあなたの方で銀行を検査されましたか。そしてその検査の結果業務が適正であったかどうか。
#8
○大月説明員 銀行検査の前建としては、銀行を検査するわけでございまして、その融資先であるとか、あるいはその担保である倉庫証券を発行しておる倉庫会社、これを検査する権限はございません。倉庫会社に対しては、最初申し上げたように名古屋の陸運局において検査の権限があり、現に検査をしておられ、その結果こういう事実が発見されたわけでございまして、そのあとは、商取引として銀行がみずから倉庫会社に出かけまして現品の検査をやったわけでございます。その結果が先ほど申し上げたような結果になっておるわけでございまして、その点は、事件が発生して直後八月には、頭取を銀行局に招致いたしまして、それから九月には副頭取を招致いたしまして、詳細な説明を求め、また担保業務審査の責任者の出頭も相次いで求めまして、そういう問題になった点の詳細な報告をとっておりますので、われわれの申し上げた点は、検査の結果ではございませんが、事実に基いた報告だと御了承願ってけっこうだと存じます。
#9
○竹谷小委員 私の質問したのは、そうではなくして、こうした問題もあるので、北国銀行に対して銀行局が銀行検査を、定例でやる以外に、最近にやったかどうか、もしやらないとすれば、最近の定例検査はいつであったか、そのときの状況はどうであったかということです。
#10
○大月説明員 銀行検査の大体の原則としては、二年に一回程度全国の銀行についていたし、特に問題のある銀行については随時、こういうような方針をとってやっておりますが、北国銀行についてもほぼその原則によっておるわけでございまして、二十七年六月に一回、二十九年七月に一回、三十一年六月に一回、その後実行いたしておりませんが、ちょうどそろそろ検査をやるというような時期に当っておったところでございます。それで、問題が起きましたので、ただいま申し上げましたような精細な報告を徴し、また、現地には財務局がございますので、財務局をして現地に参らせまして、詳細な調査をやらしておる次第でございます。
#11
○横山小委員 私まだ詳しいことは調べていないのでわからぬですけれども、この警察が逮捕したのは法律的な点ですが、何法のどういう点に該当するという疑いがあったか、またこれらの両会社はそのほかの何法のどういう点に該当する疑いがあるかという点を一つ伺いたい。
#12
○大月説明員 第一は、商法の違反でございまして、倉庫証券の記載内容は真実でなくちゃならぬということになっております。それに違反した記載をいたしましてこれを担保に供した、つまり行使したということでございますので、これは有価証券の偽造行使ということでございます。それから、背任の嫌疑が一点ございまして、これは、倉庫業者として正確なる事実をここに記載すべきであるにかかわらず、それについて虚偽の記載をしたというところが背任の要素になったと思います。
#13
○横山小委員 それで北国銀行が情を知りこういうことに応じたという疑いは今日までありませんか。
#14
○大月説明員 検察当局の談話が新聞にも出ておりますし、一般にも伝えられておるわけでございますが、融資の取扱い関係者も任意出頭を求められまして、融資の状況の説明は求められましたが、最終的に記訴されたのは吉田倉庫、丸益毛織の責任者でございまして、銀行は被害者の立場にあって、この件については関係がないということになっております。
#15
○横山小委員 吉田倉庫と丸益が法に触れる疑いがあるという点について、今お伺いした限りにおいては、丸益が加害者で吉田倉庫が被害者であるかのごとき御説明のようでしたが、どうして両方が逮捕されるのですか。
#16
○大月説明員 被害者は銀行でございまして、銀行といたしましては、倉庫証券が有価証券でございまして、これを担保にして融資したわけでございます。そういたしますと、その倉庫証券の記載通りのものがあるということが前提でございます。これを発行する責任は吉田倉庫でございますから、吉田倉庫が、物が欠けておるということを知っておりながら、うその事実を書いたということ、それから、そのうそであるということは当然丸益毛織では知っておるわけであります。自分の商品を倉庫会社に預けたわけでございますから、丸益毛織自体は記載内容と相違しておるということは知っておる。その二者が知っておって、それを担保にして北国銀行から融資を受けた、こういうことでございますので、吉田倉庫と丸益の責任者が有罪になり、銀行がそれにだまされた、こういうことになっております。
#17
○横山小委員 もう一つそこを突っ込んでお伺いをしたいのですが、吉田倉庫が当然熟知しておるべきであった、つまり共犯の疑いありという点について、もう少し具体的に説・明して下さい。
#18
○大月説明員 吉田倉庫は人の物品を預かるわけでございますから、いかなる物品をいかなる数量預かっておるかということは、当然常識として承知いたしておるわけでございます。これが倉庫業というものの本来の姿であろうかと思います。しかもこの倉庫証券を発行する責任者は吉田倉庫でございますから、いかなるものを預かったかということを記載するについて事情がわからなかったということは、倉庫業者としての適格性に欠ける、こういうようにまず推定されるであろうと思います。
#19
○横山小委員 私は、詳細はきょう初めて聞くのですから、客観的に聞くのですが、そのときに吉田倉庫は作為的な状況にあったか、それとも、不作為の状況といいますか、つまりうっかりしておったという状況にあったと認定をされておるのか、その点はどうですか。
#20
○大月説明員 その点は、検察当局の調べによりまして、情を知っておったということになっております。
#21
○福永(一)小委員 その銀行がこれは担保が怪しいと気がついたのは、どういう動機からそれはわかったのですか。
#22
○大月説明員 名古屋の陸運局の検査の結果、六月に記載内容と事実と相違しておるということがわかったわけであります。
#23
○福永(一)小委員 銀行がそれに気がついたのではなくて…。
#24
○大月説明員 検査の結果判明いたしました。その結果善後措置を講じた、こういうことでございます。
#25
○奧村小委員長 次に、株式の名義貸し事件、これはただいま刑事事件として公判が開かれておるのでありますが、これについて、先日の大蔵委員会において同じく春日一幸君から質疑がありまして、これは後刻政府から御答弁を求めることになっておりますが、その質疑の内容は政府委員の方でよく御承知のことと思うのであります。ただいま大蔵省の証券課長補佐岸本説明員が見えておられますから、まずこの小委員会で十分審議して、また本委員会で質疑を続行したい、こういう予定でありますので、この小委員会で御答弁をお願いいたします。
#26
○岸本説明員 本年の七月二十四日に東京地検から四大証券が起訴されておるわけでございますが、その名義貸しと申しますのは、証券業者が、従来からの慣習もございまして、証券業務遂行上のサービスの一つといたしまして、証券投資に未経験あるいはまた特殊な関係にございます顧客の便宜をはかるために、配当の受領とかあるいは新株の払い込み等の事務の代行をやっておるのであります。顧客に対しまして証券業者がその際に名義を貸与いたします。従いまして、いわゆる保護預かりを受けたような株券を当該証券業者の名義に書きかえるという形式をとるわけでございます。そういう業務を証券業者はほとんどが無報酬でやっておるのでございまして、顧客の方の利便というような点もございまして、いわばこの名義貸しというものが商慣習的になっておったわけでございます。ただ、この名義貸しが、個人の財産を秘匿しようというような目的のために利用されがちであるという状況であったわけでございます。こういう名義貸しの実態にかんがみまして、税務当局におきましては、三十三年度の税制改正の際に、所得税法の六十一条後段に、業務に関連して他人のために名義人として配当所得の支払いを受ける者の当該配当所得については、計算書を政府に提出しなければならないという規定を入れたわけでございまして、この規定によりまして、証券業者は、その名義貸しに関する計算書を、各人別に、配当の支払いを受けた年の翌年一月末までに税務署長に提出することになったわけでございます。ただ、金額的に限度がございまして、三十二年分につきましては十五万円まで、三十三年以降につきましては五万円までは提出が不要ということになっておるわけであります。今回検察当局で起訴されました問題は、この所得税法の規定によりまして、提出すべき限度額以上の分につきましての計算書の提出を怠った責任を追及されたものでございます。具体的な実態面のどの程度の金額が計算書の提出から脱漏しておったかというような問題につきましては、現在国税庁が調査されておりますので、これは国税庁の方からお答えを願うつもりでございます。
 以上御説明いたします。
#27
○横山小委員 国税庁の調査は、あなたの方としてその概要はわかりませんでしょうか。
#28
○岸本説明員 概略ある程度聞いておりますが、正確な数字につきましては、われわれの方の業務の範囲外でございますので、国税庁の方から御答弁願いたいと思います。
#29
○横山小委員 時間の節約上、責任を持たないでも、大体どんなことになっているかということはわからぬかということです。
#30
○岸本説明員 理財局といたしましてつかんでおります数字は、検察庁から起訴された場合の人員なり金額の脱漏部分の数字を、起訴された四社の側から聞いておりますので、この数字を申し上げておきたいと思います。四社合計におきまして、人員では四百九十八人、金額では約一億八千五百万円が脱漏しておったということになっております。
#31
○横山小委員 三十二年四月の本委員会で法律改正をしたあと、あなたの方で、こういう法律改正がされたんだ。その当時証券業者からもいろいろ議論があったけれども、この国会できまってからの行政措置はいかに行われ、いかにそれが徹底されたか、それは効果がなかったのか、それにもかかわらず、とにかくこういうような刑事事件が勃発したという点について、行政上の責任があると思うのですが、そういう点はどうなんですか。
#32
○岸本説明員 大蔵省といたしましては、顧客の注文の処理を正常にするというような観点からいたしましても、証券業者が顧客の氏名または住所を記載して処理すべきである帳簿とか伝票とか、あるいは証書の作成等に当りまして、故意または不注意によって、偽名とか、変名とか、あるいは仮設の人名とか、あるいは虚偽の住所をもって処理するということを厳重に戒めるようにいたしております。およそ、証券業者が業務を執行するに当っては、法令を順守いたしまして、その許された限界を厳格に守るべきであるという旨の通達を出しているのです。そのほか、機会あるごとに所得税法の改正によりまして、従来からの惰性によって名義貸しの行為を行うことが、いかに顧客の便宜になるとはいえ、それによって財産の秘匿の目的に利用されるということは極力避けるべきである、というふうな指導をいたしております。
#33
○横山小委員 そんな形式的なことを聞いておるのじゃないのですよ。それはもう前々から言っておることであって、法律改正後において、行政官庁として、今度はこういうことになったんだからあきませんぞという特段の措置をしたのか、特段の措置をしても何ら実効が上らなかったのか、こういうことを聞いておるのです。
#34
○岸本説明員 所得税法の改正が行われまして、その直後に証券業協会連合会の総会がございまして、その機会に、これらの点につきまして十分な法令の順守をすべきであるという説明もいたしております。なおまた、三十二年分につきましては、一応十五万円というような限度がございますが、法律では五万円ということになっておるわけでございまして、三十三年分については経過的な意味において十五万円ということが設けられたわけでございますけれども、大蔵省といたしましては、少くとも所得税の規定を厳格に順守すべきであるというような指導を、あらゆる機会にいたしておるわけでございます。
#35
○横山小委員 答弁になりませんから、それは保留します。
 それから、その次に、この名義貸し事件が起きてから、証券業界及び学者等の間に、商慣習として実行されておるこれらの問題については、現行法それ自体が実情に合わぬのではないかなどのごとき意見がずっと出ておるわけです。それを実態に合せるべきである、こういう意見が出ておるのですが、それらの意見をどういうふうに考えておられるか、またどういうふうに今後されようとしておるのか、その点を一つ聞かして下さい。
#36
○岸本説明員 従来から、いわば証券業務遂行上のサービスといたしまして、慣習的に名義貸しということが行われておったわけでございますが、これは、証券業者と特殊な関係にある客の便宜をはかるとか、あるいは証券取引に未経験な客のために、配当の受領とか、あるいは新株の払い込みというような事務の代行をやってやるということでございまして、そういう客の単なる利便のためだけに、税法上の追及をのがれることを容易にするということはいかがかということでございまして、いろいろ学者その他経験者あたりにおきましてそういう御意見があるようでございますけれども、単なる顧客の利便という問題と財産秘匿という問題を比較検討いたしてみますと、単にそのことだけでもって、財産秘匿によって税法の追及を免れようということに加担すべきではない、われわれといたしましてはそういうふうに考えております。従いまして、所得税法の規定におきまして計算書の提出が規定されました以上は、証券業者に対しましては、それらの規定を順守して計算書を厳密に提出すべきであるという指導を進める所存でございます。
#37
○奧村小委員長 これは小委員長からお尋ねします。この株式の名義貸しの税法上の問題は、税に関する小委員会もあることでもありますし、その方でまた十分御審議を願うことにいたしまして、小委員長から一つお尋ねいたしますが、証券業界所管の課長にお尋しておきたいことは、この名義貸し事件に関連して、会社の自己株保有がかなり問題になったように聞いておるのです。つまり、会社の自己株保有が、これは商法違反ですから、その自己株の名義は一体だれの名義になっておるか。おそらくそれは証券会社の名義になっておる。そこで、証券会社の株式名義貸し事件から、自己株保有という問題が浮び出たことと思う。そこで、証券課としては、証券会社の名義になっておるところの会社の自己株は大体どのくらいあるか、また大口のたとえば海運とか電力とか、特に大口の自己株所有はどういう方面であるか、これを一つお聞きしておきたいと思います。
#38
○岸本説明員 自社株保有の問題に関連いいしまして、名義貸しが利用されるという御質問でございます。確かにそういう面はあるかと存ずるわけでございますが、この七月二十五日にも、東京地検は山下汽船その他五社を商法違反の容疑で捜査いたしております。自社株保有の商法上の二百十条の規定自体につきまして、いろいろ現在学界その他で論議もされておるわけでございまして、今後それらの規定をどういう方向に持っていくかという問題につきましても若干の時日がかかると存ずるわけでございますが、現在、証券業者が、名義貸しに関連いたしまして、その自社株保有のいわば幇助的なことをやっておるじゃないかという点につきましては、大蔵省といたしまして、特にこの点についての厳密な調査をいたしておりませんので、数字的にどの程度あるかということを現在申し上げられない段階にあるわけでございます。
#39
○奧村小委員長 小委員長から重ねてお尋ねするが、肝心のところをぼかされるが、自社株保有は商法をもって禁じてあるわけですね。その商法の規定そのものが妥当かどうかは議論になっておるけれども、しかし現在は法律で禁じてある以上は、その禁じたことが現に行われて、検察庁で問題になった。そこで、その所管の証券課にお尋ねするのは、その名義貸しの問題で、現に証券会社の名義を借りて自社株の保有が相当あったはずなので、それは一体どのくらいあったか。そのくらいは当然あなたの方で調べてあるはずだから、こちらのお尋ねしたことに答えていただかぬと困る。その法律がいいか悪いか、そんな大きな問題はここで論ずる話ではないので、また別の機会に譲るとして、私のお尋ねしたことを答えてもらいたい。
#40
○岸本説明員 自社株保有の問題に関連いたします点につきましては、証券業者は、むしろ名義を貸しておる場合よりも、自社株保有を実質的にやりたいという発行会社の株の架空名義、あるいは、たとえばその発行会社の友愛団体、そういったようなものの名義で行われておる場合がむしろ多い状況のように、われわれとしては見ております。従いまして、この名義貸しの問題が、自社株保有の問題に関連して利用されている度合いは、比較的少いのではないかというふうに見ておりまして、現在ある程度の調査は進めつつある段階でございますけれども、その数字をつかんでおりません。
#41
○奧村小委員長 どうも不十分な答弁と思いますが、しかしこれはきょう急に答弁を求めるのも無理かわからぬが、今の答弁ではまことに不十分と思います。これは、当然、証券課として、あれほど問題になったことだから、調べてなければならぬと思うので、一つ次の委員会までには十分資料を整えて、もっと明確な御答弁のできるように用意を願いたいと思います。――あと何か御質問ございませんか。
 それでは、小委員長の方からまとめて資料を要求いたしますから、政府委員の方で御用意を願います。
 ただいま小委員長からお尋ねいたしました、この株式名義貸しの現在公判中の事件に関連する証券会社名義の配当金のうち、自社株に対するものはどれだけか、またこれは、電力なり海運なり、そういう大きな部門については、部門ことに資料を提出していただきたい。
 それから、千葉銀行が前頭取古荘氏に対する起訴がなされておりますが、これに関連して社会党の方からの質問書が提出されております。いずれこの質問書に対する政府の答弁書は届けられるはずでありますが、本委員会にも、その答弁書とともに、できるだけ詳しい御報告をいただきたい。これも次の委員会までに御用意を願いたい。
 本日はこの程度にとどめ、次会は追って御通知いたします。これをもって散会いたします。
    午前十一時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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