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1947/01/23 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 司法委員会 第2号
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1947/01/23 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 司法委員会 第2号

#1
第002回国会 司法委員会 第2号
昭和二十三年一月二十三日(金曜日)
  ―――――――――――――
  委員の異議
一月二十二日委員山下義信君辞任につ
き、その補欠として宇都宮登君を議長
において選定した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○行刑問題調査に関する件
  ―――――――――――――
   午後二時一分開会
#2
○委員長(伊藤修君) それではこれより司法委員会を開会いたします。第一國会におきまして、行刑問題の調査会を設置いたしましたところ、御承知のように期日も切迫して参りまして、遂に調査が未了に終つた次第でありまして、引続き第二國会におきまして、劈頭において本調査会が設けられましたこの機会といたしまして、まず法案の出揃う前に、この調査会の目的を達成いたしたいと存ずる次第であります。つきましては、現在におけるところの行刑問題について、政府当局者におけるところの御意見をまずお伺いをし、そうしてこの問題に対し、各実際の面に携わつておられるところの管区長並びに所長等の御意見を伺つて、我々の建設的意見をこれに盛り上げて結果を得たいと存ずる次第であります。本日は、第一に政府側におけるところの現在の機構に対するところの御意見と、要機構に対するところの御抱負をお伺いして、まずこの問題の研究の第一歩を踏み出したいと存ずる次第であります。政府委員の御意見をお伺いいたします。
#3
○政府委員(岡田善一君) 委員長から御指名がございましたので、簡單に私共の考えておりますことを御説明いたしたいと存じます。
 終戰以來急激に犯罪者が増加して参りましたので、経済情勢の激変に伴いまして、行刑といたしましては未曾有の難関時代に遭遇して参りました。それがために当委員会でも問題になりましたように、幾多不祥事を起しまして、私共といたしましても誠に申訳ないことと考えております。それが対策といたしまして施設の増強、人員の、刑務職員の増加、或いは質的向上というふうな方面に対しまして、本年度におきましても十分御期待に副つてやつて行きたいというふうな趣旨を以ちまして、二十三年度の予算におきましても、その方面におきまして相当の経費の要求をいたしておるのであります。ただ本年度は種々の事情がございまして、いまだ予算の決定時期にまで到達しておりませず、その点につきましてどの程度まで認められるかということについて、非常に心配いたしておるのであります。いずれ当委員会におきましてもいろいろその点について、予算案が提出されましたならばお力添えを頂かなければならんのではないかと考えておるのでありますが、できる限り行刑の実情を御理解頂きまして、お力添えを賜わらんことをこの機会に切にお願い申上げる次第であります。
 主として私の方で考えておりますことは、まず刑務所の充実の問題であります。職員を相当程度増加して参りたい。それが一点であります。それから指導監督を十分にして行きたいというふうな趣旨を以ちまして、現在全國に八ケ所の行刑管区というのがございますが、それにつきましてももつと充実して、十分に機能を発揮し得るような組織にして行きたい。又職員の質的向上を計りますために、指導訓練の徹底を期して行きたい。それがために刑務官練習所の機構も現在より非常に充実さして行きたいということを考えております。又行刑の民主化と申しますか各方面の有識者のお智慧を拜借いたしたい。又行刑を廣く社会化して、社会の方の関心も持つて行つて頂きたいというふうな意見で、各刑務所に刑務委員会というものを組織して行きたい。現在法制上認められておりますのは、中央に一つと、行刑管区八ケ所に八つの委員会を最近漸く認められて参つたのでありますけれども、それを各刑務所に拡充いたしまして、民間の有識者の方にも委員になつて頂いた、行刑の運営、或いは作業の運営につきまして十分なお力添えを頂きたい。かような意味で是非とも刑務委員会を設置して行きたいというふうに考えております。又作業の面におきまして、近來ともすれば資材の入手難、その他の問題に関連いたしまして、相当作業経営が困難になつて参りました。私共といたしましては刑務所が受刑者に対しまして労働を強制する以上は、國家としてその労働をすべて労務を提出することが当然ではなかろうか。いわゆる國家が全部の労務につきましていろいろ心配して行くことが本当じやなかろうか。言い換えて申しますと、作業の官営主義ということを更に徹底して行きたい。それがともすれば予想されます民間との競合の問題を解決する上におきまして、最も良い方法じやなかろうかというふうなことで、官営主義を徹底さして行きたい。尚これに関連いたしまして、刑務所の労務をできるだけ國家の最も必要な方面に供給さして行きたい。それについて考えておりますのは、北海道の開発に関連してであります。國策上から見まして北海道の開発ということは國家の緊急の問題のように考えられます。從いまして本年度の作業の目標といたしましては、相当多数の労務を北海道の方に送りましてそうして北海道の開発に幾分なりとも寄與さして行きたい。かように考えております。近く私共の機構が変りますと、行刑と保護が一体化されまして矯正総務局、少年矯正局、成人矯正局というふうな三局に分れまして、在來ともすれば行刑と保護とが分離され勝ちでございましたのが、更に行刑と保護を一体化いたしまして、そうして收容者の矯正、改過遷善を徹底させて行くということに相成りまして、行刑本來の仕事も收容者の改過遷善でありまして、いかに行刑で努力いたしましても出て参りました後の保護に欠くるところがありましたならば、九仭の功を一簀に虧くの惧れなしといたしません。かような意味から申しまして今度新にできます制度が私共の本來の行刑の最後の仕上げにも非常に役に立つ制度ではなかろうかと考えているのであります。まだ発足もいたしておりませんので、どういうふうになりますか、今のところ必ずしもたやすく予断は許されませんが、私共といたしましては、新しき制度になりましたならば、更に我我の狙つておりまする收容者の遷善改過という点におきまして、更に一層の効果が期待されるのではなかろうかと考えている次第であります。簡單ではございますが、大体の方針を申上げまして御説明に代える次第であります。
#4
○委員長(伊藤修君) なにかこの際御質問のあるお方はございますか。
#5
○小川友三君 只今政府委員の方の行刑上の改善ということにつきまして概略的な御説明がございましたので、もう少し具体的にお伺いしたいところがありますので、その点お伺いいたします。施設の増強、職員の待遇を改善するために質の向上等を図るというお話がございましたが、それは前からよく聞いておることでありまして、刑務所にも幾多の不祥事ができて済まなかつというようなお話が中心でありますが刑務所の事件の多いのは、いわゆる職員にあらざる受刑者が職員の代りをやつておるというような点が、不祥事の大きな原因をなしておるのでありますが、職員の指導監督も戰爭中のようないわゆるフアツシヨ的な指導監督のような感じがするのであります。刑務所の職員は待遇が非常に悪くて、そうして仕事は非常に多い。待遇を改善せずして指導監督ばかり嚴重であつては、それは成立たないのでありまして、待遇改善に政府当局がもつとがつちりと努力をして下さつて、我々司法委員も皆さんが理解を持つていらつしやる筈でございますので、もつと待遇を優秀にしてやるという方法で、その上に指導と監督をして行く。食つて行けない程度の、一ケ月の生活費の殆ど半分くらいのサラリーをくれまして、指導監督をやつておる、司法当局は指導監督をやつているように見るけれども、下部組織は一向に食えないのだからできない。買出しに行くので休む、実家や親戚に食い延ばしに行くというので、相当休んでいらつしやる筈であります。そこで具体的に政府がサラリーをどのくらいにして、或いは手当をしてやつて行く。政府が或いは國会で予算をインフレ防止のために、取れませんならば、行刑局に勤めておる人に、特別に全國の有志の人に呼びかけて、行刑監督の後援会を積極的に起して、それで清淨なる寄附を仰いで、一千万なり或いは二千万なりを集めて、そうして指導監督に並行して、その中から待遇を改善する待遇改善費というものを出して行くというようなはつきりした建前を持つていないと何にもなりません。魂も何も入れないで、本当のペーパー・プランというようなものを立ててやつて行くだけでは効果がないのでありまして、是非どうか行刑局の職員待遇後援会というようなものを作つて頂いて、予算を余分に取つて頂くように、民間から協力を得るという方法を政府は持つておるか、いないかということをお伺いいたすと同時に、北海道に開拓に行く、開拓は何年やるのか、農業の開拓か、林業の開拓か、それとも石炭を掘るのかということを明確にして頂きたいのであります。ただ開拓といつて大水害の原因であるところの山を濫伐するために連れて行くのでは北海道の農民が可哀想だから、どの方面に開拓に連れて行くのか、具体的にもつと科学的に説明をお願いしたいのでありまして、これは今の政府委員の方で答えられませんでしたら、大臣からよくお伺いして頂いて、そうして御説明を是非お願いしたいのであります。特に石炭が不足しておるので、これに対して受刑者に労働をして貰うというような方法があるかどうか、それからこの労務をさせる受刑者を、いわゆる官営労務主義を中心にやつて行くという御説明がございましたが官営勞務主義ということであれば國家管理法案が通つておる石炭の増産の方に多く向けて行くのが順序と思いますが、その点をはつきりとお伺いしたいのであります。官営労務主義だからと言つて受刑者が國鉄の運轉をやつたり、車掌をやるということは到底できないのでありますから、受刑者の労務力を石炭の増産に振り向けるのが一番いいのではないかとひそかに思いますが、その点を明確にして頂きたいのであります。特に今日、本会議で政府当局、大臣の方は大いに産業の開発に力を入れておるのでありますから、我々も協力をいたしますが、石炭の増産という方面が官営労務として一番いいと思います。そこを具体的に我々議員の納得の行くように、漠とした御説明では何をやるのか掴みようがないから具体的に御表示を今できませんでしたらこの次の委員会にでもお願いしたいのであります。
#6
○政府委員(岡田善一君) 只今御指摘になりました刑務職員の待遇の問題につきましては、私共といたしましても一番重要な問題だと考えております。從いまして昨年來この問題につきまして、大藏当局と種々折衝を重ねて参りました。幸いにして或る程度の刑務職員の昇給につきまして認めて頂きましたので、昨冬相当額の昇給を実施いたしたのであります。更に私共といたしましては、この程度で満足はできませんので、目下も引続き大藏当局と折衝中なのであります。ただ給與の根本水準につきまして、未だ大藏省としても種々檢討されておるやに聞いておりますので、具体的に金額まで決定の域には達しませんけれども、相当程度考慮して貰えることになるのではなかろうかと考えております。殊に労働基準法の実施乃至は労働基準法の実施に伴ないまして、残業居残り等、その他の特別な手当につきましても、刑務官として当然考慮して貰わなければならん点が多々ございますので、目下大藏当局に対して折衝中でございます。併しながらそれを以ちましても、私共といたしましては、刑務職員の待遇を十分なりとは考えておりません。警察職員に対しまして、種々の後援会があるようでありまして、私共といたしましても刑務職員に対する後援会も是非必要だというふうな観点から、昨年來各刑務所長その他関係方面の方にお願いしまして、目下刑務職員の後援運動を展開中なんであります。経済状勢が非常に窮迫いたしておりまする関係上、果して私共の考えております程度に実効を收め得られるかどうかについては一抹の疑念なきを得ないのでありますけれども、近く本運動が相当の結果を收め得られるのではないかと考えております。尚北海道の開発に、受刑者の労務の活用の問題でございますが、この問題につきましては、地元の北海道廳の計画にも関連いたしますし、又失業対策その他の方面とも関係いたしますので、最近非公式ながら委員会を作りまして寄り寄り協議中でございます。又近く北海道関係当局とも折衝いたしまして、具体的な方法を見出して最も有効に、最も効果のあるような方法で労務を活用して行きたいというふうに考えております。御指摘の石炭方面、炭鉱方面に出すことも一つの方法だということも考えまして、現在すでに北海道に相当程度炭鉱労働者として受刑者を送り出しておりまするが、更に折衝いたしました結果、もつとはつきりとお答えし得る時期が近く來るのではなかろうかと考えております。現在のところ、具体的にどの方面に何人、どの方面に何人とまで明言し得ないことを遺憾に存じます。
#7
○小川友三君 政府委員の御答弁は大分詳しく御説明になりましたが、もう少し詳しくお願いしたいのですが、この次の機会にお讓り申上げまして、待遇改善という点から、刑務所職員の現状をお伺いいたしたいと思います。刑務職員の、いわゆる看守と申しますかそうした方の被服類でございますが、冬服はどういう程度に行き渡つておりますか、お伺いいたします。恐らく古いぼろ服を着て、不自由をしていらつしやるに相違ないのでありますが、日本の繊維事情は刑務所職員の方々に新たに官服を着せるだけの繊維が十分あります。私の調査では、名古屋地区と岐阜地区に十万着分の服地があるのであります。これは盛んに横流しをしようとして業者が待ち構えておることは事実を把握いたしておりますのですが特に看守の方々にこれを振向けられるだけの力があります。それと政府当局が親心を持つて、衣料切符の枠をお廻しになりますれば、公定價格で手に入ります。どうか政府御当局の御盡力によりまして、看守の方に一着づつ冬服を是非この冬は廻して頂きたい。冬服はいたんで、殆んどなくて困つておる筈でありますからして、御手配をお願いいたしたいのであります。紡績会社は名前も分つておりますから、御必要とあらば、次の委員会に発表申上げます。十万着以上、十分用意されております。それは政府の方じやなく、民間が持つている物であります。
 それから今度は、もう一点申しますが、收容者の蒲團類と、看守の蒲團類でありますが、共に非常に不足いたしておりますが、これはやはり隱退藏物資になるかならないか分りませんが、繊維業者が相当に持つておりまして、これを政府が衣料切符の枠を廻して頂いて、入手するだけの十分用意は現在ございますからして、御盡力をぜひお願いしたいのであります。
 それから北海道及び東北地区、或いは日本海寄りの寒い所の刑務所ですが看守の方が、短靴を穿いて、或いは下駄を穿いておるという状態でありますが、防寒せるゴム靴の配給をしてもらいたいのであります。ゴム靴はないと政府に言わせません。ゴム会社が終戰のどさくさに便乘をいたしまして、巧みに、運輸省であるとか、各省のストツクを入手して、相当の量を持つております。これも枠を以て、いわゆる政府の力で配給させるという方法をとりますれば、刑務所の看守の方、或いは職員の方等に、一足づつならば、間違いなく行き渡る程度のものがあるのであります。本員が去年摘発したゴムの十三トンも、十五万足から二十万足のゴム長靴ができる量でありますが、これも運輸省の名前で隱匿されたものでこれは無論僞造証書でありますが、これは司法省に話しましたけれども、これはうやむやになつてしまつて、その工場に又調査に行くと、その工場では縣廳から拂い下げしてもらつたという又本当の証書か、僞造証書か分りませんが、持つておりまして、手がつかんわけでありますが、そのゴム会社は名前も分つております。十三トン持つております。拂い下げたような形式で抑えようがなくなつておりますが、そうしたわけで、ゴム長靴を全國の刑務所の方に全部廻るだけのなにがあるからどうか御盡力下さいまして、何分刑務所職員の方々の待遇に、今一段の御盡力をお願いしたいのであります。
 被服の件、蒲團の件、ゴム長靴の件、この三つでありますが、及ばずながら本員等も盡力を申上げますから、お願いしたいと思います。
#8
○委員長(伊藤修君) ちよつとここで十分間休憩いたします。
   午後二時二十八分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時四十二分開会
#9
○委員長(伊藤修君) それでは休憩前に引続きまして開会いたします。
 第二課長瀧澤氏の御説明を願います。
#10
○説明員(瀧澤勝司君) 先程局長の方からも話がございましたが、これに対しまして小川さんの方からも質問がございました北海道の開発事業に対する囚人の協力の案でございます。これにつきましては実はまだ本当の案だけでございまして、どういうふうに決定するかということは、中央における各関係機関、又特に北海道の特殊事情といたしまして、北海道の地元の官廳、民間の人とよく協議いたしまして、その実施の具体案については、その協議の結果にいたしたいと考えておるのでありますが、私共の事務当局が考えておりますところの案と申しますか、これを一應御参考のために申上げたいと思うのであります。実は先般來話がありますように、收容者が非常に殖えて來ると、一面においては戰爭中殆ど全面的に軍需産業に労力を供給しておりましたところの刑務所の労力というものがその提供先を失いまして、刑務所の中にも亦失業問題というものが生じておる、この刑務所の失業者というものを何とか有効に國家的な方向に使う方法はないものだろうか、こういうふうに考えておるのであります。まあ外の一般の國民と違いまして、刑務所の中における失業ということは本人にとりましても非常に苦痛なのであります。殊に作業の種類によりまして食事等が減らされますので、何とかして仕事に就きたいというのが一般受刑者の氣持であるのであります。又國家の立場から見ましても、何とか國家の管理しておる労力を國家的に使うということはどうしても致さなければならん問題であると考えておるのでありますが、先程申しました通り、非常にその方法が講ぜられないのでありますので、我々事務当局としても非常に困つておるのであります。又これを國家的な方向に使う、これについてはひとり司法省だけでなしに政府の各機関、又國会方面においても、是非これを司法省だけの問題としてでなしに、國家全体の問題として取上げて頂きたいと考えておるのであります。そこで考えましたのが北海道の開発に対する囚人の労力の利用方法、こういうものを考えて見たのであります。実は北海道の開発についての囚人労力の利用ということは今囘が初めてではないのでありまして、明治十二三年頃から約二十年間に亘りまして、多い時は一万人以上の收容者を使いましてあの北海道の開発をやつたのであります。現在の岩見澤とか、釧路とか、帶廣、網走等は当時原野の中に特に開拓のために刑務所を造つたということになつておるのでありまして詳しい話は省略いたします。何千町歩かの開墾をして、これを一般の入植者に拂下げる、又道路の開鑿等については非常に大きな功績があるのであります。現在中央道路と称しますところのあの北海道の幹線道路は囚人の血と汗によつてできたといつてもいいと思うのであります。その他炭鉱の開発とか或いは屯田兵宿舎の建設、学校建設、こういうような方面に非常に労力を利用しておるのであります。これは行刑上の立場としては必ずしも成功だとはいえないのでありますが、少くとも北海書の開発についての囚人の作業というものは大きな功績があつたということは覆うべからざる事実だと思います。今囘敗戰に伴いまして、我が日本がこの狭い土地を開墾し、そうして食糧の増産を図らなければならん。そのためには北海道には七十万町歩もの開墾予定地がある、こういうことを聞いておりますので、これを勿論全部というわけでありませんが、囚人を使いまして、明治初年と同じ考におきまして、囚人のような國家の管理しており而も組織的な労働力を利用いたしまして、先ず荒蕪地を開拓する開墾するそうして開墾だけでなしに、そこに住宅を建ててやる、道路も拓く、こういうような或る意味において村作りをした上で一般入植者に拂下げて行く、入植させるという方法を採つたならば非常に入植も安易であり、計画も成功するじやないかと考えておるのであります。申すまでもないのでありますが、海外の引揚者とか、或いは戰災者等があの荒野の中に入つて、自分で伐採しそうして開墾するということは、勿論できない話だと思うのであります。そういうようなところで事実生活できるようになるまでには、死んでしまわなければならんような状況だろうと思いますので、我々といたしましては、まず入植者の準備作業みたいな、村作り作業を囚人労力を利用してやつたならばどうか、こういう考えを持ちまして先般も各関係機関の方に御意見を聞いたのであります。趣旨といたしましては、非常に結構だというような御賛成も得たのでありますが、勿論これは趣旨だけに止まりまして、その実質的の方法についての可否ということまでは入つておらんのでありますが、そういう方面に利用したならば、國家の今日の重要國策に協力させることになりまして、非常に爲になるのではないかと考えております。我々の考えましたのはそういう点なんでありまするが、この間の協議の席上におきましては、單に開墾村作りだけでなしに、あの北海道の開発ということはひとり開墾のみに止まらず、先程もお話がありましたように、北海道の石炭の採掘とか、或いは伐採とか、そういうような方面もあるし、又土地改良の方面にも、大いに利用すべき点が多々ある。又道路の開墾もある。尚廣く言いますればいろいろの意味の仕事にまで協力させる仕事が多方面にあるのだから、その実施案については、更によく協議しようというような話であつたのでありますが、いずれにいたしましても、この案を具体化いたしますについては、我々だけでなしに、皆樣方のお智慧も、又御協力をも得まして進めて行きたいと思うのでありますが、國会の皆樣方におかれましても、司法省だけの問題とお考えにならずに、國家全体の問題としてこの北海道開発作業に対する我々の案を御支持下さるようにお願いいたしたいと思うのであります。簡單でございますが、一應御説明いたします。
#11
○委員長(伊藤修君) それではこれはこの程度にいたしておきまして、この際お諮りしておきたいと存じます。地区管区長を証人として喚問いたし、尚二、三各現場においでになるところの所長も直接当委員会の証人として喚問して現場の事情等を伺つたらどうか。こういう段取りにいたしたら如何かと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(伊藤修君) ではその日時と人選は委員長に御一任願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(伊藤修君) 次に休会を利用いたしまして現地を視察いたしたいと思いますが、これに対する場所その他について御一任願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(伊藤修君) では本日はこれを以て散会いたします。
   午後二時五十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           鈴木 安孝君
           岡部  常君
   委員
           大野 幸一君
           齋  武雄君
           中村 正雄君
           奧 主一郎君
           水久保甚作君
           宮城タマヨ君
           阿竹齋次郎君
           小川 友三君
           西田 天香君
  政府委員
   (行刑局長)
   司法事務官   岡田 善一君
  説明員
   (行刑局第一課
   長)
   司法事務官   小川 太郎君
   (行刑局第二課
   長)
   司法事務官   瀧澤 勝司君
ソース: 国立国会図書館
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