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1947/05/05 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 司法委員会 第21号
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1947/05/05 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 司法委員会 第21号

#1
第002回国会 司法委員会 第21号
昭和二十三年五月五日(水曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○裁判官の報酬等に関する法律案(内
 閣送付)
○檢察官の俸給等に関する法律案(内
 閣送付)
  ―――――――――――――
   午前十一時二十分開会
#2
○委員長(伊藤修君) これより委員会を開会いたします。本日は裁判官の報酬等に関する法律案、檢察官の俸給等に関する法律案、両案を一括して議題に供します。先ず便宜上政府委員の各條に対する簡單な御説明を伺います。
#3
○政府委員(岡咲恕一君) 裁判官の報酬等に関する法律案につきまして、簡單に逐條御説明を申上げます。
 第一條、裁判官の受ける報酬その他の給與については、この法律の定めるところによる、この第一條につきましては、別段申上げることもございませんで、裁判官の受ける報酬その他の給與がこの法律の定めるところによつて支給せられるのだということを示したわけでございます。第二條、裁判官の報酬月額は、別表による。これも別段申上げることはございません。第三條各判事、各判事補及び各簡易裁判所判事の受ける別表の報酬の号は、最高裁判所が、これを定める。これは、一應裁判官の報酬月額は別表によつて定まつておるのでございますが、具体的に個々の判事の俸給を定めますにつきまして何号の報酬を與えるかということは、最高裁判所がこれを定めるのであるということを示したのでございます。
 第四條、裁判官の報酬は、発令の日から、これを支給する。但し、裁判官としての地位を失つた者が、即日裁判官に任ぜられたときは、発令の日の翌日から報酬を支給する。
 2裁判官の報酬が増額された場合には、増額された日からあらたな額の報酬を支給する。これも別段申上げることはないと思います。
 第五條、裁判官が死亡し、又はその地位を失つたときは、その日まで、報酬を支給する。これも別に申上げることはございません。裁判官が死亡したり、或いは地位を失つたときには、その日までの報酬を支給するというのであります。
 第六條、裁判官の報酬は、毎月、最高裁判所の定める時期に、これを支給する。但し、前條の場合においては、その際、これを支給する。裁判官の報酬は、最高裁判所が定めます期日におきまして、その月分の報酬を支給するのであると、これが原則でございまして、ただ前條の第五條に定めましたように、死亡したり、或いは裁判官の地位を失つたというときには、その際にこれを支給するのであるということを定めただけでございます。
 第七條、第四條又は第五條の規定により報酬を支給する場合においては、その報酬の額は、報酬月額の二十五分の一をもつて報酬日額とし、日割によつてこれを計算する。但し、その額が報酬月額を超えるときは、これを報酬月額にとどめるものとする。これは第四條、第五條の場合によりましてその月の報酬を定めるといたしますとその日割の計算をいたさなければならないわけなので、その日割の実額をどう定めるかと申しますと、これは報酬月額の二十五分の一を以てその報酬実額と定めるのだということを定めておるのでございます。そうしてその計算がその報酬月額を超えるという場合には、これは計算上変なことになりますので、そういう場合には月額を以てその月の報酬金額とするという趣旨でございます。こういう計算方法は、國家公務員法による場合、それから内閣総理大臣その外の報酬につきましても、大体こういう基準によつて計算されるということになつておるように承わつております。
 第八條、裁判官の退官手当は、一般官吏の例に準じて最高裁判所の定めるところにより、これを支給する。但し彈劾裁判所の罷免の裁判に因る退官の場合には、これを支給しない。これは別段申上げる必要はないと思います。
 第九條、報酬及び退官手当以外の給與は、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官には、國務大臣の例の準じ、その他の裁判官には、一般の官吏の例に準じて最高裁判所の定めるところによりこれを支給する。但し、労働基準法の施行に伴う政府職員に係る給與の應急措置に関する法律(昭和二十二年法律第百六十七号)による超過勤務手当は、これを支給しない。第九條におきまして、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官には、報酬及び退官手当以外の給與と申しますと、勤務地手当が考えられますが、これは國務大臣の例に準じて支給するのである。それからその他の裁判官に対しましては、一般官吏の例に準じて最高裁判所の定めるところによつて手当を支給する。但し、いわゆる長官勤務手当は、これを支給しないのであるということを規定しておるわけでございます。それで、最高裁判所長官は内閣総理大臣と同額の俸給を受けるようになつておりましたし、又恐らく遠からず國会に提出になります政府の法律案によりますと、この新法律案によりましても、最高裁判所長官は内閣総理大臣と同額の俸給を受けることになると思いますし、最高裁判所の判事は國務大臣と同額の俸給を受けることになると考えております。高等裁判所長官は、認証官でもございますので、これは國務大臣に準じます。以上申上げました裁判官につきましては國務大臣の例に準じた給與を支給するのが相当と考えますので、第九條のような定めにいたしたわけでございます。その他の裁判官につきましては、これはやはり國家の官吏でございまするので、手当その外の給與につきまして、官吏の例に準ずるのが適当と考えまして、こういう規定を設けたものでございます。ただ超過勤務手当につきましては、これは國務大臣はもとより支給を受けないことになると思いますし、又一般の裁判官につきましては、これは一般官吏の本俸の規準が、この別表に定められておりまする裁判官の給與と報酬に比較いたしまして、相当開きがございますので、その点も考えまして、むしろ超過勤務手当を支給しないのが、一般官吏との均衡上適当であろうと考えられまして、超過勤務手当はこれを支給しないというふうに定めたわけでございます。
 第十條、生計費及び一般賃金事情の著しい変動により、一般の官吏について、政府がその俸給その他の給與の額を増加し、又は特別の給與を支給するときは、最高裁判所は、裁判官について、一般の官吏の例に準じて、報酬その他の給與の額を増加し、又は特別の給與を支給することができる。これは生計費とかその外一般賃金事情がインフレーシヨンの甚だしい進行、その外経済事情の著るしい変動によりまして実質上の報酬その外の給與が甚だしく制定当時の状態に比較いたしまして減額されたということになりますと、官吏といたしまして、その身分にふさわしいような生活もいたしかねることもございますので、政府が便宜そういう場合に應急措置といたしまして、政令を以てそのインフレーシヨンに、インフレーシヨンが主な原因であろうかと思いますが、給與の額を変更するというふうなことがあり得るということも全然予想されないではございませんので、仮にそういうふうな措置が政府において執り行われますならば裁判官の報酬その外の給與につきましても、應急緊急にその措置を執ることが必要でありますので、その場合には、最高裁判所が一般官吏の例に準じて、報酬その他の給與の額を増加し得るのであるという非常特別の場合の措置をなし得ることを認めたわけであります。
 第十一條、裁判官の報酬その他の給與に関する細則は、最高裁判所が、これを定める。で、一條から申しますとこの法律によりまして、例えば第三條その外第六條、第八條それぞれ、或いは第九條で、最高裁判所がこの報酬その他の給與の支給に関してその施行に関する細かい規定せ置く必要がありますので、その施行に関する規定は最高裁判所がこれを定めるのであるということを規定いたしたわけでございます。
 第十二條、この法律は、公布の日から、これを施行する。但し、報酬その他の給與(旅費を除く。以下これに同じ。)の額に関する規定は、昭和二十三年一月一日に遡及して、これを適用する。
 2 昭和二十三年一月一日以後すでに支給された報酬その他の給與は、前項但書の規定により支給されるべき報酬その他の給與の内拂とみなし、これを超える額(退官手当及び死亡賜金にかかる部分の金額を除く。)は、所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の適用については、同法第三十八條第一項第五号の給與とみなす。十二條の第一項の本文は別に申上げることもございません。で、但書はこの増額された新らしい報酬その他の給與は今年の一月一日に遡及してこれを適用するのであるということを定めたわけでございます。それから二項の方は本法施行までに支給されました報酬その他の給與は但書に適用につきましては、報酬その外の給與の内拂とみなすようにいたしまして、その超えた金額につきましては、先日もございましたように、所得税法の適用については、同法の第三十八條第一項第五号の給與とみなすということを定めたわけでございます。所得税法の関係は資料として所得税法の抜萃したものをお配りしておりますが第五号と申しますのは、賞與の性質を有する給與というふうに所得税の上で取扱つたわけでございます。
 第十三條、判事を兼ねる簡易裁判所判事の報酬月額は、当分の間、判事の報酬月額による。これは判事でありまして、同時に簡易裁判所判事を兼ねておる判事がございますが、その判事も報酬は判事の報酬の月額によるのである。簡易裁判所判事の報酬によりませんで、判事の報酬によるのであるということを定めたわけでございます。
 第十四條、裁判官の報酬等の應急的措置に関する法律(昭和二十二年法律第六十五号)は、これを廃止する。但し、司法修習生の受ける給與については、なお從前の例による。これは本月の五月二日を以て効力を失いました裁判官の報酬等の應急的措置に関する法律に関する規定を設けたのでございますが本法案は提出いたしましたのが今申し述べました應急的措置に関する法律の失効前でございましたために、この十四條を設けたのでございますが、現在すでに失効しておりますので、この條文は多少表現を変えなければならないかと考えます。司法修習生における給與につきましては、この應急的措置が失効いたしましても尚効力を有するように当分の間はいたさなければならないかと考えております。尚司法修習生の受ける給與につきましては、政府といたしましても新らしい法律案を研究いたしておりまして、これ遠からざる將來國会に提案いたすことになるだろうと考えております。簡單でございますが、これを以て裁判官の報酬等に関する法律案の説明を終ります。
 次に、檢察官の俸給等に関する法律案を簡單に逐條御説明申上げます。
 第一條、檢察官の給與に関しては、檢察廳法及びこの法律に定めるものを除くの外、檢事総長、次長檢事及び檢事長については、國務大臣の例によりその他の檢察官については、一般官吏の例による。但し、労働基準法等の施行に伴う政府職員に係る給與の應急措置に関する法律(昭和二十二年法律第百六十八号)による超過勤務手当は、これを支給しない。これは先程裁判官の報酬等に関する法律案で説明いたしました関係と大体同樣でございまして認証官であるところの檢察官につきましては國務大臣の例による。その他の檢察官につきましては一般の官吏の例による。但し檢察官の給與が一般の官吏の給與に比較いたしまして甚だ高くなりますので、一般官吏との権衡を考慮いたしまして、超過勤務手当はこれを支給しないという趣旨でございます。
 第二條は別段申上げることはございません。
 第三條は、法務総裁は、各檢事及び各副檢事の別表により受くべき俸給の号俸を、職務と責任に應じ、更に勤務成績を考慮し、旦つ初任級、昇級その他檢事及び副檢事の受くべき俸給の号俸の決定に関する準則に從つて、これを決定する。
 2 前項に規定する準則は法務総裁が大藏大臣と協議して、これを定める。これは一應檢察官の俸給は別表で定まつたわけでございますが、初任級それから昇給、それをどういう準則によつて定めるかと申しますと、これは法務総裁が大藏大臣と協議して、その準則を定める。その準則によりまして個々の檢事或いは副檢事の初任給、それから昇給を決定いたすということを定めたのでございます。而もその個々の檢事の俸給の段階を如何ように定めますかと申しますと、これは職務と責任に應じて、且つその勤務成績を考慮する、一般公務員法の職階の考え方を採り入れまして、その職務と責任というものを先ず考え、更にその当該具体的な檢事、副檢事の勤務成績を考慮して、そうして定めるのである。そういう原則の下に準則を定めるということにいたしておるのであります。
 第四條、檢察廳法第二十四條の規定により欠位を待つことを命ぜられた檢察官には、引きつづき扶養手当及び勤務地手当を支給する、これは檢察廳法の二十四條によりますと、檢事長、檢事又は副檢事が檢察廳の廃止その他の事由により剩員となつたときは、司法大臣が「その檢事長、檢事又は副檢事に俸給の半額を支給して欠位を待たせることができる。」こういう規定がありまして、檢察廳の廃止とか、その他の事由によりまして檢事が過員と申しますか、剩員、余つてしまつたという場合に、檢事に俸給の半額を支給するんだ。そうしてその欠位を持たせるということになつておりますが、その場合に引続いてその当該檢察官には扶養手当と勤務地手当を支給する。そうしませんと、その檢事の実際の生活というものが甚だしく脅やかされますので、こういう規定を設けたわけでございます。
 第五條、この法律は、公布の日からこれを施行する。これは別に申上げることはございません。
 第六條、この法律の規定による俸給その他の給與(旅費を除く。)は、昭和二十三年一月一日に遡及してこれを支給する。
 2 昭和二十三年一月一日以後すでに支給された俸給その他の給與は、前項の規定により支給されるべき俸給その他の給與の内拂とみなし、これを超える額(退職手当及び死亡賜金にかかる部分の金額を除く。)は、所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の適用については、同法第三十八條第一項第五号の給與とみなす。これは裁判官の報酬に関する法律の部で説明いたしましたところと同樣でございます。
 第七條、檢察官の俸給等の應急的措置に関する法律(昭和二十二年法律第六十六号)は、これは廃止する。これも、本法律案を提案いたしましたのは、まだこの法律が効力を生じておりました時でありますので、こういう規定を設けた次第でございますが、これは適当に修正されなければならないかと思います。
 第八條、この法律の規定は、國家公務員法の如何なる條項をも廃止し、若しくは修正し、又はこれに代わるものではない。これは遠からず國家公務員法が施行せられますので、その施行に伴いまして、この法律の規定が修正されるというふうなことはあり得ないのである。國家公務員法の規定の方が優先するものであるという一つの思想を表現いたしたわけでございます。簡單でございますがこれを以て説明を終ります。
#4
○小川友三君 檢察官の俸給等に関する法律案の第一條につきまして、政府委員から御答弁をお願いします。
 ここに「超過勤務手当は、これを支給しない。」と非常にあつさり書いてありますが、例を取りまして甚だ恐縮でありますが、百キロ走る汽車賃と三百キロ走る汽車賃と同じに、これは汽車を走らすと申されるのであります。余分に働いて、その手当がないということは、能率を挙げない、非能率的なるところのことになるのでありまして、特に治安が確立せずに非常に仕事が多い時に当りましては、この超過勤務手当はこれを支給しないでなく、支給をするということに改めたいと思います。これに対しまして政府委員の責任ある御答弁をお願いいたしたいのであります。
 それから裁判官の報酬等の関する法律案に対しまして、これの第五條ですが、「裁判官が死亡し、又はその地位を失つたときは、その日まで報酬を支給する。」ということなんですが、死亡するということには、職に殉ずる場合の死亡と、病氣で死んで行く場合と大別して二種類ありますが、職に殉じた場合はどういう工合にこれをするかということを、ここに明記する必要があると思いますが、これに対しまする政府委員の御答弁をお願いいたします。
 それから第八條、同じく裁判官の退職手当は一般官吏の例に準ずるというわけですが、米英の例を取りますると裁判官は退官後に非常に厚遇を受けておるのであります。日本の裁判官が退官の後に非常に薄い手当、お話にならない差を付けられておる。この際法律を作る建前から、裁判官の手当を良くするという建前もありますが、勿論公平なる裁判をして貰うために裁判官が退官後は米英と同じような手当をして貰いたいと思いますが、これに対する政府委員の責任ある御答弁をお願いいたします。
#5
○政府委員(松永義雄君) 只今小川さんの御質問に対してお答えいたしたいと思います。第一の檢察官の俸給等に関する法律第一條、超過勤務手当につきまして、檢事が非常に忙しく、それに対して何らかの方法を講じ、超過勤務手当等のごときを考えるべきものであるが、これを支給しないという規定を置いたのはどういうわけかという御質問でございましたが、このことは前前この委員会で質疑應答があつたと存じますが、檢事は御承知の通りに司法官に準ずる地位を持つているのでありまして、檢察官に対する待遇の引上げのたけにここに皆さんに御審議を受けたいというので、ここの法律を提出いたしたようなわけでございまして、檢察官の地位を顧みまして檢察官の地位を高めると同時に、又報酬を高めると同時に、他面檢察官に一層の努力をして頂きたいという趣旨からここに超過勤務手当は一つ取除いて置きたいという趣旨からここに規定されている次第であります。
 尚又裁判官の殉職につきまして特別の規定をされなかつたのはどういうわけか、こういう御質問でありますが、この点につきましては別に規定がございますので、詳しいことは説明員から御答弁をして頂きたいと思います。
 尚又裁判官の退職手当が少く、英米の例に比較して著しく少いのは何故かというお尋ねでございますが、裁判官の地位が新らしき憲法によつて非常に地位が高められているのを尚又ここにこうした法案が出るにつけましても、裁判官に対する待遇をあらゆる面において引上げるべきことは当然の理論でありますが、何にしても苦しい日本の今日の財政におきましては、心に思いつつそれを実行し得ないというような事情になつておるということが、小川委員の御希望に副いたくても副い得ない事情にあることを御了承願いたいと思います。
#6
○小川友三君 関連してちよつと……只今政務次官から答弁がありましたが日本の財政は苦しくて拂いたくも拂えないということをおつしやいましたので、それに関連しまして、この第八條と一諸にお伺い申上げますが、今度政府が農民大衆に対する課税の所得額は大凡どのくらいでありましようかというと三千六百億円くらいの所得額になつております。一反当り四千円平均ですから、それに全日本の農地を掛けますと三千六百億円の所得額になります。こうした大きな財源がありまするのでして裁判官に対しまして一年間に退官した者に米英式に支出をしましてもびくともしないところの財政を持つておるという事実から、是非退官後米英式に優遇をして貰いたいということを本員は極めて熱心に主張する者であります。
 それからその財源問題にやはり関連すると思いますが、この檢察官の俸給問題ですが、超過勤務手当を出すのはこれは当然でありまして、とにかく檢事さんの欠員が多い。又判事さんの方も無論超過勤務手当を出して貰いたいですが、非常に仕事が多い。やりきれない。そして家に帰つて行つて寝床へまで持つて行つて勉強をして、檢察及び裁判の義務を果すということは、これは非常に容易ならざる問題でありまして、殊に犯罪は殖える一方で、掏摸巾着切り、強盗、殺人が何百件とあるであろうことは想像できる。それを向うに廻し、それを檢挙したものを手にいたしまして又想像以上の大多忙でありますので、國民の代表議員、特に本員は超過勤務手当というものは大いに出さなくちやいけない。牛乳でも飲みながら、或いは卵を食べながら、調べなければ調べられるものではありませんので、特にこの点につきましての政府委員の方の愼重なるところの御研究を更に御願いいたしたいと思つております。農民の所得額は三千六百億と私は推定をいたしておりますが、これには大体間違いないと思つております。その財源から割出しましても、超過勤務手当も或いは退職手当も十分できると思つております。
#7
○齋武雄君 裁判官の報酬の第十條について御質問申上げます。生計費及び一般賃金事情の著しい変動を來たす。そういう場合に最高裁判所が自由に裁判官の給與について、決めることができる。こういう規定でありますがそういうふうになると、國家の財政について、ちつとも関係なく、この條文は、最高裁判所の自由にできるというふうになりますが、これによつて政府としては差支ないのであるだろうと思うのですか、どういうお考えですか。
#8
○政府委員(岡咲恕一君) お答えいたします。これは政府がその場合に、一般官吏の給與の額を増加いたすわけでございますが、その一般官吏の例に準じまして、最高裁判所が給與の支拂をするというわけでございまして、その基準は一般官吏の例によらなければなりませんので、最高裁判所が勝手にインフレの状況を考慮いたしまして、額を上げるというのではございません。政府が定めました一般官吏の例に準じて最高裁判所で裁判官の俸給を決定するということにいたしております。又政府がその場合に、一般官吏の給與を國家財政の許さない範囲にべらぼうに上げるということは、政府みずから恐らくいたさない点でございまして、その点は十分自制しながら取計らうであろうと考えております。
#9
○齋武雄君 裁判官の報酬の別表でありますが、判事補に対しては一号が八千円である。それが簡易裁判所の判事は一号が一万一千円となつておりますが、特別任用の簡易裁判所が高くて判事補が安い。これは何か理由があるのでしようか。ちよつとお聽きいたします。
#10
○政府委員(岡咲恕一君) 簡易裁判所の判事は廣く人材を求めまして、各方面から適当な人であればお迎えするという建前になつておりますし、その停年の関係を考えましても、停年が七十年でございますし、判事補及び判事はこれは停年は六十五年でございますので、判事を辞めた後も、その人の希望において、或いは最高裁判所が適当とお認めになれば、簡易裁判の判事に指名せられまして、内閣においてこれを任命するということもあり得るわけでございますので、一号に非常に高い金額の報酬を定めたわけでございます。それに対比いたしまして、判事補は司法官の修習生として、修習を終りました者が任用をされましてむしろ正式の判事になるまでの段階として、判事を輔佐しながら、判事の指導によりながらみずから裁判官としての修練を積むというふうな立場に置かれておりますので、これはむしろ判事になる卵と考えられますので、一号を八千円にいたしても決して不適当ではないであろうと考えられるわけでございます。
#11
○星野芳樹君 政務次官に伺いますが檢事の増俸する理由は、裁判官に準ずる仕事をしておるということでありますが、更にそれに対して準じておる仕事をしておる者に、裁判所の事務官として檢察事務官というものがありますが、これは行政官ですから、特に優待するということは官吏の俸給体系を紊するとになりましようが、実際上司法に関係する仕事をしていて、他の事務官と違つて司法関係の、法律関係の勉強もしなければならないと思う。ところが現在の待遇ではその余裕がない。而も裁判所、檢察廳の実情は、こういう人達の能力が不足なために、人員が不足でなくて、能力が不足なために、非常に裁判の澁滯を來しておる。これをなんとか研究費とかそういうような名目でやろうという御意思はないでしようか。
#12
○政府委員(松永義雄君) 只今御質問になりました檢察事務官その他司法関係の事務官の待遇についてはいろいろ考うべき点がございますが、何にしましても一般行政官と同じく取扱われておるのであります。これを見合して十分研究して対策を講じなければならんというふうに考えておる次第でございます。甚だ答弁として十分でございませんけれども、いろいろ考えて研究しつつある次第であります。
#13
○前之園喜一郎君 裁判官の報酬等に関する法律案の第十條であります。先程御質問がありましたが、これによりますると、「その他の給與の額を増加し、」とこうなつております。その他の給與を最高裁判所で増加されることは差支ないように考えるのでありますが報酬につきましては、こういうような法律が出ておるのでありますから、そういう必要があれば、法律によつて改正するということが正しい行き方のように考えるのでありますが、その点について政府の御所見を承わりたいと思うのであります。
 それから第三條に、「報酬の号は、最高裁判所が、これを定める。」こういうことになつておるようであります。最高裁判所はどういうふうにして定められるのか、会議制というようなものでやられるのかどうか。そういうような手続について承わりたいと思います。
 それから檢察官の報酬等に関する法律案、この方には裁判官の方の第十條に匹敵するような條文はないようであります。やはりこの方にもそういうような必要があるのではないかということを考えるのですが、それらの点について御説明を願いたいと思います。
#14
○政府委員(岡咲恕一君) 先ず第十條のお尋ねに対しましてお答えを申上げます。この第十條は先程簡単に御説明いたしましたように、主としてインフレーシヨンによりまして非常に生計費に変動を來たしたという場合に、本來政府といたしましては、國家公務員の給與は法律によつて定められるのが建前でございますから、その場合には國会にお諮りして一般政府職員の給與の額も変更すべきものでありますし、又多少変更するような手続を取ることと考えますが、國会の召集その外の関係によりまして、到底その應急の生活難に対廳することができないという緊急止むを得ない場合に、政府が政令によりまして、一般官吏の俸給その外の給與の額を増加するということがあり得る、特に又そういう必要があるであろうと考えるのでありますが、そういう場合に、それに対應して最高裁判所が裁判官の報酬その他の給與の額を増加し得るのだ。而もその増加するについては、一般官吏の、言い換えれば政府が定めた昇給の率に應じて報酬の増加をするのであるということを定められたわけでありまして、これは現在のようにしばしば國会が召集されまして、法律案を早急に國会に提出いたしまして、御研究願うことができるような態勢にありますならば、恐らく政府といたしましては必ず基本の法律の方を変更いたすような手続をいたして行くものと考えます。從いまして政府が官吏の俸給を自己の権限に基き、自己の責任において増額するということは、極めて稀な事例だろうと思いますが、緊急止むを得ないような國会の御研究を願う暇のないような場合に、こういう應急的な規定を設けることが必要でありますので、裁判所においてもそれに準じた取扱を最高裁判所がするということにいたした次第であります。
 次に、第三條に関するお尋ねでございますが、これは最高裁判所の行政事務として行われることと存じますが、最高裁判所は裁判所法にもございますように、裁判官会議によつてその行政を行うということになつておりますので、裁判官会議にかけまして、各判事の俸給の額を御決定になるであろうと考えております。尚最高裁判所の事務総長も御出席でありますから、何ならば臨機御説明をお願いいたしたがよいかと思いますが……。
 それから裁判官の報酬等に関する十條の関係は、最高裁判所にこういう権限を特に與えるということが必要でもあり、又適当でもありますので、十條の規定を設けたわけでありますが、檢察官の方はこれは一般官吏の例の中に包含せられまして、若しインフレーシヨンによつて官吏、公務員の俸給を増額しなければならないという場合にはその方の手当によりまして、言い換えれば政府の政令によりまして適当な措置が講ぜられますので、檢察官の方には十條のような規定を置かなかつた次第でございます。
#15
○委員長(伊藤修君) 序に十條と財政法との関係を御説明を願いたいと思います。政令に委ねることができるかどうかということの関係をお願いいたしたいと思います。
#16
○政府委員(岡咲恕一君) 十條の規定によりまして、財政法の特例を認めたわけと思いますが、この十條のような規定は、官吏全般に関する法律案の中にも、こういう特例が認められるのではないかと存じておりますが、財政法との関係につきましては、なお研究いたしまして、後程御答弁を申上げたいと思います。
#17
○前之園喜一郎君 この別表についてお尋ねいたしますが、これらも申上げるまでもなくお分りのことでありますが、最高裁判所の長官、その他最高裁判所の判事、これは長官の方は総理大臣の給料が基本になり、判事の方はその他の國務大臣の方が基本になることは明らかであるから、そうしまするというと、やはりこれは先ず総理大臣その他の大臣の俸給が決つて然る後、この法律が出るべきものだと私考えるのでありますが、特にこれを先に出された法律上の根拠、その他特別の事情があるならば承わりたいと思います。
#18
○政府委員(岡咲恕一君) 誠に御尤もなお尋ねと存じます。これはむしろ法務総裁から御答弁いたすべき事項かと考えますが、更宜私が承つた限度におきまして御答え申上げます。内閣総理大臣その外國務大臣の俸給に関する法律案は政府において研究いたしておりまして、遠からず國会に提案になることと存じておりますが、総理大臣の俸給が定められた上、或いは少くともその法案と同時にこの法案を提出いたした方が、これは御説のように、適当なる取扱かと考えますが、裁判官の報酬檢察官の俸給に関する臨時措置法が五月の二日を以て失効いたしますので、なるべくその前に國会に提案いたしまして、その失効による一つの空白状態を除去いたしたいと考えまして、事務当局といたしましては、政府内部におきまして、この法案の提出を成るべく早急にお取計らい願いたいことをお願いいたして置きました関係上、政府におきましては國務大臣の俸給の最後の確定案を決定いたすに先立ちまして提案いたすようになつたことと考えております。で最高裁判所の長官の二万五万円という金額は、内閣総理大臣の俸給額を基準といたしましたものでございまして恐らく政府の最後案において内閣総理大臣の俸給が二万五千円と決定せられ國務大臣が二万円と決定されることは先ず大体確定的であるという見透しが付きましたので、この法案を内閣早理大臣、その他の國務大臣の俸給案と切り離して提出いたしても、非常な支障、或いは衡突を來たすものではないと考えた次第であろうかと考えております。
#19
○岡部常君 裁判官の報酬等に関する法律案中第十三條に「当分の間一云云という文句がありますが、この「当分」というのはどういう意味になるか又將來はどうなりますか、ちよつとお伺いいたします。私実は想像いたしまするのに、これは只今は判事を以て簡易裁判所の判事を兼任をしておる。併し將來は別々の人間が判事に、そのうち簡易裁判所の判事に任命せられる。それまでの経過的の規定ではないかと思うのであります。
#20
○政府委員(岡咲恕一君) 岡部委員のお尋ねに対してお答え申上げます。十三條の中に「当分の間」という言葉を挿入いたしておりますのは、現在簡易裁判所の判事が非常に欠員でございまして、判事をしてこれを兼ねせしめておる数が百人以上もおるのでございますが、簡易裁判所の判事が逐次充実されて参りますというと、この兼任の関係は解かれるわけでございますので、その解かれるまでの間即ち「当分の間」はこういう判事の月額を給與するのだという趣旨で「当分の間」という言葉を入れた次第でございます。
#21
○岡部常君 今のお答えによりまして簡易裁判所の判事を速かに充実するおつもりであるということは看取できるのでありますが、さよう承知してよろしいのでありますか、どうですか。
 それからもう一つは、仮にそういうふうにお答えを得ましたとしましても本來兼職の場合には本職の俸給が、報酬が支給せられるのが当然ではないかと考えますが、何故に特別の法條を設けられたか、その点をお伺いいたしたい。
#22
○政府委員(岡咲恕一君) 岡部委員の御説には全然同感でございますが、兼官の点につきましては、簡易裁判所の判事が本務でございまして、判事を兼ねるという場合もあるのでございますので、そういたしますと、簡易裁判所の判事が本官でございますから、簡易裁判所の判事の方の月額ということになると困りますから、その場合に判事の方の……兼官である判事の方の報酬月額によるんだというようなことが必要になると思います。簡易裁判所の判事を補充するということにつきましては岡部委員の御意見と全然同感であります。
#23
○委員長(伊藤修君) この程度で休憩いたしまして、午後一時半から再開いたしたいと存じます。尚ここでお諮りして置きたいことがあります。御承知の通り國会法の関係上、最高裁判所の御意見を伺うことができないものですから証人形式でこれをお伺いする方がよろしいと思います。今御質問の中にも裁判所関係の部分について隔靴掻痒の感があるような点もありますから、委員長の方において適宜これを証人形式で呼ぶということに御異議ありませんか。
  「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(伊藤修君) それではさように取計らわせて頂きます。
   午後零時二十二分休憩
  ―――――――――――――
   午後二時二十八分開会
#25
○委員長(伊藤修君) それではこれより司法委員会を開会いたします。先ず昨日中村君の質疑に対する法務総裁の御答弁を伺います。
#26
○國務大臣(鈴木義男君) 中村委員の御質問は、若し國会において判事と檢事との間に差をつけて給與を決定するような場合に、檢察陣営に動搖が起るかというような御趣旨の御質問と承わりました。その点については檢察官は從來の行き掛かり上、裁判官と全く同樣に取扱われて來ておるのでありますから、國会においても差別的な待遇を御決定に相成ろうとは考えておらないと思いまするが、併し諸般の事情からどうしても若干の差を附けて御決定になるようなことが起りましても、苟くも最高機関の御決定がありまするからそれに対して反抗をする、或いはその任を去るとかいうようなことは万なかろうと信ずるものであります。
#27
○委員長(伊藤修君) それから先程の財政法との関係について……。
#28
○國務大臣(鈴木義男君) 第十條の立法趣旨についての御質問でありまするが、これは考え方によつてはなくともよろしい規定でありまするが、実は関係方面の示唆もありまして、こういう規定に相成つたのであります。若干の疑問なしとしないのであります。併し運用を過るようなことはないと考えまするから、私どもはこのままでよろしいと信じまするが、若し御疑念がありますれば、國会の御決定に俟ちたいと考える次第であります。
#29
○鬼丸義齊君 第一は、檢察官の俸給等に関する法律案の第一條でありますが、「檢察官の給與に関しては、檢察廳法及びこの法律に定めるものを除くの外、檢事総長、次長檢事及び檢事長については、國務大臣の例により、」とあります。又「その他の檢察官については、一般官吏の例による。」と、こうした給與中の最も重要に属しまする俸給についての特別規定を定めまして、ここに一般官吏よりも遥かに多額の給與をなすことの特例規定を設けるのでありまするが、この場合特にこの第一條に、檢事総長、次長檢事或いは檢事長これが國務大臣の例によるというので給與がすべてこの國務大臣の例によるという文字を殊更使わなければならない理由はどこにあるか。更に又一般官吏よりも特別なる給與方法の規定を定めんといたしまする第一條の冒頭において、格段なる給與を受けるべき檢察官が、特にこの第一條の冒頭において一般官吏の例によるということになりまするならば、甚だその点がみずから語るに落ちるような感がなきを得ないと思います。何故に、この第一條にかくのごとき國務大臣の例によるとか、或いは又その他一般官吏の例によるというような字句を、特にここに使わなければならない理由があるだろうと思いまするが、この理由はどこにあるのであるか。或いは又檢事総長、次長檢事、檢事長等は、いずれも認証官であることによつて、恰かもその立場が國務大臣と同格なるものであるということの表示であるとするならば、俸給等に関する規定の中に、さようなことを特に例示するような規定を設ける必要もないと思います。この第一條の規定の趣旨というものが奈辺にあるものかということが私共には理解ができないので、この点を一つ明快にして頂きたいと思います。
#30
○國務大臣(鈴木義男君) 御疑念御尤もであります。実はこの第一條の規定に当りまして、檢事総長、檢事長等の待遇につきましては、國務大臣、内閣総理大臣、その他の認証官の俸給を決めまする法律に從うという趣旨であつたのであります。その法律は、只今準備中でありまして、近く議会に提案いたす予定でありまするが、この法律の名前が実はまだ未決定でありますために、こういう表現を用いたのでありまして、正確に言えば、その法律が確定しますると、その法律をここに使えばよろしいわけなのでありまするが、内閣総理大臣及び日本國憲第七條の規定による認証官の俸給等に関する法律というものを近く御提案申上げようと思つておるのであります。それを略しまして、國務大臣の例によるとやつたわけなのであります。用語は、若し不十分であるということでありますれば適当に一つ御修正願つて差支えないのであります。その認証官の俸給等に関する法律によるものと、その他の一般官吏の例によるもの、こう区別があるわけであります。その区別をここに表示したつもりなのであります。
#31
○鬼丸義齊君 私共の承知しておりまするとこころによるというと、今度の内閣総理大臣並びに國務大臣の俸給としては、大体最高裁判所長官が即ち内閣総理大臣同格、それから又最高裁判所の判事諸公の俸給が國務大臣同格と聞き及んでおります。果してそれといたしまするならば、各檢事長の俸給としましては、この本案によりますると東京高等檢察廳の檢事長の俸給は一万八千円になつております。その他の檢事長は一万七千円ということに原案はなつております。そういたしまするならば、明らかにこの國務大臣と同格なる給與を受けるものではないのであります。この点はすでに法案自体にも矛盾があります。若しこの第一條の示すがごさくに、檢察官の給與に関しまして、檢事総長、次長檢事、檢事長の各位が國務大臣の例によるといたしまするならば、やはり先程申上げましたごとくに、國務大臣、即ち月額二万円の俸給を受くるにあらざれば、この法文のごときことにはならないと思います。
 尚又幸い法務総裁が御臨席でありまするから、この際私特に総裁の御意見を承わつて置きたいと思ひますることは、昨日來この檢察官の俸給等に関する法律案の審議に当りまして、証人として檢事の方の御意見を拜聽いたしたいのでありまするが、從來の檢察官の立場というものが、一般にやはり司法官に準ずると申しましようか、片鱗のごとくに見ておりました慣例にありますることは、よく私共も承知しておるのであります。ところが、特にこの度日本裁判官の地位というものを格段に高く置き、そうしてこの司法裁判の公正を期して行うということの憲法の趣旨に適うるの意味において、一般官吏よりも飛躍的なる待遇をすることが至当じやないかというようなことから、恐らくは今度の裁判官の俸給に関しまする法律案が出ずるに至つたのであると思います。そこでこの裁判官中には言うまでもなく檢察官は入つて來ない。檢察官というのは司法官にあらずして行政官だということがここの法的にはつきりして参るのであります。果してそれとするならば、一般官吏とどこに違いがあるか。そこで一般官吏の政府の今提案せんといたしておりまする私共の承知しておりますものといたしましては最高一万円と聞いております。果してそれとするならば大変な檢察官との間に相違がある。そういうことになりまするならば、若し檢察官は今は盛に裁判官と同一にしろという御意見が澎湃として起つていることに聞いておりますが、ところが若しこれに続くべき一般官吏が何故に檢事はそれ程優遇されるのであるか、同じ行政官でありますから……。この声を更に出すとするならば、日本の財政というものはどこへ持つて行くかということに私は非常に大きな慮れを持つている。そこでその時に当りまして、私共は檢察官の立場は正に從來の例によりまして裁判官と全く似て非なる立場にあると存じておりまするし、又職務の性質からいたしましてもさように存じております。故に相当裁判官の俸給を上げることと共に、やはり檢察官の待遇も上げなければならんとは勿論思います。併しながらこの第一條の規定によりますというと、一般官吏の例によりその他の檢察官は認証官以外の檢察官については、一般官吏の例によるというような字句がここにあることから考えまするというと、ますます以て官吏と檢察官との間に区別すべき何物があるかというと何一つの例証もないのであります。かたがた第一條の趣旨は、只今政府委員の御説明では了解ができませんのみならず、もう少し打碎いた御意見を拜聽して一條を我々が政府原案を支持するや否やの態度を決めたい。若し不要のものをここに書くということはあり得ない。極めて数ヶ條しかない注文に理由なく法文ができる筈がありませんし、殊に專門家の起案にかかります法案といたしまして、どうも私理解に苦しんでおります。この点を先ず重ねて伺いたいと思います。
#32
○國務大臣(鈴木義男君) 最初の御質問の、國務大臣の例によりという言葉があまり妥当でないということにつきましては了承いたしまするが、その趣旨は別に間違つてはいないのでありまして、この法律に定めるものを除くの外と書いて置くのでありますから、檢事長や次長檢事の俸給はこの法律にちやんと別表に決めておりまして、一万七千円一万八千円というふうに決つておるのでありますから、その点は國務大臣と同じくなくとも少しも差支ないわけであります。そういう点が國務大臣と同じくするというわけでなしに、その他の給與、即ちいろいろな手当そういうふうなものについては、これは認証官の例による。その他の一般の檢事は一般官吏の例による。こういう意味なんであります。そこのところは一つ誤解のないようにお願いいたしたい。用語が不十分である点は適当に御修正願つて差支ないのであります。それから第二の、檢事も一般行政官ではないかという御質問でありまするが、その点は廣い意味の行政官には相違ありませんが、併し行政官の中で特殊の行政官である、司法官的行政官である。これは世界を通じて殆んど認められているところでありまして、檢察官を普通の行政官して扱つておるところはないのであります。いずれも裁判官と対比して裁判官に準じて扱つていることには殆んど間違がないと申してよろしいのであります。その職務の内容、性質、教養の程度、任官採用の方法が類似いたしておりまして、行政官の中の特殊の地位を占めておるが故に國家公務員法におきましても檢察官には特別に例外の途が開かれておる次第であります。それでこれが非常に違うというふうにお考えでありますが、実は裁判官といい、檢察官といい、國家最高の待遇を與うべきであるというのが私共の考えでありまして、最初閣議に提案いたしました案では、これよりも遥に高いものになつておつたのであります。けれども國家財政の見地から余りに高いことを望むことは現下の情勢上むずかしいということでこの程度に折れ合つたわけでありますが、実際はこれを他の行政官吏と比べまするときに、檢察官にせよ裁判官にせよ超過勤務手当というものは、これを支給しないことになつております。そうしますると一般行政官吏は超過勤務手当を頂くことができるのでありますから、本俸は成る程少いかも知れませんが、全收入においてはほぼ等しくなりまして、特別に檢察官を優待したということには少しもならないのであります。実はもつと優待したいのが本当の趣旨でありますが、國家財政の立場を考えまして最大限度讓歩して、一つ裁判官諸氏にも、檢察官諸氏にも忍耐して頂こう。こういうのがこの案でありまして、他の行政官吏と非常に懸隔ありと言われる程、優待したものでないということを一つ御了承願います。
#33
○鬼丸義齊君 只今一般官吏に対しまする超過勤務手当の支給についての話がございましたが、私はやはり殊更に裁判官、檢察官の職にあられます方に対して超過勤務手当を支給しないことが、一体どういうわけがあるか、只今の御説明によるというと超過勤務手当というものは出さないことになつておるからという御意見でありましたが、これこそ私は本当に出しても國民は誰も異議を言うものはなかろうと思う。殊に最近の各裁判所の状況を見ますとどこもかしこも他の官廳は全部退廳しても、この新らしい制度の夏時刻になりますと、元の午後三時になるといずれも退廳しておるにも拘わらず、裁判所は毎日殆んど夜まで点燈して勤務しております姿は、私共本当に襟を正して敬意を拂つております。これはただ労力というばかりでなく、やはりそれだけの時間を費しますならば、自然それに対しまする給與を補給することは私は当然である。殊更に名誉に囚われるとか、或いは名分に囚われるという意味でこれを避けられるということは私共理解ができない。何の遠慮するところなく、これこそ本当に國民は、私は働いて頂きまする方に対しまする労苦に対する報酬は当然であると思います。この点につきまして、特に何故この超過勤務手当というものを判檢事は除かなければならぬのか、その理由を重ねて伺いたい。
 それから尚私はこの際法務総裁に伺つて置きたいと思いますことは、本案が議会に提案されます前に、申すまでもなく数囘いろいろな紆余曲折を経たであろうと思いますし、又本案が提出されますに当つては、閣議の面に至りまして後も大分いろいろと紆余曲折があつたように聞いております。新聞報道の額は全然原案とは違うということによりましても、この間の事情が窺われるのであります。若しお差支ないのでありますならば、この案がこういうところに落ち付きました理由経過をこの際承わりますならば、私共審議上非常に参考になると思います。
#34
○國務大臣(鈴木義男君) まず超過勤務手当のことでありますが、仰せ御尤もでありまして、殊に檢事につきましては、超過勤務手当を支給しないという合理的な根拠は何にもないのでありまして、ただ判事の場合におきましては、自宅で執務をされるというような場合もあるので、それを一々超過勤務として計算することはなかなかむずかしいことであつて、裁判官の方で超過勤務手当を支給することは事実上困難であるからということと一つはできるならそういう時間で以て計算をして、非常に高い地位にある官吏に対して計算をするというようなことの煩を避けたい。そういう二つの趣旨から超過勤務手当を認めないということになりました結果、これと同じ立場から俸給を決定する檢事についても、殆んど檢事は例外なく超過勤務をいたしているのでありまするが、この際は思い切つてこれを避けることにしよう。こういうことにいたしたような次第でございまして、國会において超過勤務手当もこの外に附けることが妥当であるというお考えでありまするならば、政府としても少しも異存はないのであります。
 それからこの案が提出されるに至りまする過程における閣議の経過について説明せよということでありまして、その点は若干世上に誤解があるように思われまして、衆議院においても熱心なる御質問があつたのであります。一通り経過を御説明申上げて御了解を得たいと思うのであります。それは四月二十六日の閣議にかけられたのでありまして、約二時間費やしまして、非常に熱心な討議が行なわれました結果最後に到達いたしましたのがここに原案として提出いたしておりまするように案であります。これは二十六日の閣議で決定いたした案に相違ないのであります。裁判官の方も、檢事の方も……。ただ檢事の、副檢事の給與について数字が若干一般官吏との比率において訂正をしなければならんものがありましたために、翌日までに大藏省の給與局長の手で整理をして書直して閣議に報告をするという條件は附いておりましたが、その他の点は全部原案が決定をいたしまして、そうして閣僚も全部署名をして二十六日の夜に確定いたしたのであります。然るに二十七日、その時は私は神戸の方に参つておりましておらなかつたのでありますが、二十七日の閣議に大藏省給與局長から昨日の閣議で決定した案としてこの原案のごときものを報告いたしましたところが、閣議においてその数字を御覽になつて、或る閣僚がこれはどうも昨晩の了解と違うではないか。昨晩決定したのは檢事が判事に比べていずれも千円ずつ低いという決定であつたと記憶する。それがこれを見ると、ただ一号俸給が違うだけで、その他は違つていない。これは間違いではないかという御意見が出たそうでありまして、多数の閣僚もどうもそういうふうに思う。これは間違いであるから直すべきであるというようなことを仰せられてそれでおのおの千円ずつ檢事の方が低くなつた案が作られたそうであります。併しそれは確定に至らないでただそういう了解前日の閣議の内容がそうであつたというふうに、いわば解釈をするというような形で御決定になつたそうでありまするが、そのことが私は神戸の方におりまして、長距離電話で承わりまして、非常に驚きまして、前の晩の閣議決定とそれは異なる決定でありまするから、前の晩は非常に議論の末判事を一段高からしめるために、すでに最高裁判所長官並びに裁判官は非常に高くなつておるのであるが、その他の判事の一番高いものは、檢事が一番高くなつても、そこには行き得ないという地位を一つ作つて置くならば、それで十分判事が高くなつたということが表現されよう。こういうので決めたのでありまするから、決して各号について皆千円ずつの差を設けるというようなことがなかつたのであります。それがそういうふうな意味に解釈されて変更されようとしておる。そうしてそれが國会に提案されようとしておるということを承わりまして、それは非常な間違いであるから、自分が帰るまで國会に提案することを差控えて貰いたいということを総理大臣に電話で傳言を依頼し、且つ電報を打つたのであります。その結果総理大臣は了承せられまして、これを留保して置かれたのである。それで私が帰りまして三十日の閣議に臨んで、それはどういうわけでそういうような誤解が生じたかということをその閣僚に承わりましたところがどうも自分はそういうふうに前の晩の決定を理解したのであるが、よく法務総裁の説明を聽いて見ると、それは自分の誤解であつたということで釈然とせられましたので、そこで前の二十七日の了解というものは誤解であつたということが明かになりまして、閣議の決定はやはり二十六日の決定が正しいのである。從つて二十六日閣議を原案として國会に提案するということが再確認されたわけであります。これが閣議の経過でありまして、何か檢事の方で騒いだから閣議において変更をしたのだというふうに誤解せられておる向がありまするが、決してさようなことではないのであります。御了承を願います。
#35
○鬼丸義齊君 先程この裁判官の報酬等に関しまする法律案中の第十條の規定がその筋の指図によりまする結果できたと拜承いたしたのでありますが、政府としましては、この十條の規定といい、それから又檢察官の第三條一項、二項の規定といい、これが議会政治の趣旨からいたしまして、この両方ともに財政法等の関係とも見比べまして、果して適当だとやはりお考えになつておるのでありまするか、勿論適当と断定せられて御提案になつたことと思いまするが、私共から見まするというと何だか非常な奇異な感に打たれておるのであります。殊に檢察官の俸給等に関しまする法律の第三條の二項におきましては、すべて初任給或いは昇給その他の給與に関しますることについて法務総裁はその準則を決めるに当つては大藏大臣と協議をして決める、かようになつております。ところがこれに類しまする裁判官の報酬等に関しまする法律の十條の規定によりますると、これが又最高裁判所みずからの手によつて決めますることとなつておる。少くとも給與に関しまする点について、こうした独断專行によりまするようなことが、議会政治に一体ふさわしいことであるかどうか、私共は多分な疑問を持つております。先程の法務総裁の答弁ではどうも了解し難いのでありまするが、尚一つ重ねてこの点をもう少し詳細に承わりたいと思います。
 尚又裁判官の報酬等に関しまする法律の第十條の末項にありまする「報酬その他の給與の額を増加し、又は特別の給與を支給することができる。」とありまして、ただ單に報酬自体もこれに入つております。成る程一般官吏の増給等の格段なる事情のできたときにこの挙に出るのであるから、極く限定した範囲に過ぎないと御覽になつたかも存じませんけれども、すでに俸給等に関しまする單行法を出しまするに当つて、明文に規定して、正にその根拠を確定せんといたしまするに当つて、委任命令にようなふうなものをここに書くのはどうであるか、殊にこの報酬までも含まれておりまするのは、如何にも不可解に存ずるのであります。この点も重ねて一つ御意見を承わりたい。
#36
○國務大臣(鈴木義男君) 御質問御尤もであります。檢察官の方の第三條はこれは行政官廳としての建前から言つて一つも無理はないと考えまして、殊に大藏大臣と協議して定めます以上、又基本的な給與が法律で決まつておりますので、恣意的な増額というものはできないのでありますから、この点は余り問題はないのではないかと考えておりますが、裁判官の方の第十條については、御質問のような疑義を持ち得る余地はあるわけであります。併し、これと雖も、実際問題として、一般の給與は法律で決める、國会の御協賛を経て決められるのであつて、それが上つたときに、それと比率を保つて上げ得るという余地を存して置こうというのが、この第十條の趣旨でありまして裁判官のように特に單行法を以てその給與を規定いたしまするものにつきましては、その都度、たとえ自働的に一定の比率がちやんと決まつて上げられまする場合にでも、そういう法律をわざわざ出して、國会の御協賛を経て決めることが正しいという考え方も、立派な一つの考え方であると考えまするが、併しそれと同じことがこの規定によつて行われ得るということであればこの規定を設けたことが、必ずしも國会の審議権を無視する或いは濫用に陷るとかいうような非難を受けることはなかろうと思うのであります。結局根本は國会で御協賛になつた土台があつて、その比率に基いた増額だけを最高裁判所が決めることができる。こういう趣旨なんでありますから、私はあつても差支ない規定である。こういうふうに、考える次第であります。
#37
○鬼丸義齊君 そういたしますると、裁判官の報酬等に関しまする法律の十條の末項の「報酬その他の給與の額を増加し、又は特別の給與を支給することができる。」というこの規定というのは、そうした特段なる事情があつた場合には、一般官吏の俸給の増額をなすというふうな場合を條件として、最高裁判所に法律を以て委任したことの形になるのでありまするが、例えば法的に言うならば委任命令と申しましようか、そういうような実質を具える結果になるのでありまするが、その点もやはり政府の方では差支なしと御覧になつておるのでありましようか。
#38
○國務大臣(鈴木義男君) 差支ないと考えておるのでありまするが、つまり今後はスライデイング・システムを採るようになるかどうか分りませんが、大体インフレの進行等に伴つて、例えばあらゆる官吏について俸給を十%上げるとか二十%上げるとかいうような法律の決め方をすることが予想されるわけでありまして、そういう場合には一々法律を又作つて、裁判官について二十%上げる、或いは上げた額を別表を作り直して、そうして國会に提案をしてやつて頂くというふうにせんでもこの一條がありまするために、簡略に法律の精神がそのまま行われて行く。こういうようなことになると思うのでありまして、委任と申せば委任したということが言われると思いまするが、弊害のない委任である。こういうふうに考えるわけであります。
#39
○小川友三君 法務総裁幸いお見えでございますから伺いますが、檢事さんと裁判官の間に差をつけた場合に、優秀な檢事さんが出て來ないという心配を檢事当局の方々全部とは言いませんが、実はこの間意見を聽きますと、そういう意見がありまして、優秀な檢事が多く集まつて來なければ、いい檢事廳はできないのであるから困るという意見が多いのでありまするが、この点につきまして、待遇に差をつけて、低い待遇にした場合に、優秀な檢事が果して來るか來ないかということにつきまして、法務総裁の御意見を承つて置きます。又政府は、最高の待遇を裁判官と檢察官にしたいという御念願であるということを申されましたので、誠に有難く、敬意を表する次第でありますが、この超過勤務手当を出さないということからいいますると、最高の待遇を事実上していないのでありましてそうすると最高の待遇をするようなふうをしていてしないということになりますとこれは誠に不穩当なことでありますので、やはり超過した勤務時間に対しましては支給をして貰いたしたのであります。檢察廳に参りましても、檢事さん、こんな時間までやつておるのですかということをよく私は話しますがまだまだこれからまだ二、三時間かかるのだ弱つちやつた、僕は遠くから通つておるのだ、今日は友達の家へでも泊ろうか、実は困つておるという声を毎日のように聞いております。恐らく取調が深夜に及ぶということが、檢察廳の中には特に多いのでございます。現地に出張するが、出張手当が碌にあるじやなし、自分の洋服を賣つたの靴を賣つた金で出張して來るというわけで、誠にお氣の毒に堪えないのでございまして、この超過手当をしないという薄情な法律には私眞つ向から反対するのでありまして、正当なる主張に対していわゆる支給をする、一キロなら一キロの汽車賃、二キロなら二キロの汽車賃というように使つただけのものは支出しなければ、犯罪は続出する一方、捕まつた犯人はうんとあります。どうしても手当をしなければ檢事さんは減る一方です。法務総裁は減らないと申されましたが待遇に差を附ければどんどん減る。この間熊谷の檢察廳の檢事さん数名が辞表を出しました。それは撤囘をしたかどうか知りませんが、とにかく大束になつて辞表を出したのであります。本当の檢察ができないというような状態は今後相当繰返される。これはいわゆる社会問題と私は思つております。この第一條の超過勤務手当は支給して貰いたいということを眞劍に私は主張する次第であります。
 それから甚だ恐入りますが、先月の二十五日、濱松事件がまだ不穩であるから調べて來いというので、私個人として調べて来ましたが、濱松事件の詳細につきまして法務総裁にお尋ねいたします。この事件は音樂隊を頼む頼まないの問題で発生した事件でありまして、朝鮮人の某氏はこれがために檢事局の令状で留められております。この方はその時はおりませんで、某食堂へ行つて飯を食つておつて自分はいなかつたが、令状を発せられた。その結果朝鮮人は激昂して檢束されて、まだ毎日くすぶつておるというような状態でありまして、この点について朝鮮人側の方と日本人側の方がほんのちよつとの違い千円くらいの違いでこういう事件が起きたのでありますが、その後濱松事件はどういうふうに發展しておりますが、拜聽したいのであります。
 それから裁判官の待遇問題でありますが、米英の裁判官の退官後の待遇が非常によろしいのでありまして、日本に財源がないということは、政府当局の誠意と研究と努力が足りないから財源がないのでありまして、十分研究努力をして、誠意を以て我が子を愛する親心を以て研究して頂きましたならば裁判官の退職後の待遇をするくらいの財源は必ず出て來ると私は思います。裁判官の退官後の年金を米英なみに近い程度にまで支出して頂きたいというのは、裁判の公平を期して頂きたいという見地からでありまして、法務総裁の忌憚のない御意見を拜聽いたしたいと思うのであります。
#40
○委員長(伊藤修君) 只今の小川君の質問の第二点は許可してありませんから、答弁の必要なしと認めます。
#41
○國務大臣(鈴木義男君) 先ず檢事と判事の差を附けると優秀な檢事が得られなくなるのであろうということは、仰せの通り非常に私としても心配をいたしております故に、どうか差を附けないようにお願いをいたしたいという考であります。
 それから超過勤務の点は誠に御説の通りでありまして、國会において是非超過勤務手当を附けろということでありますれば、政府としては異存を申すつもりはないのであります。ただ政府としてこれを提案するにつきましては、他との振分その他も考慮いたしまして、相当に優遇して頂くわけでありますから、その上超過勤務手当までというと少し如何かというので、御遠慮申上げておる次第なのであります。
 それから退職後の手当等につきまして十分保障せよ。これは米英等におきまする裁判官、檢察官等は退職後安んじてその余生を送ることができるような退職手当を支給せられておるのでありまして、これは絶対に必要なことであると信ずるのでありますが、退職後のことはさておいて、在職中の判檢事に対しても財源難のためにできるだけ儉約せしておる現状におきましては只今退職後のことについて直ちに提案をするというわけに参りませんが、一般の官公吏の退職の後の生活保障というような問題と睨み合せまして、日本の財政が許すようになりましたならば是非十分に手を盡したい。こういう希望を持つておることを表明いたして置きます。
#42
○齋武雄君 裁判所の報酬について判事補と簡易裁判所判事とありますが、このうち九千円というのがないのであります。八千円から直ぐ一万円になつておるのであります。この九千円をなくしたということは特に事情でもあるのでありますか。
#43
○國務大臣(鈴木義男君) これは特別な事情はありませんが、判事というものは今までの判事と違いまして、今までは旧憲法時代には大学を出て試験を受け、修習を了えてそうして判事になるわけであります。今度はそうじやないのであつて、その修習を了えて後判事補というものになつて、判事として見習をすること約十年にして初めて判事という地位に就くのであります。それから外に檢事を十年以上し、弁護士を十年以上した者も判事という地位に就くのであります。そこで判事という地位は非常に高い地位、その一番低いものと雖も最初に判事補の一番上から見ると一大飛躍した一万円という報酬を與える。こういう建前にいたしたのでありましてここの段層が大きくなつておることはそういう趣旨であります
#44
○齋武雄君 簡易裁判所の判事の方も九千円がないのであります。八千円から直ぐ一万円になつておるのであります。これはどういう意味なのですか。
#45
○國務大臣(鈴木義男君) この方は特別の理由のないのでありまして、号俸をずつと分けて行つて初任は三千五百円から出発させるということにし、最高は一万一千円にするということに決めまして、その間を八号に分配する都合上、九千円を、こちらでもなかつたから除いたという形でありまして、これは号俸に分配する都合上から來ておる。そういうふうに御了承願います。
#46
○委員長(伊藤修君) 他に御質疑はありませんか。
#47
○松村眞一郎君 裁判官の報酬等に関する法律案の第十三條の「判事を兼ねる簡易裁判所判事の酬報月額は、当分の間、判事の報酬月額による。この制度は從來にない制度であります。兼任の俸給を貰うということは……。かくのごとき例をここに新らしく開くのでありますから、この判事の定員は判事全体の定員の中に算える必要があるのじやないかということを私は痛感する。恐らくこれは判事の方に欠員があつて俄かに補充することができないから、簡易裁判所の判事をしてこの判事の職を兼ねしめて職を執らせる。こういう趣旨であろうと思います。元來判事の間に兼任制を取るということは、職務の繁閑から申しましても、私はよくないと思います。すべて専任の制度で一貫するということにいたしませんと……。そういう趣旨でありますから私の申しました意味だろうと考えますが、それは如何でありますか。
#48
○政府委員(岡咲恕一君) 私から便宜お答え申上げます。
 現在におきまして判事の定員が非常に不足いたしておりますので、簡易裁判所の判事を止むを得ないでお手傳を願つておるという実情にある次第でございます。簡易裁判所の判事は、判事の任用資格のある人が相当任命されておりますので、そういう止むを得ない便法を講ずることができますので。それによつておる次第でございます。
 それから先程の御質問、総裁からお答え申上げたのでありますが、簡易裁判所の判事の号俸、一号は一万一千円二号一万円であります。三号になると八千円、これは非常に開きができている、おかしくないかという御質問御尤もでありますが、この一号、二号は判事の資格がある者が簡易裁判所の判事に任命されるということがありますので、それを予定いたしましてこういう号俸ができておる次第でございます。
#49
○松村眞一郎君 それでありますというと私の数えましたところと一致せんと思います。判事の定員だけの人がないから、便宜簡易裁判所の判事を以てその職に充てるというのであるならば定員を超えるという頭はないだろうと思います。判事の定員を超過するつもりはないが不足であるが故に補充するということになりますと、かくのごとき兼任を作る場合には、私はこういうことが必要だと思います。前項の兼任の判事の員数は判事の定員の中に数える。こういう思想でなければならないと思います。それで一向差支ないのであります。そうしないと弊害を起します。元來こういう制度はないのです。今まで官吏制度をずつと長い間やつて來ております中に、兼任の俸給を貰うということがあるならば、それは逆なのです。むしろこれは逆にされた方がいい。あなたのような御説明であるならば、むしろ判事の方を本官にして、簡易裁判所の判事を兼ねさしたらいいじやないか。今あなたのおつしやつたのなら、判事に欠員があるのですから欠員があるならば本官にしたらいいのです。その人を本官にしておいて、簡易裁判所の判事を兼ねさせる。そういう明文は要らない。今のごとき御趣旨ならば第十三條は削つていいと思います。明瞭に削つていい。判事に欠員があるというのですから、欠員があるならそれを補充したらいいのです。立派な判事にしておいて、簡易裁判事の判事を兼ねさせれば、從來の官吏制度の弊害はちつとも生じない。かくのごときことをやつておれば必ず定員外に超過すると思いますから、若しこの案を固執されるならば、今のような明文を入れなければ私はいけないと思います。あなたの言われる御説明であれば第十三條は要らない。判事を本官にしいおいて兼ねさせればいいのです。不必要な規定を置いておるということはこれは明瞭なことだと思います。今の御説明であるならば第十三條は削つてよろしいということを私は主張いたします。
#50
○説明員(石田和外君) 今の御疑念に対して御説明申上げます。判事の欠員があるからではないのでございます。判事の定員が只今八百二十六名ということになつております。ところがこれを各高等裁判所、地方裁判所の本廳、その他昔申しました甲号支部というような方面へこの定員を配置いたしてあります。ところがその外に乙号支部と申しまして、判事が一人きりしか配置されない所が、正確な数字はちよつと記憶いたしませんが、確か二百七十七ヶ所ばかり全國にあると思います。でこれは全部判事の資格のある者を配置いたさすということになりますと、全部で定員は千名を超さねばやつて行けないのであります。ところが遺憾ながら定員に関する法律では八百二十六名という数に過ぎませんので、いわゆる乙号支部へは判事は常置することができないわけであります。これでは全く困るわけでありますので、乙号支部へは判事の資格がある者を特に簡易裁判所判事として配置いたしまして、つまり簡易裁判所判事の定員配置をいたしまして、それに判事の資格ある者を配置してある。それによつて辛うじて裁判の運用を完うし得ておるのであります。でありますから乙号支部に配置されておる簡易裁判所判事は、本官は簡易裁判所判事であるけれども、実際は判事の仕事をして貰わなければ裁判が運用できないという状態であります。これは全く判事の定員が八百二十六名ということに制限されておるからでありまして、これは何としても法律を改正して頂いて、乙号支部へも十分行きわたる判事の定員を増して頂かなければいかんのでありますが、その定員に関する法律が改正されない限り、これは望めないことであります。でありますからその実情がよく國会でお分りになりまして、定員に関する法律が是正されるまでの間、当分の間こういう取扱を願いませんといかんという次第でございます。
#51
○松村眞一郎君 只今の御説明であれば、定員を定めておる法律が不可であるという前提から來ておるのである。それならばその方の改正案を出したらいいでしよう。定員を定めておる法律が正しいものであるという前提の下に我々は今審議しておる。それが正しくないという意味において当分の内というような曖昧な言葉を以てせられるということは、私はよくないと思います。それであるならば逆にしたらいいでしよう。定員を増加して、簡易裁判所の定員を減らしたらいいでしよう。実際に合うようにしたらいいだろうというのが私の要望であります。あなたのようなことを言われるならば、当分の内ということが意味を成さない。法律を無視した場合で、定員の法律が悪いということの前提の御説明であるならば、我々の審議権に非常に影響する問題です。はつきりそれは改正案をお出しになつたらいいじやないですか。それは同時に研究すべき問題で、殊に判事の俸給を食うのですから、食うという以上は定員よりも、実質において予算を食つてしまう。それならば定員の方を改める方がむしろ正しいのであつて、定員をそのままにして置いて、そうして判事の俸給を食うということは、あなたの御議論であるならば、判事の定員の全部を充たしても尚必要な議論をしておられる。それならば俸給を食うことになる。それは予算の審議権を無視した法律をここから作ることになります。予算の審議権というものと法律の制定権は並行しておるのでありますから、そういうような説明であるならば、尚更第十三條は存置することはできないということになります。これは削る外ありません。それだけ私は意見を申して置きます。
 それから第十條でありますが、これは詳細な御意見も出されておりますが私はやはり最高裁判所というものにつきまして、或る意味においてこれは立法権の委任と私は考えてよろしいと思います。政府においては政令で出すのでしよう。若し政令で出したならば、それは委任立法なんだ。その立法権の方から司法権の方へ委任立法をやるということは、これは私は初めてのことをやることになりますから、これは非常に愼重に考慮しなければなりません。むしろ第十條の規定は、一般官吏の俸給なり給與なりを増加して場合に裁判官についても同樣の考慮を拂わなければならんという政府の態度を示しておるということで、私は十分だと思います。私は最高裁判所という字は削るべきものと考えます。そうして「支給することができる。」というのは「支給する」でよろしい。これは非常に重大な問題でありますから、私は今この案についてもう少し研究したいと思います。端的な考えとしましては、そういうことがその筋の示唆によつて必要であるならば、その意思を表明しておけばよろしい。ですから「最高裁判所は」ということは書く必要はない。支給するときは特別の給與として支給する。それは法律を出すべきときは法律を出します。それは我々の権限で出すのであるから最高裁判所に委任するということは、私は非常な悪例であると考えます。これは私は承認することはできないから予めお断りいたして置きます。
#52
○鬼丸義齊君 法務総裁が御臨席でありますからこの機会において裁判官、檢察官の定員の増加、これを一つ政府の方では今数歩飛躍的に、熱心に一つ御研究を願つて、今にして増員するにあらざれば、全くこの治安の維持が崩壊されるのじやないかと私は心配しておるものであります。恐らくは現在の社会世相から見まして、我々の生命身体に対する脅威というものは、これ程極端なことはないと思います。もう殆んどある意味から申しまするならば、國民殆んど皆罪を犯しておるように私は思います。而も裁判所、檢察廳の事務というものは本当に文字通り山積して、見るに忍びない努力を続けております。それにも拘わりませず、すでに國会の第一囘以來、一年数ケ月を経ておりまするが、議会において治安に関しまする問題として特に声を大にして取上げましたことは、極めて少く数件に過ぎないのであります。恐らくは実際以上に國民全体がこの治安の乱れておりますことに対する心配は造次顛沛にも忘れることのできない苦痛をなめておると思います。勿論それぞれ係りの方は全く熱心に涙ぐましい努力を続けておられますけれども、今までの定員で以て到底この從來のごとき裁判、檢察の信を繋ぎ得て、そうしてこの事務を処理して行くということは断じてできないと思います。何としても裁判官、檢察官の増員ということは、これ程私は切実なものはないと思います。どうか法務廳におかれましても、又幸い裁判所関係の方も御臨席でありまするが、この機会にこれを何を措きましても増員をいたさなければ解決のできないことばかりであります。例えば一裁判所の、高等裁判所の繋属事件が千数百件に及んでおりますような有樣で名古屋の高等裁判所の繋属事件などは高等裁判所だけでも千数百件であります。それが四、五部の裁判官によつて処理されておりまするが、一日に一件乃至二件しか処理ができない。いつのきとにこの事件が一体解決するかということを思いまするとき、もうどうしてもこれは増員をするより外途はないのであります。私は國費の節約は勿論私共は何を措いてもしなければならんと思いまするけれども、恐らくこの裁判、檢察のことだけは社会の現状と睨み合せて、反比例的にその必要に迫られておるのであります。どうか当局の責任を持たれまして、議会においてもう少しこの治安に対する状況を認識して貰うように、政府の努力を私はこの際お願いをし、併せて大増員を一つ断行して貰うことをお願いいたします。
#53
○松村眞一郎君 私も今鬼丸さんの述べられたところに同感をするのでありまして、若し定員の増加が必要であるならば、又必要であることと思いますから、それならばその方から正面的の立法をして頂きたい。現に欠員があるのでありますから、欠員の補充の方が先決問題であります。欠員を沢山存在さして置きながら、定員が足りないということは私は矛盾しておると思います。先ずこれを補充したけれども、足りないから定員の増加があるべき筈なんであります。そこでこういうような待遇をよくしたならば自然定員も増して來るでありましよう。ということを我々は期待しておる。そういうわけでありますから、定員を増す秘要があるならば、御檢討されて提案される必要がありますから、欠員を持ちながら増員ということは私はおかしいと思います。そういう意味におきまして先程申しました十三條は甚だ意味を成さんということを申上げて置きます。
 それから法務総裁に伺うのでありますが、檢察官の第一條の、これは前からもやはり質問があつたのでありますが、次長檢事及び檢事長というものを國務大臣の例によるということは私はよくないと思います。認証官ということを申されますけれども、元來國務大臣ということは、これは憲法で書いてあることなんです。それをただ、私の言葉が少し過ぎるかも知れませんが、それを軽々しくいろいろなところに、この例によりというところに國務大臣を引つ張り出されることは、私は余りよくないと思います。元來檢事総長と雖も國務大臣の例によるということは私はおかしいと思うのであります。檢事総長は國務大臣より下なんであります。こういうことになりますと総裁はどういうことになりますか、総裁の下で総裁の命令を受けるところの檢事総長が國務大臣の例によるということは私はおかしいと思います。理論上一般官吏の例によるのでよろしい。全部が……。それは私が今申しました裁判官の方の第十條には一般官吏の例によるということが書いてあります。この中には最高裁判所の長官も入つておる。何ら不思議がない。一般官吏の例によるでよろしい。この場合も檢事総長はすでにこの別表によつて國務大臣と同じことになつておるんだから、自然國務大臣の例によつて出て來るわけなんです。こういうところに檢事総長は國務大臣の例によりという字を加えられることそれ自身が私は適当でないと考えます。余り檢察官の地位を重要視するということのために、いろいろな感じを與えるようなことの明文は、私は喜ばない。檢察官それ自身が重要なことは私はよく大切に考えております。いろいろ総裁は準司法官的な地位というようなことを言われた。これは準司法官的という意味が明瞭でありませんから、昨日証人にも伺つたのですが、準というのは、そういうことは法律上の根拠はどこにあるか。その法律上の根拠がないそういう言葉を若し使われるならば、法務総裁それ自身が法務廳法案説明のとき申されたごとく、総裁の方がそれはアトーネー・ゼネラルである。若し言葉にするならば、準弁護士なんです。檢事官は準弁護士であつて、準司法官ではありません。私はそういうように信じておる。そういうわけでありますから、そういう法律上にない言葉を使つていろいろなことを言うて法律の説明をされることは、私は賛成しない。だから檢察官が軽いという意味じやないのです。檢察官は私は非常に重大だと思つております。或る程度の俸給を増されていいし、私は法案それ自身の本質に彼これ意味を持つておるのじやない。ただ説明が甚だ法律的でないということを法務廳総裁に対して申上げる。準司法官的地位というのは法律の何によつてそういうことをおつしやるのですか。どこかにそういう字がありますか。法律の中に……それを伺いたい。
#54
○國務大臣(鈴木義男君) 準司法官的な地位ということは我が國の法律にそういう規定をしたものは無論ないのでありまして、すべて法律上の問題は法律上の根拠に基いてだけ説明せよと言われますと、非常に問題がむずかしくなるのでありまするが、例えばアメリカなどでは檢事の性格について沢山の判例があります。あちらの最高裁判所の判決でありまするが、ここに五つ程拔萃して持つておるのであります。地方檢事は準司法官である。クアジ・ジユディシアル・オフイサーである。檢事は準司法官である。確実に有罪なものと有罪の疑わしいものとを区別して健全な裁定を行うことを職務とする準司法官であるなどと言つて、すべてそういう定義を下しておるような次第でありまして、檢察官は準司法官である。廣い意味の司法官である。そういうことは法律常識の上からも言うことができようかと思うのであります。何法にどう書いてあるかと言われるとちよつと困るのであります。どうかさように御承知を願いたいと思います。
#55
○松村眞一郎君 私は敢えて議論をいたしませんが、若しそういう説明で仰せられるならば、それは刑事だけの関係でありましよう。今お話になりましたことでも明瞭であつて、有罪の関係でいうのでありますから、裁判官は刑事だけじやない。そういう点で私は準司法官というのは、刑事に関する範囲において、という言葉でもあればいいかも知れませんが、ところがこれは刑事に関する檢事の俸給を定めておるのではない。刑事に関する方における檢察官の俸給を定めておるのではないのでありまして、司法官全部を言つておるのでありますから、ただ一部をいうなら準司法官でありましよう。これは意見の相違でありますから、ただそれだけを申上げて置きます。
#56
○國務大臣(鈴木義男君) 國務大臣の例によるというのは、確かに不用意でありまして、余り適当な言葉と思つておりません。一つ國会の方でも、私の方でも意見を後において提出いたしますから、その点を一つ適当に御修正下すつてよろしゆうございます。実は基本法の方がまだできないときに立案したために、こういうことになつたのであります。
#57
○委員長(伊藤修君) 増員に対する分は……。
#58
○國務大臣(鈴木義男君) これは無論多々ますます弁ずでありますから、是非定員の増員はお願いいたしたいと思つておりますが、只今御指摘に相成りますように、非常に欠員があるのに定員の増加とは何ぞと、こう言われると誠に恐縮いたしますが、先ず定員を充実させまして、近い將來に優遇して頂きますれば、恐らく充実すると信じます。然る上に一つ定員の増加も是非お願いいたしたいと思います。その際は御協賛下さるようにお願いして置きます。
#59
○松村眞一郎君 それでありますと、私は第十三條の問題につきまして、当分の間という意味を総裁からはつきりと言うておいて頂きたいと思います。これは定員に関係があるのだということを……。そうしませんと從來の用例によりますと、当分の間というのは、いつまでも続いておる。そういう意味でこれは定員に関係のある意味から、定員についての問題がここに法案として現れる場合は、この法文が若しました場合は、私はこれは必要でないという議論でありますけれども、若しました場合は、この際にこの法文は併せて考慮すべきものであるということを言明して頂きたいと思います。
#60
○國務大臣(鈴木義男君) その点はお言葉の通りであると存じております。そういう趣旨で、眞に当分の間にいたしたいと考えるのであります。
#61
○小川友三君 ちよつと簡單に、関連して……。裁判官と檢察官の欠員問題でありますが、この欠員しておる理由の最も大きな点は、官舎がないという点であると私は信じます。就職しても轉勤を命ぜられる、そこで官舎がない官舎がないのに、木に止まつておる雀じやあるまいし、ならない。でありますから官舎を政府が作つてやる。政府に予算がないなら、國民大衆の淨財を集めて作つてやるという立場で行けばいい。眞劍に作ろうという熱心が政府当局にありますれば、官舎は必ずできるのでございます。全部作つても二千か三千の官舎でありますから、この点につきまして、官舎を作つて、そうして家を與えて採用して行くという点になりますれば、欠員はなくなると私は信じておりまして、裁判もスピードで行くと思います。かような点から官舎問題につきまして、大臣の御関心並びに御認識を更に深めて頂きたいと思う次第であります。
#62
○國務大臣(鈴木義男君) その点はお言葉の通りでありまして、実は裁判官檢察官の異動を行いますのにも、殆んど官舎問題……住宅が障害となりまして、思うような異動を行うこともできないような実情であります。でありますから数においても、非常に多いわけではありませんから、建設院等にも交渉いたしまして、是非裁判官並びに檢察官には一個ずつの官舎を與えるようにして貰いたい。そうしてそのことをこの法律にも、官舎を必ず給すると、こういうふうに書いてあつたのです。原案には……。併しどうも閣議におきまして、材料その他の関係で、建設院が責任を以てそれだけの数を必ず建ててやるということは、ちよつとどうも保証ができぬから、それができた時まで、それは一つ撤囘して欲しい。こういうことになりまして、実は撤囘いたしたような次第でございます。併し法律には書いてありませんでも、事実上要求いたしまして、例えば千に対して百でも二百でも官舎を一つ造つて貰いたい、そうしてできるに從つて、やがては必ず官舎というものが、給與の一部分として附く。こういうふうにいたしたいという希望であります。そのことを明らかにいたして置きます。
#63
○委員長(伊藤修君) 他に御質疑ありませんですか。では本日はこの程度において質疑を打切りまして、明日は、本会議がありますれば午後一時、本会議が午後になりますれば午前十時に司法委員会を開会いたしたいと思います。本日はこれを以て散会いたします。
   午後三時四十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           鈴木 安孝君
           岡部  常君
   委員
           大野 幸一君
           齋  武雄君
          大野木秀次郎君
           鬼丸 義齊君
          前之園喜一郎君
           宇都宮 登君
           松村眞一郎君
           宮城タマヨ君
           星野 芳樹君
           小川 友三君
           西田 天香君
  國務大臣
   國 務 大 臣 鈴木 義男君
  政府委員
   法務政務次官  松永 義雄君
   法務廳事務官
   (法務廳調査意
   見第一局長)  岡咲 恕一君
  説明員
   最高裁判所事務
   官
   (人事課長)  石田 和外君
ソース: 国立国会図書館
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