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1957/03/12 第28回国会 参議院 参議院会議録情報 第028回国会 決算委員会 第11号
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1957/03/12 第28回国会 参議院

参議院会議録情報 第028回国会 決算委員会 第11号

#1
第028回国会 決算委員会 第11号
昭和三十三年三月十二日(水曜日)
   午後一時三十一分開会
    ―――――――――――――
  委員の移動
三月十一日委員大谷瑩潤君及び官田重
文君辞任につき、その補欠として松村
秀逸君及び手島栄君を議長において指
名した。
本日委員竹中恒夫君辞任につき、その
補欠として千田正君を議長において指
名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     高野 一夫君
           大谷 贇雄君
           平島 敏夫君
           相澤 重明君
           奥 むめお君
   委員
           石井  桂君
           勝俣  稔君
           手島  栄君
           西岡 ハル君
           堀本 宜実君
           増原 恵吉君
           松岡 平市君
           松村 秀逸君
           大倉 精一君
           岡  三郎君
           島   清君
           竹中 勝男君
           千田  正君
           岩間 正男君
  政府委員
   大蔵政務次官  白井  勇君
   大蔵省管財局長 賀屋 正雄君
   運輸省鉄道監督
   局長      權田 良彦君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修蔵君
  説明員
   大蔵省管財局国
   有財産第二課長 市瀬 泰蔵君
   大蔵省関東財務
   局管財部長   宮川 政純君
   会社検査院事務
   総局第五局長  上村 照昌君
   日本国有鉄道副
   総裁      小倉 俊夫君
   日本国有鉄道常
   務理事     久保 亀夫君
   日本国有鉄道常
   務理事     石井 昭正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十年度一般会計歳入歳出決算
 (内閣提出)(第二十七回国会継
 続)
○昭和三十年度特別会計歳入歳出決算
 (内閣提出)(第二十七回国会継
 続)
○昭和三十年度国税収納金整理資金受
 払計算書(内閣提出)(第二十七回
 国会継続)
○昭和三十年度政府関係機関決算書
 (内閣提出)(第二十七回国会継
 続)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高野一夫君) ただいまから本日の決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の変更を報告申し上げます。三月十一日付、大谷瑩潤君、宮田重文君が辞任されまして、松村秀逸君、手島栄君が補欠選任されました。また、本日付をもって、竹中恒夫君が辞任、千田正君が補欠選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(高野一夫君) 本日の委員長及び理事打合会におきまして、申し合せました事項を報告申し上げます。次川は三月十四日金曜日午後一時から開会いたしまして、農林中金の融資問題について政府当局に対する質疑を行います。その次は来週月曜日、三月十七日午後一時から開会いたしまして、国鉄に関する決算審議を行います。以上の通り決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高野一夫君) 御異議ないものと認めて、さように決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(高野一夫君) 昭和三十年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十年度政府関係機関決算書を議題といたします。
 本日は、日本国有鉄道の部を審議いたします。検査報告批難事項は、第二千百四十二号から第二千百七十四号までであります。まず会計検査院から概要の説明を願います。
#6
○説明員(上村照昌君) 日本国有鉄道に関して御説明いたします。
 昭和三十年度の検査報告に掲記しました個別事項の件数は、工事関係十五件、物件関係十六件、役務関係一件、不正行為一件、合計三十三件となっております。
 まず工事について申しますと、工事の経理が適正を欠いたものとして、二千百四十二号と二千百四十三号の二件があります。二千百四十二号は、岐阜工事事務所で直営工事の人夫賃として支払ったこととなっております五百九十余が円のうちには、人夫賃以外のものに支払っているものがあり、事実が相違しておりまして、内容の確認が困難な事態でありまして、二千百四十三号は、静岡鉄道管理局で請負工事が設計通り竣工したということで経理されておりますのに、実際は設計個所と異なる個所を施行したり、あるいは前年度施行済みの個所を施行したということになっておりまして、工事の実態の把握が困難な状況であります。従いまして、直営工事においては実際と合致する工事経理をする必要があり、また請負工事におきましては、工事個所の検討、現場の確認を十分にする必要があると考えます。
 次は予定価格の積算が過大であったため、工事費が高価となっているものが八件あります。まず、二千百四十四号の大阪工事事務所の赤穂線の工事で、ずい道掘さく工事費の予定価格の問題であります。掘さく工事におきましては、岩の性質が工事費に非常に影響するものでありますが、本件は、工事費の積算において、すべて岩を硬岩として積算されておりますけれども、当時の状況等から見まして、全部を硬岩とする必要はなかったものと考えられます。また掘さくに要する電力量を、全工事期間を通じて機械がフルに動くというふうに、一般には考えられないように多く積算されておられます。その結果、七億二千万円の工事に対し、概算四千九百万円が高価な積算となっているのであります。
 二千百四十五号は、札幌工事事務所で札幌用品庫改築工事を請負に付します場合に、請負人持ち材料であります鋼材の価格について、市場の調査が十分でなかったため、工事費約四百二十万円が高価となっているものであります。
 二千百四十六号は、東京工事事務所で請け負わせた神田駅町架橋新設その他工事ほか二工事におきまして、材料でありますコンクリート杭の価格の検討が十分でなかったものであります。コンクリートくいは、当時業者の価格表が出ているのでありますが、大口の取引の場合にはその価格より値引きされ、しかも運賃は業者持ちで取引されている実情でありますのに、調査が十分でなかったために価格表を基礎にして契約されたため、約七百九十万円が高価となっているものであります。
 二千百四十七号は、名古屋鉄道管理局で、名古屋、枇杷島間の改良工事を請負に付するに当りまして、予定価格の積算をする際、この工事に使用するコンクリートブロック制作に要しまする砂、砂利等の市場価格等の調査が十分でなかったため、工事費が約三百九十万円高価と認められるものであります。
 二千百四十八号は、東京電気工事事務所で、特別高圧ケーブル新設工事を請け負わすに当り、工事の実態の調査が十分でなかったため、浅い根掘や厚さの薄い基礎コンクリートには土留型ワクを使用しないのが通常でありますのに、業者も使用しておらぬのでありますが、これを積算したりされたため、約四百三十万円の工事費が高価と認められる事態であります。
 二千百四十九号は、東京工事事務所で請負に付せられた上野・田端間その二十八田端駅構内土工その他その二工事における捨土費の問題であります。本件は、当初の契約において捨土費を立米当り三百七十五円として積算されて契約されたものでありますが、工事途中において設計変更の必要がありましたために、未施行部分を解除して、さらに同一業者と契約されたものであります。その場合、捨土費を立米当り七百五十七円に上げて契約されております。しかも当時捨土につきましては、大体東京都内において立米当り二百六十円程度であると考えられますの、で、少くとも当初の三百七十円程度で契約するのが妥当と考えられ、それによりますと、約三百十万円が節約し得たと考えられます。
 二千百五十号は、東京工事事務所で神田・上野間その二十六高架橋く体新設、その他工事ほか二十三件の工事を請負に付するに当りまして、工事に使用する生コンクリートの予定価格を積算する際、諸経費として生コンクリートの価格の一五%から二〇%を見込んでありますが、生コンクリートの取引の実態等から見まして、諸経費は七%くらいが適当と考えられ、これによって積算しますと、約七百四十万円が節約できたものであります。なお生コンクリートにつきましては、業者持ちとしないで、国鉄の支給扱いとする方法がとられれば、一そう右利であると考えられます。
 二千百五十一号は、東京鉄道管理局で大宮変電区油入遮断機ほか二工事を請負に付するに当りまして、工事の内容であります套管の価格を一業者の見積りを基礎として予定価格を概算されたため、他の業者その他について調査されたならば、なお相当有利な予定価格を積算し、契約できたと思われるものでありまして、調査が十分でありましたならば、約百六十万円は節約、できたと考えられるものであります。次は工事の施行に当り、契約処置が適切でなかったため、不経済となっているものが二件であります。
 まず、二千百五十二号の契約相手方の選定の問題でありますが、東京鉄道管理局で軌条用タイプレートの改造工事を請負に出された相手方は、改造工事を行う施設がなく、全部下請けに出している状況でありますが、これを直接下請け業者と契約する配意がとられたならば、約百三十万円が節約し得たと考えられるものであります。
 次は二千百五十三号の電動車五十八両の更新修繕工事の請負についてでありますが、この工事については主要部分を業者持ちとして契約しておられますが、部内工事において行われる同種の修繕工事、あるいは新製電車の製作請負の場合には、資材局で一括調達して支給扱いとするなど有利な方法がとられておりますから、同様に支給扱いとせられたならば、約千百万円が節約できたと考えられるものであります。
 次は二千百五十四号の工事の設計と施行とが相違しておるものであります。これは大阪電気工事事務所で、米原駅構内電車線路支持物新設、その二工事ほか十八件の工事を請負に出して設計通り完成したものとして検収しておりますが、実際を調べてみますと、基礎コンクリートなどが設計と異なる形ででき上っておるものでありまして、設計に比べて出来町が約四百九十万円不足しておるものであります。
 工事関係の最後は、二千百五十五号と二千百五十六号の工事用交付材料の残材が回収不足となっておるものであります。これは岐阜工事事務所と東京工事事務所において、工事用として業者に交付された古軌条の残材が回収不足となっておる事態でありまして、このような事態の発生したのは、契約上残材を回収することになっておるのに材料交付の際残量発生見込数量をあらかじめ算定しなかったり、あるいは工事が完成した際、請負人が残材を持ってきた場合に検討しないで、そのまま受け入れられておられるためであります。
 次は物件関係について説明します。最初は予定価格の積算が過大なため購入価格が高価となったと認められるもので、二千百五十七号から二千百六十一号までの五件であります。
 二千百五十七号は、資材局で購入せられた貨車六百両についてでありますが、予定価格の積算から見ますると、支給材料及び請負人持ち鉄鋼部品を除いた鋼材の所要量について、大体製品歩留りが六八%になっておりますが、部内工場などにおける歩留りは相当上回っており、歩留りについて考慮が十分払われていたならば、約二千万円は積算を少くすることができたと考えられます。
 二千百五十八号は、車両用パッドの構入でありまするが、予定価格を積算した主要材料であります牛毛の価格が過大であったり、加工費が過大であったため、約五百万が円が高価と認められるものであります。
 二千百五十九号は、三等寝台車用毛布カバーの府入費についてでありまして、毛布の寸法からして、カバーの布地は四十二インチ幅で十分でありますのに、五十四インチ幅として布地を積算されましたため、約五百六十万円が不経済になっておるのであります。
 二千百六十号は、九州地方資材部における腕木の購入でありますが、原木の価格を高く見積ったり、製材歩留りを多く見積られたなどのため、約三百十万円が高価と認められるのであります。
 二千百六十一号は、関西地方資材部の炭酸紙の購入でありますが、これは業者の販売状況その他資材部の購入状況を考慮し購入せられたならば、約八十八方円が節約できたと考えられるのであります。
 次は物件の購入処置が適切でなかったため不経済となっていると認められるもので、二千百六十二号から二千百六十五号までの四件であります。
 二千百六十二号は、まくら木の購入についてであります。三十年度中にまくら木の一種、二種、三種合計四百十余万本を二十一億余万円で購入しておられますが、まくら木の購入につきましては、二十九年度検査報告において購入方法等について改善を促したところでありますが、その後検査院において実態を調査しました結果、納入業者のうちには契約だけいたしまして、同業者に代納させたり、契約全量を下請けさせ、中間手数料を得ている者などが少くなく、また防腐工場及び用品庫を主な納地としておられますが、検収に伴い発生する約三十万本の排却品に対する不用な運賃を要するなど、購入価格を高くする結果となっております。従いまして、まくら木の購入につきましては、努めて業者と直接契約することとし、納地を生産者発駅とするように考慮しますれば、経費も相当軽減し得るのではないかと考えます。また用品庫納めで納入させたため、二段輸送、逆輸送となり、不経済になっていたり、あるいはまくら木の割れのおそれのあるものについて鉄線巻を実施しておられますが、材料の所要量や、労務費の積算が適切でないため高価となっているものであります。
 二千百六十三号は、中部資材部で水石けんの一種でありますタマゴ=シャンプーを銘柄指定と同様な方法で五百二十万余円で聴入しておられますが、他の資材部、では、同一用途日本工業規格の粉石けんを使用しておられますので、同じものを購入せられたならば約二百四十万円が節約できたものであります。
 二千百六十四号は、関東地方資材部で亜鉛メッキ綱より線として購入せられたものについてでありますが、検査院で納入品について品質を調査しておりますと、実際に納まったものは通常鉄線と称しているものでありまして、価格の点から見ますと、約七十万円は安いものが入っておるのであります。このようなことになりましたのは、購入価桁の定め方が適当でなかったためと考えられます。
 二十百六十五号は、九州地方資材部で毛布を千四百八十一枚購入するに当って、風合見本通りということで紡毛糸の質等について明らかにしないで構入されたため、実際納入されました品は品質が悪く、一枚当り千五十円程度のもので、購入価格の一枚当り千三百円と比べて総額四十万円が不経済となっております。
 次は二千百六十六号の冷蔵車の制作に当り、交付材料が多過ぎたため不経済となったと認められるものであります。その製作に当りまして、ステンレス綱板を支給しておられますが、鋼板の板取り、溶接については符に指示しておられないのでありますから、その板取りについては最も有利な方法で板取りをする打算で、交付材料の数量を決定されるのが適当と思うのでありますが、検査院で板取りの計算をいたしました結果、鋼板が相当少くて済むことがわかり、その点について検討が十分であれば、約五百四十万円が節約できたとえられます。
 二千百六十七号は、国有鉄道営業局で利用可能な手小荷物切符を廃冊処理させたため、約千七十万円が不経済となったものであります。
 二千百六十八号は、構内営業料及び土地建物等の使用料決定の問題であります。土地建物等の使用料につきましては、従来著しく低かったので、二十九年度において従来の料金を改訂しましたが、その実施に当り、改訂料金が従来の料金に比べ一定額をこえるものにつきましては、三十一年度において適正料金になるように次年度以降漸増することとして二十九年度の料金を定められましたが、三十年度になり、さらに前年度に比べ大幅の値上りとなるもの、負担の容易でないもの、局所長がやむを得ないと認めましたものについて、一定の条件のもとに三十年度において三十九年度の料金を据え置くことができる取扱いを決定され、その結果、東京、大阪両鉄道管理局においては全面的に該当するものとし、名古屋、金沢、門司の三局では一部のものがこれに該当するとして、合計四百三十一件について二十九年度料金を据え置いて制定されております。その処置が緩慢でありまして、ただいま申しました処置をとられたものにつきましては、負担能力が十分あると認められるものも相当含まれておる状況であります。
 なお、鉄道会館の土地、建物の使用料の問題を記述しておりますが、その要旨は使用料の基礎となっております駅の特殊の収益力を含めた地価を六十万円と評定され、それから土地の使用承認のときから料金改訂のときまでの値上り分の半分を鉄道会館に帰属することとして坪当り四十三万五千円として、これを基礎として使用料を決定されておりますが、六十万円の評価も必ずしも適当とは考えられませんし、値上り分の半分を相手方に帰属させる処置も、本件が権利金を取っていないなど、民間の貸借例と条件が異なっておりますので、必ずしも妥当とは考えられません。また名店街の部分について一般の高架下と同様な割引がしてありますが、この点も考慮の余地があると考えられます。それから現有鉄道会館は六階まででありますが、将来十二階となるということで、十二階を基礎として料金を決定されておりますが、妥当とは考えられないなどの点が記述してありまして、鉄道会館は民衆駅の料金決定の基準となるものでありますから、国鉄において十分検討されることを望んでおるわけであります。
 次は土地の売り渡し価格が低廉と認められるもので、二千百六十九号から二千百七十一号の三件であります。二千百六十号は、広島鉄道管理上局で鉄道弘済会に売り渡された広島の土地の問題でありまして、これはさら地の価格から弘済会の建物が建っているということから、借地権相当額として三割を減額しておられますが、御承知の通り国鉄の使用承認に当り、使用期間が一カ年、期間満了後は使用者の負担においてさら地に回復して返還することが条件となっており、国鉄の他の売り渡し事例がこのような減額措置をとらないのを例となっておりますので、他の事例と同様な扱いをしますと、約六百八十万円は高価に売却し得たこととなります。
 二千百七十号は、東京鉄道管理局で鉄鋼ビルディングに売却せられた土地の価格の問題であります。この土地は帯状のくほんだ土地であるということで坪当り八万円で売却しておられますが、買受人の申し立てにより売却されたもので、買受人においてその所有地と一体として使用ができるものでありますから、銀行の正常地としての評価額二十一万円から凹地を正常地にする経費坪当り一万六千円を差し引いた坪当り十九万四千円で売るのが至当と考えられます。これによりますと、約四百六十万円は有利に処分できたものと思います。
 二千百七十一号は、大阪鉄道管理局で京阪神急行電鉄株式会社に売却せられた土地の価格の問題であります。これも前と同じように帯状の不整形地ということで一般の地価より二〇%引きで売却されておりますが、買受人において、買受人の土地と一体として劇場建設のため購入を希望しているもので、特にこのような減額は必要ないのでありまして、もし減額しないで売却せられたとしますと、約三百七十万円は有利に処分し得たものと考えます。
 次は二千百七十二号の車両の使用料の問題でありまして三十年度中各鉄道管理局で貨車の使用料として一億七百余が円を徴収しておられますが、二十九年度以降財産の使用料については、再調達見込価格を基礎として算定した使用料を徴収する取扱いが定められ、建物等につきましては、この方法によっておられますので、貨車についてもこの方法によって料金を改訂せられたといたしますと、さらに約二千八百万円を徴収し得たものと考えられます。
 次に役務関係の二千百七十三号でありますが、東京鉄道管理局で鉄道整備会社に諸け負わせた電車の清掃代金についてでありまして、この作業は独占的に右の会社に請け負わせておるものでありますから、前年度の実績を勘案して請負代金を決定せられるのが妥当と考えられます。この方法によったといたしますと、請負代金四千三百万円は約三百六十万円を減額できたものではないかと考えます。
 最後は二千百七十四号の不正行為でありますが、特に御説明いたす点はございません。
 以上申し述べたほか、総括記述として前の方に資産の再評価が必ずしも適当に行われていないこと。予算の経理として委託工事に従事した職員の給与等を給与総額とは関係なく支出されている点、工事について受託工事で直接費のほか間接費を回収するのに一定の乗率によっておられますが、実情に即しないようになっていること、あるいは土地建物等の管理運用が適当に行われていない面があること等について述べています。以上で説明を終ります。
#7
○委員長(高野一夫君) 次に、国鉄側から概要の説明を願います。
#8
○説明員(小倉俊夫君) 概要の御説明を申し上げまして、個々の案件につきましては、御質疑に応じましてお答え申し上げたいと存じます。
 まず、今回いろいろ検査院から鉄道の運営につきまして、批難事項として御注意がありましたことは、私ども管理者としてまことに申しわけなく、今後とも御指摘の点につきましては十分留意しまして、今後批難事項が一件でも少くなるようにということを極力努力いたすつもりでございます。
 ただいま御指摘のうちの工事関係について申し上げますと、工事の不当経理防止、また工事の監督、検収の厳正につきましては、機会あるごとにその指導に努めて参ったのでございます。予定価額の積算につきましては、積算方法の統一、並びに積算基準の適正化に関しまして、国鉄の実情に即応するような細目の制定につきまして、検討いたして参りましたが、近く成案を得る運びとなっております。設計の積算に当りましては、現地の調査や工事施行の実態、及び使用材料の適正な価格を十分把握するよう指導し、また契約相手方の選定や、経費率等につきましても、なお一そう検討を行わせまして、不経済にならないよう改善して参りたいと考えております。また内部機構といたしましても、契約審査役及び契約課を設置いたしまして、予定価格及び契約の適正に努めておる次第でございます。
 次に物件に関しましては、資材の調達、管理及び運用につきましては、常に検討を加え、その改善に努めて参ったのでございまするが、予定価格の積算基準及び積算方法の統一、市場価格の調査、施策の実態の把握等をさらに一そう厳格に行いまして、経済的購入をはかるよう指導いたしております。また本社の資材局には新しく調査課を設置いたしまして、これらの点をなお一そう強化推進することにいたしておりまして、ただいまその充実をはかっておる次第でございます。
 次に固定財産の管理につきまして申し上げますと、構内営業料及び土地建物使用料の決定につきましては、昭和二十九年上度に改訂しました使用料が一般に従前に比べて相当著しい値上りとなり、契約の締結に困難を来たし、その後料金の緩和措置等を講じて円満なる資産の運用に努力して参ったのでありまするが、これによりましても、なおかつ解決しないものが多かったため、ひとまず据え置きの措置を講じた次第でございます。特に高架下につきましては、管理の適正、業務の充実を期するため、部内組織といたしましては、東京、大阪両鉄道管理局にそれぞれ管財区を、また東京鉄道管理局には管財部を新しく設置いたしまして、他方学識経験者をもって組織する高架下管理刷新委員会を新しく設置し、固定資産、特に高架下の運用につきまして、その御検討をいただいております。近くその御答申をいただくことになっておりまして、かようなことによりまして、固定資産の運用に遺憾なきを期して参りたいと存じております。
 不正行為につきましては、従前から会計処理の方式について改善をはか り、事故の絶滅を期して参ったのでございまするが、重ねてこれらに関する諸規定及び諸通達の励行方にりきまして厳重な通達を発し、その防止に万全を期しております。
 その他御指摘を受けましたのもございまするが、それぞれの案件につきましては、十分調査研究いたしまして、それぞれ改善の処置を講じております。自後重ねて同様な御指摘を受けないようにということを鋭意努力いたしておる次第でございます。
#9
○委員長(高野一夫君) 以上をもって説明は終りました。御質疑のある方は順次御発言を願います。
 なお、この機会の当局側から御主席の方々は、右から順に会計検査院の上村第五局長、日本国有鉄道の久保常務理事、同じく石井常務理事、小倉副総裁、潮江常務理事、大石常務理事、運輸省から権田鉄道監督局長、なお鉄道監督局の深草国有鉄道財政課長が出席されております。
#10
○大谷贇雄君 ただいま会計検査院の指摘事項の説明を受けましたし、それに対しまして、国鉄の副総裁の方から遺憾なきを期しておる、こういうお話でありますが、どうも遺憾なきを期しておられても、まことに遺憾の連続でありまして、はなはだそういうことは遺憾千万だと私は思う。
 そこで第二千百六十二号のまくら木の問題でありますが、昭和二十九年度の決算報告においても購入価格が非常に高価になっておる、中間業者から購入するものが少くない、あるいはまた予定価格が実情に浴っておらぬというようなことで検討を会計検査院から求められた、しかるに三十年度の契約の分につきましても、こういうような資材を高価で買っておる、そのために非常な不経済となっておるというのでありますが、一体全国でまくら木を納入をしている業者というものはどのくらいあるのでございますか、伺いたい。
#11
○説明員(小倉俊夫君) 大体百三十ないし百五十くらいの業者がございます。
#12
○大谷贇雄君 そこで、これは指摘の説明に書いてありまするしように、随意契約により購入することが最も有利であるとしておるというようなことが書いてありますが、それは指定であるのか、また入札制度になっているのか、その点はどういうふうになっているのですか。
#13
○説明員(小倉俊夫君) 実は、このまくら木業者は、比較的小規模でやっております業者が多いのでございまして、生産者は比較的小規模でございまして、いろいろ金融の点等にも困るのでございまするので、大きな業者の融資を受けていると、そういうふうなことで、この点につきましては、前年度も御指摘を受けましたので、私どもいろいろ研究はいたしましたが、非常に全国に散在しており、ただいま申し上げましたような特殊な事情がございまするので、なかなか一般公開競争契約ということは困難な点がございまするので、ただいまのところ、一般公開競争契約は無理であるということで、特に随意契約をお願いしておる次第でございます。
#14
○大谷贇雄君 そうしますと、そういう随意契約をしておられることが、非常に検査院の指摘されるように高価であるというようなことになりがちではありませんか、いかがですか。
#15
○説明員(小倉俊夫君) まくら木につきましては、従来の購入価格がございまするのと、もう一つは、私ども長年相当数量を買っておりまして、いろいろ始終調査いたしておりまするので、適正な価格を算定することが困難でないと存じます。さらに申し上げますると、営林署の素材がございまして、営林署では毎年売り渡しの建値を設けておられます。これは大体一般市場よりも安いように承知しておりまするが、そういう点も参酌いたしまして、もし問いようでありますれば、値段をたたいて買っておりまするので、不当に高いとも考えておらない次第でございます。
#16
○大谷贇雄君 そこで、今まあ相当たくさん購入しておる、こういうお話でありますが、一体年額どのくらい購入をなさるのですか。
#17
○説明員(小倉俊夫君) お答え申し上げます。これは三十年度の契約でございまするが、いろいろ、並まくら木、あるいはくりまくら木、橋梁まくら木等がございまするが、合計で申し上げますと、四百五十五万六千本を購入いたしまして、その契約金額は二十八億八千五百万円と相なっております。
#18
○大谷贇雄君 そうしますと、そのようにたくさん要るわけでありますが、そこでこの二十八億円余というような支出をされておるのも、先ほどのお話によりますると、百三十軒の業者から購入をしておる、こういうことでありますか。
#19
○説明員(小倉俊夫君) その通りでございます。三十年度か三十一年度かよくはっきりいたしませんが、手元の資料では百三十四軒というふうになっておりますので、大体その見当で毎年契約いたしております。
#20
○大谷贇雄君 そこで、まあ先ほどのお話では、十分にいろいろ検討をして、評価をして、高いものはたたいておるから適正であるというようなお話でございまするが、この二千百六十二号の後段に指摘をされておりまする、三種材というのでありますか、この三種材というのでも、東北地方資材部が材料支給で日通に請け負わしておる価格から見ても、一カ所当り十五円程度が相当であると、そのために総額八百九十万円は高価になっているというように検査院は言っておるが、その点についてのお考えはどうなんですか。
#21
○説明員(小倉俊夫君) 会計検査院の御指摘の点につきましては、いろいろ研究いたしまして、このうちで、できるだけ生産地で買ったらいいじゃないかというふうな御指摘もございますので、と申しますのは、私どもは生産地で買いましても、検収であるとか、あるいは保管であるとかいう点で、いろいろ人手も傘いまするし、かつての例で山元で買いまして、これはブナであろうと存じまするが、大量腐らした例もございまして、できるだけ納地を集中するようにいたして参りましたのですが、そういたしますと、やはり運賃の関係で高くなるというふうな御指摘もございまするので、そういう点は、私どもさらに調査いたしまして、生産地で買って差しつかえないものは生産地で買うように切りかえをいたしたのでございます。そういう点。それからまた、いろいろ調べてみますと、全然山を持っておらないような業者も中にはございましたので、そういうものは取引を廃止いたしましたし、そういう点で、会計検査院の御趣旨を汲みまして改善をいたしております。
#22
○大谷贇雄君 そこで、こういう膨大な資材を国鉄は要しまするし、また購入をしなければ鉄道の運行にも非常に影響するわけで、その点は、最近東海道等でも電車ができて、大へん便利になったわけです。私どもまあ非常にありがたく思っております。ところが、これはやはりまくら木や何かがだんだん古くなっているのだろうというようなことで、振動が多くて、食堂車に入ってスープを飲もうとすると流れ出るというようなことで、流れる分量の方が多い、(笑声)まあそんなでもありませんが、とにかくよく食べられぬというようなことは、そういう施設がだんだん悪くなっていくからそういうことになるのだろうと思うので、これは急速に一つ大いに臓していただかなければなりませんが、しかし、この内部におきまして、こういう膨大な資材をお買いになる場合については、その機構というものは公正にできるようになっていると思うのですが、資材部の機構というのはどういうことになっているのですか、そういう購入について。
#23
○説明員(小倉俊夫君) 資材は、まくら木は全部本社で契約いたすことになっておりまして、本社には資材局というのがございます。その資材局の中の非鉄金属課というその課におきまして、業者と折衝して見積りを徴し、さらに何回も値段の交渉をいたしまして、そして原案が作成できますると、それを伺いの書類にいたしまして、資材局長それから担当常務理事、副総裁、総裁という決裁を得て契約をいたすことになっております。で、さらに先ほど申し上げましたように、今回は資材局の中に調査課というのを別に一つ設けまして、担当の非鉄金属課で契約いたしましても、さらに市場の模様その他から見ましてこれをチェックして、そうして公正妥当な値段であるかどうかを再検討して、伺いを出すような仕組みにいたしております。
#24
○大谷贇雄君 そこでこの三極材だけでも、検査院が八百九十万円も高いというふうに指摘しているわけでありますが、これはやはりさっきもそういうのはブローカーをやめるとか、あるいは中間の手数料を取るというようなものをやめて、合理化して改善していく、こういうことでありますが、この八百九十万円というものについては高いのだというふうに国鉄当局もお認めなんですか。
#25
○説明員(小倉俊夫君) 非常に御答弁がしにくいのですが、会計検査院の御指摘もいろいろ根拠があると思います。しかしながら、まあ私どもの方におきまして、この通り高かったのか、あるいは言葉を返して申しますれば、会計検査院の御指摘の通りの値段で買えたかどうかということにつきましては、まだ疑問を存している次第であります。
#26
○大谷贇雄君 そうしますと、これは会計検査院の問題になってくるわけですが、先般相澤委員と御一緒に大阪の国鉄の土地の問題で参りましたときに、実は新聞記者の諸君との会見をしたわけです。そうしましたら、会計検査院の若い人の中には、まるで検事が検察庁で取り調べるように非常な人権じゅうりんみたいなふうにもとれぬでもないような検査の仕方をしたということを、これは異口同音に実は指摘された。どこか山の高い、危ないがけのようなところに馬で登らして何をしたというような話を聞いたので、これは税務署の若い吏員が権力を持っておるがゆえに、人民に対して高飛車に出るというようなこともあるやに開くわけでありますが、そういうような行き過ぎなどはないかどうか、その点会計検査院としてはどういうような――院内のそういう検査に当られる方々の私は教養を、高めていかなければいかぬのじゃないか、やはりあたたかい気持でいかなければいかぬのじゃないかということをそのときに感じたわけです。むろんこの秋霜烈日の態度も、一面には不正があることに対してはこれは必要でございましょうけれども、しかし行き過ぎというようなことがあっては、これは容易ならぬことであって、ここに書いてある八百九十万円その他の問題につきましても、今の副総裁のお話は遠慮しいしいおっしゃっておられるのだが、一体会計検査院はそれについてどういう御所見でありましょうか、この点伺っておきたいと思います。
#27
○説明員(上村照昌君) 検査院に対して検査の調査状況のことについて御質問がございましたが、この御質問の点で、実はまくら木のことでそういうお話が出たわけなんですが、まくら木の点につきまして、ちょっとまずその方から御説明しておきたいと思うのですが、まくら木の二千百六十二号について書いてあることは、相当大胆なことが書いてあるというふうに御承知願っていいわけなんです。これは前段の部分についてでございます。これは納入業者の選定とか、あるいは納地を変更することによって相当有利な方法がとれるのじゃないかという一つの示唆を比較的大胆に言っておるわけです。ただいまお話の八百九十万円云々という点は、このまた書きのところに書いてあるものでございまして、その点につきましては、国鉄も了承されて直すということに運んでおるわけでございます。
 一番問題は、そこよりもむしろ納入業者を、私の方で言いましたように、あるいは納地を全面的にそうできるかできぬかということについては、相当実行上問題がございますけれども、国鉄におかれても相当その点について御考慮願いまして、納入業社の点につきましても、幾分は改善をされております。それから納入場所につきましても、件数を拾ってみますと、現場の納め、それから用品庫納めが次第に少くなってきておるというような数字が出てきまして、国鉄においても、ある程度改善されておるという状況をみておるわけであります。このまくら木の点につきましては、そういうことでございまして、特にきつい調べをしておるというようなことはないと考えますが、ただいまお話がありました点につきましては、これは非常にわれわれとしても関心を持たなければならぬことだと、かように考えております。検査をいたします場合に、これは国鉄につきましても、ほかの省でもそうでございますけれども、無理の検査をするということは、結局において改善措置がなかなかむずかしくなるというふうなことを私は痛切に考えておるわけなんです。それで私ども検査するに当りまして、実際検査に当る者が熱心なあまり、ある程度まで行き過ぎのことが起り得る場合がある。これは一面に言えば熱心であるからという点は買ってやらなければなりませんけれども、大きい目からも見なければならぬものでありますから、そういう点は十分戒めて、真に国家なり国鉄がよくなるようにという考え方で、無理な君考え方でいってはいかんというふうに実は申しておるわけであります。
#28
○大谷贇雄君 そこで、検査院のお考えだと、幾分程度国鉄の方では改善をなさっておるというので、幾分程度というさぢに御指摘でありますが、これは、一体国鉄は国民の財産でありますから、私は、慎重の上にも慎重にこの資材の購入等もしていくことが、国民の財産の保持の点から申しましても大事なことだと思うのですが、まも一番初めに遺憾なきを期しておるというお話でありますが、会計検査院の方は幾分程度ということなのだが、その点についての副総裁の御所信を一つ伺いたい。
#29
○説明員(小倉俊夫君) まくら木は、鉄道の施設として欠くべからざるものでございますが、毎年多額に購入いたしておりまするので、これを高く買うか安く買うかということは、大きな問題になります。ただ、私どもは別の面から、たとえば、倉庫納めあるいは分工場納めになりますと、人手が助かるとか、あるいは現場において盗まれることがないとか、いろいろなほかの面のことも考えまして、従来生産地オン・レールで買わなかったのでございますが、いろいろ御指摘も受けまして、なるほどとうなずける点もございますので、ただいまお話し申し上げましたように、倉庫納めを次第に減少いたしまして、生産地で買う、そして会計検査院の御指摘のように、極力二重輸送になりませんように努めて参りたいと存じます。
 なおただいま問題になりました八百九十万円の請負金につきましても、さらに再検討しまして、極力日通をして安く請け負わせるように努力して参りたいと思います。全国の輸送でございますから、全国的のプールの日本通運に請け負わせるのが便宜であるということでやっておりますが、なお、そういう点も考慮いたしまして、極力運搬費も安くいきたい、こういうふうに考えております。
#30
○大谷贇雄君 そこで、まあ一つ極力適正な価格でいきますように、一つ決算の上から予算を適正にあれしていくという御注意を申し上げて、今後とも御改善をお願いいたしたいと思うのでありますが、先ほど副総裁のお話では……。
#31
○委員長(高野一夫君) ちょっと――私から国鉄側に資料を要求したいと思います。ただいま大谷委員からまくら木についてのいろんな質疑がございましたが、まくら木の耐久性いかんということは、国鉄にとっても非常に重要な問題であろうかと思います。従って、耐久力が強い、長年月にわたって強いか弱いかということについては、不断に検査をされておるものを私は確信をしております。そこで、耐久力が強いということになりますれば、年々買う購入金額、本数も減ってくるわけであるし、従ってまた、決算上の不足がありましても、その金額はきわめて少額に済むことになる。ただし、耐久力が強いけれども、それが日本国内において供給できない、こういうような場合があるかもしれない。あるいはそういうような研究が現在できておりまして、そうしてそれがこういう方面において、日本において植林をするなら植林をする、こういうことにするならば、将来に向って日本のまくら木問題の解決が行われるであろう、こういうような研究が林野庁あるいは国鉄側の間において不断になされておるに違いないと払は思うのであります。その点についての資料を次回までに、ありますならば御提出を願いたい、これをお願いしておきます。
#32
○説明員(小倉俊夫君) まくら木の耐久性につきましては、従前から研究いたしておりまするので、そういう点もあわせまして、ただいまの資料を至急調製してお届けいたします。
#33
○委員長(高野一夫君) お願いいたします。
#34
○大谷贇雄君 もう一点。先ほど副総裁から、輸送賃というものはなるべく安く、向くならぬようにしたいというお話でありましたが、そこで、第二千百七十二号の「車両使用料が低れんと認められるもの」、これはどうも収入の方が低廉になってしまって工合が悪いわけで、借りる方は安くていいわけですが、収入が低廉では困るわけですが、東武鉄道から改訂されざる使用料を徴収しておるために、二千八百万円が低額になっておる。あるいはまた、最後のところにありまするように、三十年度における客車の使用料決定方式に従って使用料を計算すると云々とあって、支払い増加となる分を考慮しても約二千八百万円増収となる、こういう指摘をお受けになっていらっしゃるわけでありますが、この点についてはいかがなものでありますか、御所見を一つ。
#35
○説明員(石井昭正君) この車両使用料と申しますのは、荷主さんの御要求によりまして、国鉄と会社線と連絡して輸送する場合の会社側と私どもの方の負担の間合を調整しておるものであります。御承知のように、貨物運賃というものは一定いたしております。そういたしますと、会社側としては、何ら実際の収入の増加はないのに、これだけ使用料がふえるということもはなはだ不公平になるというような考えで、従来は、これは貨物運賃の改正を機会に変えることにいたしておったわけであります。御承知のように、運賃の改正が二十八年以降ございませんので、この改訂をいたさなかったのでございまするが、会計検査院の御指摘は、一般の財産その他すべて再調達見込価格を基礎としてやれ、こういうお話でございます。これは、今までの考え方と考え方を異にするのでございますので、私どもの方も一挙にこれをやるというわけにはいきかねるのでございまして、幸い、いろいろ問題もございましたが、本年の四月に運賃の改訂をお認め願いましたので、この機会に再調達見込価格を基礎とした料金に改訂いたしましたわけでございまして、大体いきさつはそういうようなことで御了承願いたいと思います。
#36
○大谷贇雄君 それからさっきの資材の購入の問題でありますが、購買部で取り扱う商品の輸送というものにつきましては、これは無賃でございますか。聞くところによると、八、九割引きをしておるというようなことを聞いておりますが、もしそういうことであるとするならば、これは正当の運賃収入に甚大な影響を来たすのじゃないか、かように思いますが、その間のことについて伺いたい。
#37
○説明員(石井昭正君) 共済組合の物資部で購買いたしております貨物運賃につきまして、ただいまお話のような八割引きということ、これはずっと明治年代からやっておるわけであります。昨年運賃改正の際にいろいろ御非難もございまして、私ども改むべきものは改めなければならんという観点に立ちまして、たしか昨年の一月か二月だったと記憶しておりますが、これを全部廃止いたしまして、ただいまではそういう特別の割引は一切やっておりません。
#38
○大谷贇雄君 けっこうです。
#39
○相澤重明君 この際お尋ねをしておきたいと思うのですが、それは会計検査院から指摘されておるところの私は本文について、特に土地建物等の固定財産の管理運用について、どのように改善をされておるかということをまず一つ冒頭に御報告を私は願いたいと思うのであります。ともすれば、国鉄の財産というものの管理が不十分なために、当然徴収できるものが損を与えておる。その反面においてはどうも収入が少いということで利用者負担、いわゆる運賃値上げということに肩がわりされるおそれがある。一般国民から見ればできるだけ運賃というものは安くしてもらいたいし、そしてまたいい鉄道であってほしい。これは私は国民の願いだと思う。従って、この土地、建物等についての同定財産の管理運用はどのように行われておるか、まずこれから一つお尋ねをしていきたいと思うのです。
#40
○説明員(石井昭正君) 国鉄所有の土地建物あるいは高架下などの同定財産管理、特に部外の貸付関係で、非常に使用関係が複雑でございます。大都市付近の鉄道管理局の財産管理業務というものを強化いたすために、三十二年、昨年一月以降次のような措置を講じて参っております。
 第一は、東京鉄道管理局に管財部を設置いたしました。従来土地、建物の貸付についての事務は、駅構内及び高架下の土地それから建物の貸付については、営業部事業課で行なっておりました。その他の土地、建物の管理につきましては、施設部用地課においてそれぞれ処置して参ったのでありますが、これを一本化いたしまして、財産管理の強化をはかるために、新たに東京鉄道管理局には昭和三十二年管財部を設置いたしました。これは局の仕事でございますが、一番ウィークとなっておりますのは、現実の現場を握った管理をする現場執行業務でございまするが、この点につきましては、東京鉄道管理局内の土地、建物、高架下などの管理の現場執行業務ということを目的といたしまして、それだけに専念いたす管財区というものを新橋、上野、新宿三カ所に、これは昨年三月設置をいたしたわけでございます。それからなお大阪並びに天田寺両管理職の岡染下の管理につきましても、従来これは鉄道弘済会が中に入って、いわゆる一括承認制という管理方式をとって参ったのでありますが、これを直接承認制に本年度中に切りかえたい、かように考えまして、昨年の十二月に大阪及び神戸に管財区を設置いたしました。その他そういう特別の業務機関を設置するまでに至らない局につきましては、それぞれ業務量に応じて局及び現場機関にその要員を増強いたしました次第でございます。
#41
○相澤重明君 土地、建物等固定財産の管理運用についての今の具体的な管理の方針が出されたわけでありますが、それならば、その管理運用の方針は出されても、現場で契約をする場合は直接契約かあるいは間接契約かという問題については、かなりいろんな批判が出ておるのでありますが、その点については直接契約をされる、さらに大阪等には管財区を設ける、こういうことも言われたと思うのでありますが、その状況はどのようになっておるか。全国で国鉄としてその契約を締結しておる状況というものはどういうふうになっておるか、これを一つ御発表願いたいと思う。
#42
○説明員(石井昭正君) 御質問の要点は、たとえば東京の高架下などにおきましては、使用名義人と、それから実際に使っておる者とは違う。実際に使っておる者は、使用名義人が使っておらないで、使用名義人からいわゆるまた借りとでも申しますか、そういう者が使っておる。そういうものの数というお話でございますか、あるいは東京、大阪のように鉄道弘済会というものが一応一括して承認を受けて、さらに実際の使用者は弘済会との間で一種の使用契約を結んでおるというような趣旨のものでございますか、この点ちょっと判別いたしかねた次第でございまするが、私どもの方といたしましては、極力直接承認にするということが建前、もちろんそういうふうにいたしたいと思っております。一番困難をきわめておりますのは、御承知の東京の岡染下関係でございまして、これにつきましては、相当件数また貸しと申しますか、使用名義人から転貸しを受けておるものがございます。それを何とか解消いたしたいと思っておりますが、何分にも生活権にも関すこるとであり、またいろいろ沿革もございますので、過去のものをされいに掃除するということはなかなかむずかしいのであります。しかし、逐次その点について努力をいたしておりまして、なお今後の方針につきましても、先ほど副総裁が御答弁を申し上げましたように、高架下管理刷新委員会というもので過去一年間いろいろ御審議を願っておりますので、従ってこれによって御了承を得次第、この線に沿ってやって参りたいと思っております。そのほかの点につきましては、これは私どもの方といたしましては、おそらくそういう転貸しと――私どもの方の直接承認でなくて、転貸しというような事実はほとんど存在していないじゃないか、またさようなものがあれば、直ちに改めたいと思っておりますが、存在していないじゃないか、かように考えておる次第でございます。
#43
○相澤重明君 今の石井常務理事の答弁を聞いておるというと、とにかく国鉄としては財産をできるだけ正しく把握して、そして収入を多くするために、できるならば早急にいわゆる直接契約に持っていきたい、しかし、従来のいわゆる経過措置もあるので、一応また貸しというか、いわゆる他の人が名義貸しになっておる場合がある。しかしこういうものはできるだけ早く直接貸すように直していきたい、こういうふうに言われたというふうに理解してよろしいですか。
#44
○説明員(石井昭正君) おっしゃる通りでございますが、少し問題がこんがらがるようなことを申し上げて恐縮でございますが、また貸しも二通りあるので、純然たる通り抜け、すなわち自分の借りたものをそのまま人に貸すというのは、これは即座にそういう処置をとり得るし、またそういうようにいたしたいと思っております。非常に困難を感じておるのは国鉄から土地を借りており、その借りた者が自分の力で建物を建てて、これを第三者に貸すというようなケースが普通また貸しと称せられておりますが、これは法律上ただいまのところいろいろ検討さしていただきましたが、これは法律上正当な合的法な行為であるということになっておりまして、従ってこれを束縛いたしますものは、契約当初からそういうことをしてはいかぬということをはっきり契約条件にうたって、それにもとった場合には、契約を解除するというような一本をとってやるという方式で進んでいかなければならないのじゃないかと思っておりますが、そういう種類のまた貸しにつきましても、極力直接使用者との承認に切りかえたいと思って、これは理屈ではなくして、いろいろ折衝をして、慫慂したりしてやって参りたいと思っておりますが、そういう点が非常に難点でございますが、それから純然たるまた貸しというようなものにつきましては、できるだけ早くきれいさっぱりやりたい。かように考えております。
#45
○相澤重明君 ほかに質問もたくさんありますが、実はきょうは前の、昨年の六月に本決算委員会で松岡委員から大蔵大臣に質問された事項に関連をして、私はきょうは大蔵省の管財部関係を呼んでおりますので、その点に入っていきたいと思うのですが、その前に国鉄に一つお尋ねしておきたいのは、修繕費等の問題も、先ほど大谷委員より指摘されたように、物品の購入あるいは貨車、客車の修繕、こういうような指摘事項もたくさんあるわけですね。そこで厚生関係の問題に一つ入って、たとえば具体的に、大船に大蔵省管財部から借用しておる土地に職員の家族寮を建てておるわけですが、これは非常にいたんでひどくなっておるというので、この家の建てかえというものを強く要望されておるわけでありますが、国鉄当局においては、本年度の予算等において、三十年度の経過から見て、修繕費等が非常に減らされておる。従って、寮の方ももちろん予算の削減を受けるかもしれぬ、職員のそういう労働条件に関係する住宅問題についても削減をされていくということでは、職員もなかなかこれは大へんだと思う。そこで、具体的に大船のあの寮について改造をする気持があるかないか。この点について率直にそういう予算を組んでおるかどうか、お尋ねをしておきたいと思うのです。
#46
○説明員(小倉俊夫君) 概括的に申し上げますと、三十二年度の予算は非常に窮屈でございまして、御指摘の通りに信繕も事欠くというような状態が出て参りました。そういう場合に、やはりそのしわ寄せとなりますのはどうしても営繕関係でございましたので、営繕関係につきましては、特に修繕費が不足しましたために相当各現場とも困ったような実情でございます。今年はできるだけそういうことがないようにということで、いろいろ関係方面にもお願いをいたしまして、昨年度よりも多く経営費をいただいておりますので、営繕関係にもさほど当ってこない。やはり職員の休養施設といったようなものには、能率向上の点から見ましても、環境をよくしていきたいということを考えておりますので、一般的に申し上げまして、休養施設には三十三年度には相当力を入れて参りたいと存じます。ただ御指摘の個々のものにつきましては、これは大体管理局でいたすのでございまして、管理局で本予算がまだ決定しておりませんので、局においてもはっきりした実行予算を組むまでには至っていないと思いまするが、いろいろ修繕の不足していた、修繕が緊急に迫っておるようなところには、極力金を回していくように指示いたしたいと考えております。
#47
○委員長(高野一夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#48
○委員長(高野一夫君) 速記を始めて。
#49
○島清君 ただいま相澤委員からの御質問に対しまして、常務さんですか、お答えになりましたのは。その土地のまた貸しですか、それに対するお答えでございますが、土地は国鉄のものであって、さらにこれがまた貸しをした場合に、それで家を建てられた場合には合法的であるからというようなことでしたが、家屋を建てまする場合には、土地所有者のそこに工作物を建ててよろしいというような了解事項がなければ、たしかに建築には取りかかることはできなかったように記憶するのですが、その点について私の記憶の間違いでございましょうか。もしそうであるといたしまするならば、今、合法性を云々されますることは、そこらの前提を少し無視しておられるのじゃないか、そう思うのですが、その意いかがでございましょうか。
#50
○説明員(石井昭正君) 土地を貸します際には、用途によって承認いたしますが、その場合に、やはり建物を建てるということは私の方としては承認いたしておるわけでございます。ただその建物を建てた場合に、直接土地の使用行がその建物なり工作物を使用することを――、私の方はそのつもりで貸したのでありまするが、ところがあちらの方はそれをまた第三者に貸すということについて、ただいまの法制上ではなかなかむずかしい問題があるということを申し上げたのでございます。
#51
○岡三郎君 その件についてちょっと関連があるのだが、私が前に決算委員をやったときの問題の中にある一つの事例だが、仙台駅構内に隣接する土地の問題ですね、あれは片づきましたか。仙台の駅に続いているところの土地、あれはずい分懸案になったもので、あれは完全に片づいていますか。
#52
○説明員(石井昭正君) 今御指摘の点につきまして、なお詳細調査いたしまするが、ただいま聞いておりますところでは、まだはっきり解決いたしておらないようでございます。
#53
○岡三郎君 これは、もうずい分昔のことで、これが片づかないようだったらほかのものが片づくわけがないと私は思う。あれだけはっきりしているものでも、大体その中に有力者が加わっておるというと、政治的になかなか解決がむずかしい。こういう問題についてやはり国鉄当局はそういうものに対して基本的な考えを、いわゆる小委員会とかいうようなものを作ったって、実際はなかなか解決していないというこの現実を、もうちょっと明確にしてもらわなければ私は困ると思う。決算委員会の方でも、そのときは指摘するが、その後において委員が変るというと、それがうやむやになってしまって、しばらくたって聞くというと、まだ解決しておらぬというのでは私は困ると思うので、もう一ぺんその詳細を一つこちらの方へお聞かせ願いたいと思う。
 それから、これも毎年の例ですが、私、今ここで大して勉強しておらぬので、ぱらぱらとめくってみましたが、二千百四十三号と二千百四十八号、それから二千百五十四号、この三件の中に日本電設工業株式会社というのが載っているわけなんです。これは国鉄の外郭団体ですか。それだけお聞きしたいと思う。この資料をもらいたいから。
#54
○説明員(小倉俊夫君) 外郭団体ということが、はっきりした定義はございませんですが、この会社は、長くから国鉄の工事をいたしておりまして、かつては共済組合が株を持っておりましたし、また職員が多数入っております関係で、まあ部外からごらんになれば、国鉄に関係が深い、こうおつしゃることは当然でございます。ただ、ただいまでは共済組合の株式は全部引き揚げましたので、資本的にも関係はございません。ただ従来比較的鉄道の工事を多く引き受けておった、また職員が多数入っておるという点だけは縁が深いと申しますか、そういう関係にございます。
#55
○岡三郎君 私はきょうまあむずかしいことは言いませんが、これだけの件数の中で、ぱらぱらめくってみると、同じ会社の名前が三つもいわゆる不当事項の中で出てくるということは、これは相当なものだというふうに考えざるを得ない。これは会計検査院の方でどの程度調査をされたかわからぬが、相当にこれは工事の契約量があると私は判定します。それほど大きな会社でないかもしれぬが、まあそういうふうな点で、これは私の記憶するところでは毎年こういう不当事項を出しておる会社でないかと私は思う。例年こういうふうな会社の名前が載っていたように私は記憶するのです。この点会計検査院の方ではどうですか。
#56
○説明員(上村照昌君) お話のように大体毎年載っております。三十一年度もやはり相当載っております。載っでおりますが、正確に一々どういうふうに載ったかということは記憶にありませんが、大体載っておるように思っております。
#57
○岡三郎君 あなたも私ぐらいしか知らぬ。会計検査院がそんなだらしないことでは困る。やはりこういうふうに犯を重ねる、と言うとおかしいが、しょっちゅう載っておるものはこれをチェックして、私はこの程度の指摘では困ると思うのだが、これは検査院の方においても、しばしば会計検査院の報告に載っておるような会社は、これはやっぱり一応マークしておかなければならぬと私は思うのだが、これは私の記憶するところでは、相当に前からの古つわものの会社だと思う。察するにこれは国鉄当局と切っても切れないさびた縁があると私は思うが、そういうことでしょっちゅうにぎわしていると思う。私は決算委員会というものは、ある事件が起きてから会計検査院が検査をして、それをまた二年も三年もたってからわれわれがやっておるので、全く考えようによれば、ずいぶん国としてはのんきなものだ。のんきなものの委員の一人だからのんきにならざるを得ないような気がするのですが、ちょっとしたところの国鉄の事項の中で同じ会社の名前が三つも工合の悪いところに出ておるということは、考えてもらわなければならない。少し遠慮をさせなさいよ。一年ぐらいはまともな仕事をして、検査院から指摘されないように善処せられたいくらいに小倉さんから言われなければ、これは国鉄というものは一体何をやっておるかと私は思うのです。毎年々々同じことをやっておる。幾ら決算委員会で言ってもこれはぬかにくぎなんです。これでは私は検査院も遺憾の意を表するし、われわれ決算委員会も遺憾の意を表さざるを得ないと思う。前にも外郭団体のことを割合われわれも聞いたが、私は現在の幹部が不出なことをしておるとは思わないが、従来の因縁から、契約というものが随意契約とか指名競争契約とかいろいろありますが、やはり工事を請け負わせること自体において、私はずいぶんルーズな点があるのじゃないかという気がするのです。だからそういう点で、この国鉄の会計検査院の報告があるのです。これは国鉄の方でもわかるから、十分昭和二十五、六年ごろから調べていただいて、毎年々々載っておる会社はどうだ、一年ぐらいおいて載っておる会社はどうだというふうに調べて、それを繰り返さないようにしてもらいたいと思う。
 もう一ぺんお伺いしたいのだが、これは資料要求ですが、どういうふうな重役が国鉄から入っているか、現存国鉄と契約している会社の一覧表を私は出してもらいたいと思う。これは膨大で困るというなら大会社、中会社、小会社ぐらいに分けて、ベスト・テンの契約高があるところで、その構成人員の中で国鉄出身の人がどれくらいこの会社に入っているか。その結果として不当事項が昭和何年から三十年ごろまでにどのくらい起っているか、これをここで私追及しようとは思わないが、あなた方の反省資料として作る必要があると思う。私はその点、今の資料を要求しておきます。
#58
○説明員(小倉俊夫君) 御要求の資料は早速調製いたしてお届けいたします。
 この機会に日本電設に対しまする私どもの考え方、あるいは今までとりました措置等を要約して御説明申し上げたいと思います。日本電設は、実は戦後電気関係の工事力が一般に低かった場合に、鉄道の工事を主として遂行するためにできました会社でございまして、電化にとりましては、また一方率直に申しまして功績がございまして、また、日本電設で発明いたしました活線のままの硝子取りかえというようなことが、現在国鉄の電化工事に非常に役立っておるのでございますが、そういうことはさておきまして、近年非常に会計検査院からの御批難が多かったので、私どもも日本電設に対しましては厳重な態度をもって臨んで参ったのでございます。それで三十二年、昨年でございますが、二月の十六日には警告書を出しました。それから七月におきましては、大阪支店に対し、通信線路及び通信機器工事の指名停止を向う三カ月間いたしました。つまり、その期間私の方では一切取引をしないという厳重な処分でございまするが、それから三十二年の九月におきましては、仙台の支店に対しましては、二カ月間の指名停止をいたしました。それからさらに警告書を発しております。それで、この三十年度、三十一年度もございまするが、この批難事項で御批難の事項につきましては、当方においてももっと監督を厳重にしなければいかぬ、そういう点で遺憾な点があるということで、国鉄の部内の監督者に対しましても厳重な措置をいたしました。それで当方の部内の職員といたしましては、これは三十一年度の決算についてでございまするが、大電工電力課長に警告し、設計者を戒告にし、また次に大鉄電力部長、通信課長、通信分区長を訓告にする、あるいは通信区長を戒告にする、また仙台の電気部長、電力課長、電力分区長を訓告にし、さらに電力区長も戒告にするというふうな厳重な措置をとって参ったのでございます。それで、日本電設に対しましては、先ほど申しましたように、再三厳重な警告を発したのでございます。
 そういうふうにいたしまして厳重に戒告をし、日本電設自体におきましても反省をする点が多く、部内の専務その他が責任を負って辞職をいたしましたし、また社長から責任者が処罰を受けたというようなことでございまして、今後ますます監督を十分にいたして、かようなことのないように進んでおる次第でございまして、この点御了察願いたいと存じます。
#59
○委員長(高野一夫君) 私から国鉄側に資料の要求をいたします。ただいま岡委員からの御要求がございましたが、それは常にこの決算委員会で問題になるような、会計検査院から連年指摘されたような会社があるようである。こういうことでございますから、もしもさような会社があるといたしますならば、その会社の名称、あるいはその会社の構成等につきまして、できるだけ必要な程度におきまして、詳しく書き出して資料の提供をお願いいたします。
 なお、そういうような会社がしばしばここに出て参っておるとかりにいたしますならば、それに対する会計検査院が検査をされた結果についてのさらに意見をお聞きしなければなるまいと思いますので、あらかじめその点は御了承おき願いたいと思います。
 速記とめて。
  〔速記中止〕
#60
○委員長(高野一夫君) 速記つけて。
 ちょっと申し上げておきます。大蔵小側から賀屋管財局長、管財局の市瀬国有財産第二課長、関東財務局の宮川管財部長、同じく横浜の大角財務部長が政府委員並びに補助説明者として出席されており、おっつけ白井政務次官も出席されるはずでありますから、あらかじめ御了承おき願います。会計検査院からは大澤第一局長が出ておられます。
#61
○相澤重明君 大蔵省の管財局長にお尋ねをいたしますが、現在大蔵省としては国鉄にどのくらいの国有財産の貸付があるか、どのくらいの坪数、あるいはいわゆる金額、にしてどのくらい、こういう点を一つお答えをいただきたいと思います。
#62
○政府委員(賀屋正雄君) 大蔵省所管の一般会計所属の普通財産の貸付の総額は、ただいま手元にございますが、そのうち国鉄にどのくらい貸しておるかという点につきましては、ただいま手元に資料を持ち合わせておりませんので、後刻調べましてお答えいたしたいと存じます。
#63
○相澤重明君 それではその際に国鉄に坪数にしてどのくらい、金額にしてどのくらい貸しておるかということを一つ資料を提出していただきたい。
 国鉄にお尋ねをいたしたいのでありますが、大蔵省から借りておる場合に、これはもちろん必要であるから借りておると思うのでありますが、そういうものを今後どうしてもこれは国鉄がさらに継続して使わなければいかぬ、あるいは買い取ってまでこれを使う、こういう考え方でおるかどうか、またそれがわかっておるものはどのくらいの坪数であるか、こういう点がおわかりになりましたならば御答弁いただきたい、もしなければ簡単にないから後刻資料を提出するというふうにお答えをいただきたい。
#64
○説明員(久保亀夫君) 国鉄が国有財産の貸付を受けておりますのは、ほとんど全部終戦後旧軍の財産の用地、あるいは建物等をお借りしたのが始まりでございまして、その後私どもの方といたしましては、できるだけどうしても業務上要るものは売り払っていただく、払い下げていただく、そうでないものはお返しするというような方針で相当整理して参りました。まだ整理のし切れないのもございますが、結局売り払いを受けたものと今日ただいまお借りしておるものと両方でございますが、その数字の詳細につきましては、ただいま手元に持ち合せておりませんので、これを資料として後刻提出いたしたいと思います。
#65
○相澤重明君 白井政務次宜にお尋ねをいたしたいと思います。まあ同じ同僚議員として大へんあれですが、昨年の池田大蔵大臣が所管をしておった当事の国有財産の管理についての考え方と今日一萬田大蔵大臣が主宰をしておるときの国有財産の管理について方針に変更があるかないか、あるいは昨年の国有財産の管理についての本委員会における方針について、それを具体的に下部に流して処理をすることをあなた方は指導をしてきたかどうか、この点についてまず詳細に大蔵次官から御答弁をいただきたいと思います。
#66
○政府委員(白井勇君) 大蔵大臣がかわりまして一萬田大臣になりましたからと申しまして、国有財産の管理につきましては別に変った方針ではやっておりません。申し上げるまでもなしに、当委員会でもしばしば問題とされましたように、国有財産の区別につきましてのいろいろな整備の問題等につきましては、いつも問題になっております。しかし、よくこれを考えてみますというと、御承知の通りにあの戦争中、あるいは戦後を通じましてのごたごたの結果、急に大蔵省に引き継がれましたような結果になっておるのでございまして、その整備にはやはり相当の日数を要するような事情にもあるわけでありまして、おいおいと足りないところは補って参っておるのでありますし、またこれらの処理につきまして本省で考えておりますことは、またよく末端の方にも伝えて処理いたしておる次第でございます。
#67
○相澤重明君 昨年の六月二十七日の本委員会における松岡平市君の大蔵大臣に対する質問が出ておるわけであります。これを読んでみますと、「国有財産の管理というものが非常に不十分だ。管財局長の説明をお聞きすると、実態調査を三十二年度からやる。こういうことであって、少くとも実態調査をやらなければ、国有財産がどうなっておるかということは今はわからぬと、こういう状況下にあるように受け取れるわけです。一体、そういう事態になったのはどういうわけでのるか。終戦後、戦争のために何か特別な理由があってそういうふうになったのか、あるいは国有財産の管理というものは戦争前も、まあ長い間に実態がわからないようになるような管理をされてきたのかどうか。われわれは、もっと大蔵省が国有財産の管理を、実態調査をしなければわからぬような管理をしておるということは、これはもう実に意外でございます。」こういう松岡委員は質問しているわけであります。これに対して池田大蔵大臣は、いろいろ申しましたけれども、次のような答弁をしておるわけであります。「実態調査につきまして一億あまりの予算を計上いたしました。これでやっていくのでございますが、御承知の通り、戦後に引き受けました各種の雑種財産が多種多様でございます。われわれとしては、これをできるだけ早く活用しよう、民間に売り払うものは売り払う、また廃棄処分するものは廃棄処分して、そうしてできるだけ能率を上げて処理していこう、それをしながら、片方に新たに国有財産の実態調査をしていこう、」、こういうふうに池田大蔵大臣は述べておるのであります。この池田大蔵大臣の述べておることが今日もあなた方は踏襲をされておるのかどうか、この点について政務次官並びに管財局長にお尋ねをしたいと思うのです。
#68
○政府委員(白井勇君) 今会議録をお読みいただきました松岡委員の御質問は、私ももし当時決算委員に出ておりますれは、同じような質問をしたろうと思いますし、そういう感じを持って見た場合があるのであります。ただその後いろいろ話を聞き、調査をいたしてみまするというと、また一面におきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、昔から国有財産としまして大蔵省が管理しておりますもの、そういうものにつきましては、これは台帳もしっかりしているものと思いますけれども、御承知の通りに少くとも国有に移管されますものが一切がっさいあの終戦直後に大蔵省所管に変ってしまった、こういうような段階がある。しかも戦争中相当無理をいたしまして軍の施設等になりましたものもあるわけでありまして、そういうものが従来平常におきまして大蔵省が管理をするような関係もあったと考えられますし、そのもの自体が相当くるいがあるようなものもあるように思われますので、御承知の通りに今池田大臣が当時申されましたように、三十二年度から別途経費をもちまして、たしか当委員会等におかれましても問題になりましたこともあろうと思いますが、できるだけ早くこの実態を把握する、こういうことに現在といたしましては努力をいたしておるわけであります。ただ非常に数が多いものでありますから、一年や少しではとてもできない。やはり三年ぐらいの年数をかけていたしませんというと、具体的にはそれぞれのものは把握できない。これはまことに遺憾でありまするけれども、実際は今申しましたように、引き継ぎの場合にそういう状態に引き継がれたものであります。これまたやむを得ない事情もあろうかと思っておりまするが、できるだけわれわれといたしましては、早くその実態を把握しまして、適正な管理なり処理をいたしたいと、こう考えておる次第であります。
#69
○相澤重明君 管財局長にお尋ねいたしたいわけでありますが、全国のいわゆる地方の管財局あるいは財務部、こういうところに具体的にどのような指導事項を流しておるか、今の大蔵大臣の答弁に対する指導事項というものを御説明をいただきたい。
#70
○政府委員(賀屋正雄君) お話に出ました普通財産の実態調査の点につきましては、御参考までにその進捗状況を申し上げてみたいと存じます。先ほども政務次官から御答弁ございましたように、また昨年の大臣の御答弁にもありましたように、一億をこえます予算を計上いたしまして、三十二年等からおおむね三カ年計画をもちまして実態調査に着手をいたしました。まず第一年度であります三十二年度につきましては、当初の予算上の年間計画といたしまして、件数で申し上げますと、土地、建物合せまして一万五千百七十三件調査をする計画を立てたのでございます。その後いろいろやりくりをいたしまして、実行上の年間計画といたしましては、さらにこの数を若干ふやしまして一万七千二百五十五件を調査の対象といたしたのであります。で、一月末現在でその実績がどうなっておるかということを申し上げますと、着手と完了とを申し上げますが、着手の件数は一万六千四百八十二件という数字になっております。ただし調査を完全に完了いたしました件数は九千六百七十五件となっておりますが、この年度末三月三十一日までの見込みにつき申し上げますと、着手ベースで申し上げますと、先ほど申し上げました実行計画の一万七千二百五十五件を若干上回る件数につきまして着手でき得る見込みと相なっておりまして、年度末における完了の件数は、今のところ一万六千をやや切る程度完了する見込みでございます。若干は着手だけいたしまして、次年度に完了が繰り越される部分もあるわけでございますが、当初の予算で計画いたしました件数よりも上回る実績を上げ得る見込みとなっております。さらに三十三年度の調査につきましては、予算は前年程度でございますし、人員もあまりふえておりませんが、過去の経験によりましていろいろ能率化をはかりまして、三十三年度におきましては、件数といたしましては二万件を調査する予定にいたしまして、ただいま局別あるいは財務部別にこの計画を立案中でございまして、この点につきましては、普通財産実態調査要領というものを本省において作成いたしまして、これにのっとりまして各財務部が実行に当るということで、下部への徹底をはかっておる次第でございます。
#71
○相澤重明君 管財局長の言うおおむね三年というのは、三年間という意味か、三年も過ぎることもあるということか、その点はいかがですか。あるいは三年以内ということか。
#72
○政府委員(賀屋正雄君) おおむね三年と申しますのは三十二年度、三年度、四年度の計画でございますので、予算その他の関係からあるいは若干三十五年度に延びる場合もあろうかと思いますが、でき得るだけ三十二、三、四の三カ年度間におきまして予定の調査を完了いたしたいと考えておる次第であります。
#73
○相澤重明君 政務次官にお尋ねをいたしますが、政務次官は本院の決算委員会における委員会の審議された事項、並びに本院における決算に対するところの結論、そういうものについてどういうように考えておるか、まずそれからお尋ねします。
#74
○政府委員(白井勇君) これは当決算委員会のみならず、少くも国会の委員会の御意向なりあるいは御決議というものは十分尊重いたしまして行政をやっていかなければならぬ、こう考えております。
#75
○相澤重明君 そういたしますというと、先ほどの松岡議員の質問についてさらに池田大蔵大臣が述べて、松岡議員は次のように言っておる。少くとも「それを整理するのに三年間もかかるというのでは、ちょっと私はあまりいいことではないと思う。予算の関係もありましょうが、」「三年を目標としているが、一年や二年は延びるかもしれないというようなことでは、」いかぬということで、「予算は大蔵省で、何しろ自分のところのことですから、倍額にされても国有財産の実態をはっきりするというようなことは、三年はおろか、ことし一年でやってしまうというようなことを」やらなければいかぬ。こう言って本院でははっきり松岡議員は指摘をしておる。にもかかわらず、今の管財局長の言うのは、 いわゆる三カ年度、三十二年度、三年度、四年度を目途にしておるけれども、あるいは五年度になるかもしれないというのは、一体本院の私どもの意思と、大蔵大臣の意思の食い違いをどうするか、政務次官これをどういうように考えておるか、これをまずあなたの御答弁を求めたい。
#76
○政府委員(白井勇君) これは当時松岡委員が今お話のように、三年では長過ぎるのではないか、やはりだれしもそういうような感じを持つだろうと私も思います。でありまするが、国会の皆さん方の御意見もありまするので、少くも三年計画をもって何とか完了したいと、こういう建前をとって進めておるわけでありまして、今管財局長が申しましたことは、これはやはり実務をあずかりまする実際の担当の責任者になりまするというと、やはり非常に大事をとりまして申し上げるわけでありまして、私も、大蔵省としましては、皆さん方の御意向にありますように、できるだけ早くこの問題というものは調査を完了したい、こう私どもは考えておりますので、決して皆さん方の御趣旨に沿わないような考え方でものを進める気は毛頭ございません。
#77
○相澤重明君 これは非常に重要なことでめる。少くとも政務次官が、あなたは大蔵省の方針というものが国会の意思に沿って、国会の意思を尊重をして作るとするならば、やはり最高の責任者で、ある大蔵大臣あるいは大蔵次官は事務当局にはそのような指示をしなければならぬ、今あなたは、いわゆる局長とかあるいは事務当局に対して遠慮をされておる、これが日本の一番欠陥なんだ。官僚に対する遠慮というものが、ともすれば政治に対するところの悪を生んでくる。こういうことがあなたの今、いみじくも答弁の中に出てきておる。これは少くとも岸内閣の方針なり、あるいは大蔵省の方針というものが出されたならば、官僚は当然それに従って、その事項を進めなきゃならぬ。このように思うのであるが、一体あなたはそのことをどういうふうに政治的な立場で責任を負おうとするのか、今あなたの言うように官僚をかばっていくという考えなのか、何とか政治に対するはっきりした政府の方針、国会の方針というものが出されたならば、それを遂行させるために事務当局を鞭達していくのか、その点についてのあなたのお考えはいかがですか。
#78
○政府委員(白井勇君) いろいろ御注意をいただきましたのでありますが、私も官僚は大きらいでありまして、決して官僚の手先になりまして事をやっていくなどという気は毛頭ございません。ただ私申し上げましたのは、やはり役人の立場になって、責任を持った地位になりますというと、大事をとりますから自重しました表現をしておるのでありまして、ということを私は一応申し上げたのでありまして、皆様方の御指示にありますように、非常にこれは困難な問題であります。非常に数の多い問題でもありまするし、しかしながらできるだけ私の方は皆様方の御指示になりますように早くこれを終了したい、こういう考えで進んでおります。先ほどお話のありました通り、大蔵省は自分のところで予算を組むのだから必要なものをどしどし取って、そしてやったらいいじゃないかというお気持もわかりますけれども、予算を実際預りましております大蔵省の立場になりますと、内部の予算というものは非常にじみちなものでありまして、今お話しのようなことは各省に対する関係からいいましても、むしろうちわうちわとこう予算を組まざるを得ない立場にあるものでありまして、これはまことに大蔵省の実務をやります者から見ますと、非常に同情を要するような点もありますので、この点は一つ御理解を願いたいと思います。
#79
○相澤重明君 白井君にそう怒っても仕方がないのだけれども、これは指導性の問題だから、政務次官同士あるいは大蔵大臣となれば、やはり国の方針についてははっきりと指導しなければならぬ。それに対してともすればやはり事務当局が、答申というものあるいは政策というものを自分たちのために曲げるようなことがあってはならない。そのことはやはり予算編成過程において、あるいはそれを議論をする中で私どもは十分消化のできるもの、こう思うわけです。従ってあなたの苦しいことはよくわかるが、やはり指導としてはそういうふうにやってもらいたい。しかも本院における決算というのは、御承知のように担当の大臣がおるわけじゃない。これは各省庁に対して本委員会においては十分に審議をして、そして国民の税金というものが誤まりなく執行されるということをわれわれは監査をするわけだ。従って大蔵大臣を初め、各省庁は、この参議院の決算委員が裁判官の立場で実はこの問題を処理しておるわけだ。そういう点で私はその趣旨というものを一つ尊重されて、今後の衝に当っていただきたい、こう思うわけです。
 次に、それでは管材局長にお尋ねをしたいと思うのでありますが、非常に膨大ないわゆる事務内容を持っておるということは、私もよくわかります。わかりますが、それでは三カ年計画ということで一応進んで、第一年度については先ほどあなたの御答弁を聞きますというと、一月末までに着手したのが一万六千四百八十二件、そのうち完了いたしたのが九千六百七十五件、こういうふうにあなたは御答弁をされておるわけでありますが、その中で、先ほど、前の池田大蔵大臣が説明されておるように、国有財産の台帳として整理をされるその中には、当然このいわゆる戦前、戦後を通じての非常な混乱期に、たくさんの財産を大蔵省はかかえておったのであるから、これをできるだけ活用する。たとえば今問題になっておるところの駐留軍の要員が離職をする、こういう場合に、駐留軍のその離職される人たちに対するところの国有財産の提供ということもあるであろう。あるいはまた地方公共団体によってどうしても国有財産を払い下げてもらいたい、こういう場合もあるであろう。あるいは元のいわゆる所有主が、もう戦後軍部がなくなったのであるから、当然必要でないから、これは大蔵省に一応併合されておっても、一つ元に払い下げてもらいたい、こういう趣旨のものもあるであろう。一体九千六百七十五件の中でそのような処理ができたものはどのように分類していっておるか、この内容について一つ御説明を願いたい。
#80
○政府委員(賀屋正雄君) 実態調査の完了いたしました九千何がしというものにつきましては、その活用と申しますか、処分の方針はまだ具体的にはきまっておらないものが多いと思うわけでございますが、お話にありましたように、国有財産をいたずらにかかえておるということは、管理の立場から申しましても不適当であるということは、私どもも全く同感でございまして、物納財産初め旧軍用財産等、そういったものにこの実態の必ずしも明らかでないものが多いわけでございますが、明らかになりましたならば、できるだけ早く売り払いの方針に移行する。貸付の要望もあるわけでございますが、私どもといたしましては、ただいまの方針としては、貸付よりも売り払いを優先するという考え方でもって方針を立てまして、地方の財務局等にも徹底をはかっておるわけでございます。処分の場合の一般的方針といたしましては、いろいろあるけわでございますが、先ほどお話にございましたような、占領軍の引き揚げに伴いまして、いわゆる駐留軍労務者で失職をされる方が多いのでありますが、これらの方々が健全な企業組合を結成せられまして、その事業遂行のために国有財産を利用したいという場合におきましては、目具体的な個々のケースに当りましてできる限り御協力を申し上げるつもりでおりまして、今日までで実視しました例はまだ少ないのでありますが、実例を一つ申し上げますと、神奈川県の平塚にございます土地約一千四百坪建物約百坪につきまして企業組合共和ブロックというものに対しまして売り払いをするということでただいま手続を進めております。その他駐留軍の労務者の方々に対しまして職業のあっせん、補導をいたしますために、国有財産を活用したいという御希望もあるようでございまして、これにつきましては福岡市の香椎所在の土地約三千五百坪というものを自動車運転訓練場用地といたしまして貸しつける手続を進めております。そういったように、いろいろこの駐留軍労務者のあるいは居住施設のために活用することでありますとか、あるいはもっと駐留軍労働者の失業対策の根本的な問題といたしまして、膨大な国有財産が返って参りました場合、でき得る限り企業を誘致いたしまして、その雇用の機会を多くする。その企業誘致に国有財産を活用するということも、いろいろ研究中でございまして、これは内閣の特需等対策協議会におきましても取り上げ、熱心に研究されておるわけでございますが、大蔵省の立場からも、これにはでき得る限りの御協力を申し上げるつもりでおる次第でございます。
#81
○相澤重明君 先ほどの御答弁では、一部の、神奈川とか福岡の問題は御報告になりましたけれども、そのほとんどは調査一応完了したけれども、処分についてはまだ十分できておらない、こういうことだと思います。そこでやはり本院の昨年度における意向としても、これはできるだけ早く処理をして、そして国民の財産なりあるいはまた大蔵省の、国の財産なり、こういうものに区分をしてもらう。できるだけそういう処理を急いでもらいたいというのが希望でありますから、この点については一つ調査が終ったから、その調査をしつばなしということに陥らんように、これは局長の方で指示をしていただきたい、こう思うわけであります。
 次にお尋ねをしたいのは、参議院等で十分な質疑を行なった中から、三十に年度から実施することになったわけでありますが、それまでの整理というものについては、一体大蔵省はどのように地方財務局なり財務部に処理方針というものを流しておったのか。それは全然今までやっておらなかったのか、こういう質問がちょっと出るわけです。これはこの前のこの委員会の際にも、たとえば東京都のように、今道路になっておる国有財産が実は台帳に載っておった、こういうので非常に問題になったわけであります。しかしこれはあとでよく調べてみると、すでに東京都に譲渡してあったということがわかったわけですが、そのようにして非常に管理が不十分であったということなんですが、それ以前はどういうふうになっておったか。
#82
○説明員(市瀬泰蔵君) 三十二年度から実態調査を開始いたしまして、それまでしばしば会計検査院等から指摘を受けました管理の不十分、自分の管理しておる財産がどこにあるかわからないというようなことのないように努めておりますが、その前につきましても、全然放置しておったのではございませんで、漸次財産別と申しますか、大蔵省所管の普通財産になりましたその取得の原因別に、たとえば物納財産についてはこういうように処理して、管理し、処分をしなさい。旧軍から引き継いだ材帳については次のようにやるように。それから他の省庁から用途廃止によって引き継ぎを受けたものはこういう方法で処理するように、というような個別的な通達はそのつど下部に流しまして、徹底を期しておる次第でございます。
#83
○相澤重明君 あなたのただいまの御答弁で参りますと、そのつど、三十二年度から本格的にこの調査に入る前にも指示をしてきた。しかしもしあなたが指示をしたけれどもやらなかったら一体どうなるのですか。地方の財務局なりあるいは財務部がそういう本省のいわゆる指示事項に従わなかった場合にはどういうことになるのですか。
#84
○説明員(市瀬泰蔵君) 本省の指示に従わないという場合の御質問でございますが、これは本省の管財局にも管財監査官というのがありますし、それから大臣官房には財務考査官というのがありまして、財務局、財務部の職員の事績及び事業の遂行状況はいろいろ監査しておりますので、あるいはそういう表立った監査によらない場合でありましても、私ども本省の担当職員が財務局、財務部に出張いたしました際に、そういうような事例を発見いたしました場合には、本省の指示通り実施するよう是正方に指導しております。
#85
○相澤重明君 本省の指示通りにやるようにという御趣旨は、その通りだと思うのです。しかし実際に仕事がそういうふうに進んでおらなかった。そのために大蔵省としての仕事は実はあまり進んでおらないから国民からいろいろ非難が出てくる、こういうことは間違いのないことだと私は思うのです。その間におけるいわゆる官僚の仕事に対する熱意の欠除というものがそういう点に現われてくるのじゃないか、私はこう思うのですが、一つの具体的な事例をあげてあなたに一つ御説明していただこうと思うのであります。それは私がこう思うのでありますが、いわゆる戦争中に陸軍なり海軍なりで必要ということで、その土地の住民のいい悪いにかかわらず、とにかく軍部の命令であるということで強制接収をした土地、建物というものはたくさんある。これは先ほどから御説明した通りですね。そういうものに対して当然本省としては、いわゆる終戦後いろいろな問題はあったかもしらんけれども、国有財産の管理については努力をされたと私どもは思うわけです。しかし残念ながら、地方の財務局なりあるいは財務部ではそれを履行しておらない。そのために国有財産に登記がしてない。こういうような場合には、あなた方は具体的にどうするのですか。
#86
○政府委員(賀屋正雄君) ただいまの御質問の、旧軍用財産でありましたものが大蔵省所管の財産になりまして、その財産につきまして未登記のものがたくさんあるというお話は事実でございまして、詳しい件数が全国でどの程度であるかという点はまだはっきりと調査はいたしておりませんが、ときどき具体的な問題として爼上に上ってくるわけでございます。この問題の処理につきまして、どのような方針をとっているかということを御説明いたしたいと存じますが、旧地主が承諾いたしませんために、所有権の移転登記が困難な財産につきましては、旧軍が買収いたしました当時の関係資料につきまして調査をいたしまして、国の所有であることを確認するとともに、相手方に対しまして極力登記の移転を交渉いたしている次第でございます。ただいま申し上げました実態調査の一部として、このような未登記財産についても積極的に調査をいたしまして、判明いたしましたものにつきまして逐次このような措置をとっているのでありますが、国への登記手続が終了いたしません前に、相手方が第三者に不法に処分するというおそれもございますので、これに対処するためにとりあえず仮処分、仮登記の処置を講ずることといたしております。さらに必要があります場合には、訴訟を提起いたしまして国に登記名義を移すことといたしているわけでございます。つまり旧所有者においてあくまでも登記の移転をがえんじないあるいはその所有権の主張をしている方々に対しましては、旧軍において買収を行なった事実がないということが確認されない限りは、国は原則といたしまして訴訟という手段によりまして解決をはかるつもりで対処いたしております。
#87
○相澤重明君 他の関係委員からもいろいろ質問が出ますから、私はきわめて簡単に御質問をしたいと思うのですが、今のあなたの御説明で参りますというと、旧軍部が接収したものあるいは物納を命じたもの、こういうものについて登記がないものはいわゆる仮登記なり、登記をするように努力をしておる。それは当然当時の軍部からの正規な、いわゆるこれらに対する補償というものが出されたものである、こういうお立場に立って国の財産として確認をされるものである、こういう、ふうになろうと思うのであります。そこでさらに進んで私はお尋ねをしたいのでありますが、国の財産であれば、一体税金というものはもとの人にかかるのか、かからんのか、この点はいかがですか。
#88
○政府委員(賀屋正雄君) 個人が売却いたしまして、国の財産になりました上は個人に対しては税金はかからないと思うのでございます。
#89
○相澤重明君 きわめて明瞭になったわけでありますが、そういたしますと、たとえばそれがいろいろな手続上の問題があっても、とにかく個人の所有権としていわゆる固定資症税がかかってくるという場合には、これは当然その人が、旧軍でありますから、戦時中から今日までいわゆる財産に対するところの権利を認められた、このように私は理解をしてもいいかと思うのでありますが、あなたの今の御答弁についていかがですか。
#90
○政府委員(賀屋正雄君) かりに国に売却いたしました後におきまして、たとえば固定資産税をかけられた場合におきましては、その国に移転したということがはっきりいたしております場合には、それは地方公共団体の何と申しますか、間違った措置でございますので、税金は還付されることになろうと思うのでございます。税金を納めたからその土地なり建物が自分のものであるということにはならないと思います。
#91
○相澤重明君 一体個人の損害を、その長い期間に対する個人の損害というものを、今地方税なら地方税で地方自治体が還付をするというのであるけれども、その還付をするのはどこの欠損でまかなうのですか。これはつまり地方自治体は毎年々々予算を組んで、そうしていわゆる少い中にも住民から税金とり上げて、いわゆる運営をはかっておるのでありますが、もしそういうのが先ほど申し上げるように、たくさん事例があるということになったら、その人たちに対する損害は地方自治体自体でそれがまかないきれますか。どこの部でそれをまかなうのか、あるいはそういう財政法の建前がどこに出でおるのか、その点を明らかにしていただきたい。
#92
○政府委員(賀屋正雄君) あやまって徴税した分につきましては、そもそもがあやまちであったわけでございますので、地方公共団体としては当然還付すべきものであると思います。ただそれがその地方公共団体の財政でまかない切れないほど大きなものであるかどうかという点については、まあそういう事例はめったにないのじゃないか、これは想像でございますが……。
#93
○相澤重明君 そうすると、私は管財局長にお尋ねをしなければいかぬのですが、先ほどあなたはたくさんなそういう事例があるということをおっしゃったじゃないですか。速記録を調べてみればわかるのだが、先ほどはそういう事例もたくさんあるでしょう、こういうお話だったから、私はたくさんあるだろう、こういうことを言っておる。たくさんあるとしたならば、一体そういうものはどういう法律に基いて、財政法なら、財政法のどこにそういうことが規定してあるか、そういうことを私はお尋ねしておるのです。またそういう金額というものはどういうふうに出てくるのか、こういうことを指摘をしておるのであります。
#94
○説明員(市瀬泰蔵君) かわってお答えいたしますが、先ほどの御質問にありましたように、地方公共団体があやまって課税したものでございますと、これは地方公共団体においてそのあと始末の責を負わなければならないのでございますが、現在におきましては国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律というのがありまして、これは昭和三十一年に公布されたものでございますが、大蔵省所管の普通財産等で民間等に貸し付けしておりまして収益を生じておりますと、そういう財産につきましては国が市町村に交付金を交付するという形におきまして地方公共団体にそれ相当の金額を交付しておるわけでございます。ただいま御質問がありましたように、国有となっているものでありましても登記が完了していないものは全国各地にかなりたくさんありますけれども、これは私どもとしましては全部国有のものである、こういう観点から処理をしておりまして、そのもののうちにはかなりの面積のものは他人に貸しております。そしてその貸付料収入が上っているということに基きまして、地方公共団体に交付金として、大体固定資産税相当額の金額として算定されておるのでございますが、交付しておりますので、国有でありますものは交付金の対象になる。そしてそれをもし地方公共団体が誤まって旧地主と申しますか、たまたま登記面だけは所有者になっておる方にその所有の事実に基いて課税されたとしましたならば、それは返還されるべき、還付せらるべきものであるということでございます。
#95
○相澤重明君 きわめてだんだん明瞭になって、きたわけでありますが、そうしますというと、それらの長い間いわゆる個人に損害を与えたことは国の指導の誤りである、国が手続きを怠ったためである、こういうふうに理解をしてよろしいですね。
#96
○説明員(市瀬泰蔵君) むしろ登記面だけにとらわれずに、地方公共団体の徴税当局が事実に基いた審査をして課税をすべきものであると考えます。
#97
○相澤重明君 地方自治団体、地方自治団体というけれども、地方自治団体が大蔵省の財産になっておらなければ個人の所有と見なして税金をかけるのは当然じゃないか。大蔵省の国有財産として登記がしてあれば、これは国有財産であるから個人のところに税金をかけるのはおかしい、こういうことになる。あなたの言うのは旧軍部がいわゆる買収をしたが登記がしてなかったために、地方自治団体が税金をかけたからそれは地方自治団体の誤ちだということは筋が通らぬじゃないか。
#98
○説明員(市瀬泰蔵君) 現在の民事法におきましては、登記は不動産の場合に対抗要件にはなりましても公信力がありませんので、通常地方公共団体におきまして徴税に当っては登記面のみにとらわれることなく、現実にその土地が国の管理しておるところでございますから、その事実に基いて課税すべきものかどうか、検討すべきものであると考えます。
#99
○相澤重明君 これは今のそういうようなことで、もちろんその法律的な解釈はこれはあとで議論をするにしても、そういうことでいったならばいつまでたっても、これは先ほども私は議事録を読んだように、大蔵省は観念論にとらわれておって、実際の作業が進んでいかない、こういうことになると私は思う。私は特に今指摘をしたいのは、やはり仕事というものはその都度順序よくやっていけば、こういう問題は起らなかった。これは大蔵省はいわゆる買収をしたあるいは旧軍部の財産を引き継いだ、そういうことをすみやかに手続きをとったならば、地方自治団体もそういう手数はしなくても済んだ。また個人にも損害を与えなくても済んだ。これはいかに抗弁しようとも大蔵省がこの管理を誤まっておったということは間違いないじゃないですか。その点については白井政務次官はどう思いますか。次官の答弁を一つ求めましょう。
#100
○政府委員(白井勇君) 先ほどもお話にありました通りに、そういう何と申しますか、普通のとるべき手続きというようなものがとられずに、いろいろな複雑な状態が出てきているのだと思いますので、それだけにやはり引き継ぎました大蔵省としましても、いろいろまためんどうさがあるわけでありまして、だからといって決して大蔵省のみが管理の適正を欠いておった、こういうふうにも私は申し上げかねるのじゃないか。ただそういう何といいますか、ああいうどさくさの場合でありますからして、そういういろいろな手違いというものはおのずからあるのでありまして、そういうものを先ほど来お話のありました通りに、われわれといたしましては、できるだけ早く処理、しなければならぬ、こういうことで進めておるわけでありまして、一つ御了承願いたいと思います。
#101
○相澤重明君 まあ政務次官らしい答弁だけれども、実際にこれはもう大蔵省のやはり手続ができておらなつかたことが原因であるということは、これはもうどう抗弁しょうとも、それは私は抗弁のしょうがない。財産管理について不十分であった。従って地方公共団体も、それをまた確認をすればよかったかもしれぬけれども、それが確認ができなかったために、本人の損害になっていったということになるわけです。そこで私はまあそういう問題については、できるだけやはり大蔵省としての筋を通して、そうして先ほど松岡委員の質問に対する池田前の大蔵大臣が言ったように、どうしても大蔵省がこれは国有財産として処理をしなければならぬものは別であるが、とにかくできるだけ地方公共団体なり、あるいはまた必要でなければ、もとの人たちに返す、あるいはまた必要として申請をされる人たちに返す、こういう私は考え方に立っていいと思うのです。そういうことについては、白井次官、あなたはどういうふうにお考えになりますか。この池田大蔵大臣が言ったようなことについて、今日もそういうふうにあなたが考えているかどうか。この点についてお答えをいただきたいと思います。
#102
○政府委員(白井勇君) 先ほどから申し上げております言葉を繰り、返すようになると思いますが、とにかくさしあたりの問題としましては、実態把握というものが十分できていないものでありますから、それをできるだけすみやかにやりまして、先ほど来から御質問のありまする通りに、いろいろ実際は軍が買いましたものが登記の面においては落ちております。いろいろそういうところに複雑な問題が出てきておるわけでありまして、これがまた普通の事務のように順調に進んでおりますれば、これは台帳を作るにしましても、実態を把握するにしましても、処理をいたすにしましても、これは事は簡単にいくと思いますが、そこに問題があるわけであります。ですから、私どもの方としましては、できるだけ早く実態を把握いたしまして、そうしてされましたものは、それは先ほどからお話のありました通りに、できるだけすみやかに適正な処理をするということがわれわれの務めだと、こう考えておる次第であります。
#103
○相澤重明君 まあそういう点で、今の白井次官ができるだけ早く処理をするということで、一つここで問題を出したいと思うのでありますが、特に仕事を一生懸命やっておる、できるだけ早く実態を把握する、処分も早くする、こういうようなことをいわれておっても、実際にその気で地方の財務局なり財務部がやらなければ、私はできないと思う。実際事務の渋滞というものははなはだしい。私は昨年の八月、関東財務局に行ってみたところが、大蔵省の勤務時間は何時から何時までだかしらぬが、昼過ぎてもう一時になっても一時半になっても、なかなか担当者はいない。はたの方では、とにかくいわゆる将棋か碁かやっておって、責任ある者は外へ飯を食いに行っちゃつていて、いない。こういうようなことがやはり下部で行われるようでは、幾らあなたがうまいことを言ったところで、これはやっぱり実際に仕事ができない。そこで一つの例が、私は神奈川県の労働金庫の手続の問題で昨年八月関東財務局に出たけれども、いまだもって、そういうものを処理をしておらない。これはもう半年以上だ。だからここに私が一つの例を出したのは、戸塚市ですね。横浜市の戸塚区公田町に、旧軍部が接収をした土地がある。その土地について、これは関東財務局の三十三年三月八日の調査によると、所在は横浜市戸塚区小管ケ谷町桂町公田町としてある。口座名は旧第一海軍燃料廠、沿革は、昭和二十年十月三十一日としてあって、台帳数量には土地一一二、九二〇坪、建物が一四、五七一坪、工作物が一式、立木一、七七七本とこういうふうに書いてありますが、その中でこの旧地主の金子良吉さんという人の所有土地が横浜市戸塚区公田町字中耕地五百十番、田が四畝、そのほかに畦畔が六歩、こういうのがあって、それがこの財務部の調べによると、昭和十八年の四月一日に六百四十五円で買収をしたことになっておる。ところがこの手続が旧海軍の施設部がしておらなかったために、今日まで全部この旧所有主に固定資産税がかかっておる。たとえば昭和三十二年度の固定資産税を見ると、この人の固定資産税が昭和三十二年度に五千六百二十円で、横浜市長の命によって横浜市戸塚区長が徴収をしておる。こういう納税済みというのが出ておる。そうするとこれは十五カ年ですね、十四年幾らですか、これだけの長い期間というものはいわゆる固定資産税を徴収しておった、こういうことになる。これに対して十四年も五年も固定資産税を徴収しておったのを、先ほどの管財局長の話じゃないけれども、これは国が交付金として出しますといったところで、これは大へんなことだと思うのです。これは一つの例です。ほかにも私はそういうのをたくさん持っております。こういうようなことをしておいて、そうしてこれらの人たちが、旧軍部がなくなって現在は管財部が国鉄の寮に土地を貸しておる。そこで私は先ほど国鉄の当局に、あの建物はもう古いからいわゆるこれを改造する考えはないか、こういうことを質問をしたのでありますが、まあこまかい点については所管事項として本名でなくて東鉄であるから、これは予算面であとで調べてもらうということになると思うのです。そういうことでありますが、一応旧軍部の土地としてわずか五百円か六百円で買ったものが、つまり今日十五カ年も――とにかく昨年だけで言ってもこれだけの多くの、五千六百二十円も同定資産税を取っておる、こういうことが一体大蔵省は、ああこれは私の方でない、これは地方自治団体の責任です。こういうことで済まされるか済まされないか、こういう問題になると思う。私はそういう点を直していただかなければならぬことが一つでありますが、先ほども言うように、むしろこれらの損害については十分話し合いをして、そうして解決をするのが当然じゃないか、こう思うわけです。そういう点について、それらの長い間損害を与えたことに対して一体そういう話し合いをして処理をする方針があるのか、それとももうそれは地方自治団体のことですから、大蔵省に地方自治団体からその損害金を報告してくれば、大蔵省は全部払います。交付金の中で賄いますとこういうことになるか、一つこの点ば次官を初め、相当者に一つ答弁してもらいたいのであります。これは具体的な事例です。
#104
○政府委員(白井勇君) いろいろお調べの事例を聞きますれば聞きまするほど、こういう処理の問題というものがむずかしいものであるということは一そうその感を深くするものでありますが、だれが考えましても、まことに不合理なことだと思います。ただその対策というものをどういうふうに処理をして参りますことがいいものでありまするか、これはまたよく事務当局とも検討しなければならぬと思いますので、その点はよく事務当局にもよく検討してもらいまして、また御連絡申し上げたいと思います。
#105
○相澤重明君 事務当局はどうだ。次官の言った通りか。
#106
○政府委員(賀屋正雄君) 問題になっております土地でございますが、百三十二坪ばかしの土地につきまして調査いたしましたところ、今お話のございました金子良吉氏の父親がなくなったのでございますが、その人の名義で税がかかっておるということになっておりまして、この土地につきましては、その登記が完了いたしておらないのでございますが、御本人から昭和十八年に登記の承諾書というものも出ておりますので、この点につきましてどういうふうに処理すべきかという点につきましては、現地の財務局あるいは財務部とよく協議いたしましてその対策を決定いたしたいと思います。
#107
○相澤重明君 これはあなたは昭和十八年に登記の了承をしておるというのでありますが、そうなっておらないのだ、むしろ国鉄に貸しておって、そして実際に国鉄の建物はその上にない、これは道路のはたなんです。現地を実は私は調査してきた、陳情がきておったから現地を調査した、ところが何ら支障がない、何ら支障がなくて、しかも国鉄の家族が住んでおって、そこにはひまに飽かせて菜っぱでも作っておる、お百姓は土地をとられて、そして自分たちは百姓をやりたいとみんな言っておるのだが、取り上げられたものは大した支障のないところに菜っぱや大根が作られておる、これは国民感情としてもなかなか許されんことだ、しかもその上に本人は了承したということを言っていない、できるだけ早く払い下げてもらいたいということを言っておった。ところがなかなか財務局や財務部が言うことを聞かない、何を言うか国民はと、官僚があぐらをかいて弱い者をいじめてどんどん自分の思うことを進めていこうとした、ところが百姓でもなかなか言うことを聞かない、聞かないのでやむを得ず昨年の三十二年の十一月七日に横浜の裁判所で仮登記をした、私はちゃんと裁判所の書類を持っております。昨年われわれが国会でさんざんやって、それにやはり近いものですから、みんなよく知っておる、なるほど国有財産については私ども必要なものは当然仕方がないけれども、できるだけ大蔵大臣がそう言うのだから、これはやっぱり大蔵省もあたたかい目で見てくれるだろう、話し合いもするだろうと、こういうふうに見ておったが、何を言うておるとふんぞり返っておったから、作業が進まない、ついに仕方がなくて裁判所の仮登記を出した、こういうことをやる官僚なんだ、大蔵省がそういうやり方をすることがいわゆる人民の上にあぐらをかいておるということなんですよ、どうなんです。この登記は。これでもあなた方は仕事を、いわゆる十分に国民の意思を守ってやる、あるいは国会のいわゆる審議における意見を尊重するということが言えますか、先ほども申し上げたように、三十二年にもこの人の税金というものは、金子さんの税金は五千六百二十円、まだほかにもあります。伯耆さんという人なんかも四十三百五十円をちゃんと払っておる、ちゃんとみんな出ておる、そういうことを一つも地方の財務部なり関東財務局はやっておらぬじゃないか、それでも次官そういうふうに善良な官僚としての仕事をやったと言えますか、次官、こういう点についてあなたはどう思うか、次官からこれを一つ答弁を願いたい。
#108
○政府委員(白井勇君) 私きょうこちらに参りますにつきまして、そういう具体的なことをよく検討して参りませんでしたので、今のお話のようでありますれば、またその趣旨に沿いましてよく調査、検討いたしましてあらためて出て参りたいと思います。
#109
○委員長(高野一夫君) ただいまの相澤委員の質問はきわめて具体的な実例があげられておるわけでございまするが、幸いにして関東財務局から説明員が御出席になっておりますから、関東財務局の立場においてただいまの相澤委員の質問に対して御答弁を願います。
#110
○説明員(宮川政純君) この土地は全部で四千五百十九坪ありまして、これを当初国鉄に貸しておったんでございます。昭和二十一年四月一日以来でございます。それから昭和三十一年三月三十一日まで貸付し、その後関東財務局といたしましては、公務員宿舎用地が横浜近辺に適当なところがございませんでしたので、これを一つ候補地にしようということで、そのうちの八百九十七坪を公務員宿舎予定地として決定したわけであります。その中にただいま金子さんの土地が大部分含まれておりまして、その一部が国鉄の方にまたがっておるわけであります。そういうような現状でございまして、ただいまのところはそういうことで本省とも話を進めておりますし、昭和三十三年度において公務員宿舎を建てるべく今計画を進めております。従ってこの土地が現在未利用のままというのでなくて土地を公務員宿舎用地として利用する計画になっております。
#111
○相澤重明君 今の答弁を聞くと今度は公務員宿舎を建てるという。公務員宿舎を建てるというのは関東財務局が建てるのか、大蔵省が建てるのか、それはどうなんです。
#112
○説明員(宮川政純君) これは大蔵省が全体の、全国の公務員宿舎の総合計画をいたしておりまして、そうして関東財務局の管内においては、これこれというふうに指示がございます。それに基きまして私どもの方では適当な土地を物色いたしまして、そうしてその割り当てられた宿舎を建てるということになっております。
#113
○相澤重明君 ますますこの話はけしからない話になってくる。とにかくその土地をもと持っておった人たちが軍に四百円か五百円で強制的にとられて、そうしてもう戦後は必要がなくなったから、できるだけ早く解除をしてもらいたいという気持になっておるにもかかわらず、まあ一応国鉄に貸した、しかし国鉄は全部を借りておるわけじゃない、それは先ほどもちょっとお話が出たようにまださら地でたくさんあいておる。従ってそれに対して地元の人たちは早く返還をしてもらいたいということを言っても、今度はいやおれの方は当然大蔵省の所管だから、ここにいろいろな計画を立てるんだということであり、いみじくも三十一年からそういう計画を立てたと。これは一つ管財局長に聞くが、一体今度予算のどのくらいで建てることに決定したのか、予算を説明して下さい。
#114
○政府委員(賀屋正雄君) 公務員宿舎につきましては、御承知かと思いますが、国家公務員のための国設宿舎に関する法律という特別法がございまして、これには宿舎審議会というのがございまして、大蔵大臣が年間計画をあらかじめ作りまして、この審議会に付議いたしまして決定するものでございます。予算につきましては、昭年三十三年度におきましては、一般会計十三億、特別会計等で七億八百万円の予算を取りまして、三十三年度の公務員宿舎の設置計画をただいま樹立中でございます。
#115
○岡三郎君 もうちょっと具体的にってくれぬとわからぬ。十三億と七億八百万円でやると、それはもうすでに土地は、この公務員宿舎の土地になっておるというふうな話だが……。
#116
○説明員(宮川政純君) 予定しておるわけです。
#117
○岡三郎君 予定というのはまだ決定しているわけじゃないじゃないか、そうでしょう。何かそこでもう建つようになっているというような話に聞えますが、もっとはっきりして下さい。予定ということは予定であって、まだ決定してないんでしょう。
#118
○説明員(宮川政純君) 公務員宿舎は、まず予定地というものを本省と私どもの方で内部的に、さめるわけでございます。そしてこれがいよいよ機が熟しまして、実行の段取になりましたときに、これが行政財産として、それぞれの所管の官庁に所管がえになるわけでございます。
#119
○岡三郎君 だからそういうふうならばそういうふうなことで、そこで麗々しく言うからまた混乱しちゃうんだよ。まるで予定が決定したようになってもう動かしがたいような印象を与えるから、ますます白井政務次官の話が検討し善処しますよなんということで、いろいろ善処の仕方も検討の仕方もあると思うが、要するにこれはまだペンディングの問題として、一応そういうふうに考えておるが、未確定なものだから……。御承知のように予算もまだきまっておらぬのだから、そういうことをあまり挑発的に言うと私は工合が悪いと思う。だからそういう点は明確にして、今相澤委員が言ったように、私はこの問題についてはよくわからぬが、政務次官の方で個々の具体的な問題については未検討だから、まだここで的確にこうするという返事ができない、これは当然なんです。ただ問題は、これほどいろいろと論議されてきている中で、大蔵省としてはその実態をもうちょっと精査して、そうして政治的にものを考えて、これは感情だけじゃ考えられぬですよ。それでこの問題をどうしたらば一番いいのか、それはもとの所有者は返してくれというのは当り前だよ、戦争の前に安い金でとられて、それを返してもらいたいという気持はうんとあると思う、これは私は人情として当り前だと思う。
  〔委員長退席、理事大谷贇雄君着席〕
国の方として今度逆に財産を保管する建前として、一応こうなったからには、そう簡単には返しませんというあなた方の立場も私はよくわかると思う。だから結局相澤委員の言っておることについても十分わかるし、国の財産を管理している官庁としての大蔵省がそう簡単に言われたら、では返しますという、こういうだらしのない官庁でも私はならぬと思うわけでございます。そこで話というものは、初めて、どういうふうにすべきかという経路を尋ねて具体的な話になると思う。というのは、何年に幾らの固定資産税を取ったというけれども、その固定資産税を取った金を当時の物価をスライドしてどのくらいにその金がなるかということの、こういう計算をしてやってもらわなければならぬわけだし、その当時の四百円だか六百円だか知らぬが、その貨幣価値が今の物価に比例して、土地価格というもが何百倍――大体どのくらいのものかということになれば、そういうものを相関関係で相殺してみて、大体これくらいのものならばこういう財産になる、土地はこれくらいの金でもとへ戻してやったら一番みんながさっぱりする。国も損をしないし、本人たちも損をしない――私は公務員宿舎の土地なんというものはまだ方々にうんとあるんだから、戸塚の山の中へ持っていったら公務員がかわいそうだという考え方も二面あると思うんです。そういうことで解決の方法はあると思う。国としても、固定資産税を払ってきた方としても、幾分助平根性があったと思うんです。いっかまたこの財産は返ってくるんじゃないかという気持があったから金を払っていたんだと思う。こういう庶民の声というものも聞かなければならぬ。接収貴金属の問題にしても、政府は大財閥に対しては貴金属を返そう返そうとしている、そうしてこういうものはあくまでもダニのごとくしがみついて仮登記にして取り上げてしまう、こういうことになるならば、私はやはり政府の責任においてもとへ戻さなければならぬ、しかしそれもやはり財産を保管するという政府の責任があるから、私はこれ以上言わない。で、これは一つ具体的に国も損をしないように、それから本人の方もそう何もこれをずるくごまかして取り上げるというんじゃなくて、やはりそれに伴っていろいろ考えられている面もあるのだから、一つ私は和解を勧めるね、こういうものについては国と本人の間で。
  〔理事大谷贇雄君退席、理事平島
  敏夫君着席〕
#120
○岩間正男君 ちょっと関連して。それはやはり国民感情の面から少し考えてもらいたいね。戦時中取り上げておいて、それを国鉄の方に貸しておいて……。それが今度国有財産だからというのでこれを取り上げた、そして貸しておる。しかし一方では固定資産税をこれは払っておる、いつの間にかそこに公務員住宅が建つということは、どういうことになる。これはむろん関係者にーー当人だけじゃなくて、これの与える影響、やり方というものは少し強引だと思う。これは決してほんとうにこの国民の声を聞いてやるという政治にはならぬと思う。やはり官僚独善と言われても仕方がないと思う。私は第三者として聞いておるが、そういう印象はいなめない。そういうような政治をやるのだという印象を与えるのは大蔵省の本旨ではないと思う。むしろそうだとすれば、これはわれわれは徹底的にこの問題を究明しなければならないのだ。そういう点で、先ほどこれはよく事態を調べてやると言われたが、この点やってもらいたいと思う。それからとにかく当人ともずいぶん話し合ってみなければならない。当人を納得させることができるかどうか、納得させてないで、この問題を強引にやるということは国会は了承することができないと思う。この点も考えて答弁願いたい。
#121
○政府委員(白井勇君) 先ほど申しましたように、私は突然呼び出しをいただきましたので、具体的のそういう問題は了承してなかったのでありまして、先ほどのように、国有地になったものが、前の地主さんが固定資産税を払っておるというようなことはまことにおかしな話じゃないかと、これはまことにごもっともでしょうと、そういう点もありまするし、私としてはよく実態をさらに調査をいたしまして、これの善処をいたしたいと、このように考えております。
#122
○相澤重明君 今の白井君の言うごとく私どもも十分その点は了解をするものです。しかし私の一番根本の趣旨は、とにかく大蔵省の国有財産というものが不明確のままでは困る。それで財産の処理というものを少くとも三カ年かかって大蔵省は国有財産の所有を明らかにしていきたい、こういうねらいがあるわけです。ところがいかに本省がそういうふうに考えておっても、地方の財務局や財務部がそういうことを一生懸命やろうということにならなければ、これは三カ年が五カ年か十カ年になるかわからぬので、これは国民に対する奉仕じゃない、これが第一。
 それから第二の問題は、その問題の処理に当って、少くとも長い間国民の権利というものをしいたげておるようなことは、これはやはり直さなければいかぬことで、特にこれらの問題については私は具体的な事例としてあげたのであって、全国的にもそういうものもあるでしょうし、これは前の池田大蔵大臣が言ったように、また今日も岸内閣の方針としても、一萬田大蔵大臣の方針としても、昨年も今年も違わないとすれば、なるべくその趣旨というものは私はやはり下部の人たちにも生かさなければならぬだろう、こう思うのに、そういうことはやらぬで、ややもするとあぐらをかいてやるということについては、これは私どもは了承するわけにはいかぬ、こういうことを言っておるわけです。ですから白井政務次官の答弁で私もよく了解します。了解しますが、このことについては、私も重大な関心を持っておるわけで、いかに大蔵省は処理をするかということは、いずれ決算委員会の中で私も明らかにしてもらおうと思うのです。
 そういう点で、一つこのたくさんな土地を国鉄を初め、各官庁にも貸しておると思うのです。やはり適正な料金あるいは適正ないわゆる管理というものはやらなければならぬ、こういうことを私は付言をして、きょうは一応この管財関係については終りますが、そういう点を、これを一つ次官も今後ぜひ督励をしていただきたい、こう思うのです。
#123
○岡三郎君 私は紛争を込み入らせぬように……、公務員宿舎云々といったこと、これは将来の問題だから、これをあわててきめるようなことをして、無理に公務員宿舎にいたしましたならば、これは困ります。こういうふうな上から押しつけてくるようなやり方だけは、これは遠慮をしておいてもらいたいと思うのだが、この点は、問題は一応現状の姿をここへストップして、いろいろ調査をしてみて、そしていろいろと打開してから、これはどうしても政府のものであるというなら、それから公務員宿舎をやってもおそくないのだから……、そうでしょう。だから既成事実を作らないで、現状のままの一つの条件のもとにいろいろと調査し、話し合いするということにならぬと、どうもやっておることと、言っておることと違うという、こういうことになると心証が非常に悪くなるから、その点だけは一つ御留意願いたいと思うが、次官その点どうでしょう。
#124
○岩間正男君 関連して。白井次官の先ほどの言明がありましたので、これを信頼して当委員会としてはこれを見守り、なお近い将来に報告を受けるということを、ここで確認しておいてもらいたいと思う。この処理の仕方は一体どうなったのか、正しく当委員会の意思が反映されているかどうかということについて報告を受ける、このことを確認しておいてもらいたい、委員会で。
#125
○大谷贇雄君 小倉副総裁にお尋ねをいたしておきたいと思うのですが……。(「ちょっと待てよ。委員長、今の問題を処理してから」と呼ぶ者あり)
#126
○理事(平島敏夫君) ただいまの岡、岩間、相澤各委員からの御要求に対して、大蔵省としては委員からの申し出の通りに今後処理されることを確認されますかどうか、その点をはっきりしておいていただきたいと思います。
#127
○政府委員(白井勇君) 岡委員のおっしゃいますように、既成事実を作って云々というような考え方はございません。先ほど申し上げましたように、私は具体的の問題は全然承知しないのでございますから、よく調べまして後日御連絡申し上げます。
#128
○岡三郎君 調べただけじゃだめだ、今の点は。現状を確認して、みんなうんうんと言っているんだ、私の言っていることに。つまり現状において土地の問題がこういう状態になっている、だからまだ予算の方も一応まだ決定してないんだし、将来建設するという気持があるかもわからぬけれども、この土地を公務員宿舎にするというふうなことをあわててすることなくして、それでも十分間に合うのだから、だから既成事実を作ってやるということではなくして、一応この問題についてフェアな立場で大蔵省の方として善処してもらいたい、こういうことなんです。つまり予定するということになると、予定が今度決定になるということで、もう話し合いもへちまもないということになっては工合が悪いだろうと、こういうことを言っているわけです。
  〔理事平島敏夫君退席、委員長着
  席〕
#129
○政府委員(賀屋正雄君) ただいま公務員宿舎は予定はいたしておりましたが、公務員宿舎の予定敷地といたしまして国鉄からお返し願いましたのは八百九十七坪でございまして、ただいまの問題となっております金子さんの土地は百三十坪ばかりでございます。これはまだ実地についてよく調べてみないとわからないのでございますが、全部がこの八百九十七坪に入っておりますかどうか、その辺をよく調べてみないとわからないと思うのでございますが、まあ私どもといたしましては、かりにこれが百三十二坪が八百九十七坪に入っておるという場合におきましては、まあ公務員宿舎に現実に利用するという意はあるいは将来に延ばす必要があろうかと考えておりますが、ただ一言私から申し上げておきたいと思いますことは、この戦時中旧軍が買収いたしました土地につきましては、いろいろのいきさつがあったようでございます。値段につきましてもいろいろ問題があったかと思います。そういった点を考慮いたしますと、なるほど国民感情といたしましては、そのままもとへ、軍が使わなくなった以上はもとへ返してほしいというのは人情でございますが、管財局の立場を申し上げますれば、冒頭に相澤委員からもおしかりを受けましたように、管理の仕方がなっていない、未登記の土地もたくさんある、こういった点についてどういう方針をとっているかということにつきまして御説明いたしましたように、できるだけ実態調査を促進いたしまして、またはっきりと軍に買収されなかった事績がない限りは、やはり国有地といたしまして保全する必要がありますので、先ほどおしかりもございましたが、仮登記の申請をいたしたわけでございまして、そういった事情でございまして、やはり国有地としての管理という面からいたしまして必ずしも一概に国民感情のみから旧地主さんにお返しするということはなかなかできにくい問題である。ただ当委員会のいろいろな御意見もしんしゃくいたしまして、最終的な処理につきましては、今後十分関係者と協議をいたしましてやりたいと思います。
#130
○岩間正男君 そういうことを旧官僚が巻き返してくるということになりますと、私たちはやはり一言いっておかなくちゃならない。われわれは無理なことを申し上げていないのですよ。これはよく話し合って当人を納得させて返すことができるんなら返してもいいでしょう。しかし返すことができないという建前もあるんでしょうね。そうすれば、その問題については当人とよく話し合って納得の上でこれは進めて下さいということを私は言ったので、これを返せとか何とかいうことを強制的に私たちは干渉する権利はないわけです。ただ国民感情として了承できますか。その点を考慮して、そうしてあなたたちの一つの方針があるでありましょうから、その方針をも考えて、そうしてしかもあまり遺漏のないように、問題を荒立てないようにやってもらいたいということをわれわれは言っているので、それに対してあなたがまた警戒線を張って何かおかしいことを巻き返してくるので、これは白井政務次官がせっかくこの問題について再検討するという当然政治的な立場からこの問題についてとにかく妥当な、国民が納得する、国民感情を刺激しないという線において、これは公明な解決をすることをわれわれは期待したから、このなにを了解したわけです。しかしあなたが何かそういうことを言い出すというとかえって荒立てることになるのでありますから、私たちはただ当委員会として、これだけ関与してみんなが熱心に論じた問題でありますから、当然この問題については事後処理の問題について、できるだけ早い機会において当委員会に報告をいただきたい。これまた当然だろうと思う。それについてこれははっきり了解していただければいいのじゃないかと思います。そうでしょう、当委員会の意向は……。そういうことならまとまるのじゃないか。それについて報告をこれは政務次官にお願いしておきます。
#131
○政府委員(白井勇君) 御趣旨はよくわかりましたから御報告申し上げたいと思います。
#132
○岡三郎君 とにかく話のわかったように言っても何かかんか言い返すわけだから、私は管財局が国の財産を持っておるのは当り前だと言っておる。ただし国として接収貴金属のようなものについては、これは名前のわかったものについては返すという、金で。こういうことを一方でやりながら、こういうふうなかわいそうなお百姓きんたちがこういうことを言っておるのを、あなたたちはどう考えるかということを言っているわけです。だから私は国の財産をみんな言われてから、ごそごそ返せということを言っているのじゃない。ただ問題は今こういういろいろな手違いになっている、だからどんどんどんどん国有財産の整理をしてもらうことは賛成なんです。ただ問題は相当期間にわたって固定資産税をとってきたようなものもある。しかしこれはいわゆる地方当局の手落ちだと言ってしまえばそれまでだけれども、そんなふうないろいろな事件がそこに介在しているから、あまり混乱させぬように現在の事態の中においてどうしたらいいかということを十分調査して、当局として、政務次官の方として、これに対するところの善処を要請しておるわけです。そうしてその結果をここで報告してもらいたいということを筋を通して言っているわけなんですよ。やみくもに何でもかんでもこれを返さなければいかぬということを言っておるのじゃない。だからそういうふうな点で話のわかるように話をつけてもらったらどうか、こういうことを言っておるのだから、原則論にかえって国の財産は私たちの責任でございますからというようなことを言う、そういうふうな巻き返しはやめてもらいたいと思って言ったわけだが、この点は政務次官よろしいですな、趣旨はわかったな……。
#133
○政府委員(白井勇君) 御趣旨はよくわかりましたから調査いたしまして、その結果によりまして御報告いたします。
#134
○相澤重明君 私はだから実は本日の決算委員会でも関東財務局長と横浜の野毛の財務部長を参考人として呼ぶ。実は政府委員なり説明員として呼んではいかん。もっと究明しなければならぬ問題がある、こういうことを理事会で言ったのだ。ところが高野委員長は、そう言わなくても、白井君もいることだし、まあ一つ何とかして本委員会として良識をもってやれば話はつくんじゃないかと、こういう話で来たから、私は、それなら委員長に一つまかすということで来たわけだ。私はもちろんこういう悪い例というものを残してはいかぬ。国有財産の整理というものがはっきりできておらぬ。これは大蔵省の役人がやはりそういう誠意をもって処理しておらないから、結局はいくら大臣が国会で答弁をしても、すなおにそのことが行われておらない。そういうことを私どもは、これは公務員であるけれども、場合によれば、これは参考人として呼び、そうして質疑の中においていけなければ、この前の農林中金の問題と同じように、証人として喚問すべきである、こういう私は実は主張をしたわけです。理事会で……。しかしまあ私は岡野委員長の立場というものを十分了承して、そうしてまあ大蔵省から事実の説明を求めて、そうして私どもはできるだけ協力していこう、こういうことを言っておるのであって、一つも何も元の土地の所有者であるから、これは必ずしも返さなくちゃいかんということを言っておるのじゃない。一つもそんなことを言っていない。けれども、そういうことを、ややもすれば、いわゆる、大蔵大臣なり次官が言ったことを事務当局がごまかしていくと、こういうことについては、われわれはこれはなかなか了承できない。またそういうことを私どもは正しくあり方をきめていくというのが本決算委員会だ。だから先ほども言ったように、決算委員というのは、別に各省庁の大臣なり、担当者に私どもは説明を求めるのじゃなくて、私どもは裁判官のつもりで、国民の財産がどう正しく実は運用されておるか、あるいは大蔵省としては国有財産はとう管理されているか、こういうことを私どもは本決算委員会で調べなきゃならぬ。こういうことを筋を通して言っているわけです。それにもかかわらず、そういうふうなことをやるのならば、これは、委員長、私は白井政務次官の言ったことを信用しているから、私どもは黙っておったが、私どもは了解すると言ったけれども、この結果いかんによっては財務局長と財務部長を参考人として呼び、場合によったならば、証人として切りかえて――私はそれまでの強硬意見を持っておったけれども、本日は次官の一応の言明を私は良識あるものとして了承をいたします。
#135
○島清君 関連して。私はちょっと五分ばかり時間を頂戴いたしまして、私は実はせっかく大蔵省の管財の諸君が見えられたので、いろいろ聞こうと思っておりましたが、今まで機会がございませんので、後日の適当の機会にお聞きしたいと思いますので、三点ばかりちょっと資料の御提出を願いたいと思います。
 それは今あなたの方が国有財産の処理を急いでおられるようなことを言っておられましたが、急ぐことも大へん必要でございますけれども、その処理の経過については慎重でかつまた国民が納得するような処置でなければならないと思います。その意味におきましてくず化物件がかなりあると思います。それが私たち聞くところによりますると、二十万トンくらいあるといわれておりますが、その処理の方式の仕方があなたたちはA、B、Cと、こういう工合にカルテルを作らせまして、そこに払い下げておられるようですが、これなんかも国民は納得しないと思うのです。そこでそのくず化物件の処理の方針について、なぜそういったような三段階に分けて、カルテルを結成させて、そして指名入札みたようなことをやらしているかということと、さらに将来もそういうふうにいきたいのか。今までのそのやり方については、是正の方針があるかどうか。さらに今まで、こういったようなカルテルに、どのくらいの物件を払い下げて、そして他にはどういうふうな払い下げの処理がされたか。この方式についてお尋ねしたい。
 もう一点は神奈川の関係の財務局の方がここへおられますので、追浜とそれから田浦の協同工作株式会社ですか、こちらの方が大蔵省から借りておられる土地で賃貸、また貸しをされているのがあるはずです。片方は一万坪、それに相当の建物が建っている。片方は二千坪、それに相当の建物が建っている。そういうことで、それがどういう形で賃貸借されて、さらにまた転貸をさせておりまするこの実情についてどういうふうになっているか。今後の処理の方針についてどういうふうにされようとするのか、これが一点。
 もう一点は東京のどまん中で、今あなたたちが公務員宿舎の話をしておられましたが、公務員宿舎などをお作りになりまするのに、この辺が一番適当じゃないかと思われるのですが、浜離宮の前にありまする土地のことです。それは築地青果株式会社に払い下げておられまするほか、確かに四、五件だと思いますが、所は鉄座東で八丁目十九番地二十四で、これが三百八十四坪、払い下げられております。さらに同じようなので、銀座東八丁目十九番地二十六、これが千三百七十坪払い下げられております。さらに銀座東八丁目十九番地二十一、八十一坪、それからやはり銀座東八丁目十九番地二十、これが百八十五坪、さらに銀座東八丁目十九番地十二に二百四十五坪ですか、こういう工合に分れて払い下げをされているようですが、これは随契になっております。そしてこれはそれぞれ払い下げをされた会社、どういう目的で払い下げの申請があり、さらにどのような形で払い下げを実現し、さらに今はどういう工合にその土地が使用されているか。そしてその目的と現在のあり方と符合するかどうか。さらにそれぞれ払い下げを受けました会社の名前、資本の額、その払い下げの申請をしたときから、今までの重役の氏名、さらに業態、さらに業績、こういうようなことについて明細御報告を、資料の御提出を願いたと思います。そしてその次には適当な機会に私はこれを中心にいたしまして御質問を申し上げる所存でございます。
#136
○委員長(高野一夫君) ただいまの島委員の資料を要求いたします。御善処願います。
#137
○大谷贇雄君 大へん時間がおそくなって、同僚各位のごめいわくでありまするが、この際お尋ねをさせていただきたいと思います。
 第一点は、今ちょうど大蔵省当局がきておられまするので、これまた詳細なる資料をお願いをいたしたいと思うのでありますが、それは愛知県の春日井市に名城大学いう大学がある。名古屋市内に本拠があって、名古屋市内の方は、昭和区の駒方町に広大な建物があって、それも名城大学の校舎になっている、さらに春日井市の何万坪、十万坪ぐらいあるのじゃないかと思うのですが、それが名城大学農学部という、生徒は一人か三人おるかしりませんが、とにかく、各種学校であったものが、急速に戦前に専門学校にいつのまにかなり、それから戦後名城大学という大学になりまして、今だいぶもめておるわけですが、そのために、春日井市の発展を阻害いたしておる、こういうふうなことを聞いておるのであります。私ども、実は地元の一人といたしまして、一体管財局は、ああいう膨大なものを名城大学にだけ、むろん金のあるはずはないから売却したのではなかろう、おそらく貸しておられるのだろうと思うのですが、今日春日井市は、王子製紙等が参りまして、平和産業の都市として非常に発展をいたしておるのにもかかわらず、そういう大学等が、これは学生が一ぱいおるならいいですよ。それでなしに、単に敷地として使用させておるという点につきまして、これは非常にみんなが、一体大蔵省というものはどういうだらしのないずさんなことをしていなさるんだという印象を持っております。従いまして、これの詳細なる経緯並びに今日使われておりまする状況等、島委員と同じように、詳細なる一つ御報告をこの際お願いをいたしておきたいと思うのです。
 さらに、小倉副総裁にお尋ねを申し上げたいのですが、と申しますのは、先般の静岡鉄通管内におきまするところの無賃ホテル列車の件につきまして、その後御報告を受けておりませんが、損害賠償か、あるいは追徴金にするかということはまだ未定である、なおまた、信賞必罰の精神に沿って、優良なる職員に対しては表彰もどんどんするし、かくのごとき者に対しては大いに処分をするということで、今後大いにかくかくの不祥事が起らないように格段の努力をいたしますという御答弁でありましたが、その後の処置をお尋ねいたします。
#138
○委員長(高野一夫君) なお、大谷委員に御了解願っておきますが、ただいまの意つきましては、国鉄の方から私の方に御連絡がございまして、かくかくの処分をしたという御連絡がございましたが、これは適当な機会があると思いまして、その席で当局から説明を願った方がよかろう、こういうことで当局に指示を申し上げておきましたから、今申し述べられた点につきましては、さような経過でございますので、あしからず御了承願いたいと思います。
#139
○説明員(小倉俊夫君) 寝台車の不当使用事故につきましては、東鉄局長斎藤治平、厳重注意。東鉄運転部長徳永勝、訓告。東京鉄道局営業部旅客課長原田種達、厳重注意。東鉄運転部客貨車課長浜田一男、訓告。同じく客貨車課蓮見徳太郎、訓告。同じく客貨車課福山文三、減給四カ月十五分の一。東京品川客車区長仲野義孝、減給三カ月十五分の一。静岡鉄道局長広瀬真一、訓告。静岡運転部長和田勇、戒告。静岡運転客貨車課長多田袈裟雄、減給四カ月十五分の一。静岡運転客貨車課桐田良三、戒告。同じく上野岩男、減給三ヵ月一十五分の一。国労客貨車協議会副議長池田辰雄、減給三カ月十五分の一。国労静岡客貨車協議会議長鈴木貞一、減給三カ月十五分の一、以上の処分をいたしました。また、損害賠償は十五万円余収受いたしました。
#140
○大谷贇雄君 そこで、その問題につきましては、損害賠償ということに、追徴金ということでなしに、損害賠償ということですでにその金は入ったと了承していいわけでございますね。
#141
○説明員(小倉俊夫君) よろしゅうございます。
#142
○大谷贇雄君 そこで、副総裁は今後再びかようなことを繰り返さぬように、不祥事の起らぬように特段の努力をいたす、綱紀粛正をいたすというお誓いでございましたが、昨日の新聞を見ますると、新潟県におきまして、乗車証を偽造をして、そうし、それが発見されたということが、おとついもきのうも二回にわたって大々的に各新聞に報告をされておりますが、この間の事情を一つ御説明願いたいと思います。
#143
○委員長(高野一夫君) 時間がございませんので、きわめて簡潔に願います。
#144
○説明員(小倉俊夫君) 事件の概要は、三月八日に、新潟駅において、新潟地方本部の者二名が職員証明書を提示して出場しようとしたのを集札口で発見いたしました。これからは正当運賃を収受いたしました。次に、三月九日におきまして、これも新潟の地本書記長が職員証明書を提示して出場しようとしたのを改札係が発見しまして、取り調べましたが、後日支払うということで了解を求めて当人は帰りましたが、証明書は、職務定期乗車証に類似してはおりまするが、これが偽造に当るかどうかということにつきましては、まだ議論がございます。そのほか印刷所、枚数、時期等については、現存のところまだ明らかにはなっておりません。
#145
○大谷贇雄君 これは、あなたの先般の特段の配慮、注意をするということの御明に対しまして、はなはだ遺憾な次第でございます。これは、今お話では、地方本部の人だと言われましたが、これは国鉄の職員なんですか。
#146
○説明員(小倉俊夫君) 前に申し上げました両名は、これは組合の書記でございまして、職員ではございません。あとで申し上げました一名は、元職員でございましたが、ただいま解雇を受けておりますので、鉄道職員ではございません。
#147
○大谷贇雄君 そうしますると、これはゆゆしい問題だと思うのですが、職員にあらざるものが職員の証明書を持っておったということは、一体それは、あなたは今偽造かどうかが疑問だと仰せになった。類似をしているということになれば、明らかにそれは本物の証明書でなしに、偽造されたる証明書ということは明らかでありませんか。
#148
○説明員(小倉俊夫君) ただいま申し上げましたのは職員証明書でございまして、これは組合は別の考えを持ちまして、解職を受けた者でありましても、まだ職員であるという見解を組合の方は持っております。私の方は、それは組合員でないということで、ここで見解の相違がございます。また偽造その他と、偽造について申し上げましたのは、偽造ということは、これは乗車証として発行しておるものかどうかということは、これはわかりません。組合では職員証明書であるということでございますから、乗車証の偽造ということについてはいろいろ疑問があります。こう申し上げておるのであります。
#149
○相澤重明君 関連質問。副総裁にお尋ねをしておきたいと思うのですが、あなたは今、大谷委員の御質問に対して、職員の証明書というふうに言われておりますが、国鉄職員のいわゆる乗車証にかわる証明書を、あなたは今言われたというふうに私は記憶するのでありますが、その通りでありますか。
#150
○説明員(小倉俊夫君) 私の言葉が足りませんでしたが、職員証明書と書いてございまして、この中に、記入事項として、右は国鉄労働組合職員たることを証明すると、こう書いてございます。
#151
○大谷贇雄君 そうしますと、国鉄労組の職員たることを証明す、というので、無賃乗車ができるのですか。
#152
○説明員(小倉俊夫君) それはできません。
#153
○大谷贇雄君 そこで、できないものを、そうしまするというと、欺瞞をして乗っておったと、こういうことでありますか。
#154
○説明員(小倉俊夫君) 国労としましては、これは身分証明書であって、乗車の目的をもって発行したのではないと、こういう弁明をいたしております。しかし、それを行使して列車に乗り、場外に出ようとした者は、これは不正乗車になるわけでございます。
#155
○大谷贇雄君 そういうような国鉄労組の職員の証明書で不正乗車をしておるということは、これは容易ならざる実は問題であると思うのであります。そこでですね、先ほどのお話では、印刷所等を調べておるというようなお話でありまするが、一体どれくらい発行というものがされて、どのくらいそれによって乗っておるという御推定でありますか。
#156
○説明員(小倉俊夫君) そういうことを、ただいま調査中でございます。
#157
○大谷贇雄君 私は、先般来、静岡のホテル無賃列車の問題につきまして、国民が非常な疑惑を持っておる、また再びかしょうなことが行われまするならば、国民としては汽車賃を払って乗るというようなことに対しまして、私はこれはすまぬというような感じを深くいたします。国鉄の職員の方々は、私は、先般も申しましたように、きわめて勤務がりっぱでありまして、私は、自分のことを申して恐縮でありますが、先代の応分から国鉄には深い関係を持っておりまして、常に感謝をいたして、日本の列車というものが一分一秒も違わぬ、世界において、最もすぐれておるということに関しましては、欧米各国を歩いて、私は痛切に感じ、感謝をいたしておるものでありまするが、たまたま先般の職員といい、今度は職員ならざるものが、その職員証明書を示して乗っておったしいうようなことは、これは国鉄の収入の面からいたしましても、私は容易ならざる問題であって、国民の疑惑をこの際はっきりととっていただきたい。副総裁が言明なされたように、もしそういうのがたくさん広がって、無賃不正乗車をしておるというようなことは断固取り締っていただいて、国民の国鉄に対する信頼の深いのを失墜することのないように、また国鉄のこの収入がそのことによって減ることのないように、一つ十分な御戒心をお願いしておきたいと思います。小倉副総裁の御所見をお伺いいたします。
#158
○説明員(小倉俊夫君) まことに不徳のいたすところで申しわけございません。この件に関しましては、早速国労本部の役員とも話しまして、こちらからはすみやかに全部回収するように申し込んでございます。また今後につきましても、不正乗車のないように十分取り締って参りたいと、かように考えております。
#159
○岩間正男君 やはり国鉄には国鉄の習慣があり、これはいいか悪いかは別問題として、今まで容認されてきたそういうような問題がいろいろあるのじゃないかとわれわれ聞いておる。この問題だけ、何か突如として取り上げてくるという形で、この問題が当委員会で論議されておるわけですが、全般的にそういう問題を検討するという考えの上に立って、この問題は一体考えておられるのですか。副総裁はどうなんです。この問題だけ何か質問があって大騒ぎしておるが、われわれとしては全般的なそういう見解の上に立たなければこの問題は解決できないのだから、部分的にこういう形で取り上げることについては、必ずしも私たちはその時期がきていないのじゃないか。新聞でたまたま一つ二つの問題が出て非常に大きくなったわけです。そういう点で、これは当委員会でもし取組むのならば、もっとやはり一つの政策論議として、広範な問題として後日に譲っていただきたい、こう思うのです。
#160
○岡三郎君 関連して。もうだいぶ時間がたったから……。私は不正乗車はもちろんけしからぬと思うのだが、国鉄が堂々と無料パスを出しておるわけだな。無料パスを出しておるみんなの目録を出してもらいたい。これの資料をお願いいたします。無料パスで堂々と乗っておる人がある。無料パス全部の目録を出してもらいたい。国会議員を含めて全部の……。これを出してくれなかったら、どうしようもない。
#161
○説明員(小倉俊夫君) この問題につきましては、先ほど申し上げましたように、まだ調査もできておりませんし、どういう事犯でありますか、こういうことも調べまして、国労の幹部とも話し合いまして、この問題は善処いたしたいと、こう考えておりますので、また私の不徳のいたすところはごかんべん願いまして、これ以上いじめていただかないようにお願いいたします。
#162
○岡三郎君 今の答弁けしからぬよ。今、小倉副総裁はどういう気の回し方か知らぬが、いじめるわけじゃなくて、この際やはりそういうふうな問題が一応指摘されたのですから、今度は逆に国鉄経理にとって相当の重荷を背負っているというふうにわれわれ開いているところの、いわゆる無賃乗車証だ、これを出しているわけなんだから、明確に。だからこれを全部その目録をずっと出してもらいたい。これだけは冗談話ではなくて、これは委員会として要求するのだから、委員長、要求してもらいたい。いじめるどころではない。これを縮小すれば国鉄の収入はふえるのだから……。
#163
○相澤重明君 私もこれは大事なことだと思いますから、警察官がどのくらい交通費を払っておるか、消防官がどのくらい払っておるか、そういうものを全部資料として提出してもらいたい。それはどうしても、これはやはり国鉄の財政の上から大きな影響があると思う。今、大谷委員の質問では新潟地方本部の問題を国鉄職員というようなまぎらわしい言葉で、あとは訂正をされましたけれども、これは私はやはり重要な問題だと思う。日夜とにかく毎日一人ぐらいずつは亡くなる人もあるし、けがは何十人、何百人という大ぜいの人が負傷して、とにかく日夜励んでおる国鉄職員の立場に立って、そして考えていけば、今の若干の問題はあるにしても、とにかくそのことだけが国鉄経営の面に大きく取り上げられる、こういうことは絶対私は許せない。だから国鉄経理の中で必要だとされるそういう無賃乗車証を全部出してもらう。それから警察官なり消防官なりの通勤費がどういうことになっているか、そういうことを全部資料として提出してもらいたい。いずれこの本決算委員会で議論しましょう。そういうことでその資料を一つ委員長、要求しておいて下さい。
#164
○委員長(高野一夫君) 委員長から申し上げますが、小倉副総裁の大谷委員に対する御答弁がございましたけれども、新潟の問題につきましてはまだ国鉄として十分御調査ができていないやに察しますので、この点は新聞記事とか何とかいうことでなく、現地において十分真相をお確かめ願いたいと思います。なお資料については、ただいまの岡委員、相澤委員の資料は、どうぞできる範囲において御提出を願いたいと思います。なお、相澤委員の最後の御要求の資料には非常にむずかしい問題があろうと思いますけれども、できるだけ資料を拠出していただきたいと思います。
#165
○岡三郎君 ちょっと今、委員長できるだけとおっしゃいましたけれども、どういうわけでできるだけと言ったか知らぬが、私は現実に無料パスはでたらめに出しておるというふうには考えておりません。これは明確に控えて出していなければ大へんな問題ですよ。これは当然帳簿があると聞いておりますし、だから帳簿に載っておる通りの発行部数、それからそれに伴うところのカタログじゃないけれども、一覧表をずっと出してもらいたい。私はこれを見て国鉄経営に協力したいと思いますから。
#166
○委員長(高野一夫君) 私が要求いたしました発言の内容は、岡委員の資料は作成できると思いますけれども、相澤委員の最後の資料は、警察官のどうこうというようなことは簡単には資料の作成がむずかしかろうと、こう思いますので、この点は十分国鉄の方でも御調査の上、できるだけ資料を作成願いたいと、こういう意味で申し上げました。
#167
○説明員(小倉俊夫君) 委員長のお言葉の通りにいたすことにいたします。
 なお、先ほどの私の発言中不穏当なことがございましたのはここで取り消しておきます。
#168
○委員長(高野一夫君) 本日の質疑はこの程度にとどめたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#169
○委員長(高野一夫君) 次回の国鉄に関する審議は来週月曜日三月十七日午後一時から行います。
 なお、本委員会の次回は三月十四日金曜日午後一時から農林中央企画の問題につきまして政府に対する質疑を行います。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後五時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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