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1947/05/06 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 司法委員会 第22号
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1947/05/06 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 司法委員会 第22号

#1
第002回国会 司法委員会 第22号
昭和二十三年五月六日(木曜日)
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  本日の会議に付した事件
○裁判官の刑事事件不当処理等に関す
 る調査の件
  ―――――――――――――
   午後五時三十分開会
#2
○委員長(伊藤修君) 只今から委員会を開会いたします。本日関係方面とも懇談して参つたのでありますが、その経過を御報告申上げ、御意見を承わりたいと存じます。
 目下裁判官の待遇に関する法律案が國会に提出されておりますが、それはそれとして、問題は、現在裁判官が果して國民の信頼をかち得るだけの行動をしているだろうかどうかということであります。勿論裁判官全部というのではないが、裁判官のうちには、日本のおかれている現在の地位を十分に理解しないで、具体的事件の処理にのみ捉われている向が多分にあるというのであります。例えば尾津事件の問題において、裁判所は四囘もの保釈申請を許可しなかつたものを、最後に極く少ない保証金額で保釈を許し、本人は病院で乾分と共に宴会をしているのに、裁判は少しも進行しない、而もその後物價調整法令違反として起訴されていても、この事件もまだ未処理となつている。又新鋭大衆党の眞木事件も起訴を受けたが、これも保釈となつて裁判は進行せず、中止となつているが、その理由が少しも分らない。又この外にも青木事件、蜂須賀事件というのがあるが、これも理由不明のままに裁判が進行していない。これらは超國家主義的な人物であつて、日本の民主化のためには好ましくないものであるのに拘わらず、裁判所がこのような措置を執るということは、裁判所が民主化に相反する行動を執るということになるので、國民がこれを認めるかどうかは非常に重大な問題となる。又日本の食糧事情が極めて困難であるので、これの解決の一方法として、世界の各國の反対があるにも拘わらず、関係方面としては、日本漁業の南方進出を許可したところ、木更津に船籍を置く松島丸は、遠く許可海域から一千哩も先方に進出し、遂に濠州で拿捕され、日本に送還された。これについて濠州と中國から抗議がきたくらいであつたのに、この事件に対する日本の裁判所の裁判は、僅かに禁錮六ヶ月と罰金二万円程度だつた。一方には煙草一本所持のごとき軽微な犯罪であるのに、懲役三年に処するのがあるかと思うと、このように極めて軽る過ぎると思われるものがある。各事件について、裁判官が事件の処理を進行せしめないこと等は、裁判官が暴力を恐れるからであるのか、何か他に不正があるのか、その措置について理解し得ないが、このようであつては、裁判官のその待遇を高めても、國民の信頼を裏切ることとなるというのであります。私は先方といろいろ話しをいたしたのでありますが、このような問題について、司法委員会としては、調査事件として十分調査し、その結果を最高裁判所に勧告し、且つその他適当な方法をとつたら如何かと考えます。即ち國会は國権の最高機関でありますので、司法委員会が松島丸事件、尾津事件、眞木事件、伊東ハンニ事件、その他これに類するような問題について、何故にこれが未処理のままとなつており、國民に疑惑の念を抱かせるかを徹底的に明かにし、併せて能力のない裁判官、その他好ましからざる裁判官についても十分調査を行い、その結果に基いて最高裁判所に勧告し、その他國会として適当な処置を講じたいと思います。そのためには、事件の裁判官、その他関係人を証人として供述を求めるというようなことをしなければならないと思いますが、如何でしようか、お諮りいたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(伊藤修君) 御異議ないと認めます。では只今の問題は調査事件とすることに決定いたします。手続については委員長に御一任願いたいと存じます。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(伊藤修君) 御異議ないと認めます。尚題名について如何いたしますか、お諮りいたします。
#5
○松村眞一郎君 題名については委員長において十分考究を願います。
#6
○委員長(伊藤修君) それでは裁判官の刑事事件不当処理等に関する調査といたしては如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(伊藤修君) 題名につきましては、只今申上げた名称とすることに決定いたします。ではさように決定いたして、これで散会いたします。
   午後六時四十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事      岡部  常君
   委員
           大野 幸一君
           齋  武雄君
          大野木秀次郎君
          池田七郎兵衞君
          前之園喜一郎君
           來馬 琢道君
           松井 道夫君
           松村眞一郎君
           小川 友三君
ソース: 国立国会図書館
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