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1958/10/30 第30回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第030回国会 国土総合開発特別委員会 第3号
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1958/10/30 第30回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第030回国会 国土総合開発特別委員会 第3号

#1
第030回国会 国土総合開発特別委員会 第3号
昭和三十三年十月三十日(木曜日)
    午後一時五十一分開議
 出席委員
   委員長 篠田 弘作君
   理事 今井  耕君 理事 薄田 美朝君
   理事 竹谷源太郎君 理事 館  俊三君
      五十嵐吉藏君    福田  一君
      松澤 雄藏君    八木 一郎君
      亘  四郎君    石山 權作君
      兒玉 末男君    西村 関一君
      長谷川 保君
 出席国務大臣
       国 務 大 臣 山口喜久一郎君
 出席政府委員
        経済企画政務次
        官       河本 敏夫君
 委員外の出席者
        総理府技官
        (北海道開発庁
        企画室長)   古村 次郎君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合開発局長)  浅村  廉君
        総理府技官
        (経済企画庁総
        合開発局特別地
        域開発課長)  和里田新平君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国土総合開発に関する件
     ――――◇―――――
#2
○篠田委員長 これより会議を開きます。
 国土総合開発に関する件について調査を進めます。質疑の通告があります。これを許します。西村関一君。
#3
○西村(関)委員 本日は、国土総合開発一般諸問題について、格関係大臣の御所見を承わりたいと思っておったのでありますが、いろいろな御都合で十分な時間がございませんので、最初に山口北海道開発庁長官にお尋ねいたしたいと存じます。
 北海道の開発につきましては、第一次五カ年計画がすでに終りまして、第二次五カ年計画の時期に入ったのでございますが、第一次五カ年計画の成果にかんがみまして、第二次五カ年計画においてはどういう点に重点的な施策を行なっていこうというお考えでございますか、まずその点からお伺いをいたしたいと存じます。
#4
○山口国務大臣 第二次五カ年計画は、第一次五カ年計画のいわゆる延長でございまして、北海道の持つ豊富な未開発資源という、広大な地域の開発が目的であることは、申すまでもないことでございます。北海道の総合開発第二次五カ年計画は、昭和三十三年度を初年度といたしまして、大体三十七年度に至る五カ年間を計画の期間といたしております。この計画の目標といたしましては、特に国の経済に大きく寄与する産業すなわち石炭、木材、畜産物、テンサイ糖等の大幅な生産の拡大を中心として、その他の未開発資源の開発を促進するとともに、用地、用水に恵まれた立地条件を生かしまして、これらの資源を活用する幾多の工業を積極的に開発振興して、産業構造を高度化の方に進めつつ、労働人口の吸収と、道民所得の増大をはかる、これが大体一般的な考え方でございます。
#5
○西村(関)委員 一般的なそういう北海道総合開発の目的なり目標等につきましては、本員も承知をいたしておるのでございますが、伺いたいと思います点は、第一次五カ年計画が成功した面、あるいは失敗した面、当初の計画に対してこの五カ年間の成果がどの程度上ったか、また当初の目標に対して、この点とこの点が失敗したというような反省のもとに第二次五カ年計画が立てられることは、当然であると思うのでございますが、そういう点に対する御検討と申しますか、御見解を承わりたいと思うのでございます。
#6
○山口国務大臣 第一次五カ年計画は、大体所期の目的を達成しておると私は見ております。御承知の通り、総額千三百億円の計画に対しまして、実施額が約七百七億円になっております。達成率といたしましては五四%程度であるということになっております。小さく申し上げますと、道路、農業――土地改良及び開拓を含みます。林業、住宅、都市計画においては五五%、港湾、河川、砂防、水道等は五〇%程度でありますが、この点はやはり所期の目的とまで申すわけには参りません。次に、開発目標の達成率について申し上げますと、大体耕地においては九〇%、乳牛の導入においては、最初の目的より約一四%上回っておりまして、一一四%になっております。電力が八一%、ただし、目下工事中のものを含めますと一〇五%、こういうことで、五%上回っておるのであります。これらの達成率からいたしますと、相当高率を示しておるのでありますが、主食や水産については五五%、六〇%というように、これは十分ということばできないかと思っております。また人口の収容という点においては、これははなはだ所期の目的には沿わないものがありまして、約三三%ということになっております。この点につきましてはいろいろ私も意見がありまして、大体農業面において人口をやたらに増加するというようなことは、私の代からは、あまりこれに力を入れるべきではなくして、重要なる産業を誘致して、これから増加する人口、こういった面を私は考えておるような次第であります。
#7
○西村(関)委員 ただいまの大臣の御答弁では、第一次計画は大体において成功した、そういう御見解のようでございますが、私の承知いたしておりまする範囲におきましては、松永安左衛門氏を会長といたしまする、民間の機構ではございますが、産業計画会議からの勧告書が出ておりますことは、大臣も御承知だと思います。これはどれだけ権威のあめるものであめるかは別問題といたしまして、相当な民間の権威者が寄りまして、とらわれない立場から北海道の産業開発の治績を検討した結果に基くリコメンデーションであると思うのでありますが、これによりますると、かなり手きびしい批判が――一一私はここでそれを申し上げる必要はないと思いますけれども、これらの点につきましては、それぞれの立場の見解の相違というものがあると思いますけれども、こういうものがやはり国民の前に披瀝されておるということに対して、今の大臣の御答弁では、全然失敗はなかったとまではおっしゃいませんでしたが、大体において成功しているという御言見解のようでございます。この間の食い違いにつきまして御答弁をいただきたいと思うのでございます。
#8
○山口国務大臣 私が大体の成功と言いましたのは、千三百億を見込んで、その半額程度の七百七億が消化されております。ですから、大体半ばは達成された、こういうことを申し上げた次第でありまして、今申し上げた通りのでこぼこに対しましては、第二次五カ年計画でこれを修正しながら、所期の目的を達成するように努力をいたして参りたい。もちろん、松永さんの御意見、あるいは稲葉論文といった点につきましては、私も謙虚な態度でこれを拝読し、あるいは意見を聞いているようなわけでありまして、十分今後の施策の参考にいたしたいと思います。
#9
○西村(関)委員 私率直に大臣にお伺いいたしまして、また大臣の率直な御答弁をいただきたいと思うのでございます。それは、ただいまお答えになりましたように、北海道の総合開発五カ年計画は一応成果を上げたという御見解ではございますけれども、産業の開発の面においても、また内地の余剰人口を吸収するというような面においても――農業人口を北海道に吸収するといったようなことは、北海道開発の主たる目的ではなかったと思いますけれども、そういった方面におきましても、今までは農業開発方面にだけこれが向けられておったことは、必ずしも成功ではなかった、今後は重点的な産業を興すことによって、この方面に農業の余剰人口を吸収していこう、こういうようなお考えのようでございますが、北海道の産業開発の面におきましては、やはり農業開発ということもゆるがせにできないことは、今さら私が指摘するまでもないところであると思うのでございます。こういう面におきましても、従来の施策がただ補助金制度といったものだけで、困難な未開発のところに移って参ります人たち、しかも寒冷地で、一年のうち半分以上も仕事ができないというような悪条件と戦っております移住民のために、十分な政府の補助の手が伸ばされていなかったというような点も、農業開発の面におきまして十分な成果を上げ得なかった点ではないかと思うのでございます。こういう点につきましては、これを全然切り離していかれるわけでありますか、あるいはまた、こういう困難な農地の開発に従事しているところの開拓民、移住民の人たちに対しまして、どういうお考えを持って今後臨まれるのでございますか、その点もお伺いいたしたいと思うのであります。
#10
○山口国務大臣 農業開発の面におきましては、今度の計画の中では、農村人口の約一五%増で、三十七年度、いわゆる第二次五カ年計画の終りにおいては、人口五百五十万人になるというような一応の目安は立てております。しかしながら、お説のごとく、現在開拓農民として入植された人々が、補助とか、その他、立地条件あるいは指導よろしきを得なかった等の面も見受けられまして、現在入植している人々が非常に困窮している面がちょいちょい見受けられますので、私は無理にこの入植を勧めるよりも、今現に入植している人々の生活面を十分考慮して、これらの人々の生産生活が安定した上でまた次の入植を考える、こういうふうな考えで進みたいと思っております。
#11
○西村(関)委員 今の大臣の御答弁ですと、農業開拓者のためにはきわめて消極的なお考えのように承わるのでございます。現在入植している人たちの問題は考えていかなければならないが、新しく入植しようとする者に対しては、あまりこれを奨励しないというような御見解のようでございますが、そういう農業開拓民の問題は、北海道にとりましても私は非常に大きな問題の一つであると思うのでございます。これに対して、寒冷地の農業の特殊性を生かして、たとえば北欧あたりの寒冷地における農業が、総合的な立体的な施策によりまして十分な成績を上げておりますように、新しい村作りというような立場から、ただ単に農地の造成、農業開発という面だけでなくて、そこに新しい北海道の農村文化を築き上げていくというような、総合的な見地に立つ雄大な構想のもとに、今後の北海道におけるところの農業開発――そこにやはり農村工場というものをも含み、新しい北海道の農村の文化を築き上げるといったような、そういう面に対する大臣のお考えはないか、そういうことを伺いたいと思うのでございます。
#12
○山口国務大臣 もちろん、お説の通りでありまして、北海道の寒冷地農業の開発のためには、やはり立地条件をよくしなければならぬ、生活条件も環境も考えていかなければならなぬ、これがためには、やはり土壌の改良であるとか、あるいは御承知の通り、パイロット・フアームのように、いわゆる機械的に開墾して、そうしてより多くの収量と、より便利に耕作できるような方法にこれをます変えなければならぬ、私はかように考えておりますので、そういった面から、現在すでに入植しておる人々で、無計画な入植というか、ともかく、入植を奨励したために困っておる農家も相当ございますので、まず私は、これらの農家がせっかく北海道の新天地に移り住んで、そして多くの希望を持ってきた人たちのその希望に報いる努力と同時に、将来の農業開発の面においては、思い切った、ただいま申し上げたような機械化農業であるとか、土壌の改良であるとか、こういった面にこれから力を尽していかなければならぬという考えでありまして、今申し上げます通り、二つの考え方で、今後の入植者に対して決して私は希望を断っておるというわけではございません。
#13
○西村(関)委員 いろいろ大臣のお考えも伺ったのでありますが、北海道の総合開発に対する機構の問題につきましてお伺いをいたしたいと思いますが、機構を生かすところの根本はやはり人であるということは、これは申すまでもないのでございますけれども、また、機構が最も簡素であり、またそれが当を得ておる機構でなければならないということも、言うまでもありません。北海道の開発に対する機構の面におきましては、必ずしも十全が期せられておるというふうには思われない節がある。たとえば、開発庁があり、また一方においては開発局がある、そうしりてその究極の責任は各省が持つというような状態のもとにおいて、いろいろそこに相錯綜するような面も自然できてくるということは、当然考えられると思うのであります。こういったような面につきまして、機構の単一化をはかる、そうして運営の円滑をはかっていくというような点に対して、大臣は何らかの抱負を持っておいでになりますか、その点を伺いたいと思います。
#14
○山口国務大臣 お説の通りでありまして、私は開発庁長官に就任以来、今御指摘のような問題にはいろいろ苦心しておる次第でありまして、本来ならば、やはりストレートに開発庁が直接予算を使用し得るように、改める方法があれば、ぜひ改めて参りたい、こう思っております。
#15
○篠田委員長 西村君にちょっと申し上げますが、今、本会議が開かれましたので、一応質問を打ち切って、あとにしていただきたいと思います。
#16
○西村(関)委員 それでは、いろいろまだ伺いたいことがあるのでございますが、本会議が始まりました関係上、もう一点だけ伺いたいと思うのでございますが、この機構の簡素化、単一化をはかって、明確な機構のもとに運営の円滑をはかっていきたいという大臣の御答弁でございますが、これは即刻なさるお考えでございますか。この点につきましては、いろいろ準備をなさる必要もあると思いますが、聞くところによりますと、岸総理が北海道に行かれまして、自民党の知事が当選したならば、機構の単一化をはかるというようなことを言明されたとか、されなかったとかいうようなことを聞くのでありますが、こういったようなことが、単なる党利党略のもとに行われるということは、はなはだ遺憾であると思うのでありまして、私はそういったことが単なる風聞であることを望むものでございますが、大臣におかれましては、そういったことにかかわりなく、道民の利益のために、即刻この機構の単一化をはかって、事業の円滑化を期するという熱意を持っておいでになりますか。その点だけをさらにお伺いをいたしまして、私もまだ他に質問はたくさんございますが、一応これで質問を保留いたしまして、次会にいたしたいと思うのでございます。その点だけ、もう一度はっきりとお答えを願いたいと思います。
#17
○山口国務大臣 ただいまお尋ねのようなことは、岸総理大臣は絶対に言っていないと思います。私がお答えいたしておるのは、北海道開発庁自体の機構の改革でありまして、何か選挙にかこつけて、北海道の知事が社会党で、政府が自民党だというようなことがら、そういうふうにだれか想像されたかもしれませんが、岸総理はさような不用意なことは断じて言っておられないと思っております。ただいま申されたような問題は、前にもすでに大体できかけたそうでありますが、御承知の通り、農林関係で北海道には林野庁関係の仕事、資源が相当ございますので、こういう点においてなかなか困難な面もありますが、できることならば、何とかして私の在任中にこの機構の一元化ということに努力もしてみたい、こう思っております。
#18
○篠田委員長 理事会におきまして相談の結果、本日はこの程度にいたし、次会は来たる四日午後一時より開会いたします。
 これにて散会いたします。
    午後二時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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